JP2004326902A - 対物レンズ駆動装置およびそれを備える光ピックアップ装置 - Google Patents

対物レンズ駆動装置およびそれを備える光ピックアップ装置 Download PDF

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Toshiharu Inui
敏治 乾
Shinichi Tomoyama
進一 友山
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Abstract

【課題】高い剛性を得ること、組立て作業性を良好にすることおよび駆動感度を良好にすることができる対物レンズ駆動装置と、それを備える光ピックアップ装置とを提供する。
【解決手段】対物レンズ26を保持するレンズホルダ40に、コイル体41が固定される。コイル体41は、通電されることによってマグネット33による磁界から磁気力を受けてレンズホルダ40を駆動する。コイル体41のフォーカシングコイル45およびトラッキングコイル46のうち、いずれか一方のコイルが、他方のコイルを外囲するように巻回され、周方向の2箇所以上で他方のコイルに固定される。コイル体41は、フォーカシングコイル45およびトラッキングコイル46の外側にレンズホルダ40が配置される状態で、レンズホルダ40に固定される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体に対して情報の記録および再生などの各種の光学的処理をするための対物レンズ駆動装置と、その対物レンズ駆動装置を備える光ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクに対して情報の記録および再生をするために、光ピックアップ装置が用いられる。光ディスクの性能としては、記録密度が高いことおよび記録容量が大きいことが強く求められている。単位面積当たりの記録容量である記録密度を向上するためには、情報記録面におけるビームスポットの径を小さくすればよく、これを実現するための構成として波長が短い光源を用いる構成と、光学系における開口数を大きくする構成とがある。
【0003】
光ピックアップ装置が、ビームスポットの径を小さくすることができる構成であっても、対物レンズ駆動装置において対物レンズ、レンズホルダおよびコイルを有する駆動体の剛性が低い場合、あるいは駆動体の共振時の振幅が大きい、すなわち振動に対して駆動体の減衰特性が小さい場合、広い周波数帯域において対物レンズを精度良くサーボ制御することができない。これによって光ディスクの面振れあるいは偏心等に対して、ビームスポットを記録トラックに精度良く追従させることができない。
【0004】
図10は、第1の従来技術の対物レンズ駆動装置1を示す斜視図である。一般に、光ピックアップ装置では、対物レンズ駆動装置において磁気回路の効率を向上させるために、ヨークがコイルボビンまたはフォーカシングコイルに挿通される構成を持つものが多い。第1の従来技術の対物レンズ駆動装置1では、対物レンズ2を保持するレンズホルダ3に、筒状のフォーカシングコイル4,5が設けられる。フォーカシングコイル4,5はレンズホルダ3を挟んで両側面に配置される状態で、レンズホルダ3に設けられる。フォーカシングコイル4,5には、磁気回路の効率を向上するための対向ヨーク6,7がそれぞれ挿通される。これによってフォーカシングコイル4,5の内方空間には、対向ヨーク6,7が配置される。またフォーカシングコイル4,5には、その外周部に、トラッキングコイル8,9が各フォーカシングコイル4,5の外側に配置される状態で、それぞれ2つずつ設けられる(たとえば特許文献1参照)。
【0005】
図11は、第2の従来技術の対物レンズ駆動装置1aを示す平面図である。第2の従来技術の対物レンズ駆動装置1aでは、フォーカシングコイル4aが、光ディスクに垂直な軸線まわりに巻回されるとともに、レンズホルダ3aに巻回される。これによってフォーカシングコイル4aの内方空間には、レンズホルダ3aが配置される。フォーカシングコイル4aの外周部には、4つのトラッキングコイル8a〜11aが設けられる。トラッキングコイル8a〜11aは、フォーカシングコイル4aの軸線に垂直な軸線まわりに巻回される(たとえば特許文献2参照)。
【0006】
図12は、第3の従来技術の対物レンズ駆動装置1bを示す斜視図である。第3の従来技術の対物レンズ駆動装置1bでは、フォーカシングコイル4bが、レンズホルダ3bに巻回され、この状態で、2つのトラッキングコイル8b,9bがレンズホルダにさらに巻回される。トラッキングコイル8b、9bは、フォーカシングコイル4bの軸線に垂直な軸線まわりに巻回されるとともに、レンズホルダ3bを挟む位置に配置される。トラッキングコイル8b,9bは、マグネット12b,13bの縁辺部に対向する(たとえば特許文献3参照)。
【0007】
図13は、第4の従来技術の対物レンズ駆動装置1cを示す平面図である。第4の従来技術の対物レンズ駆動装置1cでは、フォーカシングコイル4cが、レンズホルダ3cに巻回され、この状態で、トラッキングコイル8c、9cがレンズホルダ3cにさらに巻回される。トラッキングコイル8c、9cは、フォーカシングコイル4cの軸線に垂直な軸線まわりに巻回されるとともに、レンズホルダ3cを挟む位置に配置される。またトラッキングコイルは、マグネット12c、13cの縁辺部に対向する。フォーカシングコイル4cの外周部には、基板14,15が設けられる。基板14,15は、レンズホルダ3cを挟む位置に配設される。基板14,15によって、レンズホルダ3cと、レンズホルダ3cを支持するための支持部材16,17とが、機械的および電気的に接続される(たとえば特許文献4参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−203698号公報
【特許文献2】
特許第2978863号公報
【特許文献3】
特開平11−306560号公報
【特許文献4】
特開2002−170257号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
第1の従来技術の対物レンズ装置1では、フォーカシングコイル4,5に対向ヨーク6,7を挿通するために、大きな内方空間が形成される。対物レンズ2、レンズホルダ3および各種のコイルを含む駆動体の剛性を効率よく向上するためには、フォーカシングコイル4,5には、内方空間の無い構成が望ましい。しかしながら第1の従来技術の対物レンズ駆動装置1では、装置の性能上、駆動体の高剛性化よりも高駆動感度化を選択しており、対向ヨーク6,7がフォーカシングコイル4,5に挿通される構成になっている。したがってフォーカシングコイル4,5の内周部に、コイルおよび樹脂材料などを設けて、駆動体の剛性を向上させるという発想はないので、結果としてフォーカシングコイル4,5自体の剛性が低い。したがって駆動体全体の剛性が大きく低下する。
【0010】
また第1、第2および第4の従来技術の対物レンズ駆動装置1,1a,1cでは、トラッキングコイルおよび基板がフォーカシングコイルの外周部に接着されるので、安定した接着が確保できない場合には、不要な共振が発生し、結果として駆動体の剛性が低下する可能性がある。
【0011】
また第2〜第4の従来技術の対物レンズ駆動装置1a〜1cでは、駆動体の高剛性化を最優先しているので、フォーカシングコイルの内方空間には、対向ヨークの代わりに、レンズホルダが配置される構成になっている。これによってフォーカシングコイルの内周部には、トラッキングコイルおよび樹脂材料などを設けることができない。
【0012】
また第1および第2の従来技術の対物レンズ駆動装置1,1aでは、対向ヨークの有無において相互に異なる構成であるが、ともに4つのトラッキングコイルを備えるので、駆動体の組立て工程が増える。これによって駆動体の組立て時に、手間が掛かり、作業性が悪い。さらにトラッキングコイルによって、駆動体全体の質量が大きくなり、駆動体の駆動感度が低下する。
【0013】
また第3および第4の従来技術の対物レンズ駆動装置1b,1cでは、トラッキングコイルが、マグネットの縁辺部に対向して設けられる。光ディスクの半径方向に平行なトラッキング方向に、駆動体を変位駆動させるトラッキング駆動は、トラッキングコイルにおいて光ディスクに垂直なフォーカシング方向に流れる電流と、トラッキング方向およびフォーカシング方向に垂直な接線方向の磁界とによって実現される。マグネットは、その縁辺部に近づくにつれて、接線方向の磁束が少なくなるように磁界を形成する。これによってトラッキング駆動をするときに、マグネットの縁辺部に対向するトラッキングコイルに、磁界を効率的に作用させることができない。これによって駆動体の駆動感度が低下する。
【0014】
第3および第4の従来技術の対物レンズ駆動装置1b,1cでは、駆動体の剛性を向上するために、トラッキングコイルをレンズホルダに巻回しているので、対物レンズによって、トラッキングコイルをマグネットの中央部に配置することができない構成になっている。したがってトラッキング駆動のための駆動力を確保するために、トラッキングコイルの巻回数を増やすことが考えられる。この場合、トラッキングコイルの質量および電気抵抗が大きくなり、反って、駆動体の駆動感度が低下する。またトラッキング駆動のための駆動力を確保するために、マグネットを大きくすることが考えられる。マグネットを大きくすると、対物レンズ駆動装置のサイズが大きくなること、外部に漏れる磁界・漏洩磁界が大きくなることなどの不具合が生じる。
【0015】
第3および第4の従来技術の対物レンズ駆動装置1b,1cでは、レンズホルダに対して、フォーカシングコイルを巻回した後に、トラッキングコイルをさらに巻回することによって、駆動体が形成される。これによって駆動体の組立て時に、既に巻回されたコイルによって駆動体を形成する場合に比べて、組み立て工程が多くなり、手間が掛かるので、作業性が悪い。特に、第4の従来技術の対物レンズ駆動装置1cでは、トラッキングコイル8c,9cを巻回した後に、フォーカシングコイル4cの外周部に基板14,15を固定する作業が必要になるので、組立て工程がさらに多くなり、作業性が悪い。
【0016】
また対物レンズ駆動装置の組立ては、品質管理および組立てコストの観点から、組立て専門メーカによって各部品を一斉に調達して行われることが望ましい。第2〜第4の従来技術の対物レンズ駆動装置1a〜1cでは、レンズホルダにコイルを巻回する手間を省くために、たとえばコイル製作メーカで既に巻回されたコイルをレンズホルダに組込むことによって、駆動体を組立てることが考えられる。この場合、コイルが、レンズホルダとの間の間隔を可及的に小さくして形成されるので、レンズホルダと各コイルとの隙間が狭く、接着剤を安定して充填することが極めて難しく作業性が悪い。またコイルを製作する専門メーカにおいて、コイルをレンズホルダに直接巻回する場合、コイルをレンズホルダに巻回するための専用の巻き線装置が必要になる上に、組立て工程が制限され、組立て作業の自由度が少なくなる。
【0017】
このように前述の第1〜第4の従来技術の対物レンズ駆動装置1,1a〜1cでは、高い剛性を得ること、組立て作業性を良好にすることおよび駆動感度を良好にすることを同時に達成することができない。
【0018】
したがって本発明の目的は、高い剛性を得ること、組立て作業性を良好にすることおよび駆動感度を良好にすることができる対物レンズ駆動装置と、それを備える光ピックアップ装置とを提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は、対物レンズを保持するレンズホルダと、
磁界を形成する磁界形成手段と、
レンズホルダの一側方に固定され、通電されることによって磁界形成手段による磁界から磁気力を受けてレンズホルダを駆動するコイル体であって、
予め定める第1方向に延びる第1軸線まわりに巻回される第1コイルと、
第1方向に垂直な第2方向に延びる第2軸線まわりに、第1コイルを外囲するように巻回され、周方向の2箇所以上で第1コイルに固定される第2コイルとを有するコイル体とを含むことを特徴とする対物レンズ駆動装置である。
【0020】
本発明に従えば、対物レンズを保持するレンズホルダには、コイル体が固定される。コイル体は、通電されることによって、磁界形成手段によって形成される磁界から磁気力を受ける。これによってレンズホルダが駆動されて、対物レンズが変位される。コイル体は、第1コイルおよび第2コイルを有する。第1コイルは、予め定める第1方向に延びる第1軸線まわりに巻回される。第2コイルは、第1方向に垂直な第2方向に延びる第2軸線まわりに、第1コイルを外囲するように巻回され、周方向の2箇所以上で第1コイルに固定される。このように構成される第1および第2コイルを有するコイル体がレンズホルダの一側方に固定される。
【0021】
レンズホルダを駆動するにあたって、第2コイルが第1コイルを外囲するように巻回され、周方向の2箇所以上で第1コイルに固定されるので、第1および第2コイルが相互に補強するように作用し、各コイルの外側にレンズホルダが配置される場合であっても、コイル体の剛性を高くすることができる。これによってレンズホルダおよびコイル体を含む駆動体が、高い剛性を有するように構成することができる。したがって対物レンズの変位を制御するサーボ制御を、高周波数帯域で実現することができる。
【0022】
さらに第2コイルを第1コイルに巻回して構成したコイル体をレンズホルダの一側方に固定するので、各コイルをレンズホルダに巻回して駆動体を形成する場合に比べて、作業性を良好にることができる。さらに第1および第2コイルをレンズホルダに巻回しなくてもよいので、磁界形成手段によって形成される磁界が効率良く作用するように、第1および第2コイルを配設することができる。これによって通電したときのコイル体の磁気力に対する感度、換言すると駆動体の駆動感度を良好にすることができる。このように対物レンズ駆動装置を構成することによって、高い剛性を得ること、作業性を良好にすること、および駆動感度を良好にすることを同時に実現することができる。
【0023】
また本発明は、磁界形成手段は、平面状の磁極面を有し、
第1コイルはトラッキングコイルであり、
第2コイルはフォーカシングコイルであり、
トラッキングコイルは、全体がフォーカシングコイルの内方空間に配置され、前記磁極面に対向し、磁極面と平行に配置される対向部分と、対向部分に対して周方向反対側に配置される反対側部分と、対向部分および反対側部分を連結する連結部分とを有し、連結部分は、磁極面に対して略垂直な磁束が通る領域に含まれることを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、磁界形成手段は、平面状の磁極面を有する。第1コイルはトラッキングコイルであり、第2コイルはフォーカシングコイルである。トラッキングコイルは、全体がフォーカシングコイルの内方空間に配置される。トラッキングコイルは、前記磁極面に対向し、磁極面と平行に配置される対向部分と、対向部分に対して周方向反対側に配置される反対側部分と、対向部分および反対側部分を連結する連結部分とを有する。トラッキングコイルの連結部分は、磁極面に対して略垂直な磁束が通る領域に含まれる。これによってトラッキングコイルを通電したときに、連結部分に流れる電流の方向が、磁束の方向と平行になる。これによって連結部分に作用するレンズホルダを駆動する方向と反対方向の磁気力を、小さくすることができる。したがって駆動力の損失を低減して、駆動体の駆動感度をさらに良好にすることができる。
【0025】
さらにトラッキングコイルが、その軸線方向一端部で、フォーカシングコイルの外周部に設けられる場合に比べて、装置の大形化を確実に防止することができるとともに、トラッキングコイルによる不要な共振が発生することを防止することができる。またフォーカシングコイルをレンズホルダに固定するときに、各コイルの巻回数および寸法などの仕様に拘わらず、フォーカシングコイルのレンズホルダへの配設状態を一定に保持することができる。
【0026】
また本発明は、磁界形成手段は、平面状の磁極面を有し、
第1コイルはトラッキングコイルであり、
第2コイルはフォーカシングコイルであり、
トラッキングコイルは、全体がフォーカシングコイルの内方空間に配置され、前記磁極面に対向し、磁極面と平行に配置される対向部分と、対向部分に対して周方向反対側に配置される反対側部分と、対向部分および反対側部分を連結する連結部分とを有し、連結部分は、円弧状に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の対物レンズ駆動装置である。
【0027】
本発明に従えば、磁界形成手段は、平面状の磁極面を有する。第1コイルはトラッキングコイルであり、第2コイルはフォーカシングコイルである。トラッキングコイルは、全体がフォーカシングコイルの内方空間に配置される。トラッキングコイルは、磁界形成手段の磁極面に対向し、磁極面と平行に配置される対向部分と、対向部分に対して周方向反対側に配置される反対側部分と、対向部分および反対側部分を連結する連結部分とを有する。トラッキングコイルの連結部分は、円弧状に形成される。連結部分を円弧状に形成することによって、通電したときに、連結部分には、磁界に対して様々な方向の電流が流れる。これによってレンズホルダを駆動する方向と反対方向の磁気力を、可及的に小さくすることができる。したがって駆動力の損失を低減して、駆動感度をさらに向上することができる。
【0028】
また本発明は、第1および第2コイルのいずれか一方のコイルの内方空間に配置され、この一方のコイルのレンズホルダに臨む基端側部分と、この基端側部分とは周方向の反対側の遊端側部分とを、連結する補強部材をさらに含むことを特徴とする。
【0029】
本発明に従えば、補強部材が、第1および第2コイルのいずれか一方のコイルの内方空間に配置される。補強部材は、一方のコイルのレンズホルダに臨む基端側部分と、この基端側部分とは周方向の反対側の遊端側部分とを連結する。これによって遊端側部分が基端側部分に対して変位して、一方のコイルが変形することを防止して、一方のコイルの剛性を向上することができる。したがって駆動体の剛性を向上することができる。
【0030】
また本発明は、補強部材は、接着剤から成ることを特徴とする。
本発明に従えば、補強部材が、接着剤から成るので、補強部材を、第1および第2コイルの巻線同士の隙間を埋めるようにして充填することができる。さらに接着剤の接着作用によって、第1および第2コイルの巻線同士を相互に強固に固定することができる。また補強部材となる接着剤を、たとえばコイル体とレンズホルダとを接着して固定するための接着剤と、同じ種別にすることによって、コイル体の補強と、駆動体の組立て作業とを並行して行うことができ、組立て作業性を向上することができる。
【0031】
また本発明は、光記録媒体に対して情報の記録および再生のうち少なくともいずれか一方をする光ピックアップ装置であって、
光を出射する光源と、
対物レンズを有し、光源から出射される光を光記録媒体の情報記録面に集光する集光手段と、
前記対物レンズ駆動装置と、
集光手段によって集光され、光記録媒体から反射される光を検出する光検出手段とを備えることを特徴とする光ピックアップ装置である。
【0032】
本発明に従えば、光ピックアップ装置は、光記録媒体に対して情報の記録および再生のうち少なくともいずれか一方をする。光ピックアップ装置は、光を出射する光源と、対物レンズを有し、光源から出射される光を光記録媒体の情報記録面に集光する集光手段と、前述の対物レンズ駆動装置と、集光手段によって集光され、光記録媒体から反射される光を検出する光検出手段とを備える。光ピックアップ装置が前述の対物レンズ駆動装置を備えるので、利便性の高い光ピックアップ装置を実現することができる。また対物レンズを精度良く変位させて、光記録媒体の面振れおよび偏心に対して、光の集光位置を所望のトラックに追従させることができる。これによって光記録媒体に対して、情報の記録および再生を好適に実行することができる。したがって高密度および大容量の光記録媒体に対して、情報の記録および再生を確実に実行することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態である光ピックアップ装置が備える対物レンズ駆動装置20の一部を示す斜視図である。図2は、対物レンズ駆動装置20を示す正面図である。図3は、光ピックアップ装置をトラッキング方向T一方側から見て示す側面図である。光ピックアップ装置は、光記録媒体である光ディスク21(図3参照)への情報の記録および光ディスク21からの情報の再生のうち少なくともいずれか一方をする装置である。光ディスク21には、たとえば円板状のコンパクトディスク(Compact Disc;略称:CD)およびデジタルバーサタイルディスク(Digital Versatile Disc;略称:DVD)などがある。
【0034】
光ピックアップ装置は、光源22、集光手段23、対物レンズ駆動装置20および光検出手段25を備える。光源22は、光、具体的にはレーザ光を出射する手段であり、たとえば半導体レーザによって実現される。集光手段23は、対物レンズ26を有し、光源22から出射されるレーザ光を、対物レンズ26を用いて光ディスク21の情報記録面21aに集光する。集光手段23は、対物レンズ26に加えて、偏光ビームスプリッタ、回折格子、コリメータレンズ、1/4波長板および円筒レンズ(ともに図示せず)をさらに含む。集光手段23は、光源22からのレーザ光を対物レンズ26に導いて情報記録面21aに集光し、光ディスク21から反射されるレーザ光を光検出手段25に導く。
【0035】
対物レンズ駆動装置20は、光ディスク21に対して、レーザ光を照射することによって、情報の記録または再生のうち少なくともいずれか一方をするために、対物レンズ26をフォーカシング方向Fおよびトラッキング方向Tに変位させる。これによって光源22からのレーザ光が、光ディスク21の予め定める位置に集光される。
【0036】
前記フォーカシング方向Fは、光ディスク21に対して、近接および離反する方向である。またフォーカシング方向Fは、具体的には、対物レンズ26に導かれるレーザ光の光軸に平行な方向である。前記トラッキング方向Tは、光ディスク21に対して、記録領域を走査する方向であり、フォーカシング方向Fに垂直な方向である。またトラッキング方向Tは、光ディスク21がたとえばCDおよびDVDなどである場合、光ディスク21の半径方向である。
【0037】
光検出手段25は、たとえばフォトディテクタなどの光センサによって実現される受光素子(図示せず)を有し、集光手段23によって集光され、光ディスク21から反射されるレーザ光を、受光素子を用いて検出する。光ピックアップ装置は、光検出手段25によるレーザ光の検出結果に基づいて、対物レンズ26のフォーカシング方向Fおよびトラッキング方向Tへの変位を制御して、情報記録面21aに対して情報の記録および再生のうち少なくともいずれか一方をする。
【0038】
前記対物レンズ駆動装置20は、光ディスク21の情報記録面21aに臨むように配置される。対物レンズ駆動装置20は、駆動体30、保持体31、ヨーク32およびマグネット33を含んで構成される。駆動体30は、対物レンズ26が設けられ、光ディスク21の情報記録面21aに対して、フォーカシング方向Fおよびトラッキング方向Tに変位駆動される。これによって駆動体30に設けられる対物レンズ26が、フォーカシング方向Fおよびトラッキング方向Tに変位される。駆動体30は、レンズホルダ40とコイル体41と基板42とを含んで構成される。
【0039】
レンズホルダ40は、対物レンズ26を保持する。対物レンズ26は、情報記録面21aに臨むようにして、レンズホルダ40によって保持される。対物レンズ26は、たとえば紫外線硬化性接着剤などの接着剤を用いて、レンズホルダ40に接着されて固定される。レンズホルダ40は、後述するコイル体41と別体に形成される。レンズホルダ40は、共振により発生する振動に対して除振効果が大きい材料、換言すると減衰特性に優れた材料から成る。本実施の形態では、レンズホルダ40は、たとえば液晶樹脂(Liquid Crystalline Polymer;略称LCP)から成る。
【0040】
コイル体41は、予め定める軸線まわりに巻回されるフォーカシングコイル45およびトラッキングコイル46を含んで構成される。第1コイルは、フォーカシングコイル45であり、第2コイルは、トラッキングコイル46である。フォーカシングコイル45は、予め定める第1方向であるフォーカシング方向Fに延びる第1軸線であるフォーカシング軸線L45まわりに巻回される。トラッキングコイル46は、トラッキング方向Tに延びる第2軸線であるトラッキング軸線L46まわりに、フォーカシングコイル45を外囲するように巻回され、周方向の2箇所以上でフォーカシングコイル45に固定される。
【0041】
本実施の形態では、コイル体41は、2組のコイル体、すなわち第1コイル体41aおよび第2コイル体41bを含む。第1コイル体41aおよび第2コイル体41bは、ともに同様の構成であり、対物レンズ26に入射される光の光軸を含みかつ接線方向Rに垂直な一仮想平面に関して対称に配置される。第1および第2コイル体41a,41bは、ともに同様の構成であるので、同様の構成には同一の参照符号を付し、説明を省略する。以下、「第1コイル体41aおよび第2コイル体41b」の少なくともいずれか一方を指すとき、単に「コイル体41」と表記する場合がある。
【0042】
コイル体41は、フォーカシングコイル45およびトラッキングコイル46の外側にレンズホルダ40が配置される状態で、レンズホルダ40の一側方に固定される。具体的には第1および第2コイル体41a,41bは、接線方向Rに関して、対物レンズ26およびレンズホルダ40を挟む位置に配置される状態で、レンズホルダ40の側部に固定される。前記接線方向Rは、フォーカシング方向Fおよびトラッキング方向Tに垂直な方向であり、たとえば記録領域のトラックの接線方向である。
【0043】
フォーカシングコイル45は、フォーカシング軸線L45に垂直な断面形状が長方形状となる角筒状に形成される。トラッキングコイル46は、トラッキング軸線L46に垂直な断面形状が長方形状となる角筒状に形成される。トラッキングコイル46は、トラッキング方向Tにおいてフォーカシングコイル45の中央部に配置されている。
【0044】
基板42は、駆動体30と後述する保持体31の保持部材との間に介在され、保持体31を介してコイル体41に電流を与える。各基板42a,42bは、トラッキング方向Tに関して、対物レンズ26およびレンズホルダ40を挟む位置に配置される。以下、2つの基板42a,42bの少なくともいずれか一方を指すとき、単に「基板42」と表記する場合がある。
【0045】
保持体31は、駆動体30を保持するための手段であり、トラッキング方向Tに垂直な板状のベース部31aと、ベース部31aに取り付けられたブロック部材31dとを有する。保持体31は、保持部材31cをさらに有する。保持部材31cは、その一端部が基板31bに設けられ、その他端部が各基板42に設けられることによって、保持体31とレンズホルダ40とを連結して、レンズホルダ40を弾発的に保持する。保持部材31cは、たとえば板ばねによって実現される。
【0046】
保持部材31cは、基板42に設けられることによって、電源(図示せず)とコイル体41とを電気的に接続する。本実施の形態では、フォーカシング方向Fに間隔をあけて配置される一対の保持部材31cが、レンズホルダ40に関してトラッキング方向T両側に設けられて、保持体31とレンズホルダ40とを相互に連結する。このように保持部材31cによって、駆動体30が片持ち保持される。
【0047】
保持体31のベース部31aには、ヨーク32が設けられる。ヨーク32は、第1コイル体41aに対向して設けられる第1ヨーク32aと、第2コイル体41bに対向して設けられる第2ヨーク32bとを含む。以下、第1および第2ヨーク32a,32bの少なくともいずれか一方を指すとき、単に「ヨーク32」と表記する場合がある。ヨーク32は、具体的には、ベース部31aの接線方向端部に、折り曲げ立設加工によって形成される。ヨーク32は、たとえば強磁性材料から成り、長方形平板状に形成される。ヨーク32には、マグネット33が設けられる。
【0048】
磁界形成手段であるマグネット33は、たとえば表裏2極着磁の永久磁石片によって実現され、磁界を形成する。マグネット33は、第1ヨーク32aに設けられる第1マグネット33aと、第2ヨーク32bに設けられる第2マグネット33bとを含む。第1および第2マグネット33a,33bは、接線方向Rに関して駆動体30を挟む位置に配置される。以下、「第1および第2マグネット33a,33b」の少なくともいずれか一方を指すとき、単に「マグネット33」と表記する場合がある。
【0049】
マグネット33は、平面状の磁極面34を有する。前記磁極面34は、N極に着磁される磁極面と、S極に着磁される磁極面とを含む。この磁極面34は、接線方向Rに垂直になるように配置される。また本実施の形態では、第1および第2マグネット33a,33bは、同極の磁極面34が対向するように設けられる。たとえばマグネット33は、N極に着磁される磁極面がコイル体41に対向するようにして配置されている。前記コイル体41は、レンズホルダ40に固定され、通電されることによって、マグネット33による磁界から磁気力を受けてレンズホルダ40を駆動する。
【0050】
前記フォーカシングコイル45は、フォーカス対向部分50およびフォーカス反対側部51ならびにフォーカス連結部分52を有する。対向部分であるフォーカス対向部分50は、フォーカシングコイル45の周方向の一部分であり、磁極面34に対向し、磁極面34と平行に配置される。反対側部分であるフォーカス反対側部分51は、フォーカス対向部分50と異なるフォーカシングコイル45の他の周方向の一部分である。フォーカス反対側部分51は、フォーカス対向部分50に対して周方向反対側に配置され、レンズホルダ40に固定される。
【0051】
連結部分であるフォーカス連結部分52は、フォーカシングコイル45のフォーカス対向部分50およびフォーカス反対側部分51を除く残余の部分であり、フォーカス対向部分50およびフォーカス反対側部分51を連結する。フォーカス連結部分52は、フォーカス対向部分50のトラッキング方向Tの一端部と、フォーカス反対側部分51のトラッキング方向Tの一端部とを連結する部分と、フォーカス対向部分50のトラッキング方向Tの他端部と、フォーカス反対側部分51のトラッキング方向Tの他端部とを連結する部分とを含む。フォーカス対向部分50およびフォーカス反対側部分51は、周方向の寸法がフォーカス連結部分52に比べて大きく形成される部分であり、換言するとフォーカシングコイル45において長辺方向の部分である。
【0052】
トラッキングコイル46は、トラック対向部分53、トラック反対側部分54およびトラック連結部分55を有する。対向部分であるトラック対向部分53は、トラッキングコイル46の周方向の一部分であり、磁極面34に対向し、磁極面34と平行に配置される。トラック対向部分53は、マグネット33の中央部、具体的には磁極面34の中央部に対向するように配置される。反対側部分であるトラック反対側部分54は、トラック対向部分53と異なるトラッキングコイル46の他の周方向の一部分である。トラック反対側部分54は、トラック対向部分53に対して周方向反対側に配置される。トラック反対側部分54は、フォーカス反対側部分51とともに、レンズホルダ40に固定される。
【0053】
連結部分であるトラック連結部分55は、トラッキングコイル46のトラック対向部分53およびトラック反対側部分54を除く残余の部分であり、トラック対向部分53およびトラック反対側部分54を連結する。トラック連結部分55は、トラック対向部分53のフォーカシング方向Fの一端部と、トラック反対側部分54のフォーカシング方向Fの一端部とを連結する一部分と、トラック対向部分53のフォーカシング方向Fの他端部と、トラック反対側部分54のフォーカシング方向Fの他端部とを連結する他の一部分とを含む。トラック対向部分53およびトラック反対側部分54は、周方向の寸法がトラック連結部分55に比べて大きく形成される部分であり、換言するとトラッキングコイル46において長辺方向の部分である。本実施の形態では、フォーカス連結部分52およびトラック連結部分55は、板状に形成される。
【0054】
コイル体41を形成するにあたって、フォーカシングコイル45が、トラッキングコイル46との隙間を可及的に小さくした状態で、トラッキングコイル46に嵌り込むようにして設けられる。この状態で、トラック対向部分53は、フォーカス対向部分51に対して対向する領域全体で固定され、トラック反対側部分54は、フォーカス反対側部分52に対して対向する領域全体で固定される。これによってトラッキングコイル46を、フォーカシングコイル45に確実に固定することができる。
【0055】
またトラック連結部分55は、フォーカス対向部分50とフォーカス反対側部分とに当接されて固定されるので、フォーカス対向部分50とフォーカス反対側部分とをより強固に連結することができる。このようにトラッキングコイル45が、周方向の2箇所以上でフォーカシングコイル45に固定される。
【0056】
フォーカス対向部分51とフォーカス反対側部分52とは、フォーカシングコイル45に巻回されるトラッキングコイル46によって、相互に連結される。トラック対向部分53とトラック反対側部分54とは、トラッキングコイル46に巻回されるフォーカシングコイル45によって、相互に連結される。トラッキングコイル46を可及的に密着した状態でフォーカシングコイル45に巻回することによって、フォーカシングコイル45とトラッキングコイル46とを、相互に補強することができる。
【0057】
このように構成される対物レンズ駆動装置20において、たとえばフォーカシングコイル45が通電されると、フォーカシングコイル45がマグネット33によって形成される磁界からフォーカシング方向Fの磁気力を受ける。これによって駆動体30がフォーカシング方向Fに変位駆動される。またトラッキングコイル46が通電されると、トラッキングコイル46がマグネット33によって形成される磁界からトラッキングコイルTの磁気力を受ける。これによって駆動体30がトラッキング方向Tに変位駆動される。このようにコイル体41とマグネット33とが、協働して駆動体30を変位させ、これによって対物レンズ26が光ディスク21に対して変位駆動される。
【0058】
対物レンズ駆動装置20が駆動体30をフォーカシング方向Fおよびトラッキング方向Tに変位駆動することによって、対物レンズ26をフォーカシング方向Fおよびトラッキング方向Tを変位させて、光源22からのレーザ光を情報記録面21aの所望の位置に集光させる。これによって光ピックアップ装置は、光ディスク21に対して情報の記録および再生の少なくともいずれか一方をすることができる。
【0059】
光ディスク21の面振れおよび偏心に対して、レーザ光によるビームスポットを記録領域の所望のトラックに精度良く追従させるために、対物レンズ駆動装置20における高次共振特性の向上を更に推し進める必要がある。対物レンズ駆動装置20における高次共振は、対物レンズ26、レンズホルダ40、フォーカシングコイル45およびトラッキングコイル46を含む駆動体30全体の1次変形モードおよび2次変形モードによる共振である。各モードによる共振周波数は、駆動体30の剛性が高いほど高くなる。共振周波数が高ければ高いほど、光ディスク21の面振れに追従させるフォーカシングサーボ制御と、光ディスク21の偏心に追従させるトラッキングサーボ制御とに余裕を持たせて安定させることができる。
【0060】
コイル体41は、フォーカシングコイル45とトラッキングコイル46との2種類のコイルを有する。フォーカシングコイル45とトラッキングコイル46とを前述のように組合わせることによって、トラッキングコイル45は、フォーカシングコイル46のフォーカス対向部分50とフォーカス反対側部分51とを相互に連結して固定する。これによってフォーカス反対側部分51が、フォーカス対向部分50に対して変位するなどして、フォーカシングコイル45が変形することが防がれる。
【0061】
またフォーカシングコイル45は、トラッキングコイル46のトラック対向部分53とトラック反対側部分54とを相互に連結して固定する。これによってトラック反対側部分53が、トラック対向部分54に対して変位するなどして、トラッキングコイル46が変形することが防がれる。このようにコイル体41がレンズホルダ40の外側に配置される構成であっても、コイル体41の剛性を可及的に高くして、駆動体30全体が高い剛性を得ることができる。
【0062】
また第1および第2コイル体41a,41bを前述のように構成することによって、トラッキングコイル46を合計2個で構成することができる。換言すると1つのフォーカシングコイル45に対して1つのトラッキングコイル46を用いた最低限の構成で、剛性が向上するようにコイル体41を構成することができる。さらにレンズホルダ40とコイル体41とが別体に形成されるので、フォーカシングコイル45およびトラッキングコイル46をレンズホルダ40に巻回する場合に比べて、巻回作業を容易にすることができる。フォーカシングコイル45およびトラッキングコイル46の巻回数等を変更して、各コイル45,46の形状の変更に容易に対応することができる。したがって駆動体30の組立て時の作業性を良好にすることができる。
【0063】
また駆動体30と保持部材31cとを電気的かつ機械的に連結固定する基板42は、レンズホルダ40に直接、接着して固定することができるので、不要な共振が発生することが防がれ、良好な周波数特性を得ることができる。さらにトラッキングコイル45をフォーカシングコイル45に巻回するので、トラッキングコイル45がフォーカシングコイル45の外周部に設けられることによる不要な共振が発生することが防がれる。これによっても良好な周波数特性を得ることができる。
【0064】
またコイル体41は、通電されると、前述のようにマグネット33による磁界から磁気力を受け、これによって駆動体30が変位駆動される。トラッキング方向Tへの変位駆動の場合、トラッキング対向部分51を流れるフォーカシング方向Fの電流と、磁界による磁束の接線方向R成分の磁気的作用によって、トラッキングコイル46が、トラッキング方向Tに変位される。マグネット33において、中央部から縁辺部に向かうにつれて、磁界による磁束の接線方向R成分が小さくなる。これによってマグネット33の中央部が、磁束の接線方向Rの成分が大きくなる領域であり、トラッキング方向Tへの変位駆動に最も有効な磁界発生領域となる。したがってトラッキングコイル46を、トラッキング方向Tにおいてフォーカシングコイル45の中央部、具体的にはトラッキング方向Tにおいてマグネット33の中央部に配置することによって、対向するマグネット33から最も有効な磁界を得ることができる。これによって駆動体30を駆動するとき、特に、単位入力電圧あるいは電流に対する駆動体30の移動変位量である駆動体30の駆動感度を向上することができる。
【0065】
本実施の形態によれば、コイル体41のフォーカシングコイル45およびトラッキングコイル46が、相互に補強するように働くので、各コイル45,46の外側にレンズホルダ40が配置される場合であっても、コイル体41、特にフォーカシングコイル45の剛性を高くすることができる。これによってレンズホルダ40およびコイル体41を含む駆動体30の剛性を高くすることができる。したがって対物レンズ26の変位を制御するサーボ制御を、高周波数帯域で実現することができる。
【0066】
さらにトラッキングコイル46をフォーカシングコイル45に巻回して構成したコイル体41をレンズホルダ40の一側方に固定するので、各コイル45,46をレンズホルダ40に巻回して駆動体30を形成する場合に比べて、作業性を良好にすることができる。またコイルの数を必要最低限に抑えて、組立て時の手間を少なくすることができる。またコイル体41の組立てを、たとえば駆動体30の組立て時ではなく、駆動体30を構成する各部品を調達する前に、コイルを製作する専門メーカで行うなどして、駆動体30の組立て作業に自由度を増やすことができる。
【0067】
さらにフォーカシングコイル45およびトラッキングコイル46をレンズホルダ40に巻回しなくてもよいので、マグネット33によって形成される磁界が効率良く作用するように、フォーカシングコイル45およびトラッキングコイル46を配設することができる。これによって駆動体30の駆動感度を良好にすることができる。このように対物レンズ駆動装置20を構成することによって、高い剛性を得ること、作業性を良好にすること、および駆動感度を良好にすることを同時に実現することができる。
【0068】
また本実施の形態によれば、光ピックアップ装置が前述の対物レンズ駆動装置20を備えるので、利便性の高い光ピックアップ装置を実現することができる。また対物レンズ26を精度良く変位させて、光ディスク21の面振れおよび偏心に対して、レーザ光の集光位置を所望のトラックに追従させることができる。これによって光ディスク21に対して、情報の記録および再生を好適に実行することができる。したがって高密度および大容量の光ディスク21に対して、情報の記録および再生を確実に実行することができる。
【0069】
図4は、本発明の第2の実施の形態である光ピックアップ装置が備える対物レンズ駆動装置20Aの一部を示す斜視図である。図5は、対物レンズ駆動装置20Aをトラッキング方向T一方側から見て示す側面図である。図6は、コイル体41Aに作用する磁界の磁束を説明するための図である。図6において、図2の切断面線S6−S6から見た対物レンズ駆動装置20Aを示している。なお、図6では、磁界の磁束を説明するために、便宜上、第1コイル体を本実施の形態における第1コイル体61で示し、第2コイル体を第1の実施の形態における第2コイル体41bで示すとともに、図解を容易にするために、ハッチングを一部省略して示す。本実施の形態の対物レンズ駆動装置20Aは、図1〜図3に示す前述の第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置20Aと類似しており、異なる点についてだけ説明する。本実施の形態の対物レンズ駆動装置20Aにおいて、前述の第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置20Aと同様の構成には同一の参照符号を付す。
【0070】
本実施の形態のコイル体41Aにおいて、フォーカシングコイル45の構成は、第1の形態と同様であり、トラッキングコイル46Aのフォーカシングコイル45に対する配設位置が、第1の実施の形態と異なる。フォーカシングコイル45は、トラッキングコイル46Aを外囲するように巻回され、周方向の2箇所以上でトラッキングコイル46Aに固定される。本実施の形態において、第1コイルはトラッキングコイル46Aであり、第2コイルはフォーカシングコイル45である。また本実施の形態において、第1方向はトラッキング方向Tであり、第2方向はフォーカシング方向Fであり、第1軸線はトラック軸線L46Aであり、第2軸線はフォーカス軸線L45である。
【0071】
トラッキングコイル46Aは、全体がフォーカシングコイル45の内方空間60に配置される。内方空間60は、フォーカシングコイル45の周方向および軸線方向にわたる部分で外囲される。さらにトラッキングコイル46Aのトラック連結部分55Aは、マグネット33の磁極面34に対して略垂直な磁束が通る領域に含まれる。略垂直は垂直を含む。
【0072】
トラッキングコイル46Aは、具体的には長辺方向の寸法が、フォーカシングコイル45の軸線方向の寸法よりも小さくなるように形成される。換言するとトラック対向部分53Aおよびトラック反対側部分54Aは、それらの周方向の寸法が、フォーカス対向部分50およびフォーカス反対側部分51の軸線方向の寸法に比べて小さくなるように形成される。トラッキングコイル46Aは、フォーカシングコイル45の軸線方向において、中央部に配置されている。
【0073】
マグネット33から接線方向Rに発生する磁束は、コイル体41Aを挟んでヨーク32に対向する他のヨークがないので、マグネット33の磁極面34から離れるにしたがって、フォーカシング方向Fに向かうように方向を変える。トラッキング駆動を行うにあたって、マグネット33の磁極面34に対向して配置されるトラック対向部分53に、電磁駆動力である磁気力が作用するけれども、フォーカシング方向Fに間隔をあけて配置されるトラック連結部分55Aは、トラック対向部分53Aに作用する磁気力と反対の方向に磁気力が作用する。これによって駆動体30をトラッキング方向Tのうち駆動する方向に作用する磁気力に対して、トータル的にロスとして働く。このときトラック連結部分55Aが、マグネット33のフォーカシング方向Fの端部に向かうほど、フォーカシング方向Fに向かう磁束が大きくなり、そのロス量が増える。
【0074】
すなわち、図6において第1コイル体61のトラッキングコイル46Aのトラック連結部分55Aに作用する磁気力によるロス量が、第2コイル体41bのトラッキングコイル46のトラック連結部分55に作用する磁気力によるロス量の方に比べて小さくなる。このようにトラッキングコイル46Aにおいて、トラック対向部分53Aおよびトラック反対側部分54Aの周方向の寸法を、駆動体30をトラッキング方向Tに変位駆動するのに有効な磁界が発生する領域に含まれるように構成する。これによってトラック連結部分55Aが、マグネット33の中央部寄りに可及的に配置することによって、磁気力の損失を低減することができる。したがって駆動感度をさらに向上することができる。
【0075】
またフォーカシングコイル45の内方空間60に、トラッキングコイル46Aを挿入して配置することによって、トラッキングコイル46Aが、フォーカシングコイル45のフォーカス対向部分50とフォーカス反対側部分51とを相互に連結して、効率良く補強するように働く。その結果、それぞれのコイルの内方空間の変形、換言するとフォーカシングコイル45およびトラッキングコイル46Aの変形が防がれる。これによって対物レンズ26、レンズホルダ40およびコイル体41Aを含む駆動体30A全体の剛性を高くすることができる。
【0076】
またトラッキングコイル46Aを、フォーカシングコイル45の外方に配置する場合に比べて、装置の大形化を確実に防止することができるとともに、各コイル45,46Aの巻回数および寸法などの仕様に拘わらず、コイル体41Aのレンズホルダ40への配設状態を一定に保持することができる。
【0077】
本実施の形態によれば、トラッキングコイル46Aが、その全体がフォーカシングコイル45の内方空間60に配置される。トラッキングコイル46Aは、トラック対向部分53A、トラック反対側部分54Aおよびトラック連結部分55Aを有する。トラック対向部分53Aは、前記磁極面34に対向し、磁極面34と平行に配置される。トラック反対側部分54Aは、トラック対向部分53Aに対して周方向反対側に配置される。
【0078】
トラック連結部分55Aは、トラック対向部分53Aおよびトラック反対側部分54Aを連結する。トラック連結部分55Aは、磁極面34に垂直な磁束が通る領域に含まれる。これによってトラッキングコイル46Aが通電されたときに、トラック対向部分55Aに作用する磁界からの磁気力を可及的に低減することができる。したがって駆動体30Aを変位駆動する方向とは異なる方向に作用する磁気力が、可及的に低減することができ、駆動体30Aの駆動感度をさらに向上することができる。
【0079】
さらにトラッキングコイル46Aが、その軸線方向一端部で、フォーカシングコイル45の外周部に設けられる場合に比べて、装置の大形化を確実に防止することができるとともに、トラッキングコイル46Aによる不要な共振が発生することを防止することができる。またフォーカシングコイル45をレンズホルダ40に固定するときに、各コイルの巻回数および寸法などの仕様に拘わらず、フォーカシングコイル45のレンズホルダ40への配設状態を一定に保持することができる。
【0080】
前述の図6の例では、便宜上、本実施の形態の第2コイル体は、前述の第1の実施の形態の第2コイル体と同様の構成であったけれども、本実施の形態の第1コイル体61と同様の構成であってもよく、これによっても駆動体30Aの駆動感度をさらに向上することができる。
【0081】
図7は、他の実施例のトラッキングコイル46Bを有する対物レンズ駆動装置20Bの一部を示す斜視図である。図8は、対物レンズ駆動装置20Bをトラッキング方向T一方側から見て示す側面図である。前述の第2の実施の形態の対物レンズ駆動装置20Aでは、コイル体41Aのトラッキングコイル46Aは、平板状に形成されるトラック連結部分55Aを有する構成であったけれども、図7および図8に示すように、他の実施例として、円弧状のトラック連結部分55Bを有する構成であってもよい。図7および図8に示す光ピックアップ装置において、第2の実施の形態の光ピックアップ装置と同様の構成には、同一の参照符号を付し、同様の説明は省略する。
【0082】
トラッキングコイル46Bは、トラック連結部分55Bが円弧状に形成されることによって、トラック軸線L46Bに垂直な断面形状が長円形状になるように形成される。トラック連結部分55Bは、トラック対向部分53Aのフォーカシング方向Fの一端部と、トラック反対側部分54Aのフォーカシング方向Fの一端部とを連結する一部分と、トラック対向部分53Aのフォーカシング方向Fの他端部と、トラック反対側部分54Aのフォーカシング方向Fの他端部とを連結する他の一部分とを含む。
【0083】
このようにトラック連結部分55Bを円弧状に形成することによって、トラック連結部分55Bを流れる電流の方向を、様々な方向に分散させることができる。これによってトラック連結部分55Bにおいて、トラック駆動する方向と反対の方向の磁気力が、可及的に低減することができる。したがってトラック駆動する方向の磁気力に対して、ロスとなる方向の磁気力が発生することを極力低減して、更なる駆動感度の向上を実現することができる。
【0084】
図9は、本発明の第3の実施の形態である光ピックアップ装置が備える対物レンズ駆動装置20Cの一部を示す斜視図である。本実施の形態の対物レンズ駆動装置20Cは、図1〜図3に示す前述の第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置20と類似しており、異なる点についてだけ説明する。本実施の形態の対物レンズ駆動装置20Cにおいて、前述の第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置20と同様の構成には同一の参照符号を付す。本実施の形態の対物レンズ駆動装置20Cは、前述の第1の実施の形態の対物レンズ駆動装置20の構成に加えて、補強部材65をさらに含んで構成される。
【0085】
補強部材65は、フォーカシングコイル45およびトラッキングコイル46のいずれか一方のコイルの内方空間に配置される。本実施の形態では、補強部材65は、フォーカシングコイル45の内方空間60に配置される。補強部材65は、レンズホルダ40に臨む基端側部分であるフォーカス反対側部分51と、このフォーカス反対側部分52とは周方向の反対側の遊端側部分であるフォーカス対向部分50とを、相互に連結する。
【0086】
補強部材65は、接着剤から成り、フォーカシングコイル45の内方空間60の全域に充填されて設けられる。補強部材65は、たとえば熱硬化性のエポキシ系樹脂を用いた接着剤から成る。補強部材65は、硬化される前には流動性を有し、かつ硬化時に200メガパスカル程度以上のヤング率の接着剤から成る。本実施の形態では、ナガセケムテックス(株)製であり、製品名称がXNR3503である接着剤が用いられる。補強部材65は接着剤から成るので、フォーカシングコイル45の内方側から巻線同士の間に入り込み、硬化することによってフォーカシングコイル45およびトラッキングコイル46の巻線同士を相互に固定する。これによってコイル体41全体を、強固に固定することができる。
【0087】
補強部材65を内方空間60に設けるにあたって、補強部材65は、1種類の接着剤から成っていてもよいし、複数種類の接着剤から成っていてもよい。補強部材65が複数種類の接着剤から成る場合、内方空間60の予め定める領域毎に、接着剤を選択的に注入して、補強部材65が内方空間60に段階的に設けられる。また複数種類の接着剤を用いて、内方空間60に段階的に補強部材65を設ける場合には、接着剤の硬化時の収縮力によって、フォーカシングコイル45およびトラッキングコイル46が変形することを確実に防止することができる。
【0088】
本実施の形態によれば、補強部材65が、フォーカシングコイル45の内方空間60に配置され、フォーカス対向部分50とフォーカス反対側部分51とを連結する。これによってフォーカス対向部分50が、フォーカス反対側部分51に対して変位して、フォーカシングコイル45が変形することを防止して、フォーカシングコイル45の剛性を向上することができる。したがって駆動体30Cの剛性を向上することができる。
【0089】
また本実施の形態によれば、補強部材65が、接着剤から成るので、補強部材65を、フォーカシングコイル45およびトラッキングコイル46の巻線同士の隙間を埋めるようにして充填することができる。さらに接着剤の接着作用によって、フォーカシングコイル45およびトラッキングコイル46の巻線同士を相互に強固に固定することができる。また補強部材65となる接着剤を、たとえばレンズホルダ40とコイル体41とを接着して固定するための接着剤と同じ種別にすることによって、コイル体41の補強と、駆動体の組立て作業とを並行して行うことができ、組立て作業性を向上することができる。
【0090】
本実施の形態では、補強部材65は、接着剤だけから成っていたが、たとえば基材をフォーカシングコイル45に挿通して設け、接着剤をさらに充填して形成されてもよい。また接着剤に比べて軽い重量を有する基材と接着剤とを用いて、補強部材65の重量を軽量化してもよい。
【0091】
前述の実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、発明の範囲内において構成を変更してもよい。たとえば第2の実施の形態における対物レンズ駆動装置20A,20Bは、フォーカシングコイル45の内方空間60に、補強部材65が設けられる構成であってもよい。またフォーカシングコイル45は、たとえば楕円状に巻回されるコイルであってもよい。
【0092】
また補強部材65は、フォーカシングコイル45の内方空間60において、部分的に配置してもよいし、紫外線を照射することによって硬化する紫外線硬化性樹脂を用いた接着剤から成っていてもよい。補強部材65を内方空間60に部分的に配置することによって、必要最低限の量で、駆動体の剛性を向上することができるとともに、作業性を良好にすることができる。
【0093】
また第1〜第3の実施の形態の対物レンズ駆動装置20,20A〜20Cは、2組のコイル体を有する構成であったけれども、1組であってもよい。またこの場合、ヨーク32およびマグネット33をそれぞれ1つで構成することができる。
【0094】
【発明の効果】
本発明によれば、コイル体の第1および第2コイルが、相互に補強するように働くので、各コイルの外側にレンズホルダが配置される場合であっても、第1コイルの剛性を高くすることができる。これによってレンズホルダおよびコイル体を含む駆動体が、高い剛性を有するように構成することができる。したがって対物レンズの変位を制御するサーボ制御を、高周波数帯域で実現することができる。
【0095】
さらに第2コイルを第1コイルに巻回して構成したコイル体をレンズホルダの一側方に固定するので、各コイルをレンズホルダに巻回して駆動体を形成する場合に比べて、作業性を良好にすることができる。またコイルの数を必要最低限に抑えて、手間を少なくすることができる。またコイル体の組立てを、たとえば駆動体の組立て時ではなく、駆動体の部品を調達する前に、コイルを製作する専門メーカで行うなどして、駆動体の組立て作業に自由度を増やすことができる。
【0096】
さらに第1および第2コイルをレンズホルダに巻回しなくてもよいので、磁界形成手段によって形成される磁界が効率良く作用するように、第1および第2コイルを配設することができる。これによって通電したときのコイル体の磁気力に対する感度、換言すると駆動体の駆動感度を良好にすることができる。このように対物レンズ駆動装置を構成することによって、高い剛性を得ること、作業性および駆動感度を良好にすることを同時に実現することができる。
【0097】
また本発明によれば、トラッキングコイルは、その連結部分が磁極面に対して略垂直な磁束が通る領域に含まれるように、全体がフォーカシングコイルの内方空間に配置される。これによって磁界からの磁気力が連結部分に作用する方向が、レンズホルダを駆動する方向と反対方向に作用することを防止することができる。したがって駆動体の駆動感度をさらに良好にすることができる。
【0098】
さらにトラッキングコイルをフォーカシングコイルの内方空間に配置することによって、装置の大形化を確実に防止することができるとともに、トラッキングコイルによる不要な共振が発生することを防止することができる。またフォーカシングコイルをレンズホルダに固定するときに、各コイルの巻回数および寸法などの仕様に拘わらず、フォーカシングコイルのレンズホルダへの配設状態を一定に保持することができる。
【0099】
また本発明によれば、磁界形成手段は、平面状の磁界面を有する。第1コイルはトラッキングコイルであり、第2コイルはフォーカシングコイルである。トラッキングコイルは、全体がフォーカシングコイルの内方空間に配置される。トラッキングコイルは、磁界形成手段の磁極面に対向し、磁極面と平行に配置される対向部分と、対向部分に対して周方向反対側に配置される反対側部分と、対向部分および反対側部分を連結する連結部分とを有する。トラッキングコイルの連結部分は、円弧状に形成される。連結部分を円弧状に形成することによって、通電したときに、連結部分には、磁界に対してさまざまな方向の電流が流れる。これによってレンズホルダを駆動する方向と反対方向の磁気力を、可及的に小さくすることができる。したがって駆動力の損失を低減して、駆動感度をさらに向上することができる。
【0100】
また本発明によれば、補強部材が、第1および第2コイルのいずれか一方のコイルの内方空間に配置され、一方のコイルの基端側部分と遊端側部分とを連結する。これによって遊端側部分が基端側部分に対して変位して、一方のコイルが変形することを防止して、一方のコイルの剛性を向上することができる。したがって駆動体の剛性を向上することができる。
【0101】
また本発明によれば、補強部材が、接着剤から成るので、補強部材を、第1および第2コイルの巻線同士の隙間を埋めるようにして充填することができる。さらに接着剤の接着作用によって、第1および第2コイルの巻線同士を相互に強固に固定することができる。また補強部材となる接着剤を、たとえばコイル体とレンズホルダとを接着して固定するための接着剤と、同じ種別にすることによって、コイル体の補強と、駆動体の組立て作業とを並行して行うことができ、組立て作業性を向上することができる。
【0102】
また本発明によれば、光ピックアップ装置が前述の対物レンズ駆動装置を備えるので、利便性の高い光ピックアップ装置を実現することができる。また対物レンズを精度良く変位させて、光記録媒体の面振れおよび偏心に対して、光の集光位置を所望のトラックに追従させることができる。これによって光記録媒体に対して、情報の記録および再生を好適に実行することができる。したがって高密度および大容量の光記録媒体に対して、情報の記録および再生を確実に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である光ピックアップ装置が備える対物レンズ駆動装置20の一部を示す斜視図である。
【図2】対物レンズ駆動装置20を示す正面図である。
【図3】光ピックアップ装置をトラッキング方向T一方側から見て示す側面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態である光ピックアップ装置が備える対物レンズ駆動装置20Aの一部を示す斜視図である。
【図5】対物レンズ駆動装置20Aをトラッキング方向T一方側から見て示す側面図である。
【図6】コイル体41Aに作用する磁界の磁束を説明するための図である。
【図7】他の実施例のトラッキングコイル46Bを有する対物レンズ駆動装置20Bの一部を示す斜視図である。
【図8】対物レンズ駆動装置20Bをトラッキング方向T一方側から見て示す側面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態である光ピックアップ装置が備える対物レンズ駆動装置20Cの一部を示す斜視図である。
【図10】第1の従来技術の対物レンズ駆動装置1を示す斜視図である。
【図11】第2の従来技術の対物レンズ駆動装置1aを示す平面図である。
【図12】第3の従来技術の対物レンズ駆動装置1bを示す斜視図である。
【図13】第4の従来技術の対物レンズ駆動装置1cを示す平面図である。
【符号の説明】
20,20A〜20C 対物レンズ駆動装置
21 光ディスク
22 光源
23 集光手段
25 光検出手段
26 対物レンズ
30,30A〜30C 駆動体
33 マグネット
34 磁極面
40 レンズホルダ
41,41A,41B コイル体
45 フォーカシングコイル
46,46A,46B トラッキングコイル
60 内方空間
65 補強部材

Claims (6)

  1. 対物レンズを保持するレンズホルダと、
    磁界を形成する磁界形成手段と、
    レンズホルダの一側方に固定され、通電されることによって磁界形成手段による磁界から磁気力を受けてレンズホルダを駆動するコイル体であって、
    予め定める第1方向に延びる第1軸線まわりに巻回される第1コイルと、
    第1方向に垂直な第2方向に延びる第2軸線まわりに、第1コイルを外囲するように巻回され、周方向の2箇所以上で第1コイルに固定される第2コイルとを有するコイル体とを含むことを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  2. 磁界形成手段は、平面状の磁極面を有し、
    第1コイルはトラッキングコイルであり、
    第2コイルはフォーカシングコイルであり、
    トラッキングコイルは、全体がフォーカシングコイルの内方空間に配置され、前記磁極面に対向し、磁極面と平行に配置される対向部分と、対向部分に対して周方向反対側に配置される反対側部分と、対向部分および反対側部分を連結する連結部分とを有し、連結部分は、磁極面に対して略垂直な磁束が通る領域に含まれることを特徴とする請求項1記載の対物レンズ駆動装置。
  3. 磁界形成手段は、平面状の磁極面を有し、
    第1コイルはトラッキングコイルであり、
    第2コイルはフォーカシングコイルであり、
    トラッキングコイルは、全体がフォーカシングコイルの内方空間に配置され、前記磁極面に対向し、磁極面と平行に配置される対向部分と、対向部分に対して周方向反対側に配置される反対側部分と、対向部分および反対側部分を連結する連結部分とを有し、連結部分は、円弧状に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の対物レンズ駆動装置。
  4. 第1および第2コイルのいずれか一方のコイルの内方空間に配置され、この一方のコイルのレンズホルダに臨む基端側部分と、この基端側部分とは周方向の反対側の遊端側部分とを、連結する補強部材をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の対物レンズ駆動装置。
  5. 補強部材は、接着剤から成ることを特徴とする請求項4記載の対物レンズ駆動装置。
  6. 光記録媒体に対して情報の記録および再生のうち少なくともいずれか一方をする光ピックアップ装置であって、
    光を出射する光源と、
    対物レンズを有し、光源から出射される光を光記録媒体の情報記録面に集光する集光手段と、
    請求項1〜5のいずれかに記載の対物レンズ駆動装置と、
    集光手段によって集光され、光記録媒体から反射される光を検出する光検出手段とを備えることを特徴とする光ピックアップ装置。
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JP2008226453A (ja) * 2008-06-20 2008-09-25 Toshiba Samsung Storage Technology Corp 光ピックアップ装置

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