JP2004332970A - 焼却施設の解体方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】焼却施設の解体物の表面及び内部に浸透している有害物質を除去し、大気中及び土壌に有害物質の分散及び浸透を防止する焼却施設の解体方法を提供する。
【解決手段】焼却炉2の解体作業を閉塞状態で行うと共に、第1屋内解体物置場3で解体物D1を洗浄液Wに浸漬させ、解体物D1に付着及び浸透した有害物質を除去してから外部に搬送すると共に、凝集沈殿手段5を使用し、洗浄液W中に分散した有害物質を固形物として回収して特別管理廃棄物として処理すると共に、凝集沈殿手段5で分離した浄化水を、水槽3aに戻して洗浄水Wの一部として再利用する。
【選択図】 図1
【解決手段】焼却炉2の解体作業を閉塞状態で行うと共に、第1屋内解体物置場3で解体物D1を洗浄液Wに浸漬させ、解体物D1に付着及び浸透した有害物質を除去してから外部に搬送すると共に、凝集沈殿手段5を使用し、洗浄液W中に分散した有害物質を固形物として回収して特別管理廃棄物として処理すると共に、凝集沈殿手段5で分離した浄化水を、水槽3aに戻して洗浄水Wの一部として再利用する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼却施設の解体方法に関し、特に、焼却施設の解体作業における解体物の搬送時に有害物質が大気中に分散することを防止する焼却施設の解体方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ダイオキシン等の有害物質で汚染されている廃棄物を処理する場合には、管理区域内で作業する必要があると共に、有害物質の含有量が基準値以下にしてから排出するように規制され、廃棄物を解体する解体エリアは、シート養生による閉鎖処理と、負圧機による有害物質の基準値以下の排気処理が必要となっている。この基準値は、「環境省;廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で、ダイオキシン類に汚染された廃棄物の定義として、汚染度が3ng−TEQ/g以下の廃棄物を管理型廃棄物、汚染度が3ng−TEQ/g以上の廃棄物を特別管理型廃棄物として定義している。なお、ng‐TEQ/gは、2,3,7,8−TCDD(テトラクロロジベンゾパラジオキシン)の毒性の何グラム分に相当するかという濃度の値である。
【0003】
例えば、焼却施設の焼却炉の解体作業は、有害物質が焼却炉の内部に大量に付着しているため、ウォータージェット等を用いて有害物質を除染しながら焼却炉の解体を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−81619号公報(第3頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、長い年月の間利用してきた焼却施設を解体すると、焼却施設の解体物の表面だけではなく内部まで有害物質が浸透しているため、解体物の表面にウォータージェット等を用いて洗浄しても、解体物の内部に浸透した有害物質を除染することができないという問題があった。また、解体物の表面だけを洗浄した状態で廃棄物として処理すると、雨等によって解体物の内部に浸透していた有害物質が解体物の外部に染み出し、土壌汚染を引き起こす要因となるおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、焼却施設の解体物の表面及び内部に浸透している有害物質を除染して、大気中及び土壌に有害物質の分散及び浸透を防止する焼却施設の解体方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するため、本発明の焼却施設の解体方法は、焼却炉を内部に備えた焼却施設の解体方法において、有害物質で汚染されている前記焼却施設の解体物を、前記焼却施設に並設した一時的に前記解体物を放置する密閉された屋内解体物置場に搬送し、前記解体物を洗浄液に浸漬させて洗浄を行うと共に有害物質の有無が所定の基準値以下に除染し、前記屋内解体物置場から屋外に搬送することを特徴とする。
【0008】
本発明の焼却施設の解体方法によれば、焼却施設の解体物を焼却施設に並設した屋内解体物置場に搬送し、解体物を洗浄液に浸漬させて表面及び浸透している有害物質を基準値以下になるまで除染した後、解体物を屋外に搬送することで、有害物質を大気中及び土壌に分散させることを防止できる。特に、焼却施設の内部に設置された焼却炉は、長年使用することで表面だけではなく内部に有害物質が浸透している事が多く、洗浄液に解体物を浸漬させ、解体物の有害物質を除染することで、大気中に有害物質が分散することを防止することができる。
なお、有害物質とは、例えば、ダイオキシンや重金属などの人体に悪影響を与える物質である。
【0009】
また、焼却施設の解体方法は、前記焼却施設に近接し、前記解体物を洗浄した洗浄液の浄化を行う凝集沈殿手段を備え、この凝集沈殿手段により浄化された前記洗浄液を前記解体物の洗浄に再利用することを特徴とする。
【0010】
本発明の焼却施設の解体方法によれば、焼却施設の解体物を浸漬させて有害物質の除染に使用した洗浄液を、凝集沈殿手段を用いて沈殿物(凝集物)と浄化水とに分離させることで、洗浄液中に分散した有害物質を沈殿物として簡単に回収することができると共に、浄化水は、解体物を浸漬させる時の洗浄液として再利用することができる。特に、洗浄液から分離された沈殿物は、有害物質を含む廃棄物(特別管理廃棄物)として分別して処理を行うことができる。なお、凝集沈殿手段とは、洗浄液に凝集剤等を投入し、ブロックを形成させて沈降分離するための手段である。特に、液体中の懸濁する有害物質の大きさが1μ程度以下になると、通常の沈降・濾過などの物理的方法だけでは分離が困難となるため、凝集剤等を投入して微粒子をまとめて大きな固まり(ブロック)にして沈降させ、沈殿物と浄化水とに分離させることができるものである。
【0011】
さらに、本発明の焼却施設の解体方法において、焼却施設の解体物を浸漬させて洗浄する際に用いる洗浄液に、シクロデキストリン溶液を用いることで、解体物に付着及び浸透した有害物質を効果的に除染することができる。このシクロデキストリンは、でんぷんから酵素反応により合成されたブドウ糖を構成単位とする環状無還元マルトオリゴ糖であり、生物や環境に対し安全な物質である。特に、シクロデキストリンには環内孔に疎水性があり、この疎水性を利用して、各種の分子(有害物質)を包み込む抱接機能を有していることから非常に好適である。なお、シクロデキストリン溶液を用いた洗浄液として、シクロデキストリン水溶液、シクロデキストリンアルコール溶液、シクロデキストリンアセトン溶液等を用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る焼却施設の解体方法を、適宣図面を参照して説明する。図1は、焼却施設の解体時に使用する施設の構成を示す構成図である。図2は、図1に示す焼却施設と第1屋内解体物置場の拡大図である。図3(a)〜(c)は、γ―シクロデキストリンによって汚染物質が包接される過程を示す模式図である。図4は、図1の第1屋内解体物置場と第2屋内解体物置場の拡大図である。図5は、本発明の他の実施形態を示す構成図である。なお、除染前の解体物を解体物D1とし、除染後の解体物を解体物D2として異なる符合で示す。
【0013】
まず、本発明の焼却施設の解体に使用する施設の構成について図面を用いて詳細に説明する(以下、「解体施設」ということがある)。
図1に示すように解体施設は、焼却施設1と、この焼却施設1の内部に設けられている焼却炉2と、この焼却施設1を解体する解体機械M,M1と、この焼却施設1の一側面に並設され内部に水槽3aが配置され内部空間が密閉された第1屋内解体物置場3と、この第1屋内解体物置場3の内部で解体物D1の移動等に利用する解体機械M2と、第1屋内解体物置場3に並設され解体物D2を一時的に仮置きすると共に内部空間が密閉された第2屋内解体物置場4と、この第2屋内解体物置場4で解体物D2の移動等を行う解体機械M3と、第2解体物置場4から図示しない廃棄物置場に解体物D2を搬送する搬送車Tと、第1屋内解体物置場3の水槽3aで使用した洗浄液Wを浄化する凝集沈殿手段5を備えて構成される。
【0014】
ここで、解体対象となる焼却施設1は、コンクリート等を用いて形成され、内部に焼却炉2が備えられている。なお、内部の空気を換気できるように、図示しない換気口や換気扇を備えると共に、内部に存在するダイオキシンを主成分とする有害物質を含んだ粉塵等を外部に排出しないようにエアフィルター等が備えられている。また、解体時の粉塵等が分散しないように焼却施設1と第2屋内解体物置場3との間には遮蔽用の扉G1が設けられている。
【0015】
また、焼却炉2は、焼却物を粉砕する粉砕機や焼却物の分別を行う分別装置等を備えるものであり、従来公知の焼却炉と同様で、特に限定されるものではない。
【0016】
解体機械M,M1は、焼却炉2や焼却施設1の解体によって生じた解体物D1を任意の場所に移動させることができるものであれば、特に限定されるものではなく、従来公知の工作機械を用いることができ、例えば、油圧ブレーカ、ワイヤーソー、ウォルソー等を用いて解体することができる。
【0017】
第1屋内解体物置場3は、焼却施設1に並設され内部に水槽3aを備えると共に、焼却施設1等の解体物D1を洗浄液Wで満たされた水槽3aに浸漬させて洗浄する場所であり、有害物質が土壌等に浸透させないように第1屋内解体物置場3は浸透防止の対策が施されている。また、焼却施設1と第1屋内解体物置場3の間に遮蔽用の扉G1と、第1屋内解体物置場3と第2屋内解体物置場4の間には、遮蔽用の扉G2が設けられている。
【0018】
また、水槽3aは、焼却施設1から搬送されてきた解体物D1を洗浄液Wに浸漬させる時に使用するものであり、解体物D1を浸漬させた時に使用した洗浄液Wを後記する凝集沈殿手段5に排出する排出パイプ3bと、凝集沈殿装置5で浄化した浄化水を注入する注入パイプ3cと、排出パイプ3bの流量を補助する排出用補助ポンプ3dと、注入パイプ3cの流量を補助する注入用補助ポンプ3eが備えられている。
なお、洗浄液Wには、γ―シクロデキストリン水溶液を用いている。このγ―シクロデキストリン水溶液は、解体物D1に付着及び浸透したダイオキシン等の有害物質を効果的に包接することができ、簡単に解体物D1から有害物質を除染することができる。特に、解体物D1がレンガのような内部に空隙を有した構造でも、解体物D1をγ―シクロデキストリン水溶液に浸漬させることで、空隙部分に浸透させて有害物質を除染することができる。なお、γ―シクロデキストリンを含む水溶液の濃度は、0.01〜1%、好ましくは、0.05〜0.5%の水溶液を用いることで好適にダイオキシンを除染することができる。
【0019】
解体機械M2は、第1屋内解体物置場3の内部で、焼却施設1から搬送されてきた解体物D1を粉砕し、又は、移動させることに利用するものであり、解体機械M2を第1屋内解体物置場3の内部だけの作業に利用することで、解体機械M2に付着した有害物質を大気中に分散させることを防止することができる。
【0020】
第2屋内解体物置場4は、第1屋内解体物置場3に設けられた水槽3aに浸漬させて有害物質を除染した解体物D2を一時的に仮置きする場所であると共に、第2解体物置場4の内部で解体物D2の移動等の作業を行う解体機械M3が配置されると共に、図示しない外部の廃棄物置場に搬送するための搬送車Tが入庫可能な構成になっている。また、第2解体物置場4には、第1解体物置場3と第2解体物置場4との間に扉G2と、第2解体物置場4とが外部との間に遮蔽用の扉G3が備えられている。
【0021】
凝集沈殿手段5は、水槽3aで使用した洗浄液Wを排出する排出パイプ3bと、凝集沈殿手段5で浄化された浄化水を水槽3aに注入する注入パイプ9とが接続され、洗浄液Wに凝集剤等を添加して、洗浄液W中の有害物質を凝集した固形物と、浄化された浄化水とに簡単に分離させることができるようになっている。特に、分離された固形物は、ドラム缶Z等に詰め込み、他の処理施設に搬送して適切な処理を行うことができ、また、分離された浄化水は、注入パイプ3cを介して水槽3aに戻して再利用することができる。なお、凝集沈殿手段5に利用する凝集剤は、特に限定されるものではなく、従来公知の硫酸アルミニウムや塩化第2鉄等の凝集剤や有機合成高分子凝集剤を利用することができる。
【0022】
次に、焼却施設1に備えられた焼却炉2の解体方法について図面を用いて詳細に説明する。
図2に示すように、焼却施設1内の解体機械M等を用いて焼却炉2を解体し、焼却炉2を解体した解体物D1は、扉G1を開放して第1屋内解体物置場3に搬送する。なお、扉G1は、解体物D1を第1屋内解体物置場3に搬送時だけ開放するようにし、焼却炉2の解体時に発生する有害物質を含む粉塵等を第1屋内解体物置場3の内部に分散させることを防止する。
【0023】
そして、第1屋内解体物置場3に搬送された解体物D1の汚染度に応じて、第1屋内解体物置場3に設置された水槽3aの洗浄液Wに解体物D1を浸漬させ、解体物D1の汚染度が3ng−TEQ/g(基準値)以下になるまで有害物質の除染を行う。
【0024】
ここで、解体物D1に付着及び浸透した有害物質の除染方法について、図3を用いて詳細に説明する。図3(a)に示すように、有害物質であるダイオキシンDXが付着及び浸透した解体物D1を洗浄液Wに浸漬させると、図3(b)に示すように、γ―シクロデキストリンCDがダイオキシンDXを包接する。そして、このγ―シクロデキストリンCDに包接されたダイオキシンDXを、図3(c)に示すように、凝集沈殿手段5を用いて凝集沈殿させることにより固定物として回収し、この固体物をドラム缶Z等に詰め込み、特別管理廃棄物(汚染度3ng−TEQ/g以上)として適切な処理を行い無害化する。
【0025】
汚染度が3ng−TEQ/g以下になった解体物D2(有害物質を除染した解体物D1)は、図4に示すように扉G2を開放して、解体機械M3等を用いて第2屋内解体物置場4に搬送して一時的に載置する。なお、扉G2は、解体物D2を第2屋内解体物置場4に搬送時だけ開放するようにし、第1屋内解体物置場3の内部で解体物D1の洗浄中に発生する有害物質を第2屋内解体物置場4の内部に分散させることを防止する。
【0026】
第2屋内解体物置場4に載置された解体物D2は、解体機械M3を用いて入庫している搬送車Tに積載する。なお、第2屋内解体物置場4と外部との間に設けられている扉G3は閉じた状態とする。そして、搬送車Tに解体物D2を積載した後、第2屋内解体物置場4の扉G3を開放して図示しない廃棄物置場に搬送する。
【0027】
また、解体物D1の有害物質の除染に使用した洗浄液Wは、第1屋内解体物置場3の水槽3aの排水パイプ3bを介して凝集沈殿手段5に注入される。凝集沈殿手段5に注入された洗浄液Wは、有害物質を含んだ固形物と浄化水とに分離させ、凝集沈殿手段5で洗浄液Wから分離した固形物(有害物質の凝集物)は、ドラム缶Z等に詰め込み、特別管理廃棄物(汚染度3ng−TEQ/g以上)として適切な処理を行い無害化する。また、固体物とは別に分離された浄化水は、注入パイプ3cを介して水槽3aに戻して再利用する。
【0028】
これより、本発明の焼却施設の解体方法によれば、焼却炉2の解体作業を閉塞状態の解体施設内で行うと共に、第1屋内解体物置場3で解体物D1に付着及び浸透した有害物質を洗浄液Wに浸漬させて除染してから外部に搬送するので、大気中に有害物質を分散させることなく焼却施設1の解体作業を行うことができる。また、凝集沈殿手段5を使用して洗浄液W中に分散した有害物質を固形物として簡単に回収することができるので、回収された固形物を特別管理廃棄物として分別して処理することができる。また、凝集沈殿手段5で分離された浄化水を、水槽3aに戻して洗浄水Wの一部として再利用することができる。
【0029】
また、焼却炉2の解体方法と同様の手順で焼却施設1の解体を行うことで、焼却施設1に付着及び浸透した有害物質を除染させることができ、大気中に有害物質を分散させないで解体作業を行うことができる。
【0030】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく限りにおいて、種々の変形が可能である。
【0031】
例えば、本発明の一実施形態において、第1屋内解体物置場3に第2屋内解体物置場4を並設した構成にしたが、図5に示すように、第1屋内解体物置場3に搬送車Tを入庫可能に構成し、第1屋内解体物置場3から搬送車Tが出庫する前に、搬送車Tに付着した有害物質をエアーシャワーやウォーターシャワー等の洗浄手段を用いて、搬送車Tの有害物質を除去してから外部の図示しない廃棄物置場に搬送するように構成してもよい。
【0032】
また、例えば、本発明の一実施形態において、焼却施設1に第1屋内解体物置場3を並設する構成にしたが、焼却施設1から第1屋内解体物置場3に解体物D1を搬送する際に、解体物D1に付着及び浸透した有害物質を大気中に分散させないで搬送することができれば、焼却施設1に第1屋内解体物置場3を並設していなくてもよい。
【0033】
また、本発明の一実施形態においてγ―シクロデキストリンを用いたが、例えば、環を構成するブドウ糖の数が6つのα―シクロデキストリンや、7つのβ―シクロデキストリン等を利用することができる。さらに、このα,β,γ―シクロデキストリンに、メチル体、ヒドロキシプロピル体、モノアセチル体、トリアセチル体、モノクロロトリアジニル体等が修飾されたシクロデキストリン化学修飾体を用いることもできる。また、α,β,γ―シクロデキストリン水溶液以外の他に、シクロデキストリンアルコール溶液、シクロデキストリンアセトン溶液等を用いることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上より、本発明の焼却施設の解体方法によれば、焼却施設の解体作業を閉塞状態で行うと共に、屋内解体物置場で解体物に付着及び浸透した有害物質を洗浄液に浸漬させて除染してから外部に搬送するので、大気中に有害物質を分散させることなく焼却施設の解体作業を行うことができる。
【0035】
また、凝集沈殿手段を使用して洗浄液中に分散した有害物質を固形物として簡単に回収することができるので、回収された固形物を特別管理廃棄物として分別して処理することができると共に、凝集沈殿手段で分離された浄化水を、解体物の洗浄に再利用することができる。
【0036】
さらに、解体物に付着及び浸透した有害物質を除染するために、シクロデキストリン溶液を用いることで、シクロデキストリンが有害物質を包接し、簡単に解体物から有害物質から除染することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼却施設の解体時に使用する施設の構成を示す構成図である。
【図2】図1に示す焼却施設と第1屋内解体物置場の拡大図である。
【図3】(a)〜(c)は、γ―シクロデキストリンによって汚染物質が包接される過程を示す模式図である。
【図4】図1の第1屋内解体物置場と第2解体物置場の拡大図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
1 ・・・ 焼却施設
2 ・・・ 焼却炉
3 ・・・ 第1屋内解体物置場
3a・・・ 水槽
3b・・・ 排水パイプ
3c・・・ 注入パイプ
3d・・・ 排水用補助ポンプ
3e・・・ 注入用補助ポンプ
4 ・・・ 第2屋内解体物置場
5 ・・・ 凝集沈殿手段
CD・・・ γ―シクロデキストリン
DX・・・ ダイオキシン
D1・・・ 解体物D1
D2・・・ 解体物D2
G1・・・ 扉
G2・・・ 扉
G3・・・ 扉
M ・・・ 解体機械
M1・・・ 解体機械
M2・・・ 解体機械
M3・・・ 解体機械
T ・・・ 搬送車
Z ・・・ ドラム缶
【発明の属する技術分野】
本発明は、焼却施設の解体方法に関し、特に、焼却施設の解体作業における解体物の搬送時に有害物質が大気中に分散することを防止する焼却施設の解体方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ダイオキシン等の有害物質で汚染されている廃棄物を処理する場合には、管理区域内で作業する必要があると共に、有害物質の含有量が基準値以下にしてから排出するように規制され、廃棄物を解体する解体エリアは、シート養生による閉鎖処理と、負圧機による有害物質の基準値以下の排気処理が必要となっている。この基準値は、「環境省;廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で、ダイオキシン類に汚染された廃棄物の定義として、汚染度が3ng−TEQ/g以下の廃棄物を管理型廃棄物、汚染度が3ng−TEQ/g以上の廃棄物を特別管理型廃棄物として定義している。なお、ng‐TEQ/gは、2,3,7,8−TCDD(テトラクロロジベンゾパラジオキシン)の毒性の何グラム分に相当するかという濃度の値である。
【0003】
例えば、焼却施設の焼却炉の解体作業は、有害物質が焼却炉の内部に大量に付着しているため、ウォータージェット等を用いて有害物質を除染しながら焼却炉の解体を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−81619号公報(第3頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、長い年月の間利用してきた焼却施設を解体すると、焼却施設の解体物の表面だけではなく内部まで有害物質が浸透しているため、解体物の表面にウォータージェット等を用いて洗浄しても、解体物の内部に浸透した有害物質を除染することができないという問題があった。また、解体物の表面だけを洗浄した状態で廃棄物として処理すると、雨等によって解体物の内部に浸透していた有害物質が解体物の外部に染み出し、土壌汚染を引き起こす要因となるおそれがあった。
【0006】
そこで、本発明は、焼却施設の解体物の表面及び内部に浸透している有害物質を除染して、大気中及び土壌に有害物質の分散及び浸透を防止する焼却施設の解体方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するため、本発明の焼却施設の解体方法は、焼却炉を内部に備えた焼却施設の解体方法において、有害物質で汚染されている前記焼却施設の解体物を、前記焼却施設に並設した一時的に前記解体物を放置する密閉された屋内解体物置場に搬送し、前記解体物を洗浄液に浸漬させて洗浄を行うと共に有害物質の有無が所定の基準値以下に除染し、前記屋内解体物置場から屋外に搬送することを特徴とする。
【0008】
本発明の焼却施設の解体方法によれば、焼却施設の解体物を焼却施設に並設した屋内解体物置場に搬送し、解体物を洗浄液に浸漬させて表面及び浸透している有害物質を基準値以下になるまで除染した後、解体物を屋外に搬送することで、有害物質を大気中及び土壌に分散させることを防止できる。特に、焼却施設の内部に設置された焼却炉は、長年使用することで表面だけではなく内部に有害物質が浸透している事が多く、洗浄液に解体物を浸漬させ、解体物の有害物質を除染することで、大気中に有害物質が分散することを防止することができる。
なお、有害物質とは、例えば、ダイオキシンや重金属などの人体に悪影響を与える物質である。
【0009】
また、焼却施設の解体方法は、前記焼却施設に近接し、前記解体物を洗浄した洗浄液の浄化を行う凝集沈殿手段を備え、この凝集沈殿手段により浄化された前記洗浄液を前記解体物の洗浄に再利用することを特徴とする。
【0010】
本発明の焼却施設の解体方法によれば、焼却施設の解体物を浸漬させて有害物質の除染に使用した洗浄液を、凝集沈殿手段を用いて沈殿物(凝集物)と浄化水とに分離させることで、洗浄液中に分散した有害物質を沈殿物として簡単に回収することができると共に、浄化水は、解体物を浸漬させる時の洗浄液として再利用することができる。特に、洗浄液から分離された沈殿物は、有害物質を含む廃棄物(特別管理廃棄物)として分別して処理を行うことができる。なお、凝集沈殿手段とは、洗浄液に凝集剤等を投入し、ブロックを形成させて沈降分離するための手段である。特に、液体中の懸濁する有害物質の大きさが1μ程度以下になると、通常の沈降・濾過などの物理的方法だけでは分離が困難となるため、凝集剤等を投入して微粒子をまとめて大きな固まり(ブロック)にして沈降させ、沈殿物と浄化水とに分離させることができるものである。
【0011】
さらに、本発明の焼却施設の解体方法において、焼却施設の解体物を浸漬させて洗浄する際に用いる洗浄液に、シクロデキストリン溶液を用いることで、解体物に付着及び浸透した有害物質を効果的に除染することができる。このシクロデキストリンは、でんぷんから酵素反応により合成されたブドウ糖を構成単位とする環状無還元マルトオリゴ糖であり、生物や環境に対し安全な物質である。特に、シクロデキストリンには環内孔に疎水性があり、この疎水性を利用して、各種の分子(有害物質)を包み込む抱接機能を有していることから非常に好適である。なお、シクロデキストリン溶液を用いた洗浄液として、シクロデキストリン水溶液、シクロデキストリンアルコール溶液、シクロデキストリンアセトン溶液等を用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る焼却施設の解体方法を、適宣図面を参照して説明する。図1は、焼却施設の解体時に使用する施設の構成を示す構成図である。図2は、図1に示す焼却施設と第1屋内解体物置場の拡大図である。図3(a)〜(c)は、γ―シクロデキストリンによって汚染物質が包接される過程を示す模式図である。図4は、図1の第1屋内解体物置場と第2屋内解体物置場の拡大図である。図5は、本発明の他の実施形態を示す構成図である。なお、除染前の解体物を解体物D1とし、除染後の解体物を解体物D2として異なる符合で示す。
【0013】
まず、本発明の焼却施設の解体に使用する施設の構成について図面を用いて詳細に説明する(以下、「解体施設」ということがある)。
図1に示すように解体施設は、焼却施設1と、この焼却施設1の内部に設けられている焼却炉2と、この焼却施設1を解体する解体機械M,M1と、この焼却施設1の一側面に並設され内部に水槽3aが配置され内部空間が密閉された第1屋内解体物置場3と、この第1屋内解体物置場3の内部で解体物D1の移動等に利用する解体機械M2と、第1屋内解体物置場3に並設され解体物D2を一時的に仮置きすると共に内部空間が密閉された第2屋内解体物置場4と、この第2屋内解体物置場4で解体物D2の移動等を行う解体機械M3と、第2解体物置場4から図示しない廃棄物置場に解体物D2を搬送する搬送車Tと、第1屋内解体物置場3の水槽3aで使用した洗浄液Wを浄化する凝集沈殿手段5を備えて構成される。
【0014】
ここで、解体対象となる焼却施設1は、コンクリート等を用いて形成され、内部に焼却炉2が備えられている。なお、内部の空気を換気できるように、図示しない換気口や換気扇を備えると共に、内部に存在するダイオキシンを主成分とする有害物質を含んだ粉塵等を外部に排出しないようにエアフィルター等が備えられている。また、解体時の粉塵等が分散しないように焼却施設1と第2屋内解体物置場3との間には遮蔽用の扉G1が設けられている。
【0015】
また、焼却炉2は、焼却物を粉砕する粉砕機や焼却物の分別を行う分別装置等を備えるものであり、従来公知の焼却炉と同様で、特に限定されるものではない。
【0016】
解体機械M,M1は、焼却炉2や焼却施設1の解体によって生じた解体物D1を任意の場所に移動させることができるものであれば、特に限定されるものではなく、従来公知の工作機械を用いることができ、例えば、油圧ブレーカ、ワイヤーソー、ウォルソー等を用いて解体することができる。
【0017】
第1屋内解体物置場3は、焼却施設1に並設され内部に水槽3aを備えると共に、焼却施設1等の解体物D1を洗浄液Wで満たされた水槽3aに浸漬させて洗浄する場所であり、有害物質が土壌等に浸透させないように第1屋内解体物置場3は浸透防止の対策が施されている。また、焼却施設1と第1屋内解体物置場3の間に遮蔽用の扉G1と、第1屋内解体物置場3と第2屋内解体物置場4の間には、遮蔽用の扉G2が設けられている。
【0018】
また、水槽3aは、焼却施設1から搬送されてきた解体物D1を洗浄液Wに浸漬させる時に使用するものであり、解体物D1を浸漬させた時に使用した洗浄液Wを後記する凝集沈殿手段5に排出する排出パイプ3bと、凝集沈殿装置5で浄化した浄化水を注入する注入パイプ3cと、排出パイプ3bの流量を補助する排出用補助ポンプ3dと、注入パイプ3cの流量を補助する注入用補助ポンプ3eが備えられている。
なお、洗浄液Wには、γ―シクロデキストリン水溶液を用いている。このγ―シクロデキストリン水溶液は、解体物D1に付着及び浸透したダイオキシン等の有害物質を効果的に包接することができ、簡単に解体物D1から有害物質を除染することができる。特に、解体物D1がレンガのような内部に空隙を有した構造でも、解体物D1をγ―シクロデキストリン水溶液に浸漬させることで、空隙部分に浸透させて有害物質を除染することができる。なお、γ―シクロデキストリンを含む水溶液の濃度は、0.01〜1%、好ましくは、0.05〜0.5%の水溶液を用いることで好適にダイオキシンを除染することができる。
【0019】
解体機械M2は、第1屋内解体物置場3の内部で、焼却施設1から搬送されてきた解体物D1を粉砕し、又は、移動させることに利用するものであり、解体機械M2を第1屋内解体物置場3の内部だけの作業に利用することで、解体機械M2に付着した有害物質を大気中に分散させることを防止することができる。
【0020】
第2屋内解体物置場4は、第1屋内解体物置場3に設けられた水槽3aに浸漬させて有害物質を除染した解体物D2を一時的に仮置きする場所であると共に、第2解体物置場4の内部で解体物D2の移動等の作業を行う解体機械M3が配置されると共に、図示しない外部の廃棄物置場に搬送するための搬送車Tが入庫可能な構成になっている。また、第2解体物置場4には、第1解体物置場3と第2解体物置場4との間に扉G2と、第2解体物置場4とが外部との間に遮蔽用の扉G3が備えられている。
【0021】
凝集沈殿手段5は、水槽3aで使用した洗浄液Wを排出する排出パイプ3bと、凝集沈殿手段5で浄化された浄化水を水槽3aに注入する注入パイプ9とが接続され、洗浄液Wに凝集剤等を添加して、洗浄液W中の有害物質を凝集した固形物と、浄化された浄化水とに簡単に分離させることができるようになっている。特に、分離された固形物は、ドラム缶Z等に詰め込み、他の処理施設に搬送して適切な処理を行うことができ、また、分離された浄化水は、注入パイプ3cを介して水槽3aに戻して再利用することができる。なお、凝集沈殿手段5に利用する凝集剤は、特に限定されるものではなく、従来公知の硫酸アルミニウムや塩化第2鉄等の凝集剤や有機合成高分子凝集剤を利用することができる。
【0022】
次に、焼却施設1に備えられた焼却炉2の解体方法について図面を用いて詳細に説明する。
図2に示すように、焼却施設1内の解体機械M等を用いて焼却炉2を解体し、焼却炉2を解体した解体物D1は、扉G1を開放して第1屋内解体物置場3に搬送する。なお、扉G1は、解体物D1を第1屋内解体物置場3に搬送時だけ開放するようにし、焼却炉2の解体時に発生する有害物質を含む粉塵等を第1屋内解体物置場3の内部に分散させることを防止する。
【0023】
そして、第1屋内解体物置場3に搬送された解体物D1の汚染度に応じて、第1屋内解体物置場3に設置された水槽3aの洗浄液Wに解体物D1を浸漬させ、解体物D1の汚染度が3ng−TEQ/g(基準値)以下になるまで有害物質の除染を行う。
【0024】
ここで、解体物D1に付着及び浸透した有害物質の除染方法について、図3を用いて詳細に説明する。図3(a)に示すように、有害物質であるダイオキシンDXが付着及び浸透した解体物D1を洗浄液Wに浸漬させると、図3(b)に示すように、γ―シクロデキストリンCDがダイオキシンDXを包接する。そして、このγ―シクロデキストリンCDに包接されたダイオキシンDXを、図3(c)に示すように、凝集沈殿手段5を用いて凝集沈殿させることにより固定物として回収し、この固体物をドラム缶Z等に詰め込み、特別管理廃棄物(汚染度3ng−TEQ/g以上)として適切な処理を行い無害化する。
【0025】
汚染度が3ng−TEQ/g以下になった解体物D2(有害物質を除染した解体物D1)は、図4に示すように扉G2を開放して、解体機械M3等を用いて第2屋内解体物置場4に搬送して一時的に載置する。なお、扉G2は、解体物D2を第2屋内解体物置場4に搬送時だけ開放するようにし、第1屋内解体物置場3の内部で解体物D1の洗浄中に発生する有害物質を第2屋内解体物置場4の内部に分散させることを防止する。
【0026】
第2屋内解体物置場4に載置された解体物D2は、解体機械M3を用いて入庫している搬送車Tに積載する。なお、第2屋内解体物置場4と外部との間に設けられている扉G3は閉じた状態とする。そして、搬送車Tに解体物D2を積載した後、第2屋内解体物置場4の扉G3を開放して図示しない廃棄物置場に搬送する。
【0027】
また、解体物D1の有害物質の除染に使用した洗浄液Wは、第1屋内解体物置場3の水槽3aの排水パイプ3bを介して凝集沈殿手段5に注入される。凝集沈殿手段5に注入された洗浄液Wは、有害物質を含んだ固形物と浄化水とに分離させ、凝集沈殿手段5で洗浄液Wから分離した固形物(有害物質の凝集物)は、ドラム缶Z等に詰め込み、特別管理廃棄物(汚染度3ng−TEQ/g以上)として適切な処理を行い無害化する。また、固体物とは別に分離された浄化水は、注入パイプ3cを介して水槽3aに戻して再利用する。
【0028】
これより、本発明の焼却施設の解体方法によれば、焼却炉2の解体作業を閉塞状態の解体施設内で行うと共に、第1屋内解体物置場3で解体物D1に付着及び浸透した有害物質を洗浄液Wに浸漬させて除染してから外部に搬送するので、大気中に有害物質を分散させることなく焼却施設1の解体作業を行うことができる。また、凝集沈殿手段5を使用して洗浄液W中に分散した有害物質を固形物として簡単に回収することができるので、回収された固形物を特別管理廃棄物として分別して処理することができる。また、凝集沈殿手段5で分離された浄化水を、水槽3aに戻して洗浄水Wの一部として再利用することができる。
【0029】
また、焼却炉2の解体方法と同様の手順で焼却施設1の解体を行うことで、焼却施設1に付着及び浸透した有害物質を除染させることができ、大気中に有害物質を分散させないで解体作業を行うことができる。
【0030】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく限りにおいて、種々の変形が可能である。
【0031】
例えば、本発明の一実施形態において、第1屋内解体物置場3に第2屋内解体物置場4を並設した構成にしたが、図5に示すように、第1屋内解体物置場3に搬送車Tを入庫可能に構成し、第1屋内解体物置場3から搬送車Tが出庫する前に、搬送車Tに付着した有害物質をエアーシャワーやウォーターシャワー等の洗浄手段を用いて、搬送車Tの有害物質を除去してから外部の図示しない廃棄物置場に搬送するように構成してもよい。
【0032】
また、例えば、本発明の一実施形態において、焼却施設1に第1屋内解体物置場3を並設する構成にしたが、焼却施設1から第1屋内解体物置場3に解体物D1を搬送する際に、解体物D1に付着及び浸透した有害物質を大気中に分散させないで搬送することができれば、焼却施設1に第1屋内解体物置場3を並設していなくてもよい。
【0033】
また、本発明の一実施形態においてγ―シクロデキストリンを用いたが、例えば、環を構成するブドウ糖の数が6つのα―シクロデキストリンや、7つのβ―シクロデキストリン等を利用することができる。さらに、このα,β,γ―シクロデキストリンに、メチル体、ヒドロキシプロピル体、モノアセチル体、トリアセチル体、モノクロロトリアジニル体等が修飾されたシクロデキストリン化学修飾体を用いることもできる。また、α,β,γ―シクロデキストリン水溶液以外の他に、シクロデキストリンアルコール溶液、シクロデキストリンアセトン溶液等を用いることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上より、本発明の焼却施設の解体方法によれば、焼却施設の解体作業を閉塞状態で行うと共に、屋内解体物置場で解体物に付着及び浸透した有害物質を洗浄液に浸漬させて除染してから外部に搬送するので、大気中に有害物質を分散させることなく焼却施設の解体作業を行うことができる。
【0035】
また、凝集沈殿手段を使用して洗浄液中に分散した有害物質を固形物として簡単に回収することができるので、回収された固形物を特別管理廃棄物として分別して処理することができると共に、凝集沈殿手段で分離された浄化水を、解体物の洗浄に再利用することができる。
【0036】
さらに、解体物に付着及び浸透した有害物質を除染するために、シクロデキストリン溶液を用いることで、シクロデキストリンが有害物質を包接し、簡単に解体物から有害物質から除染することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼却施設の解体時に使用する施設の構成を示す構成図である。
【図2】図1に示す焼却施設と第1屋内解体物置場の拡大図である。
【図3】(a)〜(c)は、γ―シクロデキストリンによって汚染物質が包接される過程を示す模式図である。
【図4】図1の第1屋内解体物置場と第2解体物置場の拡大図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す構成図である。
【符号の説明】
1 ・・・ 焼却施設
2 ・・・ 焼却炉
3 ・・・ 第1屋内解体物置場
3a・・・ 水槽
3b・・・ 排水パイプ
3c・・・ 注入パイプ
3d・・・ 排水用補助ポンプ
3e・・・ 注入用補助ポンプ
4 ・・・ 第2屋内解体物置場
5 ・・・ 凝集沈殿手段
CD・・・ γ―シクロデキストリン
DX・・・ ダイオキシン
D1・・・ 解体物D1
D2・・・ 解体物D2
G1・・・ 扉
G2・・・ 扉
G3・・・ 扉
M ・・・ 解体機械
M1・・・ 解体機械
M2・・・ 解体機械
M3・・・ 解体機械
T ・・・ 搬送車
Z ・・・ ドラム缶
Claims (3)
- 焼却炉を内部に備えた焼却施設の解体方法において、有害物質で汚染されている前記焼却施設の解体物を、前記焼却施設に並設した一時的に前記解体物を放置する密閉された屋内解体物置場に搬送し、前記解体物を洗浄液に浸漬させて洗浄を行うと共に有害物質の有無が所定の基準値以下に除染し、前記屋内解体物置場から屋外に搬送することを特徴とする焼却施設の解体方法。
- 前記焼却施設に近接し、前記解体物を洗浄した洗浄液の浄化を行う凝集沈殿手段を備え、この凝集沈殿手段により浄化された前記洗浄液を前記解体物の洗浄に再利用することを特徴とする請求項1に記載の焼却施設の解体方法。
- 前記洗浄液は、シクロデキストリン溶液を用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の焼却施設の解体方法。
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CN100449207C (zh) * | 2006-07-24 | 2009-01-07 | 王玉志 | 环保、能源回收型垃圾处理装置 |
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JP4562589B2 (ja) * | 2005-06-01 | 2010-10-13 | アイサワ工業株式会社 | 洗浄設備 |
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