JP2004341993A - 処理システムにおけるアラーム方法及びアラーム装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理システムでアラームが発生した場合、経験の浅い使用者でも復帰方法の判断に困らず、復帰措置が容易であり、またアラームIDのリソース不足を解消することのできるアラーム方法及びアラーム装置を提供することにある。
【解決手段】処理システム19の被アラーム対象からアラーム信号が下位コントローラ14に入力されたときに、上位コントローラ12が下位コントローラ14からの通知に基づき、アラーム情報データベース13を検索して、当該アラーム信号に対応したアラーム名称をアラーム情報として得ると共に、予め設けた埋め込み用の語句ファイル17からアラーム元が指示するアラーム部位の語句を読み出して、この語句をアラーム名称と合成し、その合成された表示内容の復帰方法をモニター11にボタン表示させ、このボタンを操作することによりアラームの復帰を指示可能とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、処理システムで発生したアラーム信号に対応するアラーム情報を出力する処理システムにおけるアラーム方法及びアラーム装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体ウエハや液晶表示器用ガラス基板などの被処理物に所要の処理を施す各種の処理システムにおいて、システムの異常状態を検知してアラームを発生する方法が採られている。例えば、半導体ウエハの塗布、現像などの処理システムにあっては、レジスト塗布装置、現像装置、基板搬送装置などの各部の状況をセンサで検知し、異常時にはセンサがアラーム信号を発生し、このアラーム信号に対応するアラーム情報を記憶装置のアラームファイルから読み出して、モニター、シグナルタワー、ブザー等の出力装置に出力する方法が知られている。
【0003】
図9に、従来のアラーム装置の構成を示す。アラーム装置は、モニター11、上位コントローラ12、及び下位コントローラ14から構成される。
【0004】
モニター11は、例えばタッチパネル入力式であり、タッチペン等の入力手段11aを備えており、表示したアラームの復帰方法を選択可能となっている。
【0005】
上位コントローラ12はメインコントローラであり、アラーム情報(アラーム復帰方法、アラーム名称のID、アラーム詳細のIDなど)を登録したアラーム情報データベース13を備える他、アラーム名称(の文章)表示用の名称ファイル15と、アラーム詳細内容表示用の文章ファイル16を備える。
【0006】
下位コントローラ14は、処理システム10の被アラーム対象であるモジュール18−1,…18−nのコントローラ(モジュールコントローラ)である。処理システム19は、ここでは半導体ウエハの処理システムであって、半導体ウエハに対して種々の処理を行う複数個の処理ユニットと、これらの処理ユニットに対し基板の搬送を行う基板搬送装置(図5の基板搬送装置21参照)などを備えている。図9のモジュール18−1,…18−nは、この処理ユニットや基板搬送装置等をそれぞれ一ブロックとして表したものである。
【0007】
図10に、モジュールからアラームが発生した場合のアラーム処理の流れを示す。
【0008】
上記の各モジュール(処理ユニットや基板搬送装置等)18−1,…18−nには、異常状態を検出するための各種のセンサ(図示せず)が設けられている。モジュールでアラームが発生した場合、各センサの検出信号は、当該モジュールを制御する下位コントローラ(ブロックコントローラ)14に送られ、ここで各センサごとに個別のアラームID(識別)、すなわちアラームコードに変換される。アラームコードは上位コントローラ(メインコントローラ)12に送られる(図10のステップ(a)〜(b))。上位コントローラ12は、このアラームIDに基づき、アラーム情報データベース13を検索して、復帰方法、名称のID、詳細のIDなどのアラーム情報を読み出し、これを一覧表示画面部分と、復帰方法選定ボタン、詳細画面移行ボタン等のソフト的なボタン表示画面部分とを含む画面形式に整えてモニターに表示する(図10のステップ(c)〜(g))。後者のソフト的にボタンの形で表示される復帰方法には、「処理続行」、「再試行」、「処理中止」、「材料除去」、「表示削除」があり、アラームが発生した場合、これらの復帰方法の選択ボタンが、そのまま一個又は複数個、モニターにソフトキーとして表示されるものである。
【0009】
装置使用者は、モニター11に表示されたアラームの内容を元に復帰方法を判断し、表示された「処理続行」、「再試行」、「処理中止」、「材料除去」又は「表示削除」のうちのソフトキーのうち、該当するものを押すことにより、アラームの復帰方法を指示する(図10のステップ(h))。
【0010】
上位コントローラ12は、モニター11から入力手段1により指示された復帰方法を含めた復帰指示を、アラーム発生元であるモジュール18に対して行う(図10のステップ(i))。
【0011】
モジュール18が上位コントローラ12から通知された復帰方法を基に、アラームの復帰動作を行う(図10のステップ(j))。
【0012】
なお、上記のようなアラーム装置においては、バージョンアップや特殊アラーム仕様の追加等の変更があった場合、アラーム情報データベースのアラームファイル全体を書き換えて作り直す必要があり、これを不要とするよう、アラームファイルを工夫することが行われている(例えば、特許文献1参照)。この技術は、標準的なシステム,顧客等を想定した標準アラームファイルと、個々のシステム仕様毎ないし顧客毎の特殊アラーム仕様に対応した特殊情報ファイルとを用意し、同一のデータ項目(例えば、アラーム解除情報、アラーム名称など)については、特殊アラームファイルの内容を優先し、その内容を標準アラームファイルから検索されたアラーム情報に上書きして、最終的なアラーム情報を作成して出力するものである。
【0013】
【特許文献1】
特開平9−73592号公報(特許請求の範囲、図4)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、半導体ウエハ処理システムにおけるアラーム装置においては、上位コントローラと通信可能な下位コントローラが複数存在し、上位コントローラが、アラームの復帰方法をタッチペンで操作入力可能なモニター(表示機器)と、アラーム情報を管理するデータベースを持ち、下位コントローラからアラームが発生した場合、アラーム情報データベースで予め決められた復帰方法をモニターにボタン表示させる。ここで、モニター上には「処理続行」、「再試行」、「処理中止」、「材料除去」又は「表示削除」といったアラーム復帰ボタンが一個又は複数個表示される。
【0015】
そして、従来のアラーム装置の場合、オペレータは、表示されたアラームの情報を確認し、装置の状態や処理の状態により、表示されたアラーム復帰ボタンのうちから、適切な復帰方法と判断されるものを押す(モニターへタッチペン入力する)ことで、復帰方法を選択し指示して、アラームの復帰動作を行ってきた。
【0016】
しかしながら、かかる方法では、下位システムの状態に応じて、オペレータが適切な対処を判断することが難しい場合があった。例えば、基板搬送装置におけるモータが過負荷の場合、当該基板搬送装置にはX軸、Y軸、Z軸にそれぞれ独立したモータが使用されているため、これに対応したアラーム復帰が要請されるが、上記の「処理続行」、「再試行」、「処理中止」、「材料除去」又は「表示削除」といったアラーム復帰ボタンの1又は2以上が表示されるという方法では、経験の浅い使用者の場合、いずれの復帰方法を取れば良いのか迷うことになる。
【0017】
また、モジュールの処理ユニットは通常カバーで覆われており、内部の状態を知るためにはカバーを外す作業が必要になる。また、カバーを外して内部の状態を確認するといった作業が困難な場合もある。
【0018】
この問題の解決策の一つとしては、従来行ってきたように、例えばアラーム復帰方法ないしアラーム復帰ボタンの種類を増加させることが考えられる。しかし、これでは、下位システムの状態によりアラームの復帰方法を変更する場合、一つのアラームを別のアラームとして扱うことになり、同じ意味(名前)のアラームが複数存在することになる。また、処理システムのアラーム数が慢性的に肥大するという問題を抱えており、処理状態により復帰方法が変わるための新規アラーム追加は、極力これをなくすことが望まれている。すなわち、アラーム情報データベースには既に数千件のアラームの情報を保持するようになっており、将来的なアラームの追加に対して、いかにしてソフトウエアのアラームIDのリソース不足を解消するかが、上位システムのソフトウェアでの課題となっている。
【0019】
そこで、この発明の目的は、上記課題を解決し、処理システムのモジュールでアラームが発生した場合、アラームの発生元からそのアラームの復帰方法の一部の指定情報を獲得することで、経験の浅い使用者でも判断に困らず復帰措置が容易である、処理システムにおけるアラーム方法及びアラーム装置を提供することにある。
【0020】
この発明の他の目的は、処理システムのモジュールでアラームが発生した場合、アラームの発生元からそのアラームの復帰方法の一部の指定情報を獲得し、これを基に復帰方法を作成することで、アラームIDのリソース不足を解消することのできる処理システムにおけるアラーム方法及びアラーム装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明は、次のように構成したものである。
【0022】
請求項1記載の発明に係る処理システムにおけるアラーム方法は、処理システムの被アラーム対象からアラーム信号が下位コントローラに入力されたときに、上位コントローラが、下位コントローラからの通知に基づきアラーム情報データベースを検索して、当該アラーム信号に対応したアラーム名称をアラーム情報として得ると共に、予め設けた埋め込み用の語句ファイルからアラーム部位の語句を読み出して、この語句をアラーム名称と合成し、その合成された表示内容の復帰方法をモニターにボタン表示させ、このボタンを操作することによりアラームの復帰を指示可能とすることを特徴とする。
【0023】
請求項2記載の発明に係る処理システムにおけるアラーム方法は、処理システムの被アラーム対象からアラーム信号が下位コントローラに入力されたときに、これを上位コントローラに通知し、上位コントローラが、アラームの復帰方法、アラーム名称などのアラーム情報を記憶したアラーム情報データベースを検索して、当該アラーム信号に対応したアラーム情報を読み出し、そのうち復帰方法については該当する一又は二以上の復帰方法をモニターにボタン表示させ、このボタンを操作することによりアラームの復帰を指示可能とした処理システムにおけるアラーム方法において、上記アラーム情報データベースに登録された復帰方法をボタン表示すると使用者において復帰指示の適切な判断が難しくなる関係にある特定のアラームが発生した場合に、上位コントローラが、下位コントローラからの通知に基づき、上記アラーム情報データベースからアラーム名称を得ると共に、予め設けた埋め込み用の語句ファイルからアラーム部位の語句を読み出して、この語句をアラーム名称と合成し、その合成された表示内容の復帰方法をモニターに表示させ、復帰指示を可能とするものである。
【0024】
復帰指示の適切な判断が難しくなる場合とは、例えば復帰方法を二以上ボタン表示することが必要となるような場合では、かかる特定のアラームIDについて、それらを予めアラームの管理リストに掲げておくことで判断することができる。
【0025】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の処理システムにおけるアラーム方法において、上記アラーム部位の語句と共に部位特定名称の語句を読み出し、これらを上記アラーム情報データベースから得たアラーム名称と合成して、その合成された表示内容の復帰方法をモニターに表示させ、復帰指示を可能とすることを特徴とする。
【0026】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の処理システムにおけるアラーム方法において、下位コントローラが、処理システムの被アラーム対象からアラーム信号が入力されたときに、これをアラームIDに変換して上位コントローラに通知し、上位コントローラが、アラーム復帰方法、アラーム名称などのアラーム情報を記憶したアラーム情報データベースを検索して、当該アラームIDに対応したアラーム名称IDを読み出し、このアラーム名称IDに基づき、予め設けたアラーム名称ファイルからアラーム名称を読み出し、予め決められたルールで文章の一部が変数として虫食い状に作成されたアラーム名称の定義文を作成し、他方、予め設けた埋め込み用の語句ファイルからアラーム信号に対応したアラーム部位や部位特定名称等の語句を読み出し、この語句で上記アラーム名称の定義文の虫食い状に書かれた部分を更新し、その更新後のアラーム名称の定義文を復帰方法としてモニターに表示させ、復帰指示を可能とすることを特徴とする。
【0027】
請求項5記載の発明に係る処理システムにおけるアラーム装置は、処理システムの被アラーム対象からアラーム信号が下位コントローラに入力されたときに、上位コントローラが、下位コントローラからの通知に基づきアラーム情報データベースを検索して、当該アラーム信号に対応したアラーム情報を出力するように構成した処理システムにおけるアラーム装置において、上記上位コントローラに、アラーム名称表示用の名称ファイルの他にアラーム名称埋め込み用の語句ファイルを設けると共に、上記名称ファイルからアラーム信号に対応したアラーム名称を読み出す手段と、読み出したアラーム名称を用い、予め決められたルールで一部が変数として虫食い状になったアラーム名称の定義文を作成する手段と、上記語句ファイルからアラーム信号に対応したアラーム部位や部位特定名称等の語句を読み出す手段と、この読み出した語句で上記アラーム名称の定義文の虫食い状に書かれた部分を更新する手段と、その更新後のアラーム名称の定義文を復帰方法としてモニターに表示させ、復帰指示を可能とする手段とを設けたことを特徴とする。
【0028】
<作用>
アラームが発生した場合、従来の処理システムのアラーム装置においては、モニターに復帰方法が複数ボタン表示されることがある。この場合、装置使用者がその状況を判断して適切な指示を行う必要があるが、経験の浅い使用者にはいずれのボタンを操作すべきか判断に困る場合がある。
【0029】
この発明では、このような状況のアラームが発生した場合、アラーム情報データベースに設定されている、使用者が数種の中から選択して決定づける復帰方法の表示は行わず、代わりに、アラームの発生元からアラームの最も適切な復帰方法についての指定を獲得して、その結果の復帰指示をモニター画面に表示するようにするので、経験の浅い使用者であっても判断に困ることがなくなる。
【0030】
具体的には、アラームの復帰方法に加えて、アラーム名称やアラーム詳細内容の表示の一部を、アラーム発生元で指定して復帰方法を作成する。すなわち、一方では、上位コントローラにあるアラーム名称ファイルや詳細内容表示用ファイルの定義文を、変更したい文章の一部を虫食い状の形にして用意する。ここで、「虫食い状」とは、定義文の一部が、埋め込みたい埋め込み変数の名前を、例えば[]で挟んで指定した記述部分(虫食い部分)を持つという意味である。他方では、新たに、この虫食いの部分に入れ込むための「語句ファイル」を追加する。そして、アラーム発生元で指定する情報をアラーム発生元から獲得し、その獲得した指定情報に基づいて、語句ファイルから適切な語句(単語や文章)を読み出し、これをアラーム名称や詳細内容の定義文の虫食い部分に埋め込んで、完成された定義文とし、これを復帰方法としてモニターに表示して、オペレータに復帰指示可能とする。
【0031】
従来では、データベース内に同じアラームでも複数のケースでのアラームがあり得た。この発明では、そのようなケースの場合、アラームIDを追加することなく、これをボタン表示できるので、アラームIDの数が少なくて済む。したがって、オペレータの負担が軽減されるだけでなく、ソフトウエアにおける将来的なアラームIDのリソース不足も解消し得る。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0033】
図5は、この発明を適用したレジスト液塗布・現像処理システムの概略平面図、図6は、図5の正面図、図7は、図6の背面図である。
【0034】
上記処理システムは、被処理体(基板)として半導体ウェハW(以下にウェハWという)をウエハカセット1で複数枚例えば25枚単位で外部からシステムに搬入又はシステムから搬出したり、ウエハカセット1に対してウェハWを搬出・搬入したりするためのカセットステーション10(搬送部)と、塗布現像工程の中で1枚ずつウェハWに所定の処理を施す枚葉式の各種処理ユニットを所定位置に多段配置してなる処理装置を具備する処理ステーション20と、この処理ステーション20と隣接して設けられる露光装置(図示せず)との間でウェハWを受け渡すためのインター・フェース部30とで主要部が構成されている。
【0035】
上記カセットステーション10は、図5に示すように、カセット載置台2上の突起3の位置に複数個例えば4個までのウエハカセット1がそれぞれのウエハ出入口を処理ステーション20側に向けて水平のX方向に沿って一列に載置され、カセット配列方向(X方向)及びウエハカセット1内に垂直方向に沿って収容されたウェハWのウエハ配列方向(Z方向)に移動可能なウエハ搬送用ピンセット4が各ウエハカセット1に選択的に搬送するように構成されている。また、ウエハ搬送用ピンセット4は、θ方向に回転可能に構成されており、後述する処理ステーション20側の第3の組G3の多段ユニット部に属するアライメントユニット(ALIM)及びエクステンションユニット(EXT)にも搬送できるようになっている。
【0036】
上記処理ステーション20は、図5に示すように、中心部に垂直搬送型の主ウエハ搬送機構(基板搬送ロボット)21が設けられ、この主ウエハ搬送機構21を収容する室22の周りに全ての処理ユニットが1組又は複数の組に渡って多段に配置されている。この例では、5組G1,G2,G3,G4及びG5の多段配置構成であり、第1及び第2の組G1,G2の多段ユニットはシステム正面(図5において手前)側に並列され、第3の組G3の多段ユニットはカセットステーション10に隣接して配置され、第4の組G4の多段ユニットはインター・フェース部30に隣接して配置され、第5の組G5の多段ユニットは背部側に配置されている。
【0037】
この場合、図6に示すように、第1の組G1では、カップ23内でウェハWをスピンチャック(図示せず)に載置して所定の処理を行う2台のスピナ型処理ユニット例えばレジスト塗布ユニット(COT)及びレジストパターンを現像する現像ユニット(DEV)が垂直方向の下から順に2段に重ねられている。第2の組G2も同様に、2台のスピナ型処理ユニット例えばレジスト塗布ユニット(COT)及び現像ユニット(DEV)が垂直方向の下から順に2段に重ねられている。このようにレジスト塗布ユニット(COT)を下段側に配置した理由は、レジスト液の排液が機構的にもメンテナンスの上でも面倒であるためである。しかし、必要に応じてレジスト塗布ユニット(COT)を上段に配置することも可能である。
【0038】
図7に示すように、第3の組G3では、ウェハWをウエハ載置台24に載置して所定の処理を行うオーブン型の処理ユニット例えばウェハWを冷却するクーリングユニット(COL)、ウェハWに疎水化処理を行うアドヒージョンユニット(AD)、ウェハWの位置合わせを行うアライメントユニット(ALIM)、ウェハWの搬入出を行うエクステンションユニット(EXT)、ウェハWをベークする4つのホットプレートユニット(HP)が垂直方向の下から順に例えば8段に重ねられている。第4の組G4も同様に、オーブン型処理ユニット例えばクーリングユニット(COL)、エクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)、エクステンションユニット(EXT)、クーリングユニット(COL)、急冷機能を有する2つのチリングホットプレートユニット(CHP)及び2つのホットプレートユニット(HP)が垂直方向の下から順に例えば8段に重ねられている。
【0039】
上記のように処理温度の低いクーリングユニット(COL)、エクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)を下段に配置し、処理温度の高いホットプレートユニット(HP)、チリングホットプレートユニット(CHP)及びアドヒージョンユニット(AD)を上段に配置することで、ユニット間の熱的な相互干渉を少なくすることができる。勿論、ランダムな多段配置とすることも可能である。
【0040】
なお、図5に示すように、処理ステーション20において、第1及び第2の組G1,G2の多段ユニット(スピナ型処理ユニット)に隣接する第3及び第4の組G3,G4の多段ユニット(オーブン型処理ユニット)の側壁の中には、それぞれダクト65,66が垂直方向に縦断して設けられている。これらのダクト65,66には、ダウンフローの清浄空気又は特別に温度調整された空気が流されるようになっている。このダクト構造によって、第3及び第4の組G3,G4のオーブン型処理ユニットで発生した熱は遮断され、第1及び第2の組G1,G2のスピナ型処理ユニットへは及ばないようになっている。
【0041】
また、この処理システムでは、主ウエハ搬送機構21の背部側にも図5に点線で示すように第5の組G5の多段ユニットが配置できるようになっている。この第5の組G5の多段ユニットは、案内レール67に沿って主ウエハ搬送機構21から見て側方へ移動できるようになっている。したがって、第5の組G5の多段ユニットを設けた場合でも、ユニットをスライドすることにより空間部が確保されるので、主ウエハ搬送機構21に対して背後からメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0042】
上記インター・フェース部30は、奥行き方向では処理ステーション20と同じ寸法を有するが、幅方向では小さなサイズに作られている。このインター・フェース部30の正面部には可搬性のピックアップカセット31と定置型のバッファカセット32が2段に配置され、背面部には周辺露光装置33が配設され、中央部には、ウエハの搬送アーム34が配設されている。この搬送アーム34は、X,Z方向に移動して両カセット31,32及び周辺露光装置33に搬送するように構成されている。また、搬送アーム34は、θ方向に回転可能に構成され、処理ステーション20側の第4の組G4の多段ユニットに属するエクステンションユニット(EXT)及び隣接する露光装置側のウエハ受渡し台(図示せず)にも搬送できるように構成されている。
【0043】
上記のように構成される処理システムは、クリーンルーム40内に設置されるが、更にシステム内でも効率的な垂直層流方式によって各部の清浄度を高めている。
【0044】
次に、上記処理システムの動作について、図8を参照して説明する。
【0045】
まず、カセットステーション10において、ウエハ搬送用ピンセット4がカセット載置台2上の未処理のウェハWを収容しているカセット1にアクセスして、そのカセット1から1枚のウェハWを取り出す。
【0046】
ウエハ搬送用ピンセット4は、カセット1よりウェハWを取り出すと、処理ステーション20側の第3の組G3の多段ユニット内に配置されているアライメントユニット(ALIM)まで移動し、ユニット(ALIM)内のウエハ載置台24上にウェハWを載せる。ウェハWは、ウエハ載置台24上でオリフラ合せ及びセンタリングを受ける。その後、主ウエハ搬送機構21がアライメントユニット(ALIM)に反対側からアクセスし、ウエハ載置台24からウェハWを受け取る。
【0047】
処理ステーション20において、主ウエハ搬送機構21はウェハWを最初に第3の組G3の多段ユニットに属するアドヒージョンユニット(AD)に搬入する。このアドヒージョンユニット(AD)内でウェハWは疎水化処理を受ける。
【0048】
疎水化処理が終了すると、主ウエハ搬送機構21は、ウェハWをアドヒージョンユニット(AD)から搬出して、次に第3の組G3又は第4の組G4の多段ユニットに属するクーリングユニット(COL)へ搬入する。このクーリングユニット(COL)内でウェハWはレジスト塗布処理前の設定温度例えば23℃まで冷却される。
【0049】
冷却処理が終了すると、主ウエハ搬送機構21は、ウェハWをクーリングユニット(COL)から搬出し、次に第1の組G1又は第2の組G2の多段ユニットに属するレジスト塗布ユニット(COT)へ搬入する。このレジスト塗布ユニット(COT)内でウェハWはスピンコート法によりウエハ表面に一様な膜厚でレジストを塗布する。
【0050】
レジスト塗布処理が終了すると、主ウエハ搬送機構21は、ウェハWをレジスト塗布ユニット(COT)から搬出し、次にホットプレートユニット(HP)内へ搬入する。ホットプレートユニット(HP)内でウェハWは載置台上に載置され、所定温度例えば100℃で所定時間プリベーク処理される。これによって、ウェハW上の塗布膜から残存溶剤を蒸発除去することができる。
【0051】
プリベークが終了すると、主ウエハ搬送機構21は、ウェハWをホットプレートユニット(HP)から搬出し、次に第4の組G4の多段ユニットに属するエクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)へ搬送する。このユニット(COL)内でウェハWは次工程すなわち周辺露光装置33における周辺露光処理に適した温度例えば24℃まで冷却される。
【0052】
この冷却後、主ウエハ搬送機構21は、ウェハWを直ぐ上のエクステンションユニット(EXT)へ搬送し、このユニット(EXT)内の載置台(図示せず)の上にウェハWを載置する。このエクステンションユニット(EXT)の載置台上にウェハWが載置されると、インター・フェース部30の搬送アーム34が反対側からアクセスして、ウェハWを受け取る。
【0053】
そして、搬送アーム34はウェハWをインター・フェース部30内の周辺露光装置33へ搬入する。ここで、ウェハWはエッジ部に露光を受ける。
【0054】
周辺露光が終了すると、搬送アーム34は、ウェハWを周辺露光装置33から搬出し、隣接する露光装置40(EXP)側のウエハ受取り台(図示せず)へ移送する。この場合、ウェハWは、露光装置40(EXP)へ渡される前に、バッファカセット32に一時的に収納されることもある。
【0055】
露光装置40(EXP)で全面露光が済んで、ウェハWが露光装置40(EXP)側のウエハ受取り台に戻されると、インター・フェース部30の搬送アーム34はそのウエハ受取り台へアクセスしてウェハWを受け取り、受け取ったウェハWを処理ステーション20側の第4の組G4の多段ユニットに属するエクステンションユニット(EXT)へ搬入し、ウエハ受取り台上に載置する。この場合にも、ウェハWは、処理ステーション20側へ渡される前にインター・フェース部30内のバッファカセット32に一時的に収納されることもある。
【0056】
ウエハ受取り台上に載置されたウェハWは、主ウエハ搬送機構21により、チリングホットプレートユニット(CHP)に搬送され、フリンジの発生を防止するため、あるいは化学増幅型レジスト(CAR)における酸触媒反応を誘起するためポストエクスポージャーベーク処理が施される。
【0057】
その後、ウェハWは、第1の組G1又は第2の組G2の多段ユニットに属する現像ユニット(DEV)に搬入される。この現像ユニット(DEV)内では、ウェハWはスピンチャックの上に載せられ、例えばスプレー方式により、ウェハW表面のレジストに現像液が満遍なくかけられる。現像が終了すると、ウェハW表面にリンス液がかけられて現像液が洗い落とされる。
【0058】
現像工程が終了すると、主ウエハ搬送機構21は、ウェハWを現像ユニット(DEV)から搬出して、次に第3の組G3又は第4の組G4の多段ユニットに属するホットプレートユニット(HP)へ搬入する。このユニット(HP)内でウェハWは例えば100℃で所定時間ポストベーク処理される。これによって、現像で膨潤したレジストが硬化し、耐薬品性が向上する。
【0059】
ポストベークが終了すると、主ウエハ搬送機構21は、ウェハWをホットプレートユニット(HP)から搬出し、次にいずれかのクーリングユニット(COL)へ搬入する。ここでウェハWが常温に戻った後、主ウエハ搬送機構21は、次にウェハWを第3の組G3に属するエクステンションユニット(EXT)へ移送する。このエクステンションユニット(EXT)の載置台(図示せず)上にウェハWが載置されると、カセットステーション10側のウエハ搬送用ピンセット4が反対側からアクセスして、ウェハWを受け取る。そして、ウエハ搬送用ピンセット4は、受け取ったウェハWをカセット載置台上の処理済みウエハ収容用のカセット1の所定のウエハ収容溝に入れて処理が完了する。
【0060】
図1は、上記処理システムにおけるアラーム装置の概要を示す。図1中のモジュール18−1,…18−nは、上記処理システムにおける処理ユニットや基板搬送装置等の被アラーム対象となるブロックを表している。アラーム装置の基本的構成は、図9で述べたものと同じであり、このモジュールの制御、つまり処理ユニットのプロセス制御や基板搬送装置等の制御や監視を行う下位コントローラ(ブロックコントローラ)14と、下位コントローラ14を制御すると共に下位コントローラ14からのアラーム発生通知を受けて所定のアラーム情報を出力処理する上位コントローラ(メインコントローラ)12と、上位コントローラ12で得られたアラーム情報に基づくアラームを表示するモニター11とを具備して構成される。
【0061】
しかし、上位コントローラ12は、アラーム情報データベース13、アラーム名称表示用の名称ファイル15、アラーム詳細内容表示用の文章ファイル16の他に、アラーム名称とアラーム詳細の内容埋め込み用の語句ファイル17を備えている点で、図9の構成と異なっている。
【0062】
そして、上位コントローラ12は、モジュール18−1,…18−nにアラーム信号が発生したとき下位コントローラ14から発生される通知に基づき、アラーム情報データベース13を検索して、当該アラーム信号に対応したアラーム情報を出力する手段と、上記名称ファイル15からアラーム信号に対応したアラーム名称を読み出す手段と、読み出したアラーム名称を用い、予め決められたルールで文章の一部が変数として虫食い状になったアラーム名称の定義文を作成する手段と、上記語句ファイルからアラーム信号に対応したアラーム部位や部位特定名称等の語句を読み出す手段と、この読み出した語句で上記アラーム名称の定義文の虫食い状に書かれた部分を更新する手段と、その更新後のアラーム名称の定義文を復帰方法としてモニターに表示させ、復帰指示を可能とする手段とを具備する。
【0063】
以下、詳述する。
(下位コントローラ14)
下位コントローラ14は、処理を行う複数のモジュール部18−1,…18−nとそれらをまとめるマネージャ部とで構成されており、上位コントローラ12からの指示により、代表的にはウェハ等の材料に対する処理を行う。この材料処理を行うにあたり、各モジュール18−1,…18−nはセンサーを待ち、材料処理状態と自分自身の状態を監視する。そして、材料処理に影響を及ぼすエラー、安全を脅かす危険性のあるエラー(例えば周辺環境、及び人的物的損害を及ぼす危険がある場合等)が発生した場合に、下位コントローラが上位コントローラにアラームを通知することにより、この処理システムの使用者に通知する。
【0064】
この発明の場合、被アラーム対象となるモジュール18−1,…18−nには、図5〜図7で説明した主ウエハ搬送機構(基板搬送ロボット)21やウエハ搬送用ピンセット4が含まれる。
【0065】
前者の主ウエハ搬送機構(基板搬送ロボット)21は、ウェハWを保持するアームを備え、このアームを水平方向に移動させる水平移動機構(X軸移動機構)と、伸縮しつつ鉛直方向に移動させる伸縮昇降機構(Z軸移動機構)と、鉛直軸周りに回転させる回転駆動機構(θ軸回転機構)とを備えている。そして、これらの機構によってアームは3次元的に移動することが可能である。
【0066】
すなわち、アームはX軸モータによって水平方向のX軸に沿った直線運動(前後運動)を行い、Y軸モータによって主ウエハ搬送機構(基板搬送ロボット)21の中心軸に一致した回転軸(Y軸)の回りの周方向運動(回転運動)を行い、そしてZ軸モータによって垂直(Z軸)方向の直線運動(上下運動)をするようになっている。
【0067】
そして、これらのアームいずれかに、動かない等の異常が発生した場合、これを例えばX軸モータ、Y軸モータ、Z軸モータの負荷電流の変化から検出して、モジュールがアラーム信号を発生する。下位コントローラ14はこれをアラームID(識別)、例えばアラームコードの形で上位コントローラ12に通知する。
【0068】
(上位コントローラ12)
上位コントローラ12は、アラームの発生時に、アラーム情報データベースに指定された情報だけでなく、アラーム発生元から通知された情報をアラームの出力情報に反映させる。この反映できるようにするアラームの出力情報とは、「アラーム復帰方法」、「アラーム名称」、「アラーム詳細」である。
【0069】
ここにいう「アラーム復帰方法」には、「処理続行」、「再試行」、「処理中止」、「材料除去」及び「表示削除」等があり、通常は、このうちの1又は2以上の復帰方法が、そのままモニターにボタンとして表示される。
【0070】
ここで、アラームの各復帰方法の内容は、次のように定義されている。
【0071】
「処理続行」:アラーム発生しているが、処理を続行する。例えば、アラームは発生したが、その後の処理に問題がないと判断できる場合に使用する。材料処理が停止しているため、処理を続行したい場合等である。
【0072】
「再試行」:アラームの原因の確認・処置後、処理をもう一度実行する。例えば、センサーの一時的なぶれによりアラームが発生した場合等の対応に使用する。本当に問題がある状態かどうかを確認させたい場合等に使用する。
【0073】
「処理中止」:致命的なアラームが発生したため、処理を中止する。 例えば、このまま材料に対する処理を行うべきではないと判断される、処理における致命的なエラーの場合に使用する。
【0074】
「材料除去」:アラームが発生したモジュールで材料例えば基板を除去後、その後の(他の)材料処理を続行する。例えば、このまま材料に対する処理を行うべきではないと判断され、装置から装置使用者が材料を取り除いた場合に使用する。これは材料を取り除いたという指示を装置に対して行う必要があるためである。
【0075】
「表示削除」:アラームメッセージの表示を削除する。アラームの復帰動作は行わず、モニターのアラーム表示だけを消去する。
【0076】
アラーム復帰方法をモニターにボタン表示させる仕方には、表示させるべきアラーム復帰方法(復帰方法ボタンの種類)を、アラーム情報データベースに登録された復帰方法の中から決定する従来の方法と、この発明に従い、アラーム発生元の指示情報から補充語句を決定し、これを定義文と合成して、復帰方法の完成定義文章として表示する方法とがある。
【0077】
アラーム名称、アラーム詳細についても、上記のアラーム復帰方法の合成定義文章を作成するのと同様の方法で、装置構成する部品の具体的な名称(例えば、ポンプ名称、センサー名称、タンク名称等)を、アラーム発生元の情報により変更することができるようにする。
【0078】
(アラーム情報データベース13)
アラーム情報データベース13は、この装置で発生し得る全てのアラームに対する情報を保持する。このアラーム情報は、[発生日付]・[時間]・[アラームコード]・[ブロック/モジュール番号]・[モジュール名]・[アラーム名称]といった内容である。
【0079】
この発明に関係の深いものとしては、上記したアラーム復帰方法、アラーム名称のID、アラーム詳細のIDなどであり、これらのアラーム情報を図4に示すように記憶している。これらのアラーム情報は、装置起動時に上位コントローラのソフトウェアにより読み出され、アラーム情報データベース13として上位コントローラ12内に存在する。アラームの情報は全てこのデータベースに登録されており、装置起動後に中身の情報を、加工、変更することはできない。
【0080】
(アラーム名称表示用の名称ファイル15)
アラーム名称表示用の名称ファイル15は、モニター11に表示するアラーム名称(文章)を入れてあるファイルである。個々の文章(アラーム)にはID(番号)が振られて、アラーム情報データベース内に保持されている。表示の際に発生したアラーム(ID)とその表示内容(アラーム名称)が関連付けられる。この名称ファイル15内のアラーム名称は予め決められており、モニター11にはこの名称ファイル15内のアラーム名称がそのまま表示される。この内容は図9の場合と同じである。
【0081】
しかし、復帰指示の適切な判断が難しくなる関係にある特定のアラームが発生した場合には、アラーム名称ファイル15から読み出された「アラーム名称」を基に、予め決められたルールで文章の一部が変数として虫食い状に作成されたアラーム名称の定義文が作成される。ここで、「虫食い状」とは、定義文の一部が、埋め込みたい埋め込み変数の名前を、例えば[]で挟んで指定した記述部分(虫食い部分)を持つという意味であり、具体的には、例えば「[%%s,0][%%s,1]モータ過負荷」という定義文において、「%%s,0」「%%s,1」はそれぞれ埋め込み変数の名前であり、この変数の名前を[]で挟んで指定した記述部分(虫食い部分)と「モータ過負荷」というアラーム名称とで、定義文が記述される。このアラーム名称の定義文は、アラーム発生時にアラーム発生元で指定された情報に基づき、適切な言葉や文章の語句を、上記埋め込み変数部分にはめ込んで表示するという用途に供される。
【0082】
(アラーム詳細表示用の文章ファイル16)
アラーム詳細表示用の文章ファイル16は、モニターに表示するアラーム詳細の文章を入れてあるファイルである。個々のアラーム詳細の文章にはID(番号)が振られており、表示の際にアラーム(ID)と関連付けられる。このファイルの文章はあらかじめ決められており、モニター11にはこのファイル内の名称や文章がそのまま表示される。この内容は図9の場合と同じである。
【0083】
しかし、復帰指示の適切な判断が難しくなる関係にある特定のアラームが発生した場合には、アラーム名称ファイルから読み出された「アラーム名称」を基に、予め決められたルールで文章の一部が変数として虫食い状に作成されたアラーム詳細の文章が作成される。このアラーム詳細の文章は、アラーム発生時にアラーム発生元で指定された情報に基づき、適切な言葉や文章の語句をはめ込んで表示するという用途に供される。
【0084】
(アラーム名称、詳細内容編集用の語句ファイル17)
アラーム名称、詳細内容編集用の語句ファイル17は、モニター上に表示するアラーム名称の定義文や詳細内容の定義文に埋め込むアラーム部位や部位特定名称等の語句(名称や文章)を入れてあるファイルである。具体的には、「アラーム部位」は装置構成する部品の具体的な名称、例えばポンプ名称、センサー名称、タンク名称などであり、「部位特定名称」は装置構成する同一部品が複数有る場合にそれらを区別する名称、例えばアームのX軸、Y軸、Z軸などである。
【0085】
(モニター11)
モニター11は、装置全体のコントロールを行うための操作画面として設けられるヒューマンインタフェースであり、タッチペンやキーボードやポインティングデバイス等の入力手段11a、ここではタッチペンを備えており、タッチペン入力により装置に対する操作を行うことができる。
【0086】
このモニター11には、復帰方法のボタン表示と、アラーム名称及び詳細情報の表示とがなされる。すなわち、(1) アラームが発生した場合、そのアラームで選択し得る全ての復帰方法がモニター上にボタン表示され(単一の場合もあれば、複数の場合もある)、この装置の使用者(オペレータ)が装置の状態や、処理の状態により、適切な復帰方法を判断、選択し、モニターへのタッチペン入力により指示する。また、(2) アラームが発生した場合、アラーム情報データベース13の情報に基づき、アラーム名称表示用の文章ファイル15に記述されているアラーム名称を表示する。画面操作を行えばそのアラームの詳細内容を表示することもできる。このアラームの詳細内容とは、アラームが発生した原因と対処方法を簡潔に示すヘルプのようなものである。表示する内容はアラーム詳細内容の文章ファイル16に保存されている(これらの情報にはID番号が振られており、このID番号で管理し、必要な時に読み出され表示される)。
【0087】
図2に、モジュールからアラームが発生した場合のアラーム処理の流れを示す。
【0088】
モジュール18−1,…18−nのいずれかでアラームが発生した場合、各センサの検出信号は、当該モジュールを制御する下位コントローラ14に送られ、ここで各センサごとに個別のアラームID、すなわちアラームコードに変換される。アラームコードは上位コントローラ12に送られる(図2のステップ(a)〜(b))。
【0089】
上位コントローラ12は、このアラームIDに基づき、アラーム情報データベース13を検索して、アラーム情報データベースに登録されている情報からモニターに表示する情報を作成する(図2のステップ(d))。
【0090】
・一般的なアラームの場合
上位コントローラ12は、一般的なアラームと判断される場合(アラームIDから判明する)は、復帰方法、名称のID、詳細のIDなどのアラーム情報を読み出し、これを一覧表示画面部分と、復帰方法選定ボタン、詳細画面移行ボタン等のソフト的なボタン表示画面部分とを含む画面形式に整える。
【0091】
作成された文章が通常のアラーム名称の文章である場合には、上位コントローラ12は、アラーム情報を一覧表示画面部分と、[復帰方法]ボタン、[詳細]ボタン等を含む画面形式に整えてモニターに表示する(図2のステップ(g))。
【0092】
このソフト的にボタン形式で表示される復帰方法には、「処理続行」、「再試行」、「処理中止」、「材料除去」、「表示削除」があり、アラームが発生した場合、これらの復帰方法の選択ボタンが、そのまま一個又は複数個、モニターにソフトキーとして表示される。すなわち、モニターのアラーム処理画面には、その画面下部に、アラーム対処用のファンクションボタンとして、復帰方法ボタンと詳細画面ボタンが表示される。
【0093】
復帰方法ボタンは、発生したアラーム内容に応じた対処を行うためのボタンである。このボタンを使用した対処には、[表示削除]、[再試行]、[処理続行]、[処理中止]、[材料除去]などがあり、アラーム内容に応じて、表示・非表示される。
【0094】
[表示削除]ボタンは、ワーニングによるアラーム発生(処理続行可能)において、アラームメッセージの表示を削除する場合に使用する。[再試行]ボタンは、アラームの原因の確認・処置後、処理のリトライを行う際に使用する。[処理続行]ボタンは、アラーム発生状態において、処理を続行する場合に使用する。[処理中止]ボタンは、アラーム発生状態において、処理を中止する場合に使用する。[材料除去]ボタンは、トラブルモジュールなどにおいて、ウェハを除去する際に使用する。
【0095】
一方、ファンクションボタンの[詳細画面]ボタンは、これを押すことにより、現在選択されているアラームに対するアラーム詳細画面が表示される。この画面では、[アラームの意味]・[発生原因]・[対処方法]が表示される。ここで表示される[発生原因]・[対処方法]の内容を把握することにより、アラームに対する原因追究、および処置を実施する。
【0096】
装置使用者(オペレータ)は、このようにモニター11に表示されたアラームの内容を元に復帰方法を判断し、表示された「処理続行」、「再試行」、「処理中止」、「材料除去」又は「表示削除」のうちのソフトキーのうち、該当するものを押すことにより、アラームの復帰方法を指示する(図2のステップ(h))。
【0097】
上位コントローラ12は、モニター11から入力手段1により指示された復帰方法を含めた復帰指示を、アラーム発生元であるモジュール18に対して行う(図2のステップ(i))。
【0098】
モジュール18が上位コントローラ12から通知された復帰方法を基に、アラームの復帰動作を行う(図2のステップ(j))。
【0099】
・特定のアラームの場合
しかし、上位コントローラ12は、上記アラーム情報データベースに登録された復帰方法をボタン表示すると使用者において復帰指示の適切な判断が難しくなる関係にある特定のアラームが発生した場合(これは予め管理されている特定のアラームIDに属することから判明する)には、下位コントローラ14からの通知に基づき、上記アラーム情報データベース13からアラーム名称を得ると共に、予め設けた埋め込み用の語句ファイル17からアラーム部位の語句や部位特定名称の語句を読み出して(図2のステップ(e))、この語句をアラーム名称と合成し(図2のステップ(f))、その合成された表示内容の復帰方法をモニターに表示させ、復帰指示を可能とする(図2のステップ(g))。
【0100】
具体的には、上位コントローラ12は、下位コントローラ14から送られるアラームIDに基づき、アラーム情報データベース13を検索して、当該アラームIDに対応したアラーム名称IDを読み出し、このアラーム名称IDに基づき、予め設けたアラーム名称ファイル15からアラーム名称を読み出し、予め決められたルールで文章の一部が変数として虫食い状にされたアラーム名称の定義文を作成する(図2のステップ(d)。
【0101】
プログラムは図2のステップ(e)に進み、上位コントローラ12は、作成された文章が虫食い状に作成されたアラーム名称の定義文であることを確認すると、アラーム発生元の下位コントローラ14からアラーム情報の指定(アラーム部位の語句のIDや部位特定名称の語句のID)を受ける(図2のステップ(e))。そして、この指定された語句のIDに基づき、埋め込み用の語句ファイル17から対応するアラーム部位の語句や部位特定名称の語句を読み出し(図2のステップ(e))、この語句で上記アラーム名称の定義文の虫食い状に書かれた変数部分を更新し(図2のステップ(f))、その更新後の完成されたアラーム名称の定義文を、復帰方法として例えばボタンの形でモニターに表示させ、復帰指示を可能とする(図2のステップ(g))。
【0102】
この後は、上記アラーム処理と同じであり、装置使用者は、モニター11に表示されたアラームの内容を元に復帰方法を判断し、表示された復帰方法のソフトキーを押すことにより、アラームの復帰方法を指示する(図2のステップ(h))。
【0103】
上位コントローラ12は、モニター11から入力手段1により指示された復帰方法を含めた復帰指示を、アラーム発生元であるモジュール18に対して行う(図2のステップ(i))。
【0104】
モジュール18が上位コントローラ12から通知された復帰方法を基に、アラームの復帰動作を行う(図2のステップ(j))。
【0105】
図3に、より具体的な例として、主ウエハ搬送機構(基板搬送装置)21のアーム駆動モータ(X軸モータ、Y軸モータ、Z軸モータ)にアラームが発生した場合のアラーム処理の流れを示す。
【0106】
下位コントローラ14は、当該モジュールにおいて、エラー(モータが過負荷で回転しない)を検知した場合、アラーム信号を発生し、これをアラームID(アラームコード)に変換して上位コントローラ12に通知する。
【0107】
上位コントローラ12は、下位コントローラ14からの通知が予めリスト管理しているリスト50上の特定のアラームID(この例では「モータ過負荷」に付けられたアラームID)51である場合には、このアラームID51でアラーム情報データベース13を検索して、当該アラームID51に対応するアラーム名称のID(「モータ過負荷」のID)を検索して読み出し、このアラーム名称IDに基づき、予め設けたアラーム名称ファイル15からアラーム名称「モータ過負荷」を読み出す。そして、予め決められたルールで文章の一部が変数として虫食い部分57、58にされたアラーム名称の定義文56を作成する。図3には、これを
[%%s,0][%%s,1]モータ過負荷
の形で例示してある。虫食いの部分は、[%%s,0]と[%%s,1]の二つである。
【0108】
他方、アラーム発生元のモジュールの下位コントローラ14は、上記アラームID51とは別に、アラーム部位の情報52として「アラームの情報0番」で「アーム」という語句のID54を指定情報として通知する。また、部位特定名称の情報53として「アラームの情報1番」で「X軸」という語句のID55を指定情報として通知する。
【0109】
上位コントローラ12は、このアラーム部位の「アーム」という語句のIDと、部位特定名称の「X軸」という語句のIDの指定を受けると、この指定された語句のIDに基づいて検索し、埋め込み用の語句ファイル17から対応するアラーム部位の語句「アーム」と部位特定名称の語句「X軸」を得る。
【0110】
そして、この語句「アーム」、「X軸」で上記アラーム名称の定義文56の虫食い状に書かれた虫食い部分57、58を更新し、「アームX軸モータ過負荷」という文章から成る完成された定義文59を作成する。
【0111】
この完成されたアラーム名称の定義文59を、復帰方法として例えばボタンの形でモニターに表示させ、オペレータによる復帰指示を待つ。
【0112】
上記したように、この発明は、下位コントローラ14からの通知に基づき、上記アラーム情報データベース13からアラーム名称の虫食い状の定義文56を作成すると共に、予め設けた埋め込み用の語句ファイル17からアラーム部位の語句や部位特定名称の語句を読み出して、この語句をアラーム名称の定義文の虫食い部分57、58に埋め込んで合成し、その合成され完成された定義文59をモニター11に表示させ、復帰指示を可能とするため、従来問題があった特定のアラームについて使用者(オペレータ)が復帰方法を迷うことがない。
【0113】
また、上記方法によれば、アラーム情報データベース13に記録保持させておくアラーム情報に復帰方法の追加をしなくて済むので、将来においてもソフトウエアのアラームIDのリソース不足を解消することができる。
【0114】
上記実施形態では、基板搬送装置のアーム駆動モータに対する適用例について述べたが、この発明はこれに限定されるものではない。
【0115】
【表1】
Figure 2004341993
【0116】
表1に示すように、ウエハ搬送用ピンセット4におけるピンセット番号(1、2、3)の違いや、外部装置(露光機、測定機、検査機)とのハンドシェイクの状態(SEND、READY)の違い等に適用することができる。また、表1に示した以外に、例えばレジスト塗布ユニット(COT)や現像ユニット(DEV)における回転機構のモータ、あるいは、処理液供給系のノズルやポンプ等にも適用できることは勿論である。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、次のような優れた効果が得られる。
【0118】
この発明は、下位コントローラからの通知に基づき、上記アラーム情報データベースからアラーム名称の定義文を得ると共に、予め設けた埋め込み用の語句ファイルからアラーム部位の語句や部位特定名称の語句を読み出して、この語句をアラーム名称の定義文と合成し、その合成され完成された定義文をモニターに表示させ、復帰指示を可能とするため、従来問題があった特定のアラームについて経験の浅い使用者でも復帰方法を迷うことがない。
【0119】
また、アラーム情報データベースに記録保持させておくアラーム情報に、復帰方法の追加をしなくて済むので、将来においてもソフトウエアのアラームIDのリソース不足を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の処理システムにおけるアラーム装置の概略構成図である。
【図2】この発明の処理システムにおけるアラーム方法を示した図である。
【図3】この発明の処理システムのアラーム方法の具体例として、アーム駆動モータでアラームが発生した場合のアラーム方法を示した図である。
【図4】データベースに記録登録されているアラーム情報の一例を示した図である。
【図5】この発明を適用したレジスト液塗布・現像処理システムの一例を示す概略平面図である。
【図6】上記レジスト液塗布・現像処理システムの概略正面図である。
【図7】上記レジスト液塗布・現像処理システムの概略背面図である。
【図8】レジスト液塗布・現像処理プロセスを示した図である。
【図9】従来の処理システムにおけるアラーム装置の概略構成図である。
【図10】従来の処理システムにおけるアラーム方法を示した図である。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ(基板)
11 モニター
11a 入力手段
12 上位コントローラ(メインコントローラ)
13 アラーム情報データベース
14 下位コントローラ(ブロックコントローラ)
15 アラーム名称表示用の名称ファイル
16 アラーム詳細内容表示用の文章ファイル
17 アラーム名称、詳細内容埋め込み用の語句ファイル
18 モジュール
18−1,…18−n モジュール
19 処理システム
20 処理ステーション
21 主ウエハ搬送機構(基板搬送ロボット)
50 リスト
51 アラームID
52 アラーム部位の情報
53 部位特定名称の情報
54 「アーム」という語句のID
55 「X軸」という語句のID
56 虫食い部分の有る定義文
57、58 虫食い部分
59 完成された定義文

Claims (5)

  1. 処理システムの被アラーム対象からアラーム信号が下位コントローラに入力されたときに、上位コントローラが、下位コントローラからの通知に基づきアラーム情報データベースを検索して、当該アラーム信号に対応したアラーム名称をアラーム情報として得ると共に、予め設けた埋め込み用の語句ファイルからアラーム部位の語句を読み出して、この語句をアラーム名称と合成し、その合成された表示内容の復帰方法をモニターにボタン表示させ、このボタンを操作することによりアラームの復帰を指示可能とすることを特徴とする処理システムにおけるアラーム方法。
  2. 処理システムの被アラーム対象からアラーム信号が下位コントローラに入力されたときに、これを上位コントローラに通知し、上位コントローラが、アラームの復帰方法、アラーム名称などのアラーム情報を記憶したアラーム情報データベースを検索して、当該アラーム信号に対応したアラーム情報を読み出し、そのうち復帰方法については該当する一又は二以上の復帰方法をモニターにボタン表示させ、このボタンを操作することによりアラームの復帰を指示可能とした処理システムにおけるアラーム方法において、
    上記アラーム情報データベースに登録された復帰方法をボタン表示すると使用者において復帰指示の適切な判断が難しくなる関係にある特定のアラームが発生した場合に、上位コントローラが、下位コントローラからの通知に基づき、上記アラーム情報データベースからアラーム名称を得ると共に、予め設けた埋め込み用の語句ファイルからアラーム部位の語句を読み出して、この語句をアラーム名称と合成し、その合成された表示内容の復帰方法をモニターに表示させ、復帰指示を可能とする
    ことを特徴とする処理システムにおけるアラーム方法。
  3. 請求項1又は2記載の処理システムにおけるアラーム方法において、
    上記アラーム部位の語句と共に部位特定名称の語句を読み出し、これらを上記アラーム情報データベースから得たアラーム名称と合成して、その合成された表示内容の復帰方法をモニターに表示させ、復帰指示を可能とすることを特徴とする処理システムにおけるアラーム方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の処理システムにおけるアラーム方法において、
    下位コントローラが、処理システムの被アラーム対象からアラーム信号が入力されたときに、これをアラームIDに変換して上位コントローラに通知し、
    上位コントローラが、アラーム復帰方法、アラーム名称などのアラーム情報を記憶したアラーム情報データベースを検索して、当該アラームIDに対応したアラーム名称IDを読み出し、
    このアラーム名称IDに基づき、予め設けたアラーム名称ファイルからアラーム名称を読み出し、予め決められたルールで文章の一部が変数として虫食い状に作成されたアラーム名称の定義文を作成し、
    他方、予め設けた埋め込み用の語句ファイルからアラーム信号に対応したアラーム部位や部位特定名称等の語句を読み出し、この語句で上記アラーム名称の定義文の虫食い状に書かれた部分を更新し、その更新後のアラーム名称の定義文を復帰方法としてモニターに表示させ、復帰指示を可能とすることを特徴とする処理システムにおけるアラーム方法。
  5. 処理システムの被アラーム対象からアラーム信号が下位コントローラに入力されたときに、上位コントローラが、下位コントローラからの通知に基づきアラーム情報データベースを検索して、当該アラーム信号に対応したアラーム情報を出力するように構成した処理システムにおけるアラーム装置において、
    上記上位コントローラに、アラーム名称表示用の名称ファイルの他にアラーム名称埋め込み用の語句ファイルを設けると共に、
    上記名称ファイルからアラーム信号に対応したアラーム名称を読み出す手段と、
    読み出したアラーム名称を用い、予め決められたルールで一部が変数として虫食い状になったアラーム名称の定義文を作成する手段と、
    上記語句ファイルからアラーム信号に対応したアラーム部位や部位特定名称等の語句を読み出す手段と、
    この読み出した語句で上記アラーム名称の定義文の虫食い状に書かれた部分を更新する手段と、
    その更新後のアラーム名称の定義文を復帰方法としてモニターに表示させ、復帰指示を可能とする手段と
    を設けたことを特徴とする処理システムにおけるアラーム装置。
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