JP2004325312A - 導光板及びこれを用いた車両用計器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源L1に近づくにしたがって徐々に広がる凹面状に形成された受光部22aに入射した光R1は、折曲部22内面で左右に反射されつつLCD3が重着される平面部21に至る。このように、受光部22aに入射した光R1は左右に反射されつつ平面部21に至るので、光源L1を遠ざけることなく、平面部21における光源L1に近い部位と他の部位との光の強度差を縮小することができる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源からの光を内面で反射させつつ進行させて、文字板やディジタル表示装置等の表示部材を照明する導光板及びこれを用いた車両用計器に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用計器等には、周知のように、文字板やディジタル表示装置等の表示部材が含まれている。この中には、構造上、表示部材の直下に光源を配置できないものがある。このような場合、例えば、下記特許文献1等で示されるように、ケース壁に光源からの光を反射させて、表示部材を背面から照明するようにしている。
【0003】
ところが、上述のようにケース壁に光を反射させて表示部材を照明する構造は、導光効率があまりよくない。このため、下記特許文献2で示されるように、導光板を用いて、光源からの光を表示部材の背面に導いて表示部材を照明する構造が提案されている。図7は、この種の照明構造に用いられる従来の導光板の受光部近傍の部分斜視図である。図8は、図7の受光部近傍の作用を説明するための図である。
【0004】
図7に示すように、導光板9は、ここには図示しない文字板や液晶表示装置等の板状の表示部材が重着される平面部91と、この平面部91から下方に折り曲げられて光源L1に対向する受光部92aを有する折曲部92と、受光部92a方向からの光を平面部91方向に反射させる反射部92bとを有している。
【0005】
図8に示すように、上記受光部92aは、凸曲面状或いは平面状に形成されている。この受光部92aの形状は、光源L1からの光R90を、導光板9内で図中左右方向に反射されるのを抑えて、R91で示すように平行に進行させるような角度で受光するためのものである。このような形状の受光部92aによると、受光部92aに入射した光R91は、折曲部92を上記のように平行に進行した後、反射部92bで反射されて、図7に示すように、平面部91内面で上下に反射されつつ導光板9内を進行していく。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−27265号公報
【特許文献2】
特開2001−215313号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような形状の受光部92aを有する導光板9においては、受光された光R91は折曲部92ではほとんど反射されずに進行するので、平面部91に至るまでの導光効率は非常に良好である。ところが、その反面、以下のような問題が生じる。すなわち、平面部91に到達したばかりの光R91は非常に強いものであるのに対して、上下に反射されつつ平面部91内を進行していくうちに光R91は弱くなっていく。
【0008】
このため、平面部91に到達したばかりの光が、平面部91の他の部位の光よりも強くなりすぎてしまう。したがって、平面部91に重着される表示部材において、光源L1に近い部位が他の部位よりも明るく照明されすぎることになる。すなわち、従来の導光板によると、表示部材に照明ムラが発生する。
【0009】
光源L1を受光部92aから遠ざけることにより、光源L1に近い部位と他の部位との光の強度差を縮小して、上記照明ムラを軽減することは可能であるが、スペース制約のある車両用計器において導光板9から光源L1を遠ざけて配置することは好ましくない。
【0010】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、車両用計器等において、光源の配置を変更することなく、表示部材の照明ムラを軽減することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の導光板は、板状の表示部材が重着される平面部と、前記平面部から下方に折り曲げられて光源に対向する受光部と、前記受光部方向からの光を前記平面部方向に反射させる反射部とを有して、前記光源からの光を前記表示部材の背面に導く導光板であって、前記受光部は、前記光源に近づくにしたがって徐々に広がる凹面状に形成されている、ことを特徴とする。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、光源に近づくにしたがって徐々に広がる凹面状に形成された受光部に入射した光は、導光板内面で左右に反射されつつ表示部材が重着される平面部に至る。このように、受光部に入射した光は左右に反射されつつ平面部に至るので、光源を遠ざけることなく、平面部における光源に近い部位と他の部位との光の強度差を縮小することができる。
【0013】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の導光板は、請求項1記載の導光板において、前記受光部は、前記光源の直上部において互いに接する2つの平面から構成されており、前記2つの平面は共に、前記直上部で受光されて前記反射部に直進する光の進行方向に対して鈍角となるように形成されている、ことを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載の導光板は、請求項1記載の導光板において、前記受光部は、所定幅の円弧面から構成されており、前記光源は、仮想中心点より前記円弧面に近接するように配置されている、ことを特徴とする。
【0015】
請求項2及び3記載の発明によれば、受光部がいたずらに複雑化することなく、平面部における光源に近い部位と他の部位との光の強度差を縮小することができる。
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載の導光板は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導光板において、前記平面部において前記表示部材が重着される面には、この面からの出射光を拡散させるための加工が施されている、ことを特徴とする。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、平面部において表示部材が重着される面には、この面から出射する光を拡散させるための加工が施されているので、表示部材の照明ムラをより軽減することができる。
【0018】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載の導光板は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の導光板を用いた車両用計器であって、前記板状の表示部材は、ディジタル表示装置である、ことを特徴とする。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、照明品位の高いディジタル表示部を有する車両用計器を提供することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1〜図3を用いて、本発明の一実施形態に係る導光板及びこの導光板を用いた車両用計器の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る導光板及びこの導光板を用いた車両用計器の一部を示す分解斜視図である。図2(A)及び図2(B)は、導光板が装着された状態の車両用計器を示す部分断面図である。詳しくは、図2(A)は図1に示す平面収容部の短辺中央部付近において鉛直方向に切った断面図であり、図2(B)は図1に示す折曲収容部の矩形開口部の短辺中央部付近において鉛直方向に切った断面図である。図3は、受光部の特徴を説明するための図である。
【0021】
図1に例示する車両用計器は、スピード表示部、エンジン回転表示部、水温表示部、燃料残量表示部、走行距離表示部等が一体化されたコンビネーションメータであり、このコンビネーションメータの右側部に割り当てられた走行距離表示部に本発明の導光板が用いられているものとする。このコンビネーションメータは、車載され、図1に示すように、メータ本体1、導光板2、LCD(Liquid Crystal Display)3、及び文字板4を含んで構成される。なお、コンビネーションメータには、周知のように、拡散板、見返し、指針及び表ガラス等も含まれるが、これらは本発明を理解するにあたり必要ないので省略している。
【0022】
メータ本体1には、図1及び図2に示すように、導光板2、LCD3及び文字板4がこの順に取り付けられる。メータ本体1は、例えば、樹脂製であり、横長形状をしている。メータ本体1の前面には、導光板2やLCD3を収容するための、これらの形状に対応した矩形皿状の平面収容部11が形成されている。この平面収容部11の底面の一部は、導光板2の折曲部22を収容する折曲収容部11の矩形開口面になっている。平面収容部11の内側面には、導光板2の一対の係止片23に対応した一対の係止溝13が形成されている。このメータ本体1の背面には、光源L1としてのLED(Light Emitting Diode)や図示しないムーブメント等の電子部品類を実装した基板14が取り付けられている。更に、その背面には、図示しない裏カバーが覆設されている。
【0023】
導光板2は、図1〜図3に示すように、LCD3の背面が重着される平面部21と、この平面部21から下方に折り曲げられて基板14上に実装された光源L1に対向する受光部22aを有する折曲部22と、受光部22a方向からの光を平面部21方向に反射させる反射部22bとを有している。
【0024】
特に、受光部22aは、光源L1に近づくにしたがって徐々に広がる凹面状に形成されている。詳しくは、この受光部22aは、光源L1の直上部において互いに接する2つの矩形平面から構成されており、これら2つの平面は共に、正面からみて、光源L1から光R0として出射され、この光源L1の直上部で受光され、反射部22bに直進する光の進行方向V0に対して、鈍角となるように形成されている(図3のθを参照)。
【0025】
また、平面部21においてLCD3が重着される面には、この面からの出射光を拡散させるための加工、例えば、シボ加工が施された拡散部21aが形成されている。なお、拡散部21aは、シボ加工を施す替わりにセレーションを形成してもよい。
【0026】
LCD3は、図1及び図2に示すように、矩形平板状の周知のディジタル表示装置である。このLCD3に形成された表示セグメントは、信号端子32に入力される所定の電気信号に応答して駆動し累積走行距離等を表示する。この表示の際、LCD3は、上記導光板2を介して背面から照明される。このLCD3は、請求項中の表示部材に対応する。なお、表示部材としては、LCD3のみならず、VFDとよばれる蛍光表示管から構成されるディジタル表示装置であってもよいし、或いは、各種意匠が形成された文字板であってもよい。
【0027】
文字板4は、例えば、透明生地の薄板状のポリカーボネイト製であり、図1及び図2に示すように、上記LCD3の形状に対応した矩形の表示窓41が設けられている。また、文字板4には、周知のように、方向指示意匠42、図示しないワーニング意匠、スピード等を示す数字、文字、目盛り等の各種意匠が中抜き形成されて、これら以外は黒色印刷が施されている。
【0028】
次に、このような構成において、本発明に係る作用効果を図4及び図5を用いて説明する。図4(A)及び図4(B)はそれぞれ、上記図2(A)及び図2(B)に基づいて光の進行状態を説明するための図である。図5は、平面部における光の進行状態を説明するための図である。
【0029】
まず、光源L1から出射された光R0は、受光部22aに入射する。入射した光は、図4(A)に示す方向からみると、R1で示すように、折曲部22を上方に進行した後、反射部22bで反射されて、平面部21内面で上下に反射されつつ導光板2内を進行していく。これは図7及び図8で示した従来例と同様である。
【0030】
一方、受光部22aに入射した光は、図4(B)に示す方向からみると、R1で示すように、折曲部22内面で左右に反射されつつ平面部21方向に進行していく。この図4(B)のR1に示すように、受光部22aに入射した光は左右に反射されつつ平面部21に至るので、光の強度の観点からすると、光源L1が平面部21から遠ざかったのと等価になる。つまり、光源L1を遠ざけることなく、平面部21における光源L1に近い部位と他の部位との光の強度差を縮小することができる。したがって、光源L1の配置を変更することなく、LCD3の照明ムラを軽減することができる。
【0031】
また、上記入射した光は、反射部22bで反射された後には、図5のR1に示すように、平面部21の左右内面及び上下内面で反射されつつ平面部21内を進行していく。すなわち、受光部22aによる左右内面での反射光、及び反射部22bによる上下内面での反射光が合成されて、平面部21内で上下且つ左右に反射されつつジグザグ進行していく。このため、平面部21においてLCD3が重着される面から出射される光は、均一化されたものとなる。したがって、LCD3の照明ムラをより軽減することができる。
【0032】
また、平面部21においてLCD3が重着される面には、シボ加工等が施された拡散部21aが形成されているので、LCD3の照明ムラを更に軽減することができる。
【0033】
更に、図6を用いて、本発明の導光板の他の実施形態について説明する。図6(A)は、本発明の他の実施形態に係る導光板の受光部の形状を示す正面図であり、図6(B)は、図6(A)の受光部における光源の配置を説明するための図である。
【0034】
図6(A)で示すように、この実施形態において、導光板2′の折曲部22′先端には、所定幅の円弧面から構成される受光部22a′が形成されている。このような形状の受光部22a′に対して、光源L1は、図6(B)で示すように、受光部22a′(円弧面)を延長して描くことのできる円の仮想中心点Cより、受光部22a′側に近接するように配置されている。これにより、上記図2(B)で示したような受光部22aと同等の作用効果を得ることができる。
【0035】
このように、本発明の実施形態によれば、LCD3等の表示部材の照明ムラを大幅に軽減することができる。特に、光源を導光板2から遠ざけることなく、照明ムラを軽減することができるので、スペース制約の多い車両用計器に好適となる。
【0036】
なお、上記実施形態では車両用計器としてコンビネーションメータを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両用計器以外にも同様に適用可能である。また、本発明の導光板は、一カ所のみならず、複数箇所に同時に適用可能である。また、受光部の形状も例示した形状に限定されず、本発明の主旨の範囲で適宜変更可能である。更に、導光板により照明される表示部材は、LCDのみならず、VFDや文字板等であってもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、受光部に入射した光は左右に反射されつつ平面部に至るので、光源を遠ざけることなく、平面部における光源に近い部位と他の部位との光の強度差を縮小することができる。したがって、表示部材の照明ムラを軽減することができる。
【0038】
請求項2及び3記載の発明によれば、受光部がいたずらに複雑化することなく、上記請求項1の発明の効果を得ることができる。
【0039】
請求項4記載の発明によれば、平面部において表示部材が重着される面には、この面から出射する光を拡散させるための加工が施されているので、表示部材の照明ムラをより軽減することができる。
【0040】
請求項5記載の発明によれば、照明品位の高いディジタル表示部を有する車両用計器を提供することができる。また、光源を遠ざけることなく上述の効果を得られるので、スペース制約の多い車両用計器に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る導光板及びこの導光板を用いた車両用計器の一部を示す分解斜視図である。
【図2】図2(A)及び図2(B)は、導光板が装着された状態の車両用計器を示す部分断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る導光板の受光部の特徴を説明するための図である。
【図4】図4(A)及び図4(B)はそれぞれ、図2(A)及び図2(B)に基づいて光の進行状態を説明するための図である。
【図5】平面部における光の進行状態を説明するための図である。
【図6】図6(A)は、本発明の他の実施形態に係る導光板の受光部の形状を示す正面図であり、図6(B)は、図6(A)の受光部における光源の配置を説明するための図である。
【図7】従来の導光板の受光部近傍の部分斜視図である。
【図8】従来の導光板の受光部近傍の作用を説明するための図である。
【符号の説明】
1 メータ本体
2 導光板
3 LCD(表示部材)
4 文字板
21a 拡散部
22a、22a′ 受光部
L1 光源
Claims (5)
- 板状の表示部材が重着される平面部と、前記平面部から下方に折り曲げられて光源に対向する受光部と、前記受光部方向からの光を前記平面部方向に反射させる反射部とを有して、前記光源からの光を前記表示部材の背面に導く導光板であって、
前記受光部は、前記光源に近づくにしたがって徐々に広がる凹面状に形成されている、
ことを特徴とする導光板。 - 請求項1記載の導光板において、
前記受光部は、前記光源の直上部において互いに接する2つの平面から構成されており、
前記2つの平面は共に、前記直上部で受光されて前記反射部に直進する光の進行方向に対して鈍角となるように形成されている、
ことを特徴とする導光板。 - 請求項1記載の導光板において、
前記受光部は、所定幅の円弧面から構成されており、
前記光源は、仮想中心点より前記円弧面に近接するように配置されている、
ことを特徴とする導光板。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の導光板において、
前記平面部において前記表示部材が重着される面には、
この面からの出射光を拡散させるための加工が施されている、
ことを特徴とする導光板。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載の導光板を用いた車両用計器であって、
前記板状の表示部材は、ディジタル表示装置である、
ことを特徴とする車両用計器。
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Cited By (4)
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JP2007258063A (ja) * | 2006-03-24 | 2007-10-04 | Saxa Inc | 押しボタンスイッチの照明構造 |
CN102818205A (zh) * | 2011-06-07 | 2012-12-12 | 株式会社小糸制作所 | 车辆用灯具 |
JP2014106171A (ja) * | 2012-11-29 | 2014-06-09 | Nippon Seiki Co Ltd | 車両用計器の照明装置 |
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-
2003
- 2003-04-25 JP JP2003121776A patent/JP2004325312A/ja active Pending
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