JP2004327877A - 可変容量コンデンサシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板と、基板の主面に形成される一対の電極により蓄積される静電容量を可変にする駆動機構を備えた可変容量コンデンサと、前記主面の反対側面に形成される複数の一対の電極により蓄積される静電容量が固定された固定容量コンデンサと、前記可変容量型コンデンサと前記固定容量コンデンサとを電気的に連絡する配線と、前記基板の前記主面側に、前記可変容量コンデンサと前記複数の固定容量型コンデンサから選択されたコンデンサとを電気的に連絡するスイッチと、を備えることを特徴とする可変容量コンデンサシステム。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変容量コンデンサシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
第2.5世代以降の携帯電話システムやIEEE802.11xで規定される無線LAN、あるいは高度交通情報システム(ITS)等で利用が期待されるミリ波無線等の無線通信分野においては、いつでもどこでも途切れることなく情報通信が可能ないわゆるユビキタスネットワークの形成が近い将来の技術として期待されている。
【0003】
このような、複数の周波数帯の信号を、一台の端末で処理するためには、端末内に、それぞれの異なる周波数帯の信号を送受信するRF回路を複数個用意したパッケージを用いるのが一般的であった。しかしながらこの方法では周波数帯域ごとにRF回路を設けなければならないため、回路が占める面積が非常に大きくなり、一つの周波数帯域の信号処理に関してですら、静止画もしくは動画情報の送受信等により半導体デバイス数・機能が増大している端末における、RF回路実装面積低減の要請に対応することが困難である。
【0004】
また、無線通信のトラフィックの増大に伴い、携帯電話会社等のいわゆるプロバイダにおいては、免許を与えられた限られた範囲の周波数帯域を有効に活用するために、高性能のフィルタ回路を開発することが求められている。
【0005】
このような背景の元、マイクロマシン技術を用いた可変容量コンデンサが、従来のバリアブルキャパシタ(バリキャップ)に変わるものとして開発が進められている。これらはマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)コンデンサ等と称され、ダイオードを用いた従来型のバリキャップと比較して、容量の可変領域が広く、かつ、誘電正接(tanδ)の逆数であるQ値(誘電体の損失を表す数値。Q値が高いほど損失が小さい)の高い可変容量コンデンサを提供できるとして期待されている。これらのMEMS技術を用いた可変容量コンデンサの例としては、例えば特開2000−100659号公報、MWE2001論文集(K. Ohwada, MEMS Variable Capacitor for RF Application MWE2001 Microwave Workshop Digest, pp.41 − 46)等において開示されている。また、複数のコンデンサを、MEMSスイッチを用いて切り替えることにより容量を変化させる方式の可変容量コンデンサを含んだ技術は特開平10−308603号公報において開示されている。
【特許文献1】
特開2000−100659号公報
【特許文献2】
特開平10−308603号公報
【非特許文献1】
K. Ohwada, MEMS Variable Capacitor for RF Application MWE2001 Microwave Workshop Digest, pp.41 − 46
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来技術においては、例えば複数のコンデンサとスイッチを備えるため、回路面積が大きくなるという課題があった。例えば、携帯端末などにこの回路を有するモジュールを用いるには、高性能な回路を小型に形成することが望まれる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、多様な容量に制御できるコンパクトな可変容量のコンデンサシステムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、容量固定のコンデンサは基板裏面側、可変容量のコンデンサとスイッチは基板表面側にそれぞれ形成する形態により解決を図ることができる。
(1)例えば、以下の形態を有することができる。
基板と、基板の主面に形成される一対の電極により蓄積される静電容量を可変にする駆動機構を備えた可変容量コンデンサと前記主面の反対側面に形成される複数の一対の電極により蓄積される静電容量が固定された固定容量コンデンサと、前記可変容量コンデンサと前記固定容量コンデンサとを電気的に連絡する配線と、前記基板の前記主面側に、前記可変容量コンデンサと前記複数の固定容量コンデンサから選択されたコンデンサとを電気的に連絡するスイッチと、を備えることを特徴とする可変容量コンデンサシステムである。
(2)前記(1)において、前記可変容量コンデンサは、前記基板の主面上に間隔を介して形成された第一電極膜と第二電極膜と、前記第一電極膜と第二電極膜と間隔を制御する駆動機構とを有し、前記スイッチは、前記基板の主面上に間隔を介して形成された第一配線膜と第二配線膜、前記基板に支持され導電性の接合部を有する梁と、前記接合部と前記第一配線膜或は前記第二配線膜と電気的な接合を図る駆動機構とを有する。
(3)前記(1)において、前記可変容量コンデンサと前記固定容量コンデンサは電気的に並列に形成され、前記可変容量コンデンサの最大容量より前記固定容量コンデンサの容量の総和の方が大きく、前記スイッチは電気的に接続する前記固定容量コンデンサの数を制御する。
(4)前記(1)において、前記スイッチにより回路に電気的に連絡される前記固定容量コンデンサの容量の総和を変化させる際に変化する総固定容量の間隔が、前記可変容量コンデンサの容量可変範囲より小さい。
(5)前記(1)において、前記スイッチにより電気的に連絡される前記固定容量コンデンサの容量の総和を変化させる際に変化する総固定容量の間隔が、前記可変コンデンサの容量可変範囲より大きい。
【0009】
以上のような形態を有することにより、多数の容量に対応して変化できるコンデンサシステムを形成できる。また、MEMSコンデンサだと高周波特性を良好に構成することができる。稼動部を備えた部品(3次元構造)は、を同じ側に形成するので、製造が容易となり効率的に製造できる。固定容量コンデンサを十分な面積確保してより大面積化を図ることもできる。また、大面積の固定容量コンデンサとスイッチとを貫通配線を介して連絡する構成にするので、トータル配線長が短くできるので等価回路中の寄生成分の影響を小さくでき、特性を向上できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を、図1〜7を用いて説明する。なお、本発明は明細書に開示した形態に限定されるのではなく、公知技術や今後公知技術となる形態に基づく変更を阻止するものではない。
【0011】
図1は、本実施形態における回路構成を示す図である。本発明の可変容量コンデンサは、サーフェスプロセスによって形成される可変容量コンデンサ1(C0)、スイッチ2(S1)、3(S2)、4(Sn)、バルクプロセスによって形成される固定容量コンデンサ5(C1)、6(C2)、7(Cn)により構成される。なお、図1においては、スイッチ2、3、4及び固定容量コンデンサ5、6、7の個数をそれぞれn個としたが、スイッチの構成がトーナメント方式の場合などは、スイッチ2〜4の個数と固定容量コンデンサ5〜7の個数は異なっていても構わない。但し、このまま個数が等しいとして説明を続ける。なお、可変容量コンデンサ1(C0)の容量は、容量C0を中心にC0 ± Δcの範囲で連続的に調整可能であるとする。また、コンデンサ5、6、7の容量は、それぞれC1、C2、Cnであるとする。
【0012】
図1において、スイッチ2(S1)とコンデンサ5(C1)、スイッチ3(S2)とコンデンサ6(C2)、スイッチ4(Sn)とコンデンサ7(Cn)はそれぞれ接続されており、例えばS1のみがONになっている時の、本実施形態の可変容量コンデンサの容量Cは、C = C0 + C1 ± Δcで変調が可能である。
【0013】
図1に示す本実施形態において、可変容量コンデンサ1は、図2に示すような平行平板型のコンデンサであることが望ましい。図2に示す平行平板型のコンデンサは、基板上の絶縁膜8の上に形成された固定電極9の膜と、膜厚方向に移動可能に形成された可動電極10の膜により形成される。この可変容量コンデンサ1の概要構成は、基板の主面上に間隔を介して形成された第一電極膜と第二電極膜と、第一電極膜と第二電極膜と間隔を制御する駆動機構とを有している。
【0014】
固定電極9は、図2に示すように、絶縁膜8から浮いた構造になっていても構わない。また、可動電極10は、梁状のサスペンション11を介してアンカー12に固定されており、サスペンション11と可動電極10自体が変形することにより、電極間の距離、及び容量を変化させることができる。固定電極9と可動電極10の向かい合った面には、金メッキ等の金属膜が形成されていることが望ましい。なお、サスペンション11、アンカー12の形状は図2とは異なる形態を有することもできる。
【0015】
図2において、固定電極9、可動電極10は、それぞれ、配線構造13、14を介して電極パッド15、16、17に接続されている。このうち、少なくとも一つの電極パッドが設置されており、この設置された電極パッドと、短絡していない他の電極パッドの間にバイアス電圧をかけることにより、固定電極9と可動電極10の間に静電引力が作用し、電極間の距離を変化させることができる。図2の可変容量コンデンサは、バイアス電圧を加える電極パッドと、製品搭載時に電荷を蓄積・放出するための電極パッドが共用化された形式のものを示しているが、バイアス電圧用の回路とコンデンサとして用いるための回路を別に設けてももちろん構わない。
【0016】
本発明により、可動部分のある可変容量コンデンサとスイッチを基板の同一面側にサーフェスプロセスにより形成し、可動部分のない固定容量コンデンサを基板の反対側の面に形成することができるため、基板占有面積が大きくなりがちなMEMS可変容量コンデンサの基板占有面積を小さく保ちながら、広い範囲で連続的に容量を調整することができる。
【0017】
なお、可変容量コンデンサ1は、図2に示すような平行平板型の構造に代えて、容量が連続的に調整できるものであれば、他の形態を用いることができる。
【0018】
このため、可変コンデンサ:電気的バイアス付加して容量が可変な一例として、第一の電極(グランド)である固定電極9と、第一の電極に間隔を介して第一電極と対向配置された第二の電極(電源)である可動電極10と、第一の第一電極と第二電極との間隔を制御する駆動機構であるアクチュエータ(静電、熱)を備えるものであることができる。なお、他の形態としてくし歯型にして可動機構を備える可変容量コンデンサの場合は第一の電極と第二の電極の対向する(重なる)領域を制御するように構成されていることができる。
【0019】
なお、基板としては、一例としては、半導体基板(シリコン、GaAs)やガラス(SiO2、Al2O3)を用いる。
【0020】
図3に、本実施形態における固定容量コンデンサの例を示す。図は、固定容量コンデンサの概略を示す斜視図である。本実施形態における固定容量コンデンサ5、6、7の構造としては、図3に示すような櫛歯構造のコンデンサが望ましいが、基板裏面に形成することが可能であれば、これ以外の構造でも構わない。
【0021】
図3において、本実施形態における固定容量コンデンサ5、6、7は基板(図示省略)の上に成膜して形成された対向した櫛歯電極18、19により構成される。櫛歯電極18、19は、それぞれ、配線構造20、21を介して電極パッド22、23に接続されるものとする。各櫛歯の寸法や位置関係は固定とすれば、可動部分を作らなくても構わないため、製造プロセス上犠牲層を必要としないので、櫛歯電極の加工を異方性エッチング等、電極表面や配線構造、電極パッドの形成を無電界メッキ等の加工方法で行えば、バルク加工プロセスのみで形成することができる。
【0022】
図3において、固定容量コンデンサ5、6、7の容量は、櫛歯電極18、19の幅、長さ、高さ、電極間距離、表面形成材料等のパラメタにより調整する。特に、櫛歯一枚の寸法や対向する櫛歯との距離を固定した場合は、櫛歯の枚数で容量を調整できるため、例えば容量の比が1:2:4:8の4種類の固定容量コンデンサを作ることが可能である。この場合、任意のコンデンサを単数または並列接続した場合の容量として、1、2、1+2=3、4、1+4=5、2+4=6、1+2+4=7、8、1+8=9、2+8=10等、10段階以上の、階段状の容量の組み合わせを実現できる。容量の最も小さいコンデンサの容量が、絶対値として小さければ、容量の刻み幅が小さく、大きければ、刻み幅を大きくできる。
【0023】
図3に示した固定容量コンデンサの製造方法の一例を図4に示す。図は、基板断面図を主な工程順に整理したものである。まず、表面に絶縁層8を有する基板24を準備する。基板24の材質としては、バルク加工プロセスが適用可能な材質であればどのような材質でも構わないが、例えば高絶縁性のシリコン(Si)や、砒化ガリウム(GaAs)のような化合物半導体などを用いてもよい。図4の(1)においては、絶縁層8の上に何も示していないが、SOI(Silicon On Insulator)基板のように、絶縁層の上にSi等の膜が乗っていて構わない。絶縁膜8の上にはサーフェスプロセスにより可変容量型コンデンサ1やスイッチ2、3、4、あるいは高周波伝送線路等を形成することを考えれば、いずれにしても何らかの三次元的構造が、図4のプロセスの前か、もしくは後、あるいは並行する形で形成される。
【0024】
次に、図4の(2)に示すように、基板24の厚さの一部に相当する厚さ分だけ異方性エッチング等によりエッチングする。さらに、(3)に示すように、櫛歯電極等の最終的に残したい構造を除き除去する。図4の(3)では、対向する複数の櫛歯電極18、19のうち、一方のみを見た断面を示している。続いて、(4)に示すように、櫛歯電極25の上に、金メッキ層等の金属メッキ膜26を、無電界メッキ等の技術を用いて積層する。この際、コンデンサを構成する電極18、19が短絡しないように注意する。
【0025】
図4の(5)は必ずしも(4)の後に実施する必要はないが、(3)のエッチング加工後に、絶縁層8を貫通する貫通孔27を形成する。この貫通孔27、及び少なくともその裏面を金メッキ層等の配線構造体28でうめ、さらに櫛歯電極25上の金属メッキ層26に接続することにより、櫛歯電極18、もしくは19を形成し、かつ、絶縁層8の表面側に実装されるデバイスと電気的に接続することができる。これと同様の構造を対向させて形成することにより、固定容量コンデンサ5、6、7を基板裏面側にバルクプロセスにより形成することができる。なお、図4(7)のように、最後に金属キャップ29等により封止、可能であれば減圧することで、より信頼性の高い固定容量コンデンサを形成することができる。
【0026】
図5は、上記可変容量コンデンサシステムの概略を示す断面図である。本実施形態における可変容量コンデンサシステムは、容量の連続的制御が可能な可変容量コンデンサ1と、固定容量コンデンサ5、6、7により構成される。
【0027】
具体的には、容量可変のコンデンサとスイッチを基板表面にサーフェスプロセスで、可動分のない容量固定のコンデンサを基板裏面にバルクプロセスで形成することができる。本システムを構成する可変容量コンデンサ1及び固定容量コンデンサ5,6,7は前述した各実施形態の構成を用いることができる。このように、一例としては、基板表面にサーフェスプロセスにより可動部分のある容量可変の主たるコンデンサは電極間の距離を静電気力により変化させる平行平板型のコンデンサを形成し、基板裏面にバルクプロセスにより形成される容量固定の従たるコンデンサは櫛歯構造のコンデンサを形成することができる。
【0028】
この具体的形態としては、基板の主面に形成される一対の電極により蓄積される静電容量を可変にする駆動機構を備えた可変容量コンデンサ1と、基板の可変容量コンデンサ1の反対側面に形成される複数の一対の電極により蓄積される静電容量が固定された固定容量コンデンサ5,6,7を備える。そして、可変容量コンデンサ1と固定容量コンデンサ5,6,7とを電気的に連絡する配線により回路を構成している。この回路構成について基板の前記主面側に、可変容量コンデンサ1と複数の固定容量コンデンサ5,6,7から選択されたコンデンサとを電気的に連絡するスイッチ2,3,4と、を備える。
【0029】
スイッチ2,3,4は、前記基板の可変容量コンデンサ1と同じ面上に間隔を介して形成された第一配線膜と第二配線膜、前記基板に支持され導電性の接合部を有する梁と、接合部と第一配線膜或は第二配線膜と電気的な接合を図る駆動機構とを有するものであることができる。
【0030】
また、可変容量コンデンサ1と固定容量コンデンサは電気的に並列に形成され、前記可変容量コンデンサの最大容量より前記固定容量コンデンサの容量の総和の方が大きく、前記スイッチは回路に電気的に接続する前記固定容量コンデンサの数を制御するものである。その結果、飛び飛びの広い間隔で分散したそれぞれの容量を中心に、上記主たるコンデンサの容量可変範囲内の連続的な容量調整機能を持たせる。
【0031】
図5に示すスイッチの構造は、片持ち梁29が、電極30、31間に加えられたバイアス電圧によって生じる静電引力により撓み、金属製の接点32が配線構造33に接することによりスイッチが接続されて直接電流が流れる構造となっているが、接点32が直接信号線路にコンタクトしない構造でも構わないし、回路構成によってはキャパシティブスイッチであっても構わない。
【0032】
この図示したシステムは、例えば、ファインチューニングできる高精度調整/幅を狭くできる、可変容量コンデンサと、ステップチューニングできるコンデンサを複数備えて切替組合で幅広調整/低精度を調整できる固定容量コンデンサを備えるものであることができる。なお、適用対象の一例としては、携帯電話・無線LAN:複数の周波数帯の信号を一つの前記コンデンサシステムを備えたRF回路で送受信することができるものに適用することができる。
【0033】
本形態を有する受信装置或は送受信装置を提供する。例えば前記受信装置は次の形態を示しておく、複数周波数に対応するアンテナ(例えば周波数毎に複数)、アンテナを切り替えることができるアンテナスイッチ、アンテナスイッチを経たアンテナからの信号が導入されるフィルタ(ノイズ除去、例えば周波数毎)、フィルタを経た信号が導入されるアンプ(例えば周波数毎)、アンプを経た信号が導入されるRF回路(アナログ回路)、RF回路を経た信号が導入される制御IC(受信信号*画像データ/音声etcとなることができる。
【0034】
図5において、スイッチが接続されると、可変容量コンデンサ1と、スイッチから配線構造33と配線構造28を介して、固定容量型コンデンサ5、6、または7が回路的には並列に接続される。これにより、固定容量型コンデンサの規定容量の組み合わせによって得られる階段状の容量に、可変容量コンデンサ1の容量可変領域の幅を足し合せた範囲が本発明による可変容量型コンデンサにより調整可能となる。
【0035】
コンデンサモジュールは例えば、主たるコンデンサである可変容量コンデンサとスイッチがマイクロマシン加工技術の表面工程(サーフェスプロセス)により形成され、従たるコンデンサである固定容量コンデンサが裏面工程(バルクプロセス)により形成されることができる。あるいは基板の表面と裏面の双方にマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)コンデンサ及びスイッチを形成することもできる。
【0036】
図6は、本実施形態と同様の機能を有する可変容量型コンデンサを、基板の同一面上に、例えばサーフェスプロセスで形成するか、あるいは、積層セラミックコンデンサや半導体スイッチ、バリキャップ等の組み合わせにより構成する比較例の回路構成を示した図であるが、全ての構造が基板の同じ側に実装されているため、搭載面積がかなり大きくなってしまうという問題がある。本実施形態においては、可動部分の存在しない固定容量の構造を基板裏面側に形成することにより、同一の機能であればより実装面積を小さくすることができる。
【0037】
また、可変容量コンデンサ1と固定容量コンデンサ5,6,7は電気的に並列に形成され、可変容量コンデンサの最大容量より前記固定容量コンデンサの容量の総和の方が大きく、前記スイッチは回路に電気的に接続する前記固定容量コンデンサの数を制御することが好ましい。
【0038】
或は、スイッチ2,3,4を適切に組合せること、により回路に電気的に連絡される固定容量コンデンサの容量の総和を増加させる際の固定容量の総和の間隔が、可変容量コンデンサの可変範囲より小さくなるよう形成されていることが好ましい。その結果、上記主たるコンデンサの可変容量の下限から、上記従たるコンデンサの組み合わせにより得られる最大容量と上記主たるコンデンサの可変容量の上限との和までの範囲にわたって、容量を連続的に調整することが可能である。
【0039】
また、前記スイッチにより回路に電気的に連絡される前記固定容量コンデンサの容量の総和を増加させる際の増加容量が、前記可変コンデンサの容量可変範囲より大きくなるよう形成されていることが好ましい。
【0040】
その結果、飛び飛びの広い間隔で分散したそれぞれの容量を中心に、上記主たるコンデンサの容量可変範囲内の連続的な容量調整機能を持たせたことを特徴とする、請求項1記載の可変容量コンデンサシステム。
【0041】
図7、8に、本発明により構成される可変容量型コンデンサにより調整可能な容量の概念的な範囲を示す。図中、C0は可変容量型コンデンサ1単体における容量可変領域の平均値、±Δcは可変容量コンデンサ1の容量可変領域の幅、c1、c2、cmは固定容量型コンデンサ5、6、7等の組み合わせにより調整可能な階段状の容量の値を示す。
【0042】
図7は、固定容量型コンデンサにより調整可能な容量の幅が±Δcより小さい場合、図8は大きい場合を示す。図より明らかなように、固定容量型コンデンサの組み合わせで調整可能な階段状の容量間の幅が小さい場合は、C0−Δcからcm+Δcまで、連続的に容量を調整することが可能である。一方、上記の幅が大きい場合は、ある代表的な容量と、それを中心とする連続的に容量の調整が可能な±Δcの範囲が、とびとびに存在するような形での容量の調整が可能である。極端に周波数帯域の異なる信号を処理する回路に搭載されるコンデンサとしては、図8のような構成の方が好適な場合がある。
【0043】
なお、本実施形態における可変容量型コンデンサの容量を調整するためにはコンデンサ1及びスイッチの制御回路が必要であるが、図においては省略した。
【0044】
本発明における他の実施形態の例を、図9を用いて説明する。図9は本実施形態における回路構成を示す図である。本実施形態においても、サーフェスプロセスにより形成される可変容量コンデンサ1とスイッチ2、3、4等、及びバルクプロセスにより形成される固定容量コンデンサ5、6、7により回路が形成される点は変わらないが、スイッチ2(S11とS12)、スイッチ3(S21とS22)、スイッチ3(S31とS32)の順に接続することで、固定容量の間隔を予め固定されたn種類の組み合わせで選択する点が他の実施形態と異なる点である。固定容量コンデンサ5(C1)、6(C2)、7(cn)の容量がそれぞれ数倍程度ずつ異なる場合、図8のような容量可変領域で、かつ、一桁程度ずつ容量の異なる固定容量の組み合わせを選択することが可能である。
【0045】
なお、図には示していないが、本発明における可変容量型コンデンサをパッケージ化する際には、可動部分を含むサーフェス側をハーメチックシールにより封止し、裏面エッチング及びメッキ工程により高周波伝送線路とスイッチ及びコンデンサ制御に必要な回路配線基板表面側から裏面側に貫通する形で形成し、バンプ等によりパッケージ外部と接続する構成とすることが可能である。
【0046】
【発明の効果】
本発明により、多様な容量に制御できるコンパクトな可変容量のコンデンサシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるコンデンサシステムの基本的な回路構成を示す図
【図2】可変容量型コンデンサの概略を示す斜視図
【図3】固定容量型コンデンサの概略を示す斜視図
【図4】固定容量型コンデンサの製法の一例を示す図
【図5】本発明におけるコンデンサシステムの断面の概略を示す図
【図6】比較例の回路構成を示す図
【図7】本発明により構成される可変容量コンデンサにより調整可能な容量の概念的な範囲を示す図
【図8】本発明により構成される可変容量コンデンサにより調整可能な容量の概念的な範囲を示す図
【図9】本発明における他の実施形態の回路構成を示す図
【符号の説明】
1…可変容量コンデンサ、2…スイッチ、3…スイッチ、4…スイッチ、5…固定容量コンデンサ、6…固定容量コンデンサ、7…固定容量コンデンサ、8…絶縁膜、9…固定電極、10…可動電極、11…サスペンション、12…アンカー、13…配線構造、14…配線構造、15…電極パッド、16…電極パッド、17…電極パッド、18…櫛歯電極、19…櫛歯電極、20…配線構造、21…配線構造、22…電極パッド、23…電極パッド、24…基板、25…櫛歯電極、26…金属メッキ層、27…貫通孔、28…配線構造、29…片持ち梁、30…電極、31…電極、32…接点、33…配線構造
Claims (5)
- 基板と、
基板の主面に形成される一対の電極により蓄積される静電容量を可変にする駆動機構を備えた可変容量コンデンサと、
前記主面の反対側面に形成される複数の一対の電極により蓄積される静電容量が固定された固定容量コンデンサと、
前記可変容量コンデンサと前記固定容量コンデンサとを電気的に連絡する配線と、
前記基板の前記主面側に、前記可変容量コンデンサと前記複数の固定容量コンデンサから選択されたコンデンサとを電気的に連絡するスイッチと、を備えることを特徴とする可変容量コンデンサシステム。 - 請求項1において、
前記可変容量コンデンサは、前記基板の主面上に間隔を介して形成された第一電極膜と第二電極膜と、前記第一電極膜と前記第二電極膜との間隔を制御する駆動機構とを有し、前記スイッチは、前記基板の前記主面上に間隔を介して形成された第一配線膜と第二配線膜、前記基板に支持され導電性の接合部を有する梁と、前記接合部と前記第一配線膜或は前記第二配線膜との電気的な接合を図る駆動機構とを有することを特徴とする可変容量ンデンサシステム。 - 請求項1において、前記可変容量コンデンサと前記固定容量コンデンサは電気的に並列に形成され、前記可変容量コンデンサの最大容量より前記固定容量コンデンサの容量の総和の方が大きく、前記スイッチは電気的に接続する前記固定容量コンデンサの数を制御することを特徴とする可変容量コンデンサシステム。
- 請求項1において、前記スイッチにより回路に電気的に連絡される前記固定容量コンデンサの容量の総和を変化させる際に変化する総固定容量の間隔が、前記可変容量コンデンサの容量可変範囲より小さいことを特徴とする可変容量コンデンサシステム。
- 請求項1において、前記スイッチにより電気的に連絡される前記固定容量コンデンサの容量の総和を変化させる際に変化する総固定容量の間隔が、前記可変コンデンサの容量可変範囲より大きいことを特徴とする可変容量コンデンサシステム。
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