JP2004329132A - 愛玩動物用柩 - Google Patents

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Yasushige Inoue
保重 井上
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Abstract

【課題】紙材で製作されているにもかかわらず強度的に優れた愛玩動物用柩を提供する。
【解決手段】柩本体(20)の2つの長辺側の外壁面(21)及び短辺側の外壁面(23)の一縁には各々底壁面構成片(26,27,28,29)を連続して設け、複数の底壁面構成片を相互に組み合わせることによって柩本体の底壁面(25)を構成する。柩本体の長辺側の外壁面(21)及び短辺側の外壁面(23)の他縁には各々内壁面(22,24)を連続して設け、長辺側の内壁面及び短辺側の内壁面をその連続する外壁面側に折り返すとともに、隣接する内壁面の側縁を相互に競らせて折り返し状態に保持する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は愛玩動物用柩に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、生活に潤いを持たせるべく、犬や猫等の愛玩動物を飼う人が多くなった。かかる愛玩動物が死亡した場合、亡骸をそのまま、あるいはタオルや毛布に包んで地中に埋葬するのが一般的であったが、最近は周囲に亡骸を埋める場所がなく、柩に納めて火葬することが行われている。
【0003】
しかし、愛玩動物用の柩には適当なものがなく、段ボール箱や木箱が用いられていたが、飼い主の心情を満足させるようなものではなかった。
【0004】
そこで、合成樹脂材料、紙材、木板等で製作した愛玩動物用の柩が種々提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、等参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平08−182714号公報
【特許文献2】実開平01−155757号公報
【特許文献3】実開平05−68522号公報
【特許文献3】実用新案登録第3036333号公報
【特許文献4】実用新案登録第3065045号公報
【特許文献5】実用新案登録第3070293号公報
【特許文献3】実開平05−68522号公報
【0006】
ところで、合成樹脂製の柩は火葬時にダイオキシン等の有害物質が発生するおそれがあって好ましくない。また、木板製の柩は愛玩動物の飼い主に心理的な満足を与えるものの、森林資源の枯渇が大きな問題となっている今日においては火葬に適していない。これに対し、紙材製の柩は火葬に適した愛玩動物用の柩と言える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来公報(実開平01−155757号公報)記載の紙材製の柩では基本的には板紙又は段ボール紙を原紙から打ち抜き、罫線で折り曲げて製作されたものであり、ドライアイス等の影響で湿気を含んだ場合や大きな愛玩動物の場合には強度的に不安であるという問題があった。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑み、紙材で製作されているにもかかわらず強度的に優れた愛玩動物用柩を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明に係る愛玩動物用柩は、紙材を用いて製作され、上面が開口した直方体状の柩本体と該柩本体の上面に被せられてその開口を塞ぐ上蓋とから構成された愛玩動物用柩において、上記柩本体の2つの長辺側の外壁面及び短辺側の外壁面の一縁には各々底壁面構成片が連続して設けられ、該複数の底壁面構成片が隣接する底壁面構成片を受けるように相互に組み合わされることによって上記柩本体の底壁面が構成されている一方、上記柩本体の長辺側の外壁面及び短辺側の外壁面の他縁には各々内壁面が連続して設けられ、該長辺側の内壁面及び短辺側の内壁面はその連続する外壁面の内側に折り返されるとともに、隣接する内壁面の側縁が相互に競られて折り返し状態に保持されるようになしたことを特徴とする。
【0010】
本発明の特徴の1つは柩本体の側壁面を外壁面と内壁面とから構成し、内壁面の側縁を相互に競らせて折り返し状態に保持するようにした点にある。
【0011】
これにより、柩本体を紙材で製作していても、その直方体形状としての強度は大幅に向上するので、大きな愛玩動物の亡骸を納めても、又柩本体が湿気を含んでも柩本体が壊れるおそれを解消できる。
【0012】
柩本体の底壁面については底壁面構成片をその一部が相互に重なるように組み合わせる。その組合せ方によって底壁面の強度を確保できるが、不安な場合には底紙を敷くようにすれば、底壁面に加わる荷重が底紙によって分散されて底壁面に伝えられるので、柩本体の底壁の強度を確保できる。底紙は板紙でもよく、又段ボール紙でもよい。
【0013】
底紙の大きさは荷重を底壁面に均一に分散する上で、底壁面の少なくとも1/2以上あればよい。即ち、柩本体の底壁面上には少なくとも底壁面の1/2以上の大きさの底紙が敷かれているのがよい。底紙は紙材であればよい。この底紙は柩本体の紙材と別体に形成してもよく、又いずれか1つの内壁面に連続して形成し、底壁面上に折り曲げるようにしてもよい。
【0014】
他方、上蓋は柩本体の上面に被せられるものであればよいが、四周縁に側壁面を有する形状が好ましく、この側壁面も強度を確保する上で二重構造とするのがよい。
【0015】
即ち、上蓋の4つの側壁は蓋本体の4周縁に連続する外壁面と該外壁面に連続し外壁面側に折り返された内壁面とから構成され、隣接する内壁面の側縁が相互に競られて折り返し状態に保持されているのがよい。
【0016】
紙材は例えば板紙でもよいが、大きな強度が得られる段ボール紙を用いるのがよい。ここで、段ボール紙とは表裏のライナーの間、又は表裏いずれか一方のライナーに波状の中芯を接着した構造のものをいう。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図6は本発明に係る愛玩動物用柩の好ましい実施形態を示す。図において、愛玩動物用の柩10は段ボール紙を用いて製作され、上面の開口した直方体形状の柩本体20と柩本体20の上面に被せられてその開口を塞ぐ上蓋30とから構成されている。
【0018】
柩本体20の2つの長辺側の側壁及び短辺側の側壁は各々外壁面21、23と外壁面21、23の他縁側に連続する内壁面22、24とから構成されている。
【0019】
柩本体20の内壁面22、24は各々連続する外壁面21、23の内側に折り返され、横方向に隣接する内壁面22、24はその側縁を相互に競らせるとともに長辺側の内壁面22の突起部22Aをコーナー部分に押し込むことによって折り返し状態を保持されている。
【0020】
また、柩本体20の4つの外壁面21,23の一縁側には底壁面構成片26〜29が連続して形成され、各底壁面構成片26〜29は一部が重なるように、即ち隣接する構成片を受けるように相互に組み合わされることによって相互に接続され、これによって柩本体20の底壁面25が構成されている。
【0021】
柩本体20の底壁面25上にはほぼ同じ大きさの段ボール紙製又は板紙製の底紙40が敷かれている。この底紙40は柩本体20の紙材と別体に形成しているが、いずれか1つの内壁面22、24に連続して形成し、底壁面25上に折り曲げるようにしてもよい。
【0022】
他方、上蓋30は四角形状の蓋本体31の4周縁に連続する外壁面32、34と外壁面32、34の外方に連続する内壁面33、35から構成されている。
【0023】
上蓋30の内壁面33、35はその連続する外壁面32、34の内側に折り返され、横方向に隣接する内壁面33、35はその側縁を相互に競らせるとともに長辺側の外壁面32及び内壁面34の突片部36を短辺側の外壁面33と内壁面35との間に差し込むことによって折り返し状態を保持されている。
【0024】
また、上蓋30の蓋本体31の表面(必要に応じて柩本体20の外壁面21、23)には愛玩動物の柩であることを連想させる模様、例えば図2に示される模様を描くようにしてもよい。
【0025】
本例の愛玩動物用柩10を製造する場合、段ホール原紙から図4及び図5に示す柩本体素形材、図6に示される上蓋素形材を打ち抜くとともに、柩本体素形材及び上蓋素形材には罫線を入れる。柩本体素形材は側壁面が二重になっており、段ボール原紙から1つの素形材として打ち抜くのが難しいことから、半分に分割して打ち抜くようにしている。
【0026】
こうして素形材が得られると、2つの柩本体素形材を各々罫線211で2つに折り曲げ、糊代210を他方の素形材の短辺側外壁面23に糊付けすると、平坦に折り畳まれた柩本体10が得られる。したがって、この平坦な柩本体10と組立て前の上蓋素形材とを重ねてもそれほど嵩張らないので、持ち運びや保管に便利である。
【0027】
愛玩動物が亡くなった場合、平坦な柩本体10を取り出し、2つの外壁面21、23が四角形状になるように曲げ起こし、底壁面構成片26〜29をその一部が重なるように組付けると、強固な底壁面25が構成できる。
【0028】
次に、内壁面22,24をその外壁面21、23の内側に折り曲げ、隣接する内壁面22、24の側縁を相互に競らせるとともに、突起部22Aをコーナー部分に押し込むと、内壁面22、24は折り曲げ状態に保持される。その後、柩本体20の底壁面25上に底紙40を敷く。
【0029】
他方,上蓋30については外壁面32、34を蓋本体31に対して起立させ、短辺側の内壁面35をその外壁面34の内側に折り曲げた後、長辺側の内壁面33をその外壁面32の内側に折り曲げて隣接する内壁面33、34の側縁を競らせるとともに、長辺側の内壁面33の突片部36を短辺側の外壁面34と内壁面35との間に差し込むことによって内壁面33、35は折り曲げ状態に保持される。
【0030】
こうして柩本体20及び上蓋30が組立てられると、柩本体20内に愛玩動物の亡骸を納め、周囲に生花や思い出の品を入れ、上蓋30を被せて塞ぎ、火葬するようにすればよい。
【0031】
その際、段ボール紙を用い、柩本体20の側壁面を二重に構成しているので、その直方体形状としての強度は高い。
【0032】
しかも、柩本体20の底壁面25上には底紙40を敷くようにしているので、底壁面25に加わる荷重は底紙40によって分散されて底壁面25に伝わり、柩本体20の底壁の強度も高い。
【0033】
その結果、大きな愛玩動物の亡骸を納めても、又柩本体20が湿気を含んでいても、柩本体20が壊れることはない。したがって、愛玩動物の亡骸を安心して柩10に納めることができる。
【0034】
なお、上記実施形態では底紙40を柩本体素形材と別体に製作したが、いずれか一方の柩本体素形材の内壁面に連続して形成し、底壁面上に折り曲げるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る愛玩動物用柩の好ましい実施形態における概略斜視図である。
【図2】上記実施形態における上蓋30の模様例を示す図である。
【図3】上記実施形態における柩本体20及び上蓋30の構造を説明するための図である。
【図4】上記実施形態における柩本体素形材の一方を示す図である。
【図5】上記実施形態における柩本体素形材の他方を示す図である。
【図6】上記実施形態における上蓋素形材を示す図である。
【符号の説明】
10 愛玩動物用柩
20 柩本体
21、23 外壁面
22、24 内壁面
30 上蓋
31 蓋本体
32、34 外壁面
33、35 内壁面
40 底紙

Claims (4)

  1. 紙材を用いて製作され、上面が開口した直方体状の柩本体と該柩本体の上面に被せられてその開口を塞ぐ上蓋とから構成された愛玩動物用柩において、
    上記柩本体の2つの長辺側の外壁面及び短辺側の外壁面の一縁には各々底壁面構成片が連続して設けられ、該複数の底壁面構成片が隣接する底壁面構成片を受けるように相互に組み合わされることによって上記柩本体の底壁面が構成されている一方、
    上記柩本体の長辺側の外壁面及び短辺側の外壁面の他縁には各々内壁面が連続して設けられ、該長辺側の内壁面及び短辺側の内壁面はその連続する外壁面の内側に折り返されるとともに、隣接する内壁面の側縁が相互に競られて折り返し状態に保持されていることを特徴とする愛玩動物用柩。
  2. 上記柩本体の底壁面上には少なくとも底壁面の1/2以上の大きさの底紙が敷かれている請求項1記載の愛玩動物用柩。
  3. 上記上蓋の4つの側壁は蓋本体の4周縁に連続する外壁面と該外壁面に連続し外壁面の内側に折り返された内壁面とから構成され、隣接する内壁面の側縁が相互に競られて折り返し状態に保持されている請求項1記載の愛玩動物用柩。
  4. 上記紙材が段ボール紙である請求項1記載の愛玩動物用柩。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006225005A (ja) * 2005-02-18 2006-08-31 Taisei Kako Co Ltd 組立型通箱
KR200486434Y1 (ko) * 2017-01-26 2018-05-16 문주연 길이 조절이 되는 반려 동물용 조립식 종이관

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