JP2004341471A - 回折素子および光ヘッド装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一つの回折素子でありながらCD用、DVD用の各波長に対して回折効率が最適化された回折素子を得て、これを用いて光利用効率の高い光ヘッド装置を得る。
【解決手段】1枚の透明基板3上に形成された周期的な凹凸部を備える回折格子1であって、凸部は透明基板面に平行に配された光学多層膜を備え、また凹部には無機物または無機物を主成分とする透明材料である充填材2により充填されており、透明材料上面が凸部上面に一致して平坦である回折素子得て、この素子を光ヘッド装置の光源と対物レンズの間の光路中に配置する。
【選択図】図1
【解決手段】1枚の透明基板3上に形成された周期的な凹凸部を備える回折格子1であって、凸部は透明基板面に平行に配された光学多層膜を備え、また凹部には無機物または無機物を主成分とする透明材料である充填材2により充填されており、透明材料上面が凸部上面に一致して平坦である回折素子得て、この素子を光ヘッド装置の光源と対物レンズの間の光路中に配置する。
【選択図】図1
Description
本発明は、回折素子および光ヘッド装置に関し、特に光ヘッド装置に関しては光記録媒体の情報の記録および再生を行う光ヘッド装置に関する。
同一の光ヘッド装置で、規格の異なる光ディスクであるCD、DVD、および次世代DVDを用いて情報の記録および再生を行うため、複数の波長の光波を用いる互換光ヘッド装置が提案されている。すなわち、CD用の波長780nm帯の光波、DVD用の660nm帯の光波、次世代DVD用の405nm帯の光波を出射する複数の半導体レーザを備える互換光ヘッド装置である。
前記互換光ヘッド装置において用いられる回折素子として、トラッキング用の3ビーム発生用の回折素子、光記録媒体である光ディスクより反射した戻り光を光検出器に導くホログラム素子など、さまざまな用途で用いられる。
このような複数波長の光波で用いる光ヘッド装置において、構成部品数の削減・小型・軽量化のため、一つの回折素子でありながら各波長により回折効率を最適化された回折素子のニーズが多い。しかしながら、従来の回折素子では、回折効率の波長依存性は、格子の材料および深さのみでほぼ決まるため、各波長において所望の回折効率を得ることが困難であった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、少なくとも1枚の透明基板上に形成された周期的な凹凸部を備える回折格子であって、凸部は透明基板面に平行に配された光学多層膜からなり、また凹部には無機物または無機物を主成分とする透明材料により充填されており、透明材料上面が凸部上面に一致して平坦であるか、または凸部上面を覆って透明材料上面が平坦であることを特徴とする回折素子を提供する。
また、前記回折素子に、さらに複屈折性を有する有機薄膜または複屈折性を有する無機材料からなる積層基板が積層されて構成されている上記の回折素子を提供する。
また、前記透明基板が複屈折性を有する無機物基板からなる上記の回折素子を提供する。
波長λ1および波長λ2の光波を出射する光源と、波長λ1および波長λ2の光波を光記録媒体に集光する対物レンズと、集光されて光記録媒体により反射された光波を検出する光検出器とを備え、光記録媒体に情報の記録および再生を行う光ヘッド装置において、光源と対物レンズとの間の波長λ1および波長λ2の光波が共有する光路中に、上記の回折素子が設置されていることを特徴とする光ヘッド装置波長λ1および波長λ2の光波を出射する光源と、波長λ1および波長λ2の光波を光記録媒体に集光する対物レンズと、集光されて光記録媒体により反射された光波を検出する光検出器とを備え、光記録媒体に情報の記録および再生を行う光ヘッド装置において、光源と対物レンズとの間の波長λ1および波長λ2の光波が共有する光路中に、請求項1、2または3のいずれかに記載の回折素子が設置されていることを特徴とする光ヘッド装置を提供する。
本発明の回折素子は、透明基板に光学多層膜からなる回折格子を有しているので、光学多層膜の設計で、回折効率の波長依存性を容易に制御できる。また、本発明の回折素子は、光学多層膜からなる回折格子と、その回折格子の凹部に充填された無機物または無機物を主成分とした透明な充填材からなり、さらに、前記回折格子と前記透明な充填材が形成された表面が平坦であるので、回折効率の温度変動が小さく、さらにノイズの少ない良好な3ビームを得ることができる。
また、光ヘッド装置に、本発明の回折素子を搭載することで、設計自由度が高く、かつ光利用効率の高い光ヘッド装置を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
「第1実施態様」
本発明は、1枚の透明基板上に形成された周期的な凹凸部を備える回折素子であり、凸部は透明基板面に平行に配された光学多層膜からなっている。また凹部は無機物または無機物を主成分とする透明材料により充填されている回折素子である。すなわち、凹部は透明材料により埋められていて、凹部の上面と透明材料の上面の高さが一致していて、表面は平坦となっている。
または、凹部が透明材料により充填されていて、さらに凹部の上面が透明材料により覆われていてもよい。この場合も透明材料の表面は平坦となっている。
本発明は、1枚の透明基板上に形成された周期的な凹凸部を備える回折素子であり、凸部は透明基板面に平行に配された光学多層膜からなっている。また凹部は無機物または無機物を主成分とする透明材料により充填されている回折素子である。すなわち、凹部は透明材料により埋められていて、凹部の上面と透明材料の上面の高さが一致していて、表面は平坦となっている。
または、凹部が透明材料により充填されていて、さらに凹部の上面が透明材料により覆われていてもよい。この場合も透明材料の表面は平坦となっている。
さらに、1枚の透明基板の両方の面に上記の周期的な凹凸部を備える回折素子が形成されていてもよい。
さらに、2枚の透明基板の間に上記の周期的な凹凸部が挟持されていてもよい。この場合も、凹部の上面と充填された透明材料の上面が一致していてもよく、また凹部の上面が透明材料により覆われていてもよい。
さらに、2枚の透明基板の間に上記の周期的な凹凸部が挟持されていてもよい。この場合も、凹部の上面と充填された透明材料の上面が一致していてもよく、また凹部の上面が透明材料により覆われていてもよい。
ここでいう、平坦とは、透明材料を充填した結果表面に残る規則的なうねりのピーク・トウ・バレイdと、透明材料の屈折率と空気の屈折率との差Δnとの積Δndが、透過する可視光線の波長の1/15以下であることを意味する。この条件のとき、うねりによる回折を1%以下に抑えることができる。
図1は、本発明の第1実施態様となる回折素子の概念的断面図であり、該回折素子は、透明基板3に形成された光学多層膜からなる回折格子1と、回折格子1の凹部に充填された透明材料である充填材2からなる。
透明基板3としては、ガラスや石英ガラスなどの光学的に等方である透明な平行基板を用いることができる。
回折格子1としては、透明基板3上に石英や酸化チタンなどの光学多層膜である誘電体を蒸着法、スパッタ法などにより成膜した光学多層膜をエッチング法などで加工したものを用いてもよく、透明基板3上に、リフトオフ用の膜を成膜、パターニング後に、石英や酸化チタンなどの誘電体を蒸着法やスパッタ法により成膜し、リフトオフ用の膜を取り除いたものを用いてもよい。図1では、簡単のため、回折格子1は2種の材料からなる5層の光学多層膜として描かれているが、膜の材料、種類および層数は所望の回折効率が得られるように設計すればよい。
充填材2としての透明材料は、石英ガラス、酸化チタンなどの無機材料、または、前記無機材料を主成分とした、アクリル樹脂やエポキシ樹脂などの有機材料を添加したものを用いてもよい。また、第1実施態様となる回折素子において、上記において述べたように透明材料の充填材2を、回折格子1の凹部のみに充填し上部を一致させてもよいし、図2に示すように回折格子1の凹部のみならず凸部を覆うように充填してもよい。図2の符号2および3は、図1と同様それぞれ充填材および透明基板である。以下の図において、符号1、2および3全て同じ要素を意味する。
このとき、回折格子1を形成する光学多層膜材料の屈折率の温度依存性と、充填材2を形成する透明材料の屈折率の温度依存性との差が、100×10−6/℃以下になるように、おのおのの材料を選定することで、本発明の第1実施態様となる回折素子における回折効率の温度依存性を小さくできて好ましい。
充填材2を回折格子1の凹部に充填する手段として、上述の透明材料をCVD(化学気相蒸着法)により成膜して充填してもよいし、上述の透明材料の溶液を回折格子1に滴下させて、スピンコートにより成膜して充填してもよい。
このとき、透明な充填材2は回折格子1の凹部に充填されるのみならず、凸部にも堆積してしまい、透明な充填材2の表面に凹凸が生じ、透明な充填材2からなる回折格子が形成される(図7参照)。ただし、成膜条件を最適化することで、透明な充填材2表面の凹凸の高さを回折格子1の凹凸の高さに対し20分の1以下にできる。
透明な充填材2の表面をさらに平坦化するために、透明な充填材2による凹凸が無くなるまで研磨してもよいし(図2参照)、回折格子1の上面に一致するまで研磨してもよい(図1参照)。
また、平坦化の手段としては、図3に示すように、透明な充填材2と同じ屈折率の接着剤(図示せず)を用いて、表面が平坦な透明基板6を積層してもよい。
また、平坦化の手段としては、図3に示すように、透明な充填材2と同じ屈折率の接着剤(図示せず)を用いて、表面が平坦な透明基板6を積層してもよい。
上述したように、本発明の第1実施態様の回折素子は、透明基板上に形成した光学多層膜からなる回折格子を用いることで、回折効率の波長依存性に関する設計自由度を増すことができる。
さらに、前記光学多層膜からなる回折格子の凹部に、屈折率の温度依存性が光学多層膜材料とほとんど同じ透明な充填材を充填することで、回折効率の温度依存性を小さくできる。
また、前記透明な充填材の表面を平坦化させることで、前記表面の小さな凹凸により生じうる、不要な回折光または散乱光を無くすことができる。
また、前記透明な充填材の表面を平坦化させることで、前記表面の小さな凹凸により生じうる、不要な回折光または散乱光を無くすことができる。
「第2実施態様」
前記回折素子に、さらに複屈折性を有する有機薄膜または複屈折性を有する無機材料からなる積層基板が積層されて構成されている回折素子とすることがこの好ましい。有機薄膜または複屈折性を有する無機基板は、透明基板側に配されていてもよいし、回折格子側に配されていてもよい。
前記回折素子に、さらに複屈折性を有する有機薄膜または複屈折性を有する無機材料からなる積層基板が積層されて構成されている回折素子とすることがこの好ましい。有機薄膜または複屈折性を有する無機基板は、透明基板側に配されていてもよいし、回折格子側に配されていてもよい。
図4および図5に示すのは、本発明の第2実施態様となる回折素子の概念的断面図であり、該回折素子は、透明基板3に形成された光学多層膜からなる回折格子1と、回折格子1の凹部に充填された透明材料の充填材2と、複屈折性を有する有機薄膜または無機基板4からなり、前記複屈折性を有する有機薄膜または無機材料からなる積層基板4は、透明な充填材2の面に積層されていてもよく(図4参照)、透明基板3の面に積層されていてもよい(図5参照)。
回折格子1、透明基板3および透明な充填材2は、本発明の第1実施態様の回折素子と同様のものを用いることができる。
複屈折性を有する有機薄膜または無機材料の積層基板4として、ポリカーボネートを一軸延伸して複屈折性を誘起した薄膜、または水晶の単板を薄く加工したものを用いることができる。
また、複屈折性を有する有機薄膜または無機材料の積層基板4上に、積層基板4の保護、または平坦性向上のために、光学的に等方的な透明基板を積層してもよい(図示せず)。
また、複屈折性を有する有機薄膜または無機材料の積層基板4上に、積層基板4の保護、または平坦性向上のために、光学的に等方的な透明基板を積層してもよい(図示せず)。
上述したように、本発明の第2実施態様の回折素子は、回折格子による光波の偏向制御と、複屈折を有する有機薄膜または無機材料の積層基板による光波の偏光制御を、一つの素子で実現できる。
「第3実施態様」
また、前記透明基板が複屈折性を有する無機物基板からなる回折素子とすることが好ましい。
図6は、本発明の第3実施態様となる回折素子の概念的断面図であり、該回折素子は、複屈折性を有する無機物基板5に形成された光学多層膜からなる回折格子1と、回折格子1の凹部に充填された透明な充填材2からなる。
また、前記透明基板が複屈折性を有する無機物基板からなる回折素子とすることが好ましい。
図6は、本発明の第3実施態様となる回折素子の概念的断面図であり、該回折素子は、複屈折性を有する無機物基板5に形成された光学多層膜からなる回折格子1と、回折格子1の凹部に充填された透明な充填材2からなる。
回折格子1および透明な充填材2は、本発明の第1実施態様の回折素子と同様のものを用いることができる。複屈折性を有する無機物基板5としては、水晶またはニオブ酸リチウムなどの単板を用いることができる。また、回折格子1および透明な充填材2上に、表面の平坦性向上のために、光学的に等方的な透明基板を積層してもよい(図示せず)。
上述したように、本発明の第3実施態様の回折素子は、回折格子による光波の偏向制御と、複屈折を有する無機物基板による光波の偏光制御を、一つの素子で実現できる。
「第4実施態様」
図8は、本発明の第4実施態様の光ヘッド装置を示す光学配置図であり、例えば本発明の回折素子31を搭載した場合について説明する。第4実施態様の光ヘッド装置は光記録媒体であるDVD37およびCD38の情報の記録・再生を行うCD/DVD互換光ヘッド装置であって、DVD用の波長λ1およびCD用の波長λ2の光波を出射する2波長光発振半導体レーザ32とビームスプリッタ33との間に、本発明の回折素子31を備えている。
図8は、本発明の第4実施態様の光ヘッド装置を示す光学配置図であり、例えば本発明の回折素子31を搭載した場合について説明する。第4実施態様の光ヘッド装置は光記録媒体であるDVD37およびCD38の情報の記録・再生を行うCD/DVD互換光ヘッド装置であって、DVD用の波長λ1およびCD用の波長λ2の光波を出射する2波長光発振半導体レーザ32とビームスプリッタ33との間に、本発明の回折素子31を備えている。
図9を参考にして回折素子31について説明する。回折素子31は、透明基板13の上面に形成された、光学多層膜からなる回折格子11と回折格子11の凹部に充填された透明な充填材14からなる第1の回折部分と、透明基板13の下面に形成された、光学多層膜からなる回折格子12と第2の回折格子12の凹部に充填された透明な充填材15からなる第2の回折部分からなる。
前記第1の回折部分では、DVD用の波長λ1の光波を約6%回折し、CD用の波長λ2の光波をほぼ100%透過するように設計し、一方、第2の回折部分では、DVD用の波長λ1の光波をほぼ100%回折し、CD用の波長λ2の光波を約6%透過するように設計する。これにより、回折素子32は各波長の光波を3ビームに効率良く分けることができる。
回折素子31によって3ビームに分割された、2波長光発振半導体レーザ32からの各波長の光波は、ビームスプリッタ33、コリメートレンズ34を透過し、対物レンズ36により光記録媒体であるDVD37またはCD38に集光される。DVD37またはCD38にて反射された光波は、対物レンズ36、コリメートレンズ34の順に戻り、ビームスプリッタ33で反射して光検出器35によって検出される。回折素子31により得られた各波長の光波の3ビームは、トラッキングに使用できる。
「実施例1」
本実施例は図1に示す第1実施態様の回折素子の具体例である。ガラス製の透明基板3の表面に、真空蒸着で石英(SiO2)と酸化チタン(TiO2)からなる光学多層膜を成膜して、フォトリソグラフィとエッチングの技術により矩形状の回折格子1を形成した。
本実施例は図1に示す第1実施態様の回折素子の具体例である。ガラス製の透明基板3の表面に、真空蒸着で石英(SiO2)と酸化チタン(TiO2)からなる光学多層膜を成膜して、フォトリソグラフィとエッチングの技術により矩形状の回折格子1を形成した。
次に、回折格子1の凹部に透明な充填材2として、ポリシラザンにアクリル樹脂と酸化チタンを混合し、波長589nmの光波に対し屈折率が1.51になるように調整したものを充填し硬化した。さらに、透明な充填材2の表面に残ったわずかな凹凸(図7参照)を平坦にするため精密研磨機によってその凹凸を研磨し、研磨後の表面に反射防止膜を施した(図示せず)また、透明基板3の回折格子1を形成した面とは反対の面にも反射防止膜を施した(図示せず)。
ここで、本実施例の回折素子による回折効率が、波長660nmの光波において、0次光の回折効率(透過光の透過率)が84%、+1次光の回折効率が6%、波長780nmの光波において、0次光の回折効率(透過光の透過率)がほとんど100%になるように、前記回折格子1を構成する光学多層膜を設計(表1参照)し、石英と酸化チタンからなる29層膜とした。
上述のように作製した回折素子の波長660nmの光波に対する回折光を調べたところ、透明な充填材2の表面を平坦化したため、ノイズとなる回折光や散乱光もなく、効率良く3ビームを得ることができた。
さらに、0次回折効率と+1次回折効率との比に関して、室温から100℃までの温度依存性を調べたところ、その比(0次/+1次)は14±2の間にあり、回折効率の温度変動が実用上充分に小さい回折素子を得ることができた。
さらに、0次回折効率と+1次回折効率との比に関して、室温から100℃までの温度依存性を調べたところ、その比(0次/+1次)は14±2の間にあり、回折効率の温度変動が実用上充分に小さい回折素子を得ることができた。
次に、上述の実施例で作製した回折素子を、図8に示す光ヘッド装置の回折素子31の位置に搭載して、DVD37のトラッキング特性を調べたところ、良好なトラッキング性能を示し、DVD37の情報の記録・再生特性も良好であった。
「実施例2」
本実施例は図3に示す第1実施態様の回折素子の具体例である。図中下側の面に反射防止膜を施したガラス製の透明基板3の図中上側の面に、真空蒸着で石英(SiO2)と酸化チタン(TiO2)からなる表2に示す9層構造の光学多層膜を成膜する。次に、前記光学多層膜をフォトリソグラフィとエッチングの技術により矩形状の回折格子1に加工する。
本実施例は図3に示す第1実施態様の回折素子の具体例である。図中下側の面に反射防止膜を施したガラス製の透明基板3の図中上側の面に、真空蒸着で石英(SiO2)と酸化チタン(TiO2)からなる表2に示す9層構造の光学多層膜を成膜する。次に、前記光学多層膜をフォトリソグラフィとエッチングの技術により矩形状の回折格子1に加工する。
次に、回折格子1の凹部に透明な充填材2として、ポリシラザンにアクリル樹脂と酸化チタンを混合し、波長589nmの光波に対し屈折率が1.56になるように調整したものを充填し硬化する。さらに、また、図中上側の面に反射防止膜を施したガラス製の透明基板6のを回折格子1の上に接着剤で接着する。
ここで、本実施例の回折素子による回折効率は、波長660nmの光波において、0次光の回折効率(透過光の透過率)が87%、+1次光の回折効率が5%、波長780nmの光波において、0次光の回折効率(透過光の透過率)も87%、+1次光の回折効率が5%となる。
すなわち、本実施例の回折素子によると、660nmと780nmの異なる波長の光波に対する回折効率を一致させることができる。
すなわち、本実施例の回折素子によると、660nmと780nmの異なる波長の光波に対する回折効率を一致させることができる。
例えば、CD/DVD互換光ヘッド装置において、単一の回折素子でCDおよびDVDのトラッキング信号を得るトラッキング方法が提案されている。本実施例の回折素子を、上記のトラッキング信号用の回折素子として利用すると、波長780nmの光波を用いるCD、および波長660nmの光波を用いるDVDの記録および再生において、ともに同じ回折効率のトラッキング信号を得ることができる。
本発明の回折素子は、光学多層膜構造となっているので、回折効率の波長依存性に設計自由度を必要とする場合に使用できる。
1、11、12:回折格子
2、6、14、15:充填材
3:透明基板
4:積層基板
5:無機物基板
13:透明基板
31:回折素子
32:2波長光発振半導体レーザ
2、6、14、15:充填材
3:透明基板
4:積層基板
5:無機物基板
13:透明基板
31:回折素子
32:2波長光発振半導体レーザ
Claims (4)
- 少なくとも1枚の透明基板上に形成された周期的な凹凸部を備える回折格子であって、凸部は透明基板面に平行に配された光学多層膜からなり、また凹部には無機物または無機物を主成分とする透明材料により充填されており、透明材料上面が凸部上面に一致して平坦であるか、または凸部上面を覆って透明材料上面が平坦であることを特徴とする回折素子。
- 前記回折素子に、さらに複屈折性を有する有機薄膜または複屈折性を有する無機材料からなる積層基板が積層されて構成されている請求項1に記載の回折素子。
- 前記透明基板が複屈折性を有する無機物基板からなる請求項1または2に記載の回折素子。
- 波長λ1および波長λ2の光波を出射する光源と、波長λ1および波長λ2の光波を光記録媒体に集光する対物レンズと、集光されて光記録媒体により反射された光波を検出する光検出器とを備え、光記録媒体に情報の記録および再生を行う光ヘッド装置において、光源と対物レンズとの間の波長λ1および波長λ2の光波が共有する光路中に、請求項1、2または3のいずれかに記載の回折素子が設置されていることを特徴とする光ヘッド装置。
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2003
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