JP2004335264A - 多方向スイッチ - Google Patents
多方向スイッチ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004335264A JP2004335264A JP2003129634A JP2003129634A JP2004335264A JP 2004335264 A JP2004335264 A JP 2004335264A JP 2003129634 A JP2003129634 A JP 2003129634A JP 2003129634 A JP2003129634 A JP 2003129634A JP 2004335264 A JP2004335264 A JP 2004335264A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- contact
- spring
- plunger
- tact
- contact spring
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Switches With Compound Operations (AREA)
Abstract
【課題】携帯電話、ビデオカメラ等の操作用の多方向スイッチを、従来よりも簡素化、小型化、薄型化する。
【解決手段】基板11を底部とするケースの中に、1個のタクトばね14と弾性のある導電材料薄板の接点ばね15を重ねて隔膜17で覆い、その上にプランジャ16を配置する。接点ばねは外周を4本、8本等の腕に分岐させてもよい。プランジャのステム16bを軸方向に下向きに押すと、プランジャが隔膜と接点ばねを介してタクトばねを押し、タクトばねの湾曲が急激に反転して節度を生じ、中央のスイッチ接点が閉じる。ステムを横方向に押すと、プランジャが傾いてタクトばねを反転させて節度を生じるとともに、接点ばねが傾き、腕の先端が基板上の固定接点に接して周辺部のスイッチ接点が閉じ、4方向、8方向等の操作を検出する。接点ばねの腕の弾性変形で接触圧を生じて導通が確実になり、どの方向の動作にもタクトばねが節度感を生む。
【選択図】 図1
【解決手段】基板11を底部とするケースの中に、1個のタクトばね14と弾性のある導電材料薄板の接点ばね15を重ねて隔膜17で覆い、その上にプランジャ16を配置する。接点ばねは外周を4本、8本等の腕に分岐させてもよい。プランジャのステム16bを軸方向に下向きに押すと、プランジャが隔膜と接点ばねを介してタクトばねを押し、タクトばねの湾曲が急激に反転して節度を生じ、中央のスイッチ接点が閉じる。ステムを横方向に押すと、プランジャが傾いてタクトばねを反転させて節度を生じるとともに、接点ばねが傾き、腕の先端が基板上の固定接点に接して周辺部のスイッチ接点が閉じ、4方向、8方向等の操作を検出する。接点ばねの腕の弾性変形で接触圧を生じて導通が確実になり、どの方向の動作にもタクトばねが節度感を生む。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話、ポータブルステレオ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、車載オーディオ等の操作用に組み込まれる多方向スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
多方向スイッチは複数のスイッチ接点を備えていて、操作部に加えられる力の着力点や方向によって、それらのスイッチ接点のうちのあるものが選択されて動作するように構成されており、操作の違いに応じて何通りかの異なる信号を出力する。操作方法として、例えば直立に設けてある操作レバーあるいはステムを前後左右に傾けることにより4通りまたはそれ以上の入力を行うものがある。さらに操作レバーを傾けるのでなく軸方向に押し下げても、対応するスイッチ接点が動作するように構成して、入力の種類に軸方向の動きを加えたものもある。
【0003】
図5は従来の多方向スイッチの一例で、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B断面図である。基板1とカバー2とスペーサ3で形成したケースの内部の基板1上の中央部に浅いドーム状のタクトばね4を置き、周辺の4方向に計4個のタクトばね5を配置してある。そしてタクトばね群の上に、プランジャ6を置いてカバー2で覆ってある。図5のプランジャ6は本体6aが8角形の平板状で、本体6aの上面にステム6bがついており、ステム6bはカバー2の中央の穴から上方に突き出している。本体6aの下面には、中心に突起6c、周辺に4個の突起6dが設けてあり、これらの突起はそれぞれタクトばね4、タクトばね5の中心位置にあって、中心の突起6cはタクトばね4の上面にほぼ接しているが、周辺の突起6dとタクトばね5の上面の間には、cで示す隙間を設けてある。
【0004】
図示は省くが、各タクトばねの外周が乗る基板上面に、環状の固定接点を設けてあり、また、その中央に円形の固定接点を設けてある。基板1の外周に複数個設けた円弧状の凹部1aには導電材が被覆してあり、基板1の上面の電極パターンと下面の電極端子を接続している。
【0005】
スイッチを操作する場合、まず、ステム6bの上端を下向きに押すと、プランジャ6の中央下面の突起6cが、中央のタクトばね4の上面中央部を下に押す。押圧力がある程度大きくなった時、タクトばね4の湾曲が急激に反転して節度感を生じるとともに、タクトばね4の下面中央部が基板1上の円形の固定接点に接触し、タクトばね4の外周が乗っている環状接点と中央の円形接点が導通する。この時、周辺の4個のタクトばね5は、対応するプランジャ6の外周の突起6dと間に隙間cがあるため、プランジャ6が下降しても形状が反転するほど変形せず、接点の導通は生じない。
【0006】
また、ステム6bを下に押すのでなく、上端を横方向に押すとプランジャ6が傾斜して、周辺下面の4個の突起6dのうち押された方向の突起6dが下に下がり、タクトばね5を変形させてその箇所の固定接点を導通させる。これによりこのスイッチは、ステム6bを下に押す操作と、横向きの4方向に押す操作を検出できる。
【0007】
また、下記の特許文献1と特許文献2には多方向スイッチの別の構造が示されている。これはステムの下面を導電材で構成し、タクトばねを中央に1個だけ設け、基板の外周部上面に固定接点を設けて、ステムが傾斜した時、ステム下面の導電材と導通するようにしたものである。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−353455号
【特許文献2】
特開2001−35319号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の多方向スイッチのうち、図5に示したものは各接点毎にタクトばねを用いるため、部品点数が多くなり、製品寸法も大きくなって小型化に適しない。また、特許文献に示されたものは、プランジャの下面を導電性にするためにプランジャの製作に手のかかるものとなる。
本発明はこれらの問題を解決し、構造が簡単で部品数が少なく、小型化、薄型化に適する多方向スイッチを実現するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、タクトばねを多方向スイッチの中央に1個だけ用い、タクトばねとプランジャの間に弾性のある導電材料薄板の接点ばねを挟んで設ける。そして中央タクトばねの周辺の基板上に、プランジャを傾斜させた時に接点ばねが接触する固定接点を配置する。接点ばねとプランジャの間に可撓性の隔壁を設け、隔壁でタクトばねと接点ばねを覆って保護するが、隔壁を省いてもよく、その場合、接点ばねをプランジャに取り付けてもよい。この構造により、図5のものと比べて構成が簡単になり、また、特許文献のものと違って弾性のある接点ばねを用いたことにより、固定接点に接触する際に弾性変形によって接触圧が増加し、導通が確実になる利点がある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の多方向スイッチで、(A)は上面図、(B)は(A)のB−B断面図である。ガラス入りエポキシなどの基板11を底部とし、ポリイミドなどのスペーサ13、合成樹脂のカバー12を重ねて接合したケースにタクトばね14、接点ばね15それにプランジャ16を収容してある。基板11とスペーサ13は一体に形成してもよい。タクトばね14は浅いドーム状であって基板11の中央に配置してあり、接点ばね15はステンレス鋼など導電材料の弾性薄板製で、図(A)に見るように放射状に8本の腕を設けてあり、断面形状は図(B)のごとく、皿を伏せたように周辺が下に反った形状である。プランジャ16は円板状の本体16aの上面にステム16bがついていて、カバー12の上面中央の穴から上に突き出しており、本体16aの下面中央に球面の突起16cがある。
【0012】
カバー12とスペーサ13の間には薄い樹脂シートなどの可撓性の隔膜17が張ってあり、隔膜17は下部のタクトばね14と接点ばね15を覆っていて、接点ばね15は隔膜17を介してプランジャ16の下面に接している。接点ばね15の中央部には球面状の下向きの凹部を成形してあり、プランジャ16の下面の球面の突起16cがこの凹部にはまって接点ばね15の中心出しをしている。基板11の外周の複数箇所に円弧状の凹部11aが設けてあり、凹部11aの表面は導電被覆してあって、基板11の上下面の電極パターンを接続している。
【0013】
スペーサ13は中央部を打ち抜いて大きな穴にした形状で、この穴に接点ばね15を収容しているが、穴の外周の等間隔の8箇所からストッパー13aが内側に突き出していて、図1(A)に見るように、接点ばね15の8本の腕の先端がストッパー13a同士の間に挟まれて回り止めされている。
【0014】
図2に示すのは基板11の上面に設けた電極のパターンで、中央の円形の第2固定接点22の周囲に環状の第1固定接点21があり、さらにその周囲に扇形に分割した8個の第3固定接点23が設けてある。基板11の外周の複数の円弧状の凹部11aは導電被覆してあって、基板11の上下面の電極パターンを接続しており、扇形の第3固定接点23はそれぞれ配線電極26によって導電被覆された凹部11aに接続してある。環状の第1固定接点21と円形の第2固定接点22は、それぞれスルーホール24、25によって基板11の下面で凹部11aに接続してある。
【0015】
図1と図2を見比べれば分かるように、ドーム状のタクトばね14は外周が環状の第1固定接点21に乗っているが、中央天井部は第2固定接点22から離れている。接点ばね15の8本の腕の先端は、それぞれ対応する扇形の第3固定接点23の上方にあって、第3固定接点23との間には隙間ができている。以上が本願の多方向スイッチの構造である。
【0016】
次に、この実施形態の動作を説明する。まず、図3の矢印のようにプランジャ16のステム16bを下向きに押すと、本体16aの下面の突起16cが隔膜17と接点ばね15を介してタクトばね14の頂上部を下に押し、荷重がある程度増したところでタクトばね14の湾曲が一気に反転して節度感を生じるとともに、タクトばね14の中央下面が図2の第2固定接点22に接し、タクトばね14の外周が乗っている環状の第1固定接点21と第2固定接点22が導通する。この時、接点ばね15の各腕の先端は、図3に見るように基板11との間にまだ隙間があって、図2の扇形の第3固定接点23に接触せず、電気的導通は生じない。これがプランジャ16を下に押した時の動作である。
【0017】
次に プランジャ16を横に押す場合を説明する。例えば図4の矢印のように、ステム16bを右に押すと、プランジャ16が右下がりに傾き、本体16aの下面の突起16cが隔膜17と接点ばね15を介してタクトばね14を押して変形させ、節度感を生じる。同時に接点ばね15の右側の腕の先端が下がって、図2に示した基板11上の扇形の第3固定接点23に接触するので、第3固定接点23は接点ばね15とタクトばね14を介して第1固定接点21および第2固定接点22と導通する。接点ばね15の腕の先端は、第3固定接点23に接してからさらにプランジャ16が若干傾く余分の動きによって弾性変形し、接触圧を生じて電気的導通を確実にする。
【0018】
このようにプランジャ16を横に倒した時は、第1、第2、第3固定接点21、22、23の三つの固定接点が導通し、第1、第2固定接点21、22に関しては、図3のようにプランジャ16を下に押した時と同様の導通が生じるのであるが、これについては機器の制御ソフトに判別ルーチンを設けて、この場合の動作がプランジャ16を下に押したのでなく、横に倒したのであることを識別するようにする。
【0019】
上記の実施形態では、図1に見るように接点ばね15に8本の腕を設けて8方向の動作を検出するようにしたが、腕の数を4本にすれば4方向検出の仕様になる。しかし、腕の数は8本のまま、制御ソフトにより4方向の検出動作をさせることももちろん可能である。逆に接点ばね15を複数の腕に枝分かれさせず、皿を伏せたような形状にして、若干の弾性を持たせたものであってもよい。その場合、前記の実施形態のように、接点ばね15の回り止めのためにケースの内周にストッパー13aを設けることをしなくて済む。さらに、隔膜17を廃止し、接点ばね15をプランジャ16の本体16aの下面に固定した構造にすることもできる。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、プランジャを軸方向に下向きに押す動作と、横4方向あるいは8方向に押す動作を検出する多方向スイッチを、非常に簡潔に構成できる。タクトばねを何個も使った従来の構造などに比べると、タクトばねが1個だけなので、部品点数が大幅に減って小型化、薄型化できるとともに、どの方向に操作する時も一様な節度感が得られる。接点ばねは先端が固定接点に接触してから撓むので接触圧が増し、信頼性が上がる。さらに、基板上の電極パターン、タクトばね、接点ばね等が隔膜で覆われているので、ごみ、汚れ等から保護される。このようにさまざまな効果を有し、機能と信頼性に優れ、回路の高密度実装に適する小型、薄型の多方向スイッチが廉価に実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多方向スイッチで(A)は平面図、(B)は(A)のB−B断面図である。
【図2】本発明の多方向スイッチの基板上の電極パターン図である。
【図3】本発明の多方向スイッチを下向きに押した時の動作を示す断面図である。
【図4】本発明の多方向スイッチを横向きに押した時の動作を示す断面図である。
【図5】従来の多方向スイッチの一例で(A)は平面図、(B)は(A)のB−B断面図である。
【符号の説明】
1、11 基板
2、12 カバー
3、13 スペーサ
4、5、14 タクトばね
15 接点ばね
6、16 プランジャ
17 隔膜
21 第1固定接点
22 第2固定接点
23 第3固定接点
24、25 スルーホール
26 配線電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話、ポータブルステレオ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、車載オーディオ等の操作用に組み込まれる多方向スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
多方向スイッチは複数のスイッチ接点を備えていて、操作部に加えられる力の着力点や方向によって、それらのスイッチ接点のうちのあるものが選択されて動作するように構成されており、操作の違いに応じて何通りかの異なる信号を出力する。操作方法として、例えば直立に設けてある操作レバーあるいはステムを前後左右に傾けることにより4通りまたはそれ以上の入力を行うものがある。さらに操作レバーを傾けるのでなく軸方向に押し下げても、対応するスイッチ接点が動作するように構成して、入力の種類に軸方向の動きを加えたものもある。
【0003】
図5は従来の多方向スイッチの一例で、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B断面図である。基板1とカバー2とスペーサ3で形成したケースの内部の基板1上の中央部に浅いドーム状のタクトばね4を置き、周辺の4方向に計4個のタクトばね5を配置してある。そしてタクトばね群の上に、プランジャ6を置いてカバー2で覆ってある。図5のプランジャ6は本体6aが8角形の平板状で、本体6aの上面にステム6bがついており、ステム6bはカバー2の中央の穴から上方に突き出している。本体6aの下面には、中心に突起6c、周辺に4個の突起6dが設けてあり、これらの突起はそれぞれタクトばね4、タクトばね5の中心位置にあって、中心の突起6cはタクトばね4の上面にほぼ接しているが、周辺の突起6dとタクトばね5の上面の間には、cで示す隙間を設けてある。
【0004】
図示は省くが、各タクトばねの外周が乗る基板上面に、環状の固定接点を設けてあり、また、その中央に円形の固定接点を設けてある。基板1の外周に複数個設けた円弧状の凹部1aには導電材が被覆してあり、基板1の上面の電極パターンと下面の電極端子を接続している。
【0005】
スイッチを操作する場合、まず、ステム6bの上端を下向きに押すと、プランジャ6の中央下面の突起6cが、中央のタクトばね4の上面中央部を下に押す。押圧力がある程度大きくなった時、タクトばね4の湾曲が急激に反転して節度感を生じるとともに、タクトばね4の下面中央部が基板1上の円形の固定接点に接触し、タクトばね4の外周が乗っている環状接点と中央の円形接点が導通する。この時、周辺の4個のタクトばね5は、対応するプランジャ6の外周の突起6dと間に隙間cがあるため、プランジャ6が下降しても形状が反転するほど変形せず、接点の導通は生じない。
【0006】
また、ステム6bを下に押すのでなく、上端を横方向に押すとプランジャ6が傾斜して、周辺下面の4個の突起6dのうち押された方向の突起6dが下に下がり、タクトばね5を変形させてその箇所の固定接点を導通させる。これによりこのスイッチは、ステム6bを下に押す操作と、横向きの4方向に押す操作を検出できる。
【0007】
また、下記の特許文献1と特許文献2には多方向スイッチの別の構造が示されている。これはステムの下面を導電材で構成し、タクトばねを中央に1個だけ設け、基板の外周部上面に固定接点を設けて、ステムが傾斜した時、ステム下面の導電材と導通するようにしたものである。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−353455号
【特許文献2】
特開2001−35319号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の多方向スイッチのうち、図5に示したものは各接点毎にタクトばねを用いるため、部品点数が多くなり、製品寸法も大きくなって小型化に適しない。また、特許文献に示されたものは、プランジャの下面を導電性にするためにプランジャの製作に手のかかるものとなる。
本発明はこれらの問題を解決し、構造が簡単で部品数が少なく、小型化、薄型化に適する多方向スイッチを実現するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、タクトばねを多方向スイッチの中央に1個だけ用い、タクトばねとプランジャの間に弾性のある導電材料薄板の接点ばねを挟んで設ける。そして中央タクトばねの周辺の基板上に、プランジャを傾斜させた時に接点ばねが接触する固定接点を配置する。接点ばねとプランジャの間に可撓性の隔壁を設け、隔壁でタクトばねと接点ばねを覆って保護するが、隔壁を省いてもよく、その場合、接点ばねをプランジャに取り付けてもよい。この構造により、図5のものと比べて構成が簡単になり、また、特許文献のものと違って弾性のある接点ばねを用いたことにより、固定接点に接触する際に弾性変形によって接触圧が増加し、導通が確実になる利点がある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の多方向スイッチで、(A)は上面図、(B)は(A)のB−B断面図である。ガラス入りエポキシなどの基板11を底部とし、ポリイミドなどのスペーサ13、合成樹脂のカバー12を重ねて接合したケースにタクトばね14、接点ばね15それにプランジャ16を収容してある。基板11とスペーサ13は一体に形成してもよい。タクトばね14は浅いドーム状であって基板11の中央に配置してあり、接点ばね15はステンレス鋼など導電材料の弾性薄板製で、図(A)に見るように放射状に8本の腕を設けてあり、断面形状は図(B)のごとく、皿を伏せたように周辺が下に反った形状である。プランジャ16は円板状の本体16aの上面にステム16bがついていて、カバー12の上面中央の穴から上に突き出しており、本体16aの下面中央に球面の突起16cがある。
【0012】
カバー12とスペーサ13の間には薄い樹脂シートなどの可撓性の隔膜17が張ってあり、隔膜17は下部のタクトばね14と接点ばね15を覆っていて、接点ばね15は隔膜17を介してプランジャ16の下面に接している。接点ばね15の中央部には球面状の下向きの凹部を成形してあり、プランジャ16の下面の球面の突起16cがこの凹部にはまって接点ばね15の中心出しをしている。基板11の外周の複数箇所に円弧状の凹部11aが設けてあり、凹部11aの表面は導電被覆してあって、基板11の上下面の電極パターンを接続している。
【0013】
スペーサ13は中央部を打ち抜いて大きな穴にした形状で、この穴に接点ばね15を収容しているが、穴の外周の等間隔の8箇所からストッパー13aが内側に突き出していて、図1(A)に見るように、接点ばね15の8本の腕の先端がストッパー13a同士の間に挟まれて回り止めされている。
【0014】
図2に示すのは基板11の上面に設けた電極のパターンで、中央の円形の第2固定接点22の周囲に環状の第1固定接点21があり、さらにその周囲に扇形に分割した8個の第3固定接点23が設けてある。基板11の外周の複数の円弧状の凹部11aは導電被覆してあって、基板11の上下面の電極パターンを接続しており、扇形の第3固定接点23はそれぞれ配線電極26によって導電被覆された凹部11aに接続してある。環状の第1固定接点21と円形の第2固定接点22は、それぞれスルーホール24、25によって基板11の下面で凹部11aに接続してある。
【0015】
図1と図2を見比べれば分かるように、ドーム状のタクトばね14は外周が環状の第1固定接点21に乗っているが、中央天井部は第2固定接点22から離れている。接点ばね15の8本の腕の先端は、それぞれ対応する扇形の第3固定接点23の上方にあって、第3固定接点23との間には隙間ができている。以上が本願の多方向スイッチの構造である。
【0016】
次に、この実施形態の動作を説明する。まず、図3の矢印のようにプランジャ16のステム16bを下向きに押すと、本体16aの下面の突起16cが隔膜17と接点ばね15を介してタクトばね14の頂上部を下に押し、荷重がある程度増したところでタクトばね14の湾曲が一気に反転して節度感を生じるとともに、タクトばね14の中央下面が図2の第2固定接点22に接し、タクトばね14の外周が乗っている環状の第1固定接点21と第2固定接点22が導通する。この時、接点ばね15の各腕の先端は、図3に見るように基板11との間にまだ隙間があって、図2の扇形の第3固定接点23に接触せず、電気的導通は生じない。これがプランジャ16を下に押した時の動作である。
【0017】
次に プランジャ16を横に押す場合を説明する。例えば図4の矢印のように、ステム16bを右に押すと、プランジャ16が右下がりに傾き、本体16aの下面の突起16cが隔膜17と接点ばね15を介してタクトばね14を押して変形させ、節度感を生じる。同時に接点ばね15の右側の腕の先端が下がって、図2に示した基板11上の扇形の第3固定接点23に接触するので、第3固定接点23は接点ばね15とタクトばね14を介して第1固定接点21および第2固定接点22と導通する。接点ばね15の腕の先端は、第3固定接点23に接してからさらにプランジャ16が若干傾く余分の動きによって弾性変形し、接触圧を生じて電気的導通を確実にする。
【0018】
このようにプランジャ16を横に倒した時は、第1、第2、第3固定接点21、22、23の三つの固定接点が導通し、第1、第2固定接点21、22に関しては、図3のようにプランジャ16を下に押した時と同様の導通が生じるのであるが、これについては機器の制御ソフトに判別ルーチンを設けて、この場合の動作がプランジャ16を下に押したのでなく、横に倒したのであることを識別するようにする。
【0019】
上記の実施形態では、図1に見るように接点ばね15に8本の腕を設けて8方向の動作を検出するようにしたが、腕の数を4本にすれば4方向検出の仕様になる。しかし、腕の数は8本のまま、制御ソフトにより4方向の検出動作をさせることももちろん可能である。逆に接点ばね15を複数の腕に枝分かれさせず、皿を伏せたような形状にして、若干の弾性を持たせたものであってもよい。その場合、前記の実施形態のように、接点ばね15の回り止めのためにケースの内周にストッパー13aを設けることをしなくて済む。さらに、隔膜17を廃止し、接点ばね15をプランジャ16の本体16aの下面に固定した構造にすることもできる。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、プランジャを軸方向に下向きに押す動作と、横4方向あるいは8方向に押す動作を検出する多方向スイッチを、非常に簡潔に構成できる。タクトばねを何個も使った従来の構造などに比べると、タクトばねが1個だけなので、部品点数が大幅に減って小型化、薄型化できるとともに、どの方向に操作する時も一様な節度感が得られる。接点ばねは先端が固定接点に接触してから撓むので接触圧が増し、信頼性が上がる。さらに、基板上の電極パターン、タクトばね、接点ばね等が隔膜で覆われているので、ごみ、汚れ等から保護される。このようにさまざまな効果を有し、機能と信頼性に優れ、回路の高密度実装に適する小型、薄型の多方向スイッチが廉価に実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多方向スイッチで(A)は平面図、(B)は(A)のB−B断面図である。
【図2】本発明の多方向スイッチの基板上の電極パターン図である。
【図3】本発明の多方向スイッチを下向きに押した時の動作を示す断面図である。
【図4】本発明の多方向スイッチを横向きに押した時の動作を示す断面図である。
【図5】従来の多方向スイッチの一例で(A)は平面図、(B)は(A)のB−B断面図である。
【符号の説明】
1、11 基板
2、12 カバー
3、13 スペーサ
4、5、14 タクトばね
15 接点ばね
6、16 プランジャ
17 隔膜
21 第1固定接点
22 第2固定接点
23 第3固定接点
24、25 スルーホール
26 配線電極
Claims (6)
- 固定接点を設けた基板を底部としてケースを構成し、基板中央に浅いドーム状のタクトばねを配置して、その上に接点ばねとプランジャを重ねて前記のケースに収容し、
接点ばねは導電材料の弾性薄板製で、外周が下に反った断面形状であって、その外周は基板外周に分割配置した接点群に隙間を隔てて面しており、
プランジャは本体にステムのついた形状で、本体下面が接点ばねに接するとともに、ステムがケース中央の穴から上方に突き出していることを特徴とする多方向スイッチ。 - 請求項1に記載の多方向スイッチにおいて、
プランジャの傾斜時、前記タクトばねがプランジャに押されて湾曲が反転し、タクトばねの天井部が基板中央の固定接点に接触するとともに、接点ばねの傾斜方向の外周が下がって基板外周の固定接点に接触することにより、基板中央の固定接点またはタクトばね外周の乗る環状の固定接点と基板外周の固定接点がタクトばねと接点ばねを介して導通することを特徴とする多方向スイッチ。 - 請求項1に記載の多方向スイッチにおいて、
接点ばねは、外周部を中心から放射状に伸びる複数の弾性腕に分岐させたことを特徴とする多方向スイッチ。 - 請求項1または請求項3に記載の多方向スイッチにおいて、
プランジャは本体の下面中央に突起を有し、接点ばねは中央に凹部を有していて、上記突起と凹部のはめ合いにより接点ばねを中心出しすることを特徴とする多方向スイッチ。 - 請求項3に記載の多方向スイッチにおいて、
ケースの内周に内側に突き出す複数のストッパーを設け、該ストッパーにより接点ばねを回り止めすることを特徴とする多方向スイッチ。 - 請求項1または請求項3に記載の多方向スイッチにおいて、
プランジャと接点ばねの間に可撓性の隔膜を設けて、タクトばねと接点ばねを覆ったことを特徴とする多方向スイッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003129634A JP2004335264A (ja) | 2003-05-07 | 2003-05-07 | 多方向スイッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003129634A JP2004335264A (ja) | 2003-05-07 | 2003-05-07 | 多方向スイッチ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004335264A true JP2004335264A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33505370
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003129634A Pending JP2004335264A (ja) | 2003-05-07 | 2003-05-07 | 多方向スイッチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004335264A (ja) |
-
2003
- 2003-05-07 JP JP2003129634A patent/JP2004335264A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3960132B2 (ja) | 多方向操作スイッチおよびこれを用いた多方向入力装置 | |
JP3903731B2 (ja) | 多方向入力装置およびこれを用いた電子機器 | |
US6369692B1 (en) | Directionally sensitive switch | |
US6979785B2 (en) | Multidirectional operation switch | |
US7652217B2 (en) | Rotary type pulse switch | |
US6653579B2 (en) | Multi-directional input joystick switch | |
KR20010049151A (ko) | 접속 장치 | |
JP4330699B2 (ja) | 多方向スイッチ | |
JP2002107245A (ja) | 力検出装置 | |
JP2004335264A (ja) | 多方向スイッチ | |
JP2002150876A (ja) | 押しボタンスイッチ | |
JP3931479B2 (ja) | 多方向操作スイッチおよびこれを用いた複合スイッチ | |
JP4179909B2 (ja) | ポインティングデバイス | |
JP2005183152A (ja) | 多方向スイッチ | |
JP2001350581A (ja) | 入力装置 | |
JP3276302B2 (ja) | キースイッチ及びこれを用いたキーボード装置 | |
JP2005019352A (ja) | 多方向スイッチ | |
JP4662351B2 (ja) | 多方向入力装置及びこれを用いた電子機器 | |
JP2878532B2 (ja) | 操縦杆式入力装置 | |
JP2003150311A (ja) | 座標入力装置 | |
JP2002313189A (ja) | 多方向スイッチ | |
JP2002313188A (ja) | 多方向スイッチ | |
JP2004146140A (ja) | 多方向入力スイッチ | |
JP4050066B2 (ja) | ポインティングデバイス | |
JP5717430B2 (ja) | 多方向入力装置 |