JP2004326855A - 光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置 - Google Patents
光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】対物レンズへの汚れの付着を防止し得る光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】情報記録および情報再生の少なくとも一方を行うためのレーザー光を集光して情報記録媒体の情報面に出射する対物レンズ61と、対物レンズ61を保持するレンズホルダ62と、その先端面が対物レンズ61よりもレーザー光の出射側に突出した状態で対物レンズ61を取り囲むようにしてレンズホルダ62に配設されると共に対物レンズ61の外周に沿った円形状の溝63cが先端面に形成された筒状のレンズプロテクター63とを備えている。
【選択図】 図3
【解決手段】情報記録および情報再生の少なくとも一方を行うためのレーザー光を集光して情報記録媒体の情報面に出射する対物レンズ61と、対物レンズ61を保持するレンズホルダ62と、その先端面が対物レンズ61よりもレーザー光の出射側に突出した状態で対物レンズ61を取り囲むようにしてレンズホルダ62に配設されると共に対物レンズ61の外周に沿った円形状の溝63cが先端面に形成された筒状のレンズプロテクター63とを備えている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光を集光して情報記録媒体の情報面に出射する対物レンズと、その対物レンズを保持するレンズホルダと、そのレンズホルダに配設されたレンズプロテクターとを備えた光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CD、DVDおよびブルーレイディスク(Blu−ray Disc:BD)等の情報記録媒体(光記録媒体)用の記録再生装置は、一般的に、情報記録媒体の情報面にレーザー光を照射するための光ピックアップ装置を備えて構成されている。一方、情報記録媒体の高密度化を実現するためには、レーザー光のスポット径を小径にすることが不可欠となる。このため、今日における記録再生装置の光ピックアップ装置には、レーザー光を集光するための対物レンズとして開口数の大きなレンズが採用されている。この場合、開口数を大きくするほど対物レンズと情報記録媒体との離間距離(ワーキングディスタンス)を短く設定する必要がある。したがって、高密度の情報記録媒体に対応した今日の記録再生装置では、対物レンズと情報記録媒体との離間距離が従来の記録再生装置と比較して格段に短く設定されている。
【0003】
一方、対物レンズと情報記録媒体との離間距離を短くするほど、例えばフォーカシングに失敗したときや記録再生装置に衝撃が加わったときに、対物レンズと情報記録媒体とが接触する可能性が高くなる。このため、対物レンズと情報記録媒体との接触による両者の破損を防止するために、近年の記録再生装置では、対物レンズの周囲にレンズプロテクターを配設した光ピックアップ装置が採用されている。この種の光ピックアップ装置として、特開2002−222535号公報には、対物レンズ(16)と、その端面にレンズプロテクターとしてのコーティング層(24)が形成されて対物レンズを保持するレンズホルダ(21)とを備えた光ピックアップ装置(第1の実施の形態に係る光学ピックアップ装置:4)が開示されている。この光ピックアップ装置では、対物レンズの出射面よりも情報記録媒体側に突出すると共に対物レンズの周囲を取り囲むようにしてコーティング層が平坦に形成されている。したがって、たとえフォーカシングに失敗したり記録再生装置に衝撃が加わったりしたとしても、コーティング層と情報記録媒体とが接触するだけで、対物レンズと情報記録媒体との接触が回避されるため、両者の破損が防止される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−222535号公報(第6−11頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の光ピックアップ装置には、以下の問題点がある。すなわち、この光学ピックアップ装置では、レンズホルダのコーティング層が平坦に形成されている。一方、CDやDVDなどの情報記録媒体は、一般的に素手で取り扱われる(触れられる)ため、その情報面側の表面に指紋(指先に付着した油脂)などの汚れが付着することがある。この場合、コーティング層と情報記録媒体の表面とが接触した際には、情報記録媒体に付着していた汚れがコーティング層に付着し、これが繰り返されたときには、コーティング層に汚れが堆積する。この状態のコーティング層に汚れがさらに付着した際には、コーティング層が平坦のため、堆積した汚れが対物レンズ側に次第に押し出されることとなる。この結果、対物レンズに汚れが付着してレーザー光の照射が妨げられるため、データの書き込み時および読み出し時にエラーが発生する可能性があるという問題点が存在する。特に、ブルーレイディスクの様な離間距離の短い(狭い)情報記録媒体では、深刻な問題となる。
【0006】
この場合、コーティング層上のゴミ等が対物レンズ側に吹き飛ばされるのを防止するために、上記した特開2002−222535号公報には、コーティング層(レンズホルダの端面)のうち、少なくとも情報記録媒体の回転に対して対物レンズの上流側や下流側に位置する部分に30μm程度の段差を設けた光ピックアップ装置(第2〜8の実施の形態に係る光学ピックアップ装置)が開示されている。しかしながら、指紋などの汚れはその大きさ(高さ)が30μmを超えることがあるため、このような汚れが付着した情報記録媒体とコーティング層(レンズホルダの端面)とが接触した際には、依然として対物レンズに汚れが付着するおそれがある。したがって、この光ピックアップ装置によっても対物レンズへの汚れの付着を防止するのは困難である。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、対物レンズへの汚れの付着を防止し得る光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置を提供することを主目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係る光ピックアップ装置は、情報記録および情報再生の少なくとも一方を行うためのレーザー光を集光して情報記録媒体の情報面に出射する対物レンズと、当該対物レンズを保持するレンズホルダと、その先端面が前記対物レンズよりも前記レーザー光の出射側に突出した状態で当該対物レンズを取り囲むようにして前記レンズホルダに配設されると共に当該対物レンズの外周に沿った円形状または円弧状の溝が当該先端面に形成された筒状のレンズプロテクターとを備えている。
【0009】
この場合、前記先端面のうちの前記情報記録媒体の回転に対して前記対物レンズの上流側に位置する部分および下流側に位置する部分の少なくとも一方に前記溝を形成するのが好ましい。
【0010】
また、前記対物レンズを取り囲むようにして前記先端面の全周に亘って前記溝を形成するのが好ましい。
【0011】
また、前記溝の底部に連通する孔をその外周面またはその底面に形成して前記レンズプロテクターを構成するのが好ましい。
【0012】
さらに、前記先端面のうちの前記溝の外周側が当該溝の内周側よりも前記レーザー光の出射側に突出するように前記レンズプロテクターを形成するのが好ましい。
【0013】
また、前記レンズプロテクターの内周面と前記対物レンズの縁部との間に隙間を設けるのが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る記録装置は、上記の光ピックアップ装置を備えて構成されている。
【0015】
また、本発明に係る再生装置は、上記の光ピックアップ装置を備えて構成されている。
【0016】
また、本発明に係る記録再生装置は、上記の光ピックアップ装置を備えて構成されている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る光ピックアップ装置および記録再生装置の好適な実施の形態について説明する。
【0018】
図1に示す記録再生装置1は、CD、DVDおよびブルーレイディスク(Blu−ray Disc:BD)などの情報記録媒体(光記録媒体)Dに対する情報記録および情報再生を実行可能に構成されている。具体的には、記録再生装置1は、制御部2、スピンドルモータ3、スライド機構4および光ピックアップ装置5を備えて構成されている。制御部2は、各種制御信号S1を出力することによってスピンドルモータ3、スライド機構4および光ピックアップ装置5を制御する。また、制御部2は、光ピックアップ装置5から出力された検出信号S2を入力して、情報記録媒体Dに記録されている各種の情報D1を取得すると共に、その情報D1を例えば記録再生装置1の外部に出力する。スピンドルモータ3は、そのモータ軸に回転可能に取り付けられたターンテーブル31を制御部2の制御に従って回転させる。この場合、ターンテーブル31は、情報記録媒体Dを保持(チャッキング)可能に構成されて、スピンドルモータ3によって所定の回転速度で回転させられる。スライド機構4は、スライド板41を備えて構成され、制御部2の制御下でスライド板41、およびスライド板41に固定された光ピックアップ装置5をトラッキング方向(ターンテーブル31に保持された情報記録媒体Dの半径方向)にスライド(移動)させる。
【0019】
光ピックアップ装置5は、図2に示すように、レーザー光源51、コリメータレンズ52、ビームスプリッタ53、1/4波長板54、対物レンズユニット55、アクチュエータ56、集光レンズ57および光検出器58を備えて構成されている。また、光ピックアップ装置5は、スライド板41に固定されて、スライド機構4によってトラッキング方向に移動させられる。レーザー光源51は、制御部2の制御下で図外のレーザードライブ回路によって駆動させられて、情報記録用または情報再生用のレーザー光L1を出射する。コリメータレンズ52は、レーザー光L1を平行光に変換する。ビームスプリッタ53は、レーザー光L1を透過させると共に、情報記録媒体Dに照射したレーザー光L1の反射光L2を集光レンズ57に向けて反射する。1/4波長板54は、レーザー光L1を直線偏光から円偏向に変換すると共に、反射光L2を円偏向から直線偏光に変換する。
【0020】
対物レンズユニット55は、図3,4に示すように、対物レンズ61、レンズホルダ62およびレンズプロテクター63を備えて構成されている。また、対物レンズユニット55は、アクチュエータ56によってトラッキング方向およびフォーカシング方向(ターンテーブル31上の情報記録媒体Dに対して接離する方向)に微少移動させられる。対物レンズ61は、図3に示すように、レンズホルダ62に固定されて、1/4波長板54を透過したレーザー光L1を集光して情報記録媒体Dの情報面(図示せず)に小スポット径で照射(出射)する。また、対物レンズ61は、その直径がレンズホルダ62の先端部62cとほぼ同径に形成されると共に、その開口数が例えば0.85程度に形成されている。レンズホルダ62は、図3,4に示すように、それぞれ円筒状の基端部62a、中間部62bおよび先端部62cで一体的に形成され、全体として段付きの円筒状に構成されている。この場合、基端部62aは、例えば、その外径がレンズプロテクター63の外径とほぼ等しく形成されている。また、中間部62bは、その内径が基端部62aの内径と等しく形成されると共に、その外径が基端部62aの外径よりも短く、かつレンズプロテクター63の内径よりもやや小径に形成されて、基端部62a上に同軸となるように形成されている。さらに、先端部62cは、その内径が中間部62bの内径と等しく形成されると共に、その外径が中間部62bの外径よりも短く、かつレンズプロテクター63の内径よりも例えば60μm程度小径に形成されて、中間部62b上に同軸となるように形成されている。また、先端部62cには、対物レンズ61の縁部が載置された状態で固定されている。なお、対物レンズ61は、その上面(情報記録媒体D側のレンズ面)とターンテーブル31に保持された状態の情報記録媒体Dとが110μm程度離間するように、レンズホルダ62によって保持調整されている。
【0021】
レンズプロテクター63は、図3,4に示すように、全体として円筒状に形成され、レンズホルダ62の中間部62bの外周に嵌め合わされて(外嵌されて)、例えば接着剤によって固定されている。また、レンズプロテクター63は、その先端面(図3,4では上面)に溝63cが形成されている。この場合、溝63cは、情報記録媒体D上の指紋等の汚れ71(図5参照)がレンズプロテクター63の先端面に堆積した状態において、対物レンズ61への汚れ71の付着を防止するトラップ用溝として機能し、対物レンズ61の外周に沿ってレンズプロテクター63の先端面に形成されている。また、溝63cは、対物レンズ61を取り囲むようにして平面視が円形状または円弧状(一例として、この対物レンズユニット55では、平面視円形状)に形成されている。また、このレンズプロテクター63では、図3に示すように、先端面のうちの溝63cよりも内周側の内周側先端面63aが対物レンズ61の上面(レンズ面)に対して例えば15μm程度上方(情報記録媒体D側、つまりレーザー光L1の出射側)に突出するように形成され、かつ溝63cよりも外周側の外周側先端面63bが内周側先端面63aに対して例えば15μm程度上方に突出するように形成されている。この場合、内周側先端面63aおよび外周側先端面63bには、情報記録媒体Dの情報面側の表面に形成されている樹脂層よりも軟質で、かつ潤滑性に優れた例えばフッ素系樹脂によるコーティング処理が施されている。また、レンズプロテクター63は、図3,4に示すように、溝63cの底部に連通する複数の孔63d,63d・・がその外周面63eに形成されて構成されている。また、この対物レンズユニット55では、レンズホルダ62における先端部62cの外径がレンズプロテクター63の内径よりも60μm程度小径に形成されているため、図3に示すように、先端部62cの外周面とレンズプロテクター63の内周面との間、つまりレンズプロテクター63の内周面と対物レンズ61の縁部との間には、その幅が30μm程度の隙間64が形成されている。
【0022】
アクチュエータ56は、制御部2の制御下で対物レンズユニット55をトラッキング方向およびフォーカシング方向に微少移動させる。集光レンズ57は、反射光L2を集光する。光検出器58は、集光レンズ57によって集光された反射光L2を受光して検出信号S2を出力する。
【0023】
次に、記録再生装置1の全体的な動作について、図1,2を参照して説明する。
【0024】
この記録再生装置1では、ターンテーブル31に情報記録媒体Dをセットした(保持させた)際に、制御部2が、スピンドルモータ3およびスライド機構4に制御信号S1をそれぞれ出力する。これに応じて、スピンドルモータ3がターンテーブル31を所定の回転速度で回転させることにより、情報記録媒体Dがターンテーブル31の回転に応じて回転させられる。また、スライド機構4は、情報記録媒体Dの最内周部におけるリードインエリアに対してレーザー光L1を照射可能な位置に光ピックアップ装置5を移動させる。次に、制御部2は、光ピックアップ装置5に制御信号S1を出力することにより、レーザー光源51に対してレーザー光L1を出射させると共に、アクチュエータ56を駆動してトラッキングおよびフォーカシングを制御する。
【0025】
この際に、レーザー光源51から出射されたレーザー光L1は、コリメータレンズ52によって平行光に変換されてビームスプリッタ53および1/4波長板54を透過した後に、対物レンズユニット55の対物レンズ61によって集光されて情報記録媒体Dの情報面(この場合、リードインエリア)に照射される。次に、情報記録媒体Dの情報面で反射したレーザー光L1の反射光L2が、対物レンズ61および1/4波長板54を経由して戻ってビームスプリッタ53によって反射された後に、集光レンズ57によって集光されて光検出器58に入射する。次いで、光検出器58は、入射した反射光L2を光電変換して検出信号S2を出力する。続いて、制御部2は、検出信号S2に基づいてリードインエリアに記録されている例えばTOC(table of contents )等のインデックス情報を取得する。
【0026】
次に、例えば再生を指示する指示信号を入力した際には、制御部2は、指示された情報が記録されたトラックを特定すると共に、スライド機構4に対して、特定したトラックにレーザー光L1を照射可能な位置に光ピックアップ装置5を移動させる。次いで、上記の動作と同様にして、光ピックアップ装置5が検出信号S2を出力する。続いて、制御部2は、検出信号S2に基づく情報D1を例えば記録再生装置1の外部に出力する。これにより、情報記録媒体Dに記録されている情報D1が再生される。
【0027】
一方、情報記録媒体Dに情報D1を記録する際には、制御部2は、上記した動作と同様にして、制御信号S1を出力することにより、スピンドルモータ3、スライド機構4および光ピックアップ装置5の動作を制御する。この場合、制御部2は、例えば記録再生装置1の外部から入力した情報D1を記録用の信号S3に変換した後に光ピックアップ装置5(レーザードライブ回路)に出力して、レーザー光源51に対して情報D1に応じたレーザー光L1を出射させる。これにより、情報記録媒体Dに情報D1が記録される。
【0028】
次に、情報記録媒体Dに対する情報再生や情報記録の実行時における記録再生装置1の動作について、対物レンズユニット55において発生する事象を中心にして、図面を参照して説明する。
【0029】
例えば、情報再生や情報記録の実行中に記録再生装置1に衝撃が加わったときには、情報記録媒体Dが傾いたり対物レンズユニット55が振動したりして、光ピックアップ装置5の対物レンズユニット55と情報記録媒体Dとが接触することがある。この場合、対物レンズユニット55におけるレンズプロテクター63の内周側先端面63aおよび外周側先端面63bが対物レンズ61の上面(レンズ面)よりも情報記録媒体D側(レーザー光L1の出射側)に突出しているため、内周側先端面63aおよび外周側先端面63bと情報記録媒体Dとが接触するだけで、対物レンズ61と情報記録媒体Dとの接触が回避される。また、内周側先端面63aおよび外周側先端面63bの表面が樹脂層よりも軟質の材料でコーティングされているため、情報記録媒体Dの表面(樹脂層)の破壊や傷つきが回避される。
【0030】
一方、情報記録媒体Dは一般的に素手で取り扱われるため、その表面に指紋等の汚れ71(図5参照)が付着していることが多い。このような情報記録媒体Dの情報再生や情報記録の実行中に対物レンズユニット55と情報記録媒体Dとが接触した際には、図5に示すように、レンズプロテクター63の外周側先端面63bのうちの情報記録媒体Dの回転(同図に示す方向Rの回転)に対して対物レンズ61の上流側に位置する部分(同図では右側の部分)に汚れ71が付着する。また、図6に示すように、例えばレンズプロテクター63の外周側先端面63bのうちの情報記録媒体Dの回転に対して対物レンズ61の下流側に位置する部分(同図では左側の部分)に近づくように情報記録媒体Dが傾斜した際には、その下流側に位置する部分に汚れ71が付着する。この場合、外周側先端面63bが内周側先端面63aよりも15μm程度上方に突出しているため、内周側先端面63aへの汚れ71の付着が回避される。
【0031】
一方、対物レンズユニット55がスライド機構4によってトラッキング方向に移動させられている際に、対物レンズユニット55と情報記録媒体Dとが接触したときには、レンズプロテクター63の外周側先端面63bにおける情報記録媒体Dの中心部側または外周側の部位に汚れ71が付着する。さらに、付着している汚れ71が大きい(上下方向に長い)ときには、レンズプロテクター63と情報記録媒体Dとが僅かに近接したときにも、汚れ71が外周側先端面63bに付着する。また、付着している汚れ71がさらに大きい(上下方向にさらに長い)ときには、レンズプロテクター63と情報記録媒体Dとが通常時の離間距離(この場合、120μm程度)で離間している状態であっても、汚れ71が外周側先端面63bに付着する。
【0032】
以上のようにして汚れ71が付着したときであっても、汚れ71の付着量が少ない段階では、その汚れ71が外周側先端面63bに付着している状態に止まっている。一方、図5に示す状態から汚れ71の付着量がさらに増加したときには、レンズプロテクター63の外周側先端面63bが徐々に堆積する汚れ71によって覆われる。このような状態のレンズプロテクター63に汚れ71がさらに付着したときには、図7に示すように、汚れ71が外周側先端面63bの内周側に押し出される。この場合、外周側先端面63bの内周側に溝63cが形成されているため、汚れ71は、対物レンズ61に付着することなく溝63cに流れ込んで(入り込んで)トラップされる。したがって、対物レンズ61への汚れ71の付着が防止されるため、レーザー光L1の照射や反射光L2の戻り(光検出器58への入射)が阻害される事態が防止される結果、再生エラーや記録エラーの発生が防止される。
【0033】
また、図7に示す状態から汚れ71がさらに付着した際には、汚れ71は、図8に示すように、溝63cの底部に連通して形成されている孔63dに流れ込む。この場合、溝63cが埋め尽くされるまで汚れ71が付着したとしても、孔63dを通って外周面63eからレンズプロテクター63の外部に汚れ71が排出されるため、対物レンズ61への汚れ71の付着が長期に亘って防止される。また、対物レンズ61の縁部とレンズプロテクター63との間に隙間64が形成されているため、図9に示すように、例えば孔63dに汚れ71が詰まって溝63cから汚れ71が溢れ出たとしても、溢れ出た汚れ71が隙間64に流れ込んでトラップされる。なお、図6に示す状態から汚れ71がさらに付着した際にも、上記の事象と同じようにして、汚れ71の溝63cへの流れ込み、孔63dを通っての排出、および隙間64への流れ込みの事象が発生して、汚れ71がトラップされる。
【0034】
この場合、衝突試験装置を用いて、人工的な汚れ71(人工指紋)が付着した情報記録媒体Dを対物レンズユニット55に50回接触(衝突)させて、その後に、対物レンズユニット55の状態を顕微鏡で観察した。この結果、外周側先端面63bに汚れ71の付着を確認すると共に、溝63cによる汚れ71のトラップを確認した。一方、対物レンズ61には、汚れ71の付着を確認できなかった。以上の結果から、レンズプロテクター63に溝63cを形成したことによって対物レンズ61への汚れ71の付着を防止できるのが明らかである。
【0035】
このように、この光ピックアップ装置5および記録再生装置1によれば、対物レンズ61よりもレーザー光L1の出射側に突出した状態で対物レンズ61を取り囲むようにしてレンズホルダ62に配設されたレンズプロテクター63の先端面に溝63cを形成したことにより、指紋などの汚れ71が表面に付着している情報記録媒体Dの情報再生や情報記録を数多く実行することによって汚れ71がレンズプロテクター63の外周側先端面63bに堆積したとしても、溝63cに汚れ71を流れ込ませてトラップすることができるため、対物レンズ61への汚れ71の付着を防止することができる。したがって、レーザー光L1の照射や反射光L2の戻りが阻害される事態を防止することができる結果、再生エラーや記録エラーの発生を防止することができる。
【0036】
また、対物レンズ61を取り囲むようにしてレンズプロテクター63の先端面の全周に亘って溝63cを形成したことにより、汚れ71がどの方向から付着して堆積したとしても、溝63cに汚れ71を流れ込ませてトラップすることができる。
【0037】
また、溝63cの底部に連通する孔63dをレンズプロテクター63の外周面63eに形成したことにより、溝63cが埋め尽くされるまで汚れ71が付着したとしても、孔63dを通して外周面63eからレンズプロテクター63の外部に汚れ71を排出することができるため、対物レンズ61への汚れ71の付着を一層長期に亘って防止することができる。
【0038】
さらに、外周側先端面63bが内周側先端面63aよりもレーザー光L1の出射側に突出するようにレンズプロテクター63を形成したことにより、例えば外周側先端面63bのうちの情報記録媒体Dの回転に対して対物レンズ61の下流側に位置する部分に近づくように情報記録媒体Dが傾斜している状態において、その下流側における内周側先端面63aへの汚れ71の付着が回避されて外周側先端面63bに汚れ71が付着するため、汚れ71が堆積したとしても、汚れ71を溝63cに流れ込ませて確実にトラップすることができる。
【0039】
また、レンズプロテクター63の内周面と対物レンズ61の縁部との間に隙間64を設けたことにより、溝63cから溢れ出た汚れ71を隙間64に流れ込ませてトラップすることができるため、たとえ孔63dに汚れ71が詰まったとしても、対物レンズ61への汚れ71の付着をさらに長期に亘って防止することができる。
【0040】
なお、本発明は、上記した発明の実施の形態に限定されない、例えば上記した発明の実施の形態では、レンズプロテクター63を円筒状に形成した例について説明したが、これに限定されず、楕円形や多角形の筒状に形成したレンズプロテクターを採用することもできる。また、レンズプロテクター63とレンズホルダ62とを一体に形成することもできる。この場合、溝63cの底部に連通する孔63dを一体化したレンズホルダ(レンズプロテクター)の底面に形成することもできる。
【0041】
また、上記した発明の実施の形態では、対物レンズ61を取り囲むようにして平面視円形状(リング状)の溝63cをレンズプロテクター63に形成した例について説明したが、例えば平面視円弧状の溝を1または複数形成することもできる。この場合、レンズプロテクター63の先端面のうちの少なくとも情報記録媒体Dの回転に対して対物レンズ61の上流側に位置する部分にこの溝を形成することにより、主として、その上流側からの付着によって堆積する汚れ71の対物レンズ61への付着を防止することができる。また、レンズプロテクター63の先端面のうちの少なくとも情報記録媒体Dの回転に対して対物レンズ61の下流側に位置する部分にこの溝を形成することにより、例えば外周側先端面63bのうちの情報記録媒体Dの回転に対して対物レンズ61の下流側に位置する部分に近づくように情報記録媒体Dが傾斜している状態において、その下流側における内周側先端面63aへの汚れ71の付着が回避されて外周側先端面63bに汚れ71が付着するため、汚れ71が堆積したとしても、汚れ71を溝63cに流れ込ませて確実にトラップすることができる。また、上記した発明の実施の形態では、情報記録媒体Dに対する情報記録および情報再生の双方を実行可能な記録再生装置1を例に挙げて説明したが、情報記録専用の記録装置および情報再生専用の再生装置に光ピックアップ装置5を備えて構成することもできる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置によれば、その先端面が対物レンズよりもレーザー光の出射側に突出した状態で対物レンズを取り囲むようにしてレンズホルダに配設されると共に対物レンズの外周に沿った円形状または円弧状の溝が先端面に形成された筒状のレンズプロテクターを備えたことにより、指紋などの汚れが表面に付着している情報記録媒体の情報再生や情報記録を数多く実行することによって汚れがレンズプロテクターの先端面に堆積したとしても、溝に汚れを流れ込ませてトラップすることができるため、対物レンズへの汚れの付着を防止することができる。したがって、レーザー光の照射や反射光の戻りが阻害される事態を防止することができる結果、再生エラーや記録エラーの発生を防止することができる。
【0043】
また、本発明に係る光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置によれば、レンズプロテクターの先端面における情報記録媒体の回転方向の上流側に溝を形成することにより、主として、その上流側からの付着によって堆積する汚れの対物レンズへの付着を防止することができる。また、先端面における回転方向の下流側に溝を形成することにより、例えば先端面のうちの情報記録媒体の回転に対して対物レンズの下流側に位置する部分に近づくように情報記録媒体が傾斜している状態において、その下流側における先端面に汚れが付着するため、汚れが堆積したとしても、汚れを溝に流れ込ませて確実にトラップすることができる。
【0044】
また、本発明に係る光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置によれば、対物レンズを取り囲むようにして先端面の全周に亘って溝を形成したことにより、汚れがどの方向から付着して堆積したとしても、溝に汚れを流れ込ませてトラップすることができる。
【0045】
さらに、本発明に係る光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置によれば、溝の底部に連通する孔をレンズプロテクターの外周面またはその底面に形成したことにより、溝が埋め尽くされるまで汚れが付着したとしても、孔を通して外周面または底面からレンズプロテクタの外部に汚れを排出することができるため、対物レンズへの汚れの付着を一層長期に亘って防止することができる。
【0046】
また、本発明に係る光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置によれば、先端面のうちの溝の外周側が溝の内周側よりもレーザー光の出射側に突出するようにレンズプロテクターを形成したことにより、例えば先端面のうちの情報記録媒体の回転に対して対物レンズの下流側に位置する部分に近づくように情報記録媒体が傾斜している状態において、その下流側における内周側の先端面への汚れの付着が回避されて外周側の先端面に汚れが付着するため、汚れが堆積したとしても、汚れを溝に流れ込ませて確実にトラップすることができる。
【0047】
また、本発明に係る光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置によれば、レンズプロテクターの内周面と対物レンズの縁部との間に隙間を設けたことにより、溝から溢れ出た汚れを隙間に流れ込ませてトラップすることができるため、たとえ孔に汚れが詰まったとしても、対物レンズへの汚れの付着をさらに長期に亘って防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る記録再生装置1の構成を示す構成図である。
【図2】光ピックアップ装置5の構成を示す構成図である。
【図3】光ピックアップ装置5における対物レンズユニット55の構成を示す断面図である。
【図4】対物レンズユニット55の構成を示す分解斜視図である。
【図5】情報記録媒体D上の汚れ71が対物レンズユニット55に付着した状態の断面図である。
【図6】傾斜した情報記録媒体Dが対物レンズユニット55に接触した状態の断面図である。
【図7】対物レンズユニット55におけるレンズプロテクター63の溝63cに汚れ71が堆積した状態の断面図である。
【図8】レンズプロテクター63の孔63dを通ってレンズプロテクター63の外部に汚れ71が排出されている状態の断面図である。
【図9】孔63dに汚れ71が詰まって溝63cから溢れ出た汚れ71が隙間64に流れ込んでいる状態の断面図である。
【符号の説明】
1 記録再生装置
5 光ピックアップ装置
55 対物レンズユニット
61 対物レンズ
62 レンズホルダ
62a 基端部
62b 中間部
62c 先端部
63 レンズプロテクター
63a 内周側先端面
63b 外周側先端面
63c 溝
63d 孔
63e 外周面
64 隙間
D 情報記録媒体
L1 レーザー光
R 方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光を集光して情報記録媒体の情報面に出射する対物レンズと、その対物レンズを保持するレンズホルダと、そのレンズホルダに配設されたレンズプロテクターとを備えた光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CD、DVDおよびブルーレイディスク(Blu−ray Disc:BD)等の情報記録媒体(光記録媒体)用の記録再生装置は、一般的に、情報記録媒体の情報面にレーザー光を照射するための光ピックアップ装置を備えて構成されている。一方、情報記録媒体の高密度化を実現するためには、レーザー光のスポット径を小径にすることが不可欠となる。このため、今日における記録再生装置の光ピックアップ装置には、レーザー光を集光するための対物レンズとして開口数の大きなレンズが採用されている。この場合、開口数を大きくするほど対物レンズと情報記録媒体との離間距離(ワーキングディスタンス)を短く設定する必要がある。したがって、高密度の情報記録媒体に対応した今日の記録再生装置では、対物レンズと情報記録媒体との離間距離が従来の記録再生装置と比較して格段に短く設定されている。
【0003】
一方、対物レンズと情報記録媒体との離間距離を短くするほど、例えばフォーカシングに失敗したときや記録再生装置に衝撃が加わったときに、対物レンズと情報記録媒体とが接触する可能性が高くなる。このため、対物レンズと情報記録媒体との接触による両者の破損を防止するために、近年の記録再生装置では、対物レンズの周囲にレンズプロテクターを配設した光ピックアップ装置が採用されている。この種の光ピックアップ装置として、特開2002−222535号公報には、対物レンズ(16)と、その端面にレンズプロテクターとしてのコーティング層(24)が形成されて対物レンズを保持するレンズホルダ(21)とを備えた光ピックアップ装置(第1の実施の形態に係る光学ピックアップ装置:4)が開示されている。この光ピックアップ装置では、対物レンズの出射面よりも情報記録媒体側に突出すると共に対物レンズの周囲を取り囲むようにしてコーティング層が平坦に形成されている。したがって、たとえフォーカシングに失敗したり記録再生装置に衝撃が加わったりしたとしても、コーティング層と情報記録媒体とが接触するだけで、対物レンズと情報記録媒体との接触が回避されるため、両者の破損が防止される。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−222535号公報(第6−11頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の光ピックアップ装置には、以下の問題点がある。すなわち、この光学ピックアップ装置では、レンズホルダのコーティング層が平坦に形成されている。一方、CDやDVDなどの情報記録媒体は、一般的に素手で取り扱われる(触れられる)ため、その情報面側の表面に指紋(指先に付着した油脂)などの汚れが付着することがある。この場合、コーティング層と情報記録媒体の表面とが接触した際には、情報記録媒体に付着していた汚れがコーティング層に付着し、これが繰り返されたときには、コーティング層に汚れが堆積する。この状態のコーティング層に汚れがさらに付着した際には、コーティング層が平坦のため、堆積した汚れが対物レンズ側に次第に押し出されることとなる。この結果、対物レンズに汚れが付着してレーザー光の照射が妨げられるため、データの書き込み時および読み出し時にエラーが発生する可能性があるという問題点が存在する。特に、ブルーレイディスクの様な離間距離の短い(狭い)情報記録媒体では、深刻な問題となる。
【0006】
この場合、コーティング層上のゴミ等が対物レンズ側に吹き飛ばされるのを防止するために、上記した特開2002−222535号公報には、コーティング層(レンズホルダの端面)のうち、少なくとも情報記録媒体の回転に対して対物レンズの上流側や下流側に位置する部分に30μm程度の段差を設けた光ピックアップ装置(第2〜8の実施の形態に係る光学ピックアップ装置)が開示されている。しかしながら、指紋などの汚れはその大きさ(高さ)が30μmを超えることがあるため、このような汚れが付着した情報記録媒体とコーティング層(レンズホルダの端面)とが接触した際には、依然として対物レンズに汚れが付着するおそれがある。したがって、この光ピックアップ装置によっても対物レンズへの汚れの付着を防止するのは困難である。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、対物レンズへの汚れの付着を防止し得る光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置を提供することを主目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明に係る光ピックアップ装置は、情報記録および情報再生の少なくとも一方を行うためのレーザー光を集光して情報記録媒体の情報面に出射する対物レンズと、当該対物レンズを保持するレンズホルダと、その先端面が前記対物レンズよりも前記レーザー光の出射側に突出した状態で当該対物レンズを取り囲むようにして前記レンズホルダに配設されると共に当該対物レンズの外周に沿った円形状または円弧状の溝が当該先端面に形成された筒状のレンズプロテクターとを備えている。
【0009】
この場合、前記先端面のうちの前記情報記録媒体の回転に対して前記対物レンズの上流側に位置する部分および下流側に位置する部分の少なくとも一方に前記溝を形成するのが好ましい。
【0010】
また、前記対物レンズを取り囲むようにして前記先端面の全周に亘って前記溝を形成するのが好ましい。
【0011】
また、前記溝の底部に連通する孔をその外周面またはその底面に形成して前記レンズプロテクターを構成するのが好ましい。
【0012】
さらに、前記先端面のうちの前記溝の外周側が当該溝の内周側よりも前記レーザー光の出射側に突出するように前記レンズプロテクターを形成するのが好ましい。
【0013】
また、前記レンズプロテクターの内周面と前記対物レンズの縁部との間に隙間を設けるのが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る記録装置は、上記の光ピックアップ装置を備えて構成されている。
【0015】
また、本発明に係る再生装置は、上記の光ピックアップ装置を備えて構成されている。
【0016】
また、本発明に係る記録再生装置は、上記の光ピックアップ装置を備えて構成されている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る光ピックアップ装置および記録再生装置の好適な実施の形態について説明する。
【0018】
図1に示す記録再生装置1は、CD、DVDおよびブルーレイディスク(Blu−ray Disc:BD)などの情報記録媒体(光記録媒体)Dに対する情報記録および情報再生を実行可能に構成されている。具体的には、記録再生装置1は、制御部2、スピンドルモータ3、スライド機構4および光ピックアップ装置5を備えて構成されている。制御部2は、各種制御信号S1を出力することによってスピンドルモータ3、スライド機構4および光ピックアップ装置5を制御する。また、制御部2は、光ピックアップ装置5から出力された検出信号S2を入力して、情報記録媒体Dに記録されている各種の情報D1を取得すると共に、その情報D1を例えば記録再生装置1の外部に出力する。スピンドルモータ3は、そのモータ軸に回転可能に取り付けられたターンテーブル31を制御部2の制御に従って回転させる。この場合、ターンテーブル31は、情報記録媒体Dを保持(チャッキング)可能に構成されて、スピンドルモータ3によって所定の回転速度で回転させられる。スライド機構4は、スライド板41を備えて構成され、制御部2の制御下でスライド板41、およびスライド板41に固定された光ピックアップ装置5をトラッキング方向(ターンテーブル31に保持された情報記録媒体Dの半径方向)にスライド(移動)させる。
【0019】
光ピックアップ装置5は、図2に示すように、レーザー光源51、コリメータレンズ52、ビームスプリッタ53、1/4波長板54、対物レンズユニット55、アクチュエータ56、集光レンズ57および光検出器58を備えて構成されている。また、光ピックアップ装置5は、スライド板41に固定されて、スライド機構4によってトラッキング方向に移動させられる。レーザー光源51は、制御部2の制御下で図外のレーザードライブ回路によって駆動させられて、情報記録用または情報再生用のレーザー光L1を出射する。コリメータレンズ52は、レーザー光L1を平行光に変換する。ビームスプリッタ53は、レーザー光L1を透過させると共に、情報記録媒体Dに照射したレーザー光L1の反射光L2を集光レンズ57に向けて反射する。1/4波長板54は、レーザー光L1を直線偏光から円偏向に変換すると共に、反射光L2を円偏向から直線偏光に変換する。
【0020】
対物レンズユニット55は、図3,4に示すように、対物レンズ61、レンズホルダ62およびレンズプロテクター63を備えて構成されている。また、対物レンズユニット55は、アクチュエータ56によってトラッキング方向およびフォーカシング方向(ターンテーブル31上の情報記録媒体Dに対して接離する方向)に微少移動させられる。対物レンズ61は、図3に示すように、レンズホルダ62に固定されて、1/4波長板54を透過したレーザー光L1を集光して情報記録媒体Dの情報面(図示せず)に小スポット径で照射(出射)する。また、対物レンズ61は、その直径がレンズホルダ62の先端部62cとほぼ同径に形成されると共に、その開口数が例えば0.85程度に形成されている。レンズホルダ62は、図3,4に示すように、それぞれ円筒状の基端部62a、中間部62bおよび先端部62cで一体的に形成され、全体として段付きの円筒状に構成されている。この場合、基端部62aは、例えば、その外径がレンズプロテクター63の外径とほぼ等しく形成されている。また、中間部62bは、その内径が基端部62aの内径と等しく形成されると共に、その外径が基端部62aの外径よりも短く、かつレンズプロテクター63の内径よりもやや小径に形成されて、基端部62a上に同軸となるように形成されている。さらに、先端部62cは、その内径が中間部62bの内径と等しく形成されると共に、その外径が中間部62bの外径よりも短く、かつレンズプロテクター63の内径よりも例えば60μm程度小径に形成されて、中間部62b上に同軸となるように形成されている。また、先端部62cには、対物レンズ61の縁部が載置された状態で固定されている。なお、対物レンズ61は、その上面(情報記録媒体D側のレンズ面)とターンテーブル31に保持された状態の情報記録媒体Dとが110μm程度離間するように、レンズホルダ62によって保持調整されている。
【0021】
レンズプロテクター63は、図3,4に示すように、全体として円筒状に形成され、レンズホルダ62の中間部62bの外周に嵌め合わされて(外嵌されて)、例えば接着剤によって固定されている。また、レンズプロテクター63は、その先端面(図3,4では上面)に溝63cが形成されている。この場合、溝63cは、情報記録媒体D上の指紋等の汚れ71(図5参照)がレンズプロテクター63の先端面に堆積した状態において、対物レンズ61への汚れ71の付着を防止するトラップ用溝として機能し、対物レンズ61の外周に沿ってレンズプロテクター63の先端面に形成されている。また、溝63cは、対物レンズ61を取り囲むようにして平面視が円形状または円弧状(一例として、この対物レンズユニット55では、平面視円形状)に形成されている。また、このレンズプロテクター63では、図3に示すように、先端面のうちの溝63cよりも内周側の内周側先端面63aが対物レンズ61の上面(レンズ面)に対して例えば15μm程度上方(情報記録媒体D側、つまりレーザー光L1の出射側)に突出するように形成され、かつ溝63cよりも外周側の外周側先端面63bが内周側先端面63aに対して例えば15μm程度上方に突出するように形成されている。この場合、内周側先端面63aおよび外周側先端面63bには、情報記録媒体Dの情報面側の表面に形成されている樹脂層よりも軟質で、かつ潤滑性に優れた例えばフッ素系樹脂によるコーティング処理が施されている。また、レンズプロテクター63は、図3,4に示すように、溝63cの底部に連通する複数の孔63d,63d・・がその外周面63eに形成されて構成されている。また、この対物レンズユニット55では、レンズホルダ62における先端部62cの外径がレンズプロテクター63の内径よりも60μm程度小径に形成されているため、図3に示すように、先端部62cの外周面とレンズプロテクター63の内周面との間、つまりレンズプロテクター63の内周面と対物レンズ61の縁部との間には、その幅が30μm程度の隙間64が形成されている。
【0022】
アクチュエータ56は、制御部2の制御下で対物レンズユニット55をトラッキング方向およびフォーカシング方向に微少移動させる。集光レンズ57は、反射光L2を集光する。光検出器58は、集光レンズ57によって集光された反射光L2を受光して検出信号S2を出力する。
【0023】
次に、記録再生装置1の全体的な動作について、図1,2を参照して説明する。
【0024】
この記録再生装置1では、ターンテーブル31に情報記録媒体Dをセットした(保持させた)際に、制御部2が、スピンドルモータ3およびスライド機構4に制御信号S1をそれぞれ出力する。これに応じて、スピンドルモータ3がターンテーブル31を所定の回転速度で回転させることにより、情報記録媒体Dがターンテーブル31の回転に応じて回転させられる。また、スライド機構4は、情報記録媒体Dの最内周部におけるリードインエリアに対してレーザー光L1を照射可能な位置に光ピックアップ装置5を移動させる。次に、制御部2は、光ピックアップ装置5に制御信号S1を出力することにより、レーザー光源51に対してレーザー光L1を出射させると共に、アクチュエータ56を駆動してトラッキングおよびフォーカシングを制御する。
【0025】
この際に、レーザー光源51から出射されたレーザー光L1は、コリメータレンズ52によって平行光に変換されてビームスプリッタ53および1/4波長板54を透過した後に、対物レンズユニット55の対物レンズ61によって集光されて情報記録媒体Dの情報面(この場合、リードインエリア)に照射される。次に、情報記録媒体Dの情報面で反射したレーザー光L1の反射光L2が、対物レンズ61および1/4波長板54を経由して戻ってビームスプリッタ53によって反射された後に、集光レンズ57によって集光されて光検出器58に入射する。次いで、光検出器58は、入射した反射光L2を光電変換して検出信号S2を出力する。続いて、制御部2は、検出信号S2に基づいてリードインエリアに記録されている例えばTOC(table of contents )等のインデックス情報を取得する。
【0026】
次に、例えば再生を指示する指示信号を入力した際には、制御部2は、指示された情報が記録されたトラックを特定すると共に、スライド機構4に対して、特定したトラックにレーザー光L1を照射可能な位置に光ピックアップ装置5を移動させる。次いで、上記の動作と同様にして、光ピックアップ装置5が検出信号S2を出力する。続いて、制御部2は、検出信号S2に基づく情報D1を例えば記録再生装置1の外部に出力する。これにより、情報記録媒体Dに記録されている情報D1が再生される。
【0027】
一方、情報記録媒体Dに情報D1を記録する際には、制御部2は、上記した動作と同様にして、制御信号S1を出力することにより、スピンドルモータ3、スライド機構4および光ピックアップ装置5の動作を制御する。この場合、制御部2は、例えば記録再生装置1の外部から入力した情報D1を記録用の信号S3に変換した後に光ピックアップ装置5(レーザードライブ回路)に出力して、レーザー光源51に対して情報D1に応じたレーザー光L1を出射させる。これにより、情報記録媒体Dに情報D1が記録される。
【0028】
次に、情報記録媒体Dに対する情報再生や情報記録の実行時における記録再生装置1の動作について、対物レンズユニット55において発生する事象を中心にして、図面を参照して説明する。
【0029】
例えば、情報再生や情報記録の実行中に記録再生装置1に衝撃が加わったときには、情報記録媒体Dが傾いたり対物レンズユニット55が振動したりして、光ピックアップ装置5の対物レンズユニット55と情報記録媒体Dとが接触することがある。この場合、対物レンズユニット55におけるレンズプロテクター63の内周側先端面63aおよび外周側先端面63bが対物レンズ61の上面(レンズ面)よりも情報記録媒体D側(レーザー光L1の出射側)に突出しているため、内周側先端面63aおよび外周側先端面63bと情報記録媒体Dとが接触するだけで、対物レンズ61と情報記録媒体Dとの接触が回避される。また、内周側先端面63aおよび外周側先端面63bの表面が樹脂層よりも軟質の材料でコーティングされているため、情報記録媒体Dの表面(樹脂層)の破壊や傷つきが回避される。
【0030】
一方、情報記録媒体Dは一般的に素手で取り扱われるため、その表面に指紋等の汚れ71(図5参照)が付着していることが多い。このような情報記録媒体Dの情報再生や情報記録の実行中に対物レンズユニット55と情報記録媒体Dとが接触した際には、図5に示すように、レンズプロテクター63の外周側先端面63bのうちの情報記録媒体Dの回転(同図に示す方向Rの回転)に対して対物レンズ61の上流側に位置する部分(同図では右側の部分)に汚れ71が付着する。また、図6に示すように、例えばレンズプロテクター63の外周側先端面63bのうちの情報記録媒体Dの回転に対して対物レンズ61の下流側に位置する部分(同図では左側の部分)に近づくように情報記録媒体Dが傾斜した際には、その下流側に位置する部分に汚れ71が付着する。この場合、外周側先端面63bが内周側先端面63aよりも15μm程度上方に突出しているため、内周側先端面63aへの汚れ71の付着が回避される。
【0031】
一方、対物レンズユニット55がスライド機構4によってトラッキング方向に移動させられている際に、対物レンズユニット55と情報記録媒体Dとが接触したときには、レンズプロテクター63の外周側先端面63bにおける情報記録媒体Dの中心部側または外周側の部位に汚れ71が付着する。さらに、付着している汚れ71が大きい(上下方向に長い)ときには、レンズプロテクター63と情報記録媒体Dとが僅かに近接したときにも、汚れ71が外周側先端面63bに付着する。また、付着している汚れ71がさらに大きい(上下方向にさらに長い)ときには、レンズプロテクター63と情報記録媒体Dとが通常時の離間距離(この場合、120μm程度)で離間している状態であっても、汚れ71が外周側先端面63bに付着する。
【0032】
以上のようにして汚れ71が付着したときであっても、汚れ71の付着量が少ない段階では、その汚れ71が外周側先端面63bに付着している状態に止まっている。一方、図5に示す状態から汚れ71の付着量がさらに増加したときには、レンズプロテクター63の外周側先端面63bが徐々に堆積する汚れ71によって覆われる。このような状態のレンズプロテクター63に汚れ71がさらに付着したときには、図7に示すように、汚れ71が外周側先端面63bの内周側に押し出される。この場合、外周側先端面63bの内周側に溝63cが形成されているため、汚れ71は、対物レンズ61に付着することなく溝63cに流れ込んで(入り込んで)トラップされる。したがって、対物レンズ61への汚れ71の付着が防止されるため、レーザー光L1の照射や反射光L2の戻り(光検出器58への入射)が阻害される事態が防止される結果、再生エラーや記録エラーの発生が防止される。
【0033】
また、図7に示す状態から汚れ71がさらに付着した際には、汚れ71は、図8に示すように、溝63cの底部に連通して形成されている孔63dに流れ込む。この場合、溝63cが埋め尽くされるまで汚れ71が付着したとしても、孔63dを通って外周面63eからレンズプロテクター63の外部に汚れ71が排出されるため、対物レンズ61への汚れ71の付着が長期に亘って防止される。また、対物レンズ61の縁部とレンズプロテクター63との間に隙間64が形成されているため、図9に示すように、例えば孔63dに汚れ71が詰まって溝63cから汚れ71が溢れ出たとしても、溢れ出た汚れ71が隙間64に流れ込んでトラップされる。なお、図6に示す状態から汚れ71がさらに付着した際にも、上記の事象と同じようにして、汚れ71の溝63cへの流れ込み、孔63dを通っての排出、および隙間64への流れ込みの事象が発生して、汚れ71がトラップされる。
【0034】
この場合、衝突試験装置を用いて、人工的な汚れ71(人工指紋)が付着した情報記録媒体Dを対物レンズユニット55に50回接触(衝突)させて、その後に、対物レンズユニット55の状態を顕微鏡で観察した。この結果、外周側先端面63bに汚れ71の付着を確認すると共に、溝63cによる汚れ71のトラップを確認した。一方、対物レンズ61には、汚れ71の付着を確認できなかった。以上の結果から、レンズプロテクター63に溝63cを形成したことによって対物レンズ61への汚れ71の付着を防止できるのが明らかである。
【0035】
このように、この光ピックアップ装置5および記録再生装置1によれば、対物レンズ61よりもレーザー光L1の出射側に突出した状態で対物レンズ61を取り囲むようにしてレンズホルダ62に配設されたレンズプロテクター63の先端面に溝63cを形成したことにより、指紋などの汚れ71が表面に付着している情報記録媒体Dの情報再生や情報記録を数多く実行することによって汚れ71がレンズプロテクター63の外周側先端面63bに堆積したとしても、溝63cに汚れ71を流れ込ませてトラップすることができるため、対物レンズ61への汚れ71の付着を防止することができる。したがって、レーザー光L1の照射や反射光L2の戻りが阻害される事態を防止することができる結果、再生エラーや記録エラーの発生を防止することができる。
【0036】
また、対物レンズ61を取り囲むようにしてレンズプロテクター63の先端面の全周に亘って溝63cを形成したことにより、汚れ71がどの方向から付着して堆積したとしても、溝63cに汚れ71を流れ込ませてトラップすることができる。
【0037】
また、溝63cの底部に連通する孔63dをレンズプロテクター63の外周面63eに形成したことにより、溝63cが埋め尽くされるまで汚れ71が付着したとしても、孔63dを通して外周面63eからレンズプロテクター63の外部に汚れ71を排出することができるため、対物レンズ61への汚れ71の付着を一層長期に亘って防止することができる。
【0038】
さらに、外周側先端面63bが内周側先端面63aよりもレーザー光L1の出射側に突出するようにレンズプロテクター63を形成したことにより、例えば外周側先端面63bのうちの情報記録媒体Dの回転に対して対物レンズ61の下流側に位置する部分に近づくように情報記録媒体Dが傾斜している状態において、その下流側における内周側先端面63aへの汚れ71の付着が回避されて外周側先端面63bに汚れ71が付着するため、汚れ71が堆積したとしても、汚れ71を溝63cに流れ込ませて確実にトラップすることができる。
【0039】
また、レンズプロテクター63の内周面と対物レンズ61の縁部との間に隙間64を設けたことにより、溝63cから溢れ出た汚れ71を隙間64に流れ込ませてトラップすることができるため、たとえ孔63dに汚れ71が詰まったとしても、対物レンズ61への汚れ71の付着をさらに長期に亘って防止することができる。
【0040】
なお、本発明は、上記した発明の実施の形態に限定されない、例えば上記した発明の実施の形態では、レンズプロテクター63を円筒状に形成した例について説明したが、これに限定されず、楕円形や多角形の筒状に形成したレンズプロテクターを採用することもできる。また、レンズプロテクター63とレンズホルダ62とを一体に形成することもできる。この場合、溝63cの底部に連通する孔63dを一体化したレンズホルダ(レンズプロテクター)の底面に形成することもできる。
【0041】
また、上記した発明の実施の形態では、対物レンズ61を取り囲むようにして平面視円形状(リング状)の溝63cをレンズプロテクター63に形成した例について説明したが、例えば平面視円弧状の溝を1または複数形成することもできる。この場合、レンズプロテクター63の先端面のうちの少なくとも情報記録媒体Dの回転に対して対物レンズ61の上流側に位置する部分にこの溝を形成することにより、主として、その上流側からの付着によって堆積する汚れ71の対物レンズ61への付着を防止することができる。また、レンズプロテクター63の先端面のうちの少なくとも情報記録媒体Dの回転に対して対物レンズ61の下流側に位置する部分にこの溝を形成することにより、例えば外周側先端面63bのうちの情報記録媒体Dの回転に対して対物レンズ61の下流側に位置する部分に近づくように情報記録媒体Dが傾斜している状態において、その下流側における内周側先端面63aへの汚れ71の付着が回避されて外周側先端面63bに汚れ71が付着するため、汚れ71が堆積したとしても、汚れ71を溝63cに流れ込ませて確実にトラップすることができる。また、上記した発明の実施の形態では、情報記録媒体Dに対する情報記録および情報再生の双方を実行可能な記録再生装置1を例に挙げて説明したが、情報記録専用の記録装置および情報再生専用の再生装置に光ピックアップ装置5を備えて構成することもできる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置によれば、その先端面が対物レンズよりもレーザー光の出射側に突出した状態で対物レンズを取り囲むようにしてレンズホルダに配設されると共に対物レンズの外周に沿った円形状または円弧状の溝が先端面に形成された筒状のレンズプロテクターを備えたことにより、指紋などの汚れが表面に付着している情報記録媒体の情報再生や情報記録を数多く実行することによって汚れがレンズプロテクターの先端面に堆積したとしても、溝に汚れを流れ込ませてトラップすることができるため、対物レンズへの汚れの付着を防止することができる。したがって、レーザー光の照射や反射光の戻りが阻害される事態を防止することができる結果、再生エラーや記録エラーの発生を防止することができる。
【0043】
また、本発明に係る光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置によれば、レンズプロテクターの先端面における情報記録媒体の回転方向の上流側に溝を形成することにより、主として、その上流側からの付着によって堆積する汚れの対物レンズへの付着を防止することができる。また、先端面における回転方向の下流側に溝を形成することにより、例えば先端面のうちの情報記録媒体の回転に対して対物レンズの下流側に位置する部分に近づくように情報記録媒体が傾斜している状態において、その下流側における先端面に汚れが付着するため、汚れが堆積したとしても、汚れを溝に流れ込ませて確実にトラップすることができる。
【0044】
また、本発明に係る光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置によれば、対物レンズを取り囲むようにして先端面の全周に亘って溝を形成したことにより、汚れがどの方向から付着して堆積したとしても、溝に汚れを流れ込ませてトラップすることができる。
【0045】
さらに、本発明に係る光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置によれば、溝の底部に連通する孔をレンズプロテクターの外周面またはその底面に形成したことにより、溝が埋め尽くされるまで汚れが付着したとしても、孔を通して外周面または底面からレンズプロテクタの外部に汚れを排出することができるため、対物レンズへの汚れの付着を一層長期に亘って防止することができる。
【0046】
また、本発明に係る光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置によれば、先端面のうちの溝の外周側が溝の内周側よりもレーザー光の出射側に突出するようにレンズプロテクターを形成したことにより、例えば先端面のうちの情報記録媒体の回転に対して対物レンズの下流側に位置する部分に近づくように情報記録媒体が傾斜している状態において、その下流側における内周側の先端面への汚れの付着が回避されて外周側の先端面に汚れが付着するため、汚れが堆積したとしても、汚れを溝に流れ込ませて確実にトラップすることができる。
【0047】
また、本発明に係る光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置によれば、レンズプロテクターの内周面と対物レンズの縁部との間に隙間を設けたことにより、溝から溢れ出た汚れを隙間に流れ込ませてトラップすることができるため、たとえ孔に汚れが詰まったとしても、対物レンズへの汚れの付着をさらに長期に亘って防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る記録再生装置1の構成を示す構成図である。
【図2】光ピックアップ装置5の構成を示す構成図である。
【図3】光ピックアップ装置5における対物レンズユニット55の構成を示す断面図である。
【図4】対物レンズユニット55の構成を示す分解斜視図である。
【図5】情報記録媒体D上の汚れ71が対物レンズユニット55に付着した状態の断面図である。
【図6】傾斜した情報記録媒体Dが対物レンズユニット55に接触した状態の断面図である。
【図7】対物レンズユニット55におけるレンズプロテクター63の溝63cに汚れ71が堆積した状態の断面図である。
【図8】レンズプロテクター63の孔63dを通ってレンズプロテクター63の外部に汚れ71が排出されている状態の断面図である。
【図9】孔63dに汚れ71が詰まって溝63cから溢れ出た汚れ71が隙間64に流れ込んでいる状態の断面図である。
【符号の説明】
1 記録再生装置
5 光ピックアップ装置
55 対物レンズユニット
61 対物レンズ
62 レンズホルダ
62a 基端部
62b 中間部
62c 先端部
63 レンズプロテクター
63a 内周側先端面
63b 外周側先端面
63c 溝
63d 孔
63e 外周面
64 隙間
D 情報記録媒体
L1 レーザー光
R 方向
Claims (9)
- 情報記録および情報再生の少なくとも一方を行うためのレーザー光を集光して情報記録媒体の情報面に出射する対物レンズと、当該対物レンズを保持するレンズホルダと、その先端面が前記対物レンズよりも前記レーザー光の出射側に突出した状態で当該対物レンズを取り囲むようにして前記レンズホルダに配設されると共に当該対物レンズの外周に沿った円形状または円弧状の溝が当該先端面に形成された筒状のレンズプロテクターとを備えている光ピックアップ装置。
- 前記溝は、前記先端面のうちの前記情報記録媒体の回転に対して前記対物レンズの上流側に位置する部分および下流側に位置する部分の少なくとも一方に形成されている請求項1記載の光ピックアップ装置。
- 前記溝は、前記対物レンズを取り囲むようにして前記先端面の全周に亘って形成されている請求項1記載の光ピックアップ装置。
- 前記レンズプロテクターは、前記溝の底部に連通する孔がその外周面またはその底面に形成されている請求項1から3のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 前記レンズプロテクターは、前記先端面のうちの前記溝の外周側が当該溝の内周側よりも前記レーザー光の出射側に突出するように形成されている請求項1から4のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 前記レンズプロテクターの内周面と前記対物レンズの縁部との間に隙間が設けられている請求項1から5のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 請求項1から6のいずれかに記載の光ピックアップ装置を備えている記録装置。
- 請求項1から6のいずれかに記載の光ピックアップ装置を備えている再生装置。
- 請求項1から6のいずれかに記載の光ピックアップ装置を備えている記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003116803A JP2004326855A (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | 光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003116803A JP2004326855A (ja) | 2003-04-22 | 2003-04-22 | 光ピックアップ装置、記録装置、再生装置および記録再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004326855A true JP2004326855A (ja) | 2004-11-18 |
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100407307C (zh) * | 2004-11-30 | 2008-07-30 | 夏普株式会社 | 透镜支持机构、光学拾取头装置及记录重放装置 |
JP2009032301A (ja) * | 2007-07-24 | 2009-02-12 | Pioneer Electronic Corp | アクチュエータ装置および光ピックアップ装置 |
-
2003
- 2003-04-22 JP JP2003116803A patent/JP2004326855A/ja active Pending
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