JP2004337712A - 加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】赤外線放射熱源11から発生する近赤外線及び中赤外線のうちの一種の赤外線を放射する加熱部本体13の開口部19を開閉可能になすよう前記加熱部本体13に取り付けた開閉部材17を有し、前記開口部19を前記開閉部材17によって閉じた状態で前記赤外線放射源に対向する前記開閉部材17の第1の面17fに設けた第1の被覆層21は、前記赤外線を吸収する被膜層であり、前記開閉部材17の第2の面17gに設けた第2の被覆層23は、遠赤外線を放射する被膜層である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱対象へ赤外線を放射する加熱装置に関し、特に、自動車などの塗装面に発生した局所的な傷を補修する際に、塗装された個所を乾燥するために使用する加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車修理工場などで局所的な傷等を塗料によって補修し、補修した後に塗料部分を乾燥するために使用される塗装乾燥装置がある。塗装乾燥装置としては、遠赤外線ヒータを用いたものや、近赤外線ヒータを用いたもの等がある。遠赤外線ヒータとしてはシーズヒータ等が使用され、中心波長が約4.0μmの赤外線を放射するようになっている。近赤外線ヒータとしてはハロゲンヒータ等が使用され、中心波長が約1.2μmの赤外線を放射するようになっている。
【0003】
ところで、遠赤外線ヒータや近赤外線ヒータを用いた塗装乾燥装置にあっては、それぞれに長所短所がある。例えば、遠赤外線ヒータを用いた塗装乾燥装置では、塗料に対する熱吸収率において色による差がほとんどない利点があるものの、昇温するまでの立ち上がり時間が必要なため乾燥処理に長い時間かかるという問題がある。
【0004】
一方、近赤外線ヒータを用いた塗装乾燥装置では、昇温するまでの立上りに時間が比較的短く、遠赤外線ヒータによる乾燥処理時間よりも乾燥処理時間が短くて済むが、塗料に対する熱吸収率において色による差があるという問題がある。
【0005】
そこで、自動車修理工場などでは広範囲の用途に対応するために、遠赤外線ヒータを用いた塗装乾燥装置と近赤外線ヒータを用いた塗装乾燥装置など、複数台の塗装乾燥装置を用意する必要があったため、遠赤外線及び近赤外線の両方を一つの塗装乾燥装置によって実施することが可能な装置が提案されている。
【0006】
従来の赤外線及び近赤外線を共用する塗装乾燥装置としては、規格品であるソケットを有する赤外線ランプが交換可能な塗装乾燥装置と、近赤外線用ランプとしての内面側方に反射ミラーのみを施したもの、及び遠赤外線用ランプとして内面側方に反射ミラーを施し、内面に遠赤外線放射用のコーティングを施したものから成り、近赤外線用ランプと遠赤外線用ランプが口金により交換することができる構造となっている(例えば、引用文献1を参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−338688号公報(第3−4頁、図1、図7)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の赤外線及び近赤外線を共用する塗装乾燥装置では、複数個の遠赤外線用ランプと近赤外線用ランプとを用意して、近赤外線用ランプもしくは遠赤外線用ランプのいずれかを口金により塗装乾燥装置に取り付けたり、又は取り外したりするような交換作業を必要とするので作業に手間かかかるという問題がある。
【0009】
また、遠赤外線用ランプと近赤外線用ランプのうちの一方のランプを使用している時には、他方のランプを常に別の場所に保管する場所が必要となるという問題がある。
【0010】
それ故に本発明の課題は、交換部品を保管する必要がなく、簡易は構成で作業効率が向上する加熱装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、加熱対象へ近赤外線及び中赤外線の内のいずれか一種の赤外線を放射する熱源と、該熱源を保持した加熱部本体とを含み、該加熱部本体の前面には、前記熱源から発生する前記赤外線を前記加熱対象へ向けて放射する開口部が形成されている加熱装置において、前記開口部を開閉可能になすよう前記加熱部本体に回動可能に取り付けた開閉部材を有し、該開閉部材は、前記開口部を前記開閉部材によって閉じた状態で前記赤外線放射源に対向する第1の面に設けた第1の被膜層と、前記開口部を前記開閉部材によって閉じた状態で前記第1の面とは反対側の面となる第2の面に設けた第2の被膜層とを有し、前記第1の被膜層は、前記赤外線を吸収する被膜層であり、前記第2の被膜層は、遠赤外線を放射する被膜層であることを特徴とする加熱装置が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る加熱装置の第1実施の形態例を説明する。図1及び図2は、第1実施の形態例における加熱装置を示している。
【0013】
図1および図2を参照して、近赤外線を放射する熱源11と、熱源11を保持している箱形状の加熱部本体13と、加熱部本体13に収容されている反射板15と、加熱部本体13の一辺に回動可能に支持されている開閉部材17を有している。
【0014】
加熱部本体13には、熱源11から加熱対象へ近赤外線を前方へ放射するように加熱部本体13の前面を開放した開口部19が形成されている。反射板15は、開口部19側を除いた熱源11の周囲を囲むようにして加熱部本体13の内部に設けられている。
【0015】
熱源11は、近赤外線を開口部19から前方へ放射して加熱対象へ放射する。また、熱源11から加熱部本体13の前方以外へ放射される近赤外線は、反射板15によって前方へ反射させることによって加熱対象へ放射される。
【0016】
なお、図1及び図2に示した開閉部材17の位置は、開口部19から開閉部材17を開いた状態を示している。図3は、開閉部材17の一部を拡大して示している。
【0017】
図1及び図2に加え図3をも参照して、開閉部材17は、開口部19を開閉可能になすように加熱部本体13に一辺に回動可能に取り付けらている。
【0018】
開閉部材17は、開口部19を開閉部材17によって閉じた状態で熱源11に対向する開閉部材17の第1の面(図3を参照)17fに設けられている第1の被膜層21と、開口部19を開閉部材17によって閉じた状態で第1の面17fとは反対側の外面となる第2の面(図3を参照)17gに設けられている第2の被膜層23を有している。
【0019】
開閉部材17には、開口部19を開閉部材17によって閉じたときに開閉部材17を閉じた状態に保持する係合部31を有している。開閉部材17は、図2に示した側面から見ると略半円形に作られており、複数のヒンジ部材25を介して加熱部本体13の開口部19側の一辺に回動可能に取り付けられている。加熱部本体13には、開口部19を開閉部材17によって閉じたときに係合部31に対向して係合する相手係合部33を有している。
【0020】
さらに、加熱部本体13は、開口部19の前方に取り付けられている格子状の保護部材35と、保持部37と、加熱部本体13を上下方向における所定位置に保持するための位置決め部材39とを有している。加熱部本体13は、保持具41に保持される。保持具41は、脚部43と、脚部43から上方へ立設されている棒状の支持部45とを有している。
【0021】
脚部43は、支持部45を垂直方向へ立設するように水平に設置面51に設置される部分である。保持部37は、支持部45に上下方向でスライド可能に保持される。したがって、保持部37は支持部45の所望する位置で位置決め部材39を支持部45にネジ締め固定することによって位置決め固定される。
【0022】
さらに、加熱装置を具体的に説明すると、開閉部材17は、鋼板を用いている。一例として、開閉部材17は、鋼板をプレスによって打ち抜いた後に、曲げ加工を施すことによって製作することができる。開閉部材17によって開口部19を閉じた状態では、開閉部材17の形状が外側に凸状になる形状になっている。なお、開閉部材17は、図2に示した側面から見ると略半円形に形成されているものであるが、略半楕円形であってもよく、加熱対象へ近赤外線を効率よく放射できる形状であれば、どのような形状であってもよい。
【0023】
また、開閉部材17は鋼板の代わりに、熱伝導性が良好で曲げ加工が容易な銅板を用いてもよく、さらに、アルミニウム板、真鍮板などの金属板やステンレス板にような合金板を選択して使用してもよい。なお、この開閉部材17としては、耐熱温度が400℃〜650℃程度ある材料を採用することが望ましい。
【0024】
第1の被膜層21は、第1の面17fに近赤外線を吸収する吸収率が高い塗料としてのコーティング材料を塗装することによって設けられた塗装膜層である。第2の被膜層23は、第2の面17gに遠赤外線を放射する放射率が高い塗料としてのコーティング材料を塗装することによって設けられた塗装膜層である。
【0025】
ところで、キルヒホッフの法則によれば、所定の波長の放射線を出す能力(放射率)が強いものほど、放射線を吸収する能力(吸収率)が強いことが明らかになっている。また、黒色の塗料は、0.6〜0.8μmの波長にて、0.9程度の放射率もしくは吸収率があることが知られている。
【0026】
よって、具体的には、第1及び第2の被覆層21,23としての塗料であるコーティング材料として、例えば、日本ペイント株式会社製のテツゾール(商品名)の黒色(型番:MB−600、耐熱温度600℃)を採用する。また、第1及び第2の被覆層21,23のコーティング材料は、これらが同じ材料であっても別なものであってもよい。ようするに、第1の被覆層21は、近赤外線を吸収する吸収率が高いコーティング材料を用い、第2の被膜層23は、遠赤外線を放射する放射率が高いコーティング材料を用いればよい。
【0027】
さらに、第1の被覆層21としては、第1の面17fに近赤外線を吸収する吸収率が高いコーティング材料を溶射して設けた溶射膜層、第1の面17fに近赤外線を吸収する吸収率が高いコーティング材料をメッキ処理して設けたメッキ膜層としてもよく、第2の被覆層23としては、第1の面17gに遠赤外線を放射する放射率が高いコーティング材料を溶射して設けた溶射膜層としたり、メッキ処理して設けたメッキ膜層としてもよい。
【0028】
さらに、第1の被覆層21としては、開閉部材21が鋼板である場合には、第1の面17fを四酸化鉄処理を施すことによって近赤外線を吸収する吸収率が高い酸化被膜層を形成し、第2の被覆層23としては、第2の面17gを四酸化鉄処理を施すことによって遠赤外線を放射する放射率が高い酸化被膜層を形成してもよい。ちなみに、あら磨き面程度の鋼板では、0.4μm〜0.5μm程度の放射率(吸収率)になる。
【0029】
また、第1及び第2の被覆層21,23の一方をコーティング材料によって塗装膜層、溶射膜層、めっき膜層のいずれかを設け、他方を酸化被膜層としてもよい。具体的な実施例としては、第1の被膜層21は、0.7〜1.5μm程度の波長の赤外線に関して吸収率が高い黒色の耐熱塗装のコーティング材料を使用してコーティング処理する。第2の被膜層23は、遠赤外線を放射し易いように、例えば、セラミックコーティングやカーボンコーティングなどの遠赤外線の放射率が高い材料を用いてコーティング処理を施す。
【0030】
次に、上述した加熱装置を用いて、加熱対象である塗装面を乾燥するために使用する具体例を説明する。
【0031】
まず、加熱部本体13は、上下方向で保持部37を支持部45の上下方向へスライドさせた後、位置決め部材39によって支持部45の所定位置に保持される。通常時、開閉部材17は、図1及び図2に示したように、加熱部本体13の開口部19を開いた状態で近赤外線を放射する熱源11によって塗装面を乾燥する。
【0032】
塗装面を遠赤外線によって乾燥したい場合には、開閉部材17を加熱部本体13の開口部19を覆うようにヒンジ部材25を軸として回転させ、係合部31に相手係合部33を係合することによって加熱部本体13に開閉部材17を係合させ、開口部19を開閉部材17によって閉じた状態で保持する。この際、熱源11から発生する近赤外線は、開閉部材17の第1の面に設けられている第1の被覆層21に吸収されて開閉部材17を加熱することになり、開閉部材17の第2の面に設けられている第2の被覆層23から遠赤外線が塗装面へ放射されることによって塗装面を乾燥する。
【0033】
図4及び図5は、加熱装置における第2の実施の形態例を示している。なお、図1及び図2に示した加熱装置における第1の実施の形態例と同じ部分には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0034】
図4及び図5を参照して、第2の実施の形態例における加熱装置では、二枚の開閉部材17a,17bが加熱部本体13における開口部19側で上下の一辺のそれぞれに複数のヒンジ部材25a,25bを介して回動可能に取り付けられている。
【0035】
二枚の開閉部材17a,17bには、これらの開閉部材17a,17bによって開口部19を閉じた状態で近赤外線を放射する熱源11に対向する開閉部材17a,17bの第1の面に第1の被覆層21が設けられている。また、開閉部材17a,17bには、開口部19を開閉部材17a,17bによって閉じた状態で第1の面とは反対側の外面となる第2の面に第2の被覆層21が設けられている。
【0036】
一方の開閉部材17aは、開口部19の上側の略半分をこの開閉部材17aによって閉じたときに、この開閉部材17aを閉じた状態に保持する係合部31aを有している。他方の開閉部材17bは、開口部19の下側の略半分を開閉部材17bによって閉じたときに係合部に係合する相手係合部33bを有している。
【0037】
通常時には、図4及び図5に示したように、開閉部材17a,17bは加熱部本体13の開口部19を開いた状態の位置で熱源11によって塗装面を乾燥する。また、塗装面を遠赤外線によって乾燥したい場合には、二枚の開閉部材17a,17bによって加熱部本体13の開口部19を覆うようにヒンジ部材25a,25bを軸として回転させる。そして、係合部31aに相手係合部31bを係合することによって二枚の開閉部材17a,17b同士を係合させ、開口部19を開閉部材17a,17bによって閉じた状態に設置させて保持する。この際、熱源11から発生した近赤外線は、開閉部材17a,17bの第1の面17fに設けられている第1の被覆層21に吸収され開閉部材17a,17bを加熱することになり、開閉部材17a,17bの第2の面17gに設けられている第2の被覆層23から遠赤外線が塗装面へ放射されることによって塗装面を乾燥する。
【0038】
図6及び図7は、加熱装置における第3の実施の形態例を示している。なお、図4及び図5に示した加熱装置における第2の実施の形態例と同じ部分には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0039】
図6及び図7を参照して、第3の実施の形態例における加熱装置では、支持部45に二つ加熱部本体131が垂直方向で二段に所定間隔をもって支持されている。加熱部本体131のそれぞれには、二つの開口部19が形成されており、これらの開口部19のそれぞれに対して近赤外線を放射する熱源11が一対一に設けられており、熱源11のそれぞれが水平方向で一列に並設されている。加熱部本体131のそれぞれには、下側の二枚の開閉部材17a、及び上側の二枚の開閉部材17bが加熱部本体131における開口部19側で上下の一辺のそれぞれに複数のヒンジ部材25a,25bを介して回動可能に取り付けられている。
【0040】
四枚の開閉部材17a,17bには、図3に示したように、開口部19を開閉部材17a,17bによって閉じた状態で熱源11のそれぞれに対向する開閉部材17a,17bの第1の面17fに第1の被覆層21が設けられている。また、開閉部材17a,17bには、開口部19を開閉部材17a,17bによって閉じた状態で第1の面17fとは反対側の外面となる第2の面17gに第2の被覆層23が設けられている。
【0041】
加熱部本体131において、下側の二枚の開閉部材17aは、開口部19の下側の略半分を開閉部材17aによって閉じたときに開閉部材17aを閉じた状態に保持する係合部31aを有している。上側の二枚の開閉部材17bは、開口部19の上側の略半分を開閉部材17bによって閉じたときに係合部17bに係合する相手係合部33bを有している。
【0042】
通常時には、四枚の開閉部材17a,17bは、図6及び図7に示したように、加熱部本体131の開口部19を開いた状態で熱源11によって塗装面を乾燥する。また、塗装面を遠赤外線によって乾燥したい場合には、四枚の開閉部材17a,17bを加熱部本体131の開口部19を覆うようにヒンジ部材25a,25bを軸として回転させ、係合部31aに相手係合部33bを係合することによって四枚の開閉部材17a,17b同士を係合させ、開口部19を開閉部材17a,17bによって閉じた状態に設置させて保持する。この際、熱源11から発生した近赤外線は、開閉部材17a,17bの第1の面に設けられている第1の被覆層21に吸収され開閉部材17a,17bを暖めることになり、開閉部材17a,17bの第2の面に設けられている第2の被覆層23から遠赤外線が塗装面へ放射されることによって塗装面を乾燥する。
【0043】
なお、一方の加熱部本体131を近赤外線用として、他方の加熱部本体131を遠赤外線用として使用する場合には、一方の加熱部本体131に取り付けられている開閉部材17a,17bを開口部19を開いた状態に位置させ熱源11によって塗装面を乾燥するようにし、他方の加熱部本体131に取り付けられている開閉部材17a,17bによって開口部19を閉じる状態に位置させ遠赤外線を塗装面へ放射するよって乾燥するようにする。このように、熱源11は行列方向に配置されるので、塗装面への近赤外線もしくは遠赤外線の放射条件によって、開閉部材17a,17bを適宜、操作して塗装面へ放射する。
【0044】
上述した各実施の形態例では、赤外線放射熱源として近赤外線を放射する熱源11を使用した例によって説明したが、赤外線放射熱源としての近赤外線を放射する熱源11に代えて、中心波長が約1.2μmの赤外線を放射するハロゲンヒータや、中心波長が2.5μm程度の赤外線を放射する中赤外線ランプを採用してもよい。
【0045】
また、支持具41の支持部45には、第1の実施の形態例における加熱部本体13を複数段に支持し、第3実施の形態例のように赤外線放射熱源を行列方向に複数を設けるように構成することができる。
【0046】
また、第1実施の形態例においては、一つの開口部19を一枚の開閉部材17によって開閉する構成を示し、第2及び第3実施の形態例においては、一つの開口部19を二枚の開閉部材17a,17bによって開閉する構成を示したが、複数の開口部19を一枚の開閉部材によって開閉する構成であってもよい。
【0047】
さらに、開閉部材17,17a,17bの数や配置は、第1乃至第3実施の形態例に限らず、近赤外線もしくは遠赤外線の使用目的に応じて加熱部本体13,131に適宜に取り付けるようにすることができることはいうもでもない。
【0048】
【発明の効果】
以上、各実施の形態例によって説明したように、本発明に係る加熱装置によれは、赤外線放射源に対向する開閉部材の第1の面に設けた赤外線の吸収率が高い第1の被覆層と、開閉部材の第2の面に設けた遠赤外線の放射率が高い材料である第2の被覆層とを有し、通常時には、近赤外線もしくは中赤外線を加熱対象へ放射し、さらに遠赤外線を加熱対象へ放射したい場合には、開口部を開閉部材によって覆い遠赤外線を加熱対象へ放射するように構成したので、簡単な構成でしかも開閉部材の開閉位置を回動するという簡単な作業によって近赤外線用もしくは中赤外線用と、遠赤外線用とのいずれかの使用に変更できるので作業効率を向上することができる。
【0049】
また、本発明に係る加熱装置によれは、従来のように近赤外線ランプと遠赤外線ランプを使用目的によって交換するという手間が必要がないので、近赤外線ランプと遠赤外線ランプの一方を保管するための保管場所を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加熱装置の第1実施の形態例を示す正面図である。
【図2】図1に示した加熱装置の側面図である。
【図3】図2に示した開閉部材の要部を拡大して示した断面図である。
【図4】本発明に係る加熱装置の第2実施の形態例を示す正面図である。
【図5】図3に示した加熱装置の側面図である。
【図6】本発明に係る加熱装置の第3実施の形態例を示す正面図である。
【図7】図6に示した加熱装置の側面図である。
【符号の説明】
11 熱源
13,131 加熱部本体
15 反射板
17,17a,17b 開閉部材
17f 第1の面
17g 第2の面
19 開口部
21 第1の被覆層
23 第2の被覆層
31 係合部
33 相手係合部
41 保持具
Claims (5)
- 加熱対象へ近赤外線及び中赤外線の内のいずれか一種の赤外線を放射する熱源と、該熱源を保持した加熱部本体とを含み、該加熱部本体の前面には、前記熱源から発生する前記赤外線を前記加熱対象へ向けて放射する開口部が形成されている加熱装置において、前記開口部を開閉可能になすよう前記加熱部本体に回動可能に取り付けた開閉部材を有し、該開閉部材は、前記開口部を前記開閉部材によって閉じた状態で前記赤外線放射源に対向する第1の面に設けた第1の被膜層と、前記開口部を前記開閉部材によって閉じた状態で前記第1の面とは反対側の面となる第2の面に設けた第2の被膜層とを有し、前記第1の被膜層は、前記赤外線を吸収する被膜層であり、前記第2の被膜層は、遠赤外線を放射する被膜層であることを特徴とする加熱装置。
- 請求項1記載の加熱装置において、前記開閉部材は、金属板及び合金板の内のいずれか一種の板材であり、前記第1及び第2の被膜層は、コーティング材料を塗装することによって設けた塗装膜層、酸化処理によって形成した酸化被膜層、コーティング材料を溶射することによって形成した溶射膜層、及びメッキ処理することによって形成したメッキ膜層の内のいずれか一種であることを特徴とする加熱装置。
- 請求項1記載の加熱装置において、前記開閉部材が前記加熱部本体にヒンジ部材を介して前記開口部を覆うように回動可能に取り付けられており、前記加熱部本体は前記開閉部材を閉じた状態で保持する係合部を有し、前記開閉部材は前記開口部を前記開閉部材によって閉じたときに前記係合部に係合する相手係合部を有していることを特徴とする加熱装置。
- 請求項1記載の加熱装置において、複数の前記開閉部材が前記加熱部本体にヒンジ部材を介して複数の前記開口部を覆うように回動可能に取り付けられており、複数の前記開閉部材は複数の前記開閉部材によって複数の前記開口部を閉じたときに前記開閉部材同士を係合するよう設けた係合部と、複数の前記開口部を閉じたときに前記係合部に係合する相手係合部とを有していることを特徴とする加熱装置。
- 請求項1記載の加熱装置において、前記加熱部本体には、複数の前記開口部に対応した数の前記熱源が設けられていることを特徴とする加熱装置。
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