JP2004327576A - 気相工程用トレー - Google Patents
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Abstract
【課題】複数工程を併用できるトレー(サセプター)を提供する。
【解決手段】厚み0.5〜2mmであるセラミックスまたは樹脂複合セラミックスからなる形状保持部と、半導体基板の搭載部と該形状保持部への固定治具および必要に応じて枠とを有し、該固定治具にて該形状保持部に支持固定されてなる超耐熱性樹脂製の半導体基板支持部とからなる気相工程用トレー。
【効果】半導体ウェハーに擦り傷などを生じさせない複数工程使用可能なものが得られた。
【選択図】 なし
【解決手段】厚み0.5〜2mmであるセラミックスまたは樹脂複合セラミックスからなる形状保持部と、半導体基板の搭載部と該形状保持部への固定治具および必要に応じて枠とを有し、該固定治具にて該形状保持部に支持固定されてなる超耐熱性樹脂製の半導体基板支持部とからなる気相工程用トレー。
【効果】半導体ウェハーに擦り傷などを生じさせない複数工程使用可能なものが得られた。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な気相工程用トレーを提供するものであり、本トレーにて半導体基板を支持或いは保持して、割れなどのない工程間の連続使用を可能とするものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許技術1】特開平07−058041号公報
【0003】
近年、電子機器は、薄型、軽量化のニーズが要求され、携帯電話やICカ−ドで代表されるように益々、薄型化が進展している。また、高速化や低消費電力との側面からも、半導体を薄くする事が要求されてきている。
半導体基板の種類や形成する素子の種類により相違はあるが、半導体基板は厚みが30μm以下程度まで薄くなると、緩く曲げることが可能となる。
ところが、予め薄くした半導体基板やセラミックス基板を用いて、片面のみに電子回路を形成すると、回路形成の材料、特にアルミニウム、銅、金などの金属とシリコン・ウェハーなどの半導体基板やセラミックス基板との熱膨張率の差が5〜15×10−6K−1程度あり、この差によって、反りや歪みを生じる。その為、裏面に回路を形成することが不可能となるばかりでなく、表面の全工程すら実施不能な場合が発生する。このため、予め薄くした基板を使用することは実質的に不可能であった。
【0004】
そこで、従来は、厚み0.25〜0.725mm程度の半導体基板を使用して片面に主に、高温を必須とする電子回路形成工程を行った後、該電子回路形成面を保持基板に接着して保護しつつ、反対面(裏面)を研磨して所定の厚みまで薄くする方法が取られている。
半導体基板の種類や形成する素子の種類により相違はあるが、薄くする場合の厚みが150μm程度以上であれば、多少の歪みなどの発生はあっても、裏面(研磨面)の所望の処理工程の実施が可能であった。
しかし、この薄くした基板は極めて脆いために、裏面処理工程(通常、真空蒸着或いはスパッタリングと熱処理とからなる気相工程)の移送中などにおいて破損し易く、製品歩留りが悪化するという課題があった。
【0005】
この破損を避けるためには、薄くした半導体基板を単独で取り扱う回数を可能な限り減少させることである。
この手段として典型的には、下記の2つがある。
(1).薄くするために用いた保持基板に接着保持したままの状態で気相工程を実施する製造法。
(2).薄くした後、気相工程用のトレーやサセプターに載せて気相工程を実施する製造法。
【0006】
ここで、(1)の製造法は、薄くした半導体基板が保持基板に保持された状態で、そのまま、気相工程に適用され、ベアチップとして完成した後に剥離されて製品化される。この結果、接着状態で薄くするための研磨、気相工程の実施を行うので、工程後の剥離が可能であれば、高い製品歩留りが得られる。そして、厚みも最も薄いもので20μm程度まで可能という優れた特徴を有する。
しかし、適用工程数が多く、かつ、条件が多様で有機物質には極めて厳しいことから、実施可能な場合にも、全ての条件を満足する条件範囲は個々の製品とそれに対する使用工程条件毎に最適条件を選択する必要性があり、適用幅が狭く、汎用性に欠けるという欠点があった。また、温度が300℃以上、特に400℃を越える高温下における適用を必須とする場合には、材料選択自体も極めて困難となる。
【0007】
これに対して、(2)の製造法は、薄くした半導体基板を保持基板から剥がして、気相工程用のトレーやサセプターなどに乗せて移送し、気相工程に投入・取り出しを行う。この結果、用いた気相工程用のトレーやサセプターの材料が許容する条件範囲全てに適用可能であるという優れた特性を有する。
しかし、載せ代え、移送などが可能であるとの条件から、半導体基板の種類や大きさにもよるがその薄さが約100μm程度という制限がある。また、用いた気相工程用のトレーやサセプターの材料特性から、ステンレス製などの金属材料が適用できる気相工程と石英ガラスなどのセラミックス類が適用できる気相工程とがあり、工程間でトレーやサセプターを取り替えること、すなわち、載せ替える必要があり、載せ代え時に破損し易いという課題があった。
【0008】
また、上記した二つの工程に適用可能な材料として、炭化珪素(SiC)がある。しかし、炭化珪素は適切な加工が困難であるという課題があった。また、特許技術1には、カーボンにSiC皮膜を形成したものが開示されているが、熱によって歪み、反りや変形を生じ、それが熱処理の繰り返しにより増加するという欠点があった。この歪みを修正して平面度を維持するために炭化珪素などの支持部材を使用することが提案されているが、熱衝撃や熱膨張率の差による破損が発生し易い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記(2)の製造法において、用いる気相工程用のトレーやサセプターとして、ステンレス製などの金属材料が適用できる気相工程と石英ガラスなどのセラミックス類が適用できる気相工程との両者に適用可能な新規なトレーやサセプターを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、厚み0.5〜2mmであるセラミックスまたは樹脂複合セラミックスからなる形状保持部と、半導体基板の搭載部、その外側の枠および該形状保持部への固定治具を有し、該形状保持部にて支持固定されてなる超耐熱性樹脂製の半導体基板支持部とからなる気相工程用トレーであり、該耐熱性樹脂の熱分解開始温度が400℃以上である樹脂から選択されたものである気相工程用トレーである。
【0011】
以下、本発明の構成を説明する。
本発明のトレーに搭載する薄くした半導体ウェハーは、通常、湾曲している。この湾曲(反り、歪み)は第一に、表面に一層以上の層が形成され、通常、下地とこれらの層および層間の熱膨張係数は異なることによる。そして、この歪みは、真空工程、熱処理工程などを経るとより増大する。
また、歪みは、加熱、冷却、特に、加熱の不均一さによっても発生する。
そして、真空工程、例えば、金属の蒸着やスパッタリングは、蒸着或いはスパッタリング面の金属イオンによる加熱である。このとき、裏面からの補助加熱とのバランスが取れない場合には湾曲し、この湾曲は温度差などでより増大することとなる。
【0012】
本発明のトレーは、この薄くした半導体ウェハーを載せて、移送中の破損などから守るものであり、従来の金属トレーとセラミックストレーとの両工程に適用することができるものである。
気相工程用トレー或いはサセプターの概略を説明する。
従来の一枚の半導体ウェハー(半導体基板)を搭載して気相工程に用いる気相工程用トレーは、通常、厚み約2mm程度の円板を用い、最外周囲に衝突からの半導体ウェハーの保護と半導体ウェハーがトレーからはみ出すことを防止するための淵(W)を、その直ぐ内側周囲に半導体ウェハーをその周囲部分を支える突出した保持部(S)を、その内側を一段低くし、半導体ウェハーの載せ代えに使用する治具のための複数の貫通孔(H)を設けた平板製の底(F)からなる。
また、複数の半導体ウェハーを搭載する場合には、一枚の円形や正方形の平板中に、通常、淵(W)、保持部(S)および貫通孔(H)を設けた底(F)からなる搭載部を3つ或いは4個設けたものである。
【0013】
本発明の気相工程用トレー(サセプター)は、上記の一枚搭載の場合には、淵Wと保持部Sとからなる半導体基板搭載部と該搭載部を形状保持部(B)に固定するために、通常、爪状などからなる固定部材(AD)とを、超耐熱性樹脂製として一体で形成する。そして、この半導体基板搭載部を支える形状保持部Bは、一枚の円板の周囲に溝、切りかき状などからなり、上記の固定部材ADを受ける固定部(AC)を設け、その内側平面に貫通孔Hを設けた構造であり、セラミックスまたは樹脂複合セラミックス製とする。
【0014】
また、複数の半導体ウェハーを搭載する本発明の気相工程用トレー(サセプター)の場合には、通常、底部分に相当する厚みに相当する厚さの一枚円板や正方形板をセラミックスまたは樹脂複合セラミックス製とし、これに、複数の半導体搭載部分に相当する位置に、それぞれ、固定部ACとその内側に貫通孔H とを形成したものとする。そして、淵Wと保持部Sとからなる半導体基板搭載部と該搭載部を形状保持部に固定するための固定部材ADとを、超耐熱性樹脂製として作製し、固定部材ADにて固定部ACに支持固定して用いる。
【0015】
半導体基板支持部を作製する超耐熱性樹脂としては、商品名:ベスベル(デュポン社製)、商品名:ミピモール(宇部興産(株)製)などポリイミド成形体が例示され、熱可塑性ポリイミド成形体としては、商品名:オーラム(三井化学(株)製)等がある。また、ポリベンゾイミダゾール成形体として、商品名:セラゾール(クラリアイトジャパン製)が例示される。
また、形状保持部を作製する樹脂複合セラミックスとしては、商品名:セラジン(三菱瓦斯化学(株)製)が例示される。
【0016】
ところで、通常、本発明のセラミックス等からなる形状保持部と該形状保持部に支持固定した超耐熱性樹脂製の半導体基板支持部とは、その材質の相違から、通常、熱膨張率差として10〜20×10−6K−1程度を有する。この結果、室温と処理温度との温度差が300℃で寸法10cmとすると0.3〜0.6mmとかなり大きな寸法差が発生する。従って、室温から処理温度までの広い温度範囲で両者の安定した支持固定を保持するためには、半導体基板支持部が熱膨張して寸法増加することを考慮し、かつ、局所応力の発生のない固定として利用する必要がある。
【0017】
本発明においては、通常、超耐熱性樹脂製側に固定部材ADを設け、形状保持部側に固定部ACを設ける。
固定部材ADと固定部ACとをそれらのみで比較した場合には、それぞれが小さいことから、温度変化に伴う寸法変化量は小さく、むしろ、作製公差の方が大きい場合も考えられる場合もあると思われる。ゆえに、この場合には、両者を結合して微調整をすることが好ましい。
しかし、半導体基板支持部と固定部材ADとを一体物として作製した場合には上記したような寸法差が発生する。すなわち、温度上昇に伴い、直径軸方向は、外側に固定部材ADが移動し、直径に直角方向は、固定部ACと固定部材ADとの間隔が狭まるように振る舞う。
【0018】
ここで、上記に説明した一枚置きの場合には、通常は、超耐熱性樹脂製の部材が外側、形状保持部材が内側である。ゆえに、室温(室温基準)で作製した場合、温度上昇にて、半導体基板支持部は外向きにはみ出すこととなるので、上記した寸法変化にても支持固定が損なわれないように支持固定方法を工夫する。
この一つは、超耐熱性樹脂製であることから、この弾性を利用することが最も好ましい対応となる。解決策の一例は、固定部材ADを内側斜めに傾斜させて作製し、熱膨張による寸法変化の大部分をこの傾斜により吸収する方法である。他の一例は、固定部ACとして直径方向の溝を形成し、例えば、この溝を全体として、内側を大きく、外側を小さし、また、外側の溝は上面よりも下側に幅の広い部分として形成する。固定部材ADは、この固定部ACの外側の溝に合わせた形状とする。そして、樹脂部材に内向きに力を負荷して内側の幅広溝部分にて、はめ込み、外側の部分で引っ掛かるようにし、さらに、熱膨張によって広がった場合にも、固定がより安定化するようにする。
【0019】
超耐熱性樹脂製であっても、その弾性を利用することが困難な場合には、固定部材ADと固定部ACとの形状を工夫することにより対応することとなる。この典型例は、回転を利用する方法である。
一例を挙げれば、固定部材ADは、その先端側(下面側)でその内側および回転先方向側にやや飛び出した部分を設けてこれにて支持固定するようにする。固定部ACは、この固定部材ACを完全に受け入れる部分を設け、右或いは左に回転させた先に固定部材ADの先端側(下面側)でその内側および回転先方向側にて支持固定する部分を設け、また、該部分の手前(該回転の終了部の手前)に逆回りを防止部用の突起或いは逆刃を設けた構造とする。
【0020】
以上、本発明のトレーの説明を、薄い半導体を製造する方法に適用する場合を中心に説明したが、本発明のトレーは、半導体デバイス製造工程のプラズマCVD、スパッタリング、ドライエッチング、PVD (物理的気相成長) などの気相工程用として、セラッミックス基板上への半導体を形成用として、シリコン・ウェハー以外、特に、GaAs,GaP,GaNその他の強度の小さい化合物半導体の工程用として好適に使用できる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例などにより本発明を具体的に説明する。
実施例1
無機連続気孔焼結体として、厚さ25mm、直径157mmの窒化アルミニウム−窒化硼素系連続気孔焼結体(h−BN含有量13%、嵩密度2.70g/cm3、真気孔率13.0vol%、平均気孔径0.48μm、以下「AN1」と記す)の円板を準備した。
これを用いて、樹脂含侵複合セラミックス作成法に基づき、薄板の作成、ラダー型シリコーンオリゴマー(Owens−Illinois社製、商品名;グラスレジンGR−908、ポリオルガノシルセスキオキサン、側鎖のメチル基/側鎖のフェニル基=1/4)含侵、硬化を行った後、表面研磨し、ポリベンザイミダゾール含侵、乾燥、熱処理してなる厚み0.5mmの平滑基板(以下「R1−AN1」と記す) を作成した。
【0022】
この厚み0.5mmのR1−AN1から直径151mmの円盤を切り出し、外周囲の片側をその半分の厚さ(高さ0.25mm)まで幅0.5mm斜めカットし、その外周囲部分の均等位置4箇所に、固定部を作成して、形状保持部とした。
該固定部は、一つの対面は、外側よりはめ込む方式とし、残りの一つの対面は内側よりはめ込む方式とした。外側よりはめ込む方式の部分は、直径軸方向の幅1.0mm、長さ1.0mmの溝(切り欠き溝)を形成し、その下側面端より幅0.25mmで0.25mmの高さまで斜めカットした。内側よりはめ込む方式の部分は、上記と同様の溝において、その内側部分を約0.1mm円盤の中心側に広げ、かつ、該広げた部分を含む0.6mmの部分の両側を上面まで0.25mm カットした貫通穴とした。
【0023】
次に、リング状のポリイミド樹脂成形品(商品名「ベスべル、デュポン社製)を用い、半導体基板支持部を作成した。
ポリイミド樹脂成形品を外直径152mm、内直径149mm、厚さ1.5mmとした。
次に、片面側から、外周囲壁とする高さ0.5mm、幅0.5mmを残して内部を切削除去し、搭載部幅1mmとした。
これを裏返して型に固定し、まず、外周囲を高さ0.5mm、幅1.0mmで斜めカットした。次に、固定部材を作成する部分の概形として直径平面でこれに垂直な方向の幅1.5mm、高さ0.5mmを残してその他の部分を研削除去した。
【0024】
この幅1.5mm、高さ0.5mmの残した部分に固定部材を作製した。
この幅1.5mm、高さ0.5mmの残した部分の側面を研削除去して、外側からはめ込む部分の形状に対応させ、はめ込み容易とした。
次に、上記の外側からはめ込む部分に対応したものと同様の形状を作製した後、該部分の下側の広がり部分は幅1.5mmへの広がり部分は内側から0.1〜0.6mmの部分とし、最も内側0.1mmおよび0.6mmよりも外側部分の部分を除去した。
【0025】
上記で作製した形状保持部に半導体基板支持部を取付け、トレーとした。
このトレーに、6インチ(直径150mm)シリコンウェハー)を配置し、スパッタ装置で金のスパッタリング、ついで、拡散炉に移送して、窒素雰囲気中450℃で40分間維持する試験を行ったところ、破損などなく良好な作業ができた。トレーの半導体搭載部に付着した金の厚さは約2μmであった。また、この金付着状態で急冷したが、当然に半導体基板搭載部に割れなど生じなかった。
【0026】
実施例2
実施例1と同様にして厚さ0.7mm、直径201.5mmの平滑円板を作成し、この円板中に、3インチ相当の半導体基板搭載部を4箇所均等配置したトレーを作製した。各搭載部は円板の中心から57mm位置に中心を有し、搭載部直径76.5mm、深さ0.5mm、搭載部内側直径73.0mm、底面厚み0.7mmとし、底面に各搭載部の中心から25mmの位置に中心を持つ直径15mmの穴4箇所を有するものとした。
【0027】
上記の直径201.5mmの平滑円板の周囲の面取りをし、また、各搭載部に形成する貫通穴を形成した。
次に、各固定部を作製した。各固定部は1つの搭載部に対して4か所とし、すべての固定部が内側からはめ込み固定する方法とした。
各搭載部の中心より36.7mmから38.7mmの位置まで幅1.0mmの貫通穴を形成し、この貫通穴の幅方向両側下面側を0.3mm幅で高さ0.3mmまで斜めにカットし、さらに内側の36.7〜37.3mmの範囲を上面までカットして、内側が長方形の貫通穴、外側が下広がりの穴とした。
【0028】
ポリイミド樹脂成形品を外直径78mm、内直径73mm、厚さ1.7mmとした。次に、片面側から、外周囲壁とする高さ0.5mm、幅0.75mmを残して内部を切削除去した。
これを裏返して型に固定し、周囲に4箇所均等に固定部材を作成する部分として幅(各搭載部を基準として搭載面に平行でその直径方向に垂直な方向)1.6mm、高さ0.7mmを残してその他の部分を研削除去した。
幅1.6mm、高さ0.7mmの固定部材形成部の内側から0.6mm、外側から0.9mmを周囲と同じ面となるように切除し、幅1.6mm、長さ1.0mm、高さ0.7mmとした。次に、これを根本部分の幅方向両側から0.3mm、高さ0.4mmづつ切除し、さらに、その上部を斜め広がりとなるように切除した。その後、この広がり部分の外側の0.5mmを切除し、次に、中心部分に、巾約0.1mmの切り込みを深さ約0.5mmまで形成することによって、中心より37.1mmから37.6mmの部分の下側が広り、中心部分に溝を持つ固定部材とした。
【0029】
上記で作製した形状保持部に、上記で作製した半導体基板支持部を取付け、トレーとした。
このトレーに、3インチ(直径75mm)シリコンウェハーを配置し、スパッタ装置で金のスパッタリング、ついで、拡散炉に移送して、窒素雰囲気中450℃で40分間維持する試験を行ったところ、破損などなく良好な作業ができた。また、トレーに付着した金の厚さは約2μmであった。
【0030】
【発明の効果】
以上、本発明のトレーは、半導体ウェハーを載せて、スパッタリング、ついで拡散の両工程を実施可能である。また、本発明のトレーは、樹脂上に半導体ウェハーを載せて取り扱うことから、これらの工程中に発生する半導体ウェハーとトレーとの「擦れ」よる半導体ウェハーの「擦れキズ」の発生がないものであり、その意義は極めて高い。
【産業上の利用分野】
本発明は、新規な気相工程用トレーを提供するものであり、本トレーにて半導体基板を支持或いは保持して、割れなどのない工程間の連続使用を可能とするものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許技術1】特開平07−058041号公報
【0003】
近年、電子機器は、薄型、軽量化のニーズが要求され、携帯電話やICカ−ドで代表されるように益々、薄型化が進展している。また、高速化や低消費電力との側面からも、半導体を薄くする事が要求されてきている。
半導体基板の種類や形成する素子の種類により相違はあるが、半導体基板は厚みが30μm以下程度まで薄くなると、緩く曲げることが可能となる。
ところが、予め薄くした半導体基板やセラミックス基板を用いて、片面のみに電子回路を形成すると、回路形成の材料、特にアルミニウム、銅、金などの金属とシリコン・ウェハーなどの半導体基板やセラミックス基板との熱膨張率の差が5〜15×10−6K−1程度あり、この差によって、反りや歪みを生じる。その為、裏面に回路を形成することが不可能となるばかりでなく、表面の全工程すら実施不能な場合が発生する。このため、予め薄くした基板を使用することは実質的に不可能であった。
【0004】
そこで、従来は、厚み0.25〜0.725mm程度の半導体基板を使用して片面に主に、高温を必須とする電子回路形成工程を行った後、該電子回路形成面を保持基板に接着して保護しつつ、反対面(裏面)を研磨して所定の厚みまで薄くする方法が取られている。
半導体基板の種類や形成する素子の種類により相違はあるが、薄くする場合の厚みが150μm程度以上であれば、多少の歪みなどの発生はあっても、裏面(研磨面)の所望の処理工程の実施が可能であった。
しかし、この薄くした基板は極めて脆いために、裏面処理工程(通常、真空蒸着或いはスパッタリングと熱処理とからなる気相工程)の移送中などにおいて破損し易く、製品歩留りが悪化するという課題があった。
【0005】
この破損を避けるためには、薄くした半導体基板を単独で取り扱う回数を可能な限り減少させることである。
この手段として典型的には、下記の2つがある。
(1).薄くするために用いた保持基板に接着保持したままの状態で気相工程を実施する製造法。
(2).薄くした後、気相工程用のトレーやサセプターに載せて気相工程を実施する製造法。
【0006】
ここで、(1)の製造法は、薄くした半導体基板が保持基板に保持された状態で、そのまま、気相工程に適用され、ベアチップとして完成した後に剥離されて製品化される。この結果、接着状態で薄くするための研磨、気相工程の実施を行うので、工程後の剥離が可能であれば、高い製品歩留りが得られる。そして、厚みも最も薄いもので20μm程度まで可能という優れた特徴を有する。
しかし、適用工程数が多く、かつ、条件が多様で有機物質には極めて厳しいことから、実施可能な場合にも、全ての条件を満足する条件範囲は個々の製品とそれに対する使用工程条件毎に最適条件を選択する必要性があり、適用幅が狭く、汎用性に欠けるという欠点があった。また、温度が300℃以上、特に400℃を越える高温下における適用を必須とする場合には、材料選択自体も極めて困難となる。
【0007】
これに対して、(2)の製造法は、薄くした半導体基板を保持基板から剥がして、気相工程用のトレーやサセプターなどに乗せて移送し、気相工程に投入・取り出しを行う。この結果、用いた気相工程用のトレーやサセプターの材料が許容する条件範囲全てに適用可能であるという優れた特性を有する。
しかし、載せ代え、移送などが可能であるとの条件から、半導体基板の種類や大きさにもよるがその薄さが約100μm程度という制限がある。また、用いた気相工程用のトレーやサセプターの材料特性から、ステンレス製などの金属材料が適用できる気相工程と石英ガラスなどのセラミックス類が適用できる気相工程とがあり、工程間でトレーやサセプターを取り替えること、すなわち、載せ替える必要があり、載せ代え時に破損し易いという課題があった。
【0008】
また、上記した二つの工程に適用可能な材料として、炭化珪素(SiC)がある。しかし、炭化珪素は適切な加工が困難であるという課題があった。また、特許技術1には、カーボンにSiC皮膜を形成したものが開示されているが、熱によって歪み、反りや変形を生じ、それが熱処理の繰り返しにより増加するという欠点があった。この歪みを修正して平面度を維持するために炭化珪素などの支持部材を使用することが提案されているが、熱衝撃や熱膨張率の差による破損が発生し易い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記(2)の製造法において、用いる気相工程用のトレーやサセプターとして、ステンレス製などの金属材料が適用できる気相工程と石英ガラスなどのセラミックス類が適用できる気相工程との両者に適用可能な新規なトレーやサセプターを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、厚み0.5〜2mmであるセラミックスまたは樹脂複合セラミックスからなる形状保持部と、半導体基板の搭載部、その外側の枠および該形状保持部への固定治具を有し、該形状保持部にて支持固定されてなる超耐熱性樹脂製の半導体基板支持部とからなる気相工程用トレーであり、該耐熱性樹脂の熱分解開始温度が400℃以上である樹脂から選択されたものである気相工程用トレーである。
【0011】
以下、本発明の構成を説明する。
本発明のトレーに搭載する薄くした半導体ウェハーは、通常、湾曲している。この湾曲(反り、歪み)は第一に、表面に一層以上の層が形成され、通常、下地とこれらの層および層間の熱膨張係数は異なることによる。そして、この歪みは、真空工程、熱処理工程などを経るとより増大する。
また、歪みは、加熱、冷却、特に、加熱の不均一さによっても発生する。
そして、真空工程、例えば、金属の蒸着やスパッタリングは、蒸着或いはスパッタリング面の金属イオンによる加熱である。このとき、裏面からの補助加熱とのバランスが取れない場合には湾曲し、この湾曲は温度差などでより増大することとなる。
【0012】
本発明のトレーは、この薄くした半導体ウェハーを載せて、移送中の破損などから守るものであり、従来の金属トレーとセラミックストレーとの両工程に適用することができるものである。
気相工程用トレー或いはサセプターの概略を説明する。
従来の一枚の半導体ウェハー(半導体基板)を搭載して気相工程に用いる気相工程用トレーは、通常、厚み約2mm程度の円板を用い、最外周囲に衝突からの半導体ウェハーの保護と半導体ウェハーがトレーからはみ出すことを防止するための淵(W)を、その直ぐ内側周囲に半導体ウェハーをその周囲部分を支える突出した保持部(S)を、その内側を一段低くし、半導体ウェハーの載せ代えに使用する治具のための複数の貫通孔(H)を設けた平板製の底(F)からなる。
また、複数の半導体ウェハーを搭載する場合には、一枚の円形や正方形の平板中に、通常、淵(W)、保持部(S)および貫通孔(H)を設けた底(F)からなる搭載部を3つ或いは4個設けたものである。
【0013】
本発明の気相工程用トレー(サセプター)は、上記の一枚搭載の場合には、淵Wと保持部Sとからなる半導体基板搭載部と該搭載部を形状保持部(B)に固定するために、通常、爪状などからなる固定部材(AD)とを、超耐熱性樹脂製として一体で形成する。そして、この半導体基板搭載部を支える形状保持部Bは、一枚の円板の周囲に溝、切りかき状などからなり、上記の固定部材ADを受ける固定部(AC)を設け、その内側平面に貫通孔Hを設けた構造であり、セラミックスまたは樹脂複合セラミックス製とする。
【0014】
また、複数の半導体ウェハーを搭載する本発明の気相工程用トレー(サセプター)の場合には、通常、底部分に相当する厚みに相当する厚さの一枚円板や正方形板をセラミックスまたは樹脂複合セラミックス製とし、これに、複数の半導体搭載部分に相当する位置に、それぞれ、固定部ACとその内側に貫通孔H とを形成したものとする。そして、淵Wと保持部Sとからなる半導体基板搭載部と該搭載部を形状保持部に固定するための固定部材ADとを、超耐熱性樹脂製として作製し、固定部材ADにて固定部ACに支持固定して用いる。
【0015】
半導体基板支持部を作製する超耐熱性樹脂としては、商品名:ベスベル(デュポン社製)、商品名:ミピモール(宇部興産(株)製)などポリイミド成形体が例示され、熱可塑性ポリイミド成形体としては、商品名:オーラム(三井化学(株)製)等がある。また、ポリベンゾイミダゾール成形体として、商品名:セラゾール(クラリアイトジャパン製)が例示される。
また、形状保持部を作製する樹脂複合セラミックスとしては、商品名:セラジン(三菱瓦斯化学(株)製)が例示される。
【0016】
ところで、通常、本発明のセラミックス等からなる形状保持部と該形状保持部に支持固定した超耐熱性樹脂製の半導体基板支持部とは、その材質の相違から、通常、熱膨張率差として10〜20×10−6K−1程度を有する。この結果、室温と処理温度との温度差が300℃で寸法10cmとすると0.3〜0.6mmとかなり大きな寸法差が発生する。従って、室温から処理温度までの広い温度範囲で両者の安定した支持固定を保持するためには、半導体基板支持部が熱膨張して寸法増加することを考慮し、かつ、局所応力の発生のない固定として利用する必要がある。
【0017】
本発明においては、通常、超耐熱性樹脂製側に固定部材ADを設け、形状保持部側に固定部ACを設ける。
固定部材ADと固定部ACとをそれらのみで比較した場合には、それぞれが小さいことから、温度変化に伴う寸法変化量は小さく、むしろ、作製公差の方が大きい場合も考えられる場合もあると思われる。ゆえに、この場合には、両者を結合して微調整をすることが好ましい。
しかし、半導体基板支持部と固定部材ADとを一体物として作製した場合には上記したような寸法差が発生する。すなわち、温度上昇に伴い、直径軸方向は、外側に固定部材ADが移動し、直径に直角方向は、固定部ACと固定部材ADとの間隔が狭まるように振る舞う。
【0018】
ここで、上記に説明した一枚置きの場合には、通常は、超耐熱性樹脂製の部材が外側、形状保持部材が内側である。ゆえに、室温(室温基準)で作製した場合、温度上昇にて、半導体基板支持部は外向きにはみ出すこととなるので、上記した寸法変化にても支持固定が損なわれないように支持固定方法を工夫する。
この一つは、超耐熱性樹脂製であることから、この弾性を利用することが最も好ましい対応となる。解決策の一例は、固定部材ADを内側斜めに傾斜させて作製し、熱膨張による寸法変化の大部分をこの傾斜により吸収する方法である。他の一例は、固定部ACとして直径方向の溝を形成し、例えば、この溝を全体として、内側を大きく、外側を小さし、また、外側の溝は上面よりも下側に幅の広い部分として形成する。固定部材ADは、この固定部ACの外側の溝に合わせた形状とする。そして、樹脂部材に内向きに力を負荷して内側の幅広溝部分にて、はめ込み、外側の部分で引っ掛かるようにし、さらに、熱膨張によって広がった場合にも、固定がより安定化するようにする。
【0019】
超耐熱性樹脂製であっても、その弾性を利用することが困難な場合には、固定部材ADと固定部ACとの形状を工夫することにより対応することとなる。この典型例は、回転を利用する方法である。
一例を挙げれば、固定部材ADは、その先端側(下面側)でその内側および回転先方向側にやや飛び出した部分を設けてこれにて支持固定するようにする。固定部ACは、この固定部材ACを完全に受け入れる部分を設け、右或いは左に回転させた先に固定部材ADの先端側(下面側)でその内側および回転先方向側にて支持固定する部分を設け、また、該部分の手前(該回転の終了部の手前)に逆回りを防止部用の突起或いは逆刃を設けた構造とする。
【0020】
以上、本発明のトレーの説明を、薄い半導体を製造する方法に適用する場合を中心に説明したが、本発明のトレーは、半導体デバイス製造工程のプラズマCVD、スパッタリング、ドライエッチング、PVD (物理的気相成長) などの気相工程用として、セラッミックス基板上への半導体を形成用として、シリコン・ウェハー以外、特に、GaAs,GaP,GaNその他の強度の小さい化合物半導体の工程用として好適に使用できる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例などにより本発明を具体的に説明する。
実施例1
無機連続気孔焼結体として、厚さ25mm、直径157mmの窒化アルミニウム−窒化硼素系連続気孔焼結体(h−BN含有量13%、嵩密度2.70g/cm3、真気孔率13.0vol%、平均気孔径0.48μm、以下「AN1」と記す)の円板を準備した。
これを用いて、樹脂含侵複合セラミックス作成法に基づき、薄板の作成、ラダー型シリコーンオリゴマー(Owens−Illinois社製、商品名;グラスレジンGR−908、ポリオルガノシルセスキオキサン、側鎖のメチル基/側鎖のフェニル基=1/4)含侵、硬化を行った後、表面研磨し、ポリベンザイミダゾール含侵、乾燥、熱処理してなる厚み0.5mmの平滑基板(以下「R1−AN1」と記す) を作成した。
【0022】
この厚み0.5mmのR1−AN1から直径151mmの円盤を切り出し、外周囲の片側をその半分の厚さ(高さ0.25mm)まで幅0.5mm斜めカットし、その外周囲部分の均等位置4箇所に、固定部を作成して、形状保持部とした。
該固定部は、一つの対面は、外側よりはめ込む方式とし、残りの一つの対面は内側よりはめ込む方式とした。外側よりはめ込む方式の部分は、直径軸方向の幅1.0mm、長さ1.0mmの溝(切り欠き溝)を形成し、その下側面端より幅0.25mmで0.25mmの高さまで斜めカットした。内側よりはめ込む方式の部分は、上記と同様の溝において、その内側部分を約0.1mm円盤の中心側に広げ、かつ、該広げた部分を含む0.6mmの部分の両側を上面まで0.25mm カットした貫通穴とした。
【0023】
次に、リング状のポリイミド樹脂成形品(商品名「ベスべル、デュポン社製)を用い、半導体基板支持部を作成した。
ポリイミド樹脂成形品を外直径152mm、内直径149mm、厚さ1.5mmとした。
次に、片面側から、外周囲壁とする高さ0.5mm、幅0.5mmを残して内部を切削除去し、搭載部幅1mmとした。
これを裏返して型に固定し、まず、外周囲を高さ0.5mm、幅1.0mmで斜めカットした。次に、固定部材を作成する部分の概形として直径平面でこれに垂直な方向の幅1.5mm、高さ0.5mmを残してその他の部分を研削除去した。
【0024】
この幅1.5mm、高さ0.5mmの残した部分に固定部材を作製した。
この幅1.5mm、高さ0.5mmの残した部分の側面を研削除去して、外側からはめ込む部分の形状に対応させ、はめ込み容易とした。
次に、上記の外側からはめ込む部分に対応したものと同様の形状を作製した後、該部分の下側の広がり部分は幅1.5mmへの広がり部分は内側から0.1〜0.6mmの部分とし、最も内側0.1mmおよび0.6mmよりも外側部分の部分を除去した。
【0025】
上記で作製した形状保持部に半導体基板支持部を取付け、トレーとした。
このトレーに、6インチ(直径150mm)シリコンウェハー)を配置し、スパッタ装置で金のスパッタリング、ついで、拡散炉に移送して、窒素雰囲気中450℃で40分間維持する試験を行ったところ、破損などなく良好な作業ができた。トレーの半導体搭載部に付着した金の厚さは約2μmであった。また、この金付着状態で急冷したが、当然に半導体基板搭載部に割れなど生じなかった。
【0026】
実施例2
実施例1と同様にして厚さ0.7mm、直径201.5mmの平滑円板を作成し、この円板中に、3インチ相当の半導体基板搭載部を4箇所均等配置したトレーを作製した。各搭載部は円板の中心から57mm位置に中心を有し、搭載部直径76.5mm、深さ0.5mm、搭載部内側直径73.0mm、底面厚み0.7mmとし、底面に各搭載部の中心から25mmの位置に中心を持つ直径15mmの穴4箇所を有するものとした。
【0027】
上記の直径201.5mmの平滑円板の周囲の面取りをし、また、各搭載部に形成する貫通穴を形成した。
次に、各固定部を作製した。各固定部は1つの搭載部に対して4か所とし、すべての固定部が内側からはめ込み固定する方法とした。
各搭載部の中心より36.7mmから38.7mmの位置まで幅1.0mmの貫通穴を形成し、この貫通穴の幅方向両側下面側を0.3mm幅で高さ0.3mmまで斜めにカットし、さらに内側の36.7〜37.3mmの範囲を上面までカットして、内側が長方形の貫通穴、外側が下広がりの穴とした。
【0028】
ポリイミド樹脂成形品を外直径78mm、内直径73mm、厚さ1.7mmとした。次に、片面側から、外周囲壁とする高さ0.5mm、幅0.75mmを残して内部を切削除去した。
これを裏返して型に固定し、周囲に4箇所均等に固定部材を作成する部分として幅(各搭載部を基準として搭載面に平行でその直径方向に垂直な方向)1.6mm、高さ0.7mmを残してその他の部分を研削除去した。
幅1.6mm、高さ0.7mmの固定部材形成部の内側から0.6mm、外側から0.9mmを周囲と同じ面となるように切除し、幅1.6mm、長さ1.0mm、高さ0.7mmとした。次に、これを根本部分の幅方向両側から0.3mm、高さ0.4mmづつ切除し、さらに、その上部を斜め広がりとなるように切除した。その後、この広がり部分の外側の0.5mmを切除し、次に、中心部分に、巾約0.1mmの切り込みを深さ約0.5mmまで形成することによって、中心より37.1mmから37.6mmの部分の下側が広り、中心部分に溝を持つ固定部材とした。
【0029】
上記で作製した形状保持部に、上記で作製した半導体基板支持部を取付け、トレーとした。
このトレーに、3インチ(直径75mm)シリコンウェハーを配置し、スパッタ装置で金のスパッタリング、ついで、拡散炉に移送して、窒素雰囲気中450℃で40分間維持する試験を行ったところ、破損などなく良好な作業ができた。また、トレーに付着した金の厚さは約2μmであった。
【0030】
【発明の効果】
以上、本発明のトレーは、半導体ウェハーを載せて、スパッタリング、ついで拡散の両工程を実施可能である。また、本発明のトレーは、樹脂上に半導体ウェハーを載せて取り扱うことから、これらの工程中に発生する半導体ウェハーとトレーとの「擦れ」よる半導体ウェハーの「擦れキズ」の発生がないものであり、その意義は極めて高い。
Claims (2)
- 厚み0.5〜2mmであるセラミックスまたは樹脂複合セラミックスからなる形状保持部と、半導体基板の搭載部と該形状保持部への固定治具および必要に応じて枠とを有し、該固定治具にて該形状保持部に支持固定されてなる超耐熱性樹脂製の半導体基板支持部とからなる気相工程用トレー。
- 該耐熱性樹脂の熱分解開始温度が400℃以上である樹脂から選択されたものである請求項1記載の気相工程用トレー。
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JP2003118065A JP2004327576A (ja) | 2003-04-23 | 2003-04-23 | 気相工程用トレー |
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2003
- 2003-04-23 JP JP2003118065A patent/JP2004327576A/ja active Pending
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