以下に、本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
図1は、遊技機1の全体正面図である。本実施形態の遊技機1は、図1に示すように、図示しない遊技島に固定される外枠22と、この外枠22に取り付けられた内枠23とから構成されており、内枠23には、遊技者にパチンコ遊技を提供する遊技盤21と、遊技者が操作することにより図示しない打球発射装置を作動させる打球操作ハンドル2と、打球発射装置によって打ち出された遊技球を誘導する打球誘導レール3と、打ち出された遊技球が一定範囲内で飛球するよう設けられた遊技領域形成レール4と、打球誘導レール3及び遊技領域形成レール4によって囲われた遊技領域5と、遊技領域5に打ち出された遊技球を不測の方向へ変化を与える風車20と、特別図柄が回転する様子を示す擬似的な表示(以下、スクロール表示ともいう)を行う液晶表示ディスプレイ(LCD)等で構成された特別図柄表示装置6と、遊技球が入賞することによって特別図柄表示装置6に特別図柄の変動表示(スクロール表示)を開始させる始動入賞口(電動チューリップ)11と、特別図柄表示装置6が特別図柄の変動表示中に遊技球が始動入賞口11へ入賞した場合に、当該変動表示が終了した後に、あと何回変動表示するか(最高4回)を遊技者に報知するための保留記憶の点灯表示を順次行う4つの保留LED25と、特別図柄表示装置6内において所定の図柄を表示する図柄表示部30と、この図柄表示部30において3つの特別図柄をそれぞれ個別に表示する左図柄表示部8、中図柄表示部9、右図柄表示部10と、特別図柄表示装置6における表示結果が予め定められた態様(大当り)になった場合、遊技者に有利に開口される大入賞口(アタッカ)7と、遊技球を打球発射装置に供給するための打球供給皿12と、打球供給皿12に入りきらない球を貯留することができると共に、図示しない貯留球箱に遊技球を移動できるようになっている余剰球受皿13と、入賞することによって賞球が払い出される普通入賞口14と、入賞に対する賞球の払い出しや球詰まり、異常を報知する遊技効果ランプ15と、遊技領域5の最下部に設けられた遊技球を回収するアウト口16と、開閉自在に設けられたガラス扉枠17と、一桁の普通図柄を表示し、その普通図柄が予め定められた普通図柄(当り)である場合、始動入賞口11としての電動チューリップの羽根を開放する7セグメントLED等で構成された普通図柄表示装置18と、遊技球が通過することによって普通図柄表示装置18に普通図柄の変動表示を開始させる普通図柄作動ゲート19等によって構成されている。
この様に構成される遊技機1は、まず、遊技者の打球操作ハンドル2の操作により、打球発射装置から遊技球が発射され、打球誘導レール3と遊技領域形成レール4の間を通って遊技球が遊技盤21上の遊技領域5に打ち出される。そして、遊技球は遊技領域5を自重により落下し、落下する過程においては、遊技盤21に植設される図示しない遊技釘や風車20によって落下する方向に変化を与えられ、始動入賞口11や普通入賞口14に入
賞したり、普通図柄作動ゲート19を通過したり、全ての入賞口に入賞しなかった場合には、アウト口16に回収されるようになっている。
遊技球が始動入賞口11に入賞した場合には、所定の賞品球を遊技者に与えると共に、図示しない始動入賞検出センサによって遊技球を検出し、特別図柄表示装置6の各図柄表示部8、9、10に特別図柄をスクロール表示させ、所定時間後に左図柄表示部8、右図柄表示部10、中図柄表示部9の順に特別図柄を停止させて抽選を行い、左図柄表示部8の特別図柄と右図柄表示部10の特別図柄とが停止した時点で大当りを構成する特別図柄の組合せ(例えば同一の特別図柄の組合せ)である場合にはリーチとなり、特別図柄表示装置6の図柄表示部30にて所定のリーチアクションが表示されるようになっており、その後中図柄表示部9の特別図柄が停止した時点で確定表示された特別図柄が予め定められた特別図柄の組合せである場合には大当りとなり、大入賞口7としてのアタッカを所定の態様で開放するようになっており、これら以外の特別図柄の組合せである場合には、はずれとなる。
従って、遊技者は、大当りを獲得するべく、打球操作ハンドル2を適宜操作して遊技球を遊技盤21上の遊技領域5に打ち出し、始動入賞口11に遊技球を入賞させようと腐心することになる。つまり換言すれば、遊技者の遊技機1における遊技の最大の目標は、いかに始動入賞口11に多くの遊技球を入賞させるかということになる。
なお、遊技球が普通入賞口14に入賞した場合には、所定の賞品球が遊技者に与えられる。また、遊技球が普通図柄作動ゲート19を通過した場合には、図示しない作動ゲート検出センサによって遊技球を検出し、普通図柄表示装置18に普通図柄を変動表示させて抽選を行い、確定表示された普通図柄が予め定められた普通図柄である場合には当りとなり、始動入賞口(電動チューリップ)11の羽根を所定時間開放するようなっている。
図2は、特別図柄表示装置6の正面図である。特別図柄表示装置6には、図柄表示部30の下半分を周回するように、本発明に係わる遊技球の誘導装置を構成する導入口51,51、誘導路52,52、誘導部材50が設けられている。導入口51,51は、その上部が開口された略箱状に形成され、落下してくる遊技球を受入可能に遊技盤21に対し突出して設けられており、受入れた遊技球は図示しない導出口より誘導路52,52に導出するようになっている。
誘導路52,52は、その上下部が開口された略直方体状に形成され、誘導路52,52から導出された遊技球を受入可能に導入口51,51の後部に連接して設けられており、受入れた遊技球は図2に示す放出口53,53より誘導部材50に導出するようになっている。誘導部材50は、本発明の要部を構成するものでその詳細は後述するが、誘導路52,52から導出された遊技球を受入可能に誘導路52,52の放出口53,53に連接して設けられており、受入れた遊技球は不特定時間滞留した後、最終的に遊技領域5に放出するようになっている。
従って、上記したように、打球発射装置から発射され遊技盤21上の遊技領域5を落下する過程において、遊技球が、図2に示すように導入口51,51に入球すると、該入球した遊技球は、導入口51,51から誘導路52,52に導出され、さらに誘導路52,52の放出口53,53から誘導部材50に導出されることになり、この誘導部材50に導出された遊技球は、後に詳述する様々な軌道を描きながら再び遊技領域5に放出されることになる。そしてこの誘導部材50から放出されるとき、遊技球は、その方向やスピンに応じて、始動入賞口11に入賞したり、入賞しなかったりする。始動入賞口11への入賞は、上記したように、遊技者が、自身にとって有利な大当りを獲得するための必要条件であり、遊技者にとって極めて関心の高い事項である。そのため、遊技者は、誘導部材5
0から遊技球がどのような態様で放出されるかを注意深く見守ることになる。
ここで誘導部材50の構成について詳述する。図3は、特別図柄表示装置6に設けられる誘導装置の斜視図、図4は、誘導部材50の正面図、図5は、誘導部材50の平面図、図6は、誘導部材50の右側面図、図7は、図5におけるA−A断面図、図8は、図5におけるH−H断面図、図9は、図5におけるB−B断面図、図10は、図5におけるC−C断面図、図11は、図5におけるG−G断面図、図12は、段部85の拡大正面図、図13は、正面から見て左側に設けられたガイド部材92の構成を説明する分解斜視図である。
誘導部材50は、大別すると、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80から構成され、後に詳述するが、各ステージ60、70、80の奥行き方向には、前方を開放する空間が形成されると共に、第1ステージ60の略前方下部には第2ステージ70が設けられ、さらに第1ステージ60の略直下部には第2ステージ70と隣接して第3ステージ80が設けられた2階建て構造となっている。また、誘導部材50には、これらの各ステージ60、70、80以外にも、第1ステージ60及び第3ステージ80の後端側に立設する奥壁56と、第2ステージ70の前端側に突設するガイド部材92とを備えており、即ち、誘導部材50は、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80、奥壁56、ガイド部材92から構成されている。
まず、第1ステージ60は、第3ステージ80の上部にて略アーチ型の屋根状に形成され、上記誘導路52,52の放出口53,53に連接して設けられており、該放出口53,53から導出された遊技球を受入れて転動させる第1スロープ64と、第1スロープ64の中央後端部に穿設され、第1スロープ64上を転動しつつ不特定時間滞留する遊技球を第1スロープ64から落下させて第3ステージ80に移動する切欠61と、第1スロープ64の前端上側に突設され、第1スロープ64の前側からの遊技球の落下を防止するための前壁62と、第1スロープ64の略両端の裾部に設けられ、第1スロープ64上を転動しつつ不特定時間滞留する遊技球を第1スロープ64から転動させて第2ステージ70に移動する傾斜部63,63とから構成されている。なお、第1スロープ64は、図3及び図5に示すように、その後端側の上記前壁62とほぼ対応する箇所(切欠61を除く)が開放されており、従って、第1スロープ64上を転動しつつ不特定時間滞留する遊技球は、この開放されている第1スロープ64の後端側から落下して第3ステージ80に移動することになる。
第1スロープ64は、図9に示すように、正面から見て右方向に下り勾配が形成された第1斜面65と、該第1斜面65に連設され略凹面状に勾配が形成された第1谷部66と、該第1谷部66に連設され略凸面状に勾配が形成された長尺状の山部67と、該山部67に連設され略凹面状に勾配が形成された第2谷部68と、該第2谷部68に連設され正面から見て左方向に下り勾配が形成された第2斜面69とから構成されている。つまり、第1スロープ64は、図4に示す長手方向の中心線D−Dに対し左右対称に稜線を有する勾配が形成された曲面構造になっており、従って第1斜面65と第2斜面69、第1谷部66と第2谷部68、山部67は、所定の単一なアールにて形成される(第1斜面65、第2斜面69と山部67は同一のアールとなっている)と共に、上記中心線D−Dに対して互いに対称形状となっている。なお、第1スロープ64の奥行方向の通路幅は、遊技球1個分の径の略2倍程度に形成されると共に、図6及び図7に示すように、その表面奥行方向は水平に設けられている。
ここで、図14を用いて上記した誘導路52,52の内部構造について説明する。図14は、特別図柄表示装置6の正面から見て左側に設けられた誘導路52の内部構造を示す正面図である。誘導路52,52は、特別図柄表示装置6の中心線(上記中心線D−D)
に対し左右対称に形成され、両者とも同様な内部構造となっているので、ここでは代表して特別図柄表示装置6の左側に設けられた誘導路52についてのみ説明する。誘導路52の内部には、図14に示すように、その左右両縁部に側壁96a、96bが設けられており、この側壁96a、96bの肉厚は、放出口53に向かうにつれて左右方向の厚み(以下、単に厚みともいう)が増すように形成され、さらに両者96a、96bの間は空洞になっている。誘導路52の上端における側壁96a、96bの厚みは、ほぼ同じ厚みになっているが、放出口53に向かうにつれて側壁96aの厚みの方が、側壁96bの厚みよりも大きくなっていき、誘導路52の下端における側壁96a、96bの厚みは、図14に示すように、側壁96aの厚みが側壁96bの厚みの略3倍程度になっている。
即ち、この側壁96a、96bにより、導入口51から受入れた遊技球を放出口53へと誘導する落下通路95が形成されているのであるが、該落下通路95は、この側壁96a、96bにより放出口53に向かうにつれてその左右方向の径(以下、単に径ともいう)が細くなるテーパー状に設けられることになり、その下端となる放出口53の径は、遊技球1個分の径より少し大きいように形成されている。具体的に放出口53の径は、通常、遊技球の径が11mmであるので、12〜14mm程度となる。そして、落下通路95の下端となる放出口53は、上記した第1ステージ60における第1スロープ64の左端部に臨むようになっているが、この放出口53が第1スロープ64に臨む位置は、図3に示すように、落下通路95と第1スロープ64とが段差を生じない位置、即ち遊技球が落下通路95から放出口53を介して滑らかに第1スロープ64へ転動する位置になっていると共に、放出口53から転動した遊技球が、当該遊技球を第3ステージ80に移動するための切欠61と第2ステージ70に移動するための傾斜部63とを避ける位置に規定されている。
つまり、誘導路52,52は、放出口53,53から遊技球を第1スロープ64に導出する際、当該遊技球に所定の方向性と速度を与え、放出口53,53から第1スロープ64に導出した遊技球がすぐに第1スロープ64(第1ステージ60)から第2ステージ70または第3ステージ80に移動するのを阻止してほぼ規則的に第1スロープ64上を転動しつつ不特定時間滞留させるためのものであり、従って、放出口53,53から第1スロープ64に導出された遊技球は、第1スロープ64上を左右に往復運動しながら転動する速度を弱めていき、即ち第1スロープ64上に不特定時間滞留した後、切欠61や傾斜部63,63、あるいは第1スロープ64の後端側や両端部等から第2ステージ70または第3ステージ80に移動することになる。
なお、落下通路95の図14における奥行方向の形状は、特に限定するものではないが、例えば落下通路95の下端となる放出口53,53においては、上記した左右方向の径と同様な径、即ち12mm〜14mm程度とし、放出口53,53の形状が略正方形となるようにしても良い。このようにすることで、さらに遊技球を所望する方向へ規制することができる。
また、切欠61は、第1スロープ64の中央山頂の後端部に図3及び図5に示すように半円状に切り欠かれて穿設されており、この半円の径は、遊技球1個分の径より大きいように形成されている。ここで、誘導部材50の一番奥行側にほぼ垂直に立設され、略々凹面状に形成された奥壁56について説明する。この奥壁56は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に略々台形状に形成されており、その上端は、図2に示すように、特別図柄表示装置6の図柄表示部30のすぐ下まで延び、下端は、図6及び図7に示すように、後に詳述する第3ステージ80の所定の単一なアールにて形成された後端面全長に亘って付設されている。
また、奥壁56の左右方向の中央には、その上下方向に、第1スロープ64上を転動し
つつ不特定時間滞留する遊技球を第1スロープ64の略中央から落下させて第3ステージ80の中央部(後述する段部85の中央凹面部81または凹面部82,82)に移動するための半円溝状に形成された誘導溝55が、全長に亘って設けられている。誘導溝55は、上記切欠61に対向して設けられており、その半円の径は、上記切欠61の半円の径とほぼ同じ径に形成され、即ち遊技球1個分の径より大きいように形成されている。
従って、切欠61と誘導溝55とは、両者が合体することにより図5に示すように略円状の空間を形成することになり、この円状の空間から第1スロープ64上の中央付近に滞留する遊技球が落下し、誘導溝55に沿って第3ステージ80に移動することになる。
一方、奥壁56の誘導溝55の左右両側には、その上下方向に、第1スロープ64上を転動しつつ不特定時間滞留する遊技球を、第1スロープ64の略中央と両端部を除く位置の奥行方向の奥側から落下させて第3ステージ80の中央部以外の箇所(後述する第3スロープ83,83または山部90,90)に移動するための幅広の凹面状に形成された落下溝57,57が、全長に亘って設けられている。落下溝57,57は、上記中心線D−Dに対し左右対称の形状に設けられ、その左右方向の長さは、遊技球3個分の径より少し大きいように形成されている。
即ち誘導路52,52に規制されて放出口53,53から第1スロープ64上に導出された遊技球は、最初は規則的に第1スロープ64上を左右に往復運動することになるが、その後一部の遊技球は、往復運動した後に第1スロープ64の
頂上付近で移動速度を弱め、後述する前壁62に衝突したりして不特定時間滞留した後に切欠61と誘導溝55とで形成する円状空間へと流入し、誘導溝55に沿って落下しながら第3ステージ80に移動し、また、一部の遊技球は、往復運動した後に第1スロープ64の頂上付近以外の箇所で移動速度を弱め、後述する前壁62に衝突したりして不特定時間滞留した後に落下溝57,57へと流入し、該落下溝57,57に沿って落下しながら第3ステージ80に移動することになる。
なお、当該円状の空間の径は、上記説明から明らかなように遊技球1個分の径より大きければ、特に限定するものではないが、あまり遊技球1個分の径(11mm)に近い大きさにすると、遊技球が当該円状の空間に流入しずらくなり、遊技の興趣が低下するので、望ましくは14mm〜16mm程度が良い。
また、前壁62は、第3ステージ80の後述する空間部84に対応する第1スロープ64の前端側、換言すれば第1スロープ64の前記第1斜面65、第1谷部66、第2谷部68、第2斜面69をほぼ除く前記山部67の前端側に沿って、上方に向かって短尺状(例えば4〜6mm程度)に突設されており、従って前壁62は、第1スロープ64の前側から第2ステージ70への遊技球の落下を防止する。即ち前壁62は、誘導路52,52に規制されて放出口53,53から第1スロープ64上に導出された遊技球が、第1スロープ64上を左右に往復運動する場合と、往復運動した後に第1スロープ64の頂上付近で移動速度を弱めて不特定時間滞留する場合と、往復運動した後に第1スロープ64の頂上付近以外の箇所で移動速度を弱めて不特定時間滞留する場合とにおいて、何れの遊技球も第1スロープ64の前側から落下して第2ステージ70へ移動するのを防止することができるようになっている。
なお、前壁62は、略直方体状(図7参照)に前記山部67の前端側の一連全長に亘って形成したが、この形状は限定することなく、例えば蒲鉾状や三角柱状等でも良く、また遊技球が落下もしくは停止しないような間隔を設けて複数に分離して配設けるようにしても良く、さらには、それら形状と配設とを組み合わせるようにして形成しても良い。このようにすれば、第1ステージ60における遊技球の挙動をさらに多種多様にでき、遊技の
趣向をさらに増大させることができる。
また、傾斜部63,63は、第1スロープ64の裾部となる前壁62(第3ステージ80)の両側、換言すれば第1スロープ64の上記第1谷部66、第2谷部68に略対向する第1スロープ64の前側に略半円状に形成されている。この傾斜部63,63において、その左右方向には、上記第1斜面65または第2斜面69と山部67とに連設され、略凹面状に上記第1谷部66または第2谷部68の勾配よりも少し大きな下り勾配(つまり第1谷部66及び第2谷部68のアールより小さいアール)が形成されており、一方、その奥行方向には、図11に示すように、遊技機1の裏面側となる奥側(以下、単に奥側ともいう)から遊技機1の表面側となる手前側(以下、単に手前側ともいう)に向かって所定の下り勾配が設けられおり、さらに第2ステージ70の境界となる傾斜部63,63の前端箇所には、略三角状の段差59,59が形成されるようになっている。
従って傾斜部63,63は、当該傾斜部63,63に第1スロープ64上から流入した遊技球を、手前側に付勢することにより第1スロープ64から第2ステージ70に移動させ、最終的に誘導部材50の外部に流下させる。即ち傾斜部63,63は、誘導路52,52に規制されて放出口53,53から導出された遊技球が、第1スロープ64上を左右に往復運動する過程で当該傾斜部63,63に流入することにより、該流入した遊技球を付勢して上記段差59,59を飛び越えて第2ステージ70に移動させるようになっている。なお、傾斜部63,63から第2ステージ70に移動した遊技球は、後に詳述するが、第2ステージ70を横切るようにして第2ステージ70の前端に設けられたガイド部材92衝突し、第2ステージ70の奥行方向の奥側に向かって跳ね返ってくるようになっている。
なお、図11に示す傾斜部63,63の上記所定の下り勾配は、特に限定するものではないが、遊技球が勢いよく転動する角度が望ましく、例えば3〜5度以上が望ましい。このようにすると、仮に遊技機1が奥側にわずかに寝かして(例えば2分〜4分5厘または0.5度〜1度)立設されたりしても、所期の性能を維持することが可能となり、従い誘導部材50の使い勝手が良くなる。
次に、第2ステージ70の構成について詳述する。第2ステージ70は、一連全長に亘って所定の単一なアールにて形成され、第1ステージ60の前側にその略両端部が連接するように設けられると共に、第3ステージ80の前側にその略中央部分が連接するように設けられ、第1ステージ60及び第3ステージ80から転動してきた遊技球を受入れて転動させる第2スロープ71と、第2スロープ71の中央前側に突設され、第3ステージ80の後述する中央凹面部81、凹面部82,82から流下してくる遊技球を誘導部材50の外部に誘導して流下させる誘導板72とから構成されている。
第2スロープ71は、図10に示すように、一連全長に亘って略凹面状に勾配が形成されて設けられており、その略両端部は、上記した図9に示す第1スロープ64の第1斜面65及び第2斜面69とつらなり、即ち第2スロープ71の略両端部は、第1斜面65及び第2斜面69と同一の下り勾配が形成され、一方、第2スロープ71の上記両端部以外の中央部は、第3ステージ80の前端側に連接され、第1スロープ64と図10に示す中心線F−Fに対し対称状に設けられ、従って第2スロープ71の中央部は、上記した第1スロープ64の略凸面状に勾配が形成された長尺状の山部67の形状と中心線F−Fに対して対称の形状となっている。
換言すれば、第2スロープ71は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に稜線を有する勾配が形成(所定の単一なアールにて形成)された曲面構造になっており、従って上記中心線D−Dに対して対称形状となっている。なお、第2スロープ71の奥行方向の通
路幅は、遊技球1個分の径の略1.5倍程度に形成されると共に、第2スロープ71は、図7に示すように、その表面奥行方向に、奥側から手前側に向かって所定の下り勾配が設けられている。
また、第2スロープ71の前端には、図3に示すように、第2スロープ71の曲面構造に沿って、ガイド部材92,92が上方に突出するように設けられている。このガイド部材92,92は、第1ステージ60や第3ステージ80から第2ステージ70に流下してきた遊技球が、第2スロープ71を介して誘導部材50の外部に落下するのを防止するための部材であり、誘導板72の左右に、つまり上記中心線D−Dに対して対称状に、誘導板72を挟むように形成されている。なお、上記したように、ガイド部材92,92は、上記中心線D−Dに対し左右対称に形成され、両者とも同様な構造となっているので、ここでは代表して誘導板72の左側に設けられたガイド部材92についてのみ説明する。
ガイド部材92は、レール91、スライド片94、固定片97とから構成されており、まず、レール91は、スライド片94を所定区間、左右方向にスライドさせるためのもので、図3に示すように、第2スロープ71の前端からごくわずかだけ間隔をあけた位置に、第2スロープ71の曲面構造に沿って形成されている。
レール91は、図13に示すように、多数の方形状の嵌合溝89,89,89・・・が第2スロープ71の側端から誘導板72の少し手前の位置まで連続して第2スロープ71に穿設されており、この嵌合溝89,89,89・・・は、後述するスライド片94のストッパ99,99,99,99を嵌合して、スライド片94を第2スロープ71上に位置固定するためのものである。なお、レール91の長さは、スライド片94と固定片97とを足した長さよりわずかに短くなっている。
次に、固定片97は、第2スロープ71の前側略端部から遊技球が落下するのを防止すると共に、スライド片94を略収納するためのもので、上記した誘導路52にその左側面を当接しつつ、第2スロープ71の前端両側に上方に突出するように第2スロープ71の曲面構造に沿って設けられている。固定片97は、図13に示すように、断面略凹面状に形成され、その内部にスライド片94を収納するための空洞部98が形成されており、この空洞部98は、レール91と対面するように設けられている。従って、固定片97は、レール91を跨ぐように第2スロープ71取り付けられ、その長さは、スライド片94とほぼ同じ長さ、つまりレール91の長さの半分よりわずかに長くなっている。
次に、スライド片94は、第2スロープ71の前側略中央部から遊技球が落下するのを防止すると共に、自身を左右にスライドさせることで、任意に遊技球が落下する第2スロープ71の前端位置を特定するためのもので、その左端部を固定片97の空洞部98に臨ませつつ、後述するストッパ99,99,99,99をレール91の嵌合溝89,89,89・・・に嵌合して第2スロープ71の曲面構造に沿って設けられている。
スライド片94は、図13に示すように、細長い略矩形の平板状に形成され、その右側面には、つまみ93が設けられており、このつまみ93は、スライド片94を左右方向にスライドさせるために人が指でつまむためのもので、略矩形の平板状に形成され、スライド片94の側面につまみ93の幅広面が直交するように設けられると共に、その上部が上記固定片97と略同じ高さまでスライド片94より突出するように設けられている。また、スライド片94の下側には、左右両端及びその間に2つ、つまり4つのストッパ99,99,99,99が設けられており、このストッパ99,99,99,99は、先端が丸くなった略四角柱状に形成され、下方に短く突出するように設けられている。なお、スライド片94の長さは、固定片97とほぼ同じ長さ、つまりレール91の長さの半分よりわずかに長くなっている。
このように形成されるスライド片94を左右方向にスライドさせるには、人がつまみ93をつまんで所望する方向、即ち右(図13における矢印W)か左(図13における矢印Y)の方向に引っ張るようにして移動するようにすれば良い。つまり、このように左右方向につまみ93を引っ張ると、固定片97の空洞部98と、ストッパ99,99,99,99の丸くなった先端とにより、ストッパ99,99,99,99が、引っ張る方向に次から次へとレール91の嵌合溝89,89,89・・・に対し挿脱を繰り返し、その後、つまみ93を引っ張るのをやめることで、スライド片94を第2スロープ71の所望する位置に固定することができる。また、スライド片94の移動範囲は、右方向においては、一番右のストッパ99が一番右の嵌合溝89に嵌合するまで、左方向においては、一番左のストッパ99が一番左の嵌合溝89に嵌合するまで(つまみ93が固定片97に当接するまで)、即ち固定片97からレール91がはみ出している範囲を、左右にスライド自在になっている。なお、固定片97及びスライド片94は、衝突する遊技球を跳ね返すため、その材質は弾性部材にて形成されている。
従って第2スロープ71において、第1スロープ64の略両端部から転動してきた遊技球は、第2スロープ71上を左右に往復運動しながら転動する速度を弱めていき、即ち第2スロープ71上に不特定時間滞留した後、上記所定の下り勾配により誘導部材50の外部に落下することになるが、このときガイド部材92,92に衝突した遊技球は、第2スロープ71の奥行方向の奥側に跳ね返って第3ステージ80に進入したり、ガイド部材92,92に沿って転動したりして不特定時間滞留し、最終的には、ガイド部材92,92のスライド片94,94が延びていない第2スロープ71の前側中央より、もしくは誘導板72より誘導部材50の外部に落下することになる。
また、傾斜部63,63から流入してきた遊技球、あるいは切欠61、誘導溝55及び落下溝57,57から第3ステージ80を介し第1スロープ64の下をくぐるようにして流入してきた遊技球は、第2スロープ71上を奥側から手前側に直線的に横切るようにして移動するが、傾斜部63,63から流入してきた遊技球は、上述した第1スロープ64の略両端部から転動してきた遊技球と略同様に、ガイド部材92,92に激しく衝突して、第2スロープ71の奥行方向の奥側に跳ね返って第3ステージ80あるいは第1ステージ60まで進入したりした後、ガイド部材92,92に沿って転動したりして不特定時間滞留し、最終的には、ガイド部材92,92のスライド片94,94が延びていない第2スロープ71の前側中央より、もしくは誘導板72より誘導部材50の外部に落下することになり、一方、切欠61、誘導溝55から第3ステージ80を介して流入してきた遊技球は、第2スロープ71上を奥側から手前側に直線的に横切るようにして、そのまま誘導板72を通って誘導部材50の外部に落下することになる。
なお、落下溝57,57から第3ステージ80を介して流入してきた遊技球は、スライド片94,94の位置によって異なる態様になり、スライド片94,94に衝突する場合は、ほぼ上述した傾斜部63,63から流入してきた遊技球と同様であり、一方、スライド片94,94に衝突しない場合は、第2スロープ71上を奥側から手前側に直線的に横切るようにして、そのまま第2スロープ71から誘導部材50の外部に落下することになる。
上記の説明で明らかなように、第2スロープ71にガイド部材92,92を設けることにより、かりに中央凹面部81を通らずに遊技球が落下しても、始動入賞口11に誘導されるチャンスが多くなり、遊技者は、遊技球の挙動から目を離すことなく、第2ステージ70上に滞留する遊技球に最後まで期待することができ、遊技の趣向が増大する。さらに、スライド片94,94を調整することで、第2ステージ70から落下する遊技球の始動入賞口11への入賞確率を、任意に変更することができるようになり、使い勝手が良くな
る。
また、誘導板72は、主に第3ステージ80から第2スロープ71を介して流入する遊技球を誘導部材50の外部に落下させて上記した始動入賞口11や後述する誘導片92a,92aに誘導するもので、第2スロープ71と同一の単一なアールにて形成され、第2スロープ71の前端の中央箇所に、前側に向かって短尺状(例えば2〜5mm程度)に突設されており、その左右方向の長さは、遊技球略3個分の大きさに形成されている。従い誘導板72は、第2スロープ71とつらなり、該第2スロープ71と同一の略凹面状に勾配が形成されて設けられており、即ち誘導板72は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に稜線を有する勾配が形成された曲面構造になっており、従って上記中心線D−Dに対して対称形状となっている。なお、図6及び図7に示すように、誘導板72は、その表面奥行方向に、奥側から手前側に向かって第2スロープ71と同一の所定の下り勾配が設けられている。
従って、誘導板72において、第2スロープ71上に不特定時間滞留した後に転動してきた遊技球は、上記所定の下り勾配により誘導板72を斜めに横切るようにして誘導部材50の外部に落下したり、また、切欠61、誘導溝55及び落下溝57,57から第3ステージ80を介して第2スロープ71から転動してきた遊技球は、即ち、第3ステージ80の後述する中央凹面部81、凹面部82,82から第2スロープ71を直線的に横切るようにして転動してきた遊技球は、同様に誘導板72上を奥側から手前側に直線的に横切るようにして誘導部材50の外部に落下することになり、該落下した遊技球の一部は、始動入賞口11に入賞するようになっている。
なお、第2スロープ71及び誘導板72に形成される上記所定の下り勾配は、特に限定するものではないが、遊技球が滑らかに転動する角度が望ましく、例えば2〜3度程度が望ましい。このようにすると、仮に遊技機1を奥側にわずかに寝かして(例えば2分〜4分5厘または0.5度〜1度)立設されたりしても、所期の性能を維持することが可能となり、従い誘導部材50の使い勝手が良くなる。
次に、第3ステージ80の構成について詳述する。第3ステージ80は、第1ステージ60の略直下部に、第1ステージ60の裏面部と第2ステージ70と奥壁56とで略囲まれて形成される空間部84に設けられており、従って第3ステージ80の後端は、図5、図7及び図8に示すように、左右方向の中央部は奥壁56の誘導溝55に当接し、その中央部以外の箇所は、奥壁56の落下溝57に当接するようになっており、一方、前端は第2スロープ71の後端に平面から見て直線状に隣接するようになっている。また、第3ステージ80は、その中央部に略小山が複数隆起するような形状の段部85と、該段部85の両側に形成される第3スロープ83,83とにより構成されており、まず段部85は、図5及び図9に示すように、その中央に略凹面状に勾配が形成された中央凹面部81と、該中央凹面部81の両側に隣接する略凹面状に勾配が形成された凹面部82,82と、該凹面部82,82の左右に隣接し、中央に向かって緩やかな上り勾配が形成された半凹面状の山部90,90と、山部90,90と凹面部82,82との間に設けられる凸面部88,88と、凹面部82,82と中央凹面部81との間に設けられる中央凸面部87,87とから構成されている。
即ち段部85は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に稜線を有する勾配が形成された曲面構造になっており、従って中央凹面部81、凹面部82,82、山部90,90は、所定のアールにて形成されると共に、上記中心線D−Dに対して互いに対称形状となっている。なお、中央凹面部81及び山部90,90は、単一のアールにて形成されているが、凹面部82,82は、図12に示すように、二つの連続するアールR1,R1,R2,R2にて形成されており、この二つのアールR1,R1,R2,R2のうち、中央寄
り(中央凹面部81寄り)のアールR2,R2は、端寄り(山部90,90寄り)のアールR1,R1よりも小さく形成されいる。
つまり、凹面部82,82において、中央寄りのアールR2,R2の下り勾配は、端寄りのアールR1,R1下り勾配よりも急勾配となっており、さらに左右方向における中央寄りのアールR2,R2の長さは、端寄りのアールR1,R1の長さよりも短くなっている。凹面部82,82がこのように形成されている理由は、上記したガイド部材92,92に当たって跳ね返ってきた遊技球が、第3ステージ80の両側に形成される第3スロープ83,83から段部85に流入し、山部90,90の緩やかな上り勾配を転動して凸面部88,88をのり越えて凹面部82,82に流入する場合において、この凹面部82,82に流入した遊技球を、緩やか且つ長く形成されたアールR1,R1上を転動させることにより付勢し、その流れに勢いを増加させてアールR2,R2へと流出し、該アールR2,R2に流入した遊技球を、その勢いによりアールR1,R1より上りが急勾配且つ短く形成されたアールR2,R2を一気に駆け上がらせて中央凸面部87,87を飛び越えるようにして中央凹面部81に導出させたいからである。
また、段部85は、図5及び図7に示すように、第3ステージ80のほぼ前端から後端に亘って形成されており、特に中央凹面部81全体と凹面部82,82の一部は、上記した奥壁56の誘導溝55に当接し、切欠61と誘導溝55とにより形成される略円状の空間を臨むようになっている。これにより、この円状の空間から落下してきた遊技球は、高い確率にて中央凹面部81に導出されるようになる。また、凹面部82,82の一部と山部90,90とは、上記した奥壁56の落下溝57に当接するようになっている。これにより落下溝57,57から落下してきた遊技球は、そのほとんどが山部90,90か、あるいは後述する第3スロープ83に導出されるようになる。なお、段部85(中央凹面部81、凹面部82,82、中央凸面部87,87、凸面部88,88、山部90,90)は、その奥行方向は水平に設けられている。
従って、段部85において、上記円状の空間から落下し誘導溝55に沿って移動してきた遊技球は、中央凹面部81もしくは凹面部82,82の何れかを転動して上記第2スロープ71上に落下し、さらに第2スロープ71及び誘導板72上を奥側から手前側に直線的に横切るようにして誘導部材50の外部に落下することになる。また、落下溝57,57から落下し、この落下溝57,57に沿って移動してきた遊技球は、凹面部82,82もしくは山部90,90の何れかを転動し、上記第1スロープ64の下をくぐるようにして上記第2スロープ71上に転動することになり、凹面部82,82を転動する場合には、上記した円状の空間から落下し誘導溝55に沿って移動してきた遊技球と同様であるが、山部90,90を転動する場合には、上記したスライド片94,94の位置によって異なる態様になり、スライド片94,94に衝突する場合は、上記第2スロープ71のところで説明した傾斜部63,63から流入してきた遊技球とほぼ同様であり、一方、スライド片94,94に衝突しない場合は、第2スロープ71上を奥側から手前側に直線的に横切るようにして、そのまま第2スロープ71から誘導部材50の外部に落下することになる。
この場合、中央凹面部81から転動して誘導部材50の外部に落下した遊技球は、始動入賞口11に入賞する確率が高くなっており、一方、凹面部82,82から転動して誘導部材50の外部に落下した遊技球は、確率は高くないものの始動入賞口11に入賞するようになっている。また、山部90,90から転動してスライド片94,94に衝突せずに誘導部材50の外部に落下した遊技球は、始動入賞口11に入賞することはないが、山部90,90から転動してスライド片94,94に衝突した遊技球は、その後の遊技球の態様によっては、即ちスライド片94,94に衝突した後、最終的に誘導板72を通って誘導部材50の外部に落下したときには、始動入賞口11に入賞することが可能になってい
る。
また、後述する第3スロープ83,83から段部85に流入する遊技球、つまり第1スロープ64上から後ろ側に落下して落下溝57,57から転動してきた遊技球、または第1スロープ64上の傾斜部63,63から転動してきた遊技球、あるいは第1スロープ64の略両端部から転動してきた遊技球のうち、ガイド部材92,92に当たって跳ね返ることにより第3スロープ83,83から段部85に流入する遊技球は、山部90,90に流入した後再び第3スロープ83,83に戻ったり、あるいは山部90,90を転動し凸面部88,88をのり越えて凹面部82,82に導出したり、もしくは山部90,90を転動し凸面部88,88をのり越えて凹面部82,82に流入し、さらに凹面部82,82を転動し中央凸面部87,87飛び越えて中央凹面部81に導出したりすることになり、その後上記したように最終的に誘導部材50の外部に落下することになる。なお、山部90,90から凹面部82,82に流入した遊技球は、アールR1,R1,R2,R2により高い確率にて中央凹面部81に導出されるようになっている。
また、第3スロープ83,83は、その平面形状は、図5に示すように略矩形状に設けられ、その左右方向は、図9及び図10に示すように、全長に亘って略凹面状に上記第2スロープ71と同一の勾配が形成され、段部85の山部90,90に連接して設けられている。また、第3スロープ83,83の前端は、上記第2スロープ71の後端側に連接され、一方、後端は、図5及び図8に示すように、落下溝57,57の下端前側に当接されている。つまり、第3スロープ83,83は、正面視すると、第1スロープ64と図9に示す空間部84の中心線E−Eに対し対称状に設けられ、従って第3スロープ83,83は、上記した第1スロープ64の長尺状の山部67に形成された略凸面状の勾配と中心線E−Eに対して対称の略凹面状の勾配となっている。
換言すれば、第3スロープ83,83は、図4に示す中心線D−Dに対し左右対称に稜線を有する勾配が形成(所定の単一なアールにて形成)された曲面構造になっており、従って上記中心線D−Dに対して対称形状となっている。なお、図8に示すように、第3スロープ83,83は、その表面奥行方向は水平に設けられている。
従って第3スロープ83,83において、第2スロープ71の後端部から転動してきた遊技球は、即ち第1スロープ64上から後ろ側に落下して落下溝57,57から転動してきた遊技球、または第1スロープ64上の傾斜部63,63から転動してきた遊技球、あるいは第1スロープ64の略両端部から転動してきた遊技球のうち、ガイド部材92,92に当たり跳ね返って流入してきた遊技球は、第3スロープ83,83上を左右に転動して段部85(山部90,90)に流入したり、あるいは再び第2スロープ71に戻ったりするようになっている。
上記の説明で明らかなように、第2スロープ71にガイド部材92,92を設けることにより、かりに中央凹面部81を通らずに遊技球が落下しても、始動入賞口11に誘導されるチャンスが多くなり、遊技者は、遊技球の挙動から目を離すことなく、第2ステージ70上に滞留する遊技球に最後まで期待することができ、遊技の趣向が増大する。さらに、スライド片94,94を調整することで、第2ステージ70から落下する遊技球の始動入賞口11への入賞確率を、任意に変更することができるようになり、ホールにとって使い勝手が良くなる。
次に、上記のように構成される誘導部材50における遊技球の具体的な流れについて詳述する。図15は、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80の遊技球の流れを説明するため、その一部(奥壁56及びガイド部材92,92)の構成を省略した誘導部材50の斜視図、図16乃至図18は、ガイド部材92,92に衝突することなく
、始動入賞口11に入賞するときの遊技球の流れを説明するための説明図である。
まず、図15及び図16(A)において、例えば左側の誘導路52から第1ステージ60に導出された遊技球は、まず、規則的に第1スロープ64上を矢印A→B→T→Sという順に転動した後、こんどは反対方向に矢印S→T→B→Aという順に転動する往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱め前壁62に衝突などして第1スロープ64上に不特定時間滞留した後、矢印Hに示すように、切欠61と誘導溝55とで形成される円状空間へと流入して落下し、誘導溝55に誘導されて、矢印Mに示すように、中央凹面部81上を転動し、さらに矢印Vに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下する。そして、誘導部材50の外部に落下した遊技球は、図16(B)に示すように、ストレートに始動入賞口11に入賞する。
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第1ルートともいう)は、図15において矢印A→B→T→S→T→B→A→B→H→M→Vというようなルートととなる。なお、この第1ルートにおいては、高い確率にて始動入賞口11に入賞することになる。
次に、図15及び図17(A)において、第1ルートと同様、第1スロープ64から上記円状空間へと流入したものの中央凹面部81に落下せず、矢印G、Nに示すように、凹面部82,82に落下したときには、矢印UまたはQに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下する。そして、誘導部材50の外部に落下した遊技球は、図17(B)に示すように、始動入賞口11としての電動チューリップの左翼片の頭部や図示しない障害釘等に衝突して始動入賞口11に入賞する。
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第2ルートともいう)は、図15において矢印A→B→T→S→T→B→A→B→H→G→U、または矢印A→B→T→S→T→B→A→B→H→N→Qというようなルートととなる。なお、図17(A)(B)においては、前者のルート(矢印A→B→T→S→T→B→A→B→H→G→U)を示している。また、この第2ルートにおいては、始動入賞口11に入賞する確率は高くない。
次に、図15及び図18(A)において、第1ルートと同様、第1スロープ64上を往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱め前壁62に衝突などして第1スロープ64上に不特定時間滞留した遊技球が、上記円状空間及び傾斜部63,63のどちらにも流入せずに、矢印OまたはXに示すように、第1スロープ64の後ろ側から落下し、落下溝57,57から凹面部82,82に落下したときには、第2ルートと同様、矢印UまたはQに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下する。そして、誘導部材50の外部に落下した遊技球は、図18(B)に示すように、始動入賞口11としての電動チューリップの左翼片の頭部や図示しない障害釘等に衝突して始動入賞口11に入賞する。
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第3ルートともいう)は、図15において矢印A→B→T→S→T→B→A→B→O→G→U、または矢印A→B→T→S→T→B→A→B→X→N→Qというようなルートととなる。なお、図18(A)(B)においては、前者のルート(矢印A→B→T→S→T→B→A→B→O→G→U)を示している。また、この第3ルートにおいては、第2ルートと同様、始動入賞口11に入賞する確率は高くない。
次に、ガイド部材92,92の態様、即ちスライド片94,94の状態により、同様なルートを通っても始動入賞口11に入賞したり、しなかったりするときの代表的な遊技球の流れを説明する。図19、図21及び図23は、固定片97,97からスライド片94
,94が張り出したときに、始動入賞口11に入賞するときの遊技球の流れを説明するための説明図、図20、図22及び図24は、それぞれ図19、図21及び図23に示す遊技球の流れと対応し、固定片97,97にスライド片94,94が収納されているときに、始動入賞口11に入賞しないときの遊技球の流れを説明するための説明図である。
まず、図15及び図19(A)において、第3ルートと同様、遊技球が、矢印OまたはXに示すように、第1スロープ64の後ろ側から落下して落下溝57,57に流入したときには、遊技球は、矢印PまたはZに示すように、第1ステージ60の下をくぐるようにして第3スロープ83を直線的に流下しながら第2テージに流入し、さらに第2スロープ71上を直線的に横切るようにしてスライド片94,94に衝突する。そして、スライド片94,94に衝突した遊技球は、第2スロープ71の内側に跳ね返り、さらに第3スロープ83,83を通って中央凹面部81または凹面部82,82に流入し、その後は、上述した第1ルートまたは第2、第3ルートと同じルートを通って始動入賞口11に入賞する。
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第4ルートともいう)は、図15において矢印A→B→T→S→T→B→A→B→O→P→G→U、または矢印A→B→T→S→T→B→A→B→O→P→M→V、または矢印A→B→T→S→T→B→A→B→O→P→N→Qというようなルートととなる。なお、図19(A)(B)においては、矢印A→B→T→S→T→B→A→B→O→P→M→Vのルートを示している。
一方、図15及び図20(A)において、第4ルートと同様、矢印PまたはZに示すように、第1ステージ60の下をくぐるようにして第3スロープ83を直線的に流下しながら第2テージに流入してきた遊技球は、固定片97,97にスライド片94,94が収納されていることにより、第2スロープ71上を直線的に横切るようにして誘導部材50の外部に落下することになり、従って始動入賞口11に入賞することはない。
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第5ルートともいう)は、図15においてA→B→T→S→T→B→A→B→O→P、またはA→B→T→S→T→B→A→B→X→Zというようなルートととなる。なお、図20(A)(B)においては、前者のルート(矢印A→B→T→S→T→B→A→B→O→P)を示している。
次に、図15及び図21(A)において、第1ルートと同様、第1スロープ64上を往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱め前壁62に衝突などして第1スロープ64上に不特定時間滞留した遊技球が、上記円状空間や落下溝57,57へ流入せずに、矢印CまたはJに示すように、傾斜部63,63に流入したときには、矢印EまたはKに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにしてスライド片94,94に衝突する。そして、スライド片94,94に衝突した遊技球は、第2スロープ71の内側に跳ね返り、さらに第3スロープ83,83を通って中央凹面部81または凹面部82,82に流入し、その後は、上述した第1ルートまたは第2、第3ルートと同じルートを通って始動入賞口11に入賞する。
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第6ルートともいう)は、図15において矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→G→Uもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→G→U、または矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→M→Vもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→M→V、または矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→N→Qもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→N→Qというようなルートととなる。なお、図21(A)(B)においては、矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→G→U及び矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→G→Uのルートを示している。
一方、図15及び図22(A)において、第6ルートと同様、矢印EまたはKに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして流下してきた遊技球は、固定片97,97にスライド片94,94が収納されていることにより、そのまま第2スロープ71から誘導部材50の外部に落下することになり、従って始動入賞口11に入賞することはない。
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第7ルートともいう)は、図15において矢印A→B→T→S→T→B→A→C→Eもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→Eというようなルートととなる。なお、図22(A)(B)においては、両者のルートを示している。
次に、図15及び図23(A)において、第1ルートと同様、第1スロープ64上を往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱め前壁62に衝突などして第1スロープ64上に不特定時間滞留した遊技球が、上記円状空間や落下溝57,57へ流入せずに、矢印DまたはIに示すように、第1スロープ64の両端部をユーターンするようにして第2スロープ71に流入したときには、該遊技球は、第2スロープ71を斜めに横切るようにしてスライド片94,94に衝突する。そして、スライド片94,94に衝突した遊技球は、第2スロープ71の内側に跳ね返り、さらに第3スロープ83,83を通って中央凹面部81または凹面部82,82に流入し、その後は、上述した第1ルートまたは第2、第3ルートと同じルートを通って始動入賞口11に入賞する。
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第8ルートともいう)は、図15において矢印A→B→T→S→T→B→D→G→Uもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→G→U、または矢印A→B→T→S→T→B→D→M→Vもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→M→V、または矢印A→B→T→S→T→B→D→N→Qもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→N→Qというようなルートととなる。なお、図23(A)(B)においては、矢印A→B→T→S→T→B→D→G→U及び矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→G→Uのルートを示している。
一方、図15及び図24(A)において、第8ルートと同様、矢印DまたはIに示すように、第1スロープ64の両端部をユーターンするようにして第2スロープ71に流下してきた遊技球は、固定片97,97にスライド片94,94が収納されていることにより、そのまま第2スロープ71を斜めに横切るようにして誘導部材50の外部に落下することになり、従って始動入賞口11に入賞することはない。
つまり、この場合の遊技球のルート(以下、単に第9ルートともいう)は、図15において矢印矢印A→B→T→S→T→B→Dもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→Dというようなルートととなる。なお、図24(A)(B)においては、両者のルートを示している。
なお、上記第4、第6、第8ルート以外にも、発生する頻度は少ないものの遊技球が始動入賞口11に入賞するルートは種々あり、例えば、第6ルートにおいて、スライド片94,94に衝突し、第2スロープ71に跳ね返った遊技球が、第3ステージ80に流入することなく第2スロープ71上を矢印F→Lあるいは矢印L→Fというように往復運動を繰り返し、その後転動する速度を弱めながら第2スロープ71上に不特定時間滞留した後、矢印VまたはUもしくはQに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下して始動入賞口11に入賞するルートがある。
つまり、この場合の遊技球のルートは、図15において矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→F→L→F→L→Uもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→F→L→F→L→U、または矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→F→L→F→L→Vもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→F→L→F→L→V、または矢印A→B→T→S→T→B→A→C→E→F→L→F→L→Qもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→C→E→F→L→F→L→Qというようなルートととなる。
また、例えば、第8ルートにおいて、第1スロープ64の両端部をユーターンするようにして第2スロープ71に流入した遊技球が、スライド片94,94に衝突しても第3ステージ80に流入することなく、第2スロープ71上を往復運動して不特定時間滞留した後、矢印VまたはUもしくはQに示すように、第2スロープ71を直線的に横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下して始動入賞口11に入賞するルートがある。さらにまた、例えば、第8ルートにおいて、第1スロープ64の両端部をユーターンするようにして第2スロープ71に流入した遊技球が、スライド片94,94に衝突することなく、つまり第3ステージ80に流入することなく、第2スロープ71上をスライド片94,94に沿うように往復運動して不特定時間滞留した後、第2スロープ71を斜めに横切るようにして誘導板72から誘導部材50の外部に落下して始動入賞口11に入賞するルートがある。
つまり、これらの場合の遊技球のルートは、図15において矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→Uもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→U、または矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→Vもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→V、または矢印A→B→T→S→T→B→D→F→L→F→L→Qもしくは矢印A→B→T→S→T→B→A→B→D→F→L→F→L→Qというようなルートととなる。
なお、スライド片94,94の状態は、上記した第4〜9ルートに係わるスライド片94,94の状態以外にも種々あるが、ここでの説明は省略する。また、上記した誘導部材50にかかる遊技球の流れにおいては、左側の誘導路52から第1ステージ60に導出された遊技球について説明したが、右側の誘導路52から第1ステージ60に導出された遊技球の流れについては、上記に準じるものとし、ここでの説明は省略する。
なお、以上説明した誘導部材50にかかる遊技球の流れは、その代表的なものを例示しただけにすぎず、その他の態様を排除するものではない。即ち、誘導部材50にかかる遊技球の流れは、上述した以外にも、そのときの遊技球の方向、速度、スピン等の条件によって様々な態様を示すことになる。
以上説明したように、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置は、導入口51,51、誘導路52,52、誘導部材50より構成されて特別図柄表示装置6に上記中心線D−Dに対して互いに対称状に一体的に設けられ、さらに誘導部材50は、第1ステージ60、第2ステージ70、第3ステージ80、奥壁56より形成され、各ステージ60、70、80の奥行き方向には、前方を開放する空間が形成される2階建て構造になっている。導入口51,51は、遊技盤21上(遊技領域5)を落下してくる遊技球を受入れて誘導路52,52へ導出し、誘導路52,52は、その内部にテーパー状に設けられた落下通路95,95により、該受入れた遊技球に所定の方向性と速度を与えて放出口53,53から誘導部材50へと、当該遊技球を導出するようになっている。そして、誘導部材50に流入した遊技球は、その所定の方向性と速度により、稜線を有する勾配が形成された第1スロープ64(第1ステージ60)上を規則的に左右に往復運動しながら転動する速度を弱めていき、第1スロープ64上の前壁62に衝突したりして不特定時間滞留した後、切欠61と奥壁56の誘導溝55とで形成する第1スロープ64の中央山頂に形成
された円状空間や、第1スロープ64の後ろ側且つ誘導溝55の左右両側に幅広に形成された落下溝57,57から第3ステージ80に、あるいは第1スロープ64の両端部や傾斜部63,63から第2ステージ70に移動するようになっている。
そして、切欠61と誘導溝55とで形成された円状空間から第3ステージ80に流入した遊技球または落下溝57,57から第3ステージ80に流入した遊技球の一部は、中央凹面部81あるいは凹面部82,82のどちらかに流入し、中央凹面部81に流入した遊技球は、第2スロープ71の誘導板72の中央から落下したとき、高い確率にて始動入賞口11に入賞するようになっており、一方、凹面部82,82に流入した遊技球は、第2スロープ71の誘導板72の側方から落下したとき、確率は高くないものの始動入賞口11に入賞するようになっている。
また、落下溝57,57から第3ステージ80に流入した遊技球のうち、中央凹面部81あるいは凹面部82,82の何れにも流入しなかった遊技球、あるいは傾斜部63,63から第2ステージ70に流入した遊技球は、第2スロープ71を直線的に転動して誘導部材50の外部に落下し、また、第1スロープ64の両端部から第2ステージ70に流入した遊技球は、所定の単一なアールにて形成された第2スロープ71上を左右に移動しながら不特定時間滞留した後、第2スロープ71を斜め前方等に転動して誘導部材50の外部に落下するようになっている。
しかして、第2スロープ71の前端にはガイド部材92,92が突設されており、このガイド部材92,92は、自身を左右にスライドさせることで、任意に遊技球が落下する第2スロープ71の前端位置を特定できるスライド片94,94が設けられている。従って、上記した落下溝57,57、傾斜部63,63及び第1スロープ64の両端部から第2ステージ70に流入した遊技球は、誘導部材50の外部に落下するとき、スライド片94,94の状態によっては、該スライド片94,94に衝突して跳ね返り、再び誘導部材50の内部を転動することになる。
従って本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置によれば、誘導路52,52の放出口53,53より放出され第1ステージ60に流入した遊技球は、第1ステージ60に形成された稜線を有する勾配により、その挙動に躍動感を与えられながら様々な態様にて第2ステージ70や第3ステージ80に導出され、さらに第2ステージ70または第3ステージ80に導出された遊技球は、第2ステージ70や第3ステージ80のアール構造や突起構造等によりその挙動を多種多様に変化させながら、不特定時間第2ステージ70または第3ステージ80に滞留可能になっているので、遊技者は、各ステージ60、70、80における遊技球の挙動を十分に楽しむことができる。
さらに、第3ステージ80の中央凹面部81から誘導部材50の外部に落下する遊技球は、高い確率にて始動入賞口11に入賞し、一方、第3ステージ80の凹面部82,82や第3ステージ80を通ることなく第2ステージ70から誘導部材50の外部に落下する遊技球は、ガイド部材92,92により、その一部は始動入賞口11に入賞するようにしたので、始動入賞口11に誘導されるチャンスが多くなり、遊技者は、遊技球の挙動から目を離すことなく、誘導部材50上を移動する遊技球に最後まで期待することができ、遊技の趣向が増大する。
特に、凹面部82,82は、その表面が二つの連続するアールR1,R1,R2,R2の曲面にて形成され、左右方向から転動してきた遊技球を中央凹面部81に誘導しやすくなっているので、ガイド部材92,92(スライド片94,94)により、跳ね返って第2ステージ70に流入した遊技球は、第2スロープ71から第3ステージ80に進入し、凹面部82,82を乗り越えて中央凹面部81に到達して、最終的に始動入賞口11へ入
賞することが期待でき、その結果、遊技者は、なおさら誘導部材50上を移動する遊技球に最後まで期待することができる。
また、スライド片94,94は、第2スロープ71の前端位置にて左右にスライド自在に設けられているので、スライド片94,94を調整することで、第2ステージ70から落下する遊技球の始動入賞口11への入賞確率を、任意に変更することができるようになり、従い、ホールにとって使い勝手が極めて良くなる。即ち、例えばホールが、新装開店の際に特別に当該誘導装置から始動入賞口への遊技球の入賞確率を高くしたいと所望したときには、それに即座に対応することが可能となり、さらに例えば、遊技機1は、入賞口等への入賞確率を変更するため、ホールの所望する角度によって遊技島に立設されるので、つまりホールの所望によって、垂直に立設されたり、わずかに寝かして(例えば2分〜4分5厘または0.5度〜1度)立設されたりするので、これが原因で当該誘導装置から始動入賞口への遊技球の入賞確率が想定外になったとしても、速やかに対応することが可能となる。つまり、遊技球の転動や移動等の挙動は、極めて微妙であり、従い遊技機1の立設される角度に極めて大きな影響を受けるのであるが、このように誘導装置からの遊技球の始動入賞口11への入賞確率を任意に変更できるようにすることで、その影響を回避することができるようになる。その結果、ホールが所望する誘導装置から始動入賞口11への遊技球の入賞確率が想定外になり、それによりホールにとって不利益が発生することを防止することができ、即ち例え遊技機の立設される角度が変更されても所期の仕様性能を維持することができる使い勝手の良い誘導装置を提供することができるようになる。
また、第1スロープ64の中央山頂箇所に、遊技球を第3ステージ80に誘導するための切欠61と誘導溝55とで形成する円状空間を設けたので、即ち遊技球が、この円状空間へ流入することにより中央凹面部81に誘導される確率が高く、従って始動入賞口11に入賞する確率が高くなるので、遊技者は、この円状空間に遊技球が流入するか否かを期待しながら注意深く見守ることになり、さらに、第1スロープ64の稜線を往復している遊技球は、この山頂付近で転動する速度が遅くなって滞留することが多いのであるが、当該円状空間は、第1スロープ64の中央山頂箇所に設けられているので、従って、遊技者は、この山頂付近で遊技球が滞留した場合、つまり当該円状空間に遊技球が流入するか否かが際どい位置に遊技球が滞留した場合には、一喜一憂することができ、その結果、遊技の趣向が極めて増大し、遊技性が極めて向上する。
また、第1スロープ64の後ろ側には落下溝57,57を設け、第1スロープ64の遊技球を後方に落下させて、第1ステージ60をくぐるように誘導し、さらに、その一部の遊技球は、そのまま凹面部82,82に流入して始動入賞口11に入賞するようにしたので、遊技球は、前後左右及び下方向へと移動し、その挙動に極めて大きな立体感と躍動感を与えられると共に、上記円状空間に流入しなかった遊技球にも始動入賞口11に入賞するチャンスが与えられ、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。
また、誘導部材50は、上記中心線D−Dに対して互いに対称状に設けられ、さらに、第1ステージ60の山部67と第2ステージ70の第2スロープ71とは、上記中心線F−Fに対し対称状に設けられて、両者は同一の単一なアール面にて形成され、さらにまた、第1ステージ60の山部67と第3ステージ80の第3スロープ83,83とは、正面視すると、上記中心線E−Eに対し対称状に設けられて、両者は同一の単一なアール面にて形成され、即ち第1ステージ60の山部67と第2ステージ70の第2スロープ71と第3ステージ80の第3スロープ83,83の三者は、同一の単一なアール面にて形成されている。つまり、各ステージ60、70、80の主要な構成要素となる山部67、第2スロープ71、第3スロープ83,83が上下左右略対称状に設けられているので、従って、誘導部材50は、その設計が容易となると共にその美観が高められ、且つ誘導部材50上を転動する遊技球の流れを流麗にすることができ、その結果、誘導部材50を開発す
る上でコストダウンになると共に、遊技者の遊技意欲をそそることができる。
さらに、第3ステージ80は、第1ステージ60の山部67と第2ステージ70の第2スロープ71とで形成される空間部84に設けられるようにしたので、第3ステージ80を設ける上で新たなスペースを必要とせずに既存のスペースを有効活用でき、従って、誘導部材50は、その設計が合理的で効率が良く無駄のないものにすることができ、その結果、さらに誘導部材50を開発する上でコストダウンになる。
また、誘導部材50に流入した遊技球は、第1スロープ64(第1ステージ60)上を規則的に左右に往復運動し後に、その挙動を不規則的に変化させて不特定時間滞留しつつ第1ステージ60から第2ステージ70や第3ステージ80に移動し、最終的に第2ステージから転動して誘導部材50の外部に落下するようにしたので、遊技者は、第1ステージ60の流入直後の規則的な挙動から、不規則的な挙動へと遊技球の挙動が変化していくのを楽しむことができ、特に、第1スロープ64(第1ステージ60)上を規則的に左右に往復運動させることとなる誘導路52,52は、第1スロープ64に臨む落下通路95,95の放出口53,53の位置を、切欠61と傾斜部63,63とを避ける位置に形成したので、第1ステージ60に流入直後の遊技球は、安定して第1ステージ60上で滞留することができ、第1ステージ60に流入してすぐ第2ステージ70や第3ステージ80に移動することがなく、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。
また、傾斜部63,63は、誘導部材50上の遊技球の挙動が、全体的に左右方向かつ誘導部材50の曲面構造に対応した動きとなるなかで、奥行方向に直線的な動きを創出し、従って、誘導部材50上の遊技球の挙動に極めて大きな変化を与えることができ、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。
なお、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置では、上記したように第1ステージ60から第3ステージ80の中央凹面部81及び凹面部82,82に遊技球を誘導するための誘導部材50に設ける切欠61及び誘導溝55は、第1スロープ64山頂の後部に単一に形成するようにしたが、この切欠61及び誘導溝55を形成する位置は、最終的に始動入賞口11またはその他の入賞口に入賞する確率が高くなる位置であればどの位置であっても良く、さらにこの切欠61及び誘導溝55を複数設けるようにしても良い。例えば、第1スロープ64の山頂箇所に加えもしくは第1スロープ64の山頂箇所に変えて、第1スロープ64山頂と第1スロープ64の両端部の中間にそれぞれ形成し、3箇所もしくは2箇所設けるようにしても良い。このようにすることにより、さらに始動入賞口11またはその他の入賞口に入賞する確率が高くなるので、遊技者にとって魅力ある遊技を提供でき、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。
また、切欠61は、その上下方向における半円周状の縁面を略垂直に形成したが、これに変えて、該半円周状の縁面を略すり鉢状のような傾斜を設けて形成するようにしても良い。このようにすることにより、さらに遊技球を切欠61に誘導する確率が高くなると共に、切欠61を通過する遊技球の挙動が微妙に変化するので、その結果、遊技の趣向が増大し、遊技性が向上する。
また、ガイド部材92,92は、固定片97,97とスライド片94,94を備えるようにしたが、これは限定することなく、スライド片94,94のみにして固定片97,97を省略するようにしても良い。そして、この場合には、スライド片94,94の左右方向への移動は、本実施形態のようなスライド式でなく、適宜手段にて着脱自在にするようにすれば良い。なお、ガイド部材92,92は、本実施形態においては2つ設けるようにしたが、その数は限定することなく、例えば1つにしても良いし、3つ以上にしても良い。このようにすると、さらに誘導部材50から外部に落下するときの遊技球の態様を多種
多様に変化させることができるようになる。
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置は、弾性部材にて形成されるガイド部材92,92、即ち固定片97,97とスライド片94,94以外の材質は特に限定するものではなく、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂にてその全体を形成しても良く、さらに、その一部のみを違う材質、例えば、第1スロープ64や第2スロープ71の表面に金属メッキを施したりしても良い。このように、第1スロープ64や第2スロープ71の表面に金属メッキを施すと、第1スロープ64や第2スロープ71上を左右に往復運動するときの遊技球の転動が円滑になり、遊技性が向上すると共に、ブリッジ等の球詰まりというような不測の事態を防止することができ、所期の性能を維持することができる。
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置は、第2スロープ71の前端にガイド部材92,92を設けるようにしたが、これに変えて次のようにしても良い。即ち第2スロープ71の下部に、第2スロープ71から誘導部材50の外部に向かって落下する遊技球を衝突させて、再び誘導部材50の内部に流入させたり、あるいは、その流下する角度を変更させる手段を設けるようにしても良い。この手段としては、種々考えられるが、例えば、略円柱状の弾性部材にて形成された部材を前方向かって複数突設するような手段等が考えられる。このようにすると、第2ステージ70から誘導部材50の外部に落下する遊技球は、この手段により、その一部は始動入賞口11に入賞するようになるので、遊技者は、誘導部材50の外部に落下する全ての遊技球において最後まで期待することができ、即ち、遊技者は、誘導部材50に流入した遊技球が、如何なる態様にて誘導部材50の外部に落下しても、始動入賞口11への入賞を期待することができ、その結果、始動入賞口11への遊技球の入賞する確率が上昇して遊技の趣向が増大し、遊技性が極めて向上する。
なお、上記手段は、突設した略円柱状の弾性部材を、その左右方向に適宜手段にてスライド自在に設けるようにしても良く、あるいは前方に突出する角度を適宜手段にて自在に変更可能に設けるようにしても良い。このようにすると、誘導装置の外部から落下する遊技球の始動入賞口11への入賞確率を、任意に変更することができるようになり、本実施形態のガイド部材92,92と同等の効果を得ることが可能となる。
また、本実施形態の遊技機1における遊技球の誘導装置は、上記したように特別図柄表示装置6に一体的に設けるようにしたが、これは限定するものではなく、他の遊技盤21上の遊技領域5に設けられる遊技装置、例えば、いわゆる役物と呼ばれる入賞装置や風車等の振り分け装置、あるいは停留装置等に設けるようにしても良く、さらに、当該誘導装置は始動入賞口11の上部に設け、この誘導装置から外部に放出した遊技球を始動入賞口11に誘導するようにしたが、これは始動入賞口11以外の遊技装置、例えば、大入賞口7や普通図柄作動ゲート19等の上部に設けるようにしても良い。
次に特許請求の範囲の構成と、本発明の実施形態との主な対応を説明する。
請求項1:遊技領域は、遊技領域5に相当し、導入口は、導入口51に相当し、誘導路は、誘導路52に相当し、放出口は、放出口53に相当し、誘導部材は、誘導部材50に相当し、誘導装置は、導入口51、誘導路52、誘導部材50に相当し、第1ステージは、第1ステージ60に相当し、第1ステージの長手方向に稜線を有する勾配が形成された所定部位は、第1スロープ64、第1斜面65、第1谷部66、山部67、第2谷部68、第2斜面69に相当し、第2ステージは、第2ステージ70に相当し、第3ステージは、第3ステージ80に相当し、第3ステージの奥行方向の奥側から遊技球を受入れることは、切欠61と誘導溝55とで形成する円状空間及び落下溝57,57から遊技球を受入れることに相当し、第3ステージの所定方向への誘導は、中央凹面部81、凹面部82に
相当する。
請求項2:第2ステージは、第2ステージ70に相当し、第2ステージの長手方向に稜線を有する勾配が形成された所定部位は、第2スロープ71、誘導板72に相当し、水平線は、図9に示す中心線F−Fに相当し、第1ステージの稜線を有する勾配は、山部67に相当し、第2ステージの長手方向の所定部位に形成された稜線を有する勾配が、水平線に対して第1ステージの稜線を有する勾配と対称に形成されたことは、本文中の「第2スロープ71の上記両端部以外の中央部は、第3ステージ80の前端側に連接され、第1スロープ64と図9に示す中心線F−Fに対し対称状に設けられ、従って第2スロープ71の中央部は、上記した第1スロープ64の略凸面状に勾配が形成された長尺状の山部67の形状と中心線F−Fに対して対称の形状となっている」という記載に相当し、第3ステージは、第3ステージ80に相当し、空間領域は、空間部84に相当する。
請求項3:第1ステージは、第1ステージ60に相当し、放出口は、放出口53に相当し、第1ステージの稜線を有する勾配の谷は、第1谷部66、第2谷部68に相当し、前下方誘導手段は、傾斜部63に相当し、第1ステージの稜線を有する勾配の山頂は、山部67の中央部分に相当し、垂直下方誘導手段は、誘導溝55、切欠61、落下溝57,57に相当し、第1ステージの稜線を有する勾配の所定位置は、本文後段の「第1スロープ64山頂と第1スロープ64の両端部の中間」という記載に相当する
請求項4:第1ステージは、第1ステージ60に相当し、第1ステージの奥行方向の通路幅が少なくとも遊技球1個分の径以上の長さに形成されたことは、本文中の「第1スロープ64の奥行方向の通路幅は、遊技球1個分の径の略2倍程度に形成される」という記載に相当し、前下方誘導手段は、傾斜部63に相当し、垂直下方誘導手段は、誘導溝55、切欠61、落下溝57,57に相当し、放出口は、放出口53に相当し、放出口の遊技球の放出位置が、第1ステージの通路幅内であって、前下方誘導手段と垂直下方誘導手段とを避ける位置に設けられたことは、本文中の「放出口53が第1スロープ64に臨む位置は、図3に示すように、落下通路95と第1スロープ64とが段差を生じない位置、即ち遊技球が落下通路95から放出口53を介して滑らかに第1スロープ64へ転動する位置になっていると共に、放出口53から転動した遊技球が、当該遊技球を第3ステージ80に移動するための切欠61と第2ステージ70に移動するための傾斜部63とを避ける位置に規定されている」という記載に相当する。
請求項5:放出口は、放出口53に相当し、放出口が誘導路の端部に設けられたことは、本文中の「落下通路95の下端となる放出口53」という記載に相当し、誘導路は、誘導路52に相当し、第1ステージの稜線を有する勾配は、第1スロープ64、第1斜面65、第1谷部66、山部67、第2谷部68、第2斜面69に相当し、遊技球付与手段は、放出口53、落下通路95、側壁96a、96bに相当する。
請求項6:第3ステージは、第3ステージ80に相当し、垂直下方誘導手段は、誘導溝55、切欠61、落下溝57,57に相当し、誘導部材は、誘導部材50に相当し、遊技領域は、遊技領域5に相当し、始動入賞口は、始動入賞口(電動チューリップ)11に相当し、その他の遊技装置は、本文後段の「誘導装置から外部に放出した遊技球を始動入賞口11に誘導するようにしたが、これは始動入賞口11以外の遊技装置、例えば、大入賞口7や普通図柄作動ゲート19等の上部に設けるようにしても良い」という記載に相当し、外部誘導手段は、中央凹面部81、凹面部82、段部85に相当する。
請求項7:外部誘導手段は、中央凹面部81、凹面部82、段部85に相当し、中央凹面部は、中央凹面部81に相当し、凹面部は、凹面部82に相当し、始動入賞口は、始動入賞口(電動チューリップ)11に相当し、その他の遊技装置は、本文後段の「誘導装置から外部に放出した遊技球を始動入賞口11に誘導するようにしたが、これは始動入賞口
11以外の遊技装置、例えば、大入賞口7や普通図柄作動ゲート19等の上部に設けるようにしても良い」という記載に相当し、中央凹面部を転動する遊技球が、凹面部を転動する遊技球よりも高い確率にて始動入賞口またはその他の遊技装置に入球されるようにしたことは、本文中の「中央凹面部81に流入した遊技球は、第2スロープ71の誘導板72の中央から落下したとき、高い確率にて始動入賞口11に入賞するようになっており、一方、凹面部82,82に流入した遊技球は、第2スロープ71の誘導板72の側方から落下したとき、確率は高くないものの始動入賞口11に入賞するようになっている」という記載及び本文後段の「誘導装置から外部に放出した遊技球を始動入賞口11に誘導するようにしたが、これは始動入賞口11以外の遊技装置、例えば、大入賞口7や普通図柄作動ゲート19等の上部に設けるようにしても良い」という記載に相当する。
請求項8:第2ステージは、第2ステージ70に相当し、第2ステージの所定位置は、本文中の「第2スロープ71の前端に、ガイド部材92,92が、誘導板72の左右に、つまり上記中心線D−Dに対して対称状に、誘導板72を挟むように形成されている」という記載に相当し、第1ステージは、第1ステージ60に相当し、第3ステージは、第3ステージ80に相当し、遊技領域は、遊技領域5に相当し、流下阻止手段は、ガイド部材92,92に相当し、所定位置が遊技者にとって不利にならない位置としたことは、本文中の第1ルート乃至第9ルートの記載に相当する。
請求項9:第2ステージは、第2ステージ70に相当し、第2ステージの所定位置は、本文中の「第2スロープ71の前端に、ガイド部材92,92が、誘導板72の左右に、つまり上記中心線D−Dに対して対称状に、誘導板72を挟むように形成されている」という記載に相当し、第1ステージは、第1ステージ60に相当し、第3ステージは、第3ステージ80に相当し、遊技領域は、遊技領域5に相当し、流下阻止手段は、ガイド部材92,92に相当し、突出部材は、スライド片94,94、固定片97,97に相当し、突出部材が弾性部材で形成されていることは、本文中の「固定片97及びスライド片94は、衝突する遊技球を跳ね返すため、その材質は弾性部材にて形成されている」という記載に相当する。
請求項10:突出部材は、スライド片94,94、固定片97,97に相当し、突出部材が左右方向に第2ステージに沿ってスライド自在に設けられていることは、本文中の「スライド片94を左右方向にスライドさせるには、左右方向につまみ93を引っ張ると、固定片97の空洞部98と、ストッパ99,99,99,99の丸くなった先端とにより、ストッパ99,99,99,99が、引っ張る方向に次から次へとレール91の嵌合溝89,89,89・・・に対し挿脱を繰り返し、その後、つまみ93を引っ張るのをやめることで、スライド片94を第2スロープ71の所望する位置に固定することができる」という記載に相当する。
請求項11:導入口は、導入口51に相当し、誘導路は、誘導路52に相当し、放出口は、放出口53に相当し、誘導部材は、誘導部材50に相当し、遊技領域は、遊技領域5に相当し、図柄表示装置は、特別図柄表示装置(LCD)6に相当し、垂直線は、図4に示す中心線D−Dに相当し、導入口、誘導路、放出口及び誘導部材が、遊技領域の略中央に配設される図柄表示装置を周回するように設けられたことは、本文前段の「特別図柄表示装置6には、図柄表示部30の下半分を周回するように、本発明に係わる遊技球の誘導装置を構成する導入口51,51、誘導路52,52、誘導部材50が設けられている」という記載、及び図12に示す誘導路52に放出口53が形成されていることに相当し、導入口、誘導路、放出口及び誘導部材が、遊技領域の略中央に配設される図柄表示装置一体的に設けられたこと及び垂直線に対し対称に設けられたことは、本文中の「遊技機1における遊技球の誘導装置は、導入口51,51、誘導路52,52、誘導部材50より構成されて特別図柄表示装置6に上記中心線D−Dに対して互いに対称状に一体的に設けら
れ」という記載に相当する。