JP2004336887A - 回路保護装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バッテリとオルタネータ間の回路にデッドショート若しくはレアショートが発生した場合であっても、電線負荷子等を保護することができる回路保護装置を提供する。
【解決手段】CPU19は、電流検出器14により検出された電流値Iが過電流判定値Iref以下の場合であって、バッテリ23の電圧Vbが第1閾値V1以下になると、電圧Vbが放電終止電圧Veに近くなっているとして、バッテリ23−オルタネータ25間を流れる電流を限流する制御信号を出力する。また、CPU19は、電流値Iが過電流判定値Irefを超えた場合、デッドショート又はレアショートである判定するとスイッチ回路15に対して電流を遮断するオフ信号を出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】CPU19は、電流検出器14により検出された電流値Iが過電流判定値Iref以下の場合であって、バッテリ23の電圧Vbが第1閾値V1以下になると、電圧Vbが放電終止電圧Veに近くなっているとして、バッテリ23−オルタネータ25間を流れる電流を限流する制御信号を出力する。また、CPU19は、電流値Iが過電流判定値Irefを超えた場合、デッドショート又はレアショートである判定するとスイッチ回路15に対して電流を遮断するオフ信号を出力する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車や産業車両等に搭載される回路保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車等のバッテリと電気部品(負荷)間の回路には、回路の短絡時や負荷異常時等に流れる過電流(異常電流)から電線、負荷を保護するために、バッテリと電気部品との間にヒューズ等の過電流保護装置が設けられている。例えば図2に示す回路において、配線30に連続的に過電流が流れた場合(いわゆるデッドショートが発生した場合)、バッテリ31とオルタネータ32との間に接続されたヒューズ33が溶断することでデッドショートを回避し、配線30の保護を図ることができる。また、バッテリ−オルタネータ間の回路には、ヒューズ等の過電流保護装置が設けられるとともに(例えば、特許文献1参照)、バッテリの寿命向上や燃費向上のためにバッテリの充放電を監視する機構が設けられている。ヒューズは自動車の電気系統中に多数使用されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−187545号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図2に示すようなヒューズ33を備えた回路においては、短時間で断続的に過電流(短絡電流)が流れる、いわゆるレアショートが発生した場合、ヒューズ33が溶断されない場合がある。すなわち、レアショートが発生した場合であっても、過電流が発生した際のジュール熱によってヒューズの溶断部の温度は上昇する。しかしながら、当該過電流は断続的にしか流れないため、溶断部が完全に溶断されない状態で温度が飽和してしまい、その後も過電流が断続的に流れ続ける。また、レアショートが発生した部位ではアークによる発熱のため、電線が発煙し、最悪の場合には火災に至る。更に、デッドショートによりヒューズ33が溶断された場合、当該ヒューズ33を交換する必要があるため、メンテナンスも必要となる。また、バッテリの寿命向上や、オルタネータの発電制限のためにバッテリ電圧監視機構をバッテリ−オルタネータ間に追加する場合があるが、コストアップの原因となる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、バッテリとオルタネータ間の配線において、デッドショート若しくはレアショートが発生した場合であっても、負荷(電気部品)等を保護することができる回路保護装置を提供することにある。更なる目的は、メンテナンスの手間がかからず、しかもバッテリ充放電を監視する機能を有する回路保護装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、回路保護装置に係る請求項1に記載の発明は、バッテリとオルタネータとの間の配線に接続された第1のスイッチング手段と、前記第1のスイッチング手段の前記バッテリ側の電圧を検出する第1の電圧検出手段と、前記第1のスイッチング手段の前記オルタネータ側の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、前記配線における所定の位置に接続され、前記配線を流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段が検出した電流に基づいてデッドショート又はレアショートの過電流であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定が、デッドショート又はレアショートの過電流でないとしたときは、前記第1の電圧検出手段により検出された電圧と前記第2の電圧検出手段により検出された電圧とを比較し当該検出された電圧が高い方から低い方へ前記電流が流れるように駆動制御若しくは限流制御する第1の指示を前記第1のスイッチング手段に対して出力し、前記判定手段の判定がデッドショート又はレアショートの過電流であるとしたときは、前記電流を遮断する第2の指示を前記第1のスイッチング手段に対して出力する制御手段を備えたことを要旨とした。
【0007】
また、同じく請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回路保護装置において、前記オルタネータ及び第1のスイッチング手段の間の配線と、前記バッテリ若しくは前記オルタネータから供給される電力にて駆動される負荷との間に接続された第2のスイッチング手段を更に備え、前記制御手段は、オルタネータ側の電圧が、バッテリ側の電圧よりも高く、前記第2の電圧検出手段により検出された電圧が過充電判定値に達した場合、電力の供給を停止若しくは抑制する第3の指示を前記第1のスイッチング手段に対して出力するとともに、前記負荷への電力の供給を停止若しくは抑制する第4の指示を前記第2のスイッチング手段に対して出力することを要旨とした。
【0008】
また、同じく請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の回路保護装置において、前記制御手段は、前記バッテリに設けられ当該バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段により検出されたバッテリの温度に基づいて前記過充電判定値を変化させることを要旨とした。
【0009】
また、同じく請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の回路保護装置において、制御状態に関する情報に基づいて前記制御手段の制御状態を通知する状態通知手段を更に備え、前記制御手段は、生成した前記指示の内容に基づいて制御状態に関する情報を前記状態通知手段に送信することを要旨とした。
【0010】
また、同じく請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の回路保護装置において、前記限流制御は、PWM制御であることを要旨とした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を自動車に使用されるバッテリ−オルタライン用の回路保護装置(以下、回路保護装置11という)に具体化した一実施形態を図1に従って説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る回路保護装置11には検出部と制御部とが備えられている。前記検出部は、第1の電圧検出手段としてのバッテリ電圧検出器12、第2の電圧検出手段としてのオルタネータ電圧検出器13、及び電流検出手段としての電流検出器14により構成されている。そして、前記制御部は、第1のスイッチング手段としてのスイッチ回路15、第2のスイッチング手段としてのスイッチ回路16、制御手段としてのマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)17、及び状態通知手段としての表示パネル18により構成されている。
【0013】
前記マイコン17は、中央処理装置(以下、CPUという)19、制御プログラム等を記録した読み出し専用メモリ(以下、ROMという)20、各種データを一時的に記録する読み出し及び書き込み可能なメモリ(以下、RAMという)21、そしてI/Oインターフェイス22を含んで構成されている。なお、ROM20には、スイッチ回路15を所定の周波数(例えば5MHz)及び所定の条件により適宜変更可能なデューティ比でオンオフ制御(PWM制御(Pulse Width Modulation、パルス幅変調制御)等)するための制御プログラム等が記録されている。CPU19からはバッテリ電圧検出器12,オルタネータ電圧検出器13により検出される電圧に応じた信号、及び電流検出器14により検出される電流値に応じた信号に基づいて、スイッチ回路15,16に対して当該スイッチ回路15,16を制御する制御信号が出力される。
【0014】
前記バッテリ電圧検出器12は、バッテリ23−電流検出器14間の配線24aとマイコン17との間に接続されている。前記バッテリ電圧検出器12によりバッテリ23側の電圧Vbが検出される。そして、検出された電圧Vbはバッテリ電圧検出器12内の図示しないA/D変換器によりデジタル信号に変換され、所定の時間間隔(本実施形態では0.1ms)でCPU19へと出力される。
【0015】
前記オルタネータ電圧検出器13はオルタネータ25−スイッチ回路15間の配線24bとマイコン17との間に接続されている。そして、前記オルタネータ電圧検出器13によりオルタネータ25側の電圧Vaが検出される。検出された電圧Vaは、オルタネータ電圧検出器13内の図示しないA/D変換器によりデジタル信号に変換され、所定の時間間隔(本実施形態では0.1ms)でCPU19へと出力される。
【0016】
前記電流検出器14は、バッテリ23とスイッチ回路15との間に接続されている。前記電流検出器14は、バッテリ23とスイッチ回路15との間に接続された図示しないシャント抵抗の両端電圧の検出出力を、図示しない差動増幅回路にて増幅される電圧信号として出力する公知の回路により構成されている。そして、前記電圧信号は、電流検出器14内の図示しないA/D変換器によりデジタル信号に変換され、所定の時間間隔(本実施形態では0.1ms)でCPU19へと出力される。またCPU19により、前記電流検出器14で検出され、入力した電圧信号に基づいて配線24に流れる電流の電流値Iが推定される。
【0017】
前記スイッチ回路15は、バッテリ23−オルタネータ25間に直列に接続されている。そして、前記スイッチ回路15は、MOSFET26a,26bにより構成されている。MOSFET26aとMOSFET26bとは並列に接続されている。すなわち、MOSFET26aのドレイン電極DとMOSFET26bのソース電極Sとがバッテリ23側の配線24aに接続されており、MOSFET26aのソース電極SとMOSFET26bのドレイン電極Dとがオルタネータ25側の配線24bに接続されている。また、MOSFET26a,26bのゲート電極Gは、I/Oインターフェイス22を介してCPU19と接続されている。すなわち、MOSFET26a,26bはCPU19から出力される制御信号により駆動制御又は限流制御(本実施形態ではPWM制御)される構成となっている。
【0018】
前記スイッチ回路16は、オルタネータ25側の配線24bと、バッテリ23若しくはオルタネータ25から供給される電力にて駆動される負荷27との間に接続されており、MOSFET28により構成されている。MOSFET28のドレイン電極Dは配線24bに接続されており、一方、ソース電極Sは負荷27に接続されている。また、ゲート電極GはI/Oインターフェイス22を介してCPU19と接続されている。すなわち、MOSFET28はCPU19から出力される制御信号により駆動制御される。
【0019】
前記表示パネル18は液晶(LCD)ディスプレイ等によって構成されており、CPU19から出力される回路保護装置11の諸情報(制御状態、異常の発生等)をユーザに通知できるように構成されている。例えば、回路保護装置11が正常に動作している場合には何も表示されず、バッテリ23が過充電若しくは過放電状態であると判断された場合にはその旨のメッセージが表示される。
【0020】
また、CPU19には、I/Oインターフェイス22を介してバッテリ温度検出手段としてのバッテリ温度センサ29が接続されている。前記バッテリ温度センサ29は、バッテリ23内に設けられている。そして、バッテリ温度センサ29によりバッテリ23内の液温Tbが検出される。検出されたバッテリ23内の液温Tbは、バッテリ温度センサ29内の図示しないA/D変換器によりデジタル信号に変換され、所定の時間間隔(本実施形態では0.1ms)でCPU19へと出力される。
【0021】
次に、以上のように構成された本実施形態における回路保護装置11の作用について説明する。
本実施形態における回路保護装置11が搭載された自動車の電源装置において、エンジンが始動されるとオルタネータ25の回転数が上昇し、当該オルタネータ25の発電電圧(本実施形態では24V)が急速に立ち上がる。そして、オルタネータ25にて発電された電力は負荷27に供給されるとともに、オルタネータ25の電圧Vaがバッテリ23の電圧Vbを越えた場合、スイッチ回路15を介してオルタネータ25からバッテリ23に充電電流が流れ、バッテリ23の充電が図られる。一方、オルタネータ電圧により十分な電力が得られない場合には、バッテリ23からスイッチ回路15を介して放電電流が流れ、負荷27に電力が供給される。
【0022】
一方、判定手段としてのCPU19ではROM20に記憶されている制御プログラムが所定の時間間隔(本実施形態では0.1ms)で繰り返し実行される。この制御プログラムにより、予め設定されている過充電判定値としての第3閾値V3とオルタネータ電圧検出器13により検出された電圧Vaとの比較、及び第1閾値V1,第2閾値V2とバッテリ電圧検出器12により検出された電圧Vbとの比較が実行される。また、バッテリ電圧検出器12により検出された電圧Vbと,オルタネータ電圧検出器13により検出された電圧Vaとの比較が実行される。また、ROM20に予め設定されている過電流判定値Irefと、電流検出器14により検出された電流値Iとの比較が実行される。そして、各比較結果は、一旦RAM21に記憶され以下に説明する制御動作に用いられる。なお、CPU19では、電流検出器14により検出された電流値Iに基づいて過電流であるか否か等の判定が実行される。
【0023】
以下、回路保護装置11により得られた上記各比較結果等に基づいて実行される制御動作を説明する。
(a)電流値Iが過電流判定値Iref以下の場合
(a−1) Vb>Va:バッテリ側の電圧Vbがオルタネータ側の電圧Vaよりも高い場合
ここでは、例えば、オルタネータ25が発電駆動を停止し、バッテリ23の電圧Vbが放電終止電圧Veに達していない場合を想定して説明する。なお、放電終止電圧Veは、これ以上放電を続けた場合、バッテリ23がその後充放電を実施できなくなる電圧である。
【0024】
電流検出器14により検出された電流値Iが過電流判定値Iref以下の場合、バッテリ電圧検出器12により検出された電圧Vbとオルタネータ電圧検出器13により検出された電圧Vaとの比較結果に基づいた制御が実行される。すなわち、比較された両電圧Va,Vbが高い電圧側から低い電圧側へと電流が流れるように、CPU19からスイッチ回路15に対し制御信号が出力される(第1の指示)。なお、過電流判定値Irefは、通常の充電電流や負荷に電力が供給される際に通常流れる電流の大きさであり、この過電流判定値Irefを超える電流は、過電流(デッドショートやレアショート時の過電流)であると判定するための大きさに設定されている。
【0025】
すなわち、バッテリ23側の電圧Vbがオルタネータ25側の電圧Vaより高い場合(Vb>Va)、バッテリ23から負荷27に電力を供給するためにMOSFET26aのゲート電極Gに対して電流が流れるのを許容するオン信号(Lレベル(本実施形態では0V))がCPU19から入力される。そして、MOSFET26bのゲート電極Gに対して電流が流れるのを遮断するオフ信号(Hレベル(本実施形態では12V))がCPU19から入力される。このオン信号及びオフ信号は第1の指示に相当する。
【0026】
また、MOSFET28に対しCPU19からオン信号が入力されることでスイッチ回路16が導通される。したがって、バッテリ23からMOSFET26aを介して負荷27に放電電流が流れる。
【0027】
このようにバッテリ23により放電されると電圧Vbが下がっていくが、この放電中に、バッテリ23の電圧Vbが第1閾値V1以下になると、電圧Vbが、放電終止電圧Veに近くなっているとして、下記の制御が実行される。
【0028】
すなわち、CPU19からスイッチ回路15に対し、バッテリ23−オルタネータ25間を流れる電流を限流制御(制限制御)する制御信号が出力される。具体的には以下の制御が実行される。MOSFET26aのゲート電極Gに対して所定の周波数及び所定のデューティ比のオンオフ信号が入力される。これによりPWM制御が実行される。また、MOSFET26bのゲート電極Gに対してオフ信号が入力される。これらのデューティ比のオンオフ信号及びオフ信号は第1の指示に相当する。なお、MOSFET28に対しCPU19からオン信号が入力されることでスイッチ回路16が導通される。この結果、放電電流が限流され、電圧Vbの低下が抑制される。この限流制御と同時に、CPU19により、表示パネル18には第1閾値V1に電圧Vbが達した旨のメッセージが表示される。
【0029】
さらに、バッテリ23により放電が実施されると電圧Vbが下がっていくが、この放電中に、バッテリ23の電圧Vbが第2閾値V2(<V1)に達する(Vb=V2)と、電圧Vbがさらに放電終止電圧Ve(<V2)に近くなっているとして、下記の制御が実行される。
【0030】
前記第1の指示に換えてCPU19からスイッチ回路15,16に対し、電流を遮断する制御信号が出力される。すなわち、MOSFET26b,28のゲート電極Gに対してオフ信号が入力される。この制御信号の出力と同時に、CPU19により、表示パネル18には、第2閾値V2に電圧Vbが達した旨のメッセージが表示される。このような制御により、バッテリ23からの放電電流が遮断され、過放電の防止が図られる。
【0031】
(a−2) Va>Vb:オルタネータ側の電圧がバッテリ側の電圧よりも高い場合
(a−2−1)Va<V3
ここでは、例えば、オルタネータ25が発電駆動をし、バッテリ23の電圧Vbが放電終止電圧Veに達していない場合を想定して説明する。
【0032】
オルタネータ25側の電圧Vaがバッテリ23側の電圧Vbより高い場合、オルタネータ25からバッテリ23を充電するためにMOSFET26bのゲート電極Gに対してオン信号が入力される。そして、MOSFET26aのゲート電極Gに対して電流が流れるのを遮断するオフ信号が入力され、MOSFET26aがオフされる。このオン信号及びオフ信号は第1の指示に相当する。なお、MOSFET28に対しCPU19からオン信号が入力されることでスイッチ回路16が導通される。
【0033】
したがって、オルタネータ25から、MOSFET26bを介してバッテリ23に充電電流が流れるとともに負荷27に対し電力が供給される。そして、オルタネータ25の駆動によって、オルタネータ25側の電圧Vaが第3閾値V3に達する迄は、バッテリ23は前記充電電流により充電される。なお、第3閾値V3は、バッテリ23にとって過充電となる電圧であり、負荷27にとっても好ましくない電圧である。
【0034】
(a−2−2)Va≧V3
一方、オルタネータ25の駆動によって、オルタネータ25側の電圧Vaが、第3閾値V3に達した場合、これ以上の充電は、バッテリ23にとって過充電になり、かつ、負荷27にとっても好ましくない電圧である。このため、第1,第2の指示より優先的に、バッテリ23が過充電されるのを防止するため、バッテリ23−オルタネータ25間の電力の供給を停止するために、CPU19からスイッチ回路15のMOSFET26a,MOSFET26bにオフ信号が出力される(第3の指示)。この結果、MOSFET26a,26bがオフされ、充電電流が遮断される。
【0035】
また、CPU19からスイッチ回路16のMOSFET28に対し、負荷27に供給される電流(電力)を遮断するため、オフ信号が出力される(第4の指示)。この結果、MOSFET28がオフされる。そして、CPU19により、表示パネル18には、第3閾値V3にオルタネータ側の電圧Vaが達した旨のメッセージが表示される。
【0036】
(b)電流値Iが過電流判定値Irefを超えた場合
電流値Iが過電流判定値Irefを超えた場合、以下の制御が実行される。
CPU19において電流値Iが基準となる電流値を超えた連続時間、すなわち過電流の継続時間がカウントされる。そして、当該過電流の継続時間がROM20に予め設定されている所定時間Tを超えた時点で、デッドショートであると判断し、CPU19からスイッチ回路15に対しバッテリ23−オルタネータ25間を流れる電流を遮断するための制御信号が出力される(第2の指示)。具体的には、CPU19からオフ信号がMOSFET26a,26bに入力される。また、MOSFET28にCPU19からオフ信号が入力される。この結果、MOSFET26a,26b,28がオフされ、電流が遮断される。そして、CPU19により、表示パネル18には、デッドショートが発生した旨のメッセージが表示される。
【0037】
また、CPU19では、電流値Iが過電流判定値Irefを超えてはいるが、前記所定時間Tに達する前に電流値Iが過電流判定値Iref未満になった場合、電流値Iが過電流判定値Irefを超えた回数のカウントが実行される。
【0038】
そして、デッドショートと判断されなかった場合、CPU19は、予め設定されたカウント回数積算時間Tm(本実施形態では、例えば数秒)内において、所定時間T未満でしか電流値Iが過電流判定値Irefを超えなかった過電流の発生回数がカウントされる。そして、前記カウント回数積算時間Tm内に発生した過電流の発生回数が所定回数(本実施形態では5回)を超えた場合、レアショートであると判断され、CPU19からスイッチ回路15に対しバッテリ23−オルタネータ25間を流れる電流を遮断するための信号が出力される。すなわち、CPU19からスイッチ回路15のMOSFET26a,MOSFET26bにオフ信号が出力される(第2の指示)。また、MOSFET28にCPU19からオフ信号が入力される。この結果、MOSFET26a,26bがオフされ、電流が遮断される。また、CPU19からスイッチ回路16のMOSFET28に対し、負荷27に供給される電流を遮断するため、オフ信号が出力される。この結果、MOSFET28がオフされる。そして、CPU19により、表示パネル18にはレアショートが発生した旨のメッセージが表示される。
【0039】
(c)液温Tbが変化した場合
バッテリ23の充電時において、バッテリ温度センサ29により検出されたバッテリ23の液温Tbが変化した場合、この変化に伴い第3閾値V3が適宜修正される。すなわち、バッテリ23の液温Tbが高くなった場合、第3閾値V3は低い値へと修正され、逆にバッテリ23の液温Tbが低くなった場合、第3閾値V3は高い値へと修正される。その一例としては、CPU19により、バッテリ23の液温Tbが所定の基準温度Tbaseより5℃高くなる毎に第3閾値V3の値が1V低下され、逆に基準温度Tbaseより5℃低くなる毎に第3閾値V3の値が1V上昇される。そして、CPU19により、表示パネル18には、バッテリ23の液温Tbの変化情報が逐次表示される。
【0040】
上記実施形態の回路保護装置11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、電流検出器14により検出された電流値Iが過電流判定値Iref以下の場合、検出された電圧Va,Vbが高い方から低い方へと電流が流れるように、CPU19からスイッチ回路15に対して駆動制御するオン信号を出力する。また、バッテリ23の電圧Vbが第1閾値V1以下になると、電圧Vbが、放電終止電圧Veに近くなっているとして、バッテリ23−オルタネータ25間を流れる電流を限流する制御信号を出力するようにした。これにより、バッテリ23からの放電が抑制される。したがって、バッテリ23の過放電状態を防止することができる。また、電流値Iが過電流判定値Irefを超えた場合、デッドショート又はレアショートが判定されると、CPU19からスイッチ回路15に対して電流を遮断するオフ信号を出力するようにした。したがって、デッドショート及びレアショートが発生した場合であっても電流を遮断することができるため、電線負荷等を保護することができる。また、スイッチ回路15はヒューズのように物理的に破損して回路を遮断するものではなく、電気的に回路を遮断するため、部品を交換する必要がなく、メンテナンスの手間を省くことができる。
【0041】
(2)上記実施形態では、オルタネータ電圧検出器13により検出された電圧Vaが第3閾値V3に達した場合、CPU19からスイッチ回路15に対しバッテリ23−オルタネータ25間の電力を停止するオフ信号を出力するようにした。したがって、オルタネータ25からバッテリ23に過度な充電電流が流れるのを防止することができる。更に、スイッチ回路16に対して負荷27への電力の供給を停止するオフ信号を出力するようにした。したがって、負荷27に過度な電力が供給されるのを防止することができる。
【0042】
(3)上記実施形態では、バッテリ温度センサ29により検出された液温Tbが高くなった場合、第3閾値V3は低い値へと修正し、逆にバッテリ23の液温Tbが低くなった場合、第3閾値V3は高い値へと修正するようにした。すなわち、液温Tbの上昇により、バッテリ23の電圧Vaが高めに出力されるため、好適な充電ができなくなる。そこで、第3閾値V3を低く設定し、液温Tbの上昇に伴ってバッテリ23の充電を抑制するようにした。したがって、バッテリ23の状態に応じた充電を実現でき、また、バッテリ23の能力を効果的に発揮することが可能となる。
【0043】
(4)上記実施形態では、表示パネル18により回路保護装置11の異常状態(デッドショート及びレアショートの発生等)を告知するメッセージを表示するようにした。したがって、ユーザは故障若しくは故障の虞があることを認識することができる。
【0044】
(5)上記実施形態では、スイッチ回路15においてPWM制御を実行することにより、バッテリ23−オルタネータ25間に流れる電流を制限するようにした。したがって、バッテリ23の過放電を効果的に制限することができる。
【0045】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、回路保護装置11は表示パネル18を備えて構成されていた。しかしながら、表示パネル18を回路保護装置11の外部に構成し、回路保護装置11が備えるマイコン17から表示パネル18に対して制御状態に関する情報を表示する指令信号を送信するようにしてもよい。
【0046】
○上記実施形態では、ユーザに回路保護装置11の状態を通知する手段として、表示パネル18を用いたが、これに限られることはない。例えば、スピーカ等から警告音を発するようにしてもよいし、その他、ユーザが回路保護装置11の状態を知り得ることができるものであればよい。
【0047】
○上記実施形態では、バッテリ温度センサ29によりバッテリ23内の液温Tbを検出したが、バッテリ23の温度を直接測定するようにしてもよい。
○上記実施形態では、スイッチ回路15,16として、MOSFETを採用したが、これに限られることはない。例えば、バイポーラトランジスタ、若しくはリレーであってもよい。
【0048】
○上記実施形態では、MOSFET26a,26bがCPU19によりPWM制御される例を示したが、これに限定されることはない。例えば、PAM制御(Pulse Amplitude Modulation、パルス電圧振幅制御)されるものであってもよい。
【0049】
○上記実施形態では、電流検出器14を、バッテリ23とスイッチ回路15との間に接続した。しかしながら、バッテリ23−オルタネータ25間であれば接続する位置が制限されることはない。
【0050】
○上記実施形態では、過電流の保護は、過電流判定値Irefを参照することで行ったが、これに限られることはない。例えば、バッテリ23が発する熱量の累積値をマイコン17により加算及び記憶させ、当該熱量の累積値が所定の値を超えた場合にデッドショート又はレアショートが発生したと判定し、CPU19からスイッチ回路15に対して電圧を停止又は抑制する信号を出力するようにしてもよい。
【0051】
○上記実施形態では、CPU19とは別にバッテリ電圧検出器12とオルタネータ電圧検出器13とを設けたが、CPU19にバッテリ電圧検出器12、オルタネータ電圧検出器13の機能を備えさせてもよい。
【0052】
○上記実施形態では、オルタネータ25側の電圧Vaが第3閾値V3より高くなった場合、CPU19からスイッチ回路15に対しバッテリ23−オルタネータ25間を流れる電流を遮断する指示を出力するとともに、スイッチ回路16に対し負荷27に供給される電力を停止するための指示を出力するようにした。しかしながら、これに限られることはなく、CPU19はスイッチ回路15,16のいずれか一方に指示(制御信号)を出力するようにしてもよい。
【0053】
○上記実施形態では、オルタネータ25側の電圧Vaが、第3閾値V3に達した場合、バッテリ23−オルタネータ25間の電力の供給を停止するために、CPU19からスイッチ回路15のMOSFET26a,MOSFET26bにオフ信号を出力するようにした。しかしながら、これに限られることはなく、電力を抑制する制御信号をCPU19からスイッチ回路15のMOSFET26a,MOSFET26bに対して出力するようにしてもよい。また、バッテリ23−オルタネータ25間を流れる電流を遮断若しくは限流制御(制限制御)するようにしてもよい。
【0054】
○上記実施形態では、負荷27に供給される電力を遮断するため、CPU19からスイッチ回路16のMOSFET28に対し、オフ信号を出力するようにした。しかしながら、これに限られることはなく、電力を抑制する制御信号をCPU19からスイッチ回路16のMOSFET28に対して出力するようにしてもよい。
【0055】
○上記実施形態では、オルタネータ電圧検出器13により検出された電圧Vaが第3閾値V3を超えた場合、第1,第2の指示より優先的に、バッテリ23が過充電されるのを防止するためCPU19からスイッチ回路15に対し、電流を遮断する制御信号を出力するようにした。しかしながら、第1,第2の指示を第3の指示より優先させて実行するようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、バッテリとオルタネータ間の回路にデッドショート若しくはレアショートが発生した場合であっても、電線負荷等を保護することができる。また、従来と異なり、ヒューズ交換というメンテナンスの手間がかからない効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の回路保護装置の概略説明図。
【図2】従来の回路保護装置の説明図。
【符号の説明】
12 第1の電圧検出手段としてのバッテリ電圧検出器
13 第2の電圧検出手段としてのオルタネータ電圧検出器
14 電流検出手段としての電流検出器
15 第1のスイッチング手段としてのスイッチ回路
16 第2のスイッチング手段としてのスイッチ回路
17 制御手段としてのマイクロコンピュータ
18 状態通知手段としての表示パネル
19 判定手段としてのCPU
23 バッテリ
24,24a,24b 配線
25 オルタネータ
27 負荷
29 バッテリ温度検出手段としてのバッテリ温度センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車や産業車両等に搭載される回路保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車等のバッテリと電気部品(負荷)間の回路には、回路の短絡時や負荷異常時等に流れる過電流(異常電流)から電線、負荷を保護するために、バッテリと電気部品との間にヒューズ等の過電流保護装置が設けられている。例えば図2に示す回路において、配線30に連続的に過電流が流れた場合(いわゆるデッドショートが発生した場合)、バッテリ31とオルタネータ32との間に接続されたヒューズ33が溶断することでデッドショートを回避し、配線30の保護を図ることができる。また、バッテリ−オルタネータ間の回路には、ヒューズ等の過電流保護装置が設けられるとともに(例えば、特許文献1参照)、バッテリの寿命向上や燃費向上のためにバッテリの充放電を監視する機構が設けられている。ヒューズは自動車の電気系統中に多数使用されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−187545号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図2に示すようなヒューズ33を備えた回路においては、短時間で断続的に過電流(短絡電流)が流れる、いわゆるレアショートが発生した場合、ヒューズ33が溶断されない場合がある。すなわち、レアショートが発生した場合であっても、過電流が発生した際のジュール熱によってヒューズの溶断部の温度は上昇する。しかしながら、当該過電流は断続的にしか流れないため、溶断部が完全に溶断されない状態で温度が飽和してしまい、その後も過電流が断続的に流れ続ける。また、レアショートが発生した部位ではアークによる発熱のため、電線が発煙し、最悪の場合には火災に至る。更に、デッドショートによりヒューズ33が溶断された場合、当該ヒューズ33を交換する必要があるため、メンテナンスも必要となる。また、バッテリの寿命向上や、オルタネータの発電制限のためにバッテリ電圧監視機構をバッテリ−オルタネータ間に追加する場合があるが、コストアップの原因となる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、バッテリとオルタネータ間の配線において、デッドショート若しくはレアショートが発生した場合であっても、負荷(電気部品)等を保護することができる回路保護装置を提供することにある。更なる目的は、メンテナンスの手間がかからず、しかもバッテリ充放電を監視する機能を有する回路保護装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、回路保護装置に係る請求項1に記載の発明は、バッテリとオルタネータとの間の配線に接続された第1のスイッチング手段と、前記第1のスイッチング手段の前記バッテリ側の電圧を検出する第1の電圧検出手段と、前記第1のスイッチング手段の前記オルタネータ側の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、前記配線における所定の位置に接続され、前記配線を流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段が検出した電流に基づいてデッドショート又はレアショートの過電流であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定が、デッドショート又はレアショートの過電流でないとしたときは、前記第1の電圧検出手段により検出された電圧と前記第2の電圧検出手段により検出された電圧とを比較し当該検出された電圧が高い方から低い方へ前記電流が流れるように駆動制御若しくは限流制御する第1の指示を前記第1のスイッチング手段に対して出力し、前記判定手段の判定がデッドショート又はレアショートの過電流であるとしたときは、前記電流を遮断する第2の指示を前記第1のスイッチング手段に対して出力する制御手段を備えたことを要旨とした。
【0007】
また、同じく請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回路保護装置において、前記オルタネータ及び第1のスイッチング手段の間の配線と、前記バッテリ若しくは前記オルタネータから供給される電力にて駆動される負荷との間に接続された第2のスイッチング手段を更に備え、前記制御手段は、オルタネータ側の電圧が、バッテリ側の電圧よりも高く、前記第2の電圧検出手段により検出された電圧が過充電判定値に達した場合、電力の供給を停止若しくは抑制する第3の指示を前記第1のスイッチング手段に対して出力するとともに、前記負荷への電力の供給を停止若しくは抑制する第4の指示を前記第2のスイッチング手段に対して出力することを要旨とした。
【0008】
また、同じく請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の回路保護装置において、前記制御手段は、前記バッテリに設けられ当該バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段により検出されたバッテリの温度に基づいて前記過充電判定値を変化させることを要旨とした。
【0009】
また、同じく請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の回路保護装置において、制御状態に関する情報に基づいて前記制御手段の制御状態を通知する状態通知手段を更に備え、前記制御手段は、生成した前記指示の内容に基づいて制御状態に関する情報を前記状態通知手段に送信することを要旨とした。
【0010】
また、同じく請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の回路保護装置において、前記限流制御は、PWM制御であることを要旨とした。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を自動車に使用されるバッテリ−オルタライン用の回路保護装置(以下、回路保護装置11という)に具体化した一実施形態を図1に従って説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る回路保護装置11には検出部と制御部とが備えられている。前記検出部は、第1の電圧検出手段としてのバッテリ電圧検出器12、第2の電圧検出手段としてのオルタネータ電圧検出器13、及び電流検出手段としての電流検出器14により構成されている。そして、前記制御部は、第1のスイッチング手段としてのスイッチ回路15、第2のスイッチング手段としてのスイッチ回路16、制御手段としてのマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)17、及び状態通知手段としての表示パネル18により構成されている。
【0013】
前記マイコン17は、中央処理装置(以下、CPUという)19、制御プログラム等を記録した読み出し専用メモリ(以下、ROMという)20、各種データを一時的に記録する読み出し及び書き込み可能なメモリ(以下、RAMという)21、そしてI/Oインターフェイス22を含んで構成されている。なお、ROM20には、スイッチ回路15を所定の周波数(例えば5MHz)及び所定の条件により適宜変更可能なデューティ比でオンオフ制御(PWM制御(Pulse Width Modulation、パルス幅変調制御)等)するための制御プログラム等が記録されている。CPU19からはバッテリ電圧検出器12,オルタネータ電圧検出器13により検出される電圧に応じた信号、及び電流検出器14により検出される電流値に応じた信号に基づいて、スイッチ回路15,16に対して当該スイッチ回路15,16を制御する制御信号が出力される。
【0014】
前記バッテリ電圧検出器12は、バッテリ23−電流検出器14間の配線24aとマイコン17との間に接続されている。前記バッテリ電圧検出器12によりバッテリ23側の電圧Vbが検出される。そして、検出された電圧Vbはバッテリ電圧検出器12内の図示しないA/D変換器によりデジタル信号に変換され、所定の時間間隔(本実施形態では0.1ms)でCPU19へと出力される。
【0015】
前記オルタネータ電圧検出器13はオルタネータ25−スイッチ回路15間の配線24bとマイコン17との間に接続されている。そして、前記オルタネータ電圧検出器13によりオルタネータ25側の電圧Vaが検出される。検出された電圧Vaは、オルタネータ電圧検出器13内の図示しないA/D変換器によりデジタル信号に変換され、所定の時間間隔(本実施形態では0.1ms)でCPU19へと出力される。
【0016】
前記電流検出器14は、バッテリ23とスイッチ回路15との間に接続されている。前記電流検出器14は、バッテリ23とスイッチ回路15との間に接続された図示しないシャント抵抗の両端電圧の検出出力を、図示しない差動増幅回路にて増幅される電圧信号として出力する公知の回路により構成されている。そして、前記電圧信号は、電流検出器14内の図示しないA/D変換器によりデジタル信号に変換され、所定の時間間隔(本実施形態では0.1ms)でCPU19へと出力される。またCPU19により、前記電流検出器14で検出され、入力した電圧信号に基づいて配線24に流れる電流の電流値Iが推定される。
【0017】
前記スイッチ回路15は、バッテリ23−オルタネータ25間に直列に接続されている。そして、前記スイッチ回路15は、MOSFET26a,26bにより構成されている。MOSFET26aとMOSFET26bとは並列に接続されている。すなわち、MOSFET26aのドレイン電極DとMOSFET26bのソース電極Sとがバッテリ23側の配線24aに接続されており、MOSFET26aのソース電極SとMOSFET26bのドレイン電極Dとがオルタネータ25側の配線24bに接続されている。また、MOSFET26a,26bのゲート電極Gは、I/Oインターフェイス22を介してCPU19と接続されている。すなわち、MOSFET26a,26bはCPU19から出力される制御信号により駆動制御又は限流制御(本実施形態ではPWM制御)される構成となっている。
【0018】
前記スイッチ回路16は、オルタネータ25側の配線24bと、バッテリ23若しくはオルタネータ25から供給される電力にて駆動される負荷27との間に接続されており、MOSFET28により構成されている。MOSFET28のドレイン電極Dは配線24bに接続されており、一方、ソース電極Sは負荷27に接続されている。また、ゲート電極GはI/Oインターフェイス22を介してCPU19と接続されている。すなわち、MOSFET28はCPU19から出力される制御信号により駆動制御される。
【0019】
前記表示パネル18は液晶(LCD)ディスプレイ等によって構成されており、CPU19から出力される回路保護装置11の諸情報(制御状態、異常の発生等)をユーザに通知できるように構成されている。例えば、回路保護装置11が正常に動作している場合には何も表示されず、バッテリ23が過充電若しくは過放電状態であると判断された場合にはその旨のメッセージが表示される。
【0020】
また、CPU19には、I/Oインターフェイス22を介してバッテリ温度検出手段としてのバッテリ温度センサ29が接続されている。前記バッテリ温度センサ29は、バッテリ23内に設けられている。そして、バッテリ温度センサ29によりバッテリ23内の液温Tbが検出される。検出されたバッテリ23内の液温Tbは、バッテリ温度センサ29内の図示しないA/D変換器によりデジタル信号に変換され、所定の時間間隔(本実施形態では0.1ms)でCPU19へと出力される。
【0021】
次に、以上のように構成された本実施形態における回路保護装置11の作用について説明する。
本実施形態における回路保護装置11が搭載された自動車の電源装置において、エンジンが始動されるとオルタネータ25の回転数が上昇し、当該オルタネータ25の発電電圧(本実施形態では24V)が急速に立ち上がる。そして、オルタネータ25にて発電された電力は負荷27に供給されるとともに、オルタネータ25の電圧Vaがバッテリ23の電圧Vbを越えた場合、スイッチ回路15を介してオルタネータ25からバッテリ23に充電電流が流れ、バッテリ23の充電が図られる。一方、オルタネータ電圧により十分な電力が得られない場合には、バッテリ23からスイッチ回路15を介して放電電流が流れ、負荷27に電力が供給される。
【0022】
一方、判定手段としてのCPU19ではROM20に記憶されている制御プログラムが所定の時間間隔(本実施形態では0.1ms)で繰り返し実行される。この制御プログラムにより、予め設定されている過充電判定値としての第3閾値V3とオルタネータ電圧検出器13により検出された電圧Vaとの比較、及び第1閾値V1,第2閾値V2とバッテリ電圧検出器12により検出された電圧Vbとの比較が実行される。また、バッテリ電圧検出器12により検出された電圧Vbと,オルタネータ電圧検出器13により検出された電圧Vaとの比較が実行される。また、ROM20に予め設定されている過電流判定値Irefと、電流検出器14により検出された電流値Iとの比較が実行される。そして、各比較結果は、一旦RAM21に記憶され以下に説明する制御動作に用いられる。なお、CPU19では、電流検出器14により検出された電流値Iに基づいて過電流であるか否か等の判定が実行される。
【0023】
以下、回路保護装置11により得られた上記各比較結果等に基づいて実行される制御動作を説明する。
(a)電流値Iが過電流判定値Iref以下の場合
(a−1) Vb>Va:バッテリ側の電圧Vbがオルタネータ側の電圧Vaよりも高い場合
ここでは、例えば、オルタネータ25が発電駆動を停止し、バッテリ23の電圧Vbが放電終止電圧Veに達していない場合を想定して説明する。なお、放電終止電圧Veは、これ以上放電を続けた場合、バッテリ23がその後充放電を実施できなくなる電圧である。
【0024】
電流検出器14により検出された電流値Iが過電流判定値Iref以下の場合、バッテリ電圧検出器12により検出された電圧Vbとオルタネータ電圧検出器13により検出された電圧Vaとの比較結果に基づいた制御が実行される。すなわち、比較された両電圧Va,Vbが高い電圧側から低い電圧側へと電流が流れるように、CPU19からスイッチ回路15に対し制御信号が出力される(第1の指示)。なお、過電流判定値Irefは、通常の充電電流や負荷に電力が供給される際に通常流れる電流の大きさであり、この過電流判定値Irefを超える電流は、過電流(デッドショートやレアショート時の過電流)であると判定するための大きさに設定されている。
【0025】
すなわち、バッテリ23側の電圧Vbがオルタネータ25側の電圧Vaより高い場合(Vb>Va)、バッテリ23から負荷27に電力を供給するためにMOSFET26aのゲート電極Gに対して電流が流れるのを許容するオン信号(Lレベル(本実施形態では0V))がCPU19から入力される。そして、MOSFET26bのゲート電極Gに対して電流が流れるのを遮断するオフ信号(Hレベル(本実施形態では12V))がCPU19から入力される。このオン信号及びオフ信号は第1の指示に相当する。
【0026】
また、MOSFET28に対しCPU19からオン信号が入力されることでスイッチ回路16が導通される。したがって、バッテリ23からMOSFET26aを介して負荷27に放電電流が流れる。
【0027】
このようにバッテリ23により放電されると電圧Vbが下がっていくが、この放電中に、バッテリ23の電圧Vbが第1閾値V1以下になると、電圧Vbが、放電終止電圧Veに近くなっているとして、下記の制御が実行される。
【0028】
すなわち、CPU19からスイッチ回路15に対し、バッテリ23−オルタネータ25間を流れる電流を限流制御(制限制御)する制御信号が出力される。具体的には以下の制御が実行される。MOSFET26aのゲート電極Gに対して所定の周波数及び所定のデューティ比のオンオフ信号が入力される。これによりPWM制御が実行される。また、MOSFET26bのゲート電極Gに対してオフ信号が入力される。これらのデューティ比のオンオフ信号及びオフ信号は第1の指示に相当する。なお、MOSFET28に対しCPU19からオン信号が入力されることでスイッチ回路16が導通される。この結果、放電電流が限流され、電圧Vbの低下が抑制される。この限流制御と同時に、CPU19により、表示パネル18には第1閾値V1に電圧Vbが達した旨のメッセージが表示される。
【0029】
さらに、バッテリ23により放電が実施されると電圧Vbが下がっていくが、この放電中に、バッテリ23の電圧Vbが第2閾値V2(<V1)に達する(Vb=V2)と、電圧Vbがさらに放電終止電圧Ve(<V2)に近くなっているとして、下記の制御が実行される。
【0030】
前記第1の指示に換えてCPU19からスイッチ回路15,16に対し、電流を遮断する制御信号が出力される。すなわち、MOSFET26b,28のゲート電極Gに対してオフ信号が入力される。この制御信号の出力と同時に、CPU19により、表示パネル18には、第2閾値V2に電圧Vbが達した旨のメッセージが表示される。このような制御により、バッテリ23からの放電電流が遮断され、過放電の防止が図られる。
【0031】
(a−2) Va>Vb:オルタネータ側の電圧がバッテリ側の電圧よりも高い場合
(a−2−1)Va<V3
ここでは、例えば、オルタネータ25が発電駆動をし、バッテリ23の電圧Vbが放電終止電圧Veに達していない場合を想定して説明する。
【0032】
オルタネータ25側の電圧Vaがバッテリ23側の電圧Vbより高い場合、オルタネータ25からバッテリ23を充電するためにMOSFET26bのゲート電極Gに対してオン信号が入力される。そして、MOSFET26aのゲート電極Gに対して電流が流れるのを遮断するオフ信号が入力され、MOSFET26aがオフされる。このオン信号及びオフ信号は第1の指示に相当する。なお、MOSFET28に対しCPU19からオン信号が入力されることでスイッチ回路16が導通される。
【0033】
したがって、オルタネータ25から、MOSFET26bを介してバッテリ23に充電電流が流れるとともに負荷27に対し電力が供給される。そして、オルタネータ25の駆動によって、オルタネータ25側の電圧Vaが第3閾値V3に達する迄は、バッテリ23は前記充電電流により充電される。なお、第3閾値V3は、バッテリ23にとって過充電となる電圧であり、負荷27にとっても好ましくない電圧である。
【0034】
(a−2−2)Va≧V3
一方、オルタネータ25の駆動によって、オルタネータ25側の電圧Vaが、第3閾値V3に達した場合、これ以上の充電は、バッテリ23にとって過充電になり、かつ、負荷27にとっても好ましくない電圧である。このため、第1,第2の指示より優先的に、バッテリ23が過充電されるのを防止するため、バッテリ23−オルタネータ25間の電力の供給を停止するために、CPU19からスイッチ回路15のMOSFET26a,MOSFET26bにオフ信号が出力される(第3の指示)。この結果、MOSFET26a,26bがオフされ、充電電流が遮断される。
【0035】
また、CPU19からスイッチ回路16のMOSFET28に対し、負荷27に供給される電流(電力)を遮断するため、オフ信号が出力される(第4の指示)。この結果、MOSFET28がオフされる。そして、CPU19により、表示パネル18には、第3閾値V3にオルタネータ側の電圧Vaが達した旨のメッセージが表示される。
【0036】
(b)電流値Iが過電流判定値Irefを超えた場合
電流値Iが過電流判定値Irefを超えた場合、以下の制御が実行される。
CPU19において電流値Iが基準となる電流値を超えた連続時間、すなわち過電流の継続時間がカウントされる。そして、当該過電流の継続時間がROM20に予め設定されている所定時間Tを超えた時点で、デッドショートであると判断し、CPU19からスイッチ回路15に対しバッテリ23−オルタネータ25間を流れる電流を遮断するための制御信号が出力される(第2の指示)。具体的には、CPU19からオフ信号がMOSFET26a,26bに入力される。また、MOSFET28にCPU19からオフ信号が入力される。この結果、MOSFET26a,26b,28がオフされ、電流が遮断される。そして、CPU19により、表示パネル18には、デッドショートが発生した旨のメッセージが表示される。
【0037】
また、CPU19では、電流値Iが過電流判定値Irefを超えてはいるが、前記所定時間Tに達する前に電流値Iが過電流判定値Iref未満になった場合、電流値Iが過電流判定値Irefを超えた回数のカウントが実行される。
【0038】
そして、デッドショートと判断されなかった場合、CPU19は、予め設定されたカウント回数積算時間Tm(本実施形態では、例えば数秒)内において、所定時間T未満でしか電流値Iが過電流判定値Irefを超えなかった過電流の発生回数がカウントされる。そして、前記カウント回数積算時間Tm内に発生した過電流の発生回数が所定回数(本実施形態では5回)を超えた場合、レアショートであると判断され、CPU19からスイッチ回路15に対しバッテリ23−オルタネータ25間を流れる電流を遮断するための信号が出力される。すなわち、CPU19からスイッチ回路15のMOSFET26a,MOSFET26bにオフ信号が出力される(第2の指示)。また、MOSFET28にCPU19からオフ信号が入力される。この結果、MOSFET26a,26bがオフされ、電流が遮断される。また、CPU19からスイッチ回路16のMOSFET28に対し、負荷27に供給される電流を遮断するため、オフ信号が出力される。この結果、MOSFET28がオフされる。そして、CPU19により、表示パネル18にはレアショートが発生した旨のメッセージが表示される。
【0039】
(c)液温Tbが変化した場合
バッテリ23の充電時において、バッテリ温度センサ29により検出されたバッテリ23の液温Tbが変化した場合、この変化に伴い第3閾値V3が適宜修正される。すなわち、バッテリ23の液温Tbが高くなった場合、第3閾値V3は低い値へと修正され、逆にバッテリ23の液温Tbが低くなった場合、第3閾値V3は高い値へと修正される。その一例としては、CPU19により、バッテリ23の液温Tbが所定の基準温度Tbaseより5℃高くなる毎に第3閾値V3の値が1V低下され、逆に基準温度Tbaseより5℃低くなる毎に第3閾値V3の値が1V上昇される。そして、CPU19により、表示パネル18には、バッテリ23の液温Tbの変化情報が逐次表示される。
【0040】
上記実施形態の回路保護装置11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、電流検出器14により検出された電流値Iが過電流判定値Iref以下の場合、検出された電圧Va,Vbが高い方から低い方へと電流が流れるように、CPU19からスイッチ回路15に対して駆動制御するオン信号を出力する。また、バッテリ23の電圧Vbが第1閾値V1以下になると、電圧Vbが、放電終止電圧Veに近くなっているとして、バッテリ23−オルタネータ25間を流れる電流を限流する制御信号を出力するようにした。これにより、バッテリ23からの放電が抑制される。したがって、バッテリ23の過放電状態を防止することができる。また、電流値Iが過電流判定値Irefを超えた場合、デッドショート又はレアショートが判定されると、CPU19からスイッチ回路15に対して電流を遮断するオフ信号を出力するようにした。したがって、デッドショート及びレアショートが発生した場合であっても電流を遮断することができるため、電線負荷等を保護することができる。また、スイッチ回路15はヒューズのように物理的に破損して回路を遮断するものではなく、電気的に回路を遮断するため、部品を交換する必要がなく、メンテナンスの手間を省くことができる。
【0041】
(2)上記実施形態では、オルタネータ電圧検出器13により検出された電圧Vaが第3閾値V3に達した場合、CPU19からスイッチ回路15に対しバッテリ23−オルタネータ25間の電力を停止するオフ信号を出力するようにした。したがって、オルタネータ25からバッテリ23に過度な充電電流が流れるのを防止することができる。更に、スイッチ回路16に対して負荷27への電力の供給を停止するオフ信号を出力するようにした。したがって、負荷27に過度な電力が供給されるのを防止することができる。
【0042】
(3)上記実施形態では、バッテリ温度センサ29により検出された液温Tbが高くなった場合、第3閾値V3は低い値へと修正し、逆にバッテリ23の液温Tbが低くなった場合、第3閾値V3は高い値へと修正するようにした。すなわち、液温Tbの上昇により、バッテリ23の電圧Vaが高めに出力されるため、好適な充電ができなくなる。そこで、第3閾値V3を低く設定し、液温Tbの上昇に伴ってバッテリ23の充電を抑制するようにした。したがって、バッテリ23の状態に応じた充電を実現でき、また、バッテリ23の能力を効果的に発揮することが可能となる。
【0043】
(4)上記実施形態では、表示パネル18により回路保護装置11の異常状態(デッドショート及びレアショートの発生等)を告知するメッセージを表示するようにした。したがって、ユーザは故障若しくは故障の虞があることを認識することができる。
【0044】
(5)上記実施形態では、スイッチ回路15においてPWM制御を実行することにより、バッテリ23−オルタネータ25間に流れる電流を制限するようにした。したがって、バッテリ23の過放電を効果的に制限することができる。
【0045】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、回路保護装置11は表示パネル18を備えて構成されていた。しかしながら、表示パネル18を回路保護装置11の外部に構成し、回路保護装置11が備えるマイコン17から表示パネル18に対して制御状態に関する情報を表示する指令信号を送信するようにしてもよい。
【0046】
○上記実施形態では、ユーザに回路保護装置11の状態を通知する手段として、表示パネル18を用いたが、これに限られることはない。例えば、スピーカ等から警告音を発するようにしてもよいし、その他、ユーザが回路保護装置11の状態を知り得ることができるものであればよい。
【0047】
○上記実施形態では、バッテリ温度センサ29によりバッテリ23内の液温Tbを検出したが、バッテリ23の温度を直接測定するようにしてもよい。
○上記実施形態では、スイッチ回路15,16として、MOSFETを採用したが、これに限られることはない。例えば、バイポーラトランジスタ、若しくはリレーであってもよい。
【0048】
○上記実施形態では、MOSFET26a,26bがCPU19によりPWM制御される例を示したが、これに限定されることはない。例えば、PAM制御(Pulse Amplitude Modulation、パルス電圧振幅制御)されるものであってもよい。
【0049】
○上記実施形態では、電流検出器14を、バッテリ23とスイッチ回路15との間に接続した。しかしながら、バッテリ23−オルタネータ25間であれば接続する位置が制限されることはない。
【0050】
○上記実施形態では、過電流の保護は、過電流判定値Irefを参照することで行ったが、これに限られることはない。例えば、バッテリ23が発する熱量の累積値をマイコン17により加算及び記憶させ、当該熱量の累積値が所定の値を超えた場合にデッドショート又はレアショートが発生したと判定し、CPU19からスイッチ回路15に対して電圧を停止又は抑制する信号を出力するようにしてもよい。
【0051】
○上記実施形態では、CPU19とは別にバッテリ電圧検出器12とオルタネータ電圧検出器13とを設けたが、CPU19にバッテリ電圧検出器12、オルタネータ電圧検出器13の機能を備えさせてもよい。
【0052】
○上記実施形態では、オルタネータ25側の電圧Vaが第3閾値V3より高くなった場合、CPU19からスイッチ回路15に対しバッテリ23−オルタネータ25間を流れる電流を遮断する指示を出力するとともに、スイッチ回路16に対し負荷27に供給される電力を停止するための指示を出力するようにした。しかしながら、これに限られることはなく、CPU19はスイッチ回路15,16のいずれか一方に指示(制御信号)を出力するようにしてもよい。
【0053】
○上記実施形態では、オルタネータ25側の電圧Vaが、第3閾値V3に達した場合、バッテリ23−オルタネータ25間の電力の供給を停止するために、CPU19からスイッチ回路15のMOSFET26a,MOSFET26bにオフ信号を出力するようにした。しかしながら、これに限られることはなく、電力を抑制する制御信号をCPU19からスイッチ回路15のMOSFET26a,MOSFET26bに対して出力するようにしてもよい。また、バッテリ23−オルタネータ25間を流れる電流を遮断若しくは限流制御(制限制御)するようにしてもよい。
【0054】
○上記実施形態では、負荷27に供給される電力を遮断するため、CPU19からスイッチ回路16のMOSFET28に対し、オフ信号を出力するようにした。しかしながら、これに限られることはなく、電力を抑制する制御信号をCPU19からスイッチ回路16のMOSFET28に対して出力するようにしてもよい。
【0055】
○上記実施形態では、オルタネータ電圧検出器13により検出された電圧Vaが第3閾値V3を超えた場合、第1,第2の指示より優先的に、バッテリ23が過充電されるのを防止するためCPU19からスイッチ回路15に対し、電流を遮断する制御信号を出力するようにした。しかしながら、第1,第2の指示を第3の指示より優先させて実行するようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、バッテリとオルタネータ間の回路にデッドショート若しくはレアショートが発生した場合であっても、電線負荷等を保護することができる。また、従来と異なり、ヒューズ交換というメンテナンスの手間がかからない効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の回路保護装置の概略説明図。
【図2】従来の回路保護装置の説明図。
【符号の説明】
12 第1の電圧検出手段としてのバッテリ電圧検出器
13 第2の電圧検出手段としてのオルタネータ電圧検出器
14 電流検出手段としての電流検出器
15 第1のスイッチング手段としてのスイッチ回路
16 第2のスイッチング手段としてのスイッチ回路
17 制御手段としてのマイクロコンピュータ
18 状態通知手段としての表示パネル
19 判定手段としてのCPU
23 バッテリ
24,24a,24b 配線
25 オルタネータ
27 負荷
29 バッテリ温度検出手段としてのバッテリ温度センサ
Claims (5)
- バッテリとオルタネータとの間の配線に接続された第1のスイッチング手段と、前記第1のスイッチング手段の前記バッテリ側の電圧を検出する第1の電圧検出手段と、前記第1のスイッチング手段の前記オルタネータ側の電圧を検出する第2の電圧検出手段と、
前記配線における所定の位置に接続され、前記配線を流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段が検出した電流に基づいてデッドショート又はレアショートの過電流であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定が、デッドショート又はレアショートの過電流でないとしたときは、前記第1の電圧検出手段により検出された電圧と前記第2の電圧検出手段により検出された電圧とを比較し当該検出された電圧が高い方から低い方へ前記電流が流れるように駆動制御若しくは限流制御する第1の指示を前記第1のスイッチング手段に対して出力し、前記判定手段の判定がデッドショート又はレアショートの過電流であるとしたときは、前記電流を遮断する第2の指示を前記第1のスイッチング手段に対して出力する制御手段を備えたことを特徴とする回路保護装置。 - 前記オルタネータ及び第1のスイッチング手段の間の配線と、前記バッテリ若しくは前記オルタネータから供給される電力にて駆動される負荷との間に接続された第2のスイッチング手段を更に備え、
前記制御手段は、オルタネータ側の電圧が、バッテリ側の電圧よりも高く、前記第2の電圧検出手段により検出された電圧が過充電判定値に達した場合、電力の供給を停止若しくは抑制する第3の指示を前記第1のスイッチング手段に対して出力するとともに、前記負荷への電力の供給を停止若しくは抑制する第4の指示を前記第2のスイッチング手段に対して出力することを特徴とする請求項1に記載の回路保護装置。 - 前記制御手段は、前記バッテリに設けられ当該バッテリの温度を検出するバッテリ温度検出手段により検出されたバッテリの温度に基づいて前記過充電判定値を変化させることを特徴とする請求項2に記載の回路保護装置。
- 制御状態に関する情報に基づいて前記制御手段の制御状態を通知する状態通知手段を更に備え、
前記制御手段は、生成した前記指示の内容に基づいて制御状態に関する情報を前記状態通知手段に送信することを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の回路保護装置。 - 前記限流制御は、PWM制御であることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の回路保護装置。
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-
2003
- 2003-05-07 JP JP2003129397A patent/JP2004336887A/ja active Pending
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