JP2004335047A - テープテンション変動測定装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明では、磁気ヘッドがサーボ制御によって動く場合であっても、この磁気ヘッドに摺動する磁気テープのテンションの変動を正確に測定することができるテープテンション変動測定装置および方法を提供することを課題とする。
【解決手段】テープテンション変動測定装置1は、磁気ヘッドMHの動きに応じた振動を吸収する板ばね11と、この板ばね11に設けられ、かつ磁気ヘッドMHに加わる磁気テープMTの張力の変動に応じた振動を検出するAEセンサ12と、を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】テープテンション変動測定装置1は、磁気ヘッドMHの動きに応じた振動を吸収する板ばね11と、この板ばね11に設けられ、かつ磁気ヘッドMHに加わる磁気テープMTの張力の変動に応じた振動を検出するAEセンサ12と、を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーボ制御されて動く磁気ヘッドを備えた磁気テープドライブ内において磁気テープの張力の変動を測定するテープテンション変動測定装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気テープドライブでは、磁気ヘッドと磁気テープとの接触状態を良好にするため、走行する磁気テープのテンション(張力)の変動を測定し、その結果に基づいて磁気テープのテンションを一定に調整している。そして、従来、このような磁気テープのテンションの変動を測定する装置としては、たとえば特許文献1や特許文献2に開示される測定装置がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−27156号公報(段落番号〔0016〕〜〔0018〕、図2,3,6)
【特許文献2】
特開平10−27402号公報(段落番号〔0021〕〜〔0024〕、図1)
【0004】
具体的に、特許文献1に開示する測定装置では、磁気テープドライブに設けられる既設の磁気ヘッドとは別にテンション測定用の測定ヘッドを設け、この測定ヘッドで磁気テープの裏面側から表面に書かれた基準信号を検出し、この信号が磁気テープの伸びに応じて変化することを利用して磁気テープのテンションの変動を測定している。また、特許文献2に開示する測定装置では、磁気テープの位置がその厚さ方向で一定になるように磁気テープに空気を吹き付け、その吹き付けた空気の流量を検出することで、磁気テープのテンションの変動を測定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の磁気テープの信号変化をテンション変化として測定する測定装置では、磁気テープの裏面側から信号を読み取るためその感度が低くなることがあった。また、空気を吹き付けて測定する測定装置では、磁気テープの位置を一定にするための空気流量の調整が困難であった。
【0006】
このような問題に対し、本願出願人は、磁気ヘッドにAE(AcousticEmission)センサを取り付けることで、テンションの変動を感度良く測定することができる測定装置を開発した。しかし、実際の磁気テープドライブにおいては、磁気ヘッドはサーボ制御によって動くのでこの動きによる振動をAEセンサが検出してしまい、テンションによる振動かサーボ制御による振動かを区別することが困難となっていた。
【0007】
そこで、本発明の課題は、磁気ヘッドがサーボ制御によって動く場合であっても、この磁気ヘッドに摺動する磁気テープのテンションの変動を正確に測定することができるテープテンション変動測定装置および方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明のうちの請求項1に記載の発明は、サーボ制御されて動く磁気ヘッドを備えた磁気テープドライブ内において磁気テープの張力の変動を測定するテープテンション変動測定装置であって、前記磁気ヘッドに設けられ、かつ前記磁気ヘッドの動きに応じた振動を吸収する振動吸収体と、前記振動吸収体に設けられ、かつ前記磁気ヘッドに加わる前記磁気テープの張力の変動に応じた振動を検出する振動検出器と、を備えることを特徴とする。
【0009】
ここで、「磁気テープドライブ」とは、磁気テープの記録または再生を行う装置をいう。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、磁気テープドライブを駆動させると、サーボ制御による磁気ヘッドの動きに応じた振動が振動吸収体で吸収され、磁気ヘッドに加わる磁気テープの張力の変動に応じた振動のみが振動検出器で検出される。そのため、磁気ヘッドがサーボ制御によって動く場合であっても、この磁気ヘッドに摺動する磁気テープのテンションを正確に測定することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成において、前記振動吸収体が、板ばねであることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加え、振動吸収体が板ばねであるので、磁気テープの張力の変動に応じた振動、すなわち表面波が伝わりやすくなる。そのため、磁気テープの張力の変動に応じた振動を、振動検出器で良好に検出することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、サーボ制御されて動く磁気ヘッドを備えた磁気テープドライブ内において磁気テープの張力の変動を測定するテープテンション変動測定方法であって、前記磁気ヘッドに加わる前記磁気テープの張力の変動に応じた振動を、前記磁気ヘッドの動きに応じた振動を吸収する振動吸収体を介して検出することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るテープテンション変動測定装置および方法の詳細について説明する。参照する図面において、図1は本実施形態に係るテープテンション変動測定装置を示す拡大斜視図、図2は板ばねに伝わる表面波を示した側面図である。
【0015】
図1に示すように、テープテンション変動測定装置1は、磁気テープドライブD内において走行する磁気テープMTのテンション(張力)の変動を測定するものである。そして、このテープテンション変動測定装置1は、板ばね(振動吸収体)11と、この板ばね11上に設けられるAE(Acoustic Emission)センサ12と、このAEセンサ12に接続されるローパスフィルタ13と、このローパスフィルタ13に接続されるアンプ14とを主に備えている。なお、磁気テープドライブD内に設けられる磁気ヘッドMHは、サーボ制御のために駆動する駆動装置DMによって磁気テープMTの幅方向に動くようになっている。
【0016】
板ばね11は、ステンレス鋼板(SUS)やアルミなどの金属(弾性体)で形成される板状の部材であり、その一端部11aが折り曲げられて磁気ヘッドMHの側面SFの先端面TF側に接合されている。また、このように一端部11aが接合されることで、他端側の本体部11bが磁気ヘッドMHから離されて配置されている。さらに、板ばね11は、磁気ヘッドMHに接合され、かつAEセンサ12が取り付けられた状態で、その固有振動数が前記磁気ヘッドMHの動作周波数(磁気ヘッドMHの動きに応じた振動の周波数)よりも低い値に設定されることによって磁気ヘッドMHの動きに本体部11bが追従しないようになっている。すなわち、この板ばね11は、その本体部11bが磁気ヘッドMHに追従しないことにより、磁気ヘッドMHの動きに応じた振動(実体波)を吸収している。なお、磁気ヘッドMHの動作周波数は、一般に約200Hz(ヘルツ)程度となっている。
【0017】
AEセンサ12は、磁気ヘッドMHに加わる磁気テープMTのテンションの変動に応じた振動、具体的には磁気ヘッドMHと磁気テープMTとの摩擦により生じる表面波W(図2参照)を検出する振動検出器である。そして、このAEセンサ12は、板ばね11の本体部11bの適所に接着剤により接着されている。なお、磁気テープMTのテンションの変動により生じる表面波Wの周波数は、一般に約1kHz(キロヘルツ)程度となっている。
【0018】
ローパスフィルタ13は、そのカットオフ周波数が50kHzとなっており、AEセンサ12から出力される信号のうち50kHz以上の周波数の信号を減衰(カット)させるものである。すなわち、このローパスフィルタ13は、AEセンサ12から出力される多種の信号を、磁気テープMTのテンションの変動による振動に起因する特定の信号に絞っている。なお、カットオフ周波数としては、50kHz〜300kHzのものを選択するのが望ましい。
【0019】
アンプ14は、AEセンサ12からローパスフィルタ13を介して出力されてくる信号を増幅するものである。そして、このアンプ14で増幅された信号は、図示しないモニタなどによって表示されたり、また図示しないコンピュータなどにより磁気テープMTのテンションを算出するためのデータとして保存される。
【0020】
次に、このテープテンション変動測定装置1によるテンションの変動の測定方法について説明する。なお、以下の説明では、磁気テープMTにデータを記録するときの測定について説明するが、再生時も記録時と同じ方法で測定されるため、その説明は省略する。
【0021】
図1に示すように、磁気テープドライブDを駆動させると、磁気テープMTが一方向に走行し、磁気ヘッドMHが磁気テープMT上に書き込まれたサーボ信号をトレースしながら磁気テープMT上にデータを記録する。ここで、磁気ヘッドMHが所定のサーボ信号から外れたときは、この外れたときに読み取ったサーボ信号に基づいて駆動装置DMが駆動されることで、磁気ヘッドMHがテープ幅方向に移動して所定のサーボ信号の位置に戻る。
【0022】
このように、磁気ヘッドMHが移動した場合は、その磁気ヘッドMHの動きに応じた実体波が板ばね11で吸収され、磁気ヘッドMHに加わるテンションの変動に応じた表面波W(図2参照)のみがAEセンサ12で検出される。すなわち、従来では混合されて検出されていた磁気ヘッドMHの動きに応じた波とテープテンションの変動に応じた波が、板ばね11で分離され、表面波Wとして伝わったテープテンションの変動に応じた波のみがAEセンサ12で検出されることとなる。また、AEセンサ12から出力される信号は、ローパスフィルタ13やアンプ14を介して図示しないモニタやコンピュータなどに出力される。
【0023】
以上によれば、本実施形態において、次のような効果を得ることができる。
磁気ヘッドMHの動きに応じた実体波が板ばね11で吸収され、磁気テープMTのテンションの変動に応じた表面波WのみがAEセンサ12で検出されるので、磁気ヘッドMHがサーボ制御によって動く場合であっても、この磁気ヘッドMHに摺動する磁気テープMTのテンションの変動を正確に測定することができる。なお、磁気ヘッドMHに直接取り付けたAEセンサ12からの信号を電気的な信号処理でテープテンションの変動に応じた波のみに絞るのは従来うまくできなかったが、本実施形態のように板ばね11を利用することによりテープテンションの変動に応じた波のみを効果的に検出することができるようになった。
【0024】
また、カットオフ周波数が50kHzとなるローパスフィルタ13を用いることにより50kHz以上の周波数の信号がカットされるので、AEセンサ12から出力される多種の信号を磁気テープMTの張力に起因する特定の信号に絞ることができる。
【0025】
以上、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
本実施形態では、振動吸収体として板ばね11を用いたが、本発明はこれに限定されず、たとえばコイルばねやゴムなどの弾性体であればどのようなものを用いてもよい。ただし、本実施形態のような板ばね11では、磁気ヘッドMHの先端面TFに生じる表面波Wが伝わりやすいので、これを用いるのが望ましい。
本実施形態では、板ばね11を折り曲げる角度を鈍角にしたが、本発明はこれに限定されず、鋭角であってもよい。ただし、本実施形態のように板ばね11を鈍角に折り曲げた場合は表面波Wが伝わりやすいので、このように折り曲げるのが望ましい。
【0026】
【発明の効果】
請求項1または請求項3に記載の発明によれば、磁気ヘッドが動く場合であっても磁気ヘッドの動きに応じた振動が振動吸収体で吸収されるので、磁気テープの張力の変動に応じた振動のみを検出することができ、そのテンションの変動を正確に測定できる。
【0027】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加え、振動吸収体として表面波が伝わりやすい板ばねを用いるので、磁気テープの張力の変動に応じた振動を振動検出器で良好に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るテープテンション変動測定装置を示す拡大斜視図である。
【図2】板ばねに伝わる表面波を示した側面図である。
【符号の説明】
1 テープテンション変動測定装置
11 板ばね(振動吸収体)
11a 一端部
11b 本体部
12 AEセンサ(振動検出器)
13 ローパスフィルタ
14 アンプ
MT 磁気テープ
MH 磁気ヘッド
D 磁気テープドライブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーボ制御されて動く磁気ヘッドを備えた磁気テープドライブ内において磁気テープの張力の変動を測定するテープテンション変動測定装置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
磁気テープドライブでは、磁気ヘッドと磁気テープとの接触状態を良好にするため、走行する磁気テープのテンション(張力)の変動を測定し、その結果に基づいて磁気テープのテンションを一定に調整している。そして、従来、このような磁気テープのテンションの変動を測定する装置としては、たとえば特許文献1や特許文献2に開示される測定装置がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−27156号公報(段落番号〔0016〕〜〔0018〕、図2,3,6)
【特許文献2】
特開平10−27402号公報(段落番号〔0021〕〜〔0024〕、図1)
【0004】
具体的に、特許文献1に開示する測定装置では、磁気テープドライブに設けられる既設の磁気ヘッドとは別にテンション測定用の測定ヘッドを設け、この測定ヘッドで磁気テープの裏面側から表面に書かれた基準信号を検出し、この信号が磁気テープの伸びに応じて変化することを利用して磁気テープのテンションの変動を測定している。また、特許文献2に開示する測定装置では、磁気テープの位置がその厚さ方向で一定になるように磁気テープに空気を吹き付け、その吹き付けた空気の流量を検出することで、磁気テープのテンションの変動を測定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の磁気テープの信号変化をテンション変化として測定する測定装置では、磁気テープの裏面側から信号を読み取るためその感度が低くなることがあった。また、空気を吹き付けて測定する測定装置では、磁気テープの位置を一定にするための空気流量の調整が困難であった。
【0006】
このような問題に対し、本願出願人は、磁気ヘッドにAE(AcousticEmission)センサを取り付けることで、テンションの変動を感度良く測定することができる測定装置を開発した。しかし、実際の磁気テープドライブにおいては、磁気ヘッドはサーボ制御によって動くのでこの動きによる振動をAEセンサが検出してしまい、テンションによる振動かサーボ制御による振動かを区別することが困難となっていた。
【0007】
そこで、本発明の課題は、磁気ヘッドがサーボ制御によって動く場合であっても、この磁気ヘッドに摺動する磁気テープのテンションの変動を正確に測定することができるテープテンション変動測定装置および方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決した本発明のうちの請求項1に記載の発明は、サーボ制御されて動く磁気ヘッドを備えた磁気テープドライブ内において磁気テープの張力の変動を測定するテープテンション変動測定装置であって、前記磁気ヘッドに設けられ、かつ前記磁気ヘッドの動きに応じた振動を吸収する振動吸収体と、前記振動吸収体に設けられ、かつ前記磁気ヘッドに加わる前記磁気テープの張力の変動に応じた振動を検出する振動検出器と、を備えることを特徴とする。
【0009】
ここで、「磁気テープドライブ」とは、磁気テープの記録または再生を行う装置をいう。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、磁気テープドライブを駆動させると、サーボ制御による磁気ヘッドの動きに応じた振動が振動吸収体で吸収され、磁気ヘッドに加わる磁気テープの張力の変動に応じた振動のみが振動検出器で検出される。そのため、磁気ヘッドがサーボ制御によって動く場合であっても、この磁気ヘッドに摺動する磁気テープのテンションを正確に測定することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成において、前記振動吸収体が、板ばねであることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加え、振動吸収体が板ばねであるので、磁気テープの張力の変動に応じた振動、すなわち表面波が伝わりやすくなる。そのため、磁気テープの張力の変動に応じた振動を、振動検出器で良好に検出することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、サーボ制御されて動く磁気ヘッドを備えた磁気テープドライブ内において磁気テープの張力の変動を測定するテープテンション変動測定方法であって、前記磁気ヘッドに加わる前記磁気テープの張力の変動に応じた振動を、前記磁気ヘッドの動きに応じた振動を吸収する振動吸収体を介して検出することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るテープテンション変動測定装置および方法の詳細について説明する。参照する図面において、図1は本実施形態に係るテープテンション変動測定装置を示す拡大斜視図、図2は板ばねに伝わる表面波を示した側面図である。
【0015】
図1に示すように、テープテンション変動測定装置1は、磁気テープドライブD内において走行する磁気テープMTのテンション(張力)の変動を測定するものである。そして、このテープテンション変動測定装置1は、板ばね(振動吸収体)11と、この板ばね11上に設けられるAE(Acoustic Emission)センサ12と、このAEセンサ12に接続されるローパスフィルタ13と、このローパスフィルタ13に接続されるアンプ14とを主に備えている。なお、磁気テープドライブD内に設けられる磁気ヘッドMHは、サーボ制御のために駆動する駆動装置DMによって磁気テープMTの幅方向に動くようになっている。
【0016】
板ばね11は、ステンレス鋼板(SUS)やアルミなどの金属(弾性体)で形成される板状の部材であり、その一端部11aが折り曲げられて磁気ヘッドMHの側面SFの先端面TF側に接合されている。また、このように一端部11aが接合されることで、他端側の本体部11bが磁気ヘッドMHから離されて配置されている。さらに、板ばね11は、磁気ヘッドMHに接合され、かつAEセンサ12が取り付けられた状態で、その固有振動数が前記磁気ヘッドMHの動作周波数(磁気ヘッドMHの動きに応じた振動の周波数)よりも低い値に設定されることによって磁気ヘッドMHの動きに本体部11bが追従しないようになっている。すなわち、この板ばね11は、その本体部11bが磁気ヘッドMHに追従しないことにより、磁気ヘッドMHの動きに応じた振動(実体波)を吸収している。なお、磁気ヘッドMHの動作周波数は、一般に約200Hz(ヘルツ)程度となっている。
【0017】
AEセンサ12は、磁気ヘッドMHに加わる磁気テープMTのテンションの変動に応じた振動、具体的には磁気ヘッドMHと磁気テープMTとの摩擦により生じる表面波W(図2参照)を検出する振動検出器である。そして、このAEセンサ12は、板ばね11の本体部11bの適所に接着剤により接着されている。なお、磁気テープMTのテンションの変動により生じる表面波Wの周波数は、一般に約1kHz(キロヘルツ)程度となっている。
【0018】
ローパスフィルタ13は、そのカットオフ周波数が50kHzとなっており、AEセンサ12から出力される信号のうち50kHz以上の周波数の信号を減衰(カット)させるものである。すなわち、このローパスフィルタ13は、AEセンサ12から出力される多種の信号を、磁気テープMTのテンションの変動による振動に起因する特定の信号に絞っている。なお、カットオフ周波数としては、50kHz〜300kHzのものを選択するのが望ましい。
【0019】
アンプ14は、AEセンサ12からローパスフィルタ13を介して出力されてくる信号を増幅するものである。そして、このアンプ14で増幅された信号は、図示しないモニタなどによって表示されたり、また図示しないコンピュータなどにより磁気テープMTのテンションを算出するためのデータとして保存される。
【0020】
次に、このテープテンション変動測定装置1によるテンションの変動の測定方法について説明する。なお、以下の説明では、磁気テープMTにデータを記録するときの測定について説明するが、再生時も記録時と同じ方法で測定されるため、その説明は省略する。
【0021】
図1に示すように、磁気テープドライブDを駆動させると、磁気テープMTが一方向に走行し、磁気ヘッドMHが磁気テープMT上に書き込まれたサーボ信号をトレースしながら磁気テープMT上にデータを記録する。ここで、磁気ヘッドMHが所定のサーボ信号から外れたときは、この外れたときに読み取ったサーボ信号に基づいて駆動装置DMが駆動されることで、磁気ヘッドMHがテープ幅方向に移動して所定のサーボ信号の位置に戻る。
【0022】
このように、磁気ヘッドMHが移動した場合は、その磁気ヘッドMHの動きに応じた実体波が板ばね11で吸収され、磁気ヘッドMHに加わるテンションの変動に応じた表面波W(図2参照)のみがAEセンサ12で検出される。すなわち、従来では混合されて検出されていた磁気ヘッドMHの動きに応じた波とテープテンションの変動に応じた波が、板ばね11で分離され、表面波Wとして伝わったテープテンションの変動に応じた波のみがAEセンサ12で検出されることとなる。また、AEセンサ12から出力される信号は、ローパスフィルタ13やアンプ14を介して図示しないモニタやコンピュータなどに出力される。
【0023】
以上によれば、本実施形態において、次のような効果を得ることができる。
磁気ヘッドMHの動きに応じた実体波が板ばね11で吸収され、磁気テープMTのテンションの変動に応じた表面波WのみがAEセンサ12で検出されるので、磁気ヘッドMHがサーボ制御によって動く場合であっても、この磁気ヘッドMHに摺動する磁気テープMTのテンションの変動を正確に測定することができる。なお、磁気ヘッドMHに直接取り付けたAEセンサ12からの信号を電気的な信号処理でテープテンションの変動に応じた波のみに絞るのは従来うまくできなかったが、本実施形態のように板ばね11を利用することによりテープテンションの変動に応じた波のみを効果的に検出することができるようになった。
【0024】
また、カットオフ周波数が50kHzとなるローパスフィルタ13を用いることにより50kHz以上の周波数の信号がカットされるので、AEセンサ12から出力される多種の信号を磁気テープMTの張力に起因する特定の信号に絞ることができる。
【0025】
以上、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
本実施形態では、振動吸収体として板ばね11を用いたが、本発明はこれに限定されず、たとえばコイルばねやゴムなどの弾性体であればどのようなものを用いてもよい。ただし、本実施形態のような板ばね11では、磁気ヘッドMHの先端面TFに生じる表面波Wが伝わりやすいので、これを用いるのが望ましい。
本実施形態では、板ばね11を折り曲げる角度を鈍角にしたが、本発明はこれに限定されず、鋭角であってもよい。ただし、本実施形態のように板ばね11を鈍角に折り曲げた場合は表面波Wが伝わりやすいので、このように折り曲げるのが望ましい。
【0026】
【発明の効果】
請求項1または請求項3に記載の発明によれば、磁気ヘッドが動く場合であっても磁気ヘッドの動きに応じた振動が振動吸収体で吸収されるので、磁気テープの張力の変動に応じた振動のみを検出することができ、そのテンションの変動を正確に測定できる。
【0027】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加え、振動吸収体として表面波が伝わりやすい板ばねを用いるので、磁気テープの張力の変動に応じた振動を振動検出器で良好に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るテープテンション変動測定装置を示す拡大斜視図である。
【図2】板ばねに伝わる表面波を示した側面図である。
【符号の説明】
1 テープテンション変動測定装置
11 板ばね(振動吸収体)
11a 一端部
11b 本体部
12 AEセンサ(振動検出器)
13 ローパスフィルタ
14 アンプ
MT 磁気テープ
MH 磁気ヘッド
D 磁気テープドライブ
Claims (3)
- サーボ制御されて動く磁気ヘッドを備えた磁気テープドライブ内において磁気テープの張力の変動を測定するテープテンション変動測定装置であって、
前記磁気ヘッドに設けられ、かつ前記磁気ヘッドの動きに応じた振動を吸収する振動吸収体と、
前記振動吸収体に設けられ、かつ前記磁気ヘッドに加わる前記磁気テープの張力の変動に応じた振動を検出する振動検出器と、を備えることを特徴とするテープテンション変動測定装置。 - 前記振動吸収体が、板ばねであることを特徴とする請求項1に記載のテープテンション変動測定装置。
- サーボ制御されて動く磁気ヘッドを備えた磁気テープドライブ内において磁気テープの張力の変動を測定するテープテンション変動測定方法であって、
前記磁気ヘッドに加わる前記磁気テープの張力の変動に応じた振動を、前記磁気ヘッドの動きに応じた振動を吸収する振動吸収体を介して検出することを特徴とするテープテンション変動測定方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP (1) | JP2004335047A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8089726B2 (en) * | 2008-03-25 | 2012-01-03 | Oracle America, Inc. | Method for counteracting longitudinal oscillations of magnetic tape in a tape drive system |
-
2003
- 2003-05-12 JP JP2003132963A patent/JP2004335047A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8089726B2 (en) * | 2008-03-25 | 2012-01-03 | Oracle America, Inc. | Method for counteracting longitudinal oscillations of magnetic tape in a tape drive system |
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