JP2014197086A - 光通信用モジュール又は光通信ユニット - Google Patents

光通信用モジュール又は光通信ユニット Download PDF

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Kimihiko Sato
公彦 佐藤
雄三 中塚
Yuzo Nakatsuka
雄三 中塚
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Abstract

【課題】レンズを製造した製造治具等に関する履歴的な情報を示すマーキングを設けながら、そのマーキングによる光結合効率への影響を低減することが可能な光通信用モジュール及びそれを用いた光通信ユニットを提供する。
【解決手段】光通信用モジュールにおいて、レンズ20のフランジ部23上に設けるマーキングMの頂点と光源又は受光素子とを結ぶ線と光軸とがなす鋭角の角度が10°以上となる領域にマーキングMを設ける構成とした。
【選択図】図5

Description

本発明は、光通信等に用いられ、例えば半導体レーザ等の発光を行う光源からの光を光ファイバーに結合、又は光ファイバーを通ってきた光源からの光をフォトダイオード等の受光素子に結合する光通信用モジュール又は光通信ユニットに関する。
光通信等において、光源又は受光素子を基板に組み付けたものと、光源又は受光素子と光ファイバーとの間で効率よく光結合させる光結合用のレンズとを組み付けた光通信用モジュールが用いられている。光通信用モジュールに用いられる従来の光結合用のレンズでは、主にガラスレンズをステンレス製の脚部で支持する構成が広く用いられていたが、近年、材料費や製造工程に係るコストを安くしたいという要望から、特許文献1に示すように、高精度な非球面の成形が容易で大量生産を可能とする、樹脂製の脚部一体型レンズが開発されている。
ところで、樹脂製のレンズを大量生産する場合に、製品単価を下げるために、複数のキャビティを有する成形金型を用いて同時に複数のレンズが製造される場合や、様々な要望に応えるために、形状の似た何種類かの金型を準備し、要望に合わせて製造する場合がある。ここで、同時に複数のレンズが製造される場合には成形されるレンズ間にばらつきが発生してしまうことがある。また、形状の似た何種類かの金型を用いる場合には、どの金型で成形したのかを容易に見分けることが難しいと言う問題が発生してしまうことがある。このような場合に樹脂製のレンズがどの金型を用いて製造されたのかという、製造治具等に関する履歴的な情報(具体的には、どの金型で製造したか、一度に複数のレンズを成形する場合、金型中のどのキャビティで成形したかという情報)を識別する手法として、光通信用のレンズではないが、特許文献2に記載されているような、フランジ部に半球状のマーキングを形成する方法などが知られている。
特開2007−183565号公報 特開平11−16197号公報
ところが、本発明者が光通信用モジュールに用いられる樹脂製のレンズに対して、特許文献2に記載されているように、フランジ部にマーキングを形成したところ、光通信用モジュールとして使用する場合に、レンズの結合効率が悪くなってしまう恐れがあることが判明した。本発明者がこの問題について鋭意研究を行った結果、結合効率が悪くなってしまう原因は、光源からの光が、マーキングに当たることで予期せぬ反射を起こし、不要光となってしまうことにあると判明した。そして、不要光が発生する恐れは、光源とレンズとの間又は光ファイバーとレンズとの間に、光路を変更するようなレンズが存在せず光源からの発散光がそのままレンズに入射し、光源または光ファイバーの端部とマーキングとの位置関係が近い光通信用モジュールだからこそ発生することを見出した。ここで、光源からの光を、レンズを通して光ファイバーに収束する場合と、光ファイバーの端部から出射された光がレンズを通して受光素子に収束する場合とでは、マーキングに当たった光が不要光となるメカニズムはほぼ同様であるため、以降では説明の簡単のため、光源からの光がレンズを通して光ファイバーに収束する場合について説明するが、適宜、光源を光ファイバーの端部から出射された光と読み替えてもよい。
通常、光通信に用いられる光源からの光は指向性を持っている。とは言え、光源は指向性を有している方向から所定の角度までの範囲においては、ある程度の光の漏れが生じてしまう。光源とレンズとの間又は光ファイバーとレンズとの間に、光路を変更するようなレンズが存在しない光通信用モジュールでは、光源からの光の発散角がレンズに当たる前に変更されることはないため、光源から漏れ出た光は、そのままマーキングが形成されている部分に当たってしまい予期せぬ反射や屈折を起こし迷光(不要光)となってしまう恐れがある。また、光通信用モジュールでは、光源とマーキングとの光軸方向の距離が1〜4mmと近いため、光源からの光に対するマーキングが占める立体角の割合が大きくなる、従って、多くの光量がマーキングに当たってしまうため、結果として不要光の強度が強くなりやすい。このようにして不要光の強度が高くなってしまうと、光結合効率が低下してしまい、光通信用モジュールを使用できなくなる恐れがある。なお、立体角とは、マーキングと光軸の中心とで形成される錐の頂角のことをさし、sr(ステラジアン)で表される。
ここで、受光素子が用いられる場合には光ファイバー端部を疑似的な光源とみなすことができる。また、光通信用のレンズの場合、受光素子からマーキングまでの距離と受光素子に向けて出射される光の出射点となる光ファイバー端部からマーキングまでの距離は大きく変わらないため、受光素子からマーキングまでの距離が近ければ、光ファイバー端部からマーキングまでの距離が近いことになる。従って、受光素子が用いられる場合であっても光源からマーキングまでの距離が短くなってしまう。従って、光源からの光に対するマーキングが占める立体角の割合が大きくなり、高い強度の不要光が発生してしまう恐れがある。
なお、特許文献2に記載のレンズの場合、光源からの光がコリメータレンズによって平行光になる、または微小な発散光としてレンズに当たる、或いは絞りによりレンズ部を通過しない光束の大半が遮られるため、レンズに到達する光束の大半がレンズ部に入射し、マーキングが存在する領域に入射する光はほぼゼロとなり、不要光が問題になることがない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、レンズを製造した製造治具等に関する履歴的な情報を示すマーキングによる光学性能への影響を低減することが可能な光通信用モジュール及びそれを用いた光通信ユニットを提供することを目的とする。
請求項1に記載の光通信用モジュールは、レンズと、光源又は受光素子と、前記光源又は受光素子を支持する基板と、を有する光通信用モジュールであって、
前記レンズは、レンズ部と、前記レンズ部から前記レンズ部の光軸に対して略周方向に広がるフランジ部と、前記フランジ部から前記レンズ部の略光軸方向に延在する脚部とを有し、
前記フランジ部には凸状のマーキングが設けられており、
前記レンズ部と前記フランジ部と前記脚部と前記マーキングは樹脂により一体的に成形されており、
前記脚部は前記光源又は受光素子を囲うように前記基板に接合されており、
前記マーキングは前記フランジ部の前記脚部とは反対側の面上のうち、前記マーキングの頂点と前記光源又は受光素子とを結ぶ線と前記光軸とがなす鋭角の角度が10°以上となる領域に存在することを特徴とする。
光通信用モジュールにおいては、光源又は受光素子からマーキングまでの距離が近くなってしまう。ここで、受光素子が用いられる場合には光ファイバー端部を疑似的な光源とみなすことができる。また、光通信用のレンズの場合、受光素子からマーキングまでの距離と受光素子に向けて出射される光の出射点となる光ファイバー端部からマーキングまでの距離は大きく変わらないため、受光素子からマーキングまでの距離が近ければ、光ファイバー端部からマーキングまでの距離が近いことになる。従って、受光素子が用いられる場合であっても光源からマーキングまでの距離が短くなってしまう。従って、光源からの光に対するマーキングが占める立体角の割合が大きくなり、高い強度の不要光が発生してしまう恐れがあるが、本発明においては、マーキングの頂点と光源又は受光素子とを結ぶ線と光軸とがなす鋭角の角度が10°以上となる領域、即ち光源から漏れ出た光の強度が十分弱くなる領域にマーキングを設ける構成としているため、光源から漏れ出た光がマーキングに当たってしまい予期せぬ反射や屈折を起こし迷光(不要光)となってしまったとしても、不要光の強度を十分低く抑えることができるので、光結合効率に与える影響を低減できる。10°以上であれば、マーキングによる不要光の問題を回避することができるため、レンズを小型化する際の設計の自由度も確保することができる。また、マーキングによって製造治具等に関する履歴的な情報や樹脂を注入するためのゲート位置に関する情報や、収差の方向やどの顧客向けの製品かなどの情報を示すことができる。さらにマーキングが凸状であるため、金型を加工する際にマーキングに対応する部分を凹状に掘るだけで済み、マーキングに対応する部分が幾度にもわたる成形圧力によって欠けてしまう恐れが抑制できる。加えて、マーキングとレンズ部とフランジ部と脚部は樹脂により一体的に成形されているため、後からマーキングを打つ必要がなくコストや工数が嵩まず、また、脚部も樹脂により一体的に成形しているためコストや工数を抑えることができる。従って、本願発明によれば、情報を示すためのマーキングを設けたとしても、光結合効率への影響を低減することが可能な光通信用モジュールを低コストで得ることができる。
請求項2に記載の光通信用モジュールは、請求項1に記載の発明において、前記フランジ部の前記脚部とは反対側の面は、前記レンズ部の前記脚部とは反対側の光学面の頂点位置よりも前記脚部とは反対側に突出している突出面を有することを特徴とする。
フランジ部が、レンズ部の脚部とは反対側の光学面の頂点位置よりも突出している突出面を有するため、レンズを成形した後にトレー等の載置部材状に載置する際や取り扱う際にレンズ部の脚部とは反対側の面を下向きにしておいても、フランジ部の突出面がガードとなって、光学面に傷がつかない。
請求項3に記載の光通信用モジュールは、請求項1又は2に記載の発明において、前記光源又は受光素子から前記マーキングまでの光軸方向の距離1〜4mmであることを特徴とする光通信用モジュール。
光源又は受光素子からマーキングまでの光軸方向の距離(高さ)が1〜4mmと短いため、光源からの光に対するマーキングが占める立体角の割合が大きくなり、高い強度の不要光が発生してしまう恐れがあるが、マーキングの頂点と光源又は受光素子とを結ぶ線と光軸とがなす鋭角の角度が10°以上となる領域に存在することにより、不要光の発生を十分低減できるため、光通信用モジュールとしての光結合効率が低下してしまうことを抑制できる。
請求項4に記載の光通信用モジュールは、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記フランジ部の角部は、前記脚部の側且つ外周方向に傾斜しているテーパー面となっており、前記マーキングは前記テーパー面を除く領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光通信用モジュール。
テーパー面上にマーキングを設けないことにより、金型加工において、マーキングに対応する箇所を切削する際に、マーキングの形状を所望の形状にするためにテーパー面の傾きを考慮した補正を加えずに金型の加工を行うことができるため、金型加工が容易となる。また、フランジ部の角部が脚部の側且つ外周方向に傾斜しているテーパー面となっているため、光通信用モジュールを光ファイバーと勘合させるためのホルダを被せる際にテーパー面がガイドとなり、装着させやすい。さらに、テーパー面上にマーキングがないため、ホルダを被せる際に、ホルダがマーキングに当たり、マーキングが欠けてしまうことを抑制できる。なお、本明細書におけるテーパー面とは光軸方向に対して傾いている面を示す概念であり、R面などの曲面も包含している概念である。
請求項5に記載の光通信用モジュールは、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記フランジ部の前記脚部とは反対側の面は、二つの面を有し、前記二つの面の光軸方向の位置は互いに異なっていることを特徴とする。
光源からの光軸方向における距離が遠い面にマーキングを設けた場合には、マーキングの視認性が良くなり、たとえマーキングの認識が困難になる恐れがある直径10mm以下のレンズであってもマーキングの判別が容易となる。特に、マーキングの判別を容易にすると言う観点から、前記遠い面は光源又は受光素子から前記光軸方向に最も遠い面であることが好ましい。また、光源又は受光素子からの光軸方向における距離が近い面にマーキングを設けた場合には、前記遠い面がガードとなるため、マーキングが欠けてしまい、その破片によりレンズ部が傷つき、光結合効率が低下してしまうことや光通信用モジュール内で欠けた部分がゴミとなってしまうことなどを抑制できる。その観点から、特にマーキングの頂点位置における光軸方向の高さが前記遠い面よりも低いことが好ましい。さらに、光ファイバーとレンズとの距離を近づけたいという要望があった場合にも、マーキングがホルダに接触する恐れがなく、好ましい。なお、テーパー面における光軸方向の位置とは、光軸方向におけるテーパー面の中心位置として定義する。
請求項6に記載の光通信用モジュールは、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記マーキングの高さhは、0.003mm≦h≦0.020mmであることを特徴とする。
マーキングの高さhを上記下限以上とすることにより、マーキングの視認性を確保しており、マーキングの高さhを上記上限以下とすることにより、マーキングが欠けにくくなる。また、マーキングの高さhを0.010mm以下とすると、より確実にマーキングの欠けを防止できるため好ましい。
請求項7に記載の光通信用モジュールは、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記マーキングは文字マーキングであることを特徴とする。
マーキングとして文字マーキングを用いることにより、読み替え表等を用いることなく直接的に識別することが可能となり、その後の管理に際して識別性や作業性を高めることができる。また、マーキングが凸状であるため、その形状が複雑になり易い文字マーキングであっても、金型加工時に文字に対応する窪みを切削により作製すればすむため、加工が容易となる。なお、文字マーキングとは、文字を構成要素とする識別情報であり、図形や記号も含めることができる。
請求項8に記載の光通信用モジュールは、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記マーキングの構成要素は、1辺の長さがDの正方形領域内に収まる大きさであり、
長さDは、0.03mm≦D≦0.30mmであることを特徴とすることを特徴とする。
マーキングの構成要素を収める正方形領域を上記下限以上とすることにより、転写性を確保できる程度に文字のサイズを大きくして、文字等がきれいに転写されずに埋もれてしまう又はつぶれてしまうことを防止することができる。また、マーキングの構成要素を収める正方形領域を上記上限以下とすることにより、光源からの光に占める立体角の大きさを小さくすることができ、不要光を低減できる。
請求項9に記載の光通信用モジュールは、請求項1〜8のいずれかに記載の発明において、前記マーキングは複数の凸部であることを特徴とする。
マーキングが複数存在することで、より多くの情報を表すことが可能となる。なお、一つ目のマーキングの近傍に二つ目のマーキングがあってもよく、逆に、それぞれが離れた位置に存在していても良い。
請求項10に記載の光通信用モジュールは、請求項9に記載の発明において、前記複数の凸部のうち、少なくとも一つは異なる形状の凸部であることを特徴とする。
複数のマーキングの形状を異なる凸部とすることにより、それぞれに別の情報を持たせることができる。例えば、一つ目のマーキングには、そのレンズを製造する金型に関する情報をのせ、二つ目のマーキングには金型により形成されるキャビティに対して樹脂が流入するためのゲート位置に関する情報をのせることができる。
請求項11に記載の光通信用モジュールは、請求項1〜10のいずれかに記載の発明において、前記マーキングは、前記レンズを成形する金型に関する情報を示すことを特徴とする。
請求項12に記載の光通信用モジュールは、請求項1〜11のいずれかに記載の発明において、前記マーキングは、樹脂を導入するためのゲート位置を示すことを特徴とする。
請求項13に記載の光通信ユニットは、請求項1〜12のいずれかに記載の光通信用モジュールに、前記レンズの最大外径と略等しい内径を有し、前記レンズを覆うように配され、前記基板または前記脚部と接合するホルダを組み付けてなることを特徴とする。
ホルダの内径とレンズの最大外形とが略等しいため、ホルダを基板に組み付ける際に略嵌合させて組みつけることができる。また、略嵌合させて組みつけることができるため、ホルダとレンズとの位置調整を行う工数を省くことができる。また、光ファイバーを支持するためのスリーブがホルダと一体の構造となっていてもよい。
本発明によれば、レンズを製造した製造治具等に関する履歴的な情報を示すマーキングを設けながら、そのマーキングによる光結合効率への影響を低減することが可能な光通信用モジュール及びそれを用いた光通信ユニットを提供することができる。
本実施の形態にかかる光通信ユニット10の光軸を含む断面図である。 光通信ユニット10の要部を分解した状態で示す斜視図である。 レンズ20の製造工程を示す図である。 マーキングを有する高さ位置における光源からの光の強度と角度依存性の関係を示す図である。 実施例1にかかるレンズ20の断面図である。 実施例1のレンズの上面図である。 実施例2にかかるレンズ20の断面図である。 実施例2のレンズの上面図である。 実施例3にかかるレンズ20の断面図である。 実施例4にかかるレンズ20の断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態にかかる光通信ユニット10の光軸方向断面図で、図2は光通信ユニット10の要部を分解し、光通信用モジュール40とホルダ30とした際の斜視図である。光通信用モジュール40はレンズ20と光源又は受光素子15と、受光素子を支持する基板12とを有している。なお、上述してきたように、以下では説明の簡単のため、15を光源とみなして説明する。本実施の形態にかかる光通信用モジュールは、基板12に支持されている光源15が、レンズ20の脚部21に囲われており、脚部21の端部が基板に接着材により接合されている。そして、ホルダ30がレンズ20を囲うように配置され、ホルダの端部が基板12に溶着されることにより、光通信ユニット40となっている。以下、それぞれの構成要素について詳述する。
基板(ステムとも呼ばれる)12は、一様な厚みを有するセラミック材料で形成されており、円板状の形状をしている。また、基板12の大きさは、光軸方向から見た際にホルダー30の外径よりも十分大きくなっており、加えて、基板12の表面には金メッキが施されている。そして、基板12を貫通する給電用の棒状の端子11を有している。基板12の中央にはチップ搭載部13が取り付けられ、チップ搭載部13の側面にヒートシンク14を介してレーザーチップ(光源15)が取り付けられることにより、光源15が基板12に支持されている。光源15は、不図示の配線を介して端子11に接続されている。なお、基板12の形状は円板状に限らず、多角形状や楕円形状などでもよい。
光通信に用いられる光源としては、LED(Light Emitting Diode),LD(Laser Diode)、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)、などが用いられる。また、用いられる波長は、シングルモードの場合には一般に1310±15nmまたは1550±15nm程度の波長が、マルチモードの場合には850±15nm程度の赤外となる波長が用いられる。なお、受光素子を用いる場合にはPD(Photo Diode)などが用いられる。図4は一般的に光通信に用いられる光源について、マーキングを有する高さ位置における光源からの光の強度の角度依存性を示したもので、横軸は光源からの角度、縦軸は光の強度を示している。ここで、光源からの光の強度が最も強い方向を0°とする。通常、光源から出射された0°の光は後述するレンズ20のレンズ部22の光軸と略一致する。図4に示されているように光軸とのなす角度が大きくなるほど光源からの光の強度が低くなる傾向にある。とりわけ、角度が10°より大きい領域においては光の強度が、十分小さくなるため、後述するレンズ20のマーキングMに当たる光量を抑えることができる。なお、角度が10°より大きくなる領域の代わりに、0°における強度を1とした場合に強度が1/e2となる角度より大きな角度となる領域にマーキングを設けてもよい。特に、光の強度が1/2e2となる角度より大きな角度となる領域にマーキングを設けることで一層光の強度が小さくなるため好ましい。
図5の実施例1を参照しつつレンズ20について以下に詳述する。
レンズ20はレンズ部22とレンズ部22から光軸に対して略周方向に広がるフランジ部23と、フランジ部23からレンズ部22の略光軸方向に延在する脚部21とを有している。また、フランジ部23は凸状のマーキングMを有しており、レンズ部22とフランジ部23と脚部21とマーキングMは樹脂により一体的に成形されている。例えば、金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出し、冷却することにより成形する射出成形方法により成形されている。マーキングとレンズ部とフランジ部と脚部は樹脂により一体的に成形されているため、後からマーキングを打つ必要がなくコストや工数が嵩まず、また、脚部も樹脂により一体的に成形しているためコストや工数を抑えることができる。なお、光通信用のレンズに用いられる樹脂としては、赤外線の透過率が良好な樹脂であれば特に制限はなく、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中でも特に、吸湿による光学性能の変化が生じにくいという観点から、シクロオレフィン樹脂を用いることが好ましい。また、コストの観点からアクリル樹脂を使用してもよい。レンズ20は樹脂製であるためガラスレンズに比べて、温度による影響を受けやすく、この特性が光源からマーキングに当たった光がどのような挙動を示し不要光となるのかの推測を困難にしている一因であると考えられるが、本発明によれば、マーキングに当たる光の量自体を減らすことができるため、そのような問題を無視できる。また、レンズ20を光軸方向から見た際の形状は円形状であることが好ましいが、四角形などの多角形状や楕円形状であってもよい。また、光通信用のレンズの外形ODの大きさは一般的に2〜6mmであり、光軸方向の全長Hは3〜7mmとなっている。なお、本明細書における光軸とは、レンズ部22のうち、凸レンズの場合は最も厚い部分、又は凹レンズの場合は最も薄い部分、あるいはレンズ部22の中心を通過する直線のことを指す。また、本明細書において略○○と記載されている場合には○○自体も含むものとする。例えば、略光軸方向とは、光軸方向そのものも含む。なお、略光軸方向という場合には、光軸からのからの傾きが2度以下までの方向を指す。
レンズ部22は脚部側(一般に光源側)の光学面S1と、脚部とは反対側(一般に光ファイバー側)の光学面S2とを有する。レンズ形状は特に限定されないが、光通信用のレンズでは一般的に光学面S1、S2の両方が凸形状をしている両凸レンズが用いられる。また、光学面S1、S2は、両方が屈折面でもよいが、どちらか片方または両方共に温度特性を良好にするための回折構造を設けてもよい。光通信用の樹脂製レンズは様々な温度環境において用いられるため、温度変化によりレンズが膨張または収縮することにより、光学特性(特にデフォーカス特性)が変化してしまう恐れがあるが、温度特性を良好にする回折構造を設けることにより、レンズの膨張または収縮による光学特性への影響を軽減することができる。なお、回折構造を設ける場合には、有効径が大きい光学面に優先的に設けると、回折ピッチを大きくすることができ、製造容易性を高めることができる。また、回折構造を設ける場合には、光学面S2のみに設けることが好ましい。S1面に回折構造を設けるとその回折構造に起因して回折構造に入射した光の一部が散乱し、その光がマーキングに入る可能性が考えられるが、S2のみに回折構造を設ければそのようなことが起こる恐れがなくなる。さらに、光学面S1及びS2は下記式を満たすことが好ましい。
│SgFmax−SgFmin│<0.05 (1)
但し、
SgFmax:光学面S2の最大サグ量(mm)
SgFmin:光学面S2の最小サグ量(mm)
なお、光学面S2のサグ量とは、光学面S2と光軸との交点を通り、かつ、光軸に垂直な面を基準面としたときの、光軸方向への変位量を表わすものであり、交点と、光ファイバー側に最も近づいた位置との差が最大サグ量、交点と、光源側に最も近づいた位置との差が最小サグ量であって、範囲は光学面S2全体とする。
式(1)を満たすことにより、光学面の最も出っ張った量(SgFmax)と、最も引っ込んだ量(SgFmin)との差が小さくなり、即ち、光学面が平面に近くなる。光学面に回折構造を設けることを考えた際に、深い曲面に回折構造を形成するような場合、回折構造を成形する転写面を有する金型の加工において、周囲の転写面の見込み角(軸線に対する傾き角)が大きくなり、工具の干渉が生じやすくなるが、光学面を平面に近づけることで、回折構造を形成しやすくなり、製造容易性を高めることができる。また、光学面が平面に近づくことにより、フランジの最も高い位置が光学面よりも高い位置に有る場合でも、そうでない場合でも、レンズの全長を小さくすることができ、小型化が可能となる。なお、「光学面」とは、光源もしくは光ファイバーから出射された光束が通過しうる範囲(有効径)の範囲内の領域を指す。なお、光通信用のレンズの一般的な有効径は光学面S1が0.5〜1.5mm程度で光学面S2が0.7〜2mm程度である。
フランジ部23はレンズ部22から光軸に対して略周方向に広がるように存在しており、脚部21とは反対側又は光源より遠い側の面にマーキングを有している。フランジ部の形状はレンズの光学性能や射出成型時の歩留まりに大きな影響を与えない範囲で適宜設定されればよく、例えば、図6の実施例2や図7の実施例3に示すようにフランジ部がレンズ部の脚部とは反対側の光学面S2の頂点位置よりも光軸方向に高い位置にある突出面であってもよく、フランジ部の一部がテーパー面となっていてもよく、光軸方向の位置が異なる複数の面を有していてもよい。なお、フランジ部の光軸方向に最も高い位置を光学面S2の頂点位置よりも光軸方向に高くする場合には、フランジ部の光軸方向に最も高い位置と光学面S2の頂点位置との光軸方向の距離Δを0.01mm〜0.10mm高くするが好ましい。0.01mm以上であることにより光学面S2を傷つける可能性が十分減り、0.10mm以下であることにより、レンズの全長Hが高くなり過ぎることを抑制できる。フランジ部の角部が脚部の側且つ外周方向に傾斜しているテーパー面となっている場合には、後述のホルダ30を被せる際にテーパー面をガイドとすることができる。また、フランジ部がレンズ部の脚部とは反対側の光学面の頂点位置よりも光軸方向に高い位置にある突出面で有る場合には、レンズを成形した後にトレー等の載置部材状に載置する際や取り扱う際にレンズ部の脚部とは反対側の面を下向きにしておいても、フランジ部の突出面がガードとなって、光学面に傷がつかないという利点がある。また、フランジ部の脚部側の面IFの一部の表面粗さを1.0μm〜50μmとしてもよい。フランジ部の脚部側の面IFを非鏡面とすることにより、フランジ部の脚部側の面に入射した光が散乱されやすくなるため、マーキングMに入射する光の量を減らすことができる。なお、表面粗さは、JIS 0601−1976(表面粗さの規格)に準拠した十点平均粗さにより測定される。
マーキングMは、製造治具等に関する履歴的な情報(具体的には、どの金型で製造したか、一度に複数のレンズを成形する場合、金型中のどのキャビティで成形したかという情報)や金型によって形成されるキャビティに樹脂を注入するためのゲート位置に関する情報や、収差の方向やどの顧客向けの製品かなどのなんらかの情報を示すためのものである。マーキングは凸状の半球状や直方体形状であってもよく、文字状であってもよい。半球状や直方体形状である場合には、金型加工が容易となり、文字状である場合には、読み替え表等を用いることなく直接的に識別することが可能となり、その後の管理に際して識別性や作業性を高めることができる。また、マーキングが凸状であるため、その形状が複雑になり易い文字マーキングであっても、金型加工時に文字に対応する窪みを切削により作製すればすむため、加工が容易となる。なお、文字マーキングとは、文字を構成要素とする識別情報であり、図形や記号も含めることができる。また、マーキングの光軸方向の高さhは0.05mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.003mm≦h≦0.020mmである。マーキングの高さhを下限以上とすることにより、マーキングの視認性を確保しており、マーキングの高さhを上限以下とすることにより、マーキングが欠けにくくなる。さらに、マーキングの高さhが0.010mm以下であると、より確実にマーキングの欠けを防止できるため好ましい。また、マーキングは複数の凸部として存在していても良く、複数のマーキングがそれぞれ異なる形状の凸部であっても良い。さらに、マーキングの構成要素の大きさは1辺の長さがDの正方形領域内に収まる大きさであり、0.03mm≦D≦0.30mmを満たすことが好ましい。マーキングの構成要素を収める正方形領域を上記下限以上とすることにより、転写性を確保できる程度に文字のサイズを大きくして、文字等がきれいに転写されずに埋もれてしまう又はつぶれてしまうことを防止することができる。また、マーキングの構成要素を収める正方形領域を上記上限以下とすることにより、光源からの光に占める立体角の大きさを小さくすることができ、不要光を低減できる。
また、マーキングMと光源との光軸方向の距離MHは通常1〜4mm程度となっている。マーキングまでの光軸方向の距離(高さ)が1〜4mmと短いため、光源からの光に対するマーキングMが占める立体角の割合が大きくなり、高い強度の不要光が発生してしまう恐れがあるが、マーキングMの頂点と光源とを結ぶ線と光軸とがなす鋭角の角度が10°以上となる領域にマーキングMを設けることにより、不要光の発生を十分低減でき、光通信用モジュールとしての光結合効率が低下してしまうことを抑制できる。
マーキングMの頂点と光源とを結ぶ線BLと光軸OAとがなす鋭角の角度θが10°以上となる領域、即ち光源から漏れ出た光の強度が十分弱くなる領域にマーキングを設けることで、光源から漏れ出た光がマーキングに当たってしまい予期せぬ反射や屈折を起こし迷光(不要光)となってしまったとしても、不要光の強度を十分低く抑えることができるので、光結合効率に与える影響を低減できる。なお、好ましくはマーキングの頂点と光源とを結ぶ線BLと光軸OAとがなす鋭角の角度θが15°以上60°以下、さらに好ましくは20°以上45°以下とすることである。また、光源の位置とは光源の中心(発光点)をさすものとする。
実施例1においては、マーキングの頂点位置と光源15とを結ぶ線BLと光軸OAとがなす鋭角の角度θが15°の位置にマーキングを設けているため、光源から漏れ出た光がマーキングに当たってしまい予期せぬ反射や屈折を起こし迷光(不要光)となってしまったとしても、不要光の強度を十分低く抑えることができるので、光結合効率に与える影響を低減できる。なお、本実施例においてはマーキングと光源との光軸方向の距離は3mmであったが、前述の通りマーキングが15度の位置にあったため、マーキングを設けていないものと比べて、光結合効率の低下はほとんど発生しなかった。
図6は図5の実施例1のレンズをレンズ上面側から見た図である。図6におけるマーキングは凸状の半球状の形状となっている。なお、図6においては、光軸を中心とした際の、射出成型をした後のゲートカット跡GCとマーキングとの角度が45°となっており、この角度によりレンズを製造した金型に関する情報を識別することができる。また、別の金型を作製する際には異なる角度にすることで金型識別をすることができる。
脚部21はフランジ部23から略光軸方向に延在するように存在している。脚部21は略円筒形状をしていることが好ましいが、多角形の筒状であっても柵状であってもよい。また、通常光通信に用いられるレンズの脚部21の光軸方向長HSは1〜4mmで、脚部の幅Wは0.2mm〜0.6mmである。脚部の光軸方向長HSに対して脚部の幅Wの最小値が7〜40%程度あると、脚部の根元における強度だけでなく、脚部全体としての強度が高くなるため好ましい。さらに好ましくは、15〜30%とすることである。脚部の幅Wが上限以下であると、レンズが大きくなり過ぎず、実用に即することが可能且つ、小型化にも対応できる。
また、脚部21は光源を囲うように存在しており、脚部21の端部において基板12と接合している。なお、光源を「囲う」ようにとは、脚部を光軸から見た際に脚部が設けられている領域と光軸とがなす角度(脚部が光軸から見た際に不連続である場合には角度の合計)が180度以上あることとする。好ましくは、360度全周に脚部が存在することである。実施例1〜3においては接着剤により接合している。接着剤としては、熱硬化性接着剤・熱溶融性接着剤・UV硬化性接着剤・嫌気性感圧性接着剤・エポキシ系接着剤などが挙げられるが、接着時のレンズへの影響が小さいUV硬化性接着剤やエポキシ系接着剤を用いることが好ましく、また、金属系と樹脂系に十分な接着力があり、低粘度かつ液体が広がらないチクソ性の高い接着剤を用いることが望ましい。なお、脚部21を有しているレンズ20は樹脂製であり、基板12は通常金メッキがなされているため、脚部21の端部は溶着などはされず接着剤によって取り付けられている。また、脚部21の端部は、レンズ部22の光軸の位置決めを行う際の取り付け基準面とされることもある。光源15が支持された基板12にレンズ20の脚部21が接合されることにより光通信用モジュールとなる。
ホルダ30は円筒状のステンレス製となっており、レンズ20の光軸直交方向外側に、わずかな隙間を空けて取り付けられている。ホルダ30はレンズの最大外形と略等しい内径を有しており、ホルダ30を取り付ける場合には光通信用モジュールの上方からホルダ30の内周とレンズ20の外周とが略嵌合させるようにとりつけられる。略嵌合させることにより、ホルダ30とレンズ20との位置調整を行う工数を省くことができる。ホルダ30の内周とレンズ20の外周の光軸周方向における差は0.002mm〜0.020mmの間であることが好ましい。0.002mm以上であることにより、ホルダ30をレンズ20にスムーズに挿し込むことができ、0.020mm以下であることにより、ホルダ30とレンズ20とを略嵌合させることができる。また、レンズ20のフランジ部の角部がテーパー面である場合には、ホルダ30をスムーズに差し込むことが可能となる。ホルダ30が取り付けられ、基板12に接触した部分を溶接することによって、ホルダ30と基板12とが接合し、光通信ユニットとなる。なお、ホルダ30の先端には、より小さい径の円筒状のスリーブ31が固定され、その内部に光ファイバーFBが挿入されているフェルール32が挿入されており、光ファイバーFBの端部はレンズ部22に対向している。ホルダ30とスリーブ31が一体となっていてもよい。
以下では、光通信モジュール10の動作を説明する。端子11を介して給電が行われると、光源15が発光し、その光は、他の光学素子を解することなく直接レンズに入射し、レンズ部22を通過して、屈折面で屈折され、光ファイバー32の端面に集光し、その後光ファイバー32内を伝播することとなる。このとき、光源からの光のうち、漏れ出た光が、レンズ部の有効径以外の部分にもわずかに照射されている。
図3は、上述の実施例に好適なレンズの製造工程を示す図である。固定金型FMは、第2の光学面S2を転写する転写面FM1と、その周囲の平らな合わせ面FM3とを有する。一方、固定金型FMに対して可動である可動金型MMは、主金型AMと、入れ子型(副金型)BMとを有する。主金型AMと、入れ子型(副金型)BMは一体であってもよいが、金型作製の観点から別体であることが好ましい。主金型AMは、脚部21の内外周を転写する転写面AM1と、脚部21の端部21bを転写する転写面AM5と、中央の円形開口AM2と、外部から樹脂素材を流入させるためのゲート部AM3と、合わせ面FM3に対向する平らな合わせ面AM4、とを有する。このとき、ゲート部AM3の光軸方向長の深さは1.3mmである。なお、レンズ部を含まないレンズの光軸方向の長さの最大値とゲート部の深さとの比が、2.5:1〜1.5:1であると、ゲートカットを容易に行うことができ、且つ充填効率が高くなるので好ましい。
ゲート部AM3は、可動金型MMの合わせ面AM4に形成された断面矩形溝と、固定金型FMとの合わせ面FM3とにより形成されているので、合わせ面FM3を単純な平面とでき、これにより金型の構造が簡素化される。ゲート部AM3は脚部21の外周面に対応する位置に連通しており、脚部21の内周面に対応する位置とは対向しない様に、レンズ部22に向けて設けられている。つまり、ゲート部AM3の少なくとも一部は、転写面FM1と転写面BM1とで成形される空間(成形後のレンズ部)に対して光軸方向位置が重なっている。転写面AM1と転写面AM5とで形成される空間の一部が、脚部を成形する部分となっている。
円筒状の入れ子型BMは、円形開口AM2に嵌合しており主金型AMに対して可動となっていて、先端に脚部側の光学面S1を転写する転写面BM1を有する。
上述の実施例に好適なレンズの製造工程を説明すると、まず、図3(a)に示すように、合わせ面FM3、AM4を密着させるようにして、固定金型FMに対して可動金型MMを型締めする。かかる状態で、ゲート部AM3を介して内部のキャビティ内に溶融した樹脂素材を注入する。なお、実施例1においては吸湿性の観点からシクロオレフィン樹脂を使用した。
更に、図3(b)に示すように、素材冷却後に、固定金型FMに対して可動金型MMを一体的に遠ざけるように変位させる。
次いで、図3(c)に示すように、主金型AMから入れ子型BMを突き出すように相対移動させる。すると、転写面BM1により成形品であるレンズ20の光学面が押し出されるが、このときレンズ20は式(1)、(2)の範囲内に第1の点と第2の点を有するため、脚部の根元近傍における太さが十分確保でき、主金型AMから安定的に抜け出る。その後、転写面BM1から成形品を取り外すが、成形品にはゲート部AM3内で固化したゲートGT’が連結されているので、図3(d)に示す工程で、これをカット(C)し、切断面を研磨することでゲートカット跡GCが形成される。以上によりレンズ20を得ることができる。但し、切断面が許容できる形状である場合には研磨は必ずしも必要ではない。
図7は実施例2におけるレンズの断面図であるが、実施例2は実施例1のレンズを変形したものであり、特に説明しない部分は、実施例1と同様であるものとする。
実施例2においては、マーキングがテーパー面上にないため、金型加工において、マーキングに対応する箇所を切削する際に、マーキングの形状を所望の形状にするためにテーパー面の傾きを考慮した補正を加えずに金型の加工を行うことができるため、金型加工が容易となる。さらに、テーパー面上にマーキングがないため、光通信ユニットとして用いるために、ホルダを被せる際に、ホルダがマーキングに当たり、マーキングが欠けてしまうことを抑制できる。また、マーキングが光源からの光軸方向における距離が最も遠い面に設けられているため、マーキングの視認性が良くなり、実施例2におけるレンズの直径は3mmであるが、マーキングの判別が容易となる。
図8は実施例2のレンズをレンズ上面側から見た図である。図8においてはゲートカット跡GCの中心部から90°の位置に複数の文字マーキングM1〜M3があり、そこからさらに90°の位置(ゲートカット跡GCから180°の位置)に凸状の半球状のマーキングM4がある。M4はゲートの位置を示すマーキングであり、M1〜M3は文字情報により金型に関する情報を示す。別の金型を作製する際には異なる文字にすることで金型識別をすることができる。なお、実施例2においてはマーキングの頂点位置と光源15とを結ぶ線BLと光軸OAとがなす鋭角の角度θはM1からM3が30°、M4が35°の位置にマーキングが設けられており、マーキングと光源との光軸方向の距離は2mmであったが、マーキングを設けていない比較例と比べて、光結合効率の減少がほとんど見られなかった。なお、文字マーキングの場合におけるマーキングの頂点位置は文字マーキングが形成されている四角形の中心位置とする。
図9は実施例3のレンズの断面図であるが、実施例3は実施例1又は2のレンズを変形したものであり、特に説明しない部分は、実施例1又は2と同様であるものとする。
実施例3においてはマーキングがフランジ部の低い面(光軸方向における距離が光源に近い面)に設けられている。そのため、フランジ部の高い面がガードとなり、マーキングが欠けてしまい、その破片によりレンズ部が傷つき、光結合効率が低下してしまうことや光通信用モジュール内で欠けた部分がゴミとなってしまうことなどを抑制できる。さらに、光ファイバーとレンズとの距離を近づける場合にも、マーキングがホルダに接触する恐れがない。また、実施例3においてはフランジ部の脚部側の面IFの一部の表面粗さを3μmとしている。光源からマーキングに向かう光が表面粗さ3μmとなっている領域に当たり散乱するため、マーキングMに当たる光の量を減らすことができる。
なお、実施例3における上面図は実施例2とほぼ同様であるため割愛するが、実施例3においてはマーキングの頂点位置と光源15とを結ぶ線BLと光軸OAとがなす鋭角の角度θはM1からM3が14°、M4が16°の位置にマーキングが設けられており、マーキングと光源との光軸方向の距離は4mmであった。実施例3においても、マーキングを設けていない比較例と比べて、光結合効率の減少がほとんど見られなかった。
図10は実施例4のレンズの断面図であるが、実施例4は実施例1〜3のレンズを変形したものであり、特に説明しない部分は、実施例1〜3と同様であるものとする。
実施例4においてはマーキングがフランジ部の低い面(光軸方向における距離が光源に近い面)に設けられており、且つ、フランジ部の低い面はフランジ部の外周側に設けられている。そのため、マーキングの頂点と光源とを結ぶ線BLと光軸とがなす角度θを大きくとることができ、マーキングに入射する光の量を顕著に低くすることができる。
なお、実施例4における上面図は実施例2とほぼ同様であるため割愛するが、実施例4においてはマーキングの頂点位置と光源15とを結ぶ線BLと光軸OAとがなす鋭角の角度θはM1からM3が45°、M4が43°の位置にマーキングが設けられており、マーキングと光源との光軸方向の距離は3mmであった。実施例4においても、マーキングを設けていない比較例と比べて、光結合効率の減少がほとんど見られなかった。
本発明は、明細書に記載の実施例に限定されるものではなく、他の実施例・変形例を含むことは、本明細書に記載された実施例や思想から本分野の当業者にとって明らかである。
10 光通信モジュール
11 端子
12 ステム
13 チップ搭載部
14 ヒートシンク
15 レーザチップ
20 レンズ
21 脚部
21a 脚部内周面
21b 脚部端面
22 レンズ部
30 ホルダ
31 スリーブ
32 フェルール
A 第1の点
AM 固定金型
AM 主金型
AM1 転写面
AM2 円形開口
AM3 ゲート部
AM4 合わせ面
AM5 転写面
B 第2の点
BL マーキングの頂点位置と光源とを結ぶ線
BM 入れ子型
BM1 転写面
Δ フランジ部の光軸方向に最も高い位置と光学面の頂点位置との光軸方向の距離
FB 光ファイバー
FM 固定金型
FM1 転写面
FM3 合わせ面
GT ゲート部
H レンズ全長
HS 脚部の光軸方向長
h マーキングの高さ
IF フランジ部の脚部側の面
M マーキング
MM 可動金型
NI 非干渉領域
OA 光軸
OD 外径
S1 第1の光学面
S2 第2の光学面
W 脚部の幅

Claims (13)

  1. レンズと、光源又は受光素子と、前記光源又は受光素子を支持する基板と、を有する光通信用モジュールであって、
    前記レンズは、レンズ部と、前記レンズ部から前記レンズ部の光軸に対して略周方向に広がるフランジ部と、前記フランジ部から前記レンズ部の略光軸方向に延在する脚部とを有し、
    前記フランジ部には凸状のマーキングが設けられており、
    前記レンズ部と前記フランジ部と前記脚部と前記マーキングは樹脂により一体的に成形されており、
    前記脚部は前記光源又は受光素子を囲うように前記基板に接合されており、
    前記マーキングは前記フランジ部の前記脚部とは反対側の面上のうち、前記マーキングの頂点と前記光源又は受光素子とを結ぶ線と前記光軸とがなす鋭角の角度が10°以上となる領域に存在することを特徴とする光通信用モジュール。
  2. 前記フランジ部の前記脚部とは反対側の面は、前記レンズ部の前記脚部とは反対側の光学面の頂点位置よりも前記脚部とは反対側に突出している突出面を有することを特徴とする請求項1に記載の光通信用モジュール。
  3. 前記光源又は受光素子から前記マーキングまでの光軸方向の距離は1〜4mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光通信用モジュール。
  4. 前記フランジ部の角部は、前記脚部の側且つ外周方向に傾斜しているテーパー面となっており、前記マーキングは前記テーパー面を除く領域に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光通信用モジュール。
  5. 前記フランジ部の前記脚部とは反対側の面は、二つの面を有し、前記二つの面の光軸方向の位置は互いに異なっていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光通信用モジュール。
  6. 前記マーキングの高さhは、0.003mm≦h≦0.020mmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光通信用モジュール。
  7. 前記マーキングは文字マーキングであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光通信用モジュール。
  8. 前記マーキングの構成要素は、1辺の長さがDの正方形領域内に収まる大きさであり、
    長さDは、0.03mm≦D≦0.30mmであることを特徴とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光通信用モジュール。
  9. 前記マーキングは複数の凸部であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光通信用モジュール。
  10. 前記複数の凸部のうち、少なくとも一つは異なる形状の凸部であることを特徴とする請求項9に記載の光通信用モジュール。
  11. 前記マーキングは、前記レンズを成形する金型に関する情報を示すことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光通信用モジュール。
  12. 前記マーキングは、樹脂を導入するためのゲート位置を示すことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の光通信用モジュール。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の光通信用モジュールに、前記レンズの最大外径と略等しい内径を有し、前記レンズを覆うように配され、前記基板または前記脚部と接合するホルダを組み付けてなることを特徴とする光通信ユニット。
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WO2022270429A1 (ja) * 2021-06-21 2022-12-29 京セラ株式会社 配線基板、電子部品収納用パッケージ及び電子装置

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