JP2004340069A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の排気浄化手段についての再生処理時に、排気浄化手段において、燃料をより容易に酸化させることができる技術を提供する。
【解決手段】内燃機関1の運転用の燃料を燃焼室に供給する燃料噴射弁3と、内燃機関1の排気ガスの一部を吸気枝管8に再循環させるEGR通路25と、排気浄化のためのNOx触媒20と、EGR通路25に燃料を供給する燃料添加弁41と、を備え、NOx触媒20についての再生時処理には、燃料添加弁41が、燃料をEGR通路25に供給する。
【選択図】 図1
【解決手段】内燃機関1の運転用の燃料を燃焼室に供給する燃料噴射弁3と、内燃機関1の排気ガスの一部を吸気枝管8に再循環させるEGR通路25と、排気浄化のためのNOx触媒20と、EGR通路25に燃料を供給する燃料添加弁41と、を備え、NOx触媒20についての再生時処理には、燃料添加弁41が、燃料をEGR通路25に供給する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気を浄化する排気浄化システムに関し、特に、再生処理において燃料を供給し、その排気浄化性能を回復させる排気浄化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等に搭載される内燃機関、特に酸素過剰状態の混合気(いわゆるリーン空燃比の混合気)を燃焼可能とするディーゼルエンジンやリーンバーン・ガソリンエンジンでは、該内燃機関の排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化するために、内燃機関の排気系にNOx吸収剤を配置する技術が用いられている。
【0003】
このNOx吸収剤の一つとして、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中の窒素酸化物(NOx)を吸収(吸蔵)し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還元剤が存在するときは吸収(吸蔵)していた窒素酸化物(NOx)を放出しつつ窒素(N2)に還元する吸蔵還元型NOx触媒が知られている。
【0004】
この吸蔵還元型NOx触媒の場合、前記内燃機関では通常運転時の排気の空燃比がリーンとなるため、排気中のNOxがNOx触媒に吸収(吸蔵)される。しかし、リーン空燃比の排気がNOx触媒に供給され続けると、NOx触媒のNOx吸収能力が飽和し、それ以上NOxを吸収(吸蔵)できなくなる。
【0005】
そこで、NOx吸収剤である吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸収能力が飽和する前に、所定のタイミングで流入排気の酸素濃度を低下させるとともに排気中に還元剤を供給し、NOx触媒に吸収(吸蔵)されていたNOxを放出しつつN2に還元し、NOx触媒のNOx吸収能力を回復させる必要がある。このような処理をNOx吸収剤についてのNOx再生処理と呼ぶ。なお、このNOx再生処理において供給される還元剤としては、燃料が使用される場合がある。
【0006】
また、内燃機関の燃料には硫黄(S)成分が含まれている場合がある。このような場合、燃料が内燃機関で燃焼されると硫黄酸化物(SOx)が生成される。この硫黄酸化物(SOx)は吸蔵還元型NOx触媒に吸収されると吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸収能力を低下させる。
【0007】
従って、吸蔵還元型NOX触媒においては、適宜のタイミングで、吸蔵還元型NOX触媒に吸収(吸蔵)された硫黄酸化物(SOx)を除去するために、吸蔵還元型NOX触媒の温度を500℃から700℃程度の高温に上昇させたうえで、還元剤を供給する、いわゆるS被毒再生処理を行う必要もある。なお、S被毒再生処理時においても、排気の空燃比をリッチ空燃比とすることなどにより、燃料を還元剤として吸蔵還元型NOX触媒に供給する場合がある。
【0008】
その他の排気浄化装置として、内燃機関においては、排気通路に配置されて排気中のPM(粒子状物質)を捕集するパティキュレート・フィルタ(以下、フィルタという)などが知られている。このフィルタにおいては、前述のNOx触媒を担持した構造をとっているものも多い。
【0009】
かかるフィルタにおいては、捕集されたPMが増加すると、フィルタの目詰まりによって排気圧力が上昇しエンジン性能が低下するので、捕集したPMを酸化除去することでフィルタの排気浄化性能の再生を図るように、いわゆるPM再生を行うことが必要である。
【0010】
このPM再生を行う場合にも、フィルタに担持されたNOx触媒に燃料を供給し、その燃料が、フィルタに担持されたNOx触媒において酸化する際に発生する熱を利用して、捕集したPMを酸化除去する技術が知られている。なお、PM再生においてもフィルタに燃料が供給されているが、この場合の燃料は、フィルタの温度を上昇させるために用いられるので、必ずしも還元剤として供給されるものではない。
【0011】
ここで、上記したNOx吸収剤やフィルタについての再生処理を行う場合に、内燃機関の排気通路内や吸気ポートに、燃料を供給する燃料添加ノズルを設け、NOx吸収剤やフィルタに燃料を供給する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。その他に、NOx吸収剤やフィルタへ燃料を供給するために、内燃機関の燃料噴射弁から、圧縮行程上死点の近傍で行われる燃料噴射(主噴射)に加えて、主噴射に先立ちあるいは後続して副噴射を実施し、NOx吸収剤やフィルタについての再生処理を行う場合もある。
【0012】
しかし、上記のように、内燃機関の排気通路内に、燃料を供給する燃料添加ノズルを設けた場合、充分に気化していない燃料が直接NOx触媒に供給されるため、NOx触媒で燃料が酸化されづらい。従って、大きな容量を有する触媒が必要になる。また、液状の燃料がNOx触媒に付着してしまうと、NOx触媒の性能劣化につながる場合もある。
【0013】
また、吸気ポートに燃料を噴射する方法においては、低温の新気と燃料とが混合されるので、燃料の蒸発が遅く、燃焼室内でスモークが発生するおそれがある。さらに、副噴射によって燃料を供給する場合には、シリンダライナなど、内燃機関の構成要素へ燃料が付着してしまうことがある。
【0014】
【特許文献1】
特開平07−259541号公報
【特許文献2】
特開平11−72047号公報
【特許文献3】
特開2001−12289号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的とするところは、排気浄化手段についての再生処理時に、排気浄化手段において、燃料をより容易に酸化させることができる技術を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、内燃機関の排気浄化手段についての再生処理において、燃料をEGR通路に供給するものである。
【0017】
より詳しくは、本発明は、内燃機関の運転用の燃料を燃焼室に供給する燃料供給手段と、EGR通路と、排気浄化手段と、EGR通路に燃料を供給するEGR燃料供給手段と、を備え、排気浄化手段についての再生時処理に、EGR燃料供給手段が、燃料を前記EGR通路に供給することを特徴とする。
【0018】
ここで、前記EGR通路を再循環するEGRガスは高温であるため、前記EGR燃料供給手段から供給された燃料は、EGRガスと混合されることにより気化し、内燃機関の吸気マニホールドに供給され、吸気マニホールドでさらに新気と混合されながら内燃機関の燃焼室に導入される。そして、この混合気は、燃焼室内で一部は燃焼して出力となり、残りは部分的に酸化され、あるいは熱分解されて、分子量の小さいHCやCOとなる。その後、前記HCやCOは、内燃機関の排気通路に流入し、前記排気浄化手段に供給される。
【0019】
これにより、分子量が小さく、酸化され易いHCやCOが、排気浄化手段に供給されるので、排気浄化手段では、燃料をより容易に酸化させることができる。また、燃料はEGR通路に供給された後、早期に気化するので、シリンダライナなど、内燃機関の構成要素に液体の燃料が付着することがない。従って、内燃機関の構成要素への煤の付着や燃費悪化の原因になることがない。
【0020】
また、本発明によれば、燃料を吸気ポートに直接供給する場合とは異なり、内燃機関の燃焼室内に蒸発しづらい液状の燃料が供給されることがないので、燃焼室内でスモークが生成されることがない。
【0021】
また、本発明においては、前記EGR燃料供給手段が前記EGR通路に燃料を供給するときに、前記燃料供給手段から前記内燃機関の燃焼室へ供給される燃料量を減少させるようにするとよい。
【0022】
ここで、排気浄化手段についての再生処理時に、EGR通路に燃料を供給した場合は、前述のようにその一部は内燃機関の燃焼室で燃焼し、出力となる。よって、排気浄化手段についての再生処理時に、急激なトルクアップによってトルクショックが発生するおそれがある。
【0023】
そこで、上記のように、EGR燃料供給手段がEGR通路に燃料を供給するときに、内燃機関の運転のための燃料を燃焼室に供給する燃料供給手段から供給する燃料量を減少させることにより、トルクショックの発生を抑制することができる。
【0024】
なお、EGR燃料供給手段がEGR通路に供給する燃料供給量および、燃料供給手段から燃焼室に供給する燃料供給量を決定する方法として、排気浄化手段についての再生処理時に排気浄化手段に供給すべき燃料量と、トルクショックを発生させず且つそのときの運転状況に対応するために燃焼室に供給すべき燃料量とに基づき、各運転状況においてEGR燃料供給手段および燃料供給手段から供給されるべき燃料量を実験的または理論的に求め、MAPに格納しておく方法を例示することができる。
【0025】
こうすれば、排気浄化手段についての再生処理時に、EGR燃料供給手段および燃料供給手段からの燃料供給量を、前記MAPから、そのときの運転状況に対応した各データを読み出すことによって容易に決定することができる。
【0026】
また、EGR燃料供給手段からEGR通路に供給する燃料供給量および、燃料供給手段から燃焼室に供給する燃料供給量を決定する別の方法として、内燃機関にノックセンサまたは燃焼圧センサを備え、該センサにより、内燃機関のノッキング状態または燃焼圧を検出し、ノッキングやトルクショックが発生しないように、EGR燃料供給手段および燃料供給手段からの燃料供給量を決定する方法を例示することができる。
【0027】
こうすればそのときの内燃機関のノック状態を検出しながら、EGR燃料供給手段および燃料供給手段からの燃料供給量を各々決定できるので、より確実に、精度よく、ノッキングやトルクショックを防止することができる。
【0028】
また、本発明において、再循環されるEGRガスを冷却する冷却装置及び、再循環されるEGRガスの再循環量を制御する再循環量制御装置の少なくとも一方を有するEGRガス制御手段を備える場合は、EGR燃料供給手段は、EGR通路において、EGRガス制御手段の下流に配置されるようにするのがよい。
【0029】
ここで、EGR通路に冷却装置のみが備えられている場合は、前記EGRガス制御手段は冷却装置を指し、EGR通路に再循環量制御装置のみが備えられている場合は、前記EGRガス制御手段は再循環量制御装置を指し、EGR通路に冷却装置及び再循環量制御装置が備えられている場合は、EGRガス制御手段は、冷却装置及び再循環量制御装置の両方を指す。すなわち、EGR通路に冷却装置か再循環量制御装置が備えられている場合には、EGR燃料供給手段は、それら全ての下流に配置されるのがよい。
【0030】
このような配置をとることにより、排気浄化手段の再生処理において、EGR燃料供給手段からEGR通路に燃料を供給したときに、その燃料のうち、気化する前段階のものが前記冷却装置や再循環量制御装置に付着し、それらの機能が低下することを防止することができる。
【0031】
なお、EGR通路に、前記冷却装置及び前記再循環量制御装置以外の装置、例えば、EGRガスに前記冷却装置をバイパスさせるバイパス装置やEGRガスの温度を検出する温度センサなどが備えられている場合は、EGR燃料供給手段は、それらの最下流に配置されるのがよいのはもちろんである。
【0032】
また、本発明において、EGR燃料供給手段がEGR通路に燃料を供給するときには、EGR通路の下流方向に向けて燃料を供給することが望ましい。こうすれば、EGR燃料供給手段が供給する燃料が気化する前に直接EGR通路の壁面に付着することを防止することができる。これにより、EGR通路の壁面への、煤の付着を防止することができ、燃料が壁面に付着することによる燃費の悪化をも防止することができる。
【0033】
また、本発明においては、EGR燃料供給手段がEGR通路に燃料を供給する時に、EGR燃料供給手段から供給された燃料の気化を促進する気化促進手段を備えるのがよい。このことにより、EGR燃料供給手段により供給された燃料の、内燃機関の燃焼室における熱分解あるいは部分酸化をより容易にすることができる。また、シリンダライナなど、内燃機関の構成要素に液体の燃料が付着することにより、煤の付着や燃費悪化の原因になることを防止できる。さらに、内燃機関の燃焼室内に蒸発しづらい液状の燃料が供給されてスモークが生成されることを防止できる。
【0034】
上記の気化促進手段を備えた第1の構成例として、本発明においては、再循環するEGRガスの温度を制御する温度制御手段を備え、EGR燃料供給手段がEGR通路に燃料を供給する時に、温度制御手段が、EGRガスの温度を所定温度以上に制御するものが挙げられる。これによれば、排気浄化手段についての再生処理時にEGR燃料供給手段によりEGR通路に供給された燃料は、より高温のEGRガスと混合されることにより気化が促進される。
【0035】
上記した温度制御手段のさらなる具体例としては、EGR通路に設けられた燃焼バーナなどの加熱装置が挙げられる。また、EGR通路に、EGRガスを冷却する冷却装置が備えられている場合には、冷却装置と、EGR通路を通過するEGRガスに冷却装置をバイパスさせるバイパス装置との組み合わせを挙げることができる。また他に、冷却装置と、この冷却装置の冷却水の流量を制御する冷却水流量制御装置との組み合わせを例示することができる。
【0036】
また、上述した気化促進手段を備えた第2の構成例としては、再循環するEGRガスの流量を制御する再循環量制御装置を備え、EGR燃料供給手段がEGR通路に燃料を供給するときに、前記再循環量制御装置が、EGRガスの量を増加させるものを挙げることができる。これにより、高温のEGRガスの量が増加するので、EGR燃料供給手段がEGR通路に供給した燃料をより確実に気化させることができる。
【0037】
また、上述した気化促進手段を備えた第3の構成例としては、再循環するEGRガスの流速を増加させる流速増加手段を備えるものを挙げることができる。これにより、EGR燃料供給手段から供給された燃料は、流速の早いEGRガスと衝突し、混合されるので、燃料の微粒子が促進され、結果として気化が促進される。
【0038】
この、流速増加手段のさらなる具体例としては、EGR通路の、前記EGR燃料供給手段が燃料を供給する部分に、EGR通路の断面積を絞ったベンチュリ部を備えた構成を例示することができる。
【0039】
また、上述した気化促進手段を備えた第4の構成例としては、再循環されるEGRガスに乱流を発生させる乱流発生手段を備えるものを例示することができる。これにより、EGR燃料供給手段から供給された燃料は、EGRガスによる乱流と複雑に衝突し、混合されるので、燃料の微粒化が促進され、結果として気化が促進される。
【0040】
この、乱流発生手段のさらなる具体例としては、前記EGR通路の、前記EGR燃料供給手段が燃料を供給する部分の上流にEGRガスの流れに対する障害物を配置することで、EGRガスの乱流を発生させる構成を例示することができる。
【0041】
次に、本発明においては、内燃機関が複数の気筒を有する場合は、排気浄化手段についての再生処理時にEGR通路を再循環するEGRガスは、前記複数の気筒のなかの一部の気筒から取り出され、EGR燃料供給手段によって燃料を供給された後のEGRガスは、前記一部の気筒以外の気筒に供給されるような構成にしてもよい。
【0042】
このような構成にすると、排気浄化手段についての再生処理時にEGR通路を通過するEGRガスに燃料を供給したとき、気化した燃料を含んだEGRガスは、前記一部の気筒以外の気筒に供給される。そして、気化した燃料の一部は、前記一部の気筒以外の気筒で、燃料供給手段により供給された燃料とともに燃焼して出力となる。気化した燃料の残りは、熱分解あるいは部分酸化された成分となり、排気通路に流入する。
【0043】
一方、前記一部の気筒には、気化した燃料を含まない新気が供給される。この新気は、該一部の気筒において燃料供給手段により供給された燃料とともに燃焼された後、EGR通路を再循環する。
【0044】
従って、一度EGR通路を再循環し、気化した燃料を含んだEGRガスが、EGR通路をさらに再循環することがなくなる。換言すると、気化した燃料を含んだEGRガスは、ほぼ全てが排気通路に配置された排気浄化手段に供給される。これにより、EGR燃料供給手段から供給した燃料を、効率よく排気浄化手段に供給することができる。
【0045】
また、本発明においては、排気浄化手段についての再生処理時に、EGR燃料供給手段によって燃料が供給されたEGRガスを、新気と混合させずに、少なくとも一部の気筒の燃焼室内に直接供給するように構成してもよい。このようにすれば、気化した燃料を含むEGRガスは、新気と混合されないため高温のまま前記一部の気筒の燃焼室に供給される。従って、前記気化した燃料を含むEGRガスと低温の新気とが混合するときに、EGRガス内に含まれる燃料が、冷却されて凝縮することがない。
【0046】
なお、上記で説明した課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて使用することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0048】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る内燃機関とその排気浄化システムの概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を有する多気筒ディーゼル機関である。
【0049】
内燃機関1は、各気筒2の燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁3を備えている。各燃料噴射弁3は、燃料を所定圧まで蓄圧する蓄圧室(コモンレール)4と接続されている。そして、コモンレール4は、燃料供給管5を介して燃料ポンプ6と連通している。
【0050】
前記燃料ポンプ6から吐出された燃料は、燃料供給管5を介してコモンレール4へ供給され、コモンレール4にて所定圧まで蓄圧されて各気筒2の燃料噴射弁3へ分配される。そして、燃料噴射弁3に駆動電圧が印加されると、燃料噴射弁3が開弁し、その結果、燃料噴射弁3から気筒2の燃焼室へ燃料が噴射される。
【0051】
次に、内燃機関1には、吸気枝管8が接続されており、吸気枝管8の各支管は、各気筒2の燃焼室と図示しない吸気ポートを介して連通している。前記吸気枝管8は、吸気管9と接続されている。前記吸気管9には、インタークーラ16と、遠心過給器(ターボチャージャ)15のコンプレッサハウジング15aとが取り付けられている。
【0052】
一方、内燃機関1には、排気枝管18が接続され、排気枝管18の各枝管が各気筒2の燃焼室と排気ポート30を介して連通している。前記排気枝管18は、前記ターボチャージャ15のタービンハウジング15bと接続されている。また、該タービンハウジング15bは、排気通路19と接続されている。
【0053】
前記排気通路19には、排気中のNOxを吸蔵・還元する排気浄化手段であるNOx触媒20を備えている。該NOx触媒20は、周囲雰囲気が高酸素濃度状態であるときは排気中に含まれるNOxを吸蔵し、周囲雰囲気が低酸素濃度状態であり、且つ還元成分が存在するときは、吸蔵されたNOxを還元する、いわゆる吸蔵還元型NOx触媒である。
【0054】
また、内燃機関1には、該内燃機関1から排出され排気枝管18を流れる排気の少なくとも一部を吸気枝管8へ再循環させる排気再循環装置40が設けられている。排気再循環装置40は、排気枝管18から吸気枝管8の集合部に至るよう形成されたEGR通路25と、電磁弁等からなりEGR通路25内を流れる排気(以下、EGRガスと称する)の流量を印加電圧の大きさに応じて調整する再循環量制御装置であるEGR弁26と、該EGR弁26より上流のEGR通路25に設けられ、該EGR通路25を流れるEGRガスを冷却する冷却装置であるEGRクーラ27とを備えている。
【0055】
また、EGR通路25において、EGR弁26の下流には、EGR通路25に燃料を供給するEGR燃料供給手段である燃料添加弁41が備えられている。該燃料添加弁41は燃料供給路7及び燃料供給管5を介して燃料ポンプ6と連通しており、所定電圧が印加されると開弁状態となり、EGR通路25内に燃料が噴射される。
【0056】
このように構成された排気再循環装置40では、EGR弁26が開弁されると、排気枝管18内を流れる排気の一部が、前記EGR通路25を通り、EGRクーラ27によって冷却され、吸気枝管8の集合部へ流入する。吸気枝管8へ流入したEGRガスは、吸気枝管8の上流から導入された新気と混合されつつ各気筒2の燃焼室へ分配され、燃料噴射弁3から噴射される燃料を着火源として燃焼される。
【0057】
ここで、EGRガスには、水(H2O)や二酸化炭素(CO2)などのように、自らが燃焼することがなく、且つ、吸熱性を有する不活性ガス成分が含まれているため、EGRガスが混合気中に含有されると、混合気の燃焼温度が低くなり、これにより窒素酸化物(NOx)の発生量が抑制される。
【0058】
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)35が併設されている。このECU35は、CPU、ROM、RAM等を備えており、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。
【0059】
ECU35には、各種センサが電気配線を介して接続され出力信号がECU35に入力されるようになっている。一方、ECU35には、燃料噴射弁3、燃料添加弁41、EGR弁26等が電気配線を介して接続され、上記各部がECU35によって制御されるようになっている。
【0060】
また、ECU35に備えられたROMには各種プログラムが記憶されている。例えば、NOx触媒20のいわゆるS被毒再生処理を行うS被毒再生処理ルーチン、NOx再生処理を行うNOx再生ルーチンなどである。
【0061】
次に、本実施の形態における排気浄化手段であるNOx触媒20のS被毒再生処理について説明する。前述のように、内燃機関で生成された硫黄酸化物(SOx)は吸蔵還元型NOx触媒であるNOx触媒20に吸収されるとそのNOx吸収能力を低下させる。
【0062】
従って、NOX触媒20においては、適宜のタイミングで、NOx触媒20に吸収された硫黄酸化物(SOx)を除去するために、NOx触媒20の温度を500℃から700℃程度の高温に上昇させたうえで、流入する排気の空燃比をリッチ空燃比とする、いわゆるS被毒再生処理を行う。
【0063】
本実施の形態においては、上記のNOx触媒20についてのS被毒再生処理の実施時には、還元剤としての燃料を、EGR通路25に設けられた燃料添加弁41から噴射する。
【0064】
ここで、前記EGR通路25を再循環するEGRガスは高温であるため、前記燃料添加弁41から供給された燃料は、EGRガスと混合されることにより気化し、内燃機関1の吸気枝管8に供給され、吸気枝管8でさらに新気と混合されながら内燃機関1の燃焼室に導入される。そして、この混合気は、燃焼室内で一部は燃焼して出力となり、残りは部分的に酸化され、あるいは熱分解されて、分子量の小さいHCやCOとなる。その後、前記HCやCOは、排気枝管18を介して内燃機関1の排気通路19に流入し、NOx触媒20に供給される。
【0065】
これにより、分子量が小さく、酸化され易いHCやCOが、NOx触媒20に供給されるので、NOx触媒20では、燃料をより容易に酸化させることができる。また、燃料がEGR通路25に供給された時点で気化するので、シリンダライナなど、内燃機関1の構成要素に液体の燃料が付着することを抑制できる。
【0066】
従って、内燃機関1の構成要素への煤が付着したり、前記構成要素に燃料が付着してNOx触媒に供給されないことにより燃費が悪化したりすることが抑制される。同様に、内燃機関1の燃焼室内に蒸発しづらい液状の燃料が供給されることがないので、燃焼室内でのスモーク生成を抑制することができる。
【0067】
また、本実施の形態においては、排気再循環装置40において、EGR通路25の上流側からEGRクーラ27、EGR弁26、燃料添加弁41の順番で配置されている。このような順番で排気再循環装置40の構成要素を配置することによって、NOx触媒20の再生処理において、燃料添加弁41からEGR通路25に燃料を供給したときに、その燃料のうち、気化する前段階のものがEGRクーラ27やEGR弁26に付着し、それらの機能を低下させることを防止することができる。
【0068】
また、本実施の形態においては、燃料添加弁41の、燃料を噴射するための噴孔は、EGR通路25を再循環するEGRガスの下流側に向けてのみ開けられている。従って、燃料添加弁41からEGR通路25に燃料を噴射するときに、燃料は、EGRガスの下流側に向けて噴射され、EGRガスの流れに乗ってスムーズに下流に運ばれる。
【0069】
従って、燃料が、EGR通路25の壁面に垂直に噴射される場合のように、燃料添加弁41が噴射する燃料が直接、EGR通路25の壁面に付着し、燃料の気化の妨げになることを防止することができる。また、EGR通路25への煤の付着や、燃料添加弁41から噴射する燃料の全てが、NOx触媒20に供給されないことにより、NOx触媒20のS被毒再生処理が不完全になったり、燃費が悪化することを防止することができる。
【0070】
次に、本実施の形態におけるNOx触媒20のS被毒再生処理についての制御について説明する。図2は、本実施の形態におけるS被毒再生処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0071】
本ルーチンは、ECU35のROMに記憶されたプログラムであり、フローチャートの各ステップにおける処理は全てECU35のCPUによって実行される。また、本ルーチンは、内燃機関1の運転中、所定時間毎に実行される。
【0072】
本ルーチンが実行されると、S201において、まず、ECU35は、現在の内燃機関1の運転状態からNOx触媒20に吸収されるSOx量を算出し、前回のS被毒再生処理後から現在までにNOx触媒20に吸収されたSOx吸収量を積算する。
【0073】
次に、S202に進み、NOx触媒20のS被毒再生時期かどうかを判定する。ここで、S201で算出したSOx吸収量がSOx許容容量に達していない場合にはS被毒再生時期ではないと判定して本ルーチンを終了する。一方、S201で算出したSOx吸収量がSOx許容容量に達している場合には、ECU35は、NOx触媒20のS被毒再生時期であると判定してS203に進む。
【0074】
ここで、SOx許容容量とは、NOx触媒20のNOx吸能力の低下が顕著になる限度のSOx吸収量に対して、あるマージンをもって設定されたSOx吸収量であり、本ルーチンにおけるS被毒再生時期判断の判定基準となるものである。
【0075】
次に、S203に進むと、いわゆるS被毒再生処理を開始する。具体的には、EGR通路25に設けられた燃料添加弁41から、S被毒再生の還元剤としての燃料の供給が開始され、排気ガスの温度をS被毒再生実施可能な650℃から700℃程度まで昇温させるための昇温制御が行われる。ここで、この昇温制御の具体的な方法としては、内燃機関1における燃料噴射弁3から、主噴射に加えて副噴射を行ったり、EGR弁26を制御することにより、内燃機関1に供給されるEGRガスの量を変更するなどの方法を併用してもよい。
【0076】
また、ここで、燃料添加弁41からEGR通路25に供給される燃料の量は、S201で積算されたSOx吸収量と、後述するS被毒再生処理時間から決定される量である。S203の処理が終わるとS204に進む。
【0077】
S204においては、内燃機関1の燃料噴射弁3から燃焼室内に噴射される燃料量の減量を開始する。ここで、燃料噴射弁3から燃焼室内に噴射される燃料量を減量するのは、S203において、燃料添加弁41からEGR通路25に供給された燃料のうち、一部は気筒2の燃焼室で燃焼して出力となるため、それまでと同じ量の燃料を燃料噴射弁3から噴射すると、トルクが急激に増加し、トルクショックが発生するからである。
【0078】
具体的には、そのときの運転状況と、その運転状況の要求を満たし且つ燃料添加弁41からEGR通路25への燃料供給が開始してもトルクショックを与えない燃料量を格納したS被毒再生時燃料噴射量マップから、そのときの運転状況において、燃料噴射弁3から噴射されるべき燃料量の値を読み出して燃料量の制御を行う。S204の処理が終わると、S205に進む。
【0079】
S205においては、S203で燃料添加弁41によるEGR通路25への燃料供給が開始されてから所定時間が経過したかどうかが判断される。具体的には、S203の処理が実行された時点で時間tの計測を開始(タイマスタート)し、tと所定時間t0を比較することによって判断をする。
【0080】
なお、所定時間t0は、NOx触媒20内に吸収されたSOxを放出させるための処理時間として設定された時間であり、例えば10分などと設定される。
【0081】
ここで、所定時間t0が経過していないと判断された場合には、S205の処理の前に戻り、S205において、再度、所定時間t0が経過したかどうかが判断される。そして、S205において、所定時間t0が経過したと判断されるまで、この処理が行われる。S205において、所定時間t0が経過したと判断されたときには、S206に進む。
【0082】
S206においては、燃料噴射弁3からの噴射燃料量の減量を終了する。すなわち、そのときの運転状況に応じて通常要求される量の燃料の噴射を再開する。
【0083】
次に、S207に進み、燃料添加弁41からEGR通路25への燃料の供給を終了し、さらに、前述の排気ガス昇温制御を終了することによって、S被毒再生処理が終了される。この処理を行った後、本ルーチンを終了する。
【0084】
本実施の形態におけるS被毒再生処理ルーチンにおいては、上記のように、燃料添加弁41がEGR通路25に燃料を噴射開始したときには、内燃機関1の運転のために燃料噴射弁3から燃焼室に供給する燃料量を減少させるようにしているので、燃料添加弁41からの燃料供給によってトルクショックが発生することを防止することができる。
【0085】
また、本ルーチンでは、燃料噴射弁3から燃焼室に供給する燃料量を、予め実験的または理論的に求められたデータを格納したマップから、燃料供給量データを読み出すことによって求めているので、燃料噴射弁3からの燃料供給量を、容易に且つ迅速に決定することができる。
【0086】
なお、本ルーチンにおいては、S203における燃料添加弁41からEGR通路25に供給するEGR燃料供給量は、SOx積算量及び、S被毒再生処理の処理時間t0との関係において決定される量を用いたが、S被毒再生中の運転状況を逐一取得し、その運転状況に応じて、燃料添加弁41からの最適の燃料供給量及び、燃料噴射弁3からの最適の燃料供給量を両方マップから読み出して決定し、S被毒再生処理中に燃料添加弁41から供給した燃料量の合計が所定量を超えることにより、S被毒再生処理を終了するようなフローにしてもよい。
【0087】
また、本ルーチンにおいて、内燃機関1の気筒2に、ノックセンサまたは燃焼圧センサを設けておき、NOx触媒20のS被毒再生処理時には、前記センサの出力信号に基づいてそのときのノッキング状態あるいは燃焼圧を検出し、ノッキング状態や燃焼圧が急激に変化しないように、燃料添加弁41および燃料噴射弁3からの燃料噴射量を制御する方法をとってもよい。
【0088】
こうすればそのときの内燃機関1のノッキング状態あるいは燃焼圧を検出しながら、ノッキングやトルクショックが発生しないように燃料添加弁41および燃料噴射弁3からの燃料供給量を決定できるので、より確実に、精度よく、ノッキングやトルクショックを防止することができる。
【0089】
なお、本実施の形態においては、NOx触媒20についてのいわゆるS被毒再生処理についての制御を説明したが、同様の制御を、同じくNOx触媒20に吸収されたNOxを還元することにより放出させるNOx再生(還元)処理に適用してもよい。
【0090】
また、本実施の形態における内燃機関1の排気通路19に、NOx触媒を担持した構造のフィルタを備えた場合には、同様の制御を、フィルタに貯められた粒子状物質(PM)を酸化除去するためのいわゆるPM再生処理に適用してもよい。
【0091】
(第2の実施の形態)
次に、本発明に係る第2の実施の形態について説明する。ここでは、前述の第1の実施の形態と異なる構成について説明する。その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0092】
本実施の形態においては、NOx触媒20において、吸収したNOxを放出させるNOx再生について本発明を適用した例であって、さらに、排気再循環装置40には、EGRガスにEGRクーラ27をバイパスさせるバイパス装置10が備えられており、NOx再生時には、バイパス装置10を用いて、EGRガスの温度を所定温度以上に制御する例について説明する。
【0093】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る内燃機関1および、排気再循環装置40の構成を示す概略図である。
【0094】
図3において、排気再循環装置40のEGR通路25には、EGRクーラ27の上流側と下流側を連通したバイパス路10aが備えられている。また、バイパス路10aの下流側においてEGR通路25と連結される部分には、開度を調節することによりEGRガスの通過経路を変更するEGR通路切換弁10bが配置されている。さらに、EGR弁26の下流には、EGR通路25を再循環するEGRガスの温度を検出するEGRガス温度センサ11が備えられている。
【0095】
このEGR通路切換弁10bは、その開度が調節されることにより、再循環するEGRガスのうち、EGRクーラ27を通過して冷却されるガスと、バイパス路10aを通過することにより冷却されないガスとの比率を制御し、結果として、EGR通路切換弁10bの下流を通過するEGRガスの温度を制御することができるようになっている。
【0096】
ここでは、EGR通路切換弁10bの開度が増加するに従って、EGRクーラ27を通過するEGRガスの比率が増え、逆に、EGR通路切換弁10bの開度が減少するに従って、バイパス路10aを通過するEGRガスの比率が増える。
【0097】
なお、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様、燃料添加弁41は、
EGRクーラ27、バイパス装置10、及びEGR弁26、EGRガス温度センサ11など、EGR通路25に備えられた装置類の最下流に配置されている。従って、燃料添加弁41から噴射された燃料が上記装置類に付着することにより、上記装置類の機能が劣化することを防止することができる。
【0098】
図4は、本発明における第2の実施の形態に係るNOx再生処理を示すフローチャートである。本ルーチンは、ECU35のROMに記憶されたプログラムであり、フローチャートの各ステップにおける処理は総てECU35のCPUによって実行される。また、本ルーチンは、内燃機関1の運転中、所定時間毎に実行される。
【0099】
本ルーチンが実行されると、S401において、まず、ECU35は、現在の内燃機関1の運転状態からNOx触媒20に吸収されるNOx量を算出し、前回のNOx再生処理後から現在までにNOx触媒20に吸収されたNOx吸収量を積算する。
【0100】
次に、S402に進み、NOx触媒20のNOx再生時期かどうかを判定する。ここで、S401で算出したNOx積算量がNOx許容容量に達していない場合にはNOx再生時期ではないと判定して本ルーチンを終了する。一方、S401で算出したNOx積算量がNOx許容容量に達している場合には、ECU35は、NOx触媒20のNOx再生時期であると判定してS403に進む。
【0101】
ここで、NOx許容容量とは、NOx触媒20のNOx吸能力の低下が顕著になる限度のNOx吸収量に対して、あるマージンをもって設定されたNOx吸収量であり、本ルーチンにおけるS被毒再生時期判断の判定基準となるものである。
【0102】
次に、S403においては、燃料添加弁41から、EGR通路25への燃料噴射を開始する。ここで、燃料添加弁41からEGR通路25に供給される燃料の量は、S401で積算されたNOx吸収量と、後述するNOx再生処理時間から決定される量である。S403の処理が終わるとS404に進む。
【0103】
次に、S404において、EGRガス温度センサ11から取得されたEGRガス温度がT2以上かどうかが判断される。ここで、T2は、本ルーチンにおける温度制御の目標温度であり、燃料添加弁41からEGR通路25に噴射された燃料が充分に気化する温度として実験的に求められた所定温度T1より高い温度に設定されている。
【0104】
S404においてEGRガス温度がT2以上であると判断された場合には、EGRガス温度を下げる制御を行うべきと判断されるので、S406に進む。一方、S404においてEGRガス温度がT2未満であると判断された場合には、EGRガス温度を上げる制御を行うべきであると判断されるので、S405に進む。
【0105】
S405においては、EGRガス温度を上げるために、前記したEGRガス通路切換弁10bを作動させ、バイパス路10aを通過するEGRガスの比率を増加させる。一方S406においては、逆に、EGRガス温度を下げるために、EGRガス通路切換弁10bを作動させ、バイパス路10aを通過するEGRガスの比率を減少させる。
【0106】
S405またはS406の処理を実行した後は、S407に進む。S407においては、S403で燃料添加弁41からEGR通路25へ燃料噴射が開始されてから所定時間が経過したかどうかが判断される。具体的には、S403の処理が実行された時点で時間tの計測を開始(タイマスタート)し、tと、NOx触媒20内に吸収されたNOxを放出させるための処理時間として設定された所定時間t1とを比較することによって判断をする。
【0107】
ここで、所定時間t1が経過していないと判断された場合には、S404の処理の前に戻り、S404において、再度、EGRガス温度がT2以上かどうかが判断され、EGRガス温度がT2以上と判断された場合にはS406に進みバイパス路10aを通過するEGRガスの比率を減少させる処理が行われ、EGRガス温度がT2未満であると判断された場合には、S405に進み、逆にバイパス路10aを通過するEGRガスの比率を増加させる処理が行われる。そして、この一連の処理が、S407において、所定時間t1が経過したと判断されるまで繰り返される。この結果、所定時間t1が経過するまでの間、EGRガスの温度はT2に制御される。
【0108】
S407において所定時間t1が経過したと判断された場合には、S408に進み、EGRガス通路切換弁10bを全開にする。すなわち、EGRガス温度をT2に制御するのを止め、EGRクーラ27を用いて、冷却のみを行う。次に、S409において、燃料添加弁41からEGR通路25への燃料噴射を終了して、いわゆるNOx再生処理を終えた後、本ルーチンを終了する。
【0109】
以上のように、本実施の形態におけるNOx再生処理ルーチンにおいては、燃料添加弁41からEGR通路25への燃料噴射を開始したのち、EGRガスの温度を、EGRクーラ25及びバイパス装置10を用いて、噴射された燃料が気化するのに充分な温度である所定温度T1以上に制御されているので、燃料添加弁41からEGR通路25へ噴射された燃料をより確実に気化させることができる。
【0110】
結果として、燃料添加弁41により供給された燃料の、内燃機関1の燃焼室における熱分解あるいは部分酸化をより容易にすることができる。そして、排気浄化手段であるNOx触媒20において、燃料をより容易に酸化させることができる。また、シリンダライナなど、内燃機関1の構成要素に液体の燃料が付着して煤の付着や燃費悪化の原因になることを防止できる。さらに、内燃機関1の燃焼室内に蒸発しづらい液状の燃料が供給されてスモークが生成されることを防止できる。
【0111】
なお、本実施の形態においては、EGRガスの温度を制御するために、EGRクーラ27と、バイパス装置10を用いた。従って、本実施の形態においては、温度制御手段は、EGRクーラ27及びバイパス装置10を含んで構成される。
【0112】
また、上記の他、温度制御手段としては、EGRクーラ27及び、EGRクーラ27の図示しない冷却水量制御装置を含んで構成されるようにしてもよい。この場合は、図4におけるS405において、EGRクーラ27の冷却水量を減少させる処理を行い、S406においては、EGRクーラ27の冷却水量を増加させる処理を行うように制御するとよい。
【0113】
なお、本実施の形態においては、本発明の構成をNOx触媒のNOx再生処理に適用したが、同様の構成及び制御をNOx触媒のS被毒再生や、フィルタのPM再生に適用できることはもちろんである。
【0114】
(第3の実施の形態)
次に、本発明に係る第3の実施の形態について説明する。ここでは、前述の第1の実施の形態と異なる構成について説明する。その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。なお、本実施の形態においては、図1における排気通路19に、排気浄化手段として吸蔵還元型NOx触媒を担持したパティキュレート・フィルタ(以下、フィルタという)20が配置されているものとする。
【0115】
第2の実施の形態においては、EGRガスの温度を所定温度以上に制御することにより、燃料添加弁41から噴射される燃料の気化を促進したが、本実施の形態においては、EGRガスの流量及び流速を上げて、さらにEGR通路25を通過するEGRガスに乱流を発生させることにより、燃料の気化を促進する例について説明する。
【0116】
図5は、本発明における第3の実施の形態に係るEGR通路25の、燃料添加弁41の取り付け部付近の拡大図である。ここにおいて、EGR通路25は、燃料添加弁41の取り付け部に、その断面積が絞られた細管部28aを有しており、細管部28aの上流側及び下流側には、それぞれテーパ部28b、28cが配置されており、全体でベンチュリ部28を構成している。また、このベンチュリ部28の上流には、乱流発生部29が配置されている。
【0117】
EGRガスがこのベンチュリ部28を通過するときには、細管部28aでその流速が最大となる。また、本実施の形態においては、ベンチュリ部28の上流に乱流発生部29が配置されているため、この乱流発生部29に衝突したEGRガスの流れが乱されて乱流が発生する。
【0118】
上記の構成によれば、乱流発生部29に衝突することによって流れが複雑化し、さらにベンチュリ部28で流速を早められたEGRガスと、燃料添加弁41から噴射された燃料とが複雑に衝突し、混合するので、燃料の微粒子が促進され、結果として燃料添加弁41から噴射された燃料の気化が促進される。
【0119】
次に、図6を用いて、本実施の形態におけるPM再生ルーチンについて説明する。図6は、本実施の形態におけるPM再生ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、ECU35のROMに記憶されたプログラムであり、フローチャートの各ステップにおける処理は総てECU35のCPUによって実行される。また、本ルーチンは、内燃機関1の運転中、所定時間毎に実行される。
【0120】
本ルーチンが実行されると、S601において、まず、ECU35は、現在の内燃機関1の運転状態からフィルタ20に捕集されるPM(粒子状物質)の量を算出し、前回のPM再生処理後から現在までにフィルタ20に捕集されたPMの量を積算する。
【0121】
次に、S602に進み、フィルタ20のPM再生時期かどうかを判定する。ここで、S601で算出したPMの捕集量がPM許容容量に達していない場合にはPM再生時期ではないと判定して本ルーチンを終了する。一方、S601で算出したPMの捕集量がPM許容容量に達している場合には、ECU35は、フィルタ20のPM再生時期であると判定してS603に進む。
【0122】
ここで、PM許容容量とは、フィルタ20のPM捕集能力の低下が顕著になる限度のPM捕集量に対して、あるマージンをもって設定されたPM捕集量であり、本ルーチンにおけるPM再生時期判断の判定基準となるものである
【0123】
S603においては、燃料添加弁41から、EGR通路25への燃料噴射を開始する。ここで、燃料添加弁41からEGR通路25に供給される燃料の量は、S601で積算されたPMの捕集量と、PM再生処理時間、内燃機関1の運転状態、フィルタ20の温度などから決定される量である。
【0124】
次に、S604において、EGR弁26を作動させ、EGR通路26を再循環するEGRガス量を所定量まで増加させる。ここで、EGRガス量は、予め実験的に求められた、燃料添加弁41から噴射された燃料を完全に気化させるのに充分な量まで増加される。
【0125】
S604で、EGRガス量の増加制御を開始した後は、S605に進む。S605においては、S603でEGR通路25への燃料噴射が開始されてから、フィルタ20内に捕集されたPMを放出させるための処理時間として設定された所定時間t2が経過したかどうかが判断される。具体的には、S603の処理が実行された時点で時間tの計測を開始(タイマスタート)し、tと所定時間t2を比較することによって判断をする。
【0126】
ここで、また、所定時間t2が経過していないと判断された場合には、S605の処理の前に戻り、S605において、再度、tと所定時間t2が比較される。そして、S605において、所定時間t2が経過したと判断されるまで繰り返される。
【0127】
S605において所定時間t2が経過したと判断された場合には、S606に進み、EGRガス量増加制御を終了し、EGR弁26をPM再生開始前の状態にもどす。次に、S607において、EGR通路への燃料添加弁41からの燃料噴射を終了し、PM再生処理を終えた後、本ルーチンを終了する。
【0128】
以上のように、本実施の形態におけるPM再生処理ルーチンにおいては、燃料添加弁41からEGR通路25への燃料噴射を開始したのち、EGR弁26を制御することにより、高温のEGRガスの量が増加するので、燃料添加弁41がEGR通路25に供給した燃料をより確実に気化させることができる。
【0129】
すなわち、本実施の形態においては、EGR通路25に、ベンチュリ部28を設けることにより、燃料添加弁41から、EGR通路25内に燃料を噴射する部分におけるEGRガスの流速を速め、また、その上流に乱流発生部29を配置することにより、EGRガスに乱流を発生させ、さらに、PM再生処理を開始するときに、EGR弁26を制御することにより、EGRガス量を増加させる制御を行っている。
【0130】
従って、燃料添加弁41からEGR通路25に噴射される燃料を確実に気化させることができる。その結果、燃料添加弁41により供給された燃料の、内燃機関1の燃焼室における熱分解あるいは部分酸化をより容易にすることができる。そして、フィルタ20において、燃料をより容易に酸化させることができる。また、シリンダライナなど、内燃機関1の構成要素に液体の燃料が付着して煤の付着や燃費悪化の原因になることを防止できる。さらに、内燃機関1の燃焼室内に蒸発しづらい液状の燃料が供給されてスモークが生成されることを防止できる。
【0131】
なお、本実施の形態のように、PM再生処理に、ベンチュリ部28、乱流発生部29の配設及び、EGRガス量を増加させる制御を組み合わせて適用しても良いが、それぞれを単独で適用してもよいことはもちろんである。また、本実施の形態においては、上記のベンチュリ部28及び乱流発生部29の配設と、EGRガス量を増加させる制御とを、フィルタ20についてのPM再生処理に適用したが、これらを、前述したNOx触媒についてのS被毒再生処理や、NOx再生処理に適用してもよい。
【0132】
(第4の実施の形態)
次に、本発明に係る第4の実施の形態について説明する。ここでは、前述の第1の実施の形態と異なる構成について説明する。その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0133】
本実施の形態においては、内燃機関1が複数の気筒2を有する場合は、NOx触媒20などの排気浄化手段についての再生処理時にEGR通路25を再循環するEGRガスは、前記複数の気筒2のなかの一部の気筒から取り出され、燃料添加弁41によって燃料が供給された後のEGRガスは、前記一部の気筒2以外の気筒2に供給されるようにした構成について説明する。
【0134】
図7は、本実施の形態における内燃機関1の吸気枝管8及びEGR通路25の這いまわしの構成について示した概略図である。ここで、吸気枝管8は、内燃機関1の気筒2のうち、#1気筒2の近傍に新気を供給するよう配置されており、EGR通路25は、#1気筒2の排気ポート30の近傍からEGRガスを取り出し、燃料添加弁41により燃料を添加されたEGRガスは、#1気筒2以外の、#2から#4の3つの気筒2に主に供給されるように配置されている。
【0135】
このような構成にすると、NOx触媒20などの排気浄化手段についての再生処理時にEGR通路25を通過するEGRガスに燃料添加弁41から燃料を供給した場合に、気化した燃料を含んだEGRガスは、#2から#4の3つの気筒2に供給される。そして、気化した燃料の一部は、#2から#4の3つの気筒2で、燃料噴射弁3により供給された燃料とともに燃焼して出力となる。気化した燃料の残りは、熱分解あるいは部分酸化された成分となり、排気枝管18を介して排気通路19に流入する。
【0136】
一方、#1気筒2には、気化した燃料を含まない新気が吸気枝管8から供給される。この新気は、#1気筒2において燃料噴射弁3により供給された燃料とともに燃焼された後、EGR通路25を再循環する。
【0137】
従って、一度EGR通路25を再循環し、燃料添加弁41によって燃料の供給を受け、気化した燃料を含んだEGRガスが、EGR通路25をさらに再循環することがなくなる。換言すると、気化した燃料を含んだEGRガスは、ほぼ全てが排気通路19に配置されたNOx触媒20などの排気浄化手段に供給される。これにより、燃料添加弁41から供給した燃料を、効率よくNOx触媒20などの排気浄化手段に供給することができる。
【0138】
図8には、本実施の形態における内燃機関1の吸気枝管8及びEGR通路25の這いまわしの別の構成について示した概略構成図を示す。この構成例では、吸気枝管8と排気枝管18を、複数の気筒2のうちの一部の気筒2に連通するものと、それ以外の気筒2に連通するものに分割している。
【0139】
具体的には、吸気枝管8を2つに分割したうちの一方である分割吸気枝管8aは、内燃機関1の#1気筒2及び#4気筒2と図示しない吸気ポートを介して連通おり、もう一方の分割吸気枝管8bは、図示しない吸気ポートを介して#2気筒2及び#3気筒2に連通している。
【0140】
一方、排気枝管18を2つに分割したうちの一方である分割排気枝管18aは、排気ポート30を介して内燃機関1の#1気筒2及び#4気筒2と連通しており、一方の分割排気枝管18bは、排気ポート30を介して#2気筒2及び#3気筒2に連通している。そして、EGR通路25と分割排気枝管18aとの連結部より下流において、もう一方の分割排気枝管18bは、分割排気枝管18aと合流する構成になっている。
【0141】
従って、EGR通路25へは、#1気筒2及び#4気筒2からの排気のみを分割排気枝管18aから再循環させることができる。そして、燃料添加弁41によって燃料が添加され、気化した燃料を含んだEGRガスは、分割吸気枝管8bから#2気筒2及び#3気筒2に供給される。ここで、もう一方の分割吸気枝管8aは、EGR通路25と、分割吸気枝管8bの連結部より上流側で、分割吸気枝管8bから分割されているため、EGR通路25から流出されるEGRガスは、分割吸気枝管8aには流入しない。
【0142】
すると、気化した燃料を含んだEGRガスは、#2気筒2及び#3気筒2において、さらに燃料噴射弁3から供給された燃料とともに燃焼し、一部は、出力になるが、残りは、熱分解あるいは部分酸化された成分となり、分割排気枝管18bから全て排気通路19に流入する。
【0143】
従って、一度EGR通路25を再循環し、気化した燃料を含んだEGRガスが、EGR通路25をさらに再循環することがなくなり、気化した燃料を含んだEGRガスは、ほぼ全てが排気通路19に配置されたNOx触媒20などの排気浄化手段に供給される。これにより、燃料添加弁41から供給した燃料を、効率よくNOx触媒20などの排気浄化手段に供給することができる。
【0144】
(第5の実施の形態)
次に、本発明に係る第5の実施の形態について説明する。ここでは、前述の第1の実施の形態と異なる構成について説明する。その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0145】
本実施の形態においては、NOx触媒20などの排気浄化手段についての再生処理時に、燃料添加弁41によって燃料が供給されたEGRガスを、新気と混合させずに、少なくとも一部の気筒2の燃焼室内に直接供給するように構成した例について説明する。
【0146】
図9は、本実施の形態における内燃機関1のEGR通路25の這いまわしの構成について示した概略図である。ここにおいて、EGR通路25は、吸気枝管8に連通されているのではなく、25a、25b、25c、25dの4本のEGR通路枝管に分岐され、それぞれ、EGR通路枝管25aは#1気筒2に、EGR通路枝管25bは#2気筒2に、EGR通路枝管25cは#3気筒2に、EGR通路枝管25dは、#4気筒2に直接連通している。
【0147】
そして、NOx触媒20の再生処理時には、燃料添加弁41から燃料が供給され、気化した燃料を含むEGRガスが、新気と混合されることなく、直接、内燃機関1の各気筒2に供給される。
【0148】
本実施の形態におけるような吸気枝管8及びEGR通路25の這いまわしの構成にすれば、気化した燃料を含むEGRガスは、内燃機関1の気筒2に導入される前に新気と混合されないため高温のまま各気筒2の燃焼室に供給される。従って、前記気化した燃料を含むEGRガスと低温の新気と吸気枝管8において混合されることがないので、EGRガス内に含まれる燃料が、冷却されて凝縮することを抑制できる。
【0149】
【発明の効果】
上述のように本発明にあっては、排気浄化手段についての再生処理時に、排気浄化手段において、燃料をより容易に酸化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明における第1の実施の形態に係る内燃機関とその排気浄化システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明における第1の実施の形態に係るS被毒再生処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の第2の実施の形態に係る内燃機関および、排気再循環装置の構成を示す概略図である。
【図4】図4は、本発明における第2の実施の形態に係るNOx再生処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図5は、本発明における第3の実施の形態に係るEGR通路の、燃料添加弁の取り付け部付近の拡大断面図である。
【図6】図6は、本発明における第3の実施の形態に係るPM再生ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図7は、本発明における第4の実施の形態に係る内燃機関の吸気枝管およびEGR通路の這いまわしの構成について示した概略図である。
【図8】図8は、本発明における第4の実施の形態に係る内燃機関の吸気枝管およびEGR通路の這いまわしの別の構成について示した概略図である。
【図9】図9は、本発明における第5の実施の形態に係る内燃機関のEGR通路の這いまわしの構成について示した概略図である。
【符号の説明】
1…内燃機関
2…気筒
3…燃料噴射弁
5…燃料供給管
6…燃料ポンプ
7…燃料供給路
8…吸気枝管
9…吸気管
10…バイパス装置
10a…バイパス路
10b…EGR通路切換弁
19…排気通路
20…NOx触媒(フィルタ)
25…EGR通路
26…EGR弁
27…EGRクーラ
28…ベンチュリ部
28a…細管部
28b、28c…テーパ部
29…乱流発生部
35…ECU
40…排気再循環装置
41…燃料添加弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気を浄化する排気浄化システムに関し、特に、再生処理において燃料を供給し、その排気浄化性能を回復させる排気浄化システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等に搭載される内燃機関、特に酸素過剰状態の混合気(いわゆるリーン空燃比の混合気)を燃焼可能とするディーゼルエンジンやリーンバーン・ガソリンエンジンでは、該内燃機関の排気中に含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化するために、内燃機関の排気系にNOx吸収剤を配置する技術が用いられている。
【0003】
このNOx吸収剤の一つとして、流入する排気の酸素濃度が高いときは排気中の窒素酸化物(NOx)を吸収(吸蔵)し、流入する排気の酸素濃度が低下し且つ還元剤が存在するときは吸収(吸蔵)していた窒素酸化物(NOx)を放出しつつ窒素(N2)に還元する吸蔵還元型NOx触媒が知られている。
【0004】
この吸蔵還元型NOx触媒の場合、前記内燃機関では通常運転時の排気の空燃比がリーンとなるため、排気中のNOxがNOx触媒に吸収(吸蔵)される。しかし、リーン空燃比の排気がNOx触媒に供給され続けると、NOx触媒のNOx吸収能力が飽和し、それ以上NOxを吸収(吸蔵)できなくなる。
【0005】
そこで、NOx吸収剤である吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸収能力が飽和する前に、所定のタイミングで流入排気の酸素濃度を低下させるとともに排気中に還元剤を供給し、NOx触媒に吸収(吸蔵)されていたNOxを放出しつつN2に還元し、NOx触媒のNOx吸収能力を回復させる必要がある。このような処理をNOx吸収剤についてのNOx再生処理と呼ぶ。なお、このNOx再生処理において供給される還元剤としては、燃料が使用される場合がある。
【0006】
また、内燃機関の燃料には硫黄(S)成分が含まれている場合がある。このような場合、燃料が内燃機関で燃焼されると硫黄酸化物(SOx)が生成される。この硫黄酸化物(SOx)は吸蔵還元型NOx触媒に吸収されると吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸収能力を低下させる。
【0007】
従って、吸蔵還元型NOX触媒においては、適宜のタイミングで、吸蔵還元型NOX触媒に吸収(吸蔵)された硫黄酸化物(SOx)を除去するために、吸蔵還元型NOX触媒の温度を500℃から700℃程度の高温に上昇させたうえで、還元剤を供給する、いわゆるS被毒再生処理を行う必要もある。なお、S被毒再生処理時においても、排気の空燃比をリッチ空燃比とすることなどにより、燃料を還元剤として吸蔵還元型NOX触媒に供給する場合がある。
【0008】
その他の排気浄化装置として、内燃機関においては、排気通路に配置されて排気中のPM(粒子状物質)を捕集するパティキュレート・フィルタ(以下、フィルタという)などが知られている。このフィルタにおいては、前述のNOx触媒を担持した構造をとっているものも多い。
【0009】
かかるフィルタにおいては、捕集されたPMが増加すると、フィルタの目詰まりによって排気圧力が上昇しエンジン性能が低下するので、捕集したPMを酸化除去することでフィルタの排気浄化性能の再生を図るように、いわゆるPM再生を行うことが必要である。
【0010】
このPM再生を行う場合にも、フィルタに担持されたNOx触媒に燃料を供給し、その燃料が、フィルタに担持されたNOx触媒において酸化する際に発生する熱を利用して、捕集したPMを酸化除去する技術が知られている。なお、PM再生においてもフィルタに燃料が供給されているが、この場合の燃料は、フィルタの温度を上昇させるために用いられるので、必ずしも還元剤として供給されるものではない。
【0011】
ここで、上記したNOx吸収剤やフィルタについての再生処理を行う場合に、内燃機関の排気通路内や吸気ポートに、燃料を供給する燃料添加ノズルを設け、NOx吸収剤やフィルタに燃料を供給する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。その他に、NOx吸収剤やフィルタへ燃料を供給するために、内燃機関の燃料噴射弁から、圧縮行程上死点の近傍で行われる燃料噴射(主噴射)に加えて、主噴射に先立ちあるいは後続して副噴射を実施し、NOx吸収剤やフィルタについての再生処理を行う場合もある。
【0012】
しかし、上記のように、内燃機関の排気通路内に、燃料を供給する燃料添加ノズルを設けた場合、充分に気化していない燃料が直接NOx触媒に供給されるため、NOx触媒で燃料が酸化されづらい。従って、大きな容量を有する触媒が必要になる。また、液状の燃料がNOx触媒に付着してしまうと、NOx触媒の性能劣化につながる場合もある。
【0013】
また、吸気ポートに燃料を噴射する方法においては、低温の新気と燃料とが混合されるので、燃料の蒸発が遅く、燃焼室内でスモークが発生するおそれがある。さらに、副噴射によって燃料を供給する場合には、シリンダライナなど、内燃機関の構成要素へ燃料が付着してしまうことがある。
【0014】
【特許文献1】
特開平07−259541号公報
【特許文献2】
特開平11−72047号公報
【特許文献3】
特開2001−12289号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的とするところは、排気浄化手段についての再生処理時に、排気浄化手段において、燃料をより容易に酸化させることができる技術を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、内燃機関の排気浄化手段についての再生処理において、燃料をEGR通路に供給するものである。
【0017】
より詳しくは、本発明は、内燃機関の運転用の燃料を燃焼室に供給する燃料供給手段と、EGR通路と、排気浄化手段と、EGR通路に燃料を供給するEGR燃料供給手段と、を備え、排気浄化手段についての再生時処理に、EGR燃料供給手段が、燃料を前記EGR通路に供給することを特徴とする。
【0018】
ここで、前記EGR通路を再循環するEGRガスは高温であるため、前記EGR燃料供給手段から供給された燃料は、EGRガスと混合されることにより気化し、内燃機関の吸気マニホールドに供給され、吸気マニホールドでさらに新気と混合されながら内燃機関の燃焼室に導入される。そして、この混合気は、燃焼室内で一部は燃焼して出力となり、残りは部分的に酸化され、あるいは熱分解されて、分子量の小さいHCやCOとなる。その後、前記HCやCOは、内燃機関の排気通路に流入し、前記排気浄化手段に供給される。
【0019】
これにより、分子量が小さく、酸化され易いHCやCOが、排気浄化手段に供給されるので、排気浄化手段では、燃料をより容易に酸化させることができる。また、燃料はEGR通路に供給された後、早期に気化するので、シリンダライナなど、内燃機関の構成要素に液体の燃料が付着することがない。従って、内燃機関の構成要素への煤の付着や燃費悪化の原因になることがない。
【0020】
また、本発明によれば、燃料を吸気ポートに直接供給する場合とは異なり、内燃機関の燃焼室内に蒸発しづらい液状の燃料が供給されることがないので、燃焼室内でスモークが生成されることがない。
【0021】
また、本発明においては、前記EGR燃料供給手段が前記EGR通路に燃料を供給するときに、前記燃料供給手段から前記内燃機関の燃焼室へ供給される燃料量を減少させるようにするとよい。
【0022】
ここで、排気浄化手段についての再生処理時に、EGR通路に燃料を供給した場合は、前述のようにその一部は内燃機関の燃焼室で燃焼し、出力となる。よって、排気浄化手段についての再生処理時に、急激なトルクアップによってトルクショックが発生するおそれがある。
【0023】
そこで、上記のように、EGR燃料供給手段がEGR通路に燃料を供給するときに、内燃機関の運転のための燃料を燃焼室に供給する燃料供給手段から供給する燃料量を減少させることにより、トルクショックの発生を抑制することができる。
【0024】
なお、EGR燃料供給手段がEGR通路に供給する燃料供給量および、燃料供給手段から燃焼室に供給する燃料供給量を決定する方法として、排気浄化手段についての再生処理時に排気浄化手段に供給すべき燃料量と、トルクショックを発生させず且つそのときの運転状況に対応するために燃焼室に供給すべき燃料量とに基づき、各運転状況においてEGR燃料供給手段および燃料供給手段から供給されるべき燃料量を実験的または理論的に求め、MAPに格納しておく方法を例示することができる。
【0025】
こうすれば、排気浄化手段についての再生処理時に、EGR燃料供給手段および燃料供給手段からの燃料供給量を、前記MAPから、そのときの運転状況に対応した各データを読み出すことによって容易に決定することができる。
【0026】
また、EGR燃料供給手段からEGR通路に供給する燃料供給量および、燃料供給手段から燃焼室に供給する燃料供給量を決定する別の方法として、内燃機関にノックセンサまたは燃焼圧センサを備え、該センサにより、内燃機関のノッキング状態または燃焼圧を検出し、ノッキングやトルクショックが発生しないように、EGR燃料供給手段および燃料供給手段からの燃料供給量を決定する方法を例示することができる。
【0027】
こうすればそのときの内燃機関のノック状態を検出しながら、EGR燃料供給手段および燃料供給手段からの燃料供給量を各々決定できるので、より確実に、精度よく、ノッキングやトルクショックを防止することができる。
【0028】
また、本発明において、再循環されるEGRガスを冷却する冷却装置及び、再循環されるEGRガスの再循環量を制御する再循環量制御装置の少なくとも一方を有するEGRガス制御手段を備える場合は、EGR燃料供給手段は、EGR通路において、EGRガス制御手段の下流に配置されるようにするのがよい。
【0029】
ここで、EGR通路に冷却装置のみが備えられている場合は、前記EGRガス制御手段は冷却装置を指し、EGR通路に再循環量制御装置のみが備えられている場合は、前記EGRガス制御手段は再循環量制御装置を指し、EGR通路に冷却装置及び再循環量制御装置が備えられている場合は、EGRガス制御手段は、冷却装置及び再循環量制御装置の両方を指す。すなわち、EGR通路に冷却装置か再循環量制御装置が備えられている場合には、EGR燃料供給手段は、それら全ての下流に配置されるのがよい。
【0030】
このような配置をとることにより、排気浄化手段の再生処理において、EGR燃料供給手段からEGR通路に燃料を供給したときに、その燃料のうち、気化する前段階のものが前記冷却装置や再循環量制御装置に付着し、それらの機能が低下することを防止することができる。
【0031】
なお、EGR通路に、前記冷却装置及び前記再循環量制御装置以外の装置、例えば、EGRガスに前記冷却装置をバイパスさせるバイパス装置やEGRガスの温度を検出する温度センサなどが備えられている場合は、EGR燃料供給手段は、それらの最下流に配置されるのがよいのはもちろんである。
【0032】
また、本発明において、EGR燃料供給手段がEGR通路に燃料を供給するときには、EGR通路の下流方向に向けて燃料を供給することが望ましい。こうすれば、EGR燃料供給手段が供給する燃料が気化する前に直接EGR通路の壁面に付着することを防止することができる。これにより、EGR通路の壁面への、煤の付着を防止することができ、燃料が壁面に付着することによる燃費の悪化をも防止することができる。
【0033】
また、本発明においては、EGR燃料供給手段がEGR通路に燃料を供給する時に、EGR燃料供給手段から供給された燃料の気化を促進する気化促進手段を備えるのがよい。このことにより、EGR燃料供給手段により供給された燃料の、内燃機関の燃焼室における熱分解あるいは部分酸化をより容易にすることができる。また、シリンダライナなど、内燃機関の構成要素に液体の燃料が付着することにより、煤の付着や燃費悪化の原因になることを防止できる。さらに、内燃機関の燃焼室内に蒸発しづらい液状の燃料が供給されてスモークが生成されることを防止できる。
【0034】
上記の気化促進手段を備えた第1の構成例として、本発明においては、再循環するEGRガスの温度を制御する温度制御手段を備え、EGR燃料供給手段がEGR通路に燃料を供給する時に、温度制御手段が、EGRガスの温度を所定温度以上に制御するものが挙げられる。これによれば、排気浄化手段についての再生処理時にEGR燃料供給手段によりEGR通路に供給された燃料は、より高温のEGRガスと混合されることにより気化が促進される。
【0035】
上記した温度制御手段のさらなる具体例としては、EGR通路に設けられた燃焼バーナなどの加熱装置が挙げられる。また、EGR通路に、EGRガスを冷却する冷却装置が備えられている場合には、冷却装置と、EGR通路を通過するEGRガスに冷却装置をバイパスさせるバイパス装置との組み合わせを挙げることができる。また他に、冷却装置と、この冷却装置の冷却水の流量を制御する冷却水流量制御装置との組み合わせを例示することができる。
【0036】
また、上述した気化促進手段を備えた第2の構成例としては、再循環するEGRガスの流量を制御する再循環量制御装置を備え、EGR燃料供給手段がEGR通路に燃料を供給するときに、前記再循環量制御装置が、EGRガスの量を増加させるものを挙げることができる。これにより、高温のEGRガスの量が増加するので、EGR燃料供給手段がEGR通路に供給した燃料をより確実に気化させることができる。
【0037】
また、上述した気化促進手段を備えた第3の構成例としては、再循環するEGRガスの流速を増加させる流速増加手段を備えるものを挙げることができる。これにより、EGR燃料供給手段から供給された燃料は、流速の早いEGRガスと衝突し、混合されるので、燃料の微粒子が促進され、結果として気化が促進される。
【0038】
この、流速増加手段のさらなる具体例としては、EGR通路の、前記EGR燃料供給手段が燃料を供給する部分に、EGR通路の断面積を絞ったベンチュリ部を備えた構成を例示することができる。
【0039】
また、上述した気化促進手段を備えた第4の構成例としては、再循環されるEGRガスに乱流を発生させる乱流発生手段を備えるものを例示することができる。これにより、EGR燃料供給手段から供給された燃料は、EGRガスによる乱流と複雑に衝突し、混合されるので、燃料の微粒化が促進され、結果として気化が促進される。
【0040】
この、乱流発生手段のさらなる具体例としては、前記EGR通路の、前記EGR燃料供給手段が燃料を供給する部分の上流にEGRガスの流れに対する障害物を配置することで、EGRガスの乱流を発生させる構成を例示することができる。
【0041】
次に、本発明においては、内燃機関が複数の気筒を有する場合は、排気浄化手段についての再生処理時にEGR通路を再循環するEGRガスは、前記複数の気筒のなかの一部の気筒から取り出され、EGR燃料供給手段によって燃料を供給された後のEGRガスは、前記一部の気筒以外の気筒に供給されるような構成にしてもよい。
【0042】
このような構成にすると、排気浄化手段についての再生処理時にEGR通路を通過するEGRガスに燃料を供給したとき、気化した燃料を含んだEGRガスは、前記一部の気筒以外の気筒に供給される。そして、気化した燃料の一部は、前記一部の気筒以外の気筒で、燃料供給手段により供給された燃料とともに燃焼して出力となる。気化した燃料の残りは、熱分解あるいは部分酸化された成分となり、排気通路に流入する。
【0043】
一方、前記一部の気筒には、気化した燃料を含まない新気が供給される。この新気は、該一部の気筒において燃料供給手段により供給された燃料とともに燃焼された後、EGR通路を再循環する。
【0044】
従って、一度EGR通路を再循環し、気化した燃料を含んだEGRガスが、EGR通路をさらに再循環することがなくなる。換言すると、気化した燃料を含んだEGRガスは、ほぼ全てが排気通路に配置された排気浄化手段に供給される。これにより、EGR燃料供給手段から供給した燃料を、効率よく排気浄化手段に供給することができる。
【0045】
また、本発明においては、排気浄化手段についての再生処理時に、EGR燃料供給手段によって燃料が供給されたEGRガスを、新気と混合させずに、少なくとも一部の気筒の燃焼室内に直接供給するように構成してもよい。このようにすれば、気化した燃料を含むEGRガスは、新気と混合されないため高温のまま前記一部の気筒の燃焼室に供給される。従って、前記気化した燃料を含むEGRガスと低温の新気とが混合するときに、EGRガス内に含まれる燃料が、冷却されて凝縮することがない。
【0046】
なお、上記で説明した課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて使用することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0048】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る内燃機関とその排気浄化システムの概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を有する多気筒ディーゼル機関である。
【0049】
内燃機関1は、各気筒2の燃焼室に直接燃料を噴射する燃料噴射弁3を備えている。各燃料噴射弁3は、燃料を所定圧まで蓄圧する蓄圧室(コモンレール)4と接続されている。そして、コモンレール4は、燃料供給管5を介して燃料ポンプ6と連通している。
【0050】
前記燃料ポンプ6から吐出された燃料は、燃料供給管5を介してコモンレール4へ供給され、コモンレール4にて所定圧まで蓄圧されて各気筒2の燃料噴射弁3へ分配される。そして、燃料噴射弁3に駆動電圧が印加されると、燃料噴射弁3が開弁し、その結果、燃料噴射弁3から気筒2の燃焼室へ燃料が噴射される。
【0051】
次に、内燃機関1には、吸気枝管8が接続されており、吸気枝管8の各支管は、各気筒2の燃焼室と図示しない吸気ポートを介して連通している。前記吸気枝管8は、吸気管9と接続されている。前記吸気管9には、インタークーラ16と、遠心過給器(ターボチャージャ)15のコンプレッサハウジング15aとが取り付けられている。
【0052】
一方、内燃機関1には、排気枝管18が接続され、排気枝管18の各枝管が各気筒2の燃焼室と排気ポート30を介して連通している。前記排気枝管18は、前記ターボチャージャ15のタービンハウジング15bと接続されている。また、該タービンハウジング15bは、排気通路19と接続されている。
【0053】
前記排気通路19には、排気中のNOxを吸蔵・還元する排気浄化手段であるNOx触媒20を備えている。該NOx触媒20は、周囲雰囲気が高酸素濃度状態であるときは排気中に含まれるNOxを吸蔵し、周囲雰囲気が低酸素濃度状態であり、且つ還元成分が存在するときは、吸蔵されたNOxを還元する、いわゆる吸蔵還元型NOx触媒である。
【0054】
また、内燃機関1には、該内燃機関1から排出され排気枝管18を流れる排気の少なくとも一部を吸気枝管8へ再循環させる排気再循環装置40が設けられている。排気再循環装置40は、排気枝管18から吸気枝管8の集合部に至るよう形成されたEGR通路25と、電磁弁等からなりEGR通路25内を流れる排気(以下、EGRガスと称する)の流量を印加電圧の大きさに応じて調整する再循環量制御装置であるEGR弁26と、該EGR弁26より上流のEGR通路25に設けられ、該EGR通路25を流れるEGRガスを冷却する冷却装置であるEGRクーラ27とを備えている。
【0055】
また、EGR通路25において、EGR弁26の下流には、EGR通路25に燃料を供給するEGR燃料供給手段である燃料添加弁41が備えられている。該燃料添加弁41は燃料供給路7及び燃料供給管5を介して燃料ポンプ6と連通しており、所定電圧が印加されると開弁状態となり、EGR通路25内に燃料が噴射される。
【0056】
このように構成された排気再循環装置40では、EGR弁26が開弁されると、排気枝管18内を流れる排気の一部が、前記EGR通路25を通り、EGRクーラ27によって冷却され、吸気枝管8の集合部へ流入する。吸気枝管8へ流入したEGRガスは、吸気枝管8の上流から導入された新気と混合されつつ各気筒2の燃焼室へ分配され、燃料噴射弁3から噴射される燃料を着火源として燃焼される。
【0057】
ここで、EGRガスには、水(H2O)や二酸化炭素(CO2)などのように、自らが燃焼することがなく、且つ、吸熱性を有する不活性ガス成分が含まれているため、EGRガスが混合気中に含有されると、混合気の燃焼温度が低くなり、これにより窒素酸化物(NOx)の発生量が抑制される。
【0058】
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)35が併設されている。このECU35は、CPU、ROM、RAM等を備えており、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。
【0059】
ECU35には、各種センサが電気配線を介して接続され出力信号がECU35に入力されるようになっている。一方、ECU35には、燃料噴射弁3、燃料添加弁41、EGR弁26等が電気配線を介して接続され、上記各部がECU35によって制御されるようになっている。
【0060】
また、ECU35に備えられたROMには各種プログラムが記憶されている。例えば、NOx触媒20のいわゆるS被毒再生処理を行うS被毒再生処理ルーチン、NOx再生処理を行うNOx再生ルーチンなどである。
【0061】
次に、本実施の形態における排気浄化手段であるNOx触媒20のS被毒再生処理について説明する。前述のように、内燃機関で生成された硫黄酸化物(SOx)は吸蔵還元型NOx触媒であるNOx触媒20に吸収されるとそのNOx吸収能力を低下させる。
【0062】
従って、NOX触媒20においては、適宜のタイミングで、NOx触媒20に吸収された硫黄酸化物(SOx)を除去するために、NOx触媒20の温度を500℃から700℃程度の高温に上昇させたうえで、流入する排気の空燃比をリッチ空燃比とする、いわゆるS被毒再生処理を行う。
【0063】
本実施の形態においては、上記のNOx触媒20についてのS被毒再生処理の実施時には、還元剤としての燃料を、EGR通路25に設けられた燃料添加弁41から噴射する。
【0064】
ここで、前記EGR通路25を再循環するEGRガスは高温であるため、前記燃料添加弁41から供給された燃料は、EGRガスと混合されることにより気化し、内燃機関1の吸気枝管8に供給され、吸気枝管8でさらに新気と混合されながら内燃機関1の燃焼室に導入される。そして、この混合気は、燃焼室内で一部は燃焼して出力となり、残りは部分的に酸化され、あるいは熱分解されて、分子量の小さいHCやCOとなる。その後、前記HCやCOは、排気枝管18を介して内燃機関1の排気通路19に流入し、NOx触媒20に供給される。
【0065】
これにより、分子量が小さく、酸化され易いHCやCOが、NOx触媒20に供給されるので、NOx触媒20では、燃料をより容易に酸化させることができる。また、燃料がEGR通路25に供給された時点で気化するので、シリンダライナなど、内燃機関1の構成要素に液体の燃料が付着することを抑制できる。
【0066】
従って、内燃機関1の構成要素への煤が付着したり、前記構成要素に燃料が付着してNOx触媒に供給されないことにより燃費が悪化したりすることが抑制される。同様に、内燃機関1の燃焼室内に蒸発しづらい液状の燃料が供給されることがないので、燃焼室内でのスモーク生成を抑制することができる。
【0067】
また、本実施の形態においては、排気再循環装置40において、EGR通路25の上流側からEGRクーラ27、EGR弁26、燃料添加弁41の順番で配置されている。このような順番で排気再循環装置40の構成要素を配置することによって、NOx触媒20の再生処理において、燃料添加弁41からEGR通路25に燃料を供給したときに、その燃料のうち、気化する前段階のものがEGRクーラ27やEGR弁26に付着し、それらの機能を低下させることを防止することができる。
【0068】
また、本実施の形態においては、燃料添加弁41の、燃料を噴射するための噴孔は、EGR通路25を再循環するEGRガスの下流側に向けてのみ開けられている。従って、燃料添加弁41からEGR通路25に燃料を噴射するときに、燃料は、EGRガスの下流側に向けて噴射され、EGRガスの流れに乗ってスムーズに下流に運ばれる。
【0069】
従って、燃料が、EGR通路25の壁面に垂直に噴射される場合のように、燃料添加弁41が噴射する燃料が直接、EGR通路25の壁面に付着し、燃料の気化の妨げになることを防止することができる。また、EGR通路25への煤の付着や、燃料添加弁41から噴射する燃料の全てが、NOx触媒20に供給されないことにより、NOx触媒20のS被毒再生処理が不完全になったり、燃費が悪化することを防止することができる。
【0070】
次に、本実施の形態におけるNOx触媒20のS被毒再生処理についての制御について説明する。図2は、本実施の形態におけるS被毒再生処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0071】
本ルーチンは、ECU35のROMに記憶されたプログラムであり、フローチャートの各ステップにおける処理は全てECU35のCPUによって実行される。また、本ルーチンは、内燃機関1の運転中、所定時間毎に実行される。
【0072】
本ルーチンが実行されると、S201において、まず、ECU35は、現在の内燃機関1の運転状態からNOx触媒20に吸収されるSOx量を算出し、前回のS被毒再生処理後から現在までにNOx触媒20に吸収されたSOx吸収量を積算する。
【0073】
次に、S202に進み、NOx触媒20のS被毒再生時期かどうかを判定する。ここで、S201で算出したSOx吸収量がSOx許容容量に達していない場合にはS被毒再生時期ではないと判定して本ルーチンを終了する。一方、S201で算出したSOx吸収量がSOx許容容量に達している場合には、ECU35は、NOx触媒20のS被毒再生時期であると判定してS203に進む。
【0074】
ここで、SOx許容容量とは、NOx触媒20のNOx吸能力の低下が顕著になる限度のSOx吸収量に対して、あるマージンをもって設定されたSOx吸収量であり、本ルーチンにおけるS被毒再生時期判断の判定基準となるものである。
【0075】
次に、S203に進むと、いわゆるS被毒再生処理を開始する。具体的には、EGR通路25に設けられた燃料添加弁41から、S被毒再生の還元剤としての燃料の供給が開始され、排気ガスの温度をS被毒再生実施可能な650℃から700℃程度まで昇温させるための昇温制御が行われる。ここで、この昇温制御の具体的な方法としては、内燃機関1における燃料噴射弁3から、主噴射に加えて副噴射を行ったり、EGR弁26を制御することにより、内燃機関1に供給されるEGRガスの量を変更するなどの方法を併用してもよい。
【0076】
また、ここで、燃料添加弁41からEGR通路25に供給される燃料の量は、S201で積算されたSOx吸収量と、後述するS被毒再生処理時間から決定される量である。S203の処理が終わるとS204に進む。
【0077】
S204においては、内燃機関1の燃料噴射弁3から燃焼室内に噴射される燃料量の減量を開始する。ここで、燃料噴射弁3から燃焼室内に噴射される燃料量を減量するのは、S203において、燃料添加弁41からEGR通路25に供給された燃料のうち、一部は気筒2の燃焼室で燃焼して出力となるため、それまでと同じ量の燃料を燃料噴射弁3から噴射すると、トルクが急激に増加し、トルクショックが発生するからである。
【0078】
具体的には、そのときの運転状況と、その運転状況の要求を満たし且つ燃料添加弁41からEGR通路25への燃料供給が開始してもトルクショックを与えない燃料量を格納したS被毒再生時燃料噴射量マップから、そのときの運転状況において、燃料噴射弁3から噴射されるべき燃料量の値を読み出して燃料量の制御を行う。S204の処理が終わると、S205に進む。
【0079】
S205においては、S203で燃料添加弁41によるEGR通路25への燃料供給が開始されてから所定時間が経過したかどうかが判断される。具体的には、S203の処理が実行された時点で時間tの計測を開始(タイマスタート)し、tと所定時間t0を比較することによって判断をする。
【0080】
なお、所定時間t0は、NOx触媒20内に吸収されたSOxを放出させるための処理時間として設定された時間であり、例えば10分などと設定される。
【0081】
ここで、所定時間t0が経過していないと判断された場合には、S205の処理の前に戻り、S205において、再度、所定時間t0が経過したかどうかが判断される。そして、S205において、所定時間t0が経過したと判断されるまで、この処理が行われる。S205において、所定時間t0が経過したと判断されたときには、S206に進む。
【0082】
S206においては、燃料噴射弁3からの噴射燃料量の減量を終了する。すなわち、そのときの運転状況に応じて通常要求される量の燃料の噴射を再開する。
【0083】
次に、S207に進み、燃料添加弁41からEGR通路25への燃料の供給を終了し、さらに、前述の排気ガス昇温制御を終了することによって、S被毒再生処理が終了される。この処理を行った後、本ルーチンを終了する。
【0084】
本実施の形態におけるS被毒再生処理ルーチンにおいては、上記のように、燃料添加弁41がEGR通路25に燃料を噴射開始したときには、内燃機関1の運転のために燃料噴射弁3から燃焼室に供給する燃料量を減少させるようにしているので、燃料添加弁41からの燃料供給によってトルクショックが発生することを防止することができる。
【0085】
また、本ルーチンでは、燃料噴射弁3から燃焼室に供給する燃料量を、予め実験的または理論的に求められたデータを格納したマップから、燃料供給量データを読み出すことによって求めているので、燃料噴射弁3からの燃料供給量を、容易に且つ迅速に決定することができる。
【0086】
なお、本ルーチンにおいては、S203における燃料添加弁41からEGR通路25に供給するEGR燃料供給量は、SOx積算量及び、S被毒再生処理の処理時間t0との関係において決定される量を用いたが、S被毒再生中の運転状況を逐一取得し、その運転状況に応じて、燃料添加弁41からの最適の燃料供給量及び、燃料噴射弁3からの最適の燃料供給量を両方マップから読み出して決定し、S被毒再生処理中に燃料添加弁41から供給した燃料量の合計が所定量を超えることにより、S被毒再生処理を終了するようなフローにしてもよい。
【0087】
また、本ルーチンにおいて、内燃機関1の気筒2に、ノックセンサまたは燃焼圧センサを設けておき、NOx触媒20のS被毒再生処理時には、前記センサの出力信号に基づいてそのときのノッキング状態あるいは燃焼圧を検出し、ノッキング状態や燃焼圧が急激に変化しないように、燃料添加弁41および燃料噴射弁3からの燃料噴射量を制御する方法をとってもよい。
【0088】
こうすればそのときの内燃機関1のノッキング状態あるいは燃焼圧を検出しながら、ノッキングやトルクショックが発生しないように燃料添加弁41および燃料噴射弁3からの燃料供給量を決定できるので、より確実に、精度よく、ノッキングやトルクショックを防止することができる。
【0089】
なお、本実施の形態においては、NOx触媒20についてのいわゆるS被毒再生処理についての制御を説明したが、同様の制御を、同じくNOx触媒20に吸収されたNOxを還元することにより放出させるNOx再生(還元)処理に適用してもよい。
【0090】
また、本実施の形態における内燃機関1の排気通路19に、NOx触媒を担持した構造のフィルタを備えた場合には、同様の制御を、フィルタに貯められた粒子状物質(PM)を酸化除去するためのいわゆるPM再生処理に適用してもよい。
【0091】
(第2の実施の形態)
次に、本発明に係る第2の実施の形態について説明する。ここでは、前述の第1の実施の形態と異なる構成について説明する。その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0092】
本実施の形態においては、NOx触媒20において、吸収したNOxを放出させるNOx再生について本発明を適用した例であって、さらに、排気再循環装置40には、EGRガスにEGRクーラ27をバイパスさせるバイパス装置10が備えられており、NOx再生時には、バイパス装置10を用いて、EGRガスの温度を所定温度以上に制御する例について説明する。
【0093】
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る内燃機関1および、排気再循環装置40の構成を示す概略図である。
【0094】
図3において、排気再循環装置40のEGR通路25には、EGRクーラ27の上流側と下流側を連通したバイパス路10aが備えられている。また、バイパス路10aの下流側においてEGR通路25と連結される部分には、開度を調節することによりEGRガスの通過経路を変更するEGR通路切換弁10bが配置されている。さらに、EGR弁26の下流には、EGR通路25を再循環するEGRガスの温度を検出するEGRガス温度センサ11が備えられている。
【0095】
このEGR通路切換弁10bは、その開度が調節されることにより、再循環するEGRガスのうち、EGRクーラ27を通過して冷却されるガスと、バイパス路10aを通過することにより冷却されないガスとの比率を制御し、結果として、EGR通路切換弁10bの下流を通過するEGRガスの温度を制御することができるようになっている。
【0096】
ここでは、EGR通路切換弁10bの開度が増加するに従って、EGRクーラ27を通過するEGRガスの比率が増え、逆に、EGR通路切換弁10bの開度が減少するに従って、バイパス路10aを通過するEGRガスの比率が増える。
【0097】
なお、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様、燃料添加弁41は、
EGRクーラ27、バイパス装置10、及びEGR弁26、EGRガス温度センサ11など、EGR通路25に備えられた装置類の最下流に配置されている。従って、燃料添加弁41から噴射された燃料が上記装置類に付着することにより、上記装置類の機能が劣化することを防止することができる。
【0098】
図4は、本発明における第2の実施の形態に係るNOx再生処理を示すフローチャートである。本ルーチンは、ECU35のROMに記憶されたプログラムであり、フローチャートの各ステップにおける処理は総てECU35のCPUによって実行される。また、本ルーチンは、内燃機関1の運転中、所定時間毎に実行される。
【0099】
本ルーチンが実行されると、S401において、まず、ECU35は、現在の内燃機関1の運転状態からNOx触媒20に吸収されるNOx量を算出し、前回のNOx再生処理後から現在までにNOx触媒20に吸収されたNOx吸収量を積算する。
【0100】
次に、S402に進み、NOx触媒20のNOx再生時期かどうかを判定する。ここで、S401で算出したNOx積算量がNOx許容容量に達していない場合にはNOx再生時期ではないと判定して本ルーチンを終了する。一方、S401で算出したNOx積算量がNOx許容容量に達している場合には、ECU35は、NOx触媒20のNOx再生時期であると判定してS403に進む。
【0101】
ここで、NOx許容容量とは、NOx触媒20のNOx吸能力の低下が顕著になる限度のNOx吸収量に対して、あるマージンをもって設定されたNOx吸収量であり、本ルーチンにおけるS被毒再生時期判断の判定基準となるものである。
【0102】
次に、S403においては、燃料添加弁41から、EGR通路25への燃料噴射を開始する。ここで、燃料添加弁41からEGR通路25に供給される燃料の量は、S401で積算されたNOx吸収量と、後述するNOx再生処理時間から決定される量である。S403の処理が終わるとS404に進む。
【0103】
次に、S404において、EGRガス温度センサ11から取得されたEGRガス温度がT2以上かどうかが判断される。ここで、T2は、本ルーチンにおける温度制御の目標温度であり、燃料添加弁41からEGR通路25に噴射された燃料が充分に気化する温度として実験的に求められた所定温度T1より高い温度に設定されている。
【0104】
S404においてEGRガス温度がT2以上であると判断された場合には、EGRガス温度を下げる制御を行うべきと判断されるので、S406に進む。一方、S404においてEGRガス温度がT2未満であると判断された場合には、EGRガス温度を上げる制御を行うべきであると判断されるので、S405に進む。
【0105】
S405においては、EGRガス温度を上げるために、前記したEGRガス通路切換弁10bを作動させ、バイパス路10aを通過するEGRガスの比率を増加させる。一方S406においては、逆に、EGRガス温度を下げるために、EGRガス通路切換弁10bを作動させ、バイパス路10aを通過するEGRガスの比率を減少させる。
【0106】
S405またはS406の処理を実行した後は、S407に進む。S407においては、S403で燃料添加弁41からEGR通路25へ燃料噴射が開始されてから所定時間が経過したかどうかが判断される。具体的には、S403の処理が実行された時点で時間tの計測を開始(タイマスタート)し、tと、NOx触媒20内に吸収されたNOxを放出させるための処理時間として設定された所定時間t1とを比較することによって判断をする。
【0107】
ここで、所定時間t1が経過していないと判断された場合には、S404の処理の前に戻り、S404において、再度、EGRガス温度がT2以上かどうかが判断され、EGRガス温度がT2以上と判断された場合にはS406に進みバイパス路10aを通過するEGRガスの比率を減少させる処理が行われ、EGRガス温度がT2未満であると判断された場合には、S405に進み、逆にバイパス路10aを通過するEGRガスの比率を増加させる処理が行われる。そして、この一連の処理が、S407において、所定時間t1が経過したと判断されるまで繰り返される。この結果、所定時間t1が経過するまでの間、EGRガスの温度はT2に制御される。
【0108】
S407において所定時間t1が経過したと判断された場合には、S408に進み、EGRガス通路切換弁10bを全開にする。すなわち、EGRガス温度をT2に制御するのを止め、EGRクーラ27を用いて、冷却のみを行う。次に、S409において、燃料添加弁41からEGR通路25への燃料噴射を終了して、いわゆるNOx再生処理を終えた後、本ルーチンを終了する。
【0109】
以上のように、本実施の形態におけるNOx再生処理ルーチンにおいては、燃料添加弁41からEGR通路25への燃料噴射を開始したのち、EGRガスの温度を、EGRクーラ25及びバイパス装置10を用いて、噴射された燃料が気化するのに充分な温度である所定温度T1以上に制御されているので、燃料添加弁41からEGR通路25へ噴射された燃料をより確実に気化させることができる。
【0110】
結果として、燃料添加弁41により供給された燃料の、内燃機関1の燃焼室における熱分解あるいは部分酸化をより容易にすることができる。そして、排気浄化手段であるNOx触媒20において、燃料をより容易に酸化させることができる。また、シリンダライナなど、内燃機関1の構成要素に液体の燃料が付着して煤の付着や燃費悪化の原因になることを防止できる。さらに、内燃機関1の燃焼室内に蒸発しづらい液状の燃料が供給されてスモークが生成されることを防止できる。
【0111】
なお、本実施の形態においては、EGRガスの温度を制御するために、EGRクーラ27と、バイパス装置10を用いた。従って、本実施の形態においては、温度制御手段は、EGRクーラ27及びバイパス装置10を含んで構成される。
【0112】
また、上記の他、温度制御手段としては、EGRクーラ27及び、EGRクーラ27の図示しない冷却水量制御装置を含んで構成されるようにしてもよい。この場合は、図4におけるS405において、EGRクーラ27の冷却水量を減少させる処理を行い、S406においては、EGRクーラ27の冷却水量を増加させる処理を行うように制御するとよい。
【0113】
なお、本実施の形態においては、本発明の構成をNOx触媒のNOx再生処理に適用したが、同様の構成及び制御をNOx触媒のS被毒再生や、フィルタのPM再生に適用できることはもちろんである。
【0114】
(第3の実施の形態)
次に、本発明に係る第3の実施の形態について説明する。ここでは、前述の第1の実施の形態と異なる構成について説明する。その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。なお、本実施の形態においては、図1における排気通路19に、排気浄化手段として吸蔵還元型NOx触媒を担持したパティキュレート・フィルタ(以下、フィルタという)20が配置されているものとする。
【0115】
第2の実施の形態においては、EGRガスの温度を所定温度以上に制御することにより、燃料添加弁41から噴射される燃料の気化を促進したが、本実施の形態においては、EGRガスの流量及び流速を上げて、さらにEGR通路25を通過するEGRガスに乱流を発生させることにより、燃料の気化を促進する例について説明する。
【0116】
図5は、本発明における第3の実施の形態に係るEGR通路25の、燃料添加弁41の取り付け部付近の拡大図である。ここにおいて、EGR通路25は、燃料添加弁41の取り付け部に、その断面積が絞られた細管部28aを有しており、細管部28aの上流側及び下流側には、それぞれテーパ部28b、28cが配置されており、全体でベンチュリ部28を構成している。また、このベンチュリ部28の上流には、乱流発生部29が配置されている。
【0117】
EGRガスがこのベンチュリ部28を通過するときには、細管部28aでその流速が最大となる。また、本実施の形態においては、ベンチュリ部28の上流に乱流発生部29が配置されているため、この乱流発生部29に衝突したEGRガスの流れが乱されて乱流が発生する。
【0118】
上記の構成によれば、乱流発生部29に衝突することによって流れが複雑化し、さらにベンチュリ部28で流速を早められたEGRガスと、燃料添加弁41から噴射された燃料とが複雑に衝突し、混合するので、燃料の微粒子が促進され、結果として燃料添加弁41から噴射された燃料の気化が促進される。
【0119】
次に、図6を用いて、本実施の形態におけるPM再生ルーチンについて説明する。図6は、本実施の形態におけるPM再生ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、ECU35のROMに記憶されたプログラムであり、フローチャートの各ステップにおける処理は総てECU35のCPUによって実行される。また、本ルーチンは、内燃機関1の運転中、所定時間毎に実行される。
【0120】
本ルーチンが実行されると、S601において、まず、ECU35は、現在の内燃機関1の運転状態からフィルタ20に捕集されるPM(粒子状物質)の量を算出し、前回のPM再生処理後から現在までにフィルタ20に捕集されたPMの量を積算する。
【0121】
次に、S602に進み、フィルタ20のPM再生時期かどうかを判定する。ここで、S601で算出したPMの捕集量がPM許容容量に達していない場合にはPM再生時期ではないと判定して本ルーチンを終了する。一方、S601で算出したPMの捕集量がPM許容容量に達している場合には、ECU35は、フィルタ20のPM再生時期であると判定してS603に進む。
【0122】
ここで、PM許容容量とは、フィルタ20のPM捕集能力の低下が顕著になる限度のPM捕集量に対して、あるマージンをもって設定されたPM捕集量であり、本ルーチンにおけるPM再生時期判断の判定基準となるものである
【0123】
S603においては、燃料添加弁41から、EGR通路25への燃料噴射を開始する。ここで、燃料添加弁41からEGR通路25に供給される燃料の量は、S601で積算されたPMの捕集量と、PM再生処理時間、内燃機関1の運転状態、フィルタ20の温度などから決定される量である。
【0124】
次に、S604において、EGR弁26を作動させ、EGR通路26を再循環するEGRガス量を所定量まで増加させる。ここで、EGRガス量は、予め実験的に求められた、燃料添加弁41から噴射された燃料を完全に気化させるのに充分な量まで増加される。
【0125】
S604で、EGRガス量の増加制御を開始した後は、S605に進む。S605においては、S603でEGR通路25への燃料噴射が開始されてから、フィルタ20内に捕集されたPMを放出させるための処理時間として設定された所定時間t2が経過したかどうかが判断される。具体的には、S603の処理が実行された時点で時間tの計測を開始(タイマスタート)し、tと所定時間t2を比較することによって判断をする。
【0126】
ここで、また、所定時間t2が経過していないと判断された場合には、S605の処理の前に戻り、S605において、再度、tと所定時間t2が比較される。そして、S605において、所定時間t2が経過したと判断されるまで繰り返される。
【0127】
S605において所定時間t2が経過したと判断された場合には、S606に進み、EGRガス量増加制御を終了し、EGR弁26をPM再生開始前の状態にもどす。次に、S607において、EGR通路への燃料添加弁41からの燃料噴射を終了し、PM再生処理を終えた後、本ルーチンを終了する。
【0128】
以上のように、本実施の形態におけるPM再生処理ルーチンにおいては、燃料添加弁41からEGR通路25への燃料噴射を開始したのち、EGR弁26を制御することにより、高温のEGRガスの量が増加するので、燃料添加弁41がEGR通路25に供給した燃料をより確実に気化させることができる。
【0129】
すなわち、本実施の形態においては、EGR通路25に、ベンチュリ部28を設けることにより、燃料添加弁41から、EGR通路25内に燃料を噴射する部分におけるEGRガスの流速を速め、また、その上流に乱流発生部29を配置することにより、EGRガスに乱流を発生させ、さらに、PM再生処理を開始するときに、EGR弁26を制御することにより、EGRガス量を増加させる制御を行っている。
【0130】
従って、燃料添加弁41からEGR通路25に噴射される燃料を確実に気化させることができる。その結果、燃料添加弁41により供給された燃料の、内燃機関1の燃焼室における熱分解あるいは部分酸化をより容易にすることができる。そして、フィルタ20において、燃料をより容易に酸化させることができる。また、シリンダライナなど、内燃機関1の構成要素に液体の燃料が付着して煤の付着や燃費悪化の原因になることを防止できる。さらに、内燃機関1の燃焼室内に蒸発しづらい液状の燃料が供給されてスモークが生成されることを防止できる。
【0131】
なお、本実施の形態のように、PM再生処理に、ベンチュリ部28、乱流発生部29の配設及び、EGRガス量を増加させる制御を組み合わせて適用しても良いが、それぞれを単独で適用してもよいことはもちろんである。また、本実施の形態においては、上記のベンチュリ部28及び乱流発生部29の配設と、EGRガス量を増加させる制御とを、フィルタ20についてのPM再生処理に適用したが、これらを、前述したNOx触媒についてのS被毒再生処理や、NOx再生処理に適用してもよい。
【0132】
(第4の実施の形態)
次に、本発明に係る第4の実施の形態について説明する。ここでは、前述の第1の実施の形態と異なる構成について説明する。その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0133】
本実施の形態においては、内燃機関1が複数の気筒2を有する場合は、NOx触媒20などの排気浄化手段についての再生処理時にEGR通路25を再循環するEGRガスは、前記複数の気筒2のなかの一部の気筒から取り出され、燃料添加弁41によって燃料が供給された後のEGRガスは、前記一部の気筒2以外の気筒2に供給されるようにした構成について説明する。
【0134】
図7は、本実施の形態における内燃機関1の吸気枝管8及びEGR通路25の這いまわしの構成について示した概略図である。ここで、吸気枝管8は、内燃機関1の気筒2のうち、#1気筒2の近傍に新気を供給するよう配置されており、EGR通路25は、#1気筒2の排気ポート30の近傍からEGRガスを取り出し、燃料添加弁41により燃料を添加されたEGRガスは、#1気筒2以外の、#2から#4の3つの気筒2に主に供給されるように配置されている。
【0135】
このような構成にすると、NOx触媒20などの排気浄化手段についての再生処理時にEGR通路25を通過するEGRガスに燃料添加弁41から燃料を供給した場合に、気化した燃料を含んだEGRガスは、#2から#4の3つの気筒2に供給される。そして、気化した燃料の一部は、#2から#4の3つの気筒2で、燃料噴射弁3により供給された燃料とともに燃焼して出力となる。気化した燃料の残りは、熱分解あるいは部分酸化された成分となり、排気枝管18を介して排気通路19に流入する。
【0136】
一方、#1気筒2には、気化した燃料を含まない新気が吸気枝管8から供給される。この新気は、#1気筒2において燃料噴射弁3により供給された燃料とともに燃焼された後、EGR通路25を再循環する。
【0137】
従って、一度EGR通路25を再循環し、燃料添加弁41によって燃料の供給を受け、気化した燃料を含んだEGRガスが、EGR通路25をさらに再循環することがなくなる。換言すると、気化した燃料を含んだEGRガスは、ほぼ全てが排気通路19に配置されたNOx触媒20などの排気浄化手段に供給される。これにより、燃料添加弁41から供給した燃料を、効率よくNOx触媒20などの排気浄化手段に供給することができる。
【0138】
図8には、本実施の形態における内燃機関1の吸気枝管8及びEGR通路25の這いまわしの別の構成について示した概略構成図を示す。この構成例では、吸気枝管8と排気枝管18を、複数の気筒2のうちの一部の気筒2に連通するものと、それ以外の気筒2に連通するものに分割している。
【0139】
具体的には、吸気枝管8を2つに分割したうちの一方である分割吸気枝管8aは、内燃機関1の#1気筒2及び#4気筒2と図示しない吸気ポートを介して連通おり、もう一方の分割吸気枝管8bは、図示しない吸気ポートを介して#2気筒2及び#3気筒2に連通している。
【0140】
一方、排気枝管18を2つに分割したうちの一方である分割排気枝管18aは、排気ポート30を介して内燃機関1の#1気筒2及び#4気筒2と連通しており、一方の分割排気枝管18bは、排気ポート30を介して#2気筒2及び#3気筒2に連通している。そして、EGR通路25と分割排気枝管18aとの連結部より下流において、もう一方の分割排気枝管18bは、分割排気枝管18aと合流する構成になっている。
【0141】
従って、EGR通路25へは、#1気筒2及び#4気筒2からの排気のみを分割排気枝管18aから再循環させることができる。そして、燃料添加弁41によって燃料が添加され、気化した燃料を含んだEGRガスは、分割吸気枝管8bから#2気筒2及び#3気筒2に供給される。ここで、もう一方の分割吸気枝管8aは、EGR通路25と、分割吸気枝管8bの連結部より上流側で、分割吸気枝管8bから分割されているため、EGR通路25から流出されるEGRガスは、分割吸気枝管8aには流入しない。
【0142】
すると、気化した燃料を含んだEGRガスは、#2気筒2及び#3気筒2において、さらに燃料噴射弁3から供給された燃料とともに燃焼し、一部は、出力になるが、残りは、熱分解あるいは部分酸化された成分となり、分割排気枝管18bから全て排気通路19に流入する。
【0143】
従って、一度EGR通路25を再循環し、気化した燃料を含んだEGRガスが、EGR通路25をさらに再循環することがなくなり、気化した燃料を含んだEGRガスは、ほぼ全てが排気通路19に配置されたNOx触媒20などの排気浄化手段に供給される。これにより、燃料添加弁41から供給した燃料を、効率よくNOx触媒20などの排気浄化手段に供給することができる。
【0144】
(第5の実施の形態)
次に、本発明に係る第5の実施の形態について説明する。ここでは、前述の第1の実施の形態と異なる構成について説明する。その他の構成および作用については第1の実施の形態と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0145】
本実施の形態においては、NOx触媒20などの排気浄化手段についての再生処理時に、燃料添加弁41によって燃料が供給されたEGRガスを、新気と混合させずに、少なくとも一部の気筒2の燃焼室内に直接供給するように構成した例について説明する。
【0146】
図9は、本実施の形態における内燃機関1のEGR通路25の這いまわしの構成について示した概略図である。ここにおいて、EGR通路25は、吸気枝管8に連通されているのではなく、25a、25b、25c、25dの4本のEGR通路枝管に分岐され、それぞれ、EGR通路枝管25aは#1気筒2に、EGR通路枝管25bは#2気筒2に、EGR通路枝管25cは#3気筒2に、EGR通路枝管25dは、#4気筒2に直接連通している。
【0147】
そして、NOx触媒20の再生処理時には、燃料添加弁41から燃料が供給され、気化した燃料を含むEGRガスが、新気と混合されることなく、直接、内燃機関1の各気筒2に供給される。
【0148】
本実施の形態におけるような吸気枝管8及びEGR通路25の這いまわしの構成にすれば、気化した燃料を含むEGRガスは、内燃機関1の気筒2に導入される前に新気と混合されないため高温のまま各気筒2の燃焼室に供給される。従って、前記気化した燃料を含むEGRガスと低温の新気と吸気枝管8において混合されることがないので、EGRガス内に含まれる燃料が、冷却されて凝縮することを抑制できる。
【0149】
【発明の効果】
上述のように本発明にあっては、排気浄化手段についての再生処理時に、排気浄化手段において、燃料をより容易に酸化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明における第1の実施の形態に係る内燃機関とその排気浄化システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明における第1の実施の形態に係るS被毒再生処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の第2の実施の形態に係る内燃機関および、排気再循環装置の構成を示す概略図である。
【図4】図4は、本発明における第2の実施の形態に係るNOx再生処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図5は、本発明における第3の実施の形態に係るEGR通路の、燃料添加弁の取り付け部付近の拡大断面図である。
【図6】図6は、本発明における第3の実施の形態に係るPM再生ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図7は、本発明における第4の実施の形態に係る内燃機関の吸気枝管およびEGR通路の這いまわしの構成について示した概略図である。
【図8】図8は、本発明における第4の実施の形態に係る内燃機関の吸気枝管およびEGR通路の這いまわしの別の構成について示した概略図である。
【図9】図9は、本発明における第5の実施の形態に係る内燃機関のEGR通路の這いまわしの構成について示した概略図である。
【符号の説明】
1…内燃機関
2…気筒
3…燃料噴射弁
5…燃料供給管
6…燃料ポンプ
7…燃料供給路
8…吸気枝管
9…吸気管
10…バイパス装置
10a…バイパス路
10b…EGR通路切換弁
19…排気通路
20…NOx触媒(フィルタ)
25…EGR通路
26…EGR弁
27…EGRクーラ
28…ベンチュリ部
28a…細管部
28b、28c…テーパ部
29…乱流発生部
35…ECU
40…排気再循環装置
41…燃料添加弁
Claims (4)
- 内燃機関の運転時に該内燃機関の燃焼室に燃料を供給する燃料供給手段と、
前記内燃機関の排気ガスの少なくとも一部を吸気通路へ再循環させるEGR通路と、
前記内燃機関の排気通路に配置され内燃機関の排気を浄化するとともに、再生処理における燃料の供給によってその排気浄化性能が回復可能な排気浄化手段と、
前記EGR通路に燃料を供給するEGR燃料供給手段と、
を備え、
前記排気浄化手段における排気浄化性能の再生処理時に、前記EGR燃料供給手段は、前記EGR通路に燃料を供給することを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。 - 前記EGR燃料供給手段が前記EGR通路に燃料を供給するときに、前記燃料供給手段から前記内燃機関の燃焼室へ供給される燃料量を減少させることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
- 前記EGR通路に配置され、前記再循環される排気ガスを冷却する冷却装置及び、前記EGR通路に配置され、前記再循環される排気ガスの再循環量を制御する再循環量制御装置の少なくとも一方を有するEGRガス制御手段を更に備え、
前記EGR燃料供給手段は、前記EGR通路において、前記EGRガス制御手段の下流に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化システム。 - 前記再循環される排気ガスの温度を制御する温度制御手段を更に備え、
前記EGR燃料供給手段が、EGR通路に燃料を供給する時は、前記温度制御手段は、前記再循環される排気ガスの温度を所定温度以上に制御することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
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- 2003-05-16 JP JP2003139272A patent/JP2004340069A/ja not_active Withdrawn
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