JP2004338642A - 懸架装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バンプストッパの撓み−荷重特性を容易に変更・調整できるようにする。
【解決手段】バンプストッパBとしてエアスプリング7を用いる。緩衝装置4のピストンロッド6を包囲状として、エアスプリング7を設ける。
【選択図】 図2
【解決手段】バンプストッパBとしてエアスプリング7を用いる。緩衝装置4のピストンロッド6を包囲状として、エアスプリング7を設ける。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の懸架装置(サスペンション)に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば一般的なストラット式懸架装置の場合、図5に示すような弾性体から成るバンプストッパ41を緩衝装置(ショックアブソーバ)42のロッド43に外嵌状に取付けて、車体からの過大入力に対して、サスペンションのオーバーストロークによる車両各部の干渉を防止し、これを保護する役割を果たしている。(例えば、特許文献1参照)。さらに、過大入力時にも乗り心地を損なわないように、バンプストッパ41に圧縮荷重が作用しはじめた際の撓みと荷重の関係は、図6に示すように、コイルスプリングの特性(実線44)と滑らかに破線45のように連続するのが望ましい。
【0003】
さらに詳しくは、このように滑らかな連続の特性(破線45)を示すように、バンプストッパ41の材質は天然ゴムや発泡ウレタンが使用される。そして、図5に於て、ロッド43の上端はアッパーマウント46に連結され、このアッパーマウント46に下方から接する上部バネ受け部材47と、緩衝装置42のシリンダチューブ48に固着された下部バネ受け部材49との間には、ロッド43及びバンプストッパ41を包囲状として、コイルスプリング(サスペンションスプリング)50が介装されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−262924号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の上述のような構造の懸架装置に於て、天然ゴムや発泡ウレタンで形成された上記バンプストッパ41の形状・寸法・硬度等を変更すれば、図6中に破線45にて示した特性(撓み−荷重特性)を変更することは可能である。
【0006】
しかしながら、そのようなバンプストッパ41の変更(変換)のためには、懸架装置全体を分解せねばならず、ドライバ等が好みに応じて容易に変えられるものではない。勿論、走行中に、上記撓み−荷重特性を変更・調整することは不可能であった。
【0007】
また、アフター市場で懸架装置を交換した場合、その車種専用にバンプストッパ41が設計されている訳ではないので、その懸架装置がその車種の荷重やバネ定数に適しているとはいえない。そして、それを適するように変更・調整することは、作業が極めて面倒であった。
【0008】
要するに、従来の懸架装置のバンプストッパ41の役割としては、過大入力時の各部の干渉を防ぐことのみであったといえる。
【0009】
そこで、本発明の目的の一つは、バンプストッパの撓み−荷重特性を、コイルスプリングの撓み−荷重特性に滑らかに連繋されるようにして、車の優れた乗り心地を実現する点にある。また、他の目的は、バンプストッパの特性を、簡便に変更・調整可能とする点にある。例えば、車の走行中に、バンプストッパの特性を容易に変更・調整できるようにする点にある。別の目的は、アフター市場でサスペンション(懸架装置)を変更した場合に、その車種の荷重やバネ定数に適するように、簡単に調整できる懸架装置を提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明に係る懸架装置は、バンプストッパとしてエアスプリングを用いたものである。また、コイルスプリングと該コイルスプリング内を挿通するように配設された緩衝装置とを備え、該緩衝装置のピストンロッドを包囲状に付設したエアスプリングをもってバンプストッパを構成した。
また、上記エアスプリングの内部に、無圧時の荷重を受けるための弾性体を、設けた。また、上記バンプストッパとしての上記エアスプリングに、エアを給排気可能なように、給排気手段を該エアスプリングと連結した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
【0012】
図1に示す実施の一形態に於て、1は車体、2は車輪(タイヤ)であって、本発明に係る懸架装置Sは、車体1と、車輪2と車体1の一部を連結するロアアームや車輪2側のステアリングナックル等の部材3との間に、介装される。
【0013】
図2,図3と図4は夫々相違する状態を示した(図1の)要部拡大一部断面図であり、この図2,図3,図4及び図1に於て、懸架装置Sは、緩衝装置(ダンパー)4とコイルスプリング5とを備え、緩衝装置4はコイルスプリング5と同じ軸心L上に配設され、緩衝装置4のピストンロッド6がコイルスプリング5内を挿通するように配設されている。
【0014】
緩衝装置4は(図示省略の)ピストンを内有したシリンダチューブ(ストラット本体)4aと、このピストンに連結されたピストンロッド6とを備える。このピストンロッド6を包囲状として、エアスプリング7を付設し、このエアスプリング7をもって、バンプストッパBを構成する。つまり、バンプストッパBとしてエアスプリング7を用いている。
【0015】
そして、8は、ゴムや発泡ウレタン等のプラスチック等から成る弾性体であり、ピストンロッド6に外嵌状に取付けられ、無圧時の荷重を受けるためのものであって、上記エアスプリング7───バンプストッパB───の内部に設けられている。
【0016】
9はストラットマウント(アッパーマウント)であり、ピストンロッド6の上端がナット10等で固着される防振ゴム部11と、車体1に取付けるための取付ボルト12を有する取付盤部13と、凹状球面部14を下方に開口状に形成する軸受部15等から、成る。
【0017】
16は上方バネ受け部材であり、摺動部材17を介して上記凹状軸受部15に下方から対面する凸状球面部18を上面に有すると共に、段付孔部19を有し、この段付孔部19にピストンロッド6の上端の段付部近傍が挿入されている。また、シール材20が、このピストンロッド6と段付孔部19の間に介装され、エアスプリング7内のエアの密封を行っている。
【0018】
そして、この上方バネ受け部材16は、全体が例えば円盤形状であって、外周縁下面に円環状凸条21を垂設し、前記コイルスプリング5の上端に嵌め込んで受けている。また、前記段付孔部19を有する近傍の肉厚ボス部22の下端は下方へ突出状として、エアスプリング7の弾性膜7a上端を、取付リング23、及び、このボス部22の下方突出部等によって、挾持状乃至掴持状として、固着保持する。
【0019】
24は、コイルスプリング5の下端を受ける下方バネ受け部材である。図例では、緩衝装置4のシリンダチューブ4aの外周面に取付けられている。
【0020】
そして、25は軸心孔を有する上下動自在な可動盤であり、この可動盤25の軸心孔にピストンロッド6が摺動可能に挿通され、かつ、シール材26が介装される。この可動盤25は軸心孔近傍の肉厚ボス部27を上方突状に有し、上記弾性膜7aの下端を、取付リング28とボス部27等によって、挾持状乃至掴持状として、固着保持する。
【0021】
このようにして、バンプストッパBとしてのエアスプリング7は、弾性膜7aと、上方バネ受け部材16の軸心近傍下面の部分と、取付リング23と、可動盤25と、取付リング28等をもって、構成する。
【0022】
また、バンプストッパBとしてのエアスプリング7に、エアを給排気可能なように、給排気手段29を、エアスプリング7と配管30と、上方バネ受け部材16に貫設した通路孔31等にて、連通・連結されている。
【0023】
この通路孔31は、上方バネ受け部位16のボス部22から、エアスプリング7の空室内へ開口して、連通している。勿論、上方バネ受け部材16に限らず、エアスプリング7内へエアを給排気可能であれば、下方バネ受け部材24や、その他の部位に、通路孔を形成し、又は、配管を連結しても、自由である(図示省略)。なお、給排気手段29としては、車搭載のコンプレッサ、エアタンク、電磁弁等をもって、構成されている。その操作は、例えば、運転席付近のスイッチにて、電磁弁を開閉させることにより、加圧エアをエアスプリング7内へ、矢印Eのように供給し、あるいは、逆に、図2の矢印Gのように、排出する。また、コンプレッサの電源は、バッテリ等を用いる。
【0024】
図2はエアスプリング7の内圧が低い場合を示し、緩衝装置4が短縮すると、シリンダチューブ4aの上面が、エアスプリング7の可動盤25に衝突し、衝撃を緩和する。この際(又は無圧状態で)、過大入力が作用すれば、内部の弾性体8が可動盤25の上面に当接して、オーバーストロークによる車両各部の干渉を防ぎ、これを保護する。
【0025】
図2から図3のように、矢印Eの如く、給排気手段29によって加圧エアを供給すれば、可動盤25は下降して(エアスプリング7が伸長して)、シリンダチューブ4aの上面に当接して、内部の圧力Pが上昇し、コイルスプリング5とエアスプリングが並列に配置された合成バネとなり、バネ定数を高くすることができ、例えば、ワインディング道(オフロード)等での走行安定性を増すことができる。例えば、図6に於て、2点鎖線33で示すような撓み−荷重特性となり、(本来の)コイルスプリング5によるバネ特性(実線44)に、滑らかにプラス(連結)される。
【0026】
さらに、加圧エアを供給すると、図4に示す如く、合成バネのバネ定数が一層大きくなって、エアスプリング7が伸長し、車高を上昇させることも可能となる。例えば、図6中の2点鎖線34で示すような曲線となる。このようにして、エアロパーツやボディ(車体)の一部が路面や障害物に当たらないようにすることができる。
【0027】
このように、エア給排気手段29によって、ドライバは任意に、バンプストッパB───エアスプリング7───の内圧Pを増減・調整することで好みに応じた衝撃吸収特性を選択でき、また、走行状態・走行条件に応じたバネ定数をドライバが自由かつ容易に選択できる。
【0028】
なお、コイルスプリング5のバネ定数をS5 、エアスプリング7のバネ定数をS7 とすれば、、図3や図4の状態下では、合成バネ定数は、(S5 +S7 )となる。
【0029】
【発明の効果】
本発明は上述の構成により次のような著大な効果を奏する。
【0030】
(請求項1,2によれば、)本来のコイルスプリング(撓み−荷重)特性に対しバンプストッパBによる(撓み−荷重)特性が、極めて滑らかに連続し、自然な優れた乗り心地を実現する。また、従来のバンプストッパではその(撓み−荷重)特性を変更・調整するには、面倒な分解・組立作業を必要としたが、そのような作業を要さずに、(撓み−荷重)特性が変更・調整可能となった。さらに、サスペンションを変更した場合に、その車種の荷重やバネ定数に適するように、バンプストッパBの(撓み−荷重)特性を容易に調整できる。
【0031】
(請求項3によれば、)エアスプリング7の無圧時に車両各部の干渉を防止し、これを保護でき、しかも、エアスプリング7の内部のスペースを有効活用していて、容積の増加はない。
【0032】
(請求項4によれば、)ドライバが好みに応じた衝撃吸収性を選択できる。さらに、内圧を高めて、バネ定数をアップし、走行状態に確実に、かつ、容易に、対応できて至便である。また、走行中に、路面状況等に対応することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す正面図である。
【図2】低圧(又は無圧)の状態を示す要部断面説明図である。
【図3】中間の圧力状態を示す要部断面説明図である。
【図4】高圧力状態を示す要部断面説明図である。
【図5】従来例を示す一部断面正面図である。
【図6】撓み−荷重の関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
4 緩衝装置
5 コイルスプリング
6 ピストンロッド
7 エアスプリング
8 弾性体
29 給排気手段
B バンプストッパ
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の懸架装置(サスペンション)に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば一般的なストラット式懸架装置の場合、図5に示すような弾性体から成るバンプストッパ41を緩衝装置(ショックアブソーバ)42のロッド43に外嵌状に取付けて、車体からの過大入力に対して、サスペンションのオーバーストロークによる車両各部の干渉を防止し、これを保護する役割を果たしている。(例えば、特許文献1参照)。さらに、過大入力時にも乗り心地を損なわないように、バンプストッパ41に圧縮荷重が作用しはじめた際の撓みと荷重の関係は、図6に示すように、コイルスプリングの特性(実線44)と滑らかに破線45のように連続するのが望ましい。
【0003】
さらに詳しくは、このように滑らかな連続の特性(破線45)を示すように、バンプストッパ41の材質は天然ゴムや発泡ウレタンが使用される。そして、図5に於て、ロッド43の上端はアッパーマウント46に連結され、このアッパーマウント46に下方から接する上部バネ受け部材47と、緩衝装置42のシリンダチューブ48に固着された下部バネ受け部材49との間には、ロッド43及びバンプストッパ41を包囲状として、コイルスプリング(サスペンションスプリング)50が介装されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−262924号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の上述のような構造の懸架装置に於て、天然ゴムや発泡ウレタンで形成された上記バンプストッパ41の形状・寸法・硬度等を変更すれば、図6中に破線45にて示した特性(撓み−荷重特性)を変更することは可能である。
【0006】
しかしながら、そのようなバンプストッパ41の変更(変換)のためには、懸架装置全体を分解せねばならず、ドライバ等が好みに応じて容易に変えられるものではない。勿論、走行中に、上記撓み−荷重特性を変更・調整することは不可能であった。
【0007】
また、アフター市場で懸架装置を交換した場合、その車種専用にバンプストッパ41が設計されている訳ではないので、その懸架装置がその車種の荷重やバネ定数に適しているとはいえない。そして、それを適するように変更・調整することは、作業が極めて面倒であった。
【0008】
要するに、従来の懸架装置のバンプストッパ41の役割としては、過大入力時の各部の干渉を防ぐことのみであったといえる。
【0009】
そこで、本発明の目的の一つは、バンプストッパの撓み−荷重特性を、コイルスプリングの撓み−荷重特性に滑らかに連繋されるようにして、車の優れた乗り心地を実現する点にある。また、他の目的は、バンプストッパの特性を、簡便に変更・調整可能とする点にある。例えば、車の走行中に、バンプストッパの特性を容易に変更・調整できるようにする点にある。別の目的は、アフター市場でサスペンション(懸架装置)を変更した場合に、その車種の荷重やバネ定数に適するように、簡単に調整できる懸架装置を提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明に係る懸架装置は、バンプストッパとしてエアスプリングを用いたものである。また、コイルスプリングと該コイルスプリング内を挿通するように配設された緩衝装置とを備え、該緩衝装置のピストンロッドを包囲状に付設したエアスプリングをもってバンプストッパを構成した。
また、上記エアスプリングの内部に、無圧時の荷重を受けるための弾性体を、設けた。また、上記バンプストッパとしての上記エアスプリングに、エアを給排気可能なように、給排気手段を該エアスプリングと連結した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
【0012】
図1に示す実施の一形態に於て、1は車体、2は車輪(タイヤ)であって、本発明に係る懸架装置Sは、車体1と、車輪2と車体1の一部を連結するロアアームや車輪2側のステアリングナックル等の部材3との間に、介装される。
【0013】
図2,図3と図4は夫々相違する状態を示した(図1の)要部拡大一部断面図であり、この図2,図3,図4及び図1に於て、懸架装置Sは、緩衝装置(ダンパー)4とコイルスプリング5とを備え、緩衝装置4はコイルスプリング5と同じ軸心L上に配設され、緩衝装置4のピストンロッド6がコイルスプリング5内を挿通するように配設されている。
【0014】
緩衝装置4は(図示省略の)ピストンを内有したシリンダチューブ(ストラット本体)4aと、このピストンに連結されたピストンロッド6とを備える。このピストンロッド6を包囲状として、エアスプリング7を付設し、このエアスプリング7をもって、バンプストッパBを構成する。つまり、バンプストッパBとしてエアスプリング7を用いている。
【0015】
そして、8は、ゴムや発泡ウレタン等のプラスチック等から成る弾性体であり、ピストンロッド6に外嵌状に取付けられ、無圧時の荷重を受けるためのものであって、上記エアスプリング7───バンプストッパB───の内部に設けられている。
【0016】
9はストラットマウント(アッパーマウント)であり、ピストンロッド6の上端がナット10等で固着される防振ゴム部11と、車体1に取付けるための取付ボルト12を有する取付盤部13と、凹状球面部14を下方に開口状に形成する軸受部15等から、成る。
【0017】
16は上方バネ受け部材であり、摺動部材17を介して上記凹状軸受部15に下方から対面する凸状球面部18を上面に有すると共に、段付孔部19を有し、この段付孔部19にピストンロッド6の上端の段付部近傍が挿入されている。また、シール材20が、このピストンロッド6と段付孔部19の間に介装され、エアスプリング7内のエアの密封を行っている。
【0018】
そして、この上方バネ受け部材16は、全体が例えば円盤形状であって、外周縁下面に円環状凸条21を垂設し、前記コイルスプリング5の上端に嵌め込んで受けている。また、前記段付孔部19を有する近傍の肉厚ボス部22の下端は下方へ突出状として、エアスプリング7の弾性膜7a上端を、取付リング23、及び、このボス部22の下方突出部等によって、挾持状乃至掴持状として、固着保持する。
【0019】
24は、コイルスプリング5の下端を受ける下方バネ受け部材である。図例では、緩衝装置4のシリンダチューブ4aの外周面に取付けられている。
【0020】
そして、25は軸心孔を有する上下動自在な可動盤であり、この可動盤25の軸心孔にピストンロッド6が摺動可能に挿通され、かつ、シール材26が介装される。この可動盤25は軸心孔近傍の肉厚ボス部27を上方突状に有し、上記弾性膜7aの下端を、取付リング28とボス部27等によって、挾持状乃至掴持状として、固着保持する。
【0021】
このようにして、バンプストッパBとしてのエアスプリング7は、弾性膜7aと、上方バネ受け部材16の軸心近傍下面の部分と、取付リング23と、可動盤25と、取付リング28等をもって、構成する。
【0022】
また、バンプストッパBとしてのエアスプリング7に、エアを給排気可能なように、給排気手段29を、エアスプリング7と配管30と、上方バネ受け部材16に貫設した通路孔31等にて、連通・連結されている。
【0023】
この通路孔31は、上方バネ受け部位16のボス部22から、エアスプリング7の空室内へ開口して、連通している。勿論、上方バネ受け部材16に限らず、エアスプリング7内へエアを給排気可能であれば、下方バネ受け部材24や、その他の部位に、通路孔を形成し、又は、配管を連結しても、自由である(図示省略)。なお、給排気手段29としては、車搭載のコンプレッサ、エアタンク、電磁弁等をもって、構成されている。その操作は、例えば、運転席付近のスイッチにて、電磁弁を開閉させることにより、加圧エアをエアスプリング7内へ、矢印Eのように供給し、あるいは、逆に、図2の矢印Gのように、排出する。また、コンプレッサの電源は、バッテリ等を用いる。
【0024】
図2はエアスプリング7の内圧が低い場合を示し、緩衝装置4が短縮すると、シリンダチューブ4aの上面が、エアスプリング7の可動盤25に衝突し、衝撃を緩和する。この際(又は無圧状態で)、過大入力が作用すれば、内部の弾性体8が可動盤25の上面に当接して、オーバーストロークによる車両各部の干渉を防ぎ、これを保護する。
【0025】
図2から図3のように、矢印Eの如く、給排気手段29によって加圧エアを供給すれば、可動盤25は下降して(エアスプリング7が伸長して)、シリンダチューブ4aの上面に当接して、内部の圧力Pが上昇し、コイルスプリング5とエアスプリングが並列に配置された合成バネとなり、バネ定数を高くすることができ、例えば、ワインディング道(オフロード)等での走行安定性を増すことができる。例えば、図6に於て、2点鎖線33で示すような撓み−荷重特性となり、(本来の)コイルスプリング5によるバネ特性(実線44)に、滑らかにプラス(連結)される。
【0026】
さらに、加圧エアを供給すると、図4に示す如く、合成バネのバネ定数が一層大きくなって、エアスプリング7が伸長し、車高を上昇させることも可能となる。例えば、図6中の2点鎖線34で示すような曲線となる。このようにして、エアロパーツやボディ(車体)の一部が路面や障害物に当たらないようにすることができる。
【0027】
このように、エア給排気手段29によって、ドライバは任意に、バンプストッパB───エアスプリング7───の内圧Pを増減・調整することで好みに応じた衝撃吸収特性を選択でき、また、走行状態・走行条件に応じたバネ定数をドライバが自由かつ容易に選択できる。
【0028】
なお、コイルスプリング5のバネ定数をS5 、エアスプリング7のバネ定数をS7 とすれば、、図3や図4の状態下では、合成バネ定数は、(S5 +S7 )となる。
【0029】
【発明の効果】
本発明は上述の構成により次のような著大な効果を奏する。
【0030】
(請求項1,2によれば、)本来のコイルスプリング(撓み−荷重)特性に対しバンプストッパBによる(撓み−荷重)特性が、極めて滑らかに連続し、自然な優れた乗り心地を実現する。また、従来のバンプストッパではその(撓み−荷重)特性を変更・調整するには、面倒な分解・組立作業を必要としたが、そのような作業を要さずに、(撓み−荷重)特性が変更・調整可能となった。さらに、サスペンションを変更した場合に、その車種の荷重やバネ定数に適するように、バンプストッパBの(撓み−荷重)特性を容易に調整できる。
【0031】
(請求項3によれば、)エアスプリング7の無圧時に車両各部の干渉を防止し、これを保護でき、しかも、エアスプリング7の内部のスペースを有効活用していて、容積の増加はない。
【0032】
(請求項4によれば、)ドライバが好みに応じた衝撃吸収性を選択できる。さらに、内圧を高めて、バネ定数をアップし、走行状態に確実に、かつ、容易に、対応できて至便である。また、走行中に、路面状況等に対応することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す正面図である。
【図2】低圧(又は無圧)の状態を示す要部断面説明図である。
【図3】中間の圧力状態を示す要部断面説明図である。
【図4】高圧力状態を示す要部断面説明図である。
【図5】従来例を示す一部断面正面図である。
【図6】撓み−荷重の関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
4 緩衝装置
5 コイルスプリング
6 ピストンロッド
7 エアスプリング
8 弾性体
29 給排気手段
B バンプストッパ
Claims (4)
- バンプストッパ(B)としてエアスプリング(7)を用いたことを特徴とする懸架装置。
- コイルスプリング(5)と該コイルスプリング(5)内を挿通するように配設された緩衝装置(4)とを備え、該緩衝装置(4)のピストンロッド(6)を包囲状に付設したエアスプリング(7)をもってバンプストッパ(B)を構成したことを特徴とする懸架装置。
- 上記エアスプリング(7)の内部に、無圧時の荷重を受けるための弾性体(8)を、設けた請求項1又は2記載の懸架装置。
- 上記バンプストッパ(B)としての上記エアスプリング(7)に、エアを給排気可能なように、給排気手段(29)を該エアスプリング(7)と連結した請求項1,2又は3記載の懸架装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003139706A JP2004338642A (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 懸架装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003139706A JP2004338642A (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 懸架装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004338642A true JP2004338642A (ja) | 2004-12-02 |
Family
ID=33528658
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003139706A Pending JP2004338642A (ja) | 2003-05-19 | 2003-05-19 | 懸架装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004338642A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102007000658A1 (de) * | 2007-11-08 | 2009-05-14 | Zf Friedrichshafen Ag | Zusatzfeder zum Verhindern einer Verformung der Karosserie eines Kraftfahrzeugs im Bereich der Anbindung des Federbeins |
JP2015080619A (ja) * | 2013-10-23 | 2015-04-27 | 学校法人東京理科大学 | 脚部補助装置 |
KR102337857B1 (ko) * | 2021-04-16 | 2021-12-09 | 평화산업주식회사 | 범퍼스토퍼에 의한 임시 차체보호기능이 구비된 에어서스펜션 |
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2003
- 2003-05-19 JP JP2003139706A patent/JP2004338642A/ja active Pending
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