JP2006300860A - マイクロ化学チップ - Google Patents

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Abstract

【課題】 被処理流体の測温結果を速やかに被処理流体の加熱に反映させることで被処理流体を効率よく加熱処理し、高い精度での温度制御が可能で、化学反応や分析等を精度良く行うことのできるマイクロ化学チップを提供すること
【解決手段】 被処理流体をそれぞれ供給する複数の供給部13a、13bが形成された基体11と、基体11の表面および/または内部に、複数の供給部13a、13bからそれぞれ延びるとともに途中で合流するように形成された流路12と、流路12の合流部22よりも下流側に形成された被処理流体の処理部14とを有するマイクロ化学チップ1において、流路12の、合流部22と処理部14との間の内表面に高抵抗導体19を設けた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、微小流路を流通する流体や試薬などの被処理流体に対して、反応や分析などの予め定める処理を施すことのできるマイクロ化学チップに関し、さらに詳しくは、被処理流体を効率よく加熱して予め定める処理を施すことができるマイクロ化学チップに関する。
近年、化学技術やバイオ技術の分野では、試料に対する反応や試料の分析などを微小な領域で行なうための研究が行なわれており、マイクロ・エレクトロニクス・メカニカル・システム(MICRO Electro Mechanical System ; 略称:MEMS)技術などを用いて化学反応や生化学反応、試料の分析などのシステムを小型化したマイクロ化学システムが研究されている。
マイクロ化学システムにおける反応や分析は、マイクロ流路、マイクロポンプおよびマイクロリアクタなどが形成されたマイクロ化学チップと呼ばれる1つのチップを用いて行なわれる。たとえば、従来のマイクロ化学チップとしては、シリコン、ガラスまたは樹脂からなる1つの基体に、試料や試薬などの流体を供給するための供給口と、処理後の流体を導出するための採取口とを形成し、この供給口と採取口とを断面積が微小なマイクロ流路で接続し、流路の適当な位置に送液のためのマイクロポンプを配置したものが提案されている(特許文献1参照)。また、送液の手段として、電気浸透現象を利用した電気浸透ポンプを用いたものも提案されている。(特許文献2参照)これらのマイクロ化学チップでは、流路は所定の位置で合流しており、合流部で流体の混合が行なわれる。
マイクロ化学システムでは、従来のシステムに比べ機器や被処理流体を供給するための手法等が微細化されているので、試料の単位体積あたりの反応表面積を増大させ、反応時間を大幅に削減することができる。また流路の精密な制御が可能になるので、反応や分析を効率よく行なうことができる。さらに反応や分析に必要な試料や試薬の量を少なくすることができる。
また、このようなマイクロ化学チップにおいては、基体の内部や流路が形成されている面(上面等)と対向する面(下面等)にヒーターを取着、形成し、このヒーターを用いて流体を所望の反応温度に加熱している。
上述したマイクロ化学チップでは、複数の供給部からそれぞれ供給された複数の被処理流体が十分に混合されることにより、被処理流体の混合物中で均一かつ迅速に化学反応や分析等の処理が施される。さらに、化学反応や分析等の処理に加熱が必要な場合には基体表面または内部に形成されたヒーターによって加熱が行なわれるが、化学反応や分析等の処理を精度良く行なうためには、被処理流体の温度を精度良く制御する必要がある。そのためには、流路に近接させて熱電対等の測温機構を配置させるとともに、その測温機構による測温結果が速やかにヒーターの発熱量に反映される必要がある。
特開2002−214241号公報(第4−5項、第1図) 特開2001−108619号公報(第4−5項、第1図)
しかしながら、従来のマイクロ化学チップでは、流路が形成された基体の内部にヒーターが形成され、ヒーターと流路との間には基体の一部が介在するため、ヒーターと流路を流れる被処理流体との距離が遠いものとなっていた。このため、上記のように測温結果に基づいてヒーターの加熱温度を変更・制御させたとしても、そのヒーターの加熱温度の変更が流路および被処理流体に反映されるまでにはある程度の時間差が生じ、被処理流体の温度制御が不充分となり化学反応や分析等の精度が低下するといった問題が発生していた。
特に、PCR(Polymerase Chain Reaction)すなわちDNAの増幅等の用途では、高精度の温度制御が要求されるので、被処理流体の温度制御はさらに高精度で行なうことが求められるようになっている。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するために案出されたものであり、その目的は、被処理流体の測温結果を速やかに被処理流体の加熱に反映させることで被処理流体を効率よく加熱処理し、高い精度での温度制御が可能で、化学反応や分析等を精度良く行うことのできるマイクロ化学チップを提供することである。
本発明のマイクロ化学チップは、被処理流体をそれぞれ供給する複数の供給部が形成された基体と、該基体の表面および/または内部に、前記複数の供給部からそれぞれ延びるとともに途中で合流するように形成された流路と、該流路の前記合流部よりも下流側に形成された前記被処理流体の処理部とを有するマイクロ化学チップにおいて、前記流路の、前記合流部と前記処理部との間の内表面に高抵抗導体を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明のマイクロ化学チップは、好ましくは、前記基体がセラミックスで形成され、前記高抵抗導体が、白金または白金−パラジウム合金からなることを特徴とする。
また、本発明のマイクロ化学チップは、好ましくは、前記流路は、前記高抵抗導体が設けられた部位の幅が、他の部位の幅よりも狭いことを特徴とするものである。
また、本発明のマイクロ化学チップは、好ましくは、前記高抵抗導体が絶縁体で被覆されていることを特徴とするものである。
また、本発明のマイクロ化学チップは、好ましくは、前記高抵抗導体の抵抗値変化から温度を測定する測温機構と、該測定結果を前記高抵抗導体に対する電流印加条件に連動させる電流制御機構とを備える温度制御の機構を、前記基体の内部および表面に有することを特徴とするものである。
本発明のマイクロ化学チップによれば、流路の合流部と処理部との間の内表面に高抵抗導体を設けたことから、複数の供給部から被処理流体を流入させると、流入された被処理流体は合流されて流路を流通し、その後、合流部近傍の流路壁面に形成された高抵抗導体に電流を印加することで被処理流体を直接所定の温度に加熱することができるので、ヒーターと流路との間に基体の一部が介在することに起因する温度変化の時間差が生じるようなことはなく、ヒーターによる加熱を速やかに被処理流体の加熱に反映させることができ、精密な温度制御が可能になる。
また本発明のマイクロ化学チップによれば、上記構成において、基体がセラミックスで形成され、高抵抗導体が、白金または白金−パラジウム合金によって形成されたものとした場合には、高抵抗導体が強酸性水溶液、強アルカリ性水溶液、有機溶媒等の被処理流体で腐食されるようなことが効果的に防止され、耐薬品性に優れたマイクロ化学チップを形成することができる。
また本発明のマイクロ化学チップによれば、上記構成において、流路の高抵抗導体が設けられた部位の幅を、他の部位の幅よりも狭くすることで、流路の幅方向の被処理流体の流速ばらつきが小さくなり、この流速ばらつきが小さな状態の被処理流体を直接高抵抗導体で効率よく加熱することができるため、被処理流体を均一に加熱することができる。そのため、被処理流体の温度制御の精度をさらに高めることができる。
また本発明のマイクロ化学チップによれば、上記構成において、高抵抗導体を絶縁被覆すると、例えば、流路を挟むように複数の高抵抗導体を設けた場合などにおいて、高抵抗導体同士が被処理流体を介して電気的に短絡するようなこと防止することができ、導電性の被処理流体を処理することも可能になる。
また本発明のマイクロ化学チップによれば、上記構成において、高抵抗導体の抵抗値変化から温度を測定し、測定結果を電流印加条件に連動させることで温度制御を行なう機構を設けることで、より正確に被処理流体の温度を測定し、一層精密な温度制御を行うことが可能になり、これによってさらに化学反応や分析等を精度良く行うことが可能になる。
図1(a)は、本発明の実施の一形態であるマイクロ化学チップ1の構成を簡略化して示す平面図である。図1(b)は、図1(a)に示すマイクロ化学チップ1の切断面I−Iにおける断面構成を示す部分断面図、図1(c)は、図1(a)に示すマイクロ化学チップ1のII−IIにおける断面構成を示す部分断面図である。
マイクロ化学チップ1は被処理流体を流通させる流路12と、流路12に被処理流体をそれぞれ流入させる2つの供給部13a、13bと、供給部13a、13bの合流部22と、処理部14と、処理後の流体を外部に導出する採取部15とが設けられた基体11を有する。基体11は、一表面に溝が形成された基体本体20と被覆部材である蓋体21とを含み、基体本体20の溝部33の形成された表面を蓋体21で覆うことによって流路12が形成されている。
供給部13aは、流路12に接続される供給流路17aと、供給流路17aの端部に設けられる供給口16aと、流路12に接続する合流部22よりも被処理流体の流通方向上流側に設けられるマイクロポンプ18aとを含む。同様に、供給部13bは、供給流路17bと、供給口16bと、マイクロポンプ18bとを含む。供給口16a、16bは、外部から供給流路17a、17bに被処理流体を注入することができるように貫通孔が形成されている。また採取部15は、流路12から被処理流体を外部に取り出すことができるように貫通孔が形成されている。
なお、マイクロポンプ18a,18bとは、例えばチタン酸ジルコン酸塩(PZT;組成式:Pb(Zr,Ti)O)などの圧電材料と、圧電材料に電圧を印加するための配線から構成され。圧電材料は、供給路17a,17bの上方の蓋体21に貼り付けられ、印加された電圧に応じて伸縮することによって供給路17a,17bの上方の蓋体21を振動させ、供給路17a,17b内の被処理流体の送液を行なうことができる。
流路12の内表面には高抵抗導体19が設けられている。基体本体20の表面や内部には、高抵抗導体19と外部電源とを接続するための図示しない配線が高抵抗導体19から導出されている。この配線の導出部分を外部の直流整流器等の電源に電気的に接続することにより、外部の電源から配線を介して高抵抗導体19に電流が供給される。この配線は、高抵抗導体に対する電流の効率的な供給のため、高抵抗導体19よりも電気抵抗の低い金属材料で形成される。なお、高抵抗導体19および配線は、基体本体20に限らず、蓋体21に形成してもよく、基体本体20および蓋体21の両方に形成してもよい。
マイクロ化学チップ1では、2つの供給部13a、13bから流路12に2種類の被処理流体をそれぞれ流入させて合流させ、高抵抗導体19を用いて流路12を所定の温度で加熱し、混合した2種類の被処理流体を反応させ、得られた反応生成物を採取部15から導出させる。つまり、高抵抗導体19は、通電されることにより発熱し、被処理流体を加熱するヒーターとして機能する。
そして、高抵抗導体19で被処理流体を直接加熱することができるので、高抵抗導体19と流路12との間に基体本体20の一部が介在することに起因する温度差が生じるようなことはなく、高抵抗導体19による加熱を速やかに被処理流体の加熱に反映させることができ、精密な温度制御が可能になる。
高抵抗導体19は、白金、パラジウム、タングステン、モリブデン、ルテニウム等の、電気抵抗率の高い金属材料や炭化珪素等の無機材料で形成される。
高抵抗導体19は、2つの供給部13a、13bからの流路12が合流する部位(合流部22)と処理部14(流路12のうち混合された被処理流体が反応する部位)との間に、処理の種類、頻度、温度等に応じて適宜設ければよい。
高抵抗導体19は、流路12の内表面であれば、処理の種類、頻度、温度等に応じて適宜設ければよい、例えば、流路12の底面に設けてもよく流路12の側面に、流路を挟むように設けてもよい。また流路12の底面および側面に設けてもよい。
高抵抗導体19は、被処理流体1を効率よく加熱する上では、流路の内面に被処理流体を取り囲むようにリング状に設けることが好ましい。この場合、高抵抗導体19は、基体本体20および蓋体21の両方の流路12に面する部位に、端部同士が互いに接するようにして形成されることによりリング状に形成される。
また、高抵抗導体19に接続される上記配線は、白金、銀、銅、タングステン、モリブデン等により形成される。
基体本体20には、セラミック材料、シリコン、ガラスまたは樹脂などからなるものを用いることができ、これらの中でもセラミック材料から成るものを用いることが好ましい。セラミック材料は、樹脂等に比べ、耐薬品性に優れるので、基体本体20がセラミック材料からなることによって、耐薬品性に優れ、種々の条件で使用することのできるマイクロ化学チップ1を得ることができる。基体本体20を構成するセラミック材料としては、例えば酸化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体またはガラスセラミックス焼結体などを用いることができる。
また、蓋体21に用いる部材は、基体本体20の溝部33の形成された表面を覆うことによって流路12が形成できるものであれば用途に応じて種々選択が可能であるが、透光性の部材であれば被処理流体の混合状態や反応状態を確認できるため好ましい。また、基体本体20がセラミックからなる場合には、基体本体20と蓋体21との接着が比較的容易なガラスまたはセラミックから成るものを用いることが望ましい。
また、基体11(特に基体本体20)がセラミックスで形成され、高抵抗導体19が、白金または白金−パラジウム合金によって形成されることが好ましい。この構成により、高抵抗導体19が強酸性水溶液、強アルカリ性水溶液、有機溶媒等の被処理流体で腐食されるようなことが効果的に防止され、耐薬品性に優れたマイクロ化学チップ1を形成することができる。
また、本発明のマイクロ化学チップ1は、流路12の高抵抗導体19が設けられた部位の幅を、他の部位の幅よりも狭くすることで、流路12の幅方向の被処理流体の流速ばらつきが小さくなり、この流速ばらつきが小さな状態の被処理流体を直接高抵抗導体19で効率よく加熱することができるため、被処理流体を均一に加熱することができる。そのため、被処理流体の温度制御の精度をさらに高めることができる。
さらに、高抵抗導体19は絶縁被覆されていることが好ましい。例えば、流路12を挟むように複数の高抵抗導体19を設けた場合、高抵抗導体19が絶縁被覆されていれば、高抵抗導体19同士が被処理流体を介して電気的に短絡するようなことが防止でき、さらに、導電性の被処理流体を処理することが可能になるため、マイクロ化学チップ1の用途を広げることができる。
高抵抗導体19の絶縁被覆は、例えば、基体本体20を形成するのと同様のセラミック材料から成り、例えば厚みが10〜100μmの薄い絶縁層(図示せず)で高抵抗導体19を被覆することにより行なわれる。厚みが100μm未満であれば、高抵抗導体19同士の被処理流体を介した電気的な短絡を防止する効果が小さくなりやすい。また、厚みが100μmを超えると、ヒーターによる加熱を速やかに被処理流体の加熱に反映させて精密な温度制御行なうことが困難になる。
また、高抵抗導体19を絶縁層で被覆する方法としては、例えば後述するように、基体本体20を作製する場合と同様のセラミック材料のペーストを高抵抗導体19を覆うように塗布し、基体本体20と同時に焼成することにより形成すれば良い。
またマイクロ化学チップ1には、高抵抗導体19の抵抗値変化から温度を測定し、測定結果を電流印加条件に連動させることで温度制御を行なう機構(図示せず)設けることが好ましい。
この場合、より正確に被処理流体の温度を測定することができるのでより一層精密な温度制御を行うことが可能になり、これによってさらに高精度で化学反応や分析等を行うことが可能になる。
このような機構は、例えば、高抵抗導体19の抵抗値の温度特性を予め確認しておき、高抵抗導体19に接続された電源から供給される電圧値および電流値より高抵抗導体19の温度を測定する。さらに測定された高抵抗導体19の温度を元に供給される電圧値および電流値を変化させることによって温度制御を行なう。また、この機構を基体11表面または/および基体11内部に形成することで、別途、サーミスタ等の温度制御用の部材を基体11に取着させる必要がないのでマイクロ化学チップシステムを小型化することができる。
次に、図1に示すマイクロ化学チップ1の製造方法を説明する。ここでは、基体本体20がセラミック材料から成る場合について説明する。図2(a)、(b)は本発明のマイクロ化学チップの製造工程における基体11となるセラミックグリーンシートの各平面図である。これらセラミックグリーンシート31、32が積層され焼成されることにより基体11を構成するための基体本体20と成る。また、図3は、セラミックグリーンシート31、32を積層した状態を示す断面図であり、図2のIII−III線において切断した断面を示している。
まず原料粉末に適当な有機バインダおよび溶剤を混合し、必要に応じて可塑剤または分散材などを添加してスラリーにし、これをドクターブレード法またはカレンダーロール法などによってシート状に形成することによって、セラミックグリーンシートを形成する。原料粉末としては、たとえば、基体本体20が酸化アルミニウム質焼結体からなる場合には、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムおよび酸化カルシウムなどを用いる。
次に、このようにして形成されたセラミックグリーンシート31、32を2枚用いて基体本体20を形成する。さらに、図2(a)に示すように、セラミックグリーンシート31を金型で打ち抜いて上下面を溝状に貫通させることによって、流路12と成る溝部33を形成する。
なお、この打ち抜き加工時に、金型のパターンを、高抵抗導体19が位置する部位で狭くなるようにしておくことにより、高抵抗導体19が位置する部位における流路12の幅を他の部位よりも狭くすることができる。
また、図2(b)に示すように、セラミックグリーンシート32の表面に、導電性ペーストをスクリーン印刷法などによって所定の形状に塗布することによって、高抵抗導体19および外部電源接続用の導体となる配線パターン34を形成する。導電性ペーストは、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、ニッケル、パラジウムまたは金などの金属材料粉末に、適当な有機バインダおよび溶剤を混合して得られる。なお、高抵抗導体19となる配線パターン34を形成する導電性ペーストには、焼結後に所定の電気抵抗になるように前述の金属材料に適当な有機バインダおよび溶剤を混合して得られる。なお、高抵抗導体19となる配線パターン34を形成する導電性ペーストには、焼結後に所定の電気抵抗になるように、前述の金属材料粉末にセラミック粉末が5〜30重量%添加されたものが用いられる。
次に、図3に示すように、高抵抗導体19となる配線パターン34が形成されたセラミックグリーンシート32の表面に、溝部33の形成されたセラミックグリーンシート31を積層する。積層されたセラミックグリーンシート31、32を温度約1600℃で焼結させる。以上のようにして、流路12と供給部13a、13bと基体本体20を形成する。
一方、蓋体21は、例えば以下のようにして作製する。図4は、蓋体21の構成を簡略化して示す平面図である。図4で示すように、たとえばガラスまたはセラミック材料などからなる基板41における供給口16a、16b、マイクロポンプ18a、18bおよび採取部15となるべく予め定められる位置に、図3(a)に示すセラミックグリーンシート31の溝部33に連通する貫通孔41a、41b、43を形成し、蓋体21を形成する。
最後に、基体本体20の溝部33が露出した表面に、蓋体21を接着する。蓋体21と基体本体20とは、たとえば蓋体21がガラスからなる場合には加熱および加圧によって接着され、蓋体21がセラミック材料からなる場合にはガラス接着剤などによって接着される。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。例えば、図1に示したマイクロ化学チップ1は、2つの供給部13a、13bを有するが、これに限定されることなく、3つ以上の供給部を有してもよい。供給部が2つ以上設けられる場合、供給部は、1点で合流するように設けられる必要はなく、それぞれ流路12の異なる位置に接続されるように設けられてもよい。
また、図1のマイクロ化学チップ1では、採取部15を設け、反応生成物を採取部15から導出させる形態となっているが、採取部15または採取部15よりも被処理流体の流通方向上流側に検出部を設けてもよい。採取部15または採取部15よりも被処理流体の流通方向上流側に検出部を設けることで、化学反応や抗原抗体反応、酵素反応などの生化学反応の反応生成物を検出することができる。
また、蓋体21は基体本体20に装着されていても、基体本体20から取外し可能に取り付けられていても、どちらでもかまわない。また、蓋体21と基体本体20との間にシリコーンゴムなどを挟み、マイクロ化学チップ全体に圧力を加えるような構成であってもよい。
また、本発明の実施の形態におけるマイクロ化学チップ1の製造方法では、基体本体20は、溝部33が形成されたセラミックグリーンシート31と、高抵抗導体19となる配線パターンが形成されたセラミックグリーンシート32との2枚のセラミックグリーンシートから構成されたものとなっているが、これに限定されることなく、3枚以上のセラミックグリーンシートから形成されてもよい。
本発明のマイクロ化学チップ1は、血液,唾液,尿等の体液中のウイルス、細菌または体液成分の試薬による検査、ウイルス,細菌や薬液と体細胞との生体反応実験、ウイルス,細菌と薬液との反応実験、ウイルス,細菌と他のウイルス,細菌との反応実験、血液鑑定、遺伝子の薬液による分離抽出や分解、溶液中の化学物質の分解、複数の薬液の混合、合成反応や分解反応等、の種々の用途に精度良く用いることができる。
(a)は本発明の一実施形態であるマイクロ化学チップの構成を簡略化して示す平面図、(b)は(a)に示すマイクロ化学チップの切断面I―Iにおける断面図、(c)は(a)に示すマイクロ化学チップの切断面II―IIにおける断面図である。 (a)、(b)は本発明のマイクロ化学チップの製造工程における基体となるセラミックグリーンシートの各平面図である。 図2のセラミックグリーンシートを積層した状態を示す断面図である。 本発明のマイクロ化学チップの製造工程における蓋体の平面図である。
符号の説明
1:マイクロ化学チップ
11:基体
12:流路
13a、13b:供給部
14:処理部
19:高抵抗導体
22:合流部

Claims (5)

  1. 被処理流体をそれぞれ供給する複数の供給部が形成された基体と、該基体の表面および/または内部に、前記複数の供給部からそれぞれ延びるとともに途中で合流するように形成された流路と、該流路の前記合流部よりも下流側に形成された前記被処理流体の処理部とを有するマイクロ化学チップにおいて、前記流路の、前記合流部と前記処理部との間の内表面に高抵抗導体を設けたことを特徴とするマイクロ化学チップ。
  2. 前記基体がセラミックスで形成され、前記高抵抗導体が、白金または白金−パラジウム合金からなることを特徴とする請求項1記載のマイクロ化学チップ。
  3. 前記流路は、前記高抵抗導体が設けられた部位の幅が、他の部位の幅よりも狭いことを特徴とする請求項1または請求項2記載のマイクロ化学チップ。
  4. 前記高抵抗導体が絶縁体で被覆されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のマイクロ化学チップ。
  5. 前記高抵抗導体の抵抗値変化から温度を測定する測温機構と、該測定結果を前記高抵抗導体に対する電流印加条件に連動させる電流制御機構とを備える温度制御の機構を、前記基体の内部および表面に有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のマイクロ化学チップ。
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