JP2004330331A - 開閉チャック - Google Patents
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Abstract
【課題】従来に比較して加工費用を抑えて製造可能であり、且つ組立作業も容易な開閉チャックを提供する。
【解決手段】フィンガー2,2の摺動方向に延設された少なくとも一対の第1溝部2b、2bと、ガイドレール部4に第1溝部2b、2bの各々と対向配置された第2溝部4a、4aと、第1溝部2b、2b及び第2溝部4a、4aの間に嵌入されるとともにガイドレール部4に対して軸方向への移動が阻止された少なくとも1対のロッド5,5とを有し、フィンガー2,2は、ロッド5,5を介してガイドレール部4を挟持することにより、摺動自在に支持されていることとした。
【選択図】 図1
【解決手段】フィンガー2,2の摺動方向に延設された少なくとも一対の第1溝部2b、2bと、ガイドレール部4に第1溝部2b、2bの各々と対向配置された第2溝部4a、4aと、第1溝部2b、2b及び第2溝部4a、4aの間に嵌入されるとともにガイドレール部4に対して軸方向への移動が阻止された少なくとも1対のロッド5,5とを有し、フィンガー2,2は、ロッド5,5を介してガイドレール部4を挟持することにより、摺動自在に支持されていることとした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィンガーの開閉によって物品を把持する開閉チャックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の開閉チャックでは、フィンガーの摺動案内部にボールベアリングを介在させることにより、フィンガーを摺動案内していた(例えば、特許文献1〜6参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−38881号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平9−295293号公報
【0005】
【特許文献3】
特開平9−2954294号公報
【0006】
【特許文献4】
特開2000−108070号公報
【0007】
【特許文献5】
特開2001−47387号公報
【0008】
【特許文献6】
特開2003−62783号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の開閉チャックにおいて、フィンガー又はフィンガーの摺動をボールベアリングにより行う場合には、次のような問題があった。
【0010】
第1に、開閉チャックが小型化するにつれ、開閉チャックを精度良く製造するには加工費が嵩み、開閉チャックの価格が上昇する。
【0011】
第2に、ボールベアリングが小さいと(例えば直径1mm)、組立作業が困難となる。
【0012】
そこで本発明は、従来に比較して加工費用を抑えて製造可能であり、且つ組立作業も容易な開閉チャックを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、少なくとも2本のフィンガーと、これらのフィンガーを支持するガイドレール部とを有する流体圧駆動型の開閉チャックであって、
前記フィンガーの摺動方向に延設された少なくとも一対の第1溝部と、前記ガイドレール部に前記第1溝部の各々と対向配置された第2溝部と、前記対向する第1溝部及び第2溝部の間に嵌入されるとともに該フィンガー又はガイドレール部の何れか一方に対して軸方向への移動が阻止された少なくとも1対のロッドとを有し、前記フィンガーは、前記少なくとも1対のロッドを介して前記ガイドレール部を挟持し又はガイドレール部に挟持されることにより、摺動自在に支持されていることを特徴とする開閉チャックを提供する。
【0014】
本発明に係る開閉チャックは、ボールベアリングに代えてロッドを採用したことにより、組立作業も容易となり、また、該ロッドを、該フィンガー又はガイドレール部の何れか一方に対して軸方向への移動を阻止するように設けたので、第1溝部又は第2溝部のうち摺動箇所を提供する何れか一方のみを、必要とされる精度、粗度、硬度等に加工すれば良くなり、加工費用を抑えることが出来る。
【0015】
前記第1溝部又は第2溝部のうち摺動箇所を提供する側、即ち摺接する側の溝内壁面にグリース溜用凹部が形成されていることが好ましい。従来のボールベアリングを受ける溝の場合は、グリースの入り得る隙間の容積が決まっており、グリース不足となることがあったが、本発明に係る開閉チャックでは、ロッドの採用により、ロッドの嵌る溝内壁面にグリース溜用凹部を形成することができ、それによってグリース不足を解消し得る。
【0016】
前記第1溝部及び第2溝部の各々は、それらの溝内壁面が前記ロッドと2本の線によって線接触する一対のテーパー面を有することが好ましい。これにより、ロッドの接触面積を少なくしつつ、フィンガーを支持することができる。
【0017】
前記ロッドは、前記ロッドは、前記第1溝部又は第2溝部の全長に亘って延在し、その軸方向への移動を前記ガイドレール部又は前記フィンガーにおけるロッド軸方向端面に螺設した雄螺子の螺子頭によって阻止することができる。これにより、例えば、ロッドの軸方向移動を阻止するためにガイドレール部又はフィンガーのロッド軸方向端面に螺子留めされた別個の閉止プレート等の部品を省略することができ、従って部品点数を削減することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に係る開閉チャックの好ましい実施形態について、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、全図を通し、同様の構成部分には同符号を付した。
【0019】
まず、本発明に係る開閉チャックの第1実施形態について図1〜6を参照して説明する。
【0020】
開閉チャック1は、左右一対のフィンガー2、2がガイドレール部4にロッド5を介して摺動自在に挟持されている。
【0021】
フィンガー2は、L字形をしており、その基部2aの摺動方向に沿う側面の各々に、一対のロッド5が嵌る第1溝部2bが延設されている。
【0022】
ガイドレール部4は、ケーシング7に固定された断面凹状の溝形レールによって構成され、その対向する溝壁の各内側面に、一対のロッド5が嵌る一対の第2溝部4aが設されている。
【0023】
ロッド5は、円形断面を有し、ガイドレール部4の長さに方向の全長に亘って延在しており、ガイドレール部4を構成する溝形レールの長手方向(ロッドの軸方向)両端面に螺設された螺子の螺子頭8によって移動が阻止されている。ロッド5は、ステンレス鋼等の鋼材で形成することが好ましいが、セラミックス、硬質プラスチックス等によって形成することもできる。なお、ロッド5は、ステンレス鋼等の金属材料によって形成される場合、焼入れ処理を施す等によって、必要とされる耐摩耗性及び硬度を得る。
【0024】
また、ガイドレール部4を構成する溝形レールにはその溝底部に1対の長孔4bが形成されており、フィンガー2が、これらの長孔4bを通じて、ケーシング7内に組み込まれたピストンロッド9aとリンク10を介して連結されている。
【0025】
ピストンロッド9が連結されているピストン9は、ケーシング7内に形成されたシリンダー11内に収容され、ケーシング7に形成された給排ポート12,13がシリンダー11の内部に通じている。
【0026】
リンク10は、L字形をしており、支点14の回りに回転可能に支持され、両端にフォーク状部分を有し、該フォーク状部分が、フィンガー2,3の係合ピン2c,3c及びピストンロッド9aに固定された係合軸9bとそれぞれ係合している。なお、図2中、符号17はエンドキャップを示す。
【0027】
斯かる構成により、給排ポート12、13を通じて流入又は流出する圧力流体(図示例では圧縮空気)によってシリンダー11内をピストン9が往復運動すると、リンク10が支点14回りに揺動し、リンク10を介して一対のフィンガー2,2がロッド5,5に案内され接近又は離反する方向に並進摺動する。
【0028】
第1溝部2b及び第2溝部4aの各々は、一対のテーパー面によって断面形状が三角形を成すように溝内壁が形成されており、ロッド5の断面を4点支持するようになっている。
【0029】
このように一対のテーパー面によって溝を形成することにより、第1溝部2b及び第2溝部4aを精度良く溝加工を容易に行うことができる。また、斯かる溝形状とすることにより、矩形断面形状(凹状)をした溝に比べて、ロッド5と溝内壁との接触部位を少なくし、ロッド5を摺動自在に支持することができる。なお、第1溝部2b及び第2溝部4aは、三角形断面に代えて台形断面としてそのテーパー面のみに接触するように形成しても良い(図4参照)。
【0030】
本実施形態においては、第1溝部2bがロッド5との摺動箇所を提供し、第2溝部4aは摺動箇所を提供しない。そのため、摺動箇所を提供する第1溝部2bは、必要とされる耐摩耗性及び硬度、精度、表面粗度を必要とするが、第2溝部4aは、摺動に要求される高いレベルの耐摩耗性及び硬度を必要とせず、ロッド5を位置決めすることができれば良い。従って、例えば、第1溝部2bはステンレス鋼を高精度で加工した後、焼入れする等する必要があるが、第2溝部4bはステンレス鋼を切削加工しただけのものでも良いので、加工費用が抑えられる。
【0031】
第1溝部2bの溝内壁面には、図5に示すように、グリース溜用凹部15を形成することができる。グリース溜用凹部15は、第1溝部2bの全長に亘って形成することもできるし、一部に形成することもできる。第1溝部2bは、ロッド5と摺動接触(摺接)するためグリースが充填されるが、フィンガー2の繰り返し摺動によってグリース不足が生じた場合にこれを補填することができる。
【0032】
また、ロッド5は、小径のものであっても、ボールベアリングに比べて遙かに組立作業が容易であり、製造コストが削減されることとなる。
【0033】
ガイドレール部4は、図6に側面図で示すように、ケーシング7に第2溝部4aを形成することによって、ケーシング7に一体的に備えることができる。ケーシング7には、フィンガー2が移動可能な開口部(不図示)を有するカバー16を取り付けることができる。
【0034】
次に、本発明に係る開閉チャックの第2実施形態について図7〜12を参照しつつ説明する。第2実施形態では、一対のフィンガー2、2が、ロッド5を介してガイドレール部4を挟持し、ガイドレール部4上を摺動するようになっている。
【0035】
フィンガー2,2の基部2aは断面凹形であり、ガイドレール部4が断面矩形のレールであって、フィンガー2,2の基部2aがガイドレール部4に被さるようにして嵌っている。
【0036】
基部2aとガイドレール部4との各々の対向面に、摺動方向に沿って、第1溝部2b及び第2溝部4aが形成され、これら第1溝部2b及び第2溝部4aに断面円形のロッド5が嵌め込まれている。図示例においてロッド5は、基部2aと同じ長さにされ、その両端が基部2aに螺設された雄螺子の螺子頭8によって阻止されている。
【0037】
この場合は、第2溝部4aがロッド5と摺接するため、図10に示すように、第2溝部4aの溝内壁面にグリース溜用凹部15を形成することができる。
【0038】
また、この第2実施形態では、ロッド5と摺接する側のガイドレール部4を摺動に必要な硬度等に仕上げる必要があるが、フィンガー2,2はそのような硬度等に仕上げなくてもよく、加工費用を抑えることができる。
【0039】
ケーシング7には、ピストン9を内部に収容した一対のシリンダー11が平行に形成されており、ケーシング7の両端に各シリンダー11の両端に通じる給排ポート12,13が形成されている。
【0040】
ピストン9は、図11に示すように、連結プレート20を介してフィンガー2の基部2aと連結されている。連結プレート20は、固定ネジ21,22,23によってピストン9とフィンガー2とに連結されている。
【0041】
こうして、ピストン9,9の往復動に即応してフィンガー2,2が往復動する。従って、平行に配置されたピストン9,9が互いに反対方向を向いて相対移動すれば、フィンガー2,2が開閉摺動することとなる。
【0042】
フィンガー2,2は、上記第1実施形態と同じく、ロッド5、第1溝部2a、及び第2溝部4aを介してガイドレール部4に摺動自在に支持されている。第2実施形態のタイプの開閉チャックは、ロングストローク用とすることが多く、斯かる摺動支持構造を採用することによって製造コストを削減する効果が特に大きい。
【0043】
上記の説明では、1対のフィンガーを有する開閉チャックについて説明したが、フィンガーの数は2本に限らず、3本のフィンガーを備えるスリーフィンガータイプや、4本のフィンガーを備えるフォーフィンガータイプ等、3本以上のフィンガーを有するものであっても良い。
【0044】
また、2本以上のフィンガーは、それぞれが平行に摺動するものに限らず、例えば、図13に示すように、それぞれが傾斜ガイドに沿って摺動するタイプであっても良い。
【0045】
さらに、第1溝部、第2溝部は、一対に限らず、例えば、図14、図15に示すように2対としてもよく、或いは、図示しないが3対以上設けることもできる。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る開閉チャックによれば、従来のボールベアリングに代えて、ロッドを採用することとしたので、加工及び組立が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る開閉チャックの第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の開閉チャックの中央縦断正面図であり、図3のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図2のB−B線に沿う縦断側面図である。
【図4】本発明の構成要素である第1溝部及び第2溝部の変更態様を拡大して示す断面図である。
【図5】本発明の構成要素であるグリース溜用凹部を拡大して示す断面図である。
【図6】図1の開閉チャックの変更形態を示す側面図である。
【図7】本発明に係る開閉チャックの第2実施形態を示す斜視図である。
【図8】図7の開閉チャックの側面図である。
【図9】図7を一部断面で示す部分側面図である。
【図10】図7の開閉チャックにおけるグリース溜用凹部を示す断面図である。
【図11】図8のC−C線に沿う縦断正面図である。
【図12】図8のD−D線に沿う横断面図である。
【図13】開閉チャックの他の形態を示す正面図である。
【図14】本発明に係る開閉チャックの一実施形態を示す断面図である。
【図15】本発明に係る開閉チャックの一実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 開閉チャック
2 フィンガー
2b 第1溝部
4 ガイドレール部
4a 第2溝部
5 ロッド
7 ケーシング
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィンガーの開閉によって物品を把持する開閉チャックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の開閉チャックでは、フィンガーの摺動案内部にボールベアリングを介在させることにより、フィンガーを摺動案内していた(例えば、特許文献1〜6参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−38881号公報
【0004】
【特許文献2】
特開平9−295293号公報
【0005】
【特許文献3】
特開平9−2954294号公報
【0006】
【特許文献4】
特開2000−108070号公報
【0007】
【特許文献5】
特開2001−47387号公報
【0008】
【特許文献6】
特開2003−62783号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の開閉チャックにおいて、フィンガー又はフィンガーの摺動をボールベアリングにより行う場合には、次のような問題があった。
【0010】
第1に、開閉チャックが小型化するにつれ、開閉チャックを精度良く製造するには加工費が嵩み、開閉チャックの価格が上昇する。
【0011】
第2に、ボールベアリングが小さいと(例えば直径1mm)、組立作業が困難となる。
【0012】
そこで本発明は、従来に比較して加工費用を抑えて製造可能であり、且つ組立作業も容易な開閉チャックを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、少なくとも2本のフィンガーと、これらのフィンガーを支持するガイドレール部とを有する流体圧駆動型の開閉チャックであって、
前記フィンガーの摺動方向に延設された少なくとも一対の第1溝部と、前記ガイドレール部に前記第1溝部の各々と対向配置された第2溝部と、前記対向する第1溝部及び第2溝部の間に嵌入されるとともに該フィンガー又はガイドレール部の何れか一方に対して軸方向への移動が阻止された少なくとも1対のロッドとを有し、前記フィンガーは、前記少なくとも1対のロッドを介して前記ガイドレール部を挟持し又はガイドレール部に挟持されることにより、摺動自在に支持されていることを特徴とする開閉チャックを提供する。
【0014】
本発明に係る開閉チャックは、ボールベアリングに代えてロッドを採用したことにより、組立作業も容易となり、また、該ロッドを、該フィンガー又はガイドレール部の何れか一方に対して軸方向への移動を阻止するように設けたので、第1溝部又は第2溝部のうち摺動箇所を提供する何れか一方のみを、必要とされる精度、粗度、硬度等に加工すれば良くなり、加工費用を抑えることが出来る。
【0015】
前記第1溝部又は第2溝部のうち摺動箇所を提供する側、即ち摺接する側の溝内壁面にグリース溜用凹部が形成されていることが好ましい。従来のボールベアリングを受ける溝の場合は、グリースの入り得る隙間の容積が決まっており、グリース不足となることがあったが、本発明に係る開閉チャックでは、ロッドの採用により、ロッドの嵌る溝内壁面にグリース溜用凹部を形成することができ、それによってグリース不足を解消し得る。
【0016】
前記第1溝部及び第2溝部の各々は、それらの溝内壁面が前記ロッドと2本の線によって線接触する一対のテーパー面を有することが好ましい。これにより、ロッドの接触面積を少なくしつつ、フィンガーを支持することができる。
【0017】
前記ロッドは、前記ロッドは、前記第1溝部又は第2溝部の全長に亘って延在し、その軸方向への移動を前記ガイドレール部又は前記フィンガーにおけるロッド軸方向端面に螺設した雄螺子の螺子頭によって阻止することができる。これにより、例えば、ロッドの軸方向移動を阻止するためにガイドレール部又はフィンガーのロッド軸方向端面に螺子留めされた別個の閉止プレート等の部品を省略することができ、従って部品点数を削減することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明に係る開閉チャックの好ましい実施形態について、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、全図を通し、同様の構成部分には同符号を付した。
【0019】
まず、本発明に係る開閉チャックの第1実施形態について図1〜6を参照して説明する。
【0020】
開閉チャック1は、左右一対のフィンガー2、2がガイドレール部4にロッド5を介して摺動自在に挟持されている。
【0021】
フィンガー2は、L字形をしており、その基部2aの摺動方向に沿う側面の各々に、一対のロッド5が嵌る第1溝部2bが延設されている。
【0022】
ガイドレール部4は、ケーシング7に固定された断面凹状の溝形レールによって構成され、その対向する溝壁の各内側面に、一対のロッド5が嵌る一対の第2溝部4aが設されている。
【0023】
ロッド5は、円形断面を有し、ガイドレール部4の長さに方向の全長に亘って延在しており、ガイドレール部4を構成する溝形レールの長手方向(ロッドの軸方向)両端面に螺設された螺子の螺子頭8によって移動が阻止されている。ロッド5は、ステンレス鋼等の鋼材で形成することが好ましいが、セラミックス、硬質プラスチックス等によって形成することもできる。なお、ロッド5は、ステンレス鋼等の金属材料によって形成される場合、焼入れ処理を施す等によって、必要とされる耐摩耗性及び硬度を得る。
【0024】
また、ガイドレール部4を構成する溝形レールにはその溝底部に1対の長孔4bが形成されており、フィンガー2が、これらの長孔4bを通じて、ケーシング7内に組み込まれたピストンロッド9aとリンク10を介して連結されている。
【0025】
ピストンロッド9が連結されているピストン9は、ケーシング7内に形成されたシリンダー11内に収容され、ケーシング7に形成された給排ポート12,13がシリンダー11の内部に通じている。
【0026】
リンク10は、L字形をしており、支点14の回りに回転可能に支持され、両端にフォーク状部分を有し、該フォーク状部分が、フィンガー2,3の係合ピン2c,3c及びピストンロッド9aに固定された係合軸9bとそれぞれ係合している。なお、図2中、符号17はエンドキャップを示す。
【0027】
斯かる構成により、給排ポート12、13を通じて流入又は流出する圧力流体(図示例では圧縮空気)によってシリンダー11内をピストン9が往復運動すると、リンク10が支点14回りに揺動し、リンク10を介して一対のフィンガー2,2がロッド5,5に案内され接近又は離反する方向に並進摺動する。
【0028】
第1溝部2b及び第2溝部4aの各々は、一対のテーパー面によって断面形状が三角形を成すように溝内壁が形成されており、ロッド5の断面を4点支持するようになっている。
【0029】
このように一対のテーパー面によって溝を形成することにより、第1溝部2b及び第2溝部4aを精度良く溝加工を容易に行うことができる。また、斯かる溝形状とすることにより、矩形断面形状(凹状)をした溝に比べて、ロッド5と溝内壁との接触部位を少なくし、ロッド5を摺動自在に支持することができる。なお、第1溝部2b及び第2溝部4aは、三角形断面に代えて台形断面としてそのテーパー面のみに接触するように形成しても良い(図4参照)。
【0030】
本実施形態においては、第1溝部2bがロッド5との摺動箇所を提供し、第2溝部4aは摺動箇所を提供しない。そのため、摺動箇所を提供する第1溝部2bは、必要とされる耐摩耗性及び硬度、精度、表面粗度を必要とするが、第2溝部4aは、摺動に要求される高いレベルの耐摩耗性及び硬度を必要とせず、ロッド5を位置決めすることができれば良い。従って、例えば、第1溝部2bはステンレス鋼を高精度で加工した後、焼入れする等する必要があるが、第2溝部4bはステンレス鋼を切削加工しただけのものでも良いので、加工費用が抑えられる。
【0031】
第1溝部2bの溝内壁面には、図5に示すように、グリース溜用凹部15を形成することができる。グリース溜用凹部15は、第1溝部2bの全長に亘って形成することもできるし、一部に形成することもできる。第1溝部2bは、ロッド5と摺動接触(摺接)するためグリースが充填されるが、フィンガー2の繰り返し摺動によってグリース不足が生じた場合にこれを補填することができる。
【0032】
また、ロッド5は、小径のものであっても、ボールベアリングに比べて遙かに組立作業が容易であり、製造コストが削減されることとなる。
【0033】
ガイドレール部4は、図6に側面図で示すように、ケーシング7に第2溝部4aを形成することによって、ケーシング7に一体的に備えることができる。ケーシング7には、フィンガー2が移動可能な開口部(不図示)を有するカバー16を取り付けることができる。
【0034】
次に、本発明に係る開閉チャックの第2実施形態について図7〜12を参照しつつ説明する。第2実施形態では、一対のフィンガー2、2が、ロッド5を介してガイドレール部4を挟持し、ガイドレール部4上を摺動するようになっている。
【0035】
フィンガー2,2の基部2aは断面凹形であり、ガイドレール部4が断面矩形のレールであって、フィンガー2,2の基部2aがガイドレール部4に被さるようにして嵌っている。
【0036】
基部2aとガイドレール部4との各々の対向面に、摺動方向に沿って、第1溝部2b及び第2溝部4aが形成され、これら第1溝部2b及び第2溝部4aに断面円形のロッド5が嵌め込まれている。図示例においてロッド5は、基部2aと同じ長さにされ、その両端が基部2aに螺設された雄螺子の螺子頭8によって阻止されている。
【0037】
この場合は、第2溝部4aがロッド5と摺接するため、図10に示すように、第2溝部4aの溝内壁面にグリース溜用凹部15を形成することができる。
【0038】
また、この第2実施形態では、ロッド5と摺接する側のガイドレール部4を摺動に必要な硬度等に仕上げる必要があるが、フィンガー2,2はそのような硬度等に仕上げなくてもよく、加工費用を抑えることができる。
【0039】
ケーシング7には、ピストン9を内部に収容した一対のシリンダー11が平行に形成されており、ケーシング7の両端に各シリンダー11の両端に通じる給排ポート12,13が形成されている。
【0040】
ピストン9は、図11に示すように、連結プレート20を介してフィンガー2の基部2aと連結されている。連結プレート20は、固定ネジ21,22,23によってピストン9とフィンガー2とに連結されている。
【0041】
こうして、ピストン9,9の往復動に即応してフィンガー2,2が往復動する。従って、平行に配置されたピストン9,9が互いに反対方向を向いて相対移動すれば、フィンガー2,2が開閉摺動することとなる。
【0042】
フィンガー2,2は、上記第1実施形態と同じく、ロッド5、第1溝部2a、及び第2溝部4aを介してガイドレール部4に摺動自在に支持されている。第2実施形態のタイプの開閉チャックは、ロングストローク用とすることが多く、斯かる摺動支持構造を採用することによって製造コストを削減する効果が特に大きい。
【0043】
上記の説明では、1対のフィンガーを有する開閉チャックについて説明したが、フィンガーの数は2本に限らず、3本のフィンガーを備えるスリーフィンガータイプや、4本のフィンガーを備えるフォーフィンガータイプ等、3本以上のフィンガーを有するものであっても良い。
【0044】
また、2本以上のフィンガーは、それぞれが平行に摺動するものに限らず、例えば、図13に示すように、それぞれが傾斜ガイドに沿って摺動するタイプであっても良い。
【0045】
さらに、第1溝部、第2溝部は、一対に限らず、例えば、図14、図15に示すように2対としてもよく、或いは、図示しないが3対以上設けることもできる。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る開閉チャックによれば、従来のボールベアリングに代えて、ロッドを採用することとしたので、加工及び組立が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る開閉チャックの第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の開閉チャックの中央縦断正面図であり、図3のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図2のB−B線に沿う縦断側面図である。
【図4】本発明の構成要素である第1溝部及び第2溝部の変更態様を拡大して示す断面図である。
【図5】本発明の構成要素であるグリース溜用凹部を拡大して示す断面図である。
【図6】図1の開閉チャックの変更形態を示す側面図である。
【図7】本発明に係る開閉チャックの第2実施形態を示す斜視図である。
【図8】図7の開閉チャックの側面図である。
【図9】図7を一部断面で示す部分側面図である。
【図10】図7の開閉チャックにおけるグリース溜用凹部を示す断面図である。
【図11】図8のC−C線に沿う縦断正面図である。
【図12】図8のD−D線に沿う横断面図である。
【図13】開閉チャックの他の形態を示す正面図である。
【図14】本発明に係る開閉チャックの一実施形態を示す断面図である。
【図15】本発明に係る開閉チャックの一実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 開閉チャック
2 フィンガー
2b 第1溝部
4 ガイドレール部
4a 第2溝部
5 ロッド
7 ケーシング
Claims (4)
- 少なくとも2本のフィンガーと、これらのフィンガーを支持するガイドレール部とを有する流体圧駆動型の開閉チャックであって、
前記フィンガーの摺動方向に延設された少なくとも一対の第1溝部と、前記ガイドレール部に前記第1溝部の各々と対向配置された第2溝部と、前記対向する第1溝部及び第2溝部の間に嵌入されるとともに該フィンガー又はガイドレール部の何れか一方に対して軸方向への移動が阻止された少なくとも1対のロッドとを有し、前記フィンガーは、前記少なくとも1対のロッドを介して前記ガイドレール部を挟持し又はガイドレール部に挟持されることにより、摺動自在に支持されていることを特徴とする開閉チャック。 - 前記ロッドと摺接する前記第1溝部又は第2溝部の溝内壁面に、グリース溜用凹部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の開閉チャック。
- 前記第1溝部及び第2溝部の各々は、それらの溝内壁面が前記ロッドと2本の線によって線接触する一対のテーパー面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の開閉チャック。
- 前記ロッドは、前記第1溝部又は第2溝部の全長に亘って延在し、その軸方向への移動が前記ガイドレール部又は前記フィンガーにおけるロッド軸方向端面に螺設された雄螺子の螺子頭によって阻止されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の開閉チャック。
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JP2003127241A JP2004330331A (ja) | 2003-05-02 | 2003-05-02 | 開閉チャック |
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JP2003127241A JP2004330331A (ja) | 2003-05-02 | 2003-05-02 | 開閉チャック |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007160500A (ja) * | 2005-12-13 | 2007-06-28 | Gimatic Spa | 改良型平行空気式グリッパー |
WO2020085359A1 (ja) * | 2018-10-26 | 2020-04-30 | 株式会社北川鉄工所 | 摺動構造体 |
-
2003
- 2003-05-02 JP JP2003127241A patent/JP2004330331A/ja active Pending
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JP7308860B2 (ja) | 2018-10-26 | 2023-07-14 | 株式会社北川鉄工所 | 摺動構造体 |
TWI811471B (zh) * | 2018-10-26 | 2023-08-11 | 日商北川鐵工所股份有限公司 | 滑動構造體 |
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