JP2004340549A - 部品交換時期予測装置、部品交換時期予測方法および部品交換時期予測システム - Google Patents
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Abstract
【課題】適切に部品交換時期を予測することができる部品交換時期予測装置を提供する。
【解決手段】管理装置4は、記憶部41と管理部42とを備える。記憶部41は、過去データを記憶する。過去データは、空気調和機を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータの過去の推移を示す。管理部42は、過去データをパラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いて交換時期を予測する。
【選択図】 図3
【解決手段】管理装置4は、記憶部41と管理部42とを備える。記憶部41は、過去データを記憶する。過去データは、空気調和機を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータの過去の推移を示す。管理部42は、過去データをパラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いて交換時期を予測する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品交換時期予測装置、部品交換時期予測方法および部品交換時期予測システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、対象物件に配置された設備機器の部品の交換時期を予測する部品交換時期予測装置が現れている。例えば、ビルに配置された複数の設備機器を管理する管理装置があり、この管理装置は、各種のパラメータを用いた判定式によって、設備機器の部品交換時期を予測している(特許文献1参照)。この管理装置では、まず、設備機器の作動回数などの過去のデータが判定式に代入されて一次直線が算出される。そして、判定式の一次直線のグラフが延長され、判定式の値が所定値になる時期が部品交換時期として算出される。
【0003】
【特許文献1】
特許第3140676号明細書(第10頁、第16図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、設備機器の運転状況は、一次直線で描けるような単純なものではなく曲線的に変化することが多い。例えば、空気調和機では、夏の暑い気候の日には長時間の運転が行われ、春や秋などの穏やかな気候の日には短時間の運転が行われる。このため、空気調和機の運転状況は、一次直線的に表されるものではなく、1年を通して曲線的に変化する。このような場合に、一次直線的な判定式によって部品交換時期が予測されると、適切な部品交換時期を予測することは困難である。
【0005】
本発明の課題は、適切に部品交換時期を予測することができる部品交換時期予測装置、部品交換時期予測方法および部品交換時期予測システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の部品交換時期予測装置は、記憶部と予測部とを備える。記憶部は、過去データを記憶する。過去データは、設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータの過去の推移を示す。予測部は、過去データをパラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いて交換時期を予測する。
【0007】
この部品交換時期予測装置では、過去データが、パラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いられて、交換時期が予測される。設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータには、過去の推移と類似の推移を行うものがある。従って、このようなパラメータの場合、過去データは、現在からの推移を示す将来データと類似する可能性が高い。このため、この部品交換時期予測装置では、過去データを用いて交換時期を予測することにより、適切に部品交換時期を予測することができる。
【0008】
請求項2に記載の部品交換時期予測装置は、請求項1に記載の部品交換時期予測装置であって、予測部は、将来データとして1年前の同時期の過去データを用いる。
この部品交換時期予測装置では、将来データとして1年前の同時期の過去データが用いられる。設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータには、同じ季節では同じ推移を示すものがある。従って、このようなパラメータの場合、1年前の同時期の過去データは、現在からの推移を示す将来データと類似する可能性がより高い。このため、この部品交換時期予測装置では、1年前の同時期の過去データを用いて交換時期を予測することにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0009】
請求項3に記載の部品交換時期予測装置は、請求項1または2に記載の部品交換時期予測装置であって、予測部は、将来データからパラメータの積算値を算出し、積算値が部品の交換が必要な所定値に達する時期を算出することにより、交換時期を予測する。
この部品交換時期予測装置では、パラメータの積算値が所定値に達する時期を算出することにより、交換時期を予測する。一般に、部品交換時期は、パラメータの積算値の影響を受けることが多い。例えば、部品の疲労や消耗は、部品に対して累積的に与えられる負荷の影響を受け易い。従って、この部品交換時期予測装置では、パラメータの積算値が所定値に達する時期を算出することにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0010】
請求項4に記載の部品交換時期予測装置は、請求項3に記載の交換時期予測装置であって、パラメータは、設備機器の運転時間である。
この部品交換時期予測装置では、設備機器の運転時間の積算値が考慮されて、部品交換時期が判断される。設備機器の部品には、交換時期に関して運転時間の積算値の影響を受けるものがある。従って、運転時間の積算値の影響を受ける部品に関しては、運転時間の積算値が考慮されることにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0011】
請求項5に記載の部品交換時期予測装置は、請求項3に記載の部品交換時期予測装置であって、パラメータは、設備機器の運転回数である。
この部品交換時期予測装置では、設備機器の運転回数の積算値が考慮されて、部品交換時期が判断される。設備機器の部品には、交換時期に関して運転回数の積算値の影響を受けるものがある。従って、運転回数の積算値の影響を受ける部品に関しては、運転回数の積算値が考慮されることにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0012】
請求項6に記載の部品交換時期予測装置は、請求項1から5のいずれかに記載の交換時期予測装置であって、設備機器は複数の部品によって構成される。記憶部は、複数の部品ごとの過去データを記憶する。また、予測部は、複数の部品ごとに交換時期を予測する。
この部品交換時期予測装置では、設備機器を構成する部品ごとに、過去データが記憶されて交換時期が予測される。このため、部品ごとにきめ細かく適切に交換時期を予測することができる。
【0013】
請求項7に記載の部品交換時期予測装置は、請求項1から6のいずれかに記載の部品交換時期予測装置であって、設備機器は、空気調和機である。
この部品交換時期予測装置では、空気調和機の部品交換時期の予測に関して、過去データが用いられて交換時期が予測される。一般に、空気調和機では、季節ごとに同様の運転が行われることが多い。従って、この部品交換時期予測装置では、過去データが用いられて交換時期が予測されることによって、より適切に交換時期を予測することができる。
【0014】
請求項8に記載の部品交換時期予測方法は、第1ステップと第2ステップとを備える。第1ステップでは、設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータの過去の推移を示す過去データを記憶する。第2ステップでは、過去データをパラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いて交換時期を予測する。
【0015】
この部品交換時期予測方法では、過去データが、パラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いられて、交換時期が予測される。設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータには、過去の推移と類似の推移を行うものがある。従って、このようなパラメータの場合、過去データは、現在からの推移を示す将来データと類似する可能性が高い。このため、この部品交換時期予測方法では、過去データを用いて交換時期を予測することにより、適切に部品交換時期を予測することができる。
【0016】
請求項9に記載の部品交換時期予測システムは、複数の設備機器と、請求項1から7のいずれかに記載の部品交換時期予測装置と、制御装置とを備える。制御装置は、設備機器および部品交換時期予測装置と接続され、設備機器から過去データを受け取り部品交換時期予測装置へと送信する。
この部品交換時期予測システムでは、過去データが、パラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いられて、交換時期が予測される。設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータには、過去の推移と類似の推移を行うものがある。従って、このようなパラメータの場合、過去データは、現在からの推移を示す将来データと類似する可能性が高い。このため、この部品交換時期予測システムでは、過去データを用いて交換時期を予測することにより、適切に部品交換時期を予測することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
<システム全体の構成>
本発明の一実施形態にかかる設備機器管理システム1の構成を表す図を図1に示す。
この設備機器管理システム1は、管理対象である物件内の空調を行う空気調和機2a,2bを集中制御装置3a,3bでそれぞれ制御すると共に、空気調和機2a,2bを遠隔監視センタ内の管理装置4で遠隔から管理するシステムである。
【0018】
設備機器管理システム1は、主として、第1空気調和機2a、第1集中制御装置3a、第2空気調和機2b、第2集中制御装置3bおよび管理装置4により構成される。第1空気調和機2aと第1集中制御装置3aとは、互いに接続されており、同じ物件に配置されている。第2空気調和機2bと第2集中制御装置3bとは、互いに接続されており、第1空気調和機2a等とは異なる同じ物件に配置されている。また、第1集中制御装置3aと第2集中制御装置3bとは、それぞれインターネット等の通信回線網INを介して管理装置4に接続されている。なお、設備機器管理システム1を構成する空気調和機および集中制御装置の数はこれらに限られるものではない。また、設備機器管理システム1は、空気調和機2b、2b以外の設備機器を備えるものであってもよい。
【0019】
<空気調和機の構成>
空気調和機2a,2bは、ビルや工場等の物件に配置され室内の空気調和を行う。上述したように、空気調和機2a,2bには第1空気調和機2aと第2空気調和機2bとがあり、それぞれ異なる物件に配置されている。以下、第1空気調和機2aの構成について説明するが、第2空気調和機2bについても同様の構成である。
【0020】
第1空気調和機2aは、複数の室内機6a,6bと第1室外機7aとを有する。
室内機6a,6bおよび第1室外機7aの構成を示す概略図を図2に示す。室内機6a,6bには、第1室内機6aと第2室内機6bとがあり、それぞれ物件の室内に配置される。
【0021】
第1室内機6aは、室内熱交換器60a、室内ファン61a、電動弁62a、室内制御部63a(図3参照)、室内電磁接触器66a(図3参照)等を有している。室内熱交換器60aは、電動弁62aや室外熱交換器70等と共に冷媒回路を構成し、室内へと送られる空気と冷媒との間で熱交換を行う。室内ファン61aは、室内ファンモータ64aによって駆動され、室内へと送られる空気の流れを生成する。室内制御部63aは、室内ファンモータ64a、電動弁62a、室温サーミスタ65a等の各種のセンサ、室内電磁接触器66aと接続されており、第1室内機6aの制御を行う。
【0022】
第2室内機6bも同様に、室内熱交換器60b、室内ファン61b、電動弁62b、室内制御部63b、室内ファンモータ64b、室温サーミスタ65b、室内電磁接触器66b等を有している。
第1室外機7aは、室外熱交換器70、アキュムレータ71、圧縮機72、四路切換弁73等の冷媒回路構成部品、室外ファン74、室外制御部75(図3参照)、室外電磁接触器78(図3参照)等を有している。室外熱交換器70は、アキュムレータ71、圧縮機72、四路切換弁73等の冷媒回路構成部品と共に冷媒回路を構成し、室外の空気と冷媒との間で熱交換を行う。圧縮機72等は、電力によって駆動され、冷媒を循環させる。室外ファン74は、室外ファンモータ76によって駆動され、室外から取り込まれ室外熱交換器70を通る空気の流れを生成する。室外制御部75は、圧縮機72、四路切換弁73、室外ファンモータ76、室外温度サーミスタ77などの各種のセンサ、室外電磁接触器78等と接続されており、第1室外機7aの制御を行う。
【0023】
第2空気調和機2bも同様に、第3室内機6c、第4室内機6dおよび第2室外機7bを有しており、上記と同様の構成である。
なお、空気調和機2a,2bを構成する室内機や室外機の数はこれに限られるものではなく、より多く又はより少ない室内機や室外機によって構成されてもよい。
【0024】
<集中制御装置の構成>
集中制御装置3a,3bは、空気調和機2a,2bと通信線によりそれぞれ接続され、空気調和機2a,2bの集中制御を行う。集中制御装置3a,3bは、遠隔監視センタ内の管理装置4と制御信号の送受信を行う。また、上述したように、集中制御装置3a,3bには、第1集中制御装置3aと第2集中制御装置3bとがある。第1集中制御装置3aは、第1空気調和機2aと接続されており、複数の室内機6a,6bおよび第1室外機7aを集中制御する。第1集中制御装置3aは、第1空気調和機2aが配置されている物件内の管理室などに配置されている。第2集中制御装置3bは、第2空気調和機2bと接続されており、第2空気調和機2bが配置されている物件内の管理室などに配置されている。以下、第1集中制御装置3aについて説明するが、第2集中制御装置3bについても同様の構成である。
【0025】
第1集中制御装置3aは、図3に示すように、記憶部30a、通信部31a、集中制御部32aを有する。
記憶部30aは、一定時間毎、例えば1分毎に第1空気調和機2aから検出された運転データを記憶する。この運転データは、第1空気調和機2aの室内機6a,6bおよび第1室外機7aの運転時間や運転回数、室外温度、室内温度、第1空気調和機2aで実行された制御内容、第1空気調和機2aの消費電力などである。また、記憶部30aには、管理装置4から送信された第1空気調和機2aの制御内容が記憶される。
【0026】
通信部31aは、管理装置4の通信部40とデータ信号の送受信を行う部分である。通信部31aは、管理装置4とインターネットINを介して接続されており、第1空気調和機2aの運転データをインターネットINを介して管理装置4へと送信する。また、通信部31aは、管理装置4から送信された第1空気調和機2aの制御内容を受信する。
【0027】
集中制御部32aは、管理装置4から送信された制御内容に基づいて、第1空気調和機2aの室外制御部75や室内制御部63a,63bへと制御信号を送信することにより、第1空気調和機2aの集中制御を行う。また、集中制御部32aは、記憶部30aに蓄積された運転データを一定時間毎に、例えば1時間毎にまとめて通信部31aから管理装置4へと送信する。
【0028】
<管理装置の構成>
管理装置4は、集中制御装置3a,3bに接続された空気調和機2a,2bの管理を行う装置であり、空気調和機2a,2bが配置された物件から離れた遠隔監視センタ内に配置される。管理装置4が行う管理の内容としては、異常監視、最適自動制御、報告書自動作成等がある。異常監視は、集中制御装置3a,3bから送られる空気調和機2a,2bの運転データから空気調和機2a,2bに異常が発生しているか否かを判断し、異常が発生している場合には異常発報を行って物件の管理者等に通知するという管理内容である。また、管理装置4は、空気調和機2a,2bを構成する部品の交換時期を判断する部品交換時期判断も行う。部品交換時期判断については後に詳細に説明する。最適自動制御は、種々の条件で空気調和機2a,2bを最適に制御するものであり、省エネ制御やデマンド制御がある。省エネ制御は、一定量の消費電力が削減されるように空気調和機2a,2bに対して省エネルギ制御を自動的に行うという制御である。電力デマンド制御は、空気調和機2a,2bの最大需要電力を契約電力あるいは管理目標電力に抑える制御である。報告書自動作成は、最適自動制御の運用効果などをまとめた報告書を自動的に作成し定期的に物件の所有者や管理者等に送るという管理内容である。
【0029】
管理装置4は、主として、通信部40、記憶部41、管理部42を有している。
通信部40は、第1集中制御装置3aの通信部31aや第2集中制御装置3bの通信部等とのデータ信号の送受信を行い、運転データなどの空気調和機2a,2bに関する情報を取得する。通信部40は、所定時間ごとに集中制御装置3a,3bから送信される運転データ等を通信回線網INを介して受信する。また、通信部40は、管理部42が作成した空気調和機2a,2bの制御内容を集中制御装置3a,3bへと送信する。
【0030】
記憶部41は、集中制御装置3a,3bから送信された空気調和機2a,2bの運転データ、制御内容の判断に用いられる制御ロジック等を記憶する。これらのパラメータは、集中制御装置3a,3bから一定期間ごとに送信され、記憶部41は、これらのデータをパラメータの過去の推移を示す過去データとして記憶して蓄積する。この場合、記憶部41は、運転時間、運転回数などの1週間毎の積算値を冷房・暖房の別と共に部品ごとに記憶する。
【0031】
管理部42は、集中制御装置3a,3bから送られる運転データに基づいて、空気調和機2a,2bに関して異常監視、最適自動制御、報告書自動作成等の管理を行う。また、管理部42は、空気調和機2a,2bの部品の交換時期を判断することができる。なお、部品交換時期とは、空気調和機2a,2bを構成する部品の劣化や消耗などによって部品の故障が生じ得る時期であり、故障の発生を予防するために交換を行うことが望ましい時期である。管理部42は、図4に示すように、環境負荷係数算出部43、異常発報係数算出部44、交換時期判断部45を有する。
【0032】
環境負荷係数算出部43は、環境負荷係数α´を算出する。環境負荷係数α´は、空気調和機2a、2bの実際の運転内容によって変動する負荷と空気調和機2a,2bが配置された環境によって固定的に定まる負荷とが部品交換時期に与える影響を考慮した係数である。
異常発報係数算出部44は、異常発報係数β´を算出する。異常発報係数β´は、異常発報の回数が部品交換時期に与える影響を考慮した係数である。
【0033】
交換時期判断部45は、空気調和機2a、2bの部品交換時期を判断する。部品交換時期の判断には、既に部品交換時期に達しているかを判定する交換時期判定と将来いつ部品交換時期に達するかを予測する交換時期予測とがある。
[交換時期判定]
交換時期判定においては、交換時期判断部45は、環境負荷係数α´、異常発報係数β´および現在までの空気調和機2a,2bの運転時間Xなどを考慮して、部品交換時期を判断する。交換時期判断部45は、図5に示すように、上記の複数のパラメータおよび以下の式(1)に基づいて、空気調和機2a、2bを構成する部品ごとに部品交換時期に達したか否かを判定する。
【0034】
X×α´×β´>C (1)
なお、Cは、部品の規格等によって定められた基準交換時期である。
以下、各係数および判断の具体的内容について説明する。
〈環境負荷係数の算出〉
環境負荷係数α´は、環境負荷値αから求められる。環境負荷値αは、空気調和機2a、2bの実際の運転内容によって変動する負荷と空気調和機2a,2bが配置された環境によって固定的に定まる負荷とを示すパラメータであり、以下の式(2)によって求められる。
【0035】
α=Atc×Ac+Ath×Ah (2)
AtcおよびAthは負荷温度積算値である。Atcは冷房運転時の負荷温度積算値であり、Athは暖房運転時の負荷温度積算値である。負荷温度積算値Atc,Athは、空気調和機2a,2bの運転によって、交換時期判断の対象となる部品にかかった負荷の大きさを示すパラメータであり、実際に行われた空気調和機2a,2bの運転内容に応じて変動する。負荷温度積算値Atc,Athは、図6に示すように、空気調和機2a,2bの設定温度Tiと室外温度Toとの差の積算値であり、以下の式(3)によって算出される。
【0036】
Atc(Ath)=∫t|To−Ti|dt (3)
Toは室外温度、Tiは設定温度である。設定温度Tiは、管理装置4や集中制御装置3a,3bによって設定された室内温度の目標値や空気調和機2a,2bのユーザによって設定された室内温度の目標値である。なお、設定温度Tiとして実際に検知された室内温度が用いられてもよい。
【0037】
AcおよびAhは、空調負荷である。Acは冷房負荷であり、Ahは暖房負荷である。冷房負荷Acは、室内などの冷房を行う場合に空気調和機が除去しなければならない熱量であり、暖房負荷Ahは、室内などの暖房を行う場合に空気調和機が供給しなければならない熱量である。これらは、空気調和機の設置環境によって固定的に定まる空気調和機に対する負荷である。冷房負荷Acと暖房負荷Ahとは、空気調和機が配置される建物の構造による熱の出入りや、在室者の人数や照明などによる室内で発生する熱などを考慮して算出される。
【0038】
なお、例えば、第1室外機7aの環境負荷値αを算出する場合、複数の室内機6a,6bの環境負荷値αの平均値を第1室外機7aの環境負荷値αとして用いてもよい。
環境負荷係数算出部43は、式(2)によって算出した環境負荷値αに基づいて、図5に示す環境負荷係数α´を算出する。ここで、環境負荷係数算出部43は、環境負荷テーブルを参照して、負荷温度係数α´を決定する。環境負荷テーブルは、例えば、図7に示すように、環境負荷値αの範囲と、その範囲に対応する環境負荷係数α´とを示すテーブルであり、交換時期判断に関して適切な値が経験的に求められて予め定められている。
【0039】
〈異常発報係数の算出〉
異常発報係数算出部44は、記憶部41に記憶された異常発報回数βに基づいて、異常発報係数β´を算出する。異常発報回数βは、運転データなどから空気調和機2a,2bに異常が発生していると判断されて発報された異常発報の回数である。異常発報係数算出部44は、予め定められた異常発報テーブルを参照して、異常発報係数β´を決定する。異常発報テーブルは、例えば図8に示すように、異常発報回数βの範囲と、その範囲に対応する異常発報係数β´とを示すテーブルである。
【0040】
〈部品交換時期の判断〉
部品交換時期判断部45は、環境負荷係数α´、異常発報係数β´、現在までの空気調和機2a、2bの運転時間を考慮して部品交換時期を判断する。具体的には、部品交換時期判断部45は、上述したように、式(1)によって部品交換時期に達したか否かを判定する。
【0041】
X×α´×β´>C (1)
Xは現在までの第1空気調和機2aの運転時間であり、判定の対象となる部品の通算作動時間を示す。現在までの第1空気調和機2aの運転時間Xは、集中制御装置3a,3bから送信され記憶部41に記憶されている。なお、判定の対象となる部品によっては、運転時間ではなく運転回数Yや経過日数Zが考慮される。例えば、図5に示すように、圧縮機や室内ファンモータ等では運転時間Xが考慮され、室内電磁接触器や室外電磁接触器のように断続的に動作する部品では、運転回数Yが考慮される。なお、空気調和機2a,2bの運転時間や運転回数が部品の作動時間や作動回数として利用されてもよく、部品ごとに直接に検知された作動時間や作動回数が利用されてもよい。
【0042】
Cは、部品の規格等によって定められた基準交換時期であり、部品の耐用時間や耐用回数などを示す。基準交換時期Cは、予め記憶部41に記憶されている。
部品交換時期判断部45は、式(1)が満たされる場合には、その部品は交換時期に達していると判定する。すなわち、部品交換時期判断部45は、現在までの空気調和機2a,2bの運転時間Xが基準交換時期Cに達していなくても、環境負荷係数α´や異常発報係数β´を考慮した空気調和機2a,2bの運転時間X×α´×β´が定められた交換時期に達していれば、その部品は交換時期に達していると判定する。なお、部品交換時期判断部45は、例えば、室内ファンモータ64a,64b、圧縮機72、室外ファンモータ76などの空気調和機2a,2bを構成する複数の部品ごとに、その部品の交換時期を判定する。
【0043】
対象となる部品が交換時期に達しているという判定がなされると、管理装置4はその結果をサービスマンや物件の管理者等に通知する。
[交換時期予測]
交換時期予測においては、部品交換時期判断部45は、空気調和機2a,2bは、過去の運転と同様の運転を行うと仮定し、過去の運転データを現在からの運転データ(将来データ)として用いて交換時期の予測を行う。すなわち、部品交換時期判断部45は、1年前の同時期の運転データ等の内容と同じ運転が現在から行われると仮定し、その部品の1年前の同時期の運転データを現在からの運転データとして用いる。具体的には、部品交換時期判断部45は、部品ごとに以下の式(4)を満たすtの値を求めることによって、交換時期を予測する。
【0044】
{X+∫F(t)}≧C (4)
F(t)は、現在からの運転時間の推移と仮定された1年前の運転時間の推移を示す曲線である。なお、運転時間Xに代えて運転回数Y等が用いられてもよい。
また、環境負荷係数α´を考慮して、以下の式(5)を満たすtの値を求めることによって、部品の交換時期が予測されてもよい。
【0045】
{X+∫F(t)}×α´≧C (5)
これにより、実際の運転内容が考慮され、より適切な予測を行うことが可能である。
なお、運転時間X、運転回数Y以外のパラメータを用いて交換時間の予測が行われてもよい。
【0046】
<部品の交換時期判断の手順>
[交換時期判定の手順]
次に、部品の交換時期判定の手順について、図9に基づいて説明する。
まず、ステップS1において、運転データの取得および記憶が行われる。ここでは、管理装置4は、集中制御装置3a,3bから、空気調和機2a,2bの運転時間X、室外温度To、設定温度Ti等を含む運転データを通信回線網INを介して取得する。取得された運転データは、管理装置4の記憶部41に記憶される。
【0047】
次に、ステップS2において、環境負荷係数α´の算出が行われる。ここでは、上述したように、負荷温度積算値Atc,Ath、空調負荷Ac,Ahおよび式(2)によって、環境負荷値αが算出される。そして、環境負荷テーブルが参照されて、算出された環境負荷値αに対応する環境負荷係数α´が算出される。
次に、ステップS3において、異常発報係数β´が算出される。ここでは、管理装置4の記憶部41に記憶されている異常発報回数βに基づいて異常発報係数β´が算出される。つまり、上述したように、異常発報テーブルが参照されて、異常発報回数βに対応する異常発報係数β´が決定される。
【0048】
次に、ステップS4において、部品の交換時期が判定される。ここでは、現在までの第1空気調和機2aの運転時間X、環境負荷係数α´、異常発報係数β´、基準交換時期Cおよび式(1)によって、ある部品が交換時期に達したか否かが判定される。
そして、ある部品が交換時期に達していると判定された場合には、ステップS5において、その部品が交換時期に達している旨の通知が行われる。
【0049】
次に具体例として、圧縮機72の交換時期の判定を説明する。圧縮機72は、ある地域に存在する物件に配置された第1空気調和機2aの第1室外機7aに配置されている。圧縮機72の基準交換時期Cは、1200000分である。
管理装置4は、第1集中制御装置3aから、第1空気調和機2aの運転時間X、室外温度To、設定温度Tiを含む運転データを通信回線網INを介して取得する。この例では、圧縮機72の運転時間Xは953000分である。従って、基準交換時期Cと運転時間Xとを単純に比較すると、圧縮機72の運転時間Xはまだ基準交換時期Cには達していない。また、管理装置4が運転データに基づいて環境負荷値αを算出すると、α=53000000000であった。管理装置4は、図7に示す環境負荷テーブルを参照して、環境負荷係数α´=1.3と算出する。また、圧縮機72に関する異常発報回数β=10であった。これから、管理装置4は、図8に示す異常発報テーブルを参照して、異常発報係数β´=1.05と算出する。これより、X×α´×β´=1300845となり、基準交換時期Cの1200000より大きい。すなわち、式(1)が成り立つ。従って、圧縮機72は交換時期に達していると判定される。
【0050】
さらに具体例として、室内ファンモータ64aの交換時期の判定を説明する。室内ファンモータ64aは、第1空気調和機2aの第1室内機6aに配置されている。室内ファンモータ64aの基準交換時期Cは、1800000分である。
管理装置4は、第1集中制御装置3aから、第1空気調和機2aの運転時間X、室外温度To、設定温度Tiを含む運転データを通信回線網INを介して取得する。この例では、室内ファンモータ64aの運転時間Xは1364000分である。従って、基準交換時期Cと運転時間Xとを単純に比較すると、室内ファンモータ64aの運転時間Xはまだ基準交換時期Cには達していない。また、管理装置4が運転データに基づいて環境負荷値αを算出すると、α=21000000000であることが分かった。これより、管理装置4は、図7に示す環境負荷テーブルを参照して、環境負荷係数α´=1.2と算出する。また、室内ファンモータ64aに関する異常発報回数β=21であった。これから、管理装置4は、図8に示す異常発報テーブルを参照して、異常発報係数β´=1.1と算出する。これより、X×α´×β´=1800480となり、基準交換時期Cの1800000より大きい。すなわち、式(1)が成り立つ。従って、室内ファンモータ64aは交換時期に達していると判定される。
【0051】
なお、交換時期判定の対象となる部品は、上記の具体例のような圧縮機72、室内ファンモータ64aに限られるものではない。例えば、室外ファンモータ76や室内電磁接触器66a,66b、室外電磁接触器78などの他の部品も対象となる。
[交換時期予測の手順]
次に、部品の交換時期予測の手順について、図10に基づいて説明する。
【0052】
まず、ステップS10において、運転データの取得および記憶が行われる。ここでは、管理装置4は、集中制御装置3a,3bから、空気調和機2a,2bの運転時間X、運転回数Y等を含む運転データを通信回線網INを介して取得する。そして、運転時間Xや運転回数Y等の1週間毎の積算値が部品毎に記憶部41に記憶される。
【0053】
次にステップS11において、交換時期の予測が行われる。ここでは、管理装置4は、上述した式(4)によって、交換時期の予測を行う。すなわち、管理装置4は、基準交換時期Cと現在までの運転時間X(運転回数Y)の積算値との差を求めることによって、部品交換時期に達するまでの残り運転時間(運転回数)を算出する。そして、1年前の同時期の運転時間(運転回数)の推移から、残り運転時間(運転回数)に達する時期を求める。これにより、部品の交換時期が予測される。
【0054】
そして、ステップS12において、その部品の予測交換時期が通知される。
次に具体例として、室外電磁接触器78の交換時期の予測を説明する。室外電磁接触器78は、ある地域に存在する物件に配置された第1空気調和機2aの第1室外機7aに配置されている。室外電磁接触器78は、接点の開閉により圧縮機72へのスイッチングを行うため、動作回数によって交換時期が判断される。なお、室外電磁接触器78の基準交換時期Cは、250000回であり、現在は2003年4月1日であるとする。
【0055】
まず、管理装置4が記憶している運転データから現在までの運転回数Yは237426回であることが分かる。従って、基準交換時期Cと現在までの運転回数Yとを単純に比較した場合には、現在までの運転回数Yは基準交換時期Cに達していない。次に、現在までの運転回数Yと基準交換時期Cとから、残り運転回数は12574回であると算出される。そして、図11(a)に示すような1年前の2002年4月の1週目以降の運転回数の推移を示す曲線を参照して、2003年4月の1週目以降も同じ曲線で運転回数が推移すると仮定する(図11(b)の破線部分参照)。そして、2002年4月の1週目以降の運転回数の推移を示す曲線から、4月1週目以降の運転回数が12574回となる時期を算出する。これにより、図11(b)に示すように9月の4週目に運転回数が12574回に達することが求められる。以上から、2003年9月の4週目が部品交換時期として予測される。
【0056】
なお、交換時期判定の対象となる部品は、室外電磁接触器78に限られるものではない。室内電磁接触器66a,66b、室外ファンモータ76、圧縮機72、室内ファンモータ64a,64bなどの他の部品も対象となる。
<特徴>
(1)
従来の部品の交換時期判断においては、部品の作動時間や回数、異常発報、修理の回数などから交換すべき時期を判断している。しかし、猛暑に設定温度を低くしたような負荷の大きい過酷な運転と、室外温度と設定温度との差が僅かな場合のような負荷の小さい運転とを比べた場合、このような従来の判断では、両者を同様の運転とみなして交換時期を判断してしまい、正確な交換時期を判断することは困難である。
【0057】
しかし、この設備機器管理システム1では、空気調和機2a,2bの部品が実際に受ける負荷として負荷温度積算値Atc,Athが考慮されて、交換時期に達したか否かが判定される。このため、より正確に部品の交換時期を判断することができる。すなわち、具体例で示したように、従来のような判断が行われた場合には、圧縮機72や室内ファンモータ64aは交換時期に達していないと判定されるが、この設備機器管理システム1のような交換時期の判定によれば、圧縮機72や室内ファンモータ64aが過酷な運転によって既に交換時期に達していることを看過することができる。
【0058】
(2)
この設備機器管理システム1では、空気調和機2a,2bの部品が実際に受ける負荷としての負荷温度積算値Atc,Athと、空気調和機2a,2bの配置環境によって固定的に定められる空調負荷Ac,Ahとを考慮して、交換時期が判定される。このため、空気調和機2a,2bが配置される環境毎にきめ細かく正確に部品の交換時期を判定することができる。
【0059】
(3)
この設備機器管理システム1では、空気調和機2a,2bが過去と同様の運転を行うと仮定して、交換が必要な部品の時期が予測される。このため、部品交換時期の予測をより適切に行うことができる。
また、予測が適切に行われることにより、サービスマンが部品交換を行うために現地に赴く年間計画を予め立てることが容易となる。
【0060】
(4)
この設備機器管理システム1では、1年前の運転データが用いられて部品の交換時期が予測される。設備機器の運転内容は、過去と同様の推移を示すことがある。特に、空気調和機では、運転内容が季節ごとに同様に推移することが多い。従って、この設備機器管理システム1では、1年前の運転データを用いることにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0061】
なお、1年前の運転データに限らず、推移が近似していると考えられる他の時期の過去の運転データが用いられてもよい。しかし、数年前ではなく1年前の運転データが用いられることにより、使用状況が年々変化する場合においても、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0062】
【発明の効果】
請求項1に記載の部品交換時期予測装置では、過去データが、パラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いられて、交換時期が予測される。設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータには、過去の推移と類似の推移を行うものがある。従って、このようなパラメータの場合、過去データは、現在からの推移を示す将来データと類似する可能性が高い。このため、この部品交換時期予測装置では、過去データを用いて交換時期を予測することにより、適切に部品交換時期を予測することができる。
【0063】
請求項2に記載の部品交換時期予測装置では、将来データとして1年前の同時期の過去データが用いられる。設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータには、同じ季節では同じ推移を示すものがある。従って、このようなパラメータの場合、1年前の同時期の過去データは、現在からの推移を示す将来データと類似する可能性がより高い。このため、この部品交換時期予測装置では、1年前の同時期の過去データを用いて交換時期を予測することにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0064】
請求項3に記載の部品交換時期予測装置では、パラメータの積算値が所定値に達する時期を算出することにより、交換時期を予測する。一般に、部品交換時期は、パラメータの積算値の影響を受けることが多い。例えば、部品の疲労や消耗は、部品に対して累積的に与えられる負荷の影響を受け易い。従って、この部品交換時期予測装置では、パラメータの積算値が所定値に達する時期を算出することにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0065】
請求項4に記載の部品交換時期予測装置では、設備機器の運転時間の積算値が考慮されて、部品交換時期が判断される。設備機器の部品には、交換時期に関して運転時間の積算値の影響を受けるものがある。従って、運転時間の積算値の影響を受ける部品に関しては、運転時間の積算値が考慮されることにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0066】
請求項5に記載の部品交換時期予測装置では、設備機器の運転回数の積算値が考慮されて、部品交換時期が判断される。設備機器の部品には、交換時期に関して運転回数の積算値の影響を受けるものがある。従って、運転回数の積算値の影響を受ける部品に関しては、運転回数の積算値が考慮されることにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0067】
請求項6に記載の部品交換時期予測装置では、設備機器を構成する部品ごとに、過去データが記憶されて交換時期が予測される。このため、部品ごとにきめ細かく適切に交換時期を予測することができる。
請求項7に記載の部品交換時期予測装置では、空気調和機の部品交換時期の予測に関して、過去データが用いられて交換時期が予測される。一般に、空気調和機では、季節ごとに同様の運転が行われることが多い。従って、この部品交換時期予測装置では、過去データが用いられて交換時期が予測されることによって、より適切に交換時期を予測することができる。
【0068】
請求項8に記載の部品交換時期予測方法では、過去データが、パラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いられて、交換時期が予測される。設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータには、過去の推移と類似の推移を行うものがある。従って、このようなパラメータの場合、過去データは、現在からの推移を示す将来データと類似する可能性が高い。このため、この部品交換時期予測方法では、過去データを用いて交換時期を予測することにより、適切に部品交換時期を予測することができる。
【0069】
請求項9に記載の部品交換時期予測システムでは、過去データが、パラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いられて、交換時期が予測される。設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータには、過去の推移と類似の推移を行うものがある。従って、このようなパラメータの場合、過去データは、現在からの推移を示す将来データと類似する可能性が高い。このため、この部品交換時期予測システムでは、過去データを用いて交換時期を予測することにより、適切に部品交換時期を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】設備機器管理システムの全体図。
【図2】空気調和機の構成図。
【図3】設備機器管理システムの制御ブロック図。
【図4】管理装置の構成を示す制御ブロック図。
【図5】部品交換時期の判断で用いられるパラメータの表。
【図6】負荷温度積算値の算出を示すグラフ。
【図7】環境負荷テーブルを示す図。
【図8】異常発報テーブルを示す図。
【図9】部品交換時期の判定方法を示すフローチャート。
【図10】部品交換時期の予測方法を示すフローチャート。
【図11】(a)1年前の運転回数の推移曲線を示す図。
(b)現在からの運転回数の予測を示す図。
【符号の説明】
1 設備機器管理システム(部品交換時期予測システム)
2a,2b 空気調和機(設備機器)
3a,3b 集中制御装置(制御装置)
4 管理装置(部品交換時期予測装置)
41 記憶部
42 管理部(予測部)
66a,66b 室内ファンモータ(部品)
72 圧縮機(部品)
78 室外電磁接触器(部品)
C 基準交換時期(所定値)
X 運転時間
Y 運転回数
S10 第1ステップ
S11 第2ステップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、部品交換時期予測装置、部品交換時期予測方法および部品交換時期予測システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、対象物件に配置された設備機器の部品の交換時期を予測する部品交換時期予測装置が現れている。例えば、ビルに配置された複数の設備機器を管理する管理装置があり、この管理装置は、各種のパラメータを用いた判定式によって、設備機器の部品交換時期を予測している(特許文献1参照)。この管理装置では、まず、設備機器の作動回数などの過去のデータが判定式に代入されて一次直線が算出される。そして、判定式の一次直線のグラフが延長され、判定式の値が所定値になる時期が部品交換時期として算出される。
【0003】
【特許文献1】
特許第3140676号明細書(第10頁、第16図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、設備機器の運転状況は、一次直線で描けるような単純なものではなく曲線的に変化することが多い。例えば、空気調和機では、夏の暑い気候の日には長時間の運転が行われ、春や秋などの穏やかな気候の日には短時間の運転が行われる。このため、空気調和機の運転状況は、一次直線的に表されるものではなく、1年を通して曲線的に変化する。このような場合に、一次直線的な判定式によって部品交換時期が予測されると、適切な部品交換時期を予測することは困難である。
【0005】
本発明の課題は、適切に部品交換時期を予測することができる部品交換時期予測装置、部品交換時期予測方法および部品交換時期予測システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の部品交換時期予測装置は、記憶部と予測部とを備える。記憶部は、過去データを記憶する。過去データは、設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータの過去の推移を示す。予測部は、過去データをパラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いて交換時期を予測する。
【0007】
この部品交換時期予測装置では、過去データが、パラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いられて、交換時期が予測される。設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータには、過去の推移と類似の推移を行うものがある。従って、このようなパラメータの場合、過去データは、現在からの推移を示す将来データと類似する可能性が高い。このため、この部品交換時期予測装置では、過去データを用いて交換時期を予測することにより、適切に部品交換時期を予測することができる。
【0008】
請求項2に記載の部品交換時期予測装置は、請求項1に記載の部品交換時期予測装置であって、予測部は、将来データとして1年前の同時期の過去データを用いる。
この部品交換時期予測装置では、将来データとして1年前の同時期の過去データが用いられる。設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータには、同じ季節では同じ推移を示すものがある。従って、このようなパラメータの場合、1年前の同時期の過去データは、現在からの推移を示す将来データと類似する可能性がより高い。このため、この部品交換時期予測装置では、1年前の同時期の過去データを用いて交換時期を予測することにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0009】
請求項3に記載の部品交換時期予測装置は、請求項1または2に記載の部品交換時期予測装置であって、予測部は、将来データからパラメータの積算値を算出し、積算値が部品の交換が必要な所定値に達する時期を算出することにより、交換時期を予測する。
この部品交換時期予測装置では、パラメータの積算値が所定値に達する時期を算出することにより、交換時期を予測する。一般に、部品交換時期は、パラメータの積算値の影響を受けることが多い。例えば、部品の疲労や消耗は、部品に対して累積的に与えられる負荷の影響を受け易い。従って、この部品交換時期予測装置では、パラメータの積算値が所定値に達する時期を算出することにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0010】
請求項4に記載の部品交換時期予測装置は、請求項3に記載の交換時期予測装置であって、パラメータは、設備機器の運転時間である。
この部品交換時期予測装置では、設備機器の運転時間の積算値が考慮されて、部品交換時期が判断される。設備機器の部品には、交換時期に関して運転時間の積算値の影響を受けるものがある。従って、運転時間の積算値の影響を受ける部品に関しては、運転時間の積算値が考慮されることにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0011】
請求項5に記載の部品交換時期予測装置は、請求項3に記載の部品交換時期予測装置であって、パラメータは、設備機器の運転回数である。
この部品交換時期予測装置では、設備機器の運転回数の積算値が考慮されて、部品交換時期が判断される。設備機器の部品には、交換時期に関して運転回数の積算値の影響を受けるものがある。従って、運転回数の積算値の影響を受ける部品に関しては、運転回数の積算値が考慮されることにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0012】
請求項6に記載の部品交換時期予測装置は、請求項1から5のいずれかに記載の交換時期予測装置であって、設備機器は複数の部品によって構成される。記憶部は、複数の部品ごとの過去データを記憶する。また、予測部は、複数の部品ごとに交換時期を予測する。
この部品交換時期予測装置では、設備機器を構成する部品ごとに、過去データが記憶されて交換時期が予測される。このため、部品ごとにきめ細かく適切に交換時期を予測することができる。
【0013】
請求項7に記載の部品交換時期予測装置は、請求項1から6のいずれかに記載の部品交換時期予測装置であって、設備機器は、空気調和機である。
この部品交換時期予測装置では、空気調和機の部品交換時期の予測に関して、過去データが用いられて交換時期が予測される。一般に、空気調和機では、季節ごとに同様の運転が行われることが多い。従って、この部品交換時期予測装置では、過去データが用いられて交換時期が予測されることによって、より適切に交換時期を予測することができる。
【0014】
請求項8に記載の部品交換時期予測方法は、第1ステップと第2ステップとを備える。第1ステップでは、設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータの過去の推移を示す過去データを記憶する。第2ステップでは、過去データをパラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いて交換時期を予測する。
【0015】
この部品交換時期予測方法では、過去データが、パラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いられて、交換時期が予測される。設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータには、過去の推移と類似の推移を行うものがある。従って、このようなパラメータの場合、過去データは、現在からの推移を示す将来データと類似する可能性が高い。このため、この部品交換時期予測方法では、過去データを用いて交換時期を予測することにより、適切に部品交換時期を予測することができる。
【0016】
請求項9に記載の部品交換時期予測システムは、複数の設備機器と、請求項1から7のいずれかに記載の部品交換時期予測装置と、制御装置とを備える。制御装置は、設備機器および部品交換時期予測装置と接続され、設備機器から過去データを受け取り部品交換時期予測装置へと送信する。
この部品交換時期予測システムでは、過去データが、パラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いられて、交換時期が予測される。設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータには、過去の推移と類似の推移を行うものがある。従って、このようなパラメータの場合、過去データは、現在からの推移を示す将来データと類似する可能性が高い。このため、この部品交換時期予測システムでは、過去データを用いて交換時期を予測することにより、適切に部品交換時期を予測することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
<システム全体の構成>
本発明の一実施形態にかかる設備機器管理システム1の構成を表す図を図1に示す。
この設備機器管理システム1は、管理対象である物件内の空調を行う空気調和機2a,2bを集中制御装置3a,3bでそれぞれ制御すると共に、空気調和機2a,2bを遠隔監視センタ内の管理装置4で遠隔から管理するシステムである。
【0018】
設備機器管理システム1は、主として、第1空気調和機2a、第1集中制御装置3a、第2空気調和機2b、第2集中制御装置3bおよび管理装置4により構成される。第1空気調和機2aと第1集中制御装置3aとは、互いに接続されており、同じ物件に配置されている。第2空気調和機2bと第2集中制御装置3bとは、互いに接続されており、第1空気調和機2a等とは異なる同じ物件に配置されている。また、第1集中制御装置3aと第2集中制御装置3bとは、それぞれインターネット等の通信回線網INを介して管理装置4に接続されている。なお、設備機器管理システム1を構成する空気調和機および集中制御装置の数はこれらに限られるものではない。また、設備機器管理システム1は、空気調和機2b、2b以外の設備機器を備えるものであってもよい。
【0019】
<空気調和機の構成>
空気調和機2a,2bは、ビルや工場等の物件に配置され室内の空気調和を行う。上述したように、空気調和機2a,2bには第1空気調和機2aと第2空気調和機2bとがあり、それぞれ異なる物件に配置されている。以下、第1空気調和機2aの構成について説明するが、第2空気調和機2bについても同様の構成である。
【0020】
第1空気調和機2aは、複数の室内機6a,6bと第1室外機7aとを有する。
室内機6a,6bおよび第1室外機7aの構成を示す概略図を図2に示す。室内機6a,6bには、第1室内機6aと第2室内機6bとがあり、それぞれ物件の室内に配置される。
【0021】
第1室内機6aは、室内熱交換器60a、室内ファン61a、電動弁62a、室内制御部63a(図3参照)、室内電磁接触器66a(図3参照)等を有している。室内熱交換器60aは、電動弁62aや室外熱交換器70等と共に冷媒回路を構成し、室内へと送られる空気と冷媒との間で熱交換を行う。室内ファン61aは、室内ファンモータ64aによって駆動され、室内へと送られる空気の流れを生成する。室内制御部63aは、室内ファンモータ64a、電動弁62a、室温サーミスタ65a等の各種のセンサ、室内電磁接触器66aと接続されており、第1室内機6aの制御を行う。
【0022】
第2室内機6bも同様に、室内熱交換器60b、室内ファン61b、電動弁62b、室内制御部63b、室内ファンモータ64b、室温サーミスタ65b、室内電磁接触器66b等を有している。
第1室外機7aは、室外熱交換器70、アキュムレータ71、圧縮機72、四路切換弁73等の冷媒回路構成部品、室外ファン74、室外制御部75(図3参照)、室外電磁接触器78(図3参照)等を有している。室外熱交換器70は、アキュムレータ71、圧縮機72、四路切換弁73等の冷媒回路構成部品と共に冷媒回路を構成し、室外の空気と冷媒との間で熱交換を行う。圧縮機72等は、電力によって駆動され、冷媒を循環させる。室外ファン74は、室外ファンモータ76によって駆動され、室外から取り込まれ室外熱交換器70を通る空気の流れを生成する。室外制御部75は、圧縮機72、四路切換弁73、室外ファンモータ76、室外温度サーミスタ77などの各種のセンサ、室外電磁接触器78等と接続されており、第1室外機7aの制御を行う。
【0023】
第2空気調和機2bも同様に、第3室内機6c、第4室内機6dおよび第2室外機7bを有しており、上記と同様の構成である。
なお、空気調和機2a,2bを構成する室内機や室外機の数はこれに限られるものではなく、より多く又はより少ない室内機や室外機によって構成されてもよい。
【0024】
<集中制御装置の構成>
集中制御装置3a,3bは、空気調和機2a,2bと通信線によりそれぞれ接続され、空気調和機2a,2bの集中制御を行う。集中制御装置3a,3bは、遠隔監視センタ内の管理装置4と制御信号の送受信を行う。また、上述したように、集中制御装置3a,3bには、第1集中制御装置3aと第2集中制御装置3bとがある。第1集中制御装置3aは、第1空気調和機2aと接続されており、複数の室内機6a,6bおよび第1室外機7aを集中制御する。第1集中制御装置3aは、第1空気調和機2aが配置されている物件内の管理室などに配置されている。第2集中制御装置3bは、第2空気調和機2bと接続されており、第2空気調和機2bが配置されている物件内の管理室などに配置されている。以下、第1集中制御装置3aについて説明するが、第2集中制御装置3bについても同様の構成である。
【0025】
第1集中制御装置3aは、図3に示すように、記憶部30a、通信部31a、集中制御部32aを有する。
記憶部30aは、一定時間毎、例えば1分毎に第1空気調和機2aから検出された運転データを記憶する。この運転データは、第1空気調和機2aの室内機6a,6bおよび第1室外機7aの運転時間や運転回数、室外温度、室内温度、第1空気調和機2aで実行された制御内容、第1空気調和機2aの消費電力などである。また、記憶部30aには、管理装置4から送信された第1空気調和機2aの制御内容が記憶される。
【0026】
通信部31aは、管理装置4の通信部40とデータ信号の送受信を行う部分である。通信部31aは、管理装置4とインターネットINを介して接続されており、第1空気調和機2aの運転データをインターネットINを介して管理装置4へと送信する。また、通信部31aは、管理装置4から送信された第1空気調和機2aの制御内容を受信する。
【0027】
集中制御部32aは、管理装置4から送信された制御内容に基づいて、第1空気調和機2aの室外制御部75や室内制御部63a,63bへと制御信号を送信することにより、第1空気調和機2aの集中制御を行う。また、集中制御部32aは、記憶部30aに蓄積された運転データを一定時間毎に、例えば1時間毎にまとめて通信部31aから管理装置4へと送信する。
【0028】
<管理装置の構成>
管理装置4は、集中制御装置3a,3bに接続された空気調和機2a,2bの管理を行う装置であり、空気調和機2a,2bが配置された物件から離れた遠隔監視センタ内に配置される。管理装置4が行う管理の内容としては、異常監視、最適自動制御、報告書自動作成等がある。異常監視は、集中制御装置3a,3bから送られる空気調和機2a,2bの運転データから空気調和機2a,2bに異常が発生しているか否かを判断し、異常が発生している場合には異常発報を行って物件の管理者等に通知するという管理内容である。また、管理装置4は、空気調和機2a,2bを構成する部品の交換時期を判断する部品交換時期判断も行う。部品交換時期判断については後に詳細に説明する。最適自動制御は、種々の条件で空気調和機2a,2bを最適に制御するものであり、省エネ制御やデマンド制御がある。省エネ制御は、一定量の消費電力が削減されるように空気調和機2a,2bに対して省エネルギ制御を自動的に行うという制御である。電力デマンド制御は、空気調和機2a,2bの最大需要電力を契約電力あるいは管理目標電力に抑える制御である。報告書自動作成は、最適自動制御の運用効果などをまとめた報告書を自動的に作成し定期的に物件の所有者や管理者等に送るという管理内容である。
【0029】
管理装置4は、主として、通信部40、記憶部41、管理部42を有している。
通信部40は、第1集中制御装置3aの通信部31aや第2集中制御装置3bの通信部等とのデータ信号の送受信を行い、運転データなどの空気調和機2a,2bに関する情報を取得する。通信部40は、所定時間ごとに集中制御装置3a,3bから送信される運転データ等を通信回線網INを介して受信する。また、通信部40は、管理部42が作成した空気調和機2a,2bの制御内容を集中制御装置3a,3bへと送信する。
【0030】
記憶部41は、集中制御装置3a,3bから送信された空気調和機2a,2bの運転データ、制御内容の判断に用いられる制御ロジック等を記憶する。これらのパラメータは、集中制御装置3a,3bから一定期間ごとに送信され、記憶部41は、これらのデータをパラメータの過去の推移を示す過去データとして記憶して蓄積する。この場合、記憶部41は、運転時間、運転回数などの1週間毎の積算値を冷房・暖房の別と共に部品ごとに記憶する。
【0031】
管理部42は、集中制御装置3a,3bから送られる運転データに基づいて、空気調和機2a,2bに関して異常監視、最適自動制御、報告書自動作成等の管理を行う。また、管理部42は、空気調和機2a,2bの部品の交換時期を判断することができる。なお、部品交換時期とは、空気調和機2a,2bを構成する部品の劣化や消耗などによって部品の故障が生じ得る時期であり、故障の発生を予防するために交換を行うことが望ましい時期である。管理部42は、図4に示すように、環境負荷係数算出部43、異常発報係数算出部44、交換時期判断部45を有する。
【0032】
環境負荷係数算出部43は、環境負荷係数α´を算出する。環境負荷係数α´は、空気調和機2a、2bの実際の運転内容によって変動する負荷と空気調和機2a,2bが配置された環境によって固定的に定まる負荷とが部品交換時期に与える影響を考慮した係数である。
異常発報係数算出部44は、異常発報係数β´を算出する。異常発報係数β´は、異常発報の回数が部品交換時期に与える影響を考慮した係数である。
【0033】
交換時期判断部45は、空気調和機2a、2bの部品交換時期を判断する。部品交換時期の判断には、既に部品交換時期に達しているかを判定する交換時期判定と将来いつ部品交換時期に達するかを予測する交換時期予測とがある。
[交換時期判定]
交換時期判定においては、交換時期判断部45は、環境負荷係数α´、異常発報係数β´および現在までの空気調和機2a,2bの運転時間Xなどを考慮して、部品交換時期を判断する。交換時期判断部45は、図5に示すように、上記の複数のパラメータおよび以下の式(1)に基づいて、空気調和機2a、2bを構成する部品ごとに部品交換時期に達したか否かを判定する。
【0034】
X×α´×β´>C (1)
なお、Cは、部品の規格等によって定められた基準交換時期である。
以下、各係数および判断の具体的内容について説明する。
〈環境負荷係数の算出〉
環境負荷係数α´は、環境負荷値αから求められる。環境負荷値αは、空気調和機2a、2bの実際の運転内容によって変動する負荷と空気調和機2a,2bが配置された環境によって固定的に定まる負荷とを示すパラメータであり、以下の式(2)によって求められる。
【0035】
α=Atc×Ac+Ath×Ah (2)
AtcおよびAthは負荷温度積算値である。Atcは冷房運転時の負荷温度積算値であり、Athは暖房運転時の負荷温度積算値である。負荷温度積算値Atc,Athは、空気調和機2a,2bの運転によって、交換時期判断の対象となる部品にかかった負荷の大きさを示すパラメータであり、実際に行われた空気調和機2a,2bの運転内容に応じて変動する。負荷温度積算値Atc,Athは、図6に示すように、空気調和機2a,2bの設定温度Tiと室外温度Toとの差の積算値であり、以下の式(3)によって算出される。
【0036】
Atc(Ath)=∫t|To−Ti|dt (3)
Toは室外温度、Tiは設定温度である。設定温度Tiは、管理装置4や集中制御装置3a,3bによって設定された室内温度の目標値や空気調和機2a,2bのユーザによって設定された室内温度の目標値である。なお、設定温度Tiとして実際に検知された室内温度が用いられてもよい。
【0037】
AcおよびAhは、空調負荷である。Acは冷房負荷であり、Ahは暖房負荷である。冷房負荷Acは、室内などの冷房を行う場合に空気調和機が除去しなければならない熱量であり、暖房負荷Ahは、室内などの暖房を行う場合に空気調和機が供給しなければならない熱量である。これらは、空気調和機の設置環境によって固定的に定まる空気調和機に対する負荷である。冷房負荷Acと暖房負荷Ahとは、空気調和機が配置される建物の構造による熱の出入りや、在室者の人数や照明などによる室内で発生する熱などを考慮して算出される。
【0038】
なお、例えば、第1室外機7aの環境負荷値αを算出する場合、複数の室内機6a,6bの環境負荷値αの平均値を第1室外機7aの環境負荷値αとして用いてもよい。
環境負荷係数算出部43は、式(2)によって算出した環境負荷値αに基づいて、図5に示す環境負荷係数α´を算出する。ここで、環境負荷係数算出部43は、環境負荷テーブルを参照して、負荷温度係数α´を決定する。環境負荷テーブルは、例えば、図7に示すように、環境負荷値αの範囲と、その範囲に対応する環境負荷係数α´とを示すテーブルであり、交換時期判断に関して適切な値が経験的に求められて予め定められている。
【0039】
〈異常発報係数の算出〉
異常発報係数算出部44は、記憶部41に記憶された異常発報回数βに基づいて、異常発報係数β´を算出する。異常発報回数βは、運転データなどから空気調和機2a,2bに異常が発生していると判断されて発報された異常発報の回数である。異常発報係数算出部44は、予め定められた異常発報テーブルを参照して、異常発報係数β´を決定する。異常発報テーブルは、例えば図8に示すように、異常発報回数βの範囲と、その範囲に対応する異常発報係数β´とを示すテーブルである。
【0040】
〈部品交換時期の判断〉
部品交換時期判断部45は、環境負荷係数α´、異常発報係数β´、現在までの空気調和機2a、2bの運転時間を考慮して部品交換時期を判断する。具体的には、部品交換時期判断部45は、上述したように、式(1)によって部品交換時期に達したか否かを判定する。
【0041】
X×α´×β´>C (1)
Xは現在までの第1空気調和機2aの運転時間であり、判定の対象となる部品の通算作動時間を示す。現在までの第1空気調和機2aの運転時間Xは、集中制御装置3a,3bから送信され記憶部41に記憶されている。なお、判定の対象となる部品によっては、運転時間ではなく運転回数Yや経過日数Zが考慮される。例えば、図5に示すように、圧縮機や室内ファンモータ等では運転時間Xが考慮され、室内電磁接触器や室外電磁接触器のように断続的に動作する部品では、運転回数Yが考慮される。なお、空気調和機2a,2bの運転時間や運転回数が部品の作動時間や作動回数として利用されてもよく、部品ごとに直接に検知された作動時間や作動回数が利用されてもよい。
【0042】
Cは、部品の規格等によって定められた基準交換時期であり、部品の耐用時間や耐用回数などを示す。基準交換時期Cは、予め記憶部41に記憶されている。
部品交換時期判断部45は、式(1)が満たされる場合には、その部品は交換時期に達していると判定する。すなわち、部品交換時期判断部45は、現在までの空気調和機2a,2bの運転時間Xが基準交換時期Cに達していなくても、環境負荷係数α´や異常発報係数β´を考慮した空気調和機2a,2bの運転時間X×α´×β´が定められた交換時期に達していれば、その部品は交換時期に達していると判定する。なお、部品交換時期判断部45は、例えば、室内ファンモータ64a,64b、圧縮機72、室外ファンモータ76などの空気調和機2a,2bを構成する複数の部品ごとに、その部品の交換時期を判定する。
【0043】
対象となる部品が交換時期に達しているという判定がなされると、管理装置4はその結果をサービスマンや物件の管理者等に通知する。
[交換時期予測]
交換時期予測においては、部品交換時期判断部45は、空気調和機2a,2bは、過去の運転と同様の運転を行うと仮定し、過去の運転データを現在からの運転データ(将来データ)として用いて交換時期の予測を行う。すなわち、部品交換時期判断部45は、1年前の同時期の運転データ等の内容と同じ運転が現在から行われると仮定し、その部品の1年前の同時期の運転データを現在からの運転データとして用いる。具体的には、部品交換時期判断部45は、部品ごとに以下の式(4)を満たすtの値を求めることによって、交換時期を予測する。
【0044】
{X+∫F(t)}≧C (4)
F(t)は、現在からの運転時間の推移と仮定された1年前の運転時間の推移を示す曲線である。なお、運転時間Xに代えて運転回数Y等が用いられてもよい。
また、環境負荷係数α´を考慮して、以下の式(5)を満たすtの値を求めることによって、部品の交換時期が予測されてもよい。
【0045】
{X+∫F(t)}×α´≧C (5)
これにより、実際の運転内容が考慮され、より適切な予測を行うことが可能である。
なお、運転時間X、運転回数Y以外のパラメータを用いて交換時間の予測が行われてもよい。
【0046】
<部品の交換時期判断の手順>
[交換時期判定の手順]
次に、部品の交換時期判定の手順について、図9に基づいて説明する。
まず、ステップS1において、運転データの取得および記憶が行われる。ここでは、管理装置4は、集中制御装置3a,3bから、空気調和機2a,2bの運転時間X、室外温度To、設定温度Ti等を含む運転データを通信回線網INを介して取得する。取得された運転データは、管理装置4の記憶部41に記憶される。
【0047】
次に、ステップS2において、環境負荷係数α´の算出が行われる。ここでは、上述したように、負荷温度積算値Atc,Ath、空調負荷Ac,Ahおよび式(2)によって、環境負荷値αが算出される。そして、環境負荷テーブルが参照されて、算出された環境負荷値αに対応する環境負荷係数α´が算出される。
次に、ステップS3において、異常発報係数β´が算出される。ここでは、管理装置4の記憶部41に記憶されている異常発報回数βに基づいて異常発報係数β´が算出される。つまり、上述したように、異常発報テーブルが参照されて、異常発報回数βに対応する異常発報係数β´が決定される。
【0048】
次に、ステップS4において、部品の交換時期が判定される。ここでは、現在までの第1空気調和機2aの運転時間X、環境負荷係数α´、異常発報係数β´、基準交換時期Cおよび式(1)によって、ある部品が交換時期に達したか否かが判定される。
そして、ある部品が交換時期に達していると判定された場合には、ステップS5において、その部品が交換時期に達している旨の通知が行われる。
【0049】
次に具体例として、圧縮機72の交換時期の判定を説明する。圧縮機72は、ある地域に存在する物件に配置された第1空気調和機2aの第1室外機7aに配置されている。圧縮機72の基準交換時期Cは、1200000分である。
管理装置4は、第1集中制御装置3aから、第1空気調和機2aの運転時間X、室外温度To、設定温度Tiを含む運転データを通信回線網INを介して取得する。この例では、圧縮機72の運転時間Xは953000分である。従って、基準交換時期Cと運転時間Xとを単純に比較すると、圧縮機72の運転時間Xはまだ基準交換時期Cには達していない。また、管理装置4が運転データに基づいて環境負荷値αを算出すると、α=53000000000であった。管理装置4は、図7に示す環境負荷テーブルを参照して、環境負荷係数α´=1.3と算出する。また、圧縮機72に関する異常発報回数β=10であった。これから、管理装置4は、図8に示す異常発報テーブルを参照して、異常発報係数β´=1.05と算出する。これより、X×α´×β´=1300845となり、基準交換時期Cの1200000より大きい。すなわち、式(1)が成り立つ。従って、圧縮機72は交換時期に達していると判定される。
【0050】
さらに具体例として、室内ファンモータ64aの交換時期の判定を説明する。室内ファンモータ64aは、第1空気調和機2aの第1室内機6aに配置されている。室内ファンモータ64aの基準交換時期Cは、1800000分である。
管理装置4は、第1集中制御装置3aから、第1空気調和機2aの運転時間X、室外温度To、設定温度Tiを含む運転データを通信回線網INを介して取得する。この例では、室内ファンモータ64aの運転時間Xは1364000分である。従って、基準交換時期Cと運転時間Xとを単純に比較すると、室内ファンモータ64aの運転時間Xはまだ基準交換時期Cには達していない。また、管理装置4が運転データに基づいて環境負荷値αを算出すると、α=21000000000であることが分かった。これより、管理装置4は、図7に示す環境負荷テーブルを参照して、環境負荷係数α´=1.2と算出する。また、室内ファンモータ64aに関する異常発報回数β=21であった。これから、管理装置4は、図8に示す異常発報テーブルを参照して、異常発報係数β´=1.1と算出する。これより、X×α´×β´=1800480となり、基準交換時期Cの1800000より大きい。すなわち、式(1)が成り立つ。従って、室内ファンモータ64aは交換時期に達していると判定される。
【0051】
なお、交換時期判定の対象となる部品は、上記の具体例のような圧縮機72、室内ファンモータ64aに限られるものではない。例えば、室外ファンモータ76や室内電磁接触器66a,66b、室外電磁接触器78などの他の部品も対象となる。
[交換時期予測の手順]
次に、部品の交換時期予測の手順について、図10に基づいて説明する。
【0052】
まず、ステップS10において、運転データの取得および記憶が行われる。ここでは、管理装置4は、集中制御装置3a,3bから、空気調和機2a,2bの運転時間X、運転回数Y等を含む運転データを通信回線網INを介して取得する。そして、運転時間Xや運転回数Y等の1週間毎の積算値が部品毎に記憶部41に記憶される。
【0053】
次にステップS11において、交換時期の予測が行われる。ここでは、管理装置4は、上述した式(4)によって、交換時期の予測を行う。すなわち、管理装置4は、基準交換時期Cと現在までの運転時間X(運転回数Y)の積算値との差を求めることによって、部品交換時期に達するまでの残り運転時間(運転回数)を算出する。そして、1年前の同時期の運転時間(運転回数)の推移から、残り運転時間(運転回数)に達する時期を求める。これにより、部品の交換時期が予測される。
【0054】
そして、ステップS12において、その部品の予測交換時期が通知される。
次に具体例として、室外電磁接触器78の交換時期の予測を説明する。室外電磁接触器78は、ある地域に存在する物件に配置された第1空気調和機2aの第1室外機7aに配置されている。室外電磁接触器78は、接点の開閉により圧縮機72へのスイッチングを行うため、動作回数によって交換時期が判断される。なお、室外電磁接触器78の基準交換時期Cは、250000回であり、現在は2003年4月1日であるとする。
【0055】
まず、管理装置4が記憶している運転データから現在までの運転回数Yは237426回であることが分かる。従って、基準交換時期Cと現在までの運転回数Yとを単純に比較した場合には、現在までの運転回数Yは基準交換時期Cに達していない。次に、現在までの運転回数Yと基準交換時期Cとから、残り運転回数は12574回であると算出される。そして、図11(a)に示すような1年前の2002年4月の1週目以降の運転回数の推移を示す曲線を参照して、2003年4月の1週目以降も同じ曲線で運転回数が推移すると仮定する(図11(b)の破線部分参照)。そして、2002年4月の1週目以降の運転回数の推移を示す曲線から、4月1週目以降の運転回数が12574回となる時期を算出する。これにより、図11(b)に示すように9月の4週目に運転回数が12574回に達することが求められる。以上から、2003年9月の4週目が部品交換時期として予測される。
【0056】
なお、交換時期判定の対象となる部品は、室外電磁接触器78に限られるものではない。室内電磁接触器66a,66b、室外ファンモータ76、圧縮機72、室内ファンモータ64a,64bなどの他の部品も対象となる。
<特徴>
(1)
従来の部品の交換時期判断においては、部品の作動時間や回数、異常発報、修理の回数などから交換すべき時期を判断している。しかし、猛暑に設定温度を低くしたような負荷の大きい過酷な運転と、室外温度と設定温度との差が僅かな場合のような負荷の小さい運転とを比べた場合、このような従来の判断では、両者を同様の運転とみなして交換時期を判断してしまい、正確な交換時期を判断することは困難である。
【0057】
しかし、この設備機器管理システム1では、空気調和機2a,2bの部品が実際に受ける負荷として負荷温度積算値Atc,Athが考慮されて、交換時期に達したか否かが判定される。このため、より正確に部品の交換時期を判断することができる。すなわち、具体例で示したように、従来のような判断が行われた場合には、圧縮機72や室内ファンモータ64aは交換時期に達していないと判定されるが、この設備機器管理システム1のような交換時期の判定によれば、圧縮機72や室内ファンモータ64aが過酷な運転によって既に交換時期に達していることを看過することができる。
【0058】
(2)
この設備機器管理システム1では、空気調和機2a,2bの部品が実際に受ける負荷としての負荷温度積算値Atc,Athと、空気調和機2a,2bの配置環境によって固定的に定められる空調負荷Ac,Ahとを考慮して、交換時期が判定される。このため、空気調和機2a,2bが配置される環境毎にきめ細かく正確に部品の交換時期を判定することができる。
【0059】
(3)
この設備機器管理システム1では、空気調和機2a,2bが過去と同様の運転を行うと仮定して、交換が必要な部品の時期が予測される。このため、部品交換時期の予測をより適切に行うことができる。
また、予測が適切に行われることにより、サービスマンが部品交換を行うために現地に赴く年間計画を予め立てることが容易となる。
【0060】
(4)
この設備機器管理システム1では、1年前の運転データが用いられて部品の交換時期が予測される。設備機器の運転内容は、過去と同様の推移を示すことがある。特に、空気調和機では、運転内容が季節ごとに同様に推移することが多い。従って、この設備機器管理システム1では、1年前の運転データを用いることにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0061】
なお、1年前の運転データに限らず、推移が近似していると考えられる他の時期の過去の運転データが用いられてもよい。しかし、数年前ではなく1年前の運転データが用いられることにより、使用状況が年々変化する場合においても、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0062】
【発明の効果】
請求項1に記載の部品交換時期予測装置では、過去データが、パラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いられて、交換時期が予測される。設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータには、過去の推移と類似の推移を行うものがある。従って、このようなパラメータの場合、過去データは、現在からの推移を示す将来データと類似する可能性が高い。このため、この部品交換時期予測装置では、過去データを用いて交換時期を予測することにより、適切に部品交換時期を予測することができる。
【0063】
請求項2に記載の部品交換時期予測装置では、将来データとして1年前の同時期の過去データが用いられる。設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータには、同じ季節では同じ推移を示すものがある。従って、このようなパラメータの場合、1年前の同時期の過去データは、現在からの推移を示す将来データと類似する可能性がより高い。このため、この部品交換時期予測装置では、1年前の同時期の過去データを用いて交換時期を予測することにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0064】
請求項3に記載の部品交換時期予測装置では、パラメータの積算値が所定値に達する時期を算出することにより、交換時期を予測する。一般に、部品交換時期は、パラメータの積算値の影響を受けることが多い。例えば、部品の疲労や消耗は、部品に対して累積的に与えられる負荷の影響を受け易い。従って、この部品交換時期予測装置では、パラメータの積算値が所定値に達する時期を算出することにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0065】
請求項4に記載の部品交換時期予測装置では、設備機器の運転時間の積算値が考慮されて、部品交換時期が判断される。設備機器の部品には、交換時期に関して運転時間の積算値の影響を受けるものがある。従って、運転時間の積算値の影響を受ける部品に関しては、運転時間の積算値が考慮されることにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0066】
請求項5に記載の部品交換時期予測装置では、設備機器の運転回数の積算値が考慮されて、部品交換時期が判断される。設備機器の部品には、交換時期に関して運転回数の積算値の影響を受けるものがある。従って、運転回数の積算値の影響を受ける部品に関しては、運転回数の積算値が考慮されることにより、より適切に部品交換時期を予測することができる。
【0067】
請求項6に記載の部品交換時期予測装置では、設備機器を構成する部品ごとに、過去データが記憶されて交換時期が予測される。このため、部品ごとにきめ細かく適切に交換時期を予測することができる。
請求項7に記載の部品交換時期予測装置では、空気調和機の部品交換時期の予測に関して、過去データが用いられて交換時期が予測される。一般に、空気調和機では、季節ごとに同様の運転が行われることが多い。従って、この部品交換時期予測装置では、過去データが用いられて交換時期が予測されることによって、より適切に交換時期を予測することができる。
【0068】
請求項8に記載の部品交換時期予測方法では、過去データが、パラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いられて、交換時期が予測される。設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータには、過去の推移と類似の推移を行うものがある。従って、このようなパラメータの場合、過去データは、現在からの推移を示す将来データと類似する可能性が高い。このため、この部品交換時期予測方法では、過去データを用いて交換時期を予測することにより、適切に部品交換時期を予測することができる。
【0069】
請求項9に記載の部品交換時期予測システムでは、過去データが、パラメータの現在からの推移を示す将来データとして用いられて、交換時期が予測される。設備機器を構成する部品の交換時期に影響を与えるパラメータには、過去の推移と類似の推移を行うものがある。従って、このようなパラメータの場合、過去データは、現在からの推移を示す将来データと類似する可能性が高い。このため、この部品交換時期予測システムでは、過去データを用いて交換時期を予測することにより、適切に部品交換時期を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】設備機器管理システムの全体図。
【図2】空気調和機の構成図。
【図3】設備機器管理システムの制御ブロック図。
【図4】管理装置の構成を示す制御ブロック図。
【図5】部品交換時期の判断で用いられるパラメータの表。
【図6】負荷温度積算値の算出を示すグラフ。
【図7】環境負荷テーブルを示す図。
【図8】異常発報テーブルを示す図。
【図9】部品交換時期の判定方法を示すフローチャート。
【図10】部品交換時期の予測方法を示すフローチャート。
【図11】(a)1年前の運転回数の推移曲線を示す図。
(b)現在からの運転回数の予測を示す図。
【符号の説明】
1 設備機器管理システム(部品交換時期予測システム)
2a,2b 空気調和機(設備機器)
3a,3b 集中制御装置(制御装置)
4 管理装置(部品交換時期予測装置)
41 記憶部
42 管理部(予測部)
66a,66b 室内ファンモータ(部品)
72 圧縮機(部品)
78 室外電磁接触器(部品)
C 基準交換時期(所定値)
X 運転時間
Y 運転回数
S10 第1ステップ
S11 第2ステップ
Claims (9)
- 設備機器(2a,2b)を構成する部品(66a,66b,72,78)の交換時期に影響を与えるパラメータ(X,Y)の過去の推移を示す過去データを記憶する記憶部(41)と、
前記過去データを前記パラメータ(X,Y)の現在からの推移を示す将来データとして用いて前記交換時期を予測する予測部(41)と、
を備える部品交換時期予測装置(4)。 - 前記予測部(41)は、前記将来データとして1年前の同時期の前記過去データを用いる、
請求項1に記載の部品交換時期予測装置(4)。 - 前記予測部(41)は、前記将来データから前記パラメータ(X,Y)の積算値を算出し、前記積算値が前記部品(66a,66b,72,78)の交換が必要な所定値(C)に達する時期を算出することにより、前記交換時期を予測する、
請求項1または2に記載の部品交換時期予測装置(4)。 - 前記パラメータ(X,Y)は、前記設備機器(2a,2b)の運転時間(X)である、
請求項3に記載の部品交換時期予測装置(4)。 - 前記パラメータ(X,Y)は、前記設備機器(2a,2b)の運転回数(Y)である、
請求項3に記載の部品交換時期予測装置(4)。 - 前記設備機器(2a,2b)は複数の部品(66a,66b,72,78)によって構成され、
前記記憶部(41)は、複数の前記部品(66a,66b,72,78)ごとの前記過去データを記憶し、
前記予測部(41)は、複数の前記部品(66a,66b,72,78)ごとに前記交換時期を予測する、
請求項1から5のいずれかに記載の部品交換時期予測装置(4)。 - 前記設備機器(2a,2b)は、空気調和機(2a,2b)である、
請求項1から6のいずれかに記載の部品交換時期予測装置(4)。 - 設備機器(2a,2b)を構成する部品(66a,66b,72,78)の交換時期に影響を与えるパラメータ(X,Y)の過去の推移を示す過去データを記憶する第1ステップ(S10)と、
前記過去データを前記パラメータ(X,Y)の現在からの推移を示す将来データとして用いて前記交換時期を予測する第2ステップ(S11)と、
を備える部品交換時期予測方法。 - 複数の設備機器(2a,2b)と、
請求項1から7のいずれかに記載の部品交換時期予測装置(4)と、
前記設備機器(2a,2b)および前記部品交換時期予測装置(4)と接続され、前記設備機器(2a,2b)から前記過去データを受け取り前記部品交換時期予測装置(4)へと送信する制御装置(3a,3b)と、
を備える部品交換時期予測システム(1)。
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