JP2004325155A - 車両計器装置の検査方法および検査装置並びに車両計器装置用検査プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用計器装置の検査方法において、スイープ検査の検査精度を安定させ、指度検査の検査品質を向上させ、検査コストを低減させる。
【解決手段】検査用疑似信号Sを発生するCPU14を有するスピードメータ11の回転指針12の回転中における等時間間隔ごとの、回転指針12の画像Piを撮影するCCDカメラ20と、CCDカメラ20によって得られた回転指針12の画像Piに基づいて、回転指針12の回転角度位置を検出する回転角度位置検出手段31と、回転角度位置に基づいて回転指針12の指示誤差の合否を判定する指度判定手段32と、時系列的に相前後する画像間における回転指針12の回転角度の均一性に応じて回転指針12の動きの円滑性の合否を判定するスイープ判定手段33とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】検査用疑似信号Sを発生するCPU14を有するスピードメータ11の回転指針12の回転中における等時間間隔ごとの、回転指針12の画像Piを撮影するCCDカメラ20と、CCDカメラ20によって得られた回転指針12の画像Piに基づいて、回転指針12の回転角度位置を検出する回転角度位置検出手段31と、回転角度位置に基づいて回転指針12の指示誤差の合否を判定する指度判定手段32と、時系列的に相前後する画像間における回転指針12の回転角度の均一性に応じて回転指針12の動きの円滑性の合否を判定するスイープ判定手段33とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両計器装置の検査方法および検査装置並びに車両計器装置用検査プログラムに関し、詳細には、指度検査およびスイープ検査の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車や鉄道等車両の車室内には、回転指針が文字板に対して回転し、回転指針の先端が文字板上に表示された数値や適当な指標を指し示すことによって、速度や機関回転数等を運転者等に視認させる車両計器装置が装備されている。
【0003】
このような車両計器装置としては、速度計や回転計の外、水温計、油温計、燃料残量計、電圧計、ブースト圧ゲージ等が知られている。
【0004】
ところで、この車両計器装置は、製造後の製品検査工程において、種々の検査を受けて適否が判定されている。
【0005】
この製品検査工程においては、計器の機能をチェックする機能検査、液晶表示部分のセグメントをチェックするセグメント検査、回転指針の引っ掛かりや動きの円滑さをチェックするスイープ検査、文字板上の数値等に対する回転指針の指示精度をチェックする指度検査、および総合的な判定を行う総合検査が行われている。
【0006】
ここで、指度検査は、車載状態において各種センサから入力される信号を模した検査用の疑似信号を車両計器装置に入力し、その入力された疑似信号によって指示すべき指標を回転指針が指示するか否かをチェックすることによって行われるが、この指度検査では、画像処理を用いた自動化が実現されている。
【0007】
すなわち、例えば速度計の場合を例にすると、回転指針が、速度20,40,60,80,100km/hを指し示すような疑似信号S20,S40,S60,S80、S100を、速度計に順次入力し、これらの角疑似信号が入力されたときの回転指針の画像をCCDカメラ等によって順次撮影する。
【0008】
そして、各速度に対応して得られた得られた5つの画像P20,P40,P60,P80,P100についてそれぞれ画像処理して回転指針の指示状態(回転角度位置等として)を検出し、この指示状態が、予め設定された基準範囲内にあるか否かを自動的に判定している(特許文献1)。
【0009】
一方、スイープ検査は、回転指針の動きの円滑さをチェックするため、画像処理を適用するのが難しく、専ら検査員の熟練に頼った目視判定によって行われている。
【0010】
なお、撮影された画像には、実際には文字板の像も重畳的に写り込んでいるが、画像処理によって回転指針の像のみを抽出することができる。
【0011】
【特許文献1】
特許第2788287号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両計器装置の検査のうち、指度検査は自動化され、一方、スイープ検査は人手によって行われるため、両者の検査工程を統合することができず、各検査工程ごとに検査装置を設けるとともに検査員を配置する必要がある。このため、検査工程に要するコストを抑制しようとする場合の障害となる。
【0013】
また、スイープ検査は専ら検査員の熟練に頼った判定となるため、検査員間の熟練度の差異によって判定結果が不安定になる虞がある。
【0014】
さらに、指度検査では、例えば上述した速度計に対する検査のように、粗めの間隔で設定された特定のポイントにおけるチェックを行うに過ぎない。
【0015】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、スイープ検査の検査精度を安定させるとともに、指度検査の検査品質を向上させ、しかも、検査工程に掛るコストを低減させることを可能にした車両計器装置の検査方法および検査装置並びに車両計器装置用検査プログラムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る車両計器装置の検査方法は、回転指針を等角速度で回転させる検査用疑似信号を入力し、この検査用疑似信号による回転中の等時間間隔ごとの回転指針の画像を取得して、得られた画像に基づいて、指度検査とスイープ検査とを並行して行うようにしたものである。
【0017】
すなわち、本発明の請求項1に係る車両計器装置の検査方法は、文字板に回転指針が設けられた車両計器装置の検査方法において、前記回転指針を前記文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号を入力し、前記検査用疑似信号によって回転された前記回転指針の回転中における等時間間隔ごとの、前記回転指針の画像を取得し、前記取得された回転指針の画像に基づいて、前記回転指針の回転角度位置を検出し、前記検出された回転角度位置に基づいて前記回転指針の指示誤差の適否を判定するとともに、時系列的に相前後する画像間における前記回転指針の回転角度の均一性に応じて該回転指針の動きの円滑性の適否を判定することを特徴とする。
【0018】
ここで、回転指針を文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号とは、回転指針が車両計器装置として作動するときに外部から与えられる電気信号もしくは磁気信号等を模した信号であって、等角速度で回転指針を回転させるように検査用に生成された信号をいう。
【0019】
また、等時間間隔ごとの画像を取得する方法としては、例えばCCDカメラやCMOSカメラ等の画像撮影装置によって等時間間隔ごとに撮影を行うことによって取得する方法であってもよいし、時間的に連続して撮影された映像に対して等時間間隔ごとのサンプリングを行うことによって取得する方法であってもよい。
【0020】
取得された画像に、回転指針の画像以外の文字板の像等が重畳的に写り込んでいる場合には、取得された全体画像に対して、例えばスケルトン処理や輪郭抽出処理、あるいはパターン認識処理などの各種画像認識処理を施して、回転指針の画像のみを抽出してもよい。
【0021】
そして、回転角度位置は、回転指針の画像の延在方向をハフ変換等によって求め、この延在方向に基づいて検出してもよい。
【0022】
また、所定の等時間間隔が適当に累積した所定の時間経過時における回転指針の回転角度位置は、計算によって、または実験的に、予め求めることができる。
【0023】
したがって、この予め求められた回転角度位置を、比較対象である基準回転角度位置として記憶しておき、上記画像に基づいて得られた回転角度位置とこの基準回転角度位置との角度差に応じて、回転指針の指示誤差の適否を判定すればよい。
【0024】
なお、画像に基づいて得られた回転角度位置とこの基準回転角度位置との角度差の許容値は、その計器装置の種類(適用用途)に応じて異なるものとして設定することもできる。
【0025】
また、回転指針の動きの円滑性の適否を判定するとは、スイープ検査を意味するが、ここで、「時系列的に相前後する画像」とは、例えば、等時間間隔Δtで時系列的に、P1,P2,P3,…,P100という100個の画像Pi(i=1,2,…,100)を取得したとき、第1画像P1と第2画像P2、第2画像P2と第3画像P3、…、第n画像Pnと第(n+1)画像P(n+1)、…、第99画像P99と第100画像P100、という各2つの画像の組をいう。
【0026】
ただし、取得された全ての画像Pi(i=1,2,…,100)をスイープ検査に用いるのではなく、例えば時系列的に10個おきに抽出された10個の画像Pi(i=10,20,…,100)に基づいてスイープ検査を行う場合においては、「時系列的に相前後する画像」は、これらスイープ検査の対象となる10個の画像に関して適用し、等時間間隔は10×Δtであり、「時系列的に相前後する画像」は、第10画像P10と第20画像P20、第20画像P20と第30画像P30、…、第n画像Pnと第(n+10)画像P(n+10)、…、第90画像P90と第100画像P100、という各2つの画像の組をいう。
【0027】
以上の構成によると、回転指針を文字板に対して等角速度で回転させるように検査用疑似信号を入力すると、回転指針は文字板に対して、本来は等角速度で回転し、等時間間隔ごとの回転指針の回転角度は常に一定角度となり、等時間間隔ごとに取得された複数の画像のうち、時系列的に相前後する画像間における回転指針の画像を解析すると、その回転角度は一定角度として検出されるはずである。
【0028】
しかし実際には、例えば、文字板と回転指針との間で回転方向について不均一な摩擦があるなどの原因により、回転指針が回転ムラを生じ、回転角速度の等速性が損なわれて、等時間間隔ごとの回転角度も均一でなくなる場合がある。
【0029】
この場合、画像に基づいて得られた回転指針の回転角度は、各隣接画像間で均一ではなくなる。したがってこの均一性の程度に応じて、回転指針の動きの円滑性の適否を判定すること(スイープ検査)ができる。
【0030】
なお、回転角度の均一性の判定基準については、例えば熟練度の高い検査員による官能検査の適否判定結果と対応する判定結果を得られるように設定すればよい。
【0031】
このように、本発明の請求項1に係る車両計器装置の検査方法によれば、従来は、目視による官能検査に頼っていたスイープ検査を、取得された画像に基づいて自動化することができ、官能検査員の熟練度の差異等に起因する判定結果のバラツキを排除して検査精度を安定させることができ、車両計器装置の品質を向上させることができる。
【0032】
また、取得された回転指針の画像に基づいて、各画像における回転指針の回転角度位置そのものも検出することができるため、この画像に基づいて得られた回転角度位置が、所定の許容角度範囲にあるか否かを判定することによって、回転指針の指示誤差の適否を判定すること(指度検査)ができる。
【0033】
しかも、指度検査に用いる機器とスイープ検査に用いる機器とを兼用しつつ同時に使用することができるため、指度検査とスイープ検査とを同時に並行して行うことができるとともに、検査工数および使用機器を低減することができる。この結果、検査用の占有スペースも低減し、検査工程に掛るコストを低減することができる。
【0034】
また、回転指針の回転可動角度全域をこの回転指針が回転している期間中に、等時間間隔で上述した画像を取得することにより、従来は、代表的な数個の特定回転角度位置においてのみ実施されていた指度検査を、回転指針の回転可動角度全域(ただし、等時間間隔で画像が取得された回転角度位置に限る)で行うことができるため、検査品質を向上させることができる。
【0035】
なお、画像を取得する時間間隔を短く設定する程、回転指針の回転可動角度全域において、より小さい角度間隔ごとに多数の画像を取得することができるため、スイープ検査の精度および指度検査の精度を高めることができる。
【0036】
例えば、回転指針の回転可動角度全域を12(秒)で等角速度回転させるように回転指針を回転させ、1/60(秒)の等時間間隔で画像を取得する場合は、720個(=12/(1/60))の画像を取得することができ、この720個の回転角度位置における検査を行うことができる。
【0037】
なお、スイープ検査は、回転指針の動きの滑らかさを検査するものであるため、可能な限り多数の回転角度位置間で検査を行うのが好ましいが、指示値の誤差を検査する指度検査では、スイープ検査に比べて粗い回転角度間隔ごとに検査をすれば十分であるため、取得した画像の全てについて検査を行う必要はなく、また、スイープ検査と指度検査とを同一回転角度間隔で行う必要もない。
【0038】
もちろん、スイープ検査についても、取得した画像の全てについて検査を行う必要はない。
【0039】
なお、以上の説明は、以下の検査装置の発明および検査プログラムの発明においても同様である。
【0040】
また、本発明に係る車両計器装置の検査装置は、本発明に係る検査方法を実施する装置である。
【0041】
すなわち、本発明の請求項2に係る車両計器装置の検査装置は、文字板に回転指針が設けられた車両計器装置を検査する検査装置において、前記回転指針を前記文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号を発生する疑似信号発生手段と、前記検査用疑似信号によって回転された前記回転指針の回転中における等時間間隔ごとの、前記回転指針の画像を取得する画像取得手段と、前記取得された回転指針の画像に基づいて、前記回転指針の回転角度位置を検出する回転角度位置検出手段と、前記検出された回転角度位置に基づいて前記回転指針の指示誤差の適否を判定する指度判定手段と、時系列的に相前後する前記画像間における前記回転指針の回転角度の均一性に応じて該回転指針の動きの円滑性の適否を判定するスイープ判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0042】
ここで、疑似信号発生手段としては、回転指針が車両計器装置として作動するときに外部から与えられる電気信号もしくは磁気信号等を模した信号であって等角速度で回転指針を回転させるような検査用の信号を生成するものをいい、例えばクロック発生器とこのクロック数を時系列的に比例増加させる逓倍器などを組み合わせた回路などを適用することができる。
【0043】
また、画像取得手段としては、例えばCCDカメラやCMOSカメラ等の画像撮影装置であってもよいし、時間的に連続して映像を撮影する画像撮影装置と、この画像撮影装置によって得られた映像に対して等時間間隔ごとのサンプリングを行うサンプリング手段とを組み合わせたものであってもよい。
【0044】
回転角度位置検出手段としては、例えば、回転指針の画像部分の延在方向をハフ変換等によって求め、この延在方向に基づいて回転角度位置を検出するものなどを適用することができる。
【0045】
なお、取得された画像に、回転指針の画像以外の文字板の像等が重畳的に写り込んでいる場合には、例えばスケルトン処理や輪郭抽出処理、あるいはパターン認識処理などの各種画像認識処理を施して、回転指針の画像のみを抽出すればよく、回転角度位置検出手段に、このような抽出処理を行う抽出処理手段を付加してもよい。
【0046】
また、所定の等時間間隔が適当に累積した所定の時間経過時における回転指針の回転角度位置は、計算によって、または実験的に、予め求めることができる。
【0047】
したがって、指示判定手段は、この予め求められた回転角度位置を、比較対象である基準回転角度位置として記憶しておき、上記画像に基づいて得られた回転角度位置とこの基準回転角度位置との角度差に応じて、回転指針の指示誤差の適否を判定するものであればよい。
【0048】
なお、画像に基づいて得られた回転角度位置とこの基準回転角度位置との角度差の許容値は、その計器装置の種類(適用用途)に応じて異なるものとして設定することもできる。
【0049】
スイープ判定手段は、時系列的に相前後する画像間における回転指針の回転角度の均一性に応じて回転指針の動きの円滑性の適否を判定するが、回転角度の均一性の判定基準については、例えば熟練度の高い検査員による官能検査の適否判定結果と対応する判定結果を得られるように設定すればよい。
【0050】
なお、上述した回転角度位置検出手段、指度判定手段およびスイープ判定手段は、それぞれ物理的に独立してた構成であってもよいし、これら3つの機能を兼ねた物理的に1つの構成要素(CPU、画像分析装置等)によって構成してもよい。
【0051】
このように構成された本発明の請求項2に係る車両計器装置の検査装置によれば、疑似信号発生手段が、回転指針を文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号を発生し、この検査用疑似信号によって回転された回転指針が回転している期間中における等時間間隔ごとの、回転指針の画像を画像取得手段が取得し、回転角度位置検出手段が、得られた回転指針の画像に基づいて回転指針の回転角度位置を検出し、指度判定手段が、この検出された回転角度位置に基づいて回転指針の指示誤差の適否を判定し、スイープ判定手段が、時系列的に相前後する画像間における回転指針の回転角度の均一性に応じて回転指針の動きの円滑性の適否を判定する。
【0052】
したがって、従来は、目視による官能検査に頼っていたスイープ検査を、取得された画像に基づいて自動化することができ、官能検査員の熟練度の差異等に起因する判定結果のバラツキを排除して検査精度を安定させることができ、車両計器装置の品質を向上させることができる。
【0053】
また、取得された回転指針の画像に基づいて、各画像における回転指針の回転角度位置そのものも検出することができるため、この画像に基づいて得られた回転角度位置が、所定の許容角度範囲にあるか否かを判定することによって、回転指針の指示誤差の適否を判定すること(指度検査)ができる。
【0054】
しかも、指度検査に用いる機器とスイープ検査に用いる機器とを兼用しつつ同時に使用することができるため、指度検査とスイープ検査とを同時に並行して行うことができるとともに、検査工数および使用機器を低減することができる。この結果、検査用の占有スペースも低減し、検査工程に掛るコストを低減することができる。
【0055】
また、回転指針の回転可動角度全域をこの回転指針が回転している期間中に、等時間間隔で上述した画像を取得することにより、従来は、代表的な数個の特定回転角度位置においてのみ実施されていた指度検査を、回転指針の回転可動角度全域(ただし、等時間間隔で画像が取得された回転角度位置に限る)で行うことができるため、検査品質を向上させることができる。
【0056】
なお、画像を取得する時間間隔を短く設定する程、回転指針の回転可動角度全域において、より小さい角度間隔ごとに多数の画像を取得することができるため、スイープ検査の精度および指度検査の精度を高めることができる。
【0057】
また、本発明の請求項3に係る車両計器装置の検査装置は、請求項2に係る車両用計器装置の検査装置に対して、疑似信号発生手段が、車両用計器装置に設けられた構成において相違するものである。
【0058】
すなわち、本発明の請求項3に係る車両計器装置の検査装置は、文字板に回転指針が設けられ車両計器装置を検査する検査装置において、前記車両計器装置が、前記回転指針を前記文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号を発生する疑似信号発生手段を有し、前記検査用疑似信号によって回転された前記回転指針の回転中における等時間間隔ごとの、前記回転指針の画像を取得する画像取得手段と、前記取得された回転指針の画像に基づいて、前記回転指針の回転角度位置を検出する回転角度位置検出手段と、前記検出された回転角度位置に基づいて前記回転指針の指示誤差の適否を判定する指度判定手段と、時系列的に相前後する前記画像間における前記回転指針の回転角度の均一性に応じて該回転指針の動きの円滑性の適否を判定するスイープ判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0059】
このように構成された本発明の請求項3に係る車両計器装置の検査装置によれば、車両計器装置に備えられた疑似信号発生手段が、回転指針を文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号を発生し、この検査用疑似信号によって回転された回転指針が回転している期間中における等時間間隔ごとの、回転指針の画像を画像取得手段が取得し、回転角度位置検出手段が、得られた回転指針の画像に基づいて回転指針の回転角度位置を検出し、指度判定手段が、この検出された回転角度位置に基づいて回転指針の指示誤差の適否を判定し、スイープ判定手段が、時系列的に相前後する画像間における回転指針の回転角度の均一性に応じて回転指針の動きの円滑性の適否を判定する。
【0060】
したがって、従来は、目視による官能検査に頼っていたスイープ検査を、取得された画像に基づいて自動化することができ、官能検査員の熟練度の差異等に起因する判定結果のバラツキを排除して検査精度を安定させることができ、車両計器装置の品質を向上させることができる。
【0061】
また、取得された回転指針の画像に基づいて、各画像における回転指針の回転角度位置そのものも検出することができるため、この画像に基づいて得られた回転角度位置が、所定の許容角度範囲にあるか否かを判定することによって、回転指針の指示誤差の適否を判定すること(指度検査)ができる。
【0062】
しかも、指度検査に用いる機器とスイープ検査に用いる機器とを兼用しつつ同時に使用することができるため、指度検査とスイープ検査とを同時に並行して行うことができるとともに、検査工数および使用機器を低減することができる。この結果、検査用の占有スペースも低減し、検査工程に掛るコストを低減することができる。
【0063】
また、回転指針の回転可動角度全域をこの回転指針が回転している期間中に、等時間間隔で上述した画像を取得することにより、従来は、代表的な数個の特定回転角度位置においてのみ実施されていた指度検査を、回転指針の回転可動角度全域(ただし、等時間間隔で画像が取得された回転角度位置に限る)で行うことができるため、検査品質を向上させることができる。
【0064】
なお、画像を取得する時間間隔を短く設定する程、回転指針の回転可動角度全域において、より小さい角度間隔ごとに多数の画像を取得することができるため、スイープ検査の精度および指度検査の精度を高めることができる。
【0065】
また、車両計器装置が疑似信号発生手段を備えているため、この車両計器装置に対して、外部から検査用疑似信号等を入力する必要がなく、検査装置の構成を簡素化することができるとともに、車両計器装置と検査装置との接続を簡単化し、あるいは有線での接続を不要とすることができる。
【0066】
すなわち、車両計器装置に対して回転指針を回転させるための検査用疑似信号を付与する必要がないため、単に車両計器装置と検査装置との動作の同期を得るためのみの信号線で接続し、あるいは、無線によって交信させることも可能となる。
【0067】
また、本発明に係る検査プログラムは、コンピュータに読み込まれて、本発明に係る車両計器装置の検査方法をコンピュータに実行させるアプリケーションプログラムである。
【0068】
すなわち、本発明の請求項4に係る車両計器装置用検査プログラムは、コンピュータに読み込まれて、文字板に回転指針が設けられた車両計器装置を検査する処理を、前記コンピュータに実行させる検査プログラムであって、前記回転指針を前記文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号を入力する処理、前記検査用疑似信号によって回転された前記回転指針の回転中における等時間間隔ごとの、前記回転指針の画像を取得する処理、前記取得された回転指針の画像に基づいて、前記回転指針の回転角度位置を検出する処理、前記検出された回転角度位置に基づいて前記回転指針の指示誤差の適否を判定する処理、および、時系列的に相前後する前記画像間における前記回転指針の回転角度の均一性に応じて該回転指針の動きの円滑性の適否を判定する処理、を前記コンピュータに順次実行させることを特徴とする。
【0069】
このように構成された本発明の請求項4に係る車両計器装置用検査プログラムによれば、従来は、目視による官能検査に頼っていたスイープ検査を、取得された画像に基づいて自動化することができ、官能検査員の熟練度の差異等に起因する判定結果のバラツキを排除して検査精度を安定させることができ、車両計器装置の品質を向上させることができる。
【0070】
また、取得された回転指針の画像に基づいて、各画像における回転指針の回転角度位置そのものも検出することができるため、この画像に基づいて得られた回転角度位置が、所定の許容角度範囲にあるか否かを判定することによって、回転指針の指示誤差の適否を判定すること(指度検査)ができる。
【0071】
しかも、指度検査に用いる機器とスイープ検査に用いる機器とを兼用しつつ同時に使用することができるため、指度検査とスイープ検査とを同時に並行して行うことができるとともに、検査工数および使用機器を低減することができる。この結果、検査用の占有スペースも低減し、検査工程に掛るコストを低減することができる。
【0072】
また、回転指針の回転可動角度全域をこの回転指針が回転している期間中に、等時間間隔で上述した画像を取得することにより、従来は、代表的な数個の特定回転角度位置においてのみ実施されていた指度検査を、回転指針の回転可動角度全域(ただし、等時間間隔で画像が取得された回転角度位置に限る)で行うことができるため、検査品質を向上させることができる。
【0073】
なお、画像を取得する時間間隔を短く設定する程、回転指針の回転可動角度全域において、より小さい角度間隔ごとに多数の画像を取得することができるため、スイープ検査の精度および指度検査の精度を高めることができる。
【0074】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両計器装置の検査方法および検査装置並びに車両計器用検査プログラムの具体的な実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0075】
図1は、本発明に係る車両計器装置検査方法を実施する検査装置の一実施形態を示すブロック図、図2は、図1に示した検査装置の処理手順を示すフローチャート、図3(a)は、図2に示した指度判定(ステップ13(#13))の詳細を示すフローチャート、図3(b)は、図2に示したスイープ判定(#14)の詳細を示すフローチャートである。
【0076】
ここで、図1に示した車両計器装置(計器ユニット)10は、文字板13に回転指針12が設けられたスピードメータ11を備え、回転指針12は、所定の入力信号に応じて回転するように構成されている。
【0077】
また、このスピードメータ11には、計器ユニット10を検査する検査装置100が接続されて、回転指針12を文字板13に対して等角速度ωで回転させるための検査用疑似信号Sを発生するCPU(疑似信号発生手段)14が備えられている。
【0078】
一方、図示の検査装置100は、検査用疑似信号Sによって回転された回転指針12の回転中における等時間間隔Δtごとの、回転指針12の画像Pi(i=1,2,…)を撮影するCCDカメラ(画像取得手段)20と、このCCDカメラ20によって得られた回転指針12の画像Piに基づいて、回転指針12の回転角度位置θiを検出する回転角度位置検出手段31と、検出された回転角度位置θiに基づいて回転指針12の指示誤差(角度差)Δθiの合否を判定する指度判定手段32と、時系列的に相前後する画像(P(i−1),Pi)間における回転指針12の回転角度αi(=θi−θ(i−1))の、回転指針12の可動範囲全域における均一性に応じて回転指針12の動きの円滑性の合否を判定するスイープ判定手段33と、これら指度判定手段32およびスイープ判定手段33の判定結果を表示出力するモニタ40とを備えている。
【0079】
ここで、回転角度位置検出手段31、指度判定手段32、およびスイープ判定手段33は、検査装置100のCPU30に組み込まれている。
【0080】
また、スピードメータ11の文字板13には、図4に示すように、0km/hから200km/hまでの車速範囲で、20km/hごとに数値が記載されているとともに、これら速度間隔20km/hの間には、概略速度を把握可能にする放射線の指標が記載されている。
【0081】
回転指針12は、この車速0km/hから200km/hまでの角度Θの範囲で回転可能となっている。なお、本実施形態におけるスピードメータ11においては、上記角度Θは概略225度である。
【0082】
そして、回転指針12は、車載状態においては、車両のトランスミッション等に設けられた車速センサから入力されるパルス信号のパルス数に応じた車速を指し示すように、構成されており、一定のパルス数のパルス信号が入力されているときは、一定の車速を指し示す。
【0083】
これに対して、スピードメータ11に設けられたCPU14が発生する検査用疑似信号Sは、車載状態において車速センサから入力されるパルス信号を模した信号であるが、そのパルス数は、時間tの経過に比例して増加するように構成されている。
【0084】
したがって、この検査用疑似信号Sは、回転指針12をその可動範囲(角度Θの範囲)において等角速度ω(=Θ/t)で回転させる。
なお、本実施形態においては、Θ≒225度であり、この可動範囲を概略10秒(t=10)で回転完了するため、角速度ωは22.5度/秒であり、経過時間tと指示車速値(回転角度)との関係は、図5のグラフに示すものとなる。
【0085】
CCDカメラ20が撮影する時間間隔Δtは、ここでは1秒間隔として説明するが、これは説明を簡明化するためであり、実際には1秒よりも短い時間間隔で画像が取得される。
【0086】
このような撮影タイミングで撮影が行われることによって、回転指針12が可動範囲Θの全範囲を回転する間に、10枚の画像Piが撮影される。なお、撮影間隔である時間間隔Δtのタイミングは、回転指針12の回転開始のタイミングと同期するように、検査装置100のCPU30によって設定される。
【0087】
回転角度位置検出手段31は、得られた回転指針12の画像Piに基づいて、回転指針12の回転角度位置θiを検出するが、この撮影された画像Piには、実際には、回転指針12のほか、例えば文字板13も重畳的に写り込んでいる。
【0088】
そこで、回転角度位置検出手段31は、撮影して得られた画像Piに対して、例えばスケルトン処理や輪郭抽出処理、あるいはパターン認識処理などの各種画像認識処理を施して、回転指針12の画像Piのみを抽出している。
【0089】
回転角度位置検出手段31による、回転角度位置θiの検出は、回転指針12の画像Piに対してハフ変換処理等の画像処理を施すことによって行われる。
【0090】
指度判定手段32は、予め記憶されている基準回転角度位置θi′と検出された回転角度位置θiとの角度差(指示誤差)Δθiを算出して、この角度差Δθiが許容範囲であれば、合格判定の結果を出力し、角度差Δθiが許容範囲外であれば、不合格判定の結果を出力する。
【0091】
スイープ判定手段33は、時系列的に相前後する画像(P(i−1),Pi)間における回転指針12の回転角度αi(=θi−θ(i−1))を算出し、可動範囲Θの全範囲分について、回転角度αiの分散値等均一性を表す指標値を算出し、この指標値が許容範囲であれば、合格判定の結果を出力し、指標値が許容範囲外であれば、合格判定の結果を出力する。
【0092】
次に、本実施形態の車両計器装置の検査装置100の作用について、図2および3に示したフローチャートを参照して説明する。
【0093】
まず、検査装置100のCPU30から、計器ユニット10のCPU14に、検査開始の同期信号が入力され、計器ユニット10のCPU14は、回転指針12を文字板13に対して等角速度ωで回転させるための検査用疑似信号Sを発生する(ステップ1(#1))。
【0094】
そして、この検査用疑似信号Sは回転指針12を等角速度ωで、その可動範囲Θの0km/h指示位置から回転を開始し(#2)、200km/h指示位置の回転終了まで回転する(#3)。
【0095】
可動範囲Θの終端側である200km/h指示位置に達すると回転指針12の回転は停止し(#4)、回転指針12は初期位置である0km/h指示位置まで戻されて、計器ユニット10側の動作は終了する。
【0096】
一方、回転指針12が等角速度ωで回転している期間中(#2〜#4)、CPU30の制御によって、CCDカメラ20が、回転指針12の画像Piを毎秒1枚の等時間間隔で撮影し(#11)、この撮影された各画像Piは、回転角度位置検出手段31に順次入力される。
【0097】
各画像Piが入力された回転角度位置検出手段31は、各画像Piに画像認識処理を施して、回転指針12の画像Piのみを抽出し、回転指針12の画像Piに対してハフ変換処理等の画像処理を施して、各画像Piにおける回転指針12の像の回転角度位置θiをそれぞれ検出する(#12)。
【0098】
次いで、各画像Piごとに検出された回転角度位置θiは、指度判定手段32およびスイープ判定手段33にそれぞれ入力され、指度判定手段32による指度判定(#13)およびスイープ判定手段33によるスイープ判定(#14)に供される。
【0099】
ここで、指度判定(#13)の処理は、図3(a)に示すように、回転指針12の回転開始時t0(=0)からの各経過時間ti(t1=0+Δt,t(i+1)=ti+Δt)ごとに予め設定された各基準回転角度位置θi′と、検出された各回転角度位置θiとの角度差(指示誤差)Δθiを算出し(#13a)、この角度差Δθiが許容範囲であれば、合格判定の結果を出力し(#13b,#13c)、角度差Δθiが許容範囲外であれば、不合格判定の結果を出力する(#13b,#13d)。
【0100】
そして、この指度判定の結果は、回転指針12の各画像Piが撮影された各時点における、文字板13上の数値と回転指針12の指示位置との位置ずれ(指示誤差)が許容範囲か否かを表している。
【0101】
一方、スイープ判定(#14)の処理は、図3(b)に示すように、検出された各回転角度位置θiのうち、時系列的に相前後する画像(P(i−1),Pi)間における回転指針12の回転角度αi(=θi−θ(i−1))を算出し(#14a)、可動範囲Θの全範囲分について、回転角度αiの分散値等均一性を表す指標値を算出し(#14b)、この指標値が許容範囲であれば、合格判定の結果を出力し(#14c,#14d)、指標値が許容範囲外であれば、合格判定の結果を出力する(#14c,#14e)。
【0102】
そして、このスイープ判定の結果は、各撮影の間に回転指針12が回転した角度αiの均一性、すなわち回転指針12の回転ムラや引っ掛かりが許容範囲か否かを表している。
【0103】
以上の指度判定結果およびスイープ判定結果は、モニタ40に出力され、モニタ40にこれらの判定結果が表示出力される(#15)。
【0104】
このように、本実施形態の車両計器装置の検査装置100およびその作用である検査方法によれば、検査員の目視による官能検査に頼っていたスイープ検査を、取得された画像Piに基づいて自動化することができ、官能検査員の熟練度の差異等に起因する判定結果のバラツキを排除して検査精度を安定させることができ、計器ユニット100の品質を向上させることができる。
【0105】
また、取得された回転指針12の画像Piに基づいて、各画像Piにおける回転指針12の各回転角度位置θiそのものも検出することができるため、これら画像Piに基づいて得られた各回転角度位置θiが、基準の許容角度範囲にあるか否かを判定することによって、回転指針12の指示誤差の適否を判定すること(指度検査)ができる。
【0106】
しかも、指度検査とスイープ検査とを、単一の検査装置100によって、同時に、かつ並行して行うことができるため、指度検査用の検査工程および検査装置とスイープ検査用の検査工程および検査装置とを、各別に準備する必要がなく、検査工程に掛るコストをトータル的に低減することができる。
【0107】
なお、検査用の占有スペースも縮減することができ、この観点からも、検査コストを低減することができる。
【0108】
また、回転指針12の回転可動角度Θ全域をこの回転指針12が回転している期間中に、等時間間隔Δtで画像Piを取得することにより、従来は、代表的な数個の特定回転角度位置においてのみ実施されていた指度検査を、回転指針12の回転可動角度Θ全域(ただし、等時間間隔で画像が取得された回転角度位置に限る)で行うことができるため、検査品質を向上させることができる。
【0109】
なお、本実施形態においては、説明の簡明化のため、画像Piを取得する時間間隔Δtを1秒としたが、この時間間隔Δtを短く設定する程、回転指針12の回転可動角度Θ全域において、より小さい角度間隔αiごとに多数の画像Piを取得することができるため、スイープ検査の精度および指度検査の精度を高めることができる。
【0110】
また、計器ユニット10がCPU14を備えているため、この計器ユニット10に対して、計器ユニット10の外部から検査用疑似信号Sを入力する必要がなく、検査装置100側で疑似信号発生手段を備えた構成の検査装置に比べて、構成を簡素化することができるとともに、計器ユニット10と検査装置100との接続を簡素化し、あるいは有線での接続を不要とすることもできる。
【0111】
なお、本実施形態の検査装置100は、上述したように、CPU14を有する計器ユニット10を対象としたものであるが、検査用疑似信号Sを発生するCPU14を有しない計器ユニット10をも検査対象とすべく、検査用疑似信号Sを発生する疑似信号発生手段を備えた検査装置としてもよく、このように疑似信号発生手段を備えた検査装置も、本発明に係る車両計器装置の検査装置の一実施形態とすることができる。
【0112】
また、所定の情報処理装置(コンピュータ等)に読み込まれて、図2および3に示したフローチャートの処理内容を、CPU30に実行させる検査プログラムは、本発明に係る車両計器用検査プログラムの一実施形態である。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る車両計器装置の検査方法および検査装置並びに車両計器装置用検査プログラムによれば、従来は、目視による官能検査に頼っていたスイープ検査を、取得された画像に基づいて自動化することができ、官能検査員の熟練度の差異等に起因する判定結果のバラツキを排除して検査精度を安定させることができ、車両計器装置の品質を向上させることができる。
【0114】
また、取得された回転指針の画像に基づいて、各画像における回転指針の回転角度位置そのものも検出することができるため、この画像に基づいて得られた回転角度位置が、所定の許容角度範囲にあるか否かを判定することによって、回転指針の指示誤差の適否を判定すること(指度検査)ができる。
【0115】
しかも、指度検査に用いる機器とスイープ検査に用いる機器とを兼用しつつ同時に使用することができるため、指度検査とスイープ検査とを同時に並行して行うことができるとともに、検査工数および使用機器を低減することができる。この結果、検査用の占有スペースも低減し、検査工程に掛るコストを低減することができる。
【0116】
また、回転指針の回転可動角度全域をこの回転指針が回転している期間中に、等時間間隔で上述した画像を取得することにより、従来は、代表的な数個の特定回転角度位置においてのみ実施されていた指度検査を、回転指針の回転可動角度全域(ただし、等時間間隔で画像が取得された回転角度位置に限る)で行うことができるため、検査品質を向上させることができる。
【0117】
なお、画像を取得する時間間隔を短く設定する程、回転指針の回転可動角度全域において、より小さい角度間隔ごとに多数の画像を取得することができるため、スイープ検査の精度および指度検査の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両計器装置検査方法を実施する検査装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示した検査装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】(a)は図2に示した指度判定の詳細を示すフローチャート、(b)は図2に示したスイープ判定の詳細を示すフローチャートである。
【図4】スピードメータの詳細を示す模式図である。
【図5】経過時間tと指示車速値(回転角度)との関係を示すグラフであり、実線は理論値(基準)、破線は検査対象のスピードメータについてのものである。
【符号の説明】
10 計器ユニット
11 スピードメータ
12 回転指針
13 文字板
14 CPU
20 CCDカメラ
30 CPU
31 回転角度位置検出手段
32 指度判定手段
33 スイープ判定手段
40 モニタ
100 検査装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両計器装置の検査方法および検査装置並びに車両計器装置用検査プログラムに関し、詳細には、指度検査およびスイープ検査の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車や鉄道等車両の車室内には、回転指針が文字板に対して回転し、回転指針の先端が文字板上に表示された数値や適当な指標を指し示すことによって、速度や機関回転数等を運転者等に視認させる車両計器装置が装備されている。
【0003】
このような車両計器装置としては、速度計や回転計の外、水温計、油温計、燃料残量計、電圧計、ブースト圧ゲージ等が知られている。
【0004】
ところで、この車両計器装置は、製造後の製品検査工程において、種々の検査を受けて適否が判定されている。
【0005】
この製品検査工程においては、計器の機能をチェックする機能検査、液晶表示部分のセグメントをチェックするセグメント検査、回転指針の引っ掛かりや動きの円滑さをチェックするスイープ検査、文字板上の数値等に対する回転指針の指示精度をチェックする指度検査、および総合的な判定を行う総合検査が行われている。
【0006】
ここで、指度検査は、車載状態において各種センサから入力される信号を模した検査用の疑似信号を車両計器装置に入力し、その入力された疑似信号によって指示すべき指標を回転指針が指示するか否かをチェックすることによって行われるが、この指度検査では、画像処理を用いた自動化が実現されている。
【0007】
すなわち、例えば速度計の場合を例にすると、回転指針が、速度20,40,60,80,100km/hを指し示すような疑似信号S20,S40,S60,S80、S100を、速度計に順次入力し、これらの角疑似信号が入力されたときの回転指針の画像をCCDカメラ等によって順次撮影する。
【0008】
そして、各速度に対応して得られた得られた5つの画像P20,P40,P60,P80,P100についてそれぞれ画像処理して回転指針の指示状態(回転角度位置等として)を検出し、この指示状態が、予め設定された基準範囲内にあるか否かを自動的に判定している(特許文献1)。
【0009】
一方、スイープ検査は、回転指針の動きの円滑さをチェックするため、画像処理を適用するのが難しく、専ら検査員の熟練に頼った目視判定によって行われている。
【0010】
なお、撮影された画像には、実際には文字板の像も重畳的に写り込んでいるが、画像処理によって回転指針の像のみを抽出することができる。
【0011】
【特許文献1】
特許第2788287号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両計器装置の検査のうち、指度検査は自動化され、一方、スイープ検査は人手によって行われるため、両者の検査工程を統合することができず、各検査工程ごとに検査装置を設けるとともに検査員を配置する必要がある。このため、検査工程に要するコストを抑制しようとする場合の障害となる。
【0013】
また、スイープ検査は専ら検査員の熟練に頼った判定となるため、検査員間の熟練度の差異によって判定結果が不安定になる虞がある。
【0014】
さらに、指度検査では、例えば上述した速度計に対する検査のように、粗めの間隔で設定された特定のポイントにおけるチェックを行うに過ぎない。
【0015】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、スイープ検査の検査精度を安定させるとともに、指度検査の検査品質を向上させ、しかも、検査工程に掛るコストを低減させることを可能にした車両計器装置の検査方法および検査装置並びに車両計器装置用検査プログラムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係る車両計器装置の検査方法は、回転指針を等角速度で回転させる検査用疑似信号を入力し、この検査用疑似信号による回転中の等時間間隔ごとの回転指針の画像を取得して、得られた画像に基づいて、指度検査とスイープ検査とを並行して行うようにしたものである。
【0017】
すなわち、本発明の請求項1に係る車両計器装置の検査方法は、文字板に回転指針が設けられた車両計器装置の検査方法において、前記回転指針を前記文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号を入力し、前記検査用疑似信号によって回転された前記回転指針の回転中における等時間間隔ごとの、前記回転指針の画像を取得し、前記取得された回転指針の画像に基づいて、前記回転指針の回転角度位置を検出し、前記検出された回転角度位置に基づいて前記回転指針の指示誤差の適否を判定するとともに、時系列的に相前後する画像間における前記回転指針の回転角度の均一性に応じて該回転指針の動きの円滑性の適否を判定することを特徴とする。
【0018】
ここで、回転指針を文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号とは、回転指針が車両計器装置として作動するときに外部から与えられる電気信号もしくは磁気信号等を模した信号であって、等角速度で回転指針を回転させるように検査用に生成された信号をいう。
【0019】
また、等時間間隔ごとの画像を取得する方法としては、例えばCCDカメラやCMOSカメラ等の画像撮影装置によって等時間間隔ごとに撮影を行うことによって取得する方法であってもよいし、時間的に連続して撮影された映像に対して等時間間隔ごとのサンプリングを行うことによって取得する方法であってもよい。
【0020】
取得された画像に、回転指針の画像以外の文字板の像等が重畳的に写り込んでいる場合には、取得された全体画像に対して、例えばスケルトン処理や輪郭抽出処理、あるいはパターン認識処理などの各種画像認識処理を施して、回転指針の画像のみを抽出してもよい。
【0021】
そして、回転角度位置は、回転指針の画像の延在方向をハフ変換等によって求め、この延在方向に基づいて検出してもよい。
【0022】
また、所定の等時間間隔が適当に累積した所定の時間経過時における回転指針の回転角度位置は、計算によって、または実験的に、予め求めることができる。
【0023】
したがって、この予め求められた回転角度位置を、比較対象である基準回転角度位置として記憶しておき、上記画像に基づいて得られた回転角度位置とこの基準回転角度位置との角度差に応じて、回転指針の指示誤差の適否を判定すればよい。
【0024】
なお、画像に基づいて得られた回転角度位置とこの基準回転角度位置との角度差の許容値は、その計器装置の種類(適用用途)に応じて異なるものとして設定することもできる。
【0025】
また、回転指針の動きの円滑性の適否を判定するとは、スイープ検査を意味するが、ここで、「時系列的に相前後する画像」とは、例えば、等時間間隔Δtで時系列的に、P1,P2,P3,…,P100という100個の画像Pi(i=1,2,…,100)を取得したとき、第1画像P1と第2画像P2、第2画像P2と第3画像P3、…、第n画像Pnと第(n+1)画像P(n+1)、…、第99画像P99と第100画像P100、という各2つの画像の組をいう。
【0026】
ただし、取得された全ての画像Pi(i=1,2,…,100)をスイープ検査に用いるのではなく、例えば時系列的に10個おきに抽出された10個の画像Pi(i=10,20,…,100)に基づいてスイープ検査を行う場合においては、「時系列的に相前後する画像」は、これらスイープ検査の対象となる10個の画像に関して適用し、等時間間隔は10×Δtであり、「時系列的に相前後する画像」は、第10画像P10と第20画像P20、第20画像P20と第30画像P30、…、第n画像Pnと第(n+10)画像P(n+10)、…、第90画像P90と第100画像P100、という各2つの画像の組をいう。
【0027】
以上の構成によると、回転指針を文字板に対して等角速度で回転させるように検査用疑似信号を入力すると、回転指針は文字板に対して、本来は等角速度で回転し、等時間間隔ごとの回転指針の回転角度は常に一定角度となり、等時間間隔ごとに取得された複数の画像のうち、時系列的に相前後する画像間における回転指針の画像を解析すると、その回転角度は一定角度として検出されるはずである。
【0028】
しかし実際には、例えば、文字板と回転指針との間で回転方向について不均一な摩擦があるなどの原因により、回転指針が回転ムラを生じ、回転角速度の等速性が損なわれて、等時間間隔ごとの回転角度も均一でなくなる場合がある。
【0029】
この場合、画像に基づいて得られた回転指針の回転角度は、各隣接画像間で均一ではなくなる。したがってこの均一性の程度に応じて、回転指針の動きの円滑性の適否を判定すること(スイープ検査)ができる。
【0030】
なお、回転角度の均一性の判定基準については、例えば熟練度の高い検査員による官能検査の適否判定結果と対応する判定結果を得られるように設定すればよい。
【0031】
このように、本発明の請求項1に係る車両計器装置の検査方法によれば、従来は、目視による官能検査に頼っていたスイープ検査を、取得された画像に基づいて自動化することができ、官能検査員の熟練度の差異等に起因する判定結果のバラツキを排除して検査精度を安定させることができ、車両計器装置の品質を向上させることができる。
【0032】
また、取得された回転指針の画像に基づいて、各画像における回転指針の回転角度位置そのものも検出することができるため、この画像に基づいて得られた回転角度位置が、所定の許容角度範囲にあるか否かを判定することによって、回転指針の指示誤差の適否を判定すること(指度検査)ができる。
【0033】
しかも、指度検査に用いる機器とスイープ検査に用いる機器とを兼用しつつ同時に使用することができるため、指度検査とスイープ検査とを同時に並行して行うことができるとともに、検査工数および使用機器を低減することができる。この結果、検査用の占有スペースも低減し、検査工程に掛るコストを低減することができる。
【0034】
また、回転指針の回転可動角度全域をこの回転指針が回転している期間中に、等時間間隔で上述した画像を取得することにより、従来は、代表的な数個の特定回転角度位置においてのみ実施されていた指度検査を、回転指針の回転可動角度全域(ただし、等時間間隔で画像が取得された回転角度位置に限る)で行うことができるため、検査品質を向上させることができる。
【0035】
なお、画像を取得する時間間隔を短く設定する程、回転指針の回転可動角度全域において、より小さい角度間隔ごとに多数の画像を取得することができるため、スイープ検査の精度および指度検査の精度を高めることができる。
【0036】
例えば、回転指針の回転可動角度全域を12(秒)で等角速度回転させるように回転指針を回転させ、1/60(秒)の等時間間隔で画像を取得する場合は、720個(=12/(1/60))の画像を取得することができ、この720個の回転角度位置における検査を行うことができる。
【0037】
なお、スイープ検査は、回転指針の動きの滑らかさを検査するものであるため、可能な限り多数の回転角度位置間で検査を行うのが好ましいが、指示値の誤差を検査する指度検査では、スイープ検査に比べて粗い回転角度間隔ごとに検査をすれば十分であるため、取得した画像の全てについて検査を行う必要はなく、また、スイープ検査と指度検査とを同一回転角度間隔で行う必要もない。
【0038】
もちろん、スイープ検査についても、取得した画像の全てについて検査を行う必要はない。
【0039】
なお、以上の説明は、以下の検査装置の発明および検査プログラムの発明においても同様である。
【0040】
また、本発明に係る車両計器装置の検査装置は、本発明に係る検査方法を実施する装置である。
【0041】
すなわち、本発明の請求項2に係る車両計器装置の検査装置は、文字板に回転指針が設けられた車両計器装置を検査する検査装置において、前記回転指針を前記文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号を発生する疑似信号発生手段と、前記検査用疑似信号によって回転された前記回転指針の回転中における等時間間隔ごとの、前記回転指針の画像を取得する画像取得手段と、前記取得された回転指針の画像に基づいて、前記回転指針の回転角度位置を検出する回転角度位置検出手段と、前記検出された回転角度位置に基づいて前記回転指針の指示誤差の適否を判定する指度判定手段と、時系列的に相前後する前記画像間における前記回転指針の回転角度の均一性に応じて該回転指針の動きの円滑性の適否を判定するスイープ判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0042】
ここで、疑似信号発生手段としては、回転指針が車両計器装置として作動するときに外部から与えられる電気信号もしくは磁気信号等を模した信号であって等角速度で回転指針を回転させるような検査用の信号を生成するものをいい、例えばクロック発生器とこのクロック数を時系列的に比例増加させる逓倍器などを組み合わせた回路などを適用することができる。
【0043】
また、画像取得手段としては、例えばCCDカメラやCMOSカメラ等の画像撮影装置であってもよいし、時間的に連続して映像を撮影する画像撮影装置と、この画像撮影装置によって得られた映像に対して等時間間隔ごとのサンプリングを行うサンプリング手段とを組み合わせたものであってもよい。
【0044】
回転角度位置検出手段としては、例えば、回転指針の画像部分の延在方向をハフ変換等によって求め、この延在方向に基づいて回転角度位置を検出するものなどを適用することができる。
【0045】
なお、取得された画像に、回転指針の画像以外の文字板の像等が重畳的に写り込んでいる場合には、例えばスケルトン処理や輪郭抽出処理、あるいはパターン認識処理などの各種画像認識処理を施して、回転指針の画像のみを抽出すればよく、回転角度位置検出手段に、このような抽出処理を行う抽出処理手段を付加してもよい。
【0046】
また、所定の等時間間隔が適当に累積した所定の時間経過時における回転指針の回転角度位置は、計算によって、または実験的に、予め求めることができる。
【0047】
したがって、指示判定手段は、この予め求められた回転角度位置を、比較対象である基準回転角度位置として記憶しておき、上記画像に基づいて得られた回転角度位置とこの基準回転角度位置との角度差に応じて、回転指針の指示誤差の適否を判定するものであればよい。
【0048】
なお、画像に基づいて得られた回転角度位置とこの基準回転角度位置との角度差の許容値は、その計器装置の種類(適用用途)に応じて異なるものとして設定することもできる。
【0049】
スイープ判定手段は、時系列的に相前後する画像間における回転指針の回転角度の均一性に応じて回転指針の動きの円滑性の適否を判定するが、回転角度の均一性の判定基準については、例えば熟練度の高い検査員による官能検査の適否判定結果と対応する判定結果を得られるように設定すればよい。
【0050】
なお、上述した回転角度位置検出手段、指度判定手段およびスイープ判定手段は、それぞれ物理的に独立してた構成であってもよいし、これら3つの機能を兼ねた物理的に1つの構成要素(CPU、画像分析装置等)によって構成してもよい。
【0051】
このように構成された本発明の請求項2に係る車両計器装置の検査装置によれば、疑似信号発生手段が、回転指針を文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号を発生し、この検査用疑似信号によって回転された回転指針が回転している期間中における等時間間隔ごとの、回転指針の画像を画像取得手段が取得し、回転角度位置検出手段が、得られた回転指針の画像に基づいて回転指針の回転角度位置を検出し、指度判定手段が、この検出された回転角度位置に基づいて回転指針の指示誤差の適否を判定し、スイープ判定手段が、時系列的に相前後する画像間における回転指針の回転角度の均一性に応じて回転指針の動きの円滑性の適否を判定する。
【0052】
したがって、従来は、目視による官能検査に頼っていたスイープ検査を、取得された画像に基づいて自動化することができ、官能検査員の熟練度の差異等に起因する判定結果のバラツキを排除して検査精度を安定させることができ、車両計器装置の品質を向上させることができる。
【0053】
また、取得された回転指針の画像に基づいて、各画像における回転指針の回転角度位置そのものも検出することができるため、この画像に基づいて得られた回転角度位置が、所定の許容角度範囲にあるか否かを判定することによって、回転指針の指示誤差の適否を判定すること(指度検査)ができる。
【0054】
しかも、指度検査に用いる機器とスイープ検査に用いる機器とを兼用しつつ同時に使用することができるため、指度検査とスイープ検査とを同時に並行して行うことができるとともに、検査工数および使用機器を低減することができる。この結果、検査用の占有スペースも低減し、検査工程に掛るコストを低減することができる。
【0055】
また、回転指針の回転可動角度全域をこの回転指針が回転している期間中に、等時間間隔で上述した画像を取得することにより、従来は、代表的な数個の特定回転角度位置においてのみ実施されていた指度検査を、回転指針の回転可動角度全域(ただし、等時間間隔で画像が取得された回転角度位置に限る)で行うことができるため、検査品質を向上させることができる。
【0056】
なお、画像を取得する時間間隔を短く設定する程、回転指針の回転可動角度全域において、より小さい角度間隔ごとに多数の画像を取得することができるため、スイープ検査の精度および指度検査の精度を高めることができる。
【0057】
また、本発明の請求項3に係る車両計器装置の検査装置は、請求項2に係る車両用計器装置の検査装置に対して、疑似信号発生手段が、車両用計器装置に設けられた構成において相違するものである。
【0058】
すなわち、本発明の請求項3に係る車両計器装置の検査装置は、文字板に回転指針が設けられ車両計器装置を検査する検査装置において、前記車両計器装置が、前記回転指針を前記文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号を発生する疑似信号発生手段を有し、前記検査用疑似信号によって回転された前記回転指針の回転中における等時間間隔ごとの、前記回転指針の画像を取得する画像取得手段と、前記取得された回転指針の画像に基づいて、前記回転指針の回転角度位置を検出する回転角度位置検出手段と、前記検出された回転角度位置に基づいて前記回転指針の指示誤差の適否を判定する指度判定手段と、時系列的に相前後する前記画像間における前記回転指針の回転角度の均一性に応じて該回転指針の動きの円滑性の適否を判定するスイープ判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0059】
このように構成された本発明の請求項3に係る車両計器装置の検査装置によれば、車両計器装置に備えられた疑似信号発生手段が、回転指針を文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号を発生し、この検査用疑似信号によって回転された回転指針が回転している期間中における等時間間隔ごとの、回転指針の画像を画像取得手段が取得し、回転角度位置検出手段が、得られた回転指針の画像に基づいて回転指針の回転角度位置を検出し、指度判定手段が、この検出された回転角度位置に基づいて回転指針の指示誤差の適否を判定し、スイープ判定手段が、時系列的に相前後する画像間における回転指針の回転角度の均一性に応じて回転指針の動きの円滑性の適否を判定する。
【0060】
したがって、従来は、目視による官能検査に頼っていたスイープ検査を、取得された画像に基づいて自動化することができ、官能検査員の熟練度の差異等に起因する判定結果のバラツキを排除して検査精度を安定させることができ、車両計器装置の品質を向上させることができる。
【0061】
また、取得された回転指針の画像に基づいて、各画像における回転指針の回転角度位置そのものも検出することができるため、この画像に基づいて得られた回転角度位置が、所定の許容角度範囲にあるか否かを判定することによって、回転指針の指示誤差の適否を判定すること(指度検査)ができる。
【0062】
しかも、指度検査に用いる機器とスイープ検査に用いる機器とを兼用しつつ同時に使用することができるため、指度検査とスイープ検査とを同時に並行して行うことができるとともに、検査工数および使用機器を低減することができる。この結果、検査用の占有スペースも低減し、検査工程に掛るコストを低減することができる。
【0063】
また、回転指針の回転可動角度全域をこの回転指針が回転している期間中に、等時間間隔で上述した画像を取得することにより、従来は、代表的な数個の特定回転角度位置においてのみ実施されていた指度検査を、回転指針の回転可動角度全域(ただし、等時間間隔で画像が取得された回転角度位置に限る)で行うことができるため、検査品質を向上させることができる。
【0064】
なお、画像を取得する時間間隔を短く設定する程、回転指針の回転可動角度全域において、より小さい角度間隔ごとに多数の画像を取得することができるため、スイープ検査の精度および指度検査の精度を高めることができる。
【0065】
また、車両計器装置が疑似信号発生手段を備えているため、この車両計器装置に対して、外部から検査用疑似信号等を入力する必要がなく、検査装置の構成を簡素化することができるとともに、車両計器装置と検査装置との接続を簡単化し、あるいは有線での接続を不要とすることができる。
【0066】
すなわち、車両計器装置に対して回転指針を回転させるための検査用疑似信号を付与する必要がないため、単に車両計器装置と検査装置との動作の同期を得るためのみの信号線で接続し、あるいは、無線によって交信させることも可能となる。
【0067】
また、本発明に係る検査プログラムは、コンピュータに読み込まれて、本発明に係る車両計器装置の検査方法をコンピュータに実行させるアプリケーションプログラムである。
【0068】
すなわち、本発明の請求項4に係る車両計器装置用検査プログラムは、コンピュータに読み込まれて、文字板に回転指針が設けられた車両計器装置を検査する処理を、前記コンピュータに実行させる検査プログラムであって、前記回転指針を前記文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号を入力する処理、前記検査用疑似信号によって回転された前記回転指針の回転中における等時間間隔ごとの、前記回転指針の画像を取得する処理、前記取得された回転指針の画像に基づいて、前記回転指針の回転角度位置を検出する処理、前記検出された回転角度位置に基づいて前記回転指針の指示誤差の適否を判定する処理、および、時系列的に相前後する前記画像間における前記回転指針の回転角度の均一性に応じて該回転指針の動きの円滑性の適否を判定する処理、を前記コンピュータに順次実行させることを特徴とする。
【0069】
このように構成された本発明の請求項4に係る車両計器装置用検査プログラムによれば、従来は、目視による官能検査に頼っていたスイープ検査を、取得された画像に基づいて自動化することができ、官能検査員の熟練度の差異等に起因する判定結果のバラツキを排除して検査精度を安定させることができ、車両計器装置の品質を向上させることができる。
【0070】
また、取得された回転指針の画像に基づいて、各画像における回転指針の回転角度位置そのものも検出することができるため、この画像に基づいて得られた回転角度位置が、所定の許容角度範囲にあるか否かを判定することによって、回転指針の指示誤差の適否を判定すること(指度検査)ができる。
【0071】
しかも、指度検査に用いる機器とスイープ検査に用いる機器とを兼用しつつ同時に使用することができるため、指度検査とスイープ検査とを同時に並行して行うことができるとともに、検査工数および使用機器を低減することができる。この結果、検査用の占有スペースも低減し、検査工程に掛るコストを低減することができる。
【0072】
また、回転指針の回転可動角度全域をこの回転指針が回転している期間中に、等時間間隔で上述した画像を取得することにより、従来は、代表的な数個の特定回転角度位置においてのみ実施されていた指度検査を、回転指針の回転可動角度全域(ただし、等時間間隔で画像が取得された回転角度位置に限る)で行うことができるため、検査品質を向上させることができる。
【0073】
なお、画像を取得する時間間隔を短く設定する程、回転指針の回転可動角度全域において、より小さい角度間隔ごとに多数の画像を取得することができるため、スイープ検査の精度および指度検査の精度を高めることができる。
【0074】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両計器装置の検査方法および検査装置並びに車両計器用検査プログラムの具体的な実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0075】
図1は、本発明に係る車両計器装置検査方法を実施する検査装置の一実施形態を示すブロック図、図2は、図1に示した検査装置の処理手順を示すフローチャート、図3(a)は、図2に示した指度判定(ステップ13(#13))の詳細を示すフローチャート、図3(b)は、図2に示したスイープ判定(#14)の詳細を示すフローチャートである。
【0076】
ここで、図1に示した車両計器装置(計器ユニット)10は、文字板13に回転指針12が設けられたスピードメータ11を備え、回転指針12は、所定の入力信号に応じて回転するように構成されている。
【0077】
また、このスピードメータ11には、計器ユニット10を検査する検査装置100が接続されて、回転指針12を文字板13に対して等角速度ωで回転させるための検査用疑似信号Sを発生するCPU(疑似信号発生手段)14が備えられている。
【0078】
一方、図示の検査装置100は、検査用疑似信号Sによって回転された回転指針12の回転中における等時間間隔Δtごとの、回転指針12の画像Pi(i=1,2,…)を撮影するCCDカメラ(画像取得手段)20と、このCCDカメラ20によって得られた回転指針12の画像Piに基づいて、回転指針12の回転角度位置θiを検出する回転角度位置検出手段31と、検出された回転角度位置θiに基づいて回転指針12の指示誤差(角度差)Δθiの合否を判定する指度判定手段32と、時系列的に相前後する画像(P(i−1),Pi)間における回転指針12の回転角度αi(=θi−θ(i−1))の、回転指針12の可動範囲全域における均一性に応じて回転指針12の動きの円滑性の合否を判定するスイープ判定手段33と、これら指度判定手段32およびスイープ判定手段33の判定結果を表示出力するモニタ40とを備えている。
【0079】
ここで、回転角度位置検出手段31、指度判定手段32、およびスイープ判定手段33は、検査装置100のCPU30に組み込まれている。
【0080】
また、スピードメータ11の文字板13には、図4に示すように、0km/hから200km/hまでの車速範囲で、20km/hごとに数値が記載されているとともに、これら速度間隔20km/hの間には、概略速度を把握可能にする放射線の指標が記載されている。
【0081】
回転指針12は、この車速0km/hから200km/hまでの角度Θの範囲で回転可能となっている。なお、本実施形態におけるスピードメータ11においては、上記角度Θは概略225度である。
【0082】
そして、回転指針12は、車載状態においては、車両のトランスミッション等に設けられた車速センサから入力されるパルス信号のパルス数に応じた車速を指し示すように、構成されており、一定のパルス数のパルス信号が入力されているときは、一定の車速を指し示す。
【0083】
これに対して、スピードメータ11に設けられたCPU14が発生する検査用疑似信号Sは、車載状態において車速センサから入力されるパルス信号を模した信号であるが、そのパルス数は、時間tの経過に比例して増加するように構成されている。
【0084】
したがって、この検査用疑似信号Sは、回転指針12をその可動範囲(角度Θの範囲)において等角速度ω(=Θ/t)で回転させる。
なお、本実施形態においては、Θ≒225度であり、この可動範囲を概略10秒(t=10)で回転完了するため、角速度ωは22.5度/秒であり、経過時間tと指示車速値(回転角度)との関係は、図5のグラフに示すものとなる。
【0085】
CCDカメラ20が撮影する時間間隔Δtは、ここでは1秒間隔として説明するが、これは説明を簡明化するためであり、実際には1秒よりも短い時間間隔で画像が取得される。
【0086】
このような撮影タイミングで撮影が行われることによって、回転指針12が可動範囲Θの全範囲を回転する間に、10枚の画像Piが撮影される。なお、撮影間隔である時間間隔Δtのタイミングは、回転指針12の回転開始のタイミングと同期するように、検査装置100のCPU30によって設定される。
【0087】
回転角度位置検出手段31は、得られた回転指針12の画像Piに基づいて、回転指針12の回転角度位置θiを検出するが、この撮影された画像Piには、実際には、回転指針12のほか、例えば文字板13も重畳的に写り込んでいる。
【0088】
そこで、回転角度位置検出手段31は、撮影して得られた画像Piに対して、例えばスケルトン処理や輪郭抽出処理、あるいはパターン認識処理などの各種画像認識処理を施して、回転指針12の画像Piのみを抽出している。
【0089】
回転角度位置検出手段31による、回転角度位置θiの検出は、回転指針12の画像Piに対してハフ変換処理等の画像処理を施すことによって行われる。
【0090】
指度判定手段32は、予め記憶されている基準回転角度位置θi′と検出された回転角度位置θiとの角度差(指示誤差)Δθiを算出して、この角度差Δθiが許容範囲であれば、合格判定の結果を出力し、角度差Δθiが許容範囲外であれば、不合格判定の結果を出力する。
【0091】
スイープ判定手段33は、時系列的に相前後する画像(P(i−1),Pi)間における回転指針12の回転角度αi(=θi−θ(i−1))を算出し、可動範囲Θの全範囲分について、回転角度αiの分散値等均一性を表す指標値を算出し、この指標値が許容範囲であれば、合格判定の結果を出力し、指標値が許容範囲外であれば、合格判定の結果を出力する。
【0092】
次に、本実施形態の車両計器装置の検査装置100の作用について、図2および3に示したフローチャートを参照して説明する。
【0093】
まず、検査装置100のCPU30から、計器ユニット10のCPU14に、検査開始の同期信号が入力され、計器ユニット10のCPU14は、回転指針12を文字板13に対して等角速度ωで回転させるための検査用疑似信号Sを発生する(ステップ1(#1))。
【0094】
そして、この検査用疑似信号Sは回転指針12を等角速度ωで、その可動範囲Θの0km/h指示位置から回転を開始し(#2)、200km/h指示位置の回転終了まで回転する(#3)。
【0095】
可動範囲Θの終端側である200km/h指示位置に達すると回転指針12の回転は停止し(#4)、回転指針12は初期位置である0km/h指示位置まで戻されて、計器ユニット10側の動作は終了する。
【0096】
一方、回転指針12が等角速度ωで回転している期間中(#2〜#4)、CPU30の制御によって、CCDカメラ20が、回転指針12の画像Piを毎秒1枚の等時間間隔で撮影し(#11)、この撮影された各画像Piは、回転角度位置検出手段31に順次入力される。
【0097】
各画像Piが入力された回転角度位置検出手段31は、各画像Piに画像認識処理を施して、回転指針12の画像Piのみを抽出し、回転指針12の画像Piに対してハフ変換処理等の画像処理を施して、各画像Piにおける回転指針12の像の回転角度位置θiをそれぞれ検出する(#12)。
【0098】
次いで、各画像Piごとに検出された回転角度位置θiは、指度判定手段32およびスイープ判定手段33にそれぞれ入力され、指度判定手段32による指度判定(#13)およびスイープ判定手段33によるスイープ判定(#14)に供される。
【0099】
ここで、指度判定(#13)の処理は、図3(a)に示すように、回転指針12の回転開始時t0(=0)からの各経過時間ti(t1=0+Δt,t(i+1)=ti+Δt)ごとに予め設定された各基準回転角度位置θi′と、検出された各回転角度位置θiとの角度差(指示誤差)Δθiを算出し(#13a)、この角度差Δθiが許容範囲であれば、合格判定の結果を出力し(#13b,#13c)、角度差Δθiが許容範囲外であれば、不合格判定の結果を出力する(#13b,#13d)。
【0100】
そして、この指度判定の結果は、回転指針12の各画像Piが撮影された各時点における、文字板13上の数値と回転指針12の指示位置との位置ずれ(指示誤差)が許容範囲か否かを表している。
【0101】
一方、スイープ判定(#14)の処理は、図3(b)に示すように、検出された各回転角度位置θiのうち、時系列的に相前後する画像(P(i−1),Pi)間における回転指針12の回転角度αi(=θi−θ(i−1))を算出し(#14a)、可動範囲Θの全範囲分について、回転角度αiの分散値等均一性を表す指標値を算出し(#14b)、この指標値が許容範囲であれば、合格判定の結果を出力し(#14c,#14d)、指標値が許容範囲外であれば、合格判定の結果を出力する(#14c,#14e)。
【0102】
そして、このスイープ判定の結果は、各撮影の間に回転指針12が回転した角度αiの均一性、すなわち回転指針12の回転ムラや引っ掛かりが許容範囲か否かを表している。
【0103】
以上の指度判定結果およびスイープ判定結果は、モニタ40に出力され、モニタ40にこれらの判定結果が表示出力される(#15)。
【0104】
このように、本実施形態の車両計器装置の検査装置100およびその作用である検査方法によれば、検査員の目視による官能検査に頼っていたスイープ検査を、取得された画像Piに基づいて自動化することができ、官能検査員の熟練度の差異等に起因する判定結果のバラツキを排除して検査精度を安定させることができ、計器ユニット100の品質を向上させることができる。
【0105】
また、取得された回転指針12の画像Piに基づいて、各画像Piにおける回転指針12の各回転角度位置θiそのものも検出することができるため、これら画像Piに基づいて得られた各回転角度位置θiが、基準の許容角度範囲にあるか否かを判定することによって、回転指針12の指示誤差の適否を判定すること(指度検査)ができる。
【0106】
しかも、指度検査とスイープ検査とを、単一の検査装置100によって、同時に、かつ並行して行うことができるため、指度検査用の検査工程および検査装置とスイープ検査用の検査工程および検査装置とを、各別に準備する必要がなく、検査工程に掛るコストをトータル的に低減することができる。
【0107】
なお、検査用の占有スペースも縮減することができ、この観点からも、検査コストを低減することができる。
【0108】
また、回転指針12の回転可動角度Θ全域をこの回転指針12が回転している期間中に、等時間間隔Δtで画像Piを取得することにより、従来は、代表的な数個の特定回転角度位置においてのみ実施されていた指度検査を、回転指針12の回転可動角度Θ全域(ただし、等時間間隔で画像が取得された回転角度位置に限る)で行うことができるため、検査品質を向上させることができる。
【0109】
なお、本実施形態においては、説明の簡明化のため、画像Piを取得する時間間隔Δtを1秒としたが、この時間間隔Δtを短く設定する程、回転指針12の回転可動角度Θ全域において、より小さい角度間隔αiごとに多数の画像Piを取得することができるため、スイープ検査の精度および指度検査の精度を高めることができる。
【0110】
また、計器ユニット10がCPU14を備えているため、この計器ユニット10に対して、計器ユニット10の外部から検査用疑似信号Sを入力する必要がなく、検査装置100側で疑似信号発生手段を備えた構成の検査装置に比べて、構成を簡素化することができるとともに、計器ユニット10と検査装置100との接続を簡素化し、あるいは有線での接続を不要とすることもできる。
【0111】
なお、本実施形態の検査装置100は、上述したように、CPU14を有する計器ユニット10を対象としたものであるが、検査用疑似信号Sを発生するCPU14を有しない計器ユニット10をも検査対象とすべく、検査用疑似信号Sを発生する疑似信号発生手段を備えた検査装置としてもよく、このように疑似信号発生手段を備えた検査装置も、本発明に係る車両計器装置の検査装置の一実施形態とすることができる。
【0112】
また、所定の情報処理装置(コンピュータ等)に読み込まれて、図2および3に示したフローチャートの処理内容を、CPU30に実行させる検査プログラムは、本発明に係る車両計器用検査プログラムの一実施形態である。
【0113】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る車両計器装置の検査方法および検査装置並びに車両計器装置用検査プログラムによれば、従来は、目視による官能検査に頼っていたスイープ検査を、取得された画像に基づいて自動化することができ、官能検査員の熟練度の差異等に起因する判定結果のバラツキを排除して検査精度を安定させることができ、車両計器装置の品質を向上させることができる。
【0114】
また、取得された回転指針の画像に基づいて、各画像における回転指針の回転角度位置そのものも検出することができるため、この画像に基づいて得られた回転角度位置が、所定の許容角度範囲にあるか否かを判定することによって、回転指針の指示誤差の適否を判定すること(指度検査)ができる。
【0115】
しかも、指度検査に用いる機器とスイープ検査に用いる機器とを兼用しつつ同時に使用することができるため、指度検査とスイープ検査とを同時に並行して行うことができるとともに、検査工数および使用機器を低減することができる。この結果、検査用の占有スペースも低減し、検査工程に掛るコストを低減することができる。
【0116】
また、回転指針の回転可動角度全域をこの回転指針が回転している期間中に、等時間間隔で上述した画像を取得することにより、従来は、代表的な数個の特定回転角度位置においてのみ実施されていた指度検査を、回転指針の回転可動角度全域(ただし、等時間間隔で画像が取得された回転角度位置に限る)で行うことができるため、検査品質を向上させることができる。
【0117】
なお、画像を取得する時間間隔を短く設定する程、回転指針の回転可動角度全域において、より小さい角度間隔ごとに多数の画像を取得することができるため、スイープ検査の精度および指度検査の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両計器装置検査方法を実施する検査装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示した検査装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】(a)は図2に示した指度判定の詳細を示すフローチャート、(b)は図2に示したスイープ判定の詳細を示すフローチャートである。
【図4】スピードメータの詳細を示す模式図である。
【図5】経過時間tと指示車速値(回転角度)との関係を示すグラフであり、実線は理論値(基準)、破線は検査対象のスピードメータについてのものである。
【符号の説明】
10 計器ユニット
11 スピードメータ
12 回転指針
13 文字板
14 CPU
20 CCDカメラ
30 CPU
31 回転角度位置検出手段
32 指度判定手段
33 スイープ判定手段
40 モニタ
100 検査装置
Claims (4)
- 文字板に回転指針が設けられた車両計器装置を検査する検査方法において、
前記回転指針を前記文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号を前記車両計器装置に入力し、
前記検査用疑似信号によって回転された前記回転指針の回転中における等時間間隔ごとの、前記回転指針の画像を取得し、
前記取得された回転指針の画像に基づいて、前記回転指針の回転角度位置を検出し、
前記検出された回転角度位置に基づいて前記回転指針の指示誤差の適否を判定するとともに、時系列的に相前後する前記画像間における前記回転指針の回転角度の均一性に応じて該回転指針の動きの円滑性の適否を判定することを特徴とする車両計器装置の検査方法。 - 文字板に回転指針が設けられた車両計器装置を検査する検査装置において、
前記回転指針を前記文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号を発生する疑似信号発生手段と、
前記検査用疑似信号によって回転された前記回転指針の回転中における等時間間隔ごとの前記回転指針の画像を取得する画像取得手段と、
前記取得された回転指針の画像に基づいて、前記回転指針の回転角度位置を検出する回転角度位置検出手段と、
前記検出された回転角度位置に基づいて前記回転指針の指示誤差の適否を判定する指度判定手段と、
時系列的に相前後する前記画像間における前記回転指針の回転角度の均一性に応じて該回転指針の動きの円滑性の適否を判定するスイープ判定手段とを備えたことを特徴とする車両計器装置の検査装置。 - 文字板に回転指針が設けられた車両計器装置を検査する検査装置において、
前記車両計器装置が、前記回転指針を前記文字板に等角速度で回転させるための検査用疑似信号を発生する疑似信号発生手段を有し、
前記検査用疑似信号によって回転された前記回転指針の回転中における等時間間隔ごとの前記回転指針の画像を取得する画像取得手段と、
前記取得された回転指針の画像に基づいて、前記回転指針の回転角度位置を検出する回転角度位置検出手段と、
前記検出された回転角度位置に基づいて前記回転指針の指示誤差の適否を判定する指度判定手段と、
時系列的に相前後する前記画像間における前記回転指針の回転角度の均一性に応じて該回転指針の動きの円滑性の適否を判定するスイープ判定手段とを備えたことを特徴とする車両計器装置の検査装置。 - コンピュータに読み込まれて、文字板に回転指針が設けられた車両計器装置を検査する処理を、前記コンピュータに実行させる検査プログラムであって、
前記回転指針を前記文字板に対して等角速度で回転させるための検査用疑似信号を前記車両計器装置に入力する処理、
前記検査用疑似信号によって回転された前記回転指針の回転中における等時間間隔ごとの、前記回転指針の画像を取得する処理、
前記取得された回転指針の画像に基づいて、前記回転指針の回転角度位置を検出する処理、
前記検出された回転角度位置に基づいて前記回転指針の指示誤差の適否を判定する処理、および、時系列的に相前後する前記画像間における前記回転指針の回転角度の均一性に応じて該回転指針の動きの円滑性の適否を判定する処理、
を前記コンピュータに順次実行させることを特徴とする車両計器装置用検査プログラム。
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