JP2004341024A - 偏光回折素子および偏光回折素子用光反応性高分子液晶 - Google Patents
偏光回折素子および偏光回折素子用光反応性高分子液晶 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】光反応性の高分子液晶薄膜に偏光干渉光照射ないしは偏光光照射をおこない、かかる後に加熱処理によって周期的な分子配向を誘起することによって、熱的に安定な偏光回折素子を提供する。
【解決手段】周期的に変化した固定化された分子配向構造を有する高分子層を含む偏光回折素子において、高分子層が側鎖型高分子液晶からなり高分子側鎖の液晶性メソゲンが周期的に分子配向した構造を有していることを特徴とする偏光回折素子。
【選択図】 図1
【解決手段】周期的に変化した固定化された分子配向構造を有する高分子層を含む偏光回折素子において、高分子層が側鎖型高分子液晶からなり高分子側鎖の液晶性メソゲンが周期的に分子配向した構造を有していることを特徴とする偏光回折素子。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光波の回折と偏光変換機能を併せ持つ偏光回折素子、ならびに、光学的異方性の発現性に優れるとともに、周期的なメソゲンの配向構造を達成できる偏光回折素子用光反応性高分子液晶材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで、回折素子の作成には、様々な高分子材料の利用が検討されてきた。代表的な作成方法としては、半導体集積回路などの作成に用いるフォトレジストを用いる方法である。フォトレジストを塗布した基板に、フォトマスクや干渉法によって周期的に強度変調された紫外線によって露光し、表面に凹凸を有する回折格子を形成し、これから金型を作成して複製することができる。このようにして作成された回折素子は、光学的異方性を有しないか、制御された周期的な光学的異方性を形成することが困難であるため、本発明で提案するような偏光の変換はできない。偏光の変換を行うためには、光学的異方性を高度に制御し、周期性を持たせた構造を有することが必要である。このような目的を達成するためには、例えば光化学反応によって屈折率変化を生じさせる際に同時に光学的異方性を生じさせることが考えられる。このようなことが可能な材料として例えば、ネガ型のフォトレジストであるポリビニルシンナメート(PVCi)が知られている。ポリビニルシンナメートフィルムに直線偏光紫外光を照射すると、ケイ皮酸部の−C=C−結合が偏光の電界方向に平行方向となる場合に光を選択的に吸収して2量化し、その部分の屈折率は低下する。このことを利用すれば、光学的異方性を周期的に制御することが可能であるが、誘起される屈折率異方性は0.01以下と非常に小さいため実用性に乏しい。
【0003】
また、その他の代表的な材料として、アゾベンゼンを含む高分子材料を用いることが検討されている。アゾベンゼン分子は光や熱のような外部からの刺激によってシス体とトランス体の間で異性化反応が起こり、このことを利用して分子配向を制御することができ周期的な分子配向制御も光照射によって行うことが可能である。しかしながら、従来検討されてきた、アゾベンゼンを含む高分子材料では、光学的異方性の発現性があまり大きくないだけでなく、熱や光などの外場の影響によって特性が変化する、あるいは可視領域での光吸収があるなど、高い安定性を要求される受動型の光デバイスへの応用が困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況に鑑み、本発明者等は鋭意研究を行った結果、周期的分子配向構造を有する光学的に透明な高分子層を用いることで、偏光変換と回折機能が並存する光素子を構築できること、さらに特定の構造を有する光反応性高分子液晶を用いることで、メソゲン配向に伴う大きな屈折率異方性による高機能化と高い耐熱性を発現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、高分子中に、周期的分子配向構造を有する偏光回折素子と偏光回折素子に適した、側鎖に光架橋性の液晶性メソゲンを有しメソゲン末端に光反応性基を有する光反応性高分子液晶材料に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる機能性高分子層は、周期的に分子配向構造が変化する構造を有している。このような分子配向構造を有する高分子層の光学特性は、次に示すジョーンズ法(R. C. Jones, J. Opt. Soc. Am. 31, 488, 1941)によって解析することができる。
【0007】
例えば、図1(a)に示す配向構造を有した材料に対するジョーンズ行列は下式(1)で与えられる。
【数1】
ただし、
【数2】
【数3】
である。ここで、dは高分子層の厚さ、λは光の波長、ne 、no は、分子配向度が最大の点での分子長軸および短軸方向の屈折率、x は回折格子ベクトル方向の座標、 Λは分子配列構造の周期ピッチを表している。今、ΔΦ<<1 という条件の下では、式(1)は下式(4)のように展開できる。
【数4】
【0008】
上式(4)の第一項は回折しない0次光、第二項は+1次回折光に対する透過マトリックス、第三項は−1次回折光に対する透過マトリックスを表している。今、回折格子ベクトルに対して角度α方向を向いた直線偏光が入射したとすると、0次光、±1次光に対する光電界はそれぞれ下式(5)、(6)で表せる。
【数5】
【数6】
【0009】
これらの関係から、当該発明による偏光回折素子により、入射直線偏光は±1次光として回折されると同時に偏光方向が90度回転することがわかる。
【0010】
また、入射光として、右回り円偏光を考えた場合には、0次光、±1次光に対する光電界はそれぞれ下式(7)、(8)で表せる。
【数7】
【数8】
【0011】
これらの関係から、当該発明による偏光回折素子により、入射直線偏光は±1次光として回折されると同時に右回り円偏光が左回り円偏光として出力されることがわかる。
【0012】
また、もう一つの例として、図1(d)に示す配向構造を有した材料に対するジョーンズ行列は下式(9)で与えられる。
【数9】
【0013】
式(9)は、下式(10)のように展開できる。
【数10】
【0014】
上式(10)の第一項は回折しない0次光、第二項は+1次回折光に対する透過マトリックス、第三項は−1次回折光に対する透過マトリックスを表している。いま、回折格子ベクトルに対して角度 の方向を向いた直線偏光が入射したとすると、0次光、±1次光に対する光電界はそれぞれ下式(11)、(12)、(13)で表せる。
【数11】
【数12】
【数13】
【0015】
これらの関係から、当該発明による偏光回折素子により、入射直線偏光は±1次光として回折されると同時に左右反対の円偏光として出力されることがわかる。
【0016】
また、入射光として、右回り円偏光を考えた場合には、0次光、±1次光に対する光電界はそれぞれ下式(14)、(15)、(16)で表せる。
【数14】
【数15】
【数16】
【0017】
これらの関係から当該発明による偏光回折素子により、入射右回り円偏光は+1次光として回折されると同時に左回り円偏光として出力されることがわかる。
【0018】
このようにして、周期的に変化した分子配向構造を有する高分子層を用いることによって、回折機能と偏光変換機能が複合した偏光回折素子を形成することが可能であり、どのような回折効率、偏光変換機能を持たせるかは、その周期構造とΔΦによって制御可能である。
【0019】
高分子材料としては光学的透明性と充分な分子配向と光学的異方性を発現するものであれば良いが、側鎖にメソゲンを有する高分子液晶を用いることによって、材料の液晶性を利用して、高度に配向した状態を形成でき、大きな光学的異方性を発現することができる。さらに好ましくは、請求項9に示すような高分子層が側鎖に光架橋性のメソゲンを有する高分子液晶であってそのメソゲン末端に光反応性基を有することによって、偏光を用いた分子配向プロセスによって微細な周期配向構造を形成できるだけでなく、架橋構造をとることによって光素子として応用する際に必要な耐熱性を確保することが可能となる。
【0020】
また、高分子材料は単一構造の繰り返し単位からなる高分子である必要はなく、請求項9に含まれる構造を少なくとも1種含んでおり、それらと光反応しない構成単位、たとえばメチルメタクリレートやフタル酸化合物の誘導体との共重合体であってもかまわないが、高分子が液晶性を有することが必要である。
【0021】
偏光回折素子の製造方法としては、上記の光反応性高分子液晶を溶媒に溶解した液を透明基板上に薄く塗布した後に乾燥し、特定の偏光あるいは強度もしくはその両方が周期的に変調している光波によって露光硬化し、その後熱処理による再配向を行う方法や、上記の薄く塗布した層に熱を加えながら特定の偏光あるいは強度もしくはその両方が周期的に変調している光波によって露光硬化させる方法が考えられるが、露光後に熱処理を行う方法が、装置構造が簡略であるなどの点で好ましい。
【0022】
上記の光反応性高分子液晶を溶解する溶媒、濃度および溶解方法は特に限定されず、用いる基板や乾燥時間などによって適宜選択される。溶液を均一に塗布する方法としては、スピンコート法、グラビアコート法、コンマコート法などが考えられるが、特に限定されるものではなく、必要とされる面積、基板形状、精度などによって適宜選択される。基板は透明基板であれば特に限定されるものではないが、機能性高分子層の機能を最大限引き出すために、固有複屈折率の小さい透明基板材料が好ましい。このような性質を有する透明基板材料としては、各種ガラス、石英、などの無機材料、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ノルボルネン系高分子、セルロース系高分子、ポリエステル系高分子、などの有機材料を例示できる。基板の形態は特に限定するものではなく、板状、フィルム状などを用途によって適宜選択できる。
【0023】
露光後の熱処理の条件は、高分子層によって最適な条件が適宜選択されるが、室温での熱的安定性が確保されるように50℃以上の温度で熱処理するような材料および温度を選択することが望ましく、多くの高分子材料の分解が始まる200℃を超えないことが望ましい。
【0024】
式(2)で示されているように、回折光を発生させる位相差 は、高分子フィルムの厚さに強く依存し、フィルムの厚さを厚くしたほうが、高い回折効率を得ることが可能である。光反応性液晶高分子を用いる場合には、素子作成時の光散乱を防ぐ目的で、露光前の状態はアモルファス状態であることが望ましいが、ポリイミドやポリビニルアルコールなどの配向膜を用いて一軸配向状態を作り、その後光照射によって分子配向させてもかまわない。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0026】
比較例1
下式(5)
【化5】
の化学構造式を有するアゾベンゼン色素をポリメチルメタクリレートに4重量%分散した色素分散高分子フィルムを色素およびポリメチルメタクリレートをクロロホルムに溶解した溶液をガラス基板上にスピンコート法によって塗布することによって作成した。このフィルムに、Nd−YAGレーザーの2倍高調波(波長:532nm)の光(エネルギー密度:0.5W/cm2)をビームスプリッターにより2つに分け干渉させた光を照射し、同時にHe−Neレーザー(波長:633nm)の光をプローブとして入射して回折光の観察を行った。書き込み2光波の偏光状態を一方は光学台に対して垂直、もう一方は水平として干渉させた光波(干渉縞間隔5μm)を照射した場合には、プローブ光を直線偏光とすると±1次光では偏光方向が90度回転していることが確認された。また、同様の書き込み光を用いてプローブ光を右回り円偏光とした場合には、±1次光は左回り円偏光となることが確認された。次に書き込み2光波の偏光状態を一方は右回り円偏光、もう一方は左回り円偏光として干渉させた光波(干渉縞間隔5μm)を照射した場合には、プローブ光を直線偏光とすると+1次回折光では左回り円偏光、−1次回折光では右回り円偏光となっていることが確認された。また、同様の書き込み光を用いてプローブ光を右回り円偏光とした場合には、+1次回折光は左回り円偏光となり、−1次回折光は観察されないことが確認された。このようにして、当該材料を用いて回折機能と偏光変換機能を共に持つデバイスを構築することが可能であるが、分子配向は固定化されておらず、書き込みレーザーの照射をやめると直ちに回折格子の減衰が起こり、熱的に安定なデバイスとはならなかった。また回折効率も0.5%程度と実用として用いるには低いものであった。
【0027】
実施例1
下式(6)
【化6】
の化学構造式を有し、光反応性基がメソゲンに直接結合している光反応性高分子液晶〔液晶温度領域:116℃から300℃以上まで(約300℃で分解)〕をクロロホルムに1重量%の濃度で溶解し、石英基板の上にスピンコーターを用いて約0.3μmの厚みとなるように塗布した。このフィルムに、He−Cdレーザー(波長:325nm)の光をビームスプリッターにより2つに分け、偏光状態を一方は光学台に対して垂直、もう一方は水平として干渉させた光波(干渉縞間隔2μm)を95mJ/cm2照射した後、150℃で15分間熱処理を行って偏光回折素子を作成した。この偏光回折素子を偏光顕微鏡で観察したところ、図1(a)の状態になっていることが確認された。さらにHe−Neレーザー光(波長:633nm)を入射して特性を調べたところ、入射光の偏光が直線偏光の場合には、±1次回折光の偏光状態は、入射直線偏光から偏光方向が90度回転した直線偏光となっていることが確認された。また、入射光の偏光を右回り円偏光としたときには、±1次回折光の偏光状態が左回り円偏光となっていることが確認された。形成された偏光回折素子は、130℃で1週間以上に渡り放置しても特性の変化は見られず、分子配向は固定化されており実用的な耐熱性を有していることが確認された。また、回折効率は、2%程度あり、実用に供するに充分な回折効率となっていることがわかった。
【0028】
実施例2
実施例1で用いた光反応性高分子液晶を、実施例1と同様の方法で形成したフィルムにHe−Cdレーザー(波長:325nm)の光をビームスプリッターにより2つに分け、偏光状態を一方は右回り円偏光、もう一方は左回り円偏光として干渉させた光波(干渉縞間隔2μm)を95mJ/cm2照射した後、150℃で15分間熱処理を行って偏光回折素子を作成した。この偏光回折素子を偏光顕微鏡で観察した所、図1(d)の状態になっていることが確認された。さらにHe−Neレーザー光(波長:633nm)を入射して特性を調べたところ、入射光の偏光が直線偏光の場合には、±1次回折光の偏光状態は、+1次回折光が右回り円偏光、−1次回折光が左回り円偏光に変換されていることが確認された。また、入射光の偏光を右回り円偏光としたときには、+1次回折光が左回り円偏光となり、−1次回折光は観察されなかった。さらに、入射光の偏光を左回り円偏光としたときには、+1次回折光は観察されず、−1次回折光は右回り円偏光に変換された。形成された偏光回折素子は、130℃で1週間以上にわたり放置しても特性の変化は見られず、実用的な耐熱性を有していることが確認された。また、回折効率は8%程度あり、実施例1と比べて高い効率を得ることが可能であった。
【0029】
実施例3
実施例1で用いた光反応性高分子液晶の化学構造とメチルメタクリレートとの1/1の共重合体高分子液晶(液晶温度領域:75℃から210℃)を、クロロホルムに1重量%の濃度で溶解し、石英基板の上にスピンコーターを用いて約0.3μmの厚みとなるように塗布した。このフイルム全体に150mJの直線偏光紫外線を照射し、つづいて60ミクロンピッチ(30μの透過部と30μの非透過部)のフォトマスクを通して格子方向が偏光電界に対して45°になるように1500mJ照射した。つづいて160℃で5分間熱処理を行った。この場合露光量が少ない場合には、偏光電界に垂直方向に分子配向、露光量が多い場合には平行方向となり、図1(f)の偏光回折格子が作成された。この回折格子に格子方向に平行の直線偏光を入射したところ、回折光の偏光方向が格子に対して90度方向の直線偏光に変換されその回折効率は3%であった。また形成された偏光回折素子は、130℃で1週間以上に渡り放置しても特性の変化は見られず、実用的な耐熱性を有していることが確認された。
【0030】
実施例4
実施例1で用いた光反応性高分子液晶の化学構造と無水フタル酸との85/15の共重合体高分子液晶(液晶温度領域:100℃から200℃)を、クロロホルムに1重量%の濃度で溶解し、石英基板の上にスピンコーターを用いて約0.2μmの厚みとなるように塗布した。このフイルム全体に150mJの直線偏光紫外線を照射し、つづいて40ミクロンピッチ(20μの透過部と20μの非透過部)のフォトマスクを通して格子方向が偏光電界に対して45°になるように1500mJ照射した。つづいて160℃で5分間熱処理を行った。この場合露光量が少ない場合には、偏光電界に垂直方向に分子配向、露光量が多い場合には平行方向となり、図1(f)の偏光回折格子が作成された。この回折格子に格子方向に平行の直線偏光を入射したところ、回折光の偏光方向が格子に対して90度方向の直線偏光に変換されその回折効率は3%であった。また形成された偏光回折素子は、150℃で1週間以上にわたり放置しても特性の変化は見られず、実用的な耐熱性を有していることが確認された。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば光反応性高分子液晶を用いることによって熱的・化学的安定性にすぐれた、回折機能と偏光変換機能を併せ持つ高機能な光デバイスを構築できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分子配向分布の概略図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光波の回折と偏光変換機能を併せ持つ偏光回折素子、ならびに、光学的異方性の発現性に優れるとともに、周期的なメソゲンの配向構造を達成できる偏光回折素子用光反応性高分子液晶材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで、回折素子の作成には、様々な高分子材料の利用が検討されてきた。代表的な作成方法としては、半導体集積回路などの作成に用いるフォトレジストを用いる方法である。フォトレジストを塗布した基板に、フォトマスクや干渉法によって周期的に強度変調された紫外線によって露光し、表面に凹凸を有する回折格子を形成し、これから金型を作成して複製することができる。このようにして作成された回折素子は、光学的異方性を有しないか、制御された周期的な光学的異方性を形成することが困難であるため、本発明で提案するような偏光の変換はできない。偏光の変換を行うためには、光学的異方性を高度に制御し、周期性を持たせた構造を有することが必要である。このような目的を達成するためには、例えば光化学反応によって屈折率変化を生じさせる際に同時に光学的異方性を生じさせることが考えられる。このようなことが可能な材料として例えば、ネガ型のフォトレジストであるポリビニルシンナメート(PVCi)が知られている。ポリビニルシンナメートフィルムに直線偏光紫外光を照射すると、ケイ皮酸部の−C=C−結合が偏光の電界方向に平行方向となる場合に光を選択的に吸収して2量化し、その部分の屈折率は低下する。このことを利用すれば、光学的異方性を周期的に制御することが可能であるが、誘起される屈折率異方性は0.01以下と非常に小さいため実用性に乏しい。
【0003】
また、その他の代表的な材料として、アゾベンゼンを含む高分子材料を用いることが検討されている。アゾベンゼン分子は光や熱のような外部からの刺激によってシス体とトランス体の間で異性化反応が起こり、このことを利用して分子配向を制御することができ周期的な分子配向制御も光照射によって行うことが可能である。しかしながら、従来検討されてきた、アゾベンゼンを含む高分子材料では、光学的異方性の発現性があまり大きくないだけでなく、熱や光などの外場の影響によって特性が変化する、あるいは可視領域での光吸収があるなど、高い安定性を要求される受動型の光デバイスへの応用が困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況に鑑み、本発明者等は鋭意研究を行った結果、周期的分子配向構造を有する光学的に透明な高分子層を用いることで、偏光変換と回折機能が並存する光素子を構築できること、さらに特定の構造を有する光反応性高分子液晶を用いることで、メソゲン配向に伴う大きな屈折率異方性による高機能化と高い耐熱性を発現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、高分子中に、周期的分子配向構造を有する偏光回折素子と偏光回折素子に適した、側鎖に光架橋性の液晶性メソゲンを有しメソゲン末端に光反応性基を有する光反応性高分子液晶材料に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる機能性高分子層は、周期的に分子配向構造が変化する構造を有している。このような分子配向構造を有する高分子層の光学特性は、次に示すジョーンズ法(R. C. Jones, J. Opt. Soc. Am. 31, 488, 1941)によって解析することができる。
【0007】
例えば、図1(a)に示す配向構造を有した材料に対するジョーンズ行列は下式(1)で与えられる。
【数1】
ただし、
【数2】
【数3】
である。ここで、dは高分子層の厚さ、λは光の波長、ne 、no は、分子配向度が最大の点での分子長軸および短軸方向の屈折率、x は回折格子ベクトル方向の座標、 Λは分子配列構造の周期ピッチを表している。今、ΔΦ<<1 という条件の下では、式(1)は下式(4)のように展開できる。
【数4】
【0008】
上式(4)の第一項は回折しない0次光、第二項は+1次回折光に対する透過マトリックス、第三項は−1次回折光に対する透過マトリックスを表している。今、回折格子ベクトルに対して角度α方向を向いた直線偏光が入射したとすると、0次光、±1次光に対する光電界はそれぞれ下式(5)、(6)で表せる。
【数5】
【数6】
【0009】
これらの関係から、当該発明による偏光回折素子により、入射直線偏光は±1次光として回折されると同時に偏光方向が90度回転することがわかる。
【0010】
また、入射光として、右回り円偏光を考えた場合には、0次光、±1次光に対する光電界はそれぞれ下式(7)、(8)で表せる。
【数7】
【数8】
【0011】
これらの関係から、当該発明による偏光回折素子により、入射直線偏光は±1次光として回折されると同時に右回り円偏光が左回り円偏光として出力されることがわかる。
【0012】
また、もう一つの例として、図1(d)に示す配向構造を有した材料に対するジョーンズ行列は下式(9)で与えられる。
【数9】
【0013】
式(9)は、下式(10)のように展開できる。
【数10】
【0014】
上式(10)の第一項は回折しない0次光、第二項は+1次回折光に対する透過マトリックス、第三項は−1次回折光に対する透過マトリックスを表している。いま、回折格子ベクトルに対して角度 の方向を向いた直線偏光が入射したとすると、0次光、±1次光に対する光電界はそれぞれ下式(11)、(12)、(13)で表せる。
【数11】
【数12】
【数13】
【0015】
これらの関係から、当該発明による偏光回折素子により、入射直線偏光は±1次光として回折されると同時に左右反対の円偏光として出力されることがわかる。
【0016】
また、入射光として、右回り円偏光を考えた場合には、0次光、±1次光に対する光電界はそれぞれ下式(14)、(15)、(16)で表せる。
【数14】
【数15】
【数16】
【0017】
これらの関係から当該発明による偏光回折素子により、入射右回り円偏光は+1次光として回折されると同時に左回り円偏光として出力されることがわかる。
【0018】
このようにして、周期的に変化した分子配向構造を有する高分子層を用いることによって、回折機能と偏光変換機能が複合した偏光回折素子を形成することが可能であり、どのような回折効率、偏光変換機能を持たせるかは、その周期構造とΔΦによって制御可能である。
【0019】
高分子材料としては光学的透明性と充分な分子配向と光学的異方性を発現するものであれば良いが、側鎖にメソゲンを有する高分子液晶を用いることによって、材料の液晶性を利用して、高度に配向した状態を形成でき、大きな光学的異方性を発現することができる。さらに好ましくは、請求項9に示すような高分子層が側鎖に光架橋性のメソゲンを有する高分子液晶であってそのメソゲン末端に光反応性基を有することによって、偏光を用いた分子配向プロセスによって微細な周期配向構造を形成できるだけでなく、架橋構造をとることによって光素子として応用する際に必要な耐熱性を確保することが可能となる。
【0020】
また、高分子材料は単一構造の繰り返し単位からなる高分子である必要はなく、請求項9に含まれる構造を少なくとも1種含んでおり、それらと光反応しない構成単位、たとえばメチルメタクリレートやフタル酸化合物の誘導体との共重合体であってもかまわないが、高分子が液晶性を有することが必要である。
【0021】
偏光回折素子の製造方法としては、上記の光反応性高分子液晶を溶媒に溶解した液を透明基板上に薄く塗布した後に乾燥し、特定の偏光あるいは強度もしくはその両方が周期的に変調している光波によって露光硬化し、その後熱処理による再配向を行う方法や、上記の薄く塗布した層に熱を加えながら特定の偏光あるいは強度もしくはその両方が周期的に変調している光波によって露光硬化させる方法が考えられるが、露光後に熱処理を行う方法が、装置構造が簡略であるなどの点で好ましい。
【0022】
上記の光反応性高分子液晶を溶解する溶媒、濃度および溶解方法は特に限定されず、用いる基板や乾燥時間などによって適宜選択される。溶液を均一に塗布する方法としては、スピンコート法、グラビアコート法、コンマコート法などが考えられるが、特に限定されるものではなく、必要とされる面積、基板形状、精度などによって適宜選択される。基板は透明基板であれば特に限定されるものではないが、機能性高分子層の機能を最大限引き出すために、固有複屈折率の小さい透明基板材料が好ましい。このような性質を有する透明基板材料としては、各種ガラス、石英、などの無機材料、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ノルボルネン系高分子、セルロース系高分子、ポリエステル系高分子、などの有機材料を例示できる。基板の形態は特に限定するものではなく、板状、フィルム状などを用途によって適宜選択できる。
【0023】
露光後の熱処理の条件は、高分子層によって最適な条件が適宜選択されるが、室温での熱的安定性が確保されるように50℃以上の温度で熱処理するような材料および温度を選択することが望ましく、多くの高分子材料の分解が始まる200℃を超えないことが望ましい。
【0024】
式(2)で示されているように、回折光を発生させる位相差 は、高分子フィルムの厚さに強く依存し、フィルムの厚さを厚くしたほうが、高い回折効率を得ることが可能である。光反応性液晶高分子を用いる場合には、素子作成時の光散乱を防ぐ目的で、露光前の状態はアモルファス状態であることが望ましいが、ポリイミドやポリビニルアルコールなどの配向膜を用いて一軸配向状態を作り、その後光照射によって分子配向させてもかまわない。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0026】
比較例1
下式(5)
【化5】
の化学構造式を有するアゾベンゼン色素をポリメチルメタクリレートに4重量%分散した色素分散高分子フィルムを色素およびポリメチルメタクリレートをクロロホルムに溶解した溶液をガラス基板上にスピンコート法によって塗布することによって作成した。このフィルムに、Nd−YAGレーザーの2倍高調波(波長:532nm)の光(エネルギー密度:0.5W/cm2)をビームスプリッターにより2つに分け干渉させた光を照射し、同時にHe−Neレーザー(波長:633nm)の光をプローブとして入射して回折光の観察を行った。書き込み2光波の偏光状態を一方は光学台に対して垂直、もう一方は水平として干渉させた光波(干渉縞間隔5μm)を照射した場合には、プローブ光を直線偏光とすると±1次光では偏光方向が90度回転していることが確認された。また、同様の書き込み光を用いてプローブ光を右回り円偏光とした場合には、±1次光は左回り円偏光となることが確認された。次に書き込み2光波の偏光状態を一方は右回り円偏光、もう一方は左回り円偏光として干渉させた光波(干渉縞間隔5μm)を照射した場合には、プローブ光を直線偏光とすると+1次回折光では左回り円偏光、−1次回折光では右回り円偏光となっていることが確認された。また、同様の書き込み光を用いてプローブ光を右回り円偏光とした場合には、+1次回折光は左回り円偏光となり、−1次回折光は観察されないことが確認された。このようにして、当該材料を用いて回折機能と偏光変換機能を共に持つデバイスを構築することが可能であるが、分子配向は固定化されておらず、書き込みレーザーの照射をやめると直ちに回折格子の減衰が起こり、熱的に安定なデバイスとはならなかった。また回折効率も0.5%程度と実用として用いるには低いものであった。
【0027】
実施例1
下式(6)
【化6】
の化学構造式を有し、光反応性基がメソゲンに直接結合している光反応性高分子液晶〔液晶温度領域:116℃から300℃以上まで(約300℃で分解)〕をクロロホルムに1重量%の濃度で溶解し、石英基板の上にスピンコーターを用いて約0.3μmの厚みとなるように塗布した。このフィルムに、He−Cdレーザー(波長:325nm)の光をビームスプリッターにより2つに分け、偏光状態を一方は光学台に対して垂直、もう一方は水平として干渉させた光波(干渉縞間隔2μm)を95mJ/cm2照射した後、150℃で15分間熱処理を行って偏光回折素子を作成した。この偏光回折素子を偏光顕微鏡で観察したところ、図1(a)の状態になっていることが確認された。さらにHe−Neレーザー光(波長:633nm)を入射して特性を調べたところ、入射光の偏光が直線偏光の場合には、±1次回折光の偏光状態は、入射直線偏光から偏光方向が90度回転した直線偏光となっていることが確認された。また、入射光の偏光を右回り円偏光としたときには、±1次回折光の偏光状態が左回り円偏光となっていることが確認された。形成された偏光回折素子は、130℃で1週間以上に渡り放置しても特性の変化は見られず、分子配向は固定化されており実用的な耐熱性を有していることが確認された。また、回折効率は、2%程度あり、実用に供するに充分な回折効率となっていることがわかった。
【0028】
実施例2
実施例1で用いた光反応性高分子液晶を、実施例1と同様の方法で形成したフィルムにHe−Cdレーザー(波長:325nm)の光をビームスプリッターにより2つに分け、偏光状態を一方は右回り円偏光、もう一方は左回り円偏光として干渉させた光波(干渉縞間隔2μm)を95mJ/cm2照射した後、150℃で15分間熱処理を行って偏光回折素子を作成した。この偏光回折素子を偏光顕微鏡で観察した所、図1(d)の状態になっていることが確認された。さらにHe−Neレーザー光(波長:633nm)を入射して特性を調べたところ、入射光の偏光が直線偏光の場合には、±1次回折光の偏光状態は、+1次回折光が右回り円偏光、−1次回折光が左回り円偏光に変換されていることが確認された。また、入射光の偏光を右回り円偏光としたときには、+1次回折光が左回り円偏光となり、−1次回折光は観察されなかった。さらに、入射光の偏光を左回り円偏光としたときには、+1次回折光は観察されず、−1次回折光は右回り円偏光に変換された。形成された偏光回折素子は、130℃で1週間以上にわたり放置しても特性の変化は見られず、実用的な耐熱性を有していることが確認された。また、回折効率は8%程度あり、実施例1と比べて高い効率を得ることが可能であった。
【0029】
実施例3
実施例1で用いた光反応性高分子液晶の化学構造とメチルメタクリレートとの1/1の共重合体高分子液晶(液晶温度領域:75℃から210℃)を、クロロホルムに1重量%の濃度で溶解し、石英基板の上にスピンコーターを用いて約0.3μmの厚みとなるように塗布した。このフイルム全体に150mJの直線偏光紫外線を照射し、つづいて60ミクロンピッチ(30μの透過部と30μの非透過部)のフォトマスクを通して格子方向が偏光電界に対して45°になるように1500mJ照射した。つづいて160℃で5分間熱処理を行った。この場合露光量が少ない場合には、偏光電界に垂直方向に分子配向、露光量が多い場合には平行方向となり、図1(f)の偏光回折格子が作成された。この回折格子に格子方向に平行の直線偏光を入射したところ、回折光の偏光方向が格子に対して90度方向の直線偏光に変換されその回折効率は3%であった。また形成された偏光回折素子は、130℃で1週間以上に渡り放置しても特性の変化は見られず、実用的な耐熱性を有していることが確認された。
【0030】
実施例4
実施例1で用いた光反応性高分子液晶の化学構造と無水フタル酸との85/15の共重合体高分子液晶(液晶温度領域:100℃から200℃)を、クロロホルムに1重量%の濃度で溶解し、石英基板の上にスピンコーターを用いて約0.2μmの厚みとなるように塗布した。このフイルム全体に150mJの直線偏光紫外線を照射し、つづいて40ミクロンピッチ(20μの透過部と20μの非透過部)のフォトマスクを通して格子方向が偏光電界に対して45°になるように1500mJ照射した。つづいて160℃で5分間熱処理を行った。この場合露光量が少ない場合には、偏光電界に垂直方向に分子配向、露光量が多い場合には平行方向となり、図1(f)の偏光回折格子が作成された。この回折格子に格子方向に平行の直線偏光を入射したところ、回折光の偏光方向が格子に対して90度方向の直線偏光に変換されその回折効率は3%であった。また形成された偏光回折素子は、150℃で1週間以上にわたり放置しても特性の変化は見られず、実用的な耐熱性を有していることが確認された。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば光反応性高分子液晶を用いることによって熱的・化学的安定性にすぐれた、回折機能と偏光変換機能を併せ持つ高機能な光デバイスを構築できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分子配向分布の概略図である。
Claims (9)
- 周期的に変化した固定化された分子配向構造を有する高分子層を含む偏光回折素子。
- 請求項1記載の偏光回折素子において、高分子層が側鎖型高分子液晶からなり高分子側鎖の液晶性メソゲンが周期的に分子配向した構造を有していることを特徴とする偏光回折素子。
- 請求項1あるいは2のいずれかに記載の偏光回折素子において、高分子層が側鎖に光架橋性の液晶性メソゲンを有する高分子液晶であってそのメソゲン末端に光反応性基を有することを特徴とする偏光回折素子。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の高分子を透明基板上に塗布したものを、偏光あるいは強度もしくはその両方が周期的に変調している光波によって露光してなることを特徴とする偏光回折素子。
- 高分子を透明基板上に塗布したものを偏光あるいは強度もしくはその両方が周期的に変調している光波によって露光し、つづいて50℃〜250℃の温度で熱処理してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の偏光回折素子。
- 高分子層と透明基板の間に、高分子層の配列構造を制御する配向膜層を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の偏光回折素子。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の偏光回折素子の高分子層の分子配向構造が図(1)のいずれかに記載の周期構造を有する偏光回折素子。
- 側鎖に光架橋性の液晶性メソゲンを有する高分子液晶であってそのメソゲン末端に光反応性基を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の偏光回折素子用光反応性高分子液晶。
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