JP2004325630A - 投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】色再現範囲が広く画像表現力に優れた投射型表示装置を提供する。
【解決手段】互いに発光色の異なる4種類以上の発光体12,13,22,23,32,33と、各発光体から出射された色光を変調し、所定時間内にそれぞれの色光の色に対応した画像光を形成する光変調手段15,25,35と、得られた画像光を投射する投射手段50とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】互いに発光色の異なる4種類以上の発光体12,13,22,23,32,33と、各発光体から出射された色光を変調し、所定時間内にそれぞれの色光の色に対応した画像光を形成する光変調手段15,25,35と、得られた画像光を投射する投射手段50とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投射型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
表示装置の分野ではより大型の表示が求められており、このような大画面表示を容易に実現できる手段として、従来より液晶プロジェクタやDMD等の投射型表示装置の開発が盛んに行なわれている。
このような投射型表示装置としては、例えば下記の特許文献1のようなものが知られている。この投射型表示装置は、1つの光源と、この前面に配置された1つのライトバルブ(光変調装置)とを備えた単板式の表示装置であり、上記光源を、R,G,B発色可能な3種類の有機EL素子(発光体)からなる面光源とすることで小型軽量化を図ったものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−98919号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、表示装置では色再現性が表示品質に大きく影響するが、R,G,Bの3つの色光でカラー表示を行なう上述の構成では色再現範囲が十分とはいえず、画像表現力に課題があった。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、色再現範囲が広く画像表現力に優れた投射型表示装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の投射型表示装置は、互いに発光色の異なる4種類以上の発光体と、上記各発光体から出射された色光を変調し、所定期間内にそれぞれの色光の色に対応した画像光を形成する光変調手段と、上記画像光を投射する投射手段とを備えたことを特徴とする。
本構成では4色以上の画像光によりカラー表示を行なっているため、色再現範囲は上記各発光色の色座標を頂点とする4角形以上の多角形の内部領域となる。このため、従来のように3色でカラー表示を行なうものに比べて色再現範囲が広く画像表現力に優れた表示を実現できる。なお、本明細書において、互いに色が異なるとは、各色の色度座標上での位置が互いに異なることを意味する。
【0006】
このように4種類以上の発光体を有する投射型表示装置としては以下の3板式の構成のものを挙げることができる。すなわち、本発明の投射型表示装置は、互いに発光色の異なる3つの光源と、各光源に対応して設けられ、上記光源から出射された色光を変調して所定期間内に上記色に対応した画像光を形成する3つの光変調装置と、上記画像光を投射する投射手段とを備え、上記3つの光源の内、少なくとも1つの光源には互いに発光色の異なる複数の発光体が設けられ、前記複数の発光体のそれぞれの色光が、対応する光変調装置に対して上記所定期間内に時間順次で出射されることを特徴とする。
【0007】
本構成では、上記4種類以上の発光体を3つの光源に分配し、各発光体からの色光を対応する光変調装置で変調している。このとき、2種類以上の発光体が分配された光源では、各発光体からの色光を、対応する光変調装置に上記所定時間内に時間順次で出力する。このような構成とすることで、従来の3板式の構成を略そのまま流用しながら、色再現性の高い画像表示が可能となる。
【0008】
なお、上記所定時間は画像の切り替え時間に相当し、例えば1フレーム期間である。本構成では、同一光源に配された複数の発光体はこのような短時間での発色の切り替えを要求されるため、上記発光体としては通常のランプ光源よりも応答特性のよい発光ダイオード(LED)を用いることが好ましい。
また、複数種類の発光体を備えた光源は少なくとも一つあればよく、例えば、3つの光源全てに2種類又は3種類の発光体を備えてもよい。これにより、再現可能な色域が色空間内の6つ又は9つの色座標で囲まれる6角形又は9角形の内部の領域となり、従来よりも色域を拡大することができる。
【0009】
ところで上述の構成では、色バランスをとるために、同一の光源に設けられた複数種類の発光体の輝度を略等しく構成することが好ましい。具体的には、上記複数種類の発光体の上記所定時間内における発光時間を発光強度の大きいものほど短くしたり、或いは、上記複数種類の発光体の発光面積を発光強度の大きいものほど小さくしたりすることで、色味の少ない表示を実現できる。勿論、色バランスを崩して色味の調整を意図的に行なうことも可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を参照しながら本発明の一実施形態に係る投射型表示装置について説明する。図1は本実施形態の投射型表示装置の全体構成を示す図、図2は本投射型表示装置に備えられた一つの光源を色合成手段としてのダイクロイックプリズム側から見た平面図、図3は光源に設けられた各発光体の発光波長を示す図、図4は本投射型表示装置の動作を説明するための図である。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0011】
図1に示すように、色合成手段としてのダイクロイッククロスプリズム40の3つの光入射面41,42,43には、それぞれ光変調装置としての透過型液晶装置10,20,30が対向して配置されており、各液晶装置10,20,30の背面側(クロスダイクロイックプリズム40と反対側)にはそれぞれ光源10,20,30が配置されている。
【0012】
光源10,20,30にはそれぞれ、互いに発光色の異なる2種類の発光体(LED)が設けられている。例えば光源10は、図1,図2に示すように、基板11に赤色領域の波長で発光するLED12と橙色領域の波長で発光するLED13とがモザイク状に2次元配列して固定された構造を有し、図示しない直流電源から各LED12,13に対して電力が供給されるようになっている。LED12,13は、先端がレンズ形状となっている透明樹脂でモールドされた構造となっており、その直径は数mm程度である。図2では、光源10に横5個,縦4個の合計20個のLEDを配置した構成を示したが、LEDの個数は必要とされる光源の大きさに依存し、用途によっては各LED12,13を1個ずつとしてもよい。
【0013】
また、LED12,13とダイクロイッククロスプリズム40との間にはレンズアレイ14が配置されている。レンズアレイ14は、略矩形の開口形状を有するレンズ14aが2次元配列されたものであり、各レンズ14aはそれぞれ一つのLED12又はLED13に対応し、LED12又はLED13から出射された色光をコリメートし、平行性の高い光を液晶装置15に入射させる機能を有する。
【0014】
光源20,30は光源10と同様の構成を有し、光源20は基板21に黄色領域の波長で発光するLED22と緑色領域の波長で発光するLED23を備え、光源30は基板31に紫色領域の波長で発光するLED32と青色領域の波長で発光するLED33を備えている。そして、LED22,23及びLED32,33とダイクロイッククロスプリズム40との間には、それぞれレンズアレイ24,25が配置されている。
【0015】
図3は各LED12,13,22,23,32,33の発光スペクトルを模式的に示したものである。図3に示すように、本実施形態では各LEDの発光波長を波長軸上で略等間隔としている。投射型表示装置の色再現範囲は、各光源光の色度座標上での位置を頂点として形成される多角形の内部領域で表わすことができるが、上述のように各LEDの発光スペクトルが可視光の波長領域内で略等間隔に配置されることで、色再現範囲としての多角形(本実施形態では6角形)の面積を最大限広くとることができる。なお、図3では各LEDの発光スペクトルを矩形で示したが、実際には所定のピーク波長を有する正規分布型の形状を有している。
【0016】
また、同一の光源に設けられた2種類のLEDは所定時間(本実施形態では1フィールド期間)内に時間順次で点灯するように制御されている。例えば光源10に設けられた2種類のLED12,13は、図4に示すように、1フィールド期間T0内にそれぞれT0/2期間ずつ点灯され、液晶装置15は各LED12,13の点灯時期に合わせて液晶の配向を制御され各色に対応した画像光を形成する。光源20と液晶装置25、及び、光源30と液晶装置35の駆動制御についても同様であり、例えば1フィールド期間の前半(T0/2期間)で赤色,黄色,紫色の各画像光が形成され、後半(T0/2期間)で橙色,緑色,青色の各画像が形成される。そして、各色の画像光は1フィールド期間内で合成され、投射レンズ50によってスクリーン60に拡大投影される。
【0017】
液晶装置15,25,35は、本発明の光変調手段ないし光変調装置を構成し、それぞれ対応する光源10,20,30からの光を変調して1フィールド期間内に各色の画像光を形成する。これらの液晶装置には、TNモード,垂直配向モード,高分子分散モード等、種々の表示モードを適用することができる。なお、液晶装置15,25,35の1画素の大きさは各LEDの大きさに比べて十分小さいため、LEDからの光を液晶装置に直接入射させた場合、表示領域内に一方のLEDの光しか入射されない画素が生じる。このため、本実施形態では、液晶装置15,25,35の光入射側の基板面にそれぞれ光拡散板15a,25a,35aを設けている。この光拡散板にはガラスや樹脂等の種々の材料を用いることができ、携帯電話の樹脂サーモ等に利用されている公知の材料が好適である。
【0018】
ダイクロイッククロスプリズム40は、4つの直角プリズムが貼り合わされた構造を有し、その貼り合わせ面40a,40bには誘電体多層膜からなる光反射膜(図示略)が十字状に形成されている。本実施形態では、貼り合わせ面40aには、光源10からの赤色及び橙色の光を反射し光源20,30からの黄色,緑色,紫色,青色の各光を透過する光反射膜が設けられ、貼り合わせ面40bには、光源10,20からの赤色,橙色,黄色,緑色の各光を透過し光源30からの紫色及び青色の光を反射する光反射膜が設けられている。
【0019】
したがって、本実施形態では互いに異なる6色の画像光によってカラー表示を行なっているため、従来のように3色でカラー表示を行なうものに比べて色再現範囲が広く画像表現力に優れた表示を実現できる。特に本実施形態では、光源の数を3つとし、1つの光源に複数の発光体を配置した構成としたため、従来の3板式投射型表示装置の構成をそのまま流用でき、設計変更等を殆ど必要としない利点がある。
【0020】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、図3では各LEDのピーク波長における発光強度を便宜的に等しくしたが、これらは必ずしも一致しない。このようにピーク強度の異なる発光体を用いた場合、各発光体の点灯時間を等しくすると色バランスが崩れることになる。このため、発光強度の大きいものほど点灯時間を短くし、各発光体の輝度を略等しくすることで、色味の少ない表示が可能となる。
【0021】
図5は、光源10においてLED13の輝度がLED12の輝度よりも2倍大きい場合の駆動方法を示したものである。この方法では、LED12の点灯時間(2/3・T0)をLED13の点灯時間(1/3・T0)よりも2倍長くして色バランスをとっている。この方法は、異なる光源に属する発光体同士についても適用できる。例えば、光源10のLED12の輝度が光源30のLED33の輝度よりも2倍大きい場合には、LED12の点灯時間をLED33の点灯時間の半分とする。そして、光源10,20,30の全体で点灯時間を調整することで色味の少ない表示が可能となる。
【0022】
また、色バランスは光源内における各LEDの配置面積(発光面積)を変えることによっても調整可能である。つまり、発光強度の小さい発光体ほどその数を増やすようにする。或いは、逆に点灯時間や発光面積を任意に制御することで、色の調整を意図的に行なうことも可能である。
【0023】
また、上記実施形態では、各光源に配置される発光体の種類をそれぞれ2種類としたが、これを3種類以上とすることも可能であり、これにより更に色再現性を高めることができる。各発光体の配列としては、ストライプ配列,デルタ配列,モザイク配列等の種々の方法を採用することができる。
【0024】
逆に、光源10〜30の内の1つ又は2つのみに2種類の発光体を設け、残りの1つには1種類の発光体を設ける構成でもよい。つまり、光源全体として4色以上の発色が可能であれば従来よりも色再現性は高まるため、必ずしも全ての光源に複数種類の発光体が備えられる必要はない。この場合、複数種類の発光体が設けられた光源では、所定時間(例えば、1フィールド期間)内にこれらの発光体を時間順次に点灯させる。一方、1種類の発光体のみ配置された光源ではこのような切り替えは不要である。
【0025】
また、上記実施形態では、各発光体の発光色を赤色,橙色,黄色,緑色,紫色,青色とし、各発光色の色相自体を異ならせたが、本発明はこのような構成に限定されない。例えば、LED12,LED13の発光色の色相が共に赤であっても、各発光スペクトルの形状(ピーク波長や反値幅等)が若干異なれば、各色の色度座標上での位置は異なる。同様のことは、LED22とLED23、或いは、LED32とLED33との関係についてもいえる。このように同一光源からの2種類の発光色を同じ色相とした場合、その色座標上の位置は近接するため、色座標上で形成される6角形の面積(即ち、色再現範囲)は上記実施形態のものより小さくなるものの、従来の3角形のものよりは面積を広げる(即ち、色再現範囲を拡大する)ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る投射型表示装置の全体構成を示す図。
【図2】同、投射型表示装置に備えられる光源の構成を示す図。
【図3】同、投射型表示装置に備えられる発光体のスペクトルを示す図。
【図4】同、投射型表示装置の駆動方法を示す図。
【図5】同、投射型表示装置の他の駆動例を示す図。
【符号の説明】
10,20,30…光源、12,13,22,23,32,33…LED(発光体)、15,25,35…液晶装置(光変調装置、光変調手段)、50…投射レンズ(投射手段)、T0…1フィールド期間(所定時間)
【発明の属する技術分野】
本発明は、投射型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
表示装置の分野ではより大型の表示が求められており、このような大画面表示を容易に実現できる手段として、従来より液晶プロジェクタやDMD等の投射型表示装置の開発が盛んに行なわれている。
このような投射型表示装置としては、例えば下記の特許文献1のようなものが知られている。この投射型表示装置は、1つの光源と、この前面に配置された1つのライトバルブ(光変調装置)とを備えた単板式の表示装置であり、上記光源を、R,G,B発色可能な3種類の有機EL素子(発光体)からなる面光源とすることで小型軽量化を図ったものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−98919号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、表示装置では色再現性が表示品質に大きく影響するが、R,G,Bの3つの色光でカラー表示を行なう上述の構成では色再現範囲が十分とはいえず、画像表現力に課題があった。
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、色再現範囲が広く画像表現力に優れた投射型表示装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の投射型表示装置は、互いに発光色の異なる4種類以上の発光体と、上記各発光体から出射された色光を変調し、所定期間内にそれぞれの色光の色に対応した画像光を形成する光変調手段と、上記画像光を投射する投射手段とを備えたことを特徴とする。
本構成では4色以上の画像光によりカラー表示を行なっているため、色再現範囲は上記各発光色の色座標を頂点とする4角形以上の多角形の内部領域となる。このため、従来のように3色でカラー表示を行なうものに比べて色再現範囲が広く画像表現力に優れた表示を実現できる。なお、本明細書において、互いに色が異なるとは、各色の色度座標上での位置が互いに異なることを意味する。
【0006】
このように4種類以上の発光体を有する投射型表示装置としては以下の3板式の構成のものを挙げることができる。すなわち、本発明の投射型表示装置は、互いに発光色の異なる3つの光源と、各光源に対応して設けられ、上記光源から出射された色光を変調して所定期間内に上記色に対応した画像光を形成する3つの光変調装置と、上記画像光を投射する投射手段とを備え、上記3つの光源の内、少なくとも1つの光源には互いに発光色の異なる複数の発光体が設けられ、前記複数の発光体のそれぞれの色光が、対応する光変調装置に対して上記所定期間内に時間順次で出射されることを特徴とする。
【0007】
本構成では、上記4種類以上の発光体を3つの光源に分配し、各発光体からの色光を対応する光変調装置で変調している。このとき、2種類以上の発光体が分配された光源では、各発光体からの色光を、対応する光変調装置に上記所定時間内に時間順次で出力する。このような構成とすることで、従来の3板式の構成を略そのまま流用しながら、色再現性の高い画像表示が可能となる。
【0008】
なお、上記所定時間は画像の切り替え時間に相当し、例えば1フレーム期間である。本構成では、同一光源に配された複数の発光体はこのような短時間での発色の切り替えを要求されるため、上記発光体としては通常のランプ光源よりも応答特性のよい発光ダイオード(LED)を用いることが好ましい。
また、複数種類の発光体を備えた光源は少なくとも一つあればよく、例えば、3つの光源全てに2種類又は3種類の発光体を備えてもよい。これにより、再現可能な色域が色空間内の6つ又は9つの色座標で囲まれる6角形又は9角形の内部の領域となり、従来よりも色域を拡大することができる。
【0009】
ところで上述の構成では、色バランスをとるために、同一の光源に設けられた複数種類の発光体の輝度を略等しく構成することが好ましい。具体的には、上記複数種類の発光体の上記所定時間内における発光時間を発光強度の大きいものほど短くしたり、或いは、上記複数種類の発光体の発光面積を発光強度の大きいものほど小さくしたりすることで、色味の少ない表示を実現できる。勿論、色バランスを崩して色味の調整を意図的に行なうことも可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を参照しながら本発明の一実施形態に係る投射型表示装置について説明する。図1は本実施形態の投射型表示装置の全体構成を示す図、図2は本投射型表示装置に備えられた一つの光源を色合成手段としてのダイクロイックプリズム側から見た平面図、図3は光源に設けられた各発光体の発光波長を示す図、図4は本投射型表示装置の動作を説明するための図である。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
【0011】
図1に示すように、色合成手段としてのダイクロイッククロスプリズム40の3つの光入射面41,42,43には、それぞれ光変調装置としての透過型液晶装置10,20,30が対向して配置されており、各液晶装置10,20,30の背面側(クロスダイクロイックプリズム40と反対側)にはそれぞれ光源10,20,30が配置されている。
【0012】
光源10,20,30にはそれぞれ、互いに発光色の異なる2種類の発光体(LED)が設けられている。例えば光源10は、図1,図2に示すように、基板11に赤色領域の波長で発光するLED12と橙色領域の波長で発光するLED13とがモザイク状に2次元配列して固定された構造を有し、図示しない直流電源から各LED12,13に対して電力が供給されるようになっている。LED12,13は、先端がレンズ形状となっている透明樹脂でモールドされた構造となっており、その直径は数mm程度である。図2では、光源10に横5個,縦4個の合計20個のLEDを配置した構成を示したが、LEDの個数は必要とされる光源の大きさに依存し、用途によっては各LED12,13を1個ずつとしてもよい。
【0013】
また、LED12,13とダイクロイッククロスプリズム40との間にはレンズアレイ14が配置されている。レンズアレイ14は、略矩形の開口形状を有するレンズ14aが2次元配列されたものであり、各レンズ14aはそれぞれ一つのLED12又はLED13に対応し、LED12又はLED13から出射された色光をコリメートし、平行性の高い光を液晶装置15に入射させる機能を有する。
【0014】
光源20,30は光源10と同様の構成を有し、光源20は基板21に黄色領域の波長で発光するLED22と緑色領域の波長で発光するLED23を備え、光源30は基板31に紫色領域の波長で発光するLED32と青色領域の波長で発光するLED33を備えている。そして、LED22,23及びLED32,33とダイクロイッククロスプリズム40との間には、それぞれレンズアレイ24,25が配置されている。
【0015】
図3は各LED12,13,22,23,32,33の発光スペクトルを模式的に示したものである。図3に示すように、本実施形態では各LEDの発光波長を波長軸上で略等間隔としている。投射型表示装置の色再現範囲は、各光源光の色度座標上での位置を頂点として形成される多角形の内部領域で表わすことができるが、上述のように各LEDの発光スペクトルが可視光の波長領域内で略等間隔に配置されることで、色再現範囲としての多角形(本実施形態では6角形)の面積を最大限広くとることができる。なお、図3では各LEDの発光スペクトルを矩形で示したが、実際には所定のピーク波長を有する正規分布型の形状を有している。
【0016】
また、同一の光源に設けられた2種類のLEDは所定時間(本実施形態では1フィールド期間)内に時間順次で点灯するように制御されている。例えば光源10に設けられた2種類のLED12,13は、図4に示すように、1フィールド期間T0内にそれぞれT0/2期間ずつ点灯され、液晶装置15は各LED12,13の点灯時期に合わせて液晶の配向を制御され各色に対応した画像光を形成する。光源20と液晶装置25、及び、光源30と液晶装置35の駆動制御についても同様であり、例えば1フィールド期間の前半(T0/2期間)で赤色,黄色,紫色の各画像光が形成され、後半(T0/2期間)で橙色,緑色,青色の各画像が形成される。そして、各色の画像光は1フィールド期間内で合成され、投射レンズ50によってスクリーン60に拡大投影される。
【0017】
液晶装置15,25,35は、本発明の光変調手段ないし光変調装置を構成し、それぞれ対応する光源10,20,30からの光を変調して1フィールド期間内に各色の画像光を形成する。これらの液晶装置には、TNモード,垂直配向モード,高分子分散モード等、種々の表示モードを適用することができる。なお、液晶装置15,25,35の1画素の大きさは各LEDの大きさに比べて十分小さいため、LEDからの光を液晶装置に直接入射させた場合、表示領域内に一方のLEDの光しか入射されない画素が生じる。このため、本実施形態では、液晶装置15,25,35の光入射側の基板面にそれぞれ光拡散板15a,25a,35aを設けている。この光拡散板にはガラスや樹脂等の種々の材料を用いることができ、携帯電話の樹脂サーモ等に利用されている公知の材料が好適である。
【0018】
ダイクロイッククロスプリズム40は、4つの直角プリズムが貼り合わされた構造を有し、その貼り合わせ面40a,40bには誘電体多層膜からなる光反射膜(図示略)が十字状に形成されている。本実施形態では、貼り合わせ面40aには、光源10からの赤色及び橙色の光を反射し光源20,30からの黄色,緑色,紫色,青色の各光を透過する光反射膜が設けられ、貼り合わせ面40bには、光源10,20からの赤色,橙色,黄色,緑色の各光を透過し光源30からの紫色及び青色の光を反射する光反射膜が設けられている。
【0019】
したがって、本実施形態では互いに異なる6色の画像光によってカラー表示を行なっているため、従来のように3色でカラー表示を行なうものに比べて色再現範囲が広く画像表現力に優れた表示を実現できる。特に本実施形態では、光源の数を3つとし、1つの光源に複数の発光体を配置した構成としたため、従来の3板式投射型表示装置の構成をそのまま流用でき、設計変更等を殆ど必要としない利点がある。
【0020】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、図3では各LEDのピーク波長における発光強度を便宜的に等しくしたが、これらは必ずしも一致しない。このようにピーク強度の異なる発光体を用いた場合、各発光体の点灯時間を等しくすると色バランスが崩れることになる。このため、発光強度の大きいものほど点灯時間を短くし、各発光体の輝度を略等しくすることで、色味の少ない表示が可能となる。
【0021】
図5は、光源10においてLED13の輝度がLED12の輝度よりも2倍大きい場合の駆動方法を示したものである。この方法では、LED12の点灯時間(2/3・T0)をLED13の点灯時間(1/3・T0)よりも2倍長くして色バランスをとっている。この方法は、異なる光源に属する発光体同士についても適用できる。例えば、光源10のLED12の輝度が光源30のLED33の輝度よりも2倍大きい場合には、LED12の点灯時間をLED33の点灯時間の半分とする。そして、光源10,20,30の全体で点灯時間を調整することで色味の少ない表示が可能となる。
【0022】
また、色バランスは光源内における各LEDの配置面積(発光面積)を変えることによっても調整可能である。つまり、発光強度の小さい発光体ほどその数を増やすようにする。或いは、逆に点灯時間や発光面積を任意に制御することで、色の調整を意図的に行なうことも可能である。
【0023】
また、上記実施形態では、各光源に配置される発光体の種類をそれぞれ2種類としたが、これを3種類以上とすることも可能であり、これにより更に色再現性を高めることができる。各発光体の配列としては、ストライプ配列,デルタ配列,モザイク配列等の種々の方法を採用することができる。
【0024】
逆に、光源10〜30の内の1つ又は2つのみに2種類の発光体を設け、残りの1つには1種類の発光体を設ける構成でもよい。つまり、光源全体として4色以上の発色が可能であれば従来よりも色再現性は高まるため、必ずしも全ての光源に複数種類の発光体が備えられる必要はない。この場合、複数種類の発光体が設けられた光源では、所定時間(例えば、1フィールド期間)内にこれらの発光体を時間順次に点灯させる。一方、1種類の発光体のみ配置された光源ではこのような切り替えは不要である。
【0025】
また、上記実施形態では、各発光体の発光色を赤色,橙色,黄色,緑色,紫色,青色とし、各発光色の色相自体を異ならせたが、本発明はこのような構成に限定されない。例えば、LED12,LED13の発光色の色相が共に赤であっても、各発光スペクトルの形状(ピーク波長や反値幅等)が若干異なれば、各色の色度座標上での位置は異なる。同様のことは、LED22とLED23、或いは、LED32とLED33との関係についてもいえる。このように同一光源からの2種類の発光色を同じ色相とした場合、その色座標上の位置は近接するため、色座標上で形成される6角形の面積(即ち、色再現範囲)は上記実施形態のものより小さくなるものの、従来の3角形のものよりは面積を広げる(即ち、色再現範囲を拡大する)ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る投射型表示装置の全体構成を示す図。
【図2】同、投射型表示装置に備えられる光源の構成を示す図。
【図3】同、投射型表示装置に備えられる発光体のスペクトルを示す図。
【図4】同、投射型表示装置の駆動方法を示す図。
【図5】同、投射型表示装置の他の駆動例を示す図。
【符号の説明】
10,20,30…光源、12,13,22,23,32,33…LED(発光体)、15,25,35…液晶装置(光変調装置、光変調手段)、50…投射レンズ(投射手段)、T0…1フィールド期間(所定時間)
Claims (6)
- 互いに発光色の異なる4種類以上の発光体と、
上記各発光体から出射された色光を変調し、所定期間内にそれぞれの色光の色に対応した画像光を形成する光変調手段と、
上記画像光を投射する投射手段とを備えたことを特徴とする、投射型表示装置。 - 互いに発光色の異なる3つの光源と、
各光源に対応して設けられ、上記光源から出射された色光を変調して所定期間内に上記色に対応した画像光を形成する3つの光変調装置と、
上記画像光を投射する投射手段とを備え、
上記3つの光源の内、少なくとも1つの光源には互いに発光色の異なる複数の発光体が設けられ、
前記複数の発光体のそれぞれの色光が、対応する光変調装置に対して上記所定期間内に時間順次で出射されることを特徴とする、投射型表示装置。 - 同一の光源に設けられた複数種類の発光体の輝度が略等しく構成されたことを特徴とする、請求項2記載の投射型表示装置。
- 上記複数種類の発光体の上記所定期間内における発光時間は、発光強度の大きいものほど短いことを特徴とする、請求項3記載の投射型表示装置。
- 上記複数種類の発光体の発光面積は、発光強度の大きいものほど小さいことを特徴とする、請求項3又は4記載の投射型表示装置。
- 上記所定期間は表示される画像の切り替え時間に対応することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の投射型表示装置。
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