JP2005182925A - 対物レンズ駆動装置およびそれを備える光ピックアップ装置 - Google Patents

対物レンズ駆動装置およびそれを備える光ピックアップ装置 Download PDF

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敏治 乾
Shinichi Tomoyama
進一 友山
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Abstract


【課題】 高い駆動感度を得ることができる対物レンズ駆動装置と、それを備える光ピックアップ装置とを提供する。
【解決手段】 レンズホルダ30を移動させるべき方向の磁気力が作用するフォーカシングコイル23の底辺部23aを、磁界の向きに対して略垂直方向に配設するとともに、レンズホルダ30を移動させるべき方向とは反対方向の磁気力が作用し得るフォーカシングコイル23の対向部23b,23cを、磁界の向きに対して傾斜方向に配設する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記録媒体に対して情報の記録および再生などの各種の光学的処理をするために用いられる対物レンズ駆動装置と、その対物レンズ駆動装置を備える光ピックアップ装置に関する。
本発明において、「略垂直」は垂直を含み、「略平行」は平行を含む。
図10は、従来技術の対物レンズ駆動装置1の一部を示す正面図である。図11は、フォーカシングコイル4を示す斜視図である。光ディスクへの情報の記録および光ディスクからの情報の再生をするために、光ピックアップ装置が用いられる。光ピックアップ装置には、情報の記録および再生をするために、対物レンズ駆動装置1が搭載されている。この対物レンズ駆動装置1は、光を集光する対物レンズ2が設けられるレンズホルダ3を、フォーカシング方向およびトラッキング方向に変位駆動させる。また対物レンズ駆動装置1は、レンズホルダ3に設けられるフォーカシングコイル4およびトラッキングコイル5と、各コイル4,5に対向して配設される磁石片とを組合せた磁気回路を備えている。対物レンズ駆動装置1の性能として、低消費電力の観点から磁気効率の良い磁気回路構成が望まれている。
フォーカシングコイル4は、大略的に角筒状に巻回される。具体的にフォーカシングコイル4を、光の集光方向に垂直な仮想平面で切断して見ると、長方形状になるように形成される。フォーカシングコイル4が通電されると、このフォーカシングコイル4に対向して配設される磁石片の磁界によって、フォーカシングコイル4は磁気力を受ける。フォーカシングコイル4のうち前記磁石片に近接する周方向一部には、レンズホルダ3を変位させるべき方向の磁気力が与えられる。フォーカシングコイル4のうち磁石片から離隔してレンズホルダ3に固着される周方向他部には、レンズホルダ3を変位させるべき方向と反対方向の磁気力が与えられる。このフォーカシングコイル4の周方向他部に付与される磁気力によって、レンズホルダ3および各コイル4,5を含む駆動体の駆動感度が低下する。
レンズホルダを変位させるべき方向と反対方向の磁気力を小さくするために、略D字状に巻回したフォーカシングコイルを備える対物レンズ駆動装置が提案されている。フォーカシングコイルは、光の集光方向に垂直な仮想平面で該フォーカシングコイルを切断して見た断面形状が略D字状になるように、角部を湾曲させて巻回される。またフォーカシングコイルには磁石片およびヨークが挿通されるとともに、フォーカシングコイルはその周方向一部が一対の磁石片間に挟まれるように配設されている。角部を湾曲させて巻回されるフォーカシングコイルは、前述の長方形状に巻回されるフォーカシングコイルに比べて、ヨークからの漏れ磁束が通る周方向他部がヨークから離反されている。このようにフォーカシングコイルを構成することによって、周方向他部が受ける磁気ギャップを大きくしてレンズホルダを変位させるべき方向と反対方向の磁気力を抑制しようとしている(たとえば特許文献1参照)。
また光ディスクの性能として、記録密度が高いことおよび記録容量が大きいことが強く求められている。単位面積あたりの記録容量である記録密度を向上するためには、情報記録面におけるビームスポットの径を小さくすればよく、これを実現するための構成として波長が短い光源を用いる構成と、光学系における開口数を大きくする構成とがある。
特開平8−263864号公報
前述のように光ピックアップ装置がビームスポットの径を小さくすることができる構成であっても、対物レンズ、レンズホルダおよび各コイルを含む駆動体の剛性が低い場合、あるいは駆動体の共振時の振幅が大きい、すなわち振動に対して駆動体の減衰特性が小さい場合、広い周波数帯域において対物レンズを精度良くサーボ制御することができない。これによって光ディスクの面振れおよび偏心等に対して、ビームスポットを記録トラックに精度良く追従させることができない。
前述の特許文献1に示される対物レンズ駆動装置の場合、光ピックアップ装置の性能から広いサーボ制御帯域を必要としないので、駆動体の高剛性化よりも高駆動感度化が選択されている。したがって磁石片およびヨークがフォーカシングコイルに挿通されるとともに、フォーカシングコイルの周方向一部が一対の磁石片の間に配設されている。
また特許文献1に示される対物レンズ駆動装置では、磁石片およびヨークがフォーカシングコイルに挿通される構成になっているので、対物レンズ、レンズホルダおよび各コイルを含む駆動体が、トラッキング方向に変位駆動されるとき、磁石片およびヨークがフォーカシングコイルに接触しないように充分なクリアランスを確保する必要がある。それ故、フォーカシングコイルの角部における曲率は必要以上に大きく設定することができない。したがって略D字状のフォーカシングコイルと、抵抗値が同等となる角筒状に巻回されたフォーカシングコイルとを比較しても、周方向他部とヨークとの間隔はさほど変わらないので、磁気ギャップの拡大量は小さく、レンズホルダを変位させるべき方向と反対方向に発生する磁気力はほとんど変わらない。つまり特許文献1に示される対物レンズ駆動装置においても、レンズホルダを変位させるべき方向と反対方向に発生する磁気力を抑制することはできない。したがって特許文献1に示される対物レンズ駆動装置では、磁気回路の効率を大きく改善するという効果を達成することは期待できず、高い駆動感度を得ることができない。
本発明の目的は、高い駆動感度を得ることができる対物レンズ駆動装置と、それを備える光ピックアップ装置とを提供することである。
本発明は、光を記録媒体に集光する対物レンズと、
対物レンズを保持するレンズホルダと、
レンズホルダに設けられ、レンズホルダを移動させるために巻回されたコイル体と、
磁界を形成し、その磁界に配設されるコイル体が受ける磁気力によってレンズホルダを移動駆動するホルダ駆動手段とを備え、
レンズホルダを移動させるべき方向の磁気力が作用するコイル体の部分を、磁界の向きに対して略垂直方向に配設するとともに、レンズホルダを移動させるべき方向とは反対方向の磁気力が作用し得るコイル体の一部分を、磁界の向きに対して傾斜方向に配設することを特徴とする対物レンズ駆動装置である。
本発明に従えば、光を記録媒体に集光する対物レンズがレンズホルダによって保持される。レンズホルダには、レンズホルダを移動させるために巻回されたコイル体が設けられる。コイル体はホルダ駆動手段によって形成される磁界に配設され、磁気力を受ける。このコイル体が受ける磁気力によって、レンズホルダが移動駆動される。レンズホルダを移動駆動するにあたって、レンズホルダを移動させるべき方向の磁気力が作用するコイル体の部分は、磁界の向きに対して略垂直方向に配設されるとともに、レンズホルダを移動させるべき方向とは反対方向の磁気力が作用し得るコイル体の一部分は、磁界の向きに対して傾斜方向に配設される。
また本発明は、コイル体は、少なくともホルダ駆動手段に近接するコイル体の部分が、磁界の向きに対して略垂直方向に配設される一辺を成す多角形状に形成されることを特徴とする。
本発明に従えば、コイル体は、ホルダ駆動手段に近接するコイル体の部分が、磁界の向きに対して略垂直方向に配設される一辺を成す多角形状に形成される。このように多角形状に形成されるコイル体を実現することができる。
さらに本発明は、巻回されるコイル体の内方空間に配設され、かつコイル体に固着される補強部材をさらに備えることを特徴とする。
本発明に従えば、巻回されるコイル体の内方空間には、補強部材が配設される。この補強部材はコイル体に固着される。
さらに本発明は、前記補強部材は、接着剤から成ることを特徴とする。
本発明に従えば、補強部材は接着剤から成る。接着剤は硬化される前は流動性を有するので、コイル体の巻線同士の隙間を埋めるように充填することができるとともに、接着作用によってコイル体の巻線同士を相互に強固に固定することができる。
さらに本発明は、レンズホルダには、磁界の向きに対して傾斜方向に配設されるコイル体の一部分が嵌入されかつ固着される凹所が形成されることを特徴とする。
本発明に従えば、レンズホルダには凹所が形成され、この凹所に、コイル体の一部分が嵌入され固着される。
さらに本発明は、記録媒体への情報の記録および記録媒体からの情報の再生のうち少なくともいずれか一方をする光ピックアップ装置であって、
光を出射する光源と、
対物レンズを有し、光源からの光を記録媒体に集光する集光手段と、
前記対物レンズ駆動装置と、
集光手段によって集光され、記録媒体から反射される光を検出する光検出手段とを備えることを特徴とする光ピックアップ装置である。
本発明に従えば、光ピックアップ装置は、光を出射する光源と、対物レンズを有し、光源からの光を記録媒体に集光する集光手段と、対物レンズ駆動装置と、集光手段によって集光され、記録媒体から反射される光を検出する光検出手段とを備える。対物レンズ駆動装置によってレンズホルダを精度良く変位させて、記録媒体の面振れおよび偏心に対して、ビームスポットを所望の記録トラックに確実に追従させる。
本発明によれば、レンズホルダを移動駆動するにあたって、レンズホルダを移動させるべき方向の磁気力が作用するコイル体の部分は、磁界の向きに対して略垂直方向に配設されるとともに、レンズホルダを移動させるべき方向とは反対方向の磁気力が作用し得るコイル体の一部分は、磁界の向きに対して傾斜方向に配設される。特に、前記反対方向の磁気力が作用し得るコイル体の一部分が、磁界の向きに対して傾斜方向に配設されるので、少なくともコイル体の一部分上の各点における発生磁束ベクトル量を小さくすることができる。つまりコイル体の一部分上の各点における実際の発生磁束ベクトル量は、各点における磁界の強さの余弦成分であって傾斜角度に応じた余弦成分となり得る。
このようにレンズホルダを移動させるべき方向とは反対方向の磁気力が作用し得るコイル体の一部分においては、発生磁束ベクトル量を積極的に小さくしたうえで、レンズホルダを移動させるべき方向の磁気力が作用するコイル体の部分においては、磁束ベクトル量が小さくならないようにこの部分を磁界の向きに対して略垂直方向に配設した。結局、前述の移動させるべき方向の磁気力の一部と、反対方向の磁気力とは相殺されるので、移動させるべき方向の磁気力を可及的に大きくすることができる。したがってレンズホルダを移動させるときの駆動感度を高くすることができる。また反対方向のロスとなる磁気力を極力低減することができるので、所望の駆動感度を得たうえで、たとえばコイル体の巻回数を少なくして、対物レンズ、レンズホルダおよびコイル体を含む駆動体の軽量化を図ることができる。
また本発明によれば、コイル体を多角形状にしたうえで、多角形のうち、レンズホルダを移動させるべき方向の磁気力が作用するコイル体の部分を、磁界の向きに対して略垂直方向に配設するような一辺とすることができる。これによってレンズホルダを移動させるべき方向の磁気力が作用する部分の長さを、長方形状および略D字状に形成される従来技術におけるコイル体と同じにしても、多角形状の他辺に作用し得るロスとなる磁気力を、極力低減することができるので、従来のコイル体に比べて巻線の全線長を短くすることが可能となり、コイル体の抵抗値を小さくすることが可能となる。したがって電圧を与えたときに流れる電流値が従来技術におけるコイル体に比べて大きくなるので、レンズホルダを移動させるべき方向の磁気力を従来技術のものよりも大きくすることができ、駆動感度を向上することができる。
また本発明によれば、補強部材がコイル体の内方空間に配設されて、固着されるので、コイル体の剛性強度の向上を図ることができる。それ故、コイル体が不所望に変形することを防止することができる。
また本発明によれば、補強部材は接着剤から成る。接着剤は硬化される前は流動性を有するので、コイル体の巻線同士の隙間を埋めるように充填することができるとともに、接着作用によってコイル体の巻線同士を相互に強固に固定することができる。これによってコイル体の剛性強度を確実に向上することができる。また補強部材として用いられる接着剤と、コイル体をレンズホルダに取付けるための接着剤とを同じにすることによって、補強部材のコイル体への配設作業とコイル体のレンズホルダへの取付作業とを一つの作業工程で行うことができ、組立て作業を簡略化することができる。
また本発明によれば、レンズホルダには、磁界の向きに対して傾斜方向に配設されるコイル体の一部分が嵌入されかつ固着される凹所が形成されるので、レンズホルダを小形化することが可能となる。つまりレンズホルダのうち、傾斜方向に配設されるコイル体の一部分が固着される部位を、コイル体の一部分が嵌り込むように凹設するので、レンズホルダとコイル体との接触面積が、仮に従来技術におけるコイル体をレンズホルダに固定するために必要な接触面積と同じであっても、レンズホルダのコイル体が固着される部位を、傾斜方向に配設されるコイル体の一部分に沿って凹設する分だけ、レンズホルダを小形化することができる。またレンズホルダの軽量化を図ることも可能となる。このようにコイル体をレンズホルダに確実に固着したうえで、レンズホルダの小形化および軽量化を図ることが可能となり、駆動感度を向上することができる。
また本発明によれば、光ピックアップ装置は、光を出射する光源と、対物レンズを有し、光源からの光を記録媒体に集光する集光手段と、対物レンズ駆動装置と、集光手段によって集光され、記録媒体から反射される光を検出する光検出手段とを備える。対物レンズ駆動装置によってレンズホルダを精度良く変位させて、記録媒体の面振れおよび偏心に対して、ビームスポットを所望の記録トラックに確実に追従させることができる。これによって所望の記録トラックに対して情報の記録および再生のうち少なくともいずれか一方を好適に実行することができる。したがって高密度および大容量の記録媒体に対して、情報を確実に記憶することおよび情報を確実に再生することのうち少なくともいずれか一方を確実に実行することができる。
図1は、本発明の実施の一形態である対物レンズ駆動装置10の一部を示す斜視図である。図2は、対物レンズ駆動装置10をフォーカシング方向に見た図である。図3は、対物レンズ駆動装置10を示すトラッキング方向に見た図である。対物レンズ駆動装置10は、対象物に情報を記録するとともに、対象物に記録される情報を再生するために、対物レンズ11をフォーカシング方向Fおよびトラッキング方向Tに変位させて光源12からの光を対象物の予め定める位置に集光させるための装置である。フォーカシング方向Fは、対象物に対して近接および離反する方向である。トラッキング方向Tは、対象物に記録される情報を再生する場合または対象物に情報を記録する場合に、対象物の記録領域を走査する方向である。対物レンズ駆動装置10は光ピックアップ装置10Aに搭載される。
光ピックアップ装置10Aは、対象物である記録媒体換言すると光ディスク13への情報の記録および光ディスク13からの情報の再生のうち少なくともいずれか一方をする装置である。光ディスク13には円板状の記録媒体、たとえばコンパクトディスク(
Compact Disc;略称CD)およびデジタルバーサタイルディスク(Digital Versatile
Disc;略称DVD)などがある。前記フォーカシング方向Fは、光ディスク13の情報記録面13aに垂直な方向であり、前記トラッキング方向Tは、光ディスク13の一半径方向に平行でかつフォーカシング方向Fに垂直な方向である。
光ピックアップ装置10Aは、対物レンズ駆動装置10に加えて、光源12、集光手段14および光検出手段15を備える。光源12は、たとえば半導体レーザによって実現され、光、具体的にはレーザ光を発する。集光手段14は、対物レンズ11と、図示外の偏光ビームスプリッタ、回折格子、コリメータレンズ、1/4波長板および円筒レンズを備える。光源12から発せられるレーザ光は、集光手段14のうち最終的に対物レンズ11によって、光ディスク13の情報記録面13aに集光する。光源12から発せられるレーザ光は、対物レンズ11を含む集光手段14を介して情報記録面13aに集光され、光ディスク13から反射されるレーザ光は光検出手段15に導かれるようになっている。
光検出手段15は、光センサによって実現される受光素子を有する。光検出手段15は、集光手段14によって集光されて光ディスク13から反射されるレーザ光を、受光素子を用いて検出する。光ピックアップ装置10Aは、光検出手段15によるレーザ光の検出結果に基づいて、対物レンズ11のフォーカシング方向Fおよびトラッキング方向Tへの変位を制御して、情報記録面13aに対して情報の記録および再生のうち少なくともいずれか一方を行う。
対物レンズ駆動装置10は、主に、駆動体16と、保持体17と、ホルダ駆動機構18とを有する。保持体17は、駆動体16を光ディスク13に対してフォーカシング方向およびトラッキング方向に変位可能に保持する。この保持体17は、ベース部19と、立設部20と、保持部材21,22とを有する。これらのうちベース部19の主要部は、駆動体16よりも矢符F1で示すフォーカシング方向一方に所定小距離離隔して配設される。またベース部19は、その主要部をフォーカシング方向に見て矩形状となるように形成される。ここでフォーカシング方向およびトラッキング方向に垂直な方向をR方向と定義し、図1〜図3においてR方向を矢符Rで示す。立設部20は、ベース部19のR方向一方側端部から矢符F2で示すフォーカシング方向他方に立設するように配設される。
立設部20のうち、図2の矢符T1で示すトラッキング方向一方側端部には、一対の保持部材21,22が保持されている。これら一対の保持部材21,22は、図3に示すように、フォーカシング方向に一定間隔をあけて略平行に配設されるとともに、それぞれ立設部20から駆動体16のトラッキング方向一方側端部までR方向他方(矢符R2で示す方向)に延設されている。また立設部20のうち、矢符T2で示すトラッキング方向他方側端部にも、一対の保持部材21,22が保持されている。これら一対の保持部材21,22は、フォーカシング方向に一定間隔をあけて略平行に配設されるとともに、それぞれ立設部20から駆動体16のトラッキング方向他方側端部までR方向他方に延設されている。各保持部材21(22)は、弾発性を有する板ばね片によって実現されるうえ、前述のように保持されるので、駆動体16が、光ディスク13に対してフォーカシング方向およびトラッキング方向に変位可能に支持される。
ホルダ駆動手段としてのホルダ駆動機構18は、磁界を形成し、その磁界に配設されるフォーカシングコイル23およびトラッキングコイル24,25が受ける磁気力によって駆動体16つまりレンズホルダ11を移動駆動する。ホルダ駆動機構18は、第1および第2ヨーク26,27と、第1および第2マグネット体28,29とを含む。第1および第2ヨーク26,27は、強磁性材料から成る。ベース部19のうちR方向他方側端部には、矢符F2で示すフォーカシング方向他方に立設される第1ヨーク26が形成される。この第1ヨーク26は、たとえばベース部19のR方向他方側端部の一部分を曲げ加工することによって実現される。ベース部19のうちR方向一方側端部には、フォーカシング方向他方に立設される第2ヨーク27が形成される。この第2ヨーク27は、立設部20に近接して配設されるうえ、たとえばベース部19のR方向一方側端部の一部分を曲げ加工することによって実現される。第1および第2ヨーク26,27は、駆動体16のR方向一方および他方に間隔をあけて配設される。
第1および第2マグネット体28,29は、表裏2極着磁の永久磁石片である。第1マグネット体28は、駆動体16に臨む第1ヨーク26の一表面部に設けられる。第2マグネット体29は、駆動体16に臨む第2ヨーク27の一表面部に設けられる。第1および第2マグネット体28,29は、駆動体16のR方向一方および他方に間隔をあけて配設される。第1および第2マグネット体28,29の磁極面28a,29aは、R方向に垂直な仮想平面上にそれぞれ配設されるとともに、フォーカシングコイル23およびトラッキングコイル24,25に臨むべく配設される。
図4は、第1および第2マグネット体28,29から発生する磁界の分布を示す図である。図5は、フォーカシングコイル23に流れる電流と第1および第2マグネット体28,29による磁界との関係を説明するための図である。図6は、フォーカシングコイル23を示す斜視図である。駆動体16は、主にレンズホルダ30と、一対のコイル群31と、一対の基板32とを含む。後述するレンズホルダ30には、一対のコイル群31がそれぞれ固着される。これらコイル群31は、対物レンズ11の光軸の軸対称位置であって、R方向に離反した前記光軸の軸対称位置に配設される。これらコイル群31のうち矢符R1で示すR方向一方のコイル群31は、フォーカシングコイル23およびトラッキングコイル24,25を含む。矢符R2で示すR方向他方のコイル群31も、フォーカシングコイル23およびトラッキングコイル24,25を含む。
フォーカシングコイル23は、レンズホルダ30つまり対物レンズ11を光ディスク13に対してフォーカシング方向に移動させるために巻回されたコイル体である。フォーカシングコイル23は、ホルダ駆動機構18に近接する該フォーカシングコイル23の部分(後述の底辺部23aに相当する)が、磁界の向きに対して略垂直方向に配設される一辺を成す三角形状に形成される。具体的にフォーカシングコイル23は、フォーカシング方向に沿って延びる三角柱形状に形成される。したがってフォーカシングコイル23を、その軸線L1に垂直な仮想平面で切断して見た断面形状は三角形状、より詳細には二等辺三角形状となる。一対のフォーカシングコイル23は光軸に対して対称な同一構造であるので、以後第1マグネット体28付近のフォーカシングコイル23についてのみ詳細に説明し、第2マグネット体29付近のフォーカシングコイル23には、第1マグネット体28付近のフォーカシングコイル23に付した符号と同一の符号を付し、第2マグネット体29付近のフォーカシングコイル23の説明は省略するものとする。
フォーカシングコイル23を通電させると、前記二等辺三角形の各底辺部23aには、レンズホルダ30を移動させるべきフォーカシング方向の磁気力が作用する。各底辺部23aは、第1マグネット体28の磁極面28aに略平行にかつ磁極面28a付近に配設される。換言すれば各底辺部23aは、ホルダ駆動機構18による磁界の向きに対して略垂直方向に配設される。したがって磁極面28aに臨むフォーカシングコイル23の全底辺部23a、つまり磁極面28aに臨むフォーカシングコイル23の壁面部23A(図6参照)は、磁界の向きに対して略垂直方向に配設される。
フォーカシングコイル23を前記仮想平面で切断して見た二等辺三角形状において、底辺部23aを除く他辺部である各対向部23b,23cには、レンズホルダ30を移動させるべき方向とは反対方向の磁気力が作用する。つまりフォーカシングコイル23を通電させると、各対向部23b,23cに流れる電流の向きは、底辺部23aに流れる電流の向きの略反対方向となる。それ故、各対向部23b,23cには、レンズホルダ30を移動させるべき方向とは反対方向の磁気力が作用する。各対向部23b(23c)は、第1マグネット体28の磁極面28aに対して傾斜しかつ前記磁極面28aからやや離隔して配設される。換言すれば各対向部23b(23c)は、ホルダ駆動機構18による磁界の向きに対して傾斜するように配設される。したがって全対向部23b,23c、つまり前記壁面部23Aに臨むフォーカシングコイル23の傾斜壁面部23B、23Cは、磁界の向きに対して傾斜方向に配設される。
ここで第1および第2マグネット体28,29は、同極の磁極面たとえばN極の磁極面28a,29aが対向するように配設されている。つまり第1マグネット体28付近のフォーカシングコイル23は、N極の磁極面28aに臨むように配設される。前記フォーカシングコイル23が配設される領域において、第1マグネット体28による磁界の向きはR方向に略平行である。フォーカシングコイル23の各底辺部23aに流れる電流であって、たとえば矢符T2で示すトラッキング方向他方に略平行に流れる電流と、矢符R1で示すR方向一方に向かう磁界との磁気的作用によって、駆動体16つまりレンズホルダ30を変位させるべきフォーカシング方向の磁気力である駆動力が働く。そのときフォーカシングコイル23の各対向部23b,23cに流れる電流と、磁界との磁気的作用によって、駆動体16つまりレンズホルダ30を変位させるべき方向とは反対方向の磁気力が働く。
前述したように、フォーカシングコイル23をその軸線L1に垂直な仮想平面で切断して見た断面形状は、二等辺三角形状に形成されている。また各対向部23b,23cは、磁界の向きに対して傾斜するように配設される。それ故、図5に示すように、各底辺部23aを交差する磁界の向きは、各底辺部23aを流れる電流の向きに対して、垂直に交差する。したがって各底辺部23aにおける任意の点においては、R方向向きの磁界の強さと、その底辺部23aに流れる電流との磁気的作用によって、レンズホルダ30を変位させるべきフォーカシング方向の磁気力が発生する。各対向部23b(23c)を交差する磁界の向きは、各対向部23b(23c)を流れる電流の向きに対して、垂直に交差することなく傾斜して交差する。したがって各対向部23b(23c)における任意の点においては、R方向向きの磁界の強さの余弦成分と、その対向部23b(23c)に流れる電流との磁気的作用によって、レンズホルダ30を変位させるべき方向とは反対方向の磁気力が発生する。
各対向部23b(23c)は、第1マグネット体28の磁極面28aに対して各底辺部23aよりもやや離隔して配設されるので、各対向部23b(23c)の任意の点における磁界の強さは、少なくとも各底辺部23aの磁界の強さよりも小さくなる。また底辺部23aに対する対向部23b(23c)の傾斜角度をα(αはたとえば30度)とし、各対向部23b(23c)におけるR方向向きの磁界の強さをHとすると、各対向部23b(23c)の任意の点におけるR方向向きの磁界の強さの余弦成分は、H・cosαと表される。このR方向向きの磁界の強さの余弦成分は、対向部23b(23c)の任意の点に実際に作用する磁束ベクトル量と同義である。したがって対向部23b(23c)の任意の点に実際に作用する磁束ベクトル量は、その点におけるR方向向きの磁界の強さよりも小さくなる。「磁束ベクトル量」を「発生磁束ベクトル量」という場合がある。
換言すれば、対向部23b(23c)の任意の点に実際に作用する磁束ベクトル量は、対向部が磁界の向きに対して垂直に配設される場合に比べて小さくなる。これによってレンズホルダ30を移動させるべき方向とは反対方向のロスとなる磁気力を極力低減することができる。結局、前述の移動させるべき方向の磁気力の一部と、その反対方向の磁気力とは相殺されるので、移動させるべき方向の磁気力を可及的に大きくすることができる。したがってレンズホルダ30を移動させるときの駆動感度を高くすることができる。
図7は、フォーカシングコイル23をフォーカシング方向に見た図である。図6も参照しつつ説明する。フォーカシングコイル23をフォーカシング方向に見て、そのトラッキング方向の寸法は、図10および図11に示す角筒状のフォーカシングコイルにおけるトラッキング方向の寸法と同一に設定される。フォーカシングコイル23のR方向の寸法は、前記角筒状のフォーカシングコイルにおけるR方向の寸法と同一に設定される。したがって本実施形態の三角柱状のフォーカシングコイル23は、従来の角筒状のフォーカシングコイルよりも、巻線一周あたりの長さが短くなる。つまり角筒状のフォーカシングコイルに比べて、本実施形態の三角柱状のフォーカシングコイル23は、巻線の全線長を短くすることができる。それ故、フォーカシングコイル23の抵抗値を、角筒状のフォーカシングコイルの抵抗値よりも小さくすることができる。これによって三角柱状および角筒状の各フォーカシングコイルに与えられる電圧が同じである場合、三角柱状のフォーカシングコイル23の方により多くの電流を流すことが可能となる。それ故、駆動体16の駆動感度を一層向上することができる。たとえば本実施形態において、底辺部23aのトラッキング方向の寸法が5mm、底辺部23aから対向部23b(23c)までの高さが最大で約2mmになるようにフォーカシングコイル23を形成したとき、三角柱状のフォーカシングコイル23は、角筒状のフォーカシングコイルに対して約81%の抵抗値となる。したがって三角柱状のフォーカシングコイル23に多くの電流を流すことが可能となり、高い駆動感度を確実に得ることができる。
巻回されるフォーカシングコイル23の内方空間には、図1および図2に示すように補強部材33が配設される。ここで駆動体16の剛性について説明しておく。光ディスク13の面振れおよび偏心に対して、ビームスポットを記録トラックに精度良く追従させるために、対物レンズ駆動装置10における高次共振特性の向上を推し進める必要がある。対物レンズ駆動装置10における高次共振は、主に対物レンズ11、レンズホルダ30、フォーカシングコイル23およびトラッキングコイル24,25を含む駆動体16全体の1次変形モードおよび2次変形モードによる共振である。各変形モードによる共振周波数は、駆動体16の剛性強度が高いほど高くなる。共振周波数が高ければ高いほど、光ディスク13の面振れに追従させるフォーカシングサーボ制御と、光ディスク13の偏心に追従させるトラッキングサーボ制御とを余裕を持って安定して行うことができる。
対物レンズ駆動装置10は、前述の補強部材33を備えている。補強部材33は、フォーカシングコイル23によって外囲される内方空間に配設され、フォーカシングコイル23を内方側から固定する。具体的にフォーカシングコイル23の内方空間には、補強部材33が隙間なく充填されて設けられる。これによって補強部材33は、フォーカシングコイル23の底辺部23aと対向部23b,23cとを連結して固定する。したがって底辺部23aが対向部23b,23cに対して相対的に変位することを防止することができる。このようにフォーカシングコイル23の変形を防止することができる。換言すれば、補強部材33によってフォーカシングコイル23の剛性強度を高くすることができ、駆動体16の剛性強度の向上を図ることができる。したがって本実施の形態においては、フォーカシングサーボ制御とトラッキングサーボ制御とを余裕を持って安定して行うことが可能となる。
補強部材33は、たとえば熱硬化性のエポキシ系樹脂を用いた接着剤から成る。この接着剤は、硬化される前には流動性を有し、かつ硬化時に200メガパスカル程度のヤング率を有する。本実施の形態では、補強部材33として、たとえばナガセケムテックス(株)製、製品名称がXNR3503である接着剤が用いられる。補強部材33は流動性を有する接着剤から成るので、フォーカシングコイル23の内方側から、前記接着剤が巻線同士の間に入り込む。その後この接着剤が硬化することによって、フォーカシングコイル23の巻線同士を相互に固定する。
補強部材33は一種類の接着剤から成っていてもよいし、複数種類の接着剤から成っていてもよい。補強部材33が複数種類の接着剤から成る場合、内方空間に該接着剤を充填するにあたって、内方空間の予め定める領域毎に接着剤を選択的に注入して、補強部材33が内方空間に段階的に配設される。複数種類の接着剤を用いて、内方空間に段階的に補強部材33を配設する場合には、接着剤の硬化時の収縮力によって、フォーカシングコイル23の変形を一層確実に防止することが可能となる。
補強部材33は、フォーカシングコイル23の内方空間のほぼ全域にわたって配設されるので、フォーカシングコイル23の変形を確実に防止することができる。これによってフォーカシングコイル23の剛性強度がさらに向上されるので、駆動体16全体の剛性強度を確実に向上することができる。また本実施の形態では、接着剤だけから成る補強部材33を適用するが、必ずしもこの形態に限定されるものではない。たとえば図示外の基材をフォーカシングコイル23に挿通して設けたうえで、接着剤をさらに充填することによって形成されてもよい。基材を用いる場合には、接着剤に比べて軽量な基材を用いるようにして、フォーカシングコイル全体の軽量化を図ることが望ましい。これによっても駆動感度の向上を図ることが可能となる。
トラッキングコイル24,25は、レンズホルダ30つまり対物レンズ11を光ディスク13に対してトラッキング方向に移動させるために巻回されたコイル体である。R方向に離隔して配設される一対のトラッキングコイル24,25は、同一構造であるので、矢符R2で示すR方向他方のトラッキングコイル24,25についてのみ説明する。R方向一方のトラッキングコイル24,25については、R方向他方のトラッキングコイル24,25に付した同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
各トラッキングコイル24(25)をR方向に垂直な仮想平面で切断して見た形状が、略D字形状になるように、各トラッキングコイル24(25)は形成される。フォーカシングコイル23の壁面部23Aには、これらトラッキングコイル24,25が固着される。これら一対のトラッキングコイル24,25は、トラッキング方向に所定小距離離隔して配設される。トラッキングコイル24,25をフォーカシングコイル23に固着するときには、フォーカシングコイル23とトラッキングコイル24,25との巻線同士の間に接着剤を充填する。これによって、フォーカシングコイル23とトラッキングコイル24,25とが相互に固定される。このようにしてコイル群31全体を強固に固定することができ、高い剛性強度を得ることができる。トラッキングコイル24,25が通電される場合には、駆動体16つまりレンズホルダ30がトラッキング方向へ変位駆動される。
図8は、駆動体16とフォーカシングコイル23との関係を示す図である。駆動体16のうちレンズホルダ30には、フォーカシングコイル23が固着されるうえ、対物レンズ11が保持される。レンズホルダ30は、駆動体16の外部から与えられる振動に対して、除振効果が大きい材料、換言すると減衰特性に優れた材料から成る。具体的にレンズホルダ30は、液晶樹脂(Liquid Crystalline Polymer;略称LCP)から成る。レンズホルダ30は、略直方体状に形成されるとともに第1および第2マグネット体28,29の間に配設される。光ディスク13に臨む一表面部であって、レンズホルダ30の一表面部には、たとえば紫外線硬化性接着剤などを介して対物レンズ11が固着される。
レンズホルダ30には、フォーカシングコイル23の各対向部23b(23c)が嵌入されかつ固着される凹所34が形成される。このフォーカシングコイル23の各対向部23b(23c)が、コイル体の一部分に相当する。具体的にフォーカシングコイル23の対向部23b,23cに臨むレンズホルダ30の一表面部は、対向部23b,23cに対応するように凹設される。レンズホルダ30の前記一表面部をフォーカシング方向に見ると、そのトラッキング方向一端および他端からトラッキング方向中間付近に向かうに従ってR方向一方に凹む略V字形状に形成される。さらにレンズホルダ30の前記一表面部と、対向部23b,23cとの間には、略均一なクリアランスδが確保されるように配設される。すなわちレンズホルダ30の一表面部には、接着剤を介してフォーカシングコイル23が固着され、この接着剤の層35によって前述の略均一なクリアランスδが確保される。ここで「略均一」は「均一」を含む。
図10に示す従来技術の対物レンズ駆動装置においては、レンズホルダのフォーカシングコイルが固定される部分のトラッキング方向の寸法を、L2とする。また本実施の形態と従来技術とにおいて、フォーカシングコイルの磁極面に対向する部分の寸法を同一とする。前述のようにレンズホルダ30の一表面部をフォーカシングコイル23の形状に対応して凹設するので、レンズホルダ30とフォーカシングコイル23とが接着剤を介して接触する接触面積を、従来のコイル、ホルダ間の接触面積と同一に設定する場合には、次の効果を奏する。本実施の形態におけるレンズホルダ30の一表面部のトラッキング方向Tの寸法L3を、従来のトラッキング方向の寸法L2に比べて小さくすることができる。
またレンズホルダ30の一表面部はV字状に凹設されるので、フォーカシングコイル23のR方向の寸法を、従来のフォーカシングコイルのR方向寸法と同じにした場合であっても、一表面部を凹設する分、レンズホルダ30のR方向寸法を小さくすることができる。これによって駆動体16の小形化および軽量化を図ることができる。
またフォーカシングコイル23とレンズホルダ30とが接触する領域のトラッキング方向Tの寸法L3が前記L2より小さくなり、かつフォーカシングコイル23が三角柱状に形成されることによって、次の効果を奏する。つまり図8に示すように、レンズホルダ30のトラッキング方向両側の縁辺部の余分な部分36を、予め削除することが可能となる。したがって駆動体16の軽量化を図ることができる。フォーカシングコイル23のレンズホルダ30による保持強度を低下させることなく駆動体16全体の質量を小さくし、駆動感度の向上が可能となる。
またレンズホルダ30とコイル群31とは、別体に形成される。これによってレンズホルダ30にフォーカシングコイル23およびトラッキングコイル24,25を巻回する場合に比べて、コイル体の巻回数等の変更による形状の変更に容易に対応することができるとともに、巻回作業を簡単化することができる。駆動体16を弾発的に保持する保持部材21,22のR方向他端部には、基板32が電気的かつ機械的に接続される。レンズホルダ30には、コイル体を直接巻回しないので、レンズホルダ30に基板32を直接接着して固定することができる。これによって対物レンズ駆動装置10に不要な共振が発生することが防がれ、良好な周波数特性を得ることができる。
以上説明した対物レンズ駆動装置10によれば、特にレンズホルダ30を移動させるべき方向とは反対方向の磁気力が作用し得るフォーカシングコイル23の対向部23b,23cが、磁界の向きに対して傾斜方向に配設されるので、対向部23b,23cの各点における磁束ベクトル量を小さくすることができる。つまりフォーカシングコイル23の対向部23b,23c上の各点における実際の磁束ベクトル量は、各点における磁界の強さの余弦成分であって傾斜角度に応じた余弦成分となり得る。
このようにレンズホルダ30を移動させるべき方向とは反対方向の磁気力が作用し得るフォーカシングコイル23の対向部23b,23cにおいては、磁束ベクトル量を積極的に小さくしたうえで、レンズホルダ30を移動させるべき方向の磁気力が作用するフォーカシングコイル23の底辺部23aにおいては、磁束ベクトル量が小さくならないようにこの底辺部23aを磁界の向きに対して略垂直方向に配設した。結局、前述の移動させるべき方向の磁気力の一部と、反対方向の磁気力とは相殺されるので、移動させるべき方向の磁気力を可及的に大きくすることができる。したがってレンズホルダ30を移動させるときの駆動感度を高くすることができる。また反対方向のロスとなる磁気力を極力低減することができるので、所望の駆動感度を得たうえで、フォーカシングコイル23の巻回数を少なくして、駆動体16の軽量化を図ることができる。
また本対物レンズ駆動装置10によれば、フォーカシングコイル23は、その軸線L1に垂直な仮想平面で切断して見た断面形状が三角形状に形成される。これによって、レンズホルダ30を移動させるべき方向の磁気力が作用する部分の寸法を、軸線L1に垂直な断面形状が長方形状および略D字状に形成される従来のフォーカシングコイルと同一寸法にした場合、この従来のフォーカシングコイルに比べて巻線の全線長を短くすることができる。したがってフォーカシングコイル23の抵抗値を小さくすることができる。したがって電圧を与えたときに流れる電流値が従来のフォーカシングコイルに比べて大きくなるので、レンズホルダ30を移動させるべき方向の磁気力が大きくなり、駆動感度を向上することができる。
また補強部材33がフォーカシングコイル23の内方空間に配設され、フォーカシングコイル23を内方側から固定する。これによってフォーカシングコイル23が不所望に変形することを防止し得るだけでなく、フォーカシングコイル23の剛性強度の向上を図ることができる。したがって駆動体16全体の剛性強度を向上することができ、サーボ制御の高帯域化を図ることができる。
また補強部材33は接着剤から成る。接着剤は硬化される前は流動性を有するので、フォーカシングコイル23の巻線同士の隙間を埋めるように充填することができるとともに、接着作用によってフォーカシングコイル23の巻線同士を相互に強固に固定することができる。これによってフォーカシングコイル23の剛性強度を一層確実に向上することができる。また補強部材33に用いられる接着剤と、フォーカシングコイル23をレンズホルダ30に取付けるための接着剤とを同一種類の接着剤にすることによって、次の効果を奏する。補強部材33のフォーカシングコイル23への配設作業と、フォーカシングコイル23のレンズホルダ30への取付作業とを一つの作業工程で行うことができ、組立て作業を簡単化することができる。
フォーカシングコイル23には、磁界の向きに対して傾斜方向に配設される対向部23b,23cが嵌入されかつ固着される凹所34が形成される。これによってレンズホルダ30の外形寸法を小さくすることができる。すなわちレンズホルダ30を小形化することができるうえ、レンズホルダ30の軽量化を図ることができる。フォーカシングコイル23をレンズホルダ30に確実に固定したうえで、レンズホルダ30の小形化および軽量化を図ることが可能となり、駆動感度を向上することができる。
また本光ピックアップ装置10Aによれば、対物レンズ駆動装置10によってレンズホルダ30を精度良く変位させて、光ディスク13の面振れおよび偏心に対して、ビームスポットを所望の記録トラックに確実に追従させることができる。これによって所望の記録トラックに対して情報の記録および再生のうち少なくともいずれか一方を好適に実行することができる。したがって高密度および大容量の記録媒体に対して、情報を確実に記憶することができるだけでなく、情報を確実に再生することができる。
図9は、変更形態に係るフォーカシングコイル37,38,39をフォーカシング方向に見た図である。本実施形態においては、フォーカシングコイルをその軸線に垂直な仮想平面で切断して見た断面形状が、二等辺三角形状に形成されているが、必ずしもこの形態に限定されるものではない。たとえば図9(a)に示すように、フォーカシングコイル37をその軸線L4に垂直な仮想平面で切断して見た断面形状が五角形状となるように、フォーカシングコイルを形成してもよい。この場合、磁極面に臨むフォーカシングコイル37の壁面部37Aは、磁界の向きに対して略垂直方向に配設される。壁面部37Aのトラッキング方向一端部および他端部から矢符R1で示すR方向一方にそれぞれ所定小距離延設される延設壁部37B,37Cは、磁界の向きに略平行に配設される。フォーカシングコイル37のうちこれら延設壁部37B,37Cおよび壁面部37Aを除く対向壁部37D,37Eは、ホルダ駆動機構18による磁界の向きに対して、それぞれ傾斜するように配設される。特に対向壁部37D,37Eが磁界の向きに対して傾斜するように配設されるので、本実施形態と略同様の効果を奏する。
その他図9(b)および図9(c)に示すように、部分的に傾斜壁部を含むフォーカシングコイルを適用することも可能である。これらの場合にも本実施形態と略同様の効果を奏する。なおトラッキングコイル24(25)の内方空間に、本実施形態の補強部材に相当するものを配設してもよい。この場合には、トラッキングコイル24,25の剛性強度の向上を図ることが可能となる。
本発明の実施の一形態である対物レンズ駆動装置10の一部を示す斜視図である。 対物レンズ駆動装置10をフォーカシング方向に見た図である。 対物レンズ駆動装置10をトラッキング方向に見た図である。 第1および第2マグネット体28,29から発生する磁界の分布を示す図である。 フォーカシングコイル23に流れる電流と第1および第2マグネット体28,29による磁界との関係を説明するための図である。 フォーカシングコイル23を示す斜視図である。 フォーカシングコイル23をフォーカシング方向に見た図である。 駆動体16とフォーカシングコイル23との関係を示す図である。 変更形態に係るフォーカシングコイル37,38,39をフォーカシング方向に見た図である。 従来技術の対物レンズ駆動装置1の一部を示す正面図である。 フォーカシングコイル4を示す斜視図である。
符号の説明
10 対物レンズ駆動装置
10A 光ピックアップ装置
11 対物レンズ
12 光源
14 集光手段
15 光検出手段
16 保持体
18 ホルダ駆動機構
23 フォーカシングコイル
33 補強部材
34 凹所

Claims (6)

  1. 光を記録媒体に集光する対物レンズと、
    対物レンズを保持するレンズホルダと、
    レンズホルダに設けられ、レンズホルダを移動させるために巻回されたコイル体と、
    磁界を形成し、その磁界に配設されるコイル体が受ける磁気力によってレンズホルダを移動駆動するホルダ駆動手段とを備え、
    レンズホルダを移動させるべき方向の磁気力が作用するコイル体の部分を、磁界の向きに対して略垂直方向に配設するとともに、レンズホルダを移動させるべき方向とは反対方向の磁気力が作用し得るコイル体の一部分を、磁界の向きに対して傾斜方向に配設することを特徴とする対物レンズ駆動装置。
  2. コイル体は、少なくともホルダ駆動手段に近接するコイル体の部分が、磁界の向きに対して略垂直方向に配設される一辺を成す多角形状に形成されることを特徴とする請求項1記載の対物レンズ駆動装置。
  3. 巻回されるコイル体の内方空間に配設され、かつコイル体に固着される補強部材をさらに備えることを特徴とする請求項1または2記載の対物レンズ駆動装置。
  4. 前記補強部材は、接着剤から成ることを特徴とする請求項3記載の対物レンズ駆動装置。
  5. レンズホルダには、磁界の向きに対して傾斜方向に配設されるコイル体の一部分が嵌入されかつ固着される凹所が形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の対物レンズ駆動装置。
  6. 記録媒体への情報の記録および記録媒体からの情報の再生のうち少なくともいずれか一方をする光ピックアップ装置であって、
    光を出射する光源と、
    対物レンズを有し、光源からの光を記録媒体に集光する集光手段と、
    請求項1〜5のいずれか1つに記載の対物レンズ駆動装置と、
    集光手段によって集光され、記録媒体から反射される光を検出する光検出手段とを備えることを特徴とする光ピックアップ装置。
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