JP2004333885A - 光学装置及びこれに用いるレンズ部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源、レンズ、及び光ファイバの位置調整が容易で、かつ光ファイバへの入射光の結合効率の高効率化が可能な光学装置及びこれに用いるレンズ部材を提供する。
【解決手段】端面11を傾斜状に形成した光ファイバ10と、該光ファイバ10の中心軸C1からずれた位置に配置され上記ファイバ端面11に対して光を出射する光源20と、上記光ファイバ10と光源20の間に配置されるレンズ部材30とを有する光学装置1において、
上記レンズ部材30は光源20からの光を上記ファイバ端面11に集光するレンズ31と、該レンズ31を保持・固定する鏡筒32からなり、
上記レンズ31はその光軸O2が上記光源20の発光点とファイバ端面11の中心点とを結ぶ直線に略一致するように上記鏡筒32の中心軸C2に対して傾斜配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】端面11を傾斜状に形成した光ファイバ10と、該光ファイバ10の中心軸C1からずれた位置に配置され上記ファイバ端面11に対して光を出射する光源20と、上記光ファイバ10と光源20の間に配置されるレンズ部材30とを有する光学装置1において、
上記レンズ部材30は光源20からの光を上記ファイバ端面11に集光するレンズ31と、該レンズ31を保持・固定する鏡筒32からなり、
上記レンズ31はその光軸O2が上記光源20の発光点とファイバ端面11の中心点とを結ぶ直線に略一致するように上記鏡筒32の中心軸C2に対して傾斜配置する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザダイオード等の光源から出射した光をレンズで集光して光ファイバに入射させる光学装置及びこれに用いるレンズ部材に関し、より詳細にはファイバ端面が斜めに切断された光ファイバに対して、光源からの光をレンズによって集光する光学装置及びこれに用いるレンズ部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザダイオード等の光源から出射した光を、レンズによって収束させて、光ファイバのファイバ端面に集光する光学装置が知られている。このような光学装置においては、レーザダイオードとレンズと光ファイバとを同軸に配置すると、レーザダイオードから発せられた光の一部が、光ファイバの中心軸に直交するように形成されたファイバ端面で反射され、入射したときと同じ光路でレーザダイオードの発光点に戻り、この反射光がレーザダイオードの発振特性の不安定化及び雑音増加を引起こすという問題を生じる。
【0003】
そこで、図2に示すように、ファイバ端面11を光ファイバ10の中心軸C1に対して斜めに切断して、ファイバ端面11からの反射光がレーザダイオードに戻るのを防止する構造が考えられている。ここで、光ファイバ10から光が出射されると仮定した場合、ファイバ端面11が傾斜していることから、図2に示すように出射光はファイバ端面11において若干傾いて出射される。逆にこのような傾斜しているファイバ端面11への入射光は、この角度分だけ傾いている場合が最も効率よく結合することになる。
【0004】
このようにレーザダイオードからの光をファイバ端面に対して傾けて入射させる方法としては、例えば特許文献1の図2に記載されているように、光ファイバの中心軸をレーザダイオード及びレンズの光軸に対して傾けて配置する方法がある。しかしこの場合、配置の際の角度調整が非常に難しく、作業コストの増加を招くという問題がある。
他の方法としては、例えば特許文献1の図3に記載されているように、レーザダイオードの光軸とレンズの光軸、及び光ファイバの中心軸が平行になるように、かつレーザダイオードの光軸と光ファイバの中心軸とがずれるように配置することにより、レーザダイオードからの光をファイバ端面に対して傾けて入射させる方法がある。また特許文献1に記載の発明では、レーザダイオードを所定の角度だけ傾斜させ、レーザダイオードの光軸と、レーザダイオードの発光点とファイバ端面の中心点とを結ぶ光の中央線とが一致するように配置することにより、レーザダイオードからレンズに入射する光の量を増やし、光の利用効率をあげている。
【0005】
【特許文献1】
実開平05−020016号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このようにレーザダイオードの光軸と光ファイバの中心軸とがずれるように配置する場合、レーザダイオードからの光をファイバ端面に集光するためには、レンズも光ファイバの中心軸上からずらして配置する必要があるが、このようにレンズを配置すると、レーザダイオードの発光点とファイバ端面の中心点とを結ぶ光の中央線はレンズの光軸に対して傾きを有する。しかしレンズは中央線と光軸が一致したときに収差が最良となるように設計されているので、このような状態では角度のずれによる軸外収差が発生し、光ファイバへの結合効率の低下を招くことになる。特に、レンズのレンズ面がアナモルフィック面、トーリック面等の回転非対称面の場合には、角度のずれによる軸外収差の悪化が顕著となる。だが、レンズの取付時に角度調整を行って光軸を中央線に一致させることは、光ファイバの角度調整と同様非常に難しく、作業コストの増加を招く。
【0007】
本発明は以上の問題点を鑑みてなされたものであり、光源、レンズ、及び光ファイバの位置調整が容易で、かつ光ファイバへの入射光の結合効率の高効率化が可能な光学装置及びこれに用いるレンズ部材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、端面を傾斜状に形成した光ファイバと、該光ファイバの中心軸からずれた位置に配置され上記ファイバ端面に対して光を出射する光源と、上記光ファイバと光源の間に配置されるレンズ部材とを有する光学装置において、上記レンズ部材は光源からの光を上記ファイバ端面に集光するレンズと、該レンズを保持・固定する鏡筒からなり、上記レンズはその光軸が上記光源の発光点とファイバ端面の中心点とを結ぶ直線に略一致するように上記鏡筒の中心軸に対して傾斜配置したことを特徴として構成されている。
【0009】
また本発明は、上記レンズのレンズ面はアナモルフィック面、トーリック面等の回転非対称面であることを特徴として構成されている。
【0010】
また本発明は、上記レンズ部材は鏡筒の中心軸が上記光ファイバの中心軸と略平行となるように配置されることを特徴として構成されている。
【0011】
また本発明は、上記レンズ部材の鏡筒は外周面を中心軸に対して回転非対称形状に形成してなることを特徴として構成されている。
【0012】
また本発明は、端面を傾斜状に形成した光ファイバと該光ファイバの中心軸からずれた位置に配置される光源との間に配置され、光源からの光を上記ファイバ端面に集光するレンズと、該レンズを保持・固定する鏡筒からなるレンズ部材において、上記レンズは光ファイバの中心軸が上記光源の発光点とファイバ端面の中心点とを結ぶ直線となす角度分だけその光軸を鏡筒の中心軸に対して傾斜させて配置したことを特徴として構成されている。
【0013】
また本発明は、上記ファイバ端面の傾斜角度をθa、光ファイバの屈折率をnとすると、上記レンズの光軸が鏡筒の中心軸に対して有する傾斜角度θdは、θd=arcsin(n・sinθa)−θaの関係にあることを特徴として構成されている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の実施形態における光学装置の模式図、図2は光ファイバから光が出射すると仮定した場合のファイバ端面の拡大図、図3はレンズ部材の断面図、図4はレンズ部材の正面図である。
本実施形態における光学装置1は図1に示すように、端面11が中心軸C1に対して斜めに形成された光ファイバ10と、この光ファイバ10の中心軸C1からずれた位置に配置されファイバ端面11に対して光を出射する光源たるレーザダイオード20と、光ファイバ10とレーザダイオード20の間に配置されるレンズ部材30とを有する。
【0015】
ファイバ端面11は光ファイバ10の中心軸C1に対して斜めに切断される。
これにより、ファイバ端面11での反射光は入射角度と同一の角度で反射するので、反射光がレーザダイオード20から入射したときと同一の光路をたどってレーザダイオード20の発光点に戻ることを防止することができる。
【0016】
ここで、レーザダイオード20から出射された光のファイバ端面11への入射角度について説明する。図2に示すように、光ファイバ10から光が出射されると仮定した場合、ファイバ端面11が傾斜していることから、出射光はファイバ端面11において若干傾いて出射される。ファイバ端面11の傾斜角度をθa、出射光の傾斜角度をθd、ファイバコアの屈折率をnとすると、空気の屈折率は1であるから、以下のような関係となる。
sin(θa+θd)=n・sinθa
つまり、出射光の傾斜角度をθdは、
θd=arcsin(n・sinθa)−θa
となる。例としてn=1.45、θa=8°としたとき、θd≒3.6°となる。
つまり、この条件においてファイバ端面11からの出射光は約3.6°傾いて出射されることになる。逆に、このような傾斜しているファイバ端面11への入射光は、この角度θdだけ傾いている場合が最も効率よく結合することになる。
【0017】
光ファイバ10に対して光を出射するレーザダイオード20は、図1に示すように、その光軸O1が光ファイバ10の中心軸C1と平行になるように配置される。また、レーザダイオード20が発した入射光のファイバ端面11への入射角が決まれば、レーザダイオード20の光軸O1と光ファイバ10の中心軸C1とのずれも決まる。すなわち、レーザダイオード20と光ファイバ10との軸方向の距離をDとすれば、レーザダイオード20の光軸O1と光ファイバ10の中心軸C1とのずれはDtanθdとなる。つまり、レーザダイオード20はDtanθdだけ、光軸O1が光ファイバ10の中心軸C1からずれた位置に配置される。これにより、レーザダイオード20が発した光はファイバ端面11に対して角度θdを有して入射するようになる。
【0018】
レンズ部材30は、レーザダイオード20から発せられた光をファイバ端面11に集光するレンズ31と、このレンズ31を保持し、またレンズ31の位置決めに使用される鏡筒32からなる。このレンズ部材30は、光ファイバ10とレーザダイオード20の間に、かつレーザダイオード20の発光点とファイバ端面11の中心点とを結ぶ光の中央線Lがレンズ31の中心を通るように配置される。
レンズ31はガラスや光学樹脂等からなるものであり、プレス成形により鏡筒32に対して一体的に成形される。なお本実施形態においては、レンズ31のレンズ面はアナモルフィック面、トーリック面等の回転非対称面とする。また、このレンズ31は図3に示すように、その光軸O2が鏡筒32の中心軸C2に対して角度θdだけ傾斜した状態で一体的に成形される。
鏡筒32はステンレスなどの金属からなる。また、鏡筒32は例えば図4に示すように、上下部分に固定平面部32aを形成するなどして、外周面が中心軸C2に対して回転非対称に形成されており、周方向に対して方向性を有するようにする。なお、鏡筒32の外周面の形状については図4に示したものに限らず、例えば方形状など回転非対称な他の形状であってもよい。
【0019】
このように、レンズ31をその光軸O2が鏡筒32の中心軸C2に対して角度θdだけ傾斜した状態で一体的に成形することにより、レンズ部材30を取付時に角度調整を行わなくても、鏡筒32の中心軸C2が光ファイバ10の中心軸C1と平行になるように配置すれば、レンズ31の光軸O2が光の中央線Lと一致するので、軸外収差が発生しなくなり結合効率を高めることができると共に、その位置調整が容易となる。特に、レンズ31のレンズ面が回転非対称面の場合はこのような効果は顕著に現れる。
また、レンズ31はその光軸O2が鏡筒32の中心軸C2に対して傾斜していることから、鏡筒32の中心軸C2に対して回転非対称であるが、鏡筒32はその外周面が中心軸C2に対して回転非対称に形成されていることから周方向に方向性を有するので、周方向についてもレンズ31を予め定めた位置に固定することが可能となる。
【0020】
以上、本発明の実施形態について説明した。上記実施形態では、レーザダイオード20の光軸O1を光ファイバ10の中心軸C1と平行になるように配置したが、例えばレーザダイオード20の光軸O1を光ファイバ10の中心軸C1に対して角度θdだけ傾斜した状態で配置するようにして、レーザダイオード20の光軸O1と光の中央線Lが一致するようにしても良い。これにより、レーザダイオード20からレンズ31に入射する光の量を増やし、光の利用効率をあげることができる。
【0021】
【発明の効果】
以上本発明によれば、レンズはその光軸が光源の発光点とファイバ端面の中心点とを結ぶ直線に略一致するように鏡筒の中心軸に対して傾斜配置したことから、レンズ部材を取付時に角度調整を行わなくても、レンズの光軸が光源とファイバ端面の中心点とを結ぶ直線と一致して角度のずれがなくなるので、軸外収差が発生しなくなり結合効率を高めることができる。特に、レンズのレンズ面がアナモルフィック面、トーリック面等の回転非対称面の場合はこのような効果は顕著に現れる。
【0022】
また本発明によれば、レンズ部材は鏡筒の中心軸が光ファイバの中心軸と略平行となるように配置されることから、その位置調整が容易となる。
【0023】
また本発明によれば、鏡筒は外周面を中心軸に対して回転非対称形状に形成されてなることから、鏡筒は周方向に方向性を有し、レンズを周方向について予め定めた位置に固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における光学装置の模式図である。
【図2】光ファイバから光が出射すると仮定した場合のファイバ端面の拡大図である。
【図3】レンズ部材の断面図である。
【図4】レンズ部材の正面図である。
【符号の説明】
1 光学装置
10 光ファイバ
11 ファイバ端面
20 レーザダイオード
30 レンズ部材
31 レンズ
32 鏡筒
32a 固定平面部
L 光の中央線
O1 レーザダイオードの光軸
O2 レンズの光軸
C1 光ファイバの中心軸
C2 鏡筒の中心軸
【発明の属する技術分野】
本発明はレーザダイオード等の光源から出射した光をレンズで集光して光ファイバに入射させる光学装置及びこれに用いるレンズ部材に関し、より詳細にはファイバ端面が斜めに切断された光ファイバに対して、光源からの光をレンズによって集光する光学装置及びこれに用いるレンズ部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザダイオード等の光源から出射した光を、レンズによって収束させて、光ファイバのファイバ端面に集光する光学装置が知られている。このような光学装置においては、レーザダイオードとレンズと光ファイバとを同軸に配置すると、レーザダイオードから発せられた光の一部が、光ファイバの中心軸に直交するように形成されたファイバ端面で反射され、入射したときと同じ光路でレーザダイオードの発光点に戻り、この反射光がレーザダイオードの発振特性の不安定化及び雑音増加を引起こすという問題を生じる。
【0003】
そこで、図2に示すように、ファイバ端面11を光ファイバ10の中心軸C1に対して斜めに切断して、ファイバ端面11からの反射光がレーザダイオードに戻るのを防止する構造が考えられている。ここで、光ファイバ10から光が出射されると仮定した場合、ファイバ端面11が傾斜していることから、図2に示すように出射光はファイバ端面11において若干傾いて出射される。逆にこのような傾斜しているファイバ端面11への入射光は、この角度分だけ傾いている場合が最も効率よく結合することになる。
【0004】
このようにレーザダイオードからの光をファイバ端面に対して傾けて入射させる方法としては、例えば特許文献1の図2に記載されているように、光ファイバの中心軸をレーザダイオード及びレンズの光軸に対して傾けて配置する方法がある。しかしこの場合、配置の際の角度調整が非常に難しく、作業コストの増加を招くという問題がある。
他の方法としては、例えば特許文献1の図3に記載されているように、レーザダイオードの光軸とレンズの光軸、及び光ファイバの中心軸が平行になるように、かつレーザダイオードの光軸と光ファイバの中心軸とがずれるように配置することにより、レーザダイオードからの光をファイバ端面に対して傾けて入射させる方法がある。また特許文献1に記載の発明では、レーザダイオードを所定の角度だけ傾斜させ、レーザダイオードの光軸と、レーザダイオードの発光点とファイバ端面の中心点とを結ぶ光の中央線とが一致するように配置することにより、レーザダイオードからレンズに入射する光の量を増やし、光の利用効率をあげている。
【0005】
【特許文献1】
実開平05−020016号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このようにレーザダイオードの光軸と光ファイバの中心軸とがずれるように配置する場合、レーザダイオードからの光をファイバ端面に集光するためには、レンズも光ファイバの中心軸上からずらして配置する必要があるが、このようにレンズを配置すると、レーザダイオードの発光点とファイバ端面の中心点とを結ぶ光の中央線はレンズの光軸に対して傾きを有する。しかしレンズは中央線と光軸が一致したときに収差が最良となるように設計されているので、このような状態では角度のずれによる軸外収差が発生し、光ファイバへの結合効率の低下を招くことになる。特に、レンズのレンズ面がアナモルフィック面、トーリック面等の回転非対称面の場合には、角度のずれによる軸外収差の悪化が顕著となる。だが、レンズの取付時に角度調整を行って光軸を中央線に一致させることは、光ファイバの角度調整と同様非常に難しく、作業コストの増加を招く。
【0007】
本発明は以上の問題点を鑑みてなされたものであり、光源、レンズ、及び光ファイバの位置調整が容易で、かつ光ファイバへの入射光の結合効率の高効率化が可能な光学装置及びこれに用いるレンズ部材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、端面を傾斜状に形成した光ファイバと、該光ファイバの中心軸からずれた位置に配置され上記ファイバ端面に対して光を出射する光源と、上記光ファイバと光源の間に配置されるレンズ部材とを有する光学装置において、上記レンズ部材は光源からの光を上記ファイバ端面に集光するレンズと、該レンズを保持・固定する鏡筒からなり、上記レンズはその光軸が上記光源の発光点とファイバ端面の中心点とを結ぶ直線に略一致するように上記鏡筒の中心軸に対して傾斜配置したことを特徴として構成されている。
【0009】
また本発明は、上記レンズのレンズ面はアナモルフィック面、トーリック面等の回転非対称面であることを特徴として構成されている。
【0010】
また本発明は、上記レンズ部材は鏡筒の中心軸が上記光ファイバの中心軸と略平行となるように配置されることを特徴として構成されている。
【0011】
また本発明は、上記レンズ部材の鏡筒は外周面を中心軸に対して回転非対称形状に形成してなることを特徴として構成されている。
【0012】
また本発明は、端面を傾斜状に形成した光ファイバと該光ファイバの中心軸からずれた位置に配置される光源との間に配置され、光源からの光を上記ファイバ端面に集光するレンズと、該レンズを保持・固定する鏡筒からなるレンズ部材において、上記レンズは光ファイバの中心軸が上記光源の発光点とファイバ端面の中心点とを結ぶ直線となす角度分だけその光軸を鏡筒の中心軸に対して傾斜させて配置したことを特徴として構成されている。
【0013】
また本発明は、上記ファイバ端面の傾斜角度をθa、光ファイバの屈折率をnとすると、上記レンズの光軸が鏡筒の中心軸に対して有する傾斜角度θdは、θd=arcsin(n・sinθa)−θaの関係にあることを特徴として構成されている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明の実施形態における光学装置の模式図、図2は光ファイバから光が出射すると仮定した場合のファイバ端面の拡大図、図3はレンズ部材の断面図、図4はレンズ部材の正面図である。
本実施形態における光学装置1は図1に示すように、端面11が中心軸C1に対して斜めに形成された光ファイバ10と、この光ファイバ10の中心軸C1からずれた位置に配置されファイバ端面11に対して光を出射する光源たるレーザダイオード20と、光ファイバ10とレーザダイオード20の間に配置されるレンズ部材30とを有する。
【0015】
ファイバ端面11は光ファイバ10の中心軸C1に対して斜めに切断される。
これにより、ファイバ端面11での反射光は入射角度と同一の角度で反射するので、反射光がレーザダイオード20から入射したときと同一の光路をたどってレーザダイオード20の発光点に戻ることを防止することができる。
【0016】
ここで、レーザダイオード20から出射された光のファイバ端面11への入射角度について説明する。図2に示すように、光ファイバ10から光が出射されると仮定した場合、ファイバ端面11が傾斜していることから、出射光はファイバ端面11において若干傾いて出射される。ファイバ端面11の傾斜角度をθa、出射光の傾斜角度をθd、ファイバコアの屈折率をnとすると、空気の屈折率は1であるから、以下のような関係となる。
sin(θa+θd)=n・sinθa
つまり、出射光の傾斜角度をθdは、
θd=arcsin(n・sinθa)−θa
となる。例としてn=1.45、θa=8°としたとき、θd≒3.6°となる。
つまり、この条件においてファイバ端面11からの出射光は約3.6°傾いて出射されることになる。逆に、このような傾斜しているファイバ端面11への入射光は、この角度θdだけ傾いている場合が最も効率よく結合することになる。
【0017】
光ファイバ10に対して光を出射するレーザダイオード20は、図1に示すように、その光軸O1が光ファイバ10の中心軸C1と平行になるように配置される。また、レーザダイオード20が発した入射光のファイバ端面11への入射角が決まれば、レーザダイオード20の光軸O1と光ファイバ10の中心軸C1とのずれも決まる。すなわち、レーザダイオード20と光ファイバ10との軸方向の距離をDとすれば、レーザダイオード20の光軸O1と光ファイバ10の中心軸C1とのずれはDtanθdとなる。つまり、レーザダイオード20はDtanθdだけ、光軸O1が光ファイバ10の中心軸C1からずれた位置に配置される。これにより、レーザダイオード20が発した光はファイバ端面11に対して角度θdを有して入射するようになる。
【0018】
レンズ部材30は、レーザダイオード20から発せられた光をファイバ端面11に集光するレンズ31と、このレンズ31を保持し、またレンズ31の位置決めに使用される鏡筒32からなる。このレンズ部材30は、光ファイバ10とレーザダイオード20の間に、かつレーザダイオード20の発光点とファイバ端面11の中心点とを結ぶ光の中央線Lがレンズ31の中心を通るように配置される。
レンズ31はガラスや光学樹脂等からなるものであり、プレス成形により鏡筒32に対して一体的に成形される。なお本実施形態においては、レンズ31のレンズ面はアナモルフィック面、トーリック面等の回転非対称面とする。また、このレンズ31は図3に示すように、その光軸O2が鏡筒32の中心軸C2に対して角度θdだけ傾斜した状態で一体的に成形される。
鏡筒32はステンレスなどの金属からなる。また、鏡筒32は例えば図4に示すように、上下部分に固定平面部32aを形成するなどして、外周面が中心軸C2に対して回転非対称に形成されており、周方向に対して方向性を有するようにする。なお、鏡筒32の外周面の形状については図4に示したものに限らず、例えば方形状など回転非対称な他の形状であってもよい。
【0019】
このように、レンズ31をその光軸O2が鏡筒32の中心軸C2に対して角度θdだけ傾斜した状態で一体的に成形することにより、レンズ部材30を取付時に角度調整を行わなくても、鏡筒32の中心軸C2が光ファイバ10の中心軸C1と平行になるように配置すれば、レンズ31の光軸O2が光の中央線Lと一致するので、軸外収差が発生しなくなり結合効率を高めることができると共に、その位置調整が容易となる。特に、レンズ31のレンズ面が回転非対称面の場合はこのような効果は顕著に現れる。
また、レンズ31はその光軸O2が鏡筒32の中心軸C2に対して傾斜していることから、鏡筒32の中心軸C2に対して回転非対称であるが、鏡筒32はその外周面が中心軸C2に対して回転非対称に形成されていることから周方向に方向性を有するので、周方向についてもレンズ31を予め定めた位置に固定することが可能となる。
【0020】
以上、本発明の実施形態について説明した。上記実施形態では、レーザダイオード20の光軸O1を光ファイバ10の中心軸C1と平行になるように配置したが、例えばレーザダイオード20の光軸O1を光ファイバ10の中心軸C1に対して角度θdだけ傾斜した状態で配置するようにして、レーザダイオード20の光軸O1と光の中央線Lが一致するようにしても良い。これにより、レーザダイオード20からレンズ31に入射する光の量を増やし、光の利用効率をあげることができる。
【0021】
【発明の効果】
以上本発明によれば、レンズはその光軸が光源の発光点とファイバ端面の中心点とを結ぶ直線に略一致するように鏡筒の中心軸に対して傾斜配置したことから、レンズ部材を取付時に角度調整を行わなくても、レンズの光軸が光源とファイバ端面の中心点とを結ぶ直線と一致して角度のずれがなくなるので、軸外収差が発生しなくなり結合効率を高めることができる。特に、レンズのレンズ面がアナモルフィック面、トーリック面等の回転非対称面の場合はこのような効果は顕著に現れる。
【0022】
また本発明によれば、レンズ部材は鏡筒の中心軸が光ファイバの中心軸と略平行となるように配置されることから、その位置調整が容易となる。
【0023】
また本発明によれば、鏡筒は外周面を中心軸に対して回転非対称形状に形成されてなることから、鏡筒は周方向に方向性を有し、レンズを周方向について予め定めた位置に固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における光学装置の模式図である。
【図2】光ファイバから光が出射すると仮定した場合のファイバ端面の拡大図である。
【図3】レンズ部材の断面図である。
【図4】レンズ部材の正面図である。
【符号の説明】
1 光学装置
10 光ファイバ
11 ファイバ端面
20 レーザダイオード
30 レンズ部材
31 レンズ
32 鏡筒
32a 固定平面部
L 光の中央線
O1 レーザダイオードの光軸
O2 レンズの光軸
C1 光ファイバの中心軸
C2 鏡筒の中心軸
Claims (6)
- 端面を傾斜状に形成した光ファイバと、該光ファイバの中心軸からずれた位置に配置され上記ファイバ端面に対して光を出射する光源と、上記光ファイバと光源の間に配置されるレンズ部材とを有する光学装置において、
上記レンズ部材は光源からの光を上記ファイバ端面に集光するレンズと、該レンズを保持・固定する鏡筒からなり、
上記レンズはその光軸が上記光源の発光点とファイバ端面の中心点とを結ぶ直線に略一致するように上記鏡筒の中心軸に対して傾斜配置したことを特徴とする光学装置。 - 上記レンズのレンズ面はアナモルフィック面、トーリック面等の回転非対称面であることを特徴とする請求項1記載の光学装置。
- 上記レンズ部材は鏡筒の中心軸が上記光ファイバの中心軸と略平行となるように配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の光学装置。
- 上記レンズ部材の鏡筒は外周面を中心軸に対して回転非対称形状に形成してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学装置。
- 端面を傾斜状に形成した光ファイバと該光ファイバの中心軸からずれた位置に配置される光源との間に配置され、光源からの光を上記ファイバ端面に集光するレンズと、該レンズを保持・固定する鏡筒からなるレンズ部材において、
上記レンズは光ファイバの中心軸が上記光源の発光点とファイバ端面の中心点とを結ぶ直線となす角度分だけその光軸を鏡筒の中心軸に対して傾斜させて配置したことを特徴とするレンズ部材。 - 上記ファイバ端面の傾斜角度をθa、光ファイバの屈折率をnとすると、上記レンズの光軸が鏡筒の中心軸に対して有する傾斜角度θdは、θd=arcsin(n・sinθa)−θaの関係にあることを特徴とする請求項5記載のレンズ部材。
Priority Applications (1)
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JP2003129845A JP2004333885A (ja) | 2003-05-08 | 2003-05-08 | 光学装置及びこれに用いるレンズ部材 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013025110A (ja) * | 2011-07-21 | 2013-02-04 | Oki Data Corp | レンズアレイ、レンズユニット、ledヘッド、露光装置、画像形成装置、読取装置、レンズアレイ成型用型、及びレンズアレイ製造方法 |
JP2014157894A (ja) * | 2013-02-15 | 2014-08-28 | Anritsu Corp | 半導体レーザモジュール |
WO2020121619A1 (ja) * | 2018-12-10 | 2020-06-18 | 株式会社フジクラ | フェルール及びファイバ付きフェルール |
CN115598910A (zh) * | 2022-12-13 | 2023-01-13 | 杭州中科极光科技有限公司(Cn) | 一种避免光纤端面烧蚀的光学系统及激光投影装置 |
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2003
- 2003-05-08 JP JP2003129845A patent/JP2004333885A/ja not_active Withdrawn
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