JP2004333454A - マイクロ化学チップおよびその製造方法 - Google Patents

マイクロ化学チップおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】構成を大型化することなく、異なる複数の被処理流体を効率よく混合することができるマイクロ化学チップを提供する。
【解決手段】マイクロ化学チップ1は、被処理流体を流通させる流路12と、流路12に接続され、流路12に被処理理流体をそれぞれ流入させる供給部13a,13bとが形成された基体11を有し、供給部13a,13bから流路12に複数の被処理流体をそれぞれ流入させ、流入された複数の被処理流体を合流させて予め定める処理を施すものである。このマイクロ化学チップ1において、流路12は、供給部13a,13bが接続される位置よりも被処理流体の流通方向下流側に、壁面が親水性(または疎水性)の長さL1の親水性部分(または疎水性部分)12aを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小な流路を流通する基質や試薬などの被処理流体に対して、反応や分析などの予め定める処理を施すことのできるマイクロ化学チップおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、たとえば血液と試薬を混合して反応させる場合のように、異なる複数の被処理流体を混合させて予め定める処理を施すことができるマイクロ化学チップおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、化学技術やバイオ技術の分野では、試料に対する反応や試料の分析などを微小な領域で行うための研究が行われており、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(Micro Electro Mechanical Systems;略称:MEMS)技術を用いて化学反応や生化学反応、試料の分析などのシステムを小型化したマイクロ化学システムが研究開発されている。
【0003】
マイクロ化学システムにおける反応や分析は、マイクロ流路、マイクロポンプおよびマイクロリアクタなどが形成されたマイクロ化学チップと呼ばれる1つのチップを用いて行われる。たとえば、シリコン、ガラスまたは樹脂から成る1つの基体に、試料や試薬などの流体を供給するための供給口と、処理後の流体を導出するための採取口とを形成し、この供給口と採取口とを断面積が微小なマイクロ流路で接続し、流路の適当な位置に送液のためのマイクロポンプを配置したマイクロ化学チップが提案されている(特許文献1参照)。また、送液の手段として、マイクロポンプに代えて、電気浸透現象を利用したキャピラリ泳動型のものも提案されている(特許文献2参照)。これらのマイクロ化学チップでは、流路は所定の位置で合流しており、合流部で流体の混合が行われる。
【0004】
マイクロ化学システムでは、従来のシステムに比べ、機器や手法が微細化されているので、試料の単位体積あたりの反応表面積を増大させ、反応時間を大幅に削減することができる。また流量の精密な制御が可能であるので、反応や分析を効率的に行うことができる。さらに反応や分析に必要な試料や試薬の量を少なくすることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−214241号公報(第4−5頁,第1図)
【特許文献2】
特開2001−108619号公報(第4−5頁,第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したマイクロ化学チップでは、流路を流れる被処理流体は層流となる。そのため、複数の供給部からそれぞれ異なる複数の被処理流体を流路に流入させて混合させる場合は、流路を流れる間に生じる拡散現象を利用して複数の被処理流体を混合させるようにしている。したがって、複数の被処理流体を充分に混合させるためには、供給部が流路に接続される接続位置よりも下流側の流路を長く形成する必要がある。
【0007】
しかし、被処理流体を充分に混合させるために流路を長く形成すると、マイクロ化学チップが大型化するという問題が生じる。
【0008】
一方、マイクロ化学チップを小型化するために流路を短く形成すると、被処理流体の混合が不充分になるという問題が生じる。また、被処理流体の混合が不充分な状態では、反応等の予め定める処理を施しても、処理が不充分になる可能性が高くなるという問題も生じる。
【0009】
本発明の目的は、構成を大型化することなく、異なる複数の被処理流体を効率よく混合することができるマイクロ化学チップおよびその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被処理流体を流通させる流路と、該流路に接続され、前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させる複数の供給部とが形成された基体を有し、前記複数の供給部から前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させ、流入された複数の被処理流体を合流させて予め定める処理を施すマイクロ化学チップであって、
前記流路は、前記供給部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側に、壁面が親水性の親水性部分を有することを特徴とするマイクロ化学チップである。
【0011】
本発明に従えば、複数の供給部から被処理流体を流入させると、流入された被処理流体は合流されて流路を流通し、予め定める処理が施される。したがって、複数の供給部からそれぞれ異なる複数の被処理流体を流入させれば、流入された複数の被処理流体が合流されて流路を流通し、予め定める処理が施されることになる。複数の供給部と流路との接続は、すべてを流路の同一位置たとえば最上流部に接続させてもよいし、位置をずらして接続させてもよい。
【0012】
本発明では、流路は、供給部が接続される位置よりも下流側に、壁面が親水性の親水性部分を有しているので、複数の疎水性の被処理流体が合流された後、親水性部分を通過するときに、合流した被処理流体内に乱流が発生する。これは、壁面の性質が異なる流路部分を被処理流体が通過するためである。すなわち、疎水性の被処理流体を合流させる場合は、前記下流側の所定の流路部分の壁面を、その上流側の流路部分の壁面よりも親水性が高くなるように形成することによって、壁面の親水性が低い部分から壁面の親水性が高い部分に、合流した被処理流体が流入した際に、被処理流体内に乱流が発生する。
【0013】
このように合流した被処理流体内に乱流を発生させることによって、複数の被処理流体を混合することができる。これによって、従来のように拡散のみによって混合させる場合に比べて短い流路であっても、複数の被処理流体を充分に混合させることができる。また、複数の被処理流体が充分に混合された状態で予め定める処理が施されるので、混合が不充分な場合に比べて、予め定める処理を確実に施すことができる。さらに、拡散のみによって混合させる場合に比べて流路の長さを短くすることができるので、マイクロ化学チップの小型化を図ることができる。
【0014】
また本発明は、前記基体は、前記流路に接続され、処理後の流体を外部に導出する採取部をさらに有し、
前記親水性部分は、前記供給部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側であって、前記採取部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向上流側に設けられ、
前記複数の供給部から前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させ、流入された複数の被処理流体を合流させて予め定める処理を施した後に、前記採取部から処理後の流体を外部に導出することを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、複数の供給部から流路にそれぞれ流入される複数の疎水性の被処理流体は、合流されて流路の親水性部分を流通することによって速やかに混合され、予め定める処理が施された後に、採取部から外部に導出される。したがって、たとえば2つの供給部を有し、一方の供給部から原料となる疎水性の化合物を流入させ、他方の供給部から試薬を流入させ、化合物と試薬とを充分に混合させて反応させた後、得られた化合物を採取部から取出すことのできる小型のマイクロ化学チップを得ることができる。
【0016】
また本発明は、前記基体は、前記供給部と前記流路とが接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側に、合流された前記被処理流体に対して予め定める処理を施す処理部を有し、
前記親水性部分は、前記供給部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側であって、前記処理部よりも前記被処理流体の流通方向上流側に設けられることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、複数の供給部から流路にそれぞれ流入される複数の疎水性の被処理流体は、合流されて流路の親水性部分を流通することによって速やかに混合され、処理部において予め定める処理が施される。したがって、たとえば2つの供給部を設け、一方の供給部から原料となる疎水性の化合物を流入させ、他方の供給部から試薬を流入させ、化合物と試薬とを合流させて処理部において加熱することによって反応させる場合、化合物と試薬とが充分に混合された状態で加熱することができるので、化合物と試薬とを効率良く反応させ、反応生成物の収率を向上させることができる。
【0018】
また本発明は、被処理流体を流通させる流路と、該流路に接続され、前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させる複数の供給部とが形成された基体を有し、前記複数の供給部から前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させ、流入された複数の被処理流体を合流させて予め定める処理を施すマイクロ化学チップであって、
前記流路は、前記供給部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側に、壁面が疎水性の疎水性部分を有することを特徴とするマイクロ化学チップである。
【0019】
本発明に従えば、複数の供給部から被処理流体を流入させると、流入された被処理流体は合流されて流路を流通し、予め定める処理が施される。したがって、複数の供給部からそれぞれ異なる複数の被処理流体を流入させれば、流入された複数の被処理流体が合流されて流路を流通し、予め定める処理が施されることになる。複数の供給部と流路との接続は、すべてを流路の同一位置たとえば最上流部に接続させてもよいし、位置をずらして接続させてもよい。
【0020】
本発明では、流路は、供給部が接続される位置よりも下流側に、壁面が疎水性の疎水性部分を有しているので、複数の親水性の被処理流体が合流された後、疎水性部分を通過するときに、合流した被処理流体内に乱流が発生する。これは、壁面の性質が異なる流路部分を被処理流体が通過するためである。すなわち、親水性の被処理流体を合流させる場合は、前記下流側の所定の流路部分の壁面を、その上流側の流路部分の壁面よりも疎水性が高くなるように形成することによって、壁面の疎水性が低い部分から壁面の疎水性が高い部分に、合流した被処理流体が流入した際に、被処理流体内に乱流が発生する。
【0021】
このように合流した被処理流体内に乱流を発生させることによって、複数の被処理流体を混合することができる。これによって、従来のように拡散のみによって混合させる場合に比べて短い流路であっても、複数の親水性の被処理流体を充分に混合させることができる。また、複数の被処理流体が充分に混合された状態で予め定める処理が施されるので、混合が不充分な場合に比べて、予め定める処理を確実に施すことができる。さらに、拡散のみによって混合させる場合に比べて流路の長さを短くすることができるので、マイクロ化学チップの小型化を図ることができる。
【0022】
また本発明は、前記基体は、前記流路に接続され、処理後の流体を外部に導出する採取部をさらに有し、
前記疎水性部分は、前記供給部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側であって、前記採取部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向上流側に設けられ、
前記複数の供給部から前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させ、流入された複数の被処理流体を合流させて予め定める処理を施した後に、前記採取部から処理後の流体を外部に導出することを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、複数の供給部から流路にそれぞれ流入される複数の親水性の被処理流体は、合流されて流路の疎水性部分を流通することによって速やかに混合され、予め定める処理が施された後に、採取部から外部に導出される。したがって、たとえば2つの供給部を有し、一方の供給部から原料となる親水性の化合物を流入させ、他方の供給部から試薬を流入させ、化合物と試薬とを充分に混合させて反応させた後、得られた化合物を採取部から取出すことのできる小型のマイクロ化学チップを得ることができる。
【0024】
また本発明は、前記基体は、前記供給部と前記流路とが接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側に、合流された前記被処理流体に対して予め定める処理を施す処理部を有し、
前記疎水性部分は、前記供給部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側であって、前記処理部よりも前記被処理流体の流通方向上流側に設けられることを特徴とする。
【0025】
本発明に従えば、複数の供給部から流路にそれぞれ流入される複数の親水性の被処理流体は、合流されて流路の疎水性部分を流通することによって速やかに混合され、処理部において予め定める処理が施される。したがって、たとえば2つの供給部を設け、一方の供給部から原料となる親水性の化合物を流入させ、他方の供給部から試薬を流入させ、化合物と試薬とを合流させて処理部において加熱することによって反応させる場合、化合物と試薬とが充分に混合された状態で加熱することができるので、化合物と試薬とを効率良く反応させ、反応生成物の収率を向上させることができる。
【0026】
また本発明は、被処理流体を流通させる流路と、前記流路に接続され、前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させる複数の供給部とが形成され、さらに前記流路には、前記供給部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側に壁面が親水性の親水性部分が形成されている基体を有し、前記複数の供給部から前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させ、流入された複数の被処理流体を合流させて予め定める処理を施すマイクロ化学チップの製造方法であって、
セラミックグリーンシートの表面に、予め定める形状の型を押圧して溝部を形成し、
溝部が形成されたセラミックグリーンシートを、所定温度で焼結させることによって基体本体を形成し、
前記基体本体が親水性である場合は、前記溝部の壁面のうち親水性を持たせるべき対象壁面を保護膜で被覆してから、前記対象壁面を除く壁面に疎水化処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に親水性を持たせ、前記基体本体が疎水性である場合は、前記溝部の壁面のうち親水性を持たせるべき対象壁面を除く部分を保護膜で被覆してから、前記対象壁面に親水化処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に親水性を持たせ、
前記基体本体の表面の前記溝部を被覆部材で覆うことによって前記基体を形成することを特徴とするマイクロ化学チップの製造方法である。
【0027】
本発明に従えば、まずセラミックグリーンシートの表面に型を押圧して溝部を形成し、溝部が形成されたセラミックグリーンシートを所定温度で焼結させることによって基体本体を形成する。
【0028】
次に、前記溝部の壁面のうち、親水性を持たせるべき対象壁面に親水性を持たせる処理を行う。前記基体本体が親水性である場合は、前記溝部の壁面のうち親水性を持たせるべき対象壁面を保護膜で被覆してから、前記対象壁面を除く壁面に疎水化処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に親水性を持たせる。前記基体本体が疎水性である場合は、前記溝部の壁面のうち親水性を持たせるべき対象壁面を除く部分を保護膜で被覆してから、前記対象壁面に親水化処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に親水性を持たせる。
【0029】
その後、基体本体の表面に露出している溝部を被覆部材で覆うことによって基体を形成する。これによって、壁面が親水性の親水性部分を有する流路が基体内部に形成される。
【0030】
このようにして基体を形成することによって、供給部が流路に接続される位置よりも被処理流体の流通方向下流側に壁面が親水性の親水性部分を有する流路を備えたマイクロ化学チップを製造することができる。
【0031】
また本発明は、被処理流体を流通させる流路と、前記流路に接続され、前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させる複数の供給部とが形成され、さらに前記流路には、前記供給部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側に壁面が疎水性の疎水性部分が形成されている基体を有し、前記複数の供給部から前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させ、流入された複数の被処理流体を合流させて予め定める処理を施すマイクロ化学チップの製造方法であって、
セラミックグリーンシートの表面に、予め定める形状の型を押圧して溝部を形成し、
溝部が形成されたセラミックグリーンシートを、所定温度で焼結させることによって基体本体を形成し、
前記基体本体が親水性である場合は、前記溝部の壁面のうち疎水性を持たせるべき対象壁面を除く部分を保護膜で被覆してから、前記対象壁面に疎水化処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に疎水性を持たせ、前記基体本体が疎水性である場合は、前記溝部の壁面のうち疎水性を持たせるべき対象壁面を保護膜で被覆してから、前記対象壁面を除く壁面に親水化処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に疎水性を持たせ、
前記基体本体の表面の前記溝部を被覆部材で覆うことによって前記基体を形成することを特徴とするマイクロ化学チップの製造方法である。
【0032】
本発明に従えば、まずセラミックグリーンシートの表面に型を押圧して溝部を形成し、溝部が形成されたセラミックグリーンシートを所定温度で焼結させることによって基体本体を形成する。
【0033】
次に、前記溝部の壁面のうち、疎水性を持たせるべき対象壁面に疎水性を持たせる処理を行う。前記基体本体が親水性である場合は、前記溝部の壁面のうち疎水性を持たせるべき対象壁面を除く部分を保護膜で被覆してから、前記対象壁面に疎水化処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に疎水性を持たせる。前記基体本体が疎水性である場合は、前記溝部の壁面のうち疎水性を持たせるべき対象壁面を保護膜で被覆してから、前記対象壁面を除く壁面に親水化処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に疎水性を持たせる。
【0034】
その後、基体本体の表面に露出している溝部を被覆部材で覆うことによって基体を形成する。これによって、壁面が疎水性の疎水性部分を有する流路が基体内部に形成される。
【0035】
このようにして基体を形成することによって、供給部が流路に接続される位置よりも被処理流体の流通方向下流側に壁面が疎水性の疎水性部分を有する流路を備えたマイクロ化学チップを製造することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
図1(a)は、本発明の実施の一形態であるマイクロ化学チップ1の構成を簡略化して示す平面図である。図1(b)は、図1(a)に示すマイクロ化学チップ1の切断面線I−I、II−IIおよびIII−IIIにおける断面構成を示す部分断面図である。なお、図1(b)では、切断面線I−I、II−IIおよびIII−IIIにおける断面構成を並べて示す。
【0037】
マイクロ化学チップ1は、被処理流体を流通させる流路12と、流路12に被処理流体をそれぞれ流入させる2つの供給部13a,13bと、処理部14と、処理後の流体を外部に導出する採取部15とが設けられた基体11を有する。基体11は、一表面に溝部が形成された基体本体20と被覆部材である蓋体21とを含み、基体本体20の溝部33の形成された表面を蓋体21で覆うことによって流路12が形成されている。このマイクロ化学チップ1では、流路12は、供給部13a,13bが接続される位置22よりも下流側に、壁面が親水性の長さL1の親水性部分(または壁面が疎水性の疎水性部分)12aを有している。
【0038】
供給部13aは、流路12に接続される供給流路17aと、供給流路17aの端部に設けられる供給口16aと、流路12に接続する位置22よりも被処理流体の流通方向上流側に設けられるマイクロポンプ18aとを含む。同様に、供給部13bは、供給流路17bと、供給口16bと、マイクロポンプ18bとを含む。供給口16a,16bは、外部から供給流路17a,17bに被処理流体を注入することができるように開口されている。また採取部15は、流路12から被処理流体を外部に取出すことができるように開口で実現されている。
【0039】
基体本体20の内部であって、処理部14の流路12の下方には、ヒータ19が設けられる。処理部14の流路12は、ヒータ19の上方を複数回数通過するように屈曲して形成される。基体11の表面には、ヒータ19と外部電源とを接続するための図示しない配線がヒータ19から導出されている。この配線は、ヒータ19よりも抵抗値の低い金属材料で形成される。
【0040】
マイクロ化学チップ1では、2つの供給部13a,13bから流路12に2種類の被処理流体をそれぞれ流入させて合流させ、必要に応じて処理部14においてヒータ19を用いて流路12を所定の温度で加熱し、流入された2種類の被処理流体を反応させ、得られた反応生成物を採取部15から導出させる。
【0041】
流路12および供給流路17a,17bの断面積は、供給部13a,13bから流入される検体、試薬または洗浄液などを効率よく送液し混合するためには、2.5×10−3mm以上1mm以下であることが好ましい。しかしながら、断面積が2.5×10−3mm〜1mm程度の流路を流通する流体は、一般に層流状態で流れるので、2つの供給流路17a,17bを合流させただけでは、供給部13a,13bから流路12にそれぞれ流入され合流された2種類の被処理流体は、拡散のみによって混合される。したがって、合流された2種類の被処理流体を完全に混合させるためには長い流路を設ける必要があり、マイクロ化学チップの小型化には限界がある。
【0042】
これに対し、本実施形態では、流路12は、流路12と供給部13a,13bとの接続位置22よりも下流側に、壁面が親水性の長さL1の親水性部分(または壁面が疎水性の疎水性部分)12aを有しているので、複数の被処理流体が合流された後、壁面が親水性の親水性部分(または壁面が疎水性の疎水性部分)12aを通過するときに、合流した被処理流体内に乱流が発生する。これは、壁面の性質が異なる流路部分を被処理流体が通過するためである。たとえば、親水性の被処理流体を合流させる場合は、前記下流側の流路部分12aの壁面を、その上流側の流路部分の壁面よりも疎水性が高くなるように形成し、疎水性の被処理流体を合流させる場合は、前記下流側の流路部分12aの壁面を、その上流側の流路部分の壁面よりも親水性が高くなるように形成すればよい。
【0043】
このように合流した被処理流体内に乱流を発生させることによって、複数の被処理流体を混合することができる。これによって、拡散のみによって混合させる場合に比べて、短い流路で複数の被処理流体を充分に混合させることができる。したがって、流路12の長さを短くすることができるので、マイクロ化学チップ1の小型化を図ることができ、マイクロ化学チップ1を用いたマイクロ化学システムの小型化が可能となる。また、複数の被処理流体が充分に混合された状態で予め定める処理が施されるので、混合が不充分な場合に比べて、予め定める処理を確実に施すことができる。
【0044】
また本実施形態では、流路12は、接続位置22と処理部14との間に、壁面が親水性の親水性部分(または壁面が疎水性の疎水性部分)12aを有するので、合流された被処理流体は、処理部14に達する際には充分に混合されている。したがって、たとえば供給部13aから原料となる化合物を流入させ、供給部13bから試薬を流入させ、化合物と試薬とを合流させて処理部14のヒータ19で加熱することによって反応させる場合、化合物と試薬とが充分に混合された状態で加熱することができるので、化合物と試薬とを効率良く反応させ、採取部15から取出される反応生成物の収率を向上させることができる。
【0045】
基体本体20には、セラミック材料、シリコン、ガラスまたは樹脂などから成るものを用いることができ、これらの中でもセラミック材料から成るものを用いることが好ましい。セラミック材料は、樹脂などに比べ、耐薬品性に優れるので、基体本体20がセラミック材料から成ることによって、耐薬品性に優れ、種々の条件で使用することのできるマイクロ化学チップ1を得ることができる。基体本体11を構成するセラミック材料としては、たとえば酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体またはガラスセラミック焼結体などを用いることができる。
【0046】
蓋体21には、ガラスまたはセラミック材料から成るものを用いることができる。
【0047】
流路12および供給流路17a,17bの断面積は、前述のように、供給部13a,13bから流入される検体、試薬または洗浄液などを効率よく送液し混合するために、2.5×10−3mm以上1mm以下であることが好ましい。流路12および供給流路17a,17bの断面積が1mmを超えると、送液される検体、試薬または洗浄液の量が多くなり過ぎるので、単位体積あたりの反応表面積を増大させ、反応時間を大幅に削減させるというマイクロ化学チップの効果を充分に得ることができない。また流路12および供給流路17a,17bの断面積が2.5×10−3mm未満であると、マイクロポンプ18a,18bによる圧力の損失が大きくなり、送液に問題が生じる。したがって、流路12および供給流路17a,17bの断面積を2.5×10−3mm以上1mm以下とした。
【0048】
また、流路12および供給流路17a,17bの幅wは、50〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは100〜500μmである。また流路12および供給流路17a,17bの深さdは、50〜1000μmであることが好ましく、より好ましくは100〜500μmである。
【0049】
マイクロ化学チップ1の外形寸法は、たとえば、幅Aが約40mmであり、奥行きBが約70mmであり、高さCが1〜2mmであるが、これにかかわらず、必要に応じ適切な外径寸法とすればよい。
【0050】
なお、使用後のマイクロ化学チップ1は、供給部13a,13bから洗浄液を流入させて洗浄すれば、再度使用することができる。
【0051】
次に、図1に示すマイクロ化学チップ1の製造方法を説明する。本実施形態では、基体本体20がセラミック材料から成る場合について説明する。図2は、セラミックグリーンシート31,32の加工状態を示す平面図である。図3は、セラミックシート31,32の積層状態を示す断面図である。
【0052】
まず、原料粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を混合し、必要に応じて可塑剤または分散剤などを添加して泥奬にし、これをドクターブレード法またはカレンダーロール法などによってシート状に成形することによって、セラミックグリーンシート(別称:セラミック生シート)を形成する。原料粉末としては、たとえば、基体本体20が酸化アルミニウム質焼結体から成る場合には、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムなどを用いる。
【0053】
本実施形態では、このようにして形成されるセラミックグリーンシートを2枚用いて基体本体20を形成する。まず、図2(a)に示すように、セラミックグリーンシート31の表面に型を押圧し、溝部33を形成する。このとき、型には、所望の溝部33の形状が転写された形状の型を用いる。また型を押圧する際の押圧力は、セラミックグリーンシートに成形される前の泥漿の粘度に応じて調整される。たとえば、泥漿の粘度が1〜4Pa・sである場合には、2.5〜7MPaの押圧力で押圧する。なお、型の材質は特に制限されるものではなく、金型であっても木型であってもよい。
【0054】
また、図2(b)に示すように、セラミックグリーンシート32の表面に、導電性ペーストをスクリーン印刷法などによって所定の形状に塗布することによって、ヒータ19および外部電源接続用の配線となる配線パターン34を形成する。導電性ペーストは、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、ニッケル、パラジウムまたは金などの金属材料粉末に、適当な有機バインダおよび溶剤を混合して得られる。なお、ヒータ19となる配線パターン34を形成する導電性ペーストには、焼成後に所定の抵抗値になるように、前述の金属材料粉末にセラミック粉末が5〜30重量%添加されたものが用いられる。
【0055】
次に、図3に示すように、ヒータ19となる配線パターン34が形成されたセラミックグリーンシート32の表面に、溝部33の形成されたセラミックグリーンシート31を積層する。積層されたセラミックグリーンシート31,32を温度約1600℃で焼結させる。以上のようにして、図1に示す基体本体20を形成する。
【0056】
このようにして形成された基体本体20に以下の処理を行うことによって、流路12と供給部13a,13bとの接続位置22よりも下流側の流路部分12aとなる長さL1の溝部33の壁面を、親水性または疎水性を有する壁面とすることができる。
【0057】
(1)流路部分12aの壁面に親水性を持たせる場合
(1−a)基体本体20が親水性であるときは、前記溝部の壁面のうち親水性を持たせるべき長さL1の溝部の対象壁面を保護膜で被覆してから、前記対象壁面を除く壁面に疎水化処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に親水性を持たせる。
【0058】
(1−b)基体本体20が疎水性であるときは、前記溝部の壁面のうち親水性を持たせるべき長さL1の溝部の対象壁面を除く部分を保護膜で被覆してから、前記対象壁面に親水化処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に親水性を持たせる。
【0059】
(2)流路部分12aの壁面に疎水性を持たせる場合
(2−a)基体本体20が親水性であるときは、前記溝部の壁面のうち疎水性を持たせるべき長さL1の溝部の対象壁面を除く部分を保護膜で被覆してから、前記対象壁面に疎水化処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に疎水性を持たせる。
【0060】
(2−b)基体本体20が疎水性であるときは、前記溝部の壁面のうち疎水性を持たせるべき長さL1の溝部の対象壁面を保護膜で被覆してから、前記対象壁面を除く壁面に親水化処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に疎水性を持たせる。
【0061】
親水化処理は、前記対象壁面または対象壁面を除く壁面が保護膜で被覆された基体本体20を、アルコール中に30秒間程度浸漬した後取出し、水で洗浄することによって行うことができる。アルコール中に浸漬することによって、セラミック材料から成る基体本体20の前記対象壁面に、水酸基(−OH)を導入することができる。アルコールとしては、たとえばイソプロピルアルコール(
Isopropyl alcohol;略称:IPA)などを用いることができる。
【0062】
疎水化処理は、前記対象壁面または対象壁面を除く壁面が保護膜で被覆された基体本体20を、界面活性剤溶液中に30秒間程度浸漬した後取出し、水、好ましくは温水で洗浄することによって行うことができる。界面活性剤溶液中に浸漬することによって、セラミック材料から成る基体本体20の前記対象壁面に存在する水酸基(−OH)を除去することができる。界面活性剤としては、たとえば、アルキレングリコール系の非イオン性界面活性剤、アルキルフェニルグリコール系の非イオン性の界面活性剤、フッ素含有アルキレングリコール系の非イオン性界面活性剤、シリコン含有アルキレングリコール系の非イオン性界面活性剤を用いることができる。
【0063】
たとえば、疎水性の基体本体20に設けられた流路部分12aの壁面に親水性を持たせる場合は、前記溝部の壁面のうち、親水性を持たせるべき対象壁面を除く部分を保護膜で被覆してから、前記対象壁面に親水処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に親水性を持たせる。
【0064】
また、親水性の基体本体20に設けられた流路部分12aの壁面に疎水性を持たせる場合は、基体本体全体を減圧下において200〜300℃で1〜3時間加熱することによって基体全体に疎水処理を施してから、前記溝部の壁面のうち疎水性を持たせるべき対象壁面を保護膜で被覆してから、前記対象壁面を除く壁面に親水処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に疎水性を持たせる。
【0065】
なお、基体本体全体の加熱処理は、基体本体20がたとえば酸化アルミニウムなどの金属酸化物系のセラミック材料から成る場合には行う必要があるけれども、基体本体20がその他のセラミック材料から成る場合には行わなくてもよい。たとえば、基体本体20が窒化珪素または炭化珪素などの窒化物系のセラミック材料から成る場合には、基体本体20の表面は焼成された状態で既に疎水性であるので、改めて加熱処理を行う必要はない。
【0066】
ただし、セラミックグリーンシートを焼結して基体本体20を形成した後、外部と電気的に接続する部分、たとえばポンプ駆動用電源供給端子にめっきを行う必要がある。この際、種々の処理があるので、基体本体20の表面状態が変化する。したがって、この場合は、基体本体全体を加熱処理して基体本体を疎水性にする必要がある。
【0067】
図4は、蓋体21の構成を簡略化して示す平面図である。図4に示すように、たとえばガラスまたはセラミック材料などから成る基板41の供給口16a,16bおよび採取部15となるべく予め定められる位置に、図2(a)に示すセラミックグリーンシート31の溝部33に連通する貫通孔42a,42b,43を形成し、蓋体21を得る。
【0068】
基体本体20の溝部33,34が露出した表面に、蓋体21を接着する。蓋体21と基体本体20とは、たとえば蓋体21がガラスから成る場合には加熱および加圧によって接着され、蓋体21がセラミック材料から成る場合にはガラス接着剤などによって接着される。
【0069】
蓋体21の表面の予め定められる位置に、たとえばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT;組成式:Pb(Zr,Ti)O)などの圧電材料44a,44bを貼り付けるとともに、圧電材料44a,44bに電圧を印加するための図示しない配線を形成する。圧電材料44a,44bは、印加された電圧に応じて伸縮することによって供給流路17a,17bの上方の蓋体21を振動させることができるので、圧電材料44a,44bを供給流路17a,17bの上方の蓋体21に貼り付けることによって、送液を行うマイクロポンプ18a,18bを形成することができる。
【0070】
以上のようにして、図1に示す基体11を形成し、マイクロ化学チップ1を得る。このように、流路12と供給部13a,13bとの接続位置22よりも下流側の流路部分12aとなる溝部33の壁面を親水性または疎水性を有する壁面とした基体本体20と蓋体21とを貼り合せることによって、供給部13a,13bが流路12に接続される位置22よりも被処理流体の流通方向下流側に、壁面が親水性の親水性部分(または壁面が疎水性の疎水性部分)12aを有する流路12を備えたマイクロ化学チップ1を製造することができる。
【0071】
また本実施形態では、型を押圧して溝部33が表面に形成されたセラミックグリーンシート31と、ヒータ19となる配線パターン34が形成されたセラミックグリーンシート31とを積層したものを焼結させることによって基体本体20を形成し、上記の親水化処理または疎水化処理を施してから、基体本体20の表面の溝部33を蓋体21で覆うことによって、流路12を有する基体11を形成する。したがって、シリコン、ガラスまたは樹脂から成る基体に流路を形成する際に必要となるエッチング加工のような複雑な加工を行うことなく、簡単な加工を行うだけでマイクロ化学チップ1を製造することができる。
【0072】
以上に述べたように、本実施形態のマイクロ化学チップ1は、2つの供給部13a,13bを有するけれども、これに限定されることなく、3つ以上の供給部を有してもよい。供給部が2つ以上設けられる場合、供給部は、1点で合流するように設けられる必要はなく、流路12の異なる位置に接続されるように設けられてもよい。この場合、流路12は、各供給部が流路12に接続される位置よりも被処理流体の流通方向下流側に、それぞれ壁面が親水性の親水性部分または壁面が疎水性の疎水性部分を有することが好ましい。
【0073】
特に、ある供給部から疎水性の被処理流体が流入され、他の供給部から親水性の被処理流体が流入される場合には、疎水性の被処理流体が流入される供給部が流路12に接続される位置よりも被処理流体の流通方向下流側には親水性部分を設け、親水性の被処理流体が流入される供給部が流路12に接続される位置よりも被処理流体の流通方向下流側には疎水性部分を設けることが好ましい。このように、流路12に親水性部分と疎水性部分との両方を設ける場合、たとえば、図3に示す基体本体20の溝部33の親水性を持たせるべき対象壁面を除く部分を保護膜で被覆してから、前記対象壁面に親水化処理を施した後に前記保護膜を剥離し、次いで、疎水性を持たせるべき対象壁面を除く部分を保護膜で被覆してから、前記対象壁面に疎水化処理を施した後に前記保護膜を剥離する。これによって、流路12に親水性部分と疎水性部分とを作り分けることができる。
【0074】
また、壁面が親水性の親水性部分(または疎水性部分)12aは流路12の直線部に設けられるように図示しているけれども、これに限定されることなく、流路12に曲部を設けて、この部分に親水性部分(または疎水性部分)12aを設けてもよい。この場合、流路12の曲部と親水性部分(または疎水性部分)12aによって、より有効な乱流を発生させて被処理流体を充分に混合させることができる。
【0075】
またヒータ19は、1箇所に設けられる構成であるけれども、これに限定されることなく、2箇所以上に設けられてもよい。このように、3つ以上の供給部を設け、ヒータを2箇所以上に設けることによって、複雑な反応を制御することができる。なお、ヒータ19は、加熱しなくても反応が進行するような場合には、設ける必要はない。
【0076】
また、本実施形態のマイクロ化学チップ1では、採取部15を設け、反応生成物を採取部15から導出させるけれども、採取部15または採取部15よりも被処理流体の流通方向上流側に検出部を設ければ、化学反応や抗原抗体反応、酵素反応などの生化学反応の反応生成物を検出することができる。この場合には、検出部よりも被処理流体の流通方向上流側の流路部分の壁面が親水性または疎水性を有するように構成することが好ましい。
【0077】
また、本実施形態では、送液手段として、マイクロポンプ18a,18bを設ける構成であるけれども、マイクロポンプ18a,18bを設けない構成も可能である。この場合には、供給口16a,16bから被処理流体を注入する際に、マイクロシリンジなどで被処理流体を押込むことによって、被処理流体を供給口16a,16bから採取部15まで送液することができる。また注入する際に、外部に設けられるポンプなどで被処理流体に圧力を加えながら注入することによって送液することもできる。また供給口16a,16bから被処理流体を注入した後に、開口で実現されている採取部15からマイクロシリンジなどで吸引することによって送液することもできる。
【0078】
また、蓋体21は基体本体20に接着されているけれども、これに限定されることなく、基体本体20から取外し可能に取り付けられていてもよい。たとえば、基体本体20と蓋体21との間にシリコーンゴムなどを挟み、マイクロ化学チップ全体に圧力を加えるような構成であってもよい。蓋体21を基体本体20から取外し可能とすることによって、再利用する際の洗浄が容易になる。
【0079】
また、本実施形態のマイクロ化学チップ1の製造方法では、基体本体20は、溝部33,34が形成されたセラミックグリーンシート31と、ヒータ19となる配線パターン34が形成されたセラミックグリーンシート32との2枚のセラミックグリーンシートから形成されるけれども、これに限定されることなく、3枚以上のセラミックグリーンシートから形成されてもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、流路は、供給部が接続される位置よりも下流側に、壁面が親水性の親水性部分を有しているので、拡散のみによって複数の被処理流体を混合させる場合に比べて短い流路であっても、複数の疎水性の被処理流体を充分に混合させることができる。また、複数の被処理流体が充分に混合された状態で予め定める処理が施されるので、混合が不充分な場合に比べて、予め定める処理を確実に施すことができる。さらに、供給部が流路に接続される位置よりも下流側の流路の長さを短くすることができるので、マイクロ化学チップの小型化を図ることができる。
【0081】
また本発明によれば、流路は、供給部が接続される位置よりも被処理流体の流通方向下流側であって、採取部が流路に接続される位置よりも被処理流体の流通方向上流側に、壁面が親水性の親水性部分を有するので、たとえば2つの供給部を有し、一方の供給部から原料となる疎水性の化合物を流入させ、他方の供給部から試薬を流入させ、化合物と試薬とを充分に混合させて反応させた後、得られた化合物を採取部から取出すことのできる小型のマイクロ化学チップを得ることができる。
【0082】
また本発明によれば、流路は、供給部が接続される位置よりも被処理流体の流通方向下流側であって処理部よりも被処理流体の流通方向上流側に、壁面が親水性の親水性部分を有しているので、たとえば2つの供給部を設け、一方の供給部から原料となる疎水性の化合物を流入させ、他方の供給部から試薬を流入させ、化合物と試薬とを合流させて処理部において加熱することによって反応させる場合に、化合物と試薬とを効率良く反応させ、反応生成物の収率を向上させることができる。
【0083】
また本発明によれば、流路は、供給部が接続される位置よりも下流側に、壁面が疎水性の疎水性部分を有しているので、拡散のみによって複数の被処理流体を混合させる場合に比べて短い流路であっても、複数の親水性被処理流体を充分に混合させることができる。また、複数の被処理流体が充分に混合された状態で予め定める処理が施されるので、混合が不充分な場合に比べて、予め定める処理を確実に施すことができる。さらに、供給部が流路に接続される位置よりも下流側の流路の長さを短くすることができるので、マイクロ化学チップの小型化を図ることができる。
【0084】
また本発明によれば、流路は、供給部が接続される位置よりも被処理流体の流通方向下流側であって、採取部が接続される位置よりも被処理流体の流通方向上流側に、壁面が疎水性の疎水性部分を有するので、たとえば2つの供給部を有し、一方の供給部から原料となる親水性の化合物を流入させ、他方の供給部から試薬を流入させ、化合物と試薬とを充分に混合させて反応させた後、得られた化合物を採取部から取出すことのできる小型のマイクロ化学チップを得ることができる。
【0085】
また本発明によれば、流路は、供給部が接続される位置よりも被処理流体の流通方向下流側であって処理部よりも被処理流体の流通方向上流側に、壁面が疎水性の疎水性部分を有しているので、たとえば2つの供給部を設け、一方の供給部から原料となる親水性の化合物を流入させ、他方の供給部から試薬を流入させ、化合物と試薬とを合流させて処理部において加熱することによって反応させる場合に、化合物と試薬とを効率良く反応させ、反応生成物の収率を向上させることができる。
【0086】
また本発明によれば、溝部が形成されたセラミックグリーンシートを焼結させて基体本体を形成した後に、溝部の所定部分の壁面に親水化処理を施してから基体本体の表面の溝部を被覆部材で覆うことによって基体を形成するので、供給部が流路に接続される位置よりも被処理流体の流通方向下流側に壁面が親水性の親水性部分を有する流路を備えたマイクロ化学チップを製造することができる。
【0087】
また本発明によれば、溝部が形成されたセラミックグリーンシートを焼結させて基体本体を形成した後に、溝部の所定部分の壁面が疎水性を有するように処理してから基体本体の表面の溝部を被覆部材で覆うことによって基体を形成するので、供給部が流路に接続される位置よりも被処理流体の流通方向下流側に壁面が疎水性の疎水性部分を有する流路を備えたマイクロ化学チップを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本発明の実施の一形態であるマイクロ化学チップ1の構成を簡略化して示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すマイクロ化学チップ1の切断面線I−I、II−IIおよびIII−IIIにおける断面構成を示す断面図である。
【図2】セラミックグリーンシート31,32の加工状態を示す平面図である。
【図3】セラミックグリーンシート31,32を積層した状態を示す部分断面図である。
【図4】蓋体21の構成を簡略化して示す平面図である。
【符号の説明】
1 マイクロ化学チップ
11 基体
12 流路
12a 親水性部分(疎水性部分)
13a,13b 供給部
14 処理部
15 採取部
16a,16b 供給口
17a,17b 供給流路
18a,18b マイクロポンプ
19 ヒータ
20 基体本体
21 蓋体
22 接続位置
31,32 セラミックグリーンシート
33 溝部
34 配線パターン
41 基板
42a,42b,43 貫通孔
44a,44b 圧電材料
L1 親水性部分(疎水性部分)の長さ

Claims (8)

  1. 被処理流体を流通させる流路と、該流路に接続され、前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させる複数の供給部とが形成された基体を有し、前記複数の供給部から前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させ、流入された複数の被処理流体を合流させて予め定める処理を施すマイクロ化学チップであって、
    前記流路は、前記供給部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側に、壁面が親水性の親水性部分を有することを特徴とするマイクロ化学チップ。
  2. 前記基体は、前記流路に接続され、処理後の流体を外部に導出する採取部をさらに有し、
    前記親水性部分は、前記供給部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側であって、前記採取部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向上流側に設けられ、
    前記複数の供給部から前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させ、流入された複数の被処理流体を合流させて予め定める処理を施した後に、前記採取部から処理後の流体を外部に導出することを特徴とする請求項1記載のマイクロ化学チップ。
  3. 前記基体は、前記供給部と前記流路とが接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側に、合流された前記被処理流体に対して予め定める処理を施す処理部を有し、
    前記親水性部分は、前記供給部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側であって、前記処理部よりも前記被処理流体の流通方向上流側に設けられることを特徴とする請求項1または2記載のマイクロ化学チップ。
  4. 被処理流体を流通させる流路と、該流路に接続され、前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させる複数の供給部とが形成された基体を有し、前記複数の供給部から前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させ、流入された複数の被処理流体を合流させて予め定める処理を施すマイクロ化学チップであって、
    前記流路は、前記供給部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側に、壁面が疎水性の疎水性部分を有することを特徴とするマイクロ化学チップ。
  5. 前記基体は、前記流路に接続され、処理後の流体を外部に導出する採取部をさらに有し、
    前記疎水性部分は、前記供給部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側であって、前記採取部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向上流側に設けられ、
    前記複数の供給部から前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させ、流入された複数の被処理流体を合流させて予め定める処理を施した後に、前記採取部から処理後の流体を外部に導出することを特徴とする請求項4記載のマイクロ化学チップ。
  6. 前記基体は、前記供給部と前記流路とが接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側に、合流された前記被処理流体に対して予め定める処理を施す処理部を有し、
    前記疎水性部分は、前記供給部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側であって、前記処理部よりも前記被処理流体の流通方向上流側に設けられることを特徴とする請求項4または5記載のマイクロ化学チップ。
  7. 被処理流体を流通させる流路と、前記流路に接続され、前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させる複数の供給部とが形成され、さらに前記流路には、前記供給部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側に壁面が親水性の親水性部分が形成されている基体を有し、前記複数の供給部から前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させ、流入された複数の被処理流体を合流させて予め定める処理を施すマイクロ化学チップの製造方法であって、
    セラミックグリーンシートの表面に、予め定める形状の型を押圧して溝部を形成し、
    溝部が形成されたセラミックグリーンシートを、所定温度で焼結させることによって基体本体を形成し、
    前記基体本体が親水性である場合は、前記溝部の壁面のうち親水性を持たせるべき対象壁面を保護膜で被覆してから、前記対象壁面を除く壁面に疎水化処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に親水性を持たせ、前記基体本体が疎水性である場合は、前記溝部の壁面のうち親水性を持たせるべき対象壁面を除く部分を保護膜で被覆してから、前記対象壁面に親水化処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に親水性を持たせ、
    前記基体本体の表面の前記溝部を被覆部材で覆うことによって前記基体を形成することを特徴とするマイクロ化学チップの製造方法。
  8. 被処理流体を流通させる流路と、前記流路に接続され、前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させる複数の供給部とが形成され、さらに前記流路には、前記供給部が接続される位置よりも前記被処理流体の流通方向下流側に壁面が疎水性の疎水性部分が形成されている基体を有し、前記複数の供給部から前記流路に複数の被処理流体をそれぞれ流入させ、流入された複数の被処理流体を合流させて予め定める処理を施すマイクロ化学チップの製造方法であって、
    セラミックグリーンシートの表面に、予め定める形状の型を押圧して溝部を形成し、
    溝部が形成されたセラミックグリーンシートを、所定温度で焼結させることによって基体本体を形成し、
    前記基体本体が親水性である場合は、前記溝部の壁面のうち疎水性を持たせるべき対象壁面を除く部分を保護膜で被覆してから、前記対象壁面に疎水化処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に疎水性を持たせ、前記基体本体が疎水性である場合は、前記溝部の壁面のうち疎水性を持たせるべき対象壁面を保護膜で被覆してから、前記対象壁面を除く壁面に親水化処理を施した後に前記保護膜を剥離することによって、前記対象壁面に疎水性を持たせ、
    前記基体本体の表面の前記溝部を被覆部材で覆うことによって前記基体を形成することを特徴とするマイクロ化学チップの製造方法。
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