JP2004331184A - 包装袋及び包装袋を用いた調理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】混合して保存されることが望ましくない食材の保存に適し、一方加熱調理時においては、内圧の上昇により隔壁を破損させて食材と食材とを混合させて調理することが可能であり、さらに、加熱調理中に発生する蒸気により包装袋が不測の破裂をしないように、包装袋内部の内圧を減少させることができ、かつ、容易に低コストで製造できる包装袋を提供すること。
【解決手段】前記背シール部は、平面視で一方の端部シール部の略中央から他方の端部シール部の略中央を結ぶように位置し、さらに、分割シール部が、背シール部と重ならない位置で包装袋内部を複数の収納部に分けるように、ヒートシールすることにより形成されており、前記包装袋の背シール部を有する収納部には乾燥系食材が封入されているとともに、背シール部を有する収納部以外の少なくとも一つの収納部には液体系食材が封入されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】前記背シール部は、平面視で一方の端部シール部の略中央から他方の端部シール部の略中央を結ぶように位置し、さらに、分割シール部が、背シール部と重ならない位置で包装袋内部を複数の収納部に分けるように、ヒートシールすることにより形成されており、前記包装袋の背シール部を有する収納部には乾燥系食材が封入されているとともに、背シール部を有する収納部以外の少なくとも一つの収納部には液体系食材が封入されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装袋及び包装袋を用いた食品の調理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子レンジの普及に伴って電子レンジで加熱又は調理する食材が多数出回っている。電子レンジは、弁当や惣菜等を単に温めるだけでなく、調理器具としても利用できるので、各種の調理済食材や半調理済食材も販売されている。
【0003】
しかしながら、包装袋等に密封包装された食材を包装袋のまま電子レンジで加熱する場合、包装袋が密封状態であると、食材から発生する蒸気により包装袋内部の内圧が上昇し、ついには、包装袋が破裂し、包装袋に収納された食材が飛散するとともに、電子レンジ内を汚すといった問題があった。
【0004】
このような包装袋の破裂を防止するために、種々の方法が知られている。例えば、電子レンジで加熱する前に、あらかじめ包装袋に尖ったもので孔を空けるなり、包装袋の端部をはさみ等で切り取る方法(例えば、特許文献1参照)、包装袋の基材に樹脂系の不織布等を用いたり、弁構造の通気材を取り付けたり、コールドシール剤を用いて密封したりする方法(例えば、特許文献2参照)、一面にポリプロピレンとポリエチレンの混合樹脂からなるフィルムを用い、他面に無延伸ポリプロピレンフィルムを用いて、電子レンジでの加熱時に包装袋内部の内圧が所定の圧力に達した時に容易に開封する方法(例えば、特許文献3参照)、ヒートシールすることにより合掌貼りされた背シール部と、両端部に端部シール部とを有する形状として、背シール部が内圧によって開封する方法(例えば、特許文献4参照)等がある。
【0005】
さらに、包装袋に複数の食材を区別してそれぞれ収納し、電子レンジの加熱により区分を解除して食材を混合し調理するものもある。例えば、包装袋に耐熱性と耐圧性との高い合成樹脂材の袋内を、耐熱性と耐圧性との低い合成樹脂材を隔壁として区分けし、各区画に各食材を収容し密封する方法(例えば、特許文献5及び図5参照)、袋体と外部との間に第1の弁体15を形成すると共に、小袋と袋体との間に第2の弁体16を形成する方法(例えば、特許文献6及び図6参照)がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−72070号公報
【特許文献2】
特開平9−240754号公報
【特許文献3】
実公平2−15789号公報
【特許文献4】
特開平11−79259号公報
【特許文献5】
特開2000−211676号公報
【特許文献6】
特開平11−11545号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1〜4等では、包装袋に食材がまとめて収納されており、混合されて収納されることが好ましくない複数の食材には適用できず、また、電子レンジを用いて包装袋に収納された食材を調理又は復元する際に、自動的に複数の食材を混合して調理、復元できるというものではなかった。
【0008】
また、加熱する前に、いちいち袋を切り取ったり孔を空けたりする方法は、結構手間なものであると同時に、加熱が開始されて発生した蒸気は直ちに包装袋外部へ放出され、蒸気による加熱蒸らし効果が低減する場合があった。
【0009】
また、包装袋の基材に不織布等を使用すると密封ができないといった問題があり、また、通気材を取り付ける方法はコストが高くなるといった問題があり、また、コールドシール剤を用いる方法は完全に密封することが困難であるのみならず、シール強度が弱く輸送中等において自然にシールが剥離してしまうといった問題があった。
【0010】
一方、特許文献5では、複数の食材が区別してそれぞれ収納され、電子レンジの加熱により区分が解除されて食材が混合し調理されるものであるが、加熱調理中に発生する蒸気により、包装袋内部の内圧を減少させることができず破裂をおこす問題があり、また、特許文献6では、弁体15、16を形成する方法はコストが高くなるといった問題があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、食材と食材とが隔壁により区分して密封されていることで、混合して保存されることが望ましくない食材の保存に適し、一方加熱調理時においては、内圧の上昇により隔壁を破損させて食材と食材とを混合させて調理することが可能であり、さらに、加熱調理中に発生する蒸気により包装袋が不測の破裂をしないように、包装袋内部の内圧を減少させることができ、かつ、容易に低コストで製造できる包装袋を提供することにある。また、本発明は、上記のような作用機序によって、例えば凍結乾燥して長期保存を可能とした野菜等を、そのまま電子レンジにかけるだけで復元調理することができる包装袋を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、表面層がヒートシール性及び易剥離性を有する矩形状の積層体を、前記表面層を内面とし合掌合せに重ねて、ヒートシールすることにより背シール部が形成され、さらに、その開口両端部をそれぞれシールすることにより端部シール部が形成された包装袋であって、前記背シール部は、平面視で一方の端部シール部の略中央から他方の端部シール部の略中央を結ぶように位置し、さらに、分割シール部が、背シール部と重ならない位置で包装袋内部を複数の収納部に分けるように、ヒートシールすることにより形成されており、前記包装袋の背シール部を有する収納部には乾燥系食材が封入されているとともに、背シール部を有する収納部以外の少なくとも一つの収納部には液体系食材が封入されていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、乾燥系食材と液体系食材とが別々に密封状態で保存できるので、混合して保存することが困難な両食材が保存でき、また、例えば野菜のような水分を含む食品を、凍結乾燥野菜と水とに分けることで保存することもできる。そして、電子レンジでの加熱の過程で液体系食材から発生した蒸気による内圧の上昇によって、分割シール部を破損させて食材を混合させるので、食材を混合する手間なしに加熱調理や乾燥系食材の復元を行うことができる。さらに、混合食材から発生した蒸気によって背シール部が破損し、包装袋の内圧を減少させることができるので、包装袋の不測の破裂を防止できる。
【0014】
このとき、背シール部を有する収納部以外の収納部に液体系食材が封入され、分割シール部を背シール部と重ならない(背シール部が分割シール部上にない)位置に形成しているので、液体系食材から発生した蒸気によって内圧が上昇すると、まず始めに必ず分割シール部が破損し、液体系食材と乾燥系食材が混合される。また液体系食材と乾燥系食材が混合された後は、背シール部が平面視で包装袋の略中央に形成されているので、包装袋に異常な変形等を起こさずに、内容物がこぼれることなく、略中央の背シール部から蒸気を逃がすことができる。
【0015】
また、本発明は、前記背シール部を有する収納部以外の収納部が端に位置するときには、当該収納部には液体系食材が封入されていることが好ましい。
【0016】
包装袋の内部の蒸気を逃がす背シール部が平面視で包装袋の略中央に形成されているので、電子レンジでの加熱の過程で端の収納部に位置する液体系食材から発生した蒸気により分割シール部を破損させていき、その結果、確実に全ての食材を混合させることができる。
【0017】
また、本発明は、前記端部シール部は、ヒートシールすることにより形成されていることが好ましい。
【0018】
このようにすることで、背シール部と分割シール部は積層体をヒートシールすることのみで作製され、さらに端部シール部もヒートシールとすることで作製できるので、全てのシール部をヒートシールすることのみで作製することができ、容易に低コストで製造することができる。
【0019】
また、本発明は、各シール部をヒートシールして作製した場合、前記背シール部及び分割シール部の幅は、前記端部シール部の幅より狭く形成されていることが好ましい。
【0020】
このようにすることで、端部シール部の接着強度を背シール部及び分割シール部の接着強度より強くすることができるので、端部シール部を破損させることなく、背シール部及び分割シール部を確実に破損させることができる。
【0021】
また、本発明は、前記包装袋は、収納部と分割シール部とを合わせた形状を、略正方形とすることが好ましい。
【0022】
電子レンジでの調理の過程で全ての分割シール部を破損させ、その結果、包装袋の内部を略正方形とするとともに、包装袋内の蒸気による内圧で包装袋の下面を略半球面状に膨張させることができるので、全ての食材を中央付近で均一に混合させることが容易になる。特に、凍結乾燥野菜等(乾燥系食材)の復元時のように、復元に必要とする水(液体系食材)の量が少なくてよい場合には、このように包装袋の中央付近に食材を集中させることによって、少量の水で乾燥野菜等を均一に復元できる。
【0023】
また、本発明は、端に位置する収納部の外側コーナー部が、ヒートシールされていることが好ましい。
【0024】
電子レンジでの加熱の過程で全ての分割シール部を破損させ、その結果、包装袋の内部をコーナー部に食材がたまりにくい形状とするので、確実に全ての食材を混合させることができる。
【0025】
また、前記収納部は、2つで構成され、さらに、前記分割シール部は、前記背シール部を有する収納部を他の収納部より大きくなるように形成されており、前記包装袋内の前記背シール部を有する収納部には、乾燥系食材が封入されているとともに、他の収納部には、液体系食材が封入されていることが好ましい。
【0026】
本発明の包装袋において、凍結乾燥野菜等の乾燥系食材を復元させる場合には、電子レンジで沸騰した他の収納部の水(液体系食材)を乾燥系食材に吸着させるが、この場合、復元に使用した水を後工程で水切りしなくてもよいように余らずに吸着させるようにするためには、水の量は乾燥系食材に比べて少量で良く、本発明の包装袋をこのように2つの収納部を有する構成とすることで、各食材の量を適切な量として封入することができる。
【0027】
そして、上述した包装袋を用いて、電子レンジ内に背シール部を上側となるように包装袋を配置し、電子レンジでの加熱で液体系食材が封入された収納部の内圧を上昇させ、前記分割シール部を破損させて開放することにより、液体系食材と乾燥系食材とを混合し、さらに、電子レンジでの加熱を継続して包装袋の内圧を上昇させ、前記背シール部を破損させて開放することにより、包装袋の内圧を減少させることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の包装袋の実施形態の一例を示す平面図、図2は、図1のA−A線断面図である。
【0029】
包装袋10は、外面層6a、中間層6b及び、易剥離性を有しかつヒートシール性を有する樹脂層6cを有する積層体6を、樹脂層6cを内面にして折り重ねられているとともに、背シール部1、端部シール部2及び分割シール部3をヒートシールされることにより、収納部4及び収納部5を形成している。ここで、易剥離性とは、ヒートシールされることによって通常は接着した状態を維持しているが、ある程度以上の力によって剥離させることのできる状態で、本発明の場合、包装袋内の蒸気による内圧の上昇によって接着部が剥離するものである。
【0030】
このとき、背シール部1及び分割シール部3の幅aは、端部シール部2の幅bより狭く形成されている。
【0031】
すなわち、図1において、長方形の包装袋10は、上下で平行に幅の広い2本の端部シール部2を形成させているとともに、端部シール部2の中央付近同士を結んで幅の狭い背シール部1を縦方向に形成させていることにより、包装袋の内部と包装袋の外部とを仕切っている。さらに、幅の狭い分割シール部3を縦方向に形成させていることにより、収納部4と収納部5とを仕切っている。
【0032】
なお、背シール部1と分割シール部3とは重ならない(背シール部が分割シール部上にない)位置で形成されているとともに、背シール部1は、平面視中央で縦方向に形成されている。そして、収納部4、収納部5は、それぞれ分割シール部3側を長辺とする長方形であり、これらと分割シール部3を合わせた形状は、正方形としている。
【0033】
また、背シール部を有する収納部4には、乾燥系食材が封入され、一方、収納部5には、液体系食材が封入されている。
【0034】
包装袋10によれば、乾燥系食材と液体系食材とが別々に密封状態で保存できるので、混合して保存することが困難な両食材が保存でき、また、例えば野菜のような水分を含む食品を、凍結乾燥等によって乾燥させ、乾燥野菜と水とに分けて保存することもできる。そして、電子レンジでの加熱の過程で液体系食材から発生した蒸気による内圧の上昇によって、分割シール部を破損させて食材を混合させるので、食材を混合する手間なしに加熱調理や乾燥系食材の復元を行うことができる。この時、本発明の構成と異なって、収納部4に液体系食材が封入され、収納部5に乾燥系食材が封入されていると、電子レンジでの加熱時に背シール部が先に破損する場合が考えられ、その場合、本発明の目的、効果は達せられない。
【0035】
分割シール部3が破損して食材が混合された後、さらに、混合食材から発生した蒸気による内圧の上昇によって、分割シール部3は両端の端部シール部2に至る全区域で剥離して、混合食材の収納部は正方形となる。そして、さらに混合食材から発生した蒸気による内圧の上昇によって、正方形の収納部は球面状に膨れ上がり、最後に背シール部3が破損する。これによって、包装袋の内圧を減少させることができるので、包装袋10の不測の破裂が防止される。
【0036】
このとき、端部シール部2の幅bを背シール部1及び分割シール部3の幅aより広くしているので、端部シール部2を破損させることなく、背シール部1及び分割シール部3を確実に破損させることができる。
【0037】
また、分割シール部3を背シール部1と重ならない位置に形成しているので、収納部4の内圧の上昇によって、分割シール部3のみをまず始めに確実に破損させることができ、さらに、背シール部1を包装袋の平面視中央に形成しているので、液体系食材から発生した蒸気によって、包装袋10が背シール部1を中央として左右均等に膨張して内部の食材を中央部でうまく混合でき、また中央から蒸気を逃がすことができ、混合食材を充分に蒸らすことができる。
【0038】
また、電子レンジでの加熱の過程で分割シール部3を破損させ、その結果、包装袋10の内部を正方形とするとともに、包装袋内の蒸気による内圧で包装袋下面を略半球面状に膨張させることができるので、全ての食材を中央付近で均一に混合させることが容易になる。特に、乾燥野菜等の復元時のように、復元に必要とする水の量が少なくて良い場合には、このような構成とすることで、食材を中央に集中させるとによって少量の水で確実にかつ均一に復元することができる。
【0039】
また、積層体6をヒートシールすることのみで各シール部をシールして包装袋10を作製しているので、容易に低コストで製造することができる。
【0040】
図3は、本発明の包装袋の実施形態の他の一例を示す平面図である。
【0041】
包装袋20は、易剥離性を有しかつヒートシール性を有する樹脂層を有する積層体26を、樹脂層を内面にして折り重ねられているとともに、背シール部21、端部シール部22、分割シール部23及び外側コーナー部28をヒートシールされることにより、収納部24、収納部25及び収納部27を形成している。
【0042】
すなわち、長方形の包装袋20は、上下で平行に2本の端部シール部22を形成させているとともに、背シール部21を端部シール部22の中央付近同士を結んで縦方向に形成させていることにより、包装袋の内部と包装袋の外部とを仕切っている。さらに、2本の分割シール部23を背シール部21と平行して縦方向に形成させていることにより、収納部24と、収納部25と、収納部27とを仕切っている。
【0043】
このとき、背シール部21と2本の分割シール部23とは重ならない位置で形成されているとともに、背シール部21は、平面視中央で縦方向に形成されている。さらに、収納部25及び収納部27の外側コーナー部28は、三角形状にヒートシールされている。
【0044】
また、背シール部21を有する収納部24には、乾燥系食材が封入され、一方、端に位置する収納部25及び収納部27には、液体系食材が封入されている。収納部25及び収納部27に収納されている液体系食材としては、混合してしまうと継時的に変質するような液体系食材、例えば一方にアルカリ性の液体食材、他方に酸性の液体食材が封入される。
【0045】
包装袋20によれば、3種類の食材が別々に密封状態で保存されるとともに、電子レンジでの加熱の過程で液体系食材から発生した蒸気による内圧の上昇により分割シール部23を破損させ、別々に保存された全ての食材を混合させて調理できるので、食材を美味しく調理又は復元することができ、さらに、混合食材から発生した蒸気により背シール部21を破損させ、包装袋20の内圧を減少させるので、不測の破裂を防止できる。
【0046】
このとき、包装袋20の内部の蒸気を逃がす背シール部21は中央に形成されているので、電子レンジでの加熱の過程で液体系食材から発生した蒸気による内圧の上昇により分割シール部23を破損させていき、その結果、確実に全ての食材を混合させることができる。
【0047】
さらに、電子レンジでの加熱の過程で全ての分割シール部23を破損させ、その結果、包装袋20の内部をコーナー部に食材がたまらない形状とするので、確実に全ての食材を混合させることができる。
【0048】
また、積層体26をヒートシールすることのみで包装袋20を作製しているので、容易に低コストで製造することができる。
【0049】
本発明の包装袋において、上記収納部の形状は、特に限定されるものではなく分割シール部が背シール部と重ならない構造であれば、例えば、三角形等でもかまわない。
【0050】
本発明の包装袋において、背シール部及び/又は分割シール部の幅の、端部シール部の幅に対する比は、端部シール部が背シール部及び分割シール部と同じヒートシールによるものである場合、2/3〜1/4程度であることが好ましい。なお、端部シール部においては、不測の剥離を起こさないようにするために、例えば接着剤等を用いて完全に接着させてしまうこともできる。
【0051】
このようにすると、端部シール部の接着強度を背シール部及び分割シール部の接着強度より強くするので、端部シール部を破損させることなく、背シール部及び分割シール部を確実に破損させることができる。
【0052】
また、上記背シール部及び/又は分割シール部の長さは、上記端部シール部の長さに対して、ほぼ同じから長く設定することが好ましい。このように、端部シール部が背シール部及び/又は分割シール部より短いと、端部シール部の接着強度を相対的に強くできるので、端部シール部を破損させることなく、背シール部及び分割シール部を確実に破損させることができる。特に、液体系食材の収納される収納部は、分割シール部側を長辺とし、端部シール部側を短辺とする長方形とすることが好ましい。このような構造とすることで、液体系食材の収納部において長辺側の分割シール部の中央付近から最初に破損させることができる。
【0053】
なお、上記背シール部及び/又は分割シール部は、破損されやすいように、切込となる一部に幅の狭い部分等を形成されていてもよい。
【0054】
本発明の端に位置する収納部の外側コーナー部の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、三角形、4分の1の円弧状とすることが好ましい。
【0055】
このようにすると、包装袋の内部をコーナー部に食材がたまらない形状とするので、全ての食材を中央付近で混合させることが容易になる。
【0056】
次に、本発明の包装袋に用いられる材料について説明する。
【0057】
本発明の包装袋の内面に位置する樹脂層としては、食材と接触する面に配されるものであるから、当然のことながら、安全性の高いフィルムに限られ、例えば、汎用ポリオレフィン及び特殊ポリオレフィンのフィルム等を挙げることができる。具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、アイオノマー等から選択される少なくとも1種から構成されるフィルムである。ヒートシール性を有し、かつ易剥離性を有する上記素材であれば、本発明の材料として適宜使用可能であるが、易剥離性を保持させるための接着強度の調整手段として、樹脂層中にオレフィン系共重合体ゴム等を添加してもよい。上記オレフィン系共重合体ゴムとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテンー1、ヘキセンー1、4ーメチルペンテンー1等のモノオレフィンのうちの2種、又は、3種以上のモノオレフィン共重合体ゴム、並びに、上記モノオレフィンの2種とジシクロペンタジエン、1、4ーヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等の非共役ジオレフィン、又は、ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィンとの共重合体ゴム等を挙げることができる。
【0058】
上記樹脂層の厚さは、使用した材料の種類によって一概に規定されないが、15〜130μm、好ましくは20〜70μmである。
【0059】
次に本発明の包装袋の外面に位置する樹脂層(外面層)としては、一般に電子レンジで加熱調理される包装袋として使用されているものならば、特に限定されない。例えば、延伸ポリエチレンテレフタレート、シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ナイロンフィルム、シリカ蒸着延伸ナイロンフィルム、アルミナ蒸着延伸ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム、ポリビニルアルコールコート延伸ポリプロピレンフィルム、ナイロン6/メタキシレンジアミンナイロン6共押共延伸フィルム又はポリプロピレン/エチレンービニルアルコール共重合体共押共延伸フィルム等のいずれかを使用できる。これらの融点は通常150℃以上のものが好ましい。
【0060】
上記外面層の厚みは、使用した材料の種類によって一概に規定されないが、10〜50μm、好ましくは10〜30μmである。
【0061】
また、本発明の包装袋の中間層としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等の耐熱性を有するプラスチックフィルムが挙げられる。また、本発明においては、上記樹脂層と上記外面層の間に、中間層を設けなくてもよく、複数の中間層を設けてもよく、中間層は通常樹脂層と外面層だけでは包装袋としての機能を充分に果たすことができない場合等に設けられる。例えば、中間層を設けることにより、気体遮断性、機械的強靱性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等であり、包装袋として要求されるこれらの最終的な機能を達成することができる。
【0062】
次に本発明の包装袋に封入される食材について説明する。本発明の包装袋に封入される乾燥系食材としては、凍結乾燥、熱風乾燥等によって乾燥させたキャベツ、ねぎ、ほうれん草等の野菜類の他、豚肉、チャーシュー等の肉類やかまぼこ等加工食品、乾燥粉末化させた葛、とろろ芋粉、味噌等の乾燥させることで長期間保存できる食品等が挙げられる。
【0063】
また、液体系食材としては、乾燥系食材を本発明の包装袋を用いて電子レンジで熱湯復元させるだけであれば、滅菌水やpHを低くした調理水、また、味付け調理等を行う場合は、タレ、つゆ、ソース等の他、レトルト処理等によって長期保存性を付与した味噌や各種レトルト具材等が挙げられる。
【0064】
本発明の包装袋は、従来から知られている製造方法及び製造装置のいずれをも採用することができる。また、ヒートシールを行う方法も公知の方法を使用することができる。ここで、包装袋10の製造方法の一例について説明する。
【0065】
(1)外面層6a、中間層6b及び易剥離性を有しかつヒートシール性を有する樹脂層6cを有する積層体6を、対向する両端部の樹脂層6cを合わせてヒートシールすることにより、合掌貼りされた背シール部1を有する筒状体とする。
【0066】
(2)背シール部1を略中央に移動させて、対向する樹脂層6cをヒートシールすることにより、分割シール部3を形成する。
【0067】
(3)両端の開口部の一方をヒートシールすることにより、端部シール部を形成し、各収納部に乾燥系食材及び液体系食材を封入した後、開口部の他端をヒートシールすることにより、端部シール部を形成し、包装袋10となる。
【0068】
このように、包装袋10は、積層体をヒートシールすることのみで作製しているので、容易に低コストで製造することができる。
【0069】
次に、本発明の包装袋を用いた加熱調理・復元方法について説明する。以下、図2、4を参照しつつ、包装袋10を用いた加熱調理・復元方法の一例について説明する。ただし、図4では、積層体6を1層として図示している。
【0070】
(1)電子レンジ内に背シール部を上側となるように包装袋10を配置し、加熱を開始する(図2参照)。
【0071】
(2)加熱が開始されると、収納部5に収納された液体系食材は、加熱されるにしたがって蒸気を発生させ、内圧が上昇し、収納部5が膨らむ。内圧の上昇により、分割シール部3の接着強度が限界を超えて、分割シール部3が破損して開放される。このとき、分割シール部3は、背シール部1と重ならない位置に形成しているとともに、端部シール部2より接着力が弱いので、分割シール部3のみが破損する(図4(a)参照)。
【0072】
(3)分割シール部3が破損して開放されると、液体系食材が、乾燥系食材に添加され、混合調理が行われる。このとき、混合食材からの蒸気によってさらに内圧が上昇すると、分割シール部3は全域で剥離する。そして、包装袋10の内部を正方形としているために、下面が略半球面状に膨れるので、全ての食材を中央付近に集めて均一に混合させる。
【0073】
(4)電子レンジの加熱がさらに継続されると、乾燥系食材は、添加された液体系食材とともに、加熱調理又は復元され、さらに場合によっては蒸らし調理が行われる(図4(b)参照)。
【0074】
(5)発生する蒸気によって包装袋10の内圧が所定以上になると、背シール部1が破損して開放され、蒸気を逃がし、内圧が減少する。このとき、背シール部1は、端部シール部2より接着力が弱いので、背シール部1のみが破損する。さらに、背シール部1を包装袋10の中央に形成しているので、包装袋10が予想外の変形をして中身がこぼれたりすることなく、中央から蒸気を逃がすことができる(図4(c)参照)。
【0075】
(6)調理又は復元終了後、包装袋10を開封して、混合食材を取り出し、食すことができる。このとき、乾燥系食材と液体系食材とが別々に密封状態で保存されるとともに、電子レンジでの加熱の過程で液体系食材から発生した蒸気により分割シール部を破損させ、食材を混合させるので、自動的に調理や乾燥食品の復元ができる。
【0076】
上記分割シール部及び/又は背シール部が破損するまでの所要時間は、上記分割シール部及び背シール部の幅、長さ、上記樹脂層の種類、厚さ等を適宜設定することにより調節可能であるため、収納する液体系食材や乾燥系食材の種類や量等を考慮して決めることができる。
【0077】
また、上記包装袋は、調理の終了後開封されやすいように、背シール部、端部シール部等に切込、把手等を形成されていてもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲において種々の変更が可能である。
【0078】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきものではないことはもちろんである。
【0079】
厚さ12μmのアルミナ透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ15μmのナイロン、厚さ50μmの結晶性ポリプロピレンからなる320×190mmの積層体を、結晶性ポリプロピレンを内面にして折り重ねられているとともに、幅10mmの背シール部、幅20mmの端部シール部及び幅10mmの分割シール部をヒートシールされることにより、乾燥キャベツ9gと調理済乾燥ポーク2gとを封入した第1収納部及び調理水25g(水93.5重量%、エタノール5重量%、食塩1.5重量%)を封入した第2収納部を有する、外寸190×150mmの包装袋を作製した。このとき、包装袋は、左端から90〜100mmの位置に分割シール部、左端から75mmの位置に背シール部、上端及び下端から20mmまでに端部シール部を形成し、左の収納部(乾燥系食材収納部)を第1収納部、右の収納部(調理水収納部)を第2収納部としている。
【0080】
皿形の容器に水分約60%の生タイプ中華麺(やきそば)200gを入れ、調味料を中華麺の上面にかけて紙製のふたを載せ、その上に包装袋を背シール部を上側にして配置して、500Wの電子レンジで加熱した。
【0081】
その結果、90秒後調理水が沸騰を開始し、第2収納部が膨張し、120秒後分割シール部のみが破損し開放された。そしてさらに、包装袋が膨張しつづけて分割シール部が全て剥離し、第1第2収納部が一体化した。さらに、包装袋は膨張し、包装袋全体が球状に膨れ、このため、乾燥キャベツと調理済乾燥ポークと調理水とが下面中央に集まり、復元を開始した。150秒後背シール部のみが破損し開放され、蒸気が抜けたが、包装袋は下面を半球面状に保ったまま調理を完了する60秒間維持され、乾燥キャベツと調理済乾燥ポークとは調理水の全量を吸収し、完全に復元調理された。したがって、電子レンジの加熱開始から210秒後電子レンジから取り出したが、乾燥キャベツと調理済乾燥ポークとを充分に復元し、一緒に電子レンジ加熱した生タイプ中華麺に混ぜて食したが食味も良好であった。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、乾燥系食材と液体系食材とが別々に密封状態で保存でき、また、例えば野菜のような水分を含む食品を、凍結乾燥野菜と水とに分けて保存することもできる。そして、電子レンジでの加熱の過程で液体系食材から発生した蒸気による内圧の上昇によって、分割シール部を破損させて食材を混合させるので、食材を混合する手間なしに加熱調理や乾燥系食材の復元を行うことができる。さらに、混合食材から発生した蒸気によって背シール部が破損し、包装袋の内圧を減少させることができるので、包装袋の不測の破裂を防止できる。
【0083】
このとき、背シール部を有する収納部以外の収納部に液体系食材が封入され、分割シール部を背シール部とが重ならない位置に形成しているので、液体系食材から発生した蒸気によって内圧が上昇すると、まず始めに必ず分割シール部が破損し、液体系食材と乾燥系食材が混合される。また、液体系食材と乾燥系食材が混合された後は、背シール部が平面視で包装袋の略中央に形成されているので、包装袋に異常な変形等を起こさずに、内容物がこぼれることなく、略中央の背シール部から蒸気を逃がすことができる。
【0084】
また、全てのシール部をヒートシールすることのみで包装袋を作製することができるので、容易に低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装袋の実施形態の一例を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の包装袋の実施形態の他の一例を示す平面図である。
【図4】本発明の包装袋を用いた加熱調理・復元方法の一例を示す図である。
【図5】従来の包装袋の実施形態を示す平面図である。
【図6】従来の包装袋の実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
1、21 背シール部
2、22 端部シール部
3、23 分割シール部
4、5、24、25、27 収納部
6、26 積層体
10、20 包装袋
15、16 弁体
28 外側コーナー部
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装袋及び包装袋を用いた食品の調理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子レンジの普及に伴って電子レンジで加熱又は調理する食材が多数出回っている。電子レンジは、弁当や惣菜等を単に温めるだけでなく、調理器具としても利用できるので、各種の調理済食材や半調理済食材も販売されている。
【0003】
しかしながら、包装袋等に密封包装された食材を包装袋のまま電子レンジで加熱する場合、包装袋が密封状態であると、食材から発生する蒸気により包装袋内部の内圧が上昇し、ついには、包装袋が破裂し、包装袋に収納された食材が飛散するとともに、電子レンジ内を汚すといった問題があった。
【0004】
このような包装袋の破裂を防止するために、種々の方法が知られている。例えば、電子レンジで加熱する前に、あらかじめ包装袋に尖ったもので孔を空けるなり、包装袋の端部をはさみ等で切り取る方法(例えば、特許文献1参照)、包装袋の基材に樹脂系の不織布等を用いたり、弁構造の通気材を取り付けたり、コールドシール剤を用いて密封したりする方法(例えば、特許文献2参照)、一面にポリプロピレンとポリエチレンの混合樹脂からなるフィルムを用い、他面に無延伸ポリプロピレンフィルムを用いて、電子レンジでの加熱時に包装袋内部の内圧が所定の圧力に達した時に容易に開封する方法(例えば、特許文献3参照)、ヒートシールすることにより合掌貼りされた背シール部と、両端部に端部シール部とを有する形状として、背シール部が内圧によって開封する方法(例えば、特許文献4参照)等がある。
【0005】
さらに、包装袋に複数の食材を区別してそれぞれ収納し、電子レンジの加熱により区分を解除して食材を混合し調理するものもある。例えば、包装袋に耐熱性と耐圧性との高い合成樹脂材の袋内を、耐熱性と耐圧性との低い合成樹脂材を隔壁として区分けし、各区画に各食材を収容し密封する方法(例えば、特許文献5及び図5参照)、袋体と外部との間に第1の弁体15を形成すると共に、小袋と袋体との間に第2の弁体16を形成する方法(例えば、特許文献6及び図6参照)がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−72070号公報
【特許文献2】
特開平9−240754号公報
【特許文献3】
実公平2−15789号公報
【特許文献4】
特開平11−79259号公報
【特許文献5】
特開2000−211676号公報
【特許文献6】
特開平11−11545号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1〜4等では、包装袋に食材がまとめて収納されており、混合されて収納されることが好ましくない複数の食材には適用できず、また、電子レンジを用いて包装袋に収納された食材を調理又は復元する際に、自動的に複数の食材を混合して調理、復元できるというものではなかった。
【0008】
また、加熱する前に、いちいち袋を切り取ったり孔を空けたりする方法は、結構手間なものであると同時に、加熱が開始されて発生した蒸気は直ちに包装袋外部へ放出され、蒸気による加熱蒸らし効果が低減する場合があった。
【0009】
また、包装袋の基材に不織布等を使用すると密封ができないといった問題があり、また、通気材を取り付ける方法はコストが高くなるといった問題があり、また、コールドシール剤を用いる方法は完全に密封することが困難であるのみならず、シール強度が弱く輸送中等において自然にシールが剥離してしまうといった問題があった。
【0010】
一方、特許文献5では、複数の食材が区別してそれぞれ収納され、電子レンジの加熱により区分が解除されて食材が混合し調理されるものであるが、加熱調理中に発生する蒸気により、包装袋内部の内圧を減少させることができず破裂をおこす問題があり、また、特許文献6では、弁体15、16を形成する方法はコストが高くなるといった問題があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、食材と食材とが隔壁により区分して密封されていることで、混合して保存されることが望ましくない食材の保存に適し、一方加熱調理時においては、内圧の上昇により隔壁を破損させて食材と食材とを混合させて調理することが可能であり、さらに、加熱調理中に発生する蒸気により包装袋が不測の破裂をしないように、包装袋内部の内圧を減少させることができ、かつ、容易に低コストで製造できる包装袋を提供することにある。また、本発明は、上記のような作用機序によって、例えば凍結乾燥して長期保存を可能とした野菜等を、そのまま電子レンジにかけるだけで復元調理することができる包装袋を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、表面層がヒートシール性及び易剥離性を有する矩形状の積層体を、前記表面層を内面とし合掌合せに重ねて、ヒートシールすることにより背シール部が形成され、さらに、その開口両端部をそれぞれシールすることにより端部シール部が形成された包装袋であって、前記背シール部は、平面視で一方の端部シール部の略中央から他方の端部シール部の略中央を結ぶように位置し、さらに、分割シール部が、背シール部と重ならない位置で包装袋内部を複数の収納部に分けるように、ヒートシールすることにより形成されており、前記包装袋の背シール部を有する収納部には乾燥系食材が封入されているとともに、背シール部を有する収納部以外の少なくとも一つの収納部には液体系食材が封入されていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、乾燥系食材と液体系食材とが別々に密封状態で保存できるので、混合して保存することが困難な両食材が保存でき、また、例えば野菜のような水分を含む食品を、凍結乾燥野菜と水とに分けることで保存することもできる。そして、電子レンジでの加熱の過程で液体系食材から発生した蒸気による内圧の上昇によって、分割シール部を破損させて食材を混合させるので、食材を混合する手間なしに加熱調理や乾燥系食材の復元を行うことができる。さらに、混合食材から発生した蒸気によって背シール部が破損し、包装袋の内圧を減少させることができるので、包装袋の不測の破裂を防止できる。
【0014】
このとき、背シール部を有する収納部以外の収納部に液体系食材が封入され、分割シール部を背シール部と重ならない(背シール部が分割シール部上にない)位置に形成しているので、液体系食材から発生した蒸気によって内圧が上昇すると、まず始めに必ず分割シール部が破損し、液体系食材と乾燥系食材が混合される。また液体系食材と乾燥系食材が混合された後は、背シール部が平面視で包装袋の略中央に形成されているので、包装袋に異常な変形等を起こさずに、内容物がこぼれることなく、略中央の背シール部から蒸気を逃がすことができる。
【0015】
また、本発明は、前記背シール部を有する収納部以外の収納部が端に位置するときには、当該収納部には液体系食材が封入されていることが好ましい。
【0016】
包装袋の内部の蒸気を逃がす背シール部が平面視で包装袋の略中央に形成されているので、電子レンジでの加熱の過程で端の収納部に位置する液体系食材から発生した蒸気により分割シール部を破損させていき、その結果、確実に全ての食材を混合させることができる。
【0017】
また、本発明は、前記端部シール部は、ヒートシールすることにより形成されていることが好ましい。
【0018】
このようにすることで、背シール部と分割シール部は積層体をヒートシールすることのみで作製され、さらに端部シール部もヒートシールとすることで作製できるので、全てのシール部をヒートシールすることのみで作製することができ、容易に低コストで製造することができる。
【0019】
また、本発明は、各シール部をヒートシールして作製した場合、前記背シール部及び分割シール部の幅は、前記端部シール部の幅より狭く形成されていることが好ましい。
【0020】
このようにすることで、端部シール部の接着強度を背シール部及び分割シール部の接着強度より強くすることができるので、端部シール部を破損させることなく、背シール部及び分割シール部を確実に破損させることができる。
【0021】
また、本発明は、前記包装袋は、収納部と分割シール部とを合わせた形状を、略正方形とすることが好ましい。
【0022】
電子レンジでの調理の過程で全ての分割シール部を破損させ、その結果、包装袋の内部を略正方形とするとともに、包装袋内の蒸気による内圧で包装袋の下面を略半球面状に膨張させることができるので、全ての食材を中央付近で均一に混合させることが容易になる。特に、凍結乾燥野菜等(乾燥系食材)の復元時のように、復元に必要とする水(液体系食材)の量が少なくてよい場合には、このように包装袋の中央付近に食材を集中させることによって、少量の水で乾燥野菜等を均一に復元できる。
【0023】
また、本発明は、端に位置する収納部の外側コーナー部が、ヒートシールされていることが好ましい。
【0024】
電子レンジでの加熱の過程で全ての分割シール部を破損させ、その結果、包装袋の内部をコーナー部に食材がたまりにくい形状とするので、確実に全ての食材を混合させることができる。
【0025】
また、前記収納部は、2つで構成され、さらに、前記分割シール部は、前記背シール部を有する収納部を他の収納部より大きくなるように形成されており、前記包装袋内の前記背シール部を有する収納部には、乾燥系食材が封入されているとともに、他の収納部には、液体系食材が封入されていることが好ましい。
【0026】
本発明の包装袋において、凍結乾燥野菜等の乾燥系食材を復元させる場合には、電子レンジで沸騰した他の収納部の水(液体系食材)を乾燥系食材に吸着させるが、この場合、復元に使用した水を後工程で水切りしなくてもよいように余らずに吸着させるようにするためには、水の量は乾燥系食材に比べて少量で良く、本発明の包装袋をこのように2つの収納部を有する構成とすることで、各食材の量を適切な量として封入することができる。
【0027】
そして、上述した包装袋を用いて、電子レンジ内に背シール部を上側となるように包装袋を配置し、電子レンジでの加熱で液体系食材が封入された収納部の内圧を上昇させ、前記分割シール部を破損させて開放することにより、液体系食材と乾燥系食材とを混合し、さらに、電子レンジでの加熱を継続して包装袋の内圧を上昇させ、前記背シール部を破損させて開放することにより、包装袋の内圧を減少させることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の包装袋の実施形態の一例を示す平面図、図2は、図1のA−A線断面図である。
【0029】
包装袋10は、外面層6a、中間層6b及び、易剥離性を有しかつヒートシール性を有する樹脂層6cを有する積層体6を、樹脂層6cを内面にして折り重ねられているとともに、背シール部1、端部シール部2及び分割シール部3をヒートシールされることにより、収納部4及び収納部5を形成している。ここで、易剥離性とは、ヒートシールされることによって通常は接着した状態を維持しているが、ある程度以上の力によって剥離させることのできる状態で、本発明の場合、包装袋内の蒸気による内圧の上昇によって接着部が剥離するものである。
【0030】
このとき、背シール部1及び分割シール部3の幅aは、端部シール部2の幅bより狭く形成されている。
【0031】
すなわち、図1において、長方形の包装袋10は、上下で平行に幅の広い2本の端部シール部2を形成させているとともに、端部シール部2の中央付近同士を結んで幅の狭い背シール部1を縦方向に形成させていることにより、包装袋の内部と包装袋の外部とを仕切っている。さらに、幅の狭い分割シール部3を縦方向に形成させていることにより、収納部4と収納部5とを仕切っている。
【0032】
なお、背シール部1と分割シール部3とは重ならない(背シール部が分割シール部上にない)位置で形成されているとともに、背シール部1は、平面視中央で縦方向に形成されている。そして、収納部4、収納部5は、それぞれ分割シール部3側を長辺とする長方形であり、これらと分割シール部3を合わせた形状は、正方形としている。
【0033】
また、背シール部を有する収納部4には、乾燥系食材が封入され、一方、収納部5には、液体系食材が封入されている。
【0034】
包装袋10によれば、乾燥系食材と液体系食材とが別々に密封状態で保存できるので、混合して保存することが困難な両食材が保存でき、また、例えば野菜のような水分を含む食品を、凍結乾燥等によって乾燥させ、乾燥野菜と水とに分けて保存することもできる。そして、電子レンジでの加熱の過程で液体系食材から発生した蒸気による内圧の上昇によって、分割シール部を破損させて食材を混合させるので、食材を混合する手間なしに加熱調理や乾燥系食材の復元を行うことができる。この時、本発明の構成と異なって、収納部4に液体系食材が封入され、収納部5に乾燥系食材が封入されていると、電子レンジでの加熱時に背シール部が先に破損する場合が考えられ、その場合、本発明の目的、効果は達せられない。
【0035】
分割シール部3が破損して食材が混合された後、さらに、混合食材から発生した蒸気による内圧の上昇によって、分割シール部3は両端の端部シール部2に至る全区域で剥離して、混合食材の収納部は正方形となる。そして、さらに混合食材から発生した蒸気による内圧の上昇によって、正方形の収納部は球面状に膨れ上がり、最後に背シール部3が破損する。これによって、包装袋の内圧を減少させることができるので、包装袋10の不測の破裂が防止される。
【0036】
このとき、端部シール部2の幅bを背シール部1及び分割シール部3の幅aより広くしているので、端部シール部2を破損させることなく、背シール部1及び分割シール部3を確実に破損させることができる。
【0037】
また、分割シール部3を背シール部1と重ならない位置に形成しているので、収納部4の内圧の上昇によって、分割シール部3のみをまず始めに確実に破損させることができ、さらに、背シール部1を包装袋の平面視中央に形成しているので、液体系食材から発生した蒸気によって、包装袋10が背シール部1を中央として左右均等に膨張して内部の食材を中央部でうまく混合でき、また中央から蒸気を逃がすことができ、混合食材を充分に蒸らすことができる。
【0038】
また、電子レンジでの加熱の過程で分割シール部3を破損させ、その結果、包装袋10の内部を正方形とするとともに、包装袋内の蒸気による内圧で包装袋下面を略半球面状に膨張させることができるので、全ての食材を中央付近で均一に混合させることが容易になる。特に、乾燥野菜等の復元時のように、復元に必要とする水の量が少なくて良い場合には、このような構成とすることで、食材を中央に集中させるとによって少量の水で確実にかつ均一に復元することができる。
【0039】
また、積層体6をヒートシールすることのみで各シール部をシールして包装袋10を作製しているので、容易に低コストで製造することができる。
【0040】
図3は、本発明の包装袋の実施形態の他の一例を示す平面図である。
【0041】
包装袋20は、易剥離性を有しかつヒートシール性を有する樹脂層を有する積層体26を、樹脂層を内面にして折り重ねられているとともに、背シール部21、端部シール部22、分割シール部23及び外側コーナー部28をヒートシールされることにより、収納部24、収納部25及び収納部27を形成している。
【0042】
すなわち、長方形の包装袋20は、上下で平行に2本の端部シール部22を形成させているとともに、背シール部21を端部シール部22の中央付近同士を結んで縦方向に形成させていることにより、包装袋の内部と包装袋の外部とを仕切っている。さらに、2本の分割シール部23を背シール部21と平行して縦方向に形成させていることにより、収納部24と、収納部25と、収納部27とを仕切っている。
【0043】
このとき、背シール部21と2本の分割シール部23とは重ならない位置で形成されているとともに、背シール部21は、平面視中央で縦方向に形成されている。さらに、収納部25及び収納部27の外側コーナー部28は、三角形状にヒートシールされている。
【0044】
また、背シール部21を有する収納部24には、乾燥系食材が封入され、一方、端に位置する収納部25及び収納部27には、液体系食材が封入されている。収納部25及び収納部27に収納されている液体系食材としては、混合してしまうと継時的に変質するような液体系食材、例えば一方にアルカリ性の液体食材、他方に酸性の液体食材が封入される。
【0045】
包装袋20によれば、3種類の食材が別々に密封状態で保存されるとともに、電子レンジでの加熱の過程で液体系食材から発生した蒸気による内圧の上昇により分割シール部23を破損させ、別々に保存された全ての食材を混合させて調理できるので、食材を美味しく調理又は復元することができ、さらに、混合食材から発生した蒸気により背シール部21を破損させ、包装袋20の内圧を減少させるので、不測の破裂を防止できる。
【0046】
このとき、包装袋20の内部の蒸気を逃がす背シール部21は中央に形成されているので、電子レンジでの加熱の過程で液体系食材から発生した蒸気による内圧の上昇により分割シール部23を破損させていき、その結果、確実に全ての食材を混合させることができる。
【0047】
さらに、電子レンジでの加熱の過程で全ての分割シール部23を破損させ、その結果、包装袋20の内部をコーナー部に食材がたまらない形状とするので、確実に全ての食材を混合させることができる。
【0048】
また、積層体26をヒートシールすることのみで包装袋20を作製しているので、容易に低コストで製造することができる。
【0049】
本発明の包装袋において、上記収納部の形状は、特に限定されるものではなく分割シール部が背シール部と重ならない構造であれば、例えば、三角形等でもかまわない。
【0050】
本発明の包装袋において、背シール部及び/又は分割シール部の幅の、端部シール部の幅に対する比は、端部シール部が背シール部及び分割シール部と同じヒートシールによるものである場合、2/3〜1/4程度であることが好ましい。なお、端部シール部においては、不測の剥離を起こさないようにするために、例えば接着剤等を用いて完全に接着させてしまうこともできる。
【0051】
このようにすると、端部シール部の接着強度を背シール部及び分割シール部の接着強度より強くするので、端部シール部を破損させることなく、背シール部及び分割シール部を確実に破損させることができる。
【0052】
また、上記背シール部及び/又は分割シール部の長さは、上記端部シール部の長さに対して、ほぼ同じから長く設定することが好ましい。このように、端部シール部が背シール部及び/又は分割シール部より短いと、端部シール部の接着強度を相対的に強くできるので、端部シール部を破損させることなく、背シール部及び分割シール部を確実に破損させることができる。特に、液体系食材の収納される収納部は、分割シール部側を長辺とし、端部シール部側を短辺とする長方形とすることが好ましい。このような構造とすることで、液体系食材の収納部において長辺側の分割シール部の中央付近から最初に破損させることができる。
【0053】
なお、上記背シール部及び/又は分割シール部は、破損されやすいように、切込となる一部に幅の狭い部分等を形成されていてもよい。
【0054】
本発明の端に位置する収納部の外側コーナー部の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、三角形、4分の1の円弧状とすることが好ましい。
【0055】
このようにすると、包装袋の内部をコーナー部に食材がたまらない形状とするので、全ての食材を中央付近で混合させることが容易になる。
【0056】
次に、本発明の包装袋に用いられる材料について説明する。
【0057】
本発明の包装袋の内面に位置する樹脂層としては、食材と接触する面に配されるものであるから、当然のことながら、安全性の高いフィルムに限られ、例えば、汎用ポリオレフィン及び特殊ポリオレフィンのフィルム等を挙げることができる。具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、アイオノマー等から選択される少なくとも1種から構成されるフィルムである。ヒートシール性を有し、かつ易剥離性を有する上記素材であれば、本発明の材料として適宜使用可能であるが、易剥離性を保持させるための接着強度の調整手段として、樹脂層中にオレフィン系共重合体ゴム等を添加してもよい。上記オレフィン系共重合体ゴムとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテンー1、ヘキセンー1、4ーメチルペンテンー1等のモノオレフィンのうちの2種、又は、3種以上のモノオレフィン共重合体ゴム、並びに、上記モノオレフィンの2種とジシクロペンタジエン、1、4ーヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等の非共役ジオレフィン、又は、ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィンとの共重合体ゴム等を挙げることができる。
【0058】
上記樹脂層の厚さは、使用した材料の種類によって一概に規定されないが、15〜130μm、好ましくは20〜70μmである。
【0059】
次に本発明の包装袋の外面に位置する樹脂層(外面層)としては、一般に電子レンジで加熱調理される包装袋として使用されているものならば、特に限定されない。例えば、延伸ポリエチレンテレフタレート、シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ナイロンフィルム、シリカ蒸着延伸ナイロンフィルム、アルミナ蒸着延伸ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム、ポリビニルアルコールコート延伸ポリプロピレンフィルム、ナイロン6/メタキシレンジアミンナイロン6共押共延伸フィルム又はポリプロピレン/エチレンービニルアルコール共重合体共押共延伸フィルム等のいずれかを使用できる。これらの融点は通常150℃以上のものが好ましい。
【0060】
上記外面層の厚みは、使用した材料の種類によって一概に規定されないが、10〜50μm、好ましくは10〜30μmである。
【0061】
また、本発明の包装袋の中間層としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等の耐熱性を有するプラスチックフィルムが挙げられる。また、本発明においては、上記樹脂層と上記外面層の間に、中間層を設けなくてもよく、複数の中間層を設けてもよく、中間層は通常樹脂層と外面層だけでは包装袋としての機能を充分に果たすことができない場合等に設けられる。例えば、中間層を設けることにより、気体遮断性、機械的強靱性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等であり、包装袋として要求されるこれらの最終的な機能を達成することができる。
【0062】
次に本発明の包装袋に封入される食材について説明する。本発明の包装袋に封入される乾燥系食材としては、凍結乾燥、熱風乾燥等によって乾燥させたキャベツ、ねぎ、ほうれん草等の野菜類の他、豚肉、チャーシュー等の肉類やかまぼこ等加工食品、乾燥粉末化させた葛、とろろ芋粉、味噌等の乾燥させることで長期間保存できる食品等が挙げられる。
【0063】
また、液体系食材としては、乾燥系食材を本発明の包装袋を用いて電子レンジで熱湯復元させるだけであれば、滅菌水やpHを低くした調理水、また、味付け調理等を行う場合は、タレ、つゆ、ソース等の他、レトルト処理等によって長期保存性を付与した味噌や各種レトルト具材等が挙げられる。
【0064】
本発明の包装袋は、従来から知られている製造方法及び製造装置のいずれをも採用することができる。また、ヒートシールを行う方法も公知の方法を使用することができる。ここで、包装袋10の製造方法の一例について説明する。
【0065】
(1)外面層6a、中間層6b及び易剥離性を有しかつヒートシール性を有する樹脂層6cを有する積層体6を、対向する両端部の樹脂層6cを合わせてヒートシールすることにより、合掌貼りされた背シール部1を有する筒状体とする。
【0066】
(2)背シール部1を略中央に移動させて、対向する樹脂層6cをヒートシールすることにより、分割シール部3を形成する。
【0067】
(3)両端の開口部の一方をヒートシールすることにより、端部シール部を形成し、各収納部に乾燥系食材及び液体系食材を封入した後、開口部の他端をヒートシールすることにより、端部シール部を形成し、包装袋10となる。
【0068】
このように、包装袋10は、積層体をヒートシールすることのみで作製しているので、容易に低コストで製造することができる。
【0069】
次に、本発明の包装袋を用いた加熱調理・復元方法について説明する。以下、図2、4を参照しつつ、包装袋10を用いた加熱調理・復元方法の一例について説明する。ただし、図4では、積層体6を1層として図示している。
【0070】
(1)電子レンジ内に背シール部を上側となるように包装袋10を配置し、加熱を開始する(図2参照)。
【0071】
(2)加熱が開始されると、収納部5に収納された液体系食材は、加熱されるにしたがって蒸気を発生させ、内圧が上昇し、収納部5が膨らむ。内圧の上昇により、分割シール部3の接着強度が限界を超えて、分割シール部3が破損して開放される。このとき、分割シール部3は、背シール部1と重ならない位置に形成しているとともに、端部シール部2より接着力が弱いので、分割シール部3のみが破損する(図4(a)参照)。
【0072】
(3)分割シール部3が破損して開放されると、液体系食材が、乾燥系食材に添加され、混合調理が行われる。このとき、混合食材からの蒸気によってさらに内圧が上昇すると、分割シール部3は全域で剥離する。そして、包装袋10の内部を正方形としているために、下面が略半球面状に膨れるので、全ての食材を中央付近に集めて均一に混合させる。
【0073】
(4)電子レンジの加熱がさらに継続されると、乾燥系食材は、添加された液体系食材とともに、加熱調理又は復元され、さらに場合によっては蒸らし調理が行われる(図4(b)参照)。
【0074】
(5)発生する蒸気によって包装袋10の内圧が所定以上になると、背シール部1が破損して開放され、蒸気を逃がし、内圧が減少する。このとき、背シール部1は、端部シール部2より接着力が弱いので、背シール部1のみが破損する。さらに、背シール部1を包装袋10の中央に形成しているので、包装袋10が予想外の変形をして中身がこぼれたりすることなく、中央から蒸気を逃がすことができる(図4(c)参照)。
【0075】
(6)調理又は復元終了後、包装袋10を開封して、混合食材を取り出し、食すことができる。このとき、乾燥系食材と液体系食材とが別々に密封状態で保存されるとともに、電子レンジでの加熱の過程で液体系食材から発生した蒸気により分割シール部を破損させ、食材を混合させるので、自動的に調理や乾燥食品の復元ができる。
【0076】
上記分割シール部及び/又は背シール部が破損するまでの所要時間は、上記分割シール部及び背シール部の幅、長さ、上記樹脂層の種類、厚さ等を適宜設定することにより調節可能であるため、収納する液体系食材や乾燥系食材の種類や量等を考慮して決めることができる。
【0077】
また、上記包装袋は、調理の終了後開封されやすいように、背シール部、端部シール部等に切込、把手等を形成されていてもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲において種々の変更が可能である。
【0078】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきものではないことはもちろんである。
【0079】
厚さ12μmのアルミナ透明蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ15μmのナイロン、厚さ50μmの結晶性ポリプロピレンからなる320×190mmの積層体を、結晶性ポリプロピレンを内面にして折り重ねられているとともに、幅10mmの背シール部、幅20mmの端部シール部及び幅10mmの分割シール部をヒートシールされることにより、乾燥キャベツ9gと調理済乾燥ポーク2gとを封入した第1収納部及び調理水25g(水93.5重量%、エタノール5重量%、食塩1.5重量%)を封入した第2収納部を有する、外寸190×150mmの包装袋を作製した。このとき、包装袋は、左端から90〜100mmの位置に分割シール部、左端から75mmの位置に背シール部、上端及び下端から20mmまでに端部シール部を形成し、左の収納部(乾燥系食材収納部)を第1収納部、右の収納部(調理水収納部)を第2収納部としている。
【0080】
皿形の容器に水分約60%の生タイプ中華麺(やきそば)200gを入れ、調味料を中華麺の上面にかけて紙製のふたを載せ、その上に包装袋を背シール部を上側にして配置して、500Wの電子レンジで加熱した。
【0081】
その結果、90秒後調理水が沸騰を開始し、第2収納部が膨張し、120秒後分割シール部のみが破損し開放された。そしてさらに、包装袋が膨張しつづけて分割シール部が全て剥離し、第1第2収納部が一体化した。さらに、包装袋は膨張し、包装袋全体が球状に膨れ、このため、乾燥キャベツと調理済乾燥ポークと調理水とが下面中央に集まり、復元を開始した。150秒後背シール部のみが破損し開放され、蒸気が抜けたが、包装袋は下面を半球面状に保ったまま調理を完了する60秒間維持され、乾燥キャベツと調理済乾燥ポークとは調理水の全量を吸収し、完全に復元調理された。したがって、電子レンジの加熱開始から210秒後電子レンジから取り出したが、乾燥キャベツと調理済乾燥ポークとを充分に復元し、一緒に電子レンジ加熱した生タイプ中華麺に混ぜて食したが食味も良好であった。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、乾燥系食材と液体系食材とが別々に密封状態で保存でき、また、例えば野菜のような水分を含む食品を、凍結乾燥野菜と水とに分けて保存することもできる。そして、電子レンジでの加熱の過程で液体系食材から発生した蒸気による内圧の上昇によって、分割シール部を破損させて食材を混合させるので、食材を混合する手間なしに加熱調理や乾燥系食材の復元を行うことができる。さらに、混合食材から発生した蒸気によって背シール部が破損し、包装袋の内圧を減少させることができるので、包装袋の不測の破裂を防止できる。
【0083】
このとき、背シール部を有する収納部以外の収納部に液体系食材が封入され、分割シール部を背シール部とが重ならない位置に形成しているので、液体系食材から発生した蒸気によって内圧が上昇すると、まず始めに必ず分割シール部が破損し、液体系食材と乾燥系食材が混合される。また、液体系食材と乾燥系食材が混合された後は、背シール部が平面視で包装袋の略中央に形成されているので、包装袋に異常な変形等を起こさずに、内容物がこぼれることなく、略中央の背シール部から蒸気を逃がすことができる。
【0084】
また、全てのシール部をヒートシールすることのみで包装袋を作製することができるので、容易に低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包装袋の実施形態の一例を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の包装袋の実施形態の他の一例を示す平面図である。
【図4】本発明の包装袋を用いた加熱調理・復元方法の一例を示す図である。
【図5】従来の包装袋の実施形態を示す平面図である。
【図6】従来の包装袋の実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
1、21 背シール部
2、22 端部シール部
3、23 分割シール部
4、5、24、25、27 収納部
6、26 積層体
10、20 包装袋
15、16 弁体
28 外側コーナー部
Claims (8)
- 表面層がヒートシール性及び易剥離性を有する矩形状の積層体を、前記表面層を内面とし合掌合せに重ねて、ヒートシールすることにより背シール部が形成され、さらに、その開口両端部をそれぞれシールすることにより端部シール部が形成された包装袋であって、
前記背シール部は、平面視で一方の端部シール部の略中央から他方の端部シール部の略中央を結ぶように位置し、さらに、分割シール部が、背シール部と重ならない位置で包装袋内部を複数の収納部に分けるように、ヒートシールすることにより形成されており、
前記包装袋の背シール部を有する収納部には乾燥系食材が封入されているとともに、背シール部を有する収納部以外の少なくとも一つの収納部には液体系食材が封入されていることを特徴とする包装袋。 - 前記背シール部を有する収納部以外の収納部が端に位置するときには、当該収納部には液体系食材が封入されている請求項1に記載の包装袋。
- 前記端部シール部は、ヒートシールすることにより形成されている請求項1又は2に記載の包装袋。
- 前記背シール部及び分割シール部の幅は、前記端部シール部の幅より狭く形成されている請求項3に記載の包装袋。
- 前記包装袋は、収納部と分割シール部とを合わせた形状を、略正方形とする請求項1〜4のいずれかに記載の包装袋。
- 端に位置する収納部の外側コーナー部が、ヒートシールされている請求項5に記載の包装袋。
- 前記収納部は、2つで構成され、さらに、前記分割シール部は、前記背シール部を有する収納部を他の収納部より大きくなるように形成されており、
前記包装袋内の前記背シール部を有する収納部には、乾燥系食材が封入されているとともに、他の収納部には、液体系食材が封入されている請求項1〜6のいずれかに記載の包装袋。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の包装袋を用いた調理方法であって、
電子レンジ内に前記背シール部を上側となるように包装袋を配置し、
電子レンジでの加熱で液体系食材が封入された収納部の内圧を上昇させ、前記分割シール部を破損させて開放することにより、液体系食材と乾燥系食材とを混合し、
さらに、電子レンジでの加熱を継続して包装袋の内圧を上昇させ、前記背シール部を破損させて開放することにより、包装袋の内圧を減少させることを特徴とする包装袋を用いた調理方法。
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-
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- 2003-05-09 JP JP2003131131A patent/JP2004331184A/ja active Pending
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