JP2004340288A - 車両の制御装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルト式無段変速機における急アップシフト時の変速ショックを抑制する。
【解決手段】ベルト式無段変速装置300を備えた車両において、ECU1000は、前進走行ポジションでシーケンシャルシフト機構を用いて急なアップシフト指令が行なわれると、ベルト式無段変速装置300を構成するプーリ500,600とベルト700とが接する圧力を強めるように、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】ベルト式無段変速装置300を備えた車両において、ECU1000は、前進走行ポジションでシーケンシャルシフト機構を用いて急なアップシフト指令が行なわれると、ベルト式無段変速装置300を構成するプーリ500,600とベルト700とが接する圧力を強めるように、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220を制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機を搭載した車両の制御に関し、特に、自動変速機としてベルト式無段変速機を搭載した車両の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両においては、トランスミッションの変速比を車両の走行状況に応じて調整する自動変速機として、変速比を無段階に調整するベルト式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)が搭載されることがある。
【0003】
このCVTは、エンジン出力を効率的に引き出すことが可能であり、燃費および走行性能の向上に優れる。実用化されたCVTの1つとして、金属ベルトと一対のプーリとを用いて、油圧によってプーリの有効径を変化させることで連続的に無段階の変速を実現するものがある。無端金属ベルトが、入力軸に取付けられた入力側プーリ(プライマリプーリ)および出力軸に取付けられた出力側プーリ(セカンダリプーリ)に巻き掛けられて使用される。
【0004】
入力側プーリおよび出力側プーリは、溝幅を無段階に変えられる1対のシーブをそれぞれ備え、溝幅を変えることで、無端金属ベルトの入力側プーリおよび出力側プーリに対する巻付け半径が変わり、これにより入力軸と出力軸との間の回転数比、すなわち変速比を連続的に無段階に変化させることができる。
【0005】
さらに詳しく説明すると、まず、無段変速機を制御するECU(Electronic Control Unit)は、アクセル開度と車速とから、運転者が必要とする目標エンジン出力を決定して、目標エンジン出力をエンジンの最適燃費線上で実現できるようにプライマリプーリの目標回転数を決定する。ECUは、プライマリプーリ回転数センサで検知される実際のプライマリプーリの回転数が、目標回転数になるように、CVTの油圧回路を制御して無段階の変速を実行する。エンジンを制御するECUは、目標エンジン出力とエンジン回転数とにより、目標エンジントルクを決定しスロットル開度を制御してエンジンを制御する。このように、制御されるので、エンジン出力を効率的に引き出すことが可能であり、燃費および走行性能の向上に優れるという特徴を有する。
【0006】
特開平4−254052号公報(特許文献1)は、アクセルペダルを急激に踏んだ時に発生する急激な変速に伴うショックを防止するベルト式無段変速機の制御装置を開示する。このベルト式無段変速機の制御装置は、インプットシャフトに設けた可変径のドライブプーリと、アウトプットシャフトに設けた可変径のドリブンプーリと、これら両プーリ間に巻き掛けた無端ベルトと、両プーリの有効径を調整して変速比を変更するシフトバルブと、スロットル開度に応じてシフトバルブを作動させる油圧を発生させるスロットルバルブとを備えたベルト式無段変速機の制御装置であって、スロットルバルブとシフトバルブとを接続する油路にオリフィスを設け、このオリフィスにスロットルバルブからシフトバルブへのオイルの流れを規制するチェックバルブを並列に接続し、さらにオリフィスとシフトバルブ間の油路にアキュムレータを接続する。
【0007】
このベルト式無段変速機の制御装置によると、スロットルバルブとシフトバルブとを接続する油路にオリフィス、チェックバルブおよびアキュムレータを設けているので、アクセルペダルを急激に踏み込んだ場合であっても、スロットルバルブにおいて発生するスロットル圧を緩やかに立ち上げることができる。その結果、ベルト式無段変速機の変速速度が低下して、回転部分の角運動量変化が減少するため、エンジン回転数のオーバシュートが規制されてショックの発生を防止できる。また、アクセルペダルを緩やかに戻した場合にはオリフィスの作用で、スロットル圧が速やかに低下するため、急激なエンジンブレーキ状態に入ることによるショックの発生を防止できる。
【0008】
特開平5−99011号公報(特許文献2)は、加速時の変速に伴うショックをエンジン制御により的確に低減する車両用エンジンの制御装置を開示する。この車両用エンジンの制御装置は、無段変速機を備えた駆動系の変速制御系において、発進後のアップシフト時点または走行中のキックダウンした後のアップシフト時点を判断する加速時変速判定部と、アップシフト時点でのエンジントルクを減少指示するエンジントルク減少指示部とを備える。
【0009】
この車両用エンジンの制御装置によると、走行状態に応じて無段変速機で変速およびライン圧制御され、これにより自動的に無段変速しながら車両走行する。そしてアクセル踏込みの加速時に、変速制御系で一旦ダウンシフトしてその後にアップシフト制御されると、この変速状態からアップシフト時点を判断してエンジントルクが減少指示されることになり、これにより駆動系の慣性マスの変動が実質的に減じて、ショックを生じないように滑らかに変速する。発進後のアップシフト時点についても同様にエンジントルクを減少させる。その結果、走行中のキックダウンした後の、または発進後の加速中におけるアップシフト時点を判断し、この時点でエンジントルクを減少するように制御される構成であるから、慣性マスの変動に伴う車体ショックを有効に低減することができ、走行性能も向上する。
【0010】
特開平7−279701号公報(特許文献3)は、無段変速機の低速側変速比から高速側変速比へのアップシフト変速の開始時に生ずる変速ショックを軽減する無段変速機の変速ショック軽減装置を開示する。この無段変速機の変速ショック軽減装置は、車速とエンジントルクに関する信号に応じて、所定の走行条件に至った時、低速側変速比から高速側変速比へのアップシフト変速を開始するようにした無段変速機においてアップシフト変速の開始を検知するアップシフト変速開始検知部と、アップシフト変速開始検知部によりアップシフト変速の開始が検知される時、無段変速機の前段における原動機の出力を減ずるようにした原動機出力低減部とを具備する。
【0011】
この無段変速機の変速ショック軽減装置によると、無段変速機は、発進操作による発進当初、当然低速側変速比で発進を行なわせる。発進後、車速とエンジントルクに関する信号に応じて、所定の走行条件に至ると、無段変速機は低速側変速比から高速側変速比へのアップシフト変速を開始し、以後走行条件に応じた無段変速を行なう。ここでアップシフト変速開始検知部は、上記アップシフト変速の開始を検知し、検知時、原動機出力低減部は、変速機の前段における原動機の出力を減ずる。かかる原動機の出力低減は、アップシフト変速時における変速機入力側の回転イナーシャエネルギを小さくすることとなり、このエネルギーに起因して生じていた発進時アップシフト変速ショックを軽減することができる。このようなアップシフト変速ショック対策は、アップシフト変速の速度を緩やかにするような対策の場合に不可避な問題、つまり運転性能等を考えて最適に設定してある変速線図を忠実にトレースすることができないといった問題、またこれに起因して運転性能等が犠牲になるといった問題、さらにはエンジン回転数の時間変化割合が大きい場合に、エンジン回転数のオーバーシュートを発生するという問題を、何等生ずることがない。
【0012】
特開平7−310794号公報(特許文献4)は、アクセル開度(スロットル開度)が0またはほぼ0の状態で、セレクトアップシフト操作を行った場合に、車両の加速ショック感を抑制可能な無段変速機の制御装置を開示する。この無段変速機の制御装置は、変速シフトポジションに最小変速比が異なる二つ以上の前進用走行レンジを備え、変速シフトポジションに選択された前進用走行レンジの変速比制御領域で無段変速機の目標変速比を設定する変速比設定部を備えるとともに、変速比設定部で設定された目標変速比に基づいて、無段変速機の変速比を変更制御する変速比制御部を備えた無段変速機の制御装置において、変速シフトポジションが最小変速比のより大きい前進用走行レンジから最小変速比のより小さい前進用走行レンジへ変更されるセレクトアップシフトを検出するセレクトアップシフト検出部と、アクセル開度を検出するアクセル開度検出部とを備えるとともに、変速比制御部は、セレクトアップシフト検出部によるセレクトアップシフト検出時に、アクセル開度検出部からのアクセル開度検出値に基づいて、無段変速機の変速比変更制御の変速速度を調整する変速速度調整部を備える。
【0013】
この無段変速機の制御装置によると、変速比設定部は、たとえば車速を変数としかつアクセル開度やスロットル開度をパラメータとした無段変速機の変速比制御マップ中の変速比マトリックス等から、車両走行状態ならびに操縦入力に応じた変速比を設定し、変速比制御部は、目標変速比の設定値に基づいて、無段変速機の変速比を変更制御するが、セレクトアップシフト検出部により変速シフトポジションが最小変速比のより大きい前進用走行レンジから最小変速比のより小さい前進用走行レンジへ変更された(セレクトアップシフトがなされた)ことが検出された時には、アクセル開度検出部により検出されたアクセル開度に応じて、変速比制御部の変速速度調整部が、アクセル開度検出部からのアクセル開度検出値が所定値以下(たとえば、アクセル開度と等価なスロットル開度が全閉状態または少し開いた状態を示す値)である場合に、無段変速機の変速比変更制御の変速速度を通常時より小さく調整するため、無段変速機の変速比が緩やかに小さくなるように制御される。その結果、アクセル開度が0またはほぼ0の場合のように小さい状態でのセレクトアップシフト時に、無段変速機の変速比が緩やかに小さくなるように制御されるため、駆動輪の回転駆動力が緩やかに減少して変速ショックが抑制防止されるとともに、2レンジまたはLレンジでの加速走行からDレンジでのコースト走行への移行時であっても、エンジンのイナーシャトルクに伴う余分な駆動トルクが駆動輪に付与されないため、車両の加速ショック感が抑制防止される。
【0014】
【特許文献1】
特開平4−254052号公報
【0015】
【特許文献2】
特開平5−99011号公報
【0016】
【特許文献3】
特開平7−279701号公報
【0017】
【特許文献4】
特開平7−310794号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ベルト式無段変速機において、いわゆるシーケンシャルシフトなどを用いて急なアップシフト操作が実行された場合、上述した公報では以下のような問題点がある。
【0019】
特許文献1に開示されたベルト式無段変速機の制御装置では、スロットルバルブとシフトバルブとを接続する油路にオリフィスを設けたり、このオリフィスにスロットルバルブからシフトバルブへのオイルの流れを規制するチェックバルブを並列に接続したり、さらにオリフィスとシフトバルブ間の油路にアキュムレータを接続したりする必要がある。このような機構の追加は、ベルト式無段変速機のコストアップにつながる。
【0020】
特許文献2に開示された車両用エンジンの制御装置では、一旦ダウンシフトしてその後にアップシフト制御されると、アップシフト時点を判断してエンジントルクが減少するようにエンジンを制御しなければならない。このためには、ベルト式無段変速機を制御するECUのプログラムのみならず、エンジンを制御するエンジンECUのプログラムの変更が必要になる。
【0021】
特許文献3に開示されたベルト式無段変速機の変速ショック軽減装置では、車両の発進時において無段変速機が発進変速比から高速側変速比へのアップシフト変速を開始したと判定すると、その時のエンジン回転数から点火時期遅角量および点火時期遅角制御時間を求め、点火時期制御装置を介してエンジンの点火時期を、その遅角量だけ、その時間にわたり遅くすることで、エンジン出力を減じる。このためには、ベルト式無段変速機を制御するECUのプログラムのみならず、エンジンを制御するエンジンECUのプログラムの変更が必要になる。
【0022】
特許文献4に開示された無段変速機の制御装置では、無段変速機の変速比変更制御の変速速度は、スロットル開度0またはほぼ0であるセレクトアップシフト操作時に、通常時より小さくなるように調整される。このような変速速度の調整のチューニングは困難である。すなわち、アップシフトのレスポンスを良好な状態(変速速度を遅過ぎない状態)にするためには変速に起因するショックが発生してしまい、ショックをなくそうとするとアップシフトのレスポンスが良好ではなくなる。
【0023】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、新たな機構を設けることなく、ベルト式無段変速機を搭載した車両が急なアップシフトを行なった時における変速ショックを抑制することができる車両の制御装置および制御方法を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る車両の制御装置は、ベルト式無段変速装置を搭載した車両を制御する。この制御装置は、急なアップシフト変速を検知するための検知手段と、急なアップシフトが検知されたことに応答して、ベルト式無段変速装置を構成するプーリとベルトとが接する圧力を強めるように、ベルト式無段変速装置を制御するための制御手段とを含む。
【0025】
第1の発明によると、たとえば、シーケンシャルシフトを用いた急なアップシフト操作が行なわれると、車速がほぼ一定である場合にはセカンダリプーリの回転数がほぼ一定である状態で急なアップシフト操作が行なわれてギヤ比が急激に小さくなる。セカンダリプーリの回転数がほぼ一定のままでギヤ比が急激に小さくなるので、プライマリプーリの回転数が急激に低下する。原動機であるエンジンなどの慣性(イナーシャ)に、プライマリプーリの回転数の角速度の時間微分値を乗算したイナーシャトルクと、エンジントルクとを加算したトルクがベルト式無段変速機の入力軸トルクになる。出力軸トルクは、入力軸トルクにギヤ比を乗算した値であるので、入力軸トルクが変動する分だけ出力軸トルクが変動する。このような場合において、ベルト式無段変速機のプーリとベルトとが接する圧力がより大きくなるように制御される。プ−リとベルトとが接する圧力を充分に増大させると、プ−リとベルトとが強く圧接することにより、引き摺りトルクが増大する。この引き摺りトルクが出力軸トルクの変動を吸収するので、変速ショックを低減できる。その結果、新たな機構を設けることなく、ベルト式無段変速機を搭載した車両が急なアップシフトを行なった時における変速ショックを抑制することができる車両の制御装置を提供することができる。
【0026】
第2の発明に係る車両の制御装置は、第1の発明の構成に加えて、ベルト式無段変速装置における変速比を離散的に選択するための選択手段をさらに含む。検知手段は、選択手段による離散的な変速比の選択状態に基づいて、急なアップシフト変速を検知するための手段を含む。
【0027】
第2の発明によると、たとえば、シーケンシャルシフト機構のような、ベルト式無段変速装置における変速比を離散的に選択するための選択手段を用いて急なアップシフトが行なわれても、変速ショックを抑制することができる車両の制御装置を提供することができる。
【0028】
第3の発明に係る車両の制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、選択手段は、シーケンシャルシフト機構である。
【0029】
第3の発明によると、シーケンシャルシフト機構を用いて急なアップシフトが行なわれても、変速ショックを抑制することができる車両の制御装置を提供することができる。
【0030】
第4の発明に係る車両の制御方法は、ベルト式無段変速装置を搭載した車両を制御する。この制御方法は、急なアップシフト変速を検知する検知ステップと、急なアップシフトが検知されたことに応答して、ベルト式無段変速装置を構成するプーリとベルトとが接する圧力を強めるように、ベルト式無段変速装置を制御する制御ステップとを含む。
【0031】
第4の発明によると、たとえば、シーケンシャルシフトを用いた急なアップシフト操作が行なわれると、車速がほぼ一定である場合にはセカンダリプーリの回転数がほぼ一定である状態で急なアップシフト操作が行なわれてギヤ比が急激に小さくなる。セカンダリプーリの回転数がほぼ一定のままでギヤ比が急激に小さくなるので、プライマリプーリの回転数が急激に低下する。原動機であるエンジンなどの慣性(イナーシャ)に、プライマリプーリの回転数の角速度の時間微分値を乗算したイナーシャトルクと、エンジントルクとを加算したトルクがベルト式無段変速機の入力軸トルクになる。出力軸トルクは、入力軸トルクにギヤ比を乗算した値であるので、入力軸トルクが変動する分だけ出力軸トルクが変動する。このような場合において、ベルト式無段変速機のプーリとベルトとが接する圧力がより大きくなるように制御される。プ−リとベルトとが接する圧力を充分に増大させると、プ−リとベルトとが強く圧接することにより、引き摺りトルクが増大する。この引き摺りトルクが出力軸トルクの変動を吸収するので、変速ショックを低減できる。その結果、新たな機構を設けることなく、ベルト式無段変速機を搭載した車両が急なアップシフトを行なった時における変速ショックを抑制することができる車両の制御方法を提供することができる。
【0032】
第5の発明に係る車両の制御方法は、第4の発明の構成に加えて、ベルト式無段変速装置における変速比を離散的に選択する選択ステップをさらに含む。検知ステップは、選択手段による離散的な変速比の選択状態に基づいて、急なアップシフト変速を検知するステップを含む。
【0033】
第5の発明によると、たとえば、シーケンシャルシフト機構のような、ベルト式無段変速装置における変速比を離散的に選択するための選択手段を用いて急なアップシフトが行なわれても、変速ショックを抑制することができる車両の制御方法を提供することができる。
【0034】
第6の発明に係る車両の制御方法においては、第5の発明の構成に加えて、選択ステップは、シーケンシャルシフト機構を操作することにより変速比を離散的に選択するステップを含む。
【0035】
第6の発明によると、シーケンシャルシフト機構を用いて急なアップシフトが行なわれても、変速ショックを抑制することができる車両の制御方法を提供することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0037】
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る制御装置は、図1に示すECU1000により実現される。以下では、自動変速機をベルト式無段変速機として説明する。
【0038】
図1に示すように、この車両のパワートレーンは、エンジン100と、トルクコンバータ200と、前後進切換え装置290と、ベルト式無段変速機(CVT) 300と、デファレンシャルギヤ800と、ECU1000と、油圧制御部1100とから構成される。
【0039】
エンジン100の出力軸は、トルクコンバータ200の入力軸に接続される。エンジン100とトルクコンバータ200とは回転軸により連結されている。したがって、エンジン回転数センサにより検知されるエンジン100の出力軸回転数NE(エンジン回転数NE)とトルクコンバータ200の入力軸回転数(ポンプ回転数)とは同じである。
【0040】
トルクコンバータ200は、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチ210と、入力軸側のポンプ羽根車220と、出力軸側のタービン羽根車230と、ワンウェイクラッチ250を有し、トルク増幅機能を発現するステータ240とから構成される。トルクコンバータ200とCVT300とは、回転軸により接続される。トルクコンバータ200の出力軸回転数NT(タービン回転数NT)は、タービン回転数センサ400により検知される。
【0041】
CVT300は、前後進切換え装置290を介してトルクコンバータ200に接続される。CVT300は、入力側のプライマリプーリ500と、出力側のセカンダリプーリ600と、プライマリプーリ500とセカンダリプーリ600とに巻き掛けられた金属製のベルト700とから構成される。プライマリプーリ500は、プライマリシャフトに固定された固定シーブおよびプライマリシャフトに摺動のみ自在に支持されている可動シーブからなる。セカンダリプーリ700は、セカンダリシャフトに固定されている固定シーブおよびセカンダリシャフトに摺動のみ自在に支持されている可動シーブからなる。CVT300の、プライマリプーリの回転数NINは、プライマリプーリ回転数センサ410により、セカンダリプーリの回転数NOUTは、セカンダリプーリ回転数センサ420により、検知される。
【0042】
これら回転数センサは、プライマリプーリやセカンダリプーリの回転軸やこれに繋がるドライブシャフトに取り付けられた回転検出用ギヤの歯に対向して設けられている。これらの回転数センサは、CVT300の、入力軸であるプライマリプーリや出力軸であるセカンダリプーリの僅かな回転の検出も可能なセンサであり、たとえば、一般的に半導体式センサと称される磁気抵抗素子を使用したセンサである。
【0043】
前後進切換え装置290は、ダブルピニオンプラネタリギヤ、リバース(後進用)ブレーキB1および入力クラッチC1を有している。プラネタリギヤは、そのサンギヤが入力軸に連結されており、第1および第2のピニオンP1,P2を支持するキャリヤCRがプライマリ側固定シーブに連結されており、そしてリングギヤRが後進用摩擦係合要素となるリバースブレーキB1に連結されており、またキャリヤCRとリングギヤRとの間に入力クラッチC1が介在している。この入力クラッチ310は、前進クラッチやフォワードクラッチとも呼ばれ、パーキング(P)ポジション、Rポジション、Nポジション以外の車両が前進するときに必ず係合状態で使用される。
【0044】
図2を参照して、これらのパワートレーンを制御するECU1000および油圧制御部1100について説明する。
【0045】
図2に示すように、ECT_ECU1010には、タービン回転数センサ400からタービン回転数NTを表わす信号が、プライマリプーリ回転数センサ410からプライマリプーリ回転数NINを表わす信号が、セカンダリプーリ回転数センサ420からセカンダリプーリ回転数NOUTを表わす信号が、それぞれ入力される。
【0046】
図1および図2に示すように、油圧制御部1100は、変速速度制御部1110と、ベルト挟圧力制御部1120と、ロックアップ係合圧制御部1130と、クラッチ圧制御部1140と、マニュアルバルブ1150とを含む。ECU1000から、油圧制御部1100の変速制御用デューティソレノイド(1)1200と、変速制御用デューティソレノイド(2)1210と、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220と、ロックアップソレノイド1230と、ロックアップ係合圧制御用デューティソレノイド1240に制御信号が出力される。この油圧回路の詳細は、特開2002−181175号公報に開示されているので、詳細な説明はここでは繰返さない。
【0047】
図2を参照して、これらのパワートレーンを制御するECU1000の構造をさらに詳しく説明する。図2に示すように、ECU1000は、エンジン100を制御するエンジンECU1010と、CVT300を制御するECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)_ECU1020と、VSC(Vehicle Stability Control)_ECU1030とを含む。
【0048】
図1に示した入出力信号に加えて、ECT_ECU1020には、ストップランプスイッチから、運転者によりブレーキペダルが踏まれていることを表わす信号、Gセンサから、車両が登坂路などに停車した際の登坂路の傾斜度を表わす信号が、それぞれ入力される。さらに、エンジンECU1010には、アクセル開度センサから、運転者により踏まれているアクセルの開度を表わす信号、スロットルポジションセンサから、電磁スロットルの開度を表わす信号、エンジン回転数センサから、エンジン100の回転数(NE)を表わす信号が、それぞれ入力される。エンジンECU1010とECT_ECU1020とは、相互に接続されている。
【0049】
さらに、ECT_ECU1020には、VSC_ECU1030から、ブレーキ油圧を表わすブレーキ圧信号とが入力される。
【0050】
油圧制御部1100においては、ECT_ECU1020からベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220に出力された制御信号に基づいて、ベルト挟圧力制御部1120がCVT300のベルト700の挟圧力を制御する。ベルト700の挟圧力とは、プーリとベルトとが接する圧力のことである。
【0051】
図3を参照して、CVT300の変速マップについて説明する。図3に示す変速マップは、横軸を車速として、縦軸をプライマリプーリ500の目標入力回転数とし、パラメータとしてアクセル開度としたマップである。
【0052】
図3に示すように、アクセル開度をパラメータとして、CVT300の変速比が最小の状態から最大の状態までの範囲に、アクセル開度ごとに、車速とプライマリプーリ回転数NIN(目標値)との関係が規定される。
【0053】
図3に示す変速マップは、アクセル開度と車速とから、運転者が必要とする目標エンジン出力を決定し、決定された目標エンジン出力をエンジン100の最適燃費線上で実現できるように決定されたプライマリプーリ500の目標入力回転数である。アクセル開度が大きくなるに従って、変速比が最小の状態から変速比が最大の状態になるように設定されている。
【0054】
CVT300の変速制御においては、アクセル開度や車速などの情報により、最適な変速比と変速速度(変速時間)とを実現できるように、プライマリプーリ500の目標入力回転数が設定される。このとき、プライマリプーリ500の目標入力回転数とプライマリ回転数センサ410から得られる回転数が一致するように、変速制御用デューティソレノイド(1)(DS1)1200および変速制御用デューティソレノイド(2)(DS2)1210にECT_ECU1020から制御信号を出力して、変速比の最適化を図り、プライマリ回転数センサ410から得られる回転数が目標入力回転数になるように制御する。
【0055】
変速制御用デューティソレノイド(1)(DS1)1200は、ライン圧のプライマリプーリ500への流入流量を制御することにより、増速のスピードを制御している。また、変速制御用デューティソレノイド(2)(DS2)1210は、ライン圧のプライマリプーリ500への流出流量を制御し、減速のスピードを制御している。
【0056】
図4を参照して、ベルト挟圧力と、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220の出力電流(デューティ比)との関係(ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220のリニア特性)を示す。図4に示すように、たとえば、出力電流のデューティ比が低いほど、ベルト挟圧力が高くなる特性を有する。このため、図3に示すように、目標挟圧力が決定されると、図4に示すリニア特性に基づいて、ECT_ECU1020からベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220への制御信号値が決定される。この制御信号値は、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220の出力電流のデューティ比に対応している。
【0057】
図5を参照して、図3に示す変速マップにより制御されている場合において、運転者が急にアップシフト操作をした場合の変速点の移動について説明する。この車両は、シーケンシャルシフトマチック機構を有すると想定する。
【0058】
シーケンシャルシフトマチック機構とは、シフトレバー「D」レンジ横に設定した「M」ポジションにシフトレバーを切り替えることにより、シフトレバーを前へ押すとアップシフト、後ろへ引くとダウンシフトし、マニュアル感覚の操作が可能な機構である。図5は、図3と同じく、横軸を車速とし縦軸をプライマリプーリ500の目標入力回転数としたものであって、アクセル開度をパラメータとしたものである。
【0059】
図5に示すように、シフトレバーを「M」ポジションにシフトレバーを切り替えてシフトレバーを前へ押すと離散的に変速比をアップシフトする。たとえば、図5の矢印で示すように変速点が移動する。
【0060】
このように、ECT_ECU1020は、図5に示すような急なアップシフトが行なわれた場合に、フローチャートを用いて後述するように、CVT300のプーリ500,600とベルト700とが接する圧力がより大きくなるように、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220を制御する。
【0061】
図6を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECT_ECU1020において実行されるプログラムの制御構造について説明する。
【0062】
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ECT_ECU1020は、シーケンシャルシフト操作指令を検知する。この検知は、ECT_ECU1020に入力される、シーケンシャルシフト信号(アップ)またはシーケンシャルシフト信号(ダウン)に基づいて行なわれる。
【0063】
S200にて、ECT_ECU1020は、シフト指令が急アップシフトであるか否かを判断する。ECT_ECU1020にシーケンシャルシフト信号(アップ)が入力されるとシフト指令が急アップシフトであると判断される。シフト指令が急アップシフトであると(S200にてYES)、処理はS300へ移される。もしそうでないと(S200にてNO)、この処理は終了する。
【0064】
S300にて、ECT_ECU1020は、予め定められた目標挟圧力になるように、図4に示すベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220のリニア特性に基づいて、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220に出力する制御信号値を変更する。変更された制御信号値が、ECT_ECU1020からベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220に出力される。ECT_ECU1020から出力された制御信号値に従うベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220の出力電流(デューティ比)に基づいて、所望のベルト挟圧力になるように、セカンダリプーリ圧が制御されて、ベルト挟圧力が制御される。
【0065】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置により制御されるパワートレーンを搭載した車両の動作について説明する。
【0066】
車速がほぼ一定であると想定して、運転者がシーケンシャルシフトをアップシフト側に操作すると(S100、S200にてYES)、通常よりも高いベルト挟圧力になるようなベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220への制御信号値に変更される(S300)。
【0067】
ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220の出力電流(デューティ比)が変更されて、セカンダリプーリ圧が変更されてベルト挟圧力が所望の挟圧力まで高められる。このようにして、ベルト挟圧力が高めて、CVTのプ−リとベルトとが接する圧力を充分に増大させると、ベルトとプ−リが強く圧接し、引き摺りトルクが増大する。したがって、これが出力軸トルクの変動を吸収する要因になる。このため、急なアップシフト操作が行なわれた場合において出力軸トルクの変動を抑制できるので変速ショックを低減できる。
【0068】
さらに、このような作用を図7〜9を用いて説明する。
図7(A)に、エンジン100から出力されるエンジントルクT(E)を、図7(B)に、CVT300のギヤ比αを、図7(C)に、セカンダリプーリ600の回転数NOUTを、図7(D)に、プライマリプーリ500の回転数NINを、図7(E)に、プライマリプーリ500の回転数NINの回転数変動により発生するイナーシャトルクを、図7(F)に、図7(A)のエンジントルクT(E)に図7(E)のイナーシャトルクを加えた、CVT300への入力トルクT(IN)を、図7(G)に、図7(F)のCVT300の入力軸トルクT(IN)に図7(B)のCVT300のギヤ比αを乗算した、CVT300の出力軸トルクT(OUT)を示す。
【0069】
図7(C)に示すように、車速がほぼ一定であることより、セカンダリプーリ600の回転数NOUTがほぼ一定になる。このような状態で、シーケンシャルシフト操作でアップシフトされると、図7(B)に示すように、CVT300のギヤ比αが急激に小さくなる。セカンダリプーリ600の回転数NOUTがほぼ一定のままでギヤ比αが急激に小さくなるので、図7(D)に示すように、プライマリプーリ500の回転数NINが急激に低下する。このとき、変速時間(シーケンシャルシフトにおけるアップシフトの時間)においては、図7(D)に示すように、プライマリプーリ500の回転数NINの変化の時間微分値は、ほぼ一定であるとする。
【0070】
エンジン100の慣性(イナーシャ)をIとして、プライマリプーリ500の回転数NINの角速度ωの時間微分値はdω/dtで表わされ、減速であるので、マイナス符号が付く。回転系の運動方程式よりイナーシャトルクTが、T=−I・(−dω/dt)=I・(dω/dt)で算出される。これを図7(E)に示す。CVT300の入力軸トルクT(IN)は、図7(A)に示すエンジントルクT(E)と図7(E)に示すイナーシャトルク{I・(dω/dt)}とを加算した値になる。CVT300の出力軸トルクは、図7(F)の入力軸トルクにCVT300のギヤ比αを乗算した値であるので、ベルト挟圧力を上昇させないと、図7(G)に示すように、CVT300の出力軸トルクが大きく変動する。
【0071】
一方、図8(C)に示すように、変速時間(シーケンシャルシフトにおけるアップシフトの時間)において、ベルト挟圧力を所望の値にまで上昇させると、ベルト700を強い張力で引っ張らなければならなくなり、CVT300の出力軸の変動を抑制することができる。すなわち、図8(D)に示すように、ベルト挟圧力の上昇制御がない場合(点線)に比べて、ベルト挟圧力の上昇制御がある場合(実線)の方が、CVT300の出力軸トルクT(OUT)の変動が小さくなっていることがわかる。
【0072】
なお、図8(A)および図8(B)は、図7(A)および図7(B)とそれぞれ同じであるので、ここでの詳細な説明は繰返さない。
【0073】
また、ベルト挟圧力を上昇させると、エンジン回転軸から駆動力を得るオイルポンプがこの車両に搭載されている場合には、さらなる作用が発生する。すなわち、ベルト挟圧力を上昇させるためにオイルポンプの負荷が上昇して、エンジン100からCVT300に伝達されるトルクに損失(この損失分がオイルポンプの負荷上昇分に相当する)が生じることになる。このとき、図9(A)に示すように、エンジントルクT(E)がΔT(E)だけ低下する。このため、図9(D)に示すように、CVT300の入力軸トルク自体がこの損失分であるΔT(E)だけ低下する。このことに加えて、ベルト挟圧力の上昇に伴い、図9(E)に示すように、CVT300の出力軸の変動をさらに抑制することができる。
【0074】
なお、図9(B)は図7(B)と、図9(C)は図8(C)と、それぞれ同じであるので、ここでの詳細な説明は繰返さない。
【0075】
以上のようにして、本実施の形態に係るECT_ECUによると、シーケンシャルシフトを用いた急なアップシフト操作が行なわれると、CVTのプーリとベルトとが接する圧力がより大きくなるように、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイドが制御される。ベルト挟圧力制御用リニアソレノイドは、その電流デューティ比が低いほどベルト挟圧力が高くなるというような特性が予め既知であるので、たとえば電流デューティ比を制御することにより、所望のベルト挟圧力を実現できる。ベルト挟圧力が高まると、引き摺りトルクが発生する。したがって、この引き摺りトルクが出力軸トルクの変動を吸収するので、変速ショックを低減できる。
【0076】
なお、上述した実施の形態においては、車両は、シーケンシャルシフト機構付きのCVTについて説明したが、本発明はこのようなCVTに限定されない。CVTにおいて急なアップシフト操作を実行できるCVTであればよい。
【0077】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御ブロック図である。
【図2】図1に示すECUの詳細図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るECUに記憶される変速マップである。
【図4】ベルト挟圧力制御用リニアソレノイドの制御特性を示す図である。
【図5】変速マップ上の急アップシフトの例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るECUで実行されるプログラムの制御構造を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るECUが搭載された車両の動作を示すタイミングチャート(その1)である。
【図8】本発明の実施の形態に係るECUが搭載された車両の動作を示すタイミングチャート(その2)である。
【図9】本発明の実施の形態に係るECUが搭載された車両の動作を示すタイミングチャート(その3)である。
【符号の説明】
100 エンジン、200 トルクコンバータ、210 ロックアップクラッチ、220 ポンプ羽根車、230 タービン羽根車、240 ステータ、250 ワンウェイクラッチ、290 前後進切換え装置、300 CVT、310入力クラッチ、400 タービン回転数センサ、410 プライマリプーリ回転数センサ、420 セカンダリプーリ回転数センサ、500 プライマリプーリ、600 セカンダリプーリ、700 ベルト、800 デファレンシャルギヤ、1000 ECU、1010 エンジンECU、1020 ECT_ECU、1100 油圧制御部、1110 変速速度制御部、1120 ベルト挟圧力制御部、1130 ロックアップ係合圧制御部、1140 クラッチ圧力制御部、1150 マニュアルバルブ、1200 変速制御用デューティソレノイド(1)、1210 変速制御用デューティソレノイド(2)、1220 ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド、1230 ロックアップソレノイド、1240 ロックアップ係合圧制御用デューティソレノイド。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機を搭載した車両の制御に関し、特に、自動変速機としてベルト式無段変速機を搭載した車両の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両においては、トランスミッションの変速比を車両の走行状況に応じて調整する自動変速機として、変速比を無段階に調整するベルト式無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)が搭載されることがある。
【0003】
このCVTは、エンジン出力を効率的に引き出すことが可能であり、燃費および走行性能の向上に優れる。実用化されたCVTの1つとして、金属ベルトと一対のプーリとを用いて、油圧によってプーリの有効径を変化させることで連続的に無段階の変速を実現するものがある。無端金属ベルトが、入力軸に取付けられた入力側プーリ(プライマリプーリ)および出力軸に取付けられた出力側プーリ(セカンダリプーリ)に巻き掛けられて使用される。
【0004】
入力側プーリおよび出力側プーリは、溝幅を無段階に変えられる1対のシーブをそれぞれ備え、溝幅を変えることで、無端金属ベルトの入力側プーリおよび出力側プーリに対する巻付け半径が変わり、これにより入力軸と出力軸との間の回転数比、すなわち変速比を連続的に無段階に変化させることができる。
【0005】
さらに詳しく説明すると、まず、無段変速機を制御するECU(Electronic Control Unit)は、アクセル開度と車速とから、運転者が必要とする目標エンジン出力を決定して、目標エンジン出力をエンジンの最適燃費線上で実現できるようにプライマリプーリの目標回転数を決定する。ECUは、プライマリプーリ回転数センサで検知される実際のプライマリプーリの回転数が、目標回転数になるように、CVTの油圧回路を制御して無段階の変速を実行する。エンジンを制御するECUは、目標エンジン出力とエンジン回転数とにより、目標エンジントルクを決定しスロットル開度を制御してエンジンを制御する。このように、制御されるので、エンジン出力を効率的に引き出すことが可能であり、燃費および走行性能の向上に優れるという特徴を有する。
【0006】
特開平4−254052号公報(特許文献1)は、アクセルペダルを急激に踏んだ時に発生する急激な変速に伴うショックを防止するベルト式無段変速機の制御装置を開示する。このベルト式無段変速機の制御装置は、インプットシャフトに設けた可変径のドライブプーリと、アウトプットシャフトに設けた可変径のドリブンプーリと、これら両プーリ間に巻き掛けた無端ベルトと、両プーリの有効径を調整して変速比を変更するシフトバルブと、スロットル開度に応じてシフトバルブを作動させる油圧を発生させるスロットルバルブとを備えたベルト式無段変速機の制御装置であって、スロットルバルブとシフトバルブとを接続する油路にオリフィスを設け、このオリフィスにスロットルバルブからシフトバルブへのオイルの流れを規制するチェックバルブを並列に接続し、さらにオリフィスとシフトバルブ間の油路にアキュムレータを接続する。
【0007】
このベルト式無段変速機の制御装置によると、スロットルバルブとシフトバルブとを接続する油路にオリフィス、チェックバルブおよびアキュムレータを設けているので、アクセルペダルを急激に踏み込んだ場合であっても、スロットルバルブにおいて発生するスロットル圧を緩やかに立ち上げることができる。その結果、ベルト式無段変速機の変速速度が低下して、回転部分の角運動量変化が減少するため、エンジン回転数のオーバシュートが規制されてショックの発生を防止できる。また、アクセルペダルを緩やかに戻した場合にはオリフィスの作用で、スロットル圧が速やかに低下するため、急激なエンジンブレーキ状態に入ることによるショックの発生を防止できる。
【0008】
特開平5−99011号公報(特許文献2)は、加速時の変速に伴うショックをエンジン制御により的確に低減する車両用エンジンの制御装置を開示する。この車両用エンジンの制御装置は、無段変速機を備えた駆動系の変速制御系において、発進後のアップシフト時点または走行中のキックダウンした後のアップシフト時点を判断する加速時変速判定部と、アップシフト時点でのエンジントルクを減少指示するエンジントルク減少指示部とを備える。
【0009】
この車両用エンジンの制御装置によると、走行状態に応じて無段変速機で変速およびライン圧制御され、これにより自動的に無段変速しながら車両走行する。そしてアクセル踏込みの加速時に、変速制御系で一旦ダウンシフトしてその後にアップシフト制御されると、この変速状態からアップシフト時点を判断してエンジントルクが減少指示されることになり、これにより駆動系の慣性マスの変動が実質的に減じて、ショックを生じないように滑らかに変速する。発進後のアップシフト時点についても同様にエンジントルクを減少させる。その結果、走行中のキックダウンした後の、または発進後の加速中におけるアップシフト時点を判断し、この時点でエンジントルクを減少するように制御される構成であるから、慣性マスの変動に伴う車体ショックを有効に低減することができ、走行性能も向上する。
【0010】
特開平7−279701号公報(特許文献3)は、無段変速機の低速側変速比から高速側変速比へのアップシフト変速の開始時に生ずる変速ショックを軽減する無段変速機の変速ショック軽減装置を開示する。この無段変速機の変速ショック軽減装置は、車速とエンジントルクに関する信号に応じて、所定の走行条件に至った時、低速側変速比から高速側変速比へのアップシフト変速を開始するようにした無段変速機においてアップシフト変速の開始を検知するアップシフト変速開始検知部と、アップシフト変速開始検知部によりアップシフト変速の開始が検知される時、無段変速機の前段における原動機の出力を減ずるようにした原動機出力低減部とを具備する。
【0011】
この無段変速機の変速ショック軽減装置によると、無段変速機は、発進操作による発進当初、当然低速側変速比で発進を行なわせる。発進後、車速とエンジントルクに関する信号に応じて、所定の走行条件に至ると、無段変速機は低速側変速比から高速側変速比へのアップシフト変速を開始し、以後走行条件に応じた無段変速を行なう。ここでアップシフト変速開始検知部は、上記アップシフト変速の開始を検知し、検知時、原動機出力低減部は、変速機の前段における原動機の出力を減ずる。かかる原動機の出力低減は、アップシフト変速時における変速機入力側の回転イナーシャエネルギを小さくすることとなり、このエネルギーに起因して生じていた発進時アップシフト変速ショックを軽減することができる。このようなアップシフト変速ショック対策は、アップシフト変速の速度を緩やかにするような対策の場合に不可避な問題、つまり運転性能等を考えて最適に設定してある変速線図を忠実にトレースすることができないといった問題、またこれに起因して運転性能等が犠牲になるといった問題、さらにはエンジン回転数の時間変化割合が大きい場合に、エンジン回転数のオーバーシュートを発生するという問題を、何等生ずることがない。
【0012】
特開平7−310794号公報(特許文献4)は、アクセル開度(スロットル開度)が0またはほぼ0の状態で、セレクトアップシフト操作を行った場合に、車両の加速ショック感を抑制可能な無段変速機の制御装置を開示する。この無段変速機の制御装置は、変速シフトポジションに最小変速比が異なる二つ以上の前進用走行レンジを備え、変速シフトポジションに選択された前進用走行レンジの変速比制御領域で無段変速機の目標変速比を設定する変速比設定部を備えるとともに、変速比設定部で設定された目標変速比に基づいて、無段変速機の変速比を変更制御する変速比制御部を備えた無段変速機の制御装置において、変速シフトポジションが最小変速比のより大きい前進用走行レンジから最小変速比のより小さい前進用走行レンジへ変更されるセレクトアップシフトを検出するセレクトアップシフト検出部と、アクセル開度を検出するアクセル開度検出部とを備えるとともに、変速比制御部は、セレクトアップシフト検出部によるセレクトアップシフト検出時に、アクセル開度検出部からのアクセル開度検出値に基づいて、無段変速機の変速比変更制御の変速速度を調整する変速速度調整部を備える。
【0013】
この無段変速機の制御装置によると、変速比設定部は、たとえば車速を変数としかつアクセル開度やスロットル開度をパラメータとした無段変速機の変速比制御マップ中の変速比マトリックス等から、車両走行状態ならびに操縦入力に応じた変速比を設定し、変速比制御部は、目標変速比の設定値に基づいて、無段変速機の変速比を変更制御するが、セレクトアップシフト検出部により変速シフトポジションが最小変速比のより大きい前進用走行レンジから最小変速比のより小さい前進用走行レンジへ変更された(セレクトアップシフトがなされた)ことが検出された時には、アクセル開度検出部により検出されたアクセル開度に応じて、変速比制御部の変速速度調整部が、アクセル開度検出部からのアクセル開度検出値が所定値以下(たとえば、アクセル開度と等価なスロットル開度が全閉状態または少し開いた状態を示す値)である場合に、無段変速機の変速比変更制御の変速速度を通常時より小さく調整するため、無段変速機の変速比が緩やかに小さくなるように制御される。その結果、アクセル開度が0またはほぼ0の場合のように小さい状態でのセレクトアップシフト時に、無段変速機の変速比が緩やかに小さくなるように制御されるため、駆動輪の回転駆動力が緩やかに減少して変速ショックが抑制防止されるとともに、2レンジまたはLレンジでの加速走行からDレンジでのコースト走行への移行時であっても、エンジンのイナーシャトルクに伴う余分な駆動トルクが駆動輪に付与されないため、車両の加速ショック感が抑制防止される。
【0014】
【特許文献1】
特開平4−254052号公報
【0015】
【特許文献2】
特開平5−99011号公報
【0016】
【特許文献3】
特開平7−279701号公報
【0017】
【特許文献4】
特開平7−310794号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ベルト式無段変速機において、いわゆるシーケンシャルシフトなどを用いて急なアップシフト操作が実行された場合、上述した公報では以下のような問題点がある。
【0019】
特許文献1に開示されたベルト式無段変速機の制御装置では、スロットルバルブとシフトバルブとを接続する油路にオリフィスを設けたり、このオリフィスにスロットルバルブからシフトバルブへのオイルの流れを規制するチェックバルブを並列に接続したり、さらにオリフィスとシフトバルブ間の油路にアキュムレータを接続したりする必要がある。このような機構の追加は、ベルト式無段変速機のコストアップにつながる。
【0020】
特許文献2に開示された車両用エンジンの制御装置では、一旦ダウンシフトしてその後にアップシフト制御されると、アップシフト時点を判断してエンジントルクが減少するようにエンジンを制御しなければならない。このためには、ベルト式無段変速機を制御するECUのプログラムのみならず、エンジンを制御するエンジンECUのプログラムの変更が必要になる。
【0021】
特許文献3に開示されたベルト式無段変速機の変速ショック軽減装置では、車両の発進時において無段変速機が発進変速比から高速側変速比へのアップシフト変速を開始したと判定すると、その時のエンジン回転数から点火時期遅角量および点火時期遅角制御時間を求め、点火時期制御装置を介してエンジンの点火時期を、その遅角量だけ、その時間にわたり遅くすることで、エンジン出力を減じる。このためには、ベルト式無段変速機を制御するECUのプログラムのみならず、エンジンを制御するエンジンECUのプログラムの変更が必要になる。
【0022】
特許文献4に開示された無段変速機の制御装置では、無段変速機の変速比変更制御の変速速度は、スロットル開度0またはほぼ0であるセレクトアップシフト操作時に、通常時より小さくなるように調整される。このような変速速度の調整のチューニングは困難である。すなわち、アップシフトのレスポンスを良好な状態(変速速度を遅過ぎない状態)にするためには変速に起因するショックが発生してしまい、ショックをなくそうとするとアップシフトのレスポンスが良好ではなくなる。
【0023】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、新たな機構を設けることなく、ベルト式無段変速機を搭載した車両が急なアップシフトを行なった時における変速ショックを抑制することができる車両の制御装置および制御方法を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る車両の制御装置は、ベルト式無段変速装置を搭載した車両を制御する。この制御装置は、急なアップシフト変速を検知するための検知手段と、急なアップシフトが検知されたことに応答して、ベルト式無段変速装置を構成するプーリとベルトとが接する圧力を強めるように、ベルト式無段変速装置を制御するための制御手段とを含む。
【0025】
第1の発明によると、たとえば、シーケンシャルシフトを用いた急なアップシフト操作が行なわれると、車速がほぼ一定である場合にはセカンダリプーリの回転数がほぼ一定である状態で急なアップシフト操作が行なわれてギヤ比が急激に小さくなる。セカンダリプーリの回転数がほぼ一定のままでギヤ比が急激に小さくなるので、プライマリプーリの回転数が急激に低下する。原動機であるエンジンなどの慣性(イナーシャ)に、プライマリプーリの回転数の角速度の時間微分値を乗算したイナーシャトルクと、エンジントルクとを加算したトルクがベルト式無段変速機の入力軸トルクになる。出力軸トルクは、入力軸トルクにギヤ比を乗算した値であるので、入力軸トルクが変動する分だけ出力軸トルクが変動する。このような場合において、ベルト式無段変速機のプーリとベルトとが接する圧力がより大きくなるように制御される。プ−リとベルトとが接する圧力を充分に増大させると、プ−リとベルトとが強く圧接することにより、引き摺りトルクが増大する。この引き摺りトルクが出力軸トルクの変動を吸収するので、変速ショックを低減できる。その結果、新たな機構を設けることなく、ベルト式無段変速機を搭載した車両が急なアップシフトを行なった時における変速ショックを抑制することができる車両の制御装置を提供することができる。
【0026】
第2の発明に係る車両の制御装置は、第1の発明の構成に加えて、ベルト式無段変速装置における変速比を離散的に選択するための選択手段をさらに含む。検知手段は、選択手段による離散的な変速比の選択状態に基づいて、急なアップシフト変速を検知するための手段を含む。
【0027】
第2の発明によると、たとえば、シーケンシャルシフト機構のような、ベルト式無段変速装置における変速比を離散的に選択するための選択手段を用いて急なアップシフトが行なわれても、変速ショックを抑制することができる車両の制御装置を提供することができる。
【0028】
第3の発明に係る車両の制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、選択手段は、シーケンシャルシフト機構である。
【0029】
第3の発明によると、シーケンシャルシフト機構を用いて急なアップシフトが行なわれても、変速ショックを抑制することができる車両の制御装置を提供することができる。
【0030】
第4の発明に係る車両の制御方法は、ベルト式無段変速装置を搭載した車両を制御する。この制御方法は、急なアップシフト変速を検知する検知ステップと、急なアップシフトが検知されたことに応答して、ベルト式無段変速装置を構成するプーリとベルトとが接する圧力を強めるように、ベルト式無段変速装置を制御する制御ステップとを含む。
【0031】
第4の発明によると、たとえば、シーケンシャルシフトを用いた急なアップシフト操作が行なわれると、車速がほぼ一定である場合にはセカンダリプーリの回転数がほぼ一定である状態で急なアップシフト操作が行なわれてギヤ比が急激に小さくなる。セカンダリプーリの回転数がほぼ一定のままでギヤ比が急激に小さくなるので、プライマリプーリの回転数が急激に低下する。原動機であるエンジンなどの慣性(イナーシャ)に、プライマリプーリの回転数の角速度の時間微分値を乗算したイナーシャトルクと、エンジントルクとを加算したトルクがベルト式無段変速機の入力軸トルクになる。出力軸トルクは、入力軸トルクにギヤ比を乗算した値であるので、入力軸トルクが変動する分だけ出力軸トルクが変動する。このような場合において、ベルト式無段変速機のプーリとベルトとが接する圧力がより大きくなるように制御される。プ−リとベルトとが接する圧力を充分に増大させると、プ−リとベルトとが強く圧接することにより、引き摺りトルクが増大する。この引き摺りトルクが出力軸トルクの変動を吸収するので、変速ショックを低減できる。その結果、新たな機構を設けることなく、ベルト式無段変速機を搭載した車両が急なアップシフトを行なった時における変速ショックを抑制することができる車両の制御方法を提供することができる。
【0032】
第5の発明に係る車両の制御方法は、第4の発明の構成に加えて、ベルト式無段変速装置における変速比を離散的に選択する選択ステップをさらに含む。検知ステップは、選択手段による離散的な変速比の選択状態に基づいて、急なアップシフト変速を検知するステップを含む。
【0033】
第5の発明によると、たとえば、シーケンシャルシフト機構のような、ベルト式無段変速装置における変速比を離散的に選択するための選択手段を用いて急なアップシフトが行なわれても、変速ショックを抑制することができる車両の制御方法を提供することができる。
【0034】
第6の発明に係る車両の制御方法においては、第5の発明の構成に加えて、選択ステップは、シーケンシャルシフト機構を操作することにより変速比を離散的に選択するステップを含む。
【0035】
第6の発明によると、シーケンシャルシフト機構を用いて急なアップシフトが行なわれても、変速ショックを抑制することができる車両の制御方法を提供することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0037】
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置を含む車両のパワートレーンについて説明する。本実施の形態に係る制御装置は、図1に示すECU1000により実現される。以下では、自動変速機をベルト式無段変速機として説明する。
【0038】
図1に示すように、この車両のパワートレーンは、エンジン100と、トルクコンバータ200と、前後進切換え装置290と、ベルト式無段変速機(CVT) 300と、デファレンシャルギヤ800と、ECU1000と、油圧制御部1100とから構成される。
【0039】
エンジン100の出力軸は、トルクコンバータ200の入力軸に接続される。エンジン100とトルクコンバータ200とは回転軸により連結されている。したがって、エンジン回転数センサにより検知されるエンジン100の出力軸回転数NE(エンジン回転数NE)とトルクコンバータ200の入力軸回転数(ポンプ回転数)とは同じである。
【0040】
トルクコンバータ200は、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチ210と、入力軸側のポンプ羽根車220と、出力軸側のタービン羽根車230と、ワンウェイクラッチ250を有し、トルク増幅機能を発現するステータ240とから構成される。トルクコンバータ200とCVT300とは、回転軸により接続される。トルクコンバータ200の出力軸回転数NT(タービン回転数NT)は、タービン回転数センサ400により検知される。
【0041】
CVT300は、前後進切換え装置290を介してトルクコンバータ200に接続される。CVT300は、入力側のプライマリプーリ500と、出力側のセカンダリプーリ600と、プライマリプーリ500とセカンダリプーリ600とに巻き掛けられた金属製のベルト700とから構成される。プライマリプーリ500は、プライマリシャフトに固定された固定シーブおよびプライマリシャフトに摺動のみ自在に支持されている可動シーブからなる。セカンダリプーリ700は、セカンダリシャフトに固定されている固定シーブおよびセカンダリシャフトに摺動のみ自在に支持されている可動シーブからなる。CVT300の、プライマリプーリの回転数NINは、プライマリプーリ回転数センサ410により、セカンダリプーリの回転数NOUTは、セカンダリプーリ回転数センサ420により、検知される。
【0042】
これら回転数センサは、プライマリプーリやセカンダリプーリの回転軸やこれに繋がるドライブシャフトに取り付けられた回転検出用ギヤの歯に対向して設けられている。これらの回転数センサは、CVT300の、入力軸であるプライマリプーリや出力軸であるセカンダリプーリの僅かな回転の検出も可能なセンサであり、たとえば、一般的に半導体式センサと称される磁気抵抗素子を使用したセンサである。
【0043】
前後進切換え装置290は、ダブルピニオンプラネタリギヤ、リバース(後進用)ブレーキB1および入力クラッチC1を有している。プラネタリギヤは、そのサンギヤが入力軸に連結されており、第1および第2のピニオンP1,P2を支持するキャリヤCRがプライマリ側固定シーブに連結されており、そしてリングギヤRが後進用摩擦係合要素となるリバースブレーキB1に連結されており、またキャリヤCRとリングギヤRとの間に入力クラッチC1が介在している。この入力クラッチ310は、前進クラッチやフォワードクラッチとも呼ばれ、パーキング(P)ポジション、Rポジション、Nポジション以外の車両が前進するときに必ず係合状態で使用される。
【0044】
図2を参照して、これらのパワートレーンを制御するECU1000および油圧制御部1100について説明する。
【0045】
図2に示すように、ECT_ECU1010には、タービン回転数センサ400からタービン回転数NTを表わす信号が、プライマリプーリ回転数センサ410からプライマリプーリ回転数NINを表わす信号が、セカンダリプーリ回転数センサ420からセカンダリプーリ回転数NOUTを表わす信号が、それぞれ入力される。
【0046】
図1および図2に示すように、油圧制御部1100は、変速速度制御部1110と、ベルト挟圧力制御部1120と、ロックアップ係合圧制御部1130と、クラッチ圧制御部1140と、マニュアルバルブ1150とを含む。ECU1000から、油圧制御部1100の変速制御用デューティソレノイド(1)1200と、変速制御用デューティソレノイド(2)1210と、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220と、ロックアップソレノイド1230と、ロックアップ係合圧制御用デューティソレノイド1240に制御信号が出力される。この油圧回路の詳細は、特開2002−181175号公報に開示されているので、詳細な説明はここでは繰返さない。
【0047】
図2を参照して、これらのパワートレーンを制御するECU1000の構造をさらに詳しく説明する。図2に示すように、ECU1000は、エンジン100を制御するエンジンECU1010と、CVT300を制御するECT(Electronic Controlled Automatic Transmission)_ECU1020と、VSC(Vehicle Stability Control)_ECU1030とを含む。
【0048】
図1に示した入出力信号に加えて、ECT_ECU1020には、ストップランプスイッチから、運転者によりブレーキペダルが踏まれていることを表わす信号、Gセンサから、車両が登坂路などに停車した際の登坂路の傾斜度を表わす信号が、それぞれ入力される。さらに、エンジンECU1010には、アクセル開度センサから、運転者により踏まれているアクセルの開度を表わす信号、スロットルポジションセンサから、電磁スロットルの開度を表わす信号、エンジン回転数センサから、エンジン100の回転数(NE)を表わす信号が、それぞれ入力される。エンジンECU1010とECT_ECU1020とは、相互に接続されている。
【0049】
さらに、ECT_ECU1020には、VSC_ECU1030から、ブレーキ油圧を表わすブレーキ圧信号とが入力される。
【0050】
油圧制御部1100においては、ECT_ECU1020からベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220に出力された制御信号に基づいて、ベルト挟圧力制御部1120がCVT300のベルト700の挟圧力を制御する。ベルト700の挟圧力とは、プーリとベルトとが接する圧力のことである。
【0051】
図3を参照して、CVT300の変速マップについて説明する。図3に示す変速マップは、横軸を車速として、縦軸をプライマリプーリ500の目標入力回転数とし、パラメータとしてアクセル開度としたマップである。
【0052】
図3に示すように、アクセル開度をパラメータとして、CVT300の変速比が最小の状態から最大の状態までの範囲に、アクセル開度ごとに、車速とプライマリプーリ回転数NIN(目標値)との関係が規定される。
【0053】
図3に示す変速マップは、アクセル開度と車速とから、運転者が必要とする目標エンジン出力を決定し、決定された目標エンジン出力をエンジン100の最適燃費線上で実現できるように決定されたプライマリプーリ500の目標入力回転数である。アクセル開度が大きくなるに従って、変速比が最小の状態から変速比が最大の状態になるように設定されている。
【0054】
CVT300の変速制御においては、アクセル開度や車速などの情報により、最適な変速比と変速速度(変速時間)とを実現できるように、プライマリプーリ500の目標入力回転数が設定される。このとき、プライマリプーリ500の目標入力回転数とプライマリ回転数センサ410から得られる回転数が一致するように、変速制御用デューティソレノイド(1)(DS1)1200および変速制御用デューティソレノイド(2)(DS2)1210にECT_ECU1020から制御信号を出力して、変速比の最適化を図り、プライマリ回転数センサ410から得られる回転数が目標入力回転数になるように制御する。
【0055】
変速制御用デューティソレノイド(1)(DS1)1200は、ライン圧のプライマリプーリ500への流入流量を制御することにより、増速のスピードを制御している。また、変速制御用デューティソレノイド(2)(DS2)1210は、ライン圧のプライマリプーリ500への流出流量を制御し、減速のスピードを制御している。
【0056】
図4を参照して、ベルト挟圧力と、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220の出力電流(デューティ比)との関係(ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220のリニア特性)を示す。図4に示すように、たとえば、出力電流のデューティ比が低いほど、ベルト挟圧力が高くなる特性を有する。このため、図3に示すように、目標挟圧力が決定されると、図4に示すリニア特性に基づいて、ECT_ECU1020からベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220への制御信号値が決定される。この制御信号値は、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220の出力電流のデューティ比に対応している。
【0057】
図5を参照して、図3に示す変速マップにより制御されている場合において、運転者が急にアップシフト操作をした場合の変速点の移動について説明する。この車両は、シーケンシャルシフトマチック機構を有すると想定する。
【0058】
シーケンシャルシフトマチック機構とは、シフトレバー「D」レンジ横に設定した「M」ポジションにシフトレバーを切り替えることにより、シフトレバーを前へ押すとアップシフト、後ろへ引くとダウンシフトし、マニュアル感覚の操作が可能な機構である。図5は、図3と同じく、横軸を車速とし縦軸をプライマリプーリ500の目標入力回転数としたものであって、アクセル開度をパラメータとしたものである。
【0059】
図5に示すように、シフトレバーを「M」ポジションにシフトレバーを切り替えてシフトレバーを前へ押すと離散的に変速比をアップシフトする。たとえば、図5の矢印で示すように変速点が移動する。
【0060】
このように、ECT_ECU1020は、図5に示すような急なアップシフトが行なわれた場合に、フローチャートを用いて後述するように、CVT300のプーリ500,600とベルト700とが接する圧力がより大きくなるように、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220を制御する。
【0061】
図6を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECT_ECU1020において実行されるプログラムの制御構造について説明する。
【0062】
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ECT_ECU1020は、シーケンシャルシフト操作指令を検知する。この検知は、ECT_ECU1020に入力される、シーケンシャルシフト信号(アップ)またはシーケンシャルシフト信号(ダウン)に基づいて行なわれる。
【0063】
S200にて、ECT_ECU1020は、シフト指令が急アップシフトであるか否かを判断する。ECT_ECU1020にシーケンシャルシフト信号(アップ)が入力されるとシフト指令が急アップシフトであると判断される。シフト指令が急アップシフトであると(S200にてYES)、処理はS300へ移される。もしそうでないと(S200にてNO)、この処理は終了する。
【0064】
S300にて、ECT_ECU1020は、予め定められた目標挟圧力になるように、図4に示すベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220のリニア特性に基づいて、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220に出力する制御信号値を変更する。変更された制御信号値が、ECT_ECU1020からベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220に出力される。ECT_ECU1020から出力された制御信号値に従うベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220の出力電流(デューティ比)に基づいて、所望のベルト挟圧力になるように、セカンダリプーリ圧が制御されて、ベルト挟圧力が制御される。
【0065】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置により制御されるパワートレーンを搭載した車両の動作について説明する。
【0066】
車速がほぼ一定であると想定して、運転者がシーケンシャルシフトをアップシフト側に操作すると(S100、S200にてYES)、通常よりも高いベルト挟圧力になるようなベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220への制御信号値に変更される(S300)。
【0067】
ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド1220の出力電流(デューティ比)が変更されて、セカンダリプーリ圧が変更されてベルト挟圧力が所望の挟圧力まで高められる。このようにして、ベルト挟圧力が高めて、CVTのプ−リとベルトとが接する圧力を充分に増大させると、ベルトとプ−リが強く圧接し、引き摺りトルクが増大する。したがって、これが出力軸トルクの変動を吸収する要因になる。このため、急なアップシフト操作が行なわれた場合において出力軸トルクの変動を抑制できるので変速ショックを低減できる。
【0068】
さらに、このような作用を図7〜9を用いて説明する。
図7(A)に、エンジン100から出力されるエンジントルクT(E)を、図7(B)に、CVT300のギヤ比αを、図7(C)に、セカンダリプーリ600の回転数NOUTを、図7(D)に、プライマリプーリ500の回転数NINを、図7(E)に、プライマリプーリ500の回転数NINの回転数変動により発生するイナーシャトルクを、図7(F)に、図7(A)のエンジントルクT(E)に図7(E)のイナーシャトルクを加えた、CVT300への入力トルクT(IN)を、図7(G)に、図7(F)のCVT300の入力軸トルクT(IN)に図7(B)のCVT300のギヤ比αを乗算した、CVT300の出力軸トルクT(OUT)を示す。
【0069】
図7(C)に示すように、車速がほぼ一定であることより、セカンダリプーリ600の回転数NOUTがほぼ一定になる。このような状態で、シーケンシャルシフト操作でアップシフトされると、図7(B)に示すように、CVT300のギヤ比αが急激に小さくなる。セカンダリプーリ600の回転数NOUTがほぼ一定のままでギヤ比αが急激に小さくなるので、図7(D)に示すように、プライマリプーリ500の回転数NINが急激に低下する。このとき、変速時間(シーケンシャルシフトにおけるアップシフトの時間)においては、図7(D)に示すように、プライマリプーリ500の回転数NINの変化の時間微分値は、ほぼ一定であるとする。
【0070】
エンジン100の慣性(イナーシャ)をIとして、プライマリプーリ500の回転数NINの角速度ωの時間微分値はdω/dtで表わされ、減速であるので、マイナス符号が付く。回転系の運動方程式よりイナーシャトルクTが、T=−I・(−dω/dt)=I・(dω/dt)で算出される。これを図7(E)に示す。CVT300の入力軸トルクT(IN)は、図7(A)に示すエンジントルクT(E)と図7(E)に示すイナーシャトルク{I・(dω/dt)}とを加算した値になる。CVT300の出力軸トルクは、図7(F)の入力軸トルクにCVT300のギヤ比αを乗算した値であるので、ベルト挟圧力を上昇させないと、図7(G)に示すように、CVT300の出力軸トルクが大きく変動する。
【0071】
一方、図8(C)に示すように、変速時間(シーケンシャルシフトにおけるアップシフトの時間)において、ベルト挟圧力を所望の値にまで上昇させると、ベルト700を強い張力で引っ張らなければならなくなり、CVT300の出力軸の変動を抑制することができる。すなわち、図8(D)に示すように、ベルト挟圧力の上昇制御がない場合(点線)に比べて、ベルト挟圧力の上昇制御がある場合(実線)の方が、CVT300の出力軸トルクT(OUT)の変動が小さくなっていることがわかる。
【0072】
なお、図8(A)および図8(B)は、図7(A)および図7(B)とそれぞれ同じであるので、ここでの詳細な説明は繰返さない。
【0073】
また、ベルト挟圧力を上昇させると、エンジン回転軸から駆動力を得るオイルポンプがこの車両に搭載されている場合には、さらなる作用が発生する。すなわち、ベルト挟圧力を上昇させるためにオイルポンプの負荷が上昇して、エンジン100からCVT300に伝達されるトルクに損失(この損失分がオイルポンプの負荷上昇分に相当する)が生じることになる。このとき、図9(A)に示すように、エンジントルクT(E)がΔT(E)だけ低下する。このため、図9(D)に示すように、CVT300の入力軸トルク自体がこの損失分であるΔT(E)だけ低下する。このことに加えて、ベルト挟圧力の上昇に伴い、図9(E)に示すように、CVT300の出力軸の変動をさらに抑制することができる。
【0074】
なお、図9(B)は図7(B)と、図9(C)は図8(C)と、それぞれ同じであるので、ここでの詳細な説明は繰返さない。
【0075】
以上のようにして、本実施の形態に係るECT_ECUによると、シーケンシャルシフトを用いた急なアップシフト操作が行なわれると、CVTのプーリとベルトとが接する圧力がより大きくなるように、ベルト挟圧力制御用リニアソレノイドが制御される。ベルト挟圧力制御用リニアソレノイドは、その電流デューティ比が低いほどベルト挟圧力が高くなるというような特性が予め既知であるので、たとえば電流デューティ比を制御することにより、所望のベルト挟圧力を実現できる。ベルト挟圧力が高まると、引き摺りトルクが発生する。したがって、この引き摺りトルクが出力軸トルクの変動を吸収するので、変速ショックを低減できる。
【0076】
なお、上述した実施の形態においては、車両は、シーケンシャルシフト機構付きのCVTについて説明したが、本発明はこのようなCVTに限定されない。CVTにおいて急なアップシフト操作を実行できるCVTであればよい。
【0077】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る自動変速機の制御ブロック図である。
【図2】図1に示すECUの詳細図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るECUに記憶される変速マップである。
【図4】ベルト挟圧力制御用リニアソレノイドの制御特性を示す図である。
【図5】変速マップ上の急アップシフトの例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るECUで実行されるプログラムの制御構造を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るECUが搭載された車両の動作を示すタイミングチャート(その1)である。
【図8】本発明の実施の形態に係るECUが搭載された車両の動作を示すタイミングチャート(その2)である。
【図9】本発明の実施の形態に係るECUが搭載された車両の動作を示すタイミングチャート(その3)である。
【符号の説明】
100 エンジン、200 トルクコンバータ、210 ロックアップクラッチ、220 ポンプ羽根車、230 タービン羽根車、240 ステータ、250 ワンウェイクラッチ、290 前後進切換え装置、300 CVT、310入力クラッチ、400 タービン回転数センサ、410 プライマリプーリ回転数センサ、420 セカンダリプーリ回転数センサ、500 プライマリプーリ、600 セカンダリプーリ、700 ベルト、800 デファレンシャルギヤ、1000 ECU、1010 エンジンECU、1020 ECT_ECU、1100 油圧制御部、1110 変速速度制御部、1120 ベルト挟圧力制御部、1130 ロックアップ係合圧制御部、1140 クラッチ圧力制御部、1150 マニュアルバルブ、1200 変速制御用デューティソレノイド(1)、1210 変速制御用デューティソレノイド(2)、1220 ベルト挟圧力制御用リニアソレノイド、1230 ロックアップソレノイド、1240 ロックアップ係合圧制御用デューティソレノイド。
Claims (6)
- ベルト式無段変速装置を搭載した車両の制御装置であって、
急なアップシフト変速を検知するための検知手段と、
前記急なアップシフトが検知されたことに応答して、前記ベルト式無段変速装置を構成するプーリとベルトとが接する圧力を強めるように、前記ベルト式無段変速装置を制御するための制御手段とを含む、車両の制御装置。 - 前記制御装置は、前記ベルト式無段変速装置における変速比を離散的に選択するための選択手段をさらに含み、
前記検知手段は、前記選択手段による離散的な変速比の選択状態に基づいて、急なアップシフト変速を検知するための手段を含む、請求項1に記載の車両の制御装置。 - 前記選択手段は、シーケンシャルシフト機構である、請求項2に記載の車両の制御装置。
- ベルト式無段変速装置を搭載した車両の制御方法であって、
急なアップシフト変速を検知する検知ステップと、
前記急なアップシフトが検知されたことに応答して、前記ベルト式無段変速装置を構成するプーリとベルトとが接する圧力を強めるように、前記ベルト式無段変速装置を制御する制御ステップとを含む、車両の制御方法。 - 前記制御方法は、前記ベルト式無段変速装置における変速比を離散的に選択する選択ステップをさらに含み、
前記検知ステップは、前記選択手段による離散的な変速比の選択状態に基づいて、急なアップシフト変速を検知するステップを含む、請求項4に記載の車両の制御方法。 - 前記選択ステップは、シーケンシャルシフト機構を操作することにより変速比を離散的に選択するステップを含む、請求項5に記載の車両の制御方法。
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Cited By (2)
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JP2007071160A (ja) * | 2005-09-08 | 2007-03-22 | Toyota Motor Corp | 車両の制御装置 |
JP2011047459A (ja) * | 2009-08-26 | 2011-03-10 | Jatco Ltd | 無段変速機及びその制御方法 |
-
2003
- 2003-05-16 JP JP2003138696A patent/JP2004340288A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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JP2011047459A (ja) * | 2009-08-26 | 2011-03-10 | Jatco Ltd | 無段変速機及びその制御方法 |
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