JP2004325481A - 実体顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】暗視野照明を簡単に得られるとともに、操作性に優れ、しかも省電力化を実現できる実体顕微鏡を提供する。
【解決手段】標本3を載置するガラスプレート2を有する透過照明用架台1に、ガラスプレート2面に載置された標本3に照明光束を照射する光源6を設けるとともに、光源6とガラスプレート2との間に着脱可能に、且つ所定角度を持ったプリズムを平面上に多数個並べて構成された平面プリズムが配置される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透過照明用架台を有する実体顕微鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
実体顕微鏡は、照明として透過照明を用いることにより、生物標本の生きたままでの観察や作業、または、半導体デバイス工程での検査や作業を行うことが可能であり、この際、用途に応じて明視野観察や暗視野観察を始め、偏射観察などが使い分けられている。
【0003】
特許文献1には、実体顕微鏡において、偏射観察に用いられる偏射照明装置が開示されている。この装置は、光源からの光をコレクタレンズ、摺りガラスを介してミラーに導き、ミラーにより反射した光線をコンデンサレンズを介して標本に照射し、標本を透過した光を対物レンズに導くようにしている。そして、ミラーを回転させ、反射角度を変えることにより対物レンズの瞳の暗部と明部の比を調整できるようになっている。
【0004】
一方、特許文献2には、実体顕微鏡において、偏射照明と暗視野照明を選択的に行えるようにした透過照明装置が開示されている。この装置は、光源からの光をコレクタレンズ、摺りガラスを介してミラーに導き、ミラーにより反射した光をコンデンサレンズを介して標本に照射して対物レンズに導くようにしている。また、対物レンズの瞳と共役な位置に配置されている摺りガラスの近傍に光束を切るナイフエッジが配置され、2つ並んだ対物レンズの瞳の共役像に対してナイフエッジを上下に移動させることにより、偏射照明と暗視野照明を選択的に行うことができるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−318804号公報
【0006】
【特許文献2】
実公昭41−5808号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に、実体顕微鏡の倍率は、通常の顕微鏡より低く、これにより観察可能な視野が大きくなるため、照明する範囲を広くしなければならい。
【0008】
ところが、上述した公報に開示されるように、折り返しミラーを回転させて偏射照明を行ったり、瞳位置近傍に絞りやナイフエッジを使用して暗視野照明や偏射照明を行うようにした場合、照明する範囲を広く設定すると、その分、光束径が大きくなり、結果として机上から標本を載置した面までの距離が大きくなるとともに、アイポイントも高くなってしまう。このことは、標本載置面が高い所に位置されるため、この標本載置面への標本の載せ替えや、標本観察しながらの標本操作などの作業が行いにくくなるという問題が生じる。
【0009】
また、光源からの光を一部遮蔽したり、ミラーを傾けて反射する光束を少なくすると、照明光が暗くなってしまうことがある。このような場合、光源からの光量を増やすようになるが、こうすると、消費電力が増加するとともに、発熱量が上昇し、さらには、光源の寿命も短くなってしまうという問題が生じる。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、暗視野照明を簡単に得られるとともに、操作性に優れ、しかも省電力化を実現できる実体顕微鏡を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、標本を載置する透明な標本載置面を有する実体顕微鏡用架台と、前記実体顕微鏡用架台に設けられ、前記標本載置面を介して該標本載置面に載置された標本に照明光束を照射する光源と、前記光源と前記標本載置手段との間に着脱可能に配置され、且つ前記照明光束を偏向させる所定角度を持ったプリズムを平面上に多数個並べて構成された平面プリズムとを具備したことを特徴としている。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記平面プリズムは、プリズム面を前記光源側に向けて配置されたことを特徴としている。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記光源は、平面上に多数配置された発光ダイオードからなることを特徴としている。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記平面プリズムは、前記標本載置面と平行に配置され、且つ前記標本載置面と平行な面内で回転可能にしたことを特徴としている。
【0015】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記平面プリズムは、前記標本載置面に対する傾きを調整するように回動可能に設けられることを特徴としている。
【0016】
この結果、本発明によれば、光源からの光束が平面プリズムに入射することにより、平面プリズムの材料の屈折率および平面上に並べられたプリズム面による角度と入射角度によって求められる角度に変更されて出射され、標本を照射し、標本の散乱光または偏射光を観察光学系を通して観察することが可能となる。
【0017】
また、本発明によれば、光源からの光束をまずプリズム面で偏向し、更にある角度をもって平面に入射するため、光源から直進して透過する成分が少なくなり、観察光学系の明視野成分として入射する割合が少なくできる。
【0018】
さらに本発明によれば、薄型の光源を構成でき、また消費電力を抑え、温度上昇を抑えた構成が可能となる。
【0019】
さらに本発明によれば、標本に対し光束を照射する方向を任意に可変することが可能となる。
【0020】
さらに本発明によれば、平面プリズムをあおり方向に回動させることで、標本への照射角度が変わるため、散乱光から偏射光、透過光まで選択的に可変することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0022】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明が適用される実体顕微鏡の概略構成図、図2(a)(b)は、要部を拡大して示す概略構成図を示している。
【0023】
図1において、1は実体顕微鏡用架台としての透過照明用架台で、この透過照明用架台1は、水平方向に配置されたベース部1aと、このベース部1aに対し直立して設けられたコラム部1bと、このコラム部1b先端部にベース部1aと平行に設けられたアーム部1cを有している。
【0024】
ベース部1aは、内部が中空になっている。また、ベース部1aのアーム部1cと対向する上面には、透孔1a1が形成されている。透孔1a1には、標本3を載置する透明な標本載置面を構成するガラスプレート2が嵌め込まれている。
【0025】
透孔1a1の周縁部には、ベース部1a内部方向に突出させて筒状の光学素子保持部1a2が形成されている。この光学素子保持部1a2には、段部1a3、1a4が形成され、それぞれの段部1a3、1a4に平面プリズム4および半透明板(または拡散板)5が保持されている。つまり、これら平面プリズム4および半透明板(または拡散板)5は、ガラスプレート2に対して平行で、且つ重なり方向に配置されている。
【0026】
平面プリズム4は、後述する光源6からの照明光束を偏向させるもので、図3に示すように90°の角度を持ったプリズム4aを平面上に多数個並べて構成されている。この場合、これらプリズム4aの並べ方向は、実体顕微鏡の2つの観察光軸a、bが交わる角度(内向角u)(詳細は図10参照)が作る面に対して垂直方向となっている。また、平面プリズム4は、ガラスプレート2と反対側、つまり後述する光源6側にプリズム4a面を向けた状態で着脱可能に配置されている。また、半透明板(または拡散板)5は、透過する光束を拡散するもので、光学素子保持部1a2の段部1a4に接着剤等で固定されている。
【0027】
ベース部1a内の中空部には、ランプなどの光源6が配置されている。この光源6は、ベース部1aの透孔1a1中央部に対向した位置に設けられ、半透明板(または拡散板)5に対して光を照射するようになっている。この場合、光源6は、着脱可能になっていて、必要により交換できるようになっている。
【0028】
光源6には、電源7が接続されている。この電源7は、図示しない商用電源が接続され、スイッチ(図示せず)の投入により光源6に対して電源供給をするようにしている。
【0029】
一方、透過照明用架台1のアーム部1cは、コラム部1bに、図示しない焦準部機構を介して支持され、コラム部1b側に設けられた焦準ハンドル8を矢印方向に回転操作することにより、コラム部1bに沿って上下動されるようになっている。
【0030】
アーム部1cの先端部には、ズーム鏡筒9が設けられている。このズーム鏡筒9の下方端部には、標本3面に対向して対物レンズ10が設けられている。この場合、ズーム鏡筒9は、標本3面に対し垂直方向の対物レンズ10の光軸10a上に配置され、焦準ハンドル8の操作で上下動されるアーム部1cにより、対物レンズ10とともに光軸10aに沿って移動されるようになっている。また、ズーム鏡筒9は、ズームハンドル11の操作により倍率を可変できるようになっている。ここで、図中のZは、ある観察倍率での観察光束を示している。
【0031】
ズーム鏡筒9には、接眼レンズ12が設けられている。この接眼レンズ12は、対物レンズ10およびズーム鏡筒9を介して投影される標本像を目視観察するものである。
【0032】
このような構成において、いま、観察者が接眼レンズ12を覗いた状態で、焦準ハンドル8を回転操作し、アーム部1cと一緒に、ズーム鏡筒9および対物レンズ10を光軸10aに沿って上下動させることで、ガラスプレート2上に載置された標本3に対する焦点を合せることが可能となる。ここで、ズームハンドル11を回転させ、ズーム鏡筒9での倍率を可変することにより、観察している標本像の拡大、縮小が任意の範囲内で可能となる。
【0033】
次に、電源7のスイッチ(図示しない)を投入し光源6に電源供給を行うと、光源6から光が発せられ、半透明板(または拡散板)5に照射される。半透明板(または拡散板)5では、透過される光束を拡散して平面プリズム4に入射する。
【0034】
この場合、平面プリズム4の入射面には、90°の角度を持った多数のプリズム4aが平面的に並べられているが、これらプリズム4aは、半透明板(または拡散板)5に対しては45°傾いた面が並んでいることになる。これにより、半透明板(または拡散板)5より平面プリズム4に入射する光軸10a方向の光束(図2(a)中の符号A)は、平面プリズム4の45°傾いた入射面において、次式で与えられる角度だけ偏向される。
【0035】
N1・SINθ1=N2・SINθ2
θ2=SIN−1(SINθ1/N2) …(1)
ここで、図2(b)に示すように、N1は、半透明板(または拡散板)5と平面プリズム4との間の空気層の屈折率(=1)、N2は、平面プリズム4を構成する、例えばアクリル板の屈折率(=1.492)、θ1は、プリズム4aの光軸10a方向に対する傾き角度(=45°)である。
【0036】
これにより、(1)式からθ2は、28.3°となり、光束(図2(a)中の符号A’)は、平面プリズム4の入射面に垂直な軸に対し28.3°傾いた方向に向けて、平面プリズム4内部を進むようになる。また、この光束A’は、平面プリズム4の出射面において、次式で与えられる角度だけ偏向される。
【0037】
N2・SINθ3=N3・SINθ4
θ4=SIN−1(SINθ3*N2) …(2)
ここで、図2(b)に示すように、N3は、平面プリズム4の出射面に接する空気層の屈折率、θ3は、平面プリズム4の出射面への入射角である。
【0038】
これにより、(2)式からθ4は、25.4°となり、光束(図2(a)中の符号A’’)は、平面プリズム4の出射面に垂直な軸に対し25.4°傾いた方向に進むようになる。
【0039】
そして、この平面プリズム4より出射した光束A’’は、25.4°傾いた状態のままガラスプレート2を透過して標本3に照射され、この標本3を透過する。このときの光束A’’の径、つまり光束径aは、平面プリズム4に入射する前の光束Aの光束径aを維持したままである。
【0040】
ところが、このときの光束A’’の進み方向は、ズーム鏡筒9により設定された、ある観察倍率での観察光束Zから外れた方向である。これにより、標本3を透過した光束A’’は、対物レンズ10およびズーム鏡筒9の観察光学系に導かれることがない。
【0041】
一方、平面プリズム4の45°傾いた他方の入射面に入射される光束Bについても、偏向方向が垂直軸を基準に反転するだけで、光束A’、A’’と同様な経路を辿り、光束B’’として、平面プリズム4より出射され、ガラスプレート2を透過して標本3に入射される。このときの光束B’’の径、つまり光束径bも、平面プリズム4に入射する前の光束Bの光束径bを維持したままである。これにより、標本3を透過した光束B’’も、観察光束Zから外れる方向に進むため、対物レンズ10およびズーム鏡筒9による観察光学系に導かれることがない。
【0042】
この場合は、標本3による散乱光の一部が観察光束Zに導かれ、対物レンズ10およびズーム鏡筒9による観察光学系を経由し、接眼レンズ12により暗視野照明による観察が行われる。
【0043】
なお、平面プリズム4を照明光束の光路から外すと、光源6からの光は、半透明板(または拡散板)5、ガラスプレート2を透過して標本3に照射され、この標本3を透過して観察光束Zに導かれる。これにより、対物レンズ10およびズーム鏡筒9の観察光学系を介して接眼レンズ12により、通常の明視野照明による観察を行うことができる。
【0044】
従って、このようにすれば、光源6からの光束を平面プリズム4により偏向させ標本3に対して斜めから光を入射し、観察範囲を外した暗視野照明による観察を可能にしているので、透過照明用架台1として、構成が簡単で、厚み方向に薄いベース部1aを採用できる。これにより、机上から標本載置面までの距離を短くできるので、標本の載せ替え作業などでの上下方向へ大きな動きを少なくすることができ、優れた作業性が得られる。
【0045】
また、標本観察しながらの作業も手の位置を低くでき、しかもアイポイントも低くできるため、作業員の疲労感の軽減を図ることもできる。
【0046】
さらに、光源6からの光束を遮蔽することなく、標本3に照射しているため、照明光束に無駄のない明るさを維持でき、熱の発生が少なく、省電力化も実現できる。
【0047】
(変形例)
第1の実施の形態では、90°のプリズム4aを平面上に並べた平面プリズム4を用いたが、例えば、図2と同一部分には同符号を付した図4および図5(a)(b)に示すように、30°のプリズム4aを平面上に並べて構成した平面プリズム4を用いることもできる。この場合、標本3に照射する角度θ’を大きくでき、更に斜め方向から標本3を照射することにより、さらに暗視野効果を上げた照明を行うことができる。逆に、120°プリズムを平面上に並べた平面プリズム(図示しない)を用いて、標本3に照射する角度を垂直軸に近づけて、暗視野効果を落とすことで、明視野成分を含んだ偏射照明を行うようにしてもよい。つまり、所望する観察像によりプリズムの角度を選択して使用するようにしてもよい。
【0048】
また、観察倍率に応じて平面プリズム上のプリズムのピッチを変更してもよい。例えば、観察倍率が高い時は、観察光学系に取り込める光量が減るが、焦点深度が浅いためプリズムの稜線等で透過する光線が織り成す縞模様が見えにくくなるのでピッチを粗くし、偏向の効率を上げて明るくし、一方、低倍の時は分解能が低下するためピッチを細かくすることで、縞模様が見えにくくするようにできる。また、光源6からの光束をムラ無く標本3に照射するために、光源6と半透明板(または拡散板)5との間にレンズ等を入れてもよい。例えばフレネルレンズ等を用いれば、薄型にも構成できる。このような各種の平面プリズムの選択は、平面プリズムを着脱交換可能な構成としていることから、システム性にも優れているという効果を得られる。。
【0049】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0050】
図6は、第2の実施の形態の概略構成図を示すもので、図1と同一部分には、同符号を付している。
【0051】
この場合、図1で述べた光源は、ランプなどを用いたが、ここでは、光源として、平面上に多数配置された発光ダイオード21が用いられている。これら発光ダイオード21には、電源22が接続されている。この電源22は、図示しない商用電源が接続され、スイッチ(図示せず)の投入により発光ダイオード21に対して電源供給をするようにしている。
【0052】
このような構成において、電源22のスイッチ(図示しない)を投入し発光ダイオード21への電源供給を開始すると、発光ダイオード21が点灯する。
【0053】
発光ダイオード21からの光束は、半透明板(または拡散板)5に照射され、平面プリズム4、ガラスプレート2、標本3の経路を辿り、観察光束から外れる方向に進み、標本3による散乱光が観察光学系を経由し、接眼レンズ12により暗視野照明による観察が行われる。
【0054】
従って、このようにすれば、光源として平面上に並べた複数の発光ダイオード21を用いることにより、発光面が大きくでき、さらに半透明板(または拡散板)5で拡散しているため、広い視野をムラなく照射することができる。また、発光ダイオード21を用いていることから低電力で、発熱も少ないため、環境に配慮しつつ、標本3への熱によるダメージを最小限にすることができる。さらに、発光ダイオード21を平面上に配置している為、さらににベース部1aの薄型化を実現することができる。
【0055】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
【0056】
図7および図8は、第3の実施の形態の概略構成図を示すもので、図7は、側面断面図、図8は、平面プリズム回転機構の下面図である。なお、図7は、図6と同一部分には、同符号を付している。
【0057】
この場合、ガラスプレート2と半透明板(または拡散板)5との間に配置される平面プリズム31は、その周囲に沿って枠体32が設けられている。
【0058】
この枠体32には、光学素子保持部1a2の中空部に嵌合される突起部32aが形成され、この突起部32aを介して平面プリズム31が光軸10aを中心に回転可能になっている。つまり、この場合の平面プリズム31は、ガラスプレート2と平行に配置され、且つ、ガラスプレート2面と平行な面内で回転できるようになっている。また、突起部32aの周囲には、歯車部33が形成されている。
【0059】
ベース部1aの上面の裏側には、円板状のハンドル34が設けられている。このハンドル34は、中心部に回転軸35が設けられ、この回転軸35を中心に回転可能になっている。回転軸35は、軸部35aの一端にねじ頭35b、他端にねじ部35cを形成したもので、軸部35aをハンドル34の中心部に挿通した状態で、ねじ頭35bを回してねじ部35cをベース部1a側にねじ込むことで、ハンドル34を回転可能に支持している。
【0060】
ハンドル34の周囲には、歯車部36が形成されている。この歯車部36は、平面プリズム31の枠体32側の歯車部33と噛合されていて、ハンドル34の回転操作により、枠体32と一緒に平面プリズム31を回転させることができるようになっている。
【0061】
ベース部1aの側面には、開口部37が形成されている。この開口部37は、ハンドル34の周縁部の一部をベース部1aの外部に突出させるためのもので、ここでは、観察者が指先でハンドル34を回転させるのに必要な程度の寸法Lだけ突出させている。
【0062】
このような構成において、いま、ベース部1aの外部に突出したハンドル34を指先で回して、回転軸35を中心に回転させると、歯車部36により平面プリズム31の枠体32側の歯車部33に回転が伝達され、枠体32が回転する。
【0063】
これにより、枠体32に固定されている平面プリズム31全体が、例えば、図9(a)(b)(c)の順序で回転する。
【0064】
ここで、平面プリズム31が図9(a)の回転位置にある場合は、図6で述べたと同様にして、発光ダイオード21からの光束は、半透明板(または拡散板)5に照射され、平面プリズム4、ガラスプレート2、標本3の経路を辿り、顕微鏡の正面に対し前後方向に偏って、観察光束から外れる方向に進む。これにより、標本3による散乱光が観察光学系に導かれ、接眼レンズ12により暗視野照明による観察が行われる。
【0065】
一方、平面プリズム31が図9(c)の回転位置にある場合は、図10に示すように発光ダイオード21からの光束は、半透明板(または拡散板)5に照射され、平面プリズム4、ガラスプレート2、標本3の経路を辿り、顕微鏡の正面に対し左右方向に偏った光束A’’、B’’として進む。この場合、実体顕微鏡の2つの観察光軸a、bが交わる角度(内向角)をuとすると、左右方向に偏って進む光束A’’、B’’の一部が観察光学系に導かれるので、図9(a)の場合よりも明視野照明による観察に近い、つまり偏射照明に近い観察が行われる。なお、図10は、図6と同一部分には同符号を付している。
【0066】
さらに、平面プリズム31が図9(b)の回転位置にある場合は、同図(a)(b)のそれぞれの場合の中間的な観察像が得られる。
【0067】
従って、このようにすれば、平面プリズム4をガラスプレート2面と平行な面内で回転させることにより、実体顕微鏡の観察光学系の内向角uとの相対関係を変えることができるので、暗視野照明の観察から偏射照明による観察に素早く切換えができる。また、これらの切換えを連続的に行うことができるので、操作性に優れ、種々の標本の観察、特にコントラストの少ない標本の観察を行い易くなる。
【0068】
(変形例)
平面プリズム31が図9(c)の回転位置にある場合に、図10に示すように顕微鏡の正面に対し左右方向に偏って進む照明光束の偏り角度が上述の内向角uと等しくなるように平面プリズム31を構成しておけば、照明光束は、標本3を透過して、全てが観察光学系に導かれるようになるので、明視野照明による観察が可能となる。また、図9(a)の回転位置で、内向角uの半分の角度傾いた照明光束により標本3を照射するように平面プリズム31を構成しておけば、標本3を透過した光束の一部と、散乱光の一部が観察光学系に導かれ、偏射照明による観察が可能となる。
【0069】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4実施の形態を説明する。
【0070】
図11(a)(b)および図12は、第4の実施の形態の概略構成図を示すもので、図11(a)は、要部の側面断面図、(b)は、正面断面図、図12は、あおり機構部のみ取出して下面から見た図である。なお、図11、図12は、図6とと同一部分には、同符号を付している。
【0071】
この場合、ガラスプレート2と半透明板(または拡散板)5との間には、平面プリズム保持枠42が配置されている。この平面プリズム保持枠42には、平面プリズム41が、ガラスプレート2面に対する傾きを調整できるように回動可能に支持されている。
【0072】
平面プリズム41には、その中心を挟んで相対向する位置に切欠き部41a、41bが構成されている。これら切欠き部41a、41bには、回転軸44および45が各別に取り付けられている。
【0073】
回転軸44は、一方端部にコの字型の切り込み部44b、他方端部にフランジ部44cが形成されたもので、平面プリズム保持枠42を貫通された状態で、切り込み部44bが平面プリズム41の切欠き部41aに嵌め合わされている。また、回転軸44は、平面プリズム保持枠42を挟んでフランジ部44cと対向する位置に溝部44aが形成され、この溝部44aにEリング46が嵌め込まれ、これらフランジ部44cとEリング46により平面プリズム保持枠42に回転可能に支持されている。
【0074】
また、回転軸45も、一方端部にコの字型の切り込み部45b、他方端部にフランジ部45cが形成されたもので、平面プリズム保持枠42を貫通された状態で、切り込み部45bが平面プリズム41の切欠き部41bに嵌め合わされている。また、回転軸45は、平面プリズム保持枠42を挟んでフランジ部45cと対向する位置に溝部45aが形成され、この溝部45aにEリング46が嵌め込まれ、これらフランジ部45cとEリング46により平面プリズム保持枠42に回転可能に支持されている。
【0075】
回転軸44のフランジ部44cには、ねじ部が形成されている。このねじ部には、ハンドル43のねじ部43aがねじ込まれている。ハンドル43は、先端部をベース部1aより外部に突出されており、このハンドル43を外部から回転させることにより、ガラスプレート2面に対する傾きを調整するように回動できるようになっている。
【0076】
このような構成において、ハンドル43を回転操作して、平面プリズム41を回転軸44、45を中心に回転させることで、照明光の偏向角度を任意に調整することができる。この場合、平面プリズム41が標本3に対して平行になるようにすれば、照明光束は経路hを辿り、また、図示破線で示すように標本3に対して傾けるように回転させた場合は、照明光束は経路iを辿るようになり、標本3への入射角度が変わると同時に、実体顕微鏡観察光学系に対する角度も変えることができる。
【0077】
従って、このようにすれば、平面プリズム41を回転させ、あおり方向の角度を調整するだけで、連続的に照明光束の標本3への入射角度や観察光学系への角度が可変できるので、操作性に優れるとともに、これらの操作を連続的に行えるため、特に、コントラストの少ない標本に微妙に照明当てる角度を微調整できる利点がある。
【0078】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5実施の形態を説明する。
【0079】
図13(a)(b)は、第5の実施の形態の概略構成図を示すもので、(a)は、側面断面図、(b)は、同じく側面断面図で、平面プリズムを一枚取り除いた図である。図13は、図6とと同一部分には、同符号を付している。
【0080】
この場合、ガラスプレート2と半透明板(または拡散板)5との間には、同様なプリズム角を有する2枚の平面プリズム51、52が配置されている。これら平面プリズム51、52は、照明光束の光路に対して着脱可能になっている。
【0081】
このような構成において、図13(a)に示すように、平面プリズム51と52がともに照明光束の光路上に配置されている場合は、発光ダイオード21からの光束は、半透明板(または拡散板)5を透過し、平面プリズム52で偏向されて出射し、平面プリズム51を通ることで再び偏向される。これにより発光ダイオード21から出射した光は、平行な光線eの経路を辿り、通常の明視野観察が行われる。一方、同図(b)に示すように平面プリズム51を取り外した場合は、平面プリズム52により偏向された光線fの経路を辿り、上述した暗視野観察が行われる。
【0082】
従って、このようにすれば、2個の平面プリズム51、52のうちの一方の平面プリズム51の挿入で、偏向方向をキャンセルすることができるので、例えば、平面プリズム52を水平方向に回転させて、その位置を保持し、この状態で、偏向角のつかない、つまり明視野観察を行いたい場合は、プリズムの配列方向を合わせて平面プリズム51を配置すれば、偏向されていない照明、すなわち明視野照明を行うことができるなど、これら暗射照明、明視野照明を容易に切換えが可能となり、さらに優れた作業性が得られる。
【0083】
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
【0084】
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【0085】
なお、本発明の実施の形態には、以下の発明も含まれる。
【0086】
(1) 前記平面プリズムによる照明光束の偏り角度を、実体顕微鏡の2つの観察光軸が交わる内向角と同じにすることを特徴としている。
【0087】
このようにすれば、照明光束の全てを観察光学系に取り込まれるので、明視野照明による観察が可能にでき、また、標本に対しては、ある角度をもって照明光束が照射されるため、標本上で照射される部分とされない部分ができ、コントラストのよい標本観察ができる。
【0088】
(2) 前記平面プリズムを複数枚組み合わせて配置したことを特徴としている。
【0089】
このようにすれば、1枚の平面プリズムによって偏向された光束を更に偏向することが可能となる。
【0090】
(3) 前記複数枚の平面プリズムの中のいずれかを挿脱可能にしたことを特徴としている。
【0091】
このようにすれば、平面プリズムのいずれか挿脱するだけで、偏向方向を段階的に切換えることができる。
【0092】
(4) 同一の偏向角をもつ2枚の平面プリズムを、それぞれのプリズム面が光源側に向くように配置し、且つ標本側に設けた平面プリズムを挿脱可能にしたことを特徴としている。
【0093】
このようにすれば、2枚の平面プリズムの両方が照明光束の光路に挿入されているときは、光源側に平面プリズムにより偏向した角度が標本側の平面プリズムで光源入射時の角度となって出射し、一方標本側の平面プリズムを脱したときは光源側の平面プリズムのみとなり、偏向されて出射し標本に照射される。
【0094】
(5)前記平面プリズムの平面上に並べられたプリズムのサイズ(ピッチの粗さ)を変更可能にしたことを特徴としている。
【0095】
このようにすれば、観察倍率が低倍時はピッチの細かい平面プリズムを選択することで、平面プリズムのプリズム面の稜線が実体顕微鏡の観察でみえにくくなり、観察倍率が高倍のときはピッチを粗くすることで、稜線等での光束の損失を抑えることが可能となる。
【0096】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、暗視野照明を簡単に得られるとともに、操作性に優れ、しかも省電力化を実現できる実体顕微鏡を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の概略構成を示す図。
【図2】第1の実施の形態の要部を拡大した概略構成を示す図。
【図3】第1の実施の形態に用いられる平面プリズムを示す図。
【図4】第1の実施の形態の変形例の要部の概略構成を示す図。
【図5】第1の実施の形態の変形例に用いられる平面プリズムを示す図。
【図6】本発明の第2の実施の形態の概略構成を示す図。
【図7】本発明の第3の実施の形態の要部の概略構成を示す図。
【図8】第3の実施の形態に用いられる平面プリズム回転機構の概略構成を示す図。
【図9】第3の実施の形態に用いられる平面プリズムの状態を説明する図。
【図10】第3の実施の形態を動作を説明するための図。
【図11】本発明の第4の実施の形態の要部の概略構成を示す図。
【図12】第4の実施の形態に用いられるあおり機構の概略構成を示す図。
【図13】本発明の第5の実施の形態の要部の概略構成を示す図。
【符号の説明】
1…透過照明用架台
1a…ベース部
1b…コラム部
1c…アーム部
1a1…透孔
1a2…光学素子保持部
1a3.1a4…段部
2…ガラスプレート
3…標本
4…平面プリズム
4a…プリズム
5…半透明板(または拡散板)
6…光源
7…電源
8…焦準ハンドル
9…ズーム鏡筒
10…対物レンズ
10a…光軸
11…ズームハンドル
12…接眼レンズ
21…発光ダイオード
22…電源
31…平面プリズム
32…枠体
32a…突起部
33…歯車部
34…ハンドル
35…回転軸
35a…軸部
35b…ねじ頭
36…歯車部
37…開口部
41…平面プリズム
41a.41b…切欠き部
42…平面プリズム保持枠
43…ハンドル
44、45…回転軸
44a、45a…溝部
44b、45b…切り込み部
44c、45c…フランジ部
46…Eリング
51.52…平面プリズム

Claims (5)

  1. 標本を載置する透明な標本載置面を有する実体顕微鏡用架台と、
    前記実体顕微鏡用架台に設けられ、前記標本載置面を介して該標本載置面に載置された標本に照明光束を照射する光源と、
    前記光源と前記標本載置手段との間に着脱可能に配置され、且つ前記照明光束を偏向させる所定角度を持ったプリズムを平面上に多数個並べて構成された平面プリズムと
    を具備したことを特徴とする実体顕微鏡。
  2. 前記平面プリズムは、プリズム面を前記光源側に向けて配置されたことを特徴とする請求項1記載の実体顕微鏡。
  3. 前記光源は、平面上に多数配置された発光ダイオードからなることを特徴とする請求項1または2記載の実体顕微鏡。
  4. 前記平面プリズムは、前記標本載置面と平行に配置され、且つ前記標本載置面と平行な面内で回転可能にしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の実体顕微鏡。
  5. 前記平面プリズムは、前記標本載置面に対する傾きを調整するするように回動可能に設けられることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の実体顕微鏡。
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