JP2004326052A - 反射型空間光変調装置及びプロジェクタ装置 - Google Patents

反射型空間光変調装置及びプロジェクタ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】画素縮小機能を有して、コントラスト比の高い反射型空間光変調装置およびプロジェクタ装置を提供する。
【解決手段】この反射型空間光変調装置は、基板1、反射層3、透光性の充填部材4、液晶層5、一対の透明電極6,6、及び、透光性基板7の各部材を具備し、反射層3は基板1の表面を被覆し、且つ入射する光を利用する有効部と入射する光を利用しない非有効部を設けた凹面形状部を有し、透光性の充填部材4は凹面形状部を充填し且つ透光性の充填部材4の凹面形状部に対向する面は平坦であり、液晶層5は平坦な透光性の充填部材4の上に設けられ、一対の透明電極6,6は液晶層5の両側に設けられ、透光性基板7は液晶層5の上に設けられ、前記の各部材が前記の構成で一つの反射型光学素子を形成し、前記の反射型光学素子が複数マトリクス状に配列されている。また、プロジェクタ装置は、この反射型空間光変調装置を用いて構成する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、凹面鏡を用いた反射型光学素子を用いた反射型空間光変調装置、及びプロジェクタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータのディスプレイ、ワークステーション用の高精細ディスプレイ、あるいはテレビといった情報・画像表示装置の分野において、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)がCRT(Cathode−Ray Tube)を凌ぐ勢いで普及してきている。その液晶ディスプレイの市場、技術開発動向においては、画素(ピクセル)サイズの小型化による高精細化、高画質化と共に、画面の大型化(15インチから17インチ、さらに20インチ、さらにはそれ以上へ)が顕著である。これは、大面積の画面に非常に多くの小さな画素を配列させることであり、大面積を対象とした微細加工プロセスが開発されている。
【0003】
これに対して、小さな画像表示装置(対角線方向の大きさで数インチ、或は1インチ以下の液晶空間光変調装置等)と拡大投射光学系とを組み合わせた装置であるプロジェクタ装置も普及しつつあり、オフィスにおけるプレゼンテーションの用途のみならず、ホームシアタ等の娯楽の用途にも用いられつつある。液晶ディスプレイにおいて、高精細な画像を維持しつつ、その画面が大型化するとコストが高くなるのに対し、液晶空間光変調装置では画面が小さくてもよいためコスト面で非常に有利となる。しかし、ここで、画像の高精細化を考えた場合に、もともと小さな画面領域に、多くの画素を配列させることになるため、一画素のサイズをより微細化する必要が生じる。つまり、いかに画素サイズを小さくするかが課題となる。これは、半導体の微細加工技術の進歩にともない、より微細なサイズの画素が実現されつつある。
【0004】
現状では、画素数は、具体的には、XGA:1024×768ドット、或はSXGA:1280×1024ドットであり、今後、SXGA+:1400×1500ドット、UXGA:1600×1200ドット、QXGA:2048×1536ドットと増加する動向にある。さらに画素数は増大すると予想されており、画素の微細化及び画素数の増大はこの先々においても課題となり続ける。
【0005】
また、電化製品、精密機器においては、省スペース化、省電力化が望まれているものもあり、プロジェクタ装置に関しても同様の要望があり、携帯可能なものが開発されている。このように、プロジェクタ装置の一開発動向として、装置の小型化がある。ここで、当然、液晶ライトバルブにもより小型化が要求される。ここで、液晶ライトバルブの画像表示の面積がより小さくなり、かつ画素数が増大するならば、一画素の大きさはさらに小さいものとなる。
【0006】
上述のように、画素は小さくなる動向にあるが、光を変調させるための液晶を駆動するスイッチング素子や補助容量などの電気電子回路は、画素の小型化に比例して、必ずしも、小さく出来るわけではない。これは、スイッチング素子や補助容量が、半導体基板上に微細加工技術を用いて作製されるが、その時点での、半導体プロセスの制限、実現できる細線幅に限度があるためである。また、技術的にはより微細な加工が可能であっても、設備投資等を考えると当面はコスト高となってしまう。
【0007】
透過型のライトバルブでは、一画素に対するスイッチング素子や補助容量などの面積が相対的に増加し、これにより光が遮光される領域の拡大、すなわち開口率が低下し、プロジェクタ装置全体の光利用効率を低下する問題があった。画素の高精細化による画質の向上をはかろうとすると、光利用効率は低下するというトレードオフがあり、ここに、高精細な画像を実現すると同時に、高効率なプロジェクタ装置を実現させるという課題がある。
【0008】
一方、反射型ライトバルブでは、スイッチング素子や補助容量などを、画素(反射)電極の下(或は半導体基板上)に形成することができるため、画素を小さくしても、光の損失が少なく、効率良く光を反射することが可能となる。
【0009】
上述のような反射型ライトバルブに関する技術は、公開特許公報、特許公報においても広く開示されている。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3では、反射型ライトバルブ、それを用いた液晶プロジェクタ装置に関する技術が開示されている。
【0010】
上記の特許文献では、基本的な反射型ライトバルブにおいて、数百万ルクスの強い光を反射型ライトバルブに入射させると、画素間にある隙間を抜けて、光が、Si基板に入り、これが光電流を発生させ、コントラスト比の低下を引き起こすなどの画質を低下させる課題に対して、これを防ぎ、画質の維持・向上をはかる構造を提案したものである。
【0011】
また、このような反射型ライトバルブにおいて、画素は、金属の平坦な反射電極が二次元に配列されたものである。このような単なる平坦な画素電極に光を照射した場合、光源として用いるランプからの照明光には平行光成分以外の角度を持った光も含まれているため、画素電極で反射された光は発散していく。この発散の角度が大きいと、プロジェクタ装置に設けられた、投射レンズに取り込めきれず、光損失となる。
【0012】
このような光の損失を低減させ、光利用効率を向上させるため、画素電極の配列に対向させてマイクロレンズアレイを設ける構造が提案されている。これは、入射光をマイクロレンズにより集光させてから入射して反射電極上に反射させ、このマイクロレンズにより反射後も光の発散を押さえ、光利用効率の向上を図るものである。例えば、特許文献4、特許文献5にはこのような反射型ライトバルブに関する技術が提案されている。
【0013】
しかし、画素配列に対してマイクロレンズアレイを対向させる構成の問題として次のようなことが挙がられる。
(1)入射光はマイクロレンズを通り、反射電極で反射された後、再びマイクロレンズを通り、出射される。ここで、2回マイクロレンズを通るため、光は2回、マイクロレンズの収差を受けることになる。このときマイクロレンズの収差が大きければ、大きく外れた角度で出射した光(照明光)は投射レンズに取りこまれず、光利用効率を低減させる。
(2)マイクロレンズアレイと反射電極の配列のアライメントが必要になる。光軸に垂直な面内で、画素アレイとマイクロレンズアレイにずれがあれば、画素で反射された光は、対向するマイクロレンズだけでなく、隣接するマイクロレンズをも通ることになり、画質の劣化、光利用効率の低下を招く。また、この公差は、画素サイズが小さくなるほど、厳しくなる。もし、このアライメントが必要なければ、画質の劣化の原因が一つ減じ、また、アライメント装置も必要なく、プロセスが簡素化でき、コストの低減につながる。
【0014】
上記の反射型ライトバルブの反射電極に関して、材料としては、反射率の高い金属が使われている。このような金属としては、Alをはじめ、その合金であるAlSi、AlSiCu、AlGeCu、AlC、AlCu、また、Cr、Au、Ag等が使われている。すなわち金属のミラーを使っている。このような金属の画素は、特許文献6、特許文献7においても見られる。
【0015】
上記のような材質の金属ミラーを用いるのは、広い波長帯域に渡る反射率の高さ、成膜プロセスの簡便さ、また低コスト等の利点があることによる。
【0016】
しかしながら、ここでも、反射電極は平坦であるため、発散する角度を持った入射光が入ると、反射光は反射後も発散して行き、やはり光利用効率が低下するという問題がある。このため、上記で引用したような、マイクロレンズアレイを画素電極に対向させ設置する構成が用いられる。しかし、マイクロレンズアレイを用いる構成には上記のような構成による画質の劣化、光利用効率の低下、またアライメントの課題がある。
【0017】
また、プロジェクタ装置用途ではないが、マイクロレンズアレイを設けない構成で、入射光の集光の効率を向上させるために凹面形状の反射板を用いる画像表示装置に関する技術が、例えば、特許文献8、特許文献9において提案されている。
【0018】
図17は、前記特許文献9において提案されている反射型液晶表示装置の一例を説明するための図で、図中、51は反射板、52は該反射板51の反射面、52aは反射面52のセル毎に対応する位置に形成されている曲面、53は反射板側ガラス基板、54は液晶材料、54aは液晶材料を複数のセルに分割するための液晶用隔壁、55は表示面側ガラス基板を示し、明度及び視野角特性の向上をはかるため、反射面が曲面形状の反射板51を用いる構成である。具体的には、液晶セルの下に凹面鏡(あるいは凸の曲面鏡)52aを設け、外部からの入射光Lを、反射し、液晶セルを通しつつ、集光させ、明度の及び視野角特性の向上を図ったものである。しかし、ここで凹面形状の材質の反射率に関しては、考慮されておらず、低ければ光利用効率の低下を招く。
【0019】
また、反射型空間光変調装置における、画素電極に入射光をより集光させるために2つの集光手段を用いた空間光変調装置が特許文献10に提案されている。
【0020】
図18は、前記特許文献10で提案されている反射型液晶装置の一例を説明するための斜視構成図で、図中、61は第1の集光手段であるマイクロレンズ61aを有する前方光入射側透光性基板、62は画素電極62aを有する後方光入射側透光性基板で、これらは、接着剤により接合されている。63は第2の集光手段である反射電極63aを有する反射性基板で、液晶を主たる構成要素とする電気光学機能層に接するか又は近接される面に前記透明電極が形成されている。ここで、前記2つの集光手段は、
(1)第1、第2の集光手段61a,63aがともにマイクロレンズアレイ、
(2)第1の集光手段61aがマイクロレンズアレイで、第2の集光手段63aがマイクロ集光鏡、
(3)第1,第2の集光手段61a,63aがともにシリンドリカル形状をしたレンチキュラー
といった例が挙げられている。光利用効率の向上及びコントラスト比の向上が目的である。
【0021】
また、この特許文献10において、スクリーン上でのコントラスト比が予測されており、分散角4°、6°、8°で、それぞれ、200、120、100となっている。分散角が大きくなるにつれコントラスト比は低下している。
ここでは、上記の2つの集光手段の作製、及びアライメントにも課題があるが、コントラスト比の値が高くはない。
【0022】
また、特許文献11においては、コントラスト比と反射型ライトバルブに使われる液晶の配向角の依存性が論じられており、コントラス比は最大で1000に近い値が示されている。しかしながら、反射電極の構造に関しては平坦なものが使われており集光特性に関する向上はなされていない。
【0023】
【特許文献1】
特許第3176021号
【特許文献2】
特開2000−137246号公報
【特許文献3】
特開2001−232485号公報
【特許文献4】
特開平11−84337号公報
【特許文献5】
特開平11−258585号公報
【特許文献6】
特開平10−177190号公報
【特許文献7】
特開2001−242485号公報
【特許文献8】
特許第3246055号
【特許文献9】
特開2002−131741号公報
【特許文献10】
特開平9−90310号公報
【特許文献11】
特開2000−298277号公報
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の技術から考えられる課題をまとめると、反射電極の集光特性の向上、光利用効率の向上、画素数の増大、画質の向上、コントラスト比の向上があり、本発明の課題は下記に示すものである。
【0025】
第1の課題は、画素縮小機能を有する反射型空間光変調装置におけるコントラスト比向上の課題に対して、コントラスト比の高い反射型空間光変調装置を提供することである。
【0026】
第2の課題は、画素縮小機能を有する反射型空間光変調装置におけるコントラスト比向上の課題に対して、よりコントラスト比の高い反射型空間光変調装置を提供することである。
【0027】
第3の課題は、画素縮小機能を有する反射型空間光変調装置におけるコントラスト比向上の課題に対して、よりいっそうコントラスト比の高い反射型空間光変調装置を提供することである。
【0028】
第4の課題は、画素縮小機能を有する反射型空間光変調装置におけるコントラスト比向上の課題に対して、よりいっそうコントラスト比の高い反射型空間光変調装置を提供することである。
【0029】
第5の課題は、プロジェクタ装置におけるコントラスト比向上の課題に対して、コントラスト比の高いプロジェクタ装置を提供することである。
【0030】
第6の課題は、プロジェクタ装置における画素数増大の課題に対して、大画素数のプロジェクタ装置を提供することである。
【0031】
第7の課題は、プロジェクタ装置における画質の向上の課題に対して、より高画質なプロジェクタ装置を提供することである。
【0032】
【課題を解決するための手段】
第1の課題は、基板、反射層、透光性の充填部材、液晶層、一対の電極、及び、透光性基板の各部材からなり、前記反射層は前記基板の表面を被覆し且つ入射する光を利用する有効部と入射する光を利用しない非有効部を設けた凹面形状部を有し、前記透光性の充填部材は前記凹面形状部を充填し且つ前記透光性の充填部材の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記液晶層は前記平坦な透光性の充填部材の上に設けられ、前記一対の電極は前記液晶層の両側に設けられ、前記透光性基板は前記液晶層の上に設けられ、前記の各部材が前記の構成で一つの反射型光学素子を形成し、前記の反射型光学素子が複数マトリクス状に配列されたことを特徴とする反射型空間光変調装置により達成される。
【0033】
第2の課題は、前記第1の課題を解決する反射型空間光変調装置において、前記非有効部を前記凹面形状部の周辺部に設けたことを特徴とする反射型空間光変調装置により達成される。
【0034】
第3の課題は、前記第1又は第2の課題を解決する反射型空間光変調装置において、外部光源からの平行光が前記反射型空間光変調装置に入射する方向を光軸としたとき、前記光軸に垂直な面内での前記凹面形状部における前記有効部の形状が矩形であることを特徴とする反射型空間光変調装置により達成される。
【0035】
第4の課題は、前記第1又は第2の課題を解決する反射型空間光変調装置において、外部光源からの平行光が前記反射型空間光変調装置に入射する方向を光軸としたとき、前記光軸に垂直な面内での前記凹面形状部における前記有効部の形状が円形であることを特徴とする反射型空間光変調装置により達成される。
【0036】
第5の課題は、前記第1乃至第4のいずれかの課題を解決する反射型空間光変調装置を用いたことを特徴とするプロジェクタ装置により達成される。
【0037】
第6の課題は、前記第5の課題を解決するプロジェクタ装置において、前記反射型空間光変調装置から出射する光の行路をシフトさせる装置を設置することを特徴とするプロジェクタ装置により達成される。
【0038】
第7の課題は、前記第6の課題を解決するプロジェクタ装置に含まれる投射レンズの物面を、前記反射型空間光変調装置における前記凹面形状部の焦点の位置よりも前記凹面形状部側に設置したことを特徴とするプロジェクタ装置により達成される。
【0039】
【発明の実施の形態】
<構成>
図1は、凹面鏡を用いた反射型空間光変調装置を模式的且つ透視的に斜め上方から見た概略構成図を示す図で、図1においては、一対の電極、及びスルーホールは省略してある。また、各部材の大きさ、厚み等は適宜誇張して描いてある。また、凹面形状は描かれていないが、それは、図2に示した断面図に示してある。また、図1においては3×3画素のみ示してあるが、実際には、例えば、XGAで1024×768の画素の配列がある。この反射型空間光変調装置において、座標を図1に示したように取ると、光軸はz軸方向と一致する。なお、図2は、図1におけるII−II線でのzx面の模式図を、図3は、反射膜における凹面形状部の構成を説明するための図であり、図4は、光軸(z軸)からみた模式図を示す。
【0040】
従来の反射型空間光変調装置において、画素配列の部分にはブラックマトリクス等の遮光層が存在し、装置に入射する光を用いない領域がある。しかしながら、この遮光層は、白色ランプ等の外部光源からの強い光が入射したときに、半導体基板に設けられた電気回路において、この入射光による光電流の発生、それによる誤動作、さらには画質の低下を防ぐために設けられている。
【0041】
本発明においても、入射する光を利用しない非有効部は、このような機能ももちろん有するが、それよりも、コントラスト比向上のためのものであり、画素が凹面鏡となっていることにより、従来の平坦な画素(電極)と比較して、直線偏光をもつ入射光の電場の振動面の回転(偏光解消)が生じる。これは、反射型空間光変調装置から出射した光に対して、プロジェクタ装置の光学系において、検光子などの個所で光損失が生じ、コントラスト比の低下につながる。
本発明における非有効部は、これを防ぐためのものである。この偏光解消の程度は、凹面鏡内の場所によって異なるため、その程度が大きいところだけにこの非有効部を設け、極力、光の利用効率を低下させないようにすることが可能である。
【0042】
本発明による反射型空間光変調装置は、図1乃至図4に示したように、基本的に、基板1、薄膜層2、反射膜3、透光性の充填部材4、液晶層5、第1の透明電極6、第2の透明電極6、透光性基板7からなる。基板1には半導体Siを用いるのが現状的では一般的であるが、将来的には、Ge、C等の元素半導体、あるいは、GaAs、GaP、InP、InAs、ZnS、ZnTe、AlGaInAs等の化合物半導体、また、SnO、ZnO、MnO等の酸化物半導体でも構わない。また、基板上にはソース、ドレイン、ゲート及びそれらの配線からなるMOS(Metal Oxide Semiconductor)10及び補助容量11等の電気回路9が形成されている。液晶を用いた空間光変調装置の一つであるLCoS(Liquid Crystal on Silicon)用のSiバックプレーンをそのまま流用するのが作製工程としては簡便である。また、遮光層8は例えばAlであるが、その他Ag、Cu等の金属、それらの合金であっても構わない。
【0043】
基板1の上には、薄膜層2が形成されており、この薄膜層2は凹面形状を形成するために形成され、材質としてSiOなどが挙げられるが、これに限られるものではない。また、熱膨張による応力の発生などによる画質劣化等の不具合を防ぐため、材料特性を考慮して透光性の充填部材4と同一であっても構わない。また、反射膜3はAl、Ag、Auなどの反射率の大きな金属が好ましい。透光性の充填部材4は、凹面部を埋めその表面を平坦にすることにより、液晶層5の設置を容易にするものである(すなわち平坦化層)。この透光性の充填部材4の凹面部に対向する面は光学研磨されており平坦である。この透光性の充填部材4の上には第1の透明電極6が設置される。さらにこの透明電極6を設けた平坦面の上に液晶層5を設ける。このとき液晶層と平坦層との間には配向膜が設けられる。この液晶層5の上には第2の透明電極6が形成され、その上にはさらに透光性基板7が設けられる。第1の透明電極6と第2の透明電極6とで液晶層5を挟む構成である。
【0044】
スルーホール12は、基板1の電気回路と第1の透明電極6とを電気的に接続するものである。第1の透明電極6、第2の透明電極6の材質は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)である。
また、第2の透明電極6と液晶層5との間にも配向膜が設けられる。これら2つの透明電極6,6間に電圧を印加し、液晶を駆動する。また、金属薄膜と透明電極はスルーホール電極部材で電気的に接続されている。
また、透光性基板7は、例えばカバーガラスである。外部の光源からの光は、カバーガラス7の側から、各部材、層を通り、凹面鏡で反射し、集光された後、この反射型光学素子から出射する。凹面鏡で反射された光は凹面鏡の集光作用により細い光束となっていく。
このため、入射し、反射する光は、画素電極が平坦な面であるときに比べて、不要な発散がなく、光利用効率の向上に繋がる。また、光は凹面鏡の収差のみを受け、マイクロレンズを用いる構成よりも収差を低減でき画質向上、光利用効率向上がはかれる。
【0045】
上記の構成においては、反射層は薄膜層2と反射膜3とからなる。しかしながら、基板1の上に直接金属膜を成膜して、それに凹面を形成し、金属の凹面鏡としても構わない。また、金属を用いず、誘電体を用いた、多層膜からなる多層膜ミラーであっても構わない。また、金属の上に誘電体を成膜したミラーであっても構わない。
【0046】
一対の電極に関して、上記の構成においては、液晶層5の上下の平坦な面上に透明電極6,6を設けて、液晶層5を挟持した構造となっているが、これに限られるものではない。基板1の電気回路と凹面鏡(金属の場合)とを電気的に接続して第1の透明電極6とし、また液晶層5の上側(透光性基板の有る側)にITOなどの透明電極を設けて第2の透明電極6とし、これらを一対として、液晶層5を駆動する構造であっても構わない。また、透光性の充填部材4を直接ITOなどの透明電極材料として第1の電極として、液晶層5の上側にITOなどの第2の透明電極を設ける構造であってもよい。
【0047】
図3に示すように、1画素を表す反射層の凹面形状部は、入射する光を利用する有効部と入射する光を利用しない非有効部とが設けられている。
例えば、図3(A)は有効部の外側に非有効部を設ける場合であり、図3(B)は非有効部の外側に有効部を設ける場合であり、図3(C)は非有効部の外側に有効部を設け、最外郭に非有効部を設ける場合である。
図4は、図3に示した凹面形状部をマトリックス上に配置したものであり、1画素のピッチがP,Pで示される画素には、有効部Aと非有効部Bとがある。
【0048】
図5は、非有効部を設けることによってコントラスト比を向上させることを説明するための図である。
同図(A)はすべて有効部であり非有効部を設けていない凹面形状の場合の中心、周辺における偏光解消の程度を示すものであり、凹面形状が球面、それに近似できる形状である場合、凹面形状の周辺部(中心から離れる)に行くに従い、曲面の程度が強くなり(平面からずれる)、それに伴って、偏光解消の程度が大きくなる。この場合、同図(B)に示すように、凹面形状部の周辺部を切除することによって、偏光解消が効果的に低減、また、それにより、よりコントラスト比の向上が可能となる。
【0049】
図6及び図7は、前述の非有効部を設けた反射型空間光変調装置の例を光軸からみた模式図で、図6の例においては、凹面形状部における有効部の形状の対角四隅が丸まった形状となっている。また、図7の例においては、凹面形状部における有効部の形状の対角四隅が、中心に向って丸まった形状となっている。また、形状はこれに限られるものではなく、例えば6角形、8角形等の多角形でもよい。また、曲線、曲面で表される形状であってもよい。
【0050】
また、この有効部の形状を矩形(正方形)あるいは円形にした場合、効率良く非有効部を設けることができる。
図8は、凹面鏡を用いた反射型光学素子を光軸からみた模式図であり、画素を表す凹面形状部における有効部の形状が上述の構成では矩形(図4参照)であったものを円形にしたものである。
【0051】
<実施例>
本発明における凹面鏡を用いた空間光変調装置において、この偏光解消の大きさ(量)を左右する要因として、凹面の曲率半径r及び平坦化層(透光性の充填部材4)の屈折率nが挙げられる。定性的にはrが小さいほど、またnが大きいほど、この偏光解消は大きくなり、コントラスト比は低減する。
また、この偏光解消は、画素の有効部の形状が矩形の場合、凹面鏡の中心から離れるにつれて大きくなり、凹面鏡の対角四隅で特に大きくなる。
【0052】
(A)コントラスト比の向上
上記事項をコントラスト比として定量的に見積るために、光線追跡シミュレーションを行った。
光学系は、光源、偏光子、ポーラリゼーションビームスプリッタ(PBS)、空間光変調装置、検光子、レシーバ(検出器)からなっており、通常は反射型空間光変調装置の液晶(表示)層に電圧を印加し、オンとオフとの状態を作り出すが、このシミュレーションにおいては、液晶の設定をせず、リターダーを用い、その回転により、明状態と暗状態を表した。それらのレシーバ上での強度の比:明状態/暗状態をコントラスト比とした。光源は図9に示すような配向分布を有し、照明角(光の発散角)は7°であるものとした。
【0053】
また、空間光変調装置の凹面鏡部のパラメータとしては、曲率半径rと平坦化層の屈折率nである。この2つを変化させ、コントラスト比の変化を見た。その結果を図10に示す。このとき、画素の有効部の形状は正方形とし、画素のピッチが14μm、画素の有効部の1辺を13.2μmとした。図10の横軸は凹面鏡の曲率半径rであり、平坦化層の屈折率nに関して(a)1.46、(b)1.63、(c)1.83、(d)2.03の4つをプロットしている。
なお、図10においては、縦軸をコントラスト比とし、C/Rと表記している。
【0054】
この結果から、まず、凹面の曲率半径rが小さいほどコントラスト比が下がることが分かり、平坦化層の屈折率nが大きいほどコントラスト比が低減することが分かる。同様にこのシミュレーションで、凹面の曲率rをなくし平坦にした場合のコントラスト比を求めたところ、平坦化層の屈折率nが1.46で、コントラスト比が3300と高い値になった。ここで、凹面にすることによりコントラスト比が低減することが分かる。
【0055】
このため、凹面の曲率rが大きいほうが好ましい。すなわち、平面に近づくほど好ましい。しかしながら、僅かでも凹面形状がなければ集光機能が生じず、光利用効率の向上、また後述する画素サイズ縮小の機能が発現せず、凹面形状である必要がある。例えば、凹面の曲率rを300μm等と極めて大きくとり、より平坦に近いが、凹面形状を有するようにした。
【0056】
平坦化層の屈折率nを大きくしても、凹面の曲率rを大きくすれば高コントラスト比が得られ、このため、平坦化層の部材として多くの材質が利用可能であることが分かる。この物質について、屈折率が低いものとして、MgF:1.38があり、またSiO:1.46が挙げられる。また、屈折率が高いもので、Al:1.63、Y:1.87、ZnO:2.1、ZrO:2.05、(いずれも波長550nm付近での値)、などがあり、これらは光学薄膜で使用されているものである。もちろんこれに限られるものではない。また、低屈折率の石英ガラスから各種、あるいは高屈折率光学ガラスなども用いることができる。
【0057】
上記の実施例では、画素の有効部の1辺を13.2μmとしたが、さらにこの領域を小さくした場合のコントラスト比を求めた。その結果を図11に示す。横軸に画素(ピッチ)に対する画素の有効部の1辺の比を取り、縦軸にコントラスト比(C/R)としてある。ここで、(a)r=200μm、n=1.46、(b)r=300μm、n=1.83、(c)r=200μm、n=1.83である。画素の有効部が小さくなるにつれて、コントラスト比が向上していることが分かる。すなわちコントラスト比をより向上させるには、このように有効部の大きさを低減すればよい。
【0058】
しかしながら、画素の有効部の大きさを小さくすることは、光利用効率の観点からは、必ずしも好ましくはない。光利用効率は、画素(ピッチ)のサイズと有効部の面積比に比例するからである。
【0059】
このように有効部の大きさを小さくする(開口の大きさを制限する)ことは、後述する画素のサイズの縮小という観点からは好ましいものである。これは、有効部の大きさにより、投射される画素の像もまた小さくなり、より高精細な画像が実現できるからである。
【0060】
次の実施例は、上記の実施例では凹面形状部における有効部の形状は矩形(正方形)であったが、これを円形にする。円形の場合は、矩形、正方形の場合と比較して、画素の有効部において対角四隅が無くなり、その分偏光解消が少なくなる。
画素ピッチ14μm(正方画素、1辺)に対して、円の直径を14μmとした場合(すなわち内接する円)に対して、上述の実施例と同様の光線追跡シミュレーションを行った。この場合、円の直径は画素ピッチと同じであるが、面積で考えたときには小さくなる。1辺14μmの正方形の画素の面積196μmに対して円形の場合、有効部の面積は153.9μmとなる。円形の面積と同じ面積をもつ正方形の一辺は、一辺12.4μmとなり、この一辺の正方形の画素と同じになる。例えば、r=200μm、n=1.83として、正方形の一辺のサイズ比が0.89(図11参照)の場合のコントラスト比が545であったのに対して、円形の場合730となり、同様にr=300μm、n=1.83の場合、1210が1230、r=200μm、n=1.46の場合、950が1000となった。このことから、有効部の形状を円形にすることの効果が分かる。
【0061】
(B)画素縮小に関して
平板の画素(電極)に対して、本発明のような凹面形状にすることは、集光特性を向上させ、光利用効率を向上させるのみならず、画素の縮小という効果を持たせることが可能となる。これは、投射光学系を含むプロジェクタ装置にこの凹面鏡を有する空間光変調装置を組み込んだときにも有効である。
【0062】
図12は、上述した反射型空間光変調装置を一枚用いる単板式プロジェクタ装置に関するものであり、光学系を簡略化して描いたプロジェクタ装置を示す模式図である。同図において、31は白色ランプ、32は光均一化光学素子(フライアイレンズ)、33は色分離装置(カラーホイール)、34は反射型液晶ライトバルブ、35は偏光ビームスプリッタ、36は投射レンズ、37はスクリーンである。
本発明による反射型空間光変調装置は、上述のように高光利用効率、高画質、高コントラストであるため、これをプロジェクタ装置に用いるとプロジェクタ装置自体の性能も向上し、高光利用効率、高画質、高コントラストのプロジェクタ装置の実現が可能となる。
【0063】
この図12に示したプロジェクタ装置に対して、光線追跡シミュレーションを行い、この画素縮小の効果を例証した。
【0064】
一辺14μmの正方画素をスクリーン上に投射したとき、その照度分布のプロファイルは図13の(a)に示すようになる。光源の配向分布(図9参照)及び投射レンズによる像の劣化があるため裾野を引いたプロファイルとなる。ここではスクリーン上のプロファイルの中心(空間的に)を通る、x軸(或はy軸)方向の、中心から片側半分のプロファイルを示している。横軸は、相対値である。その値が1.0のところが、もともとの画素サイズ(投射レンズにより拡大投射されているが)に相当し、1.0よりも小さければ、画素のサイズは縮小されていることになる。
【0065】
しかし、像の劣化によりこの投射プロファイルは、この1.0の値よりも大幅に広がっていることが分かる。
図13の(b)、(c)、(d)は、同様に、(b)r=200μm、n=2.03、(c)r=300μm、n=1.83、(d)r=200μm、n=1.46μmとして光線追跡シミュレーションした結果である。
特に、(d)では、照度0.5のときの幅は、ほぼ0.5であり、(即ち半値全幅での評価)これは、すなわち14μmピッチの画素を用いても、7μmピッチ相当の画素を用いたことに相当する画像が得られることを示している。
【0066】
これは、光学的に画素を縮小していると考えられる。ハードウェアとしての実際の装置において、画素のサイズを縮小することは、半導体プロセスの技術的な制約があり現状では困難を伴う。しかしながら、本発明のように光学的に画素(の像)を縮小することにより、既存の半導体プロセスを用いながらも、より高い空間分解能を持つ空間光変調装置が実現できる。
【0067】
しかしながら、上記のように一辺の長さにおいて約半分に縮小した画素をこのままスクリーン投射したのでは、画素間に隙間の空いた画像が投射されることになる(図15参照)。
そこで、この隙間を埋めるために、本発明の反射型空間光変調装置から出射する光の光路を空間的、周期的に変調させる光軸シフト装置を用い、画素数を増大させるようにする。
図14は、反射型空間光変調装置から出射する光の光路を空間的、周期的に変調させる光軸シフト装置を機械的駆動にて動かす場合の一例を示す模式図であり、光軸に対して垂直に見た図である。同図において、41は空間光変調装置、42はピエゾ素子1(y方向シフト)、43はピエゾ素子2(x方向シフト)、44は治具、45はy方向シフト(±Δy)、46はx方向シフト(±Δx)である。また、z軸はxy面に対して垂直であり光軸と一致している。
【0068】
図14では、画像表示装置の画素(反射凹面鏡)から出射した光の光路を変調させる手段としてピエゾ素子1,2(42,43)を用いている。これはピエゾ素子を用いて画像表示装置自体を機械的に動かすものである。装置自体が動くため画素も動くことになる。
ピエゾ素子を用いれば画素サイズが10数μm以下であってもそれ以下の光路のシフトを行うことができる。これは空間光変調装置41に縦y方向シフト45及び横x方向シフト46にピエゾ素子1,2(42,43)を設置し、周期的に動かせばよい。
【0069】
図15は、図14に対してスクリーン上での投射像の画素増大効果を説明するものである。投射画像は、光軸シフト装置により、時分割で投射されて、高解像度の画像(図15の(G)参照)となる。
今、凹面鏡により集光された出射される光束のもっとも細い位置で、光軸に垂直な面を投射レンズの物面とし、その面内での照度分布を縮小された画素と定義し、この縮小(された)画素をスクリーンに投影すると、その縮小画素の大きさは、画素のある位置の面を投射レンズの物面として、画素をスクリーンに投影した場合よりも、小さくなる(画素縮小)。
【0070】
このとき、凹面鏡による縮小画素の、画素サイズに対する比、画素サイズの縮小率をαとする。以下、αを1/2として説明する。図15では画素の有効部の形状が正方形である場合、理想的に縮小されたものとして、正方形の縮小像となっている。
はじめ、動いていない初期状態を(A)、次にy方向に空間光変調装置41の画素サイズの1/2シフトさせた状態(B)(例えば、画素サイズを14μmとすれば、7μm=Δx,Δy)、そこからx方向に画素サイズの1/2シフトさせた状態(C)、続いて(B)とは反対の方向(マイナス−で表示)に画素サイズの1/2シフトさせた状態(D)、続いて(C)とは反対方向の方向にシフトさせた状態(E)、最後にy方向に画素サイズの1/2シフトさせた状態(F)で初期状態と同じ状態(A)にもどる。
【0071】
この結果、これらのシフトの周期が早ければ画像のちらつき、フリッカを感じることなしに、画素の一辺のサイズが1/2、密度が4倍の高精細化画像(G)が実現できる。
また、上記の例では画像表示装置と光軸シフト装置が一つのデバイスとなるため、光学系を拡張して光路変調装置を挿入する必要がなくなり装置の小型化につながる。
【0072】
上記の例は、x方向、y方向の2方向に動かしているが、x方向あるいはy方向のいずれかのみの方向のシフトであっても構わない。この場合、画素は2倍増加する。
また、縮小率αを1/3として、シフト量を1/3とすれば、3×3で9倍の画素数増加が見込める。図13においては、αは半値全幅(照度分布)で表せばよい。
【0073】
また、光軸シフト装置は、光路を空間座標的にシフトする素子であればよく、直接に機械的に反射型ライトバルブを移動させる以外にも、液晶を使って行路をシフトさせることも可能である。この場合、光学系のいずれかの場所に光軸シフト素子を挿入することになる。
【0074】
図12に示したプロジェクタ装置において、照度分布の最適(プロファイルの幅が狭い等)な位置が、必ずしも凹面鏡の焦点近傍であるとは限らないため、投射レンズ36の物面を反射型画像表示装置の凹面鏡の焦点から外した位置に設置するようにする。これを投射することにより、よりシャープな像が投射でき、より高精細な画像が得られる。
プロジェクタ装置の光源として使われる白色ランプの輝度(強度)の角度特性(縦軸:輝度、横軸:照明角)は、図9に示すようであり、照明角が零度(平行光)が輝度最大ではなく、3°〜4°の時に最大となり、中心付近が窪んだ形状となる。
このような輝度分布の光を凹面鏡に入射させて、反射集光させた場合、観察面での照度分布(プロファイル)には、この光源のもつ分布が反映される。
【0075】
図16は、凹面鏡から観察面までの距離をdとして、プロファイルの変化の様子を示す図である。
(A)0≦d<fでは、集光されていく途中の面であり、プロファイルは狭くなり中心の窪みも小さくなる(0を凹面の最も窪んだ位置として)。
(B)d=fでは、焦点面であり光源の輝度分布を反映する。
(C)d>fでは、発散していく過程の面であり、プロファイルが広がり、中心の窪みも大きくなる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の反射型空間光変調装置は、画素の有効部を低減し、偏光解消が低減できるため、コントラスト比の向上が可能である。
また、画素を凹面鏡にすることにより集光性能が高められ、画素縮小機能を持たせられるとともに、コントラスト比を高めることができる。
さらに、画素の有効部を矩形または円形とすることによって、効率良く非有効部を設けることができる。
【0077】
また、本発明のプロジェクタ装置は、高コントラスト比で画素縮小機能を有する反射型空間光変調装置を用いるため、高コントラストな投射ができる。
また、光軸シフト装置により、縮小した画素をシフトさせるため、画素数増大が可能となり、高精細な画像が得られる。
さらに、凹面鏡により光が集光されプロファイルとして最適形状になる位置に投射レンズの物面をあわせるため、よりシャープで、且つ高精細な画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】凹面鏡を用いた反射型空間光変調装置を模式的且つ透視的に斜め上方から見た概略構成図である。
【図2】凹面鏡を用いた反射型空間光変調装置におけるII−II線でのzx面の断面模式図である。
【図3】凹面形状部の構成を説明するための図である。
【図4】凹面鏡を用いた反射型空間光変調装置を光軸(z軸)からみた模式図であり、画素のピッチ、画素の有効部、非有効部を説明するための図である。
【図5】凹面形状部に非有効部を設けることによってコントラスト比を向上させることを説明するための図である。
【図6】非有効部を設けた反射型空間光変調装置の例を光軸からみた模式図であり、凹面形状部における有効部の対角四隅の形状が丸まった形状となっている場合の図である。
【図7】非有効部を設けた反射型空間光変調装置の例を光軸からみた模式図であり、凹面形状部における有効部の形状の対角四隅が中心に向って丸まった形状となっている場合の図である。
【図8】凹面鏡を用いた反射型光学素子を光軸からみた模式図であり、画素の有効部の形状が円形となっている場合の図である。
【図9】光線追跡シミュレーションを行ったときの光学系の光源の配向分布を示す図である。
【図10】空間光変調装置の凹面鏡部のパラメータ(曲率半径rと平坦化層の屈折率n)を変化させたとき、凹面鏡の曲率半径とコントラスト比の関係を示す図である。
【図11】空間光変調装置の凹面鏡部のパラメータ(曲率半径rと平坦化層の屈折率n)を変化させたとき、画素ピッチに対する画素の有効部の一辺との比とコントラスト比の関係を示す図である。
【図12】光学系を簡略化して描いたプロジェクタ装置を示す模式図である。
【図13】1辺14μmの正方画素をスクリーン上に投射したとき、その照度分布のプロファイルを示す図である。
【図14】反射型空間光変調装置から出射する光の光路を空間的、周期的に変調させる光軸シフト装置を機械的駆動にて動かす場合の一例を示す模式図であり、光軸に垂直に見た図である。
【図15】図14に対してスクリーン上での投射像の画素増大効果を説明するものである。
【図16】凹面鏡から観察面までの距離をdとして、プロファイルの変化の様子を示す図である。
【図17】従来の技術において提案されている反射型液晶表示装置の一例を説明するための図である。
【図18】従来の技術において提案されている反射型液晶装置の一例を説明するための斜視構成図である。
【符号の説明】
1…基板、2…薄膜層、3…反射膜、4…透光性の充填部材、5…液晶層、6…第1の透明電極、6…第2の透明電極、7…透光性基板(カバーガラス)、8…遮光層、9…電気回路、10…MOS、11…補助容量、12…スルーホール、31…白色ランプ、32…光均一化光学素子(フライアイレンズ)、33…色分離装置(カラーホイール)、34…反射型液晶ライトバルブ、35…偏光ビームスプリッタ、36…投射レンズ、37…スクリーン、41…空間光変調装置、42…ピエゾ素子1(y方向シフト)、43…ピエゾ素子2(x方向シフト)、44…治具、45…y方向シフト(±Δy)、46…x方向シフト(±Δx)、51…反射板、52…反射面、52a…凹曲面、53…反射板側ガラス基板、54…液晶材料、54a…液晶用隔壁、55…表示面側ガラス基板、61…前方光入射側透光性基板、61a…第1の集光手段(マイクロレンズ)、62…後方光入射側透光性基板、62a…画素電極、63…反射性基板、63a…第2の集光手段。

Claims (7)

  1. 基板、反射層、透光性の充填部材、液晶層、一対の電極、及び、透光性基板の各部材を具備し、前記反射層は前記基板の表面を被覆し、且つ入射する光を利用する有効部と入射する光を利用しない非有効部を設けた凹面形状部を有し、前記透光性の充填部材は前記凹面形状部を充填し且つ前記透光性の充填部材の凹面形状部に対向する面は平坦であり、前記液晶層は前記平坦な透光性の充填部材の上に設けられ、前記一対の電極は前記液晶層の両側に設けられ、前記透光性基板は前記液晶層の上に設けられ、前記の各部材が前記の構成で一つの反射型光学素子を形成し、前記の反射型光学素子が複数マトリクス状に配列されていることを特徴とする反射型空間光変調装置。
  2. 請求項1記載の反射型空間光変調装置において、前記非有効部を前記凹面形状部の周辺部に有することを特徴とする反射型空間光変調装置。
  3. 請求項1又は2記載の反射型空間光変調装置において、外部光源からの平行光が前記反射型空間光変調装置に入射する方向を光軸としたとき、前記光軸に垂直な面内での前記凹面形状部における前記有効部の形状が矩形であることを特徴とする反射型空間光変調装置。
  4. 請求項1又は2記載の反射型空間光変調装置において、外部光源からの平行光が前記反射型空間光変調装置に入射する方向を光軸としたとき、前記光軸に垂直な面内での前記凹面形状部における前記有効部の形状が円形であることを特徴とする反射型空間光変調装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の反射型空間光変調装置を用いたことを特徴とするプロジェクタ装置。
  6. 請求項5記載のプロジェクタ装置において、前記反射型空間光変調装置から出射する光の行路をシフトさせる装置を有することを特徴とするプロジェクタ装置。
  7. 請求項6に記載のプロジェクタ装置に含まれる投射レンズの物面を、前記反射型空間光変調装置における前記凹面形状部の焦点の位置よりも前記凹面形状部側に設置したことを特徴とするプロジェクタ装置。
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