JP5046154B2 - 偏光回折格子の形成方法 - Google Patents

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本発明は、光波の回折と同時に偏光を変換する偏光回折格子、特に、入射光偏光の偏光楕円率が出射光偏光の偏光楕円率より大きいことに特徴を有し、さらに高い耐熱性を有する偏光回折格子の形成方法に関するものである。
高密度光記録、大容量光通信、高精細・薄型表示デバイス、高機能デジタルカメラ、などの光エレクトロニクス分野において、高度に光波を制御する技術がますます必要とされてきている。回折格子は、屈折率あるいは表面形状が周期的に変調された構造を有しており、光波の進行方向を制御する光学素子として様々に用いられてきている。
回折格子の作製には、様々な高分子材料の利用が検討されてきた。代表的な作製方法としては、半導体集積回路に用いるフォトレジストを用いる方法である。フォトレジストを塗布した基板に、フォトマスクや干渉法によって周期的に強度変調した紫外線によって露光し、表面に凹凸を有する回折格子を形成し、これから金型を作製して複製することができる。このようにして作製された回折素子は、光学的異方性を有しないか、制御された周期的異方性を形成することが困難であるため、本発明で提案するような偏光の変換はできない。
偏光の変換を行うためには、光学的異方性を高度に制御し、周期性を持たせた構造を有した偏光回折格子を用いることが必要である。偏光回折格子を形成するためには、(A)光化学反応によって屈折率変化を生じさせる際に同時に光学的異方性を生じさせることが可能な材料、(B)空間的に変調された偏光を照射するための手段、が必要である。
偏光誘起異方性機能を有する材料として、例えば、ネガ型フォトレジストであるポリビニルシンナメートが知られている(V. A. Barachevsky, Proc. SPIE, 1559, p.184 (1991))。アモルファス構造を有するポリビニルシンナメートフィルムに直線偏光紫外光を照射すると、ケイ皮酸部の−C=C−結合が偏光の電界方向に平行方向となる場合に光を選択的に吸収して2量化し、その部分の屈折率は低下する。このことを利用すれば、光学的異方性を誘起することが可能であるが、誘起される屈折率異方性は0.01以下と非常に小さいため実用性に乏しい。
また、その他の代表的な材料として、アゾベンゼンを含む高分子材料を用いることが検討されている(K. Ichimura, Chem. Rev. 100, p.1847 (2000))。アゾベンゼン分子は光や熱のような外部からの刺激によってシス体とトランス体の間で異性化反応が起こり、このことを利用して、偏光によって分子配向構造を制御することが可能であることが知られている。しかしながら従来検討されてきたアゾベンゼンを含むアモルファス高分子材料では、誘起される光学的異方性があまり大きくないだけでなく、熱や光などの外場の影響によって特性が変化する、あるいは可視領域での光吸収があるなど、高い安定性を要求される受動型の光デバイスや光機能性光学フィルムへの応用が困難である。
空間的に変調された偏光を照射する方法として、偏光ホログラムの手法を用いる方法が提案されている(特願2003−134355号公報、J. Appl. Phys. 94, p.1298 (2003))。偏光は、光波の電界ベクトルの描く時間的軌跡で定義されており、一般的には図1に示すような楕円状の軌跡を描く。楕円の形状は、光波電界ベクトルの各成分E、Eの振幅A、Aとその位相差によって決まり、楕円の長軸の長さaと短軸の長さb及び楕円の方位角αで特徴付けられ、短軸と長軸の比を楕円率と呼ぶ。楕円率が0の時を直線偏光、1の時を円偏光、そのほかの時を楕円偏光と呼んでいる。偏光ホログラムにおいては、互いに偏光方位角が直交する直線偏光(OL)、あるいは、時間的軌跡の回転方向が互いに逆回りの円偏光を干渉させ(OC)、強度は一定であるが偏光状態が空間的に変調された偏光干渉を用いて露光を行う。上記文献(特願2003−134355号公報、J. Appl. Phys. 94, p.1298 (2003))では、この偏光ホログラムの方法を光架橋性高分子液晶に適用した偏光変換回折格子に関する技術が開示されている。この手法及び材料によって形成された偏光回折格子の偏光変換機能を図2にまとめる。図2からわかるように、直線偏光を円偏光に変換する、円偏光の回転方向を反転させる、といった偏光変換機能が可能となっているが、円偏光を直線偏光に変換する機能については実現していない。
様々な偏光変換機能を実現するための方法として、干渉露光時の2光波の偏光楕円率を制御する方法がアゾベンゼンをドープしたアモルファス高分子について提案されている(平成18年11月電子情報通信学会有機光エレクトロニクス研究会 技術研究報告 7-13)。当該手法により偏光変換機能の多様性はある程度実現されているが、記録材料がアゾベンゼンをドープしたアモルファス高分子であり、記録の安定性等の理由で、実際の受動型の光デバイスや光機能性光学フィルムへの応用が困難である。
特願2003−134355号公報 V. A. Barachevsky, Proc. SPIE, 1559, p.184 (1991) K. Ichimura, Chem. Rev. 100, p.1847 (2000) J. Appl. Phys. 94, p.1298 (2003)
液晶表示素子や高密度光記録のさらなる高性能化のためには、高機能な光デバイスや光機能性フィルムの開発が必要である。偏光回折格子は、光波の伝搬制御に加えて偏光状態の制御が可能であり、複合機能を有する光デバイス・光学フィルムとして期待できる。高い安定性と大きな屈折率変調を有し、現在までに、公知となっている技術では、図2に示すような直線偏光を円偏光に変換する、円偏光の回転方向を反転させる、といった機能が可能であるが、円偏光を直線偏光として回折させる、さらに一般的には入射偏光の楕円率を減少させる機能を有する、実用性の高い偏光回折格子は実現していない。
本発明は、上述のような現状に鑑み、干渉露光を行う際の2光波の偏光状態を制御することで、形成される偏光回折格子の偏光変換特性を制御できることに着目し、鋭意検討した結果完成したもので、従来は実現できなかった円偏光を直線偏光として回折させる、さらに一般的には入射偏光の楕円率を減少させる機能を有する偏光回折格子を供給可能な極めて実用性に秀れた偏光回折格子の形成方法を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
光反応性の側鎖型高分子液晶に2光波を干渉させることで生じる干渉光を照射して、液晶性メソゲンを周期的に配向させて成る回折格子の形成方法において、前記側鎖型高分子液晶に照射される干渉光を生ぜしめる2光波の偏光楕円率が、共に0.05〜0.5の範囲であることを特徴とする偏光回折格子の形成方法に係るものである。
また、前記側鎖型高分子液晶に照射される干渉光を生ぜしめる2光波の偏光方位角が互いに直交していることを特徴とする請求項1記載の偏光回折格子の形成方法に係るものである。
また、前記側鎖型高分子液晶は側鎖に光架橋性の液晶性メソゲンを有する高分子液晶であってそのメソゲン末端に光反応基を有するものであることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の偏光回折格子の形成方法に係るものである。
また、前記側鎖型高分子液晶を透明基板上に塗布した後、この透明基板上に塗布された前記側鎖型高分子液晶を前記干渉光によって露光し、続いて、露光された前記側鎖型高分子液晶を50℃〜250℃の温度で熱処理して前記回折格子を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光回折格子の形成方法に係るものである。
また、前記側鎖型高分子液晶が少なくとも下記式(1)の化学構造を有する成分を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光回折格子の形成方法に係るものである。
Figure 0005046154
但し、式(1)において、
n=1〜12
m=0〜12
X=none、−COO、−OCO−、−N=N−、−C=C−若しくは−C
W=シンナモイル基若しくはその誘導体などの感光性基
本発明は上述のようにするから、特定の条件の偏光状態を有する2光波の干渉露光を光架橋性高分子液晶に照射してメソゲンの配列を制御することで、円偏光を直線偏光として回折させる、さらに一般的には入射偏光の楕円率を減少させる機能を有する偏光回折格子、例えば入射光波の偏光楕円率を大きく低減、さらには円偏光を直線偏光に変換可能で、熱的・化学的に安定な偏光回折格子を供給可能な極めて実用性に秀れた偏光回折格子の形成方法となる。
具体的には、請求項1に記載されているように、2つの光波の偏光楕円率が、共に0.05〜0.5の範囲とし、さらに請求項2に記載しているように偏光方位角を直交させることで、形成された偏光回折格子に入射された光波の偏光楕円率を回折によって実用的に減少させることが可能となる。
従来の偏光ホログラフィによって形成された偏光回折格子の回折時の偏光変換特性は、図2にまとめられており、回折によって偏光楕円率が低減されることはなかった。本発明によれば、例えば円偏光を直線偏光に変換することが可能となり、光デバイスや光機能性フィルムとしての応用範囲が広がるものと考えられる。
さらに本発明で用いる側鎖型高分子液晶は側鎖に光架橋性の液晶性メソゲンを有する高分子液晶であってそのメソゲン末端に光反応基を有している。本発明に関わる偏光回折格子を実現するためには、光誘起異方性材料の存在が欠かせないが、その中でも液晶系材料は、分子協調配列に起因して、大きな屈折率異方性を得ることが可能である。また、架橋構造を光反応として形成させることで、形成された偏光回折格子の熱的安定性が高まり、光デバイスや光機能性フィルムとしての応用が可能となる。
本発明に係る偏光回折格子を製造する場合には、上記の光反応性高分子液晶を溶媒に溶解した液を、透明基板上に薄く塗布した後に乾燥し、請求項1あるいは2に記載された条件を有する光波によって露光し、その後熱処理によって、メソゲンの協調分子再配向を行う方法や、上記の薄く塗布した層に熱を加えながら露光硬化させる方法が考えられるが、露光後に熱処理を行う方法が、装置構造が簡略であるなどの点で好ましい。
さらに本発明では、請求項5に記載しているように、高分子材料が少なくとも上記式(1)の化学構造を含む材料であることで目的の偏光変換特性を有する多機能偏光回折格子・フィルムが形成される。このような化学構造式からなる材料を用いることで、効率的な光波制御分子配向とその熱的安定性が実現される。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を図面を用いて本発明の作用を示して簡単に説明する。
すでに述べてきたように、液晶表示装置や光記録システム、さらにデジタル映像装置などの光エレクトロニクス機器のさらなる進展のためには、種々の偏光制御が可能な、光デバイス・フィルムが必要とされる。現在までに公開されている技術では、図2に示すような偏光を変換しながら回折を行うことが実現されているが、さらなる応用のためには、図2に示した組み合わせ以外の偏光変換特性が可能な熱安定的な偏光回折格子の実現が必要である。
図2にない機能として、例えば円偏光を直線偏光に変換する熱安定的な偏光回折格子を形成するために、本発明では、干渉露光の際の楕円率を制御することに着目した。偏光は、光波の電界ベクトルの描く時間的軌跡で定義されており、一般的には図1に示すような楕円状の軌跡を描く。楕円の形状は、光波電界ベクトルの各成分各成分E、Eの振幅A、Aとその位相差によって決まり、楕円の長軸の長さaと短軸の長さb及び楕円の方位角αで特徴付けられる。干渉光の偏光分布及び強度分布は、干渉させる2光波の偏光状態に強く依存する。本発明では、楕円率が0.2、楕円の回転方向は同方向、楕円の方位角は互いに直交、といった条件を満足した2光波の干渉光(干渉後の電界分布を図3に示す)を用いて露光することで、円偏光がほぼ直線偏光に変換されるといった従来になかった機能が実現されている。
図2に示された従来の偏光変換機能では、偏光楕円率を低減するような機能が存在しない。本発明では、上記の条件で記録を行えば、円偏光を直線偏光に変換できる。さらに、書き込み光の偏光楕円率が0.1〜0.3の範囲であれば、偏光楕円率を低減させながら回折させることが可能である。
このような偏光回折格子を可能にするためには、各種偏光に応じて光学特性(具体的には光学的異方性)が変化するような材料の開発が必要である。
このようなことが可能な材料として例えば、ネガ型のフォトレジストであるポリビニルシンナメート(PVCi)が知られている。ポリビニルシンナメートフィルムに直線偏光紫外光を照射すると、ケイ皮酸部の−C=C−結合が偏光の電界方向に平行方向となる場合に光を選択的に吸収して2量化し、その部分の屈折率は低下する。このことを利用すれば、光学的異方性を周期的に制御することが可能であるが、誘起される屈折率異方性は0.01以下と非常に小さいため実用性に乏しい。
また、その他の代表的な材料として、アゾベンゼンを含む高分子材料を用いることが検討されている。アゾベンゼン分子は光や熱のような外部からの刺激によってシス体とトランス体の間で異性化反応が起こり、このことを利用して分子配向を制御することができ周期的な分子配向制御も光照射によって行うことが可能である。しかしながら、従来検討されてきた、アゾベンゼン部位が分子配向を生じさせる主要光反応部位となる高分子材料では、光学的異方性の発現性があまり大きくないだけでなく、熱や光などの外場の影響によって特性が変化するため、高い安定性を要求される光記録材料への応用が困難である。
上記の状況を鑑み、本発明では、高分子材料が少なくとも上記式(1)の化学構造を含む材料である光反応性高分子液晶を用いることで、メソゲン配向に伴う大きな屈折率異方性による高機能化と高い耐熱性を発現できることを応用し、本発明に用いられる偏光回折格子の記録材料を提供する。
偏光露光の際に照射する光波の偏光を制御する方法としては、本発明においては特に限定するものではなく、液晶素子等の電界制御型位相制御素子や通常の波長板などを用いることが考えられる。
記録を行う材料としては光学的透明性と充分な分子配向と光学的異方性を発現するものであれば良いが、側鎖ないしは主鎖に少なくとも1種の光反応性のメソゲンを有する高分子液晶を用いることによって、材料の液晶性を利用して、高度に配向した状態を形成でき、大きな光学的異方性を発現することができる。さらに好ましくは、高分子層が側鎖に光架橋性のメソゲンを有する高分子液晶であってそのメソゲン末端に光反応性基を有することによって、架橋構造を取ることによって、光機能性フィルムやデバイスの応用に必要な耐熱性を確保することが可能となる。そのような高分子材料として、Macromolecules, Vol.30, No.21, pp.6680-6682 (1997)やMacromolecules Vol. 35, No. 3 pp.706-713 (2002)に掲載されている材料では、紫外線領域に感度を有するため、He−Cdレーザーなどのコヒーレント性に優れる紫外光レーザーを光源として利用できる。また、近年高性能化してきている405nm帯の半導体レーザーを用いるためには、Macromolecules Vol. 38 No. 9 pp. 3903-3908 (2005)に掲載されている材料を用いることができる。但し、本発明ではこれらに限定されるものではない。
偏光回折格子を形成する場合には、本発明による高分子材料をフィルム化する必要がある。高分子材料を溶解する溶媒、濃度および溶解方法は特に限定されず、用いる基板や乾燥時間などによって適宜選択される。溶液を均一に塗布する方法としては、スピンコート法、グラビアコート法、コンマコート法などが考えられるが、特に限定されるものではなく、必要とされる面積、基板形状、精度などによって適宜選択される。基板は透明基板であれば特に限定されるものではないが、機能性高分子層の機能を最大限引き出すために、固有複屈折率の小さい透明基板材料が好ましい。このような性質を有する透明基板材料としては、各種ガラス、石英、などの無機材料、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ノルボルネン系高分子、セルロース系高分子、ポリエステル系高分子、などの有機材料を例示できる。基板の形態は特に限定するものではなく、板状、フィルム状などを目的によって適宜選択できる。
偏光回折格子の製造方法としては、上記の光反応性高分子液晶を溶媒に溶解した液を透明基板上に薄く塗布した後に乾燥し、本発明による条件に基づく偏光干渉露光によって硬化し、その後熱処理によって液晶分子の協調的分子配向を促進させる方法や、上記の薄く塗布した層に熱を加えながら露光硬化する方法が考えられるが、露光後に熱処理を行う方法が、装置構造が簡略であるなどの点で好ましい。
露光後の熱処理の条件は、高分子の種類や基板材料によって最適な条件が適宜選択されるが、室温での熱的な安定性が確保されるように50℃以上の温度で熱処理するような材料及び温度を選択することが望ましく、多くの高分子材料の分解が始まる250℃を超えないことが望ましい。
偏光回折格子の回折効率を高めるためには、光反応性高分子液晶層の厚さを厚くすることが有効である。液晶高分子は、液晶ダイレクターがランダムに向いたマルチドメイン構造を取りやすいが、素子作成時の光散乱を防ぐ目的で、露光前の状態はアモルファス状態であることが望ましいが、ポリイミドやポリビニルアルコールなどの液晶配向膜を用いて一軸配向状態を作り、その後光照射によって分子配向させても構わない。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
本発明の具体的な実施例について図面を用いて説明する。
下記式(2)
Figure 0005046154
の化学構造式を有する光架橋性高分子液晶を塩化メチレンに1重量%の濃度で溶解し、ガラス基板の上にスピンコーターを用いて約0.3μmの厚みとなるように塗布した。このフィルムに30mWのHe−Cdレーザー(波長325nm)の光によって回折格子形成を行った。He−Cdレーザーの光をビームスプリッターにより2つに分け、波長板を用いて、偏光楕円率を0.2とし、お互いの楕円方位角を直交させて干渉させ、図3に示すような電界分布の干渉光を形成し、フィルムに露光した。この時の干渉縞間隔は0.2μmであり、露光エネルギーは95mJ/cmであった。この状態では回折格子は形成されなかったが、その後150℃で15分間熱処理を行うと、偏光回折格子が形成された。
形成された回折格子に対してHe−Neレーザー光を用いて、回折光の偏光状態を観察した結果、図4に示したように、右回り及び左回りの円偏光が直線偏光に変換されているのが観察された。
実施例1に示した材料に同等の光学系を用いて、書き込み2光波の偏光楕円率を0.1とし、その方位角を互いに直交させて干渉した光波を用いて露光を行った。さらに150℃で15分間熱処理を行い偏光回折格子を形成した。
形成された回折格子に対して右回り及び左回りの円偏光を用いて、回折光の偏光状態を観察した結果、図5に示すように、偏光楕円率が0.2の楕円偏光として偏光変換がなされ、回折の際の際に偏光楕円率を大きく低減できていることがわかった。
楕円偏光の電界ベクトルの軌跡である。 従来の偏光ホログラムの手法で作成した偏光回折格子の偏光変換機能である。 楕円率が0.2で、楕円方位角が互いに直交している2光波を干渉させた場合の光波電界の空間分布を表したものである。 実施例1に基づく偏光回折格子の回折特性である。 実施例2に基づく偏光回折格子の回折特性である。

Claims (5)

  1. 光反応性の側鎖型高分子液晶に2光波を干渉させることで生じる干渉光を照射して、液晶性メソゲンを周期的に配向させて成る回折格子の形成方法において、前記側鎖型高分子液晶に照射される干渉光を生ぜしめる2光波の偏光楕円率が、共に0.05〜0.5の範囲であることを特徴とする偏光回折格子の形成方法。
  2. 前記側鎖型高分子液晶に照射される干渉光を生ぜしめる2光波の偏光方位角が互いに直交していることを特徴とする請求項1記載の偏光回折格子の形成方法。
  3. 前記側鎖型高分子液晶は側鎖に光架橋性の液晶性メソゲンを有する高分子液晶であってそのメソゲン末端に光反応基を有するものであることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の偏光回折格子の形成方法。
  4. 前記側鎖型高分子液晶を透明基板上に塗布した後、この透明基板上に塗布された前記側鎖型高分子液晶を前記干渉光によって露光し、続いて、露光された前記側鎖型高分子液晶を50℃〜250℃の温度で熱処理して前記回折格子を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光回折格子の形成方法。
  5. 前記側鎖型高分子液晶が少なくとも下記式(1)の化学構造を有する成分を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏光回折格子の形成方法。
    Figure 0005046154
    但し、式(1)において、
    n=1〜12
    m=0〜12
    X=none、−COO、−OCO−、−N=N−、−C=C−若しくは−C
    W=シンナモイル基若しくはその誘導体などの感光性基
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