JP2004333792A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】温湿度センサを付加しなくても、その環境に適した作像条件、特に現像条件を与える事が出来、良質な画像が得られる画像形成装置を提供する。
【解決手段】イオン導電系材料から構成された導電性の転写ローラ。この転写ローラを備えた画像形成装置は更に、この転写ローラに一定の電圧を印加する転写電源と電圧計、転写電流を測定する電流計を備えている。導電性の転写ローラに一定の電圧を印加し、その電流値を検出し、環境を特定するための転写ローラのV−I特性のデータと、定着装置に備えられている温度検知手段温度とから、湿度を算出し、画像形成装置が置かれている環境を検知する。
【選択図】 図1
【解決手段】イオン導電系材料から構成された導電性の転写ローラ。この転写ローラを備えた画像形成装置は更に、この転写ローラに一定の電圧を印加する転写電源と電圧計、転写電流を測定する電流計を備えている。導電性の転写ローラに一定の電圧を印加し、その電流値を検出し、環境を特定するための転写ローラのV−I特性のデータと、定着装置に備えられている温度検知手段温度とから、湿度を算出し、画像形成装置が置かれている環境を検知する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単色、カラーにかかわらず、アナログ及びデジタル複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置、その中でも、像担持体の表面に形成されたトナー像を紙などの転写材へ転写する転写手段として転写ローラを有し、特に導電性材料からなる転写ローラを用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置では、像担持体、現像剤、転写材等は、画像形成装置の置かれている場所の周囲環境条件に影響を受け、また、像担持体の感度、現像剤の帯電負荷量、転写材の抵抗値が変化すること等により、該画像形成装置で形成された画像に影響が出る。
【0003】
このため、温度センサ、湿度センサといった環境検知装置などを画像形成装置本体に持ち、該装置により検知した条件により電子写真画像形成プロセスを変化させていた。また、画像形成装置本体に各種条件を入力するスイッチを備え、当該スイッチを操作入力することで電子写真画像形成プロセスを変化させるものがある。
【0004】
帯電処理後は画像内容に応じた像露光が為され、像担持体上に静電潜像が形成される。
【0005】
この像担持体表面に形成した静電潜像を一成分現像剤の磁性トナーによって現像する現像装置には、現像剤担持部材としての現像スリーブと磁性トナー粒子の摩擦により、感光ドラム上の静電像電荷と現像基準電位に対し逆極性の電荷を磁性トナー粒子に与え、この磁性トナーを現像スリーブ上に極めて薄く塗布して感光ドラムと現像スリーブとが対向した現像領域に搬送し、現像領域において磁性トナーを感光ドラム表面の静電潜像に飛翔、付着して現像し、静電潜像をトナー像として顕像化するものが知られている。
【0006】
更に、像担持体とこれに圧接する転写ローラとを備え、これら両者の間に転写材を通過させると共に、このとき転写ローラに電圧を印加して、像担持体側のトナー像を転写材に転写するように構成した画像形成装置も提案されている。このような接触転写方式をとる画像形成装置は、従来からひろく実用されているコロナ放電器を使用するものに比して、高圧電源を必要としないのでコスト的にも有利である。コロナワイヤ電極もないのでそれの汚れによる障害もない、高圧放電に基づくオゾンの発生や、窒化物の生成もなく、これらによる像担持体、画質の劣化なども少ないなど種々な利点がある。しかし、その反面、転写ローラが環境によってV−I特性が大きく変化することが知られている。
【0007】
そこで、本出願人により先に出願された特願平01−85189号に示す転写ローラに対して定電圧制御、定電流制御(ATVC、Active Transfer Voltage Control)が行われている。これは、像担持体と、この像担持体との間にニップ部を形成し、このニップ部で前記像担持体上の像を転写材に転写する転写ローラと、を有する画像形成装置において、前記ニップ部に転写材がない時に前記転写ローラに定電流制御を行い、転写材への像転写を行う時に前記定電流制御中に前記転写ローラに生じた電圧値V1に応じた電圧値V2(ただしV2>V1)で前記転写ローラを定電圧制御するものである。これにより、環境によって転写ローラのV−I特性が変化しても、常時安定して良好な転写性が得られるので、良質な画像を得る事が出来る。しかし、このATVC制御は転写ローラの抵抗値の変化に対応するためのものであり、環境を特定するものではない。そのため、ATVC制御を備えた画像形成装置においても、画像形成装置が置かれている環境を知るためには、別途、温湿度センサを備える必要がある。
【0008】
また、従来、画像形成装置などに用いられる導電性ローラはEPDM(エチレンプロピレンゴム)などを材料とした導電性ローラが用いられてきた。しかしながら、環境によってこのローラの抵抗値が多少変化し、かつ転写材の抵抗値も変化するため、画像形成装置などに用いる際、良質な画像を得るために、環境センサ等の温湿度検知手段によって、環境を検知し、その環境に適した転写電圧を印加して用いられてきた。また、量産時における個々のローラの抵抗値にばらつきがあるため、このローラに一定の電圧を印加し、その際の電流値をもとに、そのローラに応じた最適な転写電圧を印加して用いられてきた。
【0009】
転写後、転写材は像担持体の表面から分離されての定着装置に送られ、転写トナー画像が転写材上に永久固着画像として定着され、プリントあるいはコピーとして機外へ排出される。この定着装置には温度検知手段とヒータに給電を行う給電手段が備えられており、定着部材の温度を検知し、給電手段を用いて、転写材上の画像を永久固着に適した温度に制御する。
【0010】
一方、像担持体は、そのまま回転を続け、表面に付着している残留現像剤等の付着物が清掃手段によって除去され、次の画像形成プロセスに備える。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記の画像形成装置における従来例において、像担持体の帯電特性および光電特性や、現像剤、転写材等は、画像形成装置の置かれている環境に影響を受け、また、像担持体の感度、現像剤の帯電負荷量、転写材の抵抗値が変化すること等により、濃度薄やゴースト、かぶり等を招くことがある。これらの環境による影響を軽減する為には、現像条件を変更すれば良い。例えば、現像バイアスの直流成分、現像バイアスの交流成分の電圧、現像バイアスの交流成分の周波数、現像スリーブの周速、弾性ブレードの当接圧等の現像条件を変更すれば環境による影響がなく、良質な画が得られるが、これらの各現像条件は、各環境下で、最適な条件が異なってしまうという弊害がある。
【0012】
それらを回避する為に、温度センサ、湿度センサといった環境検知装置などを画像形成装置本体に持ち、この装置により検知した条件により作像条件を変化させたり、画像形成装置本体に各種条件を入力するスイッチを備え、このスイッチを操作入力することで作像プロセス条件を変化させたりして、良質な画像を得ていた。
【0013】
しかしながら、前者にあっては、それぞれのセンサ及び検知装置が必要になり、製造コストが高くなり、温湿度センサの最適な設置場所を検討し、その上で使用環境に最適な作像条件を見出す等の必要がある。また、精度の高い検出をするためには、それなりのスペースがいるため、省スペースが叫ばれる昨今、装置小型化のネックになる。このため、設計時の工程数が増大すると共に、コストやスペースなどがかかり、設計上の自由度が小さくなる。また後者にあっては、上記のような製造コスト、スペース、検出精度といった問題は幾分軽減されるものの、使用者が画像形成装置のところに直接行って条件設定をしなければならないため、画像形成装置がネットワークで繋がっていたりして近くにない場合は、操作をしに行くのが煩わしく、実際にはやってもらえないこともある。
【0014】
(本発明の目的)
そこで本出願に係る発明の目的は、上述事情に鑑みてなされたものであり、温湿度センサを用いることなく、既存の機能部材により温度と湿度を精度良く算出する手段を設けることにより、製品の製造および部品のコストアップをすることなく、温度と湿度を精度良く算出する事が可能な装置において、この温度と湿度の値に応じて、現像手段の現像条件を最適化し、様々な環境に応じて、長期に渡って良質な画像を得ることができる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決することを目的としてなされたもので、上述の課題を解決する一手段として以下の構成を備える。
【0016】
まず、本発明で用いられる転写ローラとして、ニトリル―ブタジエンゴム(以下、「NBR」とうい)を材質とした導電性ローラ、ポリウレタンゴムを材質とした導電性ローラ等がある。NBR材質の導電性ローラの構成は、ローラ芯金上に設けた弾性層を有するもので、弾性層にはアクリロニトリル―ブタジエンゴムおよびアルコキシエチルアジペートを含有したものである。また、ポリウレタンゴム材質の導電性ローラの構成は、ローラ芯金上に設けた弾性層を有するもので、弾性層には発泡ウレタンを含有したものである。
【0017】
これらNBR、ポリウレタンゴムなどのイオン導電系材料から構成された導電性ローラは、量産時における個々のローラの抵抗値のばらつきが小さく、また、環境による抵抗値の変化が大きい為、これらのローラの印加電圧に対する電流値の関係である「V−I特性」を前もって測定し環境毎の特徴を把握し情報を蓄積しておくことで、ある時期に於いて、イオン導電系転写ローラのV−I特性を調べることにより、装置と転写材の置かれている環境の温度、湿度と、装置内の湿度とを算出する事が可能となる訳である。
【0018】
つまり、環境に応じて抵抗値が変化するイオン導電性転写ローラを用いる画像形成装置等においては、別途温湿度センサを設置することなく温度と湿度を検出でき、省スペース化、コストダウンを行いながら、良質な画像が得られることが可能である。
【0019】
そして得られた環境情報により、作像条件を制御することにより、様々な環境に応じて、良質な画像を得ることができる画像形成装置を提供することが出来るわけである。
【0020】
即ち、本出願に係る第1の発明によれば、上記目的は、像担持体と、該像担持体上を帯電処理する帯電手段と、該像担時体上に像露光し潜像を形成する像露光手段と、現像剤により該潜像を可視化する現像手段と、該像担持体の表面に形成された現像剤像を転写材へ転写する転写ローラからなる転写手段と、該転写ローラは環境に応じて印加電圧に対する電流値の関係(以下、「V−I特性」という)が変化するイオン導電系材料から構成された導電性ローラ(以下、「イオン導電系転写ローラ」という)であり、更に、転写材上の現像剤を転写材に定着させる定着装置とを有する画像形成装置において、該定着装置の温度検知手段によって検知された温度と、該転写ローラに環境検出用の電圧を印加し、その時の該転写ローラのV−I特性から得られた該V−I特性とで、該画像形成装置が置かれている周辺環境の湿度を算出し、該画像形成装置と転写材が置かれている温度と湿度を精度良く、検出する事で達成できる。
【0021】
また、本出願に係る第2の発明によれば、上記目的は、像担持体と、該像担持体上を帯電処理する帯電手段と、該像担時体上に像露光し潜像を形成する像露光手段と、現像剤により該潜像を可視化する現像手段と、該像担持体の表面に形成された現像剤像を転写材へ転写する転写ローラからなる転写手段と、該転写ローラはV−I特性が変化するイオン導電系転写ローラであり、このV−I特性が直線的に変化する該転写ローラであり、更に、転写材上の現像剤を転写材に定着させる定着装置とを有する画像形成装置において、該画像形成装置の電源ON時に、該定着装置の温度検知手段によって得られた温度が朝一状態である時、該定着装置の温度検知手段によって検知された温度T0と、該転写ローラに環境検出用の電圧を印加し、その時の該転写ローラのV−I特性から得られた湿度H0とで、該画像形成装置と転写材が置かれている周辺環境の温湿度を算出し、この温度T0と、湿度H0と、該定着装置の温度が朝一状態から飽和するまでの該転写ローラのV−I特性から得られた抵抗値変化量ΔRとから、次式、
H1=H0+ΔRtanθ
より、コピー時、又はプリント時の該画像形成装置内の湿度H1を算出し、該画像形成装置と該転写材が置かれている温度と湿度と、画像形成装置内の湿度を精度良く、検出する事で達成できる。
【0022】
また、本出願に係る第3の発明によれば、上記目的は、像担持体と、該像担持体上を帯電処理する帯電手段と、該像担時体上に像露光し潜像を形成する像露光手段と、現像剤により該潜像を可視化する現像手段と、該像担持体の表面に形成された現像剤像を転写材へ転写する転写ローラからなる転写手段と、該転写ローラはV−I特性が変化するイオン導電系転写ローラであり、そのV−I特性が直線的に変化しない該転写ローラであり、更に、転写材上の現像剤を転写材に定着させる定着装置とを有する画像形成装置において、該画像形成装置の電源ON時に、該定着装置の温度検知手段によって得られた温度が朝一状態である時、該定着装置の温度検知手段によって検知された温度T0と、該転写ローラに環境検出用の電圧を印加し、その時の該転写ローラのV−I特性から得られた湿度H0とで、該画像形成装置と転写紙が置かれている周辺環境の温度と湿度を算出し、この温度T0と、湿度H0と、該定着装置の温度検知手段によって得られた温度が飽和した時の該転写ローラのV−I特性から得られた抵抗値と、該転写ローラのV−I特性のテーブルとから、該画像形成装置内の湿度H1を算出し、精度良く、該画像形成装置と該転写材が置かれている温度と湿度と、画像形成装置内の湿度を算出することで達成できる。
【0023】
また、本出願に係る第4の発明によれば、上記目的は、請求項1の画像形成装置において、該画像形成装置が置かれている周辺環境の温度と湿度に応じて電子写真画像形成プロセスを変化させることで達成できる。
【0024】
また、本出願に係る第5の発明によれば、上記目的は、請求項2、3の画像形成装置において、該画像形成装置が置かれている周辺環境の温度と湿度と該画像形成装置内の湿度に応じて電子写真画像形成プロセスを変化させることで達成できる。
【0025】
また、本出願に係る第6の発明によれば、上記目的は、請求項4、5の画像形成装置において、変化させる電子写真画像形成プロセスを、現像条件を変化させることを特徴とすることで達成できる。
【0026】
また、本出願に係る第7の発明によれば、上記目的は、請求項6の画像形成装置において、上記現像条件の変化は、現像バイアスを変化させることで達成できる。
【0027】
また、本出願に係る第8の発明によれば、上記目的は、請求項6の画像形成装置において、上記現像条件の変化は、現像バイアスの交流成分の電圧を変化させることで達成できる。
【0028】
また、本出願に係る第9の発明によれば、上記目的は、請求項6の画像形成装置において、上記変化させる前記現像条件を現像バイアスの交流成分の周波数とすることで達成できる。
【0029】
また、本出願に係る第10の発明によれば、上記目的は、請求項6の画像形成装置において、上記変化させる前記現像条件を現像スリーブの周速とすることで達成できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る一実施例を詳細に説明する。
【0031】
(第1の実施例)
以下に図1、図3を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
【0032】
図1は、一実施例の画像形成装置の概略図である。本例の画像形成装置は、電子写真プロセス利用の転写式のレーザービームプリンタもしくは複写機である。
【0033】
1は、静電潜像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと称す)であり、矢印mの時計方向に所定のプロセススピードをもって回転駆動される。感光ドラム1は、その回転過程で一次帯電装置2より所定の極性、電位に均一に帯電される。本例では、感光ドラム1をマイナスに帯電処理する。
【0034】
本例の一次帯電装置2は、接触帯電ローラ2であり、感光ドラム1の回転に伴い従動回転する。装置によっては、感光ドラム1とは別に帯電ローラ2を別駆動する場合もある。そして、電源3から所定の交流電圧に所定の直流電圧を重畳したバイアス電圧を印加することで、回転感光ドラム1の周表面が接触帯電方式で所定の極性、電位に帯電処理される。
【0035】
次いで、その帯電処理面に対して、レーザースキャナ等の像露光手段4により目的の画像情報の像露光処理がなされて、感光ドラム1表面に目的の画像情報の静電潜像が形成される。
【0036】
その静電潜像が、現像装置5の現像スリーブ5aに薄層状に担持されたトナーによって、現像されて可視画像(トナー画像)となる。現像スリーブ5aは、不図示のクラッチにより制御され、画像領域において回転する。そして、電源6より所定のバイアス電圧(直流電圧に交流電圧を重畳。以後現像バイアスと称する)を印加することで、感光ドラム1にトナーが供給される。
【0037】
本実施例では、感光ドラム1上をマイナスに帯電処理し、像露光処理にてトナー画像となる部分を除電し、マイナスに帯電したトナー(ネガトナー)を用いて顕画化する反転現像方式を例にあげる。
【0038】
そのトナー画像が、感光ドラム1とこれに接触させた転写部材7との間の接触ニップ部である転写部において、該転写部に給紙部側から所定のタイミングで給送された転写材Pに対して順次に転写されていく。転写部材7は接触帯電式の転写ローラ7であり、感光ドラム1に圧接させてあり、感光ドラム1の回転に従動して回転する。装置によっては、感光ドラム1とは別に転写ローラ7を別駆動する場合もある。
【0039】
転写材Pは、この転写部に給送されていく。転写部に転写材Pの先端が突入すると、転写ローラ7に電源8からの所定の転写用のバイアスが印加され、転写ローラ7が接触している転写材P裏面がトナーと逆極性に接触帯電式で帯電されて、感光ドラム1のトナー画像が転写材Pの表面に転写される。
【0040】
転写部を通ってトナー画像の転写を受けた転写材Pは、感光ドラム1の表面から分離されて、定着装置に送られる。
【0041】
定着装置は、中心部にヒータ13を配置した加熱部材12と加圧部材14とが互いに圧接しており、このニップ部を転写紙Pが走行するようになっており、11は加熱部材12に対設した温度検知手段である。この温度検知手段11によって、電源15から供給されるヒータの入力電圧を制御し、温度調整を行っている。この加熱部材12と加圧部材14とのニップ部に転写紙Pが走行し、転写トナー画像が転写材P上に永久固着画像として定着され、プリントあるいはコピーとして機外へ排出される。
【0042】
転写部通過後の感光ドラム1の表面は、クリーナ9によって残留現像剤やその他の付着物が除去されてクリーニングされ、さらに除電器(除電ランプ)10によって除電されて初期化され、繰り返して作像に供される。
【0043】
本件に於いて、転写ローラ7は、イオン導電系材料を用いた硬度の低い弾性体でできているものであり、この転写ローラ7のV−I特性が図3に示すように変化する。図3は、3温度(5℃・20℃・35℃)2湿度(30%・70%)の6環境条件下におけるイオン導電系転写ローラ7のV−I特性を表すグラフである。また転写部は、転写ローラ7に任意のバイアス電圧を印加する転写電源8、転写ローラ7に流れる電流を測定する転写電流量測定装置(電流計)20、ROM21が配設され、CPU22が付加されている。
【0044】
定着装置に備えられている温度検知手段11には、CPU22が付加され、該温度検知手段11によって得られた温度をROM21に記憶されている転写ローラ7のV−I特性のデータと比較する。
【0045】
ROM21は、環境を特定するための転写ローラ7のV−I特性のデータを記憶している。CPU22は、ROM21から読み出された環境を特定するための転写ローラ7のV−I特性のデータと、転写ローラ7に流れている電流値と該温度検知手段11によって得られた温度とを比較し、画像形成装置と転写材が置かれている環境を判断し、かつ、画像形成装置内の湿度を算出する。
【0046】
そしてまた、大きく環境を変化させた時の、従来用いられてきた導電性転写ローラと、本発明で用いられるイオン導電系転写ローラのV−I特性を比較したのが図2である。環境は3環境であり、H/H(室温35℃/湿度90%)環境、N/N(室温20℃/湿度50%)環境、L/L(5℃/10%)環境である。見て解るように、従来用いられてきた導電性転写ローラに比べ、本発明で用いられるイオン導電系転写ローラの環境変化がとても大きい。これは装置の周辺環境で、転写ローラの抵抗値が大きく変わると言うことであり、使いこなす為には幾分の制御が必要となる。しかしながら、この周辺環境による転写ローラ抵抗値の変化を逆に利用することで、転写ローラの抵抗値から周辺環境は予測することが可能となる訳である。
【0047】
ここで、定着装置に備えられている定着部材12の温度を検知する温度検知手段11を用いる事で、温度のみならず、図3から湿度を正確に算出する事が可能である。
【0048】
本実施例に於いては、画像形成装置の電源がONされた際に、定着装置に備えられている定着部材12の温度検知手段11により検知された温度が朝一状態の温度の時、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度を検出し、その後、転写ローラ7に4kVの定電圧を印加し、その時の電流量と、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度から、画像形成装置と転写材が置かれている環境を検知する。本実施例に於いて、該温度検知手段11によって得られた温度が20℃とし、転写ローラに4kV定電圧印加時、電流計20で測定された転写電流量が、16μAであったならば、画像形成装置と転写材が置かれている環境の湿度が70%であると算出される。また、該温度検知手段11によって得られた温度が5℃で、7μAであった時には、画像形成装置と転写材が置かれている環境の湿度は30%である。実際には、検出した電流値をROM21に記憶されている値とをCPU22にて比較し、画像形成装置と転写材が置かれている環境の湿度を割り出している。これらから、画像形成装置と転写材が置かれている温度と湿度を検出する事が可能である。
【0049】
このようにして、環境に応じて抵抗値が変化するイオン導電系材料から構成されたイオン導電系ローラを用い、温度センサ、湿度センサを用いないことにより、省スペース化、コストダウンを行いながら、良質な画像が得られることが可能となるのである。
【0050】
以上、本発明を好適な実施形態例に基づいて説明したが、環境を特定する為に転写ローラに印加するバイアスを定電圧とし電流を検出したが、定電流制御を行いその時に印加したバイアスの電圧より環境を予測できると言うことは、図3を見ても明らかであり、本発明の範囲に含まれる。
【0051】
(第2の実施例)
次に本発明の第2の実施例について説明する。基本的な構成は実施例1、図1と同様である。本実施例においては、転写ローラ7のV−I特性から得られた湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係が、直線的に変化する場合のコピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度を算出する。
【0052】
以下に図1、図4を参照して、この発明の実施の形態を説明する。
【0053】
本件に於いて、転写ローラ7は、イオン導電系材料を用いた硬度の低い弾性体でできているものであり、この転写ローラ7のV−I特性から得られた湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係が図4に示すように、直線的に変化する。図4は、3温度(5℃・20℃・35℃)2湿度(30%・70%)の6環境条件下におけるイオン導電系転写ローラ7のV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のグラフである。また転写部は、転写ローラ7に任意のバイアス電圧を印加する転写電源8、転写ローラ7に流れる電流を測定する転写電流量測定装置(電流計)20、ROM21が配設され、CPU22が付加されている。
【0054】
定着装置に備えられている温度検知手段11には、CPU22が付加され、該温度検知手段11によって得られた温度T0をROM21に記憶されているV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のデータと比較する。
【0055】
ROM21は、環境を特定するためのV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のデータを記憶している。
【0056】
CPU22は、ROM21から読み出された環境を特定するためのV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のデータと、転写ローラ7に流れている電流値から求めた抵抗値とを比較し、画像形成装置と転写材が置かれている環境を判断し、画像形成装置と転写材が置かれている温度T0と湿度H0を算出する。定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度が飽和した際、再度、転写ローラ7に流れている電流値から抵抗値を求め、転写ローラの抵抗値の変化量ΔRを求める。これら3つの値と、H1=H0+ΔRtanθから、CPU22で計算を行い、コピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度H1を求める。tanθは、図4から分るように、温度の変化量を、転写ローラの抵抗値の変化量で割った転写ローラの定数として得られる。
【0057】
本実施例に於いては、画像形成装置の電源がONされた際に、定着装置に備えられている定着部材12の温度検知手段11により検知された温度が朝一状態の温度の時、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度T0を検出し、その後、転写ローラ7に4kVの定電圧を印加し、その時の電流量から求められた転写ローラの抵抗値と、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度から、画像形成装置が置かれている温度T0と湿度H0を検出する。その後、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度が飽和した際、再度、転写ローラ7に流れている電流値から抵抗値を求め、転写ローラの抵抗値の変化量ΔRを求め、H1=H0+ΔRtanθから、コピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度H1を求める。
【0058】
本実施例に於いて、該温度検知手段11によって得られた温度T0が20℃とし、図4に示す温度20℃の直線のグラフが選択される。その後、転写ローラに4kV定電圧印加時、電流計20で測定された転写電流量が、19μAであったならば、転写ローラの抵抗値は2.1×105kΩであり、環境湿度H0が70%であると算出される。次に、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度が飽和した際、再度、転写ローラ7に4kV定電圧印加を行い、転写電流値が7μAであったならば、転写ローラの抵抗値は、5.8×105kΩであり、この転写ローラの抵抗値の変化量ΔRは3.7×105kΩである。また、本実施例に於ける転写ローラのtanθは、1.08×10−7であるので、コピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度H1=H0+ΔRtanθは、30%と算出される。
【0059】
このようにして、環境に応じて抵抗値が変化するイオン導電系材料から構成されたイオン導電系ローラを用い、温度、湿度センサを用いないことにより、省スペース化、コストダウンを行いながら、良質な画像が得られることが可能となるのである。
【0060】
以上、本発明を好適な実施形態例に基づいて説明したが、環境を特定する為に転写ローラに印加するバイアスを定電圧とし電流を検出したが、定電流制御を行いその時に印加したバイアスの電圧より環境を予測できると言うことは、図4を見ても明らかであり、本発明の範囲に含まれる。
【0061】
(第3の実施例)
次に本発明の第3の実施例について説明する。基本的な構成は実施例1、2、図1と同様である。本実施例においては、転写ローラ7のV−I特性から得られた湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係が、直線的に変化しない場合のコピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度を算出する。
【0062】
以下に、図1、図5を参照して、この発明の実施の形態を説明する。
【0063】
本件に於いて、転写ローラ7は、イオン導電系材料を用いた硬度の低い弾性体でできているものであり、この転写ローラ7のV−I特性が図5に示すように、直線的に湿度と転写ローラ7の抵抗値が変化しない。図5は、3温度(5℃・20℃・35℃)2湿度(30%・70%)の6環境条件下におけるイオン導電系転写ローラ7のV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のグラフである。また転写部は、転写ローラ7に任意のバイアス電圧を印加する転写電源8、転写ローラ7に流れる電流を測定する転写電流量測定装置(電流計)20、ROM21が配設され、CPU22が付加されている。
【0064】
定着装置に備えられている温度検知手段11には、CPU22が付加され、該温度検知手段10によって得られた温度をROM21に記憶されているV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のデータと比較し、湿度を算出する。
【0065】
ROM21は、環境を特定するためのV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のデータを記憶している。
【0066】
CPU22は、ROM21から読み出された環境を特定するためのV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のデータと、転写ローラ7に流れている電流値から求めた抵抗値とを比較し、画像形成装置と転写材が置かれている環境を判断し、画像形成装置と転写材が置かれている温度と湿度を算出する。定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度が飽和した際、再度、転写ローラ7に流れている電流値から抵抗値を求め、CPU22で、ROM21から読み出された環境を特定するためのV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のデータと比較を行い、コピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度を求める。
【0067】
本実施例に於いては、画像形成装置の電源がONされた際に、定着装置に備えられている定着部材12の温度検知手段11により検知された温度が朝一状態の温度の時、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度を検出し、その後、転写ローラ7に4kVの定電圧を印加し、その時の電流量から求められた転写ローラの抵抗値と、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度から、画像形成装置が置かれている温度と湿度を検出する。その後、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度が飽和した際、再度、転写ローラ7に流れている電流値から抵抗値を求め、コピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度H1を求める。
【0068】
本実施例に於いて、該温度検知手段11によって得られた温度が35℃とし、図4に示す温度35℃の曲線のグラフが選択される。その後、転写ローラに4kV定電圧印加時、電流計20で測定された転写電流量が、20μAであったならば、転写ローラの抵抗値は2.0×105kΩであり、環境湿度が70%であると算出される。次に、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度が飽和した際、再度、転写ローラ7に4kV定電圧印加を行い、転写電流値が8μAであったならば、転写ローラの抵抗値は、5.0×105kΩが得られ、図5の32℃のグラフより、コピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度が30%ということが算出される。よって、画像形成装置と転写材が置かれている温度、湿度、コピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度が得られた。
【0069】
このようにして、環境に応じて抵抗値が変化するイオン導電系材料から構成されたイオン導電系ローラを用い、温度、湿度センサを用いないことにより、省スペース化、コストダウンを行いながら、良質な画像が得られることが可能となるのである。
【0070】
以上、本発明を好適な実施形態例に基づいて説明したが、環境を特定する為に転写ローラに印加するバイアスを定電圧とし電流を検出したが、定電流制御を行いその時に印加したバイアスの電圧より環境を予測できると言うことは、図4を見ても明らかであり、本発明の範囲に含まれる。
【0071】
(第4の実施例)
次に本発明の第4の実施例について説明する。基本的な構成は実施例1、2、3、図1と同様である。本実施例においては、感光ドラム、現像剤、転写材等が、画像形成装置と転写材の置かれている場所の周囲環境条件に影響を受け、また、感光ドラムの感度、現像剤の帯電負荷量、転写材の抵抗値が、転写紙や画像形成装置が置かれている環境と、画像形成装置内の湿度によって変化し、不良画像が発生する。そこで、転写ローラ7を用いて、画像形成装置と転写材が置かれている環境、また、コピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度を求めるのは、同じである。この得られた温度、湿度を用いて、現像プロセスの制御を行うことが可能な実施例である。
【0072】
高湿環境に比べ、低湿環境に於いては、濃度薄やかぶり等が発生し、画像不良となる。濃度薄やかぶりは、トナーの電荷量が大きくなって発生したり、画像形成装置と転写材が置かれている環境によって発生する。
【0073】
そこで、本実施例においての画像形成装置では、画像形成装置と転写材が置かれている環境が23℃、50%の際、現像バイアスの交流成分の電圧が1600V、現像バイアスの交流成分の周波数が2000Hz、現像バイアスの直流成分の電圧が420V、弾性ブレードの当接圧が25gfであるが、低湿環境において、かぶりや濃度薄等の画像不良が発生するため、画像形成装置と転写材が置かれている環境が20℃、30%の環境であると、実施例1、2、3の方法で得られた際、現像バイアスの交流成分の電圧が1800V、現像バイアスの交流成分の周波数が2200Hz、現像バイアスの直流成分の電圧が375V、弾性ブレードの当接圧が20gfに変更する事で、良質な画が得られる事が可能である。
【0074】
以上、本発明を好適な実施形態例に基づいて説明したが、環境を特定する為に転写ローラに印加するバイアスを定電圧とし電流を検出したが、定電流制御を行いその時に印加したバイアスの電圧より環境を予測できると言うことは、図4を見ても明らかであり、本発明の範囲に含まれる。
【0075】
また、今回、画像形成装置と転写材が置かれている環境と、画像形成装置内の湿度が同じ場合の実施例を記述したが、異なった場合でも、制御を変更し、最適な現像条件を合わせこみ、良質な画が得られることが可能である。
【0076】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は、イオン導電系材料からなる転写ローラを用いることにより、湿度検知装置の内蔵が不要になりコストが安くなると共に、装置の小型化が可能となるのである。詳しくは、イオン導電系転写ローラのV−I特性から設置場所の環境湿度を予測することが可能であり、その予測した環境湿度により、像露光条件変えることにより、環境湿度に依存することなく、常に良好な画像を得ることができる。
【0077】
実施例4においては、画像形成装置が置かれている環境と、画像形成装置内の湿度に応じて、現像条件を最適化することで、かぶりや濃度薄等の画像不良を最低限に抑え、長期に渡って、どの環境に於いても、良質な画を提供することを目的とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1、第2、第3、第4の実施例の画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】イオン導電系転写ローラと従来の導電性転写ローラの環境V−I特性のグラフ。
【図3】本実施例を実施した時に用いたイオン導電系転写ローラのV−I特性のグラフ。
【図4】本実施例を実施した時に用いたイオン導電系転写ローラに転写バイアスとして4kV印加した際のV−I特性より求めた湿度と転写ローラの抵抗値の関係のグラフ(直線的に変化する場合)。
【図5】本実施例を実施した時に用いたイオン導電系転写ローラに転写バイアスとして4kV印加した際のV−I特性より求めた湿度と転写ローラの抵抗値の関係のグラフ(直線的に変化しない場合)。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 帯電バイアス用電源
4 露光装置
5 現像装置
5a 現像スリーブ
5b 現像マグネット
6 現像バイアス用電源
7 転写ローラ
8 転写バイアス用電源
9 クリーナ
10 除電用露光装置
11 温度検知手段
12 加熱部材
13 ヒータ
14 加圧部材
15 ヒータ用電源
20 転写電流量測定装置(電流計)
21 ROM(情報記録部)
22 CPU(比較演算・四則演算・フィードバック指示部)
P 転写材
【発明の属する技術分野】
本発明は、単色、カラーにかかわらず、アナログ及びデジタル複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置、その中でも、像担持体の表面に形成されたトナー像を紙などの転写材へ転写する転写手段として転写ローラを有し、特に導電性材料からなる転写ローラを用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置では、像担持体、現像剤、転写材等は、画像形成装置の置かれている場所の周囲環境条件に影響を受け、また、像担持体の感度、現像剤の帯電負荷量、転写材の抵抗値が変化すること等により、該画像形成装置で形成された画像に影響が出る。
【0003】
このため、温度センサ、湿度センサといった環境検知装置などを画像形成装置本体に持ち、該装置により検知した条件により電子写真画像形成プロセスを変化させていた。また、画像形成装置本体に各種条件を入力するスイッチを備え、当該スイッチを操作入力することで電子写真画像形成プロセスを変化させるものがある。
【0004】
帯電処理後は画像内容に応じた像露光が為され、像担持体上に静電潜像が形成される。
【0005】
この像担持体表面に形成した静電潜像を一成分現像剤の磁性トナーによって現像する現像装置には、現像剤担持部材としての現像スリーブと磁性トナー粒子の摩擦により、感光ドラム上の静電像電荷と現像基準電位に対し逆極性の電荷を磁性トナー粒子に与え、この磁性トナーを現像スリーブ上に極めて薄く塗布して感光ドラムと現像スリーブとが対向した現像領域に搬送し、現像領域において磁性トナーを感光ドラム表面の静電潜像に飛翔、付着して現像し、静電潜像をトナー像として顕像化するものが知られている。
【0006】
更に、像担持体とこれに圧接する転写ローラとを備え、これら両者の間に転写材を通過させると共に、このとき転写ローラに電圧を印加して、像担持体側のトナー像を転写材に転写するように構成した画像形成装置も提案されている。このような接触転写方式をとる画像形成装置は、従来からひろく実用されているコロナ放電器を使用するものに比して、高圧電源を必要としないのでコスト的にも有利である。コロナワイヤ電極もないのでそれの汚れによる障害もない、高圧放電に基づくオゾンの発生や、窒化物の生成もなく、これらによる像担持体、画質の劣化なども少ないなど種々な利点がある。しかし、その反面、転写ローラが環境によってV−I特性が大きく変化することが知られている。
【0007】
そこで、本出願人により先に出願された特願平01−85189号に示す転写ローラに対して定電圧制御、定電流制御(ATVC、Active Transfer Voltage Control)が行われている。これは、像担持体と、この像担持体との間にニップ部を形成し、このニップ部で前記像担持体上の像を転写材に転写する転写ローラと、を有する画像形成装置において、前記ニップ部に転写材がない時に前記転写ローラに定電流制御を行い、転写材への像転写を行う時に前記定電流制御中に前記転写ローラに生じた電圧値V1に応じた電圧値V2(ただしV2>V1)で前記転写ローラを定電圧制御するものである。これにより、環境によって転写ローラのV−I特性が変化しても、常時安定して良好な転写性が得られるので、良質な画像を得る事が出来る。しかし、このATVC制御は転写ローラの抵抗値の変化に対応するためのものであり、環境を特定するものではない。そのため、ATVC制御を備えた画像形成装置においても、画像形成装置が置かれている環境を知るためには、別途、温湿度センサを備える必要がある。
【0008】
また、従来、画像形成装置などに用いられる導電性ローラはEPDM(エチレンプロピレンゴム)などを材料とした導電性ローラが用いられてきた。しかしながら、環境によってこのローラの抵抗値が多少変化し、かつ転写材の抵抗値も変化するため、画像形成装置などに用いる際、良質な画像を得るために、環境センサ等の温湿度検知手段によって、環境を検知し、その環境に適した転写電圧を印加して用いられてきた。また、量産時における個々のローラの抵抗値にばらつきがあるため、このローラに一定の電圧を印加し、その際の電流値をもとに、そのローラに応じた最適な転写電圧を印加して用いられてきた。
【0009】
転写後、転写材は像担持体の表面から分離されての定着装置に送られ、転写トナー画像が転写材上に永久固着画像として定着され、プリントあるいはコピーとして機外へ排出される。この定着装置には温度検知手段とヒータに給電を行う給電手段が備えられており、定着部材の温度を検知し、給電手段を用いて、転写材上の画像を永久固着に適した温度に制御する。
【0010】
一方、像担持体は、そのまま回転を続け、表面に付着している残留現像剤等の付着物が清掃手段によって除去され、次の画像形成プロセスに備える。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記の画像形成装置における従来例において、像担持体の帯電特性および光電特性や、現像剤、転写材等は、画像形成装置の置かれている環境に影響を受け、また、像担持体の感度、現像剤の帯電負荷量、転写材の抵抗値が変化すること等により、濃度薄やゴースト、かぶり等を招くことがある。これらの環境による影響を軽減する為には、現像条件を変更すれば良い。例えば、現像バイアスの直流成分、現像バイアスの交流成分の電圧、現像バイアスの交流成分の周波数、現像スリーブの周速、弾性ブレードの当接圧等の現像条件を変更すれば環境による影響がなく、良質な画が得られるが、これらの各現像条件は、各環境下で、最適な条件が異なってしまうという弊害がある。
【0012】
それらを回避する為に、温度センサ、湿度センサといった環境検知装置などを画像形成装置本体に持ち、この装置により検知した条件により作像条件を変化させたり、画像形成装置本体に各種条件を入力するスイッチを備え、このスイッチを操作入力することで作像プロセス条件を変化させたりして、良質な画像を得ていた。
【0013】
しかしながら、前者にあっては、それぞれのセンサ及び検知装置が必要になり、製造コストが高くなり、温湿度センサの最適な設置場所を検討し、その上で使用環境に最適な作像条件を見出す等の必要がある。また、精度の高い検出をするためには、それなりのスペースがいるため、省スペースが叫ばれる昨今、装置小型化のネックになる。このため、設計時の工程数が増大すると共に、コストやスペースなどがかかり、設計上の自由度が小さくなる。また後者にあっては、上記のような製造コスト、スペース、検出精度といった問題は幾分軽減されるものの、使用者が画像形成装置のところに直接行って条件設定をしなければならないため、画像形成装置がネットワークで繋がっていたりして近くにない場合は、操作をしに行くのが煩わしく、実際にはやってもらえないこともある。
【0014】
(本発明の目的)
そこで本出願に係る発明の目的は、上述事情に鑑みてなされたものであり、温湿度センサを用いることなく、既存の機能部材により温度と湿度を精度良く算出する手段を設けることにより、製品の製造および部品のコストアップをすることなく、温度と湿度を精度良く算出する事が可能な装置において、この温度と湿度の値に応じて、現像手段の現像条件を最適化し、様々な環境に応じて、長期に渡って良質な画像を得ることができる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決することを目的としてなされたもので、上述の課題を解決する一手段として以下の構成を備える。
【0016】
まず、本発明で用いられる転写ローラとして、ニトリル―ブタジエンゴム(以下、「NBR」とうい)を材質とした導電性ローラ、ポリウレタンゴムを材質とした導電性ローラ等がある。NBR材質の導電性ローラの構成は、ローラ芯金上に設けた弾性層を有するもので、弾性層にはアクリロニトリル―ブタジエンゴムおよびアルコキシエチルアジペートを含有したものである。また、ポリウレタンゴム材質の導電性ローラの構成は、ローラ芯金上に設けた弾性層を有するもので、弾性層には発泡ウレタンを含有したものである。
【0017】
これらNBR、ポリウレタンゴムなどのイオン導電系材料から構成された導電性ローラは、量産時における個々のローラの抵抗値のばらつきが小さく、また、環境による抵抗値の変化が大きい為、これらのローラの印加電圧に対する電流値の関係である「V−I特性」を前もって測定し環境毎の特徴を把握し情報を蓄積しておくことで、ある時期に於いて、イオン導電系転写ローラのV−I特性を調べることにより、装置と転写材の置かれている環境の温度、湿度と、装置内の湿度とを算出する事が可能となる訳である。
【0018】
つまり、環境に応じて抵抗値が変化するイオン導電性転写ローラを用いる画像形成装置等においては、別途温湿度センサを設置することなく温度と湿度を検出でき、省スペース化、コストダウンを行いながら、良質な画像が得られることが可能である。
【0019】
そして得られた環境情報により、作像条件を制御することにより、様々な環境に応じて、良質な画像を得ることができる画像形成装置を提供することが出来るわけである。
【0020】
即ち、本出願に係る第1の発明によれば、上記目的は、像担持体と、該像担持体上を帯電処理する帯電手段と、該像担時体上に像露光し潜像を形成する像露光手段と、現像剤により該潜像を可視化する現像手段と、該像担持体の表面に形成された現像剤像を転写材へ転写する転写ローラからなる転写手段と、該転写ローラは環境に応じて印加電圧に対する電流値の関係(以下、「V−I特性」という)が変化するイオン導電系材料から構成された導電性ローラ(以下、「イオン導電系転写ローラ」という)であり、更に、転写材上の現像剤を転写材に定着させる定着装置とを有する画像形成装置において、該定着装置の温度検知手段によって検知された温度と、該転写ローラに環境検出用の電圧を印加し、その時の該転写ローラのV−I特性から得られた該V−I特性とで、該画像形成装置が置かれている周辺環境の湿度を算出し、該画像形成装置と転写材が置かれている温度と湿度を精度良く、検出する事で達成できる。
【0021】
また、本出願に係る第2の発明によれば、上記目的は、像担持体と、該像担持体上を帯電処理する帯電手段と、該像担時体上に像露光し潜像を形成する像露光手段と、現像剤により該潜像を可視化する現像手段と、該像担持体の表面に形成された現像剤像を転写材へ転写する転写ローラからなる転写手段と、該転写ローラはV−I特性が変化するイオン導電系転写ローラであり、このV−I特性が直線的に変化する該転写ローラであり、更に、転写材上の現像剤を転写材に定着させる定着装置とを有する画像形成装置において、該画像形成装置の電源ON時に、該定着装置の温度検知手段によって得られた温度が朝一状態である時、該定着装置の温度検知手段によって検知された温度T0と、該転写ローラに環境検出用の電圧を印加し、その時の該転写ローラのV−I特性から得られた湿度H0とで、該画像形成装置と転写材が置かれている周辺環境の温湿度を算出し、この温度T0と、湿度H0と、該定着装置の温度が朝一状態から飽和するまでの該転写ローラのV−I特性から得られた抵抗値変化量ΔRとから、次式、
H1=H0+ΔRtanθ
より、コピー時、又はプリント時の該画像形成装置内の湿度H1を算出し、該画像形成装置と該転写材が置かれている温度と湿度と、画像形成装置内の湿度を精度良く、検出する事で達成できる。
【0022】
また、本出願に係る第3の発明によれば、上記目的は、像担持体と、該像担持体上を帯電処理する帯電手段と、該像担時体上に像露光し潜像を形成する像露光手段と、現像剤により該潜像を可視化する現像手段と、該像担持体の表面に形成された現像剤像を転写材へ転写する転写ローラからなる転写手段と、該転写ローラはV−I特性が変化するイオン導電系転写ローラであり、そのV−I特性が直線的に変化しない該転写ローラであり、更に、転写材上の現像剤を転写材に定着させる定着装置とを有する画像形成装置において、該画像形成装置の電源ON時に、該定着装置の温度検知手段によって得られた温度が朝一状態である時、該定着装置の温度検知手段によって検知された温度T0と、該転写ローラに環境検出用の電圧を印加し、その時の該転写ローラのV−I特性から得られた湿度H0とで、該画像形成装置と転写紙が置かれている周辺環境の温度と湿度を算出し、この温度T0と、湿度H0と、該定着装置の温度検知手段によって得られた温度が飽和した時の該転写ローラのV−I特性から得られた抵抗値と、該転写ローラのV−I特性のテーブルとから、該画像形成装置内の湿度H1を算出し、精度良く、該画像形成装置と該転写材が置かれている温度と湿度と、画像形成装置内の湿度を算出することで達成できる。
【0023】
また、本出願に係る第4の発明によれば、上記目的は、請求項1の画像形成装置において、該画像形成装置が置かれている周辺環境の温度と湿度に応じて電子写真画像形成プロセスを変化させることで達成できる。
【0024】
また、本出願に係る第5の発明によれば、上記目的は、請求項2、3の画像形成装置において、該画像形成装置が置かれている周辺環境の温度と湿度と該画像形成装置内の湿度に応じて電子写真画像形成プロセスを変化させることで達成できる。
【0025】
また、本出願に係る第6の発明によれば、上記目的は、請求項4、5の画像形成装置において、変化させる電子写真画像形成プロセスを、現像条件を変化させることを特徴とすることで達成できる。
【0026】
また、本出願に係る第7の発明によれば、上記目的は、請求項6の画像形成装置において、上記現像条件の変化は、現像バイアスを変化させることで達成できる。
【0027】
また、本出願に係る第8の発明によれば、上記目的は、請求項6の画像形成装置において、上記現像条件の変化は、現像バイアスの交流成分の電圧を変化させることで達成できる。
【0028】
また、本出願に係る第9の発明によれば、上記目的は、請求項6の画像形成装置において、上記変化させる前記現像条件を現像バイアスの交流成分の周波数とすることで達成できる。
【0029】
また、本出願に係る第10の発明によれば、上記目的は、請求項6の画像形成装置において、上記変化させる前記現像条件を現像スリーブの周速とすることで達成できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る一実施例を詳細に説明する。
【0031】
(第1の実施例)
以下に図1、図3を参照してこの発明の実施の形態を説明する。
【0032】
図1は、一実施例の画像形成装置の概略図である。本例の画像形成装置は、電子写真プロセス利用の転写式のレーザービームプリンタもしくは複写機である。
【0033】
1は、静電潜像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと称す)であり、矢印mの時計方向に所定のプロセススピードをもって回転駆動される。感光ドラム1は、その回転過程で一次帯電装置2より所定の極性、電位に均一に帯電される。本例では、感光ドラム1をマイナスに帯電処理する。
【0034】
本例の一次帯電装置2は、接触帯電ローラ2であり、感光ドラム1の回転に伴い従動回転する。装置によっては、感光ドラム1とは別に帯電ローラ2を別駆動する場合もある。そして、電源3から所定の交流電圧に所定の直流電圧を重畳したバイアス電圧を印加することで、回転感光ドラム1の周表面が接触帯電方式で所定の極性、電位に帯電処理される。
【0035】
次いで、その帯電処理面に対して、レーザースキャナ等の像露光手段4により目的の画像情報の像露光処理がなされて、感光ドラム1表面に目的の画像情報の静電潜像が形成される。
【0036】
その静電潜像が、現像装置5の現像スリーブ5aに薄層状に担持されたトナーによって、現像されて可視画像(トナー画像)となる。現像スリーブ5aは、不図示のクラッチにより制御され、画像領域において回転する。そして、電源6より所定のバイアス電圧(直流電圧に交流電圧を重畳。以後現像バイアスと称する)を印加することで、感光ドラム1にトナーが供給される。
【0037】
本実施例では、感光ドラム1上をマイナスに帯電処理し、像露光処理にてトナー画像となる部分を除電し、マイナスに帯電したトナー(ネガトナー)を用いて顕画化する反転現像方式を例にあげる。
【0038】
そのトナー画像が、感光ドラム1とこれに接触させた転写部材7との間の接触ニップ部である転写部において、該転写部に給紙部側から所定のタイミングで給送された転写材Pに対して順次に転写されていく。転写部材7は接触帯電式の転写ローラ7であり、感光ドラム1に圧接させてあり、感光ドラム1の回転に従動して回転する。装置によっては、感光ドラム1とは別に転写ローラ7を別駆動する場合もある。
【0039】
転写材Pは、この転写部に給送されていく。転写部に転写材Pの先端が突入すると、転写ローラ7に電源8からの所定の転写用のバイアスが印加され、転写ローラ7が接触している転写材P裏面がトナーと逆極性に接触帯電式で帯電されて、感光ドラム1のトナー画像が転写材Pの表面に転写される。
【0040】
転写部を通ってトナー画像の転写を受けた転写材Pは、感光ドラム1の表面から分離されて、定着装置に送られる。
【0041】
定着装置は、中心部にヒータ13を配置した加熱部材12と加圧部材14とが互いに圧接しており、このニップ部を転写紙Pが走行するようになっており、11は加熱部材12に対設した温度検知手段である。この温度検知手段11によって、電源15から供給されるヒータの入力電圧を制御し、温度調整を行っている。この加熱部材12と加圧部材14とのニップ部に転写紙Pが走行し、転写トナー画像が転写材P上に永久固着画像として定着され、プリントあるいはコピーとして機外へ排出される。
【0042】
転写部通過後の感光ドラム1の表面は、クリーナ9によって残留現像剤やその他の付着物が除去されてクリーニングされ、さらに除電器(除電ランプ)10によって除電されて初期化され、繰り返して作像に供される。
【0043】
本件に於いて、転写ローラ7は、イオン導電系材料を用いた硬度の低い弾性体でできているものであり、この転写ローラ7のV−I特性が図3に示すように変化する。図3は、3温度(5℃・20℃・35℃)2湿度(30%・70%)の6環境条件下におけるイオン導電系転写ローラ7のV−I特性を表すグラフである。また転写部は、転写ローラ7に任意のバイアス電圧を印加する転写電源8、転写ローラ7に流れる電流を測定する転写電流量測定装置(電流計)20、ROM21が配設され、CPU22が付加されている。
【0044】
定着装置に備えられている温度検知手段11には、CPU22が付加され、該温度検知手段11によって得られた温度をROM21に記憶されている転写ローラ7のV−I特性のデータと比較する。
【0045】
ROM21は、環境を特定するための転写ローラ7のV−I特性のデータを記憶している。CPU22は、ROM21から読み出された環境を特定するための転写ローラ7のV−I特性のデータと、転写ローラ7に流れている電流値と該温度検知手段11によって得られた温度とを比較し、画像形成装置と転写材が置かれている環境を判断し、かつ、画像形成装置内の湿度を算出する。
【0046】
そしてまた、大きく環境を変化させた時の、従来用いられてきた導電性転写ローラと、本発明で用いられるイオン導電系転写ローラのV−I特性を比較したのが図2である。環境は3環境であり、H/H(室温35℃/湿度90%)環境、N/N(室温20℃/湿度50%)環境、L/L(5℃/10%)環境である。見て解るように、従来用いられてきた導電性転写ローラに比べ、本発明で用いられるイオン導電系転写ローラの環境変化がとても大きい。これは装置の周辺環境で、転写ローラの抵抗値が大きく変わると言うことであり、使いこなす為には幾分の制御が必要となる。しかしながら、この周辺環境による転写ローラ抵抗値の変化を逆に利用することで、転写ローラの抵抗値から周辺環境は予測することが可能となる訳である。
【0047】
ここで、定着装置に備えられている定着部材12の温度を検知する温度検知手段11を用いる事で、温度のみならず、図3から湿度を正確に算出する事が可能である。
【0048】
本実施例に於いては、画像形成装置の電源がONされた際に、定着装置に備えられている定着部材12の温度検知手段11により検知された温度が朝一状態の温度の時、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度を検出し、その後、転写ローラ7に4kVの定電圧を印加し、その時の電流量と、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度から、画像形成装置と転写材が置かれている環境を検知する。本実施例に於いて、該温度検知手段11によって得られた温度が20℃とし、転写ローラに4kV定電圧印加時、電流計20で測定された転写電流量が、16μAであったならば、画像形成装置と転写材が置かれている環境の湿度が70%であると算出される。また、該温度検知手段11によって得られた温度が5℃で、7μAであった時には、画像形成装置と転写材が置かれている環境の湿度は30%である。実際には、検出した電流値をROM21に記憶されている値とをCPU22にて比較し、画像形成装置と転写材が置かれている環境の湿度を割り出している。これらから、画像形成装置と転写材が置かれている温度と湿度を検出する事が可能である。
【0049】
このようにして、環境に応じて抵抗値が変化するイオン導電系材料から構成されたイオン導電系ローラを用い、温度センサ、湿度センサを用いないことにより、省スペース化、コストダウンを行いながら、良質な画像が得られることが可能となるのである。
【0050】
以上、本発明を好適な実施形態例に基づいて説明したが、環境を特定する為に転写ローラに印加するバイアスを定電圧とし電流を検出したが、定電流制御を行いその時に印加したバイアスの電圧より環境を予測できると言うことは、図3を見ても明らかであり、本発明の範囲に含まれる。
【0051】
(第2の実施例)
次に本発明の第2の実施例について説明する。基本的な構成は実施例1、図1と同様である。本実施例においては、転写ローラ7のV−I特性から得られた湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係が、直線的に変化する場合のコピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度を算出する。
【0052】
以下に図1、図4を参照して、この発明の実施の形態を説明する。
【0053】
本件に於いて、転写ローラ7は、イオン導電系材料を用いた硬度の低い弾性体でできているものであり、この転写ローラ7のV−I特性から得られた湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係が図4に示すように、直線的に変化する。図4は、3温度(5℃・20℃・35℃)2湿度(30%・70%)の6環境条件下におけるイオン導電系転写ローラ7のV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のグラフである。また転写部は、転写ローラ7に任意のバイアス電圧を印加する転写電源8、転写ローラ7に流れる電流を測定する転写電流量測定装置(電流計)20、ROM21が配設され、CPU22が付加されている。
【0054】
定着装置に備えられている温度検知手段11には、CPU22が付加され、該温度検知手段11によって得られた温度T0をROM21に記憶されているV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のデータと比較する。
【0055】
ROM21は、環境を特定するためのV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のデータを記憶している。
【0056】
CPU22は、ROM21から読み出された環境を特定するためのV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のデータと、転写ローラ7に流れている電流値から求めた抵抗値とを比較し、画像形成装置と転写材が置かれている環境を判断し、画像形成装置と転写材が置かれている温度T0と湿度H0を算出する。定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度が飽和した際、再度、転写ローラ7に流れている電流値から抵抗値を求め、転写ローラの抵抗値の変化量ΔRを求める。これら3つの値と、H1=H0+ΔRtanθから、CPU22で計算を行い、コピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度H1を求める。tanθは、図4から分るように、温度の変化量を、転写ローラの抵抗値の変化量で割った転写ローラの定数として得られる。
【0057】
本実施例に於いては、画像形成装置の電源がONされた際に、定着装置に備えられている定着部材12の温度検知手段11により検知された温度が朝一状態の温度の時、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度T0を検出し、その後、転写ローラ7に4kVの定電圧を印加し、その時の電流量から求められた転写ローラの抵抗値と、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度から、画像形成装置が置かれている温度T0と湿度H0を検出する。その後、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度が飽和した際、再度、転写ローラ7に流れている電流値から抵抗値を求め、転写ローラの抵抗値の変化量ΔRを求め、H1=H0+ΔRtanθから、コピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度H1を求める。
【0058】
本実施例に於いて、該温度検知手段11によって得られた温度T0が20℃とし、図4に示す温度20℃の直線のグラフが選択される。その後、転写ローラに4kV定電圧印加時、電流計20で測定された転写電流量が、19μAであったならば、転写ローラの抵抗値は2.1×105kΩであり、環境湿度H0が70%であると算出される。次に、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度が飽和した際、再度、転写ローラ7に4kV定電圧印加を行い、転写電流値が7μAであったならば、転写ローラの抵抗値は、5.8×105kΩであり、この転写ローラの抵抗値の変化量ΔRは3.7×105kΩである。また、本実施例に於ける転写ローラのtanθは、1.08×10−7であるので、コピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度H1=H0+ΔRtanθは、30%と算出される。
【0059】
このようにして、環境に応じて抵抗値が変化するイオン導電系材料から構成されたイオン導電系ローラを用い、温度、湿度センサを用いないことにより、省スペース化、コストダウンを行いながら、良質な画像が得られることが可能となるのである。
【0060】
以上、本発明を好適な実施形態例に基づいて説明したが、環境を特定する為に転写ローラに印加するバイアスを定電圧とし電流を検出したが、定電流制御を行いその時に印加したバイアスの電圧より環境を予測できると言うことは、図4を見ても明らかであり、本発明の範囲に含まれる。
【0061】
(第3の実施例)
次に本発明の第3の実施例について説明する。基本的な構成は実施例1、2、図1と同様である。本実施例においては、転写ローラ7のV−I特性から得られた湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係が、直線的に変化しない場合のコピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度を算出する。
【0062】
以下に、図1、図5を参照して、この発明の実施の形態を説明する。
【0063】
本件に於いて、転写ローラ7は、イオン導電系材料を用いた硬度の低い弾性体でできているものであり、この転写ローラ7のV−I特性が図5に示すように、直線的に湿度と転写ローラ7の抵抗値が変化しない。図5は、3温度(5℃・20℃・35℃)2湿度(30%・70%)の6環境条件下におけるイオン導電系転写ローラ7のV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のグラフである。また転写部は、転写ローラ7に任意のバイアス電圧を印加する転写電源8、転写ローラ7に流れる電流を測定する転写電流量測定装置(電流計)20、ROM21が配設され、CPU22が付加されている。
【0064】
定着装置に備えられている温度検知手段11には、CPU22が付加され、該温度検知手段10によって得られた温度をROM21に記憶されているV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のデータと比較し、湿度を算出する。
【0065】
ROM21は、環境を特定するためのV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のデータを記憶している。
【0066】
CPU22は、ROM21から読み出された環境を特定するためのV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のデータと、転写ローラ7に流れている電流値から求めた抵抗値とを比較し、画像形成装置と転写材が置かれている環境を判断し、画像形成装置と転写材が置かれている温度と湿度を算出する。定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度が飽和した際、再度、転写ローラ7に流れている電流値から抵抗値を求め、CPU22で、ROM21から読み出された環境を特定するためのV−I特性より求めた、湿度と転写ローラ7の抵抗値との関係のデータと比較を行い、コピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度を求める。
【0067】
本実施例に於いては、画像形成装置の電源がONされた際に、定着装置に備えられている定着部材12の温度検知手段11により検知された温度が朝一状態の温度の時、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度を検出し、その後、転写ローラ7に4kVの定電圧を印加し、その時の電流量から求められた転写ローラの抵抗値と、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度から、画像形成装置が置かれている温度と湿度を検出する。その後、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度が飽和した際、再度、転写ローラ7に流れている電流値から抵抗値を求め、コピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度H1を求める。
【0068】
本実施例に於いて、該温度検知手段11によって得られた温度が35℃とし、図4に示す温度35℃の曲線のグラフが選択される。その後、転写ローラに4kV定電圧印加時、電流計20で測定された転写電流量が、20μAであったならば、転写ローラの抵抗値は2.0×105kΩであり、環境湿度が70%であると算出される。次に、定着装置に備えられている温度検知手段11によって得られた温度が飽和した際、再度、転写ローラ7に4kV定電圧印加を行い、転写電流値が8μAであったならば、転写ローラの抵抗値は、5.0×105kΩが得られ、図5の32℃のグラフより、コピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度が30%ということが算出される。よって、画像形成装置と転写材が置かれている温度、湿度、コピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度が得られた。
【0069】
このようにして、環境に応じて抵抗値が変化するイオン導電系材料から構成されたイオン導電系ローラを用い、温度、湿度センサを用いないことにより、省スペース化、コストダウンを行いながら、良質な画像が得られることが可能となるのである。
【0070】
以上、本発明を好適な実施形態例に基づいて説明したが、環境を特定する為に転写ローラに印加するバイアスを定電圧とし電流を検出したが、定電流制御を行いその時に印加したバイアスの電圧より環境を予測できると言うことは、図4を見ても明らかであり、本発明の範囲に含まれる。
【0071】
(第4の実施例)
次に本発明の第4の実施例について説明する。基本的な構成は実施例1、2、3、図1と同様である。本実施例においては、感光ドラム、現像剤、転写材等が、画像形成装置と転写材の置かれている場所の周囲環境条件に影響を受け、また、感光ドラムの感度、現像剤の帯電負荷量、転写材の抵抗値が、転写紙や画像形成装置が置かれている環境と、画像形成装置内の湿度によって変化し、不良画像が発生する。そこで、転写ローラ7を用いて、画像形成装置と転写材が置かれている環境、また、コピー時、又はプリント時の画像形成装置内の湿度を求めるのは、同じである。この得られた温度、湿度を用いて、現像プロセスの制御を行うことが可能な実施例である。
【0072】
高湿環境に比べ、低湿環境に於いては、濃度薄やかぶり等が発生し、画像不良となる。濃度薄やかぶりは、トナーの電荷量が大きくなって発生したり、画像形成装置と転写材が置かれている環境によって発生する。
【0073】
そこで、本実施例においての画像形成装置では、画像形成装置と転写材が置かれている環境が23℃、50%の際、現像バイアスの交流成分の電圧が1600V、現像バイアスの交流成分の周波数が2000Hz、現像バイアスの直流成分の電圧が420V、弾性ブレードの当接圧が25gfであるが、低湿環境において、かぶりや濃度薄等の画像不良が発生するため、画像形成装置と転写材が置かれている環境が20℃、30%の環境であると、実施例1、2、3の方法で得られた際、現像バイアスの交流成分の電圧が1800V、現像バイアスの交流成分の周波数が2200Hz、現像バイアスの直流成分の電圧が375V、弾性ブレードの当接圧が20gfに変更する事で、良質な画が得られる事が可能である。
【0074】
以上、本発明を好適な実施形態例に基づいて説明したが、環境を特定する為に転写ローラに印加するバイアスを定電圧とし電流を検出したが、定電流制御を行いその時に印加したバイアスの電圧より環境を予測できると言うことは、図4を見ても明らかであり、本発明の範囲に含まれる。
【0075】
また、今回、画像形成装置と転写材が置かれている環境と、画像形成装置内の湿度が同じ場合の実施例を記述したが、異なった場合でも、制御を変更し、最適な現像条件を合わせこみ、良質な画が得られることが可能である。
【0076】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は、イオン導電系材料からなる転写ローラを用いることにより、湿度検知装置の内蔵が不要になりコストが安くなると共に、装置の小型化が可能となるのである。詳しくは、イオン導電系転写ローラのV−I特性から設置場所の環境湿度を予測することが可能であり、その予測した環境湿度により、像露光条件変えることにより、環境湿度に依存することなく、常に良好な画像を得ることができる。
【0077】
実施例4においては、画像形成装置が置かれている環境と、画像形成装置内の湿度に応じて、現像条件を最適化することで、かぶりや濃度薄等の画像不良を最低限に抑え、長期に渡って、どの環境に於いても、良質な画を提供することを目的とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1、第2、第3、第4の実施例の画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】イオン導電系転写ローラと従来の導電性転写ローラの環境V−I特性のグラフ。
【図3】本実施例を実施した時に用いたイオン導電系転写ローラのV−I特性のグラフ。
【図4】本実施例を実施した時に用いたイオン導電系転写ローラに転写バイアスとして4kV印加した際のV−I特性より求めた湿度と転写ローラの抵抗値の関係のグラフ(直線的に変化する場合)。
【図5】本実施例を実施した時に用いたイオン導電系転写ローラに転写バイアスとして4kV印加した際のV−I特性より求めた湿度と転写ローラの抵抗値の関係のグラフ(直線的に変化しない場合)。
【符号の説明】
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 帯電バイアス用電源
4 露光装置
5 現像装置
5a 現像スリーブ
5b 現像マグネット
6 現像バイアス用電源
7 転写ローラ
8 転写バイアス用電源
9 クリーナ
10 除電用露光装置
11 温度検知手段
12 加熱部材
13 ヒータ
14 加圧部材
15 ヒータ用電源
20 転写電流量測定装置(電流計)
21 ROM(情報記録部)
22 CPU(比較演算・四則演算・フィードバック指示部)
P 転写材
Claims (12)
- 像担持体と、該像担持体上を帯電処理する帯電手段と、該像担時体上に像露光し潜像を形成する像露光手段と、現像剤により該潜像を可視化する現像手段と、該像担持体の表面に形成された現像剤像を転写材へ転写する転写ローラからなる転写手段と、該転写ローラは環境に応じて印加電圧に対する電流値の関係(以下、「V−I特性」という)が変化するイオン導電系材料から構成された導電性ローラ(以下、「イオン導電系転写ローラ」という)であり、更に、転写材上の現像剤を転写材に定着させる定着装置とを有する画像形成装置において、
該定着装置の温度検知手段によって検知された温度と、該転写ローラに環境検出用の電圧を印加し、この時の該転写ローラのV−I特性から得られた該V−I特性とで、該画像形成装置が置かれている周辺環境の湿度を算出し、該画像形成装置と転写材が置かれている温度と湿度を精度良く、検出することを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、該像担持体上を帯電処理する帯電手段と、該像担時体上に像露光し潜像を形成する像露光手段と、現像剤により該潜像を可視化する現像手段と、該像担持体の表面に形成された現像剤像を転写材へ転写する転写ローラからなる転写手段と、該転写ローラはV−I特性が変化するイオン導電系転写ローラであり、このV−I特性が直線的に変化する該転写ローラであり、更に、転写材上の現像剤を転写材に定着させる定着装置とを有する画像形成装置において、
該画像形成装置の電源ON時に、該定着装置の温度検知手段によって得られた温度が朝一状態である時、該定着装置の温度検知手段によって検知された温度T0と、該転写ローラに環境検出用の電圧を印加し、その時の該転写ローラのV−I特性から得られた湿度H0とで、該画像形成装置と転写材が置かれている周辺環境の温度と湿度を算出し、この温度T0と、湿度H0と、該定着装置の温度検知手段によって得られた温度が朝一状態から飽和するまでの該転写ローラのV−I特性から得られた抵抗値変化量ΔRとから、次式、
H1=H0+ΔRtanθ
より、コピー時、又はプリント時の該画像形成装置内の湿度H1を算出し、該画像形成装置と該転写材が置かれている温度と湿度と、画像形成装置内の湿度を精度良く、検出する事を特徴とする画像形成装置。 - 像担持体と、該像担持体上を帯電処理する帯電手段と、該像担時体上に像露光し潜像を形成する像露光手段と、現像剤により該潜像を可視化する現像手段と、該像担持体の表面に形成された現像剤像を転写材へ転写する転写ローラからなる転写手段と、該転写ローラはV−I特性が変化するイオン導電系転写ローラであり、そのV−I特性が直線的に変化しない該転写ローラであり、更に、転写材上の現像剤を転写材に定着させる定着装置とを有する画像形成装置において、
該画像形成装置の電源ON時に、該定着装置の温度検知手段によって得られた温度が朝一状態である時、該定着装置の温度検知手段によって検知された温度T0と、該転写ローラに環境検出用の電圧を印加し、この時の該転写ローラのV−I特性から得られた湿度H0とで、該画像形成装置と転写材が置かれている周辺環境の温湿度を算出し、この温度T0と、湿度H0と、該定着装置の温度検知手段によって得られた温度が飽和した時の該転写ローラのV−I特性から得られた抵抗値と、該転写ローラのV−I特性のテーブルとから、
該画像形成装置内の湿度H1を算出し、精度良く、該画像形成装置と該転写材が置かれている温度と湿度と、画像形成装置内の湿度を算出する事を特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、該画像形成装置が置かれている周辺環境の温度と湿度に応じて電子写真画像形成プロセスを変化させることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項2、3の画像形成装置において、該画像形成装置が置かれている周辺環境の温度と湿度と該画像形成装置内の湿度に応じて電子写真画像形成プロセスを変化させることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項4、5の画像形成装置において、変化させる電子写真画像形成プロセスを、現像条件を変化させることを特徴とする画像形成装置。
- 前記現像条件の変化は、現像バイアスを変化させるものであることを特徴とする請求項6の画像形成装置。
- 前記現像条件の変化は、現像バイアスの交流成分の電圧を変化させるものであることを特徴とする請求項7の画像形成装置。
- 前記現像条件の変化は、現像バイアスの交流成分の周波数を変化させるものであることを特徴とする請求項7の画像形成装置。
- 前記現像条件の変化は、現像バイアスの直流成分の電圧を変化させるものであることを特徴とする請求項7の画像形成装置。
- 前記現像条件の変化は、現像スリーブ周速を変化させるものであることを特徴とする請求項6の画像形成装置。
- 前記現像条件の変化は、弾性ブレードの当接圧を変化させるものであることを特徴とする請求項6の画像形成装置。
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Cited By (3)
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JP2008039832A (ja) * | 2006-08-01 | 2008-02-21 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成装置、および画像形成装置の制御方法 |
JP2012053124A (ja) * | 2010-08-31 | 2012-03-15 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 画像形成装置及びその制御方法 |
EP2957961A2 (en) | 2014-06-17 | 2015-12-23 | Funai Electric Company Ltd | Image forming apparatus and method of controlling the same |
-
2003
- 2003-05-07 JP JP2003128695A patent/JP2004333792A/ja not_active Withdrawn
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