JP2004339091A - 乳化型アイメークアップ化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れた乳化型アイメークアップ化粧料に関する。
【解決手段】水酸基価が10〜150である成分(a)を含有する乳化型アイメークアップ化粧料を提供するものである。
成分(a):ジトリメチロールプロパンと脂肪酸との下記一般式(I)で示されるエステル化合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物、下記一般式(I)で示されるエステル化合物と多価カルボン酸との重縮合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸とのエステル化合物と脂肪酸との重縮合物、及びジトリメチロールプロパンと脂肪酸と多価カルボン酸との重縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上。
【化1】
(式中、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子又は脂肪酸残基を表す。)
【選択図】 なし
【解決手段】水酸基価が10〜150である成分(a)を含有する乳化型アイメークアップ化粧料を提供するものである。
成分(a):ジトリメチロールプロパンと脂肪酸との下記一般式(I)で示されるエステル化合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物、下記一般式(I)で示されるエステル化合物と多価カルボン酸との重縮合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸とのエステル化合物と脂肪酸との重縮合物、及びジトリメチロールプロパンと脂肪酸と多価カルボン酸との重縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上。
【化1】
(式中、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子又は脂肪酸残基を表す。)
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れた乳化型アイメークアップ化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アイメークアップ化粧料は目のまばたきによる皮膚の動きや、汗や皮脂や涙にさらされるため、化粧効果を維持するのが困難である。そこで、従来、アイメークアップ化粧料においてその化粧もち効果を得る為に、固形油、半固形油、液体油、樹脂、皮膜形成剤等の配合成分の選択や、配合量を変えることについて検討がなされてきた。例えば、外相に水と繊維と水溶性高分子とを含有し、内相に揮発性油分と油溶性樹脂とを含有させることで、耐水性、耐汗性、耐皮脂性、耐油性、使用性(なめらかさ)に優れ、化粧もちに優れた水中油型睫用化粧料を提供する技術(例えば特許文献1)、オキシアルキレン化されたシリコーン誘導体を含有する組成物を用いることで保持力を改善する技術(例えば特許文献2)などが提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−267827号公報
【特許文献2】
特許第3285799号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、外相に水と繊維と水溶性高分子とを含有し、内相に揮発性油分と油溶性樹脂とを含有する化粧料は化粧もちに優れるものの、分離や変臭等の経時安定性や発色のよさとその持続性については十分満足できるものではなかった。また、オキシアルキレン化されたシリコーン誘導体を含有する化粧料は保持力に優れるものの、分離や変臭等の経時安定性や仕上がり膜の均一性については十分満足できるものではなかった。このため、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れた乳化型アイメークアップ化粧料の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、乳化型アイメークアップ化粧料において特定のジトリメチロールプロパン誘導体を含有することによって、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れた乳化型アイメークアップ化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、水酸基価が10〜150である成分(a)を含有する乳化型アイメークアップ化粧料を提供するものである。
成分(a)ジトリメチロールプロパンと脂肪酸との下記一般式(I)で示されるエステル化合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物、下記一般式(I)で示されるエステル化合物と多価カルボン酸との重縮合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸とのエステル化合物と脂肪酸との重縮合物、及びジトリメチロールプロパンと脂肪酸と多価カルボン酸との重縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上。
【化2】
(式中、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子又は脂肪酸残基を表す。)
なお、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物と脂肪酸との重縮合物とは、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物と、脂肪酸とのエステル化反応で得られた重縮合物のことを示す。
【0006】
また、本発明は、成分(b)として被膜形成性ポリマーエマルションを含有することを特徴とする乳化型アイメークアップ化粧料を提供するものである。
【0007】
さらに、本発明は、成分(a)の含有量が乳化型アイメークアップ化粧料全量中0.1〜80質量%であることを特徴とする乳化型アイメークアップ化粧料を提供するものである。
【0008】
さらに、また、本発明は、成分(b)中の固形分の含有量が、乳化型アイメークアップ化粧料全量中0.1〜30質量%であることを特徴とする乳化型アイメークアップ化粧料を提供するものである。
【0009】
また、睫用化粧料として用いることを特徴とする乳化型アイメークアップ化粧料を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の乳化型アイメークアップ化粧料に使用される成分(a)は、ジトリメチロールプロパンと脂肪酸との下記一般式(I)で示されるエステル化合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物、下記一般式(I)で示されるエステル化合物と多価カルボン酸との重縮合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸とのエステル化合物と脂肪酸との重縮合物、及びジトリメチロールプロパンと脂肪酸と多価カルボン酸との重縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上である。
【化3】
(式中、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子又は脂肪酸残基を表す。)
【0011】
成分(a)を形成するための脂肪酸としては、炭素数5〜28の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸が好ましく、特に分岐鎖の脂肪酸が好ましい。このような分岐鎖の脂肪酸としては、例えば、ピバリン酸、イソヘプタン酸、4−エチルペンタン酸、イソオクチル酸、2−エチルヘキサン酸、4,5−ジメチルヘキサン酸、4−プロピルペンタン酸、イソノナン酸、2−エチルヘプタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、イソデカン酸、イソドデカン酸、2−メチルデカン酸、3−メチルデカン酸、4−メチルデカン酸、5−メチルデカン酸、6−メチルデカン酸、7−メチルデカン酸、9−メチルデカン酸、6−エチルノナン酸、5−プロピルオクタン酸、イソラウリン酸、3−メチルヘンデカン酸、6−プロピルノナン酸、イソトリデカン酸、2−メチルドデカン酸、3−メチルドデカン酸、4−メチルドデカン酸、5−メチルドデカン酸、11−メチルドデカン酸、7−プロピルデカン酸、イソミリスチン酸、2−メチルトリデカン酸、12−メチルトリデカン酸、イソパルミチン酸、2−ヘキシルデカン酸、14−メチルペンタデカン酸、2−エチルテトラデカン酸、イソステアリン酸、メチル分岐型イソステアリン酸、2−へプチルウンデカン酸、2−イソへプチルイソウンデカン酸、2−エチルヘキサデカン酸、14−エチルヘキサデカン酸、14−メチルヘプタデカン酸、15−メチルヘプタデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、2−ブチルテトラデカン酸、イソアラキン酸、3−メチルノナデカン酸、2−エチルオクタデカン酸、イソヘキサコ酸、24−メチルヘプタコサン酸、2−エチルテトラコサン酸、2−ブチルドコサン酸、2−ヘキシルイコサン酸、2−オクチルオクタデカン酸、2−デシルヘキサデカン酸などが挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。これらのうち炭素数8〜18の脂肪酸、特にイソオクチル酸、ピバリン酸、2−エチルヘキサン酸、2−エチルヘプタン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、2−イソヘプチルイソウンデカン酸などが挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。これらのうち炭素数8〜18の脂肪酸、特にイソオクチル酸(さらに好ましくは、2−エチルヘキサン酸、4,5−ジメチルヘキサン酸)、イソノナン酸(さらに好ましくは、2−エチルヘプタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸)、イソパルミチン酸、イソトリデカン酸、イソステアリン酸(さらに好ましくは、メチル分岐型イソステアリン酸、2−ヘプチルウンデカン酸、2−イソヘプチルイソウンデカン酸)などの炭素数8〜18の分岐飽和脂肪酸が好ましい。
直鎖脂肪酸とは、炭素数6から炭素数28の直鎖脂肪酸で、例えば、カプロン酸、カプリル酸、オクチル酸、ノニル酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの直鎖飽和脂肪酸、また、カプロレイン酸、ウンデシレン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、ゴンドイン酸、エルカ酸、ブラシン酸などの直鎖不飽和脂肪酸が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。
【0012】
本発明の成分(a)のエステル化合物は、モノ、ジ、トリ又はテトラエステル化合物の1種又は2種以上からなるものである。
また、成分(a)の重縮合物を調製するのに本発明で用いる多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸やセバシン酸などの炭素数2から炭素数10の2塩基性カルボン酸が好ましい。これらは1種又は2種以上を使用することができる。
【0013】
本発明の成分(a)は、水酸基価(OHV)(以下、単に「OHV」と略す)が10〜150のものが好ましく、OHVが30〜150のものがより好ましく、40〜100のものが最も好ましい。OHVがこのような範囲にあると、他の成分に対する相溶性がより良好となるため、塗布時のなめらかさや仕上がり膜の均一性に優れた効果を発揮できる。ここで、OHVとは、粧原基一般試験法水酸基価測定法により得られた値とする。本発明の成分(a)は、室温で液状であるのが好ましく、粘度(25℃)が100〜30000mPa・sであるのが好ましい。
本発明の成分(a)は、例えば、ジトリメチロールプロパン1当量に対し脂肪酸及び/又は多価カルボン酸を1.5〜3.5当量仕込み、無触媒又は触媒(たとえば塩化スズ)存在下、180〜240℃にてエステル化及び/又は脱水縮合反応を行う。反応終了後は、反応混合物を吸着処理等に付して触媒除去処理を行い、蒸留等により未反応原料など低分子分を除去して、最終製品を得る方法により調製することができる。
【0014】
この成分(a)の配合量は、乳化型アイメークアップ化粧料全量中0.1〜80質量%が好ましく、特に水中油乳化型の場合は、0.1〜10質量%が好ましく、油中水乳化型の場合は10〜80質量%が好ましい。この範囲であれば、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさという点で満足のいくものが得られる。
【0015】
更に、本発明の乳化型アイメークアップ化粧料は成分(b)の被膜形成性ポリマーエマルションを含有することにより、付着性や持続性、安定性が格段に向上する。使用される被膜形成性ポリマーエマルションとしては、固形分としての高分子化合物を水性溶媒に分散してあるもので、通常化粧品に使用されるものであれば特に制限されず、いずれのものも使用することができる。例えば、アクリル酸アルキル共重合体エマルション、メタクリル酸アルキル重合体エマルション、アクリル酸アルキル共重合体エマルション、メタクリル酸アルキル共重合体エマルション、アクリル酸・アクリル酸アルキル共重合体エマルション、メタクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体エマルション、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、メタクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、酢酸ビニル重合体エマルション、ポリ酢酸ビニルエマルション、酢酸ビニル含有共重合体エマルション、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション、シリコーン含有重合体エマルション、シリコーン含有共重合体エマルション等が挙げられるが、この中でも酢酸ビニル重合体エマルションが望ましい。これらの被膜形成性ポリマーエマルションは、必要に応じ1種又は2種以上を使用することができる。
【0016】
本発明の成分(b)の被膜形成性ポリマーエマルションの配合量は、特に限定されないが、固形分として、乳化型アイメークアップ化粧料全量中に0.1〜30質量%が好ましく、特に、油中水型では、0.1〜15質量%、水中油型では1〜25質量%が更に好ましい。ここでいう固形分とは、被膜形成性ポリマーエマルション中の高分子化合物のことをいう。この範囲であれば、経時安定性(分離・変臭のなさ)、発色のよさとその持続性の点で満足のいくものが得られる。
【0017】
本発明の乳化型アイメークアップ化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、前記成分(a)、(b)以外の各種成分、例えば、水性成分、油性成分、界面活性剤、粉体、繊維、紫外線吸収剤、水溶性高分子、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料などを各種の効果を付与するために適宜配合することができる。
【0018】
本発明は、乳化型であるため、水性成分を含有し、その水性成分としては、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。また、水性成分中の水の配合量は50質量%以上が好ましい。
【0019】
油性成分としては、本発明の乳化型アイメークアップ化粧料において成分(a)の他に油中水型では外相を水中油型では内相を形成しうるもので、例えば、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられ、基材やエモリエント成分等として用いられる。具体的には、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、リンゴ酸ジイソステアリル、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられる。
【0020】
本発明の乳化型アイメークアップ化粧料の乳化には界面活性剤を用いるが、界面活性剤としては、化粧品一般に用いられている界面活性剤であればよく、ノニオン界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸及びそれらの無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノルアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、例えば、大豆リン脂質、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
また、これら界面活性剤は、必要に応じて本発明の乳化型アイメークアップ化粧料に1種又は2種以上を用いることができる。
【0021】
粉体としては、主に着色効果を目的に配合されるが、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられ感触調整や着色等の目的で用いられる。具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末のラメ剤等が挙げられ、これら粉体はその1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。尚、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、及び界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
【0022】
繊維としては、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維、セルロース等の天然繊維、アセテート人絹等の半合成繊維等が挙げられ睫を長く見せる効果を付与することができるが、これらは特に限定されるものではなく、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。また、これらの繊維は本発明の効果を妨げない範囲で一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用することができる。
【0023】
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4‘−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等を挙げることができる。
モイスチャー効果や感触が良好にする目的としては、例えば水溶性高分子、タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチンや水性成分等が挙げられる。水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー等の合成系のものを挙げることができる。
酸化防止剤としては、例えばトコフェロール類、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0024】
本発明の乳化型アイメークアップ化粧料としては、水中油型や油中水型、これらの複合型であり、固形状、クリーム状、ゲル状、液状の形状をとることができ、マスカラ、アイライナー、アイシャドウ、アイブロウ等が挙げられる。中でもマスカラ等の睫用とすることで効果が顕著に現れるため好ましい。
また、これらの乳化型アイメークアップ化粧料は、通常の化粧料を製造する方法にて製造することができ、特にその製法は限定されない。
【0025】
次に実施例をもって本発明をより詳細に説明する。本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。
【0026】
【実施例】
(製造例1)ジトリメチロールプロパンとイソステアリン酸とセバシン酸との重縮合物の調製
ジトリメチロールプロパン〔広栄化学社製:ジトリメチロールプロパン〕168g(0.8モル)、イソステアリン酸〔ユニケマ社製:PRISORINE3505〕392g(1.3モル)、及びセバシン酸〔小倉合成工業社製:セバシン酸〕41g(0.2モル)を攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管、水分離管を備えた1Lの4つ口フラスコに仕込み、還流溶剤として、キシロールを全仕込量の5質量%の量で一緒に加え、攪拌しながら混合物を180〜240℃で6時間反応させた。反応終了後、活性白土を用いて脱色し、常法による脱臭を行い、ジトリメチロールプロパンとイソステアリン酸とセバシン酸との重縮合物436gを得た。この重縮合物のOHVは92であった。
【0027】
(製造例2)ジトリメチロールプロパンと2−エチルヘキサン酸とのエステル化合物の調製
ジトリメチロールプロパン〔広栄化学社製:ジトリメチロールプロパン〕211g(0.8モル)と2−エチルヘキサン酸〔チッソ社製:オクチル酸〕389g(2.7モル)を攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管、水分離管を備えた1Lの4つ口フラスコに仕込み、還流溶剤として、キシロールを全仕込量の5質量%の量で一緒に加え、攪拌しながら混合物を180〜240℃で19時間反応させた。反応終了後、活性白土を用いて脱色し、常法による脱臭を行い、ジトリメチロールプロパンと2−エチルヘキサン酸とのエステル化合物421gを得た。このエステル化合物のOHVは89であった。
【0028】
(比較製造例1)ジトリメチロールプロパンと2−エチルヘキサン酸とのテトラエステル化合物の調製
ジトリメチロールプロパン〔広栄化学社製:ジトリメチロールプロパン〕185g(0.7モル)と2−エチルヘキサン酸〔チッソ社製:オクチル酸〕415g(2.9モル)を攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管、水分離管を備えた1Lの4つ口フラスコに仕込み、還流溶剤として、キシロールを全仕込量の5質量%の量で一緒に加え、攪拌しながら混合物を180〜240℃で30時間反応させた。反応終了後、活性白土を用いて脱色し、常法による脱臭を行い、ジトリメチロールプロパンと2−エチルヘキサン酸とのテトラエステル化合物(下記一般式(II))390gを得た。このテトラエステル化合物のOHVは1であった。
【化4】
(式中、R5〜R8は全て2−エチルヘキサン酸残基を表す。)
【0029】
実施例1〜5及び、比較例1〜3 水中油乳化型マスカラ
表1に示す組成のマスカラを調製し、睫に塗布し、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさについて評価した結果をあわせて表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
(製造方法)
A.成分1〜11を加熱溶解し、12〜15を加えて均一に混合する。
B.成分16〜24を均一に混合する。
C.A工程で得られた混合物にB工程で得られた混合物を加え、乳化する。
D.C工程で得られた混合物を容器に充填し、製品とする。
【0032】
(評価方法)
下記評価項目について各々評価を行った。
(a)の経時安定性(分離・変臭のなさ)については各試料の40℃で1ヶ月保存の状態を評価し、室温保存品と比較して、下記4段階判定基準により判定した。(b)の仕上がり膜の均一性、(c)の発色のよさとその持続性、(d)塗布時のなめらかさについては、各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、試料ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。尚、(c)の発色のよさとその持続性に関しては、塗布後及び、6時間後の塗布色について評価を行った。
【0033】
(評価項目)
(a)経時安定性(分離・変臭のなさ)
(b)仕上がり膜の均一性
(c)発色のよさとその持続性
(d)塗布時のなめらかさ
【0034】
(経時安定性(分離・変臭のなさ))
(4段階判定基準)
◎:全く変化なく良好
○:ほとんど分離・変臭が認められない
△:分離・変臭が認められる
×:強い分離・変臭が認められる
【0035】
(仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさ)
(絶対評価)
評点:評価
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
(4段階判定基準)
5点を超える :非常に良い(◎)
3点を超えて5点以下:良好(○)
1点を超えて3点以下:やや不良(△)
1点以下 :不良(×)
【0036】
表1に示すように、本発明は経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れる乳化型アイメークアップ化粧料に関するものであった。それに対し、比較例はいずれも実施例に劣る結果となり、特に、本発明の構成成分である成分(a)のを含まない比較例1は経時安定性(分離・変臭のなさ)と発色のよさとその持続性に特に劣るものであった。本発明の構成成分である成分(a)の替わりに他の油剤を用いた比較例2と3、具体的にはトリイソオクタン酸グリセリルを配合した比較例2は経時安定性(分離・変臭のなさ)に、比較製造例1のテトラエステル化合物を配合した比較例3は塗布時のなめらかさに特に劣るものであった。
【0037】
実施例6 油中水乳化型マスカラ
(製造方法)
A.成分1〜5を加熱溶解し均一に混合する。
B.成分6〜11を均一に混合する。
C.A工程で得られた混合物にB工程で得られた混合物を加え、乳化する。
D.C工程で得られた混合物を容器に充填し、製品とする。
以上のようにして得られた油中水乳化型マスカラは、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れたものであった。
【0038】
実施例7 水中油乳化型アイライナー
(製造方法)
A.成分1〜4を加熱溶解し、5、6を加えて均一に混合する。
B.成分7〜13を均一に混合する。
C.A工程で得られた混合物にB工程で得られた混合物を加え、乳化する。
D.C工程で得られた混合物容器に充填して製品とする。
以上のようにして得られた水中油乳化型アイライナーは、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れたものであった。
【0039】
実施例8 水中油乳化型アイシャドウ
(製造方法)
A.成分1〜6を加熱溶解し、7、8を加えて均一に混合する。
B.成分9〜15を均一に混合する。
C.A工程で得られた混合物にB工程で得られた混合物を加え、乳化する。
D.C工程で得られた混合物容器に充填して製品とする。
以上のようにして得られた水中油乳化型アイシャドウは、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れたものであった。
【0040】
実施例9 水中油乳化型アイブロウ
(製造方法)
A.成分1〜6を加熱溶解し、7を加えて均一に混合する。
B.成分8〜13を均一に混合する。
C.A工程で得られた混合物にB工程で得られた混合物を加え、乳化する。
D.C工程で得られた混合物容器に充填して製品とする。
以上のようにして得られた水中油乳化型アイブロウは、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れたものであった。
【0041】
【発明の効果】
本発明の乳化型アイメークアップ化粧料は、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れたものであった。
【発明の属する技術分野】
本発明は、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れた乳化型アイメークアップ化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アイメークアップ化粧料は目のまばたきによる皮膚の動きや、汗や皮脂や涙にさらされるため、化粧効果を維持するのが困難である。そこで、従来、アイメークアップ化粧料においてその化粧もち効果を得る為に、固形油、半固形油、液体油、樹脂、皮膜形成剤等の配合成分の選択や、配合量を変えることについて検討がなされてきた。例えば、外相に水と繊維と水溶性高分子とを含有し、内相に揮発性油分と油溶性樹脂とを含有させることで、耐水性、耐汗性、耐皮脂性、耐油性、使用性(なめらかさ)に優れ、化粧もちに優れた水中油型睫用化粧料を提供する技術(例えば特許文献1)、オキシアルキレン化されたシリコーン誘導体を含有する組成物を用いることで保持力を改善する技術(例えば特許文献2)などが提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−267827号公報
【特許文献2】
特許第3285799号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、外相に水と繊維と水溶性高分子とを含有し、内相に揮発性油分と油溶性樹脂とを含有する化粧料は化粧もちに優れるものの、分離や変臭等の経時安定性や発色のよさとその持続性については十分満足できるものではなかった。また、オキシアルキレン化されたシリコーン誘導体を含有する化粧料は保持力に優れるものの、分離や変臭等の経時安定性や仕上がり膜の均一性については十分満足できるものではなかった。このため、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れた乳化型アイメークアップ化粧料の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、乳化型アイメークアップ化粧料において特定のジトリメチロールプロパン誘導体を含有することによって、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れた乳化型アイメークアップ化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、水酸基価が10〜150である成分(a)を含有する乳化型アイメークアップ化粧料を提供するものである。
成分(a)ジトリメチロールプロパンと脂肪酸との下記一般式(I)で示されるエステル化合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物、下記一般式(I)で示されるエステル化合物と多価カルボン酸との重縮合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸とのエステル化合物と脂肪酸との重縮合物、及びジトリメチロールプロパンと脂肪酸と多価カルボン酸との重縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上。
【化2】
(式中、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子又は脂肪酸残基を表す。)
なお、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物と脂肪酸との重縮合物とは、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物と、脂肪酸とのエステル化反応で得られた重縮合物のことを示す。
【0006】
また、本発明は、成分(b)として被膜形成性ポリマーエマルションを含有することを特徴とする乳化型アイメークアップ化粧料を提供するものである。
【0007】
さらに、本発明は、成分(a)の含有量が乳化型アイメークアップ化粧料全量中0.1〜80質量%であることを特徴とする乳化型アイメークアップ化粧料を提供するものである。
【0008】
さらに、また、本発明は、成分(b)中の固形分の含有量が、乳化型アイメークアップ化粧料全量中0.1〜30質量%であることを特徴とする乳化型アイメークアップ化粧料を提供するものである。
【0009】
また、睫用化粧料として用いることを特徴とする乳化型アイメークアップ化粧料を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の乳化型アイメークアップ化粧料に使用される成分(a)は、ジトリメチロールプロパンと脂肪酸との下記一般式(I)で示されるエステル化合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸との重縮合物、下記一般式(I)で示されるエステル化合物と多価カルボン酸との重縮合物、ジトリメチロールプロパンと多価カルボン酸とのエステル化合物と脂肪酸との重縮合物、及びジトリメチロールプロパンと脂肪酸と多価カルボン酸との重縮合物からなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上である。
【化3】
(式中、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子又は脂肪酸残基を表す。)
【0011】
成分(a)を形成するための脂肪酸としては、炭素数5〜28の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸が好ましく、特に分岐鎖の脂肪酸が好ましい。このような分岐鎖の脂肪酸としては、例えば、ピバリン酸、イソヘプタン酸、4−エチルペンタン酸、イソオクチル酸、2−エチルヘキサン酸、4,5−ジメチルヘキサン酸、4−プロピルペンタン酸、イソノナン酸、2−エチルヘプタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、イソデカン酸、イソドデカン酸、2−メチルデカン酸、3−メチルデカン酸、4−メチルデカン酸、5−メチルデカン酸、6−メチルデカン酸、7−メチルデカン酸、9−メチルデカン酸、6−エチルノナン酸、5−プロピルオクタン酸、イソラウリン酸、3−メチルヘンデカン酸、6−プロピルノナン酸、イソトリデカン酸、2−メチルドデカン酸、3−メチルドデカン酸、4−メチルドデカン酸、5−メチルドデカン酸、11−メチルドデカン酸、7−プロピルデカン酸、イソミリスチン酸、2−メチルトリデカン酸、12−メチルトリデカン酸、イソパルミチン酸、2−ヘキシルデカン酸、14−メチルペンタデカン酸、2−エチルテトラデカン酸、イソステアリン酸、メチル分岐型イソステアリン酸、2−へプチルウンデカン酸、2−イソへプチルイソウンデカン酸、2−エチルヘキサデカン酸、14−エチルヘキサデカン酸、14−メチルヘプタデカン酸、15−メチルヘプタデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、2−ブチルテトラデカン酸、イソアラキン酸、3−メチルノナデカン酸、2−エチルオクタデカン酸、イソヘキサコ酸、24−メチルヘプタコサン酸、2−エチルテトラコサン酸、2−ブチルドコサン酸、2−ヘキシルイコサン酸、2−オクチルオクタデカン酸、2−デシルヘキサデカン酸などが挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。これらのうち炭素数8〜18の脂肪酸、特にイソオクチル酸、ピバリン酸、2−エチルヘキサン酸、2−エチルヘプタン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、2−イソヘプチルイソウンデカン酸などが挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。これらのうち炭素数8〜18の脂肪酸、特にイソオクチル酸(さらに好ましくは、2−エチルヘキサン酸、4,5−ジメチルヘキサン酸)、イソノナン酸(さらに好ましくは、2−エチルヘプタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸)、イソパルミチン酸、イソトリデカン酸、イソステアリン酸(さらに好ましくは、メチル分岐型イソステアリン酸、2−ヘプチルウンデカン酸、2−イソヘプチルイソウンデカン酸)などの炭素数8〜18の分岐飽和脂肪酸が好ましい。
直鎖脂肪酸とは、炭素数6から炭素数28の直鎖脂肪酸で、例えば、カプロン酸、カプリル酸、オクチル酸、ノニル酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの直鎖飽和脂肪酸、また、カプロレイン酸、ウンデシレン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、ゴンドイン酸、エルカ酸、ブラシン酸などの直鎖不飽和脂肪酸が挙げられ、これらを1種又は2種以上を使用することができる。
【0012】
本発明の成分(a)のエステル化合物は、モノ、ジ、トリ又はテトラエステル化合物の1種又は2種以上からなるものである。
また、成分(a)の重縮合物を調製するのに本発明で用いる多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸やセバシン酸などの炭素数2から炭素数10の2塩基性カルボン酸が好ましい。これらは1種又は2種以上を使用することができる。
【0013】
本発明の成分(a)は、水酸基価(OHV)(以下、単に「OHV」と略す)が10〜150のものが好ましく、OHVが30〜150のものがより好ましく、40〜100のものが最も好ましい。OHVがこのような範囲にあると、他の成分に対する相溶性がより良好となるため、塗布時のなめらかさや仕上がり膜の均一性に優れた効果を発揮できる。ここで、OHVとは、粧原基一般試験法水酸基価測定法により得られた値とする。本発明の成分(a)は、室温で液状であるのが好ましく、粘度(25℃)が100〜30000mPa・sであるのが好ましい。
本発明の成分(a)は、例えば、ジトリメチロールプロパン1当量に対し脂肪酸及び/又は多価カルボン酸を1.5〜3.5当量仕込み、無触媒又は触媒(たとえば塩化スズ)存在下、180〜240℃にてエステル化及び/又は脱水縮合反応を行う。反応終了後は、反応混合物を吸着処理等に付して触媒除去処理を行い、蒸留等により未反応原料など低分子分を除去して、最終製品を得る方法により調製することができる。
【0014】
この成分(a)の配合量は、乳化型アイメークアップ化粧料全量中0.1〜80質量%が好ましく、特に水中油乳化型の場合は、0.1〜10質量%が好ましく、油中水乳化型の場合は10〜80質量%が好ましい。この範囲であれば、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさという点で満足のいくものが得られる。
【0015】
更に、本発明の乳化型アイメークアップ化粧料は成分(b)の被膜形成性ポリマーエマルションを含有することにより、付着性や持続性、安定性が格段に向上する。使用される被膜形成性ポリマーエマルションとしては、固形分としての高分子化合物を水性溶媒に分散してあるもので、通常化粧品に使用されるものであれば特に制限されず、いずれのものも使用することができる。例えば、アクリル酸アルキル共重合体エマルション、メタクリル酸アルキル重合体エマルション、アクリル酸アルキル共重合体エマルション、メタクリル酸アルキル共重合体エマルション、アクリル酸・アクリル酸アルキル共重合体エマルション、メタクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体エマルション、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、メタクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、酢酸ビニル重合体エマルション、ポリ酢酸ビニルエマルション、酢酸ビニル含有共重合体エマルション、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション、シリコーン含有重合体エマルション、シリコーン含有共重合体エマルション等が挙げられるが、この中でも酢酸ビニル重合体エマルションが望ましい。これらの被膜形成性ポリマーエマルションは、必要に応じ1種又は2種以上を使用することができる。
【0016】
本発明の成分(b)の被膜形成性ポリマーエマルションの配合量は、特に限定されないが、固形分として、乳化型アイメークアップ化粧料全量中に0.1〜30質量%が好ましく、特に、油中水型では、0.1〜15質量%、水中油型では1〜25質量%が更に好ましい。ここでいう固形分とは、被膜形成性ポリマーエマルション中の高分子化合物のことをいう。この範囲であれば、経時安定性(分離・変臭のなさ)、発色のよさとその持続性の点で満足のいくものが得られる。
【0017】
本発明の乳化型アイメークアップ化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、前記成分(a)、(b)以外の各種成分、例えば、水性成分、油性成分、界面活性剤、粉体、繊維、紫外線吸収剤、水溶性高分子、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料などを各種の効果を付与するために適宜配合することができる。
【0018】
本発明は、乳化型であるため、水性成分を含有し、その水性成分としては、水及び水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。また、水性成分中の水の配合量は50質量%以上が好ましい。
【0019】
油性成分としては、本発明の乳化型アイメークアップ化粧料において成分(a)の他に油中水型では外相を水中油型では内相を形成しうるもので、例えば、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられ、基材やエモリエント成分等として用いられる。具体的には、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、リンゴ酸ジイソステアリル、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類等が挙げられる。
【0020】
本発明の乳化型アイメークアップ化粧料の乳化には界面活性剤を用いるが、界面活性剤としては、化粧品一般に用いられている界面活性剤であればよく、ノニオン界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラノリンのアルキレングリコール付加物、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸のような脂肪酸及びそれらの無機及び有機塩、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩、ο−アルキル置換リンゴ酸塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノルアミン脂肪酸誘導体、アルキル四級アンモニウム塩、環式四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸タイプやベタインタイプのカルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型、リン酸エステル型のものがあり、例えば、大豆リン脂質、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシルメチルアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸、N,N,N−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキル−N,N−ビス(ポリオキシエチレン硫酸)アンモニウムベタイン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
また、これら界面活性剤は、必要に応じて本発明の乳化型アイメークアップ化粧料に1種又は2種以上を用いることができる。
【0021】
粉体としては、主に着色効果を目的に配合されるが、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、金属粉体類、複合粉体類等が挙げられ感触調整や着色等の目的で用いられる。具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、合成セリサイト、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン等の有機低分子性粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末のラメ剤等が挙げられ、これら粉体はその1種又は2種以上を用いることができ、更に複合化したものを用いても良い。尚、これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、及び界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
【0022】
繊維としては、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維、セルロース等の天然繊維、アセテート人絹等の半合成繊維等が挙げられ睫を長く見せる効果を付与することができるが、これらは特に限定されるものではなく、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。また、これらの繊維は本発明の効果を妨げない範囲で一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したものも使用することができる。
【0023】
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4‘−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等を挙げることができる。
モイスチャー効果や感触が良好にする目的としては、例えば水溶性高分子、タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチンや水性成分等が挙げられる。水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー等の合成系のものを挙げることができる。
酸化防止剤としては、例えばトコフェロール類、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0024】
本発明の乳化型アイメークアップ化粧料としては、水中油型や油中水型、これらの複合型であり、固形状、クリーム状、ゲル状、液状の形状をとることができ、マスカラ、アイライナー、アイシャドウ、アイブロウ等が挙げられる。中でもマスカラ等の睫用とすることで効果が顕著に現れるため好ましい。
また、これらの乳化型アイメークアップ化粧料は、通常の化粧料を製造する方法にて製造することができ、特にその製法は限定されない。
【0025】
次に実施例をもって本発明をより詳細に説明する。本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。
【0026】
【実施例】
(製造例1)ジトリメチロールプロパンとイソステアリン酸とセバシン酸との重縮合物の調製
ジトリメチロールプロパン〔広栄化学社製:ジトリメチロールプロパン〕168g(0.8モル)、イソステアリン酸〔ユニケマ社製:PRISORINE3505〕392g(1.3モル)、及びセバシン酸〔小倉合成工業社製:セバシン酸〕41g(0.2モル)を攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管、水分離管を備えた1Lの4つ口フラスコに仕込み、還流溶剤として、キシロールを全仕込量の5質量%の量で一緒に加え、攪拌しながら混合物を180〜240℃で6時間反応させた。反応終了後、活性白土を用いて脱色し、常法による脱臭を行い、ジトリメチロールプロパンとイソステアリン酸とセバシン酸との重縮合物436gを得た。この重縮合物のOHVは92であった。
【0027】
(製造例2)ジトリメチロールプロパンと2−エチルヘキサン酸とのエステル化合物の調製
ジトリメチロールプロパン〔広栄化学社製:ジトリメチロールプロパン〕211g(0.8モル)と2−エチルヘキサン酸〔チッソ社製:オクチル酸〕389g(2.7モル)を攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管、水分離管を備えた1Lの4つ口フラスコに仕込み、還流溶剤として、キシロールを全仕込量の5質量%の量で一緒に加え、攪拌しながら混合物を180〜240℃で19時間反応させた。反応終了後、活性白土を用いて脱色し、常法による脱臭を行い、ジトリメチロールプロパンと2−エチルヘキサン酸とのエステル化合物421gを得た。このエステル化合物のOHVは89であった。
【0028】
(比較製造例1)ジトリメチロールプロパンと2−エチルヘキサン酸とのテトラエステル化合物の調製
ジトリメチロールプロパン〔広栄化学社製:ジトリメチロールプロパン〕185g(0.7モル)と2−エチルヘキサン酸〔チッソ社製:オクチル酸〕415g(2.9モル)を攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管、水分離管を備えた1Lの4つ口フラスコに仕込み、還流溶剤として、キシロールを全仕込量の5質量%の量で一緒に加え、攪拌しながら混合物を180〜240℃で30時間反応させた。反応終了後、活性白土を用いて脱色し、常法による脱臭を行い、ジトリメチロールプロパンと2−エチルヘキサン酸とのテトラエステル化合物(下記一般式(II))390gを得た。このテトラエステル化合物のOHVは1であった。
【化4】
(式中、R5〜R8は全て2−エチルヘキサン酸残基を表す。)
【0029】
実施例1〜5及び、比較例1〜3 水中油乳化型マスカラ
表1に示す組成のマスカラを調製し、睫に塗布し、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさについて評価した結果をあわせて表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
(製造方法)
A.成分1〜11を加熱溶解し、12〜15を加えて均一に混合する。
B.成分16〜24を均一に混合する。
C.A工程で得られた混合物にB工程で得られた混合物を加え、乳化する。
D.C工程で得られた混合物を容器に充填し、製品とする。
【0032】
(評価方法)
下記評価項目について各々評価を行った。
(a)の経時安定性(分離・変臭のなさ)については各試料の40℃で1ヶ月保存の状態を評価し、室温保存品と比較して、下記4段階判定基準により判定した。(b)の仕上がり膜の均一性、(c)の発色のよさとその持続性、(d)塗布時のなめらかさについては、各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて7段階に評価し評点を付け、試料ごとにパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。尚、(c)の発色のよさとその持続性に関しては、塗布後及び、6時間後の塗布色について評価を行った。
【0033】
(評価項目)
(a)経時安定性(分離・変臭のなさ)
(b)仕上がり膜の均一性
(c)発色のよさとその持続性
(d)塗布時のなめらかさ
【0034】
(経時安定性(分離・変臭のなさ))
(4段階判定基準)
◎:全く変化なく良好
○:ほとんど分離・変臭が認められない
△:分離・変臭が認められる
×:強い分離・変臭が認められる
【0035】
(仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさ)
(絶対評価)
評点:評価
6:非常に良い
5:良い
4:やや良い
3:普通
2:やや悪い
1:悪い
0:非常に悪い
(4段階判定基準)
5点を超える :非常に良い(◎)
3点を超えて5点以下:良好(○)
1点を超えて3点以下:やや不良(△)
1点以下 :不良(×)
【0036】
表1に示すように、本発明は経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れる乳化型アイメークアップ化粧料に関するものであった。それに対し、比較例はいずれも実施例に劣る結果となり、特に、本発明の構成成分である成分(a)のを含まない比較例1は経時安定性(分離・変臭のなさ)と発色のよさとその持続性に特に劣るものであった。本発明の構成成分である成分(a)の替わりに他の油剤を用いた比較例2と3、具体的にはトリイソオクタン酸グリセリルを配合した比較例2は経時安定性(分離・変臭のなさ)に、比較製造例1のテトラエステル化合物を配合した比較例3は塗布時のなめらかさに特に劣るものであった。
【0037】
実施例6 油中水乳化型マスカラ
(製造方法)
A.成分1〜5を加熱溶解し均一に混合する。
B.成分6〜11を均一に混合する。
C.A工程で得られた混合物にB工程で得られた混合物を加え、乳化する。
D.C工程で得られた混合物を容器に充填し、製品とする。
以上のようにして得られた油中水乳化型マスカラは、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れたものであった。
【0038】
実施例7 水中油乳化型アイライナー
(製造方法)
A.成分1〜4を加熱溶解し、5、6を加えて均一に混合する。
B.成分7〜13を均一に混合する。
C.A工程で得られた混合物にB工程で得られた混合物を加え、乳化する。
D.C工程で得られた混合物容器に充填して製品とする。
以上のようにして得られた水中油乳化型アイライナーは、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れたものであった。
【0039】
実施例8 水中油乳化型アイシャドウ
(製造方法)
A.成分1〜6を加熱溶解し、7、8を加えて均一に混合する。
B.成分9〜15を均一に混合する。
C.A工程で得られた混合物にB工程で得られた混合物を加え、乳化する。
D.C工程で得られた混合物容器に充填して製品とする。
以上のようにして得られた水中油乳化型アイシャドウは、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れたものであった。
【0040】
実施例9 水中油乳化型アイブロウ
(製造方法)
A.成分1〜6を加熱溶解し、7を加えて均一に混合する。
B.成分8〜13を均一に混合する。
C.A工程で得られた混合物にB工程で得られた混合物を加え、乳化する。
D.C工程で得られた混合物容器に充填して製品とする。
以上のようにして得られた水中油乳化型アイブロウは、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れたものであった。
【0041】
【発明の効果】
本発明の乳化型アイメークアップ化粧料は、経時安定性(分離・変臭のなさ)、仕上がり膜の均一性、発色のよさとその持続性、塗布時のなめらかさに優れたものであった。
Claims (5)
- さらに、成分(b)被膜形成性ポリマーエマルションを含有することを特徴とする請求項1記載の乳化型アイメークアップ化粧料。
- 前記成分(a)を乳化型アイメークアップ化粧料全量中0.1〜80質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の乳化型アイメークアップ化粧料。
- 前記成分(b)中の固形分が、乳化型アイメークアップ化粧料全量中0.1〜30質量%含有することを特徴とする請求項2又は3に記載の乳化型アイメークアップ化粧料。
- 睫用化粧料として用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の乳化型アイメークアップ化粧料。
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JP2007246442A (ja) * | 2006-03-16 | 2007-09-27 | Shiseido Co Ltd | 化粧料 |
JP2008088068A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-17 | Kose Corp | 睫毛用又は眉毛用化粧料 |
-
2003
- 2003-05-13 JP JP2003135185A patent/JP2004339091A/ja active Pending
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