JP2004326279A - 工程進捗度管理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】全期間の工数、物量消費及びコストの予定値と、一定期間の工数、物量消費及びコストの実績値とを入力させるデータ入力手段と、想定される全期間の工数、物量消費及びコストの複数種類の予定値と、想定される一定期間の工数、物量消費及びコストの複数種類の実績値とが記録され、複数種類の予定値と複数種類の実績値のそれぞれの間で比較を行い、比較結果のパターン毎にそれぞれの場合の最適な対処方法が記録されている見解データベースと、入力された予定値と実績値との比較を行うとともに、比較結果と見解データベースの各比較結果のパターンとを照合し、最も近似するパターンの最適な対処方法を得る見解所得手段と、最適な対処方法と入力値の比較結果とを表示する対処方法表示手段とを備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工程進捗度管理システムに係り、特に、建設工事等の進捗状態を示す工数、物量消化及びコストの累積計画値と累積実績値との差から工程の状態を診断し、原因分析と将来予測を行うのに好適な工程進捗度管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の進捗度管理手法には、各工程の進捗率を評価し、各工程に割り振られたコストをかけ合わせて累計するアーンドバリュー手法(Earned Value)や、過去の効率(実績工数/実績物量)を月次の計画にかけ合わせて累積したもので評価する手法や、統計処理を利用する手法等がある。また、一般的な工程管理システムの進捗評価機能として付属しているものもある(たとえば、特許文献1〜3参照。)。これらは、いずれも工数、物量、コストの実績を定量的に評価する手法である。
【0003】
【特許文献1】
特開平5−290055号公報
【0004】
【特許文献2】
特開2000−200308号公報
【0005】
【特許文献3】
特開2001−262829号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の手法は、工数、物量消化量、コストの変化量の傾向を数値化したに過ぎない。ところが、工程の遅延となる原因は、天候、事故、納期遅れや作業環境の変化など、様々な要因が複雑に関係している。そのため、上記従来の手法では建設工事の現場状況を十分に把握できているとはいえなかった。したがって、工程の状態を診断し、的確な原因分析と将来予測を行うには不十分であった。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、正確に工程の状態を診断し、的確な原因分析と将来予測を行うことが可能な工程進捗度管理システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を達成するために、所定期間に亘る工程の進捗度を管理する工程進捗度管理システムであって、全期間の工数、物量消化量及びコストの予定値と、一定期間の工数、物量消化量及びコストの実績値とを入力させる第1の入力手段と、想定される全期間の工数、物量消化量及びコストの複数種類の予定値と、想定される一定期間の工数、物量消化量及びコストの複数種類の実績値とが記録されるとともに、前記複数種類の予定値と前記複数種類の実績値のそれぞれの間で比較を行い、前記比較結果のパターン毎にそれぞれの場合の最適な対処方法が記録されているデータベースと、入力された前記予定値と前記実績値との比較を行うとともに、該比較結果と前記データベースの各比較結果のパターンとを照合し、最も近似するパターンの前記最適な対処方法を得る第1のデータ処理手段と、前記最適な対処方法と前記入力値の比較結果とを表示する第1の表示手段と、を備えることを特徴とする工程進捗度管理システムを提供する。
【0009】
本発明によれば、想定される全期間の工数、物量消化量及びコストの複数種類の予定値と、想定される一定期間の工数、物量消化量及びコストの複数種類の実績値とが記録されるとともに、複数種類の予定値と複数種類の実績値のそれぞれの間で比較を行い、この比較結果のパターン毎にそれぞれの場合の最適な対処方法が記録されているデータベースが照合され、現状に即した対処方法が表示される。これにより、正確に工程進捗度の状態を診断でき、現状に即した的確な対処方法が得られる。
【0010】
本発明において、前記入力値の比較結果となる要因を複数の定性的要因と複数の定量的要因とに分類して示し、該複数の定性的要因を数値化した値と該複数の定量的要因の値とを入力させる第2の入力手段と、前記入力された各定性的要因の2以上の要因を入力すると1の出力結果が得られる関数又はマトリックス表を有し、該関数又はマトリックス表を使用して、前記入力された複数の定性的要因より工数の変化量及び物量消化量の変化量を算出するとともに、前記入力された各定量的要因を前記予定値と比較して、前記工数の変化量、物量消化量の変化量及びコストの変化量を算出する第2のデータ処理手段と、前記算出結果を表示する第2の表示手段と、を備えることが好ましい。
【0011】
このように、入力値の比較結果となる要因が複数の定性的要因と複数の定量的要因とに分類して入力され、要因が分析され、結果が表示されるのであれば、的確な要因分析結果が得られる。特に、複数の定性的要因が数値化されて入力され、また、この2以上の要因を入力すると1の出力結果が得られる関数又はマトリックス表を有しているので、数値化した要因の分析が行える。更に、このような定性的要因の分析結果のアウトプットがなされれば、定量的要因の要因分析結果と併せて同一の尺度で表示できる。
【0012】
また、本発明において、前記入力値の比較結果のうち、現在の実績値と将来の予定値とが異なることとなる要因を複数の定性的要因と複数の定量的要因とに分類して示し、該複数の定性的要因を数値化した値と該複数の定量的要因の値とを入力させる第3の入力手段と、前記入力された各定性的要因の2以上の要因を入力すると1の出力結果が得られる関数又はマトリックス表を有し、該関数又はマトリックス表を使用して、前記入力された複数の定性的要因より工数の変化量及び物量消化量の変化量を算出するとともに、前記入力された各定量的要因を前記予定値と比較して、前記工数の変化量、物量消化量の変化量及びコストの変化量を算出する第3のデータ処理手段と、前記算出結果を表示する第3の表示手段と、を備えることが好ましい。
【0013】
このように、第3のデータ処理手段が設けられ、第2のデータ処理手段と略同様のアルゴリズムで処理がなされるので、的確な将来予測結果が得られる。
【0014】
また、本発明において、前記入力する定量的要因が日数、工数及びコストの内の1以上であることが好ましい。このような入力項目であれば、要因分析及び将来予測が容易となる。
【0015】
また、本発明において、前記入力された複数の定性的要因を数値化した値を図示する第4の表示手段を備えることが好ましい。このように、定性的要因を数値化した値を、たとえばレーダーチャート等に図示できれば、利用者の理解の便宜となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る工程進捗度管理システムの好ましい実施形態を、添付図面に従って説明する。本実施形態は、建設工事の工程管理を例にしたものである。なお、これは本発明の実施形態の一態様に過ぎず、本発明の内容が建設工事の工程管理に限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明に係る工程進捗度管理システム10の概要を示すブロック図である。同図に示されるように、工程進捗度管理システム10は、第1の入力手段12と、データベース14と、第1のデータ処理手段16と、第1の表示手段18と、第2の入力手段20と、第2のデータ処理手段22と、第2の表示手段24と、第3の入力手段26と、第3のデータ処理手段28と、第3の表示手段30と、第4の表示手段32とより構成される。
【0018】
第1の入力手段12と第1のデータ処理手段16、第2の入力手段20と第2のデータ処理手段22、及び、第3の入力手段26と第3のデータ処理手段28とは相互に接続されている。データベース14は、第1のデータ処理手段16に接続されている。第1の表示手段18、第2の表示手段24、第3の表示手段30、及び第4の表示手段32は、同一の表示手段(たとえば、CRTディスプレイ)を共用する構成が一般的である。したがって、各データ処理手段16、22及び28は、この表示手段(18、24、30、32)に接続されている。
【0019】
これらのハードウェアとしては、好ましくは、パソコン等のコンピュータ(入力手段としてのキーボード、処理手段としてのCPU等、表示手段としてのディスプレイ等を含む)と、データベースに使用されるハードディスク装置等の記録手段と、必要に応じて出力手段としてのプリンタ等とで構成される。
【0020】
図2は、本システムにおける入力値をプロットした図である、この図は、いわゆるSカーブの例である。通常、建設工事の工程管理においては、着工から完工までの月毎に、予定工数、予定物量消化、予定コストを割振り、月毎に累積値を算出して折れ線グラフで図示するものをSカーブと呼んでいる。図2では、着工が1月であり、完工が12月である。図の縦軸は、累積値の%表示であり、着工時が0%であり、完工時に100%となる。図の下には、入力するデータの表が添付されている。なお、実績値の入力は4月までなされている。
【0021】
このようなSカーブは、実績値を入力する過程において、各項目の順位関係や差(開き具合)から工程の進捗を分析するのにも用いられる。
【0022】
次に、工程進捗度管理システム10のシステムのフローに従って、上記の各構成要素の機能について説明する。図3は、工程進捗度管理システムの動作を示すフロー図である。
【0023】
第1の入力手段12において、全期間(この場合には1月から12月)の工数、物量消化量及びコストの予定値と、一定期間(この場合には1月から4月)の工数、物量消化量及びコストの実績値とが入力される。
【0024】
データベース14には、想定される全期間の工数、物量消化量及びコストの複数種類の予定値と、想定される一定期間の工数、物量消化量及びコストの複数種類の実績値とが記録されるとともに、この複数種類の予定値と複数種類の実績値との間で各種の比較を行い、比較結果のパターン毎にそれぞれの場合の最適な対処方法が記録されている。
【0025】
図4は、データベース14の記録内容の一部であり、同図の(a)〜(l)には、予定値(計画値)と、工数の実績値と、物量消化量の実績値と、コストの実績値の各パターンが示されている。なお、予定値(計画値)は本来は3種あるが、1本の線で表示してある。(a)〜(l)の各図において、予定値(計画値)と、工数の実績値と、物量消化量の実績値と、コストの実績値の相互間の大小関係、すなわち、Sカーブの順位判定例が示されている。
【0026】
なお、図4に示されるパターンは例示であり、全てのパターンを示している訳ではない。同図において、たとえば(a)は、大きい順で予定値(計画値)、コストの実績値、工数の実績値、物量消化量の実績値となったSカーブの順位判定例を示してある。
【0027】
図5は、データベース14の記録内容の一部であり、Sカーブの順位関係と進捗状態の見解を示す表である。すなわち、比較結果のパターン毎の、それぞれの場合の最適な対処方法が記録されている。この例では、(1)〜(6)の各状態において、それぞれ、状況判断、原因、及び将来(最適な対処方法)に関する見解が記録されている。この内容は、熟練の建設工事現場管理者の見解を基に作製されている。
【0028】
図5においては、一般的に、予定工数、予定物量消化量、及び予定コストがほぼ同一のSカーブを描くことより、この様な分類分け表示をしているが、これに加え、予定値の順位関係を加味すれば、更に細分化されきめ細かい出力が可能となる。
【0029】
図5において、たとえば(1)の欄は、Sカーブが、コスト、工数、物量消化量の順位関係となっている状態であり、図4における、(a)、(d)、(g)及び(j)が対応する。
【0030】
第1のデータ処理手段16は、第1の入力手段12で入力された予定値と実績値との比較を行うとともに、この比較結果(Sカーブの順位関係)とデータベース14の図4に例示されるような各比較結果(Sカーブの順位関係)のパターンとを照合し、最も近似するパターンの最適な対処方法を出力する。そして、第1の表示手段18は、最適な対処方法と入力値の比較結果を表示する。この内容は、後述する図10に示される。
【0031】
また、第1のデータ処理手段16は、予定値と実績値との差についても進捗状態の見解を示す。具体例としては、予定値と実績値との差が±0〜±α%を「良好」と、±α〜±β%を「要注意」と、±β%以上を「警告」とする見解を示す。更に、当月の効率(実績工数/実績物量)、工程遅延を示す数値((予定物量−実績物量)/計画物量)、仕上り単価を示す数値((実績コスト/実績工数)/(計画コス/計画工数))でパターン分けし、進捗状態の見解を出力する。そして、第1の表示手段18(図10参照)に表示される。
【0032】
次に、第2のデータ処理手段22、第2の表示手段24、第3のデータ処理手段28、及び第3の表示手段30について説明する。図6は、原因分析と進捗予測を説明するSカーブを示す図である。第2のデータ処理手段22は、主に図6(a)に示されるような、先月から今月にかけてSカーブに差が生じた原因の分析を行い、第3のデータ処理手段28は、主に図6(b)に示されるような、今月の予定値と実績値との差を今月から来月にかけて修正するための進捗予測を行う。
【0033】
第2のデータ処理手段22は、図6(a)に示されるように、Sカーブに差が生じた原因の分析を、複数の定性的要因と複数の定量的要因とに分類して行う。図6(b)に示されるように、今月までの実績値の直線を延長すると(図の二点鎖線)、来月の時点では月次計画値の上端の所に到達し、予定値と実績値との差を生じる。第3のデータ処理手段28は、この差が生じた原因の分析を、複数の定性的要因と複数の定量的要因とに分類して行う。なお、第2のデータ処理手段22と第3のデータ処理手段28の分析のアルゴリズムは略同様である。
【0034】
第2のデータ処理手段22に必要となる要因を入力するための第2の入力手段20が設けられる。第2の入力手段20は、入力値の比較結果となる原因を複数の定性的要因と複数の定量的要因とに分類して示し、この複数の定性的要因を数値化した値と、複数の定量的要因の値とを入力させる入力手段である。このうち、定量的要因は、具体的には日数、工数及びコストである。この詳細は、後述する図9の説明に併せて説明する。
【0035】
以下、定性的要因を数値化する方法について説明する。本実施形態では、定性的要因を11種類に分類し、これを図12及び図13の表に纏めた。それぞれの表の左欄には、項目とその項目を数値化するための言語表現が示されている。たとえば、「作業性」の欄では、「普通」を中間の0とし、「良い」を上限の10とし、「悪い」を下限の−10としている。そして、程度に応じて上限値と下限値の間の整数で評価する方法を採用する。
【0036】
それぞれの表の中欄には、定性的表現の意味又は定義が記載されており、それぞれの表の右欄には、判断指標が箇条書きで記載されており、定性的要因を数値化する上での指針が示されている。
【0037】
したがって、第2の入力手段20には、以上のような複数の定性的要因を数値化した値と、複数の定量的要因の値とを入力する。
【0038】
第2のデータ処理手段22は、入力された各定量的要因を予定値と比較して、工数の変化量、物量消化量の変化量及びコストの変化量を算出する。また、入力された各定性的要因の2以上の要因を入力すると1の出力結果が得られる関数又はマトリックス表を有し、この関数又はマトリックス表を使用して、入力された複数の定性的要因より工数の変化量及び物量消化量の変化量を算出する。この算出結果は、定量的要因の原因分析結果と定性的要因の原因分析結果として、第2の表示手段20に表示される。以下、この詳細について説明する。
【0039】
図7は、定性的要因を数値化するためのツリー構造を示す図である。このツリー構造の左端の列には、11種類に分類された定性的要因が配されている。第2のデータ処理手段22は、これらの11種類の定性的要因2以上の要因を入力すると1の出力結果が得られる関数を有している。この関数を使用することにより、最終的なアウトプットとして、定性的要因の原因分析結果が、ツリー構造の右端に配されるような、物量消化量の変化量と工数の変化量として得られる。
【0040】
図8は、この関数を使用した定性的要因の原因分析結果例を示す図である。同図に示される出力関数テーブルは、2の入力値を入れると関数で算出される1の出力値が得られるものである。図示のものは、入力値として作業性と段取り量を採用し、出力値として作業点効率を採用するものである。この場合、入力値としての作業性と段取り量の数値である−N〜Nは、具体的には、図12の表に示される−10〜10である。出力値としての作業点効率の数値であるX〜Yも具体的には、たとえば0.5〜1.5とできる。
【0041】
このような関数は、定性的要因の種類に応じて各種の関数が採用できるが、たとえば、ファジー集合論によるメンバーシップ関数が好ましく採用できる。この場合、熟練の建設工事現場管理者から得た情報等を参酌しながら、定性的要因の種類に応じてルールとメンバーシップの形を異ならせればよい。
【0042】
なお、このような関数を使用せず、マトリックス表を使用しても、同様の結果が得られる。すなわち、碁盤の目状のマトリックスの隣接する2辺をそれぞれの入力値とし、選択した2の入力値に対応するマトリックスを出力値とする表である。このようなマトリックス表によっても、同様に、2の入力値に対応する1の出力値が得られる。
【0043】
関数又はマトリックス表において、図7のツリー構造の左端の列に示される11種類の定性的要因の入力値を−10〜10とした場合、各出力値を0.5〜1.5とできる。この場合、ツリー構造の左から2列目のものを出力関数テーブルに入力する場合、入力値は0.5〜1.5となるが、その場合でも各出力値を0.5〜1.5となるような関数又はマトリックス表とするのが、以後の計算において便宜である。そして、以降の関数又はマトリックス表においても同様とすれば、最終的な出力値である物量消化量の変化量と工数の変化量も0.5〜1.5となる。
【0044】
このように、定性的要因の種類に応じて各種の関数が採用され、図7に示されるツリー構造により、順次項目が絞り込まれ、最終的に物量消化量の変化量と工数の変化量が数値で得られる。なお、コストに関しては、定性的要因で変化するものではないことゆえ、このツリー構造の出力項目には採用しない。
【0045】
次に、工程進捗度管理システム10のハードウェア例として採用されるコンピュータのディスプレイ画面における入力方法、及び出力表示の例について説明する。図9は、コンピュータのディスプレイ画面40であり、図11は、これと同一の画面における入力方法を説明する図である。
【0046】
入力する前に、ボタン42のうち「定量要因」と「定性要因」のいずれかを選択してマウスをクリックする。その結果、「定量要因」を選択した場合には、図示されるように、ディスプレイ画面40の左端部分が定量的要因入力画面44となり、定量的要因の入力が可能となる。
【0047】
定量的要因の入力項目としては、予定稼働日数、納期遅れ日数、天候による作業停止日数、事故による作業停止日数、余剰日数、予定外出費(コスト)等である。
【0048】
一方、「定性要因」を選択した場合には、ディスプレイ画面40の左脇に図示される表示内容46が、図示の定量的要因入力画面44と切り替わり、定性的要因の入力が可能となる。定性的要因の入力項目は既述の11種であり、このそれぞれの値の設定は、画面のスライドボタンを左右に移動させることにより行える。
【0049】
第2の表示手段24としての出力は、ディスプレイ画面40の右端部分に表示される。すなわち、物量消化量、工数及びコストのそれぞれについて、計画値(予定値)を中心として変動量が棒グラフ48で図示される。図11において説明されているように、各棒グラフ48において、予定値と実測値との差の定量的要因がオレンジ色(図ではハッチング)で、定性的要因が薄緑色(図では白抜き)でそれぞれ示されている。
【0050】
このうち、定量的要因の出力値の算出は、それぞれ以下の方法でなされる。工数は、予定稼働日数を分母とし、稼働しない日数を分子として算出する。コストは、予算を分母とし、予定外出費を分子として算出する。物量消化量は、計画値を分母とし、実績値を分子として算出する。
【0051】
このように、入力値の比較結果となる原因を複数の定性的要因と複数の定量的要因とに分類して入力され、原因が分析され、結果が表示されるのであれば、的確な原因分析結果が得られる。
【0052】
なお、ディスプレイ画面40の画面中央50には、工数、物量消化量及びコストの予定値と、工数、物量消化量及びコストの実績値とを示すSカーブが表示され、視覚によるデータの理解が容易となっている。
【0053】
図9に示されるディスプレイ画面40は、現状の原因分析のためのものであり、原因分析スイッチ52を選択することにより表示されているものである。一方、将来の予測結果を得るためには、先行予測スイッチ60を選択することにより画面を切り換えて行える。この場合には、第2のデータ処理手段22及び第2の表示手段24に代えて、第3のデータ処理手段28及び第3の表示手段30が採用される。
【0054】
第3のデータ処理手段28は、入力値の比較結果のうち、現在の実績値と将来の予定値とが異なることとなる原因を複数の定性的要因と複数の定量的要因とに分類して示し、この複数の定性的要因を数値化した値と複数の定量的要因の値とを入力させる第3の入力手段26と、入力された各定性的要因の2以上の要因を入力すると1の出力結果が得られる関数又はマトリックス表を有し、この関数又はマトリックス表により、入力された複数の定性的要因より工数の変化量及び物量消化量の変化量を算出するとともに、入力された各定量的要因を予定値と比較して、工数の変化量、物量消化量の変化量及びコストの変化量を算出する第3のデータ処理手段28と、算出結果を表示する第3の表示手段30とを備える。
【0055】
すなわち、第3のデータ処理手段28は、第2のデータ処理手段22と略同様のアルゴリズムで処理がなされる。両者が異なるのは、第2のデータ処理手段22が、これまでの実績値(たとえば、先月〜今月)のデータを分析するのに対し、第3のデータ処理手段28が、これから(たとえば、今月〜来月)のデータを進捗予測する点である。したがって、第3のデータ処理手段28の詳細については、説明を省略する。
【0056】
図10は、出力例としての進捗評価レポートを示す図である。この進捗評価レポートにおいては、(1)Sカーブ評価、(2)パフォーマンスマネジメント評価、(3)過去の評価、(4)当月の評価、及び(5)総合評価が表形式で示される。そして、ここに第1の表示手段18の内容が記載されることとなる。なお、この表のうち、(3)過去の評価、(4)当月の評価、及び(5)総合評価の欄は空欄となっている。
【0057】
この進捗評価レポートの下部には、工数、物量消化量及びコストの項目毎に第2の表示手段24及び第3の表示手段30の内容が記載される。すなわち、各項目毎に計画値、実績値、改善前予想値、及び改善後予測値が線グラフ表示されている。
【0058】
また、第2の入力手段20及び第3の入力手段26により入力した複数の定性的要因を数値化した値を図示する第4の表示手段32の内容がレーダーチャートとして示されている。このように示すことにより比較を容易にしている。同様に、第2の入力手段20及び第3の入力手段26により入力した複数の定量的要因の値も定量値として表形式で示されている。
【0059】
この進捗評価レポートによって、正確に工程の状態を診断し、的確な原因分析と将来予測を行うことが可能となる。また、この進捗評価レポートを過去に遡って連続的に比較することにより、工程の経緯が明確化する。
【0060】
以上、本発明に係る工程進捗度管理システムの実施形態の例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0061】
たとえば、本実施の形態において、建設工事の工程管理を例に採用したが、他の自動車製造の工程管理、半導体製造の工程管理、飲食品製造の工程管理等、多数の分野に採用することもできる。
【0062】
また、本システムでは、定性的要因を11種類に分類し、これを数値化する方法を採用したが、これ以外の各種方法を採用することを妨げるものではない。
【0063】
また、本システムでは、ファジー集合論によるメンバーシップ関数を使用して、入力された各定性的要因の2の要因を入力すると1の出力結果が得られる構成を採用したが、これ以外の関数又はマトリックス表を使用することを妨げるものではない。
【0064】
更に、本システムで採用された、2の要因を入力すると1の出力結果が得られる構成のみならず、2以上(たとえば、3)の要因を入力すると1の出力結果が得られる構成の関数又はマトリックス表を使用することもできる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、想定される全期間の工数、物量消化量及びコストの複数種類の予定値と、想定される一定期間の工数、物量消化量及びコストの複数種類の実績値とが記録されるとともに、複数種類の予定値と複数種類の実績値のそれぞれの間で比較を行い、この比較結果のパターン毎にそれぞれの場合の最適な対処方法が記録されているデータベースが照合され、現状に即した対処方法が表示される。これにより、正確に工程進捗度の状態を診断でき、現状に即した的確な対処方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】工程進捗度管理システムの概要を示すブロック図
【図2】本システムにおける入力値をプロットした図
【図3】工程進捗度管理システムの動作を示すフロー図
【図4】データベースの記録内容の一部を示す図
【図5】データベースの記録内容の一部を示す図
【図6】原因分析と進捗予測を説明するSカーブを示す図
【図7】定性的要因を数値化するためのツリー構造を示す図
【図8】関数を使用した定性的要因の原因分析結果例を示す図
【図9】コンピュータのディスプレイ画面
【図10】出力例としての進捗評価レポートを示す図
【図11】図8と同一の画面における入力方法を説明する図
【図12】定性的要因を数値化するための表
【図13】定性的要因を数値化するための表
【符号の説明】
10…工程進捗度管理システム、12…第1の入力手段、14…データベース、16…第1のデータ処理手段、18…第1の表示手段、20…第2の入力手段、22…第2のデータ処理手段、24…第2の表示手段、26…第3の入力手段、28…第3のデータ処理手段、30…第3の表示手段、32…第4の表示手段
Claims (5)
- 所定期間に亘る工程の進捗度を管理する工程進捗度管理システムであって、
全期間の工数、物量消化量及びコストの予定値と、一定期間の工数、物量消化量及びコストの実績値とを入力させる第1の入力手段と、
想定される全期間の工数、物量消化量及びコストの複数種類の予定値と、想定される一定期間の工数、物量消化量及びコストの複数種類の実績値とが記録されるとともに、前記複数種類の予定値と前記複数種類の実績値のそれぞれの間で比較を行い、前記比較結果のパターン毎にそれぞれの場合の最適な対処方法が記録されているデータベースと、
入力された前記予定値と前記実績値との比較を行うとともに、該比較結果と前記データベースの各比較結果のパターンとを照合し、最も近似するパターンの前記最適な対処方法を得る第1のデータ処理手段と、
前記最適な対処方法と前記入力値の比較結果とを表示する第1の表示手段と、
を備えることを特徴とする工程進捗度管理システム。 - 前記入力値の比較結果となる要因を複数の定性的要因と複数の定量的要因とに分類して示し、該複数の定性的要因を数値化した値と該複数の定量的要因の値とを入力させる第2の入力手段と、
前記入力された各定性的要因の2以上の要因を入力すると1の出力結果が得られる関数又はマトリックス表を有し、該関数又はマトリックス表を使用して、前記入力された複数の定性的要因より工数の変化量及び物量消化量の変化量を算出するとともに、
前記入力された各定量的要因を前記予定値と比較して、前記工数の変化量、物量消化量の変化量及びコストの変化量を算出する第2のデータ処理手段と、
前記算出結果を表示する第2の表示手段と、
を備える請求項1に記載の工程進捗度管理システム。 - 前記入力値の比較結果のうち、現在の実績値と将来の予定値とが異なることとなる要因を複数の定性的要因と複数の定量的要因とに分類して示し、該複数の定性的要因を数値化した値と該複数の定量性的要因の値とを入力させる第3の入力手段と、
前記入力された各定性的要因の2以上の要因を入力すると1の出力結果が得られる関数又はマトリックス表を有し、該関数又はマトリックス表を使用して、前記入力された複数の定性的要因より工数の変化量及び物量消化量の変化量を算出するとともに、
前記入力された各定量的要因を前記予定値と比較して、前記工数の変化量、物量消化量の変化量及びコストの変化量を算出する第3のデータ処理手段と、
前記算出結果を表示する第3の表示手段と、
を備える請求項1又は2に記載の工程進捗度管理システム。 - 前記入力する定量的要因が日数、工数及びコストの内の1以上である請求項2又は3に記載の工程進捗度管理システム。
- 前記入力された複数の定性的要因を数値化した値を図示する第4の表示手段を備える請求項2〜4のいずれか1項に記載の工程進捗度管理システム。
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