JP2004338291A - 記録媒体、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

記録媒体、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 Download PDF

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貴則 加本
Yorihisa Tsubaki
頼尚 椿
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Abstract

【課題】インクジェット方式によって、フェザリング、混色などを起こすことなく、輪郭が明瞭で、画像濃度および鮮明度が高く、高画質品位であり、かつ耐久性に優れる記録画像を形成する。
【解決手段】記録媒体の表面に、分子量差が10000以上である2種以上のカチオン性化合物を存在させる。さらに、このような記録媒体に、顔料の表面に親水性基が導入された自己分散顔料を含むインク組成物を付着させて記録を行うと、画像濃度および耐久性の向上、フェザリングの防止などの効果が一層顕著になる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ、複写機、ファクシミリ装置などの出力機器に採用されているインクジェット方式はインクの微小液滴を、吐出ノズルから記録媒体上に吐出して記録媒体に画像を記録する印刷方式であり、静粛性に優れ、高密度化およびカラー化が容易であり、高速印刷を実施でき、比較的高品位の記録画像を安価に印刷できるといった数々の好ましい特徴を有し、非常に有用な印刷方式である。インクジェット方式において、微小液滴の吐出は、圧電素子を用いる方法、膜沸騰現象を用いて気泡を発生させインクを吐出する方法などによって行われる。
【0003】
インクジェット方式において、印刷むらのない記録画像を得るには、インク組成物のほぼ一定量の微小液滴を連続してかつ安定的に吐出することが必要である。そこで、染料または顔料を含みかつ水を主媒体とし、吐出安定性に優れる低粘度の水性インクが使用される。一方、記録媒体には、水性インクによる画像記録が容易な紙類、特に普通紙(PPC紙)が使用される。しかしながら、水性インクは紙類に対する浸透性が高いにもかかわらず、乾燥性が低いので、これを紙類に付着させると、にじみが起こり易い。また、普通紙には、表面形状、表面粗度などの表面特性、その中に含まれるサイズ剤などの違いによって、インク吸収特性が異なる多種多様なものが存在する。にじみの発生を防止するには、個々の普通紙について、適切なインクを選択する必要があるけれども、そのような選択を行うことは現実的には不可能である。したがって、インクジェット方式では、水性インクに含まれる染料または顔料が、インク中の水などの液状成分とともに普通紙の内部または表面の余白部分にまで拡散してにじみを起こし、記録画像の輪郭部分におけるひげ状のにじみ(フェザリング)、異なる色のインクが混じりあう混色などが発生しやすい。その結果、ベタ部分が不均一になり、記録画像の輪郭部分が不明瞭になり、画像濃度、鮮明性および画像品位が低下する。このような問題に鑑み、記録媒体に様々処理がなされている。
【0004】
たとえば、普通紙の表面に珪藻土などの多孔質無機粒子からなるコート層をもうけたコート紙が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。しかしながら、このようなコート紙においても、フェザリングを充分に防止することはできない。
【0005】
また、染料がアニオン性基を有することから、表面および/または内部に、カチオン性基を有する化合物(以後「カチオン性化合物」と称す)を存在させた記録媒体が提案されている。カチオン性化合物としては、ポリビニル・ピリジニウム・ハライド、ポリエチレンイミン、ポリアミンなどのポリカチオン高分子電解質(たとえば、特許文献2参照)、ビニルピロリドンとアミン基、4級アンモニウム基などのカチオン性基を有するビニル化合物との共重合体(たとえば、特許文献3参照)などが挙げられる。しかしながら、このようなカチオン性化合物を記録媒体の表面および/または内部に存在させても、染料のアニオン性基とカチオン性化合物とが瞬時に結合することがないので、フェザリングの発生を充分に防ぐことはできず、得られる記録画像の画像濃度も不充分である。しかもインク組成物の色材が顔料である場合には、その効果は一層低くなる。
【0006】
さらに、記録媒体のインク組成物を付着させる面に、低分子量カチオン性化合物と分子量1500以上、好ましくは1500〜10000のカチオン性高分子化合物とを存在させるインクジェット記録方法が提案されている(たとえば、特許文献4参照)。低分子量カチオン性化合物としては、たとえば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどの4級アンモニウム塩が記載されている。カチオン性高分子化合物としては、たとえば、ポリアリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリビニルアミン、キトサンなどが記載されている。この方法によれば、フェザリング、混色などの発生がある程度抑制され、画像濃度の向上も認められるものの、記録画像の耐久性(耐擦過性)が悪いという欠点がある。すなわち、記録媒体に記録画像を形成した記録物を会議などの資料として用い、鉛筆などによって記録物に特記事項を書き込み、消しゴムで誤字などを消すことは一般的に行われることであるけれども、この記録方法による記録画像は耐久性が低いので、これを消しゴムで擦ると、顔料の剥落が顕著である。特許文献4には、分子量の差が10000以上である低分子量カチオン性化合物とカチオン性高分子化合物とを併用することについて一切示唆するところはない。実際、特許文献4の実施例における低分子量カチオン性化合物とカチオン性高分子化合物との分子量差は、最大でも8000程度に過ぎない。さらに特許文献4には、前述のような2種のカチオン性化合物を存在させた記録媒体に記録を行う際に、色材として、顔料の表面に親水性基を導入した自己分散顔料を用いることについても示唆するところはない。
【0007】
【特許文献1】
特開平1−216881号公報
【特許文献2】
特許公報昭61−59239号公報
【特許文献3】
特開平4−288283号公報
【特許文献4】
特開平8−174997号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、フェザリング、異なるインクの混色などが発生せず、ベタ部分が均一で、輪郭部分が明瞭で、画像濃度および鮮明性が高く、高画質品位であって、さらに耐久性に優れる記録画像を形成でき、高速印刷を行っても記録画像の高品位画質および耐久性を維持できる記録媒体、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも分子量差が10000以上である2種のカチオン性化合物を含みかつ残部が水である処理液を記録媒体用基材の表面に付着させてなることを特徴とする記録媒体である。
【0010】
本発明に従えば、その表面に、分子量差が10000以上である2種のカチオン性化合物を存在させた記録媒体に、色材を含みかつ残部が水である水性インクを付着させて記録を行うことによって、得られる記録画像の画質品位の向上が達成されるだけではなく、消しゴムなどの他の物品との擦過によっても剥落を起こさない、高い耐久性を有する記録画像が得られる。
【0011】
したがって、本発明の記録媒体を用いると、フェザリング、混色などの発生が著しく少なくなり、均一なベタ部分および明瞭な輪郭部分を有し、画像濃度および鮮明性が高く、高画質品位で、耐久性に優れる記録画像を形成することができる。さらに、高速印刷を行っても、得られる記録画像の画質品位および耐久性がほとんど低下しないという利点がある。
【0012】
また本発明の記録媒体は、前述のカチオン性化合物がポリエチレンイミンおよび/またはポリアリルアミンを含むことを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、カチオン性化合物の少なくとも1種として、ポリエチレンイミンおよび/またはポリアリルアミンを含むことが好ましい。それによって、記録画像の画質品位および耐久性が一層向上する。
【0014】
また本発明の記録媒体は、処理液がさらに水溶性有機溶剤、界面活性剤および防カビ剤から選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする。
【0015】
また本発明の記録媒体は、前述の水溶性有機溶剤が多価アルコール類およびグリコールエーテル類から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする。
【0016】
また本発明の記録媒体は、前述の界面活性剤が非イオン性界面活性剤から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、少なくとも2種以上のカチオン性化合物を含む処理液に、水溶性有機溶剤(好ましくは多価アルコール類およびグリコールエーテル類)、界面活性剤(好ましくは非イオン性界面活性剤)などを添加することによって、処理液の記録媒体用基材への浸透性が一層向上し、カチオン性化合物が記録媒体用基材の表面に均一に分散するので、記録画像の画質品位および耐久性のさらなる向上を図ることができる。
【0018】
また本発明の記録媒体は、前述の処理液の表面張力が50dyn/cm以下であることを特徴とする。
【0019】
また本発明の記録媒体は、前述の処理液の粘度が1Pa・s以下であることを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、処理液の表面張力を50dyn/cm以下および/または処理液の粘度を1Pa・s以下に調整することによって、処理液を記録媒体用基材に塗布する作業性(塗工性)が向上し、カチオン性化合物が記録媒体用基材の表面で一層均一に分散する。
【0021】
また本発明の記録媒体は、前述の記録媒体用基材のステキヒトサイズ度が20秒以下であることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、処理液を塗布する記録媒体用基材は、ステキヒトサイズ度が20秒以下のものが好ましい。これによって、処理液が記録媒体用基材に浸透しやすくなり、カチオン性化合物を基材表面に均一に分散することができる。また、処理液を塗布して得られる記録媒体に対してインク組成物が適度に浸透し、インク組成物の乾燥性も良好なので、カチオン性化合物によるフェザリングの防止および画像濃度の向上がさらに促進される。
【0023】
本発明は、色材および水を含む水性インクを記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法において、記録媒体が前述のうちのいずれかの記録媒体であることを特徴とするインクジェット記録方法。
【0024】
本発明に従えば、本発明の記録媒体に水性インクを付着させて記録を行うことによって、高画質品位で、耐久性に優れた記録画像を形成することができる。
【0025】
また本発明のインクジェット記録方法は、前述の水性インクが、色材として顔料の表面に親水性基を導入してなる自己分散顔料を含み、さらに必要に応じて非水溶性樹脂および水分散性樹脂から選ばれる1種または2種以上の樹脂成分を含むインク組成物または色材として顔料を含み、かつ非水溶性樹脂および水分散性樹脂から選ばれる1種または2種以上の樹脂成分を含むインク組成物であることを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、本発明の記録媒体に記録画像を形成するためのインクとしては、自己分散顔料を含み、必要に応じて非水溶性樹脂および水分散性樹脂から選ばれる1種または2種以上の樹脂成分を含む水性インク、顔料および前記の樹脂成分を含む水性インクなどが好ましい。このような水性インクを用いることによって、記録画像の画質品位および耐久性が顕著に向上する。特に自己分散顔料を含む水性インクは、画質品位および耐久性の向上だけでなく、保存安定性も高く、保存中に吐出ノズルの目詰まりの原因になる、顔料の凝集・沈殿が起こり難く、さらに記録媒体上での乾燥性も良好なので、特に有用である。
【0027】
また本発明のインクジェット記録方法は、前述の樹脂成分がポリエステル樹脂であることを特徴とする。
【0028】
本発明に従えば、前述の水性インクに含まれる樹脂成分がポリエステル樹脂であることが好ましい。これによって、記録画像の画質品位および耐久性が一層顕著に向上する。
【0029】
また本発明のインクジェット記録方法は、前述の親水性基がカルボキシル基またはスルホン基であることを特徴とする。
【0030】
本発明に従えば、前述の自己分散顔料において、顔料の表面に導入される親水性基がカルボキシル基またはスルホン基であることが好ましい。これらのアニオン性親水性基はカチオン性化合物との相性が良く、フェザリングの防止、画像濃度の向上などに特に有用である。
【0031】
また本発明のインクジェット記録方法は、前述の顔料がピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4およびピグメントブルー15:6から選ばれる1種または2種以上のシアン顔料であることを特徴とする。
【0032】
また本発明のインクジェット記録方法は、前述の顔料がピグメントレッド122、ピグメントレッド209およびピグメントヴァイオレット19から選ばれる1種または2種以上のマゼンタ顔料であることを特徴とする。
【0033】
また本発明のインクジェット記録方法は、前述の顔料がピグメントイエロー74、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー150およびピグメントイエロー180から選ばれる1種または2種以上のイエロー顔料であることを特徴とする。
【0034】
また本発明のインクジェット記録方法は、前述の顔料がカーボンブラックであることを特徴とする。
【0035】
また本発明のインクジェット記録方法は、顔料が前述のシアン顔料である前述のインク組成物、顔料が前述のマゼンタ顔料である前述のインク組成物、顔料が前述のイエロー顔料である前述のインク組成物および顔料がカーボンブラックである前述のインク組成物から選ばれる2種以上を用いることを特徴とする。
【0036】
本発明に従えば、前述のインク組成物の中でも、特定のシアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料またはカーボンブラック(黒色顔料)を含むインク組成物、ならびにこれらの2種以上のインク組成物からなるインクセットが好ましい。これらのインク組成物またはインクセット、特にインクセットを用いることによって、発色性に優れ、カラーバランスが良好であり、かつ高画質品位を有し、耐久性の高い記録画像を形成することができる。
【0037】
本発明は、記録媒体を供給する記録媒体供給手段と、記録媒体供給手段によって供給される記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、記録媒体搬送手段によって搬送される記録媒体に水性インクを付着させて記録を行う印刷手段と、印刷手段によって記録画像が形成された記録媒体を排出する排出手段とを含むインクジェット記録装置において、
分子量の差が10000以上である2種以上のカチオン性化合物を含みかつ残部が水である処理液を記録媒体用基材に付着させる処理液転写手段を含むことを特徴とするインクジェット記録装置である。
【0038】
また本発明のインクジッェト記録装置は、処理液転写手段が、
記録媒体搬送手段に含まれるように、または
記録媒体搬送手段と印刷手段との間に設けられることを特徴とする。
【0039】
本発明に従えば、本発明のインクジェット記録方法を実施するのに適したインクジェット記録装置が提供される。この装置を用いることによって、高画質品位で、耐久性に優れる記録画像を形成することができ、高速印刷を容易に実施することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
〔記録媒体〕
本発明の記録媒体は、記録媒体用基材の表面および表面に近い内部(表層)に、少なくとも分子量差が10000以上、好ましくは50000以上である2種のカチオン性化合物が存在していることを特徴とする。
【0041】
すなわち、本発明の記録媒体の表面および表層には、相対的な比較で、分子量の大きなカチオン性化合物および分子量の小さなカチオン性化合物の2種が存在し、これら2種のカチオン性化合物の分子量差は10000以上、好ましくは50000以上である。
【0042】
カチオン性化合物としては、カチオン性基を有する公知の化合物を使用でき、その中でも、カチオン性重合体、分子量が10000以下、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下のカチオン性低分子量化合物などを好適に使用できる。カチオン性重合体の具体例としては、たとえば、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン、ポリアミンスルホン、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。これらの中でも、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミンなどが好ましい。カチオン性低分子量化合物の具体例としては、たとえば、ラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジエチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウムなどの4級アンモニウム塩などが挙げられる。これらの中でも、塩化ベンザルコニウムなどが好ましい。
【0043】
分子量差が10000以上である2種のカチオン性化合物の具体的な組み合わせとしては、たとえば、カチオン性重合体とカチオン性低分子量化合物との組み合わせが挙げられる。このとき、カチオン性重合体としては、分子量が10000以上、好ましくは15000以上のものが使用される。また、2種以上のカチオン性重合体および/または2種以上のカチオン性低分子量化合物を用いてもよく、その場合には、個々のカチオン性重合体が個々のカチオン性低分子量化合物に対して、前記の分子量差を有するように、それぞれを選択することが必要である。
【0044】
また、カチオン性重合体は、その重合度を調整することによって、数百〜数百万の分子量を有することができるので、たとえば、分子量が百万以上のカチオン性重合体と、分子量が数百〜数十万程度、好ましくは数百〜数千程度のカチオン性重合体とを組み合わせて用いることもできる。さらに、分子量が数万程度のカチオン性重合体と、分子量が数百〜数千程度のカチオン性重合体とを組み合わせることもできる。より具体的には、たとえば、分子量15000〜50000程度のカチオン性重合体と、分子量500〜3000程度のカチオン性重合体との組み合わせなどが挙げられる。この場合にも、2種以上の分子量の大きなカチオン性重合体および/または2種以上の分子量の小さなカチオン性重合体を用いてもよく、個々の分子量の大きなカチオン性化合物が個々の分子量の小さなカチオン性重合体に対して、前記に規定の分子量差を有するように、それぞれを選択する必要がある。
【0045】
このような組み合わせの中でも、カチオン性重合体とカチオン性低分子量化合物との組み合わせが好ましい。
【0046】
分子量差が10000以上である2種のカチオン性化合物の使用割合は特に制限されず、記録媒体用基材の特性(たとえばステキヒトサイズ度、表面特性、基材に含まれるサイズ剤の種類および含有量など)、得られる記録媒体に適用するインク組成物の組成などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、通常は、分子量の大きなカチオン性化合物をカチオン性化合物全量の50〜95重量%、好ましくは60〜95重量%使用し、残部を分子量の小さなカチオン性化合物とすればよい。分子量の大きなカチオン性化合物の使用量が95重量%を超えると、低分子量成分の添加効果が発現しない可能性がある。一方、50重量%を著しく下回ると、定着力が低下するおそれがある。
【0047】
また、記録媒体用基材の表面および表層における、分子量の大きなカチオン性化合物および分子量の小さなカチオン性化合物の付着量は特に制限されず、記録媒体用基材の特性(たとえばステキヒトサイズ度、表面特性、基材に含まれるサイズ剤の種類および含有量など)、得られる記録媒体に適用するインク組成物の組成などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、通常はカチオン性化合物の合計量として0.1〜10g/m、好ましくは0.2〜5g/mの割合で記録媒体用基材の表面および表層に存在する。0.1g/m未満では、カチオン樹脂の効果が発現しない可能性がある。一方10g/mを大幅に超えると、塗布した時の乾燥速度が著しく遅くなるおそれがある。
【0048】
本発明の記録媒体は、たとえば、記録媒体用基材に、分子量差が10000以上である2種のカチオン性化合物を含む処理液を塗布することによって製造することができる。
【0049】
記録媒体用基材としては特に制限されず、公知の記録媒体を使用できる。その中でも、たとえば、普通紙、コート紙(たとえばカラーコピー用紙、インクジェット用紙など)、光沢紙などの、パルプ原料を含む一般的な紙系の記録媒体が好ましく、そのステキヒトサイズ度が20秒以下である一般的な紙系の記録媒体がさらに好ましい。これらの記録媒体は、その表面および/または内部に、ベントナイト、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウムなどの無機顔料、多価金属塩などを含んでいてもよい。
【0050】
処理液は、分子量差が10000以上である2種のカチオン性化合物を含み、かつ残部が水である組成物である。
【0051】
カチオン性化合物としては、前記カチオン性化合物の中から、分子量差を満足できる2種のカチオン性化合物を適宜選択して用いればよい。カチオン性化合物の含有量は特に制限されないけれども、処理液を記録媒体用基材に塗布する作業性(塗工性)などを考慮すると、2種のカチオン性化合物の合計量として、処理液全量の5〜30重量%である。
【0052】
処理液は、さらに、水溶性有機溶剤、界面活性剤および防カビ剤から選ばれる1種または2種以上を含んでいてもよい。
【0053】
水溶性有機溶剤は、たとえば、処理液の記録媒体用基材に対する浸透性および塗工性を向上させるために使用される。水溶性有機溶剤としては公知のものを使用でき、たとえば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジグリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオールなどのグリコール類、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオールなどの3価以上の多価アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルなどのグリコールエーテル類、スルホラン、ジメチルスルホキシドなどの硫黄含有化合物、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、ε−カプロラクタムなどの窒素含有ヘテロ環化合物、γ−ブチロラクトンなどの酸素含有ヘテロ環化合物、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、モルホリンなどの多官能化合物などが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤の中でも、吐出安定性、記録媒体への浸透性などを向上させる度合いを考慮すると、グリコールエーテル類、グリコール類、多価アルコール類などが好ましく、さらにその中でも、20℃における蒸気圧が6.6665Pa(0.05mmHg)以下であるもの、たとえば、1,2−ヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオールなどのグリコール類、グリセリンなどの多価アルコール類、ジエチレングリコールなどのエチレングリコール類がさらに好ましい。
【0054】
水溶性有機溶剤は、1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
水溶性有機溶剤の含有量は、特に制限されないけれども、記録媒体用基材に対する処理液の浸透性および乾燥性を考慮すると、通常処理液全量の10〜70重量%、好ましくは10〜50重量%である。ただし、水溶性有機溶剤よりも水媒体を多く含む処理液を得ようとする場合は、水溶性有機溶剤の含有量は、処理液全量の10〜40重量%、好ましくは10〜30重量%である。
【0055】
界面活性剤は、たとえば、処理液の記録媒体用基材に対する濡れ性および浸透性を高め、また、後述のインクジェット記録装置における処理液を充填するためのインクパン、処理液を記録媒体用基材に塗布するための転写ローラなどに対する濡れ性などを向上させるために使用される。界面活性剤の中でも、非イオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性界面活性剤としては公知のものを使用でき、その中でも、たとえば、一般式
【0056】
【化1】
Figure 2004338291
【0057】
〔式中、dおよびeはそれぞれ、0≦d+e≦30の関係を満たす0または0〜30の範囲の正数を示す。〕
で表されるアセチレングリコール・エチレンオキシド付加物、一般式
【0058】
【化2】
Figure 2004338291
【0059】
〔式中、fは11〜13の整数を示す。gは3〜30の整数を示す。〕
で表されるエチレンオキシド化合物、一般式
【0060】
【化3】
Figure 2004338291
【0061】
〔式中、hおよびiはそれぞれ0〜11の整数を示す。jは3〜50の整数を示す。〕
で表されるエチレンオキシド化合物、一般式
【0062】
【化4】
Figure 2004338291
【0063】
〔式中、qは5〜9の整数を示す。rは2.5〜5の正数を示す。kおよびlはそれぞれ、9≦k+l≦11の関係を満たす0〜11の整数を示す。〕
で表されるエチレンオキシド・プロピレンオキシド化合物、一般式
Figure 2004338291
〔式中、sは0〜18の整数を示す。tは1〜15の整数を示す。uは0〜18の整数を示す。〕
で表されるエチレンオキシド・プロピレンオキシド化合物などのアルキレンオキシド含有非イオン性界面活性剤が好ましい。本発明では、市販の非イオン性界面活性剤を使用することもでき、たとえば、サーフィノール(商品名、エアープロダクツ社製)、ソフタノール(商品名、(株)日本触媒製)などが挙げられる。なお、サーフィノールは日信化学(株)からも市販されている。界面活性剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。界面活性剤の含有量は特に制限されないけれども、通常は処理液全量の0.001〜5重量%、好ましくは0.001〜3重量%である。
【0064】
防カビ剤としては公知のものを使用でき、たとえば、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビタン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウムなどが挙げられる。防カビ剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。防カビ剤の含有量は特に制限されないけれども、通常は処理液全量の0.001〜0.1重量%である。
【0065】
さらに処理液は、その好ましい特性を損なわない範囲で、pH調整剤、キレート化剤、防錆剤、紫外線吸収剤などの、インクジェット用インク組成物の一般的な添加剤を含んでいてもよい。pH調整剤としては、たとえば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン類、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、硝酸ナトリウム、硝酸カリウムなどのアルカリ金属硝酸塩などが挙げられる。キレート化剤としては、たとえば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。防錆剤としては、たとえば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。紫外線吸収剤としては、たとえば、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、シアノアクリレート化合物などが挙げられる。添加剤はそれぞれ1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
【0066】
さらに処理液は、必要に応じて、溶解助剤、酸化防止剤、消泡剤、粘度調整剤などを含んでいてもよい。
【0067】
処理液は、2種のカチオン性化合物ならびに、必要に応じて、水溶性有機溶剤、界面活性剤、防カビ剤およびその他の添加剤のそれぞれ適量を用い、さらに水を全量が100重量%になるように用い、各成分を一般的な方法に従って水に溶解または分散させ、必要に応じて固液分離処理(濾過、遠心分離など)を施すことによって調製できる。分散には、たとえば、ディスパ、サンドミル、ホモジナイザ、ボールミル、ビーズミル、ペイントシェーカ、超音波分散機などの分散装置が使用できる。混合には、撹拌用羽根を備えた撹拌機、高速の分散機、乳化機などが使用できる。
【0068】
このようにして得られる処理液は、25℃における粘度を1Pa・s以下にするのが好ましく、80mPa・s以下にするのがさらに好ましい。処理液の粘度を前記の範囲に調整するには、カチオン性化合物の種類の選択および含有量の調整、水溶性有機溶剤および/または界面活性剤の添加などを行えばよい。本明細書において、粘度は、処理液を1分間撹拌したのち、ブルックフィールド社製粘度計LVDV−III+を用い、25℃、6rpmの条件で測定した1分値である。
【0069】
また、処理液は、その表面張力を50dyn/cm以下にするのが好ましく、20〜50dyn/cmにするのがさらに好ましい。処理液の表面張力を前記の範囲に調整するには、カチオン性化合物の種類、分子量の選択および含有量の調整、水溶性有機溶剤および/または界面活性剤の添加などを行えばよい。本明細書において、表面張力は、協和界面化学(株)製、表面張力計CBVP−A3を用いて測定した値である。
【0070】
処理液の粘度および/または表面張力を前記の範囲に調整することによって、処理液の記録媒体用基材に対する塗工性が一層向上し、処理液の記録媒体用基材への塗布が容易になるとともに、カチオン性化合物が記録媒体用基材表面および表層で一層均一に分散する。
【0071】
処理液を記録媒体用基材の表面に塗布するに際しては、液状成分を固形物の表面に塗布する公知の方法を採用できる。該方法としては、たとえば、ハケ塗り、ロールコーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター法、バーコーター法、サイズプレス法、スプレーコート法、グラビアコーター法、カーテンコーター法などが挙げられる。記録媒体用基材の表面に塗布される処理液に含まれる各成分は、基材表面に拡がって保持され、基材表層に浸透して保持される。処理液の記録媒体用基材に対する塗布量は特に制限されず、カチオン性化合物の含有量、記録媒体用基材の材質、表面物性、インク吸収特性、得られる記録媒体に適用されるインク組成物の組成などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、カチオン性化合物の記録媒体用基材への付着量(2種のカチオン性化合物の合計量としての付着量)が前記の範囲になるようにするには、通常は0.1〜30g/m、好ましくは0.5〜20g/mである。
【0072】
〔インクジェット記録方法〕
本発明のインクジェット記録方法は、色材および水を含む水性インクを記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、記録媒体として、本発明の記録媒体を用いることを特徴とする。
【0073】
本発明の方法によれば、水性インクは、一般的なインクジェット方式に従って、インク吐出ノズルから、本発明記録媒体の画像記録面(2種のカチオン性化合物が付着している面)に向かって吐出供給され、該画像記録面に付着する。
【0074】
インクジェット方式としては特に制限されず、公知の方式を採用できる。たとえば、圧電素子を用いる方式(ピエゾ方式)、膜沸騰現象によって気泡を発生させ、インクを吐出する方式(サーマル方式)、インクに圧力をかけてインクを吐出する方式などが挙げられる。これらの中でも、ピエゾ方式、サーマル方式などが好ましい。
【0075】
本発明のインクジェット記録方法で使用する水性インク(以後単に「水性インク」と称す)としては特に制限されず、色材を水に溶解または分散させた公知のインク組成物を使用できる。その中でも、色材として顔料を含むものが好ましい。
【0076】
顔料としては公知のもの使用でき、その具体例をカラーインデックスナンバー(CI)で示すと、たとえば、ピグメントブルー1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、22、21、22、60、64などのシアン顔料、ピグメントレッド1、2、3、5、10、16、23、30、31、48:1、48:2、49:1、52、53:1、57:1、58:4、63、122、209、ピグメントバイオレッド19などのマゼンタ顔料、ピグメントイエロー3、12、13、14、15、23、55、74、83、93、95、97、128、138、150、154、167、180、193などのイエロー顔料などが挙げられる。これらの中でも、ピグメントブルー15:3、15:4、15:6などシアン顔料、ピグメントレッド122、209、ピグメントバイオレット19などのマゼンタ顔料、ピグメントイエロー74、128、138、150、180などのイエロー顔料が好ましい。顔料は1種を単独で使用できまたは同色系もしくは異色系のものを2種以上併用できる。なお、顔料としては、人体に対する安全性が高いものを適宜選択して使用するのがよい。
【0077】
本発明においては、自己分散顔料を用いることもできる。自己分散顔料は、顔料の表面に親水性基を導入することによって、水中での分散性が付与された色材である。自己分散型顔料を使用することによって、水性インクの吐出安定性、記録媒体に対する浸透性および乾燥性などをさらに向上させることができる。顔料の表面に導入される親水性基としては特に制限されず、たとえば、カルボキシ基、スルホン基、ヒドロキシ基、リン酸基などが挙げられる。これらの中でも、カルボキシ基、スルホン基などが好ましい。顔料表面に親水性基を導入するには公知の方法を採用することができ、たとえば、酸、カップリング剤処理、プラズマ処理、酸化/還元処理などが挙げられる。より具体的には、たとえば、ハイスピードミキサー、ビーズミル、ジェットミルなどを用いて顔料を有機溶剤に分散させ、これに、撹拌下、発煙硫酸、硫酸、クロロ硫酸、フルオロ硫酸などのスルホン化剤を加え、60〜200℃に加熱することによって、顔料表面にスルホン基を導入することができる。
【0078】
また、自己分散顔料には、顔料の表面に親水性樹脂を被覆したものも含まれる。親水性樹脂としては、たとえば、アルカリ可溶化剤などで中和することによって水溶化できるような合成樹脂などが挙げられる。顔料の表面に親水性樹脂を被覆する方法としては、たとえば、ポリマーグラフト処理、カプセル化処理、転層乳化処理などが挙げられる。
【0079】
顔料の含有量は特に制限されず、記録媒体の基材の材質、表面特性およびインク吸収特性、カチオン性化合物の付着量などに応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、通常は水性インク全量の0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%である。0.1重量%未満では、画像濃度が著しく低くなるので、色を表現することが困難になる可能性がある。一方10重量%を大幅に超えると、インクジェット用インクとしての適正粘度範囲を有する水性インクを得ることができないおそれがある。
【0080】
水性インクは、水分散性樹脂を含んでいてもよい。水分散性樹脂とは、重合度が大きく、水に溶解せず、水中ではコロイド状で存在し、エマルジョンを形成する合成樹脂、好ましくは、親水性基を有することによってエマルジョンを形成する合成樹脂である。その具体例としては、たとえば、ポリウレタン、ポリエステル、アクリル樹脂、スチレン・マレイン酸系樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。これらの中でも、分子量が5000以上のものが好ましく、10000以上のものがさらに好ましい。水分散性樹脂は、それぞれ1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。水分散性樹脂の含有量は特に制限されず、顔料の種類、それ自体の種類、記録媒体の材質、表面特性およびインク吸収特性、記録媒体に付着しているカチオン性化合物量などの各種条件に応じて広い範囲から適宜選択できるけれども、通常は水性インク全量の0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%である。0.1重量%未満では、樹脂を添加する効果が発現しない可能性がある。一方、20重量%を大幅に超えると、インク粘度が高くなり、適正粘度を逸脱するおそれがある。
【0081】
水性インクは、たとえば、吐出安定性、記録媒体に対する浸透性および乾燥性、インクジェット記録装置内のインク供給系に対する濡れ性などを向上させるために、水溶性有機溶剤、非イオン界面活性剤などを含んでいてもよい。水溶性有機溶剤としては、処理液に含まれる水溶性有機溶剤と同様のものを使用できる。その中でも、ジエチレングリコール、2−ピロリドン、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1,5−ペンタンジオールなどが好ましい。水溶性有機溶剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。水溶性有機溶剤の含有量は、処理液における水溶性有機溶剤の含有量と同様でよい。また、非イオン性界面活性剤は、処理液に含まれる非イオン性界面活性剤と同様のものを使用でき、その含有量も処理液の場合と同様でよい。非イオン性界面活性剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
【0082】
水性インクは、たとえば、顔料の記録媒体へのさらに定着性を向上させるために、定着剤を含んでいてもよい。定着剤としては、前述の水分散性樹脂を使用でき、その他に水溶性樹脂を使用することもできる。水分散性樹脂および水溶性樹脂を併用することもできる。水溶性樹脂としては公知のものを使用でき、たとえば、アラビアゴムなどの天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、リグニンスルホン酸塩、セラックなどの天然高分子化合物、アクリル酸樹脂およびその塩、メタクリル酸樹脂およびその塩、スチレン−アクリル酸共重合体およびその塩、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体およびその塩、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体およびその塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩およびリン酸塩などの陰イオン性高分子化合物、ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の非イオン性高分子化合物、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのモノマーからなる共重合体などが挙げられる。水溶性樹脂は、1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
【0083】
水性インクは、さらに、前記と同様の、pH調整剤、キレート化剤、防錆剤、防カビ剤、紫外線吸収剤などを含んでいてもよい。さらに、必要に応じて、溶解助剤、酸化防止剤、消泡剤、粘度調整剤などを含んでいてもよい。
【0084】
水性インクは、顔料または自己分散顔料、さらに必要に応じて、非水溶性樹脂、水分散性樹脂、水溶性有機溶剤、非イオン性界面活性剤、定着剤、その他の添加剤のそれぞれ適量を用い、さらに全量が100重量%になるように水を用い、水に前記の各成分を溶解または分散させ、必要に応じて固液分離処理(ろ過、遠心分離など)を施すことによって製造することができる。ここで使用する水は特に制限されず、水道水、純水、イオン交換水、活性炭処理水などを使用できる。その中でも、25℃における電気伝導率が250μS/cm以下の水が好ましく、1μS/cm以下の水が特に好ましい。電気伝導率は、水の純度を示す指標、換言すれば、水に含まれる不純物量を示す指標として用いられる。不純物とは、水に一般的に含まれる微量成分であり、たとえば、無機塩類、その他のミネラル分などが挙げられる。電気伝導率が250μS/cmを大幅に超えると、水媒体中の不純物量が多くなりすぎ、この不純物が水性インク中の各成分と相互に作用し、水性インクの保存性が悪くなるので、吐出安定性ならびに記録媒体に対する浸透性および乾燥性が低下するおそれがある。分散および溶解に使用する装置としては、前記のものと同様のものを使用できる。
【0085】
このようにして得られる水性インクの中でも、自己分散顔料、好ましくは顔料の表面にスルホン基および/またはカルボキシ基が導入された自己分散顔料を含み、必要に応じて非水溶性樹脂および/または水分散性樹脂を含むインク組成物(以後「自己分散顔料インク」と称す)、顔料ならびに非水溶性樹脂および/または水分散性樹脂を含むインク組成物(以後「顔料分散インク」と称す)などが好ましい。これらの中でも、自己分散顔料インクが好ましい。自己分散顔料インクを本発明の記録媒体と組み合わせて用いると、フェザリングの防止、記録画像の画像濃度および耐久性の向上が顕著である。また、顔料インクを組み合わせて用いると、フェザリングの防止、記録画像の画像濃度の向上が顕著である。これらのインクは、もちろん、水溶性有機溶剤、非イオン性界面活性剤、定着剤、その他の添加剤を含んでいてもよい。
【0086】
このようなインクの中でも、
(a)顔料として、ピグメントブルー15:3およびピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:6から選ばれる1種または2種以上のシアン顔料を含む顔料分散シアンインク、該シアン顔料の表面にスルホン基またはカルボキシ基を導入した自己分散顔料を含む自己分散顔料シアンインク、
(b)顔料として、ピグメントレッド122、ピグメントレッド209およびピグメントヴァイオレット19から選ばれる1種または2種以上のマゼンタ顔料を含む顔料分散マゼンタインク、該マゼンタ顔料の表面にスルホン基またはカルボキシ基を導入した自己分散顔料を含む自己分散顔料マゼンタインク、
(c)顔料として、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー150およびピグメントイエロー180から選ばれる1種または2種以上のイエロー顔料を含む顔料分散イエローインク、該イエロー顔料の表面にスルホン基またはカルボキシ基を導入した自己分散顔料を含む自己分散顔料イエローインク、
(d)顔料としてカーボンブラックを含む顔料分散ブラックインク、カーボンブラックの表面にスルホン基またはカルボキシ基を導入した自己分散顔料を含む自己分散顔料ブラックインク、
(e)前記(a)、(b)および(c)から選ばれる2種以上からなるインクセットなどが好ましく、発色性、色のバランスなどから、(a)、(b)および(c)の3色のインクからなるインクセットが特に好ましい。
【0087】
また、本発明のインクジェット記録方法によれば、記録媒体用基材に処理液を付着させるのは、水性インクを付着させる前だけに限定されず、水性インクを付着させるのと同時または水性インクを付着させたあとに、処理液を付着させてもよい。
【0088】
〔インクジェット記録装置〕
図1は、実施の第1形態であるインクジェット記録装置1の構成を簡略化して示す断面図である。インクジェット記録装置1は、記録媒体8を装置1内に供給するための記録媒体供給手段2と、記録媒体供給手段2によって装置1内部に供給される記録媒体8を搬送するための記録媒体搬送手段3と、記録媒体搬送手段3に含まれるように設けられ、記録媒体8に2種のカチオン性化合物を含有する処理液を付着させるための処理液転写手段4と、記録媒体搬送手段3によって搬送されかつ処理液転写手段4によって処理液を付着させた記録媒体8に、色材を含むインク組成物を付着させて画像を記録するための印刷手段5と、印刷手段5によって記録画像が形成された記録画像8を装置1の外へ排出するための排出手段6とを含んで構成され、図1中矢符9で示す記録媒体8の搬送方向に上流側から下流側に向かってこの順序で配置される。
【0089】
記録媒体給紙手段2は、記録媒体8を収容する給紙トレイ7と、給紙トレイ7の下流側に配置される給紙ローラ10とおよび分離板11を含んで構成される。
【0090】
記録媒体搬送手段3は、2つのガイド板12,18と、ガイド板18の下流に配置される一対の搬送ローラ19とを含んで構成され、ガイド板12とガイド板18との間には、処理液転写手段4が設けられている。
【0091】
処理液転写手段4は、支持ローラ13と、転写ローラ14と、グラビアローラ15と、インクパン16とを含んで構成され、インクパン16には、グラビアローラ15のグラビア面が処理液17に浸漬するように、処理液17が充填される。支持ローラ13と転写ローラ14とは、それぞれの面が接触しているけれども、その間を記録媒体8が通過できるように配置される。また転写ローラ14とグラビアローラ15とは接触するように配置される。
【0092】
印刷手段5は、記録媒体8にインク組成物を吐出して付着させるインクヘッド20と、インクヘッド20と一体化されかつインクヘッド20を記録媒体8の印字面8aに対して移動させるためのインクキャリッジ22と、インクキャリッジ22を図面に対して垂直方向に摺動可能に支持するガイドシャフト23と、記録媒体8を載置するためのプラテン24とを含んで構成される。
【0093】
排出手段6は、排出ローラ25と、排出トレイ26とを含んで構成される。
以下、本実施の形態の、インクジェット記録装置1の動作について説明する。
【0094】
インクジェット記録装置1によれば、給紙トレイ7に収容される記録媒体8は、タイミング信号に応じて矢符10aの方向に回転する給紙ローラ10と分離板11とによって、一枚ずつ分離して記録媒体搬送手段3に供給され、ガイド板12を介して処理液転写手段4に搬送される。
【0095】
処理液転写手段4においては、グラビアローラ15が、図示しない駆動手段によって矢符15aの方向に回転すると、インクパン16に充填されている処理液17はグラビアローラ15のグラビア面に浸透し、さらに転写ローラ14の表面に付着する。転写ローラ14の表面に付着した処理液17は、転写ローラ14がグラビアローラ15の回転に従動して矢符14aの方向に回転することによって、支持ローラ13と転写ローラ14との間を通って搬送される記録媒体8に接触し、記録媒体8の印字面8aの裏面に転写される。その際、記録媒体8は、支持ローラ13と転写ローラ14とによって押圧されるので、処理液17は、確実に、記録媒体8の印字面8aにまで浸透する。
【0096】
この様にして処理液を塗布された記録媒体8は、ガイド板18を介して搬送ローラ19に供給され、さらに搬送ローラ19によって印刷部5に搬送され、印字面8aを上にしてプラテン24上に載置される。このとき、記録媒体8の印字面8aには、インクヘッド20からインク組成物が吐出されて付着し、記録画像が形成される。記録画像が形成された記録媒体8は、排出ローラ26を介して矢符27の方向に排出され、排出トレイ26に収容される。
【0097】
本実施の形態では、処理液転写手段4は、記録媒体搬送手段3に含まれるように設けられているけれども、これに限定されることなく、搬送ローラ19と印刷手段5との間に設けられてもよく、印刷手段5と排出手段6との間に設けられてもよい。
【0098】
また本実施の形態では、処理液転写手段4と搬送ローラ19との間、または搬送ローラ19と印刷手段5との間に、記録媒体8を反転させ、処理液を塗布した面にインク組成物が吐出されるようにするための、記録媒体8の反転手段を設けてもよい。このような反転手段は、公知の方法に従えばよい。
【0099】
図2は、本発明のインクジェット記録装置において使用されるインクヘッド31の構成を模式的に示す分解斜視図であり、図3は、図2に示すインクヘッド31を構成するヘッドプレート40の構成の一部を拡大して示す図である。図3に示す駆動電極43は、図2では記載を省略する。
【0100】
インクヘッド31は、圧電材料からなる平板状の底壁部41および底壁部41から予め定める間隔をあけて垂直に立ち上がるように形成される複数の隔壁部42とを有するヘッドプレート40と、隔壁部42の上面に接して設けられる天板50と、複数の吐出口61を備え底壁部41の一方の端部に設けられるノズルプレート21と、底壁部41の他方の端部に設けられる図示しない背面板と、天板50の上面に接して設けられる開口部81を有するインクタンク80とを含んで構成される。複数の隔壁部42は、底壁部41上で一端部から他端部に向かって垂直に延びて互いに平行に配置されており、複数の隔壁部42と底壁部41と天板50とノズルプレート21と図示しない背面板とによって複数のインク室70が形成されている。天板50には、各インク室70に連通するインク供給路51と、インク供給路51とインクタンク80の開口部81とを連結するインク供給管52とが形成される。インクタンク80にはインク組成物90が貯留され、このインク組成物90はインク供給路51内を流過して各インク室70に供給される。
【0101】
また図3に示すように、ヘッドプレート40の底壁部41および複数の隔壁部42のインク室70に臨む表面には、複数の隔壁部42に電圧を印加する駆動電極43が設けられる。また複数の隔壁部42をなす圧電材料は、矢符95の方向に分極しており、複数の隔壁部42は圧電素子として機能する。
【0102】
図4は、図2に示すインクヘッド31をインク室40の延長方向から見た断面図である。図4には3つのインク室70a,70b,70cが示されているけれども、ここでは、インク室70bからインク組成物90を吐出する動作について説明する。
【0103】
インク室70bを構成する隔壁部42aおよび42bに電圧が印加されていないとき、すなわちインク室70bの駆動電極43bとインク室70aの駆動電極43aとの間、およびインク室70bの駆動電極43bとインク室70cの駆動電極43cとの間に電位差が生じていないとき、インク室70bには、毛管作用によってインクタンク80から供給されるインク組成物90で充填されている。同様に、インク室70aおよび70cもインク組成物90で充填されている。
【0104】
駆動電極43aおよび駆動電極43cに電圧が印加されると、駆動電極43bと駆動電極43aとの間、および駆動電極43bと駆動電極43cとの間に電位差が生じ、インク室70bを構成する隔壁部42aおよび42bに電圧が印加されると、隔壁部42aおよび42bにそれぞれ矢符96および97の方向の電界が発生する。この電界の作用によって、インク室70bを構成する隔壁部42aおよび42bにひずみが生じ、インク室70b側に凸になるように変形する。これによって、圧力波が発生し、インク室70b内のインク組成物90に大きな圧力がかかり、インク組成物90の液滴が吐出口61から吐出する。
【0105】
駆動電極43aおよび駆動電極43cへの電圧の印加を止めると、隔壁部42aおよび42bの形状が元に戻ってインク室70bの体積が元に戻り、復元された体積分のインク組成物90がインク供給路51を介してインクタンク80から供給され、インク室70bは、インク組成物90が充填された状態に戻る。
【0106】
本実施の形態では、インク室40を構成する隔壁部42を圧電材料で形成し、圧電素子として機能させるけれども、これに限定されることなく、インク室を構成する隔壁を圧電材料以外の材料で形成し、隔壁の内方または外方に圧電素子を設けてもよい。
【0107】
インクヘッド31は、インク組成物のインク供給系に対する濡れ性が向上し、インク組成物を円滑に供給することができるので、インク組成物の微小液滴を連続的にかつ安定的に吐出でき、高速印刷にも対応できる。したがって、本発明のインクジェット装置にこのインクヘッドを組み込めば、信頼性の高いピエゾ式インクジェット記録装置を得ることができる。
【0108】
図5は、本発明のインクジェット記録装置において使用される、別形態であるインクヘッド101の構成を模式的に示す分解斜視図であり、図6は、図5に示すインクヘッド101の構成の一部を示す平面図である。図5に示す天板50およびインクタンク80は、図6では記載を省略する。インクヘッド101は、インクヘッド31と類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0109】
インクヘッド101は、ヘッドプレート102が、基板103と、基板103上で予め定める間隔をあけ、一端部から他端部へ向かって垂直に延びて互いに平行に配置される複数の隔壁104と、基板103のインク室70に臨む表面上に設けられる発熱体であるヒータ105と、ヒータ105に電圧を印加する駆動電極106および107とを含んで構成されることを特徴とする。
【0110】
図7は、図6に示すインクヘッド101の切断面線I−Iにおける断面構成を示すであり、インク室70からインク組成物90の液滴91が吐出される状態を示している。
【0111】
ヒータ105に電圧が印加されていないとき、前述のインクヘッド31において隔壁部42に電圧が印加されていないときと同様に、インク室70はインク組成物90が充填されている。
【0112】
駆動電極106および107によってヒータ105に電圧が印加されると、ヒータ105が発熱し、インク室70内のインク組成物90が加熱されて、気泡92が発生する。これによって、圧力波が発生し、インク室70内のインク組成物90に大きな圧力がかかり、インク組成物90の液滴91が吐出口61から吐出される。
【0113】
ヒータ105への電圧の印加を止めると、インク室70内のインク組成物90が冷却されて気泡92が消滅し、消滅した気泡の体積分のインク組成物90がインク供給路51を介してインクタンク80から供給され、インク室70は、インク組成物90が充填された状態に戻る。
【0114】
インクヘッド101は、インク組成物のインク供給系に対する濡れ性が向上し、インク組成物を円滑に供給することができるので、インク組成物の微小液滴を連続的にかつ安定的に吐出でき、高速印刷にも対応できる。したがって、本発明のインクジェット装置にこのインクヘッドを組み込めば、信頼性の高いサーマル式インクジェット記録装置を得ることができる。
【0115】
[実施例]
以下に実施例、比較例および試験例を挙げ、本発明を具体的に説明する。なお、以下において「%」とあるのは、特に断らないかぎり「重量%」を意味する。
【0116】
実施例1および比較例1(記録媒体の製造)
表1に示す割合(%)で各成分を用い、さらに水を全量が100%になるように用い、これらの成分および水を25℃で1時間攪拌した後、1.2μmのメンブランフィルタを用いて加圧濾過し、本発明の処理液(No.1〜5)および比較例1の処理液(No.6〜7)を調製した。なお、表1におけるカチオン性化合物の()内の数字は、それぞれのカチオン性化合物の分子量を示す。
【0117】
【表1】
Figure 2004338291
【0118】
上記で得られた処理液を、転写方式のゴムローラによって、ステキヒトサイズ度が10秒の紙に、塗布量が8g/mになるように塗布し、実施例1の記録媒体(No.1〜5)および比較例1の記録媒体(No.6〜7)を製造した。
【0119】
実施例2および比較例2(インク組成物の調製)
表2に示す割合(%)で各成分を用い、かつ水を全量で100%になるように用い、各成分を水に混合し、この混合物を25℃で1時間攪拌した後、1.2μmのメンブランフィルタを用いて加圧濾過し、次いで脱気処理し、本発明のインク組成物(No.イ〜へ)および比較例のインク組成物(No.ト〜ヌ)を調製した。
【0120】
表2における各成分は具体的には次のとおりである。
〔自己分散顔料〕
ピグメントブルー15:3 商品名LIOJET Cyan、東洋インキ(株)製
ピグメントブルー15:4 商品名IJX250 キャボット社製
ピグメントレッド122 商品名IJX260 キャボット社製
ピグメントイエロー74 商品名IJX270 キャボット社製
ピグメントイエロー180 商品名LIOJET Yellow、東洋インキ(株)製
カーボンブラック 商品名キャボジェット200 キャボット社製
これらは水分散体の形態で市販されているので、表2には、固形分量で示した。
【0121】
〔顔料〕
顔料、水溶性アクリル樹脂(商品名:ジョンクリル682、分子量4900、ジョンソンポリマー社製)および水を遊星型ボールミルによって混合した顔料の水分散体を用いた。表2には、顔料および水溶性アクリル樹脂を別々に、固形分量で示した。
【0122】
〔界面活性剤〕
ソフタノール9050:商品名、一般式(4)において、k+l=11、q=9、r=5であるエチレンオキシド含有化合物、(株)日本触媒製
サーフィノール465:商品名、一般式(1)において、d+e=10であるエチレンオキシド含有化合物、日信化学(株)製
〔樹脂成分〕
バイロナールMD1400:ポリエステルエマルジョン、分子量20000、東洋紡績(株)製、表2には、固形分量で示した。
【0123】
【表2】
Figure 2004338291
【0124】
試験例1
実施例1および比較例1で得られた記録媒体No.1〜7、ならびに実施例2および比較例2で得られたインク組成物No.イ〜ヌを用い、次の評価試験を行った。結果を表3に示す。
【0125】
[印字濃度]
インクジェットプリンタ(商品名:AJ2000、シャープ(株)製)のインクヘッドを本発明のインクヘッドに交換できるように改造し、このプリンタを用い、ベタ印字を行い、印字濃度を測色計(商品名:X−Lite938、マクベス社製)によって測定した。処理液を塗布していない紙における、ベタの印字濃度に比べ、濃度が上昇しているものを「○」、変化しないものを「△」、下がったものを「×」と評価した。
【0126】
[フェザリング]
記録媒体に試験用パターンを印刷して、該パターンのライン幅を測定し、処理液を塗布していない紙におけるライン幅を100とし、それに対する相対値として評価した。100未満のものを「○」、100〜120のものを「△」および120以上ものを「×」と評価した。
【0127】
[耐久性]
記録媒体に四角いパッチのパターンを印刷して、このパターンに500gの荷重をかけてプラスチック消しゴムで10回擦り、擦る前後の濃度を目視にて評価した。擦る前後で変化がほとんどない場合を「○」、わずかに濃度低下が見られる場合を「△」、また明らかに濃度が低下している場合を「×」と評価した。
【0128】
【表3】
Figure 2004338291
【0129】
表3から、分子量差が10000以上であり、低分子量成分の分子量が500以下である組み合わせのカチオン性化合物を塗布した記録媒体(No.1〜5)に、水分散性樹脂を含む自己分散顔料インク(No.イ〜ヘ)を印刷すると、フェザリングが防止され、画像濃度(印字濃度)が高く、耐久性に優れた記録画像が得られることが判る。一方、水溶性樹脂によって顔料を分散させたインク(No.ト〜リ)を用いると、得られる記録画像は、画像濃度およびフェザリングの点では改良されているものの、耐久性が劣る。さらに、染料インク(No,ヌ)はすべての項目で改良効果が見られなかった。
【0130】
実施例3および比較例3(記録媒体の調製)
ステキヒトサイズ度が10秒の紙に代えてステキヒトサイズ度が21秒の紙を用いる以外は、実施例1および比較例1と同様にして、本発明の記録媒体(No.8〜12)および比較例の記録媒体(No.13〜14)を製造した。
【0131】
なお、処理液No.1を塗布したものが記録媒体8であり、以後順番通りである。
【0132】
試験例2
実施例3および比較例3で得られた記録媒体(No.8〜14)を用いる以外は、試験例1と同様にして、画像濃度(印字濃度)、フェザリングの有無および耐久性を評価した。結果を表4に示す。
【0133】
【表4】
Figure 2004338291
【0134】
表4から、ステキヒトサイズ度が21秒の紙に処理液を塗布した記録媒体であっても、ステキヒトサイズ度が20秒以下の紙に処理を施す場合ほどではないけれども、印字濃度の向上、フェザリングの防止および耐久性の改良に充分な効果が得られることが判る。また、このような記録媒体に、顔料を水溶性樹脂で分散させたインクを用いて記録を行うと、印字濃度の向上、フェザリングの防止についての効果の低下が目立ち、記録画像に耐久性がまったく付与されないことが判る。また、染料インクを用いると、すべての評価項目で、ほとんど効果がないことが判る。
【0135】
試験例3
実施例2のNo.イ〜ホのインク組成物および比較例2のNo.ト〜リのインク組成物から、表5に示す組み合わせでシアンインク、マゼンタインクおよびイエローインクを選択し、試験例1と同じインクジェットプリンタにて、実施例1の記録媒体No.1に印字率1:1:1でスリーカラーブラックを印刷した。
【0136】
一方、実施例2のNo.ヘのインク組成物を用い、上記と同様にして、ブラック単色を印刷した。
【0137】
スリーカラーブラックおよびブラック単色の印字を測色計(X−Lite938)にかけ、aおよびbを測定した。スリーカラーブラックのaをA2、bをB2、ブラック単色のaをA1、bをB1としたとき、下記式で表される値(Δa)が20以下のものを「○」および20より大きいものを「×」と評価した。結果を表5に併記する。
Δa={(A1−A2)+(B1−B2)1/2
【0138】
【表5】
Figure 2004338291
【0139】
表5から、実施例2のNo.イ〜ホのインク組成物から選ばれる3種のインク組成物を重ね合わせて得られるNo.(1)〜(4)の黒色画像は、比較例2の3種類のインク組成物No.ヘ〜チを重ね合わせて得られる黒色画像に比べ、高い画像濃度を有する黒色画像であることが判る。すなわち、本発明の4種のインクセットは、比較例のインクセットに比べ、黒色再現性が良好であり、カラーバランスに優れることが判る。
【0140】
以上のように、C.I.ピグメントブルー15:3および/またはC.I.ピグメントブルー15:4の表面にスルホン基を導入した自己分散顔料を含有するシアンインクと、C.I.ピグメントレッド122、209およびC.I.ピグメントヴァイオレット19から選ばれる1または2以上の顔料の表面にスルホン基を導入した自己分散顔料を含有するマゼンタのインク組成物と、C.I.ピグメントイエロー74、138、150および180から選ばれる1または2以上の顔料の表面にスルホン基を導入した自己分散顔料を含有するイエローのインク組成物とを組み合わせたインクセットを用いて、本発明の記録媒体に記録を行うと、カラーバランスに優れる記録画像を得られることが判る。
【0141】
【発明の効果】
本発明によれば、分子量差が10000以上の2種以上のカチオン性化合物を含む処理液を記録媒体用基材に塗布することによって、フェザリング、混色などの発生が著しく少なくなり、均一なベタ部分および明瞭な輪郭部分を有し、画像濃度および鮮明性が高く、高画質品位で、耐久性に優れる記録画像を形成することができ、さらに、高速印刷を行っても、得られる記録画像の画質品位および耐久性がほとんど低下しない記録媒体が提供される。
【0142】
本発明によれば、カチオン性化合物がポリエチレンイミンおよび/またはポリアリルアミンを含むことによって、記録画像の画質品位および耐久性が一層向上する。
【0143】
本発明によれば、処理液に2種以上のカチオン性化合物とともに水溶性有機溶剤、界面活性剤などを添加することによって、処理液の浸透性ひいてはカチオン性化合物の分散性が向上するので、記録画像の画質品位および耐久性のさらなる向上を図ることができる。
【0144】
本発明によれば、処理液の表面張力を50dyn/cm以下および/または粘度を1Pa・s以下に調整することによって、処理液の塗工性ひいてはカチオン性化合物の分散性が向上する。
【0145】
本発明によれば、記録媒体用基材としてステキヒトサイズ度が20秒以下のものを用いることによって、本発明の記録媒体に対してインク組成物が適度に浸透し、カチオン性化合物によるフェザリングの防止および画像濃度の向上がさらに促進される。
【0146】
本発明によれば、本発明の記録媒体に水性インクを付着させて記録を行うことによって、高画質品位で、耐久性に優れた記録画像を形成することができる。該水性インクとしては、自己分散顔料を含み、必要に応じて非水溶性樹脂および水分散性樹脂から選ばれる1種または2種以上の樹脂成分を含む水性インク、顔料および前記の樹脂成分を含む水性インクなどが好ましい。このような水性インクを用いることによって、記録画像の画質品位および耐久性が顕著に向上する。さらに前記樹脂成分としてポリエステル樹脂を用いることによって、記録画像の画質品位および耐久性が一層顕著に向上する。
【0147】
本発明によれば、自己分散顔料の親水性基としてはカルボキシル基またはスルホン基が好ましく、これらが導入された自己分散顔料を用いることによって、フェザリングの防止、画像濃度の向上などの効果がさらに顕著になる。
【0148】
本発明によれば、特定のシアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料またはカーボンブラック(黒色顔料)を含むインク組成物、ならびにこれらの2種以上のインク組成物からなるインクセットを用いることによって、カラーバランスが良好であり、かつ高画質品位を有し、耐久性にも優れる記録画像を形成することができる。
【0149】
本発明によれば、本発明のインクジェット記録方法を実施するのに適し、高画質品位で、耐久性に優れる記録画像を形成することができ、高速印刷を容易に実施することができるインクジェット記録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明のインクジェット装置に使用するインクヘッドの構成を模式的に示す分解斜視図である。
【図3】図2に示すインクヘッドに含まれるヘッドプレートの構成の一部を拡大して示す図である。
【図4】図2に示すインクヘッドをインク室の延長方向から見た断面図である。
【図5】本発明のインクジェット記録装置に使用するインクヘッドの構成を模式的に示す分解斜視図である。
【図6】図5に示すインクヘッドの構成の一部を示す平面図である。
【図7】図6に示すインクヘッドの切断面線I−Iにおける断面構成を示す図面である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置
2 記録媒体供給手段
3 記録媒体搬送手段
4 処理液転写手段
5 印刷手段
6 排出手段
7 給紙トレイ
8 記録媒体
8a 印字面
9,10a,13a,14a,15a,27,95,96,97 矢符
10 給紙ローラ
11 分離板
12,18 ガイド板
13 支持ローラ
14 転写ローラ
15 グラビアローラ
16 インクパン
17 処理液
19 搬送ローラ
20 インクヘッド
21 ノズルプレート
22 インクキャリッジ
23 ガイドシャフト
24 プラテン
25 排出ローラ
26 排出トレイ
31,101 インクヘッド
40,102 ヘッドプレート
41 底壁部
42,42a,42b 隔壁部
43,43a,43b,43c,106,107 駆動電極
50 天板
51 インク供給路
60 ノズルプレート
61 吐出口
70,70a,70b,70c インク室
80 インクタンク
81 開口部
90 インク組成物
91 液滴
92 気泡
103 基板
104 隔壁
105 ヒータ

Claims (19)

  1. 少なくとも分子量差が10000以上である2種のカチオン性化合物を含みかつ残部が水である処理液を記録媒体用基材の表面に付着させてなることを特徴とする記録媒体。
  2. カチオン性化合物がポリエチレンイミンおよび/またはポリアリルアミンを含むことを特徴とする請求項1記載の記録媒体。
  3. 処理液がさらに水溶性有機溶剤、界面活性剤および防カビ剤から選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1または2記載の記録媒体。
  4. 水溶性有機溶剤が多価アルコール類およびグリコールエーテル類から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項3記載の記録媒体。
  5. 界面活性剤が非イオン性界面活性剤から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項3または4記載の記録媒体。
  6. 処理液の表面張力が50dyn/cm以下であることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれかに記載の記録媒体。
  7. 処理液の粘度が1Pa・s以下であることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれかに記載の記録媒体。
  8. 記録媒体用基材のステキヒトサイズ度が20秒以下であることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれかに記載の記録媒体。
  9. 色材および水を含む水性インクを記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法において、記録媒体が請求項1〜8のうちのいずれかの記録媒体であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  10. 水性インクが、色材として顔料の表面に親水性基を導入してなる自己分散顔料を含み、さらに必要に応じて非水溶性樹脂および水分散性樹脂から選ばれる1種または2種以上の樹脂成分を含むインク組成物または色材として顔料を含み、かつ非水溶性樹脂および水分散性樹脂から選ばれる1種または2種以上の樹脂成分を含むインク組成物であることを特徴とする請求項9記載のインクジェット記録方法。
  11. 樹脂成分がポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項10記載のインクジェット記録方法。
  12. 親水性基がカルボキシ基またはスルホン基であることを特徴とする請求項10または11記載のインクジェット記録方法。
  13. 顔料がピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4およびピグメントブルー15:6から選ばれる1種または2種以上のシアン顔料であることを特徴とする請求項10〜12のうちのいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  14. 顔料がピグメントレッド122、ピグメントレッド209およびピグメントヴァイオレット19から選ばれる1種または2種以上のマゼンタ顔料であることを特徴とする請求項10〜12のうちのいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  15. 顔料がピグメントイエロー74、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー150およびピグメントイエロー180から選ばれる1種または2種以上のイエロー顔料であることを特徴とする請求項10〜12のうちのいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  16. 顔料がカーボンブラックであることを特徴とする請求項10〜12のうちのいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  17. 顔料が請求項13のシアン顔料である請求項10のインク組成物、顔料が請求項14のマゼンタ顔料である請求項10のインク組成物、顔料が請求項15のイエロー顔料である請求項10のインク組成物および顔料が請求項16のカーボンブラックである請求項10のインク組成物から選ばれる2種以上を用いることを特徴とする請求項9記載のインクジェット記録方法。
  18. 記録媒体を供給する記録媒体供給手段と、記録媒体供給手段によって供給される記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段と、記録媒体搬送手段によって搬送される記録媒体に水性インクを付着させて記録を行う印刷手段と、印刷手段によって記録画像が形成された記録媒体を排出する排出手段とを含むインクジェット記録装置において、
    分子量の差が10000以上である2種のカチオン性化合物を含みかつ残部が水である処理液を記録媒体用基材に付着させる処理液転写手段を含むことを特徴とするインクジェット記録装置。
  19. 処理液転写手段が、
    記録媒体搬送手段に含まれるように、または
    記録媒体搬送手段と印刷手段との間に設けられることを特徴とする請求項18記載のインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010214883A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Fujifilm Corp インクジェット記録用インクセット
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