JP2004341100A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子写真方式の画像形成装置において、高精度に印刷濃度検出手段の感度補正を行い、高品位の印刷を行うことができるようにする。
【解決手段】搬送ベルト7上に反射部12を設け、濃度検出手段の補正を行う構成とした。或いは搬送ベルト7に開口部14を設け、搬送ベルト7の内側に第2の濃度基準部材13を設ける構成とした。或いは、搬送ベルト7の一部に配置した反射部や、開口部14と濃度検出用パターンが重なることを回避するようにした。或いは、搬送ベルト7の反射部12或いは開口部14と印刷媒体6が重なることを回避するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】搬送ベルト7上に反射部12を設け、濃度検出手段の補正を行う構成とした。或いは搬送ベルト7に開口部14を設け、搬送ベルト7の内側に第2の濃度基準部材13を設ける構成とした。或いは、搬送ベルト7の一部に配置した反射部や、開口部14と濃度検出用パターンが重なることを回避するようにした。或いは、搬送ベルト7の反射部12或いは開口部14と印刷媒体6が重なることを回避するようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷濃度検出手段を有する電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置、例えば、電子写真方式のカラー画像形成装置は、図11に示したように、帯電手段、現像手段、像担持体等からなり搬送ベルトに沿って異なった色、例えばブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのトナーが実装されて配設される画像形成部(1a、1b、1c、1d)、トナーの転写を行う転写手段(2a、2b、2c、2d)、像担持体に静電潜像を生成する露光手段(3a、3b、3c、3d)、搬送ベルト7を帯電し印刷媒体6を静電気力により吸着しながら搬送するための吸着手段4、図示しない駆動手段によって回転駆動し搬送ベルト7を矢印方向に回転させる駆動用ローラ(5a、5b、5c)、搬送ベルト7上に印刷された濃度検出用パターンの濃度を検出するための濃度検出手段9とから構成されていた。
【0003】
そして、前記従来の画像形成装置では以下のように印刷動作が行われていた。すなわち、印刷する印刷媒体6が、図11右側から図示しない給紙手段によって吸着手段4まで搬送され、搬送ベルト7に吸着し、搬送ベルト7の搬送とともに搬送され、画像形成部1に達したとき、図示しない制御部の制御により画像形成部1上の画像が転写手段2によって印刷媒体6上に転写され、その後、搬送ベルト7から分岐して、同図左側の定着手段8によって熱定着され、装置外に排出されていた。
【0004】
ここで、従来の画像形成装置の印刷濃度検出の動作は、通常の印刷動作とは異なる予備動作として行なわれ、印刷媒体6を搬送せずに画像形成部1a〜1dで形成された濃度検出用パターンを搬送ベルト7上に直接転写していた。そして、転写された濃度検出用パターンは搬送ベルト7によって濃度検出手段9上に搬送され、濃度検出用パターンが濃度検出手段9上を通過している間に、濃度検出を行っていた。
【0005】
前記濃度検出は濃度検出用パターンに対して濃度検出手段9の発光部より光を照射し、反射した光を受光部で検出することによって行われるが、一般に、濃度検出手段9として使用されるセンサは、発光ダイオードの光量のばらつき、受光ダイオードの受光感度や暗電流のばらつき、或いはこれらのダイオード実装上のばらつき、すなわち実装角度などのばらつき等があるため、装置毎に濃度検出感度やオフセットが変化する。或いは同一装置においても温度変化や経年変化により濃度検出感度等が変化する。
【0006】
以上の濃度検出感度等のばらつきや変動の問題を解決するため、濃度検出手段9と搬送ベルト7との間に実装されるシャッター10に、同図に示したように濃度基準部材11を実装し、前記濃度基準部材11による濃度検出手段9の検出値が同じ検出値となるように、濃度検出用パターンによる濃度検出動作を行う前に濃度検出手段9の予備的補正を行っていた。(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−244418号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来構成の画像形成装置では以下のような問題点があった。すなわち、前記濃度基準部材11による濃度検出手段9の予備的補正では、濃度基準部材11が実装されている位置においては精度良く補正できるが、実際の濃度検出は搬送ベルト7上に印刷された濃度検出用パターンの濃度検出を行うため、濃度検出用パターンから反射する光量が変わるので適切な補正ができない。この補正の誤差は、濃度基準部材11で補正を行わない場合と比較すれば小さいものではあるが、より高品位の印刷を実現するためには充分とはいえない誤差であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決するため以下の構成を採用する。すなわち、実施の形態によれば、搬送ベルトに印刷される濃度検出用パターンと同じ位置、すなわち搬送ベルトの外周上に反射部を設け、濃度検出手段の補正を行う構成とした。
【0010】
或いは別の手段として搬送ベルトに開口部を設け、搬送ベルトの内側に第2の濃度基準部材を設ける構成とした。或いは、別の実施の手段として搬送ベルト上に配置した反射部や開口部と濃度検出用パターンが重なることを回避するようにした。或いは、別の実施の手段として搬送ベルト上の反射部や開口部と印刷媒体が重なることを回避するようにした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態例を、図面を用いて説明する。なお図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【0012】
《第1の実施形態例》
第1の実施形態例の画像形成装置は、搬送ベルト外周の一部に他の部分と異なった光学的反射特性を有する反射部を設けたものである。
【0013】
(構成)
第1の実施形態例の画像形成装置の構成図を図1に示す。なお図1下側に記載した搬送ベルト底面図は、搬送ベルトを下側から見た図である。同図に示したように、第1の実施形態例の画像形成装置は、帯電手段・現像手段・像担持体等からなり搬送ベルトに沿って異なった色、例えばブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのトナーが実装されて配設される画像形成部(1a、1b、1c、1d)、トナーの転写を行う転写手段(2a、2b、2c、2d)、像担持体に静電潜像を生成する露光手段(3a、3b、3c、3d)、搬送ベルト7を帯電し印刷媒体6を静電気力により吸着しながら搬送するための吸着手段4、図示しない駆動手段によって回転駆動し搬送ベルト7を矢印方向に回転させる駆動用ローラ(5a、5b、5c)、搬送ベルト7上に印刷された濃度検出用パターンの濃度を検出するための発光部・受光部等からなる濃度検出手段9とから構成されている。
【0014】
また、濃度検出のための構成として、濃度検出手段9と搬送ベルト7との間に実装され同図左右方向に移動可能なシャッター10と、当該シャッター10に実装された濃度基準部材11、そして、濃度検出手段9に対向する搬送ベルト7の面の一部に、他の部分と異なった光学的反射特性、例えば色が異なるなどの反射部12を塗布或いはシールド部材を粘着剤等で貼り付けるようにしている。
【0015】
一般的に、搬送ベルト7上に印刷された濃度検出用パターンの濃度を検出する方式として使用する搬送ベルト7は、濃度検出用パターンからの反射光を精度良く検出するために、カラートナーからの反射光に影響を受けにくい低反射率の部材により構成されている。一方、反射部12は光学的反射率の高い部材からなる。
【0016】
次に、第1の実施形態例の画像形成装置の制御系の構成図を図2に示す。同図に示したように第1の実施形態例の画像形成装置21の制御系は、上位装置22からの印刷データを受信するインタフェイス部23と、図示しない印刷媒体検出センサの出力結果に基づき印刷媒体の搬送・印刷制御等を行う制御部24、当該制御部24の制御のもとに、図示しないモータにより駆動用ローラ5や画像形成部1の各ローラを回転駆動し、或いはシャッター10を図中左右に移動させるモータ駆動部25、上位装置22からの印刷データである画像、文字等に基づき画像形成部1等により印刷する制御を行う印刷制御部26、印刷パターンの濃度を検出する濃度検出及び後述の検出補正部27により濃度検出感度等を補正する濃度検出手段9から構成され、同図のように接続されている。
【0017】
検出補正部27としては、図3に示した回路例のように、濃度基準部材や印刷パターンからの反射光を受光するフォトトランジスタTR1、フォトトランジスタTR1からの出力電流を増幅する演算増幅回路U1、演算増幅回路U1のフィードバック抵抗でゲイン設定電圧Vg(102a)によりその抵抗値をリニアに設定可能なFETトランジスタTR2、演算増幅回路U1の出力をデジタルデータに変換するA/D変換部101から構成される。
【0018】
そして、フォトトランジスタTR1のエミッタが抵抗R1を通し演算増幅回路U1の−端子に接続され、FETトランジスタが演算増幅回路U1のフィードバック抵抗として接続され、また演算増幅回路U1の+端子には、フォトトランジスタTR1の暗電流であるオフセットを補正するオフセットバイアスVofs(102b)が抵抗R2を通して接続されている。そして、演算増幅回路U1の出力電圧がA/D変換部101よりデジタルデータに変換され検出出力103として制御部24に送出されるようになっている。その他、フォトトランジスタTR1のコレクタには5V電源が接続され、演算増幅回路U1の+端子には演算増幅の基準電圧Vrefが抵抗R3により接続されている。
【0019】
なお、図3の回路構成例では、フォトトランジスタTR1のエミッタが演算増幅回路U1の−端子に接続されているので、反射光が多くなるほど、演算増幅回路U1の出力電圧は下がるようになっている。
【0020】
(動作)
以上の構成により、第1の実施形態例の画像形成装置では、以下のように印刷濃度補正を行う。その動作を図4の動作フローチャートを用いて説明する。まず初期動作として、フォトトランジスタTR1の暗電流等のオフセット補正のため、制御部24は、発光部による発光を行わない状態で検出出力103が基準電圧VrefとなるようにオフセットバイアスVofs(102b)を設定する初期化動作を行う(ステップS1)。
【0021】
次に、濃度検出手段9に対向してシャッター10に実装された濃度基準部材11を用いて大まかな濃度検出感度の補正として濃度検出手段9の予備的補正動作を実施する(ステップS2)。すなわち、制御部24の制御に基づき、濃度基準部材11からの反射光の検出出力103が予め決めた標準値Vsとなるように前述のゲイン設定電圧Vg(102a)を設定する。
【0022】
次に、制御部24により、シャッター10を矢印A方向に移動し、濃度検出手段9が直接搬送ベルト7に対向するようにし(ステップS3)、搬送ベルト7の搬送を開始し(ステップS4)、濃度検出手段9により搬送ベルト7上からの反射光の検出出力103を連続的に検出し、濃度検出手段9の検出出力103が一定量変化したとき、反射部12が濃度検出手段9と対向する位置に来たと判断し(ステップS5)、搬送ベルト7の搬送を停止する(ステップS6)。
【0023】
そして、搬送ベルト7上の反射部12は、濃度検出手段9と対向する位置に来ているので、搬送ベルト7上の反射部12を用いて濃度検出手段9の補正を行う(ステップS7)。すなわち、制御部24の制御に基づき、前述図3に示した検出補正部27より反射部12からの反射光による検出出力103が予め決めた標準値Vs’となるようにゲイン設定電圧Vg’(102a)を設定する。
【0024】
このとき、ステップS2にて設定した濃度基準部材11による標準値Vsと当該標準値Vs’に一定値ΔVs以上の差異が有る場合は、反射部12が濃度検出手段9に対向した正常な位置に来ていないとし判断し、再度ステップS5及びステップS6を行い、濃度検出手段9に対向した正常な位置に反射部12が来るようにする。勿論、濃度基準部材11による補正の際に設定したゲイン設定電圧Vgと、反射部12による補正の際に設定したゲイン設定電圧Vg’の比較を行い、一定値ΔVg以上の差異がある場合に、反射部12が、濃度検出手段9に対向した正常な位置に来ていないと判断するようにしてもよい。
【0025】
また、濃度基準部材11と反射部12が同一の光学特性を有する材料であっても、濃度検出手段9と濃度基準部材11の間隔と、濃度検出手段9から反射部12への間隔と異なり、濃度基準部材11からの反射光の方が反射部12からの反射光よりも大となるので、これを考慮して前記判断のための閾値ΔVs、ΔVgを設定するのがよい。
【0026】
上記濃度検出感度の補正では、搬送ベルト7上の反射部12からの反射光に基づき行われ、搬送ベルト7上に印刷した濃度補正パターンと同じ位置、すなわち搬送ベルト7の外周上からの反射光により行うことができるので、濃度検出感度を高精度に補正することができる。
【0027】
上記濃度検出補正は、画像形成装置を出荷する際や、最初の電源オン時に行ってもよいし、印刷開始前に行ってもよいし、印刷頁毎に行ってもよい。
【0028】
なお、以上の動作説明では、ステップS2にてシャッター10の濃度検出手段9に対向する面に実装された濃度基準部材11を用いて濃度検出手段9の予備的補正動作を実施する動作を行う例を示したが、この予備的補正動作は行わず、ステップS7の反射部12を用いた濃度検出手段9の補正のみとしてもよい。
【0029】
また、さらに高精度に濃度検出感度の補正を行うために、反射部12を検出した後、搬送ベルト7を少しずつ移動し、複数の位置における濃度検出手段9の検出出力103を得、平均化し、平均化した値に基づき濃度検出感度の補正を行うようにしてもよい。
【0030】
(第1の実施形態例の効果)
以上詳細に述べたように、第1の実施形態例の画像形成装置によれば、搬送ベルト7上に印刷される濃度検出用パターンとほぼ同じ位置に反射部12を設け、濃度検出手段の補正を行う構成としたので、濃度検出手段9の濃度検出感度の精度を高くすることができ、高品位の印刷を行うことができる。
【0031】
《第2の実施形態例》
第2の実施形態例の画像形成装置は、搬送ベルト7の一部に開口部を設け、搬送ベルト7内側に第2の濃度基準部材13を配置したものである。
【0032】
(構成)
第2の実施形態例の画像形成装置の構成を図5に示す。図5下側に記載した搬送ベルト底面図は、搬送ベルトを下側から見た図である。なお、簡略化のために、第1の実施例の画像形成装置の構成と同様の部分については、その説明を省略する。すなわち、画像形成部1a〜1d、トナーの転写を行う転写手段2a〜2d、像担持体に静電潜像を生成する露光手段3a〜3d、搬送ベルト7を帯電し印刷媒体6を静電気力により吸着しながら搬送するための吸着手段4、図示しない駆動手段によって回転駆動し搬送ベルト7を矢印方向に回転させる駆動用ローラ5a〜5c、搬送ベルト7上に印刷された濃度検出用パターンの濃度を検出するための発光・受光部からなる濃度検出手段9は、第1の実施形態例の画像形成装置と同様の構成であり、その詳細な説明は省略する。なお、制御系の構成は、第1の実施の形態の画像形成装置と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0033】
そして、濃度検出のための構成として濃度検出手段9と搬送ベルト7との間に実装され同図左右方向に移動可能なシャッター10と、当該シャッター10に第1の濃度基準部材11を実装し、また搬送ベルト7上の一部に開口部14を設け、濃度検出手段9と対向した搬送ベルトの反対側に第2の濃度基準部材13を配置している。ここで、第2の濃度基準部材13は、濃度基準部材11と同じ光学的反射特性を有する濃度基準部材とするのがよい。
【0034】
(動作)
以上の構成により、第2の実施形態例の画像形成装置では、以下のように印刷濃度補正を行う。この動作を図6の動作フローチャートを用いて説明する。第2の実施形態例の画像形成装置では、ステップS11〜S14までの動作は第1の実施形態例の画像形成装置のステップS1〜S4の動作と同様である。すなわち、初期動作としてのオフセット補正を行い(ステップS11)、大まかな濃度検出感度の補正として濃度検出手段9の予備的補正動作を行う(ステップS12)。このとき、濃度検出手段9の検出出力はVs1として抽出される。次に、シャッター10を矢印A方向に移動し(ステップS13)、搬送ベルト7の搬送を開始する(ステップS14)。
【0035】
シャッター10を移動し、搬送ベルト7の搬送を開始すると、搬送ベルト7に設けた開口部14を通して第2の濃度基準部材13から反射する反射光を濃度検出手段9により連続的に検出し、濃度検出手段9の検出出力103が一定量変化したとき、開口部14が濃度検出手段9と対向する位置に到達し、第2の濃度基準部材13からの反射光を濃度検出手段9が受光したと判断し(ステップS15)、搬送ベルト7の搬送を停止する(ステップS16)。
【0036】
なお、ステップS15における開口部14の到達の判断を誤らないように濃度基準部材11の標準値Vs1と第2の濃度基準部材13による検出出力Vs2の比較、或いはゲイン設定電圧Vgの比較を行う動作は第1の実施の形態と同様である。
【0037】
次に、第2の濃度基準部材13からの反射光を濃度検出手段9により検出し、以下詳細に説明する搬送ベルト上の印刷パターンによる濃度検出の際の補正計数αを算出する(ステップS17)。
【0038】
この補正計数αは、濃度基準手段9から見た第2の濃度基準部材13の位置が、搬送ベルト7表面位置より遠いため、第2の濃度基準部材13の光学的反射量と搬送ベルト上の印刷パターンの光学的反射量が同じであっても、搬送ベルト上の印刷パターンからの受光量の方が大きくなるため、この光学的反射量の違いを補正するための係数である。
【0039】
一般に受光量をVs、距離をLとすると、図7(a)に示したように、距離Lにほぼ反比例して受光量Vsは減少する。そして、距離が短い場合には、図7(b)に示したようにほぼ線形に減少する特性を有する。ここで、図中L1ないしL3は、図5左側に示した、濃度検出手段9から濃度基準部材11まで距離L1、濃度検出手段9から第2の濃度基準部材13までの距離L2、濃度検出手段9から搬送ベルト7の表面までの距離L3を表している。すなわち、
Vs=−aL+b (1)
として表されるので、距離L1での受光量をVs1、距離L2での受光量をVs2とすると
Vs1=−aL1+b、Vs2=−aL2+b (2)
から
a=(Vs1−Vs2)/(L2−L1)
b=(Vs1・L2−Vs2・L1)/(L2−L1) (3)
として算出されるので、距離L3での受光量がVs3である場合の(1)式から、距離L2における受光量Vs2は、
A=(L2−L1)/(L3−L1)
B=(L3−L2)/(L3−L1)とすると
Vs2=Vs3・A+Vs1・B (4)
として求められる。ここで、L3−L2は微少な距離とすることができるので、B=0と近似でき、従って当該補正係数α、すなわちVs2/Vs3は、Aとなるのでα=(L2−L1)/(L3−L1)として算出することができる。ここで、上記のように距離による補正を行うのではなく、異なる距離でも同一の反射光が得られるような反射率の材質を選定し、第2の濃度基準部材13とするようにしてもよい。
【0040】
次に、搬送ベルト7の開口部14が、濃度検出手段9と対向する位置に来ているので、第2の濃度基準部材13を用いて濃度検出手段9の補正を行う(ステップS18)。すなわち、制御部24の制御に基づき、前述図3に示した検出補正部27により第2の濃度基準部材13からの反射光による検出出力103が予め決めた標準値Vs’となるようにゲイン設定電圧Vg’(102a)を設定する。
【0041】
以上のように、前記補正係数αを抽出し、第2の濃度基準部材13により検出感度の補正を終了した後、搬送ベルト7上に濃度検出用パターンを印刷し印刷濃度補正を行う際に、濃度検出手段9の検出値Vz(上記Vs3に相当)を前記補正係数αによりVz’=Vz*αとして補正し、補正したVz’(上記Vs2に相当)に基づき印刷濃度を調整するようにする。
【0042】
上記濃度検出補正は、画像形成装置を出荷する際や、最初の電源オン時に行ってもよいし、印刷開始前に行ってもよいし、印刷頁毎に行ってもよい。
【0043】
なお、以上の説明では、第1の実施の形態と同様、ステップS12にて濃度基準部材11を用いて濃度検出手段9の予備的補正動作を実施する動作を行う例を示したが、この予備的補正動作は行わず、ステップS18の第2の濃度基準部材13を用いた濃度検出手段9の補正のみとすることもできる。
【0044】
或いは、さらに高精度に濃度検出感度等の補正を行うために、開口部14を検出した後、複数回濃度検出を行い、平均化し、平均化した値に基づき濃度検出感度の補正を行うようにしてもよい。
【0045】
(第2の実施形態例の効果)
以上詳細に述べたように、第2の実施形態例の画像形成装置によれば、搬送ベルト7に開口部14を設け、搬送ベルト7の内側に第2の濃度基準部材13を設ける構成としたので、第1の実施形態例の画像形成装置の効果に加え、濃度基準部材を搬送ベルト上ではなく搬送ベルトの内側に設けることができるので、濃度基準部材が磨耗により損傷することがなく、長期間、継続して安定した濃度検出手段9の補正が可能となる。
【0046】
《第3の実施形態例》
第3の実施形態例の画像形成装置は、第1、第2の実施の形態例の反射部12或いは搬送ベルト上の開口部と、濃度検出用に形成される濃度検出用パターンが重ならないように制御するようにしたものである。
【0047】
(構成)
第3の実施形態例の画像形成装置の構成は図8に示したように第1或いは第2の実施の形態と同様であり、また制御系の構成も第1、第2の実施の形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。なお、図8下側に記載した搬送ベルト上面図は、搬送ベルトを上側から見た図である。
【0048】
(動作)
一般に、印刷濃度の検出は画像形成部1a〜dにより搬送ベルト7上に形成された濃度検出用パターンに対して、濃度検出手段9の発光部から発光し反射する光を受光部で検出することにより濃度検出を行うため、濃度検出用パターン以外からの反射量は一定でなくてはならない。第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態のように搬送ベルト7の表面の一部に、搬送ベルト7の光学的特性と異なる反射率の反射部12や開口部14を設けた場合、これらの部分と濃度検出用パターンが重なると、同じ印刷濃度であっても異なる反射量となったり、濃度検出バターンの一部が印刷されない場合があり、正確な濃度検出を行うことができない。
【0049】
このため、第3の実施形態例の画像形成装置では、図8に示したように濃度検出用パターンが反射部12や開口部14と重ならないように濃度検出用バターンを印刷する。すなわち、図6にて説明した第2の実施形態例の画像形成装置の動作フローチャートのステップS15の処理を、以下のように行う。
【0050】
(図8のa点位置の検出)
シャッター10を矢印A方向に移動し、搬送ベルト7の搬送を開始し、搬送ベルト7に設けた開口部14を通して第2の濃度基準部材13から反射する反射光を濃度検出手段9により連続的に検出し、濃度検出手段9の検出出力103が一定量変化したとき、開口部14が濃度検出手段9と対向する位置に到達し、第2の濃度基準部材13からの反射光を濃度検出手段9が受光したと判断し、搬送ベルト7の搬送を停止し、この位置をa点と判断する。
【0051】
(図8のb点位置の検出)
そして、この位置から、再び、第2の濃度基準部材13からの反射光が無くなる位置を検出しながら搬送ベルト7を搬送する。第2の濃度基準部材13からの反射光が無くなった位置をb点と判断する。
【0052】
このb点位置を検出してから、図8右側に記載した濃度検出手段9から最も上流にある画像形成部1aまでの距離L5とマージンとしてΔLの長さ分、搬送ベルト7を搬送した後、画像形成部1a〜1dにより濃度検出用パターンの形成をする。
【0053】
以上の印刷パターンの印刷動作を行うことにより、図8下側記載の搬送ベルト上面図のような濃度検出用パターンを印刷することができ、濃度検出用パターンが開口部14と重ならないようにすることができる。なお、図8の搬送ベルト上面図は、開口部14が画像形成部1c(マゼンダ)と画像形成部1d(シアン)の中間位置にあり、濃度検出用パターン印刷位置が画像形成部1c(マゼンダ)の位置まで到達していないため、マゼンダ、シアンによる濃度検出用パターンが印刷されていない状態となっている。
【0054】
以上の説明では、開口部14を通して第2の濃度基準部材13からの反射光を検出する動作例を示したが、第1の実施の形態のように搬送ベルト7上に配置した反射部12からの反射光を検出する場合でも同様である。
【0055】
(第3の実施形態例の効果)
以上詳細に述べたように、第3の実施形態例の画像形成装置によれば、搬送ベルト7上に配置した反射部12や開口部14と濃度検出用パターンが重なることがないので、精度のよい濃度検出が可能となり、その結果印刷品位の信頼性を向上することができる。
【0056】
《第4の実施形態例》
第4の実施形態例の画像形成装置は、第1、第2の実施の形態例の反射部12或いは開口部14と印刷媒体6が重ならないように制御するようにしたものである。
【0057】
(構成)
第4の実施形態例の画像形成装置の構成は図9に示したように第1或いは第2の実施の形態と同様であり、また制御系の構成も第1、第2の実施の形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。なお、図9下側に記載した搬送ベルト上面図は、搬送ベルトを上側から見た図である。
【0058】
(動作)
一般に、通常の印刷においては、画像形成部1a〜dで形成した画像を印刷媒体6上に転写するために、転写手段2a〜dにトナーの帯電極性と逆の電圧を印加する。本例ではマイナスバイアスを印加している。この転写手段2a〜dに印加する電圧の制御は印刷媒体6が画像形成部1a〜dと転写手段2a〜dが接する位置(一般に、「ニップ位置」という)に存在する時に安定した電界を形成するために、定電圧制御あるいは定電流制御を行なっている。
【0059】
しかしながら、第1の実施の形態のように搬送ベルト7上に反射部12を配置、或いは第2の実施の形態のように搬送ベルト7上に開口部14が設けられた場合では、これらの部分に印刷媒体6が重なると、一様の抵抗値を有する搬送ベルト7の抵抗値が増減する。その結果、正常な電界を得ることができず正常な印刷画像を得ることができなくなる。
【0060】
このため、第4の実施形態例の画像形成装置では、図9に示したように印刷媒体6が反射部12や開口部14と重ならないように図10の動作フローチャートに示した手順で印刷を行う。
【0061】
まず、濃度検出手段の補正を、第1ないし第3の実施の形態と同様に行う(ステップS21)。
【0062】
(図9のc点位置の検出)
次に、シャッター10を矢印A方向に移動し(ステップS22)、搬送ベルト7の搬送を開始すると(ステップS23)、搬送ベルト7に設けた開口部14を通して第2の濃度基準部材13から反射する反射光を濃度検出手段9により連続的に検出し、濃度検出手段9の検出出力103が一定量変化したとき、開口部14が濃度検出手段9と対向する位置に到達し、第2の濃度基準部材13からの反射光を濃度検出手段9が受光したと判断し、搬送ベルト7の搬送を停止し(ステップS24)、この位置をc点と判断する。
【0063】
(図9のd点位置の検出)
そして、この位置から、再び、第2の濃度基準部材13からの反射光が無くなる位置を検出しながら搬送ベルト7を搬送する。第2の濃度基準部材13からの反射光が無くなった位置をd点と判断する(ステップS25)。
【0064】
このd点位置を検出してから、図9右側に記載した濃度検出手段9から最も上流にある画像形成部1aまでの距離L5と、マージンとしてΔL’の長さ分、搬送ベルト7を搬送した後、印刷媒体6を給紙を開始する(ステップS26)。
【0065】
以上の動作を行うことにより、図9下側記載の搬送ベルト上面図の位置に印刷媒体6を給紙することができ、開口部14と印刷媒体6が重ならないようにすることができる。
【0066】
なお、以上の説明では、開口部14を通して第2の濃度基準部材13からの反射光を検出する動作例を示したが、第1の実施の形態のように搬送ベルト7上に反射部12を配置した場合でも同様に行うことができる。
【0067】
(第4の実施形態例の効果)
以上のように、第4の実施形態例の画像形成装置によれば、搬送ベルト7の反射部12或いは開口部14と印刷媒体6が重なることを回避できるので、第1ないし第3の実施の形態の効果に加え、安定した印刷を行うことができる。
【0068】
《その他の変形例》
以上述べた実施形態例の他、以下の変形例の実施形態としても本発明と同様の作用、効果が得られる。すなわち、
【0069】
(1)第3、第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、図8a点、b点、図9c点、d点の検出を濃度検出手段の際に行う位置検出とは別に行う例を示したが、第1または第2の実施形態例の画像形成装置にて説明した濃度検出手段9の感度補正を行う際に、図8a点、b点、図9c点、d点に相当する点を検出し、その位置情報を保持し、濃度検出用パターンの印刷開始位置或いは印刷媒体6の給紙を開始位置として使用するようにしてもよい。
【0070】
(2)また、第1ないし第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、濃度検出手段9を左下に配置した例を示したが、搬送ベルト7の搬送路近傍であればいずれの場所に配置してもよい。
【0071】
(3)また、第1ないし第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、反射部12或いは開口部14を搬送ベルト7の中央位置に配置する例を示したが、中央に配置する必要はなく搬送ベルト7のいずれの場所に配置してもよい。例えば、搬送ベルト7の通常の印刷範囲外に反射部12或いは開口部14を配置すれば、第4の実施の形態のように反射部12或いは開口部14の位置を避け、印刷媒体6を給紙したりする制御を行わないようにすることもできる。
【0072】
(4)また、第1ないし第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、濃度検出手段9を1つ配置する例を示したが、濃度検出手段9を複数配置し、濃度検出結果を平均化し印刷濃度を補正する場合や、各濃度検出結果に基づき各位置の濃度検出結果を補正する場合にも、本発明を適用することができる。
【0073】
(5)また、第1ないし第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、濃度検出手段9の感度補正や、印刷濃度補正の際、シャッター10を移動するのではなく、濃度基準手段9を移動し、濃度検出を行うようにしてもよい。
【0074】
(6)また、第1ないし第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、濃度検出手段9、シャッター10及び濃度基準部材11を搬送ベルト7の外側に配置し、反射部12を搬送ベルト7の外周側に、第2の濃度基準部材13を内側に配置する例を示したが、搬送ベルト内側に印刷を行う電子写真方式の画像形成装置では、前記位置関係を反対とすることにより本発明を適用することができる。
【0075】
(7)また、第1ないし第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、複数色の電子写真方式による画像形成装置について説明したが、単色の電子写真方式の画像形成装置にも本発明を適用できることは言うまでもない。
【0076】
(8)また、第1ないし第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、タンデム方式の搬送ベルトを例として説明したが、中間転写方式に用いる中間転写ドラムや中間転写ベルト等にも本発明を適用できる。
【0077】
【発明の効果】
以上詳細に述べたように、本発明の画像形成装置によれば、搬送ベルト上に反射部、或いは開口部と第2の濃度基準部材を設けて濃度検出手段の感度を補正するようにしたので、高精度に濃度検出手段の感度の補正を行うことができ、印刷品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態例の画像形成装置の構成図である。
【図2】実施形態例の制御系の構成図である。
【図3】検出補正部の回路例である。
【図4】第1の実施形態例の動作フローチャートである。
【図5】第2の実施形態例の画像形成装置の構成図である。
【図6】第2の実施形態例の動作フローチャートである。
【図7】第2の実施形態例の受光量補正の説明図である。
【図8】第3の実施形態例の画像形成装置の構成図である。
【図9】第4の実施形態例の画像形成装置の構成図である。
【図10】第4の実施形態例の動作フローチャーである。
【図11】従来の画像形成装置の構成図である。
【符号の説明】
1 画像形成部
4 吸着手段
5 駆動用ローラ
7 搬送ベルト
9 濃度基準手段
10 シャッター
11 濃度基準部材
12 反射部
13 第2の濃度基準部材
14 開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷濃度検出手段を有する電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置、例えば、電子写真方式のカラー画像形成装置は、図11に示したように、帯電手段、現像手段、像担持体等からなり搬送ベルトに沿って異なった色、例えばブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのトナーが実装されて配設される画像形成部(1a、1b、1c、1d)、トナーの転写を行う転写手段(2a、2b、2c、2d)、像担持体に静電潜像を生成する露光手段(3a、3b、3c、3d)、搬送ベルト7を帯電し印刷媒体6を静電気力により吸着しながら搬送するための吸着手段4、図示しない駆動手段によって回転駆動し搬送ベルト7を矢印方向に回転させる駆動用ローラ(5a、5b、5c)、搬送ベルト7上に印刷された濃度検出用パターンの濃度を検出するための濃度検出手段9とから構成されていた。
【0003】
そして、前記従来の画像形成装置では以下のように印刷動作が行われていた。すなわち、印刷する印刷媒体6が、図11右側から図示しない給紙手段によって吸着手段4まで搬送され、搬送ベルト7に吸着し、搬送ベルト7の搬送とともに搬送され、画像形成部1に達したとき、図示しない制御部の制御により画像形成部1上の画像が転写手段2によって印刷媒体6上に転写され、その後、搬送ベルト7から分岐して、同図左側の定着手段8によって熱定着され、装置外に排出されていた。
【0004】
ここで、従来の画像形成装置の印刷濃度検出の動作は、通常の印刷動作とは異なる予備動作として行なわれ、印刷媒体6を搬送せずに画像形成部1a〜1dで形成された濃度検出用パターンを搬送ベルト7上に直接転写していた。そして、転写された濃度検出用パターンは搬送ベルト7によって濃度検出手段9上に搬送され、濃度検出用パターンが濃度検出手段9上を通過している間に、濃度検出を行っていた。
【0005】
前記濃度検出は濃度検出用パターンに対して濃度検出手段9の発光部より光を照射し、反射した光を受光部で検出することによって行われるが、一般に、濃度検出手段9として使用されるセンサは、発光ダイオードの光量のばらつき、受光ダイオードの受光感度や暗電流のばらつき、或いはこれらのダイオード実装上のばらつき、すなわち実装角度などのばらつき等があるため、装置毎に濃度検出感度やオフセットが変化する。或いは同一装置においても温度変化や経年変化により濃度検出感度等が変化する。
【0006】
以上の濃度検出感度等のばらつきや変動の問題を解決するため、濃度検出手段9と搬送ベルト7との間に実装されるシャッター10に、同図に示したように濃度基準部材11を実装し、前記濃度基準部材11による濃度検出手段9の検出値が同じ検出値となるように、濃度検出用パターンによる濃度検出動作を行う前に濃度検出手段9の予備的補正を行っていた。(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−244418号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来構成の画像形成装置では以下のような問題点があった。すなわち、前記濃度基準部材11による濃度検出手段9の予備的補正では、濃度基準部材11が実装されている位置においては精度良く補正できるが、実際の濃度検出は搬送ベルト7上に印刷された濃度検出用パターンの濃度検出を行うため、濃度検出用パターンから反射する光量が変わるので適切な補正ができない。この補正の誤差は、濃度基準部材11で補正を行わない場合と比較すれば小さいものではあるが、より高品位の印刷を実現するためには充分とはいえない誤差であった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決するため以下の構成を採用する。すなわち、実施の形態によれば、搬送ベルトに印刷される濃度検出用パターンと同じ位置、すなわち搬送ベルトの外周上に反射部を設け、濃度検出手段の補正を行う構成とした。
【0010】
或いは別の手段として搬送ベルトに開口部を設け、搬送ベルトの内側に第2の濃度基準部材を設ける構成とした。或いは、別の実施の手段として搬送ベルト上に配置した反射部や開口部と濃度検出用パターンが重なることを回避するようにした。或いは、別の実施の手段として搬送ベルト上の反射部や開口部と印刷媒体が重なることを回避するようにした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態例を、図面を用いて説明する。なお図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【0012】
《第1の実施形態例》
第1の実施形態例の画像形成装置は、搬送ベルト外周の一部に他の部分と異なった光学的反射特性を有する反射部を設けたものである。
【0013】
(構成)
第1の実施形態例の画像形成装置の構成図を図1に示す。なお図1下側に記載した搬送ベルト底面図は、搬送ベルトを下側から見た図である。同図に示したように、第1の実施形態例の画像形成装置は、帯電手段・現像手段・像担持体等からなり搬送ベルトに沿って異なった色、例えばブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのトナーが実装されて配設される画像形成部(1a、1b、1c、1d)、トナーの転写を行う転写手段(2a、2b、2c、2d)、像担持体に静電潜像を生成する露光手段(3a、3b、3c、3d)、搬送ベルト7を帯電し印刷媒体6を静電気力により吸着しながら搬送するための吸着手段4、図示しない駆動手段によって回転駆動し搬送ベルト7を矢印方向に回転させる駆動用ローラ(5a、5b、5c)、搬送ベルト7上に印刷された濃度検出用パターンの濃度を検出するための発光部・受光部等からなる濃度検出手段9とから構成されている。
【0014】
また、濃度検出のための構成として、濃度検出手段9と搬送ベルト7との間に実装され同図左右方向に移動可能なシャッター10と、当該シャッター10に実装された濃度基準部材11、そして、濃度検出手段9に対向する搬送ベルト7の面の一部に、他の部分と異なった光学的反射特性、例えば色が異なるなどの反射部12を塗布或いはシールド部材を粘着剤等で貼り付けるようにしている。
【0015】
一般的に、搬送ベルト7上に印刷された濃度検出用パターンの濃度を検出する方式として使用する搬送ベルト7は、濃度検出用パターンからの反射光を精度良く検出するために、カラートナーからの反射光に影響を受けにくい低反射率の部材により構成されている。一方、反射部12は光学的反射率の高い部材からなる。
【0016】
次に、第1の実施形態例の画像形成装置の制御系の構成図を図2に示す。同図に示したように第1の実施形態例の画像形成装置21の制御系は、上位装置22からの印刷データを受信するインタフェイス部23と、図示しない印刷媒体検出センサの出力結果に基づき印刷媒体の搬送・印刷制御等を行う制御部24、当該制御部24の制御のもとに、図示しないモータにより駆動用ローラ5や画像形成部1の各ローラを回転駆動し、或いはシャッター10を図中左右に移動させるモータ駆動部25、上位装置22からの印刷データである画像、文字等に基づき画像形成部1等により印刷する制御を行う印刷制御部26、印刷パターンの濃度を検出する濃度検出及び後述の検出補正部27により濃度検出感度等を補正する濃度検出手段9から構成され、同図のように接続されている。
【0017】
検出補正部27としては、図3に示した回路例のように、濃度基準部材や印刷パターンからの反射光を受光するフォトトランジスタTR1、フォトトランジスタTR1からの出力電流を増幅する演算増幅回路U1、演算増幅回路U1のフィードバック抵抗でゲイン設定電圧Vg(102a)によりその抵抗値をリニアに設定可能なFETトランジスタTR2、演算増幅回路U1の出力をデジタルデータに変換するA/D変換部101から構成される。
【0018】
そして、フォトトランジスタTR1のエミッタが抵抗R1を通し演算増幅回路U1の−端子に接続され、FETトランジスタが演算増幅回路U1のフィードバック抵抗として接続され、また演算増幅回路U1の+端子には、フォトトランジスタTR1の暗電流であるオフセットを補正するオフセットバイアスVofs(102b)が抵抗R2を通して接続されている。そして、演算増幅回路U1の出力電圧がA/D変換部101よりデジタルデータに変換され検出出力103として制御部24に送出されるようになっている。その他、フォトトランジスタTR1のコレクタには5V電源が接続され、演算増幅回路U1の+端子には演算増幅の基準電圧Vrefが抵抗R3により接続されている。
【0019】
なお、図3の回路構成例では、フォトトランジスタTR1のエミッタが演算増幅回路U1の−端子に接続されているので、反射光が多くなるほど、演算増幅回路U1の出力電圧は下がるようになっている。
【0020】
(動作)
以上の構成により、第1の実施形態例の画像形成装置では、以下のように印刷濃度補正を行う。その動作を図4の動作フローチャートを用いて説明する。まず初期動作として、フォトトランジスタTR1の暗電流等のオフセット補正のため、制御部24は、発光部による発光を行わない状態で検出出力103が基準電圧VrefとなるようにオフセットバイアスVofs(102b)を設定する初期化動作を行う(ステップS1)。
【0021】
次に、濃度検出手段9に対向してシャッター10に実装された濃度基準部材11を用いて大まかな濃度検出感度の補正として濃度検出手段9の予備的補正動作を実施する(ステップS2)。すなわち、制御部24の制御に基づき、濃度基準部材11からの反射光の検出出力103が予め決めた標準値Vsとなるように前述のゲイン設定電圧Vg(102a)を設定する。
【0022】
次に、制御部24により、シャッター10を矢印A方向に移動し、濃度検出手段9が直接搬送ベルト7に対向するようにし(ステップS3)、搬送ベルト7の搬送を開始し(ステップS4)、濃度検出手段9により搬送ベルト7上からの反射光の検出出力103を連続的に検出し、濃度検出手段9の検出出力103が一定量変化したとき、反射部12が濃度検出手段9と対向する位置に来たと判断し(ステップS5)、搬送ベルト7の搬送を停止する(ステップS6)。
【0023】
そして、搬送ベルト7上の反射部12は、濃度検出手段9と対向する位置に来ているので、搬送ベルト7上の反射部12を用いて濃度検出手段9の補正を行う(ステップS7)。すなわち、制御部24の制御に基づき、前述図3に示した検出補正部27より反射部12からの反射光による検出出力103が予め決めた標準値Vs’となるようにゲイン設定電圧Vg’(102a)を設定する。
【0024】
このとき、ステップS2にて設定した濃度基準部材11による標準値Vsと当該標準値Vs’に一定値ΔVs以上の差異が有る場合は、反射部12が濃度検出手段9に対向した正常な位置に来ていないとし判断し、再度ステップS5及びステップS6を行い、濃度検出手段9に対向した正常な位置に反射部12が来るようにする。勿論、濃度基準部材11による補正の際に設定したゲイン設定電圧Vgと、反射部12による補正の際に設定したゲイン設定電圧Vg’の比較を行い、一定値ΔVg以上の差異がある場合に、反射部12が、濃度検出手段9に対向した正常な位置に来ていないと判断するようにしてもよい。
【0025】
また、濃度基準部材11と反射部12が同一の光学特性を有する材料であっても、濃度検出手段9と濃度基準部材11の間隔と、濃度検出手段9から反射部12への間隔と異なり、濃度基準部材11からの反射光の方が反射部12からの反射光よりも大となるので、これを考慮して前記判断のための閾値ΔVs、ΔVgを設定するのがよい。
【0026】
上記濃度検出感度の補正では、搬送ベルト7上の反射部12からの反射光に基づき行われ、搬送ベルト7上に印刷した濃度補正パターンと同じ位置、すなわち搬送ベルト7の外周上からの反射光により行うことができるので、濃度検出感度を高精度に補正することができる。
【0027】
上記濃度検出補正は、画像形成装置を出荷する際や、最初の電源オン時に行ってもよいし、印刷開始前に行ってもよいし、印刷頁毎に行ってもよい。
【0028】
なお、以上の動作説明では、ステップS2にてシャッター10の濃度検出手段9に対向する面に実装された濃度基準部材11を用いて濃度検出手段9の予備的補正動作を実施する動作を行う例を示したが、この予備的補正動作は行わず、ステップS7の反射部12を用いた濃度検出手段9の補正のみとしてもよい。
【0029】
また、さらに高精度に濃度検出感度の補正を行うために、反射部12を検出した後、搬送ベルト7を少しずつ移動し、複数の位置における濃度検出手段9の検出出力103を得、平均化し、平均化した値に基づき濃度検出感度の補正を行うようにしてもよい。
【0030】
(第1の実施形態例の効果)
以上詳細に述べたように、第1の実施形態例の画像形成装置によれば、搬送ベルト7上に印刷される濃度検出用パターンとほぼ同じ位置に反射部12を設け、濃度検出手段の補正を行う構成としたので、濃度検出手段9の濃度検出感度の精度を高くすることができ、高品位の印刷を行うことができる。
【0031】
《第2の実施形態例》
第2の実施形態例の画像形成装置は、搬送ベルト7の一部に開口部を設け、搬送ベルト7内側に第2の濃度基準部材13を配置したものである。
【0032】
(構成)
第2の実施形態例の画像形成装置の構成を図5に示す。図5下側に記載した搬送ベルト底面図は、搬送ベルトを下側から見た図である。なお、簡略化のために、第1の実施例の画像形成装置の構成と同様の部分については、その説明を省略する。すなわち、画像形成部1a〜1d、トナーの転写を行う転写手段2a〜2d、像担持体に静電潜像を生成する露光手段3a〜3d、搬送ベルト7を帯電し印刷媒体6を静電気力により吸着しながら搬送するための吸着手段4、図示しない駆動手段によって回転駆動し搬送ベルト7を矢印方向に回転させる駆動用ローラ5a〜5c、搬送ベルト7上に印刷された濃度検出用パターンの濃度を検出するための発光・受光部からなる濃度検出手段9は、第1の実施形態例の画像形成装置と同様の構成であり、その詳細な説明は省略する。なお、制御系の構成は、第1の実施の形態の画像形成装置と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0033】
そして、濃度検出のための構成として濃度検出手段9と搬送ベルト7との間に実装され同図左右方向に移動可能なシャッター10と、当該シャッター10に第1の濃度基準部材11を実装し、また搬送ベルト7上の一部に開口部14を設け、濃度検出手段9と対向した搬送ベルトの反対側に第2の濃度基準部材13を配置している。ここで、第2の濃度基準部材13は、濃度基準部材11と同じ光学的反射特性を有する濃度基準部材とするのがよい。
【0034】
(動作)
以上の構成により、第2の実施形態例の画像形成装置では、以下のように印刷濃度補正を行う。この動作を図6の動作フローチャートを用いて説明する。第2の実施形態例の画像形成装置では、ステップS11〜S14までの動作は第1の実施形態例の画像形成装置のステップS1〜S4の動作と同様である。すなわち、初期動作としてのオフセット補正を行い(ステップS11)、大まかな濃度検出感度の補正として濃度検出手段9の予備的補正動作を行う(ステップS12)。このとき、濃度検出手段9の検出出力はVs1として抽出される。次に、シャッター10を矢印A方向に移動し(ステップS13)、搬送ベルト7の搬送を開始する(ステップS14)。
【0035】
シャッター10を移動し、搬送ベルト7の搬送を開始すると、搬送ベルト7に設けた開口部14を通して第2の濃度基準部材13から反射する反射光を濃度検出手段9により連続的に検出し、濃度検出手段9の検出出力103が一定量変化したとき、開口部14が濃度検出手段9と対向する位置に到達し、第2の濃度基準部材13からの反射光を濃度検出手段9が受光したと判断し(ステップS15)、搬送ベルト7の搬送を停止する(ステップS16)。
【0036】
なお、ステップS15における開口部14の到達の判断を誤らないように濃度基準部材11の標準値Vs1と第2の濃度基準部材13による検出出力Vs2の比較、或いはゲイン設定電圧Vgの比較を行う動作は第1の実施の形態と同様である。
【0037】
次に、第2の濃度基準部材13からの反射光を濃度検出手段9により検出し、以下詳細に説明する搬送ベルト上の印刷パターンによる濃度検出の際の補正計数αを算出する(ステップS17)。
【0038】
この補正計数αは、濃度基準手段9から見た第2の濃度基準部材13の位置が、搬送ベルト7表面位置より遠いため、第2の濃度基準部材13の光学的反射量と搬送ベルト上の印刷パターンの光学的反射量が同じであっても、搬送ベルト上の印刷パターンからの受光量の方が大きくなるため、この光学的反射量の違いを補正するための係数である。
【0039】
一般に受光量をVs、距離をLとすると、図7(a)に示したように、距離Lにほぼ反比例して受光量Vsは減少する。そして、距離が短い場合には、図7(b)に示したようにほぼ線形に減少する特性を有する。ここで、図中L1ないしL3は、図5左側に示した、濃度検出手段9から濃度基準部材11まで距離L1、濃度検出手段9から第2の濃度基準部材13までの距離L2、濃度検出手段9から搬送ベルト7の表面までの距離L3を表している。すなわち、
Vs=−aL+b (1)
として表されるので、距離L1での受光量をVs1、距離L2での受光量をVs2とすると
Vs1=−aL1+b、Vs2=−aL2+b (2)
から
a=(Vs1−Vs2)/(L2−L1)
b=(Vs1・L2−Vs2・L1)/(L2−L1) (3)
として算出されるので、距離L3での受光量がVs3である場合の(1)式から、距離L2における受光量Vs2は、
A=(L2−L1)/(L3−L1)
B=(L3−L2)/(L3−L1)とすると
Vs2=Vs3・A+Vs1・B (4)
として求められる。ここで、L3−L2は微少な距離とすることができるので、B=0と近似でき、従って当該補正係数α、すなわちVs2/Vs3は、Aとなるのでα=(L2−L1)/(L3−L1)として算出することができる。ここで、上記のように距離による補正を行うのではなく、異なる距離でも同一の反射光が得られるような反射率の材質を選定し、第2の濃度基準部材13とするようにしてもよい。
【0040】
次に、搬送ベルト7の開口部14が、濃度検出手段9と対向する位置に来ているので、第2の濃度基準部材13を用いて濃度検出手段9の補正を行う(ステップS18)。すなわち、制御部24の制御に基づき、前述図3に示した検出補正部27により第2の濃度基準部材13からの反射光による検出出力103が予め決めた標準値Vs’となるようにゲイン設定電圧Vg’(102a)を設定する。
【0041】
以上のように、前記補正係数αを抽出し、第2の濃度基準部材13により検出感度の補正を終了した後、搬送ベルト7上に濃度検出用パターンを印刷し印刷濃度補正を行う際に、濃度検出手段9の検出値Vz(上記Vs3に相当)を前記補正係数αによりVz’=Vz*αとして補正し、補正したVz’(上記Vs2に相当)に基づき印刷濃度を調整するようにする。
【0042】
上記濃度検出補正は、画像形成装置を出荷する際や、最初の電源オン時に行ってもよいし、印刷開始前に行ってもよいし、印刷頁毎に行ってもよい。
【0043】
なお、以上の説明では、第1の実施の形態と同様、ステップS12にて濃度基準部材11を用いて濃度検出手段9の予備的補正動作を実施する動作を行う例を示したが、この予備的補正動作は行わず、ステップS18の第2の濃度基準部材13を用いた濃度検出手段9の補正のみとすることもできる。
【0044】
或いは、さらに高精度に濃度検出感度等の補正を行うために、開口部14を検出した後、複数回濃度検出を行い、平均化し、平均化した値に基づき濃度検出感度の補正を行うようにしてもよい。
【0045】
(第2の実施形態例の効果)
以上詳細に述べたように、第2の実施形態例の画像形成装置によれば、搬送ベルト7に開口部14を設け、搬送ベルト7の内側に第2の濃度基準部材13を設ける構成としたので、第1の実施形態例の画像形成装置の効果に加え、濃度基準部材を搬送ベルト上ではなく搬送ベルトの内側に設けることができるので、濃度基準部材が磨耗により損傷することがなく、長期間、継続して安定した濃度検出手段9の補正が可能となる。
【0046】
《第3の実施形態例》
第3の実施形態例の画像形成装置は、第1、第2の実施の形態例の反射部12或いは搬送ベルト上の開口部と、濃度検出用に形成される濃度検出用パターンが重ならないように制御するようにしたものである。
【0047】
(構成)
第3の実施形態例の画像形成装置の構成は図8に示したように第1或いは第2の実施の形態と同様であり、また制御系の構成も第1、第2の実施の形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。なお、図8下側に記載した搬送ベルト上面図は、搬送ベルトを上側から見た図である。
【0048】
(動作)
一般に、印刷濃度の検出は画像形成部1a〜dにより搬送ベルト7上に形成された濃度検出用パターンに対して、濃度検出手段9の発光部から発光し反射する光を受光部で検出することにより濃度検出を行うため、濃度検出用パターン以外からの反射量は一定でなくてはならない。第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態のように搬送ベルト7の表面の一部に、搬送ベルト7の光学的特性と異なる反射率の反射部12や開口部14を設けた場合、これらの部分と濃度検出用パターンが重なると、同じ印刷濃度であっても異なる反射量となったり、濃度検出バターンの一部が印刷されない場合があり、正確な濃度検出を行うことができない。
【0049】
このため、第3の実施形態例の画像形成装置では、図8に示したように濃度検出用パターンが反射部12や開口部14と重ならないように濃度検出用バターンを印刷する。すなわち、図6にて説明した第2の実施形態例の画像形成装置の動作フローチャートのステップS15の処理を、以下のように行う。
【0050】
(図8のa点位置の検出)
シャッター10を矢印A方向に移動し、搬送ベルト7の搬送を開始し、搬送ベルト7に設けた開口部14を通して第2の濃度基準部材13から反射する反射光を濃度検出手段9により連続的に検出し、濃度検出手段9の検出出力103が一定量変化したとき、開口部14が濃度検出手段9と対向する位置に到達し、第2の濃度基準部材13からの反射光を濃度検出手段9が受光したと判断し、搬送ベルト7の搬送を停止し、この位置をa点と判断する。
【0051】
(図8のb点位置の検出)
そして、この位置から、再び、第2の濃度基準部材13からの反射光が無くなる位置を検出しながら搬送ベルト7を搬送する。第2の濃度基準部材13からの反射光が無くなった位置をb点と判断する。
【0052】
このb点位置を検出してから、図8右側に記載した濃度検出手段9から最も上流にある画像形成部1aまでの距離L5とマージンとしてΔLの長さ分、搬送ベルト7を搬送した後、画像形成部1a〜1dにより濃度検出用パターンの形成をする。
【0053】
以上の印刷パターンの印刷動作を行うことにより、図8下側記載の搬送ベルト上面図のような濃度検出用パターンを印刷することができ、濃度検出用パターンが開口部14と重ならないようにすることができる。なお、図8の搬送ベルト上面図は、開口部14が画像形成部1c(マゼンダ)と画像形成部1d(シアン)の中間位置にあり、濃度検出用パターン印刷位置が画像形成部1c(マゼンダ)の位置まで到達していないため、マゼンダ、シアンによる濃度検出用パターンが印刷されていない状態となっている。
【0054】
以上の説明では、開口部14を通して第2の濃度基準部材13からの反射光を検出する動作例を示したが、第1の実施の形態のように搬送ベルト7上に配置した反射部12からの反射光を検出する場合でも同様である。
【0055】
(第3の実施形態例の効果)
以上詳細に述べたように、第3の実施形態例の画像形成装置によれば、搬送ベルト7上に配置した反射部12や開口部14と濃度検出用パターンが重なることがないので、精度のよい濃度検出が可能となり、その結果印刷品位の信頼性を向上することができる。
【0056】
《第4の実施形態例》
第4の実施形態例の画像形成装置は、第1、第2の実施の形態例の反射部12或いは開口部14と印刷媒体6が重ならないように制御するようにしたものである。
【0057】
(構成)
第4の実施形態例の画像形成装置の構成は図9に示したように第1或いは第2の実施の形態と同様であり、また制御系の構成も第1、第2の実施の形態と同様であるので、その詳細な説明は省略する。なお、図9下側に記載した搬送ベルト上面図は、搬送ベルトを上側から見た図である。
【0058】
(動作)
一般に、通常の印刷においては、画像形成部1a〜dで形成した画像を印刷媒体6上に転写するために、転写手段2a〜dにトナーの帯電極性と逆の電圧を印加する。本例ではマイナスバイアスを印加している。この転写手段2a〜dに印加する電圧の制御は印刷媒体6が画像形成部1a〜dと転写手段2a〜dが接する位置(一般に、「ニップ位置」という)に存在する時に安定した電界を形成するために、定電圧制御あるいは定電流制御を行なっている。
【0059】
しかしながら、第1の実施の形態のように搬送ベルト7上に反射部12を配置、或いは第2の実施の形態のように搬送ベルト7上に開口部14が設けられた場合では、これらの部分に印刷媒体6が重なると、一様の抵抗値を有する搬送ベルト7の抵抗値が増減する。その結果、正常な電界を得ることができず正常な印刷画像を得ることができなくなる。
【0060】
このため、第4の実施形態例の画像形成装置では、図9に示したように印刷媒体6が反射部12や開口部14と重ならないように図10の動作フローチャートに示した手順で印刷を行う。
【0061】
まず、濃度検出手段の補正を、第1ないし第3の実施の形態と同様に行う(ステップS21)。
【0062】
(図9のc点位置の検出)
次に、シャッター10を矢印A方向に移動し(ステップS22)、搬送ベルト7の搬送を開始すると(ステップS23)、搬送ベルト7に設けた開口部14を通して第2の濃度基準部材13から反射する反射光を濃度検出手段9により連続的に検出し、濃度検出手段9の検出出力103が一定量変化したとき、開口部14が濃度検出手段9と対向する位置に到達し、第2の濃度基準部材13からの反射光を濃度検出手段9が受光したと判断し、搬送ベルト7の搬送を停止し(ステップS24)、この位置をc点と判断する。
【0063】
(図9のd点位置の検出)
そして、この位置から、再び、第2の濃度基準部材13からの反射光が無くなる位置を検出しながら搬送ベルト7を搬送する。第2の濃度基準部材13からの反射光が無くなった位置をd点と判断する(ステップS25)。
【0064】
このd点位置を検出してから、図9右側に記載した濃度検出手段9から最も上流にある画像形成部1aまでの距離L5と、マージンとしてΔL’の長さ分、搬送ベルト7を搬送した後、印刷媒体6を給紙を開始する(ステップS26)。
【0065】
以上の動作を行うことにより、図9下側記載の搬送ベルト上面図の位置に印刷媒体6を給紙することができ、開口部14と印刷媒体6が重ならないようにすることができる。
【0066】
なお、以上の説明では、開口部14を通して第2の濃度基準部材13からの反射光を検出する動作例を示したが、第1の実施の形態のように搬送ベルト7上に反射部12を配置した場合でも同様に行うことができる。
【0067】
(第4の実施形態例の効果)
以上のように、第4の実施形態例の画像形成装置によれば、搬送ベルト7の反射部12或いは開口部14と印刷媒体6が重なることを回避できるので、第1ないし第3の実施の形態の効果に加え、安定した印刷を行うことができる。
【0068】
《その他の変形例》
以上述べた実施形態例の他、以下の変形例の実施形態としても本発明と同様の作用、効果が得られる。すなわち、
【0069】
(1)第3、第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、図8a点、b点、図9c点、d点の検出を濃度検出手段の際に行う位置検出とは別に行う例を示したが、第1または第2の実施形態例の画像形成装置にて説明した濃度検出手段9の感度補正を行う際に、図8a点、b点、図9c点、d点に相当する点を検出し、その位置情報を保持し、濃度検出用パターンの印刷開始位置或いは印刷媒体6の給紙を開始位置として使用するようにしてもよい。
【0070】
(2)また、第1ないし第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、濃度検出手段9を左下に配置した例を示したが、搬送ベルト7の搬送路近傍であればいずれの場所に配置してもよい。
【0071】
(3)また、第1ないし第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、反射部12或いは開口部14を搬送ベルト7の中央位置に配置する例を示したが、中央に配置する必要はなく搬送ベルト7のいずれの場所に配置してもよい。例えば、搬送ベルト7の通常の印刷範囲外に反射部12或いは開口部14を配置すれば、第4の実施の形態のように反射部12或いは開口部14の位置を避け、印刷媒体6を給紙したりする制御を行わないようにすることもできる。
【0072】
(4)また、第1ないし第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、濃度検出手段9を1つ配置する例を示したが、濃度検出手段9を複数配置し、濃度検出結果を平均化し印刷濃度を補正する場合や、各濃度検出結果に基づき各位置の濃度検出結果を補正する場合にも、本発明を適用することができる。
【0073】
(5)また、第1ないし第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、濃度検出手段9の感度補正や、印刷濃度補正の際、シャッター10を移動するのではなく、濃度基準手段9を移動し、濃度検出を行うようにしてもよい。
【0074】
(6)また、第1ないし第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、濃度検出手段9、シャッター10及び濃度基準部材11を搬送ベルト7の外側に配置し、反射部12を搬送ベルト7の外周側に、第2の濃度基準部材13を内側に配置する例を示したが、搬送ベルト内側に印刷を行う電子写真方式の画像形成装置では、前記位置関係を反対とすることにより本発明を適用することができる。
【0075】
(7)また、第1ないし第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、複数色の電子写真方式による画像形成装置について説明したが、単色の電子写真方式の画像形成装置にも本発明を適用できることは言うまでもない。
【0076】
(8)また、第1ないし第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、タンデム方式の搬送ベルトを例として説明したが、中間転写方式に用いる中間転写ドラムや中間転写ベルト等にも本発明を適用できる。
【0077】
【発明の効果】
以上詳細に述べたように、本発明の画像形成装置によれば、搬送ベルト上に反射部、或いは開口部と第2の濃度基準部材を設けて濃度検出手段の感度を補正するようにしたので、高精度に濃度検出手段の感度の補正を行うことができ、印刷品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態例の画像形成装置の構成図である。
【図2】実施形態例の制御系の構成図である。
【図3】検出補正部の回路例である。
【図4】第1の実施形態例の動作フローチャートである。
【図5】第2の実施形態例の画像形成装置の構成図である。
【図6】第2の実施形態例の動作フローチャートである。
【図7】第2の実施形態例の受光量補正の説明図である。
【図8】第3の実施形態例の画像形成装置の構成図である。
【図9】第4の実施形態例の画像形成装置の構成図である。
【図10】第4の実施形態例の動作フローチャーである。
【図11】従来の画像形成装置の構成図である。
【符号の説明】
1 画像形成部
4 吸着手段
5 駆動用ローラ
7 搬送ベルト
9 濃度基準手段
10 シャッター
11 濃度基準部材
12 反射部
13 第2の濃度基準部材
14 開口部
Claims (11)
- 像担持体と、
当該像担持体上に像を形成する画像形成手段と、
前記像担持体と対向して配置され、前記画像形成手段により前記像担持体上に形成される像の濃度を検出する濃度検出手段とから成り、
前記像担持体上であって、前記濃度検出手段に対向する位置に、濃度検出の基準となる表面をもつ基準部材を有することを特徴とした画像形成装置。 - 前記濃度検出手段は、前記基準部材の濃度検出に基づいて、前記濃度検出手段により濃度検出した値を補正することを特徴とした請求項1記載の画像形成装置。
- 前記像担持体は回転動作可能であり、当該像担持体表面上に設けられた前記基準部材の回転方向における位置を検出する位置検出手段を有することを特徴とした請求項1記載の画像形成装置。
- 前記画像形成手段は、前記位置検出手段による位置検出に基づいて、前記基準部材に重ならないように、回転動作する前記像担持体上に像を形成することを特徴とした請求項3記載の画像形成装置。
- 前記像担持体は、媒体を吸着して搬送するとともに当該媒体上に像を形成するものであり、前記位置検出手段による位置検出に基づいて当該媒体と前記基準部材とが重ならないように前記媒体を吸着することを特徴とした請求項3記載の画像形成装置。
- 前記担持体の回転動作に伴って前記濃度検出手段による濃度検出の値の変化を検知する濃度変化検知手段を有し、前記位置検出手段は前記濃度変化検知手段による濃度変化の検知結果に基づいて位置を検出することを特徴とした請求項3記載の画像形成装置。
- 回転動作可能な像担持体と、
当該像担持体上に像を形成する画像形成手段と、
前記像担持体と対向して配置され、前記画像形成手段により前記像担持体上に形成される像の濃度を検出する濃度検出手段と、
前記像担持体と前記濃度検出手段との間に設けられ、前記濃度検出手段と面する位置と当該濃度検出手段から退避する位置との間を移動可能な濃度検出の基準となる表面をもつ第1の基準部材と、
前記像担持体表面であって、前記濃度検出手段と面して当該濃度検出手段により濃度検出可能な位置に開口部を形成し、前記像担持体の内側であって、前記開口部を通して前記濃度検出手段と対向する位置に濃度検出の基準となる表面をもつ第2の基準部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記像担持体は回転動作可能であり、当該像担持体表面上に設けられた前記開口部の回転方向における位置を検出する位置検出手段を有することを特徴とした請求項7記載の画像形成装置。
- 前記画像形成手段は、前記位置検出手段による位置検出に基づいて、前記開口部に重ならないように、回転動作する前記像担持体上に像を形成することを特徴とした請求項8記載の画像形成装置。
- 前記像担持体は、媒体を吸着して搬送するとともに当該媒体上に像を形成するものであり、前記位置検出手段による位置検出に基づいて、当該媒体と前記開口部とが重ならないように前記媒体を吸着することを特徴とした請求項8に記載の画像形成装置。
- 前記像担持体の回転動作に伴って前記濃度検出手段による濃度検出の値の変化を検知する濃度変化検知手段を有し、前記位置検出手段は前記濃度変化検知手段による濃度変化の検知結果に基づいて位置を検出することを特徴とした請求項8記載の画像形成装置。
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2003
- 2003-05-14 JP JP2003135615A patent/JP2004341100A/ja not_active Withdrawn
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