JP2004329686A - 遊技機における遊技球の誘導装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技盤上に取り付ける入賞口等の遊技装置を高い精度で容易に取り付けることができ、所期の仕様性能を確実に発揮することのできる使い勝手の良い遊技機における遊技球の誘導装置を提供する。
【解決手段】誘導路52,52の放出口53,53から放出された遊技球は、誘導部材50にて、第1ステージ60上を規則的に左右に往復運動しながら転動する速度を弱めていき、切欠61と奥壁56の誘導溝55とで形成する第1スロープ64の円状空間から第3ステージ80に移動した遊技球は、中央凹面部81を通り始動入賞口11に向かって落下する。始動入賞口11は予め下壁91に一体的に設けられ、中央凹面部81に対し精度良く遊技盤21に容易に取り付けられており、中央凹面部81から遊技盤21上に落下した遊技球は高い確率にて始動入賞口11に入賞する。
【選択図】 図3
【解決手段】誘導路52,52の放出口53,53から放出された遊技球は、誘導部材50にて、第1ステージ60上を規則的に左右に往復運動しながら転動する速度を弱めていき、切欠61と奥壁56の誘導溝55とで形成する第1スロープ64の円状空間から第3ステージ80に移動した遊技球は、中央凹面部81を通り始動入賞口11に向かって落下する。始動入賞口11は予め下壁91に一体的に設けられ、中央凹面部81に対し精度良く遊技盤21に容易に取り付けられており、中央凹面部81から遊技盤21上に落下した遊技球は高い確率にて始動入賞口11に入賞する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技球の誘導装置に関し、さらに詳しくは、弾球遊技機等の遊技盤に設けられ、該遊技盤に向けて弾発された遊技球を所望の位置へ誘導する遊技機における遊技球の誘導装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遊技球の誘導装置は、例えば図19に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤の略中央に配設される図柄表示装置200に設けられるものがよく知られており、これらの遊技球の誘導装置は、図柄表示部207を周回するように設けられた導入口202、誘導路203、放出口204、ステージ205を備えている。発射装置から遊技盤上に発射された遊技球が、遊技釘等にあたりながら不規則的な軌道を描いて落下する過程で導入口202に入球すると、該入球した遊技球は、誘導路203を落下して放出口204よりステージ205に放出されるようになっている。
【0003】
ステージ205に放出された遊技球は、ステージ205上を不規則的に移動しながら最終的にはステージ205の奥行方向の手前側(遊技者側)から落下して、再び遊技盤上を転動することになるが、このステージ205から落下する遊技球のうち、ステージ205の中央部に設けられた始動入賞口誘導路206から落下する遊技球は、該始動入賞口誘導路206の直下に設けられた始動入賞口(電動チューリップ)208に誘導されるようになっており、即ち始動入賞口誘導路206から落下する遊技球は、高い確率にて始動入賞口208に入賞するようになっている。一方、始動入賞口誘導路206以外のステージ205から落下する遊技球は、始動入賞口208に誘導されることはなく、従って始動入賞口208に入賞することはない。
【0004】
なお、遊技球が始動入賞口208に入賞すると、図柄表示部207にて所定の図柄が変動表示後に停止して確定表示されるようになっており、この確定表示され図柄が予め定められた大当り図柄であった場合には、遊技者にとって極めて有利な大当り遊技が開始されるようになっている。従って、遊技者は、始動入賞口208に、いかに多くの遊技球を入賞させるかが遊技の最大の関心事となっている。
【0005】
しかしながら、上記従来技術においては、ステージ205上を移動する遊技球の挙動が単純であり、遊技者にとってはもの足りないものとなっていた。そこで、このような問題点を解消し、遊技者がより遊技を楽しめることを目的として、例えば、上段ステージと下段ステージという複数のステージを設け、遊技球を上段ステージから下段ステージ、下段ステージから遊技盤へと順次落下させることで、遊技球がステージから遊技盤へ落下されるまでの時間に溜めを作ると共に、遊技球の挙動に不規則性を持たせるという技術(以下、従来技術1という)が開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−224317号公報
【特許文献2】
特開2002−224318号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術1を含む従来の遊技球の誘導装置においては、未だ解決されない次のような問題点がある。即ち、従来より遊技球の誘導装置においては、上記したように、図19においてステージ205の中央部に設けられた始動入賞口誘導路206から落下する遊技球を、高い確率にて始動入賞口208に入賞するように誘導するため、当該誘導装置とは個別に形成された始動入賞口208を、始動入賞口誘導路206に対応して精度良く遊技盤上に取り付けなければならないという問題点がある。
【0008】
この始動入賞口208を遊技盤上に取り付ける作業は、予め遊技盤につけた目印(例えばポンチ穴)を基準にビス等で人手を介して行われるので、精度上どうしてもバラツキが発生する。しかして、この始動入賞口208の取り付け精度が良くないと、始動入賞口誘導路206から落下する遊技球の始動入賞口208への入賞確率は、所期の設計値から逸脱して低下することになる。遊技球の始動入賞口208への入賞は、上記したように、遊技者にとって遊技の最大の関心事となっているので、この遊技球の始動入賞口208への入賞確率が低下すると、遊技機の遊技性が著しく低下してしまい、その結果遊技機の稼働率が悪化し、営業上深刻な問題となる。
【0009】
また、従来技術1においては、上段ステージ及び下段ステージは、略平面状に形成されているので、各ステージ上を移動する遊技球の挙動に躍動感がなく、さらに、上段ステージから下段ステージへの遊技球の移動は、落下に限定されているので、遊技球の移動が単調となり、従い遊技者は、遊技性に今一もの足りなさを感じるという問題点がある。
【0010】
また従来技術1においては、下段ステージに設けられた始動入賞口誘導路以外から遊技盤に落下する遊技球は、始動入賞口に誘導されず、従って始動入賞口に入賞することがないので、遊技者は、下段ステージにおいて始動入賞口誘導路に入球しなかった遊技球には全く期待することができず、この点から遊技性に興趣を欠くという問題点もある。
【0011】
本発明は、上記した問題点の少なくとも1つを解決するためになされたもので、その第1の目的は、遊技盤上に取り付ける入賞口等の遊技装置を高い精度で容易に取り付けることができ、所期の仕様性能を確実に発揮することのできる使い勝手の良い遊技機における遊技球の誘導装置を提供することにある。
【0012】
また、本発明の第2の目的は、ステージにおける遊技球の挙動を躍動感をもたせつつ多種多様にすることで、遊技の趣向を増大させることのできる遊技機における遊技球の誘導装置を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、遊技者がステージから遊技盤に落下する遊技球に最後まで期待することができ、以て遊技の趣向を増大させることのできる遊技機における遊技球の誘導装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
このような問題を解決するために、本発明の遊技機における遊技球の誘導装置は、請求項1に記載したように、遊技盤を落下する遊技球を導入する導入口と、該導入口から導入された遊技球を所定方向へ誘導する誘導路と、該誘導路により誘導された遊技球を放出する放出口と、該放出口から放出された遊技球を受入れ、該受入れた遊技球を滞留可能であると共に下方へ誘導可能なステージが設けられた誘導部材と、を備えた遊技機における遊技球の誘導装置であって、上記誘導部材には、上記ステージ外部に落下した遊技球が流入可能な遊技装置を一体的に設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項1の発明は、例えば、パチンコ遊技機の遊技盤上に形成される遊技領域を障害釘や風車等に当りながら落下する遊技球が導入口に入球すると、この遊技球は導入口から誘導路へと移動し、さらに誘導路から所定方向へ誘導され、最終的に放出口から誘導部材へと放出される。そして、誘導部材に放出された遊技球は、ステージ上を例えば左右に移動しながら不特定時間滞留し、その後、ステージ外部に落下する。
【0015】
しかして、誘導部材には、このステージ外部に落下した遊技球を流入可能な遊技装置が一体的に設けられており、従って、ステージ外部に落下した遊技球のうちの一部の遊技球は、この遊技装置に流入することになる。ここで、遊技装置としては、例えば、遊技機がパチンコ遊技機である場合には、始動入賞口や作動ゲート、または、いわゆる役物と呼ばれる入賞装置や風車等の振り分け装置若しくは停留装置等が挙げられる。
【0016】
従って、以上のような構成による請求項1の発明によれば、誘導部材と遊技装置とが一体的に設けられているので、誘導部材と遊技装置とを別個に遊技機に取り付ける必要がなく、極めて容易に誘導部材と遊技装置とを遊技機に取り付けることが可能となる。また、この遊技装置の遊技機に対する取り付け位置は、誘導部材に対して高い精度が求められるものであり、即ち、誘導部材に設けられたステージから外部に落下する遊技球のうち、一部の遊技球を所期の設計どおり遊技装置に流入させることが重要であり、従い、本発明によれば、誘導部材と遊技装置とを一体的に設けることにより、両者の相対位置を極めて精度良く形成することが可能となり、誘導部材に設けられたステージから外部に落下する遊技球のうち、一部の遊技球を所期の設計どおり遊技装置に流入させることができ、即ち誘導装置の所期の仕様性能を確実に発揮することができ、その結果、ホールにとって使い勝手の良い誘導装置を提供することができるという極めて顕著な効果を奏する。
【0017】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記ステージは、受入れた遊技球を該ステージ外部に落下させて上記遊技装置へ誘導する誘導通路を備え、上記遊技装置は、該誘導通路に対応して上記誘導部材に取り付けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、誘導部材に設けられたステージは、誘導通路を備えており、この誘導通路は、ステージに受け入れた遊技球を、遊技装置へ誘導するようステージの外部に落下させるようになっている。また、遊技装置は、この誘導通路に対応して誘導部材に一体的に取り付けられている。
【0019】
従って、以上のような構成による請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、遊技装置へ誘導する誘導通路に対応して遊技装置が誘導部材に一体的に取り付けられているので、誘導通路と遊技装置との相対位置を極めて精度良く形成することが可能となる。その結果、誘導部材に設けられたステージから外部に落下する遊技球のうち、誘導通路を通って落下した遊技球を所期の設計どおり遊技装置に流入させることができるという顕著な効果を奏する。
【0020】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記遊技機は、始動入賞口と、該始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて所定の図柄を変動表示し、該変動表示している図柄を所定時間後に停止させて確定表示する図柄表示装置と、該図柄表示装置が確定表示した図柄が所定の大当り図柄である場合には、遊技者にとって有利な大当り遊技を実行する遊技制御手段とを備え、上記遊技装置を上記始動入賞口としたことを特徴とする。
【0021】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、遊技機は、始動入賞口と図柄表示装置と遊技制御手段とを備えており、さらに誘導部材に一体的に設けられる遊技装置を始動入賞口としている。この始動入賞口は、遊技球が入賞すると図柄表示装置に所定の図柄を変動表示させ所定時間後に停止させて確定表示させる。そして、図柄表示装置が確定表示した図柄が所定の大当り図柄である場合には、遊技制御手段が、遊技者にとって有利な大当り遊技を実行する。
【0022】
従って、以上のような構成による請求項3の発明によれば、請求項2の発明の効果に加え、始動入賞口へ誘導する誘導通路に対応して始動入賞口が誘導部材に一体的に取り付けられているので、誘導通路と始動入賞口との相対位置を極めて精度良く形成することが可能となり、誘導部材に設けられたステージから外部に落下する遊技球のうち、誘導通路を通って落下した遊技球を所期の設計どおり始動入賞口に流入させることができる。しかして、始動入賞口への遊技球の入賞は、遊技者にとって有利な大当り遊技が発生するための必要条件となっているので、遊技を行う上で極めて重要な事項であり、その結果、ホールにとって極めて使い勝手の良い誘導装置を提供することができるという極めて顕著な効果を奏する。
【0023】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記誘導通路は、少なくとも遊技球1個が転動可能な断面略凹面状に形成された凹面部を備え、上記始動入賞口は、上記誘導部材に対し、該凹面部の左右方向の中央と、該始動入賞口の左右方向の中央とが垂直線上に存在する位置に取り付けるようにしたことを特徴とする。
【0024】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、誘導通路は凹面部を備えており、この凹面部は少なくとも遊技球1個が転動可能な断面略凹面状に形成され、始動入賞口は、この凹面部の左右方向の中央と自身の左右方向の中央とが垂直線上に存在する位置に、誘導部材に一体的に取り付けられている。
【0025】
従って、以上のような構成による請求項4の発明によれば、請求項3の発明の効果に加え、始動入賞口が、誘導通路の凹面部左右方向の中央と自身の左右方向の中央とが垂直線上に存在する位置に、誘導部材に一体的に取り付けられているので、誘導部材に設けられたステージから外部に落下する遊技球のうち、誘導通路の凹面部を通って落下した遊技球を高い確率にて始動入賞口に入賞させることが可能となる。始動入賞口への遊技球の入賞は、遊技者にとって大当りを獲得するための重要な条件であり、従い、遊技者は、凹面部に遊技球が流入した場合には、極めて大きな期待を持つことができ、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。つまり、ホールが所望する誘導装置から始動入賞口への遊技球の入賞確率を想定通り確実に実行することができるという極めて顕著な効果を奏する。
【0026】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記誘導通路は、上記凹面部の左右両側に隣接して設けられると共に、断面略凹面状に形成され少なくとも遊技球1個が転動可能な側凹面部をさらに備えたことを特徴とする。
【0027】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、誘導通路は、凹面部の左右両側に隣接して側凹面部をさらに備えており、この側凹面部は、断面略凹面状に形成され少なくとも遊技球1個が転動可能になっている。
従って、以上のような構成による請求項5の発明によれば、請求項4の発明の効果に加え、ステージに導出された遊技球が誘導通路に流入する場合において、遊技球が凹面部に流入したときには、側凹面部に流入したときよりも高い確率にて始動入賞口に入賞するようになるので、遊技者は、ステージに導出された遊技球が凹面部に流入するか否かを期待しながら注意深く見守ることになり、その結果、さらに遊技の趣向が増大し、遊技性が向上するという顕著な効果を奏する。
【0028】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記側凹面部は、側方向から流入してくる遊技球を上記凹面部に導出し易くする遊技球導出手段を備えたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、側凹面部は遊技球導出手段を備えており、この遊技球導出手段が、側方向から流入してくる遊技球を凹面部に導出し易くするようになっている。なお、遊技球導出手段の具体例としては、側凹面部の断面となる凹面を二つの連続するアール面にて形成し、この二つのアール面のうち中央寄り(凹面部寄り)のアール面のアールを、他のアール面のアールよりも小さく形成するような手段が挙げられる。このように側凹面部を形成すると、側凹面部に側方向から流入した遊技球を、大きく形成されたアール面を転動させることによりその流れを付勢して小さく形成されたアール面へと流出させ、さらにその流れの勢いにより小さく形成されたアール面を一気に駆け上がらせて凹面部に導出させることが可能となる。
【0029】
従って、以上のような構成による請求項6の発明によれば、請求項5の発明の効果に加え、ステージに導出された遊技球が側方向から誘導通路に流入する場合において、側凹面部に備えられた遊技球導出手段により、側凹面部から凹面部へ遊技球を導出し易くなっているので、遊技者は、たとえステージに導出された遊技球が側方向から側凹面部に流入しても、さらに側凹面部から凹面部に遊技球が導出されること、即ち、遊技球が高い確率にて始動入賞口に入賞することが期待できるので、その結果、さらに遊技の趣向が増大し、遊技性が向上するという顕著な効果を奏する。
【0030】
また、請求項7に記載の発明は、請求項3乃至請求項6の何れかに記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記誘導部材は、上記遊技盤の表面に重合するように上記ステージの下部前端から下方に向かって延びる薄板状の下壁を備え、上記始動入賞口は、該下壁に設けられると共に、該下壁における上記始動入賞口の上方の所定箇所には、障害釘を上記遊技盤に植設するための開口部を穿設したことを特徴とする
請求項7の発明は、請求項3乃至請求項6の何れかの発明において、誘導部材は下壁を備えており、この下壁は、遊技盤の表面に重合するようにステージの下部前端から下方に向かって延びる薄板状に形成されている。そして、この下壁には、始動入賞口が一体的に取り付けられていると共に、この下壁の始動入賞口の上方の所定箇所には開口部が穿設されており、この開口部により障害釘を遊技盤に植設できるようになっている。例えば、請求項4に係わり、凹面部に流入しなかった遊技球がステージ外部に落下したとき、あるいは請求項5に係わり、側凹面部に流入した遊技球がステージ外部に落下したとき、これら落下してきた遊技球が障害釘に衝突することにより、その落下する角度を変えて始動入賞口に入賞するチャンスが与えられる。なお、この開口部の大きさ及び開口部を穿設する下壁の所定箇所は、特に限定するものではないが、少なくとも障害釘を複数遊技盤に植設できると共に、この複数の障害釘の間を遊技球が通過できるような大きさで、且つこの複数の障害釘の間を通過した遊技球が始動入賞口に入賞できる箇所に形成することが望ましい。
【0031】
従って、以上のような構成による請求項7の発明によれば、請求項3乃至請求項6の何れかの発明の効果に加え、誘導部材の備えている下壁を、遊技盤の表面に重合するようにして遊技盤に取り付けることで、極めて容易に誘導部材と始動入賞口とを遊技盤に取り付けることが可能となる。また、下壁に穿設された開口部により、始動入賞口の上方に障害釘を設けることが可能になるので、遊技性が向上すると共に、遊技盤におけるゲージ構成の自由度が向上し、その結果、遊技機の設計が容易となる。さらに、遊技盤に対する障害釘の突出角度を調整することにより、遊技球の始動入賞口への入賞確率を任意に変更することができるようになり、その結果、ホールにとって極めて使い勝手の良い誘導装置を提供することができるという極めて顕著な効果を奏する。
【0032】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記下壁における上記開口部の上方の所定箇所には、上記ステージ外部に落下する遊技球を、衝突させることにより、その落下する角度を変えたりまたは跳ね返して再び該ステージに流入させる遊技球衝突手段を備えたことを特徴とする。
【0033】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、下壁における開口部の上方の所定箇所には、遊技球衝突手段が備えられており、この遊技球衝突手段が、ステージ外部に落下する遊技球を、衝突させることにより、その落下する角度を変えたりまたは跳ね返して再びステージに流入させる。例えば、請求項4に係わり、凹面部に流入しなかった遊技球がステージ外部に落下したとき、この落下してきた遊技球が遊技球衝突手段に衝突することにより上方に跳ね返り、再びステージ内に流入して始動入賞口に入賞するチャンスが再度与えられる。あるいは請求項5に係わり、側凹面部に流入した遊技球がステージ外部に落下したとき、この落下してきた遊技球が遊技球衝突手段に衝突することにより、その落下する角度を変えて始動入賞口に入賞するチャンスが与えられる。なお、この場合には、開口部により遊技盤に植設された障害釘に落下してきた遊技球がさらに衝突する可能性があり、従って、この障害釘に遊技球が衝突した場合には、さらに遊技球は、その落下する角度を変えることになり、このうちの一部の遊技球は始動入賞口に入賞することになる。なお、遊技球衝突手段の具体例としては、略棒状に突出させた弾性部材を複数設けるような手段が挙げられる。また、遊技球衝突手段を設ける下壁の所定箇所は、遊技者にとって利益となる位置、即ち遊技球がステージからこのまま落下すると、始動入賞口に入賞することが困難な位置に設けるようにすれば良い。
【0034】
従って、以上のような構成による請求項8の発明によれば、請求項7の発明の効果に加え、下壁における開口部の上方の所定箇所に遊技球衝突手段を備えたので、遊技者は、ステージの外部、即ち遊技盤に落下する全ての遊技球において最後まで期待することができ、即ち、誘導部材のステージに流入した遊技球が、如何なる態様にてステージの外部に落下しても、遊技者が、最後まで予測できない遊技を提供することができ、その結果、遊技の趣向が著しく増大し、遊技性が極めて向上するという顕著な効果を奏する。
【0035】
また、請求項9に記載の発明は、請求項3乃至請求項8の何れかに記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記図柄表示装置は上記遊技盤の略中央に配設され、上記導入口、上記誘導路、上記放出口及び上記誘導部材は、該図柄表示装置を周回するように垂直線に対し対称に設けられると共に、該図柄表示装置に一体的に設けられたことを特徴とする。
【0036】
請求項9の発明は、請求項3乃至請求項8の何れかの発明において、本発明にかかる誘導装置を構成する導入口、誘導路、放出口及び誘導部材は、遊技盤の略中央に配設される図柄表示装置に一体的に設けられ、さらに、この図柄表示装置を周回するように垂直線に対し対称に設けられている。
【0037】
従って、以上のような構成による請求項9の発明によれば、請求項3乃至請求項8の何れかの発明の効果に加え、誘導装置は、図柄表示装置との一体構成及び対称形状を採用することにより、その設計が容易になると共にその美観が高められ、且つ誘導装置を転動する遊技球の流れを流麗にすることができ、その結果、誘導装置を開発する上でコストダウンになると共に、遊技者の遊技意欲をそそることができるという顕著な効果を奏する。
【0038】
また、請求項10に記載の発明は、請求項2乃至請求項9の何れかに記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記ステージは、長手方向の所定部位に稜線を有する勾配が形成され、上記放出口から放出された遊技球を受入れ、該受入れた遊技球を、滞留可能であると共に下方へ誘導可能な第1ステージと、該第1ステージより奥行方向の手前側下方に設けられ、該第1ステージから誘導された遊技球を受入れ、該受入れた遊技球を、滞留可能にすると共に上記ステージ外部へ落下可能な第2ステージと、上記第1ステージの下方且つ上記第2ステージの奥行方向の奥側に該第2ステージと隣接して設けられ、上記第1ステージから誘導された遊技球を受入れ、該受入れた遊技球を上記誘導通路に流入させると共に上記第2ステージへ流下可能な第3ステージと、を備えたことを特徴とする。
【0039】
請求項10の発明は、請求項2乃至請求項9の何れかの発明において、誘導部材に設けられるステージを第1ステージと第2ステージと第3ステージとで構成し、まず、放出口から誘導部材に放出された遊技球は、長手方向の所定部位に稜線を有する勾配が形成された第1ステージ上を左右に移動しながら不特定時間滞留する。ここで、稜線とは、所定のアールにて形成される曲線が複数連続する線、つまり山の峰から峰へ続くような線は勿論のこと、所定の単一なアールにて形成される曲線、つまり円弧も含むものとする。
【0040】
そして、第1ステージ上に滞留している遊技球は、下方へ誘導されて第2ステージあるいは第3ステージに流入する。ここで第2ステージは、第1ステージより奥行方向の手前側下方に設けられており、第3ステージは、第1ステージの下方、且つ第2ステージの奥行方向の奥側にこの第2ステージと隣接して設けられている。つまり、誘導部材におけるステージは、第3ステージの上方に第1ステージが形成され、さらに第3ステージの奥行方向の手前側に第2ステージが形成された2階建て構造になっている。
【0041】
第2ステージに流入した遊技球は、ここで不特定時間滞留した後、ステージ外部に落下し、一方、第3ステージに流入した遊技球は誘導通路に流入し、誘導部材と一体的に設けられている遊技装置(始動入賞口)に向かって誘導されると共に第2ステージに流下する。
【0042】
従って、以上のような構成による請求項10の発明によれば、請求項2乃至請求項9の何れかの発明の効果に加え、誘導路の放出口より放出され第1ステージに流入した遊技球は、第1ステージに形成された稜線を有する勾配により、その挙動に躍動感を与えられながら様々な態様にて下方に位置する第2ステージや第3ステージに導出されるので、遊技者は、遊技球の躍動感ある挙動を十分に楽しむことができ、また、第1ステージから第2ステージまたは第3ステージに流入した遊技球は、その流入するときの態様が多種多様なことに起因して第2ステージまたは第3ステージ上にて不規則的な挙動を示しつつ不特定時間滞留するので、遊技者は、遊技球の不規則的な挙動を十分に楽しむことができ、さらに、第3ステージに流入した遊技球が誘導通路に流入し、遊技装置(始動入賞口)に向かって誘導されて第2ステージからステージ外部に落下したときには、遊技者は、遊技が有利に展開するという予測や期待感を持つことができ、即ち、本発明によれば、遊技者は、遊技球の躍動感ある挙動と不規則的な挙動を十分に楽しみながら期待をもって遊技することが可能となり、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上するという顕著な効果を奏する。
【0043】
また、請求項11に記載の遊技機における遊技球の誘導装置は、遊技盤を落下する遊技球を導入する導入口と、該導入口から導入された遊技球を所定方向へ誘導する誘導路と、該誘導路により誘導された遊技球を放出する放出口と、該放出口から放出された遊技球を受入れ、該受入れた遊技球を滞留可能であると共に下方へ誘導可能なステージが設けられた誘導部材と、を備えた遊技機における遊技球の誘導装置であって、上記誘導部材の下方には、上記ステージ外部に落下した遊技球が流入可能な遊技装置が設けられ、上記誘導部材の所定箇所には、上記ステージ外部に落下する遊技球を、衝突させることにより、その落下する角度を変えたりまたは跳ね返して再び該ステージに流入させる遊技球衝突手段を備えたことを特徴とする。
【0044】
請求項11の発明は、例えば、パチンコ遊技機の遊技盤上に形成される遊技領域を障害釘や風車等に当りながら落下する遊技球が導入口に入球すると、この遊技球は導入口から誘導路へと移動し、さらに誘導路から所定方向へ誘導され、最終的に放出口から誘導部材へと放出される。そして、誘導部材に放出された遊技球は、ステージ上を例えば左右に移動しながら不特定時間滞留し、その後、ステージ外部に落下し、その落下した遊技球の一部は、誘導部材の下方に設けられた始動入賞口等の遊技装置に入球する。
【0045】
しかして、誘導部材の所定箇所には、このステージ外部に落下した遊技球を衝突させることにより、その落下する角度を変えたりまたは跳ね返して再びステージに流入させる遊技球衝突手段を備えており、従って、ステージ外部に落下した遊技球のうちの一部の遊技球は、遊技球衝突手段に衝突することにより、その落下する角度を変えて始動入賞口等の遊技装置に入球したり、あるいは上方に跳ね返って再びステージに流入して始動入賞口等の遊技装置に入球するチャンスが再度与えられる。なお、遊技球衝突手段を設ける下壁の所定箇所は、遊技者にとって利益となる位置、即ち遊技球がステージからこのまま落下すると、始動入賞口等の遊技装置に入球することが困難な位置に設けるようにすれば良い。
【0046】
従って、以上のような構成による請求項11の発明によれば、誘導部材の所定箇所に遊技球衝突手段を備えたので、遊技者は、ステージの外部、即ち遊技盤に落下する全ての遊技球において最後まで期待することができ、即ち、誘導部材のステージに流入した遊技球が、如何なる態様にてステージの外部に落下しても、遊技者が、最後まで予測できない遊技を提供することができ、その結果、遊技の趣向が著しく増大し、遊技性が極めて向上するという顕著な効果を奏する。
【0047】
なお、遊技球衝突手段の具体的な形状や材質等は種々考えられるが、次のようにすると良い。即ち、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記遊技球衝突手段は、略棒状の弾性部材にて形成され、上記誘導部材に対し、前方に突出するように設けられていることを特徴とする。
【0048】
このように遊技球衝突手段を誘導部材に対し前方に突出するように形成すると、ステージの外部に落下した遊技球を容易に遊技球衝突手段に衝突させることができ、また、遊技球衝突手段を略棒状に形成すると、遊技球は、遊技球衝突手段に衝突した後、様々な方向に角度を変えながら落下するようになり、また、遊技球衝突手段を弾性部材にて形成すると、遊技球は、遊技球衝突手段に衝突した後、付勢されて再びステージに容易に流入することが可能となり、その結果、再び始動入賞口等の遊技装置に入球するチャンスが与えられ、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上するという顕著な効果を奏する。
【0049】
なお、遊技球衝突手段は次のように構成しても良い。即ち、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記遊技球衝突手段は、上記誘導部材に対し、左右方向にスライド自在に設けたことを特徴とする。また、請求項14に記載の発明は、請求項12または請求項13に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記遊技球衝突手段は、上記誘導部材に対し、前方に突出する角度を変更自在に設けたことを特徴とする。
【0050】
このように遊技球衝突手段を誘導部材、即ち遊技盤に対し、左右方向にスライド自在に設けるたり、あるいは突出する角度を変更自在に設けたりすることで、遊技球衝突手段を遊技盤に対し、所望する位置に及び/または所望する角度で設けることが可能となり、例えば、ホールが、新装開店の際に特別に誘導装置から始動入賞口等の遊技装置への遊技球の入球確率を高くしたいと所望したときには、それに即座に対応することが可能となり、また、遊技機は、入賞口等への入賞確率を変更するため、ホールの所望する角度によって遊技島に立設されるので、これが原因で誘導装置から始動入賞口等の遊技装置への遊技球の入球確率が想定外になったとしても、速やかに対応することが可能となる。つまり、遊技球の転動や移動等の挙動は、極めて微妙であり、従い遊技機の立設される角度に極めて大きな影響を受けるのであるが、このように誘導装置からの遊技球の始動入賞口等の遊技装置への入球確率を任意に変更できるようにすることで、その影響を回避することができるようになる。その結果、ホールにとって極めて使い勝手の良い誘導装置を提供することができるという極めて顕著な効果を奏する。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
図1は、遊技機1の全体正面図である。本実施形態の遊技機1は、図1に示すように、図示しない遊技島に固定される外枠22と、この外枠22に取り付けられた内枠23とから構成されており、内枠23には、遊技者にパチンコ遊技を提供する遊技盤21と、遊技者が操作することにより図示しない打球発射装置を作動させる打球操作ハンドル2と、打球発射装置によって打ち出された遊技球を誘導する打球誘導レール3と、打ち出された遊技球が一定範囲内で飛球するよう設けられた遊技領域形成レール4と、打球誘導レール3及び遊技領域形成レール4によって囲われた遊技領域5と、遊技領域5に打ち出された遊技球を不測の方向へ変化を与える風車20と、特別図柄が回転する様子を示す擬似的な表示(以下、スクロール表示ともいう)を行う液晶表示ディスプレイ(LCD)等で構成された特別図柄表示装置6と、遊技球が入賞することによって特別図柄表示装置6に特別図柄の変動表示(スクロール表示)を開始させる始動入賞口(電動チューリップ)11と、特別図柄表示装置6が特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞口11へ入賞した場合に、当該変動表示が終了した後に、あと何回変動表示するか(最高4回)を遊技者に報知するための保留記憶の点灯表示を順次行う4つの保留LED25と、特別図柄表示装置6内において所定の図柄を表示する図柄表示部30と、この図柄表示部30において3つの特別図柄をそれぞれ個別に表示する左図柄表示部8、中図柄表示部9、右図柄表示部10と、特別図柄表示装置6における表示結果が予め定められた態様(大当り)になった場合、遊技者に有利に開口される大入賞口(アタッカ)7と、遊技球を打球発射装置に供給するための打球供給皿12と、打球供給皿12に入りきらない球を貯留することができると共に、図示しない貯留球箱に遊技球を移動できるようになっている余剰球受皿13と、入賞することによって賞球が払い出される普通入賞口14と、入賞に対する賞球の払い出しや球詰まり、異常を報知する遊技効果ランプ15と、遊技領域5の最下部に設けられた遊技球を回収するアウト口16と、開閉自在に設けられたガラス扉枠17と、一桁の普通図柄を表示し、その普通図柄が予め定められた普通図柄(当り)である場合、始動入賞口11としての電動チューリップの羽根11a,11aを開放する7セグメントLED等で構成された普通図柄表示装置18と、遊技球が通過することによって普通図柄表示装置18に普通図柄の変動表示を開始させる普通図柄作動ゲート19等によって構成されている。
【0052】
この様に構成される遊技機1は、まず、遊技者の打球操作ハンドル2の操作により、打球発射装置から遊技球が発射され、打球誘導レール3と遊技領域形成レール4の間を通って遊技球が遊技盤21上の遊技領域5に打ち出される。そして、遊技球は遊技領域5を自重により落下し、落下する過程においては、遊技盤21に植設される図示しない遊技釘や風車20によって落下する方向に変化を与えられ、始動入賞口11や普通入賞口14に入賞したり、普通図柄作動ゲート19を通過したり、全ての入賞口に入賞しなかった場合には、アウト口16に回収されるようになっている。
【0053】
遊技球が始動入賞口11に入賞した場合には、所定の賞品球を遊技者に与えると共に、図示しない始動入賞検出センサによって遊技球を検出し、特別図柄表示装置6の各図柄表示部8、9、10に特別図柄をスクロール表示させ、所定時間後に左図柄表示部8、右図柄表示部10、中図柄表示部9の順に特別図柄を停止させて抽選を行い、左図柄表示部8の特別図柄と右図柄表示部10の特別図柄とが停止した時点で大当りを構成する特別図柄の組合せ(例えば同一の特別図柄の組合せ)である場合にはリーチとなり、特別図柄表示装置6の図柄表示部30にて所定のリーチアクションが表示されるようになっており、その後中図柄表示部9の特別図柄が停止した時点で確定表示された特別図柄が予め定められた特別図柄の組合せである場合には大当りとなり、図示しないマイクロコンピュータ等で構成される遊技制御手段により、大入賞口7としてのアタッカを所定の態様で開放する大当り遊技が実行されるようになっており、これら以外の特別図柄の組合せである場合には、はずれとなる。
【0054】
従って、遊技者は、大当りを獲得するべく、打球操作ハンドル2を適宜操作して遊技球を遊技盤21上の遊技領域5に打ち出し、始動入賞口11に遊技球を入賞させようと腐心することになる。つまり換言すれば、遊技者の遊技機1における遊技の最大の目標は、いかに始動入賞口11に多くの遊技球を入賞させるかということになる。
【0055】
なお、遊技球が普通入賞口14に入賞した場合には、所定の賞品球が遊技者に与えられる。また、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過した場合には、図示しない作動ゲート検出センサによって遊技球を検出し、普通図柄表示装置18に普通図柄を変動表示させて抽選を行い、確定表示された普通図柄が予め定められた普通図柄である場合には当りとなり、図示しないマイクロコンピュータ等で構成される遊技制御手段により、始動入賞口(電動チューリップ)11の羽根11a,11aを後述するソレノイド40を内蔵する駆動装置39により所定時間開放する当り遊技が実行されるようなっている。
【0056】
図2は、特別図柄表示装置6の正面図である。特別図柄表示装置6には、図柄表示部30の下半分を周回するように、本発明に係わる遊技球の誘導装置を構成する導入口51,51、誘導路52,52、誘導部材50が設けられている。導入口51,51は、その上部が開口された略箱状に形成され、落下してくる遊技球を受入可能に遊技盤21に対し突出して設けられており、受入れた遊技球は図示しない導出口より誘導路52,52に導出するようになっている。
【0057】
誘導路52,52は、その上下部が開口された略直方体状に形成され、導入口51,51から導出された遊技球を受入可能に導入口51,51の後部に連接して設けられており、受入れた遊技球は図2に示す放出口53,53より誘導部材50に導出するようになっている。
【0058】
誘導部材50は、本発明の要部を構成するものでその詳細は後述するが、誘導路52,52から導出された遊技球を受入可能に誘導路52,52の放出口53,53に連接して設けられており、受入れた遊技球は不特定時間滞留した後、最終的に当該誘導部材50に一体的に設けられた始動入賞口11、あるいは遊技領域5に向けて放出するようになっている。
【0059】
従って、上記したように、打球発射装置から発射され遊技盤21上の遊技領域5を落下する過程において、遊技球が、図2に示すように導入口51,51に入球すると、該入球した遊技球は、導入口51,51から誘導路52,52に導出され、さらに誘導路52,52の放出口53,53から誘導部材50に導出されることになり、この誘導部材50に導出された遊技球は、後に詳述する様々な軌道を描きながら始動入賞口11、あるいは再び遊技領域5に向けて放出されることになる。
【0060】
そしてこの誘導部材50から放出されるとき、遊技球は、その方向やスピンに応じて、始動入賞口11に入賞したり、入賞しなかったりする。始動入賞口11への入賞は、上記したように、遊技者が、自身にとって有利な大当りを獲得するための必要条件であり、遊技者にとって極めて関心の高い事項である。そのため、遊技者は、誘導部材50から遊技球がどのような態様で放出されるかを注意深く見守ることになる。
【0061】
ここで誘導部材50の構成について詳述する。図3は、特別図柄表示装置6に設けられる誘導装置の斜視図、図4は、誘導部材50の正面図、図5は、誘導部材50の平面図、図6は、誘導部材50の右側面図、図7は、図5におけるA−A断面図、図8は、図5におけるB−B断面図、図9は、図5におけるC−C断面図、図10は、図5におけるG−G断面図、図11は、段部85の拡大正面図である。
【0062】
誘導部材50は、大別すると、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80、下壁91から構成され、後に詳述するが、各ステージ60、70、80の奥行き方向には、前方を開放する空間が形成されると共に、第1ステージ60の略前方下部には第2ステージ70が設けられ、さらに第1ステージ60の略直下部には第2ステージ70と隣接して第3ステージ80が設けられた2階建て構造となっている。
【0063】
一方、下壁91には、後に詳述するが、第3ステージ80の中央凹面部81に対応する所定の位置に始動入賞口11と、第2ステージ70から落下してきた遊技球を衝突させたり跳ね返したりして、遊技球の始動入賞口11への入賞する確率を高める誘導片92a,92a,92b,92bとが、下壁91と一体的に設けられると共に、始動入賞口11と誘導片92a,92aの略中間に位置し、遊技盤21を露出させて障害釘94,94を植設するための開口部93が穿設されている。
【0064】
また、誘導部材50には、これらの各ステージ60、70、80、下壁91以外にも、第1ステージ60及び第3ステージ80の後端側に沿わせて立設する奥壁56を備えており、即ち、誘導部材50は、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80、奥壁56及び下壁91とから構成されている。
【0065】
まず、第1ステージ60は、第3ステージ80の上部にて略アーチ型の屋根状に形成され、上記誘導路52,52の放出口53,53に連接して設けられており、該放出口53,53から導出された遊技球を受入れて転動させる第1スロープ64と、第1スロープ64の中央後端部に穿設され、第1スロープ64上を転動しつつ不特定時間滞留する遊技球を第1スロープ64から落下させて第3ステージ80に移動する切欠61と、第1スロープ64の前端上側に突設され、第1スロープ64の前側からの遊技球の落下を防止するための前壁62と、第1スロープ64の略両端の裾部に設けられ、第1スロープ64上を転動しつつ不特定時間滞留する遊技球を第1スロープ64から転動させて第2ステージ70に移動する傾斜部63,63とから構成されている。
【0066】
第1スロープ64は、図8に示すように、正面から見て右方向に下り勾配が形成された第1斜面65と、該第1斜面65に連設され略凹面状に勾配が形成された第1谷部66と、該第1谷部66に連設され略凸面状に勾配が形成された長尺状の山部67と、該山部67に連設され略凹面状に勾配が形成された第2谷部68と、該第2谷部68に連設され正面から見て左方向に下り勾配が形成された第2斜面69とから構成されている。つまり、第1スロープ64は、図4に示す長手方向の中心線D−Dに対し左右対称に稜線を有する勾配が形成された曲面構造になっており、従って第1斜面65と第2斜面69、第1谷部66と第2谷部68、山部67は、所定の単一なアールにて形成される(第1斜面65、第2斜面69と山部67は同一のアールとなっている)と共に、上記中心線D−Dに対して互いに対称形状となっている。なお、第1スロープ64の奥行方向の通路幅は、遊技球1個分の径の略2倍程度に形成されると共に、図6及び図7に示すように、その表面奥行方向は水平に設けられている。
【0067】
ここで、図12を用いて上記した誘導路52,52の内部構造について説明する。図12は、特別図柄表示装置6の正面から見て左側に設けられた誘導路52の内部構造を示す正面図である。誘導路52,52は、特別図柄表示装置6の中心線(上記中心線D−D)に対し左右対称に形成され、両者とも同様な内部構造となっているので、ここでは代表して特別図柄表示装置6の左側に設けられた誘導路52についてのみ説明する。誘導路52の内部には、図12に示すように、その左右両縁部に側壁96a、96bが設けられており、この側壁96a、96bの肉厚は、放出口53に向かうにつれて左右方向の厚み(以下、単に厚みともいう)が増すように形成され、さらに両者96a、96bの間は空洞になっている。誘導路52の上端における側壁96a、96bの厚みは、ほぼ同じ厚みになっているが、放出口53に向かうにつれて側壁96aの厚みの方が、側壁96bの厚みよりも大きくなっていき、誘導路52の下端における側壁96a、96bの厚みは、図12に示すように、側壁96aの厚みが側壁96bの厚みの略3倍程度になっている。一方、誘導路52の前後両縁部にも、図示は省略するが、側壁96a、96bと同様の側壁がそれぞれ形成されており、その前側の側壁が側壁96aに相当し、後側の側壁が側壁96bに相当している。
【0068】
即ち、この左右両縁部の側壁96a、96bと前後両縁部の側壁とにより、導入口51から受入れた遊技球を放出口53へと誘導する落下通路95が形成されているのであるが、該落下通路95は、この左右両縁部の側壁96a、96bと前後両縁部の側壁とにより放出口53に向かうにつれてその左右前後方向の径(以下、単に径ともいう)が細くなるテーパー状に設けられることになり、その下端となる略正方形状(図3参照)の放出口53の径は、遊技球1個分の径より少し大きいように形成されている。具体的に放出口53の径は、通常、遊技球の径が11mmであるので、12〜14mm程度となる。そして、落下通路95の下端となる放出口53は、上記した第1ステージ60における第1スロープ64の左端部に臨むようになっているが、この放出口53が第1スロープ64に臨む位置は、図3に示すように、落下通路95と第1スロープ64とが段差を生じない位置、即ち遊技球が落下通路95から放出口53を介して滑らかに第1スロープ64へ転動する位置になっていると共に、放出口53から転動した遊技球が、当該遊技球を第3ステージ80に移動するための切欠61と第2ステージ70に移動するための傾斜部63とを避ける位置に規定されている。
【0069】
つまり、誘導路52,52は、放出口53,53から遊技球を第1スロープ64に導出する際、当該遊技球に所定の方向性と速度を与え、放出口53,53から第1スロープ64に導出した遊技球がすぐに第1スロープ64(第1ステージ60)から第2ステージ70または第3ステージ80に移動するのを阻止してほぼ規則的に第1スロープ64上を転動しつつ不特定時間滞留させるためのものであり、従って、放出口53,53から第1スロープ64に導出された遊技球は、第1スロープ64上を左右に往復運動しながら転動する速度を弱めていき、即ち第1スロープ64上に不特定時間滞留した後、切欠61や傾斜部63,63、あるいは第1スロープ64の両端部等から第2ステージ70または第3ステージ80に移動することになる。
【0070】
また、切欠61は、第1スロープ64の中央山頂の後端部に図3及び図5に示すように半円状に切り欠かれて穿設されており、この半円の径は、遊技球1個分の径より大きいように形成されている。ここで、誘導部材50の一番奥行側にほぼ垂直に立設され、平面状に形成された奥壁56について説明する。この奥壁56は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に略々台形状に形成されており、その上端は、図2に示すように、特別図柄表示装置6の図柄表示部30のすぐ下まで延び、下端は、図6及び図7に示すように、後に詳述する第3ステージ80の所定の単一なアールにて形成された後端面全長に亘って付設されている。
【0071】
また、奥壁56の左右方向の中央には、その上下方向に第1スロープ64上を転動しつつ不特定時間滞留する遊技球を第1スロープ64から落下させて第3ステージ80に移動するための半円溝状に形成された誘導溝55が設けられている。つまり奥壁56は、誘導溝55以外の箇所から、第1スロープ64上の遊技球が誘導部材50の奥行方向の奥側に落下するのを防止する機能を有している。誘導溝55は、上記切欠61に対向して設けられており、その半円の径は、上記切欠61の半円の径とほぼ同じ径に形成され、即ち遊技球1個分の径より大きいように形成されている。
【0072】
従って、切欠61と誘導溝55とは、両者が合体することにより図5に示すように略円状の空間を形成することになり、この円状の空間から第1スロープ64上の遊技球が落下し、誘導溝55に沿って第3ステージ80に移動することになる。即ち誘導路52,52に規制されて放出口53,53から第1スロープ64上に導出された遊技球は、その殆どが規則的に第1スロープ64上を左右に往復運動することになるが、そのうち一部の遊技球は、往復運動した後に第1スロープ64の頂上付近で移動速度を弱め、奥壁56に衝突したりして不特定時間滞留した後に切欠61と誘導溝55とで形成する円状空間へと流入し、誘導溝55に沿って落下しながら第3ステージ80に移動することになる。
【0073】
なお、当該円状の空間の径は、上記説明から明らかなように遊技球1個分の径より大きければ、特に限定するものではないが、あまり遊技球1個分の径(11mm)に近い大きさにすると、遊技球が当該円状の空間に流入しずらくなり、遊技の興趣が低下するので、望ましくは14mm〜16mm程度が良い。
【0074】
また、前壁62は、第3ステージ80の空間部84に対応する第1スロープ64の前端側、換言すれば第1スロープ64の前記第1斜面65、第1谷部66、第2谷部68、第2斜面69をほぼ除く前記山部67の前端側に沿って、上方に向かって短尺状(例えば4〜6mm程度)に突設されており、従って前壁62は、第1スロープ64の前側から第2ステージ70への遊技球の落下を防止する。即ち前壁62は、誘導路52,52に規制されて放出口53,53から第1スロープ64上に導出された遊技球が、第1スロープ64上を左右に往復運動する場合と、往復運動した後に第1スロープ64の頂上付近で移動速度を弱めて不特定時間滞留する場合とにおいて、何れの遊技球も第1スロープ64の前側から落下して第2ステージ70へ移動するのを防止することができるようになっている。
【0075】
なお、前壁62は、略直方体状(図7参照)に前記山部67の前端側の一連全長に亘って形成したが、この形状は限定することなく、例えば蒲鉾状や三角柱状等でも良く、また遊技球が落下もしくは停止しないような間隔を設けて複数に分離して配設けるようにしても良く、さらには、それら形状と配設とを組み合わせるようにして形成しても良い。このようにすれば、第1ステージ60における遊技球の挙動をさらに多種多様にでき、遊技の趣向をさらに増大させることができる。
【0076】
また、傾斜部63,63は、第1スロープ64の裾部となる前壁62(第3ステージ80)の両側、換言すれば第1スロープ64の上記第1谷部66、第2谷部68に略対向する第1スロープ64の前側に略半円状に形成されている。この傾斜部63,63において、その左右方向には、上記第1斜面65または第2斜面69と山部67とに連設され、略凹面状に上記第1谷部66または第2谷部68の勾配よりも少し大きな下り勾配(つまり第1谷部66及び第2谷部68のアールより小さいアール)が形成されており、一方、その奥行方向には、図10に示すように、遊技機1の裏面側となる奥側(以下、単に奥側ともいう)から遊技機1の表面側となる手前側(以下、単に手前側ともいう)に向かって所定の下り勾配が設けられおり、さらに第2ステージ70の境界となる傾斜部63,63の前端箇所には、略三角状の段差59,59が形成されるようになっている。
【0077】
従って傾斜部63,63は、当該傾斜部63,63に第1スロープ64上から流入した遊技球を、手前側に付勢することにより第1スロープ64から第2ステージ70に移動させ、最終的に誘導部材50の外部に流下させる。即ち傾斜部63,63は、誘導路52,52に規制されて放出口53,53から導出された遊技球が、第1スロープ64上を左右に往復運動する過程で当該傾斜部63,63に流入することにより、該流入した遊技球を付勢して上記段差59,59を飛び越えて第2ステージ70に移動させ、さらに第2ステージ70を横切るようにして最終的に誘導部材50の外部に流下させるようになっている。なお、傾斜部63,63から第2ステージ70より誘導部材50の外部に流下した遊技球は、後述する下壁91の誘導片92b,92bに衝突し、高い確率で再び第2ステージ70に跳ね返ってくるようになっている。
【0078】
なお、図10に示す傾斜部63,63の上記所定の下り勾配は、特に限定するものではないが、遊技球が勢いよく転動する角度が望ましく、例えば3〜5度以上が望ましい。このようにすると、仮に遊技機1が奥側にわずかに寝かして(例えば2分〜4分5厘または0.5度〜1度)立設されたりしても、所期の性能を維持することが可能となり、従い誘導部材50の使い勝手が良くなる。
【0079】
次に、第2ステージ70の構成について詳述する。第2ステージ70は、一連全長に亘って所定の単一なアールにて形成され、第1ステージ60の前側にその略両端部が連接するように設けられると共に、第3ステージ80の前側にその略中央部分が連接するように設けられ、第1ステージ60及び第3ステージ80から転動してきた遊技球、または後述する下壁91の誘導片92a,92a,92b,92bにより跳ね返ってきた遊技球を受入れて転動させる第2スロープ71と、第2スロープ71の中央前側に突設され、第3ステージ80の後述する中央凹面部81、凹面部82,82から流下してくる遊技球を誘導部材50の外部に誘導して流下させる誘導板72とから構成されている。
【0080】
第2スロープ71は、図9に示すように、一連全長に亘って略凹面状に勾配が形成されて設けられており、その略両端部は、上記した図8に示す第1スロープ64の第1斜面65及び第2斜面69とつらなり、即ち第2スロープ71の略両端部は、第1斜面65及び第2斜面69と同一の下り勾配が形成され、一方、第2スロープ71の上記両端部以外の中央部は、第3ステージ80の前端側に連接され、第1スロープ64と図9に示す中心線F−Fに対し対称状に設けられ、従って第2スロープ71の中央部は、上記した第1スロープ64の略凸面状に勾配が形成された長尺状の山部67の形状と中心線F−Fに対して対称の形状となっている。
【0081】
換言すれば、第2スロープ71は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に稜線を有する勾配が形成(所定の単一なアールにて形成)された曲面構造になっており、従って上記中心線D−Dに対して対称形状となっている。なお、第2スロープ71の奥行方向の通路幅は、遊技球1個分の径の略1.5倍程度に形成されると共に、第2スロープ71は、図7に示すように、その表面奥行方向に、奥側から手前側に向かって所定の下り勾配が設けられている。
【0082】
従って第2スロープ71において、第1スロープ64の略両端部から転動してきた遊技球は、第2スロープ71上を左右に往復運動しながら転動する速度を弱めていき、即ち第2スロープ71上に不特定時間滞留した後、上記所定の下り勾配により誘導部材50の外部に落下することになり、また、傾斜部63,63から流入してきた遊技球、あるいは切欠61、誘導溝55から第3ステージ80を介して流入してきた遊技球は、第2スロープ71上を奥側から手前側に直線的に横切るようにして誘導部材50の外部に落下することになり、また、これら誘導部材50の外部に落下したとき後述する下壁91の誘導片92a,92a,92b,92bに当たって再び第2スロープ71に跳ね返ってきた遊技球は、第2スロープ71上を不規則的に転動して不特定時間滞留したり、あるいは第2スロープ71を介して第1ステージ60や第3ステージ80に進入し、最終的に再び第2スロープ71を介して誘導部材50の外部に落下することになる。
【0083】
また、誘導板72は、主に第3ステージ80から第2スロープ71を介して流入する遊技球を、誘導部材50の外部に落下させて後述する下壁91と一体的に設けられた始動入賞口11や誘導片92a,92aに誘導するもので、第2スロープ71と同一の単一なアールにて形成され、第2スロープ71の前端の中央箇所に、前側に向かって短尺状(例えば2〜5mm程度)に突設されており、その左右方向の長さは、遊技球略3個分の大きさに形成されている。従い誘導板72は、第2スロープ71とつらなり、該第2スロープ71と同一の略凹面状に勾配が形成されて設けられており、即ち誘導板72は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に稜線を有する勾配が形成された曲面構造になっており、従って上記中心線D−Dに対して対称形状となっている。なお、図6及び図7に示すように、誘導板72は、その表面奥行方向に、奥側から手前側に向かって第2スロープ71と同一の所定の下り勾配が設けられている。
【0084】
従って、誘導板72において、第2スロープ71上に不特定時間滞留した後に転動してきた遊技球は、上記所定の下り勾配により誘導板72を斜めに横切るようにして誘導部材50の外部に落下したり、後述する誘導片92a,92aに当たって再び第2ステージ70に跳ね返ったりすることになり、また、切欠61、誘導溝55から第3ステージ80を介して第2スロープ71から転動してきた遊技球は、即ち、第3ステージ80の後述する中央凹面部81、凹面部82,82から第2スロープ71を直線的に横切るようにして転動してきた遊技球は、同様に誘導板72上を奥側から手前側に直線的に横切るようにして誘導部材50の外部に落下することになり、該落下した遊技球の一部は、後述する始動入賞口11に入賞したり、誘導片92a,92aに当たって方角が変化して始動入賞口11に入賞したりするようになっている。
【0085】
なお、第2スロープ71及び誘導板72に形成される上記所定の下り勾配は、特に限定するものではないが、遊技球が滑らかに転動する角度が望ましく、例えば2〜3度程度が望ましい。このようにすると、仮に遊技機1を奥側にわずかに寝かして(例えば2分〜4分5厘または0.5度〜1度)立設されたりしても、所期の性能を維持することが可能となり、従い誘導部材50の使い勝手が良くなる。
【0086】
次に、第3ステージ80の構成について詳述する。第3ステージ80は、第1ステージ60の略直下部に、第1ステージ60の裏面部と第2ステージ70と奥壁56とで略囲まれて形成される空間部84に設けられており、その平面形状は、図5に示すように略蒲鉾状に設けられ、従って第3ステージ80の後端は所定の単一なアールにて形成され、一方、前端は第2スロープ71の後端に平面から見て直線状に隣接するようになっている。また、第3ステージ80は、その中央部に略小山が複数隆起するような形状の段部85と、該段部85の両側に形成される第3スロープ83,83とにより構成されており、まず段部85は、図5及び図8に示すように、その中央に略凹面状に勾配が形成された中央凹面部81と、該中央凹面部81の両側に隣接する略凹面状に勾配が形成された凹面部82,82と、該凹面部82,82の左右に隣接し、中央に向かって緩やかな上り勾配が形成された半凹面状の山部90,90と、山部90,90と凹面部82,82との間に設けられる凸面部88,88と、凹面部82,82と中央凹面部81との間に設けられる中央凸面部87,87とから構成されている。
【0087】
即ち段部85は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に稜線を有する勾配が形成された曲面構造になっており、従って中央凹面部81、凹面部82,82、山部90,90は、所定のアールにて形成されると共に、上記中心線D−Dに対して互いに対称形状となっている。なお、中央凹面部81及び山部90,90は、単一のアールにて形成されているが、凹面部82,82は、図11に示すように、二つの連続するアールR1,R1,R2,R2にて形成されており、この二つのアールR1,R1,R2,R2のうち、中央寄り(中央凹面部81寄り)のアールR2,R2は、端寄り(山部90,90寄り)のアールR1,R1よりも小さく形成されいる。
【0088】
つまり、凹面部82,82において、中央寄りのアールR2,R2の下り勾配は、端寄りのアールR1,R1の下り勾配よりも急勾配となっており、さらに左右方向における中央寄りのアールR2,R2の長さは、端寄りのアールR1,R1の長さよりも短くなっている。凹面部82,82がこのように形成されている理由は、後述する下壁91の誘導片92a,92a,92b,92bに当たって跳ね返ってきた遊技球が、第3ステージ80の両側に形成される第3スロープ83,83から段部85に流入し、山部90,90の緩やかな上り勾配を転動して凸面部88,88をのり越えて凹面部82,82に流入する場合において、この凹面部82,82に流入した遊技球を、緩やか且つ長く形成されたアールR1,R1上を転動させることにより付勢し、その流れに勢いを増加させてアールR2,R2へと流出し、該アールR2,R2に流入した遊技球を、その勢いによりアールR1,R1より上りが急勾配且つ短く形成されたアールR2,R2を一気に駆け上がらせて中央凸面部87,87を飛び越えるようにして中央凹面部81に導出させたいからである。
【0089】
また、段部85は、図5及び図7に示すように、第3ステージ80のほぼ前端から後端に亘って形成されており、特に中央凹面部81全体と凹面部82,82の一部は、上記した奥壁56の誘導溝55に当接し、切欠61と誘導溝55とにより形成される略円状の空間を臨むようになっている。これにより、この円状の空間から落下してきた遊技球は、高い確率にて中央凹面部81に導出されるようになる。なお、段部85(中央凹面部81、凹面部82,82、中央凸面部87,87、凸面部88,88、山部90,90)は、その奥行方向は水平に設けられている。
【0090】
従って、段部85において、上記円状の空間から落下し誘導溝55に沿って移動してきた遊技球は、中央凹面部81もしくは凹面部82,82の何れかを転動して上記第2スロープ71上に落下し、さらに第2スロープ71及び誘導板72上を奥側から手前側に直線的に横切るようにして誘導部材50の外部に落下することになる。この場合、中央凹面部81から転動して誘導部材50の外部に落下した遊技球は、後述する始動入賞口11に入賞する確率が高くなっており、一方、凹面部82,82から転動して誘導部材50の外部に落下した遊技球は、始動入賞口11に入賞する確率は高くはないが、誘導片92a,92aに当たって方角が変化して始動入賞口11に入賞するようになっている。
【0091】
また、後述する第3スロープ83,83から段部85に流入する遊技球、つまり第2スロープ71上から誘導部材50の外部に落下した遊技球のうち、後述する誘導片92a,92a,92b,92bに当たって跳ね返ることにより第3スロープ83,83から段部85に流入する遊技球は、山部90,90に流入した後再び第3スロープ83,83に戻ったり、あるいは山部90,90を転動し凸面部88,88をのり越えて凹面部82,82に導出したり、もしくは山部90,90を転動し凸面部88,88をのり越えて凹面部82,82に流入し、さらに凹面部82,82を転動し中央凸面部87,87飛び越えて中央凹面部81に導出したりすることになり、その後上記したように最終的に誘導部材50の外部に落下することになる。なお、山部90,90から凹面部82,82に流入した遊技球は、アールR1,R1,R2,R2により高い確率にて中央凹面部81に導出されるようになっている。
【0092】
また、第3スロープ83,83は、その平面形状は、図5に示すように略々三角状に設けられ、その左右方向は、図8及び図9に示すように、全長に亘って略凹面状に上記第2スロープ71と同一の勾配が形成され、段部85の山部90,90に連接して設けられている。また、第3スロープ83,83の前端は、上記第2スロープ71の後端側に連接され、一方、後端は、図5に示すように、上記第1スロープ64の裏面部に当接されている。つまり、第3スロープ83,83は、正面視すると、第1スロープ64と図8に示す空間部84の中心線E−Eに対し対称状に設けられ、従って第3スロープ83,83は、上記した第1スロープ64の長尺状の山部67に形成された略凸面状の勾配と中心線E−Eに対して対称の略凹面状の勾配となっている。
【0093】
換言すれば、第3スロープ83,83は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に稜線を有する勾配が形成(所定の単一なアールにて形成)された曲面構造になっており、従って上記中心線D−Dに対して対称形状となっている。なお、図7に示すように、第3スロープ83,83は、その表面奥行方向は水平に設けられている。
【0094】
従って第3スロープ83,83において、第2スロープ71の後端部から転動してきた遊技球は、即ち後述する誘導片92a,92a,92b,92bに当たり跳ね返って流入してきた遊技球は、第3スロープ83,83上を左右に転動して段部85(山部90,90)に流入したり、あるいは再び第2スロープ71に戻ったりするようになっている。
【0095】
次に、下壁91の構成について説明する。下壁91は、図3及び図4に示すように、略々台形の平面薄板状に形成されると共に、誘導部材50の略前側にほぼ垂直に立設され、遊技盤21の表面に下壁91の裏面が重合するように上記第2スロープ71の前端から下方に向かって延びるように設けられている。下壁91の上端は、一連全長に亘って所定の単一なアールにて形成され、上記第2スロープ71と同一のアールとなっており、また、下壁91の左右両側端は、上部の単一な直線と、その直線に続く大アールと、その大アールに続く小アールとにより、下方に向かうにつれて下壁91の左右方向の幅が狭まるように形成されており、さらに、下壁91の下端は、上記小アールの下端をつなぐ単一な水平の直線により形成されており、即ち下壁91の形状は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に形成されている。
【0096】
なお、上記した下壁91における大アール形状は、特に限定するものではなく、即ち導入口51,51に入球しなかった遊技球を始動入賞口(電動チューリップ)11に向かって誘導させるため、遊技盤21の特別図柄表示装置6の左右下方付近に植設される図示しない障害釘の配列に合わせた形状にて形成するようにすれば良い。このようにすれば、導入口51,51に入球しなかった遊技球でも、始動入賞口(電動チューリップ)11に入賞するチャンスが広がることになり、その結果、遊技の興趣が高まり、遊技性が向上する。
【0097】
また、下壁91には、その上方から下方に向かって誘導片92a,92a,92b,92b、開口部93、始動入賞口(電動チューリップ)11が順に設けられており、まず、誘導片92a,92a,92b,92bについて説明する。下壁91の略上部には、第2ステージ70(第2スロープ71及び誘導板72)から落下してきた遊技球を、衝突させることにより流下する角度を変えたり、あるいは跳ね返して再び第2ステージ70に流入させるための、即ち遊技球の始動入賞口11への入賞する確率を高めるための略円柱状の弾性部材にて形成された誘導片92a,92a,92b,92bが、前方略水平状に突出するように設けられている。
【0098】
この誘導片92a,92a,92b,92bのうち、誘導片92a,92aの左右方向の配設位置は、図4に示すように、正面から見て上記凹面部82,82の中心より略左右側、つまり凸面部88,88の略下側付近に対応するように設けられており、従って、凹面部82,82を通って第2ステージ70(誘導板72)より垂直状に落下してくる遊技球は、後述する図16(A)(B)に示すように、誘導片92a,92aの中心線D−Dに近いほぼ横側に衝突し、始動入賞口11の方向に向かってその流下する角度を変えることになり、誘導片92b,92bは、図4に示すように、正面から見て上記傾斜部63,63の中心より略々左右側(誘導片92a,92aの両端側)に設けられており、従って、傾斜部63,63を通って第2ステージ70(第2スロープ71)より垂直状に落下してくる遊技球は、後述する図17(A)に示すように、誘導片92b,92bのほぼ上斜め横側(中心線D−Dに近い側)に衝突して跳ね返り、再び第2ステージ70に流入した後、第3ステージ80(第3スロープ83,83)に向かって転動することになる。
【0099】
さらに、誘導片92a,92a,92b,92bは、第2ステージ70(第2スロープ71及び誘導板72)から不規則的に落下してきた遊技球を偶発的に衝突させて、始動入賞口11の方向に向かってその流下する角度を変えたり、再び第2ステージ70に跳ね返らせて第3ステージ80に向かって転動させたりするようになっている。これにより、上記中央凹面部81を通らずに遊技球が落下しても、始動入賞口11に誘導されることがあり、遊技者は、遊技球の挙動から目を離すことなく、第2ステージ70から落下する遊技球に最後まで期待することができ、遊技の趣向が増大する。なお、誘導片92a,92a,92b,92bは、その形状を略円柱状にて形成したが、これは、例えば角柱状等であっても良い。即ち、所望する性能を維持できる形状であれば、どのような形状であっても良い。
【0100】
次に、開口部93は、第2ステージ70(第2スロープ71及び誘導板72)から落下してきた遊技球や誘導片92a,92a,92b,92b(特に92a,92a)に衝突して落下してきた遊技球を、衝突させることにより流下する角度を変えて始動入賞口11へ誘導したりしなかったりするための始動入賞口11の上方に設けられる障害釘94,94を、遊技盤21に植設するための開口であり、下壁91のほぼ中央に略矩形状に穿設されて形成されている。
【0101】
本実施形態においては、障害釘94,94の左右方向の植設位置は、図4に示すように、正面から見て上記凹面部82,82の中心付近に対応するように、換言すれば、誘導片92a,92aの内側(中心線D−Dに近い側)にあって始動入賞口11の羽根11a,11aとほぼ同じ間隔(遊技球より少し大きい間隔、例えば13mm)にて設けてあるが、これは、遊技機1の設計により適宜変更されるもので、従って、開口部93の大きさは、その変更に耐えうるように余裕を持った大きさとなっている。なお、本実施形態においては、障害釘94,94は2本としたが、これは限定されることなく、例えば障害釘94,94の直上部にさらに2本植設するようにしても良い。
【0102】
このように開口部93を設けることにより、始動入賞口11の上方に障害釘94,94を設けることが可能になるので、遊技盤21に対する障害釘94,94の突出角度を調整することにより、遊技球の始動入賞口11への入賞確率を任意に変更することができるようになる。
【0103】
次に、始動入賞口(電動チューリップ)11について詳述する。下壁91の略下部には、遊技球が入賞することにより特別図柄表示装置6の各図柄表示部8、9、10(図柄表示部30)に特別図柄を表示させて大当りの抽選を行うための始動入賞口11が設けられている。ここで図7及び図13を参照しながら、始動入賞口11の下壁91への取り付け状態について説明する。
【0104】
図13は、始動入賞口11(電動チューリップ)の下壁91への取り付け状態を説明する分解斜視図である。なお、図13において、91は、始動入賞口11(電動チューリップ)が取り付けられる箇所となる下壁の一部分のみを示している。下壁91の略中央下方には開口部97が穿設されており、この開口部97の左右両側の略上方には支軸41,41が突設されている。開口部97は、後述する始動入賞口(電動チューリップ)11の入賞通路42を遊技盤21の裏面側に挿通させるため、及び後述する駆動装置39の揺動部材43,43を遊技盤21の表面側に挿通させるための開口であり、図7及び図13に示すように、入賞通路42より少し大きな矩形状に形成されている。また、支軸41,41は、始動入賞口(電動チューリップ)11の羽根11a,11aの下部に設けられた孔に挿通されて、羽根11a,11aを左右に回動自在に軸支するためのもので、金属製の細い円柱状に形成され、後述する入賞通路42の外側を通って始動入賞口(電動チューリップ)11の所定箇所に、その前端部が嵌合連結されている。
【0105】
下壁91の前面側に取り付けられる始動入賞口(電動チューリップ)11の下部後側には、入賞通路42が設けられており、この入賞通路42は、その上部が開放された略凹状に形成され、その前部が羽根11a,11aの下方に臨んでいる。また、入賞通路42の底面、つまり始動入賞口(電動チューリップ)11に入賞した遊技球が転動する面は、該入賞した遊技球が円滑に転動するよう、図7に示すように、その前部には所定のアール面が形成されていると共に、このアール面に連接して所定の下り勾配が形成された斜面が形成されている。なお、羽根11a,11aの後面下部には、後述する揺動部材43,43を遊嵌するための凹部47(図7参照)が形成されている。
【0106】
下壁91の後面側に取り付けられる駆動装置39は、上記入賞通路42の上部に載置されるように略箱状に設けられ、その内部には、ソレノイド40が設けられており、このソレノイド40のプランジャ44にはスプリング45が遊嵌されると共に、その前部に揺動部材43,43が取り付けられている。羽根11a,11aを回動させる作動伝達機構は、ソレノイド40のオン(励磁)オフ(消磁)によって摺動するプランジャ44の直線運動を羽根11a,11aの回動運動に変換させるもので、従って揺動部材43,43は、その後端がピン48によりプランジャ44に連結されると共に、支軸46にて上下に回動自在に軸支されており、駆動装置39の筐体の前面下方に形成された長孔状の開口部49から突出し、下壁91の開口部97を通り、さらに上記入賞通路42の内側を通って上記始動入賞口(電動チューリップ)11の凹部47に、その前部が遊嵌するようになっている。
【0107】
このように構成される始動入賞口(電動チューリップ)11を下壁91に取り付けるには、まず下壁91の前面側から入賞通路42を開口部97に挿通し、次に支軸41,41を羽根11a,11aの下部孔に挿通して始動入賞口(電動チューリップ)11と下壁91とを連結した後、ビス等で始動入賞口(電動チューリップ)11を下壁91に固着する。そして次に、下壁91の後面側から駆動装置39の揺動部材43,43を開口部97の上部に挿通し、次に揺動部材43,43の前部を始動入賞口(電動チューリップ)11の凹部47にそれぞれ遊嵌した後、ビス等で駆動装置39を下壁91に固着するようにすれば良い。
【0108】
このように下壁91に取り付けられた始動入賞口(電動チューリップ)11は、常態において図7及び図13に示すように、ソレノイド40がオフ(消磁)し、スプリング45の付勢によってプランジャ44が前進しているので揺動部材43,43が下向きとなり、羽根11a,11aは垂直状に閉口した状態となっている。この状態においては、上記障害釘94,94の間を流下した遊技球のみが入賞可能となっている。一方、上記したように、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過し、普通図柄表示装置18に予め定められた普通図柄(当り)が確定表示された場合には、ソレノイド40がオン(励磁)されプランジャ44が後方に摺動するので、揺動部材43,43が支軸46を支点に揺動されて上向きに回動し、該揺動部材43,43の上向きの回動に伴って羽根11a,11aが支軸41を支点に左右に回動されて逆ハの字状に開放し、始動入賞口(電動チューリップ)11は、遊技球が入賞しやすい遊技者に有利な状態となる。この状態においては、上記障害釘94,94の間を流下しなかった遊技球も入賞可能となっている。そして、始動入賞口(電動チューリップ)11に入賞した遊技球は、入賞通路42を滑らかに転動しながら流下し、図示しない始動入賞検出センサによって検出されることにより、特別図柄表示装置6の各図柄表示部8、9、10に特別図柄を変動表示後確定表示させる大当り抽選が実行されることになる。
【0109】
このように始動入賞口(電動チューリップ)11は、下壁91に設けられた開口部97と支軸41,41とにより位置決めされ、下壁91に予め一体的に設けられて形成されている。もとより、この始動入賞口(電動チューリップ)11の取り付け位置は、通常、上記した中央凹面部81に対応して設けられるものであり、即ち始動入賞口(電動チューリップ)11の遊技盤21に対する取り付け位置は、切欠61と誘導溝55とにより形成される略円状空間から中央凹面部81を通って第2ステージ70から落下する遊技球を、高い確率にて始動入賞口(電動チューリップ)11に入賞させるため、始動入賞口(電動チューリップ)11の左右方向の中央(羽根11a,11a間の中央)と、中央凹面部81の左右方向の中央とが図4に示す中心線D−D上に存在することが条件となっている。従って本実施形態のように、始動入賞口(電動チューリップ)11を下壁91に予め一体的に設けると、即ち始動入賞口(電動チューリップ)11を誘導部材50に予め一体的に設けると、中央凹面部81に対し始動入賞口(電動チューリップ)11を極めて高い精度、且つ極めて容易に遊技盤21に取り付けることが可能となる。
【0110】
なお、支軸41,41は、下壁91に一体的に設けられるようにしたが、これは限定されることなく、例えば、始動入賞口(電動チューリップ)11側に一体的に設け、下壁91に支軸41,41を連結する手段、例えば支軸41,41の前端部を嵌合する孔等を設けるようにしても良いし、あるいは、支軸41,41を下壁91及び始動入賞口(電動チューリップ)11とは別体に設け、下壁91及び始動入賞口(電動チューリップ)11に支軸41,41の前後端部を嵌合する孔等を設けるようにしても良い。
【0111】
上記の説明で明らかなように、下壁91には、遊技球の挙動に変化を与え始動入賞口11への入賞する確率を高める誘導片92a,92a,92b,92bと、始動入賞口(電動チューリップ)11への入賞確率を任意に変更することができる障害釘94,94が植設可能な開口部93と、始動入賞口(電動チューリップ)11を高い精度且つ容易に取り付けることができる開口部97及び支軸41,41とが設けられているので、この下壁91により、誘導部材50の価値を高め遊技機1の遊技性が向上すると共に、遊技機1の使い勝手が良くなる。
【0112】
次に、上記のように構成される誘導部材50における遊技球の具体的な流れについて詳述する。図14は、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80の遊技球の流れを説明するため、その一部(奥壁56)の構成を省略した誘導部材50の斜視図、図15乃至図18は、始動入賞口11に入賞するときの遊技球の流れを説明するための説明図である。
【0113】
まず、代表的な始動入賞口11に入賞するときの遊技球の流れについて説明する。図14及び図15(A)において、例えば左側の誘導路52から第1ステージ60に導出された遊技球は、まず、規則的に第1スロープ64上を矢印A→B→T→Sという順に転動した後、こんどは反対方向に矢印S→T→B→Aという順に転動する往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱め前壁62や奥壁56に衝突しながら第1スロープ64上に不特定時間滞留した後、矢印Hに示すように、切欠61と誘導溝55とで形成される円状空間へと流入して落下し、誘導溝55に誘導されて、矢印Mに示すように、中央凹面部81上を転動し、さらに矢印Vに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下する。そして、誘導部材50の外部に落下した遊技球は、図15(B)に示すように、誘導片92a,92aに接触することなく、且つ障害釘94,94の間を通って始動入賞口11に入賞する。
【0114】
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第1ルートともいう)は、図14において矢印A→B→T→S→T→B→A→B→H→M→Vというようなルートとなる。なお、この第1ルートにおいては、高い確率にて始動入賞口11に入賞することになる。
【0115】
次に、図14及び図16(A)において、第1ルートと同様、第1スロープ64から上記円状空間へと流入したものの中央凹面部81に落下せず、矢印G、Nに示すように、凹面部82,82に落下したときには、矢印UまたはQに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下する。そして、誘導部材50の外部に落下した遊技球は、図16(B)に示すように、誘導片92a,92aに衝突し、その流下する角度を変え障害釘94,94の間を通って始動入賞口11に入賞する。
【0116】
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第2ルートともいう)は、図14において矢印A→B→T→S→T→B→A→B→H→G→U、または矢印A→B→T→S→T→B→A→B→H→N→Qというようなルートとなる。なお、図16(A)(B)においては、前者のルート(矢印A→B→T→S→T→B→A→B→H→G→U)を示している。また、この第2ルートにおいては、始動入賞口11に入賞する確率は高くない。
【0117】
次に、図14及び図17(A)において、第1ルートと同様、第1スロープ64上を往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱め前壁62や奥壁56に衝突しながら第1スロープ64上に不特定時間滞留した遊技球が、上記円状空間へ流入せずに、矢印CまたはJに示すように、傾斜部63,63に流入したときには、矢印EまたはKに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導部材50の外部に落下する。そして、誘導部材50の外部に落下した遊技球は、図17(A)に示すように、誘導片92b,92bに衝突し、再び第2スロープ71に流入し、さらに第3スロープ83,83を通って中央凹面部81または凹面部82,82に流入し、その後は、上述した第1ルートまたは第2ルートと同じルートを通って始動入賞口11に入賞する。
【0118】
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第3ルートともいう)は、図14において矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→G→Uもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→G→U、または矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→M→Vもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→M→V、または矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→N→Qもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→N→Qというようなルートとなる。なお、図17(A)(B)においては、矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→G→U及び矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→G→Uのルートを示している。
【0119】
次に、図14及び図18(A)において、第1ルートと同様、第1スロープ64上を往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱め前壁62や奥壁56に衝突しながら第1スロープ64上に不特定時間滞留した遊技球が、上記円状空間及び傾斜部63,63のどちらにも流入せずに、矢印DまたはIに示すように、第1スロープ64の両端部をユーターンするようにして第2スロープ71に流入したときには、該遊技球は、第2スロープ71上を矢印F→Lという順に転動した後、こんどは反対方向に矢印L→Fという順に転動する往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱めながら第2スロープ71上に不特定時間滞留した後、第2スロープ71を斜めに横切るようにして誘導部材50の外部に落下する。そして、誘導部材50の外部に落下した遊技球は、図18(A)に示すように、誘導片92b,92bに衝突し、再び第2スロープ71に流入し、さらに第3スロープ83,83を通って中央凹面部81または凹面部82,82に流入し、その後は、上述した第1ルートまたは第2ルートと同じルートを通って始動入賞口11に入賞する。
【0120】
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第4ルートともいう)は、図14において矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→G→Uもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→G→U、または矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→M→Vもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→M→V、または矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→N→Qもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→N→Qというようなルートとなる。なお、図18(A)(B)においては、矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→M→V及び矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→M→Vのルートを示している。
【0121】
なお、上記第1〜4ルート以外にも、発生する頻度は少ないものの遊技球が始動入賞口11に入賞するルートは種々あり、例えば、第3ルートにおいて、誘導片92b,92bに衝突し、再び第2スロープ71に流入した遊技球が、第3ステージ80に流入することなく第2スロープ71上を矢印F→Lあるいは矢印L→Fというように往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱めながら第2スロープ71上に不特定時間滞留した後、矢印VまたはUもしくはQに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下して始動入賞口11に入賞するルートがある。
【0122】
つまり、この場合の遊技球のルートは、図14において矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→F→L→F→L→Uもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→F→L→F→L→U、または矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→F→L→F→L→Vもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→F→L→F→L→V、または矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→F→L→F→L→Qもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→F→L→F→L→Qというようなルートとなる。
【0123】
また、例えば、第4ルートにおいて、第1スロープ64の両端部をユーターンするようにして第2スロープ71に流入し、該第2スロープ71上を往復運動して不特定時間滞留した遊技球が、誘導片92b,92bに衝突せずに、つまり第3ステージ80に流入することなく、第2スロープ71を斜めに横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下して始動入賞口11に入賞するルートがある。
【0124】
つまり、この場合の遊技球のルートは、図14において矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→Uもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→U、または矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→Vもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→V、または矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→Qもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→Qというようなルートとなる。
【0125】
さらにまた、例えば、第4ルートにおいて、誘導片92b,92bに衝突し、再び第2スロープ71に流入した遊技球が、第3ステージ80に流入することなく第2スロープ71上を矢印F→Lあるいは矢印L→Fというように往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱めながら第2スロープ71上に不特定時間滞留した後、矢印VまたはUもしくはQに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下して始動入賞口11に入賞するルートがある。
【0126】
つまり、この場合の遊技球のルートは、図14において矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L(衝突)→F→L→F→L→Uもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L(衝突)→F→L→F→L→U、または矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L(衝突)→F→L→F→L→Vもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L(衝突)→F→L→F→L→V、または矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L(衝突)→F→L→F→L→Qもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L(衝突)→F→L→F→L→Qというようなルートとなる。
【0127】
次に、代表的な始動入賞口11に入賞しないときの遊技球の流れについて簡単に説明する。まず第1例として、上記第2ルート、第3ルート、第4ルートにおいて、矢印U、Q(図14参照)に示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下した遊技球が、誘導片92a,92aに衝突してその流下する角度を変えたものの、その変更した流下角度が悪く、始動入賞口11に入賞しない場合であり、次に第2例として、第3ルート、第4ルートにおいて、矢印E、K(図14参照)、図17(A)、図18(A)に示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして、あるいは第2スロープ71を斜めに横切るようにして誘導部材50の外部に落下した遊技球が、誘導片92b,92bに衝突してその流下する角度を変えたものの、その変更した流下角度が悪く、再び第2スロープ71に流入することなく、そのまま遊技盤21上(遊技領域5)を落下して始動入賞口11に入賞しない場合であり、最後に第3例として、第4ルートにおいて、第2スロープ71を斜めに横切るようにして誘導部材50の外部に落下した遊技球が、誘導片92a,92a,92b,92bに接触することなく、そのまま遊技盤21上(遊技領域5)を落下して始動入賞口11に入賞しない場合である。なお、上記した第1〜3例以外にも、遊技球が始動入賞口11に入賞しないルートは種々あるが、ここでの説明は省略する。
【0128】
また、上記した誘導部材50にかかる遊技球の流れにおいては、左側の誘導路52から第1ステージ60に導出された遊技球について説明したが、右側の誘導路52から第1ステージ60に導出された遊技球の流れについては、上記に準じるものとし、ここでの説明は省略する。
【0129】
なお、以上説明した誘導部材50にかかる遊技球の流れは、その代表的なものを例示しただけにすぎず、その他の態様を排除するものではない。即ち、誘導部材50にかかる遊技球の流れは、上述した以外にも、そのときの遊技球の方向、速度、スピン等の条件によって様々な態様を示すことになる。
【0130】
以上説明したように、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置は、導入口51,51、誘導路52,52、誘導部材50より構成されて特別図柄表示装置6に上記中心線D−Dに対して互いに対称状に一体的に設けられ、さらに誘導部材50は、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80、奥壁56、下壁91より形成され、各ステージ60、70、80の奥行き方向には、前方を開放する空間が形成される2階建て構造になっている。導入口51,51は、遊技盤21上(遊技領域5)を落下してくる遊技球を受入れて誘導路52,52へ導出し、誘導路52,52は、その内部にテーパー状に設けられた落下通路95,95により、該受入れた遊技球に所定の方向性と速度を与えて放出口53,53から誘導部材50へと、当該遊技球を導出するようになっている。そして、誘導部材50に流入した遊技球は、その所定の方向性と速度により、稜線を有する勾配が形成された第1スロープ64(第1ステージ60)上を規則的に左右に往復運動しながら転動する速度を弱めていき、第1スロープ64上の前壁62や奥壁56に衝突したりして不特定時間滞留した後、切欠61と奥壁56の誘導溝55とで形成する第1スロープ64の中央山頂に形成された円状空間から第3ステージ80に、あるいは第1スロープ64の両端部や傾斜部63,63から第2ステージ70に移動するようになっている。
【0131】
そして、切欠61と誘導溝55とで形成された円状空間から第3ステージ80に流入した遊技球は、中央凹面部81あるいは凹面部82,82のどちらかに流入し、中央凹面部81に流入した遊技球は、第2スロープ71の誘導板72の中央から落下したとき、始動入賞口(電動チューリップ)11の左右方向の中央(羽根11a,11a間の中央)と、中央凹面部81の左右方向の中央とが図4に示す中心線D−D上に存在するように、中央凹面部81に対し始動入賞口(電動チューリップ)11が極めて高い精度にて下壁91に一体的に取り付けられていることにより、高い確率にて始動入賞口11に入賞するようになっており、一方、凹面部82,82に流入した遊技球は、第2スロープ71の誘導板72の側方から落下したとき、確率は高くないものの下壁91の誘導片92a,92a衝突し、その流下する角度を変えて始動入賞口11に入賞するようになっている。さらに、下壁91には、始動入賞口11の上方に、その突出角度を調整することにより、始動入賞口11への入賞確率を任意に変更することができる障害釘94,94を設けることが可能な開口部93が設けられている。
【0132】
また、傾斜部63,63から第2ステージ70に流入した遊技球の一部は、第2スロープ71を直線的に転動して誘導部材50の外部に落下し、このとき誘導片92b,92bに衝突して再び第2スロープ71に流入するようになっている。また、第1スロープ64の両端部から第2ステージ70に流入した遊技球の一部は、所定の単一なアールにて形成された第2スロープ71上を左右に往復運動しながら転動する速度を弱めて不特定時間滞留した後、不規則的に第2スロープ71を斜め前方等に転動して誘導部材50の外部に落下し、このとき誘導片92a,92a,92b,92bに偶発的に衝突して再び第2スロープ71に流入するようになっている。
【0133】
従って本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置によれば、始動入賞口(電動チューリップ)11が誘導部材50の下壁91に一体的に設けられているので、従来の誘導装置と始動入賞口(電動チューリップ)11とを別個に遊技盤21に取り付ける場合に比して、中央凹面部81に対し始動入賞口(電動チューリップ)11を極めて高い精度、且つ極めて容易に遊技盤21に取り付けることが可能となり、従って切欠61と誘導溝55とにより形成される略円状空間から中央凹面部81を通って第2ステージ70から落下する遊技球を、高い確率にて始動入賞口(電動チューリップ)11に入賞させることが可能となる。始動入賞口(電動チューリップ)11への遊技球の入賞は、遊技者にとって大当りを獲得するための重要な条件であり、従い、遊技者は、中央凹面部81に遊技球が流入した場合には、極めて大きな期待を持つことができ、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。つまり、ホールが所望する誘導装置から始動入賞口11への遊技球の入賞確率を想定通り確実に実行することができ、即ち誘導装置の所期の仕様性能を確実に発揮することができ、ホールにとって使い勝手の良い誘導装置を提供することができる。
【0134】
また、下壁91において、始動入賞口(電動チューリップ)11の上方には、遊技盤21に障害釘94,94を植設可能な開口部93を設けたので、遊技機1遊技盤21におけるゲージ構成の自由度が向上し、その結果、遊技機1の設計が容易となる。さらに、遊技盤21に対する障害釘94,94の突出角度を調整することにより、ホールが所望する誘導装置から始動入賞口11への遊技球の入賞確率を任意に変更することができる。
【0135】
例えばホールが、新装開店の際に特別に当該誘導装置から始動入賞口(電動チューリップ)11への遊技球の入賞確率を高くしたいと所望したときには、それに即座に対応することが可能となり、さらに例えば、遊技機1は、入賞口等への入賞確率を変更するため、ホールの所望する角度によって遊技島に立設されるので、つまりホールの所望によって、垂直に立設されたり、わずかに寝かして(例えば2分〜4分5厘または0.5度〜1度)立設されたりするので、これが原因で当該誘導装置から始動入賞口(電動チューリップ)11への遊技球の入賞確率が想定外になったとしても、速やかに対応することが可能となる。つまり、遊技球の転動や移動等の挙動は、極めて微妙であり、従い遊技機1の立設される角度に極めて大きな影響を受けるのであるが、このように誘導装置からの遊技球の始動入賞口(電動チューリップ)11への入賞確率を任意に変更できるようにすることで、その影響を回避することができるようになる。その結果、ホールが所望する誘導装置から始動入賞口(電動チューリップ)11への遊技球の入賞確率が想定外になり、それによりホールにとって不利益が発生することを防止することができ、即ち使い勝手の良い誘導装置を提供することができるようになる。
【0136】
また、誘導路52,52の放出口53,53より放出され第1ステージ60に流入した遊技球は、第1ステージ60に形成された稜線を有する勾配により、その挙動に躍動感を与えられながら様々な態様にて第2ステージ70や第3ステージ80に導出され、さらに第2ステージ70または第3ステージ80に導出された遊技球は、第2ステージ70や第3ステージ80のアール構造や突起構造等によりその挙動を多種多様に変化させながら、不特定時間第2ステージ70または第3ステージ80に滞留可能になっているので、遊技者は、各ステージ60、70、80における遊技球の挙動を十分に楽しむことができる。
【0137】
さらに、第3ステージ80の中央凹面部81から誘導部材50の外部に落下する遊技球は、高い確率にて始動入賞口11に入賞し、一方、第3ステージ80の凹面部82,82や第3ステージ80を通ることなく第2ステージ70から誘導部材50の外部に落下する遊技球は、下壁91の誘導片92a,92a,92b,92bにより、その一部は始動入賞口11に入賞するようにしたので、遊技者は、誘導部材50の外部に落下する全ての遊技球において最後まで期待することができ、即ち、遊技者は、誘導部材50に流入した遊技球が、如何なる態様にて誘導部材50の外部に落下しても、始動入賞口11への入賞を期待することができ、その結果、始動入賞口11への遊技球の入賞する確率が上昇して遊技の趣向が増大し、遊技性が極めて向上する。
【0138】
特に、凹面部82,82は、その表面が二つの連続するアールR1,R1,R2,R2の曲面にて形成され、左右方向から転動してきた遊技球を中央凹面部81に誘導しやすくなっているので、誘導片92a,92a,92b,92bにより、跳ね返って第2ステージ70に流入した遊技球は、第2スロープ71から第3ステージ80に進入し、凹面部82,82を乗り越えて中央凹面部81に到達して、最終的に始動入賞口11へ入賞することが期待でき、その結果、遊技者は、なおさら誘導部材50の外部に落下する全ての遊技球において最後まで期待することができる。
【0139】
また、第1スロープ64の中央山頂箇所に、遊技球を第3ステージ80に誘導するための切欠61と誘導溝55とで形成する円状空間を設けたので、即ち遊技球が、この円状空間へ流入することにより中央凹面部81に誘導される確率が高く、従って始動入賞口11に入賞する確率が高くなるので、遊技者は、この円状空間に遊技球が流入するか否かを期待しながら注意深く見守ることになり、さらに、第1スロープ64の稜線を往復している遊技球は、この山頂付近で転動する速度が遅くなって滞留することが多いのであるが、当該円状空間は、第1スロープ64の中央山頂箇所に設けられているので、従って、遊技者は、この山頂付近で遊技球が滞留した場合、つまり当該円状空間に遊技球が流入するか否かが際どい位置に遊技球が滞留した場合には、一喜一憂することができ、その結果、遊技の趣向が極めて増大し、遊技性が極めて向上する。
【0140】
特に、第1スロープ64に滞留した遊技球のうち、当該円状空間に流入しなかった遊技球は、全て前壁62と奥壁56とにより、第2ステージ70(第2スロープ71)に強制的に転動され、この時点では、中央凹面部81に遊技球が流入するチャンスが無くなるので、なおさら、遊技者は、第1スロープ64上の遊技球の滞留位置に一喜一憂することになる。
【0141】
また、誘導部材50は、上記中心線D−Dに対して互いに対称状に設けられ、さらに、第1ステージ60の山部67と第2ステージ70の第2スロープ71とは、上記中心線F−Fに対し対称状に設けられて、両者は同一の単一なアール面にて形成され、さらにまた、第1ステージ60の山部67と第3ステージ80の第3スロープ83,83とは、正面視すると、上記中心線E−Eに対し対称状に設けられて、両者は同一の単一なアール面にて形成され、即ち第1ステージ60の山部67と第2ステージ70の第2スロープ71と第3ステージ80の第3スロープ83,83の三者は、同一の単一なアール面にて形成されている。つまり、各ステージ60、70、80の主要な構成要素となる山部67、第2スロープ71、第3スロープ83,83が上下左右対称状に設けられているので、従って、誘導部材50は、その設計が容易となると共にその美観が高められ、且つ誘導部材50上を転動する遊技球の流れを流麗にすることができ、その結果、誘導部材50を開発する上でコストダウンになると共に、遊技者の遊技意欲をそそることができる。
【0142】
さらに、第3ステージ80は、第1ステージ60の山部67と第2ステージ70の第2スロープ71とで形成される空間部84に設けられるようにしたので、第3ステージ80を設ける上で新たなスペースを必要とせずに既存のスペースを有効活用でき、従って、誘導部材50は、その設計が合理的で効率が良く無駄のないものにすることができ、その結果、さらに誘導部材50を開発する上でコストダウンになる。
【0143】
また、誘導部材50に流入した遊技球は、第1スロープ64(第1ステージ60)上を規則的に左右に往復運動し後に、その挙動を不規則的に変化させて不特定時間滞留しつつ第1ステージ60から第2ステージ70や第3ステージ80に移動し、最終的に第2ステージから転動して誘導部材50の外部に落下するようにしたので、遊技者は、第1ステージ60の流入直後の規則的な挙動から、不規則的な挙動へと遊技球の挙動が変化していくのを楽しむことができ、特に、第1スロープ64(第1ステージ60)上を規則的に左右に往復運動させることとなる誘導路52,52は、第1スロープ64に臨む落下通路95,95の放出口53,53の位置を、切欠61と傾斜部63,63とを避ける位置に形成したので、第1ステージ60に流入直後の遊技球は、安定して第1ステージ60上で滞留することができ、第1ステージ60に流入してすぐ第2ステージ70や第3ステージ80に移動することがなく、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。
【0144】
また、傾斜部63,63は、誘導部材50上の遊技球の挙動が、全体的に左右方向かつ誘導部材50の曲面構造に対応した動きとなるなかで、奥行方向に直線的な動きを創出し、従って、誘導部材50上の遊技球の挙動に極めて大きな変化を与えることができ、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。
【0145】
なお、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置では、上記したように始動入賞口11を誘導部材50の下壁91に一体的に設けるようにしたが、これは次のようにしても良い。即ち、始動入賞口11を誘導部材50とは別体に設け、誘導部材50の下壁91に、この別体に設けた始動入賞口11を遊技盤21上に取り付けるための位置規制手段を形成するようにしても良い。例えば、下壁91の下端に凹状部を形成し、一方、始動入賞口11が取り付けられたベース板の上端に凸状部を形成し、遊技盤21上に取り付けた下壁91の凹状部にベース板の凸状部を嵌合させて始動入賞口11を位置規制した後、始動入賞口11を遊技盤21上にビス等で取り付けるようにすれば良い。このようにすれば、様々な種類の始動入賞口11を誘導部材50に対し極めて精度良く且つ容易に遊技盤21上に取り付けることが可能となり、その結果、始動入賞口11を容易に変更でき、遊技機1を開発する上で設計の自由度が増す。
【0146】
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置では、上記したように第1ステージ60から第3ステージ80の中央凹面部81及び凹面部82,82に遊技球を誘導するための誘導部材50に設ける切欠61及び誘導溝55は、第1スロープ64山頂の後部に単一に形成するようにしたが、この切欠61及び誘導溝55を形成する位置は、最終的に始動入賞口11またはその他の入賞口に入賞する確率が高くなる位置であればどの位置であっても良く、さらにこの切欠61及び誘導溝55を複数設けるようにしても良い。例えば、第1スロープ64の山頂箇所に加えもしくは第1スロープ64の山頂箇所に変えて、第1スロープ64山頂と第1スロープ64の両端部の中間にそれぞれ形成し、3箇所もしくは2箇所設けるようにしても良い。このようにすることにより、さらに始動入賞口11またはその他の入賞口に入賞する確率が高くなるので、遊技者にとって魅力ある遊技を提供でき、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。
【0147】
また、切欠61は、上記したようにその上下方向における半円周状の縁面を略垂直に形成したが、これに変えて、該半円周状の縁面を略すり鉢状のような傾斜を設けて形成するようにしても良い。このようにすることにより、さらに遊技球を切欠61に誘導する確率が高くなると共に、切欠61を通過する遊技球の挙動が微妙に変化するので、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。
【0148】
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置は、弾性部材にて形成される誘導片92a,92a,92b,92b以外の材質は特に限定するものではなく、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂にてその全体を形成しても良く、さらに、その一部のみを違う材質、例えば、第1スロープ64や第2スロープ71の表面に金属メッキを施したりしても良い。このように、第1スロープ64や第2スロープ71の表面に金属メッキを施すと、第1スロープ64や第2スロープ71上を左右に往復運動するときの遊技球の転動が円滑になり、遊技性が向上すると共に、ブリッジ等の球詰まりというような不測の事態を防止することができ、所期の性能を維持することができる。
【0149】
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置は、上記したように誘導片92a,92a,92b,92bを下壁91に対し固定して突設するようにしたが、これは次のようにしても良い。即ち誘導片92a,92a,92b,92bは、下壁91に対し、その左右方向に適宜手段にてスライド自在に設けるようにしても良く、あるいは下壁91から突出する角度を適宜手段にて自在に変更可能に設けるようにしても良い。このようにすると、誘導装置の外部から落下する遊技球の始動入賞口11への入賞確率を、誘導片92a,92a,92b,92bを適宜スライドさせたり、あるいは突出する角度を適宜変更させたりして、任意に変更することができるようになる。その結果、上記した開口部93により遊技盤21に植設した障害釘94,94の突出角度を調整した場合と同様な効果が得られるようになる。
【0150】
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置に次のような構成を加えても良い。即ち、第2ステージ70の所定箇所、例えば第2スロープ71の前部に、第2ステージ70から誘導部材50の外部に落下する遊技球を、衝突させて跳ね返したり流下する角度を変更したりするための障害壁を設けるようにしても良い。この障害壁は、例えば遊技球の大きさとほぼ同様な大きさに形成し、第2スロープ71の左端と右端の間をモータ等を利用して自動で定期的且つ規則的に往復運動する移動制御が実行される、即ち可動部材とする。このようにすると、遊技球が第2ステージ70から誘導部材50の外部に落下するとき、一部の遊技球は、この往復運動している障害壁に衝突するので、衝突後の当該遊技球の動きが不規則となり、つまり遊技者の予期できない態様にて遊技球が始動入賞口11に入賞したりしなかったりすることになり、さらに、遊技者は、この定期的且つ規則的に往復運動している障害壁の位置を確認しつつ、遊技球が始動入賞口11に入賞しやすいタイミングにて打球発射装置を操作して遊技球を遊技領域5に発射することも可能となり、つまり遊技者個々の遊技への技術介入が可能となり、即ち、この障害壁を誘導部材50(第2ステージ70)に設けることで、偶然性と遊技者個々の技量の両者により、遊技球の始動入賞口11への入賞確率が変化することとなり、その結果、遊技の趣向が極めて増大し、遊技性が極めて向上する。
【0151】
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置は、上記したように遊技盤21上の遊技領域5を落下する過程において、導入口51,51に入球した遊技球は、誘導路52,52に導出され、自然落下によりこの誘導路52,52の放出口53,53から誘導部材50(第1ステージ60)に導出されるようにしたが、これは、次のようにしても良い。即ち、この誘導路52,52に導入口51,51から導出された遊技球を誘導路52,52の落下通路95内に停留することができるソレノイド等で構成された停留手段を設け、該停留手段を上記した保留LED25の保留記憶の点灯数(最高4個)に応じて制御することで、落下通路95内の遊技球を放出口53,53から誘導部材50(第1ステージ60)に導出するようにしても良い。
【0152】
例えば、保留LED25の保留記憶の点灯数が3個以上になったとき、停留手段をオンして、それ以降、遊技球を放出口53,53から誘導部材50(第1ステージ60)に導出することを阻止し、一方、保留LED25の保留記憶の点灯数が2個以下になったとき、停留手段をオフして、それ以降、遊技球を放出口53,53から誘導部材50(第1ステージ60)に導出することを許可するようにする。このようにすると、保留LED25の保留記憶の点灯数が4個になっている状態で、さらに始動入賞口11へ遊技球が入賞してしまういわゆる保留記憶のオーバーフローを阻止することができ、つまり、誘導部材50に導出された遊技球は、誘導部材50に導出されない遊技球、即ち遊技領域5を普通に落下する遊技球よりも高い確率で始動入賞口11へ入賞するようになっているので、保留記憶の点灯数が3または4個の状態で複数の遊技球が誘導部材50に導出されたときは、保留記憶がオーバーフローする確率が高くなってしまうのであるが、この停留手段の制御により保留記憶のオーバーフローを効果的に阻止することができ、その結果、遊技者の保留記憶のオーバーフローを阻止するためのいわゆる止め打ち(打球発射装置を操作して間歇的に遊技球を遊技領域5に発射する打ち方)を防止し、遊技機1の稼働率を向上させることができるという顕著な効果を奏する。
【0153】
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置は、上記したように特別図柄表示装置6に一体的に設けるようにしたが、これは限定するものではなく、他の遊技盤21上の遊技領域5に設けられる遊技装置、例えば、いわゆる役物と呼ばれる入賞装置や風車等の振り分け装置、あるいは停留装置等に設けるようにしても良い。
【0154】
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置は、誘導装置から外部に放出した遊技球を始動入賞口11に誘導するようにしたが、これは始動入賞口11以外の遊技装置、例えば、大入賞口7や普通図柄作動ゲート19等に誘導するようにしても良い。そして、これら始動入賞口11以外の遊技装置に遊技球を誘導する場合においても、始動入賞口11と同様、誘導部材50の下壁91に一体的に設けるようにすれば良い。
【0155】
また、本実施形態の遊技機1において、始動入賞口11は電動役物としての電動チューリップを採用したが、これは限定することなく、その他の形態であっても良い。例えば、始動入賞口11を2つ設け、一方は電動役物でない普通入賞口としてのいわゆるチャッカとし、他方は、電動役物としての大入賞口7の横幅を小さくした、開口していないときには遊技球が入賞できないいわゆるミニアタッカとし、このチャッカを上記した電動チューリップの替わりに誘導部材50の下壁91に一体的に設けるようにし、ミニアタッカは遊技盤21の適宜箇所に設けるようにしても良い。そして、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過し、普通図柄表示装置18に予め定められた普通図柄(当り)が確定表示された場合には、このミニアタッカを開口するようにすれば良い。このような構成にすると、下壁91には普通入賞口としてのチャッカのみを取り付ければ良く、即ち誘導部材50と一体的に設ける始動入賞口11の取り付けが極めて容易となり、誘導部材50を製作する上でコストダウンになると共に、始動入賞口11の数が増え、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。
【0156】
次に特許請求の範囲の構成と、本発明の実施形態との主な対応を説明する。
請求項1:遊技盤は、遊技盤21に相当し、導入口は、導入口51に相当し、誘導路は、誘導路52に相当し、放出口は、放出口53に相当し、ステージは、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80に相当し、誘導部材は、誘導部材50に相当し、遊技機は、遊技機1に相当し、誘導装置は、導入口51、誘導路52、誘導部材50に相当し、遊技装置は、始動入賞口(電動チューリップ)11に相当し、遊技装置が誘導部材に一体的に設けられていることは、図13に対する本文中の「始動入賞口(電動チューリップ)11は、下壁91に設けられた開口部97と支軸41,41とにより位置決めされ、下壁91に一体的に設けられて形成されている」という記載に相当する。
【0157】
請求項2:ステージは、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80に相当し、遊技装置は、始動入賞口(電動チューリップ)11に相当し、誘導通路は、段部85(中央凹面部81、凹面部82)に相当し、遊技装置が誘導通路に対応して誘導部材に取り付けられていることは、図4に対する本文中の「始動入賞口(電動チューリップ)11の遊技盤21に対する取り付け位置は、切欠61と誘導溝55とにより形成される略円状空間から中央凹面部81を通って第2ステージ70から落下する遊技球を、高い確率にて始動入賞口(電動チューリップ)11に入賞させるため、始動入賞口(電動チューリップ)11の左右方向の中央(羽根11a,11a間の中央)と、中央凹面部81の左右方向の中央とが図4に示す中心線D−D上に存在する」という記載に相当する。
【0158】
請求項3:遊技機は、遊技機1に相当し、始動入賞口は、始動入賞口(電動チューリップ)11に相当し、図柄表示装置は、特別図柄表示装置(LCD)6に相当し、遊技制御手段は、本文前段の「図示しないマイクロコンピュータ等で構成される遊技制御手段」という記載に相当する。
【0159】
請求項4:誘導通路は、段部85(中央凹面部81、凹面部82)に相当し、凹面部は、中央凹面部81に相当し、始動入賞口は、始動入賞口(電動チューリップ)11に相当し、垂直線は、図4に示す中心線D−Dに相当し、始動入賞口を、上記誘導部材に対し、凹面部の左右方向の中央と、始動入賞口の左右方向の中央とが垂直線上に存在する位置に取り付けるようにしたことは、図4に対する本文中の「始動入賞口(電動チューリップ)11の遊技盤21に対する取り付け位置は、切欠61と誘導溝55とにより形成される略円状空間から中央凹面部81を通って第2ステージ70から落下する遊技球を、高い確率にて始動入賞口(電動チューリップ)11に入賞させるため、始動入賞口(電動チューリップ)11の左右方向の中央(羽根11a,11a間の中央)と、中央凹面部81の左右方向の中央とが図4に示す中心線D−D上に存在する」という記載に相当する。
【0160】
請求項5:誘導通路は、段部85(中央凹面部81、凹面部82)に相当し、凹面部は、中央凹面部81に相当し、側凹面部は、凹面部82に相当する。
請求項6:側凹面部は、凹面部82に相当し、凹面部は、中央凹面部81に相当し、遊技球導出手段は、凹面部82を形成するアールR1,R2に相当する。
【0161】
請求項7:誘導部材は、誘導部材50に相当し、遊技盤は、遊技盤21に相当し、ステージは、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80に相当し、下壁は、下壁91に相当し、始動入賞口は、始動入賞口(電動チューリップ)11に相当し、障害釘は、障害釘94に相当し、開口部は、開口部93に相当する。
【0162】
請求項8:下壁は、下壁91に相当し、開口部は、開口部93に相当し、ステージは、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80に相当し、遊技球衝突手段は、誘導片92a、92bに相当する。
請求項9:図柄表示装置は、特別図柄表示装置(LCD)6に相当し、遊技盤は、遊技盤21に相当し、導入口は、導入口51に相当し、誘導路は、誘導路52に相当し、放出口は、放出口53に相当し、誘導部材は、誘導部材50に相当し、垂直線は、図4に示す中心線D−Dに相当し、導入口、誘導路、放出口及び誘導部材が、遊技盤の略中央に配設される図柄表示装置を周回するように設けられたことは、本文前段の「特別図柄表示装置6には、図柄表示部30の下半分を周回するように、本発明に係わる遊技球の誘導装置を構成する導入口51,51、誘導路52,52、誘導部材50が設けられている」という記載、及び図12に示す誘導路52に放出口53が形成されていることに相当し、導入口、誘導路、放出口及び誘導部材が、遊技盤の略中央に配設される図柄表示装置一体的に設けられたこと及び垂直線に対し対称に設けられたことは、本文中の「遊技機1における遊技球の誘導装置は、導入口51,51、誘導路52,52、誘導部材50より構成されて特別図柄表示装置6に上記中心線D−Dに対して互いに対称状に一体的に設けられ」という記載に相当する。
【0163】
請求項10:ステージは、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80に相当し、第1ステージは、第1ステージ60に相当し、第1ステージの長手方向に稜線を有する勾配が形成された所定部位は、第1スロープ64、第1斜面65、第1谷部66、山部67、第2谷部68、第2斜面69に相当し、第2ステージは、第2ステージ70に相当し、第3ステージは、第3ステージ80に相当し、誘導通路は、段部85(中央凹面部81、凹面部82)に相当する。
【0164】
請求項11:遊技盤は、遊技盤21に相当し、導入口は、導入口51に相当し、誘導路は、誘導路52に相当し、放出口は、放出口53に相当し、ステージは、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80に相当し、誘導部材は、誘導部材50に相当し、遊技機は、遊技機1に相当し、誘導装置は、導入口51、誘導路52、誘導部材50に相当し、遊技装置は、始動入賞口(電動チューリップ)11に相当し、遊技球衝突手段は、誘導片92a、92bに相当する。
【0165】
請求項12:遊技球衝突手段は、誘導片92a、92bに相当し、誘導部材は、誘導部材50に相当し、遊技球衝突手段が略棒状の弾性部材にて形成され、誘導部材に対し、前方に突出するように設けられていることは、本文中の「遊技球の始動入賞口11への入賞する確率を高めるための略円柱状の弾性部材にて形成された誘導片92a,92a,92b,92bが、前方略水平状に突出するように設けられている」という記載に相当する。
【0166】
請求項13:遊技球衝突手段は、誘導片92a、92bに相当し、誘導部材は、誘導部材50に相当し、遊技球衝突手段を、誘導部材に対し左右方向にスライド自在に設けたことは、本文後段の「誘導片92a,92a,92b,92bは、下壁91に対し、その左右方向に適宜手段にてスライド自在に設けるようにしても良く」という記載に相当する。
【0167】
請求項14:遊技球衝突手段は、誘導片92a、92bに相当し、誘導部材は、誘導部材50に相当し、遊技球衝突手段を、誘導部材に対し前方に突出する角度を変更自在に設けたことは、本文後段の「誘導片92a,92a,92b,92bは、下壁91に対し、下壁91から突出する角度を適宜手段にて自在に変更可能に設けるようにしても良い」という記載に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の遊技機1を示す全体正面図である。
【図2】本実施形態の特別図柄表示装置6を示す正面図である。
【図3】本実施形態の特別図柄表示装置6に設けられる誘導装置の斜視図である。
【図4】本実施形態の誘導部材50の正面図である。
【図5】本実施形態の誘導部材50の平面図である。
【図6】本実施形態の誘導部材50の右側面図である。
【図7】本実施形態の図5におけるA−A断面図である。
【図8】本実施形態の図5におけるB−B断面図である。
【図9】本実施形態の図5におけるC−C断面図である。
【図10】本実施形態の図5におけるG−G断面図である。
【図11】本実施形態の段部85の拡大正面図である。
【図12】本実施形態の特別図柄表示装置6の正面から見て左側に設けられた誘導路52の内部構造を示す正面図である。
【図13】本実施形態の始動入賞口11(電動チューリップ)の下壁91への取り付け状態を説明する分解斜視図である。
【図14】本実施形態の第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80の遊技球の流れを説明するため、その一部の構成を省略した誘導部材50の斜視図である。
【図15】本実施形態の始動入賞口11に入賞するときの第1ルートにおける遊技球の流れを説明するための説明図である。
【図16】本実施形態の始動入賞口11に入賞するときの第2ルートにおける遊技球の流れを説明するための説明図である。
【図17】本実施形態の始動入賞口11に入賞するときの第3ルートにおける遊技球の流れを説明するための説明図である。
【図18】本実施形態の始動入賞口11に入賞するときの第4ルートにおける遊技球の流れを説明するための説明図である。
【図19】従来の遊技機における遊技球の誘導装置を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…遊技機、 2…打球操作ハンドル、
3…打球誘導レール、 4…遊技領域形成レール、
5…遊技領域、 6…特別図柄表示装置(LCD)、
7…大入賞口(アタッカ)、 8…左図柄表示部、
9…中図柄表示部、 10…右図柄表示部、
11…始動入賞口(電動チューリップ)、 11a…羽根、
12…打球供給皿、 13…余剰球受皿、
14…普通入賞口、 15…遊技効果ランプ、
16…アウト口、 17…ガラス扉枠、
18…普通図柄表示装置(7セグLED)、 19…普通図柄作動ゲート、
20…風車、 21…遊技盤、
22…外枠、 23…内枠、
25…保留LED、 30…図柄表示部、
39…駆動装置、 40…ソレノイド、
41…支軸、 42…入賞通路、
43…揺動部材、 44…プランジャ、
45…スプリング、 46…支軸、
47…凹部、 48…ピン、
49…開口部、 50…誘導部材、
51…導入口、 52…誘導路、
53…放出口、 55…誘導溝、
56…奥壁、 59…段差、
60…第1ステージ、 61…切欠、
62…前壁、 63…傾斜部、
64…第1スロープ、 65…第1斜面、
66…第1谷部、 67…山部、
68…第2谷部、 69…第2斜面、
70…第2ステージ、 71…第2スロープ、
72…誘導板、 80…第3ステージ、
81…中央凹面部、 82…凹面部、
83…第3スロープ、 84…空間部、
85…段部、 87…中央凸面部、
88…凸面部、 90…山部、
91…下壁、 92a、92b…誘導片、
93…開口部、 94…障害釘、
95…落下通路、 96a、96b…側壁、
97…開口部、 200…図柄表示装置、
202…導入口、 203…誘導路、
204…放出口、 205…ステージ、
206…始動入賞口誘導路、 207…図柄表示部、
208…始動入賞口(電動チューリップ)、
R1、R2…アール、
A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、Q、S、T、U、V…矢印
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技球の誘導装置に関し、さらに詳しくは、弾球遊技機等の遊技盤に設けられ、該遊技盤に向けて弾発された遊技球を所望の位置へ誘導する遊技機における遊技球の誘導装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、遊技球の誘導装置は、例えば図19に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤の略中央に配設される図柄表示装置200に設けられるものがよく知られており、これらの遊技球の誘導装置は、図柄表示部207を周回するように設けられた導入口202、誘導路203、放出口204、ステージ205を備えている。発射装置から遊技盤上に発射された遊技球が、遊技釘等にあたりながら不規則的な軌道を描いて落下する過程で導入口202に入球すると、該入球した遊技球は、誘導路203を落下して放出口204よりステージ205に放出されるようになっている。
【0003】
ステージ205に放出された遊技球は、ステージ205上を不規則的に移動しながら最終的にはステージ205の奥行方向の手前側(遊技者側)から落下して、再び遊技盤上を転動することになるが、このステージ205から落下する遊技球のうち、ステージ205の中央部に設けられた始動入賞口誘導路206から落下する遊技球は、該始動入賞口誘導路206の直下に設けられた始動入賞口(電動チューリップ)208に誘導されるようになっており、即ち始動入賞口誘導路206から落下する遊技球は、高い確率にて始動入賞口208に入賞するようになっている。一方、始動入賞口誘導路206以外のステージ205から落下する遊技球は、始動入賞口208に誘導されることはなく、従って始動入賞口208に入賞することはない。
【0004】
なお、遊技球が始動入賞口208に入賞すると、図柄表示部207にて所定の図柄が変動表示後に停止して確定表示されるようになっており、この確定表示され図柄が予め定められた大当り図柄であった場合には、遊技者にとって極めて有利な大当り遊技が開始されるようになっている。従って、遊技者は、始動入賞口208に、いかに多くの遊技球を入賞させるかが遊技の最大の関心事となっている。
【0005】
しかしながら、上記従来技術においては、ステージ205上を移動する遊技球の挙動が単純であり、遊技者にとってはもの足りないものとなっていた。そこで、このような問題点を解消し、遊技者がより遊技を楽しめることを目的として、例えば、上段ステージと下段ステージという複数のステージを設け、遊技球を上段ステージから下段ステージ、下段ステージから遊技盤へと順次落下させることで、遊技球がステージから遊技盤へ落下されるまでの時間に溜めを作ると共に、遊技球の挙動に不規則性を持たせるという技術(以下、従来技術1という)が開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−224317号公報
【特許文献2】
特開2002−224318号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術1を含む従来の遊技球の誘導装置においては、未だ解決されない次のような問題点がある。即ち、従来より遊技球の誘導装置においては、上記したように、図19においてステージ205の中央部に設けられた始動入賞口誘導路206から落下する遊技球を、高い確率にて始動入賞口208に入賞するように誘導するため、当該誘導装置とは個別に形成された始動入賞口208を、始動入賞口誘導路206に対応して精度良く遊技盤上に取り付けなければならないという問題点がある。
【0008】
この始動入賞口208を遊技盤上に取り付ける作業は、予め遊技盤につけた目印(例えばポンチ穴)を基準にビス等で人手を介して行われるので、精度上どうしてもバラツキが発生する。しかして、この始動入賞口208の取り付け精度が良くないと、始動入賞口誘導路206から落下する遊技球の始動入賞口208への入賞確率は、所期の設計値から逸脱して低下することになる。遊技球の始動入賞口208への入賞は、上記したように、遊技者にとって遊技の最大の関心事となっているので、この遊技球の始動入賞口208への入賞確率が低下すると、遊技機の遊技性が著しく低下してしまい、その結果遊技機の稼働率が悪化し、営業上深刻な問題となる。
【0009】
また、従来技術1においては、上段ステージ及び下段ステージは、略平面状に形成されているので、各ステージ上を移動する遊技球の挙動に躍動感がなく、さらに、上段ステージから下段ステージへの遊技球の移動は、落下に限定されているので、遊技球の移動が単調となり、従い遊技者は、遊技性に今一もの足りなさを感じるという問題点がある。
【0010】
また従来技術1においては、下段ステージに設けられた始動入賞口誘導路以外から遊技盤に落下する遊技球は、始動入賞口に誘導されず、従って始動入賞口に入賞することがないので、遊技者は、下段ステージにおいて始動入賞口誘導路に入球しなかった遊技球には全く期待することができず、この点から遊技性に興趣を欠くという問題点もある。
【0011】
本発明は、上記した問題点の少なくとも1つを解決するためになされたもので、その第1の目的は、遊技盤上に取り付ける入賞口等の遊技装置を高い精度で容易に取り付けることができ、所期の仕様性能を確実に発揮することのできる使い勝手の良い遊技機における遊技球の誘導装置を提供することにある。
【0012】
また、本発明の第2の目的は、ステージにおける遊技球の挙動を躍動感をもたせつつ多種多様にすることで、遊技の趣向を増大させることのできる遊技機における遊技球の誘導装置を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、遊技者がステージから遊技盤に落下する遊技球に最後まで期待することができ、以て遊技の趣向を増大させることのできる遊技機における遊技球の誘導装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
このような問題を解決するために、本発明の遊技機における遊技球の誘導装置は、請求項1に記載したように、遊技盤を落下する遊技球を導入する導入口と、該導入口から導入された遊技球を所定方向へ誘導する誘導路と、該誘導路により誘導された遊技球を放出する放出口と、該放出口から放出された遊技球を受入れ、該受入れた遊技球を滞留可能であると共に下方へ誘導可能なステージが設けられた誘導部材と、を備えた遊技機における遊技球の誘導装置であって、上記誘導部材には、上記ステージ外部に落下した遊技球が流入可能な遊技装置を一体的に設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項1の発明は、例えば、パチンコ遊技機の遊技盤上に形成される遊技領域を障害釘や風車等に当りながら落下する遊技球が導入口に入球すると、この遊技球は導入口から誘導路へと移動し、さらに誘導路から所定方向へ誘導され、最終的に放出口から誘導部材へと放出される。そして、誘導部材に放出された遊技球は、ステージ上を例えば左右に移動しながら不特定時間滞留し、その後、ステージ外部に落下する。
【0015】
しかして、誘導部材には、このステージ外部に落下した遊技球を流入可能な遊技装置が一体的に設けられており、従って、ステージ外部に落下した遊技球のうちの一部の遊技球は、この遊技装置に流入することになる。ここで、遊技装置としては、例えば、遊技機がパチンコ遊技機である場合には、始動入賞口や作動ゲート、または、いわゆる役物と呼ばれる入賞装置や風車等の振り分け装置若しくは停留装置等が挙げられる。
【0016】
従って、以上のような構成による請求項1の発明によれば、誘導部材と遊技装置とが一体的に設けられているので、誘導部材と遊技装置とを別個に遊技機に取り付ける必要がなく、極めて容易に誘導部材と遊技装置とを遊技機に取り付けることが可能となる。また、この遊技装置の遊技機に対する取り付け位置は、誘導部材に対して高い精度が求められるものであり、即ち、誘導部材に設けられたステージから外部に落下する遊技球のうち、一部の遊技球を所期の設計どおり遊技装置に流入させることが重要であり、従い、本発明によれば、誘導部材と遊技装置とを一体的に設けることにより、両者の相対位置を極めて精度良く形成することが可能となり、誘導部材に設けられたステージから外部に落下する遊技球のうち、一部の遊技球を所期の設計どおり遊技装置に流入させることができ、即ち誘導装置の所期の仕様性能を確実に発揮することができ、その結果、ホールにとって使い勝手の良い誘導装置を提供することができるという極めて顕著な効果を奏する。
【0017】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記ステージは、受入れた遊技球を該ステージ外部に落下させて上記遊技装置へ誘導する誘導通路を備え、上記遊技装置は、該誘導通路に対応して上記誘導部材に取り付けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、誘導部材に設けられたステージは、誘導通路を備えており、この誘導通路は、ステージに受け入れた遊技球を、遊技装置へ誘導するようステージの外部に落下させるようになっている。また、遊技装置は、この誘導通路に対応して誘導部材に一体的に取り付けられている。
【0019】
従って、以上のような構成による請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加え、遊技装置へ誘導する誘導通路に対応して遊技装置が誘導部材に一体的に取り付けられているので、誘導通路と遊技装置との相対位置を極めて精度良く形成することが可能となる。その結果、誘導部材に設けられたステージから外部に落下する遊技球のうち、誘導通路を通って落下した遊技球を所期の設計どおり遊技装置に流入させることができるという顕著な効果を奏する。
【0020】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記遊技機は、始動入賞口と、該始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて所定の図柄を変動表示し、該変動表示している図柄を所定時間後に停止させて確定表示する図柄表示装置と、該図柄表示装置が確定表示した図柄が所定の大当り図柄である場合には、遊技者にとって有利な大当り遊技を実行する遊技制御手段とを備え、上記遊技装置を上記始動入賞口としたことを特徴とする。
【0021】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、遊技機は、始動入賞口と図柄表示装置と遊技制御手段とを備えており、さらに誘導部材に一体的に設けられる遊技装置を始動入賞口としている。この始動入賞口は、遊技球が入賞すると図柄表示装置に所定の図柄を変動表示させ所定時間後に停止させて確定表示させる。そして、図柄表示装置が確定表示した図柄が所定の大当り図柄である場合には、遊技制御手段が、遊技者にとって有利な大当り遊技を実行する。
【0022】
従って、以上のような構成による請求項3の発明によれば、請求項2の発明の効果に加え、始動入賞口へ誘導する誘導通路に対応して始動入賞口が誘導部材に一体的に取り付けられているので、誘導通路と始動入賞口との相対位置を極めて精度良く形成することが可能となり、誘導部材に設けられたステージから外部に落下する遊技球のうち、誘導通路を通って落下した遊技球を所期の設計どおり始動入賞口に流入させることができる。しかして、始動入賞口への遊技球の入賞は、遊技者にとって有利な大当り遊技が発生するための必要条件となっているので、遊技を行う上で極めて重要な事項であり、その結果、ホールにとって極めて使い勝手の良い誘導装置を提供することができるという極めて顕著な効果を奏する。
【0023】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記誘導通路は、少なくとも遊技球1個が転動可能な断面略凹面状に形成された凹面部を備え、上記始動入賞口は、上記誘導部材に対し、該凹面部の左右方向の中央と、該始動入賞口の左右方向の中央とが垂直線上に存在する位置に取り付けるようにしたことを特徴とする。
【0024】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、誘導通路は凹面部を備えており、この凹面部は少なくとも遊技球1個が転動可能な断面略凹面状に形成され、始動入賞口は、この凹面部の左右方向の中央と自身の左右方向の中央とが垂直線上に存在する位置に、誘導部材に一体的に取り付けられている。
【0025】
従って、以上のような構成による請求項4の発明によれば、請求項3の発明の効果に加え、始動入賞口が、誘導通路の凹面部左右方向の中央と自身の左右方向の中央とが垂直線上に存在する位置に、誘導部材に一体的に取り付けられているので、誘導部材に設けられたステージから外部に落下する遊技球のうち、誘導通路の凹面部を通って落下した遊技球を高い確率にて始動入賞口に入賞させることが可能となる。始動入賞口への遊技球の入賞は、遊技者にとって大当りを獲得するための重要な条件であり、従い、遊技者は、凹面部に遊技球が流入した場合には、極めて大きな期待を持つことができ、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。つまり、ホールが所望する誘導装置から始動入賞口への遊技球の入賞確率を想定通り確実に実行することができるという極めて顕著な効果を奏する。
【0026】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記誘導通路は、上記凹面部の左右両側に隣接して設けられると共に、断面略凹面状に形成され少なくとも遊技球1個が転動可能な側凹面部をさらに備えたことを特徴とする。
【0027】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、誘導通路は、凹面部の左右両側に隣接して側凹面部をさらに備えており、この側凹面部は、断面略凹面状に形成され少なくとも遊技球1個が転動可能になっている。
従って、以上のような構成による請求項5の発明によれば、請求項4の発明の効果に加え、ステージに導出された遊技球が誘導通路に流入する場合において、遊技球が凹面部に流入したときには、側凹面部に流入したときよりも高い確率にて始動入賞口に入賞するようになるので、遊技者は、ステージに導出された遊技球が凹面部に流入するか否かを期待しながら注意深く見守ることになり、その結果、さらに遊技の趣向が増大し、遊技性が向上するという顕著な効果を奏する。
【0028】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記側凹面部は、側方向から流入してくる遊技球を上記凹面部に導出し易くする遊技球導出手段を備えたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、側凹面部は遊技球導出手段を備えており、この遊技球導出手段が、側方向から流入してくる遊技球を凹面部に導出し易くするようになっている。なお、遊技球導出手段の具体例としては、側凹面部の断面となる凹面を二つの連続するアール面にて形成し、この二つのアール面のうち中央寄り(凹面部寄り)のアール面のアールを、他のアール面のアールよりも小さく形成するような手段が挙げられる。このように側凹面部を形成すると、側凹面部に側方向から流入した遊技球を、大きく形成されたアール面を転動させることによりその流れを付勢して小さく形成されたアール面へと流出させ、さらにその流れの勢いにより小さく形成されたアール面を一気に駆け上がらせて凹面部に導出させることが可能となる。
【0029】
従って、以上のような構成による請求項6の発明によれば、請求項5の発明の効果に加え、ステージに導出された遊技球が側方向から誘導通路に流入する場合において、側凹面部に備えられた遊技球導出手段により、側凹面部から凹面部へ遊技球を導出し易くなっているので、遊技者は、たとえステージに導出された遊技球が側方向から側凹面部に流入しても、さらに側凹面部から凹面部に遊技球が導出されること、即ち、遊技球が高い確率にて始動入賞口に入賞することが期待できるので、その結果、さらに遊技の趣向が増大し、遊技性が向上するという顕著な効果を奏する。
【0030】
また、請求項7に記載の発明は、請求項3乃至請求項6の何れかに記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記誘導部材は、上記遊技盤の表面に重合するように上記ステージの下部前端から下方に向かって延びる薄板状の下壁を備え、上記始動入賞口は、該下壁に設けられると共に、該下壁における上記始動入賞口の上方の所定箇所には、障害釘を上記遊技盤に植設するための開口部を穿設したことを特徴とする
請求項7の発明は、請求項3乃至請求項6の何れかの発明において、誘導部材は下壁を備えており、この下壁は、遊技盤の表面に重合するようにステージの下部前端から下方に向かって延びる薄板状に形成されている。そして、この下壁には、始動入賞口が一体的に取り付けられていると共に、この下壁の始動入賞口の上方の所定箇所には開口部が穿設されており、この開口部により障害釘を遊技盤に植設できるようになっている。例えば、請求項4に係わり、凹面部に流入しなかった遊技球がステージ外部に落下したとき、あるいは請求項5に係わり、側凹面部に流入した遊技球がステージ外部に落下したとき、これら落下してきた遊技球が障害釘に衝突することにより、その落下する角度を変えて始動入賞口に入賞するチャンスが与えられる。なお、この開口部の大きさ及び開口部を穿設する下壁の所定箇所は、特に限定するものではないが、少なくとも障害釘を複数遊技盤に植設できると共に、この複数の障害釘の間を遊技球が通過できるような大きさで、且つこの複数の障害釘の間を通過した遊技球が始動入賞口に入賞できる箇所に形成することが望ましい。
【0031】
従って、以上のような構成による請求項7の発明によれば、請求項3乃至請求項6の何れかの発明の効果に加え、誘導部材の備えている下壁を、遊技盤の表面に重合するようにして遊技盤に取り付けることで、極めて容易に誘導部材と始動入賞口とを遊技盤に取り付けることが可能となる。また、下壁に穿設された開口部により、始動入賞口の上方に障害釘を設けることが可能になるので、遊技性が向上すると共に、遊技盤におけるゲージ構成の自由度が向上し、その結果、遊技機の設計が容易となる。さらに、遊技盤に対する障害釘の突出角度を調整することにより、遊技球の始動入賞口への入賞確率を任意に変更することができるようになり、その結果、ホールにとって極めて使い勝手の良い誘導装置を提供することができるという極めて顕著な効果を奏する。
【0032】
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記下壁における上記開口部の上方の所定箇所には、上記ステージ外部に落下する遊技球を、衝突させることにより、その落下する角度を変えたりまたは跳ね返して再び該ステージに流入させる遊技球衝突手段を備えたことを特徴とする。
【0033】
請求項8の発明は、請求項7の発明において、下壁における開口部の上方の所定箇所には、遊技球衝突手段が備えられており、この遊技球衝突手段が、ステージ外部に落下する遊技球を、衝突させることにより、その落下する角度を変えたりまたは跳ね返して再びステージに流入させる。例えば、請求項4に係わり、凹面部に流入しなかった遊技球がステージ外部に落下したとき、この落下してきた遊技球が遊技球衝突手段に衝突することにより上方に跳ね返り、再びステージ内に流入して始動入賞口に入賞するチャンスが再度与えられる。あるいは請求項5に係わり、側凹面部に流入した遊技球がステージ外部に落下したとき、この落下してきた遊技球が遊技球衝突手段に衝突することにより、その落下する角度を変えて始動入賞口に入賞するチャンスが与えられる。なお、この場合には、開口部により遊技盤に植設された障害釘に落下してきた遊技球がさらに衝突する可能性があり、従って、この障害釘に遊技球が衝突した場合には、さらに遊技球は、その落下する角度を変えることになり、このうちの一部の遊技球は始動入賞口に入賞することになる。なお、遊技球衝突手段の具体例としては、略棒状に突出させた弾性部材を複数設けるような手段が挙げられる。また、遊技球衝突手段を設ける下壁の所定箇所は、遊技者にとって利益となる位置、即ち遊技球がステージからこのまま落下すると、始動入賞口に入賞することが困難な位置に設けるようにすれば良い。
【0034】
従って、以上のような構成による請求項8の発明によれば、請求項7の発明の効果に加え、下壁における開口部の上方の所定箇所に遊技球衝突手段を備えたので、遊技者は、ステージの外部、即ち遊技盤に落下する全ての遊技球において最後まで期待することができ、即ち、誘導部材のステージに流入した遊技球が、如何なる態様にてステージの外部に落下しても、遊技者が、最後まで予測できない遊技を提供することができ、その結果、遊技の趣向が著しく増大し、遊技性が極めて向上するという顕著な効果を奏する。
【0035】
また、請求項9に記載の発明は、請求項3乃至請求項8の何れかに記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記図柄表示装置は上記遊技盤の略中央に配設され、上記導入口、上記誘導路、上記放出口及び上記誘導部材は、該図柄表示装置を周回するように垂直線に対し対称に設けられると共に、該図柄表示装置に一体的に設けられたことを特徴とする。
【0036】
請求項9の発明は、請求項3乃至請求項8の何れかの発明において、本発明にかかる誘導装置を構成する導入口、誘導路、放出口及び誘導部材は、遊技盤の略中央に配設される図柄表示装置に一体的に設けられ、さらに、この図柄表示装置を周回するように垂直線に対し対称に設けられている。
【0037】
従って、以上のような構成による請求項9の発明によれば、請求項3乃至請求項8の何れかの発明の効果に加え、誘導装置は、図柄表示装置との一体構成及び対称形状を採用することにより、その設計が容易になると共にその美観が高められ、且つ誘導装置を転動する遊技球の流れを流麗にすることができ、その結果、誘導装置を開発する上でコストダウンになると共に、遊技者の遊技意欲をそそることができるという顕著な効果を奏する。
【0038】
また、請求項10に記載の発明は、請求項2乃至請求項9の何れかに記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記ステージは、長手方向の所定部位に稜線を有する勾配が形成され、上記放出口から放出された遊技球を受入れ、該受入れた遊技球を、滞留可能であると共に下方へ誘導可能な第1ステージと、該第1ステージより奥行方向の手前側下方に設けられ、該第1ステージから誘導された遊技球を受入れ、該受入れた遊技球を、滞留可能にすると共に上記ステージ外部へ落下可能な第2ステージと、上記第1ステージの下方且つ上記第2ステージの奥行方向の奥側に該第2ステージと隣接して設けられ、上記第1ステージから誘導された遊技球を受入れ、該受入れた遊技球を上記誘導通路に流入させると共に上記第2ステージへ流下可能な第3ステージと、を備えたことを特徴とする。
【0039】
請求項10の発明は、請求項2乃至請求項9の何れかの発明において、誘導部材に設けられるステージを第1ステージと第2ステージと第3ステージとで構成し、まず、放出口から誘導部材に放出された遊技球は、長手方向の所定部位に稜線を有する勾配が形成された第1ステージ上を左右に移動しながら不特定時間滞留する。ここで、稜線とは、所定のアールにて形成される曲線が複数連続する線、つまり山の峰から峰へ続くような線は勿論のこと、所定の単一なアールにて形成される曲線、つまり円弧も含むものとする。
【0040】
そして、第1ステージ上に滞留している遊技球は、下方へ誘導されて第2ステージあるいは第3ステージに流入する。ここで第2ステージは、第1ステージより奥行方向の手前側下方に設けられており、第3ステージは、第1ステージの下方、且つ第2ステージの奥行方向の奥側にこの第2ステージと隣接して設けられている。つまり、誘導部材におけるステージは、第3ステージの上方に第1ステージが形成され、さらに第3ステージの奥行方向の手前側に第2ステージが形成された2階建て構造になっている。
【0041】
第2ステージに流入した遊技球は、ここで不特定時間滞留した後、ステージ外部に落下し、一方、第3ステージに流入した遊技球は誘導通路に流入し、誘導部材と一体的に設けられている遊技装置(始動入賞口)に向かって誘導されると共に第2ステージに流下する。
【0042】
従って、以上のような構成による請求項10の発明によれば、請求項2乃至請求項9の何れかの発明の効果に加え、誘導路の放出口より放出され第1ステージに流入した遊技球は、第1ステージに形成された稜線を有する勾配により、その挙動に躍動感を与えられながら様々な態様にて下方に位置する第2ステージや第3ステージに導出されるので、遊技者は、遊技球の躍動感ある挙動を十分に楽しむことができ、また、第1ステージから第2ステージまたは第3ステージに流入した遊技球は、その流入するときの態様が多種多様なことに起因して第2ステージまたは第3ステージ上にて不規則的な挙動を示しつつ不特定時間滞留するので、遊技者は、遊技球の不規則的な挙動を十分に楽しむことができ、さらに、第3ステージに流入した遊技球が誘導通路に流入し、遊技装置(始動入賞口)に向かって誘導されて第2ステージからステージ外部に落下したときには、遊技者は、遊技が有利に展開するという予測や期待感を持つことができ、即ち、本発明によれば、遊技者は、遊技球の躍動感ある挙動と不規則的な挙動を十分に楽しみながら期待をもって遊技することが可能となり、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上するという顕著な効果を奏する。
【0043】
また、請求項11に記載の遊技機における遊技球の誘導装置は、遊技盤を落下する遊技球を導入する導入口と、該導入口から導入された遊技球を所定方向へ誘導する誘導路と、該誘導路により誘導された遊技球を放出する放出口と、該放出口から放出された遊技球を受入れ、該受入れた遊技球を滞留可能であると共に下方へ誘導可能なステージが設けられた誘導部材と、を備えた遊技機における遊技球の誘導装置であって、上記誘導部材の下方には、上記ステージ外部に落下した遊技球が流入可能な遊技装置が設けられ、上記誘導部材の所定箇所には、上記ステージ外部に落下する遊技球を、衝突させることにより、その落下する角度を変えたりまたは跳ね返して再び該ステージに流入させる遊技球衝突手段を備えたことを特徴とする。
【0044】
請求項11の発明は、例えば、パチンコ遊技機の遊技盤上に形成される遊技領域を障害釘や風車等に当りながら落下する遊技球が導入口に入球すると、この遊技球は導入口から誘導路へと移動し、さらに誘導路から所定方向へ誘導され、最終的に放出口から誘導部材へと放出される。そして、誘導部材に放出された遊技球は、ステージ上を例えば左右に移動しながら不特定時間滞留し、その後、ステージ外部に落下し、その落下した遊技球の一部は、誘導部材の下方に設けられた始動入賞口等の遊技装置に入球する。
【0045】
しかして、誘導部材の所定箇所には、このステージ外部に落下した遊技球を衝突させることにより、その落下する角度を変えたりまたは跳ね返して再びステージに流入させる遊技球衝突手段を備えており、従って、ステージ外部に落下した遊技球のうちの一部の遊技球は、遊技球衝突手段に衝突することにより、その落下する角度を変えて始動入賞口等の遊技装置に入球したり、あるいは上方に跳ね返って再びステージに流入して始動入賞口等の遊技装置に入球するチャンスが再度与えられる。なお、遊技球衝突手段を設ける下壁の所定箇所は、遊技者にとって利益となる位置、即ち遊技球がステージからこのまま落下すると、始動入賞口等の遊技装置に入球することが困難な位置に設けるようにすれば良い。
【0046】
従って、以上のような構成による請求項11の発明によれば、誘導部材の所定箇所に遊技球衝突手段を備えたので、遊技者は、ステージの外部、即ち遊技盤に落下する全ての遊技球において最後まで期待することができ、即ち、誘導部材のステージに流入した遊技球が、如何なる態様にてステージの外部に落下しても、遊技者が、最後まで予測できない遊技を提供することができ、その結果、遊技の趣向が著しく増大し、遊技性が極めて向上するという顕著な効果を奏する。
【0047】
なお、遊技球衝突手段の具体的な形状や材質等は種々考えられるが、次のようにすると良い。即ち、請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記遊技球衝突手段は、略棒状の弾性部材にて形成され、上記誘導部材に対し、前方に突出するように設けられていることを特徴とする。
【0048】
このように遊技球衝突手段を誘導部材に対し前方に突出するように形成すると、ステージの外部に落下した遊技球を容易に遊技球衝突手段に衝突させることができ、また、遊技球衝突手段を略棒状に形成すると、遊技球は、遊技球衝突手段に衝突した後、様々な方向に角度を変えながら落下するようになり、また、遊技球衝突手段を弾性部材にて形成すると、遊技球は、遊技球衝突手段に衝突した後、付勢されて再びステージに容易に流入することが可能となり、その結果、再び始動入賞口等の遊技装置に入球するチャンスが与えられ、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上するという顕著な効果を奏する。
【0049】
なお、遊技球衝突手段は次のように構成しても良い。即ち、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記遊技球衝突手段は、上記誘導部材に対し、左右方向にスライド自在に設けたことを特徴とする。また、請求項14に記載の発明は、請求項12または請求項13に記載の遊技機における遊技球の誘導装置おいて、上記遊技球衝突手段は、上記誘導部材に対し、前方に突出する角度を変更自在に設けたことを特徴とする。
【0050】
このように遊技球衝突手段を誘導部材、即ち遊技盤に対し、左右方向にスライド自在に設けるたり、あるいは突出する角度を変更自在に設けたりすることで、遊技球衝突手段を遊技盤に対し、所望する位置に及び/または所望する角度で設けることが可能となり、例えば、ホールが、新装開店の際に特別に誘導装置から始動入賞口等の遊技装置への遊技球の入球確率を高くしたいと所望したときには、それに即座に対応することが可能となり、また、遊技機は、入賞口等への入賞確率を変更するため、ホールの所望する角度によって遊技島に立設されるので、これが原因で誘導装置から始動入賞口等の遊技装置への遊技球の入球確率が想定外になったとしても、速やかに対応することが可能となる。つまり、遊技球の転動や移動等の挙動は、極めて微妙であり、従い遊技機の立設される角度に極めて大きな影響を受けるのであるが、このように誘導装置からの遊技球の始動入賞口等の遊技装置への入球確率を任意に変更できるようにすることで、その影響を回避することができるようになる。その結果、ホールにとって極めて使い勝手の良い誘導装置を提供することができるという極めて顕著な効果を奏する。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
図1は、遊技機1の全体正面図である。本実施形態の遊技機1は、図1に示すように、図示しない遊技島に固定される外枠22と、この外枠22に取り付けられた内枠23とから構成されており、内枠23には、遊技者にパチンコ遊技を提供する遊技盤21と、遊技者が操作することにより図示しない打球発射装置を作動させる打球操作ハンドル2と、打球発射装置によって打ち出された遊技球を誘導する打球誘導レール3と、打ち出された遊技球が一定範囲内で飛球するよう設けられた遊技領域形成レール4と、打球誘導レール3及び遊技領域形成レール4によって囲われた遊技領域5と、遊技領域5に打ち出された遊技球を不測の方向へ変化を与える風車20と、特別図柄が回転する様子を示す擬似的な表示(以下、スクロール表示ともいう)を行う液晶表示ディスプレイ(LCD)等で構成された特別図柄表示装置6と、遊技球が入賞することによって特別図柄表示装置6に特別図柄の変動表示(スクロール表示)を開始させる始動入賞口(電動チューリップ)11と、特別図柄表示装置6が特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞口11へ入賞した場合に、当該変動表示が終了した後に、あと何回変動表示するか(最高4回)を遊技者に報知するための保留記憶の点灯表示を順次行う4つの保留LED25と、特別図柄表示装置6内において所定の図柄を表示する図柄表示部30と、この図柄表示部30において3つの特別図柄をそれぞれ個別に表示する左図柄表示部8、中図柄表示部9、右図柄表示部10と、特別図柄表示装置6における表示結果が予め定められた態様(大当り)になった場合、遊技者に有利に開口される大入賞口(アタッカ)7と、遊技球を打球発射装置に供給するための打球供給皿12と、打球供給皿12に入りきらない球を貯留することができると共に、図示しない貯留球箱に遊技球を移動できるようになっている余剰球受皿13と、入賞することによって賞球が払い出される普通入賞口14と、入賞に対する賞球の払い出しや球詰まり、異常を報知する遊技効果ランプ15と、遊技領域5の最下部に設けられた遊技球を回収するアウト口16と、開閉自在に設けられたガラス扉枠17と、一桁の普通図柄を表示し、その普通図柄が予め定められた普通図柄(当り)である場合、始動入賞口11としての電動チューリップの羽根11a,11aを開放する7セグメントLED等で構成された普通図柄表示装置18と、遊技球が通過することによって普通図柄表示装置18に普通図柄の変動表示を開始させる普通図柄作動ゲート19等によって構成されている。
【0052】
この様に構成される遊技機1は、まず、遊技者の打球操作ハンドル2の操作により、打球発射装置から遊技球が発射され、打球誘導レール3と遊技領域形成レール4の間を通って遊技球が遊技盤21上の遊技領域5に打ち出される。そして、遊技球は遊技領域5を自重により落下し、落下する過程においては、遊技盤21に植設される図示しない遊技釘や風車20によって落下する方向に変化を与えられ、始動入賞口11や普通入賞口14に入賞したり、普通図柄作動ゲート19を通過したり、全ての入賞口に入賞しなかった場合には、アウト口16に回収されるようになっている。
【0053】
遊技球が始動入賞口11に入賞した場合には、所定の賞品球を遊技者に与えると共に、図示しない始動入賞検出センサによって遊技球を検出し、特別図柄表示装置6の各図柄表示部8、9、10に特別図柄をスクロール表示させ、所定時間後に左図柄表示部8、右図柄表示部10、中図柄表示部9の順に特別図柄を停止させて抽選を行い、左図柄表示部8の特別図柄と右図柄表示部10の特別図柄とが停止した時点で大当りを構成する特別図柄の組合せ(例えば同一の特別図柄の組合せ)である場合にはリーチとなり、特別図柄表示装置6の図柄表示部30にて所定のリーチアクションが表示されるようになっており、その後中図柄表示部9の特別図柄が停止した時点で確定表示された特別図柄が予め定められた特別図柄の組合せである場合には大当りとなり、図示しないマイクロコンピュータ等で構成される遊技制御手段により、大入賞口7としてのアタッカを所定の態様で開放する大当り遊技が実行されるようになっており、これら以外の特別図柄の組合せである場合には、はずれとなる。
【0054】
従って、遊技者は、大当りを獲得するべく、打球操作ハンドル2を適宜操作して遊技球を遊技盤21上の遊技領域5に打ち出し、始動入賞口11に遊技球を入賞させようと腐心することになる。つまり換言すれば、遊技者の遊技機1における遊技の最大の目標は、いかに始動入賞口11に多くの遊技球を入賞させるかということになる。
【0055】
なお、遊技球が普通入賞口14に入賞した場合には、所定の賞品球が遊技者に与えられる。また、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過した場合には、図示しない作動ゲート検出センサによって遊技球を検出し、普通図柄表示装置18に普通図柄を変動表示させて抽選を行い、確定表示された普通図柄が予め定められた普通図柄である場合には当りとなり、図示しないマイクロコンピュータ等で構成される遊技制御手段により、始動入賞口(電動チューリップ)11の羽根11a,11aを後述するソレノイド40を内蔵する駆動装置39により所定時間開放する当り遊技が実行されるようなっている。
【0056】
図2は、特別図柄表示装置6の正面図である。特別図柄表示装置6には、図柄表示部30の下半分を周回するように、本発明に係わる遊技球の誘導装置を構成する導入口51,51、誘導路52,52、誘導部材50が設けられている。導入口51,51は、その上部が開口された略箱状に形成され、落下してくる遊技球を受入可能に遊技盤21に対し突出して設けられており、受入れた遊技球は図示しない導出口より誘導路52,52に導出するようになっている。
【0057】
誘導路52,52は、その上下部が開口された略直方体状に形成され、導入口51,51から導出された遊技球を受入可能に導入口51,51の後部に連接して設けられており、受入れた遊技球は図2に示す放出口53,53より誘導部材50に導出するようになっている。
【0058】
誘導部材50は、本発明の要部を構成するものでその詳細は後述するが、誘導路52,52から導出された遊技球を受入可能に誘導路52,52の放出口53,53に連接して設けられており、受入れた遊技球は不特定時間滞留した後、最終的に当該誘導部材50に一体的に設けられた始動入賞口11、あるいは遊技領域5に向けて放出するようになっている。
【0059】
従って、上記したように、打球発射装置から発射され遊技盤21上の遊技領域5を落下する過程において、遊技球が、図2に示すように導入口51,51に入球すると、該入球した遊技球は、導入口51,51から誘導路52,52に導出され、さらに誘導路52,52の放出口53,53から誘導部材50に導出されることになり、この誘導部材50に導出された遊技球は、後に詳述する様々な軌道を描きながら始動入賞口11、あるいは再び遊技領域5に向けて放出されることになる。
【0060】
そしてこの誘導部材50から放出されるとき、遊技球は、その方向やスピンに応じて、始動入賞口11に入賞したり、入賞しなかったりする。始動入賞口11への入賞は、上記したように、遊技者が、自身にとって有利な大当りを獲得するための必要条件であり、遊技者にとって極めて関心の高い事項である。そのため、遊技者は、誘導部材50から遊技球がどのような態様で放出されるかを注意深く見守ることになる。
【0061】
ここで誘導部材50の構成について詳述する。図3は、特別図柄表示装置6に設けられる誘導装置の斜視図、図4は、誘導部材50の正面図、図5は、誘導部材50の平面図、図6は、誘導部材50の右側面図、図7は、図5におけるA−A断面図、図8は、図5におけるB−B断面図、図9は、図5におけるC−C断面図、図10は、図5におけるG−G断面図、図11は、段部85の拡大正面図である。
【0062】
誘導部材50は、大別すると、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80、下壁91から構成され、後に詳述するが、各ステージ60、70、80の奥行き方向には、前方を開放する空間が形成されると共に、第1ステージ60の略前方下部には第2ステージ70が設けられ、さらに第1ステージ60の略直下部には第2ステージ70と隣接して第3ステージ80が設けられた2階建て構造となっている。
【0063】
一方、下壁91には、後に詳述するが、第3ステージ80の中央凹面部81に対応する所定の位置に始動入賞口11と、第2ステージ70から落下してきた遊技球を衝突させたり跳ね返したりして、遊技球の始動入賞口11への入賞する確率を高める誘導片92a,92a,92b,92bとが、下壁91と一体的に設けられると共に、始動入賞口11と誘導片92a,92aの略中間に位置し、遊技盤21を露出させて障害釘94,94を植設するための開口部93が穿設されている。
【0064】
また、誘導部材50には、これらの各ステージ60、70、80、下壁91以外にも、第1ステージ60及び第3ステージ80の後端側に沿わせて立設する奥壁56を備えており、即ち、誘導部材50は、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80、奥壁56及び下壁91とから構成されている。
【0065】
まず、第1ステージ60は、第3ステージ80の上部にて略アーチ型の屋根状に形成され、上記誘導路52,52の放出口53,53に連接して設けられており、該放出口53,53から導出された遊技球を受入れて転動させる第1スロープ64と、第1スロープ64の中央後端部に穿設され、第1スロープ64上を転動しつつ不特定時間滞留する遊技球を第1スロープ64から落下させて第3ステージ80に移動する切欠61と、第1スロープ64の前端上側に突設され、第1スロープ64の前側からの遊技球の落下を防止するための前壁62と、第1スロープ64の略両端の裾部に設けられ、第1スロープ64上を転動しつつ不特定時間滞留する遊技球を第1スロープ64から転動させて第2ステージ70に移動する傾斜部63,63とから構成されている。
【0066】
第1スロープ64は、図8に示すように、正面から見て右方向に下り勾配が形成された第1斜面65と、該第1斜面65に連設され略凹面状に勾配が形成された第1谷部66と、該第1谷部66に連設され略凸面状に勾配が形成された長尺状の山部67と、該山部67に連設され略凹面状に勾配が形成された第2谷部68と、該第2谷部68に連設され正面から見て左方向に下り勾配が形成された第2斜面69とから構成されている。つまり、第1スロープ64は、図4に示す長手方向の中心線D−Dに対し左右対称に稜線を有する勾配が形成された曲面構造になっており、従って第1斜面65と第2斜面69、第1谷部66と第2谷部68、山部67は、所定の単一なアールにて形成される(第1斜面65、第2斜面69と山部67は同一のアールとなっている)と共に、上記中心線D−Dに対して互いに対称形状となっている。なお、第1スロープ64の奥行方向の通路幅は、遊技球1個分の径の略2倍程度に形成されると共に、図6及び図7に示すように、その表面奥行方向は水平に設けられている。
【0067】
ここで、図12を用いて上記した誘導路52,52の内部構造について説明する。図12は、特別図柄表示装置6の正面から見て左側に設けられた誘導路52の内部構造を示す正面図である。誘導路52,52は、特別図柄表示装置6の中心線(上記中心線D−D)に対し左右対称に形成され、両者とも同様な内部構造となっているので、ここでは代表して特別図柄表示装置6の左側に設けられた誘導路52についてのみ説明する。誘導路52の内部には、図12に示すように、その左右両縁部に側壁96a、96bが設けられており、この側壁96a、96bの肉厚は、放出口53に向かうにつれて左右方向の厚み(以下、単に厚みともいう)が増すように形成され、さらに両者96a、96bの間は空洞になっている。誘導路52の上端における側壁96a、96bの厚みは、ほぼ同じ厚みになっているが、放出口53に向かうにつれて側壁96aの厚みの方が、側壁96bの厚みよりも大きくなっていき、誘導路52の下端における側壁96a、96bの厚みは、図12に示すように、側壁96aの厚みが側壁96bの厚みの略3倍程度になっている。一方、誘導路52の前後両縁部にも、図示は省略するが、側壁96a、96bと同様の側壁がそれぞれ形成されており、その前側の側壁が側壁96aに相当し、後側の側壁が側壁96bに相当している。
【0068】
即ち、この左右両縁部の側壁96a、96bと前後両縁部の側壁とにより、導入口51から受入れた遊技球を放出口53へと誘導する落下通路95が形成されているのであるが、該落下通路95は、この左右両縁部の側壁96a、96bと前後両縁部の側壁とにより放出口53に向かうにつれてその左右前後方向の径(以下、単に径ともいう)が細くなるテーパー状に設けられることになり、その下端となる略正方形状(図3参照)の放出口53の径は、遊技球1個分の径より少し大きいように形成されている。具体的に放出口53の径は、通常、遊技球の径が11mmであるので、12〜14mm程度となる。そして、落下通路95の下端となる放出口53は、上記した第1ステージ60における第1スロープ64の左端部に臨むようになっているが、この放出口53が第1スロープ64に臨む位置は、図3に示すように、落下通路95と第1スロープ64とが段差を生じない位置、即ち遊技球が落下通路95から放出口53を介して滑らかに第1スロープ64へ転動する位置になっていると共に、放出口53から転動した遊技球が、当該遊技球を第3ステージ80に移動するための切欠61と第2ステージ70に移動するための傾斜部63とを避ける位置に規定されている。
【0069】
つまり、誘導路52,52は、放出口53,53から遊技球を第1スロープ64に導出する際、当該遊技球に所定の方向性と速度を与え、放出口53,53から第1スロープ64に導出した遊技球がすぐに第1スロープ64(第1ステージ60)から第2ステージ70または第3ステージ80に移動するのを阻止してほぼ規則的に第1スロープ64上を転動しつつ不特定時間滞留させるためのものであり、従って、放出口53,53から第1スロープ64に導出された遊技球は、第1スロープ64上を左右に往復運動しながら転動する速度を弱めていき、即ち第1スロープ64上に不特定時間滞留した後、切欠61や傾斜部63,63、あるいは第1スロープ64の両端部等から第2ステージ70または第3ステージ80に移動することになる。
【0070】
また、切欠61は、第1スロープ64の中央山頂の後端部に図3及び図5に示すように半円状に切り欠かれて穿設されており、この半円の径は、遊技球1個分の径より大きいように形成されている。ここで、誘導部材50の一番奥行側にほぼ垂直に立設され、平面状に形成された奥壁56について説明する。この奥壁56は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に略々台形状に形成されており、その上端は、図2に示すように、特別図柄表示装置6の図柄表示部30のすぐ下まで延び、下端は、図6及び図7に示すように、後に詳述する第3ステージ80の所定の単一なアールにて形成された後端面全長に亘って付設されている。
【0071】
また、奥壁56の左右方向の中央には、その上下方向に第1スロープ64上を転動しつつ不特定時間滞留する遊技球を第1スロープ64から落下させて第3ステージ80に移動するための半円溝状に形成された誘導溝55が設けられている。つまり奥壁56は、誘導溝55以外の箇所から、第1スロープ64上の遊技球が誘導部材50の奥行方向の奥側に落下するのを防止する機能を有している。誘導溝55は、上記切欠61に対向して設けられており、その半円の径は、上記切欠61の半円の径とほぼ同じ径に形成され、即ち遊技球1個分の径より大きいように形成されている。
【0072】
従って、切欠61と誘導溝55とは、両者が合体することにより図5に示すように略円状の空間を形成することになり、この円状の空間から第1スロープ64上の遊技球が落下し、誘導溝55に沿って第3ステージ80に移動することになる。即ち誘導路52,52に規制されて放出口53,53から第1スロープ64上に導出された遊技球は、その殆どが規則的に第1スロープ64上を左右に往復運動することになるが、そのうち一部の遊技球は、往復運動した後に第1スロープ64の頂上付近で移動速度を弱め、奥壁56に衝突したりして不特定時間滞留した後に切欠61と誘導溝55とで形成する円状空間へと流入し、誘導溝55に沿って落下しながら第3ステージ80に移動することになる。
【0073】
なお、当該円状の空間の径は、上記説明から明らかなように遊技球1個分の径より大きければ、特に限定するものではないが、あまり遊技球1個分の径(11mm)に近い大きさにすると、遊技球が当該円状の空間に流入しずらくなり、遊技の興趣が低下するので、望ましくは14mm〜16mm程度が良い。
【0074】
また、前壁62は、第3ステージ80の空間部84に対応する第1スロープ64の前端側、換言すれば第1スロープ64の前記第1斜面65、第1谷部66、第2谷部68、第2斜面69をほぼ除く前記山部67の前端側に沿って、上方に向かって短尺状(例えば4〜6mm程度)に突設されており、従って前壁62は、第1スロープ64の前側から第2ステージ70への遊技球の落下を防止する。即ち前壁62は、誘導路52,52に規制されて放出口53,53から第1スロープ64上に導出された遊技球が、第1スロープ64上を左右に往復運動する場合と、往復運動した後に第1スロープ64の頂上付近で移動速度を弱めて不特定時間滞留する場合とにおいて、何れの遊技球も第1スロープ64の前側から落下して第2ステージ70へ移動するのを防止することができるようになっている。
【0075】
なお、前壁62は、略直方体状(図7参照)に前記山部67の前端側の一連全長に亘って形成したが、この形状は限定することなく、例えば蒲鉾状や三角柱状等でも良く、また遊技球が落下もしくは停止しないような間隔を設けて複数に分離して配設けるようにしても良く、さらには、それら形状と配設とを組み合わせるようにして形成しても良い。このようにすれば、第1ステージ60における遊技球の挙動をさらに多種多様にでき、遊技の趣向をさらに増大させることができる。
【0076】
また、傾斜部63,63は、第1スロープ64の裾部となる前壁62(第3ステージ80)の両側、換言すれば第1スロープ64の上記第1谷部66、第2谷部68に略対向する第1スロープ64の前側に略半円状に形成されている。この傾斜部63,63において、その左右方向には、上記第1斜面65または第2斜面69と山部67とに連設され、略凹面状に上記第1谷部66または第2谷部68の勾配よりも少し大きな下り勾配(つまり第1谷部66及び第2谷部68のアールより小さいアール)が形成されており、一方、その奥行方向には、図10に示すように、遊技機1の裏面側となる奥側(以下、単に奥側ともいう)から遊技機1の表面側となる手前側(以下、単に手前側ともいう)に向かって所定の下り勾配が設けられおり、さらに第2ステージ70の境界となる傾斜部63,63の前端箇所には、略三角状の段差59,59が形成されるようになっている。
【0077】
従って傾斜部63,63は、当該傾斜部63,63に第1スロープ64上から流入した遊技球を、手前側に付勢することにより第1スロープ64から第2ステージ70に移動させ、最終的に誘導部材50の外部に流下させる。即ち傾斜部63,63は、誘導路52,52に規制されて放出口53,53から導出された遊技球が、第1スロープ64上を左右に往復運動する過程で当該傾斜部63,63に流入することにより、該流入した遊技球を付勢して上記段差59,59を飛び越えて第2ステージ70に移動させ、さらに第2ステージ70を横切るようにして最終的に誘導部材50の外部に流下させるようになっている。なお、傾斜部63,63から第2ステージ70より誘導部材50の外部に流下した遊技球は、後述する下壁91の誘導片92b,92bに衝突し、高い確率で再び第2ステージ70に跳ね返ってくるようになっている。
【0078】
なお、図10に示す傾斜部63,63の上記所定の下り勾配は、特に限定するものではないが、遊技球が勢いよく転動する角度が望ましく、例えば3〜5度以上が望ましい。このようにすると、仮に遊技機1が奥側にわずかに寝かして(例えば2分〜4分5厘または0.5度〜1度)立設されたりしても、所期の性能を維持することが可能となり、従い誘導部材50の使い勝手が良くなる。
【0079】
次に、第2ステージ70の構成について詳述する。第2ステージ70は、一連全長に亘って所定の単一なアールにて形成され、第1ステージ60の前側にその略両端部が連接するように設けられると共に、第3ステージ80の前側にその略中央部分が連接するように設けられ、第1ステージ60及び第3ステージ80から転動してきた遊技球、または後述する下壁91の誘導片92a,92a,92b,92bにより跳ね返ってきた遊技球を受入れて転動させる第2スロープ71と、第2スロープ71の中央前側に突設され、第3ステージ80の後述する中央凹面部81、凹面部82,82から流下してくる遊技球を誘導部材50の外部に誘導して流下させる誘導板72とから構成されている。
【0080】
第2スロープ71は、図9に示すように、一連全長に亘って略凹面状に勾配が形成されて設けられており、その略両端部は、上記した図8に示す第1スロープ64の第1斜面65及び第2斜面69とつらなり、即ち第2スロープ71の略両端部は、第1斜面65及び第2斜面69と同一の下り勾配が形成され、一方、第2スロープ71の上記両端部以外の中央部は、第3ステージ80の前端側に連接され、第1スロープ64と図9に示す中心線F−Fに対し対称状に設けられ、従って第2スロープ71の中央部は、上記した第1スロープ64の略凸面状に勾配が形成された長尺状の山部67の形状と中心線F−Fに対して対称の形状となっている。
【0081】
換言すれば、第2スロープ71は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に稜線を有する勾配が形成(所定の単一なアールにて形成)された曲面構造になっており、従って上記中心線D−Dに対して対称形状となっている。なお、第2スロープ71の奥行方向の通路幅は、遊技球1個分の径の略1.5倍程度に形成されると共に、第2スロープ71は、図7に示すように、その表面奥行方向に、奥側から手前側に向かって所定の下り勾配が設けられている。
【0082】
従って第2スロープ71において、第1スロープ64の略両端部から転動してきた遊技球は、第2スロープ71上を左右に往復運動しながら転動する速度を弱めていき、即ち第2スロープ71上に不特定時間滞留した後、上記所定の下り勾配により誘導部材50の外部に落下することになり、また、傾斜部63,63から流入してきた遊技球、あるいは切欠61、誘導溝55から第3ステージ80を介して流入してきた遊技球は、第2スロープ71上を奥側から手前側に直線的に横切るようにして誘導部材50の外部に落下することになり、また、これら誘導部材50の外部に落下したとき後述する下壁91の誘導片92a,92a,92b,92bに当たって再び第2スロープ71に跳ね返ってきた遊技球は、第2スロープ71上を不規則的に転動して不特定時間滞留したり、あるいは第2スロープ71を介して第1ステージ60や第3ステージ80に進入し、最終的に再び第2スロープ71を介して誘導部材50の外部に落下することになる。
【0083】
また、誘導板72は、主に第3ステージ80から第2スロープ71を介して流入する遊技球を、誘導部材50の外部に落下させて後述する下壁91と一体的に設けられた始動入賞口11や誘導片92a,92aに誘導するもので、第2スロープ71と同一の単一なアールにて形成され、第2スロープ71の前端の中央箇所に、前側に向かって短尺状(例えば2〜5mm程度)に突設されており、その左右方向の長さは、遊技球略3個分の大きさに形成されている。従い誘導板72は、第2スロープ71とつらなり、該第2スロープ71と同一の略凹面状に勾配が形成されて設けられており、即ち誘導板72は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に稜線を有する勾配が形成された曲面構造になっており、従って上記中心線D−Dに対して対称形状となっている。なお、図6及び図7に示すように、誘導板72は、その表面奥行方向に、奥側から手前側に向かって第2スロープ71と同一の所定の下り勾配が設けられている。
【0084】
従って、誘導板72において、第2スロープ71上に不特定時間滞留した後に転動してきた遊技球は、上記所定の下り勾配により誘導板72を斜めに横切るようにして誘導部材50の外部に落下したり、後述する誘導片92a,92aに当たって再び第2ステージ70に跳ね返ったりすることになり、また、切欠61、誘導溝55から第3ステージ80を介して第2スロープ71から転動してきた遊技球は、即ち、第3ステージ80の後述する中央凹面部81、凹面部82,82から第2スロープ71を直線的に横切るようにして転動してきた遊技球は、同様に誘導板72上を奥側から手前側に直線的に横切るようにして誘導部材50の外部に落下することになり、該落下した遊技球の一部は、後述する始動入賞口11に入賞したり、誘導片92a,92aに当たって方角が変化して始動入賞口11に入賞したりするようになっている。
【0085】
なお、第2スロープ71及び誘導板72に形成される上記所定の下り勾配は、特に限定するものではないが、遊技球が滑らかに転動する角度が望ましく、例えば2〜3度程度が望ましい。このようにすると、仮に遊技機1を奥側にわずかに寝かして(例えば2分〜4分5厘または0.5度〜1度)立設されたりしても、所期の性能を維持することが可能となり、従い誘導部材50の使い勝手が良くなる。
【0086】
次に、第3ステージ80の構成について詳述する。第3ステージ80は、第1ステージ60の略直下部に、第1ステージ60の裏面部と第2ステージ70と奥壁56とで略囲まれて形成される空間部84に設けられており、その平面形状は、図5に示すように略蒲鉾状に設けられ、従って第3ステージ80の後端は所定の単一なアールにて形成され、一方、前端は第2スロープ71の後端に平面から見て直線状に隣接するようになっている。また、第3ステージ80は、その中央部に略小山が複数隆起するような形状の段部85と、該段部85の両側に形成される第3スロープ83,83とにより構成されており、まず段部85は、図5及び図8に示すように、その中央に略凹面状に勾配が形成された中央凹面部81と、該中央凹面部81の両側に隣接する略凹面状に勾配が形成された凹面部82,82と、該凹面部82,82の左右に隣接し、中央に向かって緩やかな上り勾配が形成された半凹面状の山部90,90と、山部90,90と凹面部82,82との間に設けられる凸面部88,88と、凹面部82,82と中央凹面部81との間に設けられる中央凸面部87,87とから構成されている。
【0087】
即ち段部85は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に稜線を有する勾配が形成された曲面構造になっており、従って中央凹面部81、凹面部82,82、山部90,90は、所定のアールにて形成されると共に、上記中心線D−Dに対して互いに対称形状となっている。なお、中央凹面部81及び山部90,90は、単一のアールにて形成されているが、凹面部82,82は、図11に示すように、二つの連続するアールR1,R1,R2,R2にて形成されており、この二つのアールR1,R1,R2,R2のうち、中央寄り(中央凹面部81寄り)のアールR2,R2は、端寄り(山部90,90寄り)のアールR1,R1よりも小さく形成されいる。
【0088】
つまり、凹面部82,82において、中央寄りのアールR2,R2の下り勾配は、端寄りのアールR1,R1の下り勾配よりも急勾配となっており、さらに左右方向における中央寄りのアールR2,R2の長さは、端寄りのアールR1,R1の長さよりも短くなっている。凹面部82,82がこのように形成されている理由は、後述する下壁91の誘導片92a,92a,92b,92bに当たって跳ね返ってきた遊技球が、第3ステージ80の両側に形成される第3スロープ83,83から段部85に流入し、山部90,90の緩やかな上り勾配を転動して凸面部88,88をのり越えて凹面部82,82に流入する場合において、この凹面部82,82に流入した遊技球を、緩やか且つ長く形成されたアールR1,R1上を転動させることにより付勢し、その流れに勢いを増加させてアールR2,R2へと流出し、該アールR2,R2に流入した遊技球を、その勢いによりアールR1,R1より上りが急勾配且つ短く形成されたアールR2,R2を一気に駆け上がらせて中央凸面部87,87を飛び越えるようにして中央凹面部81に導出させたいからである。
【0089】
また、段部85は、図5及び図7に示すように、第3ステージ80のほぼ前端から後端に亘って形成されており、特に中央凹面部81全体と凹面部82,82の一部は、上記した奥壁56の誘導溝55に当接し、切欠61と誘導溝55とにより形成される略円状の空間を臨むようになっている。これにより、この円状の空間から落下してきた遊技球は、高い確率にて中央凹面部81に導出されるようになる。なお、段部85(中央凹面部81、凹面部82,82、中央凸面部87,87、凸面部88,88、山部90,90)は、その奥行方向は水平に設けられている。
【0090】
従って、段部85において、上記円状の空間から落下し誘導溝55に沿って移動してきた遊技球は、中央凹面部81もしくは凹面部82,82の何れかを転動して上記第2スロープ71上に落下し、さらに第2スロープ71及び誘導板72上を奥側から手前側に直線的に横切るようにして誘導部材50の外部に落下することになる。この場合、中央凹面部81から転動して誘導部材50の外部に落下した遊技球は、後述する始動入賞口11に入賞する確率が高くなっており、一方、凹面部82,82から転動して誘導部材50の外部に落下した遊技球は、始動入賞口11に入賞する確率は高くはないが、誘導片92a,92aに当たって方角が変化して始動入賞口11に入賞するようになっている。
【0091】
また、後述する第3スロープ83,83から段部85に流入する遊技球、つまり第2スロープ71上から誘導部材50の外部に落下した遊技球のうち、後述する誘導片92a,92a,92b,92bに当たって跳ね返ることにより第3スロープ83,83から段部85に流入する遊技球は、山部90,90に流入した後再び第3スロープ83,83に戻ったり、あるいは山部90,90を転動し凸面部88,88をのり越えて凹面部82,82に導出したり、もしくは山部90,90を転動し凸面部88,88をのり越えて凹面部82,82に流入し、さらに凹面部82,82を転動し中央凸面部87,87飛び越えて中央凹面部81に導出したりすることになり、その後上記したように最終的に誘導部材50の外部に落下することになる。なお、山部90,90から凹面部82,82に流入した遊技球は、アールR1,R1,R2,R2により高い確率にて中央凹面部81に導出されるようになっている。
【0092】
また、第3スロープ83,83は、その平面形状は、図5に示すように略々三角状に設けられ、その左右方向は、図8及び図9に示すように、全長に亘って略凹面状に上記第2スロープ71と同一の勾配が形成され、段部85の山部90,90に連接して設けられている。また、第3スロープ83,83の前端は、上記第2スロープ71の後端側に連接され、一方、後端は、図5に示すように、上記第1スロープ64の裏面部に当接されている。つまり、第3スロープ83,83は、正面視すると、第1スロープ64と図8に示す空間部84の中心線E−Eに対し対称状に設けられ、従って第3スロープ83,83は、上記した第1スロープ64の長尺状の山部67に形成された略凸面状の勾配と中心線E−Eに対して対称の略凹面状の勾配となっている。
【0093】
換言すれば、第3スロープ83,83は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に稜線を有する勾配が形成(所定の単一なアールにて形成)された曲面構造になっており、従って上記中心線D−Dに対して対称形状となっている。なお、図7に示すように、第3スロープ83,83は、その表面奥行方向は水平に設けられている。
【0094】
従って第3スロープ83,83において、第2スロープ71の後端部から転動してきた遊技球は、即ち後述する誘導片92a,92a,92b,92bに当たり跳ね返って流入してきた遊技球は、第3スロープ83,83上を左右に転動して段部85(山部90,90)に流入したり、あるいは再び第2スロープ71に戻ったりするようになっている。
【0095】
次に、下壁91の構成について説明する。下壁91は、図3及び図4に示すように、略々台形の平面薄板状に形成されると共に、誘導部材50の略前側にほぼ垂直に立設され、遊技盤21の表面に下壁91の裏面が重合するように上記第2スロープ71の前端から下方に向かって延びるように設けられている。下壁91の上端は、一連全長に亘って所定の単一なアールにて形成され、上記第2スロープ71と同一のアールとなっており、また、下壁91の左右両側端は、上部の単一な直線と、その直線に続く大アールと、その大アールに続く小アールとにより、下方に向かうにつれて下壁91の左右方向の幅が狭まるように形成されており、さらに、下壁91の下端は、上記小アールの下端をつなぐ単一な水平の直線により形成されており、即ち下壁91の形状は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に形成されている。
【0096】
なお、上記した下壁91における大アール形状は、特に限定するものではなく、即ち導入口51,51に入球しなかった遊技球を始動入賞口(電動チューリップ)11に向かって誘導させるため、遊技盤21の特別図柄表示装置6の左右下方付近に植設される図示しない障害釘の配列に合わせた形状にて形成するようにすれば良い。このようにすれば、導入口51,51に入球しなかった遊技球でも、始動入賞口(電動チューリップ)11に入賞するチャンスが広がることになり、その結果、遊技の興趣が高まり、遊技性が向上する。
【0097】
また、下壁91には、その上方から下方に向かって誘導片92a,92a,92b,92b、開口部93、始動入賞口(電動チューリップ)11が順に設けられており、まず、誘導片92a,92a,92b,92bについて説明する。下壁91の略上部には、第2ステージ70(第2スロープ71及び誘導板72)から落下してきた遊技球を、衝突させることにより流下する角度を変えたり、あるいは跳ね返して再び第2ステージ70に流入させるための、即ち遊技球の始動入賞口11への入賞する確率を高めるための略円柱状の弾性部材にて形成された誘導片92a,92a,92b,92bが、前方略水平状に突出するように設けられている。
【0098】
この誘導片92a,92a,92b,92bのうち、誘導片92a,92aの左右方向の配設位置は、図4に示すように、正面から見て上記凹面部82,82の中心より略左右側、つまり凸面部88,88の略下側付近に対応するように設けられており、従って、凹面部82,82を通って第2ステージ70(誘導板72)より垂直状に落下してくる遊技球は、後述する図16(A)(B)に示すように、誘導片92a,92aの中心線D−Dに近いほぼ横側に衝突し、始動入賞口11の方向に向かってその流下する角度を変えることになり、誘導片92b,92bは、図4に示すように、正面から見て上記傾斜部63,63の中心より略々左右側(誘導片92a,92aの両端側)に設けられており、従って、傾斜部63,63を通って第2ステージ70(第2スロープ71)より垂直状に落下してくる遊技球は、後述する図17(A)に示すように、誘導片92b,92bのほぼ上斜め横側(中心線D−Dに近い側)に衝突して跳ね返り、再び第2ステージ70に流入した後、第3ステージ80(第3スロープ83,83)に向かって転動することになる。
【0099】
さらに、誘導片92a,92a,92b,92bは、第2ステージ70(第2スロープ71及び誘導板72)から不規則的に落下してきた遊技球を偶発的に衝突させて、始動入賞口11の方向に向かってその流下する角度を変えたり、再び第2ステージ70に跳ね返らせて第3ステージ80に向かって転動させたりするようになっている。これにより、上記中央凹面部81を通らずに遊技球が落下しても、始動入賞口11に誘導されることがあり、遊技者は、遊技球の挙動から目を離すことなく、第2ステージ70から落下する遊技球に最後まで期待することができ、遊技の趣向が増大する。なお、誘導片92a,92a,92b,92bは、その形状を略円柱状にて形成したが、これは、例えば角柱状等であっても良い。即ち、所望する性能を維持できる形状であれば、どのような形状であっても良い。
【0100】
次に、開口部93は、第2ステージ70(第2スロープ71及び誘導板72)から落下してきた遊技球や誘導片92a,92a,92b,92b(特に92a,92a)に衝突して落下してきた遊技球を、衝突させることにより流下する角度を変えて始動入賞口11へ誘導したりしなかったりするための始動入賞口11の上方に設けられる障害釘94,94を、遊技盤21に植設するための開口であり、下壁91のほぼ中央に略矩形状に穿設されて形成されている。
【0101】
本実施形態においては、障害釘94,94の左右方向の植設位置は、図4に示すように、正面から見て上記凹面部82,82の中心付近に対応するように、換言すれば、誘導片92a,92aの内側(中心線D−Dに近い側)にあって始動入賞口11の羽根11a,11aとほぼ同じ間隔(遊技球より少し大きい間隔、例えば13mm)にて設けてあるが、これは、遊技機1の設計により適宜変更されるもので、従って、開口部93の大きさは、その変更に耐えうるように余裕を持った大きさとなっている。なお、本実施形態においては、障害釘94,94は2本としたが、これは限定されることなく、例えば障害釘94,94の直上部にさらに2本植設するようにしても良い。
【0102】
このように開口部93を設けることにより、始動入賞口11の上方に障害釘94,94を設けることが可能になるので、遊技盤21に対する障害釘94,94の突出角度を調整することにより、遊技球の始動入賞口11への入賞確率を任意に変更することができるようになる。
【0103】
次に、始動入賞口(電動チューリップ)11について詳述する。下壁91の略下部には、遊技球が入賞することにより特別図柄表示装置6の各図柄表示部8、9、10(図柄表示部30)に特別図柄を表示させて大当りの抽選を行うための始動入賞口11が設けられている。ここで図7及び図13を参照しながら、始動入賞口11の下壁91への取り付け状態について説明する。
【0104】
図13は、始動入賞口11(電動チューリップ)の下壁91への取り付け状態を説明する分解斜視図である。なお、図13において、91は、始動入賞口11(電動チューリップ)が取り付けられる箇所となる下壁の一部分のみを示している。下壁91の略中央下方には開口部97が穿設されており、この開口部97の左右両側の略上方には支軸41,41が突設されている。開口部97は、後述する始動入賞口(電動チューリップ)11の入賞通路42を遊技盤21の裏面側に挿通させるため、及び後述する駆動装置39の揺動部材43,43を遊技盤21の表面側に挿通させるための開口であり、図7及び図13に示すように、入賞通路42より少し大きな矩形状に形成されている。また、支軸41,41は、始動入賞口(電動チューリップ)11の羽根11a,11aの下部に設けられた孔に挿通されて、羽根11a,11aを左右に回動自在に軸支するためのもので、金属製の細い円柱状に形成され、後述する入賞通路42の外側を通って始動入賞口(電動チューリップ)11の所定箇所に、その前端部が嵌合連結されている。
【0105】
下壁91の前面側に取り付けられる始動入賞口(電動チューリップ)11の下部後側には、入賞通路42が設けられており、この入賞通路42は、その上部が開放された略凹状に形成され、その前部が羽根11a,11aの下方に臨んでいる。また、入賞通路42の底面、つまり始動入賞口(電動チューリップ)11に入賞した遊技球が転動する面は、該入賞した遊技球が円滑に転動するよう、図7に示すように、その前部には所定のアール面が形成されていると共に、このアール面に連接して所定の下り勾配が形成された斜面が形成されている。なお、羽根11a,11aの後面下部には、後述する揺動部材43,43を遊嵌するための凹部47(図7参照)が形成されている。
【0106】
下壁91の後面側に取り付けられる駆動装置39は、上記入賞通路42の上部に載置されるように略箱状に設けられ、その内部には、ソレノイド40が設けられており、このソレノイド40のプランジャ44にはスプリング45が遊嵌されると共に、その前部に揺動部材43,43が取り付けられている。羽根11a,11aを回動させる作動伝達機構は、ソレノイド40のオン(励磁)オフ(消磁)によって摺動するプランジャ44の直線運動を羽根11a,11aの回動運動に変換させるもので、従って揺動部材43,43は、その後端がピン48によりプランジャ44に連結されると共に、支軸46にて上下に回動自在に軸支されており、駆動装置39の筐体の前面下方に形成された長孔状の開口部49から突出し、下壁91の開口部97を通り、さらに上記入賞通路42の内側を通って上記始動入賞口(電動チューリップ)11の凹部47に、その前部が遊嵌するようになっている。
【0107】
このように構成される始動入賞口(電動チューリップ)11を下壁91に取り付けるには、まず下壁91の前面側から入賞通路42を開口部97に挿通し、次に支軸41,41を羽根11a,11aの下部孔に挿通して始動入賞口(電動チューリップ)11と下壁91とを連結した後、ビス等で始動入賞口(電動チューリップ)11を下壁91に固着する。そして次に、下壁91の後面側から駆動装置39の揺動部材43,43を開口部97の上部に挿通し、次に揺動部材43,43の前部を始動入賞口(電動チューリップ)11の凹部47にそれぞれ遊嵌した後、ビス等で駆動装置39を下壁91に固着するようにすれば良い。
【0108】
このように下壁91に取り付けられた始動入賞口(電動チューリップ)11は、常態において図7及び図13に示すように、ソレノイド40がオフ(消磁)し、スプリング45の付勢によってプランジャ44が前進しているので揺動部材43,43が下向きとなり、羽根11a,11aは垂直状に閉口した状態となっている。この状態においては、上記障害釘94,94の間を流下した遊技球のみが入賞可能となっている。一方、上記したように、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過し、普通図柄表示装置18に予め定められた普通図柄(当り)が確定表示された場合には、ソレノイド40がオン(励磁)されプランジャ44が後方に摺動するので、揺動部材43,43が支軸46を支点に揺動されて上向きに回動し、該揺動部材43,43の上向きの回動に伴って羽根11a,11aが支軸41を支点に左右に回動されて逆ハの字状に開放し、始動入賞口(電動チューリップ)11は、遊技球が入賞しやすい遊技者に有利な状態となる。この状態においては、上記障害釘94,94の間を流下しなかった遊技球も入賞可能となっている。そして、始動入賞口(電動チューリップ)11に入賞した遊技球は、入賞通路42を滑らかに転動しながら流下し、図示しない始動入賞検出センサによって検出されることにより、特別図柄表示装置6の各図柄表示部8、9、10に特別図柄を変動表示後確定表示させる大当り抽選が実行されることになる。
【0109】
このように始動入賞口(電動チューリップ)11は、下壁91に設けられた開口部97と支軸41,41とにより位置決めされ、下壁91に予め一体的に設けられて形成されている。もとより、この始動入賞口(電動チューリップ)11の取り付け位置は、通常、上記した中央凹面部81に対応して設けられるものであり、即ち始動入賞口(電動チューリップ)11の遊技盤21に対する取り付け位置は、切欠61と誘導溝55とにより形成される略円状空間から中央凹面部81を通って第2ステージ70から落下する遊技球を、高い確率にて始動入賞口(電動チューリップ)11に入賞させるため、始動入賞口(電動チューリップ)11の左右方向の中央(羽根11a,11a間の中央)と、中央凹面部81の左右方向の中央とが図4に示す中心線D−D上に存在することが条件となっている。従って本実施形態のように、始動入賞口(電動チューリップ)11を下壁91に予め一体的に設けると、即ち始動入賞口(電動チューリップ)11を誘導部材50に予め一体的に設けると、中央凹面部81に対し始動入賞口(電動チューリップ)11を極めて高い精度、且つ極めて容易に遊技盤21に取り付けることが可能となる。
【0110】
なお、支軸41,41は、下壁91に一体的に設けられるようにしたが、これは限定されることなく、例えば、始動入賞口(電動チューリップ)11側に一体的に設け、下壁91に支軸41,41を連結する手段、例えば支軸41,41の前端部を嵌合する孔等を設けるようにしても良いし、あるいは、支軸41,41を下壁91及び始動入賞口(電動チューリップ)11とは別体に設け、下壁91及び始動入賞口(電動チューリップ)11に支軸41,41の前後端部を嵌合する孔等を設けるようにしても良い。
【0111】
上記の説明で明らかなように、下壁91には、遊技球の挙動に変化を与え始動入賞口11への入賞する確率を高める誘導片92a,92a,92b,92bと、始動入賞口(電動チューリップ)11への入賞確率を任意に変更することができる障害釘94,94が植設可能な開口部93と、始動入賞口(電動チューリップ)11を高い精度且つ容易に取り付けることができる開口部97及び支軸41,41とが設けられているので、この下壁91により、誘導部材50の価値を高め遊技機1の遊技性が向上すると共に、遊技機1の使い勝手が良くなる。
【0112】
次に、上記のように構成される誘導部材50における遊技球の具体的な流れについて詳述する。図14は、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80の遊技球の流れを説明するため、その一部(奥壁56)の構成を省略した誘導部材50の斜視図、図15乃至図18は、始動入賞口11に入賞するときの遊技球の流れを説明するための説明図である。
【0113】
まず、代表的な始動入賞口11に入賞するときの遊技球の流れについて説明する。図14及び図15(A)において、例えば左側の誘導路52から第1ステージ60に導出された遊技球は、まず、規則的に第1スロープ64上を矢印A→B→T→Sという順に転動した後、こんどは反対方向に矢印S→T→B→Aという順に転動する往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱め前壁62や奥壁56に衝突しながら第1スロープ64上に不特定時間滞留した後、矢印Hに示すように、切欠61と誘導溝55とで形成される円状空間へと流入して落下し、誘導溝55に誘導されて、矢印Mに示すように、中央凹面部81上を転動し、さらに矢印Vに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下する。そして、誘導部材50の外部に落下した遊技球は、図15(B)に示すように、誘導片92a,92aに接触することなく、且つ障害釘94,94の間を通って始動入賞口11に入賞する。
【0114】
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第1ルートともいう)は、図14において矢印A→B→T→S→T→B→A→B→H→M→Vというようなルートとなる。なお、この第1ルートにおいては、高い確率にて始動入賞口11に入賞することになる。
【0115】
次に、図14及び図16(A)において、第1ルートと同様、第1スロープ64から上記円状空間へと流入したものの中央凹面部81に落下せず、矢印G、Nに示すように、凹面部82,82に落下したときには、矢印UまたはQに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下する。そして、誘導部材50の外部に落下した遊技球は、図16(B)に示すように、誘導片92a,92aに衝突し、その流下する角度を変え障害釘94,94の間を通って始動入賞口11に入賞する。
【0116】
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第2ルートともいう)は、図14において矢印A→B→T→S→T→B→A→B→H→G→U、または矢印A→B→T→S→T→B→A→B→H→N→Qというようなルートとなる。なお、図16(A)(B)においては、前者のルート(矢印A→B→T→S→T→B→A→B→H→G→U)を示している。また、この第2ルートにおいては、始動入賞口11に入賞する確率は高くない。
【0117】
次に、図14及び図17(A)において、第1ルートと同様、第1スロープ64上を往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱め前壁62や奥壁56に衝突しながら第1スロープ64上に不特定時間滞留した遊技球が、上記円状空間へ流入せずに、矢印CまたはJに示すように、傾斜部63,63に流入したときには、矢印EまたはKに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導部材50の外部に落下する。そして、誘導部材50の外部に落下した遊技球は、図17(A)に示すように、誘導片92b,92bに衝突し、再び第2スロープ71に流入し、さらに第3スロープ83,83を通って中央凹面部81または凹面部82,82に流入し、その後は、上述した第1ルートまたは第2ルートと同じルートを通って始動入賞口11に入賞する。
【0118】
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第3ルートともいう)は、図14において矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→G→Uもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→G→U、または矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→M→Vもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→M→V、または矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→N→Qもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→N→Qというようなルートとなる。なお、図17(A)(B)においては、矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→G→U及び矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→G→Uのルートを示している。
【0119】
次に、図14及び図18(A)において、第1ルートと同様、第1スロープ64上を往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱め前壁62や奥壁56に衝突しながら第1スロープ64上に不特定時間滞留した遊技球が、上記円状空間及び傾斜部63,63のどちらにも流入せずに、矢印DまたはIに示すように、第1スロープ64の両端部をユーターンするようにして第2スロープ71に流入したときには、該遊技球は、第2スロープ71上を矢印F→Lという順に転動した後、こんどは反対方向に矢印L→Fという順に転動する往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱めながら第2スロープ71上に不特定時間滞留した後、第2スロープ71を斜めに横切るようにして誘導部材50の外部に落下する。そして、誘導部材50の外部に落下した遊技球は、図18(A)に示すように、誘導片92b,92bに衝突し、再び第2スロープ71に流入し、さらに第3スロープ83,83を通って中央凹面部81または凹面部82,82に流入し、その後は、上述した第1ルートまたは第2ルートと同じルートを通って始動入賞口11に入賞する。
【0120】
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第4ルートともいう)は、図14において矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→G→Uもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→G→U、または矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→M→Vもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→M→V、または矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→N→Qもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→N→Qというようなルートとなる。なお、図18(A)(B)においては、矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→M→V及び矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→M→Vのルートを示している。
【0121】
なお、上記第1〜4ルート以外にも、発生する頻度は少ないものの遊技球が始動入賞口11に入賞するルートは種々あり、例えば、第3ルートにおいて、誘導片92b,92bに衝突し、再び第2スロープ71に流入した遊技球が、第3ステージ80に流入することなく第2スロープ71上を矢印F→Lあるいは矢印L→Fというように往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱めながら第2スロープ71上に不特定時間滞留した後、矢印VまたはUもしくはQに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下して始動入賞口11に入賞するルートがある。
【0122】
つまり、この場合の遊技球のルートは、図14において矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→F→L→F→L→Uもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→F→L→F→L→U、または矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→F→L→F→L→Vもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→F→L→F→L→V、または矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→F→L→F→L→Qもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→F→L→F→L→Qというようなルートとなる。
【0123】
また、例えば、第4ルートにおいて、第1スロープ64の両端部をユーターンするようにして第2スロープ71に流入し、該第2スロープ71上を往復運動して不特定時間滞留した遊技球が、誘導片92b,92bに衝突せずに、つまり第3ステージ80に流入することなく、第2スロープ71を斜めに横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下して始動入賞口11に入賞するルートがある。
【0124】
つまり、この場合の遊技球のルートは、図14において矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→Uもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→U、または矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→Vもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→V、または矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→Qもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→Qというようなルートとなる。
【0125】
さらにまた、例えば、第4ルートにおいて、誘導片92b,92bに衝突し、再び第2スロープ71に流入した遊技球が、第3ステージ80に流入することなく第2スロープ71上を矢印F→Lあるいは矢印L→Fというように往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱めながら第2スロープ71上に不特定時間滞留した後、矢印VまたはUもしくはQに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下して始動入賞口11に入賞するルートがある。
【0126】
つまり、この場合の遊技球のルートは、図14において矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L(衝突)→F→L→F→L→Uもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L(衝突)→F→L→F→L→U、または矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L(衝突)→F→L→F→L→Vもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L(衝突)→F→L→F→L→V、または矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L(衝突)→F→L→F→L→Qもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L(衝突)→F→L→F→L→Qというようなルートとなる。
【0127】
次に、代表的な始動入賞口11に入賞しないときの遊技球の流れについて簡単に説明する。まず第1例として、上記第2ルート、第3ルート、第4ルートにおいて、矢印U、Q(図14参照)に示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下した遊技球が、誘導片92a,92aに衝突してその流下する角度を変えたものの、その変更した流下角度が悪く、始動入賞口11に入賞しない場合であり、次に第2例として、第3ルート、第4ルートにおいて、矢印E、K(図14参照)、図17(A)、図18(A)に示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして、あるいは第2スロープ71を斜めに横切るようにして誘導部材50の外部に落下した遊技球が、誘導片92b,92bに衝突してその流下する角度を変えたものの、その変更した流下角度が悪く、再び第2スロープ71に流入することなく、そのまま遊技盤21上(遊技領域5)を落下して始動入賞口11に入賞しない場合であり、最後に第3例として、第4ルートにおいて、第2スロープ71を斜めに横切るようにして誘導部材50の外部に落下した遊技球が、誘導片92a,92a,92b,92bに接触することなく、そのまま遊技盤21上(遊技領域5)を落下して始動入賞口11に入賞しない場合である。なお、上記した第1〜3例以外にも、遊技球が始動入賞口11に入賞しないルートは種々あるが、ここでの説明は省略する。
【0128】
また、上記した誘導部材50にかかる遊技球の流れにおいては、左側の誘導路52から第1ステージ60に導出された遊技球について説明したが、右側の誘導路52から第1ステージ60に導出された遊技球の流れについては、上記に準じるものとし、ここでの説明は省略する。
【0129】
なお、以上説明した誘導部材50にかかる遊技球の流れは、その代表的なものを例示しただけにすぎず、その他の態様を排除するものではない。即ち、誘導部材50にかかる遊技球の流れは、上述した以外にも、そのときの遊技球の方向、速度、スピン等の条件によって様々な態様を示すことになる。
【0130】
以上説明したように、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置は、導入口51,51、誘導路52,52、誘導部材50より構成されて特別図柄表示装置6に上記中心線D−Dに対して互いに対称状に一体的に設けられ、さらに誘導部材50は、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80、奥壁56、下壁91より形成され、各ステージ60、70、80の奥行き方向には、前方を開放する空間が形成される2階建て構造になっている。導入口51,51は、遊技盤21上(遊技領域5)を落下してくる遊技球を受入れて誘導路52,52へ導出し、誘導路52,52は、その内部にテーパー状に設けられた落下通路95,95により、該受入れた遊技球に所定の方向性と速度を与えて放出口53,53から誘導部材50へと、当該遊技球を導出するようになっている。そして、誘導部材50に流入した遊技球は、その所定の方向性と速度により、稜線を有する勾配が形成された第1スロープ64(第1ステージ60)上を規則的に左右に往復運動しながら転動する速度を弱めていき、第1スロープ64上の前壁62や奥壁56に衝突したりして不特定時間滞留した後、切欠61と奥壁56の誘導溝55とで形成する第1スロープ64の中央山頂に形成された円状空間から第3ステージ80に、あるいは第1スロープ64の両端部や傾斜部63,63から第2ステージ70に移動するようになっている。
【0131】
そして、切欠61と誘導溝55とで形成された円状空間から第3ステージ80に流入した遊技球は、中央凹面部81あるいは凹面部82,82のどちらかに流入し、中央凹面部81に流入した遊技球は、第2スロープ71の誘導板72の中央から落下したとき、始動入賞口(電動チューリップ)11の左右方向の中央(羽根11a,11a間の中央)と、中央凹面部81の左右方向の中央とが図4に示す中心線D−D上に存在するように、中央凹面部81に対し始動入賞口(電動チューリップ)11が極めて高い精度にて下壁91に一体的に取り付けられていることにより、高い確率にて始動入賞口11に入賞するようになっており、一方、凹面部82,82に流入した遊技球は、第2スロープ71の誘導板72の側方から落下したとき、確率は高くないものの下壁91の誘導片92a,92a衝突し、その流下する角度を変えて始動入賞口11に入賞するようになっている。さらに、下壁91には、始動入賞口11の上方に、その突出角度を調整することにより、始動入賞口11への入賞確率を任意に変更することができる障害釘94,94を設けることが可能な開口部93が設けられている。
【0132】
また、傾斜部63,63から第2ステージ70に流入した遊技球の一部は、第2スロープ71を直線的に転動して誘導部材50の外部に落下し、このとき誘導片92b,92bに衝突して再び第2スロープ71に流入するようになっている。また、第1スロープ64の両端部から第2ステージ70に流入した遊技球の一部は、所定の単一なアールにて形成された第2スロープ71上を左右に往復運動しながら転動する速度を弱めて不特定時間滞留した後、不規則的に第2スロープ71を斜め前方等に転動して誘導部材50の外部に落下し、このとき誘導片92a,92a,92b,92bに偶発的に衝突して再び第2スロープ71に流入するようになっている。
【0133】
従って本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置によれば、始動入賞口(電動チューリップ)11が誘導部材50の下壁91に一体的に設けられているので、従来の誘導装置と始動入賞口(電動チューリップ)11とを別個に遊技盤21に取り付ける場合に比して、中央凹面部81に対し始動入賞口(電動チューリップ)11を極めて高い精度、且つ極めて容易に遊技盤21に取り付けることが可能となり、従って切欠61と誘導溝55とにより形成される略円状空間から中央凹面部81を通って第2ステージ70から落下する遊技球を、高い確率にて始動入賞口(電動チューリップ)11に入賞させることが可能となる。始動入賞口(電動チューリップ)11への遊技球の入賞は、遊技者にとって大当りを獲得するための重要な条件であり、従い、遊技者は、中央凹面部81に遊技球が流入した場合には、極めて大きな期待を持つことができ、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。つまり、ホールが所望する誘導装置から始動入賞口11への遊技球の入賞確率を想定通り確実に実行することができ、即ち誘導装置の所期の仕様性能を確実に発揮することができ、ホールにとって使い勝手の良い誘導装置を提供することができる。
【0134】
また、下壁91において、始動入賞口(電動チューリップ)11の上方には、遊技盤21に障害釘94,94を植設可能な開口部93を設けたので、遊技機1遊技盤21におけるゲージ構成の自由度が向上し、その結果、遊技機1の設計が容易となる。さらに、遊技盤21に対する障害釘94,94の突出角度を調整することにより、ホールが所望する誘導装置から始動入賞口11への遊技球の入賞確率を任意に変更することができる。
【0135】
例えばホールが、新装開店の際に特別に当該誘導装置から始動入賞口(電動チューリップ)11への遊技球の入賞確率を高くしたいと所望したときには、それに即座に対応することが可能となり、さらに例えば、遊技機1は、入賞口等への入賞確率を変更するため、ホールの所望する角度によって遊技島に立設されるので、つまりホールの所望によって、垂直に立設されたり、わずかに寝かして(例えば2分〜4分5厘または0.5度〜1度)立設されたりするので、これが原因で当該誘導装置から始動入賞口(電動チューリップ)11への遊技球の入賞確率が想定外になったとしても、速やかに対応することが可能となる。つまり、遊技球の転動や移動等の挙動は、極めて微妙であり、従い遊技機1の立設される角度に極めて大きな影響を受けるのであるが、このように誘導装置からの遊技球の始動入賞口(電動チューリップ)11への入賞確率を任意に変更できるようにすることで、その影響を回避することができるようになる。その結果、ホールが所望する誘導装置から始動入賞口(電動チューリップ)11への遊技球の入賞確率が想定外になり、それによりホールにとって不利益が発生することを防止することができ、即ち使い勝手の良い誘導装置を提供することができるようになる。
【0136】
また、誘導路52,52の放出口53,53より放出され第1ステージ60に流入した遊技球は、第1ステージ60に形成された稜線を有する勾配により、その挙動に躍動感を与えられながら様々な態様にて第2ステージ70や第3ステージ80に導出され、さらに第2ステージ70または第3ステージ80に導出された遊技球は、第2ステージ70や第3ステージ80のアール構造や突起構造等によりその挙動を多種多様に変化させながら、不特定時間第2ステージ70または第3ステージ80に滞留可能になっているので、遊技者は、各ステージ60、70、80における遊技球の挙動を十分に楽しむことができる。
【0137】
さらに、第3ステージ80の中央凹面部81から誘導部材50の外部に落下する遊技球は、高い確率にて始動入賞口11に入賞し、一方、第3ステージ80の凹面部82,82や第3ステージ80を通ることなく第2ステージ70から誘導部材50の外部に落下する遊技球は、下壁91の誘導片92a,92a,92b,92bにより、その一部は始動入賞口11に入賞するようにしたので、遊技者は、誘導部材50の外部に落下する全ての遊技球において最後まで期待することができ、即ち、遊技者は、誘導部材50に流入した遊技球が、如何なる態様にて誘導部材50の外部に落下しても、始動入賞口11への入賞を期待することができ、その結果、始動入賞口11への遊技球の入賞する確率が上昇して遊技の趣向が増大し、遊技性が極めて向上する。
【0138】
特に、凹面部82,82は、その表面が二つの連続するアールR1,R1,R2,R2の曲面にて形成され、左右方向から転動してきた遊技球を中央凹面部81に誘導しやすくなっているので、誘導片92a,92a,92b,92bにより、跳ね返って第2ステージ70に流入した遊技球は、第2スロープ71から第3ステージ80に進入し、凹面部82,82を乗り越えて中央凹面部81に到達して、最終的に始動入賞口11へ入賞することが期待でき、その結果、遊技者は、なおさら誘導部材50の外部に落下する全ての遊技球において最後まで期待することができる。
【0139】
また、第1スロープ64の中央山頂箇所に、遊技球を第3ステージ80に誘導するための切欠61と誘導溝55とで形成する円状空間を設けたので、即ち遊技球が、この円状空間へ流入することにより中央凹面部81に誘導される確率が高く、従って始動入賞口11に入賞する確率が高くなるので、遊技者は、この円状空間に遊技球が流入するか否かを期待しながら注意深く見守ることになり、さらに、第1スロープ64の稜線を往復している遊技球は、この山頂付近で転動する速度が遅くなって滞留することが多いのであるが、当該円状空間は、第1スロープ64の中央山頂箇所に設けられているので、従って、遊技者は、この山頂付近で遊技球が滞留した場合、つまり当該円状空間に遊技球が流入するか否かが際どい位置に遊技球が滞留した場合には、一喜一憂することができ、その結果、遊技の趣向が極めて増大し、遊技性が極めて向上する。
【0140】
特に、第1スロープ64に滞留した遊技球のうち、当該円状空間に流入しなかった遊技球は、全て前壁62と奥壁56とにより、第2ステージ70(第2スロープ71)に強制的に転動され、この時点では、中央凹面部81に遊技球が流入するチャンスが無くなるので、なおさら、遊技者は、第1スロープ64上の遊技球の滞留位置に一喜一憂することになる。
【0141】
また、誘導部材50は、上記中心線D−Dに対して互いに対称状に設けられ、さらに、第1ステージ60の山部67と第2ステージ70の第2スロープ71とは、上記中心線F−Fに対し対称状に設けられて、両者は同一の単一なアール面にて形成され、さらにまた、第1ステージ60の山部67と第3ステージ80の第3スロープ83,83とは、正面視すると、上記中心線E−Eに対し対称状に設けられて、両者は同一の単一なアール面にて形成され、即ち第1ステージ60の山部67と第2ステージ70の第2スロープ71と第3ステージ80の第3スロープ83,83の三者は、同一の単一なアール面にて形成されている。つまり、各ステージ60、70、80の主要な構成要素となる山部67、第2スロープ71、第3スロープ83,83が上下左右対称状に設けられているので、従って、誘導部材50は、その設計が容易となると共にその美観が高められ、且つ誘導部材50上を転動する遊技球の流れを流麗にすることができ、その結果、誘導部材50を開発する上でコストダウンになると共に、遊技者の遊技意欲をそそることができる。
【0142】
さらに、第3ステージ80は、第1ステージ60の山部67と第2ステージ70の第2スロープ71とで形成される空間部84に設けられるようにしたので、第3ステージ80を設ける上で新たなスペースを必要とせずに既存のスペースを有効活用でき、従って、誘導部材50は、その設計が合理的で効率が良く無駄のないものにすることができ、その結果、さらに誘導部材50を開発する上でコストダウンになる。
【0143】
また、誘導部材50に流入した遊技球は、第1スロープ64(第1ステージ60)上を規則的に左右に往復運動し後に、その挙動を不規則的に変化させて不特定時間滞留しつつ第1ステージ60から第2ステージ70や第3ステージ80に移動し、最終的に第2ステージから転動して誘導部材50の外部に落下するようにしたので、遊技者は、第1ステージ60の流入直後の規則的な挙動から、不規則的な挙動へと遊技球の挙動が変化していくのを楽しむことができ、特に、第1スロープ64(第1ステージ60)上を規則的に左右に往復運動させることとなる誘導路52,52は、第1スロープ64に臨む落下通路95,95の放出口53,53の位置を、切欠61と傾斜部63,63とを避ける位置に形成したので、第1ステージ60に流入直後の遊技球は、安定して第1ステージ60上で滞留することができ、第1ステージ60に流入してすぐ第2ステージ70や第3ステージ80に移動することがなく、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。
【0144】
また、傾斜部63,63は、誘導部材50上の遊技球の挙動が、全体的に左右方向かつ誘導部材50の曲面構造に対応した動きとなるなかで、奥行方向に直線的な動きを創出し、従って、誘導部材50上の遊技球の挙動に極めて大きな変化を与えることができ、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。
【0145】
なお、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置では、上記したように始動入賞口11を誘導部材50の下壁91に一体的に設けるようにしたが、これは次のようにしても良い。即ち、始動入賞口11を誘導部材50とは別体に設け、誘導部材50の下壁91に、この別体に設けた始動入賞口11を遊技盤21上に取り付けるための位置規制手段を形成するようにしても良い。例えば、下壁91の下端に凹状部を形成し、一方、始動入賞口11が取り付けられたベース板の上端に凸状部を形成し、遊技盤21上に取り付けた下壁91の凹状部にベース板の凸状部を嵌合させて始動入賞口11を位置規制した後、始動入賞口11を遊技盤21上にビス等で取り付けるようにすれば良い。このようにすれば、様々な種類の始動入賞口11を誘導部材50に対し極めて精度良く且つ容易に遊技盤21上に取り付けることが可能となり、その結果、始動入賞口11を容易に変更でき、遊技機1を開発する上で設計の自由度が増す。
【0146】
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置では、上記したように第1ステージ60から第3ステージ80の中央凹面部81及び凹面部82,82に遊技球を誘導するための誘導部材50に設ける切欠61及び誘導溝55は、第1スロープ64山頂の後部に単一に形成するようにしたが、この切欠61及び誘導溝55を形成する位置は、最終的に始動入賞口11またはその他の入賞口に入賞する確率が高くなる位置であればどの位置であっても良く、さらにこの切欠61及び誘導溝55を複数設けるようにしても良い。例えば、第1スロープ64の山頂箇所に加えもしくは第1スロープ64の山頂箇所に変えて、第1スロープ64山頂と第1スロープ64の両端部の中間にそれぞれ形成し、3箇所もしくは2箇所設けるようにしても良い。このようにすることにより、さらに始動入賞口11またはその他の入賞口に入賞する確率が高くなるので、遊技者にとって魅力ある遊技を提供でき、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。
【0147】
また、切欠61は、上記したようにその上下方向における半円周状の縁面を略垂直に形成したが、これに変えて、該半円周状の縁面を略すり鉢状のような傾斜を設けて形成するようにしても良い。このようにすることにより、さらに遊技球を切欠61に誘導する確率が高くなると共に、切欠61を通過する遊技球の挙動が微妙に変化するので、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。
【0148】
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置は、弾性部材にて形成される誘導片92a,92a,92b,92b以外の材質は特に限定するものではなく、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂にてその全体を形成しても良く、さらに、その一部のみを違う材質、例えば、第1スロープ64や第2スロープ71の表面に金属メッキを施したりしても良い。このように、第1スロープ64や第2スロープ71の表面に金属メッキを施すと、第1スロープ64や第2スロープ71上を左右に往復運動するときの遊技球の転動が円滑になり、遊技性が向上すると共に、ブリッジ等の球詰まりというような不測の事態を防止することができ、所期の性能を維持することができる。
【0149】
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置は、上記したように誘導片92a,92a,92b,92bを下壁91に対し固定して突設するようにしたが、これは次のようにしても良い。即ち誘導片92a,92a,92b,92bは、下壁91に対し、その左右方向に適宜手段にてスライド自在に設けるようにしても良く、あるいは下壁91から突出する角度を適宜手段にて自在に変更可能に設けるようにしても良い。このようにすると、誘導装置の外部から落下する遊技球の始動入賞口11への入賞確率を、誘導片92a,92a,92b,92bを適宜スライドさせたり、あるいは突出する角度を適宜変更させたりして、任意に変更することができるようになる。その結果、上記した開口部93により遊技盤21に植設した障害釘94,94の突出角度を調整した場合と同様な効果が得られるようになる。
【0150】
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置に次のような構成を加えても良い。即ち、第2ステージ70の所定箇所、例えば第2スロープ71の前部に、第2ステージ70から誘導部材50の外部に落下する遊技球を、衝突させて跳ね返したり流下する角度を変更したりするための障害壁を設けるようにしても良い。この障害壁は、例えば遊技球の大きさとほぼ同様な大きさに形成し、第2スロープ71の左端と右端の間をモータ等を利用して自動で定期的且つ規則的に往復運動する移動制御が実行される、即ち可動部材とする。このようにすると、遊技球が第2ステージ70から誘導部材50の外部に落下するとき、一部の遊技球は、この往復運動している障害壁に衝突するので、衝突後の当該遊技球の動きが不規則となり、つまり遊技者の予期できない態様にて遊技球が始動入賞口11に入賞したりしなかったりすることになり、さらに、遊技者は、この定期的且つ規則的に往復運動している障害壁の位置を確認しつつ、遊技球が始動入賞口11に入賞しやすいタイミングにて打球発射装置を操作して遊技球を遊技領域5に発射することも可能となり、つまり遊技者個々の遊技への技術介入が可能となり、即ち、この障害壁を誘導部材50(第2ステージ70)に設けることで、偶然性と遊技者個々の技量の両者により、遊技球の始動入賞口11への入賞確率が変化することとなり、その結果、遊技の趣向が極めて増大し、遊技性が極めて向上する。
【0151】
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置は、上記したように遊技盤21上の遊技領域5を落下する過程において、導入口51,51に入球した遊技球は、誘導路52,52に導出され、自然落下によりこの誘導路52,52の放出口53,53から誘導部材50(第1ステージ60)に導出されるようにしたが、これは、次のようにしても良い。即ち、この誘導路52,52に導入口51,51から導出された遊技球を誘導路52,52の落下通路95内に停留することができるソレノイド等で構成された停留手段を設け、該停留手段を上記した保留LED25の保留記憶の点灯数(最高4個)に応じて制御することで、落下通路95内の遊技球を放出口53,53から誘導部材50(第1ステージ60)に導出するようにしても良い。
【0152】
例えば、保留LED25の保留記憶の点灯数が3個以上になったとき、停留手段をオンして、それ以降、遊技球を放出口53,53から誘導部材50(第1ステージ60)に導出することを阻止し、一方、保留LED25の保留記憶の点灯数が2個以下になったとき、停留手段をオフして、それ以降、遊技球を放出口53,53から誘導部材50(第1ステージ60)に導出することを許可するようにする。このようにすると、保留LED25の保留記憶の点灯数が4個になっている状態で、さらに始動入賞口11へ遊技球が入賞してしまういわゆる保留記憶のオーバーフローを阻止することができ、つまり、誘導部材50に導出された遊技球は、誘導部材50に導出されない遊技球、即ち遊技領域5を普通に落下する遊技球よりも高い確率で始動入賞口11へ入賞するようになっているので、保留記憶の点灯数が3または4個の状態で複数の遊技球が誘導部材50に導出されたときは、保留記憶がオーバーフローする確率が高くなってしまうのであるが、この停留手段の制御により保留記憶のオーバーフローを効果的に阻止することができ、その結果、遊技者の保留記憶のオーバーフローを阻止するためのいわゆる止め打ち(打球発射装置を操作して間歇的に遊技球を遊技領域5に発射する打ち方)を防止し、遊技機1の稼働率を向上させることができるという顕著な効果を奏する。
【0153】
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置は、上記したように特別図柄表示装置6に一体的に設けるようにしたが、これは限定するものではなく、他の遊技盤21上の遊技領域5に設けられる遊技装置、例えば、いわゆる役物と呼ばれる入賞装置や風車等の振り分け装置、あるいは停留装置等に設けるようにしても良い。
【0154】
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置は、誘導装置から外部に放出した遊技球を始動入賞口11に誘導するようにしたが、これは始動入賞口11以外の遊技装置、例えば、大入賞口7や普通図柄作動ゲート19等に誘導するようにしても良い。そして、これら始動入賞口11以外の遊技装置に遊技球を誘導する場合においても、始動入賞口11と同様、誘導部材50の下壁91に一体的に設けるようにすれば良い。
【0155】
また、本実施形態の遊技機1において、始動入賞口11は電動役物としての電動チューリップを採用したが、これは限定することなく、その他の形態であっても良い。例えば、始動入賞口11を2つ設け、一方は電動役物でない普通入賞口としてのいわゆるチャッカとし、他方は、電動役物としての大入賞口7の横幅を小さくした、開口していないときには遊技球が入賞できないいわゆるミニアタッカとし、このチャッカを上記した電動チューリップの替わりに誘導部材50の下壁91に一体的に設けるようにし、ミニアタッカは遊技盤21の適宜箇所に設けるようにしても良い。そして、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過し、普通図柄表示装置18に予め定められた普通図柄(当り)が確定表示された場合には、このミニアタッカを開口するようにすれば良い。このような構成にすると、下壁91には普通入賞口としてのチャッカのみを取り付ければ良く、即ち誘導部材50と一体的に設ける始動入賞口11の取り付けが極めて容易となり、誘導部材50を製作する上でコストダウンになると共に、始動入賞口11の数が増え、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。
【0156】
次に特許請求の範囲の構成と、本発明の実施形態との主な対応を説明する。
請求項1:遊技盤は、遊技盤21に相当し、導入口は、導入口51に相当し、誘導路は、誘導路52に相当し、放出口は、放出口53に相当し、ステージは、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80に相当し、誘導部材は、誘導部材50に相当し、遊技機は、遊技機1に相当し、誘導装置は、導入口51、誘導路52、誘導部材50に相当し、遊技装置は、始動入賞口(電動チューリップ)11に相当し、遊技装置が誘導部材に一体的に設けられていることは、図13に対する本文中の「始動入賞口(電動チューリップ)11は、下壁91に設けられた開口部97と支軸41,41とにより位置決めされ、下壁91に一体的に設けられて形成されている」という記載に相当する。
【0157】
請求項2:ステージは、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80に相当し、遊技装置は、始動入賞口(電動チューリップ)11に相当し、誘導通路は、段部85(中央凹面部81、凹面部82)に相当し、遊技装置が誘導通路に対応して誘導部材に取り付けられていることは、図4に対する本文中の「始動入賞口(電動チューリップ)11の遊技盤21に対する取り付け位置は、切欠61と誘導溝55とにより形成される略円状空間から中央凹面部81を通って第2ステージ70から落下する遊技球を、高い確率にて始動入賞口(電動チューリップ)11に入賞させるため、始動入賞口(電動チューリップ)11の左右方向の中央(羽根11a,11a間の中央)と、中央凹面部81の左右方向の中央とが図4に示す中心線D−D上に存在する」という記載に相当する。
【0158】
請求項3:遊技機は、遊技機1に相当し、始動入賞口は、始動入賞口(電動チューリップ)11に相当し、図柄表示装置は、特別図柄表示装置(LCD)6に相当し、遊技制御手段は、本文前段の「図示しないマイクロコンピュータ等で構成される遊技制御手段」という記載に相当する。
【0159】
請求項4:誘導通路は、段部85(中央凹面部81、凹面部82)に相当し、凹面部は、中央凹面部81に相当し、始動入賞口は、始動入賞口(電動チューリップ)11に相当し、垂直線は、図4に示す中心線D−Dに相当し、始動入賞口を、上記誘導部材に対し、凹面部の左右方向の中央と、始動入賞口の左右方向の中央とが垂直線上に存在する位置に取り付けるようにしたことは、図4に対する本文中の「始動入賞口(電動チューリップ)11の遊技盤21に対する取り付け位置は、切欠61と誘導溝55とにより形成される略円状空間から中央凹面部81を通って第2ステージ70から落下する遊技球を、高い確率にて始動入賞口(電動チューリップ)11に入賞させるため、始動入賞口(電動チューリップ)11の左右方向の中央(羽根11a,11a間の中央)と、中央凹面部81の左右方向の中央とが図4に示す中心線D−D上に存在する」という記載に相当する。
【0160】
請求項5:誘導通路は、段部85(中央凹面部81、凹面部82)に相当し、凹面部は、中央凹面部81に相当し、側凹面部は、凹面部82に相当する。
請求項6:側凹面部は、凹面部82に相当し、凹面部は、中央凹面部81に相当し、遊技球導出手段は、凹面部82を形成するアールR1,R2に相当する。
【0161】
請求項7:誘導部材は、誘導部材50に相当し、遊技盤は、遊技盤21に相当し、ステージは、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80に相当し、下壁は、下壁91に相当し、始動入賞口は、始動入賞口(電動チューリップ)11に相当し、障害釘は、障害釘94に相当し、開口部は、開口部93に相当する。
【0162】
請求項8:下壁は、下壁91に相当し、開口部は、開口部93に相当し、ステージは、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80に相当し、遊技球衝突手段は、誘導片92a、92bに相当する。
請求項9:図柄表示装置は、特別図柄表示装置(LCD)6に相当し、遊技盤は、遊技盤21に相当し、導入口は、導入口51に相当し、誘導路は、誘導路52に相当し、放出口は、放出口53に相当し、誘導部材は、誘導部材50に相当し、垂直線は、図4に示す中心線D−Dに相当し、導入口、誘導路、放出口及び誘導部材が、遊技盤の略中央に配設される図柄表示装置を周回するように設けられたことは、本文前段の「特別図柄表示装置6には、図柄表示部30の下半分を周回するように、本発明に係わる遊技球の誘導装置を構成する導入口51,51、誘導路52,52、誘導部材50が設けられている」という記載、及び図12に示す誘導路52に放出口53が形成されていることに相当し、導入口、誘導路、放出口及び誘導部材が、遊技盤の略中央に配設される図柄表示装置一体的に設けられたこと及び垂直線に対し対称に設けられたことは、本文中の「遊技機1における遊技球の誘導装置は、導入口51,51、誘導路52,52、誘導部材50より構成されて特別図柄表示装置6に上記中心線D−Dに対して互いに対称状に一体的に設けられ」という記載に相当する。
【0163】
請求項10:ステージは、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80に相当し、第1ステージは、第1ステージ60に相当し、第1ステージの長手方向に稜線を有する勾配が形成された所定部位は、第1スロープ64、第1斜面65、第1谷部66、山部67、第2谷部68、第2斜面69に相当し、第2ステージは、第2ステージ70に相当し、第3ステージは、第3ステージ80に相当し、誘導通路は、段部85(中央凹面部81、凹面部82)に相当する。
【0164】
請求項11:遊技盤は、遊技盤21に相当し、導入口は、導入口51に相当し、誘導路は、誘導路52に相当し、放出口は、放出口53に相当し、ステージは、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80に相当し、誘導部材は、誘導部材50に相当し、遊技機は、遊技機1に相当し、誘導装置は、導入口51、誘導路52、誘導部材50に相当し、遊技装置は、始動入賞口(電動チューリップ)11に相当し、遊技球衝突手段は、誘導片92a、92bに相当する。
【0165】
請求項12:遊技球衝突手段は、誘導片92a、92bに相当し、誘導部材は、誘導部材50に相当し、遊技球衝突手段が略棒状の弾性部材にて形成され、誘導部材に対し、前方に突出するように設けられていることは、本文中の「遊技球の始動入賞口11への入賞する確率を高めるための略円柱状の弾性部材にて形成された誘導片92a,92a,92b,92bが、前方略水平状に突出するように設けられている」という記載に相当する。
【0166】
請求項13:遊技球衝突手段は、誘導片92a、92bに相当し、誘導部材は、誘導部材50に相当し、遊技球衝突手段を、誘導部材に対し左右方向にスライド自在に設けたことは、本文後段の「誘導片92a,92a,92b,92bは、下壁91に対し、その左右方向に適宜手段にてスライド自在に設けるようにしても良く」という記載に相当する。
【0167】
請求項14:遊技球衝突手段は、誘導片92a、92bに相当し、誘導部材は、誘導部材50に相当し、遊技球衝突手段を、誘導部材に対し前方に突出する角度を変更自在に設けたことは、本文後段の「誘導片92a,92a,92b,92bは、下壁91に対し、下壁91から突出する角度を適宜手段にて自在に変更可能に設けるようにしても良い」という記載に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の遊技機1を示す全体正面図である。
【図2】本実施形態の特別図柄表示装置6を示す正面図である。
【図3】本実施形態の特別図柄表示装置6に設けられる誘導装置の斜視図である。
【図4】本実施形態の誘導部材50の正面図である。
【図5】本実施形態の誘導部材50の平面図である。
【図6】本実施形態の誘導部材50の右側面図である。
【図7】本実施形態の図5におけるA−A断面図である。
【図8】本実施形態の図5におけるB−B断面図である。
【図9】本実施形態の図5におけるC−C断面図である。
【図10】本実施形態の図5におけるG−G断面図である。
【図11】本実施形態の段部85の拡大正面図である。
【図12】本実施形態の特別図柄表示装置6の正面から見て左側に設けられた誘導路52の内部構造を示す正面図である。
【図13】本実施形態の始動入賞口11(電動チューリップ)の下壁91への取り付け状態を説明する分解斜視図である。
【図14】本実施形態の第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80の遊技球の流れを説明するため、その一部の構成を省略した誘導部材50の斜視図である。
【図15】本実施形態の始動入賞口11に入賞するときの第1ルートにおける遊技球の流れを説明するための説明図である。
【図16】本実施形態の始動入賞口11に入賞するときの第2ルートにおける遊技球の流れを説明するための説明図である。
【図17】本実施形態の始動入賞口11に入賞するときの第3ルートにおける遊技球の流れを説明するための説明図である。
【図18】本実施形態の始動入賞口11に入賞するときの第4ルートにおける遊技球の流れを説明するための説明図である。
【図19】従来の遊技機における遊技球の誘導装置を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…遊技機、 2…打球操作ハンドル、
3…打球誘導レール、 4…遊技領域形成レール、
5…遊技領域、 6…特別図柄表示装置(LCD)、
7…大入賞口(アタッカ)、 8…左図柄表示部、
9…中図柄表示部、 10…右図柄表示部、
11…始動入賞口(電動チューリップ)、 11a…羽根、
12…打球供給皿、 13…余剰球受皿、
14…普通入賞口、 15…遊技効果ランプ、
16…アウト口、 17…ガラス扉枠、
18…普通図柄表示装置(7セグLED)、 19…普通図柄作動ゲート、
20…風車、 21…遊技盤、
22…外枠、 23…内枠、
25…保留LED、 30…図柄表示部、
39…駆動装置、 40…ソレノイド、
41…支軸、 42…入賞通路、
43…揺動部材、 44…プランジャ、
45…スプリング、 46…支軸、
47…凹部、 48…ピン、
49…開口部、 50…誘導部材、
51…導入口、 52…誘導路、
53…放出口、 55…誘導溝、
56…奥壁、 59…段差、
60…第1ステージ、 61…切欠、
62…前壁、 63…傾斜部、
64…第1スロープ、 65…第1斜面、
66…第1谷部、 67…山部、
68…第2谷部、 69…第2斜面、
70…第2ステージ、 71…第2スロープ、
72…誘導板、 80…第3ステージ、
81…中央凹面部、 82…凹面部、
83…第3スロープ、 84…空間部、
85…段部、 87…中央凸面部、
88…凸面部、 90…山部、
91…下壁、 92a、92b…誘導片、
93…開口部、 94…障害釘、
95…落下通路、 96a、96b…側壁、
97…開口部、 200…図柄表示装置、
202…導入口、 203…誘導路、
204…放出口、 205…ステージ、
206…始動入賞口誘導路、 207…図柄表示部、
208…始動入賞口(電動チューリップ)、
R1、R2…アール、
A、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、Q、S、T、U、V…矢印
Claims (14)
- 遊技盤を落下する遊技球を導入する導入口と、
該導入口から導入された遊技球を所定方向へ誘導する誘導路と、
該誘導路により誘導された遊技球を放出する放出口と、
該放出口から放出された遊技球を受入れ、該受入れた遊技球を滞留可能であると共に下方へ誘導可能なステージが設けられた誘導部材と、
を備えた遊技機における遊技球の誘導装置であって、
上記誘導部材には、上記ステージ外部に落下した遊技球が流入可能な遊技装置を一体的に設けたことを特徴とする遊技機における遊技球の誘導装置。 - 上記ステージは、受入れた遊技球を該ステージ外部に落下させて上記遊技装置へ誘導する誘導通路を備え、
上記遊技装置は、該誘導通路に対応して上記誘導部材に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機における遊技球の誘導装置。 - 上記遊技機は、始動入賞口と、該始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて所定の図柄を変動表示し、該変動表示している図柄を所定時間後に停止させて確定表示する図柄表示装置と、該図柄表示装置が確定表示した図柄が所定の大当り図柄である場合には、遊技者にとって有利な大当り遊技を実行する遊技制御手段とを備え、
上記遊技装置を上記始動入賞口としたことを特徴とする請求項2に記載の遊技機における遊技球の誘導装置。 - 上記誘導通路は、少なくとも遊技球1個が転動可能な断面略凹面状に形成された凹面部を備え、
上記始動入賞口は、上記誘導部材に対し、該凹面部の左右方向の中央と、該始動入賞口の左右方向の中央とが垂直線上に存在する位置に取り付けるようにしたことを特徴とする請求項3に記載の遊技機における遊技球の誘導装置。 - 上記誘導通路は、上記凹面部の左右両側に隣接して設けられると共に、断面略凹面状に形成され少なくとも遊技球1個が転動可能な側凹面部をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の遊技機における遊技球の誘導装置。
- 上記側凹面部は、側方向から流入してくる遊技球を上記凹面部に導出し易くする遊技球導出手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の遊技機における遊技球の誘導装置。
- 上記誘導部材は、上記遊技盤の表面に重合するように上記ステージの下部前端から下方に向かって延びる薄板状の下壁を備え、
上記始動入賞口は、該下壁に設けられると共に、該下壁における上記始動入賞口の上方の所定箇所には、障害釘を上記遊技盤に植設するための開口部を穿設したことを特徴とする請求項3乃至請求項6の何れかに記載の遊技機における遊技球の誘導装置。 - 上記下壁における上記開口部の上方の所定箇所には、上記ステージ外部に落下する遊技球を、衝突させることにより、その落下する角度を変えたりまたは跳ね返して再び該ステージに流入させる遊技球衝突手段を備えたことを特徴とする請求項7に記載の遊技機における遊技球の誘導装置。
- 上記図柄表示装置は上記遊技盤の略中央に配設され、上記導入口、上記誘導路、上記放出口及び上記誘導部材は、該図柄表示装置を周回するように垂直線に対し対称に設けられると共に、該図柄表示装置に一体的に設けられたことを特徴とする請求項3乃至請求項8の何れかに記載の遊技機における遊技球の誘導装置。
- 上記ステージは、長手方向の所定部位に稜線を有する勾配が形成され、上記放出口から放出された遊技球を受入れ、該受入れた遊技球を、滞留可能であると共に下方へ誘導可能な第1ステージと、
該第1ステージより奥行方向の手前側下方に設けられ、該第1ステージから誘導された遊技球を受入れ、該受入れた遊技球を、滞留可能にすると共に上記ステージ外部へ落下可能な第2ステージと、
上記第1ステージの下方且つ上記第2ステージの奥行方向の奥側に該第2ステージと隣接して設けられ、上記第1ステージから誘導された遊技球を受入れ、該受入れた遊技球を上記誘導通路に流入させると共に上記第2ステージへ流下可能な第3ステージと、
を備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項9の何れかに記載の遊技機における遊技球の誘導装置。 - 遊技盤を落下する遊技球を導入する導入口と、
該導入口から導入された遊技球を所定方向へ誘導する誘導路と、
該誘導路により誘導された遊技球を放出する放出口と、
該放出口から放出された遊技球を受入れ、該受入れた遊技球を滞留可能であると共に下方へ誘導可能なステージが設けられた誘導部材と、
を備えた遊技機における遊技球の誘導装置であって、
上記誘導部材の下方には、上記ステージ外部に落下した遊技球が流入可能な遊技装置が設けられ、
上記誘導部材の所定箇所には、上記ステージ外部に落下する遊技球を、衝突させることにより、その落下する角度を変えたりまたは跳ね返して再び該ステージに流入させる遊技球衝突手段を備えたことを特徴とする遊技機における遊技球の誘導装置。 - 上記遊技球衝突手段は、略棒状の弾性部材にて形成され、上記誘導部材に対し、前方に突出するように設けられていることを特徴とする請求項11に記載の遊技機における遊技球の誘導装置。
- 上記遊技球衝突手段は、上記誘導部材に対し、左右方向にスライド自在に設けたことを特徴とする請求項12に記載の遊技機における遊技球の誘導装置。
- 上記遊技球衝突手段は、上記誘導部材に対し、前方に突出する角度を変更自在に設けたことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の遊技機における遊技球の誘導装置。
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JP2008079935A (ja) * | 2006-09-28 | 2008-04-10 | Samii Kk | 弾球遊技機 |
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- 2003-05-09 JP JP2003132121A patent/JP2004329686A/ja active Pending
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