JP2004326176A - 情報サーバ、情報サーバ用プログラムおよび情報システム - Google Patents
情報サーバ、情報サーバ用プログラムおよび情報システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】複数の情報クライアントの間で、同時かつ同期的に共有情報を編集することを可能にする。
【解決手段】情報サーバは共有情報Iを記憶している(S1)。情報クライアントa,b,cは、通信回線を通じて情報サーバへ接続するとともに、共有情報Iの編集または閲覧を情報サーバ1へ要求する(S2,3,4)。情報サーバは、共有情報Iの内容の複製を情報クライアントa,b,cごとに行い、クライアント対応情報Ia,Ib,Icを生成する(S5)。情報クライアントaおよびbは、クライアント対応情報IaおよびIbの編集を行う(S7,S8)。情報サーバは一定時間経過毎に、編集後のクライアント対応情報Ia,Ibの内容を反映させ共有情報Iを更新する(S10)とともに、更新後の共有情報Iの内容によりクライアント対応情報Ia,Ib,Icを更新する(S11)。
【選択図】 図3
【解決手段】情報サーバは共有情報Iを記憶している(S1)。情報クライアントa,b,cは、通信回線を通じて情報サーバへ接続するとともに、共有情報Iの編集または閲覧を情報サーバ1へ要求する(S2,3,4)。情報サーバは、共有情報Iの内容の複製を情報クライアントa,b,cごとに行い、クライアント対応情報Ia,Ib,Icを生成する(S5)。情報クライアントaおよびbは、クライアント対応情報IaおよびIbの編集を行う(S7,S8)。情報サーバは一定時間経過毎に、編集後のクライアント対応情報Ia,Ibの内容を反映させ共有情報Iを更新する(S10)とともに、更新後の共有情報Iの内容によりクライアント対応情報Ia,Ib,Icを更新する(S11)。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共同作業型プレゼンテーションシステムへの利用に好適な、情報サーバ、情報サーバ用プログラムおよび情報システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のユーザが共同で利用するプレゼンテーションシステムに関する従来技術として、遠隔会議システムのように複数ユーザ間のプレゼンテーションシステムを結びつけることにより、映像、音声、形状情報などのデータの配信を行うシステム、電子ホワイトボードシステムのように複数ユーザ間で形状情報などを共有し、また同時にリアルタイムでデータを編集することができるシステム、あるいは通信ネットワークを経由することにより、情報サーバ上のファイルを複数のユーザ間で共有し、閲覧は同時に、しかし編集は行い得ないか、または非同時に行うことを可能とした形態で、共同作業を実現するシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−99868公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ネットワーク通信技術を利用したプレゼンテーションシステムは、情報サーバ上の1つの共有情報に対して、通信ネットワークを経由して接続された複数の情報クライアントから同時にアクセスすることにより、複数のユーザが同時に1つの共有情報を利用できるところに利点がある。
【0005】
しかしながら、従来のネットワーク通信技術を利用したプレゼンテーションシステムにおいては、複数のユーザが情報サーバ上の情報を利用する場合において、複数のユーザによる情報の同時閲覧については実現されているが、複数のユーザによる情報の同時編集に関しては実現されていない、という問題点があった。また、あるユーザによって編集された情報が常に他のユーザが閲覧している情報と同期している(すなわち、同一内容が利用に供されている)わけではない、という問題点があった。
【0006】
さらに、情報サーバ上の情報を共有するためには、全ての情報クライアントを構成する機器やアプリケーションソフトウェアの間で、共通のものを利用することが必要であったため、情報クライアントの仕様が異なる広い層のユーザが、共同作業的にプレゼンテーションに参加することは困難である、という問題点があった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、複数の情報クライアントの間で、同時かつ同期的に共有情報を編集することを可能にする情報サーバ、情報サーバ用プログラムおよび情報システムを提供することを目的とする。さらに、仕様の異なる複数の情報クライアントに対しても、共有情報の利用を可能にする情報サーバ、情報サーバ用プログラムおよび情報システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、通信回線を通じて複数の情報クライアントに接続可能な情報サーバであって、記憶手段と処理手段とを備え、前記記憶手段は、共有情報記憶手段とクライアント対応情報記憶手段とを備え、前記共有情報記憶手段は、共有情報を記憶し、前記処理手段は、クライアント対応情報生成手段と共有情報更新手段とクライアント対応情報更新手段とを備え、前記クライアント対応情報生成手段は、前記複数の情報クライアントからの利用要求に応じて、前記共有情報の内容の複製を前記複数の情報クライアントごとに行い、複数のクライアント対応情報として前記クライアント対応情報記憶手段へ記録するとともに、前記複数の情報クライアントの利用に供し、前記共有情報更新手段は、利用に供した前記複数のクライアント対応情報のうち、一部または全てのクライアント対応情報の内容を、前記共有情報へ反映することにより、前記共有情報の更新を行い、前記クライアント対応情報更新手段は、前記共有情報の前記更新があったときに、前記共有情報の内容の複製を前記複数の情報クライアントごとに行うことにより、前記複数のクライアント対応情報を更新するものである。
【0009】
この発明によれば、共有情報の内容が情報クライアントごとに複製され、複製されたクライアント対応情報が情報クライアントの利用に供されるので、複数の情報クライアントが同時並行的に共有情報の内容を利用することができる。また、利用に供された複数のクライアント対応情報の一部ないしすべての内容が共有情報に反映され、その内容によって各クライアント対応情報の内容が更新されるので、各情報クライアントは常に内容共通の情報を利用することができる。すなわち、複数の情報クライアントが、同時かつ同期的に共有情報の内容を利用することができる。さらに、共有情報とクライアント対応情報との間で、情報の形式が同一である必要はないので、様々な仕様の情報クライアントに対して、共有情報の利用を図ることも可能である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報サーバであって、前記共有情報更新手段が、前記共有情報の前記更新を一定期間ごとに行うものである。
【0011】
この発明によれば、共有情報の更新が一定期間ごとに行われるので、情報クライアントを操作するユーザは、特に指示を送ることなく適時に更新される共通の情報内容を利用することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の情報サーバであって、前記共有情報更新手段が、前記共有情報の前記更新を、前記複数の情報クライアントのうちの少なくとも一の要求に応じて行うものである。
【0013】
この発明によれば、共有情報の更新が情報クライアントの要求に応じて行われるので、情報クライアントを操作するユーザは、その意図する時期に更新される共通の情報内容を利用することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の情報サーバであって、前記処理手段が情報変更許否手段をさらに備え、前記情報変更許否手段は、前記利用要求として編集要求を送信した情報クライアントのすべてに対し、対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可するとともに、前記利用要求として閲覧要求を送信した情報クライアントに対しては対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可しないものである。
【0015】
この発明によれば、情報クライアントが編集要求と閲覧要求のいずれを送信したかに応じて、クライアント対応情報の内容の変更の許否が行われるので、情報クライアントを操作するユーザは、自らの意志で変更の許否を決定することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の情報サーバであって、前記処理手段が情報変更許否手段をさらに備え、前記情報変更許否手段は、前記利用要求として編集要求を送信した情報クライアントのうち、前記複数の情報クライアントのいずれかの指示にもとづく一以上に対してのみ、対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可するとともに、前記利用要求として閲覧要求を送信した情報クライアントに対しては対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可しないものである。
【0017】
この発明によれば、編集要求を送信した情報クライアントのうち、いずれかの情報クライアントの指示に基づく一以上の情報クライアントに対してのみ、クライアント対応情報の内容の変更が許可される。このため、例えば、複数の情報クライアントを操作するユーザのうち、リーダ的(指導者的)な一人が、その意志で変更の許否を決定することが可能となる。したがって指導者的な一人が、共同作業の内容に応じて、特定のユーザ、例えば専門知識やスキルを持っている1またはそれ以上のユーザにのみ変更を許可することで、共同作業を効率的に進めることができる。また、少ない数の教師と多数の生徒とが、共同作業を効率よく行うことも可能となる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の情報サーバであって、前記処理手段が、情報変更許否手段をさらに備え、前記情報変更許否手段は、前記共有情報の種別が前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を前記共有情報へ反映させても支障のないものである場合には、前記利用要求として編集要求を送信した情報クライアントのすべてに対し、対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可し、前記共有情報の種別が前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を前記共有情報へ反映させると支障のあるものである場合には、前記利用要求として編集要求を送信した情報クライアントのうち一に対してのみ、対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可するとともに、前記利用要求として閲覧要求を送信した情報クライアントに対しては対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可しないものである。
【0019】
この発明によれば、共有情報の種別にもとづいて競合の可能性が判断され、競合の可能性がなければ編集要求を送信した全ての情報クライアントに対して変更が許可され、競合の可能性ある場合には、変更の許可が単一の情報クライアントに制限されるので、事後的な競合の解決を行う必要がなく、処理が迅速に行われ得る。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の情報サーバであって、前記共有情報更新手段が、競合判定手段と合成手段と競合解決手段とを備え、前記競合判定手段は、前記複数のクライアント対応情報の内容の間に競合が存在するか否かを判定し、前記合成手段は、前記競合判定手段が前記競合がないと判定した場合に、前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を、前記共有情報へ反映させ、前記競合解決手段は、前記競合判定手段が前記競合が存在すると判定した場合に、前記複数のクライアント対応情報のうち、前記複数の情報クライアントのいずれかの指示にもとづく一の変更内容を、前記共通情報へ反映させるものである。
【0021】
この発明によれば、複数のクライアント対応情報の内容の間に競合がなければ、各変更内容の総和が共有情報へ反映され、競合があれば、いずれかの情報クライアントの指示にもとづく一の変更内容が共有情報へ反映される。したがって、例えば指導者的な立場のユーザの意志にもとづいて、競合の問題を解決することができる。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の情報サーバであって、前記共有情報更新手段が、競合判定手段と合成手段と競合解決手段とを備え、前記競合判定手段は、前記複数のクライアント対応情報の内容の間に競合が存在するか否かを判定し、前記合成手段は、前記競合判定手段が前記競合がないと判定した場合に、前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を、前記共有情報へ反映させ、前記競合解決手段は、前記競合判定手段が前記競合が存在すると判定した場合に、前記複数の情報クライアントのユーザ間に対話を要求し、対話により決定された変更内容を、前記共有情報へ反映させるものである。
【0023】
この発明によれば、複数のクライアント対応情報の内容の間に競合がなければ、各変更内容の総和が共有情報へ反映され、競合があれば、ユーザ間の対話によって決定された変更内容が共有情報へ反映される。したがって、複数の情報クライアントを操作するユーザは、競合の問題を互いが納得の行く方法で解決することができる。
【0024】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の情報サーバであって、前記記憶手段がデータベース記憶手段をさらに備え、前記データベース記憶手段はデータベースを記憶し、前記共有情報更新手段は競合判定手段と合成手段と競合解決手段とを備え、前記競合判定手段は前記複数のクライアント対応情報の内容の間に競合が存在するか否かを判定し、前記合成手段は、前記競合判定手段が前記競合がないと判定した場合に、前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を、前記共有情報へ反映させ、前記競合解決手段は、前記競合判定手段が前記競合が存在すると判定した場合に、前記データベースを参照することにより、前記複数のクライアント対応情報のうち、一の変更内容を選択し、選択した前記変更内容を前記共通情報へ反映させるものである。
【0025】
この発明によれば、データベースにもとづいて一の変更内容が選択されるので、ユーザの手を介することなく自動的に競合を解決することができる。
【0026】
この発明は、共有情報の内容が文書である場合には、辞書および文法に関する知識情報をデータベースとして確保しておき、正しい変更内容、あるいは、より誤りの少ない変更内容を競合解決手段が選択する、という態様を採ることが可能である。また、共有情報の内容が建築物に関する図形情報である場合には、建築に関する知識情報をデータベースとして確保しておき、正しい変更内容、あるいは、より誤りの少ない変更内容を競合解決手段が選択する、という態様を採ることも可能である。
【0027】
データベースを備える態様において、さらに、請求項17に記載の発明と同様に、記憶手段に情報履歴記憶手段を設けるとともに、処理手段に情報履歴記録手段を設けておき、各情報クライアントの編集履歴にもとづいて上記データベースの内容を作成するデータベース作成手段を、処理手段にさらに設ける、という態様も可能である。例えば、データベース作成手段が、各情報クライアントの編集履歴にもとづいて、現在から過去までの一定期間において誤りの重要度と頻度との総合評価を作成してデータベースへ蓄積し、競合解決手段が、変更内容のうち最も評価の高い情報クライアントによるものを選択する、という態様を採ることも可能である。
【0028】
請求項10に記載の発明は、請求項7ないし9のいずれかに記載の情報サーバであって、前記競合判定手段が第1判定手段を備え、前記第1判定手段は、前記共有情報の種別が、前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を、前記共有情報へ反映させても支障のないものである場合には、競合なしと判定するものである。
【0029】
この発明によれば、共有情報の種別にもとづいて、競合に関する判定が行われるので、判定が簡便で容易に行い得る。
【0030】
請求項11に記載の発明は、請求項7ないし10のいずれかに記載の情報サーバであって、前記競合判定手段が第2判定手段を備え、前記第2判定手段は、前記複数のクライアント対応情報の変更内容の間に重複部分がない場合には、競合なしと判定するものである。
【0031】
この発明によれば、複数のクライアント対応情報の変更内容の間の重複部分にもとづいて、競合に関する判定が行われるので、一層細密な判定が可能となる。
【0032】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の情報サーバであって、前記競合判定手段が第3判定手段をさらに備え、前記第3判定手段は、前記第2判定手段が競合なしと判定しなかった場合に、前記重複部分における前記変更内容の間で差異がなければ、競合なしと判定するものである。
【0033】
この発明によれば、複数のクライアント対応情報の変更内容の間に重複部分があっても、重複部分において変更内容に差異がなければ、競合なしと判定されるので、より細密な判定が得られる。
【0034】
請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれかに記載の情報サーバであって、前記記憶手段がクライアント対応個人情報記憶手段をさらに備え、前記処理手段はクライアント対応個人情報生成手段をさらに備え、前記クライアント対応個人情報生成手段は、前記利用要求として個人情報編集要求を送信した情報クライアントに対し、前記共有情報の内容を複製しクライアント対応個人情報として、前記クライアント対応個人情報記憶手段へ記録するとともに、前記個人情報編集要求を送信した前記情報クライアントの利用に供するものである。
【0035】
この発明によれば、情報クライアントからの要求に応じて、クライアント対応情報更新手段による更新の対象とされるクライアント対応情報とは別に、共有情報の内容を複製したクライアント対応個人情報が利用に供されるので、要求を行った情報クライアントのユーザは、変更内容がユーザ全員に反映されない個人メモとして、クライアント対応個人情報を利用することができる。
【0036】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の情報サーバであって、前記処理手段がクライアント対応個人情報反映手段をさらに備え、前記クライアント対応個人情報反映手段は、前記個人情報編集要求を送信した前記情報クライアントから前記利用要求の1つとしての編集要求として送信される個人情報反映要求に応じて、対応するクライアント対応個人情報の内容を、対応するクライアント対応情報へ反映するものである。
【0037】
この発明によれば、個人情報編集要求を送信した情報クライアントからの新たな要求に応じて、この情報クライアントが利用するクライアント対応個人情報の内容が、この情報クライアントのためのクライアント情報へ反映される。その結果、共有情報への反映、および複数の情報クライアントのすべてのクライアント対応情報の更新が行われるので、個人メモとしての利用を目的としてなされた編集内容を、ユーザ全員の共有とすることができる。
【0038】
また個人情報反映要求は、共有情報の利用要求の1つとしての編集要求として行われるので、この発明を請求項4ないし6のいずれかに記載の発明と同時に実施する場合には、情報変更許否手段は個人情報反映要求を送信した情報クライアントを、編集要求を送信した情報クライアントとして扱うこととなる。
【0039】
請求項15に記載の発明は、請求項1ないし14のいずれかに記載の情報サーバであって、前記記憶手段がクライアント情報記憶手段をさらに備え、前記処理手段がクライアント情報取得手段をさらに備え、前記クライアント情報取得手段は、前記複数の情報クライアントに関する情報を取得し、前記クライアント情報記憶手段へ記録し、前記クライアント対応情報生成手段は、前記複製を行うに際し、前記クライアントに関する情報にもとづいて前記共有情報の形式を変換し、前記共有情報更新手段は、前記共有情報の前記更新を行うに際し、前記一部または全てのクライアント対応情報の形式を前記共有情報の形式へ変換し、前記クライアント対応情報更新手段は、前記複製を行うに際し、前記クライアントに関する情報にもとづいて前記共有情報の形式を変換するものである。
【0040】
この発明は、共有情報とクライアント対応情報との間で、情報の形式の変換が行われるので、共有情報の形式として、平易で汎用性が高く様々な形式への変換に適した形式、例えばXML(eXtensive Markup Language)で記述する形式を選ぶことができる。また、共有情報からクライアント対応情報への形式の変換が、情報クライアントに関する情報にもとづいて行われるので、多様な仕様の情報クライアントに個別に適した形式で、クライアント対応情報を利用提供することができる。
【0041】
情報クライアントに関する情報の一態様として、例えば、各情報クライアントの情報提示装置および情報入力装置の仕様、各情報クライアントが使用するアプリケーションソフトウェアの仕様、各情報クライアントが接続する通信回線の仕様、各情報クライアントを操作するユーザが要求する情報の形式、などが採用可能である。
【0042】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の情報サーバであって、前記情報クライアントに関する情報が、前記複数の情報クライアントを操作する複数のユーザに関する情報を含むものである。
【0043】
この発明によれば、情報クライアントに関する情報が、各情報クライアントを操作する各ユーザに関する情報を含むので、各ユーザに適した形式で、クライアント対応情報を利用提供することができる。
【0044】
各ユーザに関する情報の一態様として、例えば、各ユーザが成人である、幼児である、外国人である、肢体不自由な人である、視覚または聴覚不自由な人である、等の情報を含めることができる。
【0045】
請求項17に記載の発明は、請求項1ないし16のいずれかに記載の情報サーバであって、前記記憶手段が情報履歴記憶手段をさらに備え、前記処理手段が情報履歴記録手段をさらに備え、前記情報履歴記録手段は、前記複数の情報クライアントに対してやり取りした情報を、やり取りした時刻とともに、情報履歴として前記情報履歴記憶手段へ記録するものである。
【0046】
この発明によれば、情報サーバと各情報クライアントとの間でやり取りした情報が、やり取りした時刻とともに記録されるので、各情報クライアントのユーザは、過去の編集履歴等を参照することが可能となる。
【0047】
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の情報サーバであって、前記処理手段がクライアント対応情報復帰手段をさらに備え、前記クライアント対応情報復帰手段は、前記複数の情報クライアントのうち、一ないし複数の要求に応じて、前記複数のクライアント対応情報のうち、対応する一ないし複数を、前記情報履歴にもとづいて、過去の内容へと復帰させるものである。
【0048】
この発明によれば、情報クライアントの要求に応じて、要求されたクライアント情報が、情報履歴にもとづいて過去の内容へと復帰するので、ユーザは所望のクライアント対応情報を所望の時点の内容へと戻すことができる。また、過去の内容へ戻されたクライアント対応情報の内容を、共有情報更新手段によって共有情報へ反映することも、さらにクライアント対応情報更新手段によって、各クライアント対応情報を共有情報の変更内容で更新することも可能である。さらに、互いに異なる時点における複数のクライアント対応情報の内容を、共有情報更新手段によって共有情報に反映することも可能である。
【0049】
また、この発明を請求項7ないし9のいずれかに記載の発明と組合せた態様においては、互いに異なる時点における複数の変更内容の合成を合成手段によって行うことも、また、それらの間の競合関係を競合解決手段で解決することも可能である。
【0050】
また、この発明を請求項14に記載の発明と組合せた態様においては、クライアント対応個人情報の内容を、対応するクライアント対応情報へ反映したものと、他のクライアント対応情報の過去における内容とを、共有情報更新手段によって共有情報に反映することも可能である。
【0051】
請求項19に記載の発明は、請求項1ないし18のいずれかに記載の情報サーバであって、前記処理手段が、CPUと前記CPUの動作を規定するプログラムを搭載したメモリとを備える情報処理装置によって、等価的に構成されるものである。
【0052】
この発明によれば、処理手段がCPUと前記CPUの動作を規定するプログラムを搭載したメモリとを備える情報処理装置によって、等価的に構成されるので、情報サーバを容易かつ安価に構成することができる。また、プログラムの変更により、情報サーバの構成および機能を容易に変更することができる。
【0053】
請求項20に記載の発明は、情報サーバ用プログラムであって、請求項19に記載の情報サーバの前記メモリに記録されることにより、前記情報処理装置が前記処理手段を等価的に構成するものである。
【0054】
この発明によれば、請求項19に記載の情報サーバのメモリに記録されることにより、請求項1ないし18のいずれかに記載の情報サーバの処理手段が等価的に構成されるので、上記した各効果を奏する有用性の高い情報サーバを実現することができる。
【0055】
この発明の一態様による情報サーバ用プログラムは、通信回線を通じて複数の情報クライアントに接続可能な情報サーバを、記憶手段と処理手段として機能させるものであって、前記記憶手段は、共有情報記憶手段とクライアント対応情報記憶手段とを備え、前記共有情報記憶手段は、共有情報を記憶し、前記処理手段は、クライアント対応情報生成手段と共有情報更新手段とクライアント対応情報更新手段とを備え、前記クライアント対応情報生成手段は、前記複数の情報クライアントからの利用要求に応じて、前記共有情報の内容の複製を前記複数の情報クライアントごとに行い、複数のクライアント対応情報として前記クライアント対応情報記憶手段へ記録するとともに、前記複数の情報クライアントの利用に供し、前記共有情報更新手段は、利用に供した前記複数のクライアント対応情報のうち、一部または全てのクライアント対応情報の内容を、前記共有情報へ反映することにより、前記共有情報の更新を行い、前記クライアント対応情報更新手段は、前記共有情報の前記更新があったときに、前記共有情報の内容の複製を前記複数の情報クライアントごとに行うことにより、前記複数のクライアント対応情報を更新するものである。
【0056】
請求項21に記載の発明は、情報システムであって、請求項1ないし19のいずれかに記載の情報サーバと、通信回線を通じて前記情報サーバに接続可能な複数の情報クライアントと、を備えるものである。
【0057】
この発明によれば、請求項1ないし19のいずれかに記載の情報サーバと、通信回線を通じて情報サーバに接続可能な複数の情報クライアントと、を備えるので、情報サーバが上記した各効果を奏する有用性の高い情報システムが実現する。
【0058】
【発明の実施の形態】
[情報システムの概略構成]
図1は、本発明の実施の形態による情報システムの概略構成を示すブロック図である。この情報システム100は、共同作業型プレゼンテーションシステムへの利用に好適に構成され、通信回線Lを通じて互いに接続可能な、情報サーバ1と一般に複数の情報クライアント2,3,4とを備えている。図1には、3台の情報クライアント2,3,4が通信回線Lに接続された形態を例示している。通信回線Lは、例えばインタネット等の通信ネットワークである。
【0059】
情報サーバ1は、処理部10と記憶部11とを備えている。処理部10は、CPU12とCPU12の動作を規定するプログラムを搭載したプログラムメモリ13とを備える情報処理装置によって、等価的に構成される。それにより情報サーバ1を容易かつ安価に構成することができる。また、プログラムの変更により、情報サーバ1の構成および機能を容易に変更することができる。記憶部11は、例えばハードディスク装置で構成される。
【0060】
情報クライアント2(,3,4)は、情報提示部20(,30,40)と情報入力部21(,31,41)と通信部22(,32,42)とを備えている。ここで、情報クライアント2(,3,4)等の符号表示は、複数の符号2,3,4を代表して、先頭符号2を採り上げる趣旨である。情報提示部20(,30,40)は、情報を文字、音声、画像等の形態で提示する装置部分であり、例えばディスプレイ装置、スピーカが含まれる。情報入力部21(,31,41)は、情報を文字、音声、画像等の形態で入力する装置部分であり、例えばキーボード、マウス、音声入力装置が含まれる。通信部22(,32,42)は、通信回線Lを通じて情報クライアント2(,3,4)を情報サーバ1へ接続するための装置部分である。情報クライアント2(,3,4)は、ユーザ5(,6,7)によって操作される。
【0061】
図2は、情報サーバ1の構成を示すブロック図である。処理部10は、クライアント対応情報生成部50、共有情報更新部51、クライアント対応情報更新部52、情報変更許否部53、クライアント対応個人情報生成部54、クライアント対応個人情報反映部55、クライアント情報取得部56、情報履歴記録部56、クライアント対応情報復帰部58、通信部59およびデータベース作成部60を備えている。また、記憶部11は、共有情報記憶部61、クライアント対応情報記憶部62、クライアント対応個人情報記憶部63、クライアント情報記憶部64、情報履歴記憶部65およびデータベース記憶部66を備えている。言うまでもなく各記憶部61〜66は、同一の記憶装置の異なるメモリ領域が割り当てられたものであってもよい。
【0062】
通信部59は、通信回線Lを通じて情報サーバ1を情報クライアント2(,3,4)へ接続するための装置部分である。情報サーバ1のその他の装置部分の機能については、以下の処理手順の説明の中で適宜説明する。
【0063】
[情報システムによる処理手順の概要]
図3は、情報システム100による処理の手順の一例を示すフローチャートである。情報サーバ1は、あらかじめ共有情報Iを共有情報記憶部61へ記憶している(ステップS1)。共有情報Iの内容は、文書情報、図形情報、画像情報等、様々なものであり得る。この共有情報Iを共同で利用しようとする情報クライアントa,b,cは、通信回線Lを通じて情報サーバ1へ接続するとともに、共有情報Iの利用要求を情報サーバ1へ送信する(ステップS2,3,4)。より具体的には、情報クライアントa,b,cは、それらを操作するユーザa,b,cの指示にもとづいて利用要求を送出する。図3の例では、ステップS2,3,4において、利用要求として情報クライアントaおよびbは編集要求を行い、情報クライアントcは閲覧要求を行っている。なお、情報クライアントa,b,cを操作するユーザを、便宜上同一符号を付して、ユーザa,b,cと記載する。
【0064】
次にステップS5では、クライアント対応情報生成部50が、共有情報Iの内容の複製を複数の情報クライアントa,b,cごとに行い、複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icとして、クライアント対応情報記憶部62へ記録する。同時に、クライアント対応情報生成部50は、クライアント情報Ia,Ib,Icを、それぞれ情報クライアントa,b,cの利用に供する。共有情報Iとクライアント対応情報Ia,Ib,Icとは、情報の形式において同一である必要はない。したがって、後に詳細に述べるように、クライアント対応情報Ia,Ib,Icの各々の形式は、情報クライアントa,b,cの各々の仕様に適合した形式を選ぶことができる。
【0065】
つづくステップS6では、情報変更許否部53が情報クライアントa,b,cの各々に対して、クライアント対応情報Ia,Ib,Icの変更の許否を行う。例えば、利用要求として編集要求を送信した情報クライアントaおよびbに対しては、対応するクライアント対応情報IaおよびIbの内容の変更を許可し、閲覧要求を送信した情報クライアントcに対しては、対応するクライアント対応情報Icの内容の変更を許可しない。ステップS6による情報変更許否の様々な形態については後述する。
【0066】
その後、クライアント対応情報IaおよびIbの内容の変更を許可された情報クライアントaおよびbは、クライアント対応情報IaおよびIbの閲覧および編集を行う(ステップS7およびS8)。これにより、クライアント対応情報IaおよびIbの内容は、一般に変更を伴う。クライアント対応情報Icの内容の変更を許可されない情報クライアントcは、クライアント対応情報Icの閲覧を行う(ステップS9)。
【0067】
その後、例えばクライアント対応情報Ia,Ib,Icの作成(ステップS5)から一定時間経過後に、情報サーバ1の共有情報更新部51は、利用に供した複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icのうち、変更許可を与えられた情報クライアントaおよびbが編集したクライアント対応情報IaおよびIbの内容を、共有情報Iへ反映することにより、共有情報Iの更新を行う(ステップS10)。
【0068】
つづいて、クライアント対応情報更新部52は、共有情報Iの内容の複製を複数の情報クライアントa,b,cごとに行うことにより、複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icを更新する(ステップS11)。これにより、情報クライアントaおよびbによる編集内容が、共同作業に加わる情報クライアントa,b,cのすべてに反映される。その後も処理を継続する場合には、処理はステップS7,S8,S9へ戻る。
【0069】
ステップS10の処理では、クライアント対応情報IaおよびIbの変更内容の間に競合がなければ、各変更内容の総和を共有情報Iへ反映すればよい。また、競合を生じる場合であっても、すでに編集がなされているクライアント対応情報IaおよびIbを事後的に(すなわち、編集後に)処理することにより、競合の解消を図ることができる。すなわち、情報クライアントaおよびbは、互いに別個のクライアント対応情報IaおよびIbを編集するので、編集の段階では競合の問題を生ずることなく、同時並行的に編集を行うことができる。なお、事後的な競合解消の望ましい手順については後述する。
【0070】
以上のように、この情報システム100では、共有情報Iの内容が情報クライアントa,b,cごとに複製され、複製されたクライアント対応情報Ia,Ib,Icが情報クライアントa,b,cの利用に供されるので、複数の情報クライアントa,b,cが同時並行的に共有情報Iの内容を利用することができる。また、利用に供された複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icの一部ないしすべての内容が共有情報Iに反映され、その内容によって各クライアント対応情報Ia,Ib,Icの内容が更新されるので、各情報クライアントa,b,cは常に内容共通の情報を利用することができる。すなわち、複数の情報クライアントa,b,cが、同時かつ同期的に共有情報の内容を利用することができる。さらに、共有情報Iとクライアント対応情報Ia,Ib,Icとの間で、情報の形式が同一である必要はないので、様々な仕様の情報クライアントa,b,cに対して、共有情報Iの利用を図ることも可能である。
【0071】
[共有情報の更新時期]
以上の説明では、共有情報Iの更新(ステップS10)は、一定期間ごとに行うものとした。この形態では、情報クライアントa,b,cを操作するユーザは、特に指示を送ることなく適時に更新される共通の情報内容を利用することができるという利点がある。一定期間を短く設定すると、ほとんどリアルタイムで、各人の編集内容を全員が共有することも可能となる。
【0072】
別の形態として、共有情報更新部51は、情報サーバ1に接続されている複数の情報クライアントa,b,cのうちの少なくとも一の要求に応じて共有情報Iの更新を行ってもよい。この形態では、情報クライアントa,b,cを操作するユーザは、その意図する時期に、共通の情報内容を更新できるという利点がある。
【0073】
[変更の許否:第1の形態]
以上の説明では、情報変更許否部53は、利用要求として編集要求を送出した情報クライアントaおよびbのすべてに対し、クライアント対応情報IaおよびIbの内容の変更を許可するとともに、利用要求として閲覧要求を送出した情報クライアントcに対しては、クライアント対応情報cの内容の変更を不許可とした。この形態では、情報クライアントa,b,cが編集要求と閲覧要求のいずれを送出したかに応じて、クライアント対応情報Ia,Ib,Icの内容の変更の許否が行われるので、情報クライアントa,b,cを操作するユーザは、自らの意志で変更の許否を決定することができるという利点がある。
【0074】
この形態を実施するには、例えば情報サーバ1の記憶部11に、図4に示すテーブルT1および図5に示すテーブルT2を確保しておき、図6に示す手順で変更の許否を行うと良い。テーブルT1(図4)には、各情報クライアントa,b,cに対応付けて情報クライアントa,b,cの利用要求の内容が記録されている。また、テーブルT2(図5)には、各利用要求に対する許否判断の内容が記録されている。図6が示すように、ステップS6の処理が開始されると、情報変更許否部53は、テーブルT1を参照することにより各情報クライアントa,b,cの利用要求の内容を把握し(ステップS40)、ついでテーブルT2を参照することにより利用要求に対応する変更の許否の内容を把握する(ステップS41)。それにより、情報変更許否部53は各情報クライアントa,b,cに対する変更の許否の内容を把握することができる。情報変更許否部53は、テーブルT2の「許可」に該当する情報クライアントのすべてに、クライアント対応情報の内容の変更を許可する(ステップS42)。
【0075】
例えば、テーブルT1を参照することにより、情報クライアントaは編集要求を行っていることが把握され、さらにテーブルT2を参照することにより、情報クライアントaに対しては許可すべきことが把握される。したがって、情報変更許否部53は、情報クライアントaに対してクライアント対応情報の内容の変更を許可する。
【0076】
[変更の許否:第2の形態]
別の形態として、情報変更許否部53が、情報クライアントa,b,cがクライアント対応情報Ia,Ib,Icを通じて共有的に利用する共有情報Iの種別が、クライアント対応情報Ia,Ib,Icにおける任意の変更内容の総和を、共有情報Iへ反映させても支障のないものである場合には、競合が起こり得ないものとして、編集要求を送信した情報クライアントのすべてに、クライアント対応情報の内容の変更を許可し、支障のあるものである場合には、編集要求を送信した情報クライアントのうち、一つにのみ変更を許可してもよい。
【0077】
共有情報Iの種別とは、共有情報Iの利用形態に関する種別を意味する。変更内容の総和を共有情報Iへ反映させても支障のない種別として、例えば次の2通りが有り得る。第1の種別は、同時に複数の情報クライアントによって変更がなされても問題が生じることが少ない情報である。これは、複数の情報クライアントによって上書きされても問題がない、あるいは逆に効果的なものである。例として、電子ホワイトボード(電子白板または電子黒板)およびキャンバス等に利用される共有情報Iが挙げられる。電子ホワイトボードやキャンバス等では、複数の情報クライアントのユーザが、同一箇所に別個の図形、文字等を書き込んでも、それらを重ねて表示、記録することに何ら支障はない。
【0078】
第2の種別は、実際の使用状況において、同時に変更が行われることが稀少である情報である。例えば、指導、質問、設問形式のテストなどを含む学習、ゲームなどに利用される情報や、しりとり、五目並べ、○×ゲームなどの対戦型ゲームに利用される情報が挙げられる。
【0079】
逆に、変更内容の総和を共有情報Iへ反映させると支障のある種別としては、例えば文書作成や図形作成に利用される情報が挙げられる。例えば文書作成への利用においては、同一箇所に複数のユーザが別個の文字を書き込んだ場合、それらを重ねて表示、記録したのでは、文書としての意味をなさず合理的ではない。
【0080】
この形態によれば、共有情報Iの種別(利用形態)にもとづいて、競合の可能性が判断され、競合の可能性ある場合には、変更の許可を単一の情報クライアントに制限されるので、事後的な競合の解決を行う必要がなく、処理が迅速に行われ得る。
【0081】
この形態を実施するには、例えば情報サーバ1の記憶部11に、図4に示したテーブルT1および図5に示したテーブルT2に加えて、図7に示すテーブルT3を確保しておき、図8に示す手順で変更の許否を行うと良い。テーブルT3(図7)には、共有情報Iの種別(利用形態)ごとに競合の可能性の有無が記録されている。
【0082】
図8が示すように、ステップS6の処理が開始されると、情報変更許否部53は、テーブルT1(図4)を参照することにより各情報クライアントa,b,cの利用要求の内容を把握し(ステップS50)、ついでテーブルT2(図5)を参照することにより利用要求に対応する変更の許否の内容を把握する(ステップS51)。それにより、情報変更許否部53は各情報クライアントa,b,cに対する変更の許否の内容を把握することができる。情報変更許否部53は、テーブルT2の「許可」に該当する情報クライアントのすべてを、クライアント対応情報の内容の変更を許可すべき候補とする(ステップS51)。
【0083】
例えば、テーブルT1を参照することにより、情報クライアントaは編集要求を行っていることが把握され、さらにテーブルT2を参照することにより、情報クライアントaに対しては許可すべきことが把握される。したがって、情報変更許否部53は、情報クライアントaをクライアント対応情報の内容の変更を許可すべき候補とする。
【0084】
情報変更許否部53は、さらにテーブルT3(図7)を参照することにより共有情報Iが競合を生じ得るものか否かを判定する(ステップS52)。例えば、共有情報Iの利用形態が文書作成であれば、競合の可能性あり、と判定される。情報変更許否部53は、テーブルT3に基づいて共有情報Iに関して競合の可能性ありと判定した場合には、変更を許可すべき候補(すなわち、編集を要求する情報クライアントのすべて)のうち、一の情報クライアントのみに、クライアント対応情報の内容の変更を許可し(ステップS53およびS54)、テーブルT3に基づいて共有情報Iに関して競合の可能性なしと判定した場合には、変更を許可すべき候補(すなわち、編集を要求する情報クライアントのすべて)に、クライアント対応情報の内容の変更を許可する(ステップS53およびS55)。
【0085】
[変更の許否:第3の形態]
さらに別の形態として、情報変更許否部53は、利用要求として編集要求を送出した情報クライアント(例えば、aおよびb)のうち、情報サーバ1に接続している複数の情報クライアントa,bおよびcのいずれかの指示にもとづく一以上(例えば、情報クライアントb)に対してのみ、対応するクライアント対応情報(例えば、Ib)の内容の変更を許可してもよい。このとき、情報変更可否部53は、利用要求として閲覧要求を送出した情報クライアント(例えば、c)に対しては、クライアント対応情報(例えば、Ic)の内容の変更を許可しない。
【0086】
この形態では、情報クライアント情報a,b,cを操作するユーザのうち、例えばリーダ的(指導者的)な一人が、その意志で変更の許否を決定することが可能となる。したがって指導者的な一人が、共同作業の内容に応じて、特定のユーザ、例えば専門知識やスキルを持っている1またはそれ以上のユーザにのみ変更を許可することで、共同作業を効率的に進めることができる。また、教師がリーダとなることにより、教師と多数の生徒とが、共同作業を効率よく行うことも可能となる。
【0087】
[競合を解決する手順:第1の形態]
変更を許可された複数の情報クライアントが編集したクライアント対応情報の内容の間に競合が存在する場合に、競合を事後的に(すなわち編集後に)解決する望ましい手順について説明する。図9は、競合を事後的に解決するための共有情報更新部51の望ましい内部構成を示すブロック図である。この形態では、共有情報更新部51は、競合判定部71、合成部72および競合解決部73を備えている。また、競合判定部71は、第1判定部75、第2判定部76および第3判定部77を備えている。各装置部分の機能については、以下の処理手順の説明の中で適宜説明する。
【0088】
図10は、共有情報更新部51の望ましい処理を示すフローチャートである。図10の処理手順では、図3におけるステップS10の内部フローとして、ステップS69〜S83の処理が行われる。ステップS1からステップS9までの処理、およびステップS11の処理については、図3の対応部分と同一である。したがって、図10においても図3と同様に、情報クライアントa,b,cのうち、情報クライアントaおよびbが利用要求として編集要求を送信し(ステップS2およびS3)、情報クライアントcが閲覧要求を送信している(ステップS4)。また、ステップS6において、編集要求を送信した情報クライアントaおよびbのすべてに変更の許可が与えられ、閲覧要求を送信した情報クライアントcには変更の許可が与えられないものとする。
【0089】
共有情報更新部51はステップS10の処理を開始すると、まずクライアント対応情報IaおよびIbの内容を、互いに比較し(ステップS69)、それらの間に競合が存在するか否かを判定する(ステップS70)。ステップS69およびS70の処理は、競合判定部71によって行われる。ステップS70において競合がないと判定された場合には、合成部72はクライアント対応情報IaおよびIbにおける変更内容の総和、すなわち足し合わせたものを、共有情報Iへ反映させ、それにより共有情報Iを更新する(ステップS71)。
【0090】
変更内容の総和の一例を、図11に示す。図形情報であるクライアント対応情報IaおよびIbのそれぞれにおいて、斜線を付した部分が編集にともなって発生した変更内容である。クライアント対応情報IaおよびIbにおける変更内容の総和として、双方の斜線部分が共有情報Iへ反映される。
【0091】
ステップS70において、競合が存在すると判定された場合には、競合解決部73は、各クライアント対応情報IaおよびIbから競合が存在する部分における内容を抽出し、各情報クライアントa,b,cへ提示可能な情報(「競合情報」と称する)として作成するとともに(ステップS72)、各情報クライアントa,b,cのユーザへ対話を要求する(ステップS77)。それにともない、各情報クライアントa,b,cのユーザは、競合情報を閲覧しつつ(ステップS72、S74およびS75)、相互に対話を行う(ステップS76)。
【0092】
対話は、情報クライアントa,b,cが備える情報提示部20,30,40,および情報入力部21,31,41を用いて、文字通信、音声通信を通じて行うことができる。通信回線Lとしてインタネットを用いる場合には、文字通信としてメール通信やチャットサービス、音声通信としてインタネット電話を利用することができる。情報サーバ1と情報クライアントa,b,cとを接続する通信回線Lとは独立して、例えば電話回線を用いた三者通話等のサービスを利用してもよい。リアルタイムで互いに意志の疎通を図り得る任意の通信媒体が利用可能である。
【0093】
ユーザa,b,cは、対話を通じて有効にすべき編集内容を決定する(ステップS80)。有効にすべき編集内容が、クライアント対応情報IaおよびIbのいずれかである場合など、新たに編集が必要でない場合には、ユーザa,b,c(のいずれか一で足りる)は有効にすべき編集内容を情報サーバ1へ伝えればよい(ステップS81)。逆に、有効にすべき編集内容が、クライアント対応情報IaおよびIbのいずれでもなく、新たに編集が必要である場合には(ステップS81)、ユーザa,b,cのいずれか一は、クライアント対応情報Ia,Ib,Icのいずれかを新たに編集し、有効にすべき編集内容として情報サーバ1へ伝える(ステップS82)。
【0094】
ステップS76〜S82の処理は、ユーザによって行われる。情報サーバ1としては、ステップS81およびS82においてユーザが情報クライアントを通じて送信する内容、すなわち対話により決定された変更内容を、共有情報Iへ反映させればよい(ステップS83)。ステップS83の処理は、競合解決部73によって行われる。更新された共有情報Iの内容は、ステップS11によってクライアント対応情報Ia,Ib,Icへ反映される。その後、処理を終了する必要がなければ、処理はステップS7〜S9へ戻る。
【0095】
以上のように、複数のクライアント対応情報IaおよびIbの内容の間に競合がなければ、各変更内容の総和が共有情報Iへ反映され、競合があれば、ユーザ間の対話によって決定された変更内容が共有情報Iへ反映される。したがって、複数の情報クライアントを操作するユーザは、競合の問題を互いが納得の行く方法で解決することができる。
【0096】
[競合を解決する手順:第2の形態]
図12は、図10のステップS70の望ましい処理手順を示すフローチャートである。この手順では、競合判定部71によるステップS70の処理が開始されると、第1判定部71は、情報変更許否部53の第2の形態と同様に、共有情報Iの利用形態に関する種別にもとづいて、競合の有無を判定する。すなわち、共有情報Iの種別が、クライアント対応情報Ia,Ib,Icにおける任意の変更内容の総和を、共有情報Iへ反映させても支障のないものである場合には、競合が起こり得ないと判定され、支障のあるものである場合には、競合が起こり得ると判定される。
【0097】
具体的には、第1判定部71は、図7に示したテーブルT3を参照することにより(ステップS91)、競合の可能性の有無を判定する(ステップS92)。例えば、クライアント対応情報Ia,Ib,Icを通じて情報クライアントa,b,cが利用する共有情報Iの利用形態が、電子白板であれば競合の可能性なしと判定され、文書作成であれば競合の可能性有りと判定される。第1判定部は、ステップS92において競合の可能性なしと判定した場合には、最終的に競合なしと判定する(ステップS98)。
【0098】
ステップS92が競合の可能性有りと判定した場合には、第2判定部76は、クライアント対応情報IaおよびIbの変更内容の間に重複部分が有るか否かを判断し、重複部分がない場合には競合なしと判定し、重複部分が存在する場合には競合の可能性有りと判定する。対比すべきクライアント対応情報IaおよびIbの間において、一般には情報の形式が同一とは限らない。このため例えば、第2判定部76は、対比すべきクライアント対応情報IaおよびIbを、共有情報Iと同一形式の情報に変換した上で(ステップS93)、差分Ia−I、およびIb−Iを演算することにより、対比すべき編集内容(すなわち変更内容)を同一形式で表現する(ステップS94)。つづいて、第2判定部76は、対比すべき編集内容の間に重複部分が有るか否かを判定する(ステップS95)。例えば図11の例では、重複部分は存在しない。重複部分が存在しなければ、第2判定部76は、競合が存在しないと判定する(ステップS98)。
【0099】
ステップS95において重複部分が存在すると判定された場合には、第3判定部77は、重複部分におけるクライアント対応情報IaおよびIbの変更内容を互いに対比し、それらの間に差異が存在するか否かを判定する(ステップS96)。第3判定部77は、重複部分における変更内容に差違がなければ、競合は存在しないと判定し(ステップS98)、差違があれば競合が存在すると判定する(ステップS97)。
【0100】
クライアント対応情報IaおよびIbの変更内容の間に、仮に重複部分があっても、重複部分における変更内容が互いに同一であれば、双方の変更内容の総和を共有情報Iへ反映しても何ら支障はない。第3判定部77は、この事実を踏まえて、より細密な判定を行うものである。
【0101】
[競合を解決する手順:第3の形態]
図13は、競合を解決する手順についての第3の形態を示すフローチャートである。図10と同一の処理については同一の符号を付して、その説明を略する。図13の形態では、ステップS70の判定において、クライアント対応情報IaおよびIbの間に競合が存在する場合に、競合解決部73が、情報クライアントa,b,cのいずれか一つ、例えば情報クライアントaへ指示を求め(ステップS85)、指示があれば(ステップS86)、クライアント対応情報Ia,Ib,Icのうち、指示内容にもとづく一つを選択し(ステップS87)、選択したクライアント対応情報の変更内容を共有情報Iへ反映させる(ステップS88)点において、図10の手順とは特徴的に異なる。
【0102】
この形態は、変更許否判断(図3:ステップS6)についての第3の形態と同様に、情報クライアント情報a,b,cを操作するユーザのうち、例えばリーダ的(指導者的)な一人が、採用すべき変更内容をその意志で決定することを可能にするものである。
【0103】
[競合を解決する手順:第4の形態]
図14は、競合を解決する手順についての第4の形態を示すフローチャートである。図10と同一の処理については同一の符号を付して、その説明を略する。図14の形態では、ステップS70の判定において、クライアント対応情報IaおよびIbの間に競合が存在する場合に、競合解決部73が、データベース記憶部66に蓄積されているデータベースを参照し(ステップS101)、このデータベースの内容を基準に判断することにより、クライアント対応情報IaおよびIbのうちのいずれかの変更内容を最適なものとして選択し(ステップS102)、選択したクライアント対応情報の変更内容を共有情報Iへ反映させる(ステップS88)点において、図10の手順とは特徴的に異なる。
【0104】
判断基準となるデータベースの内容としては、様々な形態があり得る。例えば、共有情報Iの内容が文書であって、文書作成を利用目的とする場合には、辞書および文法に関する知識情報をデータベースとして確保しておき、正しい変更内容、あるいは、より誤りの少ない変更内容を競合解決部73が選択する、という形態を採ることが可能である。また、共有情報Iの内容が建築物に関する図形情報であって、建築物の設計を利用目的とする場合には、建築に関する知識情報をデータベースとして確保しておき、正しい変更内容、あるいは、より誤りの少ない変更内容を競合解決部73が選択する、という態様を採ることも可能である。
【0105】
データベースを備える形態において、さらに、記憶部11に設けられる情報履歴記憶部65、および処理部10に設けられる情報履歴記録部57を利用して、各情報クライアントa,b,cの編集履歴にもとづいてデータベースの内容を作成するデータベース作成部60を処理部10に設ける、という形態も採用可能である。例えば、データベース作成部60が、各情報クライアントの編集履歴にもとづいて、現在から過去までの一定期間において誤りの重要度と頻度との総合評価を作成してデータベースへ蓄積し、競合解決部73が、変更内容のうち最も評価の高い情報クライアントによるものを選択する、という形態を採ることも可能である。なお、情報履歴記憶部65および情報履歴記録部57の機能については、後述する。
【0106】
[クライアント対応個人情報の処理]
図15は、情報システム100による処理の手順について、別の一例を示すフローチャートである。情報サーバ1は、あらかじめ共有情報Iを共有情報記憶部61へ記憶している(ステップS11)。図3の処理と同様、共有情報Iの内容は、文書情報、図形情報、画像情報等、様々なものであり得る。この共有情報Iを共同で利用しようとする情報クライアントa,b,cは、通信回線Lを通じて情報サーバ1へ接続するとともに、共有情報Iの利用要求を情報サーバ1へ送信する(ステップS12,13,14)。これらのステップS12,13,14では、利用要求として情報クライアントaは編集要求を行い、情報クライアントb、cは閲覧要求を行っている。
【0107】
次にステップS15では、クライアント対応情報生成部50が、共有情報Iの内容の複製を複数の情報クライアントa,b,cごとに行い、複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icとして、クライアント対応情報記憶部62へ記録する。同時に、クライアント対応情報生成部50は、クライアント情報Ia,Ib,Icを、それぞれ情報クライアントa,b,cの利用に供する。図3の処理と同様、共有情報Iとクライアント対応情報Ia,Ib,Icとは、情報の形式において同一である必要はない。
【0108】
つづくステップS16では、情報変更許否部53が情報クライアントa,b,cの各々に対して、クライアント対応情報Ia,Ib,Icの変更の許否を行う。利用要求として編集要求を送信した情報クライアントが、情報クライアントaのみであるので、情報クライアントaに対してはクライアント対応情報Iaの内容の変更を許可し、閲覧要求を送信した情報クライアントbおよびcに対しては、対応するクライアント対応情報IbおよびIcの内容の変更を許可しなければよい。
【0109】
その後、クライアント対応情報Iaの内容の変更を許可された情報クライアントaは、クライアント対応情報Iaの閲覧および編集を行う(ステップS17)。これにより、クライアント対応情報Iaの内容は、一般に変更を伴う。
【0110】
ここで、クライアント対応情報Ibの内容の変更を許可されない情報クライアントbが、さらに新たな利用要求として、個人的な利用に供するための情報であるクライアント対応個人情報Ib’の作成要求(個人情報編集要求)を送信したものとする(ステップS18)。これに応答して、情報サーバ1のクライアント対応個人情報生成部54は、共有情報Iの内容を複製し、クライアント対応個人情報Ib’として、クライアント対応個人情報記憶部63へ記録するとともに、情報クライアントIbの利用に供する(ステップS19)。後述するように、クライアント対応個人情報Ib’は、クライアント対応情報Ibとは異なり、特別の要求がない限り共有情報Iへは反映されない。
【0111】
同じくクライアント対応情報Icの内容の変更を許可されない情報クライアントcは、クライアント対応情報Icの閲覧を行うものとする(ステップS20)。例えば、クライアント対応情報Ia,Ib,Icの作成(ステップS15)から一定時間経過後に、情報サーバ1の共有情報更新部51は、利用に供した複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icのうち、変更許可を与えられた情報クライアントaが編集したクライアント対応情報Iaの内容を、共有情報Iへ反映することにより、共有情報Iの更新を行う(ステップS22)。
【0112】
つづいて、クライアント対応情報更新部52は、共有情報Iの内容の複製を複数の情報クライアントa,b,cごとに行うことにより、複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icを更新する(ステップS23)。これにより、情報クライアントaによる編集内容が、共同作業に加わる情報クライアントa,b,cのすべてに反映される。
【0113】
次に、情報クライアントaは引き続き閲覧および編集を行い(ステップS24)、情報クライアントcは引き続き閲覧を行う(ステップS26)。その一方で、情報クライアントbは、編集したクライアント対応個人情報Ib’の保存を求める個人情報反映要求を送信したものとする(ステップS25)。情報サーバ1のクライアント対応個人情報生成部54は、これに応じて、クライアント対応個人情報記憶部63に記録されるクライアント対応個人情報Ib’の内容を更新する(ステップS27)。
【0114】
次に、例えばクライアント対応情報Ia,Ib,Icの更新(ステップS23)から一定時間経過後に、情報サーバ1の共有情報更新部51は、利用に供した複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icのうち、変更許可を与えられた情報クライアントaが編集したクライアント対応情報Iaの内容を、共有情報Iへ反映することにより、共有情報Iの更新を行う(ステップS29)。
【0115】
つづいて、クライアント対応情報更新部52は、共有情報Iの内容の複製を複数の情報クライアントa,b,cごとに行うことにより、複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icを更新する(ステップS30)。これにより、情報クライアントaによる新たな編集内容が、共同作業に加わる情報クライアントa,b,cのすべてに反映される。
【0116】
これに対し、情報クライアントbは、クライアント対応個人情報Ib’の内容の変更は可能であるが、クライアント対応情報Ibとは異なり、その変更内容は共有情報Iへは反映されず、かつ更新された共有情報Iによってクライアント対応個人情報Ib’の内容は更新されない。したがって、情報クライアントIbは、変更内容がユーザ全員に反映されない個人メモとして、クライアント対応個人情報Ib’を利用することができる。個人メモの内容として、例えば、クライアント対応情報Ibまたはクライアント対応個人情報Ib’として情報クライアントbに提示されている共有情報Iの内容に関する注意点、補足説明、その他の個人的な備忘録があり得る。
【0117】
引き続き図15を参照しつつ、情報システム100の処理手順に関し、特にクライアント対応個人情報Ib’の編集を行った情報クライアントbが、さらにクライアント対応個人情報Ib’をクライアント対応情報Ibへ反映させることを要求する場合について説明する。ステップS30の後、情報クライアントbは、編集したクライアント対応個人情報Ib’をクライアント対応情報Ibとして反映させることを求める個人情報反映要求を送信したものとする(ステップS34)。
【0118】
個人情報反映要求は、クライアント対応情報Ibの内容の変更を要求するものであるから、共有情報Iの編集要求(図3;ステップS3)の1つとして行われる。したがって個人情報反映要求が送信されると(ステップS34)、ステップS16と同様に、情報変更許否部53が情報クライアントa,b,cの各々に対して、クライアント対応情報Ia,Ib,Icの変更の許否を行う。利用要求として編集要求を送信している情報クライアントが、情報クライアントaおよびbであるので、変更の許否の形態として、例えばすでに述べた第1の形態(図6)、第2の形態(図8)および第3の形態のいずれかの形態を採用することができる。情報クライアントbに対して、クライアント対応情報Ibの変更が許可された場合には、情報サーバ1のクライアント対応個人情報反映部55は、クライアント対応個人情報Ib’の内容を、クライアント対応情報Ibへ反映する(ステップS36)。
【0119】
その後、例えばクライアント対応情報Ia,Ib,Icの更新(ステップS30)から一定時間経過後に、情報サーバ1の共有情報更新部51は、利用に供した複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icのうち、変更が加えられたクライアント対応情報IaおよびIbの内容を、共有情報Iへ反映することにより、共有情報Iの更新を行う(ステップS38)。クライアント対応情報Ibへ反映されたクライアント対応個人情報Ib’の変更内容と、他のクライアント対応情報Iaとの間に競合が起こる場合もあり得る。したがってステップS38では、図10、図13、および図14に例示した、競合解決のための処理を含むステップS10と同様の処理を行ってもよい。
【0120】
その後、ステップS23およびS30と同様に、クライアント対応情報更新部52は、共有情報Iの内容の複製を複数の情報クライアントa,b,cごとに行うことにより、複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icを更新する(ステップS39)。これにより、情報クライアントbよる新たな編集内容が、共同作業に加わる情報クライアントa,b,cのすべてに反映される。
【0121】
以上のように情報システム100では、個人情報編集要求を送信した(ステップS18)情報クライアントbからの新たな要求(ステップS34)に応じて、この情報クライアントbが利用するクライアント対応個人情報Ib’の内容が、クライアント情報Ibへ反映される。その結果、共有情報Iへの反映、および複数の情報クライアントa,b,cのすべてのクライアント対応情報Ia,Ib,Icの更新が行われるので、個人メモとしての利用を目的としてなされた編集内容を、事情の変化に応じて事後的にユーザ全員の共有とすることができる。
【0122】
[情報形式の変換]
すでに述べたように、共有情報Iとクライアント対応情報Ia,Ib,Icとは、情報の形式において同一である必要はない。したがって、クライアント対応情報Ia,Ib,Icの各々の形式は、情報クライアントa,b,cの各々の仕様に適合した形式を選ぶことができる。ここでは、共有情報Iとクライアント対応情報Ia,Ib,Icとの間での情報の形式の変換に関し、望ましい形態について述べる。
【0123】
共有情報Iとクライアント対応情報Ia,Ib,Icとの間で情報形態の変換を行うために、情報サーバ1は、各情報クライアントa,b,cが情報サーバ1へ接続した直後に、各情報クライアントa,b,cに関する情報を取得するのが望ましい。すなわち図3の処理手順において、情報クライアントa,b,cが情報サーバ1へ接続した時点からステップS5までの間のいずれかの段階、例えばステップS2,3,4の前に、図16のフローチャートが示すステップS130〜S134の処理が行われるのが望ましい。ステップS130では、情報サーバ1のクライアント情報取得部56が、情報クライアントa,b,cに対し、情報クライアントa,b,cに関する情報を要求する。これに応答して、情報クライアントa,b,cは、情報クライアントa,b,cに関する情報を送信する(ステップS131〜S133)。クライアント情報取得部56は、これらのクライアントa,b,cに関する情報を取得するとともに、クライアント情報記憶部64へ記録する(ステップS134)。
【0124】
図3に戻って、ステップS5においてクライアント対応情報生成部54は、共有情報Iの内容の複製を行う際に、クライアントに関する情報にもとづいて共有情報Iの形式を、各情報クライアントa,b,cに適した形式に変換する。ステップS10では、共有情報更新部51は、共有情報Iの更新を行う際に、編集されたクライアント対応情報IaおよびIbの形式を、共有情報Iの形式へ変換する。さらにステップS11において、クライアント対応情報更新部52は、共有情報Iの内容の複製を行う際に、クライアントに関する情報にもとづいて共有情報Iの形式を、各情報クライアントa,b,cに適した形式に変換する。
【0125】
以上のように、共有情報とクライアント対応情報との間で、情報の形式の変換が行われるので、共有情報の形式として、平易で汎用性が高く様々な形式への変換に適した形式、例えばXML(eXtensive Markup Language)で記述された形式を選ぶことができる。また、共有情報からクライアント対応情報への形式の変換が、情報クライアントに関する情報にもとづいて行われるので、多様な仕様の情報クライアントに個別に適した形式で、クライアント対応情報を利用提供することができる。
【0126】
情報クライアントに関する情報の内容として、例えば、各情報クライアントの情報提示装置および情報入力装置の仕様、各情報クライアントが使用するアプリケーションソフトウェアの仕様、各情報クライアントが接続する通信回線の仕様、各情報クライアントを操作するユーザが要求する情報の形式、などを含めることが可能である。それにより、情報クライアントa,b,cは、統一した仕様である必要はなくなり、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話、電子ホワイトボードなど、様々な端末機種の形態を、個別に採ることが可能となり、閲覧および編集に利用するアプリケーションソフトウェアについても、任意のものを個別に選択することが可能となる。
【0127】
情報クライアントに関する情報として、さらに、情報クライアントa,b,cを操作する各ユーザに関する情報をも含めることも可能である。それにより、各ユーザに適した形式で、クライアント対応情報を利用提供することが可能となる。各ユーザに関する情報の内容として、例えば、各ユーザが成人である、幼児である、外国人である、肢体不自由な人である、視覚または聴覚不自由な人である、等の情報を含めることができる。それにより、多様なユーザが共同作業的な情報の閲覧や編集に参加することが可能となる。このように、情報システム100は、多様なユーザが多様な端末機種やアプリケーションソフトウェアを用いて、共同作業的なプレゼンテーションに参加することを可能にする。
【0128】
図17〜図23に、情報変換に関する具体例を提示する。図17は、共有情報Iの一部を示す説明図である。この共有情報Iの内容は、X−Z平面上に広がる木(wood.jpg)の床、のような図形であり、3次元グラフィクス用の言語(あるいは3次元グラフィクスの記述の仕様)VRML(Virtual Reality Modeling Language)を参考にしたXML形式で表現されている。各タグは、VRMLで用いられるものと同一表現のものと、略同一の意味で用いている。この例における各タグの意味は、次の通りである。
【0129】
「transform」は、物体に移動および回転を行うことを示すタグである。「name」は、物体の名称を記すタグである。「translation」は、x,y,z軸方向にそれぞれ平行移動する距離をm(メートル)単位で表すタグである。「children」は、複数の「shape」による物体の記述をすることを示すタグである。「shape」は、モデルの形状を示す部分であることを示すタグである。「box」は、直方体モデルのプロパティを区切るタグである。「texture」は、モデルの表面に貼り付けるテクスチャファイル名のタグである。このように、図形に関する情報内容を、平易でかつ汎用性のあるXMLデータの形式で、記述することができる。このようにXMLデータの形式で記述された図形情報は、任意の3次元CADデータと、双方向に変換可能である。
【0130】
図18は、クライアント情報取得部56によって取得され、クライアント情報記憶部64に記録される、情報クライアントに関する情報の一例を示す説明図である。図18の例では、情報クライアントa,b,c,・・・ごとに、端末の機種、文書作成、閲覧に使用するアプリケーションソフトウェア、図形作成、閲覧に使用するアプリケーションソフトウェア、ユーザが図形作成閲覧アプリケーションソフトウェアが取扱い得る範囲内で特に要求する図形情報の形式、情報入力部の仕様、ユーザの特徴、その他が記録されている。この例では、情報クライアントにaは、図形作成・閲覧のために3次元CADを使用しつつも、図形情報の形式として、特に2次元の情報を要求している。
【0131】
図19は、情報クライアントの端末機種および使用する図形作成・編集アプリケーションソフトウェアの種類と、変換すべきクライアント対応情報の形式との関係を示す説明図である。このようなデータを、データベースとして、データベース記憶部66に記録しておくことにより、クライアント対応情報生成部50およびクライアント対応情報更新部52は、このデータベースと、クライアント情報記憶部に記録されるクライアントに関する情報とを参照することができ、各情報クライアントごとに、適切な情報の形式を選択することが可能となる。
【0132】
例Aについては、端末の機種がPC(パーソナルコンピュータ)であり、図形作成・閲覧に使用するアプリケーションソフトウェアが3次元CADであり、かつユーザが特に図形情報の形式を要求しない場合には、クライアント対応情報の形式として、3次元CADのためのデータが選択される。さらに、編集のための情報入力機器として、キーボードおよびマウスの使用を可能にする形式が採られ、情報出力の形態として、音声出力が可能な形式が採られる。
【0133】
図20は、図19の情報クライアント2,3,4が情報サーバ1に接続され、図形情報の編集・閲覧に関する共同作業に参加する例を描いた説明図である。図20において、符号A,B,Dは、図19の例A,B,Dに対応することを示している。例えば、端末の機種がPDA(Personal Digital Assistance;個人用の携帯情報端末)であって、図形閲覧に使用するアプリケーションソフトウェアがWEBブラウザである情報クライアント2に対しては、3次元図形データをレンダリング(図形に関する数値データを画像化すること)した2次元の画像データが利用に供される。また情報クライアント2については、編集は行い得ず、閲覧のみが行い得る。情報クライアント2のユーザ5は、音声入力による意見の表明、すなわち図10のステップS76のようなユーザ間の対話を行うことは可能である。
【0134】
このように、3人のユーザ5,6,7が3次元の製図を共同で行う場合に、ユーザ5は携帯情報端末のWEBブラウザを用いて他のユーザ6,7が編集した画像情報を閲覧し、音声で指示を送り、またユーザ6は2次元のCADを用いて製図を行い、ユーザ7は3次元のCADを用いて製図を行う、という柔軟かつ多様な共同編集作業が実現する。
【0135】
図21は、別の共有情報Iの一部を示す説明図である。この共有情報Iの内容は文書であり、組み版用の言語(あるいは組み版の記述の仕様)TeXを参考にしたXML形式で表現されている。このように、文書に関する情報内容を、平易でかつ汎用性のあるXMLデータの形式で、記述することができる。このようにXMLデータの形式で記述された文書情報は、一般のワードプロセッサのデータと、双方向に変換可能である。また、VRMLおよびTeXに基づいたXLM形式の表現は一例であって、その他の形式、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)形式、あるいはPostScript形式に基づくXLM形式で共有情報Iを表現することも可能である。
【0136】
図22は、使用する文書作成・編集アプリケーションソフトウェアの種類と、変換すべきクライアント対応情報の形式との関係を示す説明図である。図19の例と同じく、このようなデータを、データベースとして、データベース記憶部66に記録しておくことにより、クライアント対応情報生成部50およびクライアント対応情報更新部52は、このデータベースと、クライアント情報記憶部に記録されるクライアントに関する情報とを参照することができ、各情報クライアントごとに、適切な情報の形式を選択することが可能となる。例えば、文書作成・閲覧に使用するアプリケーションソフトウェアがワードプロセッサである場合には、クライアント対応情報の形式として、ワードプロセッサのためのデータが選択される。さらに、編集のための情報入力機器として、キーボードおよびマウスの使用を可能にする形式が採られ、情報出力の形態として、音声出力が可能な形式が採られる。なお、図22において、「アプリ」とはアプリケーションソフトウェアの略称である。
【0137】
図23は、ユーザの種別と、変換すべきクライアント対応情報の形式との関係を示す説明図である。図19および図22の例と同じく、このようなデータを、データベースとして、データベース記憶部66に記録しておくことにより、クライアント対応情報生成部50およびクライアント対応情報更新部52は、このデータベースと、クライアント情報記憶部に記録されるクライアントに関する情報とを参照することができ、各情報クライアントごとに、そのユーザに適した情報の形式を選択することが可能となる。例えば、ユーザの種別が幼児である場合には、情報の提示の形式として、明暗・色彩のコントラストを強調する形式が採られ、情報入力の形態として音声入力が可能な形式が採られる。また、高齢者に対しては文字サイズを拡大し音声入力を可能にする形式、外国人に対しては母国語に翻訳した形式が採られる。また、身体的ハンディキャップ(視覚、聴覚、四肢などの障害)を持つユーザに対しても、それぞれのユーザに応じた適切な形式が採られる。
【0138】
[情報履歴]
情報サーバ1は、情報クライアントa,b,cの各々との間で送信および受信したすべての情報を、時系列データとしてデータベースに自動的に蓄積する機能を有することにより、情報の履歴を各情報クライアントを操作するユーザが参照することが容易に可能となる。また、任意の時点における情報を復元することも可能となる。
【0139】
この目的のために、情報サーバ1が備える情報履歴記録部57(図2)は、情報サーバ1に接続された情報クライアントa,b,cの各々に対してやり取りした情報を、やり取りした時刻とともに、情報履歴として情報履歴記憶部65へ記録する。図24は、情報履歴の一例を示す説明図である。図24が示すように、情報履歴には、通信時刻、発信者、受信者、通信情報の内容が含まれる。これにより、情報クライアントa,b,cの各ユーザは、過去の編集履歴等を参照することが可能となる。
【0140】
さらに、クライアント対応情報復帰部58(図2)は、情報サーバ1に接続されている情報クライアントa,b,cのいずれか(例えばa)の要求に応じて、そのクライアント対応情報(例えばIa)を、情報履歴にもとづいて、過去の内容へと復帰させる。これにより、各ユーザは所望のクライアント対応情報を所望の時点の内容へと戻すことができる。
【0141】
また、過去の内容へ戻されたクライアント対応情報Ia,Ib,Icの内容を、共有情報更新部51によって共有情報Iへ反映すること(図3:ステップS10)も、さらにクライアント対応情報更新部52によって、各クライアント対応情報Ia,Ib,Icを共有情報Iの変更内容で更新すること(図3:ステップS11)も可能である。さらに、互いに異なる時点におけるクライアント対応情報Ia,Ib,Icの内容を、共有情報更新部51によって共有情報Iに反映すること(図3:ステップS10)も可能である。
【0142】
さらに、互いに異なる時点における複数の変更内容の合成を合成部72(図9)によって行うこと(図10:ステップS71)も、また、それらの間の競合関係を競合解決部73(図9)で解決すること(図10:ステップS72〜S82)も可能である。
【0143】
また、クライアント対応個人情報Ib’の内容を、クライアント対応情報Ibへ反映したものと、他のクライアント対応情報Iaの任意の過去における内容とを、共有情報更新部51(図2)によって共有情報Iに反映すること(図3:ステップS10)も可能である。
【0144】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、共有情報の内容が情報クライアントごとに複製され、複製されたクライアント対応情報が情報クライアントの利用に供されるので、複数の情報クライアントが同時並行的に共有情報の内容を利用することができる。また、利用に供された複数のクライアント対応情報の一部ないしすべての内容が共有情報に反映され、その内容によって各クライアント対応情報の内容が更新されるので、各情報クライアントは常に内容共通の情報を利用することができる。すなわち、複数の情報クライアントが、同時かつ同期的に共有情報の内容を利用することができる。さらに、共有情報とクライアント対応情報との間で、情報の形式が同一である必要はないので、様々な仕様の情報クライアントに対して、共有情報の利用を図ることも可能である。
【0145】
請求項2に記載の発明によれば、共有情報の更新が一定期間ごとに行われるので、情報クライアントを操作するユーザは、特に指示を送ることなく適時に更新される共通の情報内容を利用することができる。
【0146】
請求項3に記載の発明によれば、共有情報の更新が情報クライアントの要求に応じて行われるので、情報クライアントを操作するユーザは、その意図する時期に更新される共通の情報内容を利用することができる。
【0147】
請求項4に記載の発明によれば、情報クライアントが編集要求と閲覧要求のいずれを送信したかに応じて、クライアント対応情報の内容の変更の許否が行われるので、情報クライアントを操作するユーザは、自らの意志で変更の許否を決定することができる。
【0148】
請求項5に記載の発明によれば、編集要求を送信した情報クライアントのうち、いずれかの情報クライアントの指示に基づく一以上の情報クライアントに対してのみ、クライアント対応情報の内容の変更が許可される。このため、例えば、複数の情報クライアントを操作するユーザのうち、リーダ的(指導者的)な一人が、その意志で変更の許否を決定することが可能となる。したがって指導者的な一人が、共同作業の内容に応じて、特定のユーザ、例えば専門知識やスキルを持っている1またはそれ以上のユーザにのみ変更を許可することで、共同作業を効率的に進めることができる。また、少ない数の教師と多数の生徒とが、共同作業を効率よく行うことも可能となる。
【0149】
請求項6に記載の発明によれば、共有情報の種別にもとづいて競合の可能性が判断され、競合の可能性がなければ編集要求を送信した全ての情報クライアントに対して変更が許可され、競合の可能性ある場合には、変更の許可が単一の情報クライアントに制限されるので、事後的な競合の解決を行う必要がなく、処理が迅速に行われ得る。
【0150】
請求項7に記載の発明によれば、複数のクライアント対応情報の内容の間に競合がなければ、各変更内容の総和が共有情報へ反映され、競合があれば、いずれかの情報クライアントの指示にもとづく一の変更内容が共有情報へ反映される。したがって、例えば指導者的な立場のユーザの意志にもとづいて、競合の問題を解決することができる。
【0151】
請求項8に記載の発明によれば、複数のクライアント対応情報の内容の間に競合がなければ、各変更内容の総和が共有情報へ反映され、競合があれば、ユーザ間の対話によって決定された変更内容が共有情報へ反映される。したがって、複数の情報クライアントを操作するユーザは、競合の問題を互いが納得の行く方法で解決することができる。
【0152】
請求項9に記載の発明によれば、データベースにもとづいて一の変更内容が選択されるので、ユーザの手を介することなく自動的に競合を解決することができる。
【0153】
請求項10に記載の発明によれば、共有情報の種別にもとづいて、競合に関する判定が行われるので、判定が簡便で容易に行い得る。
【0154】
請求項11に記載の発明によれば、複数のクライアント対応情報の変更内容の間の重複部分にもとづいて、競合に関する判定が行われるので、一層細密な判定が可能となる。
【0155】
請求項12に記載の発明によれば、複数のクライアント対応情報の変更内容の間に重複部分があっても、重複部分において変更内容に差異がなければ、競合なしと判定されるので、より細密な判定が得られる。
【0156】
請求項13に記載の発明によれば、情報クライアントからの要求に応じて、クライアント対応情報更新手段による更新の対象とされるクライアント対応情報とは別に、共有情報の内容を複製したクライアント対応個人情報が利用に供されるので、要求を行った情報クライアントのユーザは、変更内容がユーザ全員に反映されない個人メモとして、クライアント対応個人情報を利用することができる。
【0157】
請求項14に記載の発明によれば、個人情報編集要求を送信した情報クライアントからの新たな要求に応じて、この情報クライアントが利用するクライアント対応個人情報の内容が、この情報クライアントのためのクライアント情報へ反映される。その結果、共有情報への反映、および複数の情報クライアントのすべてのクライアント対応情報の更新が行われるので、個人メモとしての利用を目的としてなされた編集内容を、ユーザ全員の共有とすることができる。
【0158】
請求項15に記載の発明は、共有情報とクライアント対応情報との間で、情報の形式の変換が行われるので、共有情報の形式として、平易で汎用性が高く様々な形式への変換に適した形式、例えばXML(eXtensive Markup Language)で記述する形式を選ぶことができる。また、共有情報からクライアント対応情報への形式の変換が、情報クライアントに関する情報にもとづいて行われるので、多様な仕様の情報クライアントに個別に適した形式で、クライアント対応情報を利用提供することができる。
【0159】
請求項16に記載の発明によれば、情報クライアントに関する情報が、各情報クライアントを操作する各ユーザに関する情報を含むので、各ユーザに適した形式で、クライアント対応情報を利用提供することができる。
【0160】
請求項17に記載の発明によれば、情報サーバと各情報クライアントとの間でやり取りした情報が、やり取りした時刻とともに記録されるので、各情報クライアントのユーザは、過去の編集履歴等を参照することが可能となる。
【0161】
請求項18に記載の発明によれば、情報クライアントの要求に応じて、要求されたクライアント情報が、情報履歴にもとづいて過去の内容へと復帰するので、ユーザは所望のクライアント対応情報を所望の時点の内容へと戻すことができる。また、過去の内容へ戻されたクライアント対応情報の内容を、共有情報更新手段によって共有情報へ反映することも、さらにクライアント対応情報更新手段によって、各クライアント対応情報を共有情報の変更内容で更新することも可能である。さらに、互いに異なる時点における複数のクライアント対応情報の内容を、共有情報更新手段によって共有情報へ反映することも可能である。
【0162】
請求項19に記載の発明によれば、処理手段がCPUと前記CPUの動作を規定するプログラムを搭載したメモリとを備える情報処理装置によって、等価的に構成されるので、情報サーバを容易かつ安価に構成することができる。また、プログラムの変更により、情報サーバの構成および機能を容易に変更することができる。
【0163】
請求項20に記載の発明によれば、請求項19に記載の情報サーバのメモリに記録されることにより、請求項1ないし18のいずれかに記載の情報サーバの処理手段が等価的に構成されるので、上記した各効果を奏する有用性の高い情報サーバを実現することができる。
【0164】
請求項21に記載の発明によれば、請求項1ないし19のいずれかに記載の情報サーバと、通信回線を通じて情報サーバに接続可能な複数の情報クライアントと、を備えるので、情報サーバが上記した各効果を奏する有用性の高い情報システムが実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による情報システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態による情報サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態による情報システムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態によるデータテーブルの一例を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態による別のデータテーブルの一例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態によるステップS6の内部フローを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態によるさらに別のデータテーブルの一例を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態によるステップS6の内部フローの別の例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態による共有情報更新部の内部構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態による共有情報更新部の処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態によるステップS71の処理の説明図である。
【図12】本発明の実施の形態によるステップS70の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態によるステップS10の内部フローの別の例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態によるステップS10の内部フローのさらに別の例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態による情報システムの処理手順の別の例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態による、クライアントに関する情報を取得する処理手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態による共有情報の一部を示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態による、情報クライアントに関する情報の一例を示す説明図である。
【図19】本発明の実施の形態による、情報クライアントの端末機種等とクライアント対応情報の形式との関係を示す説明図である。
【図20】本発明の実施の形態による情報システムを用いて図形情報の編集・閲覧に関する共同作業を行う例を描いた説明図である。
【図21】本発明の実施の形態による別の共有情報の一部を示す説明図である。
【図22】本発明の実施の形態による、文書作成アプリケーションソフトウェアの種類とクライアント対応情報の形式との関係を示す説明図である。
【図23】本発明の実施の形態による、ユーザの種別と変換すべきクライアント対応情報の形式との関係を示す説明図である。
【図24】本発明の実施の形態による通信履歴の一例の説明図である。
【符号の説明】
1 情報サーバ
2,3,4情報クライアント
5,6,7ユーザ
10 処理部
11 記憶部
12 CPU
13 プログラムメモリ
50 クライアント対応情報性西部
51 共有情報更新部
52 クライアント対応情報更新部
53 情報変更許否部
54 クライアント対応個人情報生成部
55 クライアント対応個人情報反映部
56 クライアント情報取得部
57 情報履歴記録部
58 クライアント対応情報復帰部
59 通信部
60 データベース作成部
61 共有情報記憶部
62 クライアント対応情報記憶部
63 クライアント対応個人情報記憶部
64 クライアント情報記憶部
65 情報履歴記憶部
66 データベース記憶部
71 競合判定部
72 合成部
73 競合解決部
75 第1判定部
76 第2判定部
77 第3判定部
100 情報システム
I 共有情報
Ia,Ib,Ic クライアント対応情報
Ib’クライアント対応個人情報
L 通信回線
【発明の属する技術分野】
本発明は、共同作業型プレゼンテーションシステムへの利用に好適な、情報サーバ、情報サーバ用プログラムおよび情報システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のユーザが共同で利用するプレゼンテーションシステムに関する従来技術として、遠隔会議システムのように複数ユーザ間のプレゼンテーションシステムを結びつけることにより、映像、音声、形状情報などのデータの配信を行うシステム、電子ホワイトボードシステムのように複数ユーザ間で形状情報などを共有し、また同時にリアルタイムでデータを編集することができるシステム、あるいは通信ネットワークを経由することにより、情報サーバ上のファイルを複数のユーザ間で共有し、閲覧は同時に、しかし編集は行い得ないか、または非同時に行うことを可能とした形態で、共同作業を実現するシステムが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−99868公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ネットワーク通信技術を利用したプレゼンテーションシステムは、情報サーバ上の1つの共有情報に対して、通信ネットワークを経由して接続された複数の情報クライアントから同時にアクセスすることにより、複数のユーザが同時に1つの共有情報を利用できるところに利点がある。
【0005】
しかしながら、従来のネットワーク通信技術を利用したプレゼンテーションシステムにおいては、複数のユーザが情報サーバ上の情報を利用する場合において、複数のユーザによる情報の同時閲覧については実現されているが、複数のユーザによる情報の同時編集に関しては実現されていない、という問題点があった。また、あるユーザによって編集された情報が常に他のユーザが閲覧している情報と同期している(すなわち、同一内容が利用に供されている)わけではない、という問題点があった。
【0006】
さらに、情報サーバ上の情報を共有するためには、全ての情報クライアントを構成する機器やアプリケーションソフトウェアの間で、共通のものを利用することが必要であったため、情報クライアントの仕様が異なる広い層のユーザが、共同作業的にプレゼンテーションに参加することは困難である、という問題点があった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、複数の情報クライアントの間で、同時かつ同期的に共有情報を編集することを可能にする情報サーバ、情報サーバ用プログラムおよび情報システムを提供することを目的とする。さらに、仕様の異なる複数の情報クライアントに対しても、共有情報の利用を可能にする情報サーバ、情報サーバ用プログラムおよび情報システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、通信回線を通じて複数の情報クライアントに接続可能な情報サーバであって、記憶手段と処理手段とを備え、前記記憶手段は、共有情報記憶手段とクライアント対応情報記憶手段とを備え、前記共有情報記憶手段は、共有情報を記憶し、前記処理手段は、クライアント対応情報生成手段と共有情報更新手段とクライアント対応情報更新手段とを備え、前記クライアント対応情報生成手段は、前記複数の情報クライアントからの利用要求に応じて、前記共有情報の内容の複製を前記複数の情報クライアントごとに行い、複数のクライアント対応情報として前記クライアント対応情報記憶手段へ記録するとともに、前記複数の情報クライアントの利用に供し、前記共有情報更新手段は、利用に供した前記複数のクライアント対応情報のうち、一部または全てのクライアント対応情報の内容を、前記共有情報へ反映することにより、前記共有情報の更新を行い、前記クライアント対応情報更新手段は、前記共有情報の前記更新があったときに、前記共有情報の内容の複製を前記複数の情報クライアントごとに行うことにより、前記複数のクライアント対応情報を更新するものである。
【0009】
この発明によれば、共有情報の内容が情報クライアントごとに複製され、複製されたクライアント対応情報が情報クライアントの利用に供されるので、複数の情報クライアントが同時並行的に共有情報の内容を利用することができる。また、利用に供された複数のクライアント対応情報の一部ないしすべての内容が共有情報に反映され、その内容によって各クライアント対応情報の内容が更新されるので、各情報クライアントは常に内容共通の情報を利用することができる。すなわち、複数の情報クライアントが、同時かつ同期的に共有情報の内容を利用することができる。さらに、共有情報とクライアント対応情報との間で、情報の形式が同一である必要はないので、様々な仕様の情報クライアントに対して、共有情報の利用を図ることも可能である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報サーバであって、前記共有情報更新手段が、前記共有情報の前記更新を一定期間ごとに行うものである。
【0011】
この発明によれば、共有情報の更新が一定期間ごとに行われるので、情報クライアントを操作するユーザは、特に指示を送ることなく適時に更新される共通の情報内容を利用することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の情報サーバであって、前記共有情報更新手段が、前記共有情報の前記更新を、前記複数の情報クライアントのうちの少なくとも一の要求に応じて行うものである。
【0013】
この発明によれば、共有情報の更新が情報クライアントの要求に応じて行われるので、情報クライアントを操作するユーザは、その意図する時期に更新される共通の情報内容を利用することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の情報サーバであって、前記処理手段が情報変更許否手段をさらに備え、前記情報変更許否手段は、前記利用要求として編集要求を送信した情報クライアントのすべてに対し、対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可するとともに、前記利用要求として閲覧要求を送信した情報クライアントに対しては対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可しないものである。
【0015】
この発明によれば、情報クライアントが編集要求と閲覧要求のいずれを送信したかに応じて、クライアント対応情報の内容の変更の許否が行われるので、情報クライアントを操作するユーザは、自らの意志で変更の許否を決定することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の情報サーバであって、前記処理手段が情報変更許否手段をさらに備え、前記情報変更許否手段は、前記利用要求として編集要求を送信した情報クライアントのうち、前記複数の情報クライアントのいずれかの指示にもとづく一以上に対してのみ、対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可するとともに、前記利用要求として閲覧要求を送信した情報クライアントに対しては対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可しないものである。
【0017】
この発明によれば、編集要求を送信した情報クライアントのうち、いずれかの情報クライアントの指示に基づく一以上の情報クライアントに対してのみ、クライアント対応情報の内容の変更が許可される。このため、例えば、複数の情報クライアントを操作するユーザのうち、リーダ的(指導者的)な一人が、その意志で変更の許否を決定することが可能となる。したがって指導者的な一人が、共同作業の内容に応じて、特定のユーザ、例えば専門知識やスキルを持っている1またはそれ以上のユーザにのみ変更を許可することで、共同作業を効率的に進めることができる。また、少ない数の教師と多数の生徒とが、共同作業を効率よく行うことも可能となる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の情報サーバであって、前記処理手段が、情報変更許否手段をさらに備え、前記情報変更許否手段は、前記共有情報の種別が前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を前記共有情報へ反映させても支障のないものである場合には、前記利用要求として編集要求を送信した情報クライアントのすべてに対し、対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可し、前記共有情報の種別が前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を前記共有情報へ反映させると支障のあるものである場合には、前記利用要求として編集要求を送信した情報クライアントのうち一に対してのみ、対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可するとともに、前記利用要求として閲覧要求を送信した情報クライアントに対しては対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可しないものである。
【0019】
この発明によれば、共有情報の種別にもとづいて競合の可能性が判断され、競合の可能性がなければ編集要求を送信した全ての情報クライアントに対して変更が許可され、競合の可能性ある場合には、変更の許可が単一の情報クライアントに制限されるので、事後的な競合の解決を行う必要がなく、処理が迅速に行われ得る。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の情報サーバであって、前記共有情報更新手段が、競合判定手段と合成手段と競合解決手段とを備え、前記競合判定手段は、前記複数のクライアント対応情報の内容の間に競合が存在するか否かを判定し、前記合成手段は、前記競合判定手段が前記競合がないと判定した場合に、前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を、前記共有情報へ反映させ、前記競合解決手段は、前記競合判定手段が前記競合が存在すると判定した場合に、前記複数のクライアント対応情報のうち、前記複数の情報クライアントのいずれかの指示にもとづく一の変更内容を、前記共通情報へ反映させるものである。
【0021】
この発明によれば、複数のクライアント対応情報の内容の間に競合がなければ、各変更内容の総和が共有情報へ反映され、競合があれば、いずれかの情報クライアントの指示にもとづく一の変更内容が共有情報へ反映される。したがって、例えば指導者的な立場のユーザの意志にもとづいて、競合の問題を解決することができる。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の情報サーバであって、前記共有情報更新手段が、競合判定手段と合成手段と競合解決手段とを備え、前記競合判定手段は、前記複数のクライアント対応情報の内容の間に競合が存在するか否かを判定し、前記合成手段は、前記競合判定手段が前記競合がないと判定した場合に、前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を、前記共有情報へ反映させ、前記競合解決手段は、前記競合判定手段が前記競合が存在すると判定した場合に、前記複数の情報クライアントのユーザ間に対話を要求し、対話により決定された変更内容を、前記共有情報へ反映させるものである。
【0023】
この発明によれば、複数のクライアント対応情報の内容の間に競合がなければ、各変更内容の総和が共有情報へ反映され、競合があれば、ユーザ間の対話によって決定された変更内容が共有情報へ反映される。したがって、複数の情報クライアントを操作するユーザは、競合の問題を互いが納得の行く方法で解決することができる。
【0024】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の情報サーバであって、前記記憶手段がデータベース記憶手段をさらに備え、前記データベース記憶手段はデータベースを記憶し、前記共有情報更新手段は競合判定手段と合成手段と競合解決手段とを備え、前記競合判定手段は前記複数のクライアント対応情報の内容の間に競合が存在するか否かを判定し、前記合成手段は、前記競合判定手段が前記競合がないと判定した場合に、前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を、前記共有情報へ反映させ、前記競合解決手段は、前記競合判定手段が前記競合が存在すると判定した場合に、前記データベースを参照することにより、前記複数のクライアント対応情報のうち、一の変更内容を選択し、選択した前記変更内容を前記共通情報へ反映させるものである。
【0025】
この発明によれば、データベースにもとづいて一の変更内容が選択されるので、ユーザの手を介することなく自動的に競合を解決することができる。
【0026】
この発明は、共有情報の内容が文書である場合には、辞書および文法に関する知識情報をデータベースとして確保しておき、正しい変更内容、あるいは、より誤りの少ない変更内容を競合解決手段が選択する、という態様を採ることが可能である。また、共有情報の内容が建築物に関する図形情報である場合には、建築に関する知識情報をデータベースとして確保しておき、正しい変更内容、あるいは、より誤りの少ない変更内容を競合解決手段が選択する、という態様を採ることも可能である。
【0027】
データベースを備える態様において、さらに、請求項17に記載の発明と同様に、記憶手段に情報履歴記憶手段を設けるとともに、処理手段に情報履歴記録手段を設けておき、各情報クライアントの編集履歴にもとづいて上記データベースの内容を作成するデータベース作成手段を、処理手段にさらに設ける、という態様も可能である。例えば、データベース作成手段が、各情報クライアントの編集履歴にもとづいて、現在から過去までの一定期間において誤りの重要度と頻度との総合評価を作成してデータベースへ蓄積し、競合解決手段が、変更内容のうち最も評価の高い情報クライアントによるものを選択する、という態様を採ることも可能である。
【0028】
請求項10に記載の発明は、請求項7ないし9のいずれかに記載の情報サーバであって、前記競合判定手段が第1判定手段を備え、前記第1判定手段は、前記共有情報の種別が、前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を、前記共有情報へ反映させても支障のないものである場合には、競合なしと判定するものである。
【0029】
この発明によれば、共有情報の種別にもとづいて、競合に関する判定が行われるので、判定が簡便で容易に行い得る。
【0030】
請求項11に記載の発明は、請求項7ないし10のいずれかに記載の情報サーバであって、前記競合判定手段が第2判定手段を備え、前記第2判定手段は、前記複数のクライアント対応情報の変更内容の間に重複部分がない場合には、競合なしと判定するものである。
【0031】
この発明によれば、複数のクライアント対応情報の変更内容の間の重複部分にもとづいて、競合に関する判定が行われるので、一層細密な判定が可能となる。
【0032】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の情報サーバであって、前記競合判定手段が第3判定手段をさらに備え、前記第3判定手段は、前記第2判定手段が競合なしと判定しなかった場合に、前記重複部分における前記変更内容の間で差異がなければ、競合なしと判定するものである。
【0033】
この発明によれば、複数のクライアント対応情報の変更内容の間に重複部分があっても、重複部分において変更内容に差異がなければ、競合なしと判定されるので、より細密な判定が得られる。
【0034】
請求項13に記載の発明は、請求項1ないし12のいずれかに記載の情報サーバであって、前記記憶手段がクライアント対応個人情報記憶手段をさらに備え、前記処理手段はクライアント対応個人情報生成手段をさらに備え、前記クライアント対応個人情報生成手段は、前記利用要求として個人情報編集要求を送信した情報クライアントに対し、前記共有情報の内容を複製しクライアント対応個人情報として、前記クライアント対応個人情報記憶手段へ記録するとともに、前記個人情報編集要求を送信した前記情報クライアントの利用に供するものである。
【0035】
この発明によれば、情報クライアントからの要求に応じて、クライアント対応情報更新手段による更新の対象とされるクライアント対応情報とは別に、共有情報の内容を複製したクライアント対応個人情報が利用に供されるので、要求を行った情報クライアントのユーザは、変更内容がユーザ全員に反映されない個人メモとして、クライアント対応個人情報を利用することができる。
【0036】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の情報サーバであって、前記処理手段がクライアント対応個人情報反映手段をさらに備え、前記クライアント対応個人情報反映手段は、前記個人情報編集要求を送信した前記情報クライアントから前記利用要求の1つとしての編集要求として送信される個人情報反映要求に応じて、対応するクライアント対応個人情報の内容を、対応するクライアント対応情報へ反映するものである。
【0037】
この発明によれば、個人情報編集要求を送信した情報クライアントからの新たな要求に応じて、この情報クライアントが利用するクライアント対応個人情報の内容が、この情報クライアントのためのクライアント情報へ反映される。その結果、共有情報への反映、および複数の情報クライアントのすべてのクライアント対応情報の更新が行われるので、個人メモとしての利用を目的としてなされた編集内容を、ユーザ全員の共有とすることができる。
【0038】
また個人情報反映要求は、共有情報の利用要求の1つとしての編集要求として行われるので、この発明を請求項4ないし6のいずれかに記載の発明と同時に実施する場合には、情報変更許否手段は個人情報反映要求を送信した情報クライアントを、編集要求を送信した情報クライアントとして扱うこととなる。
【0039】
請求項15に記載の発明は、請求項1ないし14のいずれかに記載の情報サーバであって、前記記憶手段がクライアント情報記憶手段をさらに備え、前記処理手段がクライアント情報取得手段をさらに備え、前記クライアント情報取得手段は、前記複数の情報クライアントに関する情報を取得し、前記クライアント情報記憶手段へ記録し、前記クライアント対応情報生成手段は、前記複製を行うに際し、前記クライアントに関する情報にもとづいて前記共有情報の形式を変換し、前記共有情報更新手段は、前記共有情報の前記更新を行うに際し、前記一部または全てのクライアント対応情報の形式を前記共有情報の形式へ変換し、前記クライアント対応情報更新手段は、前記複製を行うに際し、前記クライアントに関する情報にもとづいて前記共有情報の形式を変換するものである。
【0040】
この発明は、共有情報とクライアント対応情報との間で、情報の形式の変換が行われるので、共有情報の形式として、平易で汎用性が高く様々な形式への変換に適した形式、例えばXML(eXtensive Markup Language)で記述する形式を選ぶことができる。また、共有情報からクライアント対応情報への形式の変換が、情報クライアントに関する情報にもとづいて行われるので、多様な仕様の情報クライアントに個別に適した形式で、クライアント対応情報を利用提供することができる。
【0041】
情報クライアントに関する情報の一態様として、例えば、各情報クライアントの情報提示装置および情報入力装置の仕様、各情報クライアントが使用するアプリケーションソフトウェアの仕様、各情報クライアントが接続する通信回線の仕様、各情報クライアントを操作するユーザが要求する情報の形式、などが採用可能である。
【0042】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の情報サーバであって、前記情報クライアントに関する情報が、前記複数の情報クライアントを操作する複数のユーザに関する情報を含むものである。
【0043】
この発明によれば、情報クライアントに関する情報が、各情報クライアントを操作する各ユーザに関する情報を含むので、各ユーザに適した形式で、クライアント対応情報を利用提供することができる。
【0044】
各ユーザに関する情報の一態様として、例えば、各ユーザが成人である、幼児である、外国人である、肢体不自由な人である、視覚または聴覚不自由な人である、等の情報を含めることができる。
【0045】
請求項17に記載の発明は、請求項1ないし16のいずれかに記載の情報サーバであって、前記記憶手段が情報履歴記憶手段をさらに備え、前記処理手段が情報履歴記録手段をさらに備え、前記情報履歴記録手段は、前記複数の情報クライアントに対してやり取りした情報を、やり取りした時刻とともに、情報履歴として前記情報履歴記憶手段へ記録するものである。
【0046】
この発明によれば、情報サーバと各情報クライアントとの間でやり取りした情報が、やり取りした時刻とともに記録されるので、各情報クライアントのユーザは、過去の編集履歴等を参照することが可能となる。
【0047】
請求項18に記載の発明は、請求項17に記載の情報サーバであって、前記処理手段がクライアント対応情報復帰手段をさらに備え、前記クライアント対応情報復帰手段は、前記複数の情報クライアントのうち、一ないし複数の要求に応じて、前記複数のクライアント対応情報のうち、対応する一ないし複数を、前記情報履歴にもとづいて、過去の内容へと復帰させるものである。
【0048】
この発明によれば、情報クライアントの要求に応じて、要求されたクライアント情報が、情報履歴にもとづいて過去の内容へと復帰するので、ユーザは所望のクライアント対応情報を所望の時点の内容へと戻すことができる。また、過去の内容へ戻されたクライアント対応情報の内容を、共有情報更新手段によって共有情報へ反映することも、さらにクライアント対応情報更新手段によって、各クライアント対応情報を共有情報の変更内容で更新することも可能である。さらに、互いに異なる時点における複数のクライアント対応情報の内容を、共有情報更新手段によって共有情報に反映することも可能である。
【0049】
また、この発明を請求項7ないし9のいずれかに記載の発明と組合せた態様においては、互いに異なる時点における複数の変更内容の合成を合成手段によって行うことも、また、それらの間の競合関係を競合解決手段で解決することも可能である。
【0050】
また、この発明を請求項14に記載の発明と組合せた態様においては、クライアント対応個人情報の内容を、対応するクライアント対応情報へ反映したものと、他のクライアント対応情報の過去における内容とを、共有情報更新手段によって共有情報に反映することも可能である。
【0051】
請求項19に記載の発明は、請求項1ないし18のいずれかに記載の情報サーバであって、前記処理手段が、CPUと前記CPUの動作を規定するプログラムを搭載したメモリとを備える情報処理装置によって、等価的に構成されるものである。
【0052】
この発明によれば、処理手段がCPUと前記CPUの動作を規定するプログラムを搭載したメモリとを備える情報処理装置によって、等価的に構成されるので、情報サーバを容易かつ安価に構成することができる。また、プログラムの変更により、情報サーバの構成および機能を容易に変更することができる。
【0053】
請求項20に記載の発明は、情報サーバ用プログラムであって、請求項19に記載の情報サーバの前記メモリに記録されることにより、前記情報処理装置が前記処理手段を等価的に構成するものである。
【0054】
この発明によれば、請求項19に記載の情報サーバのメモリに記録されることにより、請求項1ないし18のいずれかに記載の情報サーバの処理手段が等価的に構成されるので、上記した各効果を奏する有用性の高い情報サーバを実現することができる。
【0055】
この発明の一態様による情報サーバ用プログラムは、通信回線を通じて複数の情報クライアントに接続可能な情報サーバを、記憶手段と処理手段として機能させるものであって、前記記憶手段は、共有情報記憶手段とクライアント対応情報記憶手段とを備え、前記共有情報記憶手段は、共有情報を記憶し、前記処理手段は、クライアント対応情報生成手段と共有情報更新手段とクライアント対応情報更新手段とを備え、前記クライアント対応情報生成手段は、前記複数の情報クライアントからの利用要求に応じて、前記共有情報の内容の複製を前記複数の情報クライアントごとに行い、複数のクライアント対応情報として前記クライアント対応情報記憶手段へ記録するとともに、前記複数の情報クライアントの利用に供し、前記共有情報更新手段は、利用に供した前記複数のクライアント対応情報のうち、一部または全てのクライアント対応情報の内容を、前記共有情報へ反映することにより、前記共有情報の更新を行い、前記クライアント対応情報更新手段は、前記共有情報の前記更新があったときに、前記共有情報の内容の複製を前記複数の情報クライアントごとに行うことにより、前記複数のクライアント対応情報を更新するものである。
【0056】
請求項21に記載の発明は、情報システムであって、請求項1ないし19のいずれかに記載の情報サーバと、通信回線を通じて前記情報サーバに接続可能な複数の情報クライアントと、を備えるものである。
【0057】
この発明によれば、請求項1ないし19のいずれかに記載の情報サーバと、通信回線を通じて情報サーバに接続可能な複数の情報クライアントと、を備えるので、情報サーバが上記した各効果を奏する有用性の高い情報システムが実現する。
【0058】
【発明の実施の形態】
[情報システムの概略構成]
図1は、本発明の実施の形態による情報システムの概略構成を示すブロック図である。この情報システム100は、共同作業型プレゼンテーションシステムへの利用に好適に構成され、通信回線Lを通じて互いに接続可能な、情報サーバ1と一般に複数の情報クライアント2,3,4とを備えている。図1には、3台の情報クライアント2,3,4が通信回線Lに接続された形態を例示している。通信回線Lは、例えばインタネット等の通信ネットワークである。
【0059】
情報サーバ1は、処理部10と記憶部11とを備えている。処理部10は、CPU12とCPU12の動作を規定するプログラムを搭載したプログラムメモリ13とを備える情報処理装置によって、等価的に構成される。それにより情報サーバ1を容易かつ安価に構成することができる。また、プログラムの変更により、情報サーバ1の構成および機能を容易に変更することができる。記憶部11は、例えばハードディスク装置で構成される。
【0060】
情報クライアント2(,3,4)は、情報提示部20(,30,40)と情報入力部21(,31,41)と通信部22(,32,42)とを備えている。ここで、情報クライアント2(,3,4)等の符号表示は、複数の符号2,3,4を代表して、先頭符号2を採り上げる趣旨である。情報提示部20(,30,40)は、情報を文字、音声、画像等の形態で提示する装置部分であり、例えばディスプレイ装置、スピーカが含まれる。情報入力部21(,31,41)は、情報を文字、音声、画像等の形態で入力する装置部分であり、例えばキーボード、マウス、音声入力装置が含まれる。通信部22(,32,42)は、通信回線Lを通じて情報クライアント2(,3,4)を情報サーバ1へ接続するための装置部分である。情報クライアント2(,3,4)は、ユーザ5(,6,7)によって操作される。
【0061】
図2は、情報サーバ1の構成を示すブロック図である。処理部10は、クライアント対応情報生成部50、共有情報更新部51、クライアント対応情報更新部52、情報変更許否部53、クライアント対応個人情報生成部54、クライアント対応個人情報反映部55、クライアント情報取得部56、情報履歴記録部56、クライアント対応情報復帰部58、通信部59およびデータベース作成部60を備えている。また、記憶部11は、共有情報記憶部61、クライアント対応情報記憶部62、クライアント対応個人情報記憶部63、クライアント情報記憶部64、情報履歴記憶部65およびデータベース記憶部66を備えている。言うまでもなく各記憶部61〜66は、同一の記憶装置の異なるメモリ領域が割り当てられたものであってもよい。
【0062】
通信部59は、通信回線Lを通じて情報サーバ1を情報クライアント2(,3,4)へ接続するための装置部分である。情報サーバ1のその他の装置部分の機能については、以下の処理手順の説明の中で適宜説明する。
【0063】
[情報システムによる処理手順の概要]
図3は、情報システム100による処理の手順の一例を示すフローチャートである。情報サーバ1は、あらかじめ共有情報Iを共有情報記憶部61へ記憶している(ステップS1)。共有情報Iの内容は、文書情報、図形情報、画像情報等、様々なものであり得る。この共有情報Iを共同で利用しようとする情報クライアントa,b,cは、通信回線Lを通じて情報サーバ1へ接続するとともに、共有情報Iの利用要求を情報サーバ1へ送信する(ステップS2,3,4)。より具体的には、情報クライアントa,b,cは、それらを操作するユーザa,b,cの指示にもとづいて利用要求を送出する。図3の例では、ステップS2,3,4において、利用要求として情報クライアントaおよびbは編集要求を行い、情報クライアントcは閲覧要求を行っている。なお、情報クライアントa,b,cを操作するユーザを、便宜上同一符号を付して、ユーザa,b,cと記載する。
【0064】
次にステップS5では、クライアント対応情報生成部50が、共有情報Iの内容の複製を複数の情報クライアントa,b,cごとに行い、複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icとして、クライアント対応情報記憶部62へ記録する。同時に、クライアント対応情報生成部50は、クライアント情報Ia,Ib,Icを、それぞれ情報クライアントa,b,cの利用に供する。共有情報Iとクライアント対応情報Ia,Ib,Icとは、情報の形式において同一である必要はない。したがって、後に詳細に述べるように、クライアント対応情報Ia,Ib,Icの各々の形式は、情報クライアントa,b,cの各々の仕様に適合した形式を選ぶことができる。
【0065】
つづくステップS6では、情報変更許否部53が情報クライアントa,b,cの各々に対して、クライアント対応情報Ia,Ib,Icの変更の許否を行う。例えば、利用要求として編集要求を送信した情報クライアントaおよびbに対しては、対応するクライアント対応情報IaおよびIbの内容の変更を許可し、閲覧要求を送信した情報クライアントcに対しては、対応するクライアント対応情報Icの内容の変更を許可しない。ステップS6による情報変更許否の様々な形態については後述する。
【0066】
その後、クライアント対応情報IaおよびIbの内容の変更を許可された情報クライアントaおよびbは、クライアント対応情報IaおよびIbの閲覧および編集を行う(ステップS7およびS8)。これにより、クライアント対応情報IaおよびIbの内容は、一般に変更を伴う。クライアント対応情報Icの内容の変更を許可されない情報クライアントcは、クライアント対応情報Icの閲覧を行う(ステップS9)。
【0067】
その後、例えばクライアント対応情報Ia,Ib,Icの作成(ステップS5)から一定時間経過後に、情報サーバ1の共有情報更新部51は、利用に供した複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icのうち、変更許可を与えられた情報クライアントaおよびbが編集したクライアント対応情報IaおよびIbの内容を、共有情報Iへ反映することにより、共有情報Iの更新を行う(ステップS10)。
【0068】
つづいて、クライアント対応情報更新部52は、共有情報Iの内容の複製を複数の情報クライアントa,b,cごとに行うことにより、複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icを更新する(ステップS11)。これにより、情報クライアントaおよびbによる編集内容が、共同作業に加わる情報クライアントa,b,cのすべてに反映される。その後も処理を継続する場合には、処理はステップS7,S8,S9へ戻る。
【0069】
ステップS10の処理では、クライアント対応情報IaおよびIbの変更内容の間に競合がなければ、各変更内容の総和を共有情報Iへ反映すればよい。また、競合を生じる場合であっても、すでに編集がなされているクライアント対応情報IaおよびIbを事後的に(すなわち、編集後に)処理することにより、競合の解消を図ることができる。すなわち、情報クライアントaおよびbは、互いに別個のクライアント対応情報IaおよびIbを編集するので、編集の段階では競合の問題を生ずることなく、同時並行的に編集を行うことができる。なお、事後的な競合解消の望ましい手順については後述する。
【0070】
以上のように、この情報システム100では、共有情報Iの内容が情報クライアントa,b,cごとに複製され、複製されたクライアント対応情報Ia,Ib,Icが情報クライアントa,b,cの利用に供されるので、複数の情報クライアントa,b,cが同時並行的に共有情報Iの内容を利用することができる。また、利用に供された複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icの一部ないしすべての内容が共有情報Iに反映され、その内容によって各クライアント対応情報Ia,Ib,Icの内容が更新されるので、各情報クライアントa,b,cは常に内容共通の情報を利用することができる。すなわち、複数の情報クライアントa,b,cが、同時かつ同期的に共有情報の内容を利用することができる。さらに、共有情報Iとクライアント対応情報Ia,Ib,Icとの間で、情報の形式が同一である必要はないので、様々な仕様の情報クライアントa,b,cに対して、共有情報Iの利用を図ることも可能である。
【0071】
[共有情報の更新時期]
以上の説明では、共有情報Iの更新(ステップS10)は、一定期間ごとに行うものとした。この形態では、情報クライアントa,b,cを操作するユーザは、特に指示を送ることなく適時に更新される共通の情報内容を利用することができるという利点がある。一定期間を短く設定すると、ほとんどリアルタイムで、各人の編集内容を全員が共有することも可能となる。
【0072】
別の形態として、共有情報更新部51は、情報サーバ1に接続されている複数の情報クライアントa,b,cのうちの少なくとも一の要求に応じて共有情報Iの更新を行ってもよい。この形態では、情報クライアントa,b,cを操作するユーザは、その意図する時期に、共通の情報内容を更新できるという利点がある。
【0073】
[変更の許否:第1の形態]
以上の説明では、情報変更許否部53は、利用要求として編集要求を送出した情報クライアントaおよびbのすべてに対し、クライアント対応情報IaおよびIbの内容の変更を許可するとともに、利用要求として閲覧要求を送出した情報クライアントcに対しては、クライアント対応情報cの内容の変更を不許可とした。この形態では、情報クライアントa,b,cが編集要求と閲覧要求のいずれを送出したかに応じて、クライアント対応情報Ia,Ib,Icの内容の変更の許否が行われるので、情報クライアントa,b,cを操作するユーザは、自らの意志で変更の許否を決定することができるという利点がある。
【0074】
この形態を実施するには、例えば情報サーバ1の記憶部11に、図4に示すテーブルT1および図5に示すテーブルT2を確保しておき、図6に示す手順で変更の許否を行うと良い。テーブルT1(図4)には、各情報クライアントa,b,cに対応付けて情報クライアントa,b,cの利用要求の内容が記録されている。また、テーブルT2(図5)には、各利用要求に対する許否判断の内容が記録されている。図6が示すように、ステップS6の処理が開始されると、情報変更許否部53は、テーブルT1を参照することにより各情報クライアントa,b,cの利用要求の内容を把握し(ステップS40)、ついでテーブルT2を参照することにより利用要求に対応する変更の許否の内容を把握する(ステップS41)。それにより、情報変更許否部53は各情報クライアントa,b,cに対する変更の許否の内容を把握することができる。情報変更許否部53は、テーブルT2の「許可」に該当する情報クライアントのすべてに、クライアント対応情報の内容の変更を許可する(ステップS42)。
【0075】
例えば、テーブルT1を参照することにより、情報クライアントaは編集要求を行っていることが把握され、さらにテーブルT2を参照することにより、情報クライアントaに対しては許可すべきことが把握される。したがって、情報変更許否部53は、情報クライアントaに対してクライアント対応情報の内容の変更を許可する。
【0076】
[変更の許否:第2の形態]
別の形態として、情報変更許否部53が、情報クライアントa,b,cがクライアント対応情報Ia,Ib,Icを通じて共有的に利用する共有情報Iの種別が、クライアント対応情報Ia,Ib,Icにおける任意の変更内容の総和を、共有情報Iへ反映させても支障のないものである場合には、競合が起こり得ないものとして、編集要求を送信した情報クライアントのすべてに、クライアント対応情報の内容の変更を許可し、支障のあるものである場合には、編集要求を送信した情報クライアントのうち、一つにのみ変更を許可してもよい。
【0077】
共有情報Iの種別とは、共有情報Iの利用形態に関する種別を意味する。変更内容の総和を共有情報Iへ反映させても支障のない種別として、例えば次の2通りが有り得る。第1の種別は、同時に複数の情報クライアントによって変更がなされても問題が生じることが少ない情報である。これは、複数の情報クライアントによって上書きされても問題がない、あるいは逆に効果的なものである。例として、電子ホワイトボード(電子白板または電子黒板)およびキャンバス等に利用される共有情報Iが挙げられる。電子ホワイトボードやキャンバス等では、複数の情報クライアントのユーザが、同一箇所に別個の図形、文字等を書き込んでも、それらを重ねて表示、記録することに何ら支障はない。
【0078】
第2の種別は、実際の使用状況において、同時に変更が行われることが稀少である情報である。例えば、指導、質問、設問形式のテストなどを含む学習、ゲームなどに利用される情報や、しりとり、五目並べ、○×ゲームなどの対戦型ゲームに利用される情報が挙げられる。
【0079】
逆に、変更内容の総和を共有情報Iへ反映させると支障のある種別としては、例えば文書作成や図形作成に利用される情報が挙げられる。例えば文書作成への利用においては、同一箇所に複数のユーザが別個の文字を書き込んだ場合、それらを重ねて表示、記録したのでは、文書としての意味をなさず合理的ではない。
【0080】
この形態によれば、共有情報Iの種別(利用形態)にもとづいて、競合の可能性が判断され、競合の可能性ある場合には、変更の許可を単一の情報クライアントに制限されるので、事後的な競合の解決を行う必要がなく、処理が迅速に行われ得る。
【0081】
この形態を実施するには、例えば情報サーバ1の記憶部11に、図4に示したテーブルT1および図5に示したテーブルT2に加えて、図7に示すテーブルT3を確保しておき、図8に示す手順で変更の許否を行うと良い。テーブルT3(図7)には、共有情報Iの種別(利用形態)ごとに競合の可能性の有無が記録されている。
【0082】
図8が示すように、ステップS6の処理が開始されると、情報変更許否部53は、テーブルT1(図4)を参照することにより各情報クライアントa,b,cの利用要求の内容を把握し(ステップS50)、ついでテーブルT2(図5)を参照することにより利用要求に対応する変更の許否の内容を把握する(ステップS51)。それにより、情報変更許否部53は各情報クライアントa,b,cに対する変更の許否の内容を把握することができる。情報変更許否部53は、テーブルT2の「許可」に該当する情報クライアントのすべてを、クライアント対応情報の内容の変更を許可すべき候補とする(ステップS51)。
【0083】
例えば、テーブルT1を参照することにより、情報クライアントaは編集要求を行っていることが把握され、さらにテーブルT2を参照することにより、情報クライアントaに対しては許可すべきことが把握される。したがって、情報変更許否部53は、情報クライアントaをクライアント対応情報の内容の変更を許可すべき候補とする。
【0084】
情報変更許否部53は、さらにテーブルT3(図7)を参照することにより共有情報Iが競合を生じ得るものか否かを判定する(ステップS52)。例えば、共有情報Iの利用形態が文書作成であれば、競合の可能性あり、と判定される。情報変更許否部53は、テーブルT3に基づいて共有情報Iに関して競合の可能性ありと判定した場合には、変更を許可すべき候補(すなわち、編集を要求する情報クライアントのすべて)のうち、一の情報クライアントのみに、クライアント対応情報の内容の変更を許可し(ステップS53およびS54)、テーブルT3に基づいて共有情報Iに関して競合の可能性なしと判定した場合には、変更を許可すべき候補(すなわち、編集を要求する情報クライアントのすべて)に、クライアント対応情報の内容の変更を許可する(ステップS53およびS55)。
【0085】
[変更の許否:第3の形態]
さらに別の形態として、情報変更許否部53は、利用要求として編集要求を送出した情報クライアント(例えば、aおよびb)のうち、情報サーバ1に接続している複数の情報クライアントa,bおよびcのいずれかの指示にもとづく一以上(例えば、情報クライアントb)に対してのみ、対応するクライアント対応情報(例えば、Ib)の内容の変更を許可してもよい。このとき、情報変更可否部53は、利用要求として閲覧要求を送出した情報クライアント(例えば、c)に対しては、クライアント対応情報(例えば、Ic)の内容の変更を許可しない。
【0086】
この形態では、情報クライアント情報a,b,cを操作するユーザのうち、例えばリーダ的(指導者的)な一人が、その意志で変更の許否を決定することが可能となる。したがって指導者的な一人が、共同作業の内容に応じて、特定のユーザ、例えば専門知識やスキルを持っている1またはそれ以上のユーザにのみ変更を許可することで、共同作業を効率的に進めることができる。また、教師がリーダとなることにより、教師と多数の生徒とが、共同作業を効率よく行うことも可能となる。
【0087】
[競合を解決する手順:第1の形態]
変更を許可された複数の情報クライアントが編集したクライアント対応情報の内容の間に競合が存在する場合に、競合を事後的に(すなわち編集後に)解決する望ましい手順について説明する。図9は、競合を事後的に解決するための共有情報更新部51の望ましい内部構成を示すブロック図である。この形態では、共有情報更新部51は、競合判定部71、合成部72および競合解決部73を備えている。また、競合判定部71は、第1判定部75、第2判定部76および第3判定部77を備えている。各装置部分の機能については、以下の処理手順の説明の中で適宜説明する。
【0088】
図10は、共有情報更新部51の望ましい処理を示すフローチャートである。図10の処理手順では、図3におけるステップS10の内部フローとして、ステップS69〜S83の処理が行われる。ステップS1からステップS9までの処理、およびステップS11の処理については、図3の対応部分と同一である。したがって、図10においても図3と同様に、情報クライアントa,b,cのうち、情報クライアントaおよびbが利用要求として編集要求を送信し(ステップS2およびS3)、情報クライアントcが閲覧要求を送信している(ステップS4)。また、ステップS6において、編集要求を送信した情報クライアントaおよびbのすべてに変更の許可が与えられ、閲覧要求を送信した情報クライアントcには変更の許可が与えられないものとする。
【0089】
共有情報更新部51はステップS10の処理を開始すると、まずクライアント対応情報IaおよびIbの内容を、互いに比較し(ステップS69)、それらの間に競合が存在するか否かを判定する(ステップS70)。ステップS69およびS70の処理は、競合判定部71によって行われる。ステップS70において競合がないと判定された場合には、合成部72はクライアント対応情報IaおよびIbにおける変更内容の総和、すなわち足し合わせたものを、共有情報Iへ反映させ、それにより共有情報Iを更新する(ステップS71)。
【0090】
変更内容の総和の一例を、図11に示す。図形情報であるクライアント対応情報IaおよびIbのそれぞれにおいて、斜線を付した部分が編集にともなって発生した変更内容である。クライアント対応情報IaおよびIbにおける変更内容の総和として、双方の斜線部分が共有情報Iへ反映される。
【0091】
ステップS70において、競合が存在すると判定された場合には、競合解決部73は、各クライアント対応情報IaおよびIbから競合が存在する部分における内容を抽出し、各情報クライアントa,b,cへ提示可能な情報(「競合情報」と称する)として作成するとともに(ステップS72)、各情報クライアントa,b,cのユーザへ対話を要求する(ステップS77)。それにともない、各情報クライアントa,b,cのユーザは、競合情報を閲覧しつつ(ステップS72、S74およびS75)、相互に対話を行う(ステップS76)。
【0092】
対話は、情報クライアントa,b,cが備える情報提示部20,30,40,および情報入力部21,31,41を用いて、文字通信、音声通信を通じて行うことができる。通信回線Lとしてインタネットを用いる場合には、文字通信としてメール通信やチャットサービス、音声通信としてインタネット電話を利用することができる。情報サーバ1と情報クライアントa,b,cとを接続する通信回線Lとは独立して、例えば電話回線を用いた三者通話等のサービスを利用してもよい。リアルタイムで互いに意志の疎通を図り得る任意の通信媒体が利用可能である。
【0093】
ユーザa,b,cは、対話を通じて有効にすべき編集内容を決定する(ステップS80)。有効にすべき編集内容が、クライアント対応情報IaおよびIbのいずれかである場合など、新たに編集が必要でない場合には、ユーザa,b,c(のいずれか一で足りる)は有効にすべき編集内容を情報サーバ1へ伝えればよい(ステップS81)。逆に、有効にすべき編集内容が、クライアント対応情報IaおよびIbのいずれでもなく、新たに編集が必要である場合には(ステップS81)、ユーザa,b,cのいずれか一は、クライアント対応情報Ia,Ib,Icのいずれかを新たに編集し、有効にすべき編集内容として情報サーバ1へ伝える(ステップS82)。
【0094】
ステップS76〜S82の処理は、ユーザによって行われる。情報サーバ1としては、ステップS81およびS82においてユーザが情報クライアントを通じて送信する内容、すなわち対話により決定された変更内容を、共有情報Iへ反映させればよい(ステップS83)。ステップS83の処理は、競合解決部73によって行われる。更新された共有情報Iの内容は、ステップS11によってクライアント対応情報Ia,Ib,Icへ反映される。その後、処理を終了する必要がなければ、処理はステップS7〜S9へ戻る。
【0095】
以上のように、複数のクライアント対応情報IaおよびIbの内容の間に競合がなければ、各変更内容の総和が共有情報Iへ反映され、競合があれば、ユーザ間の対話によって決定された変更内容が共有情報Iへ反映される。したがって、複数の情報クライアントを操作するユーザは、競合の問題を互いが納得の行く方法で解決することができる。
【0096】
[競合を解決する手順:第2の形態]
図12は、図10のステップS70の望ましい処理手順を示すフローチャートである。この手順では、競合判定部71によるステップS70の処理が開始されると、第1判定部71は、情報変更許否部53の第2の形態と同様に、共有情報Iの利用形態に関する種別にもとづいて、競合の有無を判定する。すなわち、共有情報Iの種別が、クライアント対応情報Ia,Ib,Icにおける任意の変更内容の総和を、共有情報Iへ反映させても支障のないものである場合には、競合が起こり得ないと判定され、支障のあるものである場合には、競合が起こり得ると判定される。
【0097】
具体的には、第1判定部71は、図7に示したテーブルT3を参照することにより(ステップS91)、競合の可能性の有無を判定する(ステップS92)。例えば、クライアント対応情報Ia,Ib,Icを通じて情報クライアントa,b,cが利用する共有情報Iの利用形態が、電子白板であれば競合の可能性なしと判定され、文書作成であれば競合の可能性有りと判定される。第1判定部は、ステップS92において競合の可能性なしと判定した場合には、最終的に競合なしと判定する(ステップS98)。
【0098】
ステップS92が競合の可能性有りと判定した場合には、第2判定部76は、クライアント対応情報IaおよびIbの変更内容の間に重複部分が有るか否かを判断し、重複部分がない場合には競合なしと判定し、重複部分が存在する場合には競合の可能性有りと判定する。対比すべきクライアント対応情報IaおよびIbの間において、一般には情報の形式が同一とは限らない。このため例えば、第2判定部76は、対比すべきクライアント対応情報IaおよびIbを、共有情報Iと同一形式の情報に変換した上で(ステップS93)、差分Ia−I、およびIb−Iを演算することにより、対比すべき編集内容(すなわち変更内容)を同一形式で表現する(ステップS94)。つづいて、第2判定部76は、対比すべき編集内容の間に重複部分が有るか否かを判定する(ステップS95)。例えば図11の例では、重複部分は存在しない。重複部分が存在しなければ、第2判定部76は、競合が存在しないと判定する(ステップS98)。
【0099】
ステップS95において重複部分が存在すると判定された場合には、第3判定部77は、重複部分におけるクライアント対応情報IaおよびIbの変更内容を互いに対比し、それらの間に差異が存在するか否かを判定する(ステップS96)。第3判定部77は、重複部分における変更内容に差違がなければ、競合は存在しないと判定し(ステップS98)、差違があれば競合が存在すると判定する(ステップS97)。
【0100】
クライアント対応情報IaおよびIbの変更内容の間に、仮に重複部分があっても、重複部分における変更内容が互いに同一であれば、双方の変更内容の総和を共有情報Iへ反映しても何ら支障はない。第3判定部77は、この事実を踏まえて、より細密な判定を行うものである。
【0101】
[競合を解決する手順:第3の形態]
図13は、競合を解決する手順についての第3の形態を示すフローチャートである。図10と同一の処理については同一の符号を付して、その説明を略する。図13の形態では、ステップS70の判定において、クライアント対応情報IaおよびIbの間に競合が存在する場合に、競合解決部73が、情報クライアントa,b,cのいずれか一つ、例えば情報クライアントaへ指示を求め(ステップS85)、指示があれば(ステップS86)、クライアント対応情報Ia,Ib,Icのうち、指示内容にもとづく一つを選択し(ステップS87)、選択したクライアント対応情報の変更内容を共有情報Iへ反映させる(ステップS88)点において、図10の手順とは特徴的に異なる。
【0102】
この形態は、変更許否判断(図3:ステップS6)についての第3の形態と同様に、情報クライアント情報a,b,cを操作するユーザのうち、例えばリーダ的(指導者的)な一人が、採用すべき変更内容をその意志で決定することを可能にするものである。
【0103】
[競合を解決する手順:第4の形態]
図14は、競合を解決する手順についての第4の形態を示すフローチャートである。図10と同一の処理については同一の符号を付して、その説明を略する。図14の形態では、ステップS70の判定において、クライアント対応情報IaおよびIbの間に競合が存在する場合に、競合解決部73が、データベース記憶部66に蓄積されているデータベースを参照し(ステップS101)、このデータベースの内容を基準に判断することにより、クライアント対応情報IaおよびIbのうちのいずれかの変更内容を最適なものとして選択し(ステップS102)、選択したクライアント対応情報の変更内容を共有情報Iへ反映させる(ステップS88)点において、図10の手順とは特徴的に異なる。
【0104】
判断基準となるデータベースの内容としては、様々な形態があり得る。例えば、共有情報Iの内容が文書であって、文書作成を利用目的とする場合には、辞書および文法に関する知識情報をデータベースとして確保しておき、正しい変更内容、あるいは、より誤りの少ない変更内容を競合解決部73が選択する、という形態を採ることが可能である。また、共有情報Iの内容が建築物に関する図形情報であって、建築物の設計を利用目的とする場合には、建築に関する知識情報をデータベースとして確保しておき、正しい変更内容、あるいは、より誤りの少ない変更内容を競合解決部73が選択する、という態様を採ることも可能である。
【0105】
データベースを備える形態において、さらに、記憶部11に設けられる情報履歴記憶部65、および処理部10に設けられる情報履歴記録部57を利用して、各情報クライアントa,b,cの編集履歴にもとづいてデータベースの内容を作成するデータベース作成部60を処理部10に設ける、という形態も採用可能である。例えば、データベース作成部60が、各情報クライアントの編集履歴にもとづいて、現在から過去までの一定期間において誤りの重要度と頻度との総合評価を作成してデータベースへ蓄積し、競合解決部73が、変更内容のうち最も評価の高い情報クライアントによるものを選択する、という形態を採ることも可能である。なお、情報履歴記憶部65および情報履歴記録部57の機能については、後述する。
【0106】
[クライアント対応個人情報の処理]
図15は、情報システム100による処理の手順について、別の一例を示すフローチャートである。情報サーバ1は、あらかじめ共有情報Iを共有情報記憶部61へ記憶している(ステップS11)。図3の処理と同様、共有情報Iの内容は、文書情報、図形情報、画像情報等、様々なものであり得る。この共有情報Iを共同で利用しようとする情報クライアントa,b,cは、通信回線Lを通じて情報サーバ1へ接続するとともに、共有情報Iの利用要求を情報サーバ1へ送信する(ステップS12,13,14)。これらのステップS12,13,14では、利用要求として情報クライアントaは編集要求を行い、情報クライアントb、cは閲覧要求を行っている。
【0107】
次にステップS15では、クライアント対応情報生成部50が、共有情報Iの内容の複製を複数の情報クライアントa,b,cごとに行い、複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icとして、クライアント対応情報記憶部62へ記録する。同時に、クライアント対応情報生成部50は、クライアント情報Ia,Ib,Icを、それぞれ情報クライアントa,b,cの利用に供する。図3の処理と同様、共有情報Iとクライアント対応情報Ia,Ib,Icとは、情報の形式において同一である必要はない。
【0108】
つづくステップS16では、情報変更許否部53が情報クライアントa,b,cの各々に対して、クライアント対応情報Ia,Ib,Icの変更の許否を行う。利用要求として編集要求を送信した情報クライアントが、情報クライアントaのみであるので、情報クライアントaに対してはクライアント対応情報Iaの内容の変更を許可し、閲覧要求を送信した情報クライアントbおよびcに対しては、対応するクライアント対応情報IbおよびIcの内容の変更を許可しなければよい。
【0109】
その後、クライアント対応情報Iaの内容の変更を許可された情報クライアントaは、クライアント対応情報Iaの閲覧および編集を行う(ステップS17)。これにより、クライアント対応情報Iaの内容は、一般に変更を伴う。
【0110】
ここで、クライアント対応情報Ibの内容の変更を許可されない情報クライアントbが、さらに新たな利用要求として、個人的な利用に供するための情報であるクライアント対応個人情報Ib’の作成要求(個人情報編集要求)を送信したものとする(ステップS18)。これに応答して、情報サーバ1のクライアント対応個人情報生成部54は、共有情報Iの内容を複製し、クライアント対応個人情報Ib’として、クライアント対応個人情報記憶部63へ記録するとともに、情報クライアントIbの利用に供する(ステップS19)。後述するように、クライアント対応個人情報Ib’は、クライアント対応情報Ibとは異なり、特別の要求がない限り共有情報Iへは反映されない。
【0111】
同じくクライアント対応情報Icの内容の変更を許可されない情報クライアントcは、クライアント対応情報Icの閲覧を行うものとする(ステップS20)。例えば、クライアント対応情報Ia,Ib,Icの作成(ステップS15)から一定時間経過後に、情報サーバ1の共有情報更新部51は、利用に供した複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icのうち、変更許可を与えられた情報クライアントaが編集したクライアント対応情報Iaの内容を、共有情報Iへ反映することにより、共有情報Iの更新を行う(ステップS22)。
【0112】
つづいて、クライアント対応情報更新部52は、共有情報Iの内容の複製を複数の情報クライアントa,b,cごとに行うことにより、複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icを更新する(ステップS23)。これにより、情報クライアントaによる編集内容が、共同作業に加わる情報クライアントa,b,cのすべてに反映される。
【0113】
次に、情報クライアントaは引き続き閲覧および編集を行い(ステップS24)、情報クライアントcは引き続き閲覧を行う(ステップS26)。その一方で、情報クライアントbは、編集したクライアント対応個人情報Ib’の保存を求める個人情報反映要求を送信したものとする(ステップS25)。情報サーバ1のクライアント対応個人情報生成部54は、これに応じて、クライアント対応個人情報記憶部63に記録されるクライアント対応個人情報Ib’の内容を更新する(ステップS27)。
【0114】
次に、例えばクライアント対応情報Ia,Ib,Icの更新(ステップS23)から一定時間経過後に、情報サーバ1の共有情報更新部51は、利用に供した複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icのうち、変更許可を与えられた情報クライアントaが編集したクライアント対応情報Iaの内容を、共有情報Iへ反映することにより、共有情報Iの更新を行う(ステップS29)。
【0115】
つづいて、クライアント対応情報更新部52は、共有情報Iの内容の複製を複数の情報クライアントa,b,cごとに行うことにより、複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icを更新する(ステップS30)。これにより、情報クライアントaによる新たな編集内容が、共同作業に加わる情報クライアントa,b,cのすべてに反映される。
【0116】
これに対し、情報クライアントbは、クライアント対応個人情報Ib’の内容の変更は可能であるが、クライアント対応情報Ibとは異なり、その変更内容は共有情報Iへは反映されず、かつ更新された共有情報Iによってクライアント対応個人情報Ib’の内容は更新されない。したがって、情報クライアントIbは、変更内容がユーザ全員に反映されない個人メモとして、クライアント対応個人情報Ib’を利用することができる。個人メモの内容として、例えば、クライアント対応情報Ibまたはクライアント対応個人情報Ib’として情報クライアントbに提示されている共有情報Iの内容に関する注意点、補足説明、その他の個人的な備忘録があり得る。
【0117】
引き続き図15を参照しつつ、情報システム100の処理手順に関し、特にクライアント対応個人情報Ib’の編集を行った情報クライアントbが、さらにクライアント対応個人情報Ib’をクライアント対応情報Ibへ反映させることを要求する場合について説明する。ステップS30の後、情報クライアントbは、編集したクライアント対応個人情報Ib’をクライアント対応情報Ibとして反映させることを求める個人情報反映要求を送信したものとする(ステップS34)。
【0118】
個人情報反映要求は、クライアント対応情報Ibの内容の変更を要求するものであるから、共有情報Iの編集要求(図3;ステップS3)の1つとして行われる。したがって個人情報反映要求が送信されると(ステップS34)、ステップS16と同様に、情報変更許否部53が情報クライアントa,b,cの各々に対して、クライアント対応情報Ia,Ib,Icの変更の許否を行う。利用要求として編集要求を送信している情報クライアントが、情報クライアントaおよびbであるので、変更の許否の形態として、例えばすでに述べた第1の形態(図6)、第2の形態(図8)および第3の形態のいずれかの形態を採用することができる。情報クライアントbに対して、クライアント対応情報Ibの変更が許可された場合には、情報サーバ1のクライアント対応個人情報反映部55は、クライアント対応個人情報Ib’の内容を、クライアント対応情報Ibへ反映する(ステップS36)。
【0119】
その後、例えばクライアント対応情報Ia,Ib,Icの更新(ステップS30)から一定時間経過後に、情報サーバ1の共有情報更新部51は、利用に供した複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icのうち、変更が加えられたクライアント対応情報IaおよびIbの内容を、共有情報Iへ反映することにより、共有情報Iの更新を行う(ステップS38)。クライアント対応情報Ibへ反映されたクライアント対応個人情報Ib’の変更内容と、他のクライアント対応情報Iaとの間に競合が起こる場合もあり得る。したがってステップS38では、図10、図13、および図14に例示した、競合解決のための処理を含むステップS10と同様の処理を行ってもよい。
【0120】
その後、ステップS23およびS30と同様に、クライアント対応情報更新部52は、共有情報Iの内容の複製を複数の情報クライアントa,b,cごとに行うことにより、複数のクライアント対応情報Ia,Ib,Icを更新する(ステップS39)。これにより、情報クライアントbよる新たな編集内容が、共同作業に加わる情報クライアントa,b,cのすべてに反映される。
【0121】
以上のように情報システム100では、個人情報編集要求を送信した(ステップS18)情報クライアントbからの新たな要求(ステップS34)に応じて、この情報クライアントbが利用するクライアント対応個人情報Ib’の内容が、クライアント情報Ibへ反映される。その結果、共有情報Iへの反映、および複数の情報クライアントa,b,cのすべてのクライアント対応情報Ia,Ib,Icの更新が行われるので、個人メモとしての利用を目的としてなされた編集内容を、事情の変化に応じて事後的にユーザ全員の共有とすることができる。
【0122】
[情報形式の変換]
すでに述べたように、共有情報Iとクライアント対応情報Ia,Ib,Icとは、情報の形式において同一である必要はない。したがって、クライアント対応情報Ia,Ib,Icの各々の形式は、情報クライアントa,b,cの各々の仕様に適合した形式を選ぶことができる。ここでは、共有情報Iとクライアント対応情報Ia,Ib,Icとの間での情報の形式の変換に関し、望ましい形態について述べる。
【0123】
共有情報Iとクライアント対応情報Ia,Ib,Icとの間で情報形態の変換を行うために、情報サーバ1は、各情報クライアントa,b,cが情報サーバ1へ接続した直後に、各情報クライアントa,b,cに関する情報を取得するのが望ましい。すなわち図3の処理手順において、情報クライアントa,b,cが情報サーバ1へ接続した時点からステップS5までの間のいずれかの段階、例えばステップS2,3,4の前に、図16のフローチャートが示すステップS130〜S134の処理が行われるのが望ましい。ステップS130では、情報サーバ1のクライアント情報取得部56が、情報クライアントa,b,cに対し、情報クライアントa,b,cに関する情報を要求する。これに応答して、情報クライアントa,b,cは、情報クライアントa,b,cに関する情報を送信する(ステップS131〜S133)。クライアント情報取得部56は、これらのクライアントa,b,cに関する情報を取得するとともに、クライアント情報記憶部64へ記録する(ステップS134)。
【0124】
図3に戻って、ステップS5においてクライアント対応情報生成部54は、共有情報Iの内容の複製を行う際に、クライアントに関する情報にもとづいて共有情報Iの形式を、各情報クライアントa,b,cに適した形式に変換する。ステップS10では、共有情報更新部51は、共有情報Iの更新を行う際に、編集されたクライアント対応情報IaおよびIbの形式を、共有情報Iの形式へ変換する。さらにステップS11において、クライアント対応情報更新部52は、共有情報Iの内容の複製を行う際に、クライアントに関する情報にもとづいて共有情報Iの形式を、各情報クライアントa,b,cに適した形式に変換する。
【0125】
以上のように、共有情報とクライアント対応情報との間で、情報の形式の変換が行われるので、共有情報の形式として、平易で汎用性が高く様々な形式への変換に適した形式、例えばXML(eXtensive Markup Language)で記述された形式を選ぶことができる。また、共有情報からクライアント対応情報への形式の変換が、情報クライアントに関する情報にもとづいて行われるので、多様な仕様の情報クライアントに個別に適した形式で、クライアント対応情報を利用提供することができる。
【0126】
情報クライアントに関する情報の内容として、例えば、各情報クライアントの情報提示装置および情報入力装置の仕様、各情報クライアントが使用するアプリケーションソフトウェアの仕様、各情報クライアントが接続する通信回線の仕様、各情報クライアントを操作するユーザが要求する情報の形式、などを含めることが可能である。それにより、情報クライアントa,b,cは、統一した仕様である必要はなくなり、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話、電子ホワイトボードなど、様々な端末機種の形態を、個別に採ることが可能となり、閲覧および編集に利用するアプリケーションソフトウェアについても、任意のものを個別に選択することが可能となる。
【0127】
情報クライアントに関する情報として、さらに、情報クライアントa,b,cを操作する各ユーザに関する情報をも含めることも可能である。それにより、各ユーザに適した形式で、クライアント対応情報を利用提供することが可能となる。各ユーザに関する情報の内容として、例えば、各ユーザが成人である、幼児である、外国人である、肢体不自由な人である、視覚または聴覚不自由な人である、等の情報を含めることができる。それにより、多様なユーザが共同作業的な情報の閲覧や編集に参加することが可能となる。このように、情報システム100は、多様なユーザが多様な端末機種やアプリケーションソフトウェアを用いて、共同作業的なプレゼンテーションに参加することを可能にする。
【0128】
図17〜図23に、情報変換に関する具体例を提示する。図17は、共有情報Iの一部を示す説明図である。この共有情報Iの内容は、X−Z平面上に広がる木(wood.jpg)の床、のような図形であり、3次元グラフィクス用の言語(あるいは3次元グラフィクスの記述の仕様)VRML(Virtual Reality Modeling Language)を参考にしたXML形式で表現されている。各タグは、VRMLで用いられるものと同一表現のものと、略同一の意味で用いている。この例における各タグの意味は、次の通りである。
【0129】
「transform」は、物体に移動および回転を行うことを示すタグである。「name」は、物体の名称を記すタグである。「translation」は、x,y,z軸方向にそれぞれ平行移動する距離をm(メートル)単位で表すタグである。「children」は、複数の「shape」による物体の記述をすることを示すタグである。「shape」は、モデルの形状を示す部分であることを示すタグである。「box」は、直方体モデルのプロパティを区切るタグである。「texture」は、モデルの表面に貼り付けるテクスチャファイル名のタグである。このように、図形に関する情報内容を、平易でかつ汎用性のあるXMLデータの形式で、記述することができる。このようにXMLデータの形式で記述された図形情報は、任意の3次元CADデータと、双方向に変換可能である。
【0130】
図18は、クライアント情報取得部56によって取得され、クライアント情報記憶部64に記録される、情報クライアントに関する情報の一例を示す説明図である。図18の例では、情報クライアントa,b,c,・・・ごとに、端末の機種、文書作成、閲覧に使用するアプリケーションソフトウェア、図形作成、閲覧に使用するアプリケーションソフトウェア、ユーザが図形作成閲覧アプリケーションソフトウェアが取扱い得る範囲内で特に要求する図形情報の形式、情報入力部の仕様、ユーザの特徴、その他が記録されている。この例では、情報クライアントにaは、図形作成・閲覧のために3次元CADを使用しつつも、図形情報の形式として、特に2次元の情報を要求している。
【0131】
図19は、情報クライアントの端末機種および使用する図形作成・編集アプリケーションソフトウェアの種類と、変換すべきクライアント対応情報の形式との関係を示す説明図である。このようなデータを、データベースとして、データベース記憶部66に記録しておくことにより、クライアント対応情報生成部50およびクライアント対応情報更新部52は、このデータベースと、クライアント情報記憶部に記録されるクライアントに関する情報とを参照することができ、各情報クライアントごとに、適切な情報の形式を選択することが可能となる。
【0132】
例Aについては、端末の機種がPC(パーソナルコンピュータ)であり、図形作成・閲覧に使用するアプリケーションソフトウェアが3次元CADであり、かつユーザが特に図形情報の形式を要求しない場合には、クライアント対応情報の形式として、3次元CADのためのデータが選択される。さらに、編集のための情報入力機器として、キーボードおよびマウスの使用を可能にする形式が採られ、情報出力の形態として、音声出力が可能な形式が採られる。
【0133】
図20は、図19の情報クライアント2,3,4が情報サーバ1に接続され、図形情報の編集・閲覧に関する共同作業に参加する例を描いた説明図である。図20において、符号A,B,Dは、図19の例A,B,Dに対応することを示している。例えば、端末の機種がPDA(Personal Digital Assistance;個人用の携帯情報端末)であって、図形閲覧に使用するアプリケーションソフトウェアがWEBブラウザである情報クライアント2に対しては、3次元図形データをレンダリング(図形に関する数値データを画像化すること)した2次元の画像データが利用に供される。また情報クライアント2については、編集は行い得ず、閲覧のみが行い得る。情報クライアント2のユーザ5は、音声入力による意見の表明、すなわち図10のステップS76のようなユーザ間の対話を行うことは可能である。
【0134】
このように、3人のユーザ5,6,7が3次元の製図を共同で行う場合に、ユーザ5は携帯情報端末のWEBブラウザを用いて他のユーザ6,7が編集した画像情報を閲覧し、音声で指示を送り、またユーザ6は2次元のCADを用いて製図を行い、ユーザ7は3次元のCADを用いて製図を行う、という柔軟かつ多様な共同編集作業が実現する。
【0135】
図21は、別の共有情報Iの一部を示す説明図である。この共有情報Iの内容は文書であり、組み版用の言語(あるいは組み版の記述の仕様)TeXを参考にしたXML形式で表現されている。このように、文書に関する情報内容を、平易でかつ汎用性のあるXMLデータの形式で、記述することができる。このようにXMLデータの形式で記述された文書情報は、一般のワードプロセッサのデータと、双方向に変換可能である。また、VRMLおよびTeXに基づいたXLM形式の表現は一例であって、その他の形式、例えばHTML(Hyper Text Markup Language)形式、あるいはPostScript形式に基づくXLM形式で共有情報Iを表現することも可能である。
【0136】
図22は、使用する文書作成・編集アプリケーションソフトウェアの種類と、変換すべきクライアント対応情報の形式との関係を示す説明図である。図19の例と同じく、このようなデータを、データベースとして、データベース記憶部66に記録しておくことにより、クライアント対応情報生成部50およびクライアント対応情報更新部52は、このデータベースと、クライアント情報記憶部に記録されるクライアントに関する情報とを参照することができ、各情報クライアントごとに、適切な情報の形式を選択することが可能となる。例えば、文書作成・閲覧に使用するアプリケーションソフトウェアがワードプロセッサである場合には、クライアント対応情報の形式として、ワードプロセッサのためのデータが選択される。さらに、編集のための情報入力機器として、キーボードおよびマウスの使用を可能にする形式が採られ、情報出力の形態として、音声出力が可能な形式が採られる。なお、図22において、「アプリ」とはアプリケーションソフトウェアの略称である。
【0137】
図23は、ユーザの種別と、変換すべきクライアント対応情報の形式との関係を示す説明図である。図19および図22の例と同じく、このようなデータを、データベースとして、データベース記憶部66に記録しておくことにより、クライアント対応情報生成部50およびクライアント対応情報更新部52は、このデータベースと、クライアント情報記憶部に記録されるクライアントに関する情報とを参照することができ、各情報クライアントごとに、そのユーザに適した情報の形式を選択することが可能となる。例えば、ユーザの種別が幼児である場合には、情報の提示の形式として、明暗・色彩のコントラストを強調する形式が採られ、情報入力の形態として音声入力が可能な形式が採られる。また、高齢者に対しては文字サイズを拡大し音声入力を可能にする形式、外国人に対しては母国語に翻訳した形式が採られる。また、身体的ハンディキャップ(視覚、聴覚、四肢などの障害)を持つユーザに対しても、それぞれのユーザに応じた適切な形式が採られる。
【0138】
[情報履歴]
情報サーバ1は、情報クライアントa,b,cの各々との間で送信および受信したすべての情報を、時系列データとしてデータベースに自動的に蓄積する機能を有することにより、情報の履歴を各情報クライアントを操作するユーザが参照することが容易に可能となる。また、任意の時点における情報を復元することも可能となる。
【0139】
この目的のために、情報サーバ1が備える情報履歴記録部57(図2)は、情報サーバ1に接続された情報クライアントa,b,cの各々に対してやり取りした情報を、やり取りした時刻とともに、情報履歴として情報履歴記憶部65へ記録する。図24は、情報履歴の一例を示す説明図である。図24が示すように、情報履歴には、通信時刻、発信者、受信者、通信情報の内容が含まれる。これにより、情報クライアントa,b,cの各ユーザは、過去の編集履歴等を参照することが可能となる。
【0140】
さらに、クライアント対応情報復帰部58(図2)は、情報サーバ1に接続されている情報クライアントa,b,cのいずれか(例えばa)の要求に応じて、そのクライアント対応情報(例えばIa)を、情報履歴にもとづいて、過去の内容へと復帰させる。これにより、各ユーザは所望のクライアント対応情報を所望の時点の内容へと戻すことができる。
【0141】
また、過去の内容へ戻されたクライアント対応情報Ia,Ib,Icの内容を、共有情報更新部51によって共有情報Iへ反映すること(図3:ステップS10)も、さらにクライアント対応情報更新部52によって、各クライアント対応情報Ia,Ib,Icを共有情報Iの変更内容で更新すること(図3:ステップS11)も可能である。さらに、互いに異なる時点におけるクライアント対応情報Ia,Ib,Icの内容を、共有情報更新部51によって共有情報Iに反映すること(図3:ステップS10)も可能である。
【0142】
さらに、互いに異なる時点における複数の変更内容の合成を合成部72(図9)によって行うこと(図10:ステップS71)も、また、それらの間の競合関係を競合解決部73(図9)で解決すること(図10:ステップS72〜S82)も可能である。
【0143】
また、クライアント対応個人情報Ib’の内容を、クライアント対応情報Ibへ反映したものと、他のクライアント対応情報Iaの任意の過去における内容とを、共有情報更新部51(図2)によって共有情報Iに反映すること(図3:ステップS10)も可能である。
【0144】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、共有情報の内容が情報クライアントごとに複製され、複製されたクライアント対応情報が情報クライアントの利用に供されるので、複数の情報クライアントが同時並行的に共有情報の内容を利用することができる。また、利用に供された複数のクライアント対応情報の一部ないしすべての内容が共有情報に反映され、その内容によって各クライアント対応情報の内容が更新されるので、各情報クライアントは常に内容共通の情報を利用することができる。すなわち、複数の情報クライアントが、同時かつ同期的に共有情報の内容を利用することができる。さらに、共有情報とクライアント対応情報との間で、情報の形式が同一である必要はないので、様々な仕様の情報クライアントに対して、共有情報の利用を図ることも可能である。
【0145】
請求項2に記載の発明によれば、共有情報の更新が一定期間ごとに行われるので、情報クライアントを操作するユーザは、特に指示を送ることなく適時に更新される共通の情報内容を利用することができる。
【0146】
請求項3に記載の発明によれば、共有情報の更新が情報クライアントの要求に応じて行われるので、情報クライアントを操作するユーザは、その意図する時期に更新される共通の情報内容を利用することができる。
【0147】
請求項4に記載の発明によれば、情報クライアントが編集要求と閲覧要求のいずれを送信したかに応じて、クライアント対応情報の内容の変更の許否が行われるので、情報クライアントを操作するユーザは、自らの意志で変更の許否を決定することができる。
【0148】
請求項5に記載の発明によれば、編集要求を送信した情報クライアントのうち、いずれかの情報クライアントの指示に基づく一以上の情報クライアントに対してのみ、クライアント対応情報の内容の変更が許可される。このため、例えば、複数の情報クライアントを操作するユーザのうち、リーダ的(指導者的)な一人が、その意志で変更の許否を決定することが可能となる。したがって指導者的な一人が、共同作業の内容に応じて、特定のユーザ、例えば専門知識やスキルを持っている1またはそれ以上のユーザにのみ変更を許可することで、共同作業を効率的に進めることができる。また、少ない数の教師と多数の生徒とが、共同作業を効率よく行うことも可能となる。
【0149】
請求項6に記載の発明によれば、共有情報の種別にもとづいて競合の可能性が判断され、競合の可能性がなければ編集要求を送信した全ての情報クライアントに対して変更が許可され、競合の可能性ある場合には、変更の許可が単一の情報クライアントに制限されるので、事後的な競合の解決を行う必要がなく、処理が迅速に行われ得る。
【0150】
請求項7に記載の発明によれば、複数のクライアント対応情報の内容の間に競合がなければ、各変更内容の総和が共有情報へ反映され、競合があれば、いずれかの情報クライアントの指示にもとづく一の変更内容が共有情報へ反映される。したがって、例えば指導者的な立場のユーザの意志にもとづいて、競合の問題を解決することができる。
【0151】
請求項8に記載の発明によれば、複数のクライアント対応情報の内容の間に競合がなければ、各変更内容の総和が共有情報へ反映され、競合があれば、ユーザ間の対話によって決定された変更内容が共有情報へ反映される。したがって、複数の情報クライアントを操作するユーザは、競合の問題を互いが納得の行く方法で解決することができる。
【0152】
請求項9に記載の発明によれば、データベースにもとづいて一の変更内容が選択されるので、ユーザの手を介することなく自動的に競合を解決することができる。
【0153】
請求項10に記載の発明によれば、共有情報の種別にもとづいて、競合に関する判定が行われるので、判定が簡便で容易に行い得る。
【0154】
請求項11に記載の発明によれば、複数のクライアント対応情報の変更内容の間の重複部分にもとづいて、競合に関する判定が行われるので、一層細密な判定が可能となる。
【0155】
請求項12に記載の発明によれば、複数のクライアント対応情報の変更内容の間に重複部分があっても、重複部分において変更内容に差異がなければ、競合なしと判定されるので、より細密な判定が得られる。
【0156】
請求項13に記載の発明によれば、情報クライアントからの要求に応じて、クライアント対応情報更新手段による更新の対象とされるクライアント対応情報とは別に、共有情報の内容を複製したクライアント対応個人情報が利用に供されるので、要求を行った情報クライアントのユーザは、変更内容がユーザ全員に反映されない個人メモとして、クライアント対応個人情報を利用することができる。
【0157】
請求項14に記載の発明によれば、個人情報編集要求を送信した情報クライアントからの新たな要求に応じて、この情報クライアントが利用するクライアント対応個人情報の内容が、この情報クライアントのためのクライアント情報へ反映される。その結果、共有情報への反映、および複数の情報クライアントのすべてのクライアント対応情報の更新が行われるので、個人メモとしての利用を目的としてなされた編集内容を、ユーザ全員の共有とすることができる。
【0158】
請求項15に記載の発明は、共有情報とクライアント対応情報との間で、情報の形式の変換が行われるので、共有情報の形式として、平易で汎用性が高く様々な形式への変換に適した形式、例えばXML(eXtensive Markup Language)で記述する形式を選ぶことができる。また、共有情報からクライアント対応情報への形式の変換が、情報クライアントに関する情報にもとづいて行われるので、多様な仕様の情報クライアントに個別に適した形式で、クライアント対応情報を利用提供することができる。
【0159】
請求項16に記載の発明によれば、情報クライアントに関する情報が、各情報クライアントを操作する各ユーザに関する情報を含むので、各ユーザに適した形式で、クライアント対応情報を利用提供することができる。
【0160】
請求項17に記載の発明によれば、情報サーバと各情報クライアントとの間でやり取りした情報が、やり取りした時刻とともに記録されるので、各情報クライアントのユーザは、過去の編集履歴等を参照することが可能となる。
【0161】
請求項18に記載の発明によれば、情報クライアントの要求に応じて、要求されたクライアント情報が、情報履歴にもとづいて過去の内容へと復帰するので、ユーザは所望のクライアント対応情報を所望の時点の内容へと戻すことができる。また、過去の内容へ戻されたクライアント対応情報の内容を、共有情報更新手段によって共有情報へ反映することも、さらにクライアント対応情報更新手段によって、各クライアント対応情報を共有情報の変更内容で更新することも可能である。さらに、互いに異なる時点における複数のクライアント対応情報の内容を、共有情報更新手段によって共有情報へ反映することも可能である。
【0162】
請求項19に記載の発明によれば、処理手段がCPUと前記CPUの動作を規定するプログラムを搭載したメモリとを備える情報処理装置によって、等価的に構成されるので、情報サーバを容易かつ安価に構成することができる。また、プログラムの変更により、情報サーバの構成および機能を容易に変更することができる。
【0163】
請求項20に記載の発明によれば、請求項19に記載の情報サーバのメモリに記録されることにより、請求項1ないし18のいずれかに記載の情報サーバの処理手段が等価的に構成されるので、上記した各効果を奏する有用性の高い情報サーバを実現することができる。
【0164】
請求項21に記載の発明によれば、請求項1ないし19のいずれかに記載の情報サーバと、通信回線を通じて情報サーバに接続可能な複数の情報クライアントと、を備えるので、情報サーバが上記した各効果を奏する有用性の高い情報システムが実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による情報システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態による情報サーバの構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態による情報システムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態によるデータテーブルの一例を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態による別のデータテーブルの一例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態によるステップS6の内部フローを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態によるさらに別のデータテーブルの一例を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態によるステップS6の内部フローの別の例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施の形態による共有情報更新部の内部構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態による共有情報更新部の処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態によるステップS71の処理の説明図である。
【図12】本発明の実施の形態によるステップS70の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態によるステップS10の内部フローの別の例を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態によるステップS10の内部フローのさらに別の例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態による情報システムの処理手順の別の例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態による、クライアントに関する情報を取得する処理手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態による共有情報の一部を示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態による、情報クライアントに関する情報の一例を示す説明図である。
【図19】本発明の実施の形態による、情報クライアントの端末機種等とクライアント対応情報の形式との関係を示す説明図である。
【図20】本発明の実施の形態による情報システムを用いて図形情報の編集・閲覧に関する共同作業を行う例を描いた説明図である。
【図21】本発明の実施の形態による別の共有情報の一部を示す説明図である。
【図22】本発明の実施の形態による、文書作成アプリケーションソフトウェアの種類とクライアント対応情報の形式との関係を示す説明図である。
【図23】本発明の実施の形態による、ユーザの種別と変換すべきクライアント対応情報の形式との関係を示す説明図である。
【図24】本発明の実施の形態による通信履歴の一例の説明図である。
【符号の説明】
1 情報サーバ
2,3,4情報クライアント
5,6,7ユーザ
10 処理部
11 記憶部
12 CPU
13 プログラムメモリ
50 クライアント対応情報性西部
51 共有情報更新部
52 クライアント対応情報更新部
53 情報変更許否部
54 クライアント対応個人情報生成部
55 クライアント対応個人情報反映部
56 クライアント情報取得部
57 情報履歴記録部
58 クライアント対応情報復帰部
59 通信部
60 データベース作成部
61 共有情報記憶部
62 クライアント対応情報記憶部
63 クライアント対応個人情報記憶部
64 クライアント情報記憶部
65 情報履歴記憶部
66 データベース記憶部
71 競合判定部
72 合成部
73 競合解決部
75 第1判定部
76 第2判定部
77 第3判定部
100 情報システム
I 共有情報
Ia,Ib,Ic クライアント対応情報
Ib’クライアント対応個人情報
L 通信回線
Claims (21)
- 通信回線を通じて複数の情報クライアントに接続可能な情報サーバであって、記憶手段と処理手段とを備え、
前記記憶手段は、共有情報記憶手段とクライアント対応情報記憶手段とを備え、
前記共有情報記憶手段は、共有情報を記憶し、
前記処理手段は、クライアント対応情報生成手段と共有情報更新手段とクライアント対応情報更新手段とを備え、
前記クライアント対応情報生成手段は、前記複数の情報クライアントからの利用要求に応じて、前記共有情報の内容の複製を前記複数の情報クライアントごとに行い、複数のクライアント対応情報として前記クライアント対応情報記憶手段へ記録するとともに、前記複数の情報クライアントの利用に供し、
前記共有情報更新手段は、利用に供した前記複数のクライアント対応情報のうち、一部または全てのクライアント対応情報の内容を、前記共有情報へ反映することにより、前記共有情報の更新を行い、
前記クライアント対応情報更新手段は、前記共有情報の前記更新があったときに、前記共有情報の内容の複製を前記複数の情報クライアントごとに行うことにより、前記複数のクライアント対応情報を更新する情報サーバ。 - 前記共有情報更新手段は、前記共有情報の前記更新を一定期間ごとに行う請求項1に記載の情報サーバ。
- 前記共有情報更新手段は、前記共有情報の前記更新を、前記複数の情報クライアントのうちの少なくとも一の要求に応じて行う請求項1に記載の情報サーバ。
- 前記処理手段は、情報変更許否手段をさらに備え、
前記情報変更許否手段は、前記利用要求として編集要求を送信した情報クライアントのすべてに対し、対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可するとともに、前記利用要求として閲覧要求を送信した情報クライアントに対しては対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可しない請求項1ないし3のいずれかに記載の情報サーバ。 - 前記処理手段は、情報変更許否手段をさらに備え、
前記情報変更許否手段は、前記利用要求として編集要求を送信した情報クライアントのうち、前記複数の情報クライアントのいずれかの指示にもとづく一以上に対してのみ、対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可するとともに、前記利用要求として閲覧要求を送信した情報クライアントに対しては対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可しない請求項1ないし3のいずれかに記載の情報サーバ。 - 前記処理手段は、情報変更許否手段をさらに備え、
前記情報変更許否手段は、前記共有情報の種別が、前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を、前記共有情報へ反映させても支障のないものである場合には、前記利用要求として編集要求を送信した情報クライアントのすべてに対し、対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可し、前記共有情報の種別が、前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を、前記共有情報へ反映させると支障のあるものである場合には、前記利用要求として編集要求を送信した情報クライアントのうち一に対してのみ、対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可するとともに、前記利用要求として閲覧要求を送信した情報クライアントに対しては対応する前記クライアント対応情報の内容の変更を許可しない請求項1ないし3のいずれかに記載の情報サーバ。 - 前記共有情報更新手段は、競合判定手段と合成手段と競合解決手段とを備え、
前記競合判定手段は、前記複数のクライアント対応情報の内容の間に競合が存在するか否かを判定し、
前記合成手段は、前記競合判定手段が前記競合がないと判定した場合に、前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を、前記共有情報へ反映させ、
前記競合解決手段は、前記競合判定手段が前記競合が存在すると判定した場合に、前記複数のクライアント対応情報のうち、前記複数の情報クライアントのいずれかの指示にもとづく一の変更内容を、前記共通情報へ反映させる請求項1ないし6のいずれかに記載の情報サーバ。 - 前記共有情報更新手段は、競合判定手段と合成手段と競合解決手段とを備え、
前記競合判定手段は、前記複数のクライアント対応情報の内容の間に競合が存在するか否かを判定し、
前記合成手段は、前記競合判定手段が前記競合がないと判定した場合に、前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を、前記共有情報へ反映させ、
前記競合解決手段は、前記競合判定手段が前記競合が存在すると判定した場合に、前記複数の情報クライアントのユーザ間に対話を要求し、対話により決定された変更内容を、前記共有情報へ反映させる請求項1ないし6のいずれかに記載の情報サーバ。 - 前記記憶手段はデータベース記憶手段をさらに備え、
前記データベース記憶手段は、データベースを記憶し、
前記共有情報更新手段は、競合判定手段と合成手段と競合解決手段とを備え、
前記競合判定手段は、前記複数のクライアント対応情報の内容の間に競合が存在するか否かを判定し、
前記合成手段は、前記競合判定手段が前記競合がないと判定した場合に、前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を、前記共有情報へ反映させ、
前記競合解決手段は、前記競合判定手段が前記競合が存在すると判定した場合に、
前記データベースを参照することにより、前記複数のクライアント対応情報のうち、一の変更内容を選択し、選択した前記変更内容を前記共通情報へ反映させる請求項1ないし6のいずれかに記載の情報サーバ。 - 前記競合判定手段は第1判定手段を備え、
前記第1判定手段は、前記共有情報の種別が、前記複数のクライアント対応情報における変更内容の総和を、前記共有情報へ反映させても支障のないものである場合には、競合なしと判定する請求項7ないし9のいずれかに記載の情報サーバ。 - 前記競合判定手段は第2判定手段を備え、
前記第2判定手段は、前記複数のクライアント対応情報の変更内容の間に重複部分がない場合には、競合なしと判定する請求項7ないし10のいずれかに記載の情報サーバ。 - 前記競合判定手段は第3判定手段をさらに備え、
前記第3判定手段は、前記第2判定手段が競合なしと判定しなかった場合に、前記重複部分における前記変更内容の間で差異がなければ、競合なしと判定する請求項11に記載の情報サーバ。 - 前記記憶手段は、クライアント対応個人情報記憶手段をさらに備え、
前記処理手段は、クライアント対応個人情報生成手段をさらに備え、
前記クライアント対応個人情報生成手段は、前記利用要求として個人情報編集要求を送信した情報クライアントに対し、前記共有情報の内容を複製しクライアント対応個人情報として、前記クライアント対応個人情報記憶手段へ記録するとともに、前記個人情報編集要求を送信した前記情報クライアントの利用に供する請求項1ないし12のいずれかに記載の情報サーバ。 - 前記処理手段は、クライアント対応個人情報反映手段をさらに備え、
前記クライアント対応個人情報反映手段は、前記個人情報編集要求を送信した前記情報クライアントから前記利用要求の1つとしての編集要求として送信される個人情報反映要求に応じて、対応するクライアント対応個人情報の内容を、対応するクライアント対応情報へ反映する請求項13に記載の情報サーバ。 - 前記記憶手段は、クライアント情報記憶手段をさらに備え、
前記処理手段は、クライアント情報取得手段をさらに備え、
前記クライアント情報取得手段は、前記複数の情報クライアントに関する情報を取得し、前記クライアント情報記憶手段へ記録し、
前記クライアント対応情報生成手段は、前記複製を行うに際し、前記クライアントに関する情報にもとづいて前記共有情報の形式を変換し、
前記共有情報更新手段は、前記共有情報の前記更新を行うに際し、前記一部または全てのクライアント対応情報の形式を前記共有情報の形式へ変換し、
前記クライアント対応情報更新手段は、前記複製を行うに際し、前記クライアントに関する情報にもとづいて前記共有情報の形式を変換する請求項1ないし14のいずれかに記載の情報サーバ。 - 前記情報クライアントに関する情報は、前記複数の情報クライアントを操作する複数のユーザに関する情報を含む請求項15に記載の情報サーバ。
- 前記記憶手段は、情報履歴記憶手段をさらに備え、
前記処理手段は、情報履歴記録手段をさらに備え、
前記情報履歴記録手段は、前記複数の情報クライアントに対してやり取りした情報を、やり取りした時刻とともに、情報履歴として前記情報履歴記憶手段へ記録する請求項1ないし16のいずれかに記載の情報サーバ。 - 前記処理手段は、クライアント対応情報復帰手段をさらに備え、
前記クライアント対応情報復帰手段は、前記複数の情報クライアントのうち、一ないし複数の要求に応じて、前記複数のクライアント対応情報のうち、対応する一ないし複数を、前記情報履歴にもとづいて、過去の内容へと復帰させる請求項17に記載の情報サーバ。 - 前記処理手段が、CPUと前記CPUの動作を規定するプログラムを搭載したメモリとを備える情報処理装置によって、等価的に構成される請求項1ないし18のいずれかに記載の情報サーバ。
- 請求項19に記載の情報サーバの前記メモリに記録されることにより、前記情報処理装置が前記処理手段を等価的に構成する情報サーバ用プログラム。
- 請求項1ないし19のいずれかに記載の情報サーバと、
通信回線を通じて前記情報サーバに接続可能な複数の情報クライアントと、を備える情報システム。
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