JP2004335000A - 反復型復号回路および情報再生装置 - Google Patents
反復型復号回路および情報再生装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004335000A JP2004335000A JP2003131130A JP2003131130A JP2004335000A JP 2004335000 A JP2004335000 A JP 2004335000A JP 2003131130 A JP2003131130 A JP 2003131130A JP 2003131130 A JP2003131130 A JP 2003131130A JP 2004335000 A JP2004335000 A JP 2004335000A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- correction
- circuit
- likelihood
- soft decision
- signal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
Abstract
【課題】有色雑音を持つ低SNRの情報記録再生チャネルに対しても精度良くデータ再生を行える反復型復号回路および情報再生装置を提供する。
【解決手段】尤度パターン検出補正回路6には予め実験的・理論的に求めた有色雑音を生じやすい尤度パターン群が設定されている。第1の復号器5による軟判定復号結果である尤度Λinが尤度パターン群中の何れかを含む場合、尤度パターン検出補正回路6は対応する尤度Λinを重み付けにより補正する。また同時に、補正信号crctinおよびcrctoutを出力し、第1の復号器5中の入力データEQDATおよび第2の復号器5中の入力データIL−EQDATを重み付けにより補正せしめる。第2の復号器8は補正後の入力データIL−EQDATおよび事前値Linに基づいて軟判定復号処理を実行する。かかる軟判定サイクルを所定回数繰り返した後、事前値Loutを硬判定し復号情報TURBODATを出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】尤度パターン検出補正回路6には予め実験的・理論的に求めた有色雑音を生じやすい尤度パターン群が設定されている。第1の復号器5による軟判定復号結果である尤度Λinが尤度パターン群中の何れかを含む場合、尤度パターン検出補正回路6は対応する尤度Λinを重み付けにより補正する。また同時に、補正信号crctinおよびcrctoutを出力し、第1の復号器5中の入力データEQDATおよび第2の復号器5中の入力データIL−EQDATを重み付けにより補正せしめる。第2の復号器8は補正後の入力データIL−EQDATおよび事前値Linに基づいて軟判定復号処理を実行する。かかる軟判定サイクルを所定回数繰り返した後、事前値Loutを硬判定し復号情報TURBODATを出力する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反復型復号回路およびこれを備えた情報再生装置に関し、特に、高密度記録に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスクにおける記録の高密度化に伴い、記録データ間の符号間干渉を利用したPRML(Partial Response Likelihood Maximum)信号処理が広く用いられている。しかし、今後、光ディスクにおいてさらなる記録高密度化が進めば、再生信号であるRF (Radio Frequency)信号のSNR(Signal to Noise Ratio)劣化は避けられず、従来のビタビ復号によるPRML信号処理では十分な再生性能が得られなくなることが容易に推測される。
【0003】
そこで通信分野において注目される符号・復号技術であるターボ符号技術やLDPC(Low Density Parity Check Code)などの反復型復号法を光ディスク等の情報記録再生装置へと応用することが検討されている。
【0004】
反復型復号法の1つであるターボ符号器の構成は、例えば特許文献1に記載されているように、2つのRSC (Recursive Systematic Convolutional) 符号器がインタリーバを介して接続された構成が代表的である。このような構成のターボ符号器に対し、ターボ復号器はインナー復号器とアウター復号器の2つの復号器がインタリーバを介して接続された構成をとる。これら各復号器は最大事後確率(MAP :Maximum a posteriori Probability) 復号により、軟入力軟出力(SISO: Soft−In Soft−Out)を行うことを特徴としている。
【0005】
図24にターボ符号器・復号器を光ディスク記録再生装置に適用した場合の回路ブロック図の一例を示す。
【0006】
ターボ符号器への入力データukは、パンクチャ回路21に入力されると共に、第1のターボ符号器22とインタリーブ回路23に入力される。第1のターボ符号器22は、伝達関数g1(D)/g2(D)のパリティ付加回路22aを備え、その出力であるパリティデータ列p1kをパンクチャ回路21へ出力する。インタリーブ回路23は、所定の規則に従って入力データukを並べ替え、並べ替えた入力データを第2のターボ符号器24に出力する。第2のターボ符号器24は、伝達関数g3(D)/g4(D)のパリティ付加回路24aを備え、その出力であるパリティデータ列p2kをパンクチャ回路21へ出力する。パンクチャ回路21は、所定の間隔でパリティデータ列p1kおよびp2kを間引き、入力データ列ukに多重する。このようにして生成された記録データ列[uk., p1k, p2k]は、図示しない記録手段によってディスク上に記録される。
【0007】
ディスクから再生されターボ復号器へ入力された信号ykは、第1のターボ復号器25へ入力されると共にインタリーブ回路26へと入力される。インタリーブ回路26は、エンコード時と同様のインタリーブを入力信号ykに施す。第1のターボ復号器25は、入力信号ykと前回の第2のターボ復号器28からの事前値Loutに基づき尤度Λinを算出する。算出された尤度Λinは、事前値Loutを減じられた後、インタリーブ回路27によりエンコード時と同様のインタリーブが施され、事前値Linとして第2のターボ復号器28へと出力される。
【0008】
第2のターボ復号器28は、この事前値Linと、インタリーブ回路26によってインタリーブされた後の入力信号に基づいて、尤度Λoutを算出する。算出された尤度Λoutは、前回の第1のターボ復号器25からの事前値Linを減じられた後、デインタリーブ回路29によりエンコード時に行われたインタリーブを元に戻され、事前値Loutとして第1のターボ復号器25へ出力される。
【0009】
このサイクルを所定回数または特定の基準に基づく回数繰り返した後、尤度Λoutを硬判定回路30により硬判定し、出力2値データuk’として出力する。ここで、各ターボ復号器はSISO復号回路であり、各尤度データ、事前値等に関する演算は多値により行われる。
【0010】
また、ターボ符号器を光ディスクや磁気ディスク等の情報再生装置におけるPRチャネルへ適用する研究が進められている。この場合、PRチャネルがターボ符号器の1つを兼ねる構成となり、一般にアウター符号器はRSC符号器とし、インナー符号器はPRチャネル自体とみなすことができるため、インナー符号器自体が省略された構成となる。このような構成のターボ符号器に対して、ターボ復号器は同様にインナー復号器とアウター復号器の2つの復号器がインタリーバを介して接続された構成をとるが、インナー復号器は、PRチャネルに応じたMAP復号を行うこととなる。
【0011】
図25にターボ符号をPRML信号処理に適用した場合の回路ブロック図の一例として直列連接型(以下シリアル型)のターボ符号・復号器を示す。
【0012】
図において、ターボ符号器への入力データukはアウター符号器31に入力され、伝達関数g1(D)/g2(D)のパリティ付加回路31aの出力であるパリティデータ列pkが、入力データukと共に、パンクチャ回路32へ出力される。パンクチャ回路32は、所定の間隔でパリティデータ列pkを間引き、データ列[uk., pk]を出力する。データ列[uk., pk]は、インタリーバ33にてインタリーブされ、さらにNRZI変調回路34によりNRZI (No Return to Zero Inverse) 変調される。そして、図示しない記録手段により、ディスクに記録される。
【0013】
ここで、NRZI変調およびディスクに記録されたデータの符号間干渉によるPRチャネルがインナー符号器としての役割を果たすことになる。
【0014】
ディスクから再生され、ターボ復号器へ入力された信号ykは、先ずインナー復号器35へ入力される。インナー復号器35は、入力信号ykと前回のアウター復号器28からの事前値Loutに基づき尤度Λinを算出する。算出された尤度Λinは、事前値Loutを減じられた後、デインタリーブ回路36によりエンコード時に行われたインタリーブを解かれ、事前値Linとしてデパンクチャ回路37へ入力される。デパンクチャ回路36は、事前値Linを、エンコード時に付加されたパリティデータ成分Lin−pとデータ成分Lin−dに分別し、データ事前値Lin−p、パリティ事前値Lin−dとしてアウター復号器38へと出力する。アウター復号器38は、このデータ事前値Lin−dとパリティ事前値Lin−pに基づいて、データ尤度Λout−d、パリティ尤度Λout−pを算出する。算出されたデータ尤度Λout−d、パリティ尤度Λout−pは、パンクチャ回路39を介して尤度Λoutとして出力される。尤度Λoutは、前回のデインタリーブ回路36からの事前値Linを減じられた後、エンコード時と同様のインタリーブが施され、事前値Loutとしてインナー復号器35へ出力される。
【0015】
このサイクルを所定回数または特定の基準に基づく回数繰り返した後、データ尤度Λout−dを硬判定回路41により硬判定し、出力2値データuk’として出力する。ここで、各ターボ復号器はSISO復号回路であり、各尤度データ、事前値等に関する演算は多値により行われる。
【0016】
上記ターボ符号器は、ビタビ復号器に比べ莫大な回路規模が必要となるが、情報理論におけるShannon限界に近い伝送路特性を得ることができるため、SNRの低いRF信号においても精度良く再生できる利点があり、デジタル符号化方式として実用化されつつある。
【0017】
ところで、ターボ符号やLDPC符号などの反復型復号法は、雑音間に相関がない白色雑音を前提として構成されている。従って、例えば光磁気ディスクにおけるエッジシフトにより記録マークの位相ずれが発生し、再生時に単マークのサンプリングを失敗する場合など、雑音が記録データの周波数に依存する場合などには反復型復号法はその性能を十分に発揮できない。
【0018】
これに対し、特許文献2には、エッジシフトの影響を低減する方法として記録タイミングを補正する方法が開示されている。また、特許文献3には、磁気記録再生チャネルの雑音特性をモデル化し、雑音特性をターボ復号器の復号過程に取り入れることでターボ符号器の性能を向上させる方法が提案されている。
【0019】
【特許文献1】
米国特許第5446747号公報
【特許文献2】
特開2002−319207号公報
【特許文献3】
特開2002−367291号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献2に記載の方法は、アナログディレイライン等のアナログ処理によって記録タイミングの補正を行うものであるため、アナログ素子の温度特性などの不安定要因により、微妙な記録タイミングの調整が必ずしも容易でないという問題を含んでいる。
【0021】
また、上記特許文献3に記載の方法は、雑音特性をターボ復号器の復号過程に取り入れるものであるため、ターボ復号器の性能を十分に発揮できると見込まれるが、全ての再生信号に対し磁気記録再生チャネルの雑音特性を取り込むものであるため、計算量および回路規模が増大してしまうという問題が生じる。
【0022】
そこで本発明は、前記従来技術において、回路規模の増加を抑えつつ情報記録再生チャネルの雑音特性を反復型復号器の復号過程に取り入れた反復型復号器を提案し、該反復型復号器により記録データ周波数に依存する雑音特性(有色雑音)を持つ低SNRの情報記録再生チャネルに対しても精度良くデータ再生を行うことを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、復号誤りが発生しやすい信号パターン群、たとえば有色雑音が大きくなりやすい信号パターン群を予め実験的・理論的に求めておき、再生信号(入力信号)がこの信号パターン群中の何れかを含むとき、その再生信号(入力信号)は信頼性が低いものとして重みづけ処理等を施し、かかる再生信号を適正値に近づけるものである。
【0024】
各請求項に係る発明の特徴は、以下の通りである。
【0025】
請求項1の発明は、過去の軟判定処理にて出力された事前値に基づいて入力信号を補正すると共に補正後の入力信号に対して現在の軟判定処理を実行する軟判定復号サイクルを繰り返した後、当該軟判定結果から復号情報を生成する反復型復号回路において、信号パターン群を格納するパターン格納手段と、入力信号と前記信号パターン群とを比較し入力信号中に前記信号パターン群中の何れかの信号パターンが含まれているかを検出するパターン検出手段と、前記パターン検出手段による検出結果に応じて入力信号を補正する補正手段とを有することを特徴とする。
【0026】
請求項2の発明は、請求項1に記載の反復型復号回路において、前記パターン格納手段は前記信号パターン群に応じたデータパターン群を格納し、前記パターン検出手段は前記軟判定処理におけるデータと前記データパターン群とを比較し入力信号中に前記信号パターン群中の何れかの信号パターンが含まれているかを検出することを特徴とする。
【0027】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の反復型復号回路において、当該反復型復号回路は、前記入力信号と前記事前値に基づいて軟判定処理を実行する第1の軟判定回路と、当該第1の軟判定回路による軟判定結果を用いて軟判定処理を実行すると共に当該軟判定結果に応じた事前値を前記第1の軟判定回路に出力する第2の軟判定回路とを備え、前記補正手段は、前記パターン検出手段による検出結果に応じて前記第1の軟判定回路による軟判定結果をもさらに補正することを特徴とする。
【0028】
請求項4の発明は、請求項3に記載の反復型復号回路において、前記第2の軟判定回路は、前記第1の軟判定回路による軟判定結果と前記入力信号とに基づいて軟判定処理を実行することを特徴とする。
【0029】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の反復型復号回路において、前記パターン検出手段および前記補正手段における前記補正動作を制御する補正制御手段をさらに備えることを特徴とする。
【0030】
請求項6の発明は、請求項5に記載の反復型復号回路において、前記補正制御手段は、前記入力信号の復号状態から復号誤りが発生している信号期間を特定する期間特定手段を備え、当該特定された信号期間においてのみ前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を実行させることを特徴とする。
【0031】
請求項7の発明は、請求項5または6に記載の反復型復号回路において、前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記パターン検出手段におけるパターン検出および/もしくは補正手段における補正を切り替えることを特徴とする。
【0032】
請求項8の発明は、請求項7に記載の反復型復号回路において、前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数が所定回数に達した後は前記パターン検出手段におけるパターン検出および/もしくは補正手段における補正を中止することを特徴とする。
【0033】
請求項9の発明は、請求項7または8に記載の反復型復号回路において、前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記パターン検出手段におけるパターン検出レベルを変更することを特徴とする。
【0034】
請求項10の発明は、請求項7乃至9の何れかに記載の反復型復号回路において、前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記補正手段における補正レベルを変更することを特徴とする。
【0035】
請求項11の発明は、過去の軟判定処理にて出力された事前値に基づいて再生信号を補正すると共に補正後の再生信号に対して現在の軟判定処理を実行する軟判定復号サイクルを繰り返した後、当該軟判定結果から復号情報を生成する反復型復号回路を備える情報再生装置において、記録媒体から再生信号を読み出す読み出し手段と、
信号パターン群を格納するパターン格納手段と、再生信号と前記信号パターン群とを比較し再生信号中に前記信号パターン群の何れかの信号パターンが含まれているかを検出するパターン検出手段と、前記パターン検出手段による検出結果に応じて再生信号を補正する補正手段とを有することを特徴とする。
【0036】
請求項12の発明は、請求項11に記載の情報再生装置において、前記パターン格納手段は前記信号パターン群に応じたデータパターン群を格納し、前記パターン検出手段は前記軟判定処理におけるデータと前記データパターン群とを比較し再生信号中に前記信号パターン群中の何れかの信号パターンが含まれているかを検出することを特徴とする。
【0037】
請求項13の発明は、請求項11または12に記載の情報再生装置において、当該反復型復号回路は、前記再生信号と前記事前値に基づいて軟判定処理を実行する第1の軟判定回路と、当該第1の軟判定回路による軟判定結果を用いて軟判定処理を実行すると共に当該軟判定結果に応じた事前値を前記第1の軟判定回路に出力する第2の軟判定回路とを備え、前記補正手段は、前記パターン検出手段による検出結果に応じて、前記第1の軟判定回路による軟判定結果をもさらに補正することを特徴とする。
【0038】
請求項14の発明は、請求項13に記載の情報再生装置において、前記第2の軟判定回路は、前記第1の軟判定回路による軟判定結果と前記再生信号とに基づいて軟判定処理を実行することを特徴とする。
【0039】
請求項15の発明は、請求項11乃至14の何れかに記載の情報再生装置において、前記パターン検出手段および前記補正手段における前記補正動作を制御する補正制御手段をさらに備えることを特徴とする。
【0040】
請求項16の発明は、請求項15に記載の情報再生装置において、前記補正制御手段は、前記再生信号の復号状態から複合誤りが発生している信号期間を特定する期間特定手段を備え、当該推定された信号期間においてのみ前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を実行させることを特徴とする。
【0041】
請求項17の発明は、請求項15または16に記載の情報再生装置において、前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記パターン検出手段におけるパターン検出および/もしくは補正手段における補正を切り替えることを特徴とする。
【0042】
請求項18の発明は、請求項17に記載の情報再生装置において、前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数が所定回数に達した後は前記パターン検出手段におけるパターン検出および/もしくは補正手段における補正を中止することを特徴とする。
【0043】
請求項19の発明は、請求項17または18に記載の情報再生装置において、前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記パターン検出手段におけるパターン検出レベルを変更することを特徴とする。
【0044】
請求項20の発明は、請求項17乃至19の何れかに記載の情報再生装置において、前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記補正手段における補正レベルを変更することを特徴とする。
【0045】
請求項21の発明は、請求項15に記載の情報再生装置において、前記補正制御手段は、再生リトライの頻度に応じて、前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を変更することを特徴とする。
【0046】
請求項22の発明は、請求項15に記載の情報再生装置において、前記補正制御手段は、記録媒体のエラー特性に応じて、前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を変更することを特徴とする。
【0047】
請求項23の発明は、請求項15に記載の情報再生装置において、前記補正制御手段は、記録媒体の種類に応じて、前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を変更することを特徴とする。
【0048】
請求項24の発明は、請求項11に記載の情報再生装置において、前記記録媒体は光ディスクであり、前記読み出し手段はレーザ光をディスクに照射する光ピックアップを備え、前記補正制御手段は、再生レーザパワーのレベルに応じて、前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を変更することを特徴とする。
【0049】
本発明の特徴は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。
ただし、以下の実施の形態は、あくまでも本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態につき図面を参照して説明する。
【0051】
1.第1の実施例
まず、第1の実施例に係る光ディスク再生装置の構成を図1に示す。なお、本実施例は、反復型復号法の代表例としてターボ符号を適用した場合の構成例である。記録側のターボ符号器としては、たとえば上記従来例における図24のターボ符号器をそのまま採用できる。図1には、便宜上、再生系のみを示してある。また、ディスク上の絶対位置を示すアドレス信号やクロック信号、サーボ信号等は、本発明を説明する上で直接必要でないため、図示省略している。同様に、これら信号を生成する回路の構成およびこれら信号に応じてサーボ処理を実行する回路等の構成についても、図示省略している。
【0052】
図1において、ディスク1からの反射光は、光ピックアップ2の受光センサにおいて電気信号に変換される。この電気信号を演算して得られた再生信号RFは、ADコンバータ3においてディジタルサンプリングされ、ディジタルサンプリングデータRDATとして出力される。ディジタルサンプリングデータRDATは、バンドパスフィル4により帯域制限された後、EQDATとしてターボ復号器へ入力される。
【0053】
ターボ復号器に入力された入力データEQDATは、第1の復号器5へと入力され、さらにインタリーブ回路7によりターボ符号器と同様のインタリーブを施された後、インタリーブ入力データIL−EQDATとして第2のターボ復号器8へと入力される。
【0054】
第1の復号器5は、入力データEQDATと事前値Loutから尤度Λinを算出し、これを尤度パターン検出回路6に出力する。尤度パターン検出補正回路6は、予め実験的または理論的に求められた有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群と入力データEQDATとを尤度Λinを参照して比較し、データパターン群中の何れかが検出された場合には、算出された尤度Λinは信頼性が低いと判断して、尤度Λinの尤度を低減するため所定の基準により重みづけしΛin’として出力する。
【0055】
ここで、重み付けは、たとえば信頼性が低いとされる尤度Λinの値を半分とする方法を採用できる。なお、有色雑音が大きくなりやすいデータパターン群の設定方法については追って説明する。
【0056】
同時に、尤度パターン検出補正回路6は、第1の復号器5に対し入力データEQDATまたは状態遷移確率γinを補正するための信号crctinを出力し、さらに、第2のターボ復号器8に対し入力データIL−EQDATまたは状態遷移確率γoutを補正するための信号crctoutを出力する。信号crctinを受けて、第1の復号器5は、当該データパターンに対応する入力データEQDATまたは状態遷移確率γinを重み付けにより補正する。また、信号crctoutを受けて、第2の復号器8は、当該データパターンに対応する入力データIL−EQDATまたは状態遷移確率γoutを重み付けにより補正する。
【0057】
ここで、状態遷移確率γoutおよびγinの補正は、たとえば信頼性が低いとされる状態遷移確率γoutおよびγinの値を半分とする方法を採用できる。また、入力データEQDATおよびIL−EQDATの補正は、たとえば信頼性が低いとされる入力データEQDATおよびIL−EQDATの振幅値をゼロレベルと上限レベルの中間値に補正する方法を採用できる。
【0058】
尤度パターン検出回路6により重みづけ処理が施された尤度Λin’は、事前値Loutを減じられた後、インタリーブ回路7へと入力される。インタリーブ回路7は、入力された尤度Λin’に対してターボ符号器と同様のインタリーブ処理を施し、インタリーブ後の尤度Λin’を、事前値Linとして第2のターボ復号器8へと出力する。
【0059】
第2のターボ復号器8は、上記の如く、信号crctoutに基づいて入力データIL−EQDATまたは状態遷移確率γoutに重みづけ処理を施し、重みづけした入力データIL−EQDATまたは状態遷移確率γoutと、インタリーブ回路7からの事前値Linとから尤度Λoutを算出する。算出された尤度Λoutは、事前値Linを減じられた後デインタリーブ回路9へと入力され、ここでインタリーブを解かれる。デインタリーブ回路9からの出力は、事前値Loutとして第1の復号器5へと出力される。
【0060】
なお、ターボ復号器内のインタリーブ回路7は、ターボ符号器で用いたインタリーブ回路と同じ操作を行い、また、ターボ復号器内のデインタリ−ブ回路9は、該インタリーブ回路の逆操作を行う。
【0061】
上記サイクルを所定回数または特定の基準に基づいた回数繰り返した後、デインタリーブ後の尤度Λoutを硬判定し、2値化データTURBODATとして出力する。このとき、1回目のサイクルでは事前値Loutはないものとして演算が行われる。
【0062】
なお、本実施例における尤度パターン検出補正回路6は、上記のように尤度Λinに基づいて判定を行うものであったが、尤度Λinから事前値Loutを減じたデータに基づいて尤度パターン判定を行っても良い。
【0063】
ところで、本実施例におけるターボ復号器ではMax−Logアルゴリズムにより、時点kにおける尤度Λinを
として求めている。Max−Logアルゴリズムの詳細な説明は、トリケップスNo.198 「ターボ符号の基礎」第4章(p37〜p48)に記載されている。ここでは式(2)の簡単な説明に留める。
【0064】
γkは時点kでの状態遷移確率であり、状態遷移におけるブランチ自身の確率すなわちビタビ復号のブランチメトリックに相当する。αk−1は時点k−1での各状態が持つ状態確率であり、これは時点k−1の各状態に至るまでのγkの総和
αk−1 = Σ(i=0 to k−1) γi …(2)
として表される。これはビタビ復号のパスメトリックに相当する。βkは時点kでの各状態から終端までの状態確率であり、これは時点kの各状態から終端までのγkの総和
βk = Σ(i=k to P−1) γi …(3)
として表され、これもビタビ復号のパスメトリックに相当する。従って、式(1)の第1項は時点kでのデータdkが1である最大確率を、第2項は時点kでのデータdkが0である最大確率を求め、その差分を時点kにおける尤度Λ(k)としている。
【0065】
図2(A)に2つのレジスタD1、D2を有するターボ符号器の構成例を示す。また、図2(A)のターボ符号器における入力データ列の順方向状態確率αの状態遷移図を図2(B)に、逆方向状態確率βの状態遷移図を図2(C)に示す。
【0066】
例えばα00からα00へ遷移する場合にはα000のパスを通り、そのとき期待される2値化データは0であり、対応するパリティビットは0となる。同様にβ00からβ00へ遷移する場合にはβ000のパスを通り、そのとき期待される2値化データは0であり、対応するパリティビットは0となる。これら図2(B)、図2(C)の状態遷移図に基づいて第1および第2の復号器は構成されることとなる。
【0067】
図3は、第1の復号器5、尤度パターン検出補正回路6及び尤度Λin‘−Loutの演算を行う減算器における回路ブロック図の第1の構成例であり、図4は本構成例における回路ブロックの動作を示すフローチャートである。
【0068】
まず、図3を参照して、SRAM51は、インタリーブのブロックサイズ分の入力データEQDATを格納すると共に、各回の復号サイクル時にβ演算回路54にて演算された状態確率βを格納する。また、各回の復号サイクル時に演算され尤度補正部62にて補正された尤度Λin’から事前値Loutを減算した尤度Λin’−Loutを格納する。
【0069】
なお、SRAM51に格納された入力データEQDATは、尤度パターン検出部61からの補正信号crctinに基づいて重み付けされ補正される。また、SRAM51に格納された尤度Λin’−Loutは、後述する第2の復号器8からの尤度Λoutから尤度Λout−Linを演算する際にSRAM51から読み出され利用される。すなわち、第2の復号器8にて求めた尤度Λoutから尤度Λout−Linを演算する際に、SRAM51から尤度Λin’−Loutを読み出し、これをインタリーブ回路7にてインタリーブして事前値Linとし、この事前値Linと第2の復号器8からの尤度Λoutから尤度Λout−Linを演算する(図5参照して追って説明する)。
【0070】
デパンクチャ回路52は、SRAM51から読み出された入力データEQDATをデータ情報EQDAT−dataとパリティ情報EQDAT−parityの2つのデータ列に分割する。このとき、ターボ符号器側のパンクチャ回路で間引かれたパリティ情報を0としてパリティデータの補完を行う。
【0071】
γ演算回路53は、デパンクチャ回路52からのデータ情報EQDAT−data及びパリティ情報EQDAT−parityと、第2のターボ復号器8からの事前値Loutに基づいて、ブランチメトリックに相当するデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityを演算する。
【0072】
β演算回路54は、γ演算回路53により演算されたデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityに基づいて各状態におけるパスメトリックβ00、β01、β10、β11を演算し、演算結果をSRAM51に格納する。また、全てのパスメトリックスの演算終了に応じて、α演算回路55およびΛ演算回路56に対し開始信号ΛSTARTを出力する。
【0073】
α演算回路55は、開始信号ΛSTARTに応じて、γ演算回路53により演算されたデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityに基づいて各状態におけるパスメトリックα00、α01、α10、α11を演算する。
【0074】
Λ演算回路56は、開始信号ΛSTARTに応じて、α演算回路55にて演算された状態確率α00、α01、α10、α11と、SRAM51から読み出された状態確率β00、β01、β10、β11およびγ演算回路53にて演算されたデータ状態遷移確率γdata、パリティ状態遷移確率γparityから、データ尤度Λdata及びパリティ尤度Λparityを演算する。
【0075】
パンクチャ回路57は、Λ演算回路56にて演算されたデータ尤度Λdata及びパリティ尤度Λparityに対し符号化時と同様の多重化を施し、尤度Λinを出力する。
【0076】
尤度パターン検出部61は、有色雑音が大きくなりやすいデータパターンに対応する尤度パターン群が予め設定されており、パンクチャ回路57から供給される尤度Λinと、設定された尤度パターン群とを比較して、尤度パターン群の何れかを尤度Λinが含むときに、補正信号crctinおよびcrctoutを出力する。このうち、補正信号crctoutは第2の復号器8に供給され、これに応じて第2の復号器8のSRAM81に格納された入力データIL−EQDATが補正される。なお、尤度パターン検出部61の詳細については追って説明する。
【0077】
尤度補正部62は、補正信号crctinに応じて、尤度パターンに対応する尤度Λinを所定の重みづけを行うことで補正する。ここで、重み付けは、たとえば尤度パターンに対応する尤度Λinの値を半分に減じる方法にて行われる。
【0078】
次に、図4を参照して、上記第1の復号器5の処理動作について説明する。
【0079】
イコライザ出力である入力データEQDATは、インタリーブのブロックサイズ分、SRAM51内に格納される(S101)。格納された入力データEQDATは、状態確率βを演算するため、時系列と逆順に、すなわちEQDAT(0)、EQDAT (1)、…、EQDAT (N−1)と時系列に入力されたデータをEQDAT (N−1)、EQDAT (N−2)、…、EQDAT (0)の順番で読み出される(S102)。ここで、Nはインタリーブのブロックサイズを表している。
【0080】
逆順に読み出された入力データEQDATは、デパンクチャ回路52により、データ情報EQDAT−dataとパリティ情報EQDAT−parityの2つのデータ列に分割される(S103)。このとき、ターボ符号器におけるパンクチャ回路で間引かれたパリティ情報を0とするなどパリティデータの補完が行われる。
【0081】
これらデータ情報EQDAT−data及びパリティ情報EQDAT−parityと、第2のターボ復号器8からの事前値Loutとから、γ演算回路53にてブランチメトリックに相当するデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityが演算される(S104)。演算されたデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityはβ演算回路54へと入力され、時点N−1から各時点までの各状態におけるパスメトリックβ00、β01、β10、β11が演算され(S105)、SRAM51へと格納される(S106)。βの演算が終了した後、β演算回路54は、α演算回路55およびΛ演算回路56に対し開始信号ΛSTARTを出力する(S107)。
【0082】
次に状態確率αを演算するため、入力データEQDATが、時系列順に、すなわちEQDAT (0)、EQDAT (1)、…、EQDAT (N−1)の順番で読み出される(S108)。読み出された入力データEQDATは、デパンクチャ回路52により、データ情報EQDAT−dataとパリティ情報EQDAT−parityの2つのデータ列に分割される(S109)。そして、β演算と同様に、γ演算回路53にてブランチメトリックに相当するデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityが演算され(S110)、α演算回路55へと入力される。
【0083】
α演算回路55では、各時点までの各状態におけるパスメトリックに相当する状態確率α00、α01、α10、α11が演算され(S111)、Λ演算回路56へと出力される。Λ演算回路56では、演算された状態確率α00、α01、α10、α11と、SRAM51から読み出された状態確率β00、β01、β10、β11(S112)及びデータ状態遷移確率γdata、パリティ状態遷移確率γparityからデータ尤度Λdata及びパリティ尤度Λparityが演算され(S113)、パンクチャ回路57を通してΛinとして、SRAM51へと出力される。これにより第1の復号器5における尤度Λinの演算が完了する。
【0084】
第1の復号器5より出力された尤度Λinは、尤度パターン検出補正回路6へと入力され、有色雑音が大きくなりやすい所定の尤度パターン群の何れかを尤度Λinが含むかが判別される。そして、尤度パターン群の何れかを含む場合、尤度パターン検出部61にて、補正信号crctinおよびcrctoutが出力される(S114)。
【0085】
尤度補正部62は、尤度パターン検出部61からの補正信号crctinを受け、当該尤度Λinを所定の重みづけを行うことで補正し、尤度Λin’として出力する(S115)。また、当該尤度Λinに対応する入力データEQDATについても重みづけを行うことで補正を行う(S116)。補正された尤度Λin’は第2の復号器8からの事前値Loutを減じられ、SRAM51内に格納される(S117)と共にインタリーブ回路7へと出力される(S118)。
【0086】
以上の処理により、第1の復号器5にて尤度Λinが求まると共に、有色雑音が大きくなりやすい所定の尤度パターンが検出された場合には、その尤度Λin自身の信頼性が低いとして、重み付けが小さくされる。従って、有色雑音を有する再生データに対しても精度良くデータを復号することが可能となる。さらに、信頼性が低いとされる尤度Λinに対応する入力データEQDATについても重み付けが小さくされるので、第1の復号器5および第2の復号器8による復号サイクルを所定回数繰り返すことにより、入力データEQDAT自身の信頼性も向上し、結果的に、精度の良いデータ復号を実現できる。
【0087】
図5は第2のターボ復号器8及び尤度Λout−Linの演算を行う減算器における回路ブロック図の第1の構成例であり、図6は本構成例における回路ブロックの動作を示すフローチャートを示している。
【0088】
まず、図5を参照して、SRAM81は、インタリーブ回路7にてインタリーブされた入力データIL−EQDATを格納すると共に、各回の復号サイクル時にβ演算回路84にて演算された状態確率βを格納する。また、各回の復号サイクル時に演算された尤度Λoutから事前値Linを減算した尤度Λout−Linを格納する。
【0089】
なお、このSRAM81に格納された入力データIL−EQDATは、上記尤度パターン検出部61からの補正信号crctoutに基づいて重み付けされ補正される。また、SRAM81に格納された尤度Λout−Linは、上記図3を参照して説明したとおり、尤度パターン検出補正回路6からの尤度Λin’から尤度Λin’−Loutを演算する際にSRAM81から読み出され利用される。すなわち、尤度パターン検出補正回路6にて求めた尤度Λin’から尤度Λin’−Loutを演算する際に、SRAM81から尤度Λout−Linを読み出し、これをデインタリーブ回路9にてデインタリーブして事前値Loutとし、この事前値Loutと尤度パターン検出補正回路6からの尤度Λin’から尤度Λin’−Loutを演算する。
【0090】
デパンクチャ回路82は、SRAM81から読み出された入力データIL−EQDATをデータ情報IL−EQDAT−dataとパリティ情報IL−EQDAT−parityの2つのデータ列に分割する。このとき、ターボ符号器側のパンクチャ回路で間引かれたパリティ情報を0としてパリティデータの補完を行う。
【0091】
γ演算回路83は、デパンクチャ回路82からのデータ情報IL−EQDAT−data及びパリティ情報IL−EQDAT−parityと、第1のターボ復号器5からの事前値Linに基づいて、ブランチメトリックに相当するデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityを演算する。
【0092】
β演算回路84は、γ演算回路83により演算されたデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityに基づいて各状態におけるパスメトリックβ00、β01、β10、β11を演算し、演算結果をSRAM81に格納する。また、全てのパスメトリックスの演算終了に応じて、α演算回路85およびΛ演算回路86に対し開始信号ΛSTARTを出力する。
【0093】
α演算回路85は、開始信号ΛSTARTに応じて、γ演算回路83により演算されたデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityに基づいて各状態におけるパスメトリックα00、α01、α10、α11を演算する。
【0094】
Λ演算回路86は、開始信号ΛSTARTに応じて、α演算回路85にて演算された状態確率α00、α01、α10、α11と、SRAM81から読み出された状態確率β00、β01、β10、β11およびγ演算回路83にて演算されたデータ状態遷移確率γdata、パリティ状態遷移確率γparityから、データ尤度Λdata及びパリティ尤度Λparityを演算する。
【0095】
パンクチャ回路87は、Λ演算回路86にて演算されたデータ尤度Λdata及びパリティ尤度Λparityに対し符号化時と同様の多重化を施し尤度Λoutを出力する。
【0096】
次に、図6を参照して、上記第2の復号器8の処理動作について説明する。
【0097】
インタリーブ回路7にてインタリーブされた入力データIL−EQDATは、SRAM81内に格納されており(201)、上記尤度パターン検出補正回路6からの補正信号crctoutを受けて(S202)、有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターンに対応する入力データIL−EQDATに対し重みづけを行うことで補正がなされる(S203)。しかる後、状態確率βを演算するため、補正された入力データIL−EQDATは時系列と逆順に、すなわちIL−EQDAT(0)、IL−EQDAT (1)、…、IL−EQDAT (N−1)と時系列に入力されたデータをIL−EQDAT (N−1)、IL−EQDAT (N−2)、…、IL−EQDAT (0)の順番で読み出される(S204)。
【0098】
逆順に読み出された補正入力データIL−EQDAT’は、デパンクチャ回路82により、データ情報IL−EQDAT−dataとパリティ情報IL−EQDAT−parityの2つのデータ列に分割される(S205)。このとき、ターボ符号器におけるパンクチャ回路で間引かれたパリティ情報を0とするなどパリティデータの補完が行われる。
【0099】
これらデータ情報IL−EQDAT−data及びパリティ情報IL−EQDAT−parityと、インタリーブ回路7からの事前値Linとから、γ演算回路83にてブランチメトリックに相当するデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityが演算される(S206)。演算されたデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityはβ演算回路84へと入力され、時点N−1から各時点までの各状態におけるパスメトリックβ00、β01、β10、β11が演算され(S207)、SRAM81へと格納される(S208)。βの演算が終了した後、β演算回路84はα演算回路85、Λ演算回路86に対し開始信号ΛSTARTを出力する(S209)。
【0100】
次に状態確率αを演算するため、入力データIL−EQDATが時系列順に、すなわちIL−EQDAT (0)、IL−EQDAT (1)、…、IL−EQDAT (N−1)の順番で読み出される(S210)。読み出された入力データIL−EQDATは、デパンクチャ回路82により、データ情報IL−EQDAT−dataとパリティ情報IL−EQDAT−parityの2つのデータ列に分割される(S211)。そして、β演算と同様に、γ演算回路83にてブランチメトリックに相当するデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityが演算され(S212)、α演算回路85へと入力される。
【0101】
α演算回路85では、各時点までの各状態におけるパスメトリックに相当する状態確率α00、α01、α10、α11が演算され(S213)、Λ演算回路86へと出力される。Λ演算回路86では演算された状態確率α00、α01、α10、α11と、SRAM81から読み出された状態確率β00、β01、β10、β11(S214)及びデータ状態遷移確率γdata、パリティ状態遷移確率γparityからデータ尤度Λdata及びパリティ尤度Λparityが演算され、パンクチャ回路87を通してΛoutとして、SRAM81へと出力される。これにより第2の復号器8における尤度Λoutの演算が完了する。
【0102】
第2の復号器8より出力された尤度Λoutは第1の復号器5からの事前値Linを減じられ、SRAM81内に格納されると共にデインタリーバ9へと出力される。
【0103】
以上の処理により、有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターンが検出された場合には、入力データIL−EQDAT自身の信頼性が低いと判断し重み付けを小さくすることで、有色雑音を有する再生データに対しても精度良くデータを復号することが可能となる。
【0104】
図7は本実施例における尤度パターン検出補正回路6の回路ブロック図の一構成例である。
【0105】
第1の復号器5で演算された尤度Λinは、第1のシフトレジスタ621に入力されると共に、尤度硬判定部611にて硬判定され、硬判定尤度signΛinとして第2のシフトレジスタ612に入力される。このとき、最上位ビットのみで硬判定する場合などには、第1のシフトレジスタ621が第2のシフトレジスタ612を兼ねることも可能である。
【0106】
第2のシフトレジスタ612に格納された硬判定尤度signΛinは、予め実験的また理論的に求められた有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群614とコンパレータ613により比較される。硬判定尤度signΛinがこのデータパターン群614の何れかと合致した場合、コンパレータ613は補正信号crctinおよびcrctoutを出力する。
【0107】
尤度重み付け部622は補正信号crctinを受け、例えばシフトレジスタ621を操作し対応する尤度Λinをビットシフトすることで半分の大きさにするなどの方法により、尤度Λinに対して重みづけを行う。これにより予め実験的また理論的に求められた有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群に合致する尤度パターンを検出し、その尤度は信頼性が低いものとして尤度自身を重みづけすることが可能となる。重みづけされた尤度はΛin’として第2の復号器8に出力される。
【0108】
次に、有色雑音が大きくなりやすいデータパターン群の求め方の一例について説明する。
【0109】
図8は記録媒体上に記録されたデータにおけるデータパターンの相関を示す図である。図8の横軸はタイムインターバルアナライザにより計測された記録データのk番目のマーク長、図8の縦軸は同じくk+1番目のマーク長を示している。図8の見方として例えば、(横軸,縦軸)=(1T,2T)付近にプロットされたデータ群は、1Tマークデータ後の2Tマークデータ群、ということになる。例えば、図8の(1T,1T)付近に存在するデータ群は他のデータ群に比べ偏った位置に中心が存在している。従って、1Tマーク後の1Tマーク、1Tマーク前の1Tマーク、または1Tマークが3回連続した時の中心の1Tが最もデータパターンの影響を受けやすいと判断できる。このように図8のように実験的にデータパターンの相関を解析することや、計算機によるシミュレーションなどでデータパターンの相関を解析することで、有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群を決定できる。
【0110】
2.第2の実施例
上記第1の実施例では、補正信号crctin または crctout に基づき、それぞれ入力信号 EQDATまたはIL−EQDATを補正していたが、入力信号ではなく入力信号に基づく状態遷移確率γを補正するようにしても良い。
【0111】
図9は、かかる第2の実施例における第1の復号器5の構成例を示す回路ブロック図、図10は図9における回路ブロック図のフローチャートである。なお、上記第1の実施例にて示した図3中のブロックおよび図4中の処理ステップと同一部分には同一符号を付してある。
【0112】
本実施例における第1の復号器5では、1回目の復号サイクルにおいてのみγ演算が実行され、2回目以降の復号サイクルにおいては、1回目の復号サイクルにて求められSRAM58に格納された状態遷移確率γを用いながら復号処理が行なわれる。SRAM58に格納された状態遷移確率γは、各回の復号サイクル時に第2の復号器8にて出力される事前値Loutを用いてγ更新回路59により更新される。また、各回の復号サイクル時に尤度パターン検出補正回路6から出力される補正値crctinを用いて補正される。
【0113】
すなわち、入力データEQDATは、1回目の復号サイクルにおいて、デパンクチャ回路52によりデータ情報EQDAT−dataとパリティ情報EQDAT−parityの2つのデータ列に分割される(S121)。このとき、ターボ符号器におけるパンクチャ回路で間引かれたパリティ情報を0とするなどパリティデータの補完が行われる。
【0114】
これらデータ情報EQDAT−data及びパリティ情報EQDAT−parityから、γ演算回路53にて、ブランチメトリックに相当するデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityが演算される(S122)。このとき、第2のターボ復号器8からの事前値Loutはないものとして演算が行われる。演算されたデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityは、SRAM58に格納される(S123)。
【0115】
格納されたデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityは、γ更新回路59により第2のターボ復号器8からの事前値Loutが加算され更新される(S124)。なお、1回目の復号サイクルでは、第2のターボ復号器8からの事前値Loutはないものとされる。したがって、1回目の復号サイクル時にはS124の更新処理は特に意味を持たない。
【0116】
しかる後、SRAM58に格納されているデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityが時系列とは逆順に読み出され(S125)、上記第1の実施例と同様、状態確率βの演算処理を実行される(S105〜S107)。また、SRAM58に格納されているデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityが時系列順に読み出され(S126)、上記第1の実施例と同様、状態確率αの演算処理が実行される(S111)。
【0117】
しかる後、上記第1の実施例と同様にして、S112〜S118を実行し、尤度Λinの演算と尤度パターンのチェックおよび尤度Λinの補正等の処理がなされる。なおこの際、尤度パターン検出補正回路6から出力される補正信号crctinに応じて、SRAM58に格納されているデータ状態遷移確率γdataが重み付けにより補正される(S127)。重み付けは、たとえば信頼性が低いとされるデータ状態遷移確率γdataの値を半分にする方法を採用できる。
【0118】
以上のようにして、第1の復号器5における1回目の復号サイクルが終了すると、第2の復号器8における1回目の復号サイクルの終了を待って、S124以降の処理が実行される。このとき、SRAM58に格納されているのデータ状態遷移確率γdataは、1回目の復号サイクルにおけるS127により補正されている。また、2回目の復号サイクルにおけるS124にて、SRAM58に格納されている補正後のデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityが事前値Loutにより更新される。しかして、補正・更新後のデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityに対しS125以降の処理が実行される。以後、同様に、所定回数に達するまでかかる復号サイクルが繰り返し実行される。
【0119】
図11は第2の実施例における第2の復号器8の構成例を示す回路ブロック図、図12は図11における回路ブロック図のフローチャートである。なお、上記第1の実施例にて示した図5中のブロックおよび図6中の処理ステップと同一部分には同一符号を付してある。
【0120】
本実施例における第2の復号器8では、上記第1の復号器5と同様、1回目の復号サイクルにおいてのみγ演算が実行され、2回目以降の復号サイクルにおいては、1回目の復号サイクルにて求められSRAM88に格納された状態遷移確率γを用いながら復号処理が行なわれる。ここで、SRAM88に格納された状態遷移確率γは、各回の復号サイクルの際に第1の復号器5から出力される事前値Linを用いてγ更新回路89により更新される。
【0121】
すなわち、インタリーブ回路7から供給されるインタリーブ後の入力データIL−EQDATは、1回目の復号サイクルにおいて、デパンクチャ回路82によりデータ情報IL−EQDAT−dataとパリティ情報IL−EQDAT−parityの2つのデータ列に分割される(S221)。このとき、ターボ符号器におけるパンクチャ回路で間引かれたパリティ情報を0とするなどパリティデータの補完が行われる。
【0122】
これらデータ情報IL−EQDAT−data及びパリティ情報IL−EQDAT−parityと第1のターボ復号器8からの事前値Linから、γ演算回路83にて、ブランチメトリックに相当するデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityが演算される(S222)。演算されたデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityは、SRAM58に格納される(S223)。
【0123】
格納されたデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityは、γ更新回路59により第2のターボ復号器8からの事前値Loutが加算され更新される(S224)。なお、1回目の復号サイクルでは、S222にて事前値Linが加味されているため、ステップS124はパスされる。
【0124】
しかる後、上記尤度パターン検出補正回路6からの補正信号crctoutを受けて(S202)、有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターンに対応するデータ状態遷移確率γdataに対し重みづけを行うことで補正がなされる(S225)。重み付けは、たとえば信頼性が低いとされるデータ状態遷移確率γdataの値を半分にする方法を採用できる。
【0125】
このようにしてデータ状態遷移確率γdataを補正した後、データ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityをSRAM88から時系列とは逆順に読み出し(S226)、上記第1の実施例と同様、状態確率βの演算処理が実行する(S207〜S209)。また、SRAM88に格納されているデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityを時系列順に読み出し(S226)、上記第1の実施例と同様、状態確率αの演算処理を実行する(S213)。
【0126】
しかる後、上記第1の実施例と同様にして、S214〜S217を実行し、尤度Λoutの演算・補正等の処理がなされる。
【0127】
以上のようにして、第2の復号器8における1回目の復号サイクルが終了すると、第1の復号器1における2回目の復号サイクルの終了を待って、S224以降の処理が実行される。2回目の復号サイクルが開始されると、まずS224にて、SRAM88に格納されているデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityが事前値Linにより更新される。さらに、S202およびS225にて、有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターンに対応するデータ状態遷移確率γdataが補正される。
【0128】
しかして、補正・更新後のデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityに対しS226以降の処理が実行される。以後、同様に、所定回数までの復号サイクルが繰り返し実行される。
【0129】
本実施例によれば、より大きい容量のSRAMが必要となるが、γ演算を初回のサイクルのみ実行すればよいので、計算量を著しく低減できる。
【0130】
3.第3の実施例
上記第1または第2の実施例では、第1の復号器5にて演算された尤度Λinの尤度パターンから有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターンを検出して補正を行うようにしたが、入力データEQDATの入力データパターンからこのようなデータパターンを検出して補正を行うようにしても良い。かかる場合に適用される光ディスク再生装置の構成例を図13に示す。
【0131】
上記第1、第2の実施例における尤度パターン検出補正回路6が入力データパターン検出尤度補正回路11に置き換わっている点が本実施例の特徴であり、第1の復号器5にて演算された尤度Λinではなく、入力データEQDATから所定のデータパターンを検出して補正を行う。入力データパターン検出尤度補正回路11では、予め実験的または理論的に求められた有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群と入力データEQDATとを比較し、これが検出された場合には、算出された尤度Λinは信頼性が低いと判断し、当該尤度Λinの尤度を低減するために所定の基準により重みづけしΛin’として出力する。同時に、尤度パターン検出補正回路11は、第1の復号器5に対し入力データEQDATまたは状態遷移確率γinを補正するための信号crctinを出力し、第2の復号器8に対し入力データIL−EQDATまたは状態遷移確率γoutを補正するための信号crctoutを出力する。
【0132】
図14は、入力データパターン検出尤度補正回路11、第1の復号器5及び尤度Λin−Loutの演算を行う減算器における回路ブロック図の一構成例であり、図15は本構成例における回路ブロックの動作を示すフローチャートである。なお、上記第1の実施例にて示した図3中のブロックおよび図4中の処理ステップと同一部分には同一符号を付してある。
【0133】
第1または第2の実施例では、尤度パターンから有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群を検出していたのに対して、図14の回路ブロックは入力データパターンから有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群を検出する構成へと変更されている。
【0134】
すなわち、入力データパターン検出部111は、有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群の何れかを入力データEQDATが含む場合に補正信号crctinおよびcrctoutを出力する(S131)。尤度補正部112は、尤度パターン検出部111からの補正信号crctinを受け、当該入力データEQDATに対応する尤度Λinを所定の重みづけを行うことで補正し、尤度Λin’として出力する(S115)。また、SRAM51に格納されている当該入力データEQDATについても重みづけを行うことで補正を行う(S116)。補正された尤度Λin’は第2の復号器8からの事前値Loutを減じられ、SRAM51内に格納される(S117)と共にインタリーブ回路7へと出力される(S118)。
【0135】
図16は、第3の実施例における入力パターン検出尤度補正回路11の回路ブロック図の構成例である。
【0136】
第1の復号器5で演算された尤度Λinは、第1のシフトレジスタ1121に入力されると共に、入力データEQDATが入力データ硬判定部1111にて硬判定され、硬判定入力データsignEQDATとして第2のシフトレジスタ1112に入力される。第2のシフトレジスタ1112に格納された硬判定入力データsignEQDATは、予め実験的また理論的に求められた有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群とコンパレータ1113により比較される。硬判定入力データsignEQDATがこのデータパターンと合致した場合、コンパレータ1113は補正信号crctinおよびcrctoutを出力する。
【0137】
尤度重み付け部1122は補正信号crctinを受け、例えばシフトレジスタ1121を操作し対応する尤度Λinをビットシフトすることで半分の大きさにするなどの方法により、尤度Λinに対して重みづけを行う。これにより予め実験的また理論的に求められた有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群に合致する尤度パターンを検出し、その尤度は信頼性が低いものとして尤度自身を重みづけすることが可能となる。重みづけされた尤度はΛin’として第2の復号器8に出力される。
【0138】
ここで、第3の実施例において入力データパターンEQDATから有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群を検出するようにしたが、入力信号に基づき決定されるデータ、例えば状態遷移確率γなどにより検出を行っても良い。
【0139】
4.第4の実施例
ところで、第1至及第3の実施例においては、入力データEQDAT、状態遷移確率γまたは尤度Λinに対し、予め実験的また理論的に求められた有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群との合致を検出し、検出された場合には必ず入力データEQDAT、状態遷移確率γまたは尤度Λinを補正する構成となっていた。しかし、該データパターン群との合致が頻繁に見られる場合には、補正が頻発し逆に反復型復号器の性能を低下させてしまうことも考えられる。そこで、以下に示す第4の実施例では、MAP復号を利用して有色雑音によりエラーが生じた期間を特定し、この特定期間においてのみ、上記補正を実行するようにしている。
【0140】
図17は第4の実施例におけるMAP復号を利用した尤度補正期間決定方法の概念を示す図である。
【0141】
図17(A)はデータ系列にノイズがない場合の時点k、…、k+7におけるデータ列d(k),…,d(k+7)、パリティ列p(k),…,p(k+7)と、それらに対する状態遷移図を示している。p(k)における記号“−”はターボ符号器において間引かれたパリティであることを示しており、ここでは時点k+1のパリティp(k+1)と時点k+6のパリティp(k+6)以外のパリティはターボ符号器において間引かれている。また、状態遷移図における右矢印は状態確率αの最も高い確率を結んだ状態遷移を、左矢印は状態確率βの最も高い確率を結んだ状態遷移をそれぞれ示している。
【0142】
図17(B)はデータ系列にノイズがあった場合のデータ列、パリティ列および状態遷移図を示している。ここでは時点k+4でのデータd(k+4)においてエッジシフト等の要因による有色雑音によりエラーが生じたとしている。当然のことながらデータ系列からそのエラー位置を特定することは不可能である。
【0143】
通常、データ系列にエラーがない場合は図17(A)に示すように、状態確率αの最も高い確率を結んだ状態遷移パスと、状態確率βの最も高い確率を結んだ状態遷移パスとは完全に一致することとなる。ところが図17(B)に示すように、データ列のある時点でエラーが生じた場合、状態確率αの最も高い確率を結んだ状態遷移パスと、状態確率βの最も高い確率を結んだ状態遷移パスとが一致しなくなる。この不一致期間を検出することで、エラーの正確な位置は特定できないまでも、おおまかな位置を特定することが可能となる。
【0144】
不一致期間を尤度パターン検出期間として、入力データEQDAT、状態遷移確率γまたは尤度Λinに対し、予め実験的また理論的に求められた有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群との合致を検出するための期間として利用することで、無意味な補正を回避し、より精度良くデータの補正を行うことが可能となる。
【0145】
第4の実施例における第1の復号器の一構成例を示す回路ブロック図を図18に示す。図19は本構成例における回路ブロックの動作を示すフローチャートを示している。
【0146】
図18において、尤度補正期間決定部63は状態確率αおよび状態確率βを受け、その状態遷移の不一致期間を検出し、尤度パターン検出期間crctenbとして尤度パターン検出部61に出力する。尤度パターン検出部61はこの尤度パターン検出期間crctenbが活性化されている期間においてのみ、上記のパターン検出、すなわち有色雑音が大きくなりやすい所定の尤度パターン群との一致を検出し、検出に応じて補正信号crctinおよびcrctoutを出力する。その他の各回路ブロックにおける機能および動作は、図9における場合と同様であるためここでは説明を省略する。
【0147】
尤度補正期間決定部63の追加に伴い、図19のフローチャートにはS141が追加されている。すなわち、かかるS141において、上記尤度補正期間決定部63における状態遷移の不一致期間の検出および尤度パターン検出期間crctenbの出力が実行される。そして、この尤度パターン検出期間crctenbが活性化されている期間においてのみ、尤度パターン検出部61にて上記のパターン検出が行われ、検出に応じて補正信号crctinおよびcrctoutが出力される(S114)。その他の処理ステップは、図10における場合と同様であるためここでは説明を省略する。
【0148】
図20は、尤度パターン検出期間を設けて尤度補正を行うターボ復号法Aと、尤度補正を行わない従来のターボ復号法Bと、従来のスライスレベルによる2値化手段を用いた方法Cとをそれぞれ、データパターン依存性がある有色雑音再生信号の復号に適用した場合の実験結果を示すものである。
【0149】
図20の横軸はデータパターン依存性がある有色雑音再生信号のSNR、縦軸は復号データのビットエラーレートである。
【0150】
なお、この実験では、ターボ復号法Aを採用した復号器として、上記第4の実施例に示した構成のターボ復号器を用いた。このターボ復号器には、有色雑音が大きくなりやすい所定の尤度パターン群として、“0111”と“1000”の2つのパターンを設定した。そして、上記第1の復号器5から出力される尤度Λinを硬判定(図7の尤度硬判定部611)した硬判定尤度signΛin中に“0111”が含まれている場合には、連続する3つの“1”のうち真ん中の“1”の位置の尤度Λinの信頼性が低いとしてこの位置の尤度Λinに重み付けを行い、また、硬判定尤度signΛin中に“1000”が含まれている場合には、連続する3つの“0”のうち真ん中の“0”の位置の尤度Λinの信頼性が低いとしてこの位置の尤度Λinに重み付けを行った。
【0151】
重み付けは、信頼性が低いとされる尤度Λinの値を半分に減じる方法を用いた。たとえば、尤度Λinがプラスである程“1”である確率が高く、マイナスである程“0”である確率が高いとしたとき、尤度Λin=+0.8のとき重み付けにより尤度Λin=+0.4とし、尤度Λin=−0.6のとき、重み付けにより尤度Λin=−0.3とした。同様に、上記補正信号crctinおよびcrctoutに応じて実行される状態遷移確率γdata(SRAM58およびSRAM81に格納)に対する重み付けは、信頼性が低いとされる位置の状態遷移確率γdataの値を半分に減じる方法を用いた。
【0152】
なお、ターボ復号法Bを採用したターボ復号器の構成は、尤度パターン検出期間を設けて尤度補正を行うための構成、すなわち、図18の尤度パターン検出回路6を除き、上記第4の実施例に係るターボ復号器の構成と同様である。
【0153】
同図を参照して、従来の復号法Cに比べ、ターボ復号法A、Bを適用した場合には、ビットエラーレートが格段に低減されていることが分かる。また、上記第4の実施例に係るターボ復号法Aを適用した場合のエラーレートは、尤度補正を行わない従来のターボ復号法Bを適用した場合に比べ、ビットエラーレートがさらに格段に低減されていることが分かる。
【0154】
この実験結果は、尤度補正を行う上記実施例のターボ復号法が、データパターン依存性のある有色雑音を含む再生信号を復号する手段として非常に有効であることを顕著に示している。
【0155】
なお、本実験では、有色雑音が大きくなりやすい所定の尤度パターン群として、“0111”と“1000”の2つのパターンを設定したが、これ以外の尤度パターン群をも併せて設定すれば、さらなるビットエラーレートの改善が見込まれる。
なお、本実施例では第1の実施例と同じく尤度Λinから有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群を検出する方法を採用したが、第2または第3の実施例と同様に入力信号EQDATまたは入力データに基づき決定されるデータ、例えば状態遷移確率γなどから検出を行っても良い。
【0156】
第1及至第4の実施例において、第1および第2のターボ符号・復号器からなるターボ符号を例に挙げ、本発明の説明を行ったが、ターボ符号をPRチャネルに適用した場合やLDPC符号など反復型復号法を用いた情報記録再生装置の全てに適用可能であり、本発明は第1および第2のターボ符号・復号器からなるターボ符号に特に限定されるものではない。
【0157】
例えば、図25に示すシリアルターボ符号器に本発明を適用した場合、再生信号ykまたはインナー復号器35からの尤度Λinを上記と同様の尤度パターン検出補正回路にて参照し、再生信号yk中に有色ノイズが発生しやすい信号パターンが含まれているかを判別する。そして、再生信号yk中に有色ノイズが発生しやすい信号パターンが含まれている場合、上記と同様、当該再生信号ykに応じた再生データを重み付けにより補正し、さらに、当該再生信号ykに応じた尤度Λinを重み付けにより補正する。この際、上記図21に示すように、再生データのみを重み付けにより補正するようにしても良い。また、図18に示すように、有色ノイズが含まれている期間を特定し、この期間においてのみ、重み付け補正を実行するようにしても良い。
【0158】
なお、上記実施例では、有色雑音が大きくなりやすい尤度パターンまたはデータパターンが検出されたときに、尤度Λinとともに入力データEQDAT、IL−EGDATまたは状態遷移確率γを重み付けにより補正するようにしたが、尤度Λinは補正せずに、入力データEQDAT、IL−EGDATまたは状態遷移確率γのみを補正するよう構成することもできる。この場合、信頼性が低いとされる入力データEQDAT、IL−EGDATの重み付けが小さくされるので、復号サイクルを所定回数繰り返すことにより、入力データEQDAT、IL−EGDAT自身の信頼性が向上し、結果的に、精度の良いデータ復号を実現できる。
【0159】
かかる場合の構成例を図21に示す。この構成例は、図3に示す第1の復号器5において、尤度補正部62を省略したものである。この構成例では、有色雑音が大きくなりやすい尤度パターンが尤度パターン検出部61にて検出されたとき、補正信号crctinおよびcrctoutが出力され、第1の復号器5のSRAM51に格納されている入力データEQDATと、第2の復号器8のSRAM81に格納されている入力データIL−EQDATが重み付けにより補正される。
【0160】
図21の構成例は図3に示す第1の復号器5に対し変更を加えたものであったが、図9に示す第1の復号器5に対し変更を加えるものであってもよい。この場合、有色雑音が大きくなりやすい尤度パターンが尤度パターン検出部61にて検出されたとき、補正信号crctinおよびcrctoutが出力され、第1の復号器5および第2の復号器8のSRAM51および81に格納されている状態遷移確率γdataが重み付けにより補正される。同様に、図14および図18に示す第1の復号器5に対し変更を加えるものであってもよい。図18に示す第1の復号器5に対し変更を加えた場合の構成例を図22に示す。
【0161】
また、上記実施例では、有色雑音が大きくなりやすい尤度パターンまたはデータパターンが検出されると一律に、尤度Λinと入力データEQDAT、IL−EGDATまたは状態遷移確率γを重み付けにより補正するものであったが、かかる場合に一律に補正を行わずに、たとえばエラーが起こりやすい環境下においてのみ補正を行うようにしたり、あるいは、エラーの起こりやすさに応じて補正時の重み付けを変更するようにしてもよい。
【0162】
図23にかかる場合の構成例を示す。この構成例においては、補正制御回路12が新たに追加されており、エラーの起こりやすさに応じて、第1の復号器5、尤度パターン検出補正回路6および第2の復号器8の処理が適宜切り替えられる。
【0163】
たとえば補正制御回路12は、復号サイクルの回数に応じて尤度パターン検出補正回路6の処理を適宜切り替える。具体的には、1回目の復号サイクルにおいては、設定されている尤度パターン群(有色雑音が大きくなりやすい尤度パターンの集合)の全てを参照してパターン検出を実行するよう尤度パターン検出補正回路6を制御し、復号サイクルが2回、3回と進むにつれ、参照対象の尤度パターン群を次第に絞るようにする。同様に、第1の復号器5および第2の復号器において実行される重み付けを、復号サイクルの回数が進むにつれ次第に軽くする。
【0164】
なお、補正制御回路12による処理の切り替えタイミングは、復号サイクルの回数に応じる方法の他、たとえば、再生レーザパワーの強度や、再生メディア(ディスク)の種類に応じるものとしてもよく、また、再生リトライの頻度に応じるものとしてもよい。
【0165】
たとえば、再生レーザパワーに一つあるいは2つ以上の閾値を設定し、実際の再生レーザパワーがどのレベルにあるかに応じて、上記の如く尤度パターン群の範囲や重み付けのレベルを変更する。あるいは、再生レーザパワーが所定の閾値以下の場合にのみ尤度パターン検出補正回路6を作動させるようにしても良い。
【0166】
また、装着された記録媒体に対しリード・ライトを繰り返すことで当該記録媒体のエラー頻度を検出し、このエラー頻度が予め設定したエラー頻度レベルのうち何れに該当するかに応じて、上記の如く尤度パターン群の範囲や重み付けのレベルを変更する。あるいは、エラー頻度が所定の閾値以下の場合にのみ尤度パターン検出補正回路6を作動させるようにしても良い。
【0167】
同様に、例えば記録媒体に予め記録されているメディアID情報等から記録媒体の種類を検出し、検出した記録媒体の種類に応じて、上記の如く、尤度パターン群の範囲や重み付けのレベルを変更するようにしても良い。
【0168】
また、再生時に発生する再生リトライの頻度を検出し、この再生リトライ頻度が予め設定した頻度レベルのうち何れに該当するかに応じて、上記の如く尤度パターン群の範囲や重み付けのレベルを変更する。あるいは、再生リトライの頻度が所定の閾値以下の場合にのみ尤度パターン検出補正回路6を作動させるようにしても良い。
【0169】
さらに、処理切り替え時の制御方法は、上記のように、尤度パターン群を制限する方法や重み付けを変更する方法の他、例えば、尤度パターン検出補正回路6による処理を実行するかしないか、すなわち1回目の復号サイクルにおいてのみ尤度パターン検出補正回路6による処理を実行し2回目以降はかかる処理を行わないといった方法も採用できる。
【0170】
この他、本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【0171】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、回路規模の増加を抑えつつ、記録データ周波数に依存する雑音特性(有色雑音)を持つ低SNRの情報記録再生チャネルに対するデータ再生を精度良く行うことができる。
【0172】
加えて、有色雑音が発生する可能性に応じて前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を制御する補正制御手段を備えることにより、過度の補正を防止でき、もって、有色雑音が生じる場合にのみ適正に補正処理を実行できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係る光ディスク再生装置の構成を示す図
【図2】順方向状態確率αおよび逆方向状態確率βの状態遷移図
【図3】第1の実施例に係る第1の復号器の構成を示す図
【図4】第1の実施例に係る第1の復号器の動作を示すフローチャート
【図5】第1の実施例に係る第2の復号器の構成を示す図
【図6】第1の実施例に係る第2の復号器の動作を示すフローチャート
【図7】第1の実施例に係る尤度パターン検出補正回路の構成を示す図
【図8】有色雑音が大きくなりやすいパターン群の決定方法を説明する図
【図9】第2の実施例に係る第1の復号器の構成を示す図
【図10】第2の実施例に係る第1の復号器の動作を示すフローチャート
【図11】第2の実施例に係る第2の復号器の構成を示す図
【図12】第2の実施例に係る第2の復号器の動作を示すフローチャート
【図13】第3の実施例に係る光ディスク再生装置の構成を示す図
【図14】第3の実施例に係る第1の復号器の構成を示す図
【図15】第3の実施例に係る第1の復号器の動作を示すフローチャート
【図16】第3の実施例に係る入力データパターン検出尤度補正回路の構成例
【図17】第4の実施例に係る尤度補正期間決定方法の概念を示す図
【図18】第4の実施例に係る第1の復号器の構成を示す図
【図19】第4の実施例に係る第1の復号器の動作を示すフローチャート
【図20】第4の実施例に係るターボ復号器の検証例を示す図
【図21】他の実施例に係る第1の復号器の構成例を示す図
【図22】他の実施例に係る第1の復号器の構成例を示す図
【図23】他の実施例に係る光ディスク再生装置の構成を示す図
【図24】従来例に係るターボ符号・復号器の構成例を示す図
【図25】従来例に係るターボ符号・復号器の構成例を示す図
【符号の説明】
5 第1の復号器
6 尤度パターン検出補正回路
8 第2の復号器
11 入力データパターン検出尤度補正回路
12 補正制御回路
61 尤度パターン検出部
62 尤度補正部
63 尤度補正期間決定部
111 入力データパターン検出部
112 尤度補正部
611 尤度硬判定部
612 第2のシフトレジスタ
613 コンパレータ
614 データパターン群
621 第1のシフトレジスタ
622 尤度重みづけ部
1111 入力データ硬判定部
1112 第2のシフトレジスタ
1113 コンパレータ
1114 データパターン群
1121 第1のシフトレジスタ
1122 尤度重みづけ部
【発明の属する技術分野】
本発明は、反復型復号回路およびこれを備えた情報再生装置に関し、特に、高密度記録に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスクにおける記録の高密度化に伴い、記録データ間の符号間干渉を利用したPRML(Partial Response Likelihood Maximum)信号処理が広く用いられている。しかし、今後、光ディスクにおいてさらなる記録高密度化が進めば、再生信号であるRF (Radio Frequency)信号のSNR(Signal to Noise Ratio)劣化は避けられず、従来のビタビ復号によるPRML信号処理では十分な再生性能が得られなくなることが容易に推測される。
【0003】
そこで通信分野において注目される符号・復号技術であるターボ符号技術やLDPC(Low Density Parity Check Code)などの反復型復号法を光ディスク等の情報記録再生装置へと応用することが検討されている。
【0004】
反復型復号法の1つであるターボ符号器の構成は、例えば特許文献1に記載されているように、2つのRSC (Recursive Systematic Convolutional) 符号器がインタリーバを介して接続された構成が代表的である。このような構成のターボ符号器に対し、ターボ復号器はインナー復号器とアウター復号器の2つの復号器がインタリーバを介して接続された構成をとる。これら各復号器は最大事後確率(MAP :Maximum a posteriori Probability) 復号により、軟入力軟出力(SISO: Soft−In Soft−Out)を行うことを特徴としている。
【0005】
図24にターボ符号器・復号器を光ディスク記録再生装置に適用した場合の回路ブロック図の一例を示す。
【0006】
ターボ符号器への入力データukは、パンクチャ回路21に入力されると共に、第1のターボ符号器22とインタリーブ回路23に入力される。第1のターボ符号器22は、伝達関数g1(D)/g2(D)のパリティ付加回路22aを備え、その出力であるパリティデータ列p1kをパンクチャ回路21へ出力する。インタリーブ回路23は、所定の規則に従って入力データukを並べ替え、並べ替えた入力データを第2のターボ符号器24に出力する。第2のターボ符号器24は、伝達関数g3(D)/g4(D)のパリティ付加回路24aを備え、その出力であるパリティデータ列p2kをパンクチャ回路21へ出力する。パンクチャ回路21は、所定の間隔でパリティデータ列p1kおよびp2kを間引き、入力データ列ukに多重する。このようにして生成された記録データ列[uk., p1k, p2k]は、図示しない記録手段によってディスク上に記録される。
【0007】
ディスクから再生されターボ復号器へ入力された信号ykは、第1のターボ復号器25へ入力されると共にインタリーブ回路26へと入力される。インタリーブ回路26は、エンコード時と同様のインタリーブを入力信号ykに施す。第1のターボ復号器25は、入力信号ykと前回の第2のターボ復号器28からの事前値Loutに基づき尤度Λinを算出する。算出された尤度Λinは、事前値Loutを減じられた後、インタリーブ回路27によりエンコード時と同様のインタリーブが施され、事前値Linとして第2のターボ復号器28へと出力される。
【0008】
第2のターボ復号器28は、この事前値Linと、インタリーブ回路26によってインタリーブされた後の入力信号に基づいて、尤度Λoutを算出する。算出された尤度Λoutは、前回の第1のターボ復号器25からの事前値Linを減じられた後、デインタリーブ回路29によりエンコード時に行われたインタリーブを元に戻され、事前値Loutとして第1のターボ復号器25へ出力される。
【0009】
このサイクルを所定回数または特定の基準に基づく回数繰り返した後、尤度Λoutを硬判定回路30により硬判定し、出力2値データuk’として出力する。ここで、各ターボ復号器はSISO復号回路であり、各尤度データ、事前値等に関する演算は多値により行われる。
【0010】
また、ターボ符号器を光ディスクや磁気ディスク等の情報再生装置におけるPRチャネルへ適用する研究が進められている。この場合、PRチャネルがターボ符号器の1つを兼ねる構成となり、一般にアウター符号器はRSC符号器とし、インナー符号器はPRチャネル自体とみなすことができるため、インナー符号器自体が省略された構成となる。このような構成のターボ符号器に対して、ターボ復号器は同様にインナー復号器とアウター復号器の2つの復号器がインタリーバを介して接続された構成をとるが、インナー復号器は、PRチャネルに応じたMAP復号を行うこととなる。
【0011】
図25にターボ符号をPRML信号処理に適用した場合の回路ブロック図の一例として直列連接型(以下シリアル型)のターボ符号・復号器を示す。
【0012】
図において、ターボ符号器への入力データukはアウター符号器31に入力され、伝達関数g1(D)/g2(D)のパリティ付加回路31aの出力であるパリティデータ列pkが、入力データukと共に、パンクチャ回路32へ出力される。パンクチャ回路32は、所定の間隔でパリティデータ列pkを間引き、データ列[uk., pk]を出力する。データ列[uk., pk]は、インタリーバ33にてインタリーブされ、さらにNRZI変調回路34によりNRZI (No Return to Zero Inverse) 変調される。そして、図示しない記録手段により、ディスクに記録される。
【0013】
ここで、NRZI変調およびディスクに記録されたデータの符号間干渉によるPRチャネルがインナー符号器としての役割を果たすことになる。
【0014】
ディスクから再生され、ターボ復号器へ入力された信号ykは、先ずインナー復号器35へ入力される。インナー復号器35は、入力信号ykと前回のアウター復号器28からの事前値Loutに基づき尤度Λinを算出する。算出された尤度Λinは、事前値Loutを減じられた後、デインタリーブ回路36によりエンコード時に行われたインタリーブを解かれ、事前値Linとしてデパンクチャ回路37へ入力される。デパンクチャ回路36は、事前値Linを、エンコード時に付加されたパリティデータ成分Lin−pとデータ成分Lin−dに分別し、データ事前値Lin−p、パリティ事前値Lin−dとしてアウター復号器38へと出力する。アウター復号器38は、このデータ事前値Lin−dとパリティ事前値Lin−pに基づいて、データ尤度Λout−d、パリティ尤度Λout−pを算出する。算出されたデータ尤度Λout−d、パリティ尤度Λout−pは、パンクチャ回路39を介して尤度Λoutとして出力される。尤度Λoutは、前回のデインタリーブ回路36からの事前値Linを減じられた後、エンコード時と同様のインタリーブが施され、事前値Loutとしてインナー復号器35へ出力される。
【0015】
このサイクルを所定回数または特定の基準に基づく回数繰り返した後、データ尤度Λout−dを硬判定回路41により硬判定し、出力2値データuk’として出力する。ここで、各ターボ復号器はSISO復号回路であり、各尤度データ、事前値等に関する演算は多値により行われる。
【0016】
上記ターボ符号器は、ビタビ復号器に比べ莫大な回路規模が必要となるが、情報理論におけるShannon限界に近い伝送路特性を得ることができるため、SNRの低いRF信号においても精度良く再生できる利点があり、デジタル符号化方式として実用化されつつある。
【0017】
ところで、ターボ符号やLDPC符号などの反復型復号法は、雑音間に相関がない白色雑音を前提として構成されている。従って、例えば光磁気ディスクにおけるエッジシフトにより記録マークの位相ずれが発生し、再生時に単マークのサンプリングを失敗する場合など、雑音が記録データの周波数に依存する場合などには反復型復号法はその性能を十分に発揮できない。
【0018】
これに対し、特許文献2には、エッジシフトの影響を低減する方法として記録タイミングを補正する方法が開示されている。また、特許文献3には、磁気記録再生チャネルの雑音特性をモデル化し、雑音特性をターボ復号器の復号過程に取り入れることでターボ符号器の性能を向上させる方法が提案されている。
【0019】
【特許文献1】
米国特許第5446747号公報
【特許文献2】
特開2002−319207号公報
【特許文献3】
特開2002−367291号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献2に記載の方法は、アナログディレイライン等のアナログ処理によって記録タイミングの補正を行うものであるため、アナログ素子の温度特性などの不安定要因により、微妙な記録タイミングの調整が必ずしも容易でないという問題を含んでいる。
【0021】
また、上記特許文献3に記載の方法は、雑音特性をターボ復号器の復号過程に取り入れるものであるため、ターボ復号器の性能を十分に発揮できると見込まれるが、全ての再生信号に対し磁気記録再生チャネルの雑音特性を取り込むものであるため、計算量および回路規模が増大してしまうという問題が生じる。
【0022】
そこで本発明は、前記従来技術において、回路規模の増加を抑えつつ情報記録再生チャネルの雑音特性を反復型復号器の復号過程に取り入れた反復型復号器を提案し、該反復型復号器により記録データ周波数に依存する雑音特性(有色雑音)を持つ低SNRの情報記録再生チャネルに対しても精度良くデータ再生を行うことを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、復号誤りが発生しやすい信号パターン群、たとえば有色雑音が大きくなりやすい信号パターン群を予め実験的・理論的に求めておき、再生信号(入力信号)がこの信号パターン群中の何れかを含むとき、その再生信号(入力信号)は信頼性が低いものとして重みづけ処理等を施し、かかる再生信号を適正値に近づけるものである。
【0024】
各請求項に係る発明の特徴は、以下の通りである。
【0025】
請求項1の発明は、過去の軟判定処理にて出力された事前値に基づいて入力信号を補正すると共に補正後の入力信号に対して現在の軟判定処理を実行する軟判定復号サイクルを繰り返した後、当該軟判定結果から復号情報を生成する反復型復号回路において、信号パターン群を格納するパターン格納手段と、入力信号と前記信号パターン群とを比較し入力信号中に前記信号パターン群中の何れかの信号パターンが含まれているかを検出するパターン検出手段と、前記パターン検出手段による検出結果に応じて入力信号を補正する補正手段とを有することを特徴とする。
【0026】
請求項2の発明は、請求項1に記載の反復型復号回路において、前記パターン格納手段は前記信号パターン群に応じたデータパターン群を格納し、前記パターン検出手段は前記軟判定処理におけるデータと前記データパターン群とを比較し入力信号中に前記信号パターン群中の何れかの信号パターンが含まれているかを検出することを特徴とする。
【0027】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の反復型復号回路において、当該反復型復号回路は、前記入力信号と前記事前値に基づいて軟判定処理を実行する第1の軟判定回路と、当該第1の軟判定回路による軟判定結果を用いて軟判定処理を実行すると共に当該軟判定結果に応じた事前値を前記第1の軟判定回路に出力する第2の軟判定回路とを備え、前記補正手段は、前記パターン検出手段による検出結果に応じて前記第1の軟判定回路による軟判定結果をもさらに補正することを特徴とする。
【0028】
請求項4の発明は、請求項3に記載の反復型復号回路において、前記第2の軟判定回路は、前記第1の軟判定回路による軟判定結果と前記入力信号とに基づいて軟判定処理を実行することを特徴とする。
【0029】
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れかに記載の反復型復号回路において、前記パターン検出手段および前記補正手段における前記補正動作を制御する補正制御手段をさらに備えることを特徴とする。
【0030】
請求項6の発明は、請求項5に記載の反復型復号回路において、前記補正制御手段は、前記入力信号の復号状態から復号誤りが発生している信号期間を特定する期間特定手段を備え、当該特定された信号期間においてのみ前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を実行させることを特徴とする。
【0031】
請求項7の発明は、請求項5または6に記載の反復型復号回路において、前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記パターン検出手段におけるパターン検出および/もしくは補正手段における補正を切り替えることを特徴とする。
【0032】
請求項8の発明は、請求項7に記載の反復型復号回路において、前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数が所定回数に達した後は前記パターン検出手段におけるパターン検出および/もしくは補正手段における補正を中止することを特徴とする。
【0033】
請求項9の発明は、請求項7または8に記載の反復型復号回路において、前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記パターン検出手段におけるパターン検出レベルを変更することを特徴とする。
【0034】
請求項10の発明は、請求項7乃至9の何れかに記載の反復型復号回路において、前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記補正手段における補正レベルを変更することを特徴とする。
【0035】
請求項11の発明は、過去の軟判定処理にて出力された事前値に基づいて再生信号を補正すると共に補正後の再生信号に対して現在の軟判定処理を実行する軟判定復号サイクルを繰り返した後、当該軟判定結果から復号情報を生成する反復型復号回路を備える情報再生装置において、記録媒体から再生信号を読み出す読み出し手段と、
信号パターン群を格納するパターン格納手段と、再生信号と前記信号パターン群とを比較し再生信号中に前記信号パターン群の何れかの信号パターンが含まれているかを検出するパターン検出手段と、前記パターン検出手段による検出結果に応じて再生信号を補正する補正手段とを有することを特徴とする。
【0036】
請求項12の発明は、請求項11に記載の情報再生装置において、前記パターン格納手段は前記信号パターン群に応じたデータパターン群を格納し、前記パターン検出手段は前記軟判定処理におけるデータと前記データパターン群とを比較し再生信号中に前記信号パターン群中の何れかの信号パターンが含まれているかを検出することを特徴とする。
【0037】
請求項13の発明は、請求項11または12に記載の情報再生装置において、当該反復型復号回路は、前記再生信号と前記事前値に基づいて軟判定処理を実行する第1の軟判定回路と、当該第1の軟判定回路による軟判定結果を用いて軟判定処理を実行すると共に当該軟判定結果に応じた事前値を前記第1の軟判定回路に出力する第2の軟判定回路とを備え、前記補正手段は、前記パターン検出手段による検出結果に応じて、前記第1の軟判定回路による軟判定結果をもさらに補正することを特徴とする。
【0038】
請求項14の発明は、請求項13に記載の情報再生装置において、前記第2の軟判定回路は、前記第1の軟判定回路による軟判定結果と前記再生信号とに基づいて軟判定処理を実行することを特徴とする。
【0039】
請求項15の発明は、請求項11乃至14の何れかに記載の情報再生装置において、前記パターン検出手段および前記補正手段における前記補正動作を制御する補正制御手段をさらに備えることを特徴とする。
【0040】
請求項16の発明は、請求項15に記載の情報再生装置において、前記補正制御手段は、前記再生信号の復号状態から複合誤りが発生している信号期間を特定する期間特定手段を備え、当該推定された信号期間においてのみ前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を実行させることを特徴とする。
【0041】
請求項17の発明は、請求項15または16に記載の情報再生装置において、前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記パターン検出手段におけるパターン検出および/もしくは補正手段における補正を切り替えることを特徴とする。
【0042】
請求項18の発明は、請求項17に記載の情報再生装置において、前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数が所定回数に達した後は前記パターン検出手段におけるパターン検出および/もしくは補正手段における補正を中止することを特徴とする。
【0043】
請求項19の発明は、請求項17または18に記載の情報再生装置において、前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記パターン検出手段におけるパターン検出レベルを変更することを特徴とする。
【0044】
請求項20の発明は、請求項17乃至19の何れかに記載の情報再生装置において、前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記補正手段における補正レベルを変更することを特徴とする。
【0045】
請求項21の発明は、請求項15に記載の情報再生装置において、前記補正制御手段は、再生リトライの頻度に応じて、前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を変更することを特徴とする。
【0046】
請求項22の発明は、請求項15に記載の情報再生装置において、前記補正制御手段は、記録媒体のエラー特性に応じて、前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を変更することを特徴とする。
【0047】
請求項23の発明は、請求項15に記載の情報再生装置において、前記補正制御手段は、記録媒体の種類に応じて、前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を変更することを特徴とする。
【0048】
請求項24の発明は、請求項11に記載の情報再生装置において、前記記録媒体は光ディスクであり、前記読み出し手段はレーザ光をディスクに照射する光ピックアップを備え、前記補正制御手段は、再生レーザパワーのレベルに応じて、前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を変更することを特徴とする。
【0049】
本発明の特徴は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。
ただし、以下の実施の形態は、あくまでも本発明の一つの実施形態であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以下の実施の形態に記載されたものに制限されるものではない。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態につき図面を参照して説明する。
【0051】
1.第1の実施例
まず、第1の実施例に係る光ディスク再生装置の構成を図1に示す。なお、本実施例は、反復型復号法の代表例としてターボ符号を適用した場合の構成例である。記録側のターボ符号器としては、たとえば上記従来例における図24のターボ符号器をそのまま採用できる。図1には、便宜上、再生系のみを示してある。また、ディスク上の絶対位置を示すアドレス信号やクロック信号、サーボ信号等は、本発明を説明する上で直接必要でないため、図示省略している。同様に、これら信号を生成する回路の構成およびこれら信号に応じてサーボ処理を実行する回路等の構成についても、図示省略している。
【0052】
図1において、ディスク1からの反射光は、光ピックアップ2の受光センサにおいて電気信号に変換される。この電気信号を演算して得られた再生信号RFは、ADコンバータ3においてディジタルサンプリングされ、ディジタルサンプリングデータRDATとして出力される。ディジタルサンプリングデータRDATは、バンドパスフィル4により帯域制限された後、EQDATとしてターボ復号器へ入力される。
【0053】
ターボ復号器に入力された入力データEQDATは、第1の復号器5へと入力され、さらにインタリーブ回路7によりターボ符号器と同様のインタリーブを施された後、インタリーブ入力データIL−EQDATとして第2のターボ復号器8へと入力される。
【0054】
第1の復号器5は、入力データEQDATと事前値Loutから尤度Λinを算出し、これを尤度パターン検出回路6に出力する。尤度パターン検出補正回路6は、予め実験的または理論的に求められた有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群と入力データEQDATとを尤度Λinを参照して比較し、データパターン群中の何れかが検出された場合には、算出された尤度Λinは信頼性が低いと判断して、尤度Λinの尤度を低減するため所定の基準により重みづけしΛin’として出力する。
【0055】
ここで、重み付けは、たとえば信頼性が低いとされる尤度Λinの値を半分とする方法を採用できる。なお、有色雑音が大きくなりやすいデータパターン群の設定方法については追って説明する。
【0056】
同時に、尤度パターン検出補正回路6は、第1の復号器5に対し入力データEQDATまたは状態遷移確率γinを補正するための信号crctinを出力し、さらに、第2のターボ復号器8に対し入力データIL−EQDATまたは状態遷移確率γoutを補正するための信号crctoutを出力する。信号crctinを受けて、第1の復号器5は、当該データパターンに対応する入力データEQDATまたは状態遷移確率γinを重み付けにより補正する。また、信号crctoutを受けて、第2の復号器8は、当該データパターンに対応する入力データIL−EQDATまたは状態遷移確率γoutを重み付けにより補正する。
【0057】
ここで、状態遷移確率γoutおよびγinの補正は、たとえば信頼性が低いとされる状態遷移確率γoutおよびγinの値を半分とする方法を採用できる。また、入力データEQDATおよびIL−EQDATの補正は、たとえば信頼性が低いとされる入力データEQDATおよびIL−EQDATの振幅値をゼロレベルと上限レベルの中間値に補正する方法を採用できる。
【0058】
尤度パターン検出回路6により重みづけ処理が施された尤度Λin’は、事前値Loutを減じられた後、インタリーブ回路7へと入力される。インタリーブ回路7は、入力された尤度Λin’に対してターボ符号器と同様のインタリーブ処理を施し、インタリーブ後の尤度Λin’を、事前値Linとして第2のターボ復号器8へと出力する。
【0059】
第2のターボ復号器8は、上記の如く、信号crctoutに基づいて入力データIL−EQDATまたは状態遷移確率γoutに重みづけ処理を施し、重みづけした入力データIL−EQDATまたは状態遷移確率γoutと、インタリーブ回路7からの事前値Linとから尤度Λoutを算出する。算出された尤度Λoutは、事前値Linを減じられた後デインタリーブ回路9へと入力され、ここでインタリーブを解かれる。デインタリーブ回路9からの出力は、事前値Loutとして第1の復号器5へと出力される。
【0060】
なお、ターボ復号器内のインタリーブ回路7は、ターボ符号器で用いたインタリーブ回路と同じ操作を行い、また、ターボ復号器内のデインタリ−ブ回路9は、該インタリーブ回路の逆操作を行う。
【0061】
上記サイクルを所定回数または特定の基準に基づいた回数繰り返した後、デインタリーブ後の尤度Λoutを硬判定し、2値化データTURBODATとして出力する。このとき、1回目のサイクルでは事前値Loutはないものとして演算が行われる。
【0062】
なお、本実施例における尤度パターン検出補正回路6は、上記のように尤度Λinに基づいて判定を行うものであったが、尤度Λinから事前値Loutを減じたデータに基づいて尤度パターン判定を行っても良い。
【0063】
ところで、本実施例におけるターボ復号器ではMax−Logアルゴリズムにより、時点kにおける尤度Λinを
として求めている。Max−Logアルゴリズムの詳細な説明は、トリケップスNo.198 「ターボ符号の基礎」第4章(p37〜p48)に記載されている。ここでは式(2)の簡単な説明に留める。
【0064】
γkは時点kでの状態遷移確率であり、状態遷移におけるブランチ自身の確率すなわちビタビ復号のブランチメトリックに相当する。αk−1は時点k−1での各状態が持つ状態確率であり、これは時点k−1の各状態に至るまでのγkの総和
αk−1 = Σ(i=0 to k−1) γi …(2)
として表される。これはビタビ復号のパスメトリックに相当する。βkは時点kでの各状態から終端までの状態確率であり、これは時点kの各状態から終端までのγkの総和
βk = Σ(i=k to P−1) γi …(3)
として表され、これもビタビ復号のパスメトリックに相当する。従って、式(1)の第1項は時点kでのデータdkが1である最大確率を、第2項は時点kでのデータdkが0である最大確率を求め、その差分を時点kにおける尤度Λ(k)としている。
【0065】
図2(A)に2つのレジスタD1、D2を有するターボ符号器の構成例を示す。また、図2(A)のターボ符号器における入力データ列の順方向状態確率αの状態遷移図を図2(B)に、逆方向状態確率βの状態遷移図を図2(C)に示す。
【0066】
例えばα00からα00へ遷移する場合にはα000のパスを通り、そのとき期待される2値化データは0であり、対応するパリティビットは0となる。同様にβ00からβ00へ遷移する場合にはβ000のパスを通り、そのとき期待される2値化データは0であり、対応するパリティビットは0となる。これら図2(B)、図2(C)の状態遷移図に基づいて第1および第2の復号器は構成されることとなる。
【0067】
図3は、第1の復号器5、尤度パターン検出補正回路6及び尤度Λin‘−Loutの演算を行う減算器における回路ブロック図の第1の構成例であり、図4は本構成例における回路ブロックの動作を示すフローチャートである。
【0068】
まず、図3を参照して、SRAM51は、インタリーブのブロックサイズ分の入力データEQDATを格納すると共に、各回の復号サイクル時にβ演算回路54にて演算された状態確率βを格納する。また、各回の復号サイクル時に演算され尤度補正部62にて補正された尤度Λin’から事前値Loutを減算した尤度Λin’−Loutを格納する。
【0069】
なお、SRAM51に格納された入力データEQDATは、尤度パターン検出部61からの補正信号crctinに基づいて重み付けされ補正される。また、SRAM51に格納された尤度Λin’−Loutは、後述する第2の復号器8からの尤度Λoutから尤度Λout−Linを演算する際にSRAM51から読み出され利用される。すなわち、第2の復号器8にて求めた尤度Λoutから尤度Λout−Linを演算する際に、SRAM51から尤度Λin’−Loutを読み出し、これをインタリーブ回路7にてインタリーブして事前値Linとし、この事前値Linと第2の復号器8からの尤度Λoutから尤度Λout−Linを演算する(図5参照して追って説明する)。
【0070】
デパンクチャ回路52は、SRAM51から読み出された入力データEQDATをデータ情報EQDAT−dataとパリティ情報EQDAT−parityの2つのデータ列に分割する。このとき、ターボ符号器側のパンクチャ回路で間引かれたパリティ情報を0としてパリティデータの補完を行う。
【0071】
γ演算回路53は、デパンクチャ回路52からのデータ情報EQDAT−data及びパリティ情報EQDAT−parityと、第2のターボ復号器8からの事前値Loutに基づいて、ブランチメトリックに相当するデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityを演算する。
【0072】
β演算回路54は、γ演算回路53により演算されたデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityに基づいて各状態におけるパスメトリックβ00、β01、β10、β11を演算し、演算結果をSRAM51に格納する。また、全てのパスメトリックスの演算終了に応じて、α演算回路55およびΛ演算回路56に対し開始信号ΛSTARTを出力する。
【0073】
α演算回路55は、開始信号ΛSTARTに応じて、γ演算回路53により演算されたデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityに基づいて各状態におけるパスメトリックα00、α01、α10、α11を演算する。
【0074】
Λ演算回路56は、開始信号ΛSTARTに応じて、α演算回路55にて演算された状態確率α00、α01、α10、α11と、SRAM51から読み出された状態確率β00、β01、β10、β11およびγ演算回路53にて演算されたデータ状態遷移確率γdata、パリティ状態遷移確率γparityから、データ尤度Λdata及びパリティ尤度Λparityを演算する。
【0075】
パンクチャ回路57は、Λ演算回路56にて演算されたデータ尤度Λdata及びパリティ尤度Λparityに対し符号化時と同様の多重化を施し、尤度Λinを出力する。
【0076】
尤度パターン検出部61は、有色雑音が大きくなりやすいデータパターンに対応する尤度パターン群が予め設定されており、パンクチャ回路57から供給される尤度Λinと、設定された尤度パターン群とを比較して、尤度パターン群の何れかを尤度Λinが含むときに、補正信号crctinおよびcrctoutを出力する。このうち、補正信号crctoutは第2の復号器8に供給され、これに応じて第2の復号器8のSRAM81に格納された入力データIL−EQDATが補正される。なお、尤度パターン検出部61の詳細については追って説明する。
【0077】
尤度補正部62は、補正信号crctinに応じて、尤度パターンに対応する尤度Λinを所定の重みづけを行うことで補正する。ここで、重み付けは、たとえば尤度パターンに対応する尤度Λinの値を半分に減じる方法にて行われる。
【0078】
次に、図4を参照して、上記第1の復号器5の処理動作について説明する。
【0079】
イコライザ出力である入力データEQDATは、インタリーブのブロックサイズ分、SRAM51内に格納される(S101)。格納された入力データEQDATは、状態確率βを演算するため、時系列と逆順に、すなわちEQDAT(0)、EQDAT (1)、…、EQDAT (N−1)と時系列に入力されたデータをEQDAT (N−1)、EQDAT (N−2)、…、EQDAT (0)の順番で読み出される(S102)。ここで、Nはインタリーブのブロックサイズを表している。
【0080】
逆順に読み出された入力データEQDATは、デパンクチャ回路52により、データ情報EQDAT−dataとパリティ情報EQDAT−parityの2つのデータ列に分割される(S103)。このとき、ターボ符号器におけるパンクチャ回路で間引かれたパリティ情報を0とするなどパリティデータの補完が行われる。
【0081】
これらデータ情報EQDAT−data及びパリティ情報EQDAT−parityと、第2のターボ復号器8からの事前値Loutとから、γ演算回路53にてブランチメトリックに相当するデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityが演算される(S104)。演算されたデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityはβ演算回路54へと入力され、時点N−1から各時点までの各状態におけるパスメトリックβ00、β01、β10、β11が演算され(S105)、SRAM51へと格納される(S106)。βの演算が終了した後、β演算回路54は、α演算回路55およびΛ演算回路56に対し開始信号ΛSTARTを出力する(S107)。
【0082】
次に状態確率αを演算するため、入力データEQDATが、時系列順に、すなわちEQDAT (0)、EQDAT (1)、…、EQDAT (N−1)の順番で読み出される(S108)。読み出された入力データEQDATは、デパンクチャ回路52により、データ情報EQDAT−dataとパリティ情報EQDAT−parityの2つのデータ列に分割される(S109)。そして、β演算と同様に、γ演算回路53にてブランチメトリックに相当するデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityが演算され(S110)、α演算回路55へと入力される。
【0083】
α演算回路55では、各時点までの各状態におけるパスメトリックに相当する状態確率α00、α01、α10、α11が演算され(S111)、Λ演算回路56へと出力される。Λ演算回路56では、演算された状態確率α00、α01、α10、α11と、SRAM51から読み出された状態確率β00、β01、β10、β11(S112)及びデータ状態遷移確率γdata、パリティ状態遷移確率γparityからデータ尤度Λdata及びパリティ尤度Λparityが演算され(S113)、パンクチャ回路57を通してΛinとして、SRAM51へと出力される。これにより第1の復号器5における尤度Λinの演算が完了する。
【0084】
第1の復号器5より出力された尤度Λinは、尤度パターン検出補正回路6へと入力され、有色雑音が大きくなりやすい所定の尤度パターン群の何れかを尤度Λinが含むかが判別される。そして、尤度パターン群の何れかを含む場合、尤度パターン検出部61にて、補正信号crctinおよびcrctoutが出力される(S114)。
【0085】
尤度補正部62は、尤度パターン検出部61からの補正信号crctinを受け、当該尤度Λinを所定の重みづけを行うことで補正し、尤度Λin’として出力する(S115)。また、当該尤度Λinに対応する入力データEQDATについても重みづけを行うことで補正を行う(S116)。補正された尤度Λin’は第2の復号器8からの事前値Loutを減じられ、SRAM51内に格納される(S117)と共にインタリーブ回路7へと出力される(S118)。
【0086】
以上の処理により、第1の復号器5にて尤度Λinが求まると共に、有色雑音が大きくなりやすい所定の尤度パターンが検出された場合には、その尤度Λin自身の信頼性が低いとして、重み付けが小さくされる。従って、有色雑音を有する再生データに対しても精度良くデータを復号することが可能となる。さらに、信頼性が低いとされる尤度Λinに対応する入力データEQDATについても重み付けが小さくされるので、第1の復号器5および第2の復号器8による復号サイクルを所定回数繰り返すことにより、入力データEQDAT自身の信頼性も向上し、結果的に、精度の良いデータ復号を実現できる。
【0087】
図5は第2のターボ復号器8及び尤度Λout−Linの演算を行う減算器における回路ブロック図の第1の構成例であり、図6は本構成例における回路ブロックの動作を示すフローチャートを示している。
【0088】
まず、図5を参照して、SRAM81は、インタリーブ回路7にてインタリーブされた入力データIL−EQDATを格納すると共に、各回の復号サイクル時にβ演算回路84にて演算された状態確率βを格納する。また、各回の復号サイクル時に演算された尤度Λoutから事前値Linを減算した尤度Λout−Linを格納する。
【0089】
なお、このSRAM81に格納された入力データIL−EQDATは、上記尤度パターン検出部61からの補正信号crctoutに基づいて重み付けされ補正される。また、SRAM81に格納された尤度Λout−Linは、上記図3を参照して説明したとおり、尤度パターン検出補正回路6からの尤度Λin’から尤度Λin’−Loutを演算する際にSRAM81から読み出され利用される。すなわち、尤度パターン検出補正回路6にて求めた尤度Λin’から尤度Λin’−Loutを演算する際に、SRAM81から尤度Λout−Linを読み出し、これをデインタリーブ回路9にてデインタリーブして事前値Loutとし、この事前値Loutと尤度パターン検出補正回路6からの尤度Λin’から尤度Λin’−Loutを演算する。
【0090】
デパンクチャ回路82は、SRAM81から読み出された入力データIL−EQDATをデータ情報IL−EQDAT−dataとパリティ情報IL−EQDAT−parityの2つのデータ列に分割する。このとき、ターボ符号器側のパンクチャ回路で間引かれたパリティ情報を0としてパリティデータの補完を行う。
【0091】
γ演算回路83は、デパンクチャ回路82からのデータ情報IL−EQDAT−data及びパリティ情報IL−EQDAT−parityと、第1のターボ復号器5からの事前値Linに基づいて、ブランチメトリックに相当するデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityを演算する。
【0092】
β演算回路84は、γ演算回路83により演算されたデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityに基づいて各状態におけるパスメトリックβ00、β01、β10、β11を演算し、演算結果をSRAM81に格納する。また、全てのパスメトリックスの演算終了に応じて、α演算回路85およびΛ演算回路86に対し開始信号ΛSTARTを出力する。
【0093】
α演算回路85は、開始信号ΛSTARTに応じて、γ演算回路83により演算されたデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityに基づいて各状態におけるパスメトリックα00、α01、α10、α11を演算する。
【0094】
Λ演算回路86は、開始信号ΛSTARTに応じて、α演算回路85にて演算された状態確率α00、α01、α10、α11と、SRAM81から読み出された状態確率β00、β01、β10、β11およびγ演算回路83にて演算されたデータ状態遷移確率γdata、パリティ状態遷移確率γparityから、データ尤度Λdata及びパリティ尤度Λparityを演算する。
【0095】
パンクチャ回路87は、Λ演算回路86にて演算されたデータ尤度Λdata及びパリティ尤度Λparityに対し符号化時と同様の多重化を施し尤度Λoutを出力する。
【0096】
次に、図6を参照して、上記第2の復号器8の処理動作について説明する。
【0097】
インタリーブ回路7にてインタリーブされた入力データIL−EQDATは、SRAM81内に格納されており(201)、上記尤度パターン検出補正回路6からの補正信号crctoutを受けて(S202)、有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターンに対応する入力データIL−EQDATに対し重みづけを行うことで補正がなされる(S203)。しかる後、状態確率βを演算するため、補正された入力データIL−EQDATは時系列と逆順に、すなわちIL−EQDAT(0)、IL−EQDAT (1)、…、IL−EQDAT (N−1)と時系列に入力されたデータをIL−EQDAT (N−1)、IL−EQDAT (N−2)、…、IL−EQDAT (0)の順番で読み出される(S204)。
【0098】
逆順に読み出された補正入力データIL−EQDAT’は、デパンクチャ回路82により、データ情報IL−EQDAT−dataとパリティ情報IL−EQDAT−parityの2つのデータ列に分割される(S205)。このとき、ターボ符号器におけるパンクチャ回路で間引かれたパリティ情報を0とするなどパリティデータの補完が行われる。
【0099】
これらデータ情報IL−EQDAT−data及びパリティ情報IL−EQDAT−parityと、インタリーブ回路7からの事前値Linとから、γ演算回路83にてブランチメトリックに相当するデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityが演算される(S206)。演算されたデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityはβ演算回路84へと入力され、時点N−1から各時点までの各状態におけるパスメトリックβ00、β01、β10、β11が演算され(S207)、SRAM81へと格納される(S208)。βの演算が終了した後、β演算回路84はα演算回路85、Λ演算回路86に対し開始信号ΛSTARTを出力する(S209)。
【0100】
次に状態確率αを演算するため、入力データIL−EQDATが時系列順に、すなわちIL−EQDAT (0)、IL−EQDAT (1)、…、IL−EQDAT (N−1)の順番で読み出される(S210)。読み出された入力データIL−EQDATは、デパンクチャ回路82により、データ情報IL−EQDAT−dataとパリティ情報IL−EQDAT−parityの2つのデータ列に分割される(S211)。そして、β演算と同様に、γ演算回路83にてブランチメトリックに相当するデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityが演算され(S212)、α演算回路85へと入力される。
【0101】
α演算回路85では、各時点までの各状態におけるパスメトリックに相当する状態確率α00、α01、α10、α11が演算され(S213)、Λ演算回路86へと出力される。Λ演算回路86では演算された状態確率α00、α01、α10、α11と、SRAM81から読み出された状態確率β00、β01、β10、β11(S214)及びデータ状態遷移確率γdata、パリティ状態遷移確率γparityからデータ尤度Λdata及びパリティ尤度Λparityが演算され、パンクチャ回路87を通してΛoutとして、SRAM81へと出力される。これにより第2の復号器8における尤度Λoutの演算が完了する。
【0102】
第2の復号器8より出力された尤度Λoutは第1の復号器5からの事前値Linを減じられ、SRAM81内に格納されると共にデインタリーバ9へと出力される。
【0103】
以上の処理により、有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターンが検出された場合には、入力データIL−EQDAT自身の信頼性が低いと判断し重み付けを小さくすることで、有色雑音を有する再生データに対しても精度良くデータを復号することが可能となる。
【0104】
図7は本実施例における尤度パターン検出補正回路6の回路ブロック図の一構成例である。
【0105】
第1の復号器5で演算された尤度Λinは、第1のシフトレジスタ621に入力されると共に、尤度硬判定部611にて硬判定され、硬判定尤度signΛinとして第2のシフトレジスタ612に入力される。このとき、最上位ビットのみで硬判定する場合などには、第1のシフトレジスタ621が第2のシフトレジスタ612を兼ねることも可能である。
【0106】
第2のシフトレジスタ612に格納された硬判定尤度signΛinは、予め実験的また理論的に求められた有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群614とコンパレータ613により比較される。硬判定尤度signΛinがこのデータパターン群614の何れかと合致した場合、コンパレータ613は補正信号crctinおよびcrctoutを出力する。
【0107】
尤度重み付け部622は補正信号crctinを受け、例えばシフトレジスタ621を操作し対応する尤度Λinをビットシフトすることで半分の大きさにするなどの方法により、尤度Λinに対して重みづけを行う。これにより予め実験的また理論的に求められた有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群に合致する尤度パターンを検出し、その尤度は信頼性が低いものとして尤度自身を重みづけすることが可能となる。重みづけされた尤度はΛin’として第2の復号器8に出力される。
【0108】
次に、有色雑音が大きくなりやすいデータパターン群の求め方の一例について説明する。
【0109】
図8は記録媒体上に記録されたデータにおけるデータパターンの相関を示す図である。図8の横軸はタイムインターバルアナライザにより計測された記録データのk番目のマーク長、図8の縦軸は同じくk+1番目のマーク長を示している。図8の見方として例えば、(横軸,縦軸)=(1T,2T)付近にプロットされたデータ群は、1Tマークデータ後の2Tマークデータ群、ということになる。例えば、図8の(1T,1T)付近に存在するデータ群は他のデータ群に比べ偏った位置に中心が存在している。従って、1Tマーク後の1Tマーク、1Tマーク前の1Tマーク、または1Tマークが3回連続した時の中心の1Tが最もデータパターンの影響を受けやすいと判断できる。このように図8のように実験的にデータパターンの相関を解析することや、計算機によるシミュレーションなどでデータパターンの相関を解析することで、有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群を決定できる。
【0110】
2.第2の実施例
上記第1の実施例では、補正信号crctin または crctout に基づき、それぞれ入力信号 EQDATまたはIL−EQDATを補正していたが、入力信号ではなく入力信号に基づく状態遷移確率γを補正するようにしても良い。
【0111】
図9は、かかる第2の実施例における第1の復号器5の構成例を示す回路ブロック図、図10は図9における回路ブロック図のフローチャートである。なお、上記第1の実施例にて示した図3中のブロックおよび図4中の処理ステップと同一部分には同一符号を付してある。
【0112】
本実施例における第1の復号器5では、1回目の復号サイクルにおいてのみγ演算が実行され、2回目以降の復号サイクルにおいては、1回目の復号サイクルにて求められSRAM58に格納された状態遷移確率γを用いながら復号処理が行なわれる。SRAM58に格納された状態遷移確率γは、各回の復号サイクル時に第2の復号器8にて出力される事前値Loutを用いてγ更新回路59により更新される。また、各回の復号サイクル時に尤度パターン検出補正回路6から出力される補正値crctinを用いて補正される。
【0113】
すなわち、入力データEQDATは、1回目の復号サイクルにおいて、デパンクチャ回路52によりデータ情報EQDAT−dataとパリティ情報EQDAT−parityの2つのデータ列に分割される(S121)。このとき、ターボ符号器におけるパンクチャ回路で間引かれたパリティ情報を0とするなどパリティデータの補完が行われる。
【0114】
これらデータ情報EQDAT−data及びパリティ情報EQDAT−parityから、γ演算回路53にて、ブランチメトリックに相当するデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityが演算される(S122)。このとき、第2のターボ復号器8からの事前値Loutはないものとして演算が行われる。演算されたデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityは、SRAM58に格納される(S123)。
【0115】
格納されたデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityは、γ更新回路59により第2のターボ復号器8からの事前値Loutが加算され更新される(S124)。なお、1回目の復号サイクルでは、第2のターボ復号器8からの事前値Loutはないものとされる。したがって、1回目の復号サイクル時にはS124の更新処理は特に意味を持たない。
【0116】
しかる後、SRAM58に格納されているデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityが時系列とは逆順に読み出され(S125)、上記第1の実施例と同様、状態確率βの演算処理を実行される(S105〜S107)。また、SRAM58に格納されているデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityが時系列順に読み出され(S126)、上記第1の実施例と同様、状態確率αの演算処理が実行される(S111)。
【0117】
しかる後、上記第1の実施例と同様にして、S112〜S118を実行し、尤度Λinの演算と尤度パターンのチェックおよび尤度Λinの補正等の処理がなされる。なおこの際、尤度パターン検出補正回路6から出力される補正信号crctinに応じて、SRAM58に格納されているデータ状態遷移確率γdataが重み付けにより補正される(S127)。重み付けは、たとえば信頼性が低いとされるデータ状態遷移確率γdataの値を半分にする方法を採用できる。
【0118】
以上のようにして、第1の復号器5における1回目の復号サイクルが終了すると、第2の復号器8における1回目の復号サイクルの終了を待って、S124以降の処理が実行される。このとき、SRAM58に格納されているのデータ状態遷移確率γdataは、1回目の復号サイクルにおけるS127により補正されている。また、2回目の復号サイクルにおけるS124にて、SRAM58に格納されている補正後のデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityが事前値Loutにより更新される。しかして、補正・更新後のデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityに対しS125以降の処理が実行される。以後、同様に、所定回数に達するまでかかる復号サイクルが繰り返し実行される。
【0119】
図11は第2の実施例における第2の復号器8の構成例を示す回路ブロック図、図12は図11における回路ブロック図のフローチャートである。なお、上記第1の実施例にて示した図5中のブロックおよび図6中の処理ステップと同一部分には同一符号を付してある。
【0120】
本実施例における第2の復号器8では、上記第1の復号器5と同様、1回目の復号サイクルにおいてのみγ演算が実行され、2回目以降の復号サイクルにおいては、1回目の復号サイクルにて求められSRAM88に格納された状態遷移確率γを用いながら復号処理が行なわれる。ここで、SRAM88に格納された状態遷移確率γは、各回の復号サイクルの際に第1の復号器5から出力される事前値Linを用いてγ更新回路89により更新される。
【0121】
すなわち、インタリーブ回路7から供給されるインタリーブ後の入力データIL−EQDATは、1回目の復号サイクルにおいて、デパンクチャ回路82によりデータ情報IL−EQDAT−dataとパリティ情報IL−EQDAT−parityの2つのデータ列に分割される(S221)。このとき、ターボ符号器におけるパンクチャ回路で間引かれたパリティ情報を0とするなどパリティデータの補完が行われる。
【0122】
これらデータ情報IL−EQDAT−data及びパリティ情報IL−EQDAT−parityと第1のターボ復号器8からの事前値Linから、γ演算回路83にて、ブランチメトリックに相当するデータ状態遷移確率γdataとパリティ状態遷移確率γparityが演算される(S222)。演算されたデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityは、SRAM58に格納される(S223)。
【0123】
格納されたデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityは、γ更新回路59により第2のターボ復号器8からの事前値Loutが加算され更新される(S224)。なお、1回目の復号サイクルでは、S222にて事前値Linが加味されているため、ステップS124はパスされる。
【0124】
しかる後、上記尤度パターン検出補正回路6からの補正信号crctoutを受けて(S202)、有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターンに対応するデータ状態遷移確率γdataに対し重みづけを行うことで補正がなされる(S225)。重み付けは、たとえば信頼性が低いとされるデータ状態遷移確率γdataの値を半分にする方法を採用できる。
【0125】
このようにしてデータ状態遷移確率γdataを補正した後、データ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityをSRAM88から時系列とは逆順に読み出し(S226)、上記第1の実施例と同様、状態確率βの演算処理が実行する(S207〜S209)。また、SRAM88に格納されているデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityを時系列順に読み出し(S226)、上記第1の実施例と同様、状態確率αの演算処理を実行する(S213)。
【0126】
しかる後、上記第1の実施例と同様にして、S214〜S217を実行し、尤度Λoutの演算・補正等の処理がなされる。
【0127】
以上のようにして、第2の復号器8における1回目の復号サイクルが終了すると、第1の復号器1における2回目の復号サイクルの終了を待って、S224以降の処理が実行される。2回目の復号サイクルが開始されると、まずS224にて、SRAM88に格納されているデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityが事前値Linにより更新される。さらに、S202およびS225にて、有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターンに対応するデータ状態遷移確率γdataが補正される。
【0128】
しかして、補正・更新後のデータ状態遷移確率γdata及びパリティ状態遷移確率γparityに対しS226以降の処理が実行される。以後、同様に、所定回数までの復号サイクルが繰り返し実行される。
【0129】
本実施例によれば、より大きい容量のSRAMが必要となるが、γ演算を初回のサイクルのみ実行すればよいので、計算量を著しく低減できる。
【0130】
3.第3の実施例
上記第1または第2の実施例では、第1の復号器5にて演算された尤度Λinの尤度パターンから有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターンを検出して補正を行うようにしたが、入力データEQDATの入力データパターンからこのようなデータパターンを検出して補正を行うようにしても良い。かかる場合に適用される光ディスク再生装置の構成例を図13に示す。
【0131】
上記第1、第2の実施例における尤度パターン検出補正回路6が入力データパターン検出尤度補正回路11に置き換わっている点が本実施例の特徴であり、第1の復号器5にて演算された尤度Λinではなく、入力データEQDATから所定のデータパターンを検出して補正を行う。入力データパターン検出尤度補正回路11では、予め実験的または理論的に求められた有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群と入力データEQDATとを比較し、これが検出された場合には、算出された尤度Λinは信頼性が低いと判断し、当該尤度Λinの尤度を低減するために所定の基準により重みづけしΛin’として出力する。同時に、尤度パターン検出補正回路11は、第1の復号器5に対し入力データEQDATまたは状態遷移確率γinを補正するための信号crctinを出力し、第2の復号器8に対し入力データIL−EQDATまたは状態遷移確率γoutを補正するための信号crctoutを出力する。
【0132】
図14は、入力データパターン検出尤度補正回路11、第1の復号器5及び尤度Λin−Loutの演算を行う減算器における回路ブロック図の一構成例であり、図15は本構成例における回路ブロックの動作を示すフローチャートである。なお、上記第1の実施例にて示した図3中のブロックおよび図4中の処理ステップと同一部分には同一符号を付してある。
【0133】
第1または第2の実施例では、尤度パターンから有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群を検出していたのに対して、図14の回路ブロックは入力データパターンから有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群を検出する構成へと変更されている。
【0134】
すなわち、入力データパターン検出部111は、有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群の何れかを入力データEQDATが含む場合に補正信号crctinおよびcrctoutを出力する(S131)。尤度補正部112は、尤度パターン検出部111からの補正信号crctinを受け、当該入力データEQDATに対応する尤度Λinを所定の重みづけを行うことで補正し、尤度Λin’として出力する(S115)。また、SRAM51に格納されている当該入力データEQDATについても重みづけを行うことで補正を行う(S116)。補正された尤度Λin’は第2の復号器8からの事前値Loutを減じられ、SRAM51内に格納される(S117)と共にインタリーブ回路7へと出力される(S118)。
【0135】
図16は、第3の実施例における入力パターン検出尤度補正回路11の回路ブロック図の構成例である。
【0136】
第1の復号器5で演算された尤度Λinは、第1のシフトレジスタ1121に入力されると共に、入力データEQDATが入力データ硬判定部1111にて硬判定され、硬判定入力データsignEQDATとして第2のシフトレジスタ1112に入力される。第2のシフトレジスタ1112に格納された硬判定入力データsignEQDATは、予め実験的また理論的に求められた有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群とコンパレータ1113により比較される。硬判定入力データsignEQDATがこのデータパターンと合致した場合、コンパレータ1113は補正信号crctinおよびcrctoutを出力する。
【0137】
尤度重み付け部1122は補正信号crctinを受け、例えばシフトレジスタ1121を操作し対応する尤度Λinをビットシフトすることで半分の大きさにするなどの方法により、尤度Λinに対して重みづけを行う。これにより予め実験的また理論的に求められた有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群に合致する尤度パターンを検出し、その尤度は信頼性が低いものとして尤度自身を重みづけすることが可能となる。重みづけされた尤度はΛin’として第2の復号器8に出力される。
【0138】
ここで、第3の実施例において入力データパターンEQDATから有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群を検出するようにしたが、入力信号に基づき決定されるデータ、例えば状態遷移確率γなどにより検出を行っても良い。
【0139】
4.第4の実施例
ところで、第1至及第3の実施例においては、入力データEQDAT、状態遷移確率γまたは尤度Λinに対し、予め実験的また理論的に求められた有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群との合致を検出し、検出された場合には必ず入力データEQDAT、状態遷移確率γまたは尤度Λinを補正する構成となっていた。しかし、該データパターン群との合致が頻繁に見られる場合には、補正が頻発し逆に反復型復号器の性能を低下させてしまうことも考えられる。そこで、以下に示す第4の実施例では、MAP復号を利用して有色雑音によりエラーが生じた期間を特定し、この特定期間においてのみ、上記補正を実行するようにしている。
【0140】
図17は第4の実施例におけるMAP復号を利用した尤度補正期間決定方法の概念を示す図である。
【0141】
図17(A)はデータ系列にノイズがない場合の時点k、…、k+7におけるデータ列d(k),…,d(k+7)、パリティ列p(k),…,p(k+7)と、それらに対する状態遷移図を示している。p(k)における記号“−”はターボ符号器において間引かれたパリティであることを示しており、ここでは時点k+1のパリティp(k+1)と時点k+6のパリティp(k+6)以外のパリティはターボ符号器において間引かれている。また、状態遷移図における右矢印は状態確率αの最も高い確率を結んだ状態遷移を、左矢印は状態確率βの最も高い確率を結んだ状態遷移をそれぞれ示している。
【0142】
図17(B)はデータ系列にノイズがあった場合のデータ列、パリティ列および状態遷移図を示している。ここでは時点k+4でのデータd(k+4)においてエッジシフト等の要因による有色雑音によりエラーが生じたとしている。当然のことながらデータ系列からそのエラー位置を特定することは不可能である。
【0143】
通常、データ系列にエラーがない場合は図17(A)に示すように、状態確率αの最も高い確率を結んだ状態遷移パスと、状態確率βの最も高い確率を結んだ状態遷移パスとは完全に一致することとなる。ところが図17(B)に示すように、データ列のある時点でエラーが生じた場合、状態確率αの最も高い確率を結んだ状態遷移パスと、状態確率βの最も高い確率を結んだ状態遷移パスとが一致しなくなる。この不一致期間を検出することで、エラーの正確な位置は特定できないまでも、おおまかな位置を特定することが可能となる。
【0144】
不一致期間を尤度パターン検出期間として、入力データEQDAT、状態遷移確率γまたは尤度Λinに対し、予め実験的また理論的に求められた有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群との合致を検出するための期間として利用することで、無意味な補正を回避し、より精度良くデータの補正を行うことが可能となる。
【0145】
第4の実施例における第1の復号器の一構成例を示す回路ブロック図を図18に示す。図19は本構成例における回路ブロックの動作を示すフローチャートを示している。
【0146】
図18において、尤度補正期間決定部63は状態確率αおよび状態確率βを受け、その状態遷移の不一致期間を検出し、尤度パターン検出期間crctenbとして尤度パターン検出部61に出力する。尤度パターン検出部61はこの尤度パターン検出期間crctenbが活性化されている期間においてのみ、上記のパターン検出、すなわち有色雑音が大きくなりやすい所定の尤度パターン群との一致を検出し、検出に応じて補正信号crctinおよびcrctoutを出力する。その他の各回路ブロックにおける機能および動作は、図9における場合と同様であるためここでは説明を省略する。
【0147】
尤度補正期間決定部63の追加に伴い、図19のフローチャートにはS141が追加されている。すなわち、かかるS141において、上記尤度補正期間決定部63における状態遷移の不一致期間の検出および尤度パターン検出期間crctenbの出力が実行される。そして、この尤度パターン検出期間crctenbが活性化されている期間においてのみ、尤度パターン検出部61にて上記のパターン検出が行われ、検出に応じて補正信号crctinおよびcrctoutが出力される(S114)。その他の処理ステップは、図10における場合と同様であるためここでは説明を省略する。
【0148】
図20は、尤度パターン検出期間を設けて尤度補正を行うターボ復号法Aと、尤度補正を行わない従来のターボ復号法Bと、従来のスライスレベルによる2値化手段を用いた方法Cとをそれぞれ、データパターン依存性がある有色雑音再生信号の復号に適用した場合の実験結果を示すものである。
【0149】
図20の横軸はデータパターン依存性がある有色雑音再生信号のSNR、縦軸は復号データのビットエラーレートである。
【0150】
なお、この実験では、ターボ復号法Aを採用した復号器として、上記第4の実施例に示した構成のターボ復号器を用いた。このターボ復号器には、有色雑音が大きくなりやすい所定の尤度パターン群として、“0111”と“1000”の2つのパターンを設定した。そして、上記第1の復号器5から出力される尤度Λinを硬判定(図7の尤度硬判定部611)した硬判定尤度signΛin中に“0111”が含まれている場合には、連続する3つの“1”のうち真ん中の“1”の位置の尤度Λinの信頼性が低いとしてこの位置の尤度Λinに重み付けを行い、また、硬判定尤度signΛin中に“1000”が含まれている場合には、連続する3つの“0”のうち真ん中の“0”の位置の尤度Λinの信頼性が低いとしてこの位置の尤度Λinに重み付けを行った。
【0151】
重み付けは、信頼性が低いとされる尤度Λinの値を半分に減じる方法を用いた。たとえば、尤度Λinがプラスである程“1”である確率が高く、マイナスである程“0”である確率が高いとしたとき、尤度Λin=+0.8のとき重み付けにより尤度Λin=+0.4とし、尤度Λin=−0.6のとき、重み付けにより尤度Λin=−0.3とした。同様に、上記補正信号crctinおよびcrctoutに応じて実行される状態遷移確率γdata(SRAM58およびSRAM81に格納)に対する重み付けは、信頼性が低いとされる位置の状態遷移確率γdataの値を半分に減じる方法を用いた。
【0152】
なお、ターボ復号法Bを採用したターボ復号器の構成は、尤度パターン検出期間を設けて尤度補正を行うための構成、すなわち、図18の尤度パターン検出回路6を除き、上記第4の実施例に係るターボ復号器の構成と同様である。
【0153】
同図を参照して、従来の復号法Cに比べ、ターボ復号法A、Bを適用した場合には、ビットエラーレートが格段に低減されていることが分かる。また、上記第4の実施例に係るターボ復号法Aを適用した場合のエラーレートは、尤度補正を行わない従来のターボ復号法Bを適用した場合に比べ、ビットエラーレートがさらに格段に低減されていることが分かる。
【0154】
この実験結果は、尤度補正を行う上記実施例のターボ復号法が、データパターン依存性のある有色雑音を含む再生信号を復号する手段として非常に有効であることを顕著に示している。
【0155】
なお、本実験では、有色雑音が大きくなりやすい所定の尤度パターン群として、“0111”と“1000”の2つのパターンを設定したが、これ以外の尤度パターン群をも併せて設定すれば、さらなるビットエラーレートの改善が見込まれる。
なお、本実施例では第1の実施例と同じく尤度Λinから有色雑音が大きくなりやすい所定のデータパターン群を検出する方法を採用したが、第2または第3の実施例と同様に入力信号EQDATまたは入力データに基づき決定されるデータ、例えば状態遷移確率γなどから検出を行っても良い。
【0156】
第1及至第4の実施例において、第1および第2のターボ符号・復号器からなるターボ符号を例に挙げ、本発明の説明を行ったが、ターボ符号をPRチャネルに適用した場合やLDPC符号など反復型復号法を用いた情報記録再生装置の全てに適用可能であり、本発明は第1および第2のターボ符号・復号器からなるターボ符号に特に限定されるものではない。
【0157】
例えば、図25に示すシリアルターボ符号器に本発明を適用した場合、再生信号ykまたはインナー復号器35からの尤度Λinを上記と同様の尤度パターン検出補正回路にて参照し、再生信号yk中に有色ノイズが発生しやすい信号パターンが含まれているかを判別する。そして、再生信号yk中に有色ノイズが発生しやすい信号パターンが含まれている場合、上記と同様、当該再生信号ykに応じた再生データを重み付けにより補正し、さらに、当該再生信号ykに応じた尤度Λinを重み付けにより補正する。この際、上記図21に示すように、再生データのみを重み付けにより補正するようにしても良い。また、図18に示すように、有色ノイズが含まれている期間を特定し、この期間においてのみ、重み付け補正を実行するようにしても良い。
【0158】
なお、上記実施例では、有色雑音が大きくなりやすい尤度パターンまたはデータパターンが検出されたときに、尤度Λinとともに入力データEQDAT、IL−EGDATまたは状態遷移確率γを重み付けにより補正するようにしたが、尤度Λinは補正せずに、入力データEQDAT、IL−EGDATまたは状態遷移確率γのみを補正するよう構成することもできる。この場合、信頼性が低いとされる入力データEQDAT、IL−EGDATの重み付けが小さくされるので、復号サイクルを所定回数繰り返すことにより、入力データEQDAT、IL−EGDAT自身の信頼性が向上し、結果的に、精度の良いデータ復号を実現できる。
【0159】
かかる場合の構成例を図21に示す。この構成例は、図3に示す第1の復号器5において、尤度補正部62を省略したものである。この構成例では、有色雑音が大きくなりやすい尤度パターンが尤度パターン検出部61にて検出されたとき、補正信号crctinおよびcrctoutが出力され、第1の復号器5のSRAM51に格納されている入力データEQDATと、第2の復号器8のSRAM81に格納されている入力データIL−EQDATが重み付けにより補正される。
【0160】
図21の構成例は図3に示す第1の復号器5に対し変更を加えたものであったが、図9に示す第1の復号器5に対し変更を加えるものであってもよい。この場合、有色雑音が大きくなりやすい尤度パターンが尤度パターン検出部61にて検出されたとき、補正信号crctinおよびcrctoutが出力され、第1の復号器5および第2の復号器8のSRAM51および81に格納されている状態遷移確率γdataが重み付けにより補正される。同様に、図14および図18に示す第1の復号器5に対し変更を加えるものであってもよい。図18に示す第1の復号器5に対し変更を加えた場合の構成例を図22に示す。
【0161】
また、上記実施例では、有色雑音が大きくなりやすい尤度パターンまたはデータパターンが検出されると一律に、尤度Λinと入力データEQDAT、IL−EGDATまたは状態遷移確率γを重み付けにより補正するものであったが、かかる場合に一律に補正を行わずに、たとえばエラーが起こりやすい環境下においてのみ補正を行うようにしたり、あるいは、エラーの起こりやすさに応じて補正時の重み付けを変更するようにしてもよい。
【0162】
図23にかかる場合の構成例を示す。この構成例においては、補正制御回路12が新たに追加されており、エラーの起こりやすさに応じて、第1の復号器5、尤度パターン検出補正回路6および第2の復号器8の処理が適宜切り替えられる。
【0163】
たとえば補正制御回路12は、復号サイクルの回数に応じて尤度パターン検出補正回路6の処理を適宜切り替える。具体的には、1回目の復号サイクルにおいては、設定されている尤度パターン群(有色雑音が大きくなりやすい尤度パターンの集合)の全てを参照してパターン検出を実行するよう尤度パターン検出補正回路6を制御し、復号サイクルが2回、3回と進むにつれ、参照対象の尤度パターン群を次第に絞るようにする。同様に、第1の復号器5および第2の復号器において実行される重み付けを、復号サイクルの回数が進むにつれ次第に軽くする。
【0164】
なお、補正制御回路12による処理の切り替えタイミングは、復号サイクルの回数に応じる方法の他、たとえば、再生レーザパワーの強度や、再生メディア(ディスク)の種類に応じるものとしてもよく、また、再生リトライの頻度に応じるものとしてもよい。
【0165】
たとえば、再生レーザパワーに一つあるいは2つ以上の閾値を設定し、実際の再生レーザパワーがどのレベルにあるかに応じて、上記の如く尤度パターン群の範囲や重み付けのレベルを変更する。あるいは、再生レーザパワーが所定の閾値以下の場合にのみ尤度パターン検出補正回路6を作動させるようにしても良い。
【0166】
また、装着された記録媒体に対しリード・ライトを繰り返すことで当該記録媒体のエラー頻度を検出し、このエラー頻度が予め設定したエラー頻度レベルのうち何れに該当するかに応じて、上記の如く尤度パターン群の範囲や重み付けのレベルを変更する。あるいは、エラー頻度が所定の閾値以下の場合にのみ尤度パターン検出補正回路6を作動させるようにしても良い。
【0167】
同様に、例えば記録媒体に予め記録されているメディアID情報等から記録媒体の種類を検出し、検出した記録媒体の種類に応じて、上記の如く、尤度パターン群の範囲や重み付けのレベルを変更するようにしても良い。
【0168】
また、再生時に発生する再生リトライの頻度を検出し、この再生リトライ頻度が予め設定した頻度レベルのうち何れに該当するかに応じて、上記の如く尤度パターン群の範囲や重み付けのレベルを変更する。あるいは、再生リトライの頻度が所定の閾値以下の場合にのみ尤度パターン検出補正回路6を作動させるようにしても良い。
【0169】
さらに、処理切り替え時の制御方法は、上記のように、尤度パターン群を制限する方法や重み付けを変更する方法の他、例えば、尤度パターン検出補正回路6による処理を実行するかしないか、すなわち1回目の復号サイクルにおいてのみ尤度パターン検出補正回路6による処理を実行し2回目以降はかかる処理を行わないといった方法も採用できる。
【0170】
この他、本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【0171】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、回路規模の増加を抑えつつ、記録データ周波数に依存する雑音特性(有色雑音)を持つ低SNRの情報記録再生チャネルに対するデータ再生を精度良く行うことができる。
【0172】
加えて、有色雑音が発生する可能性に応じて前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を制御する補正制御手段を備えることにより、過度の補正を防止でき、もって、有色雑音が生じる場合にのみ適正に補正処理を実行できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係る光ディスク再生装置の構成を示す図
【図2】順方向状態確率αおよび逆方向状態確率βの状態遷移図
【図3】第1の実施例に係る第1の復号器の構成を示す図
【図4】第1の実施例に係る第1の復号器の動作を示すフローチャート
【図5】第1の実施例に係る第2の復号器の構成を示す図
【図6】第1の実施例に係る第2の復号器の動作を示すフローチャート
【図7】第1の実施例に係る尤度パターン検出補正回路の構成を示す図
【図8】有色雑音が大きくなりやすいパターン群の決定方法を説明する図
【図9】第2の実施例に係る第1の復号器の構成を示す図
【図10】第2の実施例に係る第1の復号器の動作を示すフローチャート
【図11】第2の実施例に係る第2の復号器の構成を示す図
【図12】第2の実施例に係る第2の復号器の動作を示すフローチャート
【図13】第3の実施例に係る光ディスク再生装置の構成を示す図
【図14】第3の実施例に係る第1の復号器の構成を示す図
【図15】第3の実施例に係る第1の復号器の動作を示すフローチャート
【図16】第3の実施例に係る入力データパターン検出尤度補正回路の構成例
【図17】第4の実施例に係る尤度補正期間決定方法の概念を示す図
【図18】第4の実施例に係る第1の復号器の構成を示す図
【図19】第4の実施例に係る第1の復号器の動作を示すフローチャート
【図20】第4の実施例に係るターボ復号器の検証例を示す図
【図21】他の実施例に係る第1の復号器の構成例を示す図
【図22】他の実施例に係る第1の復号器の構成例を示す図
【図23】他の実施例に係る光ディスク再生装置の構成を示す図
【図24】従来例に係るターボ符号・復号器の構成例を示す図
【図25】従来例に係るターボ符号・復号器の構成例を示す図
【符号の説明】
5 第1の復号器
6 尤度パターン検出補正回路
8 第2の復号器
11 入力データパターン検出尤度補正回路
12 補正制御回路
61 尤度パターン検出部
62 尤度補正部
63 尤度補正期間決定部
111 入力データパターン検出部
112 尤度補正部
611 尤度硬判定部
612 第2のシフトレジスタ
613 コンパレータ
614 データパターン群
621 第1のシフトレジスタ
622 尤度重みづけ部
1111 入力データ硬判定部
1112 第2のシフトレジスタ
1113 コンパレータ
1114 データパターン群
1121 第1のシフトレジスタ
1122 尤度重みづけ部
Claims (24)
- 過去の軟判定処理にて出力された事前値に基づいて入力信号を補正すると共に補正後の入力信号に対して現在の軟判定処理を実行する軟判定復号サイクルを繰り返した後、当該軟判定結果から復号情報を生成する反復型復号回路において、
信号パターン群を格納するパターン格納手段と、
入力信号と前記信号パターン群とを比較し入力信号中に前記信号パターン群中の何れかの信号パターンが含まれているかを検出するパターン検出手段と、
前記パターン検出手段による検出結果に応じて入力信号を補正する補正手段と、
を有することを特徴とする反復型復号回路。 - 請求項1において、
前記パターン格納手段は前記信号パターン群に応じたデータパターン群を格納し、
前記パターン検出手段は前記軟判定処理におけるデータと前記データパターン群とを比較し入力信号中に前記信号パターン群中の何れかの信号パターンが含まれているかを検出する、
ことを特徴とする反復型復号回路。 - 請求項1または2において、
当該反復型復号回路は、前記入力信号と前記事前値に基づいて軟判定処理を実行する第1の軟判定回路と、当該第1の軟判定回路による軟判定結果を用いて軟判定処理を実行すると共に当該軟判定結果に応じた事前値を前記第1の軟判定回路に出力する第2の軟判定回路とを備え、
前記補正手段は、前記パターン検出手段による検出結果に応じて、前記第1の軟判定回路による軟判定結果をもさらに補正する、
ことを特徴とする反復型復号回路。 - 請求項3において、
前記第2の軟判定回路は、前記第1の軟判定回路による軟判定結果と前記入力信号とに基づいて軟判定処理を実行する、
ことを特徴とする反復型復号回路。 - 請求項1乃至4の何れかにおいて、
前記パターン検出手段および前記補正手段における前記補正動作を制御する補正制御手段をさらに備えることを特徴とする反復型復号回路。 - 請求項5において、
前記補正制御手段は、前記入力信号の復号状態から復号誤りが発生している信号期間を特定する期間特定手段を備え、当該特定された信号期間においてのみ前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を実行させることを特徴とする反復型復号回路。 - 請求項5または6において、
前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記パターン検出手段におけるパターン検出および/もしくは補正手段における補正を切り替えることを特徴とする反復型復号回路。 - 請求項7において、
前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数が所定回数に達した後は前記パターン検出手段におけるパターン検出および/もしくは補正手段における補正を中止することを特徴とする反復型復号回路。 - 請求項7または8において、
前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記パターン検出手段におけるパターン検出レベルを変更することを特徴とする反復型復号回路。 - 請求項7乃至9の何れかにおいて、
前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記補正手段における補正レベルを変更することを特徴とする反復型復号回路。 - 過去の軟判定処理にて出力された事前値に基づいて再生信号を補正すると共に補正後の再生信号に対して現在の軟判定処理を実行する軟判定復号サイクルを繰り返した後、当該軟判定結果から復号情報を生成する反復型復号回路を備える情報再生装置において、
記録媒体から再生信号を読み出す読み出し手段と、
信号パターン群を格納するパターン格納手段と、
再生信号と前記信号パターン群とを比較し再生信号中に前記信号パターン群の何れかの信号パターンが含まれているかを検出するパターン検出手段と、
前記パターン検出手段による検出結果に応じて再生信号を補正する補正手段と、
を有することを特徴とする情報再生装置。 - 請求項11において、
前記パターン格納手段は前記信号パターン群に応じたデータパターン群を格納し、
前記パターン検出手段は前記軟判定処理におけるデータと前記データパターン群とを比較し再生信号中に前記信号パターン群中の何れかの信号パターンが含まれているかを検出する、
ことを特徴とする情報再生装置。 - 請求項11または12において、
当該反復型復号回路は、前記再生信号と前記事前値に基づいて軟判定処理を実行する第1の軟判定回路と、当該第1の軟判定回路による軟判定結果を用いて軟判定処理を実行すると共に当該軟判定結果に応じた事前値を前記第1の軟判定回路に出力する第2の軟判定回路とを備え、
前記補正手段は、前記パターン検出手段による検出結果に応じて、前記第1の軟判定回路による軟判定結果をもさらに補正する、
ことを特徴とする情報再生装置。 - 請求項13において、
前記第2の軟判定回路は、前記第1の軟判定回路による軟判定結果と前記再生信号とに基づいて軟判定処理を実行する、
ことを特徴とする情報再生装置。 - 請求項11乃至14の何れかにおいて、
前記パターン検出手段および前記補正手段における前記補正動作を制御する補正制御手段をさらに備えることを特徴とする情報再生装置。 - 請求項15において、
前記補正制御手段は、前記再生信号の復号状態から複合誤りが発生している信号期間を特定する期間特定手段を備え、当該推定された信号期間においてのみ前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を実行させることを特徴とする情報再生装置。 - 請求項15または16において、
前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記パターン検出手段におけるパターン検出および/もしくは補正手段における補正を切り替えることを特徴とする情報再生装置。 - 請求項17において、
前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数が所定回数に達した後は前記パターン検出手段におけるパターン検出および/もしくは補正手段における補正を中止することを特徴とする情報再生装置。 - 請求項17または18において、
前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記パターン検出手段におけるパターン検出レベルを変更することを特徴とする情報再生装置。 - 請求項17乃至19の何れかにおいて、
前記補正制御手段は、前記復号サイクルの繰り返し回数に応じて前記補正手段における補正レベルを変更することを特徴とする情報再生装置。 - 請求項15において、
前記補正制御手段は、再生リトライの頻度に応じて、前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を変更することを特徴とする情報再生装置。 - 請求項15において、
前記補正制御手段は、記録媒体のエラー特性に応じて、前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を変更することを特徴とする情報再生装置。 - 請求項15において、
前記補正制御手段は、記録媒体の種類に応じて、前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を変更することを特徴とする情報再生装置。 - 請求項11において、
前記記録媒体は光ディスクであり、前記読み出し手段はレーザ光をディスクに照射する光ピックアップを備え、
前記補正制御手段は、再生レーザパワーのレベルに応じて、前記パターン検出手段および補正手段における前記補正動作を変更することを特徴とする情報再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003131130A JP2004335000A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 反復型復号回路および情報再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003131130A JP2004335000A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 反復型復号回路および情報再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004335000A true JP2004335000A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33506393
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003131130A Pending JP2004335000A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 反復型復号回路および情報再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004335000A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006261857A (ja) * | 2005-03-15 | 2006-09-28 | Fujitsu Ltd | 復号器及び復号方法 |
US8423869B2 (en) | 2008-02-26 | 2013-04-16 | Nec Corporation | Decoding apparatus, decoding method, and program |
WO2013150774A1 (ja) * | 2012-04-04 | 2013-10-10 | パナソニック株式会社 | 復号装置及び復号方法 |
US8618963B2 (en) | 2011-08-29 | 2013-12-31 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Bit converter and bit conversion method |
-
2003
- 2003-05-09 JP JP2003131130A patent/JP2004335000A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006261857A (ja) * | 2005-03-15 | 2006-09-28 | Fujitsu Ltd | 復号器及び復号方法 |
JP4528168B2 (ja) * | 2005-03-15 | 2010-08-18 | 富士通株式会社 | 復号器及び復号方法 |
US8423869B2 (en) | 2008-02-26 | 2013-04-16 | Nec Corporation | Decoding apparatus, decoding method, and program |
US8618963B2 (en) | 2011-08-29 | 2013-12-31 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Bit converter and bit conversion method |
WO2013150774A1 (ja) * | 2012-04-04 | 2013-10-10 | パナソニック株式会社 | 復号装置及び復号方法 |
CN103503072A (zh) * | 2012-04-04 | 2014-01-08 | 松下电器产业株式会社 | 解码装置以及解码方法 |
US9063871B2 (en) | 2012-04-04 | 2015-06-23 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Decoding device and decoding method |
CN103503072B (zh) * | 2012-04-04 | 2016-11-02 | 松下知识产权经营株式会社 | 解码装置以及解码方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1267346B1 (en) | Recording and reproducing apparatus, signal decoding circuit, error correction method and iterative decoder | |
US7849388B2 (en) | Signal decoding method and device, and signal storage system | |
US6405342B1 (en) | Disk drive employing a multiple-input sequence detector responsive to reliability metrics to improve a retry operation | |
US7031090B2 (en) | Information recording and reproducing apparatus and method and signal decoding circuit having improved noise processing characteristics | |
US8423873B2 (en) | Decoding techniques for correcting errors using soft information | |
KR20070025145A (ko) | 소프트 복호화 방법 및 장치, 에러 정정 방법 및 장치,소프트 출력 방법 및 장치 | |
US7414941B2 (en) | Data recording device and data reproducing device | |
JP2004164767A (ja) | データの復号方法およびそれを用いたディスク装置 | |
US20060120244A1 (en) | Decoding device and method, program recording medium, and program | |
US20030005384A1 (en) | Apparatus for reproducing data and apparatus for recording/reproducing data | |
US8271863B2 (en) | Forward decision aided nonlinear Viterbi detector | |
JP2003203435A (ja) | データ再生装置 | |
JP2004335000A (ja) | 反復型復号回路および情報再生装置 | |
JP4011583B2 (ja) | データ記録再生システム及び方法 | |
WO2001091121A1 (en) | Detector, reproduction system, receiver and method | |
KR100888313B1 (ko) | 버스트 에러의 치환 수단을 갖는 기록 재생 장치 및버스트 에러를 치환하는 방법 | |
JP3823731B2 (ja) | 誤り訂正復号器 | |
US7032155B2 (en) | Data regenerating apparatus | |
JP3921119B2 (ja) | 復号方法および記録媒体再生装置 | |
Arslan et al. | Error event corrections using list-NPML decoding and error detection codes | |
JP3973026B2 (ja) | 復号装置、復号方法、及びその方法をプロセッサに行わせるプログラム | |
EP2608204B1 (en) | Methods and systems for decoding data | |
EP1931037A1 (en) | Method and apparatus for processing data from a transmission or storage channel | |
JP2004220745A (ja) | 情報記録装置、情報記録再生装置および符号化回路 | |
JP2005108332A (ja) | 反復復号を用いたデータ再生装置及び方法 |