JP2004341507A - 光変調素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なシート抵抗値を有する層を意図しない滞留電荷抑制のための層として備える光変調素子及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明による光変調素子300は、一対の光路322,323を有する光導波路320が形成された基板310を備えている。基板310及び光導波路320上には、透明バッファ層330が光導波路320を覆うようにして形成され、バッファ層330上には、第一及び第二の変調電極341,342が形成されている。第一及び第二の変調電極341,342は、光変調素子300の周囲の電界に応じて一対の光路322,323内に屈折率変化を生じさせるようにして配置されている。本発明によるバッファ層330は、少なくとも一つの透明絶縁体膜と少なくとも一つの透明導電体膜とを備える積層膜を用いて作成された相互拡散層であり、透明絶縁体膜と透明導電体膜との間には明瞭な境界を有しないものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、電界センサのセンサヘッドとして用いられ得る光変調素子及びその製造方法に関する。
従来、LiNbOからなる基板上に作製された光変調素子が知られている。LiNbOからなる基板は電気光学効果を有するものであり、その基板上には一対の光路を備える光導波路が設けられる。光導波路上には、光変調素子を取り巻く電界に応じて一対の光路内に屈折率変化を生じさせるようにして、変調電極が配置されている。光路内に屈折率変化が生じると、夫々の光路における光路長が変化して、一対の光路を伝播する光間に位相差が生じることとなる。位相差を有する二つの光が結合されると互いに干渉して、光強度変化が生じる。このようにして、光変調素子は周囲の電界を検出してそれを光強度変化に変換することができる。
基板材料であるLiNbOは、上述した電気光学効果に加え、焦電効果をも有する。焦電効果を有する基板上に光導波路を構成してなるデバイスにおいては、焦電効果に起因して周囲の温度変化に応じた意図しない電荷分布が基板表面に生じてしまい、光変調素子の特性上問題が生じることもある。
焦電効果に起因した意図しない電荷分布のもたらす問題を解決する手段として、従来、導電性樹脂材料を変調電極及び基板上に塗布し、導電性をわずかに持った薄膜を変調電極上に設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、別の手段として、透明絶縁体材料と透明導電体材料とからなる混合層をバッファ層としたものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平08−313577号公報 特開平09−197357号公報
しかしながら、例えば特許文献1に記載されるように温度変化による電荷の滞留を抑制するために樹脂導電膜を用いた光変調素子においては、樹脂導電材料の塗布ムラ等により樹脂導電膜の抵抗値が大きくばらつき、デバイスの温度特性の再現性に乏しいといった問題があった。また、塗布工程により、製造工数が増加するため、作製される光変調素子の歩留まりの悪化及びコスト高を招くといった問題もあった。更に、樹脂導電膜は光変調素子の使用環境の温度変化及び湿度変化によって変質しやすいことから、環境変化に耐性のある光変調素子を提供することが困難であるという問題もあった。
一方、例えば特許文献2に記載されるように透明絶縁体材料と透明導電体材料とからなる混合層をバッファ層としたものにおいては、同一面内において均一な抵抗値を有するようなバッファ層を形成することが困難であるといった問題があった。
本発明は、上述した問題を解決すべく、同一面内において望ましい抵抗値分布を有する、即ち良好なシート抵抗値を有する層を意図しない滞留電荷抑制のための層として備える光変調素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための手段として、本発明によれば、電気光学効果を有する材料からなる基板と、該基板に形成された光導波路であって少なくとも一対の光路を有する光導波路と、基板及び光導波路上に形成された透明なバッファ層と、バッファ層上に形成された変調電極とを備えた光変調素子であって、前記変調電極は当該光変調素子を取り巻く電界に応じて前記一対の光路における屈折率変化を生じさせるように配置されている光変調素子において、前記バッファ層は、少なくとも一つの透明絶縁体膜と少なくとも一つの透明導電体膜とを備える積層膜を用いて作成された相互拡散層であることを特徴とする光変調素子が得られる。
また、本発明によれば、光変調素子を製造する方法であって、
電気光学効果を有する材料からなる基板に、少なくとも一対の光路を有する光導波路を形成するステップと、
前記基板及び前記光導波路上に透明なバッファ層を形成するステップと、
当該光変調素子を取り巻く電界に応じて前記一対の光路における屈折率変化を生じさせるように配置されてなる変調電極を前記バッファ層上に形成するステップを備えた光変調素子製造方法であって、
前記バッファ層を形成するステップは、
少なくとも一つの透明絶縁体膜と少なくとも一つの透明導電体膜を積層して前記基板及び前記光導波路上に積層膜を形成するステップと、
該積層膜を相互拡散させるステップ
を備えることを特徴とする光変調素子製造方法が得られる。
本発明によれば、透明絶縁体膜及び透明導電体膜からなる積層膜を相互拡散することにより、相互拡散層としてのバッファ層を形成することができる。相互拡散層たるバッファ層においては、平面毎のシート抵抗値には互いに多少の差はあるものの、各平面におけるシート抵抗値は実質的に均一なものとなる。また、透明絶縁体膜や透明導電体膜の形成には既存の膜形成方法を採用することができるため、製造コストを抑えることができると共に、膜厚制御にも既存の技術を用いることができる。従って、バラツキの少ないバッファ層形成が可能である。加えて、シート抵抗値は、主として、透明絶縁体膜及び透明導電体膜間の相互拡散により決定されるものであり、従来の手法と比較して制御し易い。
図1を参照すると、本発明の第一の実施の形態による光変調素子300として、電界センサにおけるセンサヘッドとして用いられている例が示されている。図示された電界センサは、光変調素子300に加え、光源100、第一及び第二の光ファイバ200及び400、並びに光検出器500を備えている。
光変調素子300は、集積型光干渉計を備えている。図2に示される光干渉計は所謂マッハツェンダ干渉計である。マッハツェンダ干渉計に代えて他の干渉計を採用しても良い。例えば、マッハツェンダ干渉計に代えて、マイケルソン干渉計を採用することもできる。
図2に示されるマッハツェンダ干渉計は、電気光学効果を有する基板310に対して形成されている。本実施の形態における基板310はLiNbO結晶をそのX軸に垂直に切り出して得られるものである。LiNbOに代えて、LiTaOなどの電気光学効果を有する他の材料を基板310の材料としても良い。
基板310の表面にはTi拡散により光導波路320が形成されている。光導波路320は他の材料を拡散することにより形成されても良い。例えば、基板310がLiNbOからなる場合には、Tiに代えて、V,Ni又はCuをLiNbOに拡散することにより光導波路320を形成することとしても良い。また、基板310がLiTaOからなる場合には、Cu,Nb又はTiをLiTaOに拡散することにより光導波路320を形成することができる。
図2に示されるように、光導波路320は入力部321を備えている。この入力部321はY分岐点Pにおいて第一及び第二の光路322,323に分岐している。本実施の形態において、第一及び第二の光路322,323は互いに等しい長さを有している。即ち、第一及び第二の光路322,323は、周囲条件が同じであるならば、互いに等しい光路長を有しているということになる。この第一及び第二の光路322,323はY結合点Pにおいて結合され再び一つになって出力部324に接続されている。図2から明らかなように、第一の光ファイバ200は光導波路320の入力部321に突合せ接合されており、第二の光ファイバ400は光導波路320の出力部324に突合せ接合されている。
図2及び図3を参照すると、基板310及び光導波路320上にはバッファ層330が形成されており、光導波路320はそのバッファ層330により覆われている。本実施の形態におけるバッファ層330は光変調素子330の使用波長において透明であり、光導波路320よりも屈折率の小さいものである。加えて、本実施の形態によるバッファ層330は透明絶縁体膜及び透明導電体膜からなる積層膜を用いて作成することのできる相互拡散層である。この相互拡散層からなるバッファ層330においては、透明絶縁体膜と透明導電体膜とが互いの膜内に拡散しあった結果として、積層膜の時点では存在していた膜間の境界が不明瞭なものとなっている。即ち、相互拡散層内においては、透明絶縁体膜と透明導電体膜との間を明確に示すような境界がなくなっている。この相互拡散により、本実施の形態によるバッファ層330は10乃至10(Ω/□)のシート抵抗値を有する。一方で、本実施の形態による相互拡散層においては、透明絶縁体膜と透明導電体膜とが互いに完全に相互拡散されているわけではないので、各面内におけるシート抵抗値は実質的に均一なものであるが、バッファ層330の厚み方向(即ち、図3におけるZ方向)にはシート抵抗値の分布が認められる。換言すると、本実施の形態によるバッファ層330は、その製造方法に起因して、バッファ層330の厚み方向に沿って滑らかに変化するようなシート抵抗値を有している。本実施の形態による光変調素子300、特にバッファ層330の製造方法については、後に詳述する。
バッファ層330上には、第一及び第二の変調電極341,342が形成される。第一及び第二の変調電極341,342の材料としては、例えば、Au,Al又はCuを用いることができる。
第一及び第二の変調電極341,342は、光変調素子300の周囲を取り巻くに応じて、光導波路320内、より具体的には、第一及び第二の光路322,323内に屈折率変化を生じさせるようにして配置される。第一の変調電極341には例えばグランド電位のような参照電位が供給され、第二の変調電極342には光変調素子300の周囲電界に起因した電位が与えられる。これにより、第一の変調電極341と第二の変調電極342との間には、光変調素子300の周囲の電界に応じた電界が形成される。この第一の変調電極341と第二の変調電極342との間に生じた電界は、光導波路320の第一及び第二の光路322,323に対して、図2におけるY方向に沿って互いに異なる方向で作用する。その結果、光導波路320の第一及び第二の光路322,323内には屈折率変化が生じることとなる。このようにして、光変調素子300の周囲の電界が第二の変調電極342に作用することにより、光導波路320の第一及び第二の光路322,323内における屈折率が第一及び第二の変調電極341,342により変化させられる。
光源100から出射された光線が第一の光ファイバ200を介して光変調素子300に入力されると、その光は光導波路320の入力部321を通り、更に、Y分岐点Pにおいて二つの光に分割される。分割された光は、夫々、第一及び第二の光路322,323を別個に伝播する。その際、光変調素子300の周囲の電界に応じた屈折率変化が第一及び第二の光路322,323内に生じ、その屈折率変化によって第一及び第二の光路322,323を夫々伝播する光間に周囲電界に応じた位相差が生じる。位相差を有する二つの光はY結合点Pにおいて結合され、相互干渉が生じる。この干渉により、結合された光は位相差に応じた光強度変化を有することになる。結合された光は出力部324及び第二の光ファイバ400を通じて光検出器500まで伝達される。光検出器500は光強度変化を検出し、それにより、光変調素子300の周囲の電界の値を得ることができる。
以下、図4及び図6をも参照して、本発明の第一の実施の形態による光変調素子300の製造方法について説明する。
図4に示されるように、光導波路320の材料(本実施の形態においてはTi)のパターンがLiNbO基板310上に形成され、それがLiNbO基板310内に拡散させられることによって、光導波路320が基板310内に形成される。
次いで、図5に示されるように、透明絶縁体膜331及び透明導電体膜332が基板310及び光導波路320上に順次積層され、光導波路320を覆うようにして積層膜が形成される。本実施の形態による積層膜においては、透明絶縁体膜331がまず形成され、その上に透明導電体膜332が形成されているが、この順番は逆であっても構わない。即ち、まず、透明導電体膜332が基板310及び光導波路320上に形成されて、その透明導電体膜332上に透明絶縁体膜331が形成されることとしても良い。
本実施の形態においては、透明絶縁体膜331及び透明導電体膜332の膜厚は、いずれも100nmである。透明絶縁体膜331及び透明導電体膜332の膜厚は、20nm以上200nm以下の範囲内にあることが好ましいが、透明絶縁体膜331及び透明導電体膜332の膜厚は必ずしも互いに等しくなければならないわけではなく、互いに異なることとしても良い。また、本実施の形態において、透明絶縁体膜331及び透明導電体膜332は、いずれも光導波路320の屈折率よりも小さい屈折率を有する。
ここで、着目して頂きたい事項として、透明絶縁体膜331の形成プロセスと透明導電体膜332の形成プロセスとは互いに別個独立して行われることが挙げられる。透明絶縁体膜331は、真空蒸着法、イオンプレーティング法又はスパッタリング法によって形成することができる。同様に、透明導電体膜332もまた、真空蒸着法、イオンプレーティング法又はスパッタリング法によって形成することができる。従って、本実施の形態によれば、透明絶縁体膜331及び透明導電体膜332の膜厚は容易に制御することができる。これは、本実施の形態によるバッファ層形成方法が特許文献2に記載された混合膜からなるバッファ層とは全く異なることを意味している。例えば、特許文献2に記載された混合膜からなるバッファ層を真空蒸着法、イオンプレーティング法又はスパッタリング法などによって形成しようとする場合、導電体と絶縁体という異なる二つの材料を同時に蒸着したり、スパッタしたりするための特殊な装置が必要となるものと考えられ、それにより製造コストが高くなるものと予想される。これに対して、本実施の形態においては特許文献2の場合に考えられるような特殊な装置は必要とされず、本実施の形態による透明絶縁体膜331及び透明導電体膜332は既存の真空蒸着装置、イオンプレーティング装置又はスパッタリング装置により形成することができる。従って、本実施の形態によれば、例えば特許文献2の場合と比較して製造コストを低減することができる。
本実施の形態による透明絶縁体膜331は、透明絶縁性酸化物からなり、より具体的には、SiOからなる。透明絶縁性酸化物は、例えば、ホウケイ酸ガラス、Al、TiO又はZrOのいずれかであっても良いし、SiO、ホウケイ酸ガラス、Al、TiO又はZrOの中から選択された二つ以上の酸化物の組み合わせであっても良い。
一方、本実施の形態による透明導電体膜332は、透明導電性酸化物からなり、より具体的には、ITOからなる。透明導電性酸化物は、例えば、SnOやZnOのいずれかであっても良いし、ITO、SnO又はZnOの中から選択された二つ以上の酸化物の組み合わせであっても良い。このように、透明絶縁体膜331及び透明導電体膜332は樹脂材料からなるものではないので、特許文献1において生じうるような環境変化に起因した樹脂の劣化といった問題は本実施の形態においては生じない。
本実施の形態によるバッファ層330に関して構造上着目すべき点として、図5に示される製造途中の状態においては、透明絶縁体膜331と透明導電体膜332の間に明瞭な境界が見られるということがある。この境界は以下に述べる相互拡散によって曖昧なものとなる。
図6に示されるように、透明絶縁体膜331と透明導電体膜332からなる積層膜は相互拡散させられ、相互拡散層であるバッファ層330が得られる。本実施の形態においては、相互拡散は、透明絶縁体膜331と透明導電体膜332からなる積層膜をアニーリングすることによりなされる。本実施の形態におけるアニーリングは、酸素雰囲気中で500℃〜600℃の範囲内で行われる。アニーリング温度は積層膜の材質や求められる相互拡散層(バッファ層330)の特性によって適宜選択される。
本実施の形態において、バッファ層330のシート抵抗値は、透明絶縁体膜331の膜厚、透明導電体膜332の膜厚及びアニーリング条件を適宜選択することにより調整される。上述したように、透明絶縁体膜331の膜厚及び透明導電体膜332の膜厚を制御することは容易であるので、バッファ層330のシート抵抗値を10乃至10(Ω/□)の範囲に属するように調整することも比較的容易に行い得る。
相互拡散プロセス(本実施の形態においては具体的にはアニーリング)によりバッファ層330が形成されると、そのバッファ層330上に第一及び第二の変調電極341,342が形成され、本発明の第一の実施の形態による光変調素子300が得られる。
以下においては、図7乃至図10を参照して、本発明の第二の実施の形態による光変調素子について説明する。
図7に示されるように、本発明の第二の実施の形態による光変調素子は、バッファ層350を除き、第一の実施の形態と同様の構成を備えている。この第二の実施の形態による光変調素子は、図8乃至図10に示されるようにして製造される。なお、本実施の形態による光変調素子の構成要素であって第一の実施の形態による光変調素子と同じものについては、図7乃至図10において、第一の実施の形態による光変調素子と同じ参照符号を用いて示すこととする。
まず、図8に示されるように、光導波路320の材料を用いて基板310上にパターニングが行われ、パターニングされた材料が基板310内に拡散させられて光導波路320が基板310上に形成される。
次いで、図9に示されるように、透明絶縁体膜351,353及び透明導電体膜352,354が交互に積層され、基板310及び光導波路320上に積層膜が形成される。図示された積層膜においては、透明絶縁体膜351が最下層膜となっており、透明導電体膜354が最上層膜となっているが、最下層膜が透明導電体膜であっても良いし、最上層膜が透明絶縁体膜であっても良い。また、本実施の形態による積層膜において、透明絶縁体膜及び透明導電体膜の総膜数は“4”即ち偶数であるが、奇数であっても良い。例えば、透明絶縁体膜の膜数を“2”とし、透明導電体膜の膜数を“3”として総膜数を“5”としても良い。
透明絶縁体膜351,353及び透明導電体膜352,354の膜厚は、夫々、20nm以上200nm以下の範囲内にあるように制御されている。本実施の形態において、透明絶縁体膜351,353及び透明導電体膜352,354は互いに等しい膜厚を有しているが、互いに異なる膜厚を有することとしても良い。なお、本実施の形態における透明絶縁体膜351,353及び透明導電体膜352,354はいずれも光導波路320の屈折率よりも小さい屈折率を有している。
前述した第一の実施の形態と同様に、透明絶縁体膜351,353は真空蒸着法、イオンプレーティング法又はスパッタリング法によって形成することができる。透明導電体膜352,354もまた真空蒸着法、イオンプレーティング法又はスパッタリング法によって形成することができる。
本実施の形態における透明絶縁体膜351,353はSiOからなるが、透明絶縁体膜351,353が他の材料からなることとしても良い。例えば、透明絶縁体膜351,353は、ホウケイ酸ガラス、Al、TiO又はZrOのいずれかであっても良いし、SiO、ホウケイ酸ガラス、Al、TiO又はZrOの中から選択された二つ以上の絶縁体の組み合わせであっても良い。更に、透明絶縁体膜351と透明絶縁体膜353を異なる材料で形成しても良い。
一方、本実施の形態における透明導電体膜352,354はITOからなるが、透明導電体膜352,354が他の材料からなることとしても良い。例えば、透明導電体膜352,354は、SnOやZnOのいずれかであっても良いし、ITO、SnO又はZnOの中から選択された二つ以上の導電体の組み合わせであっても良い。更に、透明導電体膜352と透明導電体膜354とを異なる材料で形成することとしても良い。
図10に示されるように、透明絶縁体膜351,353及び透明導電体膜352,354からなる積層膜は相互拡散させられ、本実施の形態によるバッファ層350が得られる。本実施の形態においても、第一の実施の形態の場合と同様に、積層膜をアニーリングすることにより透明絶縁体膜351,353及び透明導電体膜352,354の相互拡散が行われる。なお、アニーリング条件は前述した第一の実施の形態におけるものと同じである。
本実施の形態においては、バッファ層350のシート抵抗値は、透明絶縁体膜351,353の膜数、透明導電体膜352,354の膜数、透明絶縁体膜351,353の各膜厚、透明導電体膜352,354の各膜厚、及びアニーリング条件を適宜選択することにより調整される。本実施の形態においても、バッファ層350のシート抵抗値を10乃至10(Ω/□)の範囲に属するように制御することも比較的容易に行い得る。
相互拡散プロセスによりバッファ層350が形成されると、そのバッファ層350上に第一及び第二の変調電極341,342が形成され、本実施の形態による光変調素子が得られる。
以上説明した光変調素子は、バラツキの少ないシート抵抗値を有するバッファ層を備えていることから、基板材料が焦電効果を有するものであったとしても、光変調素子としての良好な特性を呈することができる。かかる光変調素子は、前述したように電界センサのセンサヘッドとして用いることができる他、例えば、光ファイバ通信における光変調器としても用いることができる。なお、光通信における光変調器として用いられる場合、変調電極に印加される電圧は、変調素子の周囲電界に起因したものではなく、信号制御用の電圧となることは言うまでもない。
本発明の第一の実施の形態による光変調素子をセンサヘッドとして備える電界センサの概略構成を示す図である。 図1に示された光変調素子の概略構造を示す斜視図である。 図2に示された光変調素子の部分拡大断面図である。 図2に示された光変調素子の製造工程の一部を示す断面図である。 図2に示された光変調素子の製造工程の他の一部を示す断面図である。 図2に示された光変調素子の製造工程の他の一部を示す断面図である。 本発明の第二の実施の形態による光変調素子の構造を示す部分拡大断面図である。 図7に示された光変調素子の製造工程の一部を示す断面図である。 図7に示された光変調素子の製造工程の他の一部を示す断面図である。 図7に示された光変調素子の製造工程の他の一部を示す断面図である。
符号の説明
100 光源
200 第一の光ファイバ
300 光変調素子
310 基板
320 光導波路
321 入力部
322 第一の光路
323 第二の光路
324 出力部
330 バッファ層
331 透明絶縁体膜
332 透明導電体膜
341 第一の変調電極
342 第二の変調電極
350 バッファ層
351 透明絶縁体膜
352 透明導電体膜
353 透明絶縁体膜
354 透明導電体膜
400 第二の光ファイバ
500 光検出器

Claims (24)

  1. 電気光学効果を有する材料からなる基板と、該基板に形成された光導波路であって少なくとも一対の光路を有する光導波路と、基板及び光導波路上に形成された透明なバッファ層と、バッファ層上に形成された変調電極とを備えた光変調素子であって、前記変調電極は当該光変調素子を取り巻く電界に応じて前記一対の光路における屈折率変化を生じさせるように配置されている光変調素子において、前記バッファ層は、少なくとも一つの透明絶縁体膜と少なくとも一つの透明導電体膜とを備える積層膜を用いて作成された相互拡散層であることを特徴とする光変調素子。
  2. 請求項1に記載の光変調素子において、前記バッファ層は、10乃至10(Ω/□)のシート抵抗値を有することを特徴とする光変調素子。
  3. 請求項1又は2に記載の光変調素子において、前記積層膜は、複数の透明絶縁体膜及び複数の透明導電体膜からなることを特徴とする光変調素子。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の光変調素子において、前記バッファ層は、前記透明絶縁体膜及び前記透明導電体膜の間に明確な境界を有しない構造を備えていることを特徴とする光変調素子。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の光変調素子において、前記バッファ層は、該バッファ層の厚み方向において、互いに異なるシート抵抗値が分布してなる構造を有することを特徴とする光変調素子。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の光変調素子において、前記バッファ層は、前記透明絶縁体膜及び前記透明導電体膜を積層して得られた前記積層膜をアニーリングすることにより前記透明絶縁体膜及び前記透明導電体膜を相互に拡散させて得られるような層であることを特徴とする光変調素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の光変調素子において、前記透明絶縁体膜は透明絶縁体酸化物からなるものであることを特徴とする光変調素子。
  8. 請求項7に記載の光変調素子において、前記透明絶縁体酸化物は、SiO、ホウケイ酸ガラス、Al、TiO、ZrOのうちの少なくとも一つからなることを特徴とする光変調素子。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の光変調素子において、前記透明導電体膜は透明導電体酸化物からなるものであることを特徴とする光変調素子。
  10. 請求項9に記載の光変調素子において、前記透明導電体酸化物は、ITO、SnO、ZnOのうちの少なくとも一つからなることを特徴とする光変調素子。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の光変調素子において、前記基板はLiNbOからなり、前記光導波路はTi、V、Ni又はCuからなることを特徴とする光変調素子。
  12. 請求項1乃至10のいずれかに記載の光変調素子において、前記基板はLiTaOからなり、前記光導波路はCu、Nb又はTiからなることを特徴とする光変調素子。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の光変調素子と、該光変調素子に光学的に接続された光源と、前記光変調素子に光学的に接続された光検出器とを備えた電界センサ。
  14. 光変調素子を製造する方法であって、
    電気光学効果を有する材料からなる基板に、少なくとも一対の光路を有する光導波路を形成するステップと、
    前記基板及び前記光導波路上に透明なバッファ層を形成するステップと、
    当該光変調素子を取り巻く電界に応じて前記一対の光路における屈折率変化を生じさせるように配置されてなる変調電極を前記バッファ層上に形成するステップを備えた光変調素子製造方法であって、
    前記バッファ層を形成するステップは、
    少なくとも一つの透明絶縁体膜と少なくとも一つの透明導電体膜を積層して前記基板及び前記光導波路上に積層膜を形成するステップと、
    該積層膜を相互拡散させるステップ
    を備えることを特徴とする光変調素子製造方法。
  15. 請求項14に記載の光変調素子製造方法において、前記積層膜を形成するステップは、前記透明絶縁体膜を形成するステップと前記透明導電体膜を形成するステップとを備えており、前記透明絶縁体膜を形成するステップと前記透明導電体膜を形成するステップとは別々に実行されることを特徴とする光変調素子製造方法。
  16. 請求項15に記載の光変調素子製造方法において、前記透明絶縁体膜を形成するステップは、真空蒸着法、イオンプレーティング法又はスパッタリング法により行われることを特徴とする光変調素子製造方法。
  17. 請求項15又は16に記載の光変調素子製造方法において、前記透明導電体膜を形成するステップは、真空蒸着法、イオンプレーティング法又はスパッタリング法により行われることを特徴とする光変調素子製造方法。
  18. 請求項15乃至17のいずれかに記載の光変調素子製造方法において、前記透明絶縁体膜を形成するステップと前記透明導電体膜を形成するステップとが交互に実行され、それにより前記積層体が形成されることを特長とする光変調素子製造方法。
  19. 請求項14乃至18のいずれかに記載の光変調素子製造方法において、前記透明絶縁体膜及び前記透明導電体膜は夫々20nm以上200nm以下の膜厚を有することを特徴とする光変調素子製造方法。
  20. 請求項14乃至19のいずれかに記載の光変調素子製造方法において、前記相互拡散させるステップは、前記積層膜をアニーリングするステップを備えることを特徴とする光変調素子製造方法。
  21. 請求項20に記載の光変調素子製造方法において、前記アニーリングは酸素雰囲気内にて500℃以上600℃以下で行われることを特徴とする光変調素子製造方法。
  22. 請求項14乃至21のいずれかに記載の光変調素子製造方法において、前記透明絶縁体膜は、SiO、ホウケイ酸ガラス、Al、TiO、ZrOのうちの少なくとも一つからなることを特徴とする光変調素子製造方法。
  23. 請求項14乃至22のいずれかに記載の光変調素子製造方法において、前記透明導電体膜は、ITO、SnO、ZnOのうちの少なくとも一つからなることを特徴とする光変調素子製造方法。
  24. 請求項14乃至23のいずれかに記載の光変調素子製造方法において、前記バッファ層の前記シート抵抗値は、前記透明絶縁体膜の膜数、前記透明導電体膜の膜数、前記透明絶縁体膜及び前記透明導電体膜の夫々の膜厚若しくは前記アニーリングの実行条件又はそれらから想定される一の組み合わせにより、10乃至10(Ω/□)の範囲に属するように、調整されることを特徴とする光変調素子製造方法。
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