JP2004340008A - カムシャフト回転角検出構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】カムシャフト回転角検出構造において、動弁反力の回転角検出精度への影響を抑制することにある。
【解決手段】エンジンの吸気弁又は排気弁を開閉するカムが設けられたカムシャフトの回転角を検出するカムシャフト回転角検出構造であって、カムシャフトに設けられ、回転角検出用の被検出部を有するフランジ8,9と、吸気弁又は排気弁からカムが受ける動弁反力の方向に沿ってかつフランジ8,9の被検出部81,91に対峙して配置された回転角検出用のセンサ21,22と、を備えたカムシャフト回転角検出構造。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カムシャフト回転角検出構造、特に、エンジンの吸気弁又は排気弁を開閉するカムが設けられたカムシャフトの回転角を検出するカムシャフト回転角検出構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
DOHC型多気筒エンジンでは、エンジンのシリンダヘッドに吸気弁及び排気弁を動作させる2本のカムシャフトが平行に配置され、各カムシャフトには気筒判別やバルブタイミング制御のためにカムシャフト回転角を検出するセンサが取り付けられる。このようなセンサの取付構造が、例えば特許文献1に示されている。このセンサの取付構造では、カムシャフトに円板状のシャッター(被検出部)が設けられており、被検出部には外周から径外方に突出する突起が形成されている。そして、センサが被検出部の上方において突起に対して鉛直方向に対峙して配置され、カムシャフトの回転角を検出している。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−329885号公報(第4頁、第3図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、カムシャフトは、そのカムによってバルブリフタを押圧し、吸気弁又は排気弁を開閉するが、この際に、カムシャフトはバルブリフタを介して吸気弁又は排気弁の弁軸から動弁反力を受ける。動弁反力の方向は、弁軸の軸方向に沿って上向きであるが、弁軸は鉛直方向に対して傾きを持って配置されているため、動弁反力も鉛直方向に対して傾きをもって斜め上方向となる。ここで、カムシャフトは所定の隙間をもって軸受部に支持されているために、カムシャフト及びこのカムシャフトに設けられた被検出部は、エンジンの運転途中において前述の隙間分だけ動弁反力方向(斜め上方向)に沿って往復移動することになる。
【0005】
これに対して、特許文献1に記載のように、従来のカムシャフト回転角検出構造では、センサが被検出部に対して鉛直方向に対峙するように配置されている。このため、センサと被検出部とは、両者の間の鉛直方向の距離(間隔)が変化するだけでなく、水平方向の位置関係(オフセット量)も変化することになり、カムシャフト回転角の検出精度が悪化する虞がある。
【0006】
本発明の目的は、カムシャフト回転角検出構造において、動弁反力の回転角検出精度への影響を抑制することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るカムシャフト回転角検出構造は、エンジンの吸気弁又は排気弁を開閉するカムが設けられたカムシャフトの回転角を検出するカムシャフト回転角検出構造であって、フランジとセンサとを備えている。フランジは、カムシャフトに設けられ、回転角検出用の被検出部を有する。センサは、吸気弁又は排気弁からカムが受ける動弁反力の方向に沿ってかつフランジの被検出部に対峙して配置されている。
【0008】
【発明の効果】
本発明によれば、センサが動弁反力の方向に沿ってかつ被検出部に対峙して配置されているため、吸気弁又は排気弁の動弁反力によりカムシャフトが動弁反力方向に沿って往復移動したとしても、両者の間の距離(間隔)が変化するものの、センサの中心軸に垂直な方向での両者の位置関係(オフセット量)が変化することを抑制できる。この結果、動弁反力の回転角検出精度への影響を抑制し、カムシャフト回転角の検出精度を向上し得る。
【0009】
【発明の実施の形態】
(1)構成
図1は本発明に係るカム回転角検出構造が設けられたシリンダヘッド1の斜視図、図2はシリンダヘッド1の正面図、図3はシリンダヘッド1の平面図、図4はカムブラケット11を取り外した状態のシリンダヘッド1の平面図、図5は図3のV−Vで切ったシリンダヘッド1の一部切欠き斜視図、図6はカムスラストフランジ8,9付近の拡大平面図、図7はカムシャフト2の拡大斜視図である。図8は、図3のVIII−VIIIにおける断面図、図9は、図3のIX−IXにおける断面図である。図10は、センサ21の斜視図である。
【0010】
シリンダヘッド1の上面には、図1から図4に示すように、吸気側及び排気側のカムシャフト2,3が、図示しないクランクシャフトに沿って互いに略平行に配置されている。各カムシャフト2,3の一端には、図2に示すように、クランクシャフトからの回転が入力されるカムスプロケット機構20が装着されている。吸気側及び排気側のカムシャフト2,3は、それぞれ、棒状の軸本体4,5と、各軸本体4,5の外周面に設けられる複数のカム6,7と、各軸本体4,5の軸方向への動きを規制するためのカムスラストフランジ8,9とから構成されている。カム6及びカムスラストフランジ8は、図7に示すように、軸本体4の外周面に軸本体4と一体に形成されている。また、カム7及びカムスラストフランジ9も同様に軸本体5の外周面に軸本体5と一体に形成されている。
【0011】
シリンダヘッド1の上面には、図4に示すように、複数の下軸受部14,15がカムシャフト2,3に沿って形成されている。下軸受部14,15には、軸本体4,5の下半分を軸支する半円筒状の軸受面が形成されている。下軸受部14,15には、図3及び図4に示すように、カムブラケット11が装着される。各カムブラケット11は、下軸受部14,15に対応して上軸受部12,13を有している。上軸受部12,13の内周には、軸本体4,5の上半分を軸支する半円筒状の軸受面が形成されている。下軸受部14及び上軸受部12の軸受面により軸本体4が回転自在に軸支され、下軸受部15及び上軸受部13の軸受面により軸本体5が回転自在に軸支される。
【0012】
〔吸気弁、排気弁〕
吸気弁62は、図8に示すように、吸気ポート51の燃焼室1aへの開口部に配置されており、弁本体62a及び弁軸62bから形成されている。排気弁72は、排気ポート52の燃焼室1aへの開口部に配置されており、弁本体72a及び弁軸72bから形成されている。ここで、軸l1及びl2は、それぞれ、弁軸62b及び72bの中心軸を通る軸であり、鉛直方向から一定の傾きを有する。弁軸62b及び72bは、それぞれ、バルブリフタ61及び71に装着されている。バルブリフタ61及び71のキャップ61c及び71cの上面には、それぞれ、カムシャフト2及び3のカム6及び7が当接している。
【0013】
バルブリフタ61は、バルブスプリング61aとリテーナ61bとキャップ61cとガイド61dとから構成されている。バルブスプリング61aは、螺旋状のコイルスプリングであり、内部に弁軸62bが挿通されている。リテーナ61bは、バルブスプリング61aの上端部を保持しており、中心部に形成された挿通孔に弁軸62bの端部が挿入されて弁軸62bがリテーナ61bに固定されている。キャップ61cは、中心部に弁軸62bの端部を固定するための突起が形成されており、この突起が前記リテーナ61bの挿通孔に挿入されて、キャップ61cがリテーナ61bに固定されている。ガイド61dは、弁軸62bの移動方向を規制する部材であり、弁本体62a側と反対側の端部がバルブスプリング61a内に挿通されており、内部に弁軸62bが挿通されている。
【0014】
カムシャフト2が回転されてカム6が回転されると、カム6によりキャップ61c及びリテーナ61bがバルブスプリング61aの弾性力に抗して軸l1方向に沿って往復移動し、吸気弁62が開閉される。ここでは、吸気弁62について説明したが、排気弁72についても同様であるので説明を省略する。
【0015】
ここで、カム6及び7は、バルブスプリング61a及び71aの弾性力に抗してバルブリフタ61及び71を上から押さえるように配置されるため、バルブリフタ61及び71からそれぞれ軸l1及びl2方向に沿って上方に動弁反力を受ける。そして、図11に示すように、カムシャフト2及び3の軸本体4(軸本体5)は、軸受部12,14(軸受部13,15)の軸受面に所定の隙間100をもって軸支されているため、カム6及び7は軸l1及びl2方向に沿って矢印のように往復移動する。
【0016】
〔カムスラストフランジ〕
カムスラストフランジ8は、図6及び図7に示すように、円板状に形成されており、それぞれ厚みの異なる外周部8aと内周部8bとから構成されている。外周部8aは、内周部8bの両側面において全周に渡って段差をもって形成されており、内周部8bよりも比較的厚みが薄く形成されている。外周部8aの外径は、軸本体4、カム6の外径よりも大きく、カムシャフト2の構成のうち最大の径を有する。外周部8aには、図7に示すように、外周側に開く切欠部81a〜81dが略等間隔に形成されている。各切欠部81a〜81dは、それぞれ1〜4個の切欠からなる。これらの切欠部81a〜81dは、カム6の回転角検出用の被検出部としてのセンサターゲット81を構成する。排気側カムシャフト3のカムスラストフランジ9も同様に構成されている。
【0017】
カムスプロケット機構20側の端部付近に設けられる下軸受部14,15、すなわち、最もカムスプロケット機構20に近いカム6,7よりもさらに外側に位置する下軸受部14,15の軸受面には、図4乃至図6に示すように、それぞれカムスラストフランジ8,9の下半分が挿入される半円状の溝16b,17bが形成されている。溝16b,17bは、カムシャフト2,3の軸方向に垂直な当接面16d,17dを有している。
【0018】
また、これらの最もカムスプロケット機構20側に位置する下軸受部14,15に装着されるカムブラケット11は、吸気側及び排気側の下軸受部14,15両方を覆うように一体に形成されている。このカムブラケット11は、図3及び図5に示すように、チェーンカバー(図示せず)が装着されるブラケット本体11aと、ブラケット本体11aの上下方向下部からシリンダヘッド1の内側に向かって形成されるカバー部11bとから構成されている。このカムブラケット11に形成された上軸受部12,13の軸受面には、図5及び図9に示すように、下軸受部14,15の溝16b,17bに対応してカムスラストフランジ8,9の上半分が挿入される半円状の溝16a,17aがそれぞれ形成されている。溝16a,17aは、それぞれ、カムシャフト2,3の軸方向に垂直な当接面16c,17cを有している。
【0019】
カムスプロケット機構20側の端部付近に設けられる下軸受部14,15にカムブラケット11が装着されると、上下の溝16aと溝16bとが環状溝16を形成し、上下の溝17aと溝17bとが環状溝17を形成する。このとき、当接面16cと当接面16dとが連続し、当接面17cと当接面17dとが連続する。
【0020】
溝16a及び溝16bの幅(環状溝16の幅)は、図5及び図6に示すように一定の幅であり、カムスラストフランジ8が環状溝16に挿入された場合に、内周部8bは環状溝16の当接面16c,16dと比較的狭い第1隙間をもって摺動する。一方、外周部8aは、環状溝16の当接面16c,16dと第1隙間よりも大きい第2隙間をもっており、当接面16c,16dとは接触しない。また、環状溝16の内径はカムスラストフランジ8の外径よりも大きく形成され、カムスラストフランジ8の外周部8a端部が環状溝16(溝16a,16b)の内壁に接触しない。即ち、外周部8aに形成されたセンサターゲット81が環状溝16の内壁に接触しない。カムスラストフランジ8が軸本体4とともに回転すると、内周部8bと環状溝16の当接面16c,16dとによってカムシャフト2の軸方向の移動が規制される。即ち、カムスラストフランジ8及び環状溝16は、カムシャフト2の軸方向での位置決めをさせる役割をする。排気側カムシャフト3のカムスラストフランジ9及び環状溝17についても同様である。
【0021】
〔センサ〕
センサ21は、回転角検出用の検出装置であり、図10に示すようにセンサ本体21a及びフランジ部21bから構成されている。センサ本体21aは、円筒状に形成されており、先端部にセンサターゲット81を検出するための検出部21dを有している。フランジ部21bは、検出部21dが設けられる側とは反対側のセンサ本体21aの端部に設けられており、挿通孔21cが形成されている。
【0022】
カバー部11bには、図5及び図9に示すように、センサ挿入口11c及び螺子孔11dが形成されている。センサ挿入口11cは、カバー部11bの上面から溝16a,17aに開口して形成されている。また、センサ挿入口11cは、その中心を通る軸l1’、l2’がカムスラストフランジ8の中心を通るように形成されている。そして、この軸l1’、l2’は、吸気弁62及び排気弁72の弁軸62b及び72bの中心軸を通る軸l1及びl2に平行である。螺子孔11dは、カバー部11bにおいてセンサ挿入口11cの内側に軸l1’,l2’に沿って形成されている。センサ21は、検出部21dが溝16aに臨むようにセンサ本体21aがセンサ挿入口11cに挿入され、フランジ部21bの挿通孔21cを介して螺子孔11dにボルトが螺合されることにより、カバー部11bの上面に固定される。このとき、センサ21の検出部21dは、動弁反力の方向である軸l1に沿って軸l1’上に、かつ、カムスラストフランジ8のセンサターゲット81に上方から対峙して配置される。ここでは、吸気側のセンサ21について説明したが、排気側のセンサ22についても同様である。
【0023】
図11は、動弁反力によるセンサターゲット81の往復移動を説明するための説明図である。同図(a)は、カムシャフト2の軸本体4が軸受部12,14の軸受面に対して移動する様子を示している。軸l1は、前述したように、吸気弁62の弁軸62bの方向であり、吸気弁62による動弁反力を受ける方向である。同図に示すように、軸本体4は、軸受部12,14の軸受面に所定の隙間100をもって回転自在に軸支されている。軸本体4がカム6を介して動弁反力を受けると、軸本体4が前記隙間100の分だけ軸l1に沿って往復移動する。同図(b)は、センサターゲット81とセンサ21との位置関係を示す図である。前述したように軸本体4が軸l1に沿って往復移動すると、これに伴いカムスラストフランジ8も軸l1’方向に往復移動するため、センサ21の検出部21dとセンサターゲット81との間の距離(間隔)も変化する。しかし、センサ21とセンサターゲット81とは、センサターゲット81が往復移動する方向と同一方向である軸l1’上に対峙するように配置されているので、センサ21とセンサターゲット81とのオフセット量(軸l1’に垂直な方向の位置関係)の変化が抑制される。ここでは、吸気側のセンサ21及びセンサターゲット81について説明したが、排気側のセンサ22及びセンサターゲット91についても同様である。
【0024】
(2)作用効果
以上のように構成されたカム回転角検出構造では、センサ21を動弁反力の方向に沿ってかつカムスラストフランジ8の中心を通る軸l1’上に配置したため、カムスラストフランジ8(センサターゲット81)が軸l1’に沿って往復移動したとしても、センサ21とセンサターゲット81との間隔は変化するものの、オフセット量の変化を抑制できる。この結果、動弁反力が回転角検出に与える影響を抑制して、センサ21及びセンサターゲット81によるカムシャフト4の回転角の検出精度を向上し得る。
【0025】
センサターゲット81をカムシャフト2の軸方向の動きを規制するカムスラストフランジ8に設けることにより、エンジン運転時にカムシャフト2が軸方向に熱膨張した場合にも、カムシャフト2はカムスラストフランジ8を基点として軸方向に膨張する。このため、このカムスラストフランジ8に設けられたセンサターゲット81は熱膨張にともない軸方向にずれることがない。この点でも、カムシャフト2の回転角の検出精度を向上させることができる。
【0026】
また、カムスラストフランジ8とセンサターゲット81とをカムシャフト2の軸方向に離間させて配置する場合には、カムシャフト2の各部の寸法バラツキにより、センサターゲット81とセンサ21との位置関係がずれるおそれがあるが、スラストフランジ8にセンサターゲット81を設けることにより両者の位置関係のずれが生じるのを防止できる。
【0027】
センサターゲット81を有するカムスラストフランジ8が当接面16cが形成された溝16a(環状溝16)と、センサ21が取り付けられるセンサ挿入口21aとを、1つの部材であるカムブラケット11に一体に形成するため、センサターゲット81の位置決めと、センサ21の位置決めとの間に他の部品が介在しない。そのため、複数の部品の寸法公差及び取付ガタが累積されてセンサターゲット81とセンサ21との位置決めがずれるのを抑えることができ、センサ21による検出精度を向上させることができる。
【0028】
カムスラストフランジ8が軸受面に形成された環状溝16に挿入されることによりカムシャフト2の軸方向の動きを規制するので、複数のカムスラストフランジ8を設ける必要がなく、カムシャフト2の長さを短くでき、以ってカムシャフト2の重量増大を防止できる。
【0029】
センサターゲット81をカムスラストフランジ8の外周部8aに形成するため、センサターゲット81の外径が大きくなり、センサ21の検出感度が向上し得る。また、カムシャフト2の構成中で外径が最大であるカムスラストフランジ8の外周部8aにセンサターゲット81を設けるので、センサターゲット81の外径が大きく、カム回転角の検出精度を向上し得る。
【0030】
カムスラストフランジ8の内周部8bの両側面に段差をもって形成した外周部8aにセンサターゲット81を設け、センサターゲット81がシリンダヘッド1及びカムブラケット11(環状溝16の内壁)に接触しないように構成するため、センサターゲット81である切欠部81a〜81dを切削工具により形成した際に、切欠部周りに発生するバリによるシリンダヘッド1の焼き付き、摺動傷、摩耗を防止するとともに、センサターゲット81の破損、摩耗を防止することができる。また、センサターゲット81のバリ取り工程を短縮できるため、コスト低減を図ることができる。さらに、センサターゲット81を設けるために必要最小限の範囲で外周部8aを設ければ良いので、内周部8bにより十分な摺動面を確保することができ、面圧が高くなり過ぎるのを防止できる。
【0031】
カムスラストフランジ8の外周部8aに切欠部81a〜81dを形成することにより、センサターゲット81をカムスラストフランジ8と一体に形成するので、センサターゲット81の設置位置の精度向上、カムシャフト2の重量低減を図ることができる。また、センサターゲット81を切欠き部81a〜81dにより簡易に構成できる。
【0032】
また、特開2001−73826号公報には、カムスプロケット機構と反対側にカムスラストフランジを配置するカムシャフト回転角検出構造が記載されているが、このようにカムスラストフランジをカムスプロケット機構と反対側に配置した場合には、カムスラストフランジとカムスプロケット機構との間の距離が大きい。このような構成では、熱膨張でカムスラストフランジを基点として軸方向にカムシャフトが膨張した際、カムシャフトの膨張により、カムスラストフランジから一番遠い位置にあるカムスプロケット機構の軸方向の移動代が大きく、クランクシャフトからの回転を精度良くカムシャフトに伝達できなくなるおそれがある。これに対して、本実施形態に係るカムシャフト回転角検出構造のように、カムスプロケット機構20に最も近いカムブラケット11の環状溝16によりカムスラストフランジ8を位置決めすれば、カムスラストフランジ8とカムスプロケット機構20との距離が小さく、カムシャフト2の熱膨張によるカムスプロケット機構20の軸方向への移動代が小さく、クランクシャフトからの回転を精度良くカムシャフト2に伝達させることができる。
【0033】
また、カムスラストフランジ8を軸本体4と一体に形成するので、カムスラストフランジ8の位置精度の向上を図ることができるとともに、カムスラストフランジ8の軸本体4への組み立て作業を省略することができる。
【0034】
以上、吸気側カムシャフト2の回転角検出構造の作用効果について述べたが、排気側カムシャフト3の回転角を検出する場合も上記と同様の作用効果を奏する。
【0035】
(3)他の実施形態
(A)上記実施形態では、カムスラストフランジ8及び9にセンサターゲット81及び91を設けたが、カムスラストフランジ8及び9とは別部材のセンサプレートにセンサターゲットを設けても良い。この場合でも、センサを動弁反力が作用する方向に沿ってかつセンサターゲットに対峙するように配置すれば、センサとセンサターゲットとのオフセット量の変化を抑制できる。
【0036】
(B)上記では、カム6,7、カムスラストフランジ8,9を軸本体4,5に一体に形成したが、カムシャフト2,3が図12に示すような組立シャフトである場合には、カム6,7、カムスラストフランジ8,9をカムシャフト2,3とは別部材で形成しておき、これらを軸本体4,5に嵌合して固定するようにしても良い。また、カム6,7またはカムスラストフランジ8,9のいずれか一方を別部材で形成するようにしても良い。
【0037】
この場合、別体で形成したカムスラストフランジ8を軸本体4に取り付ける必要があるが、カムスラストフランジ8とセンサターゲット81とを一体に形成するため、センサターゲット81を設けるプレートを別部材にて形成する場合に比較して、部品点数を低減し、製造コストを低減できる。また、この場合でも、センサターゲット81をカムスラストフランジ8に一体に形成するため、センサターゲットの位置精度の向上が図れる。
【0038】
(C)上記実施形態では、吸気側及び排気側のカムシャフト2及び3の回転角を検出するが、排気側カムシャフト3の回転角を検出する必要がない場合には、カムスラストフランジ9にセンサターゲット91を設ける必要がなく、センサ22を設ける必要もない。
【0039】
(D)上記実施形態では、各カムブラケット11を各気筒に対応して別個に設けたが、各カムブラケットを全気筒に亘って一体に形成するようにしても良い。この場合には、カムブラッケットの剛性向上が図れる。
【0040】
(E)上記実施形態では、センサターゲット81を切欠部81a〜81dにより構成したが、電気的、磁気的又は突起、溝等の機械的なマーキングをスラストフランジ8の外周面やスラスト面に施してセンサターゲット81を構成しても良い。この場合も、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
(F)上記実施形態では、センサ21の検出部21dを動弁反力の方向である軸l1に沿って軸l1’上に、かつ、カムスラストフランジ8のセンサターゲット81に上方から対峙させて配置した。一方、図13に示すようにセンサターゲット81をカムスラストフランジ8のスラスト面に形成した場合には、センサ21の検出部21dを、軸l1’に沿った軸上で、かつ、カムシャフト2の長手方向の前側又は後側からセンサターゲット81に対峙して配置させるようにしても良い。この場合にも、上記実施形態と同様に、動弁反力が回転角検出に与える影響を抑制して、センサ21及びセンサターゲット81によるカムシャフト4の回転角の検出精度を向上し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカム回転角検出構造が設けられたシリンダヘッド1の斜視図。
【図2】シリンダヘッド1の正面図。
【図3】シリンダヘッド1の平面図。
【図4】カムブラケット11を取り外した状態のシリンダヘッド1の平面図。
【図5】図3のV−Vで切ったシリンダヘッド1の一部切欠き斜視図。
【図6】カムスラストフランジ8付近の拡大平面図。
【図7】カムシャフト2の拡大斜視図。
【図8】図3のVIII−VIIIにおける断面図。
【図9】図3のIX−IXにおける断面図。
【図10】センサ21の斜視図。
【図11】動弁反力によるセンサターゲット81の往復移動を説明するための説明図。
【図12】組立シャフトの分解斜視図。
【図13】センサ21をスラストフランジ8のスラスト面に対向させた場合の正面図及び側面図。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド
2,3 カムシャフト
4,5 軸本体
6,7 カム
8,9 カムスラストフランジ
21,22 センサ
21a センサ本体
21b フランジ部
21c 挿通孔
21d 検出部
11 カムブラケット
11a ブラケット本体
11b カバー部
11c センサ挿入口
11d 螺子孔
12,13 上軸受部
14,15 下軸受部
16,17 環状溝
16a,16b,17a,17b 溝
16c,16d,17c,17d 当接面
61,71 バルブリフタ
62,72 吸気弁、排気弁
81 センサターゲット
81a 外周部
81b 内周部

Claims (14)

  1. エンジンの吸気弁又は排気弁を開閉するカムが設けられたカムシャフトの回転角を検出するカムシャフト回転角検出構造であって、
    前記カムシャフトに設けられ、回転角検出用の被検出部を有するフランジと、
    前記吸気弁又は排気弁から前記カムが受ける動弁反力の方向に沿ってかつ前記フランジの被検出部に対峙して配置された回転角検出用のセンサと、
    を備えたカムシャフト回転角検出構造。
  2. 前記フランジは前記カムシャフトの軸方向の移動を規制するものである、請求項1に記載のカムシャフト回転角検出構造。
  3. 前記カムシャフトの軸方向の移動を規制するために前記フランジに当接する面と、前記センサが取り付けられるセンサ取付部とは1つの部材に形成されている、請求項2に記載のカムシャフト回転角検出構造。
  4. 前記当接面とセンサ取付部とが形成された部材は、前記カムシャフトを回転自在に軸支する軸受部の一部を構成するカムブラケットである、請求項3に記載のカムシャフト回転角検出構造。
  5. 前記軸受部は、前記カムシャフトの下半分を軸支する下軸受部と、前記カムブラケットに形成され前記カムシャフトの上半分を軸支する上軸受部とを有し、
    前記下軸受部及び上軸受部の軸受面には溝が形成され、前記フランジは前記溝に摺動自在に挿入されている、請求項4に記載のカムシャフト回転角検出構造。
  6. 前記センサは、先端部に前記被検出部を検出するための検出部を有するセンサ本体を有し、
    前記センサ取付部には、前記センサ本体が前記動弁反力の方向に沿って挿入されるセンサ挿入孔が形成されている、
    請求項1から5のいずれかに記載のカムシャフト回転角検出構造。
  7. 前記被検出部は、前記フランジの外周部に形成されている、請求項1から6のいずれかに記載のカムシャフト回転角検出構造。
  8. 前記フランジは、前記溝に両面側が第1隙間を介して挿入された内周部と、両側面において前記内周部と段差をもって形成され第1隙間よりも大きい第2隙間を介して前記溝に挿入された外周部とを有している、
    請求項5又は6に記載のカムシャフト回転角検出構造。
  9. 前記被検出部は、前記フランジの前記外周部に形成されている、請求項8に記載のカムシャフト回転角検出構造。
  10. 前記フランジは、前記カムシャフトの他の部分に比較して最も外径が大きい、請求項1から9のいずれかに記載のカムシャフト回転角検出構造。
  11. 前記被検出部は、前記フランジと一体に形成される、請求項1から10のいずれかに記載のカムシャフト回転角検出構造。
  12. 前記フランジは、前記エンジンのクランクシャフトの回転を前記カムシャフトに伝達するカムスプロケット機構側において、前記カムシャフトの端部近傍に設けられている、
    請求項1から11のいずれかに記載のカムシャフト検出構造。
  13. 前記フランジは、前記カムシャフトと一体に形成されている、請求項1から12のいずれかに記載のカムシャフト回転角検出構造。
  14. 前記カムシャフトは組立シャフトである、請求項1から12のいずれかに記載のカムシャフト回転角検出構造。
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