JP2004325668A - 現像装置およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】現像剤搬送部材41の基材41a上に所定間隔を存して複数配列され、感光体ドラムに向けて現像剤を飛翔させる進行波電界を形成する進行波発生電極41b,…を設ける。そして、基材の裏面側に、感光体ドラムに向けて現像剤を飛翔させる進行波電界の作用高さを現像剤搬送部材側に引き戻すように制御する制御電極411を設ける。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、像担持体上に形成された静電潜像を現像剤によって現像する現像装置及びこれを備えた画像形成装置に関し、特に、進行波電界を用いて現像剤を搬送する機構(電界カーテン)を利用するものにおいて、現像剤搬送時の現像剤の不要な飛翔や、現像領域での現像剤のカブリを防止する対策に係わる。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ等の電子写真プロセスを用いた画像形成装置に適用される現像装置としては、現在、像担持体に現像剤担持体を接触させずに現像を行う非接触方式の現像装置が注目されており、パウダークラウド法・ジャンピング法や電界カーテン(進行波電界)を利用した方法が提案されている。
【0003】
そして、電界カーテンを用いた現像装置としては、互いに位相が異なる複数種の交番電圧を発生する電源と、静電潜像をその表面に担持する像担持体に対向して配置された基材上に所定の間隔をあけて複数配列された電極と、上記電源からの交番電圧を印加することにより形成される進行波電界によって現像剤を搬送する現像剤搬送部材とを備え、この現像剤搬送部材上で形成される進行波電界により上記像担持体に向けて現像剤を飛翔させて静電潜像を現像するようにした現像装置が従来より知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特公平5−31146号公報
【特許文献2】
特公平5−31147号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の現像装置では、進行波電界を発生させる各電極間のピッチ、および各電極に印可される交番電圧は、画像形成に必要とされる現像剤量(印刷スピード、印刷濃度)に基づいて決定される。そのため、高速印刷を行う場合には、各電極間のピッチを大きくして大量の現像剤を搬送する必要がある。
【0006】
しかし、各電極間のピッチが大きくなれば、大きな進行波電界を発生させる上で高い交番電圧を印可する必要があり、このような制御を行うと、現像剤搬送時に現像剤の飛翔高が大きくなり、現像剤が飛散してしまう。
【0007】
しかも、像担持体に対し対向する現像領域では、図9に示すように、像担持体aと現像剤搬送部材bとの間の現像ギャップ(距離)が現像剤搬送領域よりも小さい(近い)ため、各電極cにより発生する進行波電界の作用により像担持体aに向けて飛翔する現像剤の接触面積が大きくなり、像担持体aの静電潜像以外の部分にまで現像剤が付着する、所謂カブリ現像が発生し易いものとなる。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、現像剤搬送時の現像剤の飛散や、現像領域での現像剤のカブリ現象を防止し得る現像装置およびこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では、静電潜像をその表面に担持する像担持体に対向して配置され、基材中に所定間隔を存して複数配列された電極に対して互いに位相の異なる複数種の交番電圧の印加により形成される進行波電界によって現像剤を搬送する現像剤搬送部材を有し、この現像剤搬送部材上で形成される進行波電界により上記像担持体に向けて現像剤を飛翔させて静電潜像を現像するようにした現像装置を前提とする。そして、上記複数の電極の反像担持体側、例えば現像剤を搬送する現像剤搬送領域および像担持体に対し対向する現像領域の反像担持体側に、上記像担持体に向けて現像剤を飛翔させる進行波電界の作用高さを制御する制御電極を設けている。
【0010】
この特定事項により、現像剤搬送部材により大量の現像剤を搬送して高速印刷を行う場合、ピッチを大きくした各電極間において大きな進行波電界を発生させる上で必要な高い交番電圧を印可しても、現像剤を飛翔させる進行波電界の作用高さが制御電極によって制御されているので、高速印刷に対応した現像剤搬送量を維持した状態で、現像剤の飛翔高さが最適に制御されることになり、現像剤搬送時の現像剤の飛散や、現像領域での現像剤のカブリ現象を防止することが可能となる。
【0011】
特に、制御電極に印加するバイアス電圧を特定するものとして以下の構成が掲げられる。
【0012】
つまり、現像剤とは逆極性のバイアス電圧を制御電極に印加している。
【0013】
この特定事項により、現像剤がマイナス(−)極性であれば、制御電極にプラス(+)極性のバイアス電圧を印加することにより、飛翔する現像剤が引き戻されることになる。そのため、現像剤搬送時に各電極に印加された交番電圧により発生した進行波電界との反発力によって一時的に各電極と離反する方向に飛翔する現像剤の飛翔高さが制限されることになり、現像剤の飛散防止、および現像時の現像剤のカブリを防止することが可能となる。
【0014】
これに対し、現像剤と同極性のバイアス電圧を制御電極に印加している場合には、現像剤を搬送する各電極に交番電圧を少しだけ印加させておき、進行波電界を発生させる上で必要なバイアス電圧を制御電極に印加させて補うようにしてもよく、これによって各電極に交番電圧を印加する電源を抑えて省エネルギ化を図ることが可能となる。
【0015】
また、現像剤搬送部材の表面上において現像剤搬送方向に微速移動する帯状部材によって現像剤搬送部材の表面を覆い、現像剤搬送部材上で形成される進行波電界によって上記帯状部材上で現像剤を搬送するようにしている場合には、現像剤搬送部材の表面上において微速移動する帯状部材によって、現像剤の搬送面は常にリフレッシュされた状態に維持されることになる。そのため、現像剤を搬送する際に現像剤と各電極との接触などによって現像剤を担持する搬送路が帯電して各電極による進行波電界(電界カーテン)の形成が不安定となったり、搬送路に現像剤が固着して現像剤の搬送が妨げられることがなく、安定して現像剤が搬送され、安定した画像形成を行うことが可能となる。
【0016】
更に、上述した現像装置を画像形成装置に用いた場合には、現像剤搬送時の現像剤の飛散および現像領域での現像剤のカブリ現象を防止し得る画像形成装置を提供することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
<第1の実施の形態>
図1は本発明の第1の実施形態に係わる現像装置を備えた画像形成装置の構成を示す図である。
【0019】
この図1において、画像形成装置Xの内部には、像担持体としての円筒状の感光体ドラム1が設けられている。この感光体ドラム1を中心として、その周囲に、帯電部材2、露光部材3、現像装置4、転写部材5、クリーニング部材6、及び除電部材7が順に配置されている。
【0020】
また、感光体ドラム1と転写部材5との間には、用紙(PPC用紙等)Pが搬送される用紙搬送路が配置されている。この用紙搬送路の搬送方向から見て感光体ドラム1の下流側には、上下一対の定着部材81,81を備えた定着装置8が配置されている。
【0021】
電子写真プロセスでは、感光体ドラム1に原稿像、あるいはホストコンピュータ(図示せず)からのデータに対応した静電潜像が形成され、その静電潜像が現像装置4によって現像(可視化)され、用紙P上に転写されて画像形成が行われる。
【0022】
感光体ドラム1は、導電性基材11上に光導電層12が形成されており、帯電部材2から上記各部材3〜7の配置順に従って回転可能となっている。まず、感光体ドラム1の表面(光導電層12)は、帯電部材2によって所定の電位となるまで帯電される。所定電位まで帯電された感光体ドラム1の表面は、感光体ドラム1の回転によって露光部材3の位置まで到達する。この露光部材3は書き込み手段であり、画像情報に基づいて、例えばレーザ光などの光によって帯電している感光体ドラム1の表面上に画像を書き込む。これによって、感光体ドラム1上に静電潜像が形成される。静電潜像が形成された感光体ドラム1の表面は、その感光体ドラム1の回転によって現像装置4の位置まで到達する。
【0023】
現像装置4では、現像剤搬送部材41上を搬送される現像剤(トナー)Tによって、感光体ドラム1の表面の静電潜像を現像剤像として現像する。現像剤Tが担持された感光体ドラム1の表面は、この感光体ドラム1の回転によって転写部材5の位置まで到達する。
【0024】
転写部材5は、感光体ドラム1の表面上の現像剤Tを用紙P上に転写する。感光体ドラム1から用紙P上に転写された現像剤像は、定着装置8によって用紙P上に定着される。
【0025】
現像剤像が転写された後の感光体ドラム1の表面は、この感光体ドラム1の回転によってクリーニング部材6の位置まで到達する。クリーニング部材6は、感光体ドラム1の表面に残留している現像剤Tや紙粉などを除去する。クリーニング部材6によってクリーニングされた感光体ドラム1の表面は、この感光体ドラム1の回転によって除電部材7の位置まで到達する。
【0026】
除電部材7は、感光体ドラム1の表面に残留している電位を除去する。上述した一連の動作によって一回の画像形成が終了する。
【0027】
感光体ドラム1としては、例えばアルミニウムなどで製作された導電性基体(金属ドラム)11の外周面に、アモルファスシリコン(a−Si)、セレン(Se)や有機光半導体(OPC)などの光導電層12が薄膜状に形成されてなる構成が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0028】
帯電部材2としては、例えばタングステンワイヤなどの導電線、金属性のシールド板、グリッド板からなるコロナ帯電器や帯電ローラ、帯電ブラシなどの構成が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0029】
露光部材3としては、例えば半導体レーザや発光ダイオードなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0030】
転写部材5としては、例えば、コロナ転写器、転写ローラ、転写ブラシなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0031】
クリーニング部材6としては、クリーニングブレードなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0032】
除電部材7としては、除電ランプなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0033】
次に、現像装置4について説明する。
【0034】
現像装置4は、図2に示すように、ケーシング40、現像剤搬送部材41、ミキシングパドル42、支持部材43、現像剤供給部材44、現像剤回収部材45及び現像剤層厚規制部材46などによって構成されており、現像剤搬送部材41に多相交流電源47及び現像バイアス直流電源48が接続されている。
【0035】
ケーシング40は、現像剤Tを内部に収容するものであり、また、必要に応じて現像装置4を構成する部材を支持するものである。
【0036】
ミキシングパドル42は、ケーシング40内に収容されている現像剤Tを混合するためのものである。
【0037】
現像剤搬送部材41は、感光体ドラム1の現像領域Gに対向して略平面を形成するようなベルト形状となっている。なお、本実施形態では、現像剤搬送部材41として略平面状のものを示しているが、現像剤搬送部材41の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、緩やかな曲面を形成するような形状であっても構わない。
【0038】
現像剤搬送部材41は、現像装置4における上下方向に対して若干傾斜して、感光体ドラム1の表面における現像領域Gの接線に対して略平行となるように配置されている。また、ベルト形状の現像剤搬送部材41が上記配置を保持できるように、現像剤Tを搬送する表面とは反対側の表面に、現像剤搬送部材41を保持する支持部材43が設けられている。
【0039】
現像剤搬送部材41の下方端部には、現像剤搬送部材41の表面上を搬送される現像剤Tを供給する現像剤供給部材44が設けられている。現像剤搬送部材41の上方端部には、この現像剤搬送部材41の表面の現像剤Tをケーシング40内部に回収するための現像剤回収部材45が設けられている。なお、本実施形態では、現像剤回収部材45が現像剤搬送部材41の表面に回転可能に接触している形態としているが、これに限定されるものではなく、非接触の形態や、回動しない形態であってもよい。
【0040】
現像剤供給部材44は、ケーシング40内に収容されている現像剤Tを現像剤搬送部材41に供給するためのものであり、現像剤搬送部材41に後述する線圧力で当接した状態で設けられている。現像剤供給部材44と現像剤搬送部材41との圧接力はバネ等によって与えられる。現像剤供給部材44には、その表面上に形成する現像剤層の層厚を規制するための現像剤層厚規制部材46が当接している。
【0041】
現像剤供給部材44の材質としては特に限定されるものではないが、例えばシリコーン、ウレタン、EPDM(エチレン−プロピレン−メチレン共重合体)などのソリッドゴム、発泡ゴムなどが挙げられる。また、カーボンブラックやイオン導電剤を添加することによって導電性を付与してもよい(電圧印加も可能)。なお、現像剤供給部材44及び現像剤搬送部材41の弾性率を調整して両者の位置関係を制御するようにしてもよい。さらに、現像剤供給部材44に印加する電圧を適切な値に設定し、現像剤供給部材44に現像剤Tを帯電させる機能を付加するようにしてもよい。あるいは、現像剤供給部材44の前段に、例えば薄板状のブレード(材料としては、現像剤供給部材44と同じものが使用可能)を設けて現像剤Tを帯電させるようにしても構わない。
【0042】
現像剤回収部材45は、感光体ドラム1上の静電潜像の現像に寄与しない現像剤Tを回収してケーシング40内に戻すためのものであり、その材質としては、特に限定されないが、例えば現像剤供給部材44と同様のものを使用することができる。
【0043】
支持部材43は、ベルト形状の現像剤搬送部材41を感光体ドラム1の現像領域Gに対向した状態を保持するためのもので、その構成は特に限定されるものではない。例えば、ABS(Acrylonitrile−Butadiene−Styrene:アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂などを挙げることができる。
【0044】
現像剤搬送部材41は、電界カーテン作用により現像剤Tを搬送するものであり、図3に示すように、絶縁層からなる基材41a上に、電界カーテン作用を発生させる長尺状の進行波発生電極41bが、4本を1組として複数組が順次連続して配設されている。この現像剤搬送部材41の表面側は表面保護層41cによって覆われている。
【0045】
そして、これらの進行波発生電極41b・・41bに多相交流電源47から多相の交番電圧が印加されることにより、現像剤搬送部材41の表面に平行となる方向に電界カーテンが発生し、これによって現像領域Gまで電界カーテン作用により現像剤Tを搬送するようになっている。また、進行波発生電極41b・・41bには現像バイアス直流電源48にてバイアス電圧が印加される。
【0046】
現像剤搬送部材41の具体例を挙げると、例えば、基材41a:ポリイミド(厚さ25μm)、進行波発生電極41b:銅(厚さ12μm)、表面保護層41c:ポリイミド(厚さ12μm)といった構成を挙げることができる。
【0047】
進行波発生電極41bは、約50dpi(dot per inch)〜300dpi、すなわち約500μm〜85μmのピッチの間隔を保って互いに平行に配置されており、幅40μm〜250μm程度の微小電極となっている。なお、本実施形態では、4本の進行波発生電極41bを1組とし、これら各組の進行波発生電極41bに対して、例えば図4に示すような電圧波形の4相の交番電圧を印加し、進行波発生電極41b・・41b上に進行波電界を形成しているが、これに限定されるものではなく、3本の進行波発生電極41bを1組として3相の交番電圧を印加しても構わない。
【0048】
上記電圧波形は正弦波や台形波などでもよく、電圧値の範囲としては100V〜3kV程度が好ましい。また、周波数の範囲としては100Hz〜5kHzが好ましい。ただし、これらの電圧値や周波数については、進行波発生電極41bの形状、現像剤Tの搬送速度、現像剤Tの使用材料などによって適正値を設定すればよく、特に限定されるものではない。
【0049】
そして、本発明の特徴部分として、図5および図6に示すように、上記現像剤搬送部材41の基材41aの各進行波発生電極41bよりも裏面側(反感光体ドラム1側)、つまり現像剤搬送部材41の現像剤搬送領域H,Hおよび感光体ドラム1に対し対向する現像領域Gの基材41aの裏面側には、上記感光体ドラム1に向けて現像剤Tを飛翔させる進行波電界の作用高さ(現像剤Tの飛翔高さ)を制御する帯状の制御電極411が設けられている。この制御電極411には、直流電源412が接続され、現像剤Tとは逆極性のバイアス電圧が印加されるようになっている。なお、図6中413は、各進行波発生電極41bを表面保護層41cと基材41aとの間に固着させる厚さ15μmの接着層である。
【0050】
ここで、図7を用いて、制御電極411による現像剤Tの飛翔高さの制御について説明する。
【0051】
各進行波発生電極41bに、例えば2kv(P−P)の矩形波が印可されている場合には、図7に破線で示すように、現像剤Tが飛翔し、感光体ドラム1上の静電潜像以外の部分にまで現像剤Tが付着する、所謂カブリ現像が発生する。
【0052】
このとき、制御電極411に300V〜500V程度の直流電圧(バイアス電圧)を印加することにより、図7に実線で示すように、制御電極411から発生した電界によって現像剤Tが反感光体ドラム1側(図7では下方)に引き寄せられ、この状態で現像剤Tが飛翔することになる。具体的には、現像剤Tが非磁性1成分トナーである場合には、現像剤はマイナス(−)の帯電極性を有するので、制御電極411にはプラス(+)極性のバイアス電圧を印加することにより、制御電極411の電界により現像剤Tが現像剤搬送部材41側に引き戻されて、現像剤Tの飛翔高さが制御されることになる。なお、図7では、現像領域Gでの現像剤Tの飛翔高さを感光体ドラム1との関係について説明したが、現像剤搬送領域H,Hにおいても同様の制御がなされる。
【0053】
したがって、上記実施形態では、現像剤Tを飛翔させる進行波電界の作用高さ(現像剤Tの飛翔高さ)を制御する制御電極411に、マイナス(−)の帯電極性を有する現像剤Tとは逆となるプラス(+)極性のバイアス電圧が印加されているので、現像剤搬送部材41により大量の現像剤Tを搬送して高速印刷を行う場合、ピッチを大きくした各進行波発生電極41b,41b間において大きな進行波電界を発生させる上で必要な高い交番電圧を印可しても、現像剤Tを飛翔させる進行波電界の作用高さ(現像剤Tの飛翔高さ)が制御電極411によって現像剤搬送部材41側に引き戻されるように制御されている。このため、高速印刷に対応した現像剤搬送量を維持した状態で、現像剤Tの飛翔高さが抑制されることになり、現像剤搬送時に現像剤搬送領域H,Hにおいて現像剤Tの飛翔高さが極端に高くなることを防止して現像剤Tの飛散を防止することができるとともに、現像領域Gでの現像剤Tのカブリ現象を防止することができる。
【0054】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施形態を図8に基づいて説明する。
【0055】
この実施形態では、現像装置に、現像剤搬送部材上において現像剤搬送方向に微速移動する帯状部材としての無端ベルトを設けている。なお、帯状部材を除くその他の構成は、上記第1の実施形態の場合と同じであり、同じ部分については同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0056】
すなわち、本実施形態では、図8に示すように、現像装置100は、ケーシング40、現像剤搬送部材41、ミキシングパドル42、支持部材43、現像剤供給部材44、現像剤回収部材45、及び現像剤層厚規制部材46などを備えており、現像剤搬送部材41に多相交流電源47及び現像バイアス直流電源48が接続されている。
【0057】
そして、現像剤搬送部材41の表面(感光体ドラム1との対向面)に、その表面を周方向に覆うように無端ベルト101が設けられている。この無端ベルト101は、ケーシング40内に設けられたベルト駆動部材102によって、現像剤Tの搬送方向に所定の周速度で移動(回動)される。
【0058】
このように、無端ベルト101が所定の周速度で現像剤搬送方向(図8に白抜き矢印で示す)移動することによって、現像剤搬送部材41の表面が常に刷新され、この表面上での帯電及び現像剤Tの固着が防止されるようになっている。
【0059】
無端ベルト101の駆動速度は、現像剤Tの搬送速度に対して、ほぼ静止しているとみなされるレベルに制御されることが好ましく、例えば、現像剤Tの搬送速度に対して10分の1ないしは100分の1程度に設定される。なお、無端ベルト101の速度は、例えば赤外線センサを2つ設け、各々で現像剤Tの到達した時間を検知する方法、あるいは高速ビデオカメラを用いて測定する方法を採用すればよい(例えばIS&Ts NIP 15:1999 International Conference on Digital Printing Technologies p.262−265 参照)。
【0060】
無端ベルト101には、現像剤搬送部材41の表面に対し密着した状態となるように一定の張力が付与されており、その表面上において進行波発生電極41bにより形成された進行波電界(電界カーテン)が均一に作用するようになっている。
【0061】
無端ベルト101の材料としては、ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化エチレンプロプレン、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などの有機絶縁材料や、シリコン、イソプレン、ブタジエンなどのゴム材料を挙げることができる。また、無端ベルト101の厚みは、現像剤搬送部材41の電極間ピッチλ(図3参照)にもよるが、5μm〜200μm、好ましくは10μm〜100μmがよい。
【0062】
ベルト駆動部材102としては、SUS(ステンレス)または鉄などの金属ローラ部材や、これを芯金にしてその表面にゴム、フィルムやスポンジなどの部材を被覆したものが用いられる。
【0063】
さらに、この実施形態においては、無端ベルト101の回動をスムーズにするために、ベルト駆動部材102と無端ベルト101を介して当接するように駆動補助部材103が設けられている。無端ベルト101は、ベルト駆動部材102と駆動補助部材103にて挟み込まれた状態となっており、ベルト駆動部材102との接触性が高く、高い駆動力を得る構造となっている。
【0064】
駆動補助部材103としては、ベルト駆動部材102と同様に、SUSまたは鉄などの金属ローラ部材や、これを芯金にしてその表面にゴム、フィルムやスポンジなどの部材を被服したものを挙げることができる。また、駆動補助部材103の形状は、ローラ状だけでなく、板状あるいは角状であってもよい。さらに、駆動補助部材103には、ベルト駆動部材102に対して加圧当接させるための加圧手段(図示せず)が設けられていてもよい。その加圧手段としては、例えば板ばねやコイルばねなど、押付け力を付与できるものを挙げることができる。
【0065】
駆動補助部材103の回動機構としては、無端ベルト101との接触による従動回転機構、ギヤまたはプーリとベルトにてベルト駆動部材102の駆動源に連結する連結駆動機構などを挙げることができる。また、図示はしないが、駆動補助部材103には別の駆動源を設けてもよい。
【0066】
また、駆動補助部材103を電気的に接地することにより、無端ベルト101の表面に帯電した電位を除電することができる。
【0067】
さらに、この実施形態においては、無端ベルト101上に付着した現像剤Tを除去するためのクリーニング部材として、ベルト駆動部材102に無端ベルト101を介して当接するクリーニングブレード104を設けている。クリーニングブレード104はケーシング40の一部に固定されている。クリーニングブレード104の材質としては、SUS、ニッケルコートを施した鉄、ウレタンまたはシリコンゴムなどが挙げられる。
【0068】
クリーニングブレード104は、無端ベルト101上に残留した現像剤Tを掻き取り、無端ベルト101表面をクリーニングするとともに、ケーシング40の現像剤蓄積部40aに現像剤Tを戻す。なお、図8の構造では、クリーニングブレード104と現像剤供給部材44との間に存在する無端ベルト101に、現像剤Tが付着しないように、無端ベルト101側と、現像剤蓄積部40a側とを隔てるための隔壁部材105が設けられており、無端ベルト101のクリーニングをより有効に行える構造となっている。
【0069】
そして、上記現像剤搬送部材41の基材41aの裏面側においても、図5および図6に示したように、感光体ドラム1に向けて現像剤Tを飛翔させる進行波電界の作用高さ(現像剤Tの飛翔高さ)を制御する帯状の制御電極411が設けられている。
【0070】
したがって、本実施形態においても、現像剤搬送部材41により大量の現像剤Tを搬送して高速印刷を行う場合、現像剤Tを飛翔させる進行波電界の作用高さ(現像剤Tの飛翔高さ)が制御電極411によって制御されることになり、高速印刷に対応した現像剤搬送量を維持した状態で、現像剤Tの飛翔高さが抑制されて、現像剤搬送時に現像剤搬送領域H,Hにおける現像剤Tの飛翔高さが極端に高くなることを防止して現像剤Tの飛散を防止することができるとともに、現像領域Gでの現像剤Tのカブリ現象を防止することができる。
【0071】
加えて、現像剤搬送部材41の表面上において微速移動する無端ベルト101によって、現像剤Tの搬送面は常にリフレッシュされた状態に維持されることになる。そのため、現像剤Tを搬送する際に現像剤Tと各進行波発生電極41bとの接触などによって現像剤Tを担持する搬送路が帯電して各進行波発生電極41bによる進行波電界(電界カーテン)の形成が不安定となったり、搬送路に現像剤Tが固着して現像剤Tの搬送が妨げられることがなく、安定して現像剤Tが搬送され、安定した画像形成を行うことができる。
【0072】
<その他の実施の形態>
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、上記各実施形態では、マイナス(−)の帯電極性を有する現像剤Tとは逆極性となるプラス(+)極性のバイアス電圧を制御電極411に印加させたが、現像剤と同極性のバイアス電圧を制御電極に印加、具体的には、現像剤を搬送する各進行波発生電極に交番電圧を少しだけ印加させておき、進行波電界を発生させる上で必要なバイアス電圧を制御電極に印加させて補うようにしてもよい。この場合には、各進行波発生電極に交番電圧を印加する電源を抑えて省エネルギ化を図ることができる。
【0073】
【発明の効果】
以上のように、複数の電極の反像担持体側に、像担持体に向けて現像剤を飛翔させる進行波電界の作用高さを制御する制御電極を設けることで、高速印刷に対応した現像剤搬送量を維持した状態で、現像剤の飛翔高さを最適値に制御して、現像剤搬送時の現像剤の飛散や、現像領域での現像剤のカブリ現象を防止することができる。
【0074】
特に、現像剤と逆極性のバイアス電圧を制御電極に印加することで、飛翔する現像剤を引き戻し、現像剤の飛翔高さを抑制して、現像剤の飛散防止および現像時の現像剤のカブリ防止を効果的に図ることができる。
【0075】
一方、現像剤と同極性のバイアス電圧を制御電極に印加することで、現像剤を搬送する各電極に交番電圧を少しだけ印加させた各電極と、それを補うバイアス電圧を印加させた制御電極とによって進行波電界を発生させることも可能となり、各電極に交番電圧を印加する電源を抑えて省エネルギ化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係わる現像装置が適用される電子写真方式を用いた画像形成装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】同現像装置の構成を示す模式図である。
【図3】同じく現像剤搬送部材の構成を示す模式図である。
【図4】同現像剤搬送部材に印加される電圧波形を示す波形図である。
【図5】同現像剤搬送部材の構成を模式的に示す断面図である。
【図6】同現像剤搬送部材の断面図である。
【図7】同じく制御電極による現像剤の飛翔高さの制御を説明する説明図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係わる現像装置の構成を示す模式図である。
【図9】従来例に係わる各電極による現像剤の飛翔高さを説明する説明図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(像担持体)
4 現像装置
41 現像剤搬送部材
41a 基材
41b 進行波発生電極(電極)
411 制御電極
9 無端ベルト(帯状部材)
G 現像領域
H 現像剤搬送領域
T 現像剤
X 画像形成装置
Claims (6)
- 静電潜像をその表面に担持する像担持体に対向して配置され、基材中に所定間隔を存して複数配列された電極に対して互いに位相の異なる複数種の交番電圧の印加により形成される進行波電界によって現像剤を搬送する現像剤搬送部材を有し、この現像剤搬送部材上で形成される進行波電界により上記像担持体に向けて現像剤を飛翔させて静電潜像を現像するようにした現像装置において、
上記複数の電極の反像担持体側には、上記像担持体に向けて現像剤を飛翔させる進行波電界の作用高さを制御する制御電極が設けられていることを特徴とする現像装置。 - 上記請求項1に記載の現像装置において、
制御電極には、現像剤とは逆極性のバイアス電圧が印加されていることを特徴とする現像装置。 - 上記請求項1に記載の現像装置において、
制御電極には、現像剤と同極性のバイアス電圧が印加されていることを特徴とする現像装置。 - 上記請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の現像装置において、
制御電極は、現像剤を搬送する現像剤搬送領域および像担持体に対し対向する現像領域に設けられていることを特徴とする現像装置。 - 上記請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の現像装置において、
現像剤搬送部材の表面は、この表面上において現像剤搬送方向に微速移動する帯状部材によって覆われており、
現像剤は、現像剤搬送部材上で形成される進行波電界によって上記帯状部材上で搬送されるようになっていることを特徴とする現像装置。 - 上記請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の現像装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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