JP2004341296A - 定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】開口部内への異物の侵入を防止することができる定着装置を安価に得る。
【解決手段】記録紙の搬送路を構成するガイド部材68、70を、記録紙搬入口54又は記録紙搬出口56に対してそれぞれ開閉可能に設け、定着装置28を画像形成装置本体から取り外した状態で、記録紙搬入口54又は記録紙搬出口56を閉じるようすることで、ガイド部材68、70にシャッター等の開閉部材の機能を兼ね備えさせている。また、従動ギア開口部60及びコネクター58の開口側に、筐体28Aの天地を特定する足部74を突出させることで、定着装置28を画像形成装置本体から取り外して平面上に載置すると、従動ギア開口部60及びコネクター58は必然的に下を向くこととなり、従動ギア開口部60及びコネクター58の開口内への異物の侵入も合わせて防止することができる。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録紙に転写されたトナー像を定着させる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置は、像担持体によって記録紙に転写されたトナー像(未定着像)を、加熱ローラ及び加圧ローラで記録紙に定着させる定着装置を備えている。この定着装置は、画像形成装置に対して着脱可能となっており、加熱ローラ及び加圧ローラの寿命が来る前に定着装置を交換したり、搬送される記録紙のジャム処理を行なうため定着装置を画像形成装置から取り外したりできるようにしている。
【0003】
一方、定着装置には、加熱ローラと加圧ローラとで構成され搬送される記録紙を案内する記録紙搬入口と記録紙を搬出する記録紙搬出口とを設けている。この記録紙搬入口及び記録紙搬出口から異物が侵入すると、加熱ローラ又は加圧ローラに付着し、プリントサンプルが汚れたり、加熱ローラ及び加圧ローラに傷が入る恐れがある。
【0004】
このため、特許文献1では、図9(A)、(B)に示すように、画像形成装置100に着脱可能に設けられたプロセスカートリッジ102内に加熱ローラ104を収容し、プロセスカートリッジ102に形成された開口部106によって加熱ローラ104を露出させると共に、加熱ローラ104を覆うシャッター108を開閉可能に設けている。
【0005】
一方、加圧ローラ110は画像形成装置100側に配設しており、プロセスカートリッジ102を画像形成装置100内に装填した状態でシャッター108が開放し、加熱ローラ104と加圧ローラ110とをニップさせる。また、プロセスカートリッジ102を画像形成装置100から取り出すとシャッター108が閉じ、開口部106内に異物を侵入させないようにしている。
【0006】
また、特許文献2では、図示はしないが、加熱ローラ及び加圧ローラが収容された定着装置の記録紙が通過する記録媒体導入孔には、記録媒体導入口を閉塞させる方向へ付勢する開閉部材を設けている。
【0007】
そして、定着装置を画像形成装置内へ装填させた状態で、記録媒体導入孔を開放させ、定着装置を画像形成装置から取り出すと開閉部材が閉じて記録媒体導入孔を塞いで、記録媒体導入孔内に異物を侵入させないようにしている。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−140820号公報
【特許文献2】
特開2001−343846号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2では、開口部を塞ぐため、シャッター又は開閉部材を別途設けており、部品点数の増加によるコストアップ及び定着装置の小型化への阻害といった問題が生じる。
【0010】
本発明は上記事実を考慮し、開口部内への異物の侵入を防止することができる定着装置を安価に提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、画像形成装置本体に着脱可能であって、記録媒体を搬送しながら記録媒体上の未定着像を定着する定着装置が、記録媒体を案内する記録媒体搬入口と、前記記録媒体が搬出される記録媒体搬出口と、を備え、平面上に載置した状態で、前記記録媒体搬入口、前記記録媒体搬出口、が上を向かないように定着装置の天地を特定する筐体下面部が設けられたことを特徴としている。
【0012】
定着装置を平面上に載置した状態で、記録媒体搬入口又は記録媒体搬出口が上を向いている場合、記録媒体搬入口又は記録媒体搬出口内に埃等の異物が侵入し、例えば、定着装置を加熱ローラ又は加圧ローラで構成した場合、加熱ローラ又は加圧ローラに付着する恐れがある。加熱ローラ又は加圧ローラに異物が付着した場合、プリントサンプルが汚れたり、加熱ローラ及び加圧ローラに傷が入ってしまう場合もある。
【0013】
このため、筐体の天地を特定する筐体下面部を設けることで、定着装置を画像形成装置から取り外して平面上に載置する場合、筐体の天地が判別でき、間違った向きで置かれることがないようにすると共に、安定した状態で定着装置を平面上に載置することができる。ここで、筐体下面部を下にすることで、記録媒体搬入口、記録媒体搬出口、が上を向くことはない。
【0014】
これにより、記録媒体搬出口等の開口部を開閉させるためのシャッター等を別途設けることなく、記録媒体搬入口、記録媒体搬出口、への埃等の異物の侵入を防止することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記筐体下面部によって天地が特定されたときに、前記定着装置に駆動を伝達するための従動ギア開口部及び前記画像形成装置本体と前記定着装置とを電気的に接続するコネクター部の開口が、上を向かないように設けられたことを特徴としている。
【0016】
請求項2に記載の発明では、筐体下面部を、従動ギア開口部及びコネクター部が上を向かないように設けることで、定着装置を画像形成装置から取り外して平面上に載置しても、従動ギア開口部及びコネクター部の開口内への異物の侵入を防止することができる。
【0017】
また、定着装置を平面上に載置した状態で、コネクター部の開口が上を向いている場合、コネクター部内にクリップなどの導電物質が入り込んでしまう恐れがあり、ショートするなど故障の原因となる場合もある。
【0018】
さらに、定着装置を平面上に載置した状態で、従動ギア開口部が上を向いている場合、従動ギアに異物が付着し、従動ギア及び駆動ギアの歯部の破損原因となる恐れがある。
【0019】
請求項3に記載の発明は、前記記録媒体搬入口及び記録媒体搬出口のうち、少なくともどちらか一方に、前記記録媒体搬入口又は記録媒体搬出口を開閉可能であって、前記記録媒体の搬送路の少なくとも一部を構成するガイド部材が設けられたことを特徴としている。
【0020】
このガイド部材は、定着装置を画像形成装置内から取り外した状態で、記録媒体搬入口又は記録媒体搬出口を閉じ、定着装置を画像形成装置に装填した状態で記録媒体の搬送路の少なくとも一部を構成する。
【0021】
このように、記録媒体の搬送路の少なくとも一部を構成するガイド部材を、記録媒体搬入口又は記録媒体搬出口に対して開閉可能に設け、定着装置を画像形成装置内から取り外した状態で記録媒体搬入口又は記録媒体搬出口をガイド部材で閉じるようにすることで、ガイド部材にシャッター等の開閉部材の機能を兼ね備えさせている。このため、部品点数を変えずに、定着装置を画像形成装置内から取り外した状態で記録媒体搬入口又は記録媒体搬出口を閉じることができる。
【0022】
請求項4に記載の発明は、前記ガイド部材の開閉中心が、前記筐体を平面上に載置したとき前記記録媒体搬入口又は前記記録媒体搬出口に対して上方に配置されたことを特徴としている。
【0023】
請求項4に記載の発明では、筐体を平面上に載置したとき、ガイド部材には記録媒体搬入口又は前記記録媒体搬出口を閉じる方向へ自重が掛かるようにしている。これにより、筐体を平面上に載置したとき、ガイド部材が記録媒体搬入口又は前記記録媒体搬出口を開放する方向へ移動することを防止している。
【0024】
請求項5に記載の発明は、前記筐体下面部が、前記筐体を支持する複数の足部であることを特徴としている。請求項5に記載の発明では、筐体下面部を複数の足部とすることで、筐体の天地が分かりやすく、また、最低限必要な箇所のみ突設させれば良いため、定着装置をコンパクトにすることができる。
【0025】
請求項6に記載の発明は、前記筐体の外面に配設され、前記記録媒体の通過を検知するセンサーと、前記センサーの周囲に配置され、センサーを保護する保護部材と、を有することを特徴としている。
【0026】
前記記録媒体の通過を検知するセンサーは、定着ローラ内部の熱源の影響を受け、温度によりセンサーの特性が変化しすなわち高温になるとセンサーの出力電圧が低下するという傾向があり、固定のスレッショルドレベルでは誤検知するという問題があった。そのため、できるだけ加熱ローラから離した方が良いが、定着装置の小型化に伴い加熱ローラに近づくことになってしまう。このため、請求項6に記載の発明では、筐体の外面にセンサーを配設し、これにより、センサーを高温から保護している。
【0027】
ここで、センサーを筐体の外面に配設すると、センサーに直接外力が働く恐れがある。例えば定着装置を本体から着脱する際に、センサー部位を直接把持することによって、センサーが定着装置より外れるといった不具合が想定される。そこでセンサーの周囲に保護部材を配置することで、センサーを外圧から保護することができる。具体的には、センサーの周囲にセンサー外面よりも突出したリブを立設し、手指等がセンサー外面に触れないようにした。
【0028】
以上を換言すれば、定着装置の外部にセンサーを実装できるようにすることで、定着装置の小型化に寄与することとなる。
【0029】
請求項7に記載の発明は、前記画像形成装置内に装填された筐体の手前側に手掛け部が設けられたことを特徴としている。請求項7に記載の発明では、画像形成装置内に装填された筐体の手前側に手掛け部を設けることで、定着装置の着脱操作を容易にすることができる。ここで手前側とは、定着装置の着脱操作時に、操作する側を言い、操作者側から見て必ずしも前面側である必要は無く、上面側、後面側、側面側、下面側も含む趣旨である。
【0030】
請求項8に記載の発明は、前記筐体下面部が前記手掛け部と対向して形成されたことを特徴としている。
【0031】
請求項8に記載の発明では、筐体下面部を手掛け部と対向して設けている。これにより、画像形成装置から定着装置を取り外し、定着装置を手掛け部から吊り下げた状態のまま平面上に載置することができるため、平面上に載置するときに定着装置の向きを変える必要がなく、便利であると共に、定着装置の天地を間違えずに定着装置を平面上に載置することができる。
【0032】
請求項9に記載の発明は、画像形成装置本体に着脱可能であって、記録媒体を搬送しながら記録媒体上の未定着像を定着する定着装置が、記録媒体を案内する記録媒体搬入口と、前記記録媒体が搬出される記録媒体搬出口と、を備え、前記記録媒体搬入口および/又は前記記録媒体搬出口を開閉可能であって、前記記録媒体の搬送路の少なくとも一部を構成するガイド部材を設けたことを特徴としている。
【0033】
請求項9に記載の発明では、記録媒体の搬送路の少なくとも一部を構成するガイド部材を、記録媒体搬入口又は記録媒体搬出口に対して開閉可能に設けている。
【0034】
したがって記録媒体搬出口等の開口部を開閉させるためのシャッター等を別途設けることなく、記録媒体搬入口、記録媒体搬出口、への埃等の異物の侵入を防止することができる。
【0035】
また例えば、記録媒体搬出口を開閉するガイド部材を設けることで、記録媒体搬出口が閉じた状態では、定着装置を平面上に載置したとき記録媒体搬出口を上に向けたとしても、記録媒体搬出口内への埃等の異物の侵入を防止することができる。
【0036】
このため、ガイド部材と対向する位置に筐体下面部を設け、記録媒体搬出口を上に向けた状態で定着装置を平面上に載置しても良い。その場合、記録媒体搬入口を筐体下面部に設ければ、記録媒体搬入口には、開閉するガイド部材を設けなくとも、異物の侵入を防止できる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る定着装置について説明する。
【0038】
まず、定着装置を備えた画像形成装置の概要について説明する。
【0039】
図1に示すように、画像形成装置10は、画像形成装置本体12と給紙装置14で構成されている。画像形成装置本体12には、一様に帯電したあと画像光を照射することにより表面に静電潜像が形成される像担持体16と、像担持体16の表面に一様に帯電する帯電装置18と、画像データに基づいて像担持体16に画像光を照射し静電電位の差による潜像を形成する光学箱20と、前記潜像にトナーを選択的に転移して可視化する現像装置22と、記録紙搬送路24に沿って供給される記録紙に像担持体16表面のトナー像(未定着像)を転写する転写装置26と、記録紙上のトナー像を加熱・加圧して融着させる定着装置28(後述する)と、トナー像が転写された後の像担持体16に残留するトナーを掃除するクリーニング装置30とをそれぞれ備えている。
【0040】
ここで、像担持体16は、表面に感光体層を有し、一様に帯電した後の露光により、露光部の電位が減衰する。一方、帯電装置18は、像担持体16に当接されるロール状の部材であり、これらの間に電圧が印加されることによって、当接部付近の微少間隙内で放電が生じ、像担持体16の表面をほぼ一様に帯電させる。帯電装置としては、上記のものの他、電極ワイヤに高電圧を印加し、コロナ放電によって像担持体16を帯電するものを用いることができる。
【0041】
光学箱20は、点滅するレーザーを像担持体16の周面に走査させ、画像データに基づいた静電潜像を像担持体16の周面上に形成させる。なお、光学箱20としては、LED等の発光素子を配列し、これらを画像データに基づいて点滅させるものでもよい。
【0042】
現像装置22は、像担持体16と近接して対向するように配置された円筒状の現像ローラ22Aを備えており、この現像ローラ22Aと像担持体16との間に現像バイアス電圧が印加される。これにより、現像ローラ22Aと像担持体16との間には現像バイアス電界が形成され、電荷を有するトナーが像担持体16上の露光部に転移し、可視像を形成させる。
【0043】
転写装置26は、像担持体16と対向するように設けられたロール状の部材であり、像担持体16との間に転写電界を形成することによって、通過する記録紙上にトナー像を転写させる。
【0044】
トナー像が、転写装置26によって記録紙に転写された後、記録紙は、像担持体16から分離される。分離された記録紙は搬送路31を通って定着装置28へ搬送される。そして、定着装置28によって、加熱加圧定着されたあと、機外へ排出される。また、上記転写終了後、像担持体16の表面は、クリーニング装置30によってクリーニング処理され、次回の作像処理に備える。
【0045】
一方、画像形成装置本体12の下方には、記録紙を画像形成装置本体12内部に一枚ずつ送り出す給紙装置14が設けられている。この給紙装置14は、着脱自在な給紙カセット32を備えており、記録紙が送り出される方向と逆方向に引き抜くことができるようになっている。
【0046】
給紙カセット32の先端部近傍には、給紙カセット32、34から記録紙を送り出す給紙ローラ36、38がそれぞれ設けられている。また、給紙カセット32、34の先端部側には、給紙ローラ36、38に圧接される捌き部材(図示省略)がそれぞれ設けられており、給紙カセット32又は給紙カセット34内の記録紙が一枚ずつ給紙される。
【0047】
このようにして、給紙装置14から送り出された記録紙は、給紙装置14の近傍に設けられたレジストローラ48によって、所定のタイミングでトナー像の転写位置へ搬送される。
【0048】
次に、本発明の実施の形態に係る定着装置について説明する。
【0049】
図2及び図3に示すように、定着装置28は略直方体状を成した状態でユニット化されている。定着装置28には、加圧ローラ50及び加熱ローラ52が備えられており、加圧ローラ50と加熱ローラ52とは互いに対向し、ニップされた状態で、それぞれ回転可能に筐体28Aに軸支されている。
【0050】
加熱ローラ52は、表層に低摩擦係数の離型層(PFAチューブ、膜厚30μm)を設けた中空の芯金(鉄またはアルミ素管、肉厚1〜1.5mm)からなり、内部にはヒーター53を配置している。
【0051】
一方、加圧ローラ50はステンレスまたは鉄製の芯金に耐熱弾性体層(シリコンスポンジ、アスカー硬度40°)を設けており、表層には低摩擦係数の離型層(PFAチューブ、膜厚30μm)を設けている。
【0052】
また、定着装置28には、図1及び図4に示すように、加圧ローラ50と加熱ローラ52とで構成される記録紙搬入口54及び記録紙搬出口56が長手方向に沿って設けられており、搬送路31を通って案内された記録紙Pは、記録紙搬入口54から搬入され、加圧ローラ50と加熱ローラ52とで構成されるニップ部を通過して記録紙搬出口56から搬出される。このように、記録紙搬出口56から搬出された記録紙Pは、記録紙搬出口56に配設されたセンサー76によって、その通過が検知される。
【0053】
さらに、定着装置28の端部には、コネクター58が設けられており、定着装置28を画像形成装置本体12へ装填した状態で、画像形成装置本体12に設けられた電源部59と接続可能となっている。コネクター58を電源部59に接続すると、加熱ローラ52のヒーター53へ給電され、ヒーター53が所定の温度に上昇し、搬送される記録紙P上のトナー像を融解させる。
【0054】
また、定着装置28のコネクター58側には、従動ギア開口部60が設けられており、従動ギア開口部60からは従動ギア62の一部が露出している。この従動ギア62は、定着装置28を画像形成装置本体12へ装填した状態で、画像形成装置本体12の駆動ギア63と噛み合い、従動ギア62を介して加熱ローラ52を回転させる。これにより、記録紙Pはニップされた状態で搬送され、記録紙Pにはトナー像が定着する。
【0055】
次に、本発明の実施の形態に係る定着装置の要旨及び作用について説明する。
【0056】
図4に示すように、定着装置28の筐体28Aには、加圧ローラ50を間において、記録紙搬入口54又は記録紙搬出口56の近傍にシャフト64、66を固定している。シャフト64、66はガイド部材68、70をそれぞれ揺動可能に軸支しており、ガイド部材68、70は、記録紙搬入口54又は記録紙搬出口56をそれぞれ開閉可能としている。
【0057】
図4及び図5(A)、(B)に示すように、ガイド部材68は、記録紙搬入口54を開閉可能な平板状の開閉部68Aと、開閉部68Aの自由端側に位置し開閉部68Aの側端面から張り出すピン68Bと、ピン68Bの反対側に位置して開閉部68Aから延出しシャフト64に軸支される軸部68Cと、で構成されている。
【0058】
一方、画像形成装置本体12に設けられ定着装置28が収容される収容部72の底面には、一対のカム部73を設けており、カム部73とカム部73との間に定着装置28が配置される。ここで、ピン68Bは筐体28Aを貫通しており、カム部73のカム面73Aを摺動可能としている。
【0059】
カム部73は、収容部72の奥方へ行くに従って急勾配となるようにしており、定着装置28を収容部72の奥方へ移動させると、カム部73のカム面73Aの形状に沿ってピン部68Bが摺動し、カム部73及びピン部68Bを介して、開閉部68Aがシャフト64を中心に起立し、ガイド部材68が、記録紙搬入口54を閉じる方向へ揺動する。
【0060】
そして、定着装置28が画像形成装置本体12の収容部72内で位置決めされたとき、ガイド部材68の開閉部68Aは所定の角度で起立し、搬送路31(図1参照)から搬入された記録紙Pを記録紙搬入口54へ案内するための搬送路を構成する。
【0061】
一方、図1及び図4に示すように、ガイド部材70は、自由端部へ行くに従って記録紙Pの搬送方向に沿って幅広となっており、ガイド部材68の先端面によって記録紙Pの搬送路を構成する。定着装置28が画像形成装置本体12の収容部72内で位置決めされた状態では記録紙搬出口56は上を向いており、搬出される記録紙Pによってガイド部材68は揺動し、開放される。
【0062】
ところで、定着装置28は、画像形成装置本体12の収容部72内に収容した状態で、定着装置28の上側が記録紙搬出口56となり、定着装置28の下側が記録紙搬入口54となっている。
【0063】
また、収容部72の奥側(図中右側)が従動ギア開口部60及びコネクター58の開口側となっており、従動ギア開口部60及びコネクター58の開口側には、筐体下面部としての足部74を突出させ、図6に示すように、この足部74を下にした状態で、定着装置28を平面上に載置する。これにより、定着装置28を平面上に載置した状態で、従動ギア開口部60及びコネクター58の開口が下を向くようにすることができる。
【0064】
例えば、定着装置28を平面上に載置した状態で、ガイド部材68、70が無い状態で記録紙搬入口54又は記録紙搬出口56が上を向いている場合、記録紙搬入口54又は記録紙搬出口56内に埃等の異物が侵入し、加熱ローラ52又は加圧ローラ50に付着する恐れがある。加熱ローラ52又は加圧ローラ50に異物が付着した場合、プリントサンプルが汚れたり、加熱ローラ52及び加圧ローラ50に傷が入ってしまう場合もある。
【0065】
また、定着装置28を平面上に載置した状態で、コネクター58の開口が上を向いている場合、コネクター58内に導電物質が入り込んでしまう恐れがあり、ショートするなど故障の原因となる場合もある。
【0066】
さらに、定着装置28を平面上に載置した状態で、従動ギア開口部60が上を向いている場合、従動ギア62に異物が付着する可能性もあり、従動ギア62及び駆動ギア63(図1参照)の歯部の破損原因となる恐れも生じる。
【0067】
このため、筐体28Aの天地を特定する足部74を設けることで、定着装置28を画像形成装置本体12から取り外して平面上に載置するとき、筐体28Aの天地がすぐ判別でき、記録紙搬入口54、記録紙搬出口56、従動ギア開口部60及びコネクター58の開口が上を向かないようにすることができる。
【0068】
これにより、記録紙搬入口54、記録紙搬出口56、従動ギア開口部60及びコネクター58の開口内への異物の侵入を防止することができる。
【0069】
このように、筐体28Aの天地を特定する足部74を設けることで、筐体28Aが間違った向きで置かれることがないようにすると共に、安定した状態で定着装置28を平面上に載置することができる。
【0070】
また、従動ギア開口部60及びコネクター58側に、足部74を突出させることで、定着装置28を画像形成装置本体12から取り外して平面上に載置すると、従動ギア開口部60及びコネクター58は必然的に下を向くこととなり、従動ギア開口部60及びコネクター58の開口内への異物の侵入を防止することができる。
【0071】
さらに、筐体28Aの天地を特定する筐体下面部を複数の足部74とすることで、筐体の天地が分かりやすく、また、最低限必要な箇所のみ突設させれば良いため、定着装置28をコンパクトにすることができる。
【0072】
また、記録紙Pの搬送路を構成するガイド部材68、70を、記録紙搬入口54又は記録紙搬出口56に対してそれぞれ開閉可能に設け、定着装置28を画像形成装置本体12から取り外した状態で、記録紙搬入口54又は記録紙搬出口56をガイド部材68、70でそれぞれ閉じるようにすることで、ガイド部材68、70にシャッター等の開閉部材の機能を兼ね備えさせている。このため、部品点数を変えずに、定着装置28を画像形成装置10内から取り外した状態で記録紙搬入口54又は記録紙搬出口56を閉じることができる。
【0073】
ここで、ガイド部材68、70の開閉中心を、定着装置28を平面上に載置したとき記録紙搬入口54又は記録紙搬出口56の開口縁部の上部に配置している。すなわち、定着装置28を平面上に載置したとき、ガイド部材68、70には記録紙搬入口54又は記録紙搬出口56を閉じる方向へ自重が掛かるようにしている。
【0074】
これにより、定着装置28を平面上に載置したとき、ガイド部材68、70が記録紙搬入口54又は記録紙搬出口56を開放する方向へ揺動することを防止している。
【0075】
一方、記録紙搬出口56側に位置する筐体28Aの外面には、センサー76を配設している。このセンサー76には記録紙搬出口56に配置された接触部材76Aが接続しており、搬送される記録紙Pが接触部材76Aに接触して、記録紙Pの通過が検知される。
【0076】
ここで、センサー76の周囲には、センサー76の上面から突出する高さのリブ78が形成されており、センサー76を保護している。センサー76は高温に弱いため、できるだけ加熱ローラ52から離した方が良いが、定着装置28の小型化に伴い加熱ローラ52に近づくことになってしまう。このため、筐体28Aの外面にセンサー76を配設し、これにより、センサー76を高温から保護している。
【0077】
センサー76を筐体28Aの外面に配設すると、センサー76に直接外力が働く恐れがあるが、センサー76の周囲にリブ78を配置することで、センサー76を外圧から保護することができる。換言すれば、定着装置28の外部にセンサー76を実装できるようにすることで、定着装置28の小型化に寄与することとなる。
【0078】
なお、別の形態として、図8に示すように、センサー76の上面を覆うようなカバー部材79を設けても良い。リブ78だけでは、リブ78とリブ78の間が保護できないが、センサー76の上面を覆うようなカバー部材79を設けることによって、より確実にセンサー76を外圧から保護することができる。
【0079】
また、画像形成装置本体12内に装填された定着装置28の手前側に手掛け部80を設けており、図7に示すように、定着装置28の着脱の際に指が掛かるようにして、定着装置28の着脱操作を容易にしている。
【0080】
ここで、足部74は手掛け部80と対向して設けている。これにより、例えば、手掛け部を把手にした場合、画像形成装置本体12から定着装置28を取り外し、定着装置28を該把手から吊り下げた状態のまま、定着装置28を平面上に載置することができるため、平面上に載置するときに定着装置28の向きを変える必要がなく、便利であると共に、定着装置28の天地を間違えずに定着装置28を平面上に載置することができる。
【0081】
なお、本形態では、図6に示すように、従動ギア開口部60及びコネクター58の開口側に、筐体下面部としての足部74を設け、定着装置28を平面上に載置した状態で、記録紙搬入口54、記録紙搬出口56、従動ギア開口部60及びコネクター58の開口が上を向かないようにしたが、開口から埃等の異物を侵入させないようにすることができれば良いためこれに限るものではない。
【0082】
例えば、記録紙搬入口54及び記録紙搬出口56に、記録紙搬入口54及び記録紙搬出口56を開閉可能なガイド部材68、70を設けた場合、定着装置28を平面上に載置した状態で、記録紙搬入口54又は記録紙搬出口56が上に向くようにしても良い。また、筐体下面部は足部に限らず、フラット面としても良いのは勿論のことである。
【0083】
また、筐体下面部(ここでは足部74)となる面以外に突起を設け、該突起が設けられた面では筐体を平面上に載置できないようにして、結果的に筐体下面部が下となるように誘導するようにしても良い。
【0084】
また、記録紙搬入口54及び記録紙搬出口56にガイド部材68、70をそれぞれ設けたが、平面上に載置した状態で、記録紙搬入口54、記録紙搬出口56、従動ギア開口部60及びコネクター58の開口内へ異物が侵入しないようにすることができれば良いため、記録紙搬入口54及び記録紙搬出口56のうち、どちらか一方にガイド部材を設けるようにしても良い。
【0085】
さらに、ここでは、定着装置28を平面上に載置したとき、ガイド部材68、70の自重によってのみ記録紙搬入口54又は記録紙搬出口56を閉じる方向へ揺動させるようにしたが、これに限るものではない。
【0086】
例えば、ガイド部材68、70にバネなどの付勢手段を設け、定着装置28を画像形成装置本体12(図1参照)から取り外すと、該付勢手段によってガイド部材68、70を記録紙搬入口54又は記録紙搬出口56を塞ぐ方向へ揺動させるようにしても良い。この場合、ガイド部材70にはガイド部材68のような開閉機構を設けても良い。
【0087】
また、ガイド部材68では、図5(A)、(B)に示すように、収容部72にカム部73を設けると共に、ガイド部材68にカム部73のカム面73Aを摺動するピン部68Bを設けて、ガイド部材68を開閉させるようにしたが、ガイド部材68の開閉機構はこれに限るものではなく、例えば、ガイド部材68の軸部68C側を収容部72に接触させ、偶力によってガイド部材68を揺動させるようにしても良い。
【0088】
また、本形態では、加圧ローラ50と加熱ローラ52とで構成するロール方式の定着装置28について説明したが、これに限るものではない。例えば、ベルト方式の定着装置に適用させても良く、また、加熱定着によらず、圧力定着であってもよい。
【0089】
さらに、センサー76を筐体28Aの外面に配設したが、必ずしも筐体28Aの外面に配設させなければならないということではなく、定着装置28の大きさによっては筐体28Aの内面側に配設しても勿論良い。
【0090】
【発明の効果】
本発明は、上記構成としたので、請求項1に記載の発明では、筐体の天地を特定する筐体下面部を設けることで、定着装置を画像形成装置から取り外して平面上に載置する場合、筐体の天地が判別でき、間違った向きで置かれることがないようにすると共に、安定した状態で定着装置を平面上に載置することができる。また、記録媒体搬入口等の開口部を開閉させるためのシャッター等を別途設けることなく、開口部への埃等の異物の侵入を防止することができる。
【0091】
請求項2に記載の発明では、定着装置を画像形成装置から取り外して平面上に載置しても、従動ギア開口部及びコネクター部の開口内への異物の侵入を防止することができる。
【0092】
請求項3に記載の発明では、記録紙が搬送されるガイド部材にシャッター等の開閉部材の機能を兼ね備えさせているため、部品点数を変えずに、定着装置を画像形成装置内から取り外した状態で記録媒体搬入口又は記録媒体搬出口を閉じることができる。
【0093】
請求項4に記載の発明では、筐体を平面上に載置したとき、ガイド部材が記録媒体搬入口又は前記記録媒体搬出口を開放する方向へ移動することを防止している。
【0094】
請求項5に記載の発明では、筐体下面部を複数の足部とすることで、筐体の天地が分かりやすく、また、最低限必要な箇所のみ突設させれば良いため、定着装置をコンパクトにすることができる。
【0095】
請求項6に記載の発明では、センサーの周囲に保護部材を配置することで、センサーを外圧から保護することができる。換言すれば、定着装置の外部にセンサーを実装できるようにすることで、定着装置の小型化に寄与することとなる。
【0096】
請求項7に記載の発明では、画像形成装置内に装填された筐体の手前側に手掛け部を設けることで、定着装置の着脱操作を容易にすることができる。
【0097】
請求項8に記載の発明では、画像形成装置から定着装置を取り外し、定着装置を手掛け部から吊り下げた状態のまま平面上に載置することができるため、平面上に載置するときに定着装置の向きを変える必要がなく、便利であると共に、定着装置の天地を間違えずに定着装置を平面上に載置することができる。
【0098】
請求項9に記載の発明では、ガイド部材と対向する位置に筐体下面部を設け、記録媒体搬出口を上に向けた状態で定着装置を平面上に載置しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る定着装置を備えた画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る定着装置を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る定着装置の筐体の側壁を取り外した状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る定着装置を示す説明図であり、画像形成装置内に装填した状態を示す拡大図である。
【図5】(A)は、本発明の実施の形態に係る定着装置を構成するガイド部材の斜視図であり、(B)は、開放機構の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る定着装置を示す説明図であり、平面上に載置した状態を示している。
【図7】本発明の実施の形態に係る定着装置を示す説明図であり、画像形成装置内へ装填している状態を示している。
【図8】本発明の実施の形態に係る定着装置の部分拡大図である。
【図9】(A)、(B)は従来の定着装置を示す説明図である。
【符号の説明】
10 画像形成装置
28 定着装置
28A 筐体
50 加圧ローラ
52 加熱ローラ
54 記録紙搬入口
56 記録紙搬出口
58 コネクター(コネクター部)
60 従動ギア開口部
62 従動ギア
68 ガイド部材
70 ガイド部材
74 足部(筐体下面部)
76 センサー
78 リブ(保護部材)
79 カバー部材(保護部材)
80 手掛け部

Claims (9)

  1. 画像形成装置本体に着脱可能であって、記録媒体を搬送しながら記録媒体上の未定着像を定着する定着装置が、
    記録媒体を案内する記録媒体搬入口と、前記記録媒体が搬出される記録媒体搬出口と、を備え、
    平面上に載置した状態で、前記記録媒体搬入口、前記記録媒体搬出口、が上を向かないように定着装置の天地を特定する筐体下面部が設けられたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記筐体下面部によって天地が特定されたときに、前記定着装置に駆動を伝達するための従動ギア開口部及び前記画像形成装置本体と前記定着装置とを電気的に接続するコネクター部の開口が、上を向かないように設けられたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記記録媒体搬入口及び前記記録媒体搬出口のうち、少なくともどちらか一方に、記録媒体搬入口又は記録媒体搬出口を開閉可能であって、前記記録媒体の搬送路の少なくとも一部を構成するガイド部材が設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記ガイド部材の開閉中心が、前記筐体を平面上に載置したとき前記記録媒体搬入口又は前記記録媒体搬出口に対して上方に配置されたことを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記筐体下面部が、前記筐体を支持する複数の足部であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の定着装置。
  6. 前記筐体の外面に配設され、前記記録媒体の通過を検知するセンサーと、
    前記センサーの周囲に配置され、センサーを保護する保護部材と、
    を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の定着装置。
  7. 前記画像形成装置内に装填された筐体の手前側に手掛け部が設けられたことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の定着装置。
  8. 前記筐体下面部が前記手掛け部と対向して形成されたことを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 画像形成装置本体に着脱可能であって、記録媒体を搬送しながら記録媒体上の未定着像を定着する定着装置が、
    記録媒体を案内する記録媒体搬入口と、前記記録媒体が搬出される記録媒体搬出口と、を備え、
    前記記録媒体搬入口および/又は前記記録媒体搬出口を開閉可能であって、前記記録媒体の搬送路の少なくとも一部を構成するガイド部材を設けたことを特徴とする定着装置。
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