JP2000348366A - 光ヘッド装置 - Google Patents

光ヘッド装置

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JP2000348366A
JP2000348366A JP11362739A JP36273999A JP2000348366A JP 2000348366 A JP2000348366 A JP 2000348366A JP 11362739 A JP11362739 A JP 11362739A JP 36273999 A JP36273999 A JP 36273999A JP 2000348366 A JP2000348366 A JP 2000348366A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】生産性のよい開口制御素子を備えた、光ヘッド
装置を得る。 【解決手段】平板状の開口制御素子基板21の中心部領
域を囲む周辺部領域には断面が凹凸の形状の回折格子2
0が形成され、かつ凹凸の位相振幅が選択的に透過させ
たい光の波長のi倍(iは2以上の整数)である開口制
御素子を、異なる2つの波長の光を使用する光ヘッド装
置の光ディスクへ至る光路中に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクの情報
の記録や再生に使用する光ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】CD−R(追記型コンパクトディスク)
などを含むCD(コンパクトディスク)系光ディスクの
記録・再生のために、厚さ1.2mmの光ディスクと、
光源として発振波長780nmの半導体レーザと、NA
(開口数)0.45の対物レンズとが使用されている。
一方、DVD(デイジタルビデオディスク)系光ディス
クの記録・再生のために、厚さ0.6mmの光ディスク
と、発振波長650nmの半導体レーザと、NA0.6
の対物レンズとが使用されている。
【0003】1つの光ヘッド装置によるCDとDVD両
系の光ディスクの記録・再生は、両系の光ディスクに使
用されるそれぞれの波長の半導体レーザを各1個、それ
ぞれのNAの対物レンズを各1個搭載してそれぞれを切
換えることにより実現できるが、この切換方式では光学
系が2系統になるため装置形状が大きく、重量も重く、
また部品点数も多くなって、組み立てが複雑であり、制
御電力も大きく、さらにコスト高になる欠点があった。
【0004】そのため最近では、波長の異なる半導体レ
ーザから出た光を波長選択性合成・分離ミラーで合成・
分離し同一の対物レンズを用いる構成にして、よりコン
パクトな光ヘッド装置を実現することが考えられてい
る。しかし、CD系とDVD系では光ディスクの厚みが
それぞれ1.2mmおよび0.6mmと異なること、対
物レンズのNAがそれぞれ0.45および0.6と異な
ること、光源の波長がそれぞれ780nmおよび650
nmと異なることなどのため、CD系とDVD系とで同
一の対物レンズを使用して記録・再生する場合、上述の
対物レンズのNAを波長に応じて変える必要がある。
【0005】波長に応じてCD系とDVD系の対物レン
ズのNAを変える方法として、次のような開口制御素子
を光源から光ディスクに至る光路中に配設して使用して
いる。すなわち、開口制御素子の光軸が通る中心部領域
では前記した異なる波長の2つの光を直進透過させ、光
軸が通らない周辺部領域では波長650nmの光のみを
直進透過させて波長780nmの光を透過させない機能
を有する開口制御素子である。
【0006】従来、前述の開口制御素子には、使用する
2つの波長の光のうち1つの光を反射するように対物レ
ンズの表面の周辺部に誘電体光学多層膜が施されてい
た。光の透過特性は、誘電体光学多層膜が施されていな
い中心部領域では波長650nmと波長780nmの両
光に対して高透過率で、周辺部領域(ほぼドーナツ状の
領域)では波長650nmの光に対してのみ高透過率
で、波長780nmの光には低透過率である。
【0007】上記の光透過性能を得るために開口制御素
子の周辺部領域では、波長780nmの光は反射するよ
うに通常20層程度の誘電体光学多層膜が必要で、3〜
4μmの光学膜厚nd(ただし、n:屈折率、d:膜
厚)となっていた。この場合、波長780nmの光に対
しては、周辺部領域では反射されるので開口制御(制
限)される。しかし、波長650nmの光に対しては、
中心部領域での光学膜厚と周辺部領域での光学膜厚との
差が大きく光学的波面に波面収差により位相差を生じ、
光ディスク上への効率のよい集光ができない。
【0008】この波面収差の問題を解決するために、中
心部領域にも光学膜厚が周辺部領域とほぼ同じになるよ
うに光学多層膜(波長650nmと波長780nmとの
光に対してともに高透過率)を施している。
【0009】開口制御素子の良好な集光特性を得るの
に、開口制御素子の中心部領域と周辺部領域との間で必
要とされる光学膜厚差(Δnd)は、光学的波面の位相
差からの要求により60nm以下であり、この条件を満
たすように成膜時に精度よく中心部領域と周辺部領域の
光学膜厚を制御しなければならない。
【0010】しかし、周辺部領域での反射を従来の誘電
体光学多層膜で行う方式では、光学膜厚が厚い(3〜4
μm)ため、1%以下の光学膜厚精度で成膜する必要が
あった。この中心部領域と周辺部領域で要求される成膜
精度は、光学膜形成の歩留まりを著しく低下させ、開口
制御素子の生産性を落とす大きな原因であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の欠点を解決し、光学特性に優れかつ小型軽量
化に適し、生産性のよい光ヘッド装置を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、波長の異なる
2つ以上の光を用いて、光ディスクの記録または再生を
行う光ヘッド装置の、前記2つ以上の光が光ディスクの
情報記録面に至る光路中に、波長に応じて光の透過領域
を制限する機能を有する開口制御素子を備えた光ヘッド
装置において、開口制御素子の光軸が通る中心部領域を
囲む周辺部領域には断面が凹凸の形状の周期的な回折格
子が形成され、前記凹凸の位相振幅が選択的に透過させ
たい光の波長のi倍(ただしiは2以上の整数)である
ことを特徴とする光ヘッド装置を提供する。
【0013】また、開口制御素子の回折格子の平面パタ
ーンが、開口制御素子の前記光軸を回転軸としたとき1
80°の回転対称性を有しない平面パターンである上記
の光ヘッド装置を提供する。また、前記中心部領域に、
位相制御用の輪帯状溝が設けられている上記の光ヘッド
装置を提供する。また、前記凹凸の断面深さが、前記輪
帯状溝の断面深さと等しい上記の光ヘッド装置を提供す
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態として、D
VD系とCD系のそれぞれに使用する2種類の波長の光
源を有する光ヘッド装置について説明する。図7に示す
本発明の一例の光ヘッド装置において、半導体レーザ9
a、9bから出射した光はそれぞれコリメートレンズ1
0a、10bを透過後、ビームスプリッタ7を透過(1
0aの透過光)または反射(10bの透過光)し、開口
制御素子6(開口制御素子と他の光学素子と組み合わせ
る場合もある。これに関しては後述する。)を透過し
て、対物レンズ5によって光ディスク4上に集光され
る。また、11a、11bは光検出器である。
【0015】図7に示すように対物レンズ5とビームス
プリッタ7との間に、本発明における開口制御素子6を
配置することで図8(a)および図8(b)のように、
光の波長に応じて対物レンズのNAを実効的に制御して
光ディスク4に集光させているので、厚さの異なる光デ
ィスクでも一つの光学系で高い集光能力を実現してい
る。
【0016】図8(a)はCD用で対物レンズのNAが
大きい場合の光の透過の様子を示し、波長650nmの
光は開口制御素子6を透過後対物レンズ5でNAが0.
6となり光ディスク4上に焦点を結ぶ。図8(b)はD
VD用で対物レンズのNAが小さい場合の光の透過の様
子を示し、波長780nmの光は開口制御素子6を透過
後対物レンズ5でNAが0.45となり光ディスク4上
に焦点を結ぶ。
【0017】本発明における開口制御素子の一例の断面
図を図1(a)に、平面図を図1(b)に示す。開口制
御素子基板21に断面が凹凸の形状の回折格子20が形
成されている。図8(b)のように開口制御素子の周辺
部領域ではCD用の波長の光のみを透過的に回折し光路
を変える機能の回折格子を形成し、DVD用の波長の光
は透過させない。また、開口制御素子基板の中心領域に
は回折格子を形成せず2つの波長に対しても高い透過率
を有する。
【0018】この開口制御素子に形成された回折格子の
断面が凹凸の形状の周期的な位相振幅(後述する)が、
選択的に透過させたい波長(650nm)の2以上の整
数倍とすることで650nmの光に対しては回折効率が
低く、780nmの波長に対しては回折効率を高くでき
て好ましい(この様子を図6に示す)。
【0019】図5は断面が凹凸の形状で屈折率の異なる
2つの媒質が接している様子を表す断面図であり、図5
のように屈折率n1、n2の2つの媒質の界面に回折格子
を形成する場合には、回折格子の断面の凹凸の深さをd
とするとき、この周期的な位相振幅φはd×|n1−n2
|と表せる。この位相振幅φを透過率を高くしたい波長
のi倍にする。iが整数のときその波長の光の透過率が
最も高くなる。
【0020】図6は断面凹凸の形状の回折格子の0次透
過率と波長との関係を示すグラフである。ここでは種々
のiに対して計算した。このように、i=1では波長7
80nm付近の透過率が約72%と比較的高く開口制御
機能はやや不足するが、i=2または3では780nm
における透過率は約20%以下となり充分な開口制御機
能が得られる。またi=4では、再び780nmにおけ
る透過率が上昇する。このように650nmと780n
mの2つの波長を用いる場合にはi=2または3が好ま
しい。このiの値は選択したい波長により最適化するこ
とが好ましい。
【0021】例えば、ガラスと空気の界面に回折格子を
作成する場合、ガラスの屈折率n1=1.45、空気の
屈折率n2=1のときdを2.89μmとすることで、
φ=2.89×(1.45−1.0)=1.3μmとな
り0.65μmのDVD用の波長の2倍(i=2)とす
ることができる。
【0022】さらに、iを2以上の整数とし、さらに回
折格子の凸部と凹部との平面面積をほぼ等しくすること
で、回折格子の存在する周辺部領域の0次透過光の波面
は、回折格子のない中心部領域の波面とちょうど波長の
整数倍だけ異なり、実質的に透過光の波面収差には影響
されず好ましい。
【0023】ここでiは5以下が好ましい。iが5より
大きくなると回折格子の作成に困難を伴うことがある。
また、iは整数であると透過させたい波長の光の透過率
が最も高くなり好ましいが、整数値から10%程度ずれ
ていてもよい。すなわち、透過させたい波長の光の透過
率が多少低くても、透過させたくない波長の光の透過率
が極めて低く所望の特性が得られればよい。
【0024】また、光ヘッド装置において半導体レーザ
などの光源からの出射光が、光ディスクへ向かう途中、
開口制御素子の周辺部領域に形成された回折格子により
回折され光ディスクへ向かい、光ディスクで反射し、開
口制御素子に戻ってきたときに、再度開口制御素子によ
って回折される。この往復において、往路で例えば+1
次に回折され復路で−1次(+1次とは逆方向)に回折
される場合に、その光は回折されなかった0次光とほぼ
等しい光路を戻ることになる。この−1次の回折光が光
検出器に到達し、ノイズ光となるため、開口制御機能が
実質的に低下する。
【0025】したがって、回折格子の平面状の回折格子
パターンが、図1(b)に示すように光軸を回転軸とし
たとき180°の回転対称性を有しない平面パターンで
あれば、すなわち、光軸を回転軸として180°回転し
たときその回折格子パターンが重ならなければ、往路で
回折された光は復路で回折された後にも0次光とは異な
る光路を進むこととなり、光検出器に到達せず好まし
い。また、回折格子パターンは2分割に限定されず、分
割線がなくても、3分割でも、4分割でも、その他の分
割でも、光軸を回転軸としたとき180°の回転対称性
を有しない平面パターンであればよい。
【0026】回転角180°に関しては、180°から
10〜20°ずれても回折格子パターンが上記の回転対
称性を有しなければよく、また、回折格子パターンの1
80°回転対称性からのずれは光の往路と復路で同じ光
路をたどらない程度ずれていればよい。
【0027】また、使用する光学系によっては、開口を
制限するだけではCD系とDVD系との光ディスクの厚
みの違いにより発生する球面収差を、充分に抑制できな
いことがある。本発明における開口制御素子の他の例の
断面図を図2(a)に、平面図を図2(b)に示す。図
2(a)および図2(b)のように、回折格子20の形
成されていない、光軸が通る中心部領域(CD再生時に
光が透過する領域)に球面収差補正用の輪帯状溝22を
形成することが好ましい。
【0028】この収差補正機能について説明する。厚さ
0.6mmのDVD系の光ディスクに対して最適化され
たNA0.6の対物レンズを使用して、厚さ1.2mm
のCD系の光ディスクを再生すると、例えば図9に示す
ような位相差を有する球面収差が発生する。すなわち、
図9はCD系の光ディスク再生時に発生する位相差の開
口数依存性を表すグラフである。この位相差は実際には
3次元曲面で、周辺部の盛り上がったドーナツ状で、か
つ環状である。
【0029】この球面収差を補正するには、図9と逆符
号の位相差を発生する位相制御素子を用いればよい。具
体的には、ガラス基板などと他の光学的媒質との界面に
この位相差形状の溝を形成する。この場合、ガラス基板
などの屈折率をn1他の光学的媒質の屈折率をn2とし、
与えたい位相差形状を(n1−n2)で除した形状をガラ
ス基板などの表面に形成し、他の光学的媒質でこの形状
を充填すればよい。また、この形状を他の光学的媒質の
表面に形成してもよい。他の光学的媒質が空気の場合は
2=1となる。しかし、この3次元曲面は、CD系の
光ディスク再生時には球面収差を補正するが、DVD系
の光ディスク再生時には球面収差を逆に悪化させる。
【0030】本発明における開口制御素子では、上記の
位相差形状を階段の形状の溝で近似している。図2
(a)には、開口制御素子基板に形成された断面の形状
が階段状で、平面の形状が環状の輪帯状溝22が示して
あり、この階段は段差h(隣接する階段間の高度差)を
有する。形成される段数は通常2〜5段である。ここで
環状とは完全な円形である必要はなく多少楕円に近くて
もよく、さらに円形が繋がってなく部分的に切れていて
もよい。使用する透明基板はガラスに限定されず、アク
リル樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなど高分
子系の材料でもよい。
【0031】また、溝の形成方法にはフォトリソグラフ
ィーとエッチングを組み合わせる方法、プレス法、射出
成形法などがあり、溝の形成される材料に応じて適切な
方法が選択される。球面収差を補正するための形状をガ
ラス基板などの表面に形成する場合、ガラス基板などの
表面を削り込んでもよく、SiO2、TiO2など光学膜
を積層してもよい。
【0032】段差hから発生する位相差は、他の光学的
媒質が空気として、(n1−1)h/λで表せる。波長
λ=650nmのDVD系の光ディスク使用時には位相
を変化させないために、hを適切に選択して位相差をλ
の整数倍とする。例えば、波長の2倍とする場合、基板
の屈折率n=1.45のときh=2.89μmとすれば
よく、このとき、実質的に波長650nmの光は位相が
変化しない。
【0033】一方上記の段差部分に波長780nmの光
を透過させると、1.67の倍数の位相差が発生する。
図2(a)のように、この段差を複数個作成すること、
すなわち階段状に溝を形成することで、波長780nm
の光に対してのみ位相を変化させ得る。このことを利用
して、基板に断面の形状が階段状で平面の形状が環状の
輪帯状溝を形成することで入射光の位相を制御し球面収
差を補正できる。図10に階段状の輪帯状溝で補正した
位相差の開口数依存性のグラフを示す。このように位相
制御用の輪帯状溝を開口制御素子の中心部領域に形成す
ることで、光ディスクの厚みの差により発生する球面収
差を充分に抑制でき好ましい。
【0034】また、この位相制御用の輪帯状溝の断面深
さと、開口制御に用いる回折格子の凹凸状の溝の断面深
さを、同じ断面深さとすることが、位相差を650nm
の整数倍とするために好ましい。さらに、開口制御素子
作製の工程の簡略化の点でも好ましい。また、開口制御
用の図2(a)の回折格子20と輪帯状溝22の形成は
同一のエッチング工程で作成できるので、一体化するこ
とは極めて好ましい。また、一体化することで部品点数
を低減でき光ヘッド装置の組立が容易になる。
【0035】また、光ヘッド装置には、半導体レーザな
どの光源から出た光を光ディスクに集光させ、復路にお
いて光検出器に光を導くためにビームスプリッタが必要
である。したがって、開口制御素子とビームスプリッタ
とを一体化させることが好ましい。一体化させることで
部品点数が減り、光ヘッド装置組立工程数の低減に効果
があり、さらに低コスト化が図れて好ましい。
【0036】図3は開口制御素子とビームスプリッタと
を一体化した一例を示す。図3のように回折格子20と
輪帯状溝22を有する開口制御素子の部分と、ビームス
プリッタ23の部分とを一体化することで、これらの機
能が一体化されてさらに好ましい。開口制御素子とビー
ムスプリッタは、一枚の基板に形成してもよく、別々の
基板に形成したものを積層してもよい。
【0037】図4は開口制御素子とλ/4板とビームス
プリッタとを一体化した一例を示し、ビームスプリッタ
としてホログラムを用いている。ホログラムは、複屈折
性を有する高分子液晶の薄膜に格子状の凹凸部24を設
け、この高分子液晶の常光屈折率とほぼ等しい屈折率を
有する光学的等方性媒質で、高分子液晶の薄膜の凹凸部
を充填した偏光ホログラムである。
【0038】この偏光ホログラムは、入射する光の偏光
方向により回折効率が異なり、半導体レーザから光ディ
スクに向かう光の往路では高透過率の偏光方向を利用
し、また復路ではλ/4板25により偏光方向を回転さ
せ高回折効率の偏光方向を利用し、光検出器に光を導け
る。ここで用いたλ/4板は2つの波長650nmと7
80nmの平均の波長に対する1/4の位相差とした。
また、符号20と22は図3のそれらと同じ要素を示
す。ビームスプリッタ用のホログラムとして、透明基板
に凹凸を形成したものでもよい。
【0039】また、光ディスクの記録・再生を安定して
行うために、光ヘッド装置においては、種々のフォーカ
スサーボ方式やトラッキングサーボ方式が適用され、そ
れらの方式に応じて複数の光検出器が配置される。この
場合、開口制御素子による回折光が光検出器に入射する
とノイズとなるため、この回折光が光検出器に到達しな
いように回折格子パターンを設計することが好ましい。
【0040】回折格子のピッチを小さくするほど回折角
度が増大するため、光検出器へ回折光が到達し難くなる
が、波長650nmの光の透過率が相対的に低下し安定
した性能の回折格子を得ることが難しいため、比較的大
きな回折格子のピッチでありながら回折光が光検出器へ
混入しない回折格子パターンが求められる。
【0041】具体的には、図11に示すように回折格子
20aと回折格子20bのそれぞれの直線状の格子がほ
ぼ60゜の角度をなし、ほぼ等しい回折格子のピッチと
することにより、往路と復路での0次透過光と±1次回
折光は光検出器の周辺位置(図12の○、◎、□の各印
のところ)に到達する。他の次数の回折光は強度が弱い
ため省略した。図12で、○印は往路でも復路でもとも
に回折されない透過光(0次回折光)を、◎印は往路で
は0次回折光であるが復路では±1次回折光、または往
路では±1次回折光であるが復路では0次回折光を、□
印は往路でも復路でもともに±1次回折光を示す。
【0042】図12から明らかなように、光軸に近いこ
れらの透過光、回折光は、ほぼ60゜の角度をなす等角
度で、等間隔の配置をとり、光検出器への回折光の入射
を回避できる。特に、ビ−ムスプリッタ用のホログラム
を用いる図7に示す光ヘッド装置において、光検出器1
1が特定方向に偏って配置された場合(図12のY軸方
向)、回折格子20a、20bの直線状の格子の一方を
Y軸方向とほぼ平行に形成することにより、光検出器が
偏って配置された方向には高強度の±1次の回折光が発
生せず好ましい。
【0043】
【実施例】以下の実施例で使用した2つの半導体レーザ
の波長は、それぞれ650nmと780nmであった。
【0044】「実施例1」まず、開口制御素子に形成さ
れた回折格子の凹凸の形状の溝について説明する。開口
制御素子に使用した透明基板の屈折率はn=1.45で
あり、凹凸の形状の溝の深さはd=2.89μmとし、
回折格子のピッチは8μmとした。また、回折格子の形
成領域は、光軸が通る直径2.1mmの円の周辺部領域
とした(図2(b)のハッチング部)。回折格子の平面
パターンは、図2(b)のように円の中心を通る光軸を
回転軸としたとき180°の回転対称性を有しない平面
パターンとした。
【0045】この回折格子により発生する位相振幅φは
d×(n−1)=2.89×(1.45−1)=1.3
μmで、この回折格子のある周辺部領域を透過させたい
光の波長0.65μmの2倍とした。周辺部領域の波長
650nmの光に対する透過率は約92%で、CD系の
光ディスクの波長780nmの光に対する透過率は30
%であった。この回折格子により波長780nmのCD
系の光ディスク用の光のみ外径2.1mmの開口制限
(NA=0.45に相当)を得ることができた。
【0046】さらにCD再生時の球面収差を改善するた
めに開口制御素子の光軸が通る直径2.1mmの円の内
部に位相制御用の輪帯状溝22を形成した(図2
(b))。この輪帯状溝22の溝について説明する。使
用した基板の屈折率はn=1.45であり輪帯状溝の段
差h=1.45μmとすることで、波長650nmの光
に対しては位相差を発生させないようにした。一方この
段差に波長780nmの光を透過させると、1.67倍
の位相差を発生させることができた。すなわち、図2の
(a)のように、この段差を2つに作成することで、波
長780nmの光に対してのみ位相差を発生させた。
【0047】この2つの段差の合計の深さと、開口制限
用の回折格子の溝の深さは同じなので、同時にエッチン
グすることで効率よく開口制御素子を作成できた。この
位相制御用の輪帯状溝22を形成した基板を用いたとき
の補正された位相差を図10に示した。この輪帯状溝2
2を形成した基板とビームスプリッタ用のホログラム2
4が形成された基板とλ/4板とを積層して一体化して
開口制御素子(図4)とし、この一体化した開口制御素
子を光ヘッド装置に組み込んだ(図7)。
【0048】このホログラムとしては、複屈折性を有す
る高分子液晶の薄膜に格子状の凹凸部を設け、この高分
子液晶の常光屈折率とほぼ等しい屈折率を有する光学的
等方性媒質で、高分子液晶の薄膜の凹凸部を充填した偏
光ホログラムを用いた。この偏光ホログラムは、入射す
る光の偏光方向により回折効率が異なり、半導体レーザ
から光ディスクに向かう往路では高透過率の偏光方向を
利用し、復路ではλ/4板により偏光方向を回転させ高
回折効率の偏光方向を利用して、光検出器に光を導くこ
とができる。ここで用いたλ/4板は2つの波長650
nmと780nmの平均の波長に対する1/4の位相差
とした。
【0049】図7の光ヘッド装置において、DVD系の
光ディスク用の波長650nmの半導体レーザ9aとC
D系の光ディスク用の波長780nmの半導体レーザ9
bを光源として使用した。これらの半導体レーザからの
出射光は、それぞれのコリメートレンズ10a、10b
を透過しビームスプリッタ7により光軸が一致し、本発
明における一体化された開口制御素子6(開口制御素子
とλ/4板とビームスプリッタ用の偏光ホログラムとを
積層したもの)を透過し、対物レンズ5により光ディス
ク4の面に集光する。この光ディスク4のピット情報を
有した光ディスク4からの反射光は再び開口制御素子6
を通過するときに、偏光ホログラムにより光軸をわずか
に曲げられ、各光検出器11a、11bに到達する。
【0050】また、2つの半導体レーザの位置を交換し
て、DVD系の光ディスク用の半導体レーザを9b、C
D系の光ディスク用の半導体レーザを9aとしてもよ
い。この場合、ビームスプリッタ7の反射特性は上記の
場合と異なり、波長650nmの光を反射する。
【0051】実施例1では、CD系の光ディスク再生時
に、この光ディスクに最適な開口制限されたNA=0.
45を得ることができ、しかも、輪帯状溝22を設ける
ことにより光ディスク面上の球面収差を充分に低減でき
た。これによって、光ディスクからの反射光である情報
光のノイズを低減できた。また、光ヘッド装置の構成部
品点数を減らすことができ、小型化が実現できた。
【0052】「実施例2」実施例2では、図11に示す
回折格子でピッチが30μmの波長選択性の開口制御素
子を実施例1と同様に作製し、図7に示す光ヘッド装置
の開口制御素子6として搭載した。そして、光ヘッド装
置の光検出器周辺の回折光位置を測定したところ、図1
2に示すように光検出器へ透過光や±1次回折光の入射
がないことがわかった。ただし、○印は往路でも復路で
もともに回折されない透過光(0次回折光)を、◎印は
往路では0次回折光であるが復路では±1次回折光、ま
たは往路では±1次回折光であるが復路では0次回折光
を、□印は往路でも復路でもともに±1次回折光を示
す。また、波長650nmの透過率が高く安定した特性
の開口制御素子であることがわかった。
【0053】
【発明の効果】開口制御素子の光軸を通らない周辺部領
域に、回折格子を形成するため、従来の多層膜を形成す
る方法と比べて、生産性がよく開口制御素子が作製で
き、この開口制御素子を組み込んだ光ヘッド装置作製の
生産性も向上する。したがって、光ヘッド装置の低コス
ト化も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における開口制御素子の一例を示す図で
あり、(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図2】本発明における開口制御素子の他の例を示す図
であり、(a)は断面図、(b)は平面図である。
【図3】開口制御素子とビームスプリッタとを一体化し
た一例を示す側面図である。
【図4】開口制御素子とλ/4板とビームスプリッタと
を一体化した一例を示す側面図である。
【図5】断面が凹凸状で屈折率が異なる2つの媒質が接
している様子を表す断面図である。
【図6】断面凹凸状の回折格子の0次透過率と波長との
関係を表すグラフである。
【図7】本発明の光ヘッド装置の一例を示す概念的側面
図である。
【図8】開口制御素子と対物レンズを透過した光が光デ
ィスク上で焦点を結ぶ様子を表す図で、(a)はCD用
で対物レンズのNAが大きい光の場合を示す側面図、
(b)はDVD用で対物レンズのNAが小さい場合を示
す側面図である。
【図9】CD系の光ディスク再生時に発生する位相差の
開口数依存性を表すグラフである。
【図10】階段状の輪帯状溝で補正した位相差の開口数
依存性のグラフである。
【図11】本発明における開口制御素子の別の例を示す
平面図である。
【図12】図11の開口制御素子による透過光や±1次
回折光の、光検出器近くでの分布を示す平面図である。
【符号の説明】
4:光ディスク 6:開口制御素子 9a、9b:半導体レーザ 11、11a、11b:光検出器 20、20a、20b:回折格子 21:開口制御素子基板 22:輪帯状溝 23:ビームスプリッタ 24:格子状の凹凸部(ホログラム) 25:λ/4板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長の異なる2つ以上の光を用いて、光デ
    ィスクの記録または再生を行う光ヘッド装置の、前記2
    つ以上の光が光ディスクの情報記録面に至る光路中に、
    波長に応じて光の透過領域を制限する機能を有する開口
    制御素子を備えた光ヘッド装置において、 開口制御素子の光軸が通る中心部領域を囲む周辺部領域
    には断面が凹凸の形状の周期的な回折格子が形成され、
    前記凹凸の位相振幅が選択的に透過させたい光の波長の
    i倍(ただしiは2以上の整数)であることを特徴とす
    る光ヘッド装置。
  2. 【請求項2】開口制御素子の回折格子の平面パターン
    が、開口制御素子の前記光軸を回転軸としたとき180
    °の回転対称性を有しない平面パターンである請求項1
    に記載の光ヘッド装置。
  3. 【請求項3】前記中心部領域に、位相制御用の輪帯状溝
    が設けられている請求項1または2に記載の光ヘッド装
    置。
  4. 【請求項4】前記凹凸の断面深さが、前記輪帯状溝の断
    面深さと等しい請求項1、2または3に記載の光ヘッド
    装置。
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