JP2004337653A - 下水汚泥の処理方法および処理生成物 - Google Patents

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Abstract

【目的】生成物が環境へ与える負荷が小さく、また生成物を資源として再利用もできる下水汚泥の処理方法を提供すること。
【構成】下水汚泥を処理して得られる下水汚泥ケーキに、ゼオライトと乾燥モルトフィードおよび/またはモミ殻を混合して加圧成型を行った後に焼成処理することで焼成タブレットを得る。ゼオライトを加えて焼成するため含有重金属の環境への溶出率が小さく、埋め立て処理の場合にも環境に与える安全性が高い。また焼成タブレットは土壌改良材として優れているほか、固形燃料としての用途もあり、資源としての再利用も可能である。さらに乾燥モルトフィードやモミ殻は産業廃棄物であり、これらも同時に処理できる利点がある。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水処理場から発生する高含水率の下水汚泥の処理を図る技術に関するもので、特に下水汚泥にゼオライトおよびモルトフィードおよび/またはモミ殻を混合して加圧成型すると共に、得られた成型物を焼成処理する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
下水道の普及に伴い、国内で発生する下水汚泥の量は年々増加する傾向にある。下水汚泥の処分に関しては、従来は一部が資源として再利用されていたものの、残りはそのまま、もしくは焼却処理を行った上で主に埋め立て処分がなされていた。しかしながらこの場合の下水汚泥の処理費用は数千円〜数万円/トンにのぼるため、処分に関する国や地方自治体の経済的負担が大きく、またその廃棄による環境に対する負荷の影響も問題となっている。このため、環境への影響の少ない下水汚泥の処理方法、もしくは処理生成物を有効利用することにより、埋め立て処分量の低減化を図りうる技術の開発が社会的急務となっている。
【0003】
従来の下水汚泥の処分方法としては、特開平10−291877に記載された汚泥にゼオライト、追加肥料成分、pH調整成分、脱臭剤、および/または土質改良材を投入し、60℃ないし80℃の範囲で乾燥、造粒することで有機汚泥肥料を製造する方法や、特開2000−73058に記載された水分含有量40〜50重量%の有機性汚泥にゼオライトを25〜50重量%添加し、500℃前後で炭化処理することで緑農地における土壌改良材、園芸用土等として利用できる、ゼオライト入り炭化土を製造する方法が知られている。
【0004】
ただし前記特開平10−291877に記載の処理方法は、加熱温度が60℃ないし80℃と低いことが原因で、生成された有機汚泥肥料が施肥後に土壌と混合一体化してしまうために下水汚泥に含まれている重金属成分が環境中に溶出する危険がある。一方特開2000−73058に記載の処理方法ではそのような危険は小さいが、一般に初期の下水汚泥の含水率が後記の通り平均83重量%であるため、使用する有機性汚泥の含水率を予め40〜50重量%に減少させなければならない。特開2000−73058には有機性汚泥を天日乾燥させることで含水率を減少させる方法が記載されている。この方法は乾燥機による強制乾燥に比べると低コストであるが、天候に左右されるために毎日連続的に発生する下水汚泥の処理方法としては不向きであり、また臭気の発生により処理施設の周辺の環境に影響を与える懸念がある。またこの方法では資源であるゼオライトを多く消費するため、処理コストが高くなるという欠点がある。これらの処理方法は主に下水汚泥の再利用を図るための技術であるので、再利用されずに埋め立て処理される下水汚泥を大量処理する場合にはふさわしい方法ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上の問題を解決する方法として、発明者らは先に下水汚泥の環境リスクを低減できる処理技術に関しての報告(「下水汚泥ケーキの環境リスク低減型処理に関する基礎的研究」社団法人資源・素材学会2002年春期大会講演集(I)250〜251ページ)を行った。即ち、下水汚泥を処理して得られる含水率が平均83%の下水汚泥ケーキに対し、含水率の調整材および固化材を混合した後にタブレット状に加圧成型し、特開2000−73058に記載の従来の処理方法に比べて低い300℃程度で加熱し、焼成タブレットとするものである。含水率の調整材としては産業廃棄物であるモルトフィードもしくはモミ殻が使用でき、また固化材としてはゼオライトが好適である。下水汚泥ケーキにこれらを混合して含水率をほぼ50%とした混合物を、73.9MPaの押圧で加圧してタブレット状に加工し、その後に焼成を行った。この結果、得られた焼成タブレットでは当初の下水汚泥ケーキに比較して含有重金属成分の溶出量が減少することや、処理生成物が固形燃料として利用可能であることが判明し、下水汚泥ケーキの処理方法としての有効性が確認されている。
【0006】
本発明は、前記下水汚泥ケーキの処理方法に関し、含水率の調整材および固化材の最適な調整条件、および最適条件にて調整された加圧成型物の含有重金属成分が環境へ溶出する危険が低く、また資源として利用可能となる焼成条件を提供するとともに、得られた焼成タブレットの資源としての用途の提案を行うものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、環境安全性が高く、また処理生成物を資源として利用可能な下水汚泥の処理システムを得ることができる。
【0008】
即ち、本発明は下水汚泥を処理して得られる下水汚泥ケーキに、ゼオライトと、乾燥モルトフィードおよび/またはモミ殻とを混合し、前記混合物を加圧成型すると共に、得られた成型物を焼成処理する下水汚泥の処理方法において、前記モルトフィードについては6メッシュ(3.3mm)以下、前記モミ殻については粒径を65メッシュ(0.21mm)以下とすると共に、前記下水汚泥ケーキ、前記ゼオライト、前記モルトフィードおよび/または前記モミ殻の混合物における焼成前の含水率を重量比で45%〜55%としたことを特徴とする下水汚泥の処理方法である。
【0009】
また、本発明は下水汚泥の処理方法において、前記ゼオライトの粒径を0.1mm以下とすることを特徴とする下水汚泥の処理方法である。
【0010】
また、本発明は下水汚泥の処理方法において、前記ゼオライトに対する前記モルトフィードおよび/または前記モミ殻の混合割合を、重量比でほぼ3倍とすることを特徴とする下水汚泥の処理方法である。
【0011】
また、本発明は下水汚泥の処理方法において、前記下水汚泥ケーキ、前記モルトフィードおよび/または前記モミ殻、前記ゼオライトの3者の混合割合を、重量比でほぼ6:3:1とすることを特徴とする下水汚泥の処理方法である。
【0012】
また、本発明は下水汚泥の処理方法において、前記成型物の焼成温度を300〜350℃としたことを特徴とする下水汚泥の処理方法である。
【0013】
また、本発明は下水汚泥の処理方法において、前記成型物の焼成時間を25分以上としたことを特徴とする下水汚泥の処理方法である。
【0014】
また、本発明は下水汚泥の処理方法において、前記焼成処理による処理生成物に含有される重金属の溶出を低減させたことを特徴とする下水汚泥の処理方法である。
【0015】
また、本発明は下水汚泥の処理方法において、焼成処理された前記処理生成物を用いたことを特徴とする固形燃料である。
【0016】
また、本発明は下水汚泥の処理方法において、焼成処理された前記処理生成物を用いたことを特徴とする土壌改良材である。
【0017】
【発明の実施の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
本発明における処理生成物である焼成タブレットは、埋め立て処分や土壌改良材としての使用により自然界に長く放置される環境であっても長くその形状を保つと共に、含有する重金属成分が環境中に溶出する危険が小さい。また有機成分を多く含有するために固形燃料として使用したり、土壌改良材とすることが可能であるとの特長を有する。
【0020】
本発明においては、下水汚泥を処理して得られる下水汚泥ケーキにまず含水率の調整材および固化材を混合して加圧成型し、その後に焼成処理を行うことにより、下水汚泥からタブレット状の処理生成物である焼成タブレットを得る。下水汚泥ケーキは一般に重量比で平均83%の水分を含んでいるが、加圧成型により固化するためには、固化材の混合と共に下水汚泥ケーキの含水率を50%程度とする必要がある。このために含水率の調整材を加える。固化材および含水率の調整材の含水率は0%に近いので、下水汚泥ケーキに対して固化材および含水率の調整材を重量比で約40%混合すれば、含水率を50%程度に低下させることができる。固化材としては入手容易性および形状安定性の効果の大きさの点でゼオライトが好適である。また含水率の調整材としては、有機系の産業廃棄物であるモミ殻、ビール類の絞りかすのモルトフィード、もしくは両者の混合物が入手容易性の点で好適である。下水汚泥の処理コストの点では固化が妨げられない範囲において資源であるゼオライトの使用量が少ないほど有利であるため、加圧成型による固化が可能な限界まで固化材の含有量を減少させた、固化材:含水率の調整材=ほぼ1:3の場合が最も好適である。従って、3者の割合は下水汚泥ケーキ:含水率の調整材:固化材=ほぼ6:3:1の場合に最も好適である。
【0021】
下水汚泥ケーキは一般に粘土状であるが、モミ殻やモルトフィード、およびゼオライトは混合前に細粒化しておかなければ加圧成型により固化することができない。これらの粒径を変えて加圧成型を行う作業を重ねた結果、好適な粒径は、モルトフィードが6メッシュ(3.3mm)以下、モミ殻が65メッシュ(0.21mm)以下、ゼオライトが0.1mm以下であることを見いだした。なお含水率の調整材であるモミ殻およびモルトフィードが水分を含有する場合には、予め乾燥処理する必要があるが、これらは下水汚泥とは異なり乾燥時に強い臭気を発することはないので、周辺の環境に影響を与える懸念は低い。またモルトフィードは含水時には粥状であるが、一般に乾燥させると塊状となることが多く、その場合は上記粒径以下となるよう破砕処理が必要である。
【0022】
作成された下水汚泥ケーキ、含水率の調整材、固化材の3者の混合物は、プレス機を用いてタブレット状に加圧成型される。この混合物の含水率が50%を大きく越えていたり、含水率の調整材や固化材の粒径が所定の数値を上回る場合には、この加圧成型時にタブレット形状とすることが困難であったり、また次の焼成工程中で破損する可能性がある。加圧成型時の押圧を73.9MPaとして、生成物を直径13mm、高さ4mmのタブレット状としたときに良好な結果を得たが、この押圧の条件は、成型されるタブレット状の加工物の外形寸法によっては変更してもよい。
【0023】
加圧成型されたタブレット状の加工物に常圧にて加熱処理を行う。これによる処理生成物の焼成タブレットは炭化により黒色となり、また多孔質に変化する。この処理生成物は含有水分が減少しているものの有機物を多量に含有しているため、固形燃料や土壌改良材としての使用が可能である。また固化材としてゼオライトを加えて加熱処理を行っているため、含有する重金属成分の溶出は抑制されることとなる。図1に代表的な昇温条件である300℃、25分間の加熱処理を行った焼成タブレットに関し、室温から800℃の温度範囲において示差走査熱量測定(DSC)を行った結果の温度チャートをグラフとして示す。図1において、室温〜220℃の範囲では弱い吸熱反応が生じているが、220〜580℃付近の範囲では明瞭な発熱反応が、それ以上になると再び弱い吸熱反応が生じている。当初は残留する揮発成分(多くは水分)の蒸発などに伴う吸熱反応が生じるが、220℃付近からは含有有機物の分解(燃焼)による発熱が起こり、それが580℃付近まで続く。このことは、この焼成タブレットが固形燃料として使用可能であることを示している。
【0024】
また得られる焼成タブレットが多孔質で保水性を有し、さらに有機物を含有していることから土壌改良材として使用しても優れた特性を有している。発明者らは以下の植栽実験を行い、その効果を確認した。まず川砂のみ、および川砂に焼成タブレットを混合したものの2種類の培地にそれぞれ西洋芝を植生し、50日間栽培を行って結果を比較した。川砂に焼成タブレットを混合した培地で栽培した西洋芝は、川砂のみの西洋芝に比べてよく繁茂し、生育量が数倍となり、土壌改良材として有効であることが実証された。なお、植栽実験を経ても焼成タブレットの外形は当初のまま保たれており、培地と一体化することはなかった。このことは焼成タブレットの保水性が長期間持続することを示しているほか、次に記す含有重金属成分の環境への溶出防止の効果が長期に渡り保たれることにも関係している。
【0025】
さらに、この焼成タブレットをバイオマスとして使用した際に発生する焼却灰が環境に及ぼす影響を確認するため、含有重金属成分等の環境への溶出量について検討した。すなわち下水汚泥ケーキの焼却灰と,その焼却灰に重量比20%の割合で粒度0.1mm以下のゼオライトを混入して加圧成型し、焼成して得られた同量の焼成タブレットを用意し、日本工業規格のJISK0102に基づく12日間の浸出試験をそれぞれ行った。その結果を図2に示す。図2はP、Mn、Fe、Cu、Zn、Pb、Cdの7種類の元素に関し、下水汚泥ケーキ焼却灰の状態での溶出量に比較して、焼成タブレットからの溶出量の減少率を示したものであり、7種類全ての元素で溶出量減少の効果が認められる。この中でP、Mn、Znの3種類は下水汚泥への含有量がとくに多い元素であるが、焼成タブレットではこれら元素の溶出量の減少率が特に高く、従って環境リスクの低減化を図る観点から焼成タブレット化が非常に有効であると判断される。焼成タブレットのこの特性は成分中のゼオライトが加熱によってこれら元素を包み込んだ形で保持するように変化し、外部への溶出を防ぐためと推察される。
【0026】
焼成条件を変えて焼成タブレットを作成して評価し、最適な加熱条件を求めた。以下、本発明の実施例および比較例に関し、図を用いて具体的に説明する。
【0027】
[実施例]含水率が平均83%である下水汚泥ケーキに対し、含水率の調整材として乾燥モルトフィードもしくはモミ殻と、固化材としてゼオライトを3者の重量比がほぼ6:3:1となるように混合した。このうち乾燥モルトフィードは粒径を6メッシュ以下に、モミ殻は粒径を65メッシュ(0.21mm)以下に破砕している。またゼオライトは粒径を0.1mm以下となるよう破砕している。3者を混合した後にハンドプレス機によって73.9MPaの圧力を加えて加圧成型し、直径13mm、厚さ4mmのタブレット状の混合物を得た。次に、前記混合物をそれぞれるつぼに複数個ずつ入れて蓋をし、図3に示すうちの6種類の条件C、D、E、H、I、Jに従って電気炉内で別々に加熱して炭化処理を行い、含水率の調整材がモルトフィードもしくはモミ殻である計6種類の焼成タブレットを得た。これら焼成タブレットについて850℃までの温度範囲で示差走査熱量測定(DSC)を行い、発生した総熱量を測定すると共に、条件C、D、Eの3種類の試料に関しては温度チャートを作成した。3種類の試料に関する温度チャートを図4に、各試料における発生総熱量を図5に示す。
【0028】
[比較例]含水率が平均83%である下水汚泥ケーキに対し、実施例と同様に破砕した乾燥モルトフィードもしくはモミ殻と、破砕したゼオライトとを3者の重量比がほぼ6:3:1となるように混合し、前記と同様に加圧成型して直径13mm、厚さ4mmのタブレット状の混合物を得た。次に、前記混合物をそれぞれるつぼに複数個ずつ入れて蓋をし、図3に示すうちの6種類の条件A、B、F、G、K、Lに従って電気炉内で別々に加熱して炭化処理を行い、含水率の調整材がモルトフィードもしくはモミ殻である計6種類の焼成タブレットを得た。これら焼成タブレットならびに比較例として同じ重量の備長炭について、850℃までの温度範囲で示差走査熱量測定(DSC)を行い、発生した総熱量を測定し、条件F、Gおよび備長炭の3種類の試料に関しては温度チャートを作成した。3種類の試料に関する温度チャートを図4に、備長炭を除く各試料における発生総熱量を図5に示す。
【0029】
これら13種類の試料に関して示差走査熱量測定結果を検討した。図4は含水率の調整材としてモルトフィードを用いた条件C、D、E、F、Gおよび備長炭の6種類の試料に関する温度チャートであるが、焼成温度が同じ300℃の3種類に関してはグラフの形はほぼ似通っており、焼成時間の差による影響はほとんど見られないことが分かる。一方焼成温度が異なる場合にはグラフの形に相違が現れる。
【0030】
一方図5は備長炭を除く12種類の試料の発生総熱量を示すものであるが、モルトフィードを使用した場合は300℃における発生熱量は約3500Calでほぼ同一であり、25分以上であれば焼成時間の差による違いはほとんど見られない。逆に焼成温度を300℃より上昇させた場合、下降させた場合のいずれの場合でも発生熱量は減少してしまう。この傾向はモミ殻を用いた場合でもほぼ同様である。しかし下水汚泥の処理効率の面では焼成時間が短い方が有利であるので、この場合は300℃、25分の焼成条件が最も好適であることとなる。なお焼成時間が25分未満の場合は、木炭化が十分に進まないために発生総熱量が減少することが確認されている。ここで同量の備長炭の発生熱量は約6000Calであるので、特にモルトフィードを用いた場合には、焼成タブレットは高カロリーの固形燃料である備長炭の6割の熱量を発生させることになる。このことから焼成タブレットは固形燃料として有望であると考えられる。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように、下水汚泥を処理して得られる下水汚泥ケーキに、ゼオライトと乾燥モルトフィードおよび/またはモミ殻を混合して加圧成型後に焼成処理して焼成タブレットを得る下水汚泥の処理方法は、焼成タブレットおよびその焼却灰からの含有重金属等の環境への溶出率が小さく、埋め立て処理などを行う場合でも環境への影響が低い。また焼成タブレットが多孔質で有機物を多く含むために土壌改良材として優れているほか、固形燃料としての用途もあり、資源として再利用する用途も有望である。さらに乾燥モルトフィードやモミ殻は産業廃棄物であり、下水汚泥と同時にこれらの産業廃棄物も処理できる利点がある。これらのことから、本発明における下水汚泥の処理方法は、環境への負荷が小さく、同時に有意な資源も生み出しうることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の焼成条件において生成される焼成タブレットの実施例における、示差走査熱量測定結果の温度チャートである。
【図2】本発明において生成される焼成タブレットをバイオマスとして使用した際に発生する焼却灰の重金属浸出試験において、出発材料である下水汚泥ケーキのみの焼却灰に比較した溶出量の減衰率を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例と比較例における含水率の調整材の種類と、タブレット焼成時の焼成条件の相違をまとめた、比較対照実験の比較条件の一覧表である。対照条件として備長炭の場合を含む。
【図4】本発明の実施例と比較例に関する、図3に示す一覧表中の一部の条件における示差走査熱量測定結果の温度チャートである。対照条件として備長炭の場合を含み、それ以外の条件は全て含水率の調整材としてモルトフィードを用いる。
【図5】本発明の実施例と比較例に関する、図3に示す一覧表中の一部の条件における示差走査熱量測定での発生総熱量を示すグラフである。

Claims (9)

  1. 下水汚泥を処理して得られる下水汚泥ケーキに、ゼオライトと、乾燥モルトフィードおよび/またはモミ殻とを混合し、前記混合物を加圧成型すると共に、得られた成型物を焼成処理する下水汚泥の処理方法において、前記モルトフィードについては6メッシュ(3.3mm)以下、前記モミ殻については粒径を65メッシュ(0.21mm)以下とすると共に、前記下水汚泥ケーキ、前記ゼオライト、前記モルトフィードおよび/または前記モミ殻の混合物における焼成前の含水率を重量比で45%〜55%としたことを特徴とする下水汚泥の処理方法。
  2. 請求項1に記載の下水汚泥の処理方法において、前記ゼオライトの粒径を0.1mm以下とすることを特徴とする下水汚泥の処理方法。
  3. 請求項1および2に記載の下水汚泥の処理方法において、前記ゼオライトに対する前記モルトフィードおよび/または前記モミ殻の混合割合を、重量比でほぼ3倍とすることを特徴とする下水汚泥の処理方法。
  4. 請求項3に記載の下水汚泥の処理方法において、成型物(下水汚泥炭化タブレット)の成型性、環境リスクを低減させる機能ならびにバイオマス機能を確保するため、前記下水汚泥ケーキ、前記モルトフィードおよび/または前記モミ殻、前記ゼオライトの3者の混合割合を、重量比でほぼ6:3:1とすることを特徴とする下水汚泥の処理方法。
  5. 請求項1および4に記載の下水汚泥の処理方法において、前記成型物の焼成温度を300〜350℃としたことを特徴とする下水汚泥の処理方法。
  6. 請求項5に記載の下水汚泥の処理方法において、前記成型物の焼成時間を25分以上としたことを特徴とする下水汚泥の処理方法。
  7. 請求項1および6に記載の下水汚泥の処理方法において、前記焼成処理による処理生成物に含有される重金属の溶出を低減したことを特徴とする下水汚泥の処理方法。
  8. 請求項1および6に記載の下水汚泥の処理方法において、焼成処理された前記処理生成物を用いたことを特徴とする固形燃料。
  9. 請求項1および7に記載の下水汚泥の処理方法において、焼成処理された前記処理生成物を用いたことを特徴とする土壌改良材。
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