JP2004325138A - 試料供給装置及びこれを用いた測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料溶液が少量であっても、測定部位が常に試料溶液に浸っている状態で、残留する試料溶液に汚染されることなく、測定後の試料溶液を新しい試料溶液と置換することができる試料供給装置を提供する。
【解決手段】試料溶液を注入する注入口5に吐出装置6の先端部を密着した状態における該先端部及びフローセル2間の流路の容積をフローセル2の容積の0.2倍以上、5倍以下とする。また、フローセル2から試料溶液を排出する排出口4と、排出された試料溶液が廃棄される排出部8との間に、逆流を防止するための堰7を設ける。試料溶液を供給してフローセル2内に試料溶液を充填させるとともに、排出部8に測定後の試料溶液を押し出すことにより、試料溶液の供給と、測定後の試料溶液の排出と、フローセル2の洗浄とを同時に行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料供給装置及びこれを用いた例えば表面プラズモン共鳴角検出装置等の測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、臨床、化学又は製薬等の分野における相互反応等を伴う分析装置では、測定部位に存在する試料溶液を新しい試料溶液と置換するためには、試料溶液を排出した後、新しい試料溶液を供給することや、送液ポンプ等を用い連続的に新しい試料溶液を送液することが必要である。
【0003】
ところが、試料溶液が少量の場合には、送液ポンプ等を用いる方法では、ポンプ羽根の回転に伴って空気が混入しやすく、混入した空気により、試料溶液の屈折率等が変動して、正確な分析を行うことができない。これを回避するにはポンプ室内に試料溶液を充填しておく必要があるが、そのためには、多くの試料溶液が必要であり、試料溶液が少量の場合には、空気の混入が避けられない。
【0004】
試料溶液が少量の場合における空気の混入の問題を解決するために、フローセルの試料供給側及び試料排出側にそれぞれ形成されたセルブロックの各通路に、吸引吐出具のチップと一致する形状の装着部を有した供給アダプター及び回収アダプターをそれぞれ接続し、供給アダプターの装着部内に吸引吐出具のチップを密着させた状態で吸引吐出具から試料溶液を供給してフローセル内に充満させて測定を可能にするとともに、測定後に回収アダプターの装着部内に吸引吐出具のチップを差し込んでフローセル内の試料溶液を吸引回収する測定装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。かかる装置は、少量の試料溶液であっても、空気の混入を防止しながらフローセル内に試料溶液を充満させることができるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−65731号公報(平成12(2000)年3月3日公開)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記先行技術は試料溶液が少量である場合の供給方法を提供するものではあるが、供給アダプターに形成されている吸引吐出具のチップが装着される装着部とフローセルの試料供給側の流路がパイプで連結されているため、フローセルの容積に対する流路全体の容積が大きく、試料溶液の量もかかる容積に応じた量が必要である。また、上記流路全体に残留する測定後の試料溶液を新しい試料溶液で洗浄する場合にはさらに多くの試料溶液が必要となる。
【0007】
また、上記先行技術では、試料溶液を排出する排出部が形成されていないため、測定後の試料溶液を吸引により排出する必要がある。従って、試料溶液を吸引により排出するときに、測定部位は試料溶液に浸っていない状態となるので、測定部位に吸着する反応素子が生体分子などであれば、乾燥により構造が変化し、測定に影響を与える可能性を排除しきれない。
【0008】
さらに、測定に関わる検出原理において乾燥状態になると大きな信号ノイズを拾うものであれば、乾燥状態を防ぐために試料溶液を若干残す必要がある。しかし、残した測定後の試料溶液の存在により、新しい試料溶液が汚染され測定の誤差を招来することになる。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、少量の試料溶液で、測定後の試料溶液を新しい試料溶液と置換することができる試料供給装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、測定部位が常に試料溶液に浸っている状態で、残留する試料溶液に汚染されることなく、測定後の試料溶液を新しい試料溶液と置換することができる試料供給装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる試料供給装置は、上記の課題を解決するために、測定に供される試料溶液が充填されるフローセルと、フローセルに試料溶液を注入する注入口と、フローセルから試料溶液を排出する排出口とを備えた試料供給装置において、上記注入口は、試料溶液を吐出する吐出装置の先端部形状と一致した形状を有するとともに、上記注入口に吐出装置の先端部を密着した状態における、該先端部及びフローセル間の流路の容積が、フローセルの容積の0.2倍以上、5倍以下であることを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、試料溶液を供給する流路全体の容積の、フローセルの容積に対する割合が相対的に小さいので、測定後の試料溶液を新しい試料溶液と置換するときに必要な試料溶液の量を従来よりも少なくすることができる。
【0013】
また、本発明にかかる試料供給装置は、上記の課題を解決するために、測定に供される試料溶液が充填されるフローセルと、フローセルに試料溶液を注入する注入口と、フローセルから試料溶液を排出する排出口とを備えた試料供給装置において、排出口と、排出された試料溶液が廃棄される排出部との間に、逆流を防止するための堰が設けられていることを特徴としている。
【0014】
上記の構成によれば、注入口に新しい試料溶液を供給してフローセル内に試料溶液を充填させるとともに、排出口から堰を経て排出部に測定後の試料溶液を押し出すことにより、試料溶液の供給及び排出と、フローセルの洗浄とを同時に行うことができる。従って、測定部位が常に試料溶液に浸っている状態で、残留する試料溶液に汚染されることなく、測定後の試料溶液を新しい試料溶液と置換することができる。
【0015】
また、本発明にかかる測定装置は、上記試料供給装置を用いることを特徴としている。また、本発明にかかる表面プラズモン共鳴角検出装置は、上記試料供給装置を用いることを特徴としている。
【0016】
これにより、乾燥による測定への影響や、残留する試料溶液による汚染を排除して、精度の高い測定が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる試料供給装置について図1、2に基づいて説明する。図1は本発明にかかる試料供給装置の概略の構成を示す縦断面図である。図2は図1のA−A線矢視断面図である。
【0018】
本発明にかかる試料供給装置は、測定に供される試料溶液が充填されるフローセルと、フローセルに試料溶液を注入する注入口と、フローセルから試料溶液を排出する排出口とを備えており、上記注入口が、試料溶液を吐出する吐出装置の先端部形状と一致した形状を有するとともに、上記注入口に吐出装置の先端部を密着した状態における該先端部及びフローセル間の流路の容積が、フローセルの容積の0.2倍以上、5倍以下である構成である。
【0019】
また、本発明にかかる試料供給装置は、測定に供される試料溶液が充填されるフローセルと、フローセルに試料溶液を注入する注入口と、フローセルから試料溶液を排出する排出口とを備えており、排出口と、排出された試料溶液が廃棄される排出部との間に、逆流を防止するための堰が設けられている構成である。
【0020】
図1に示すように、試料供給装置1は、測定装置の検出部位10にOリング(圧接部位)9が圧接されることによって形成されるフローセル2と、フローセル2に試料溶液を注入する注入口5と、測定後の試料溶液を排出する排出口4と、排出された試料溶液が廃棄される排出部8と、逆流を防止するための堰7と、Oリング9とを備えている。
【0021】
フローセル2は、試料供給装置1の下面中央部に形成されている。フローセルとは、試料溶液へ光源からの光を照射するために用いる流路のことである。フローセル2は、図2に示すように、横断面が例えば楕円形であり、端部には注入口5及び排出口4がそれぞれ形成されている。注入口5及び排出口4はフローセル2の端部から上方にむけて形成されている。
【0022】
フローセル2は、図1のように、Oリング9が検出部位10に圧接されることにより、閉じた空間として形成される。なお、フローセル2は、密閉されたものであってもよい。
【0023】
注入口5の上部は、吐出装置6の先端部形状とほぼ一致する円錐形のテーパ構造を有している。テーパ構造を有することで、吐出装置6の先端部導入の簡便性及び密着性を向上させることができる。テーパ構造は、4度〜10度であることが好ましく、7度〜10度であることがより好ましく、8度であることがさらに好ましい。
【0024】
また、注入口5に吐出装置6の先端部を密着した状態における該先端部及びフローセル2間の流路の容積は、フローセル2の容積の0.2倍以上、5倍以下であることが好ましく、0.5倍以上、2.0倍以下であることがさらに好ましい。これにより、試料溶液を供給する流路全体の容積の、フローセルの容積に対する割合が相対的に小さいので、測定後の試料溶液を新しい試料溶液と置換するときに必要な試料溶液の量を従来よりも少なくすることができる。
【0025】
注入する試料溶液は少量であってもよく、例えば、50μL程度でもよく、20μL程度とすることもできる。
【0026】
吐出装置6としては、例えばピペット、シリンジ等が挙げられるが、特に限定されるものではない。シリンダー構造(注射器構造)を有し、注入量に応じてピストンストロークを可変調節することができ、定量注入が可能な自動ピペットでもよい。
【0027】
吐出装置6には、先端部として、シリコーンゴム等の弾性材料で、円錐体形のチップが交換可能に取り付けられていることが好ましい。このチップにより、吐出装置6と、テーパ構造を有している注入口5との密着性が向上する。
【0028】
排出部8は、排出口4の排出側に、逆流を防止するための堰7を介して設けられている。排出口4から押し出された試料溶液は排出部8に廃棄される。排出部8と排出口4との間に堰7を設けることにより、測定後の試料溶液は新しい試料溶液によって排出部8に押し出され、逆流することはない。
【0029】
排出部8は測定後の試料溶液が廃棄されることができるものであれば、その構成は特に限定されない。例えば図1に示すような廃液だめであってもよく、廃液チューブをつないでもよく、吸水パット等で吸い取るものであってもよい。
【0030】
試料供給装置1を検出部位10に圧接するOリング9の材質としては、例えば、シリコーンゴム等が挙げられるが、フローセル2の機密性を確保することができるものであればよい。
【0031】
上記試料供給装置1を用いることにより、フローセル2を乾燥させることなく、測定後の試料溶液と、新しい試料溶液を置換することが可能となり、測定部位10に吸着する反応素子が生体分子等であるときに起こりうる乾燥による構造の変化を回避することができる。また、試料溶液を若干残す必要がある場合でも、少量の試料溶液で洗浄することができ、測定後の試料溶液による汚染を排除することができる。
【0032】
また、試料溶液を吸引回収する必要がないので、使用者の負担が軽減される。また、新しい試料溶液の供給を自動化することも可能である。
【0033】
上記の試料供給装置を用いた測定装置としては、例えば、表面プラズモン共鳴角検出装置、水晶振動子(QCM)法や蛍光吸光法による光量測定或いは電極測定等の測定装置が挙げられる。
【0034】
本発明にかかる測定装置の一例として、表面プラズモン共鳴角検出装置について図3、4に基づいて説明する。なお、以下の説明は、ある特定の構造を有する表面プラズモン共鳴角検出装置を例に挙げているが、本発明にかかる試料供給装置を用いることができる表面プラズモン共鳴角検出装置は、例示のもののみに限定されるものではない。図3は表面プラズモン共鳴角検出装置の概略の構成を示す縦断面図である。図4はガラス基板の取り付け状態を示す断面図である。
【0035】
図3に示すように、表面プラズモン共鳴角検出装置11のフレーム(図示せず)には金属製又は合成樹脂製の四角柱形状からなるプリズム保持体12が取付けられ、該プリズム保持体12には少なくとも一対の、上下方向に軸線を有した軸支孔12aが形成されている。また、プリズム保持体12の上部中央部には半円筒形状のプリズム13が取付けられる支持凹所12bが形成されており、プリズム13に対する光の入射側及び出射側に応じたプリズム保持体12には、光通路12c・12dが支持凹所12b及び外部と連通して対称に形成されている。各光通路12c・12dの通路幅はプリズム13に対する光の入射及び出射の角度がそれぞれ35〜80度、100〜145度の範囲になるように設定されている。
【0036】
プリズム保持体12の上部外縁には上方及び下方が開口した筒体14が取付けられており、該筒体14内にはセルブロック15が上下方向に摺動可能に支持されている。セルブロック15の下面には軸支孔12aに軸支されるガイドロット16の上端部が固定され、プリズム保持体12の下面から突出したガイドロット16の下端部には固定板17が取付けられている。該固定板17とプリズム保持体12下面との間におけるガイドロット16には、圧縮ばね等の弾性部材18が装着されている。そしてセルブロック15は弾性部材18の弾性力により軸線方向下方へ付勢されてプリズム保持体12の上面に圧接されている。
【0037】
本発明にかかる表面プラズモン共鳴角検出装置は前記試料供給装置1をセルブロックとして備えるものである。
【0038】
筒体14の下方、即ちプリズム13の上面及びセルブロック15の下面の間にはガラス基板19が相互に対して圧接可能に取り付けられ、セルブロック15側のガラス基板19上面には金薄膜及び銀薄膜の少なくともいずれかの金属薄膜(図示せず)が、フローセルとほぼ一致する大きさでイオンプレーティング法、スパッタ法及び蒸着法のいずれかにより成膜されている。なお、ガラス基板19の金属薄膜上には試料溶液内の特定の物質を検出する抗体や試薬等が測定に先立って付着されている。また、ガラス基板19にはガイドロット16に対応した切り欠き部が形成されている。
【0039】
入射側の光通路12cに応じたフレームには光源20が、また出射側の光通路12dに応じたフレームには、受光装置21がそれぞれ配置されている。光源20はプリズム13に対し、ガラス基板19の金属薄膜境界面で収束する上記した所要の入射角度幅からなる光を照射したり、プリズム13の外周に沿った円弧上を所要の角度幅で回動してスポット光をガラス基板19の金属薄膜境界面に照射する。また、受光装置21は、例えば上記角度幅に応じた長さのCCDやフォトダイオードアレイ等からなり、それぞれの角度毎に上記境界面からの反射光強度を検出する。
【0040】
表面プラズモン共鳴角検出装置は、検出部位を複数備えているものであってもよい。検出部位の数としては、8、12、96等が挙げられるが、これに限定されるものではない。かかる表面プラズモン共鳴角検出装置に用いられる場合は、対応する数の試料供給装置を備えたセルブロックが用いられる。
【0041】
以下に、一例として吐出装置としてマイクロピペットを用いた試料溶液の供給を含む、表面プラズモン共鳴角検出装置による測定の手順を示す。
【0042】
まず、図4に示すように、共鳴角を検出しようとする試料溶液に応じた抗体等が付着されたガラス基板19を筒体14に取り付ける。つまり、弾性部材18の弾性力に抗してガイドロット16を押し上げて筒体14に対してセルブロック15を上方へ移動してプリズム13の上面とセルブロック15下面との間に間隙を形成する。この状態にてガラス基板19を上記間隙に差し込んで金属薄膜をフローセルに一致させた後、ガイドロッド16の押し上げを終了する。これにより、セルブロック15を下方へ移動してガラス基板19の下面にプリズム13を、また上面にセルブロック15を弾性部材18の弾性力に応じた圧力でそれぞれ圧接させる。
【0043】
次に、マイクロピペットのチップを注入口5に挿入して弾性変形させながらテーパ面に密着した状態でマイクロピペットのピストンを押圧操作する。注入された試料溶液は、測定後の試料溶液を押し出して、注入口5、フローセル2及び排出口4に充填されるとともに、排出口4から排出部8に測定後の試料溶液及び過剰の新しい試料溶液を押し出す。このとき、注入口5上部のテーパ面に対してチップが弾性変形して密着しているため、試料溶液の押し出しに伴って空気が混入するのを回避し、フローセル2内に試料溶液のみを充填させることができる。また、堰7が形成されているので、チップを注入口5から抜き取っても、排出部8から試料溶液がフローセル内に逆流することはない。
【0044】
そしてフローセル2内に試料溶液が充填された状態でプリズム13の入射側に対して光源20から光を所要の角度幅で照射するとともにガラス基板19の金属薄膜境界面からの反射光を受光装置21により受光し、反射光の強度が最小、従ってフローセル2内に充填された試料溶液に対する光の吸光度が最大になる反射角度(共鳴角)を検出し、この共鳴角により試料成分を特定する。
【0045】
【実施例】
以下、上記試料供給装置を用いることにより、新しい試料溶液が測定後の試料溶液を押し出すことで、新しい試料溶液の供給、測定後の試料溶液の排出、及び洗浄が同時に行われたことを確認した実施例を示す。
【0046】
〔実施例〕
用いた試料供給装置のフローセルは横断面が楕円形であり、注入口及び排出口はフローセルの長軸側端部から垂直に上方にむけて形成され、注入口上部のテーパ構造の角度は8度であった。また、用いた試料供給装置は、排出部として廃液だめを、シリコーンゴムを材質とする0リングを有していた。
【0047】
上記の試料供給装置を、ガラス基板上に金属薄膜を蒸着した測定部位に装着し、表面プラズモン共鳴角検出装置(SPR−8B:日本レーザ電子株式会社)にて、リアルタイム測定を行った。なお、SPR−8Bは、ガイドロットを必要としない構造であり、従ってガラス基板に切り欠き部を形成しなかった。
【0048】
まず、フローセル内に、マイクロピペットによりリン酸緩衝液を充填した。そこにマイクロピペットにより、0.1mol/Lの塩酸溶液を注入し誘電率変化を測定した。マイクロピペットとしては、市販の電動ピペット(フィンピペットEMPマルチ 8CH(商品名))を使用し、インジェクトモード”Slow”で、約1秒間注入した。注入する溶液の容量は50μLに設定した。注入口にマイクロピペットのチップを密着した状態における、チップの先端部及びフローセル間の流路の容積は、フローセルの容積の約0.8倍であった。
【0049】
リアルタイム測定の結果を図5に示す。図5では、縦軸が共鳴角(図中「Δθ」と表記、単位mdeg)を示し、横軸が時間(図中「Time」と表記、単位sec)を示す。塩酸溶液の注入(図中「塩酸溶液の注入」と表記)後、速やかに検出信号の変化が起こり、即座に信号が安定した。このことより、試料溶液の置換が行われたことが分かる。
【0050】
さらに、洗浄操作のために、リン酸緩衝液を注入すると(図中「リン酸緩衝液の注入」と表記)、同様に信号変化が起こり、もとのベースラインに復帰した。このことにより、洗浄操作が速やかに行われたことが確認できた。
【0051】
【発明の効果】
本発明の試料供給装置は、以上のように、測定に供される試料溶液が充填されるフローセルと、フローセルに試料溶液を注入する注入口と、フローセルから試料溶液を排出する排出口とを備えた試料供給装置において、上記注入口は、試料溶液を吐出する吐出装置の先端部形状と一致した形状を有するとともに、上記注入口に吐出装置の先端部を密着した状態における該先端部及びフローセル間の流路の容積がフローセルの容積の0.2倍以上、5倍以下であるものである。
【0052】
それゆえ、試料溶液を供給する流路全体の容積の、フローセルの容積に対する割合が小さく、測定後の試料溶液を新しい試料溶液と置換するときに必要な試料溶液の量を減らすことができるという効果を奏する。
【0053】
また、本発明の試料供給装置は、以上のように、測定に供される試料溶液が充填されるフローセルと、フローセルに試料溶液を注入する注入口と、フローセルから試料溶液を排出する排出口とを備えた試料供給装置において、排出口と、排出された試料溶液が廃棄される排出部との間に、逆流を防止するための堰が設けられているものである。
【0054】
それゆえ、注入口に新しい試料溶液を供給してフローセル内に試料溶液を充填させるとともに、排出口から堰を経て排出部に測定後の試料溶液を押し出すことにより、試料溶液の供給と、排出と、フローセルの洗浄を同時に行うことができる。従って、測定部位が常に試料溶液に浸っている状態で、残留する試料溶液に汚染されることなく、測定後の試料溶液を新しい試料溶液と置換することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における試料供給装置の概略の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1のA−A線矢視断面図である。
【図3】本発明における表面プラズモン共鳴角検出装置の概略の構成を示す縦断面図である。
【図4】ガラス基板の装着状態を示す断面図である。
【図5】実施例において表面プラズモン共鳴角検出装置を用いた測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1試料供給装置
2フローセル
4排出口
5注入口
6吐出装置
7堰
8排出部
9Oリング(圧接部位)
10検出部位
11表面プラズモン共鳴角検出装置
13プリズム
14筒体
15セルブロック
19ガラス基板

Claims (4)

  1. 測定に供される試料溶液が充填されるフローセルと、フローセルに試料溶液を注入する注入口と、フローセルから試料溶液を排出する排出口とを備えた試料供給装置において、上記注入口は、試料溶液を吐出する吐出装置の先端部形状と一致した形状を有するとともに、上記注入口に吐出装置の先端部を密着した状態における該先端部及びフローセル間の流路の容積が、フローセルの容積の0.2倍以上、5倍以下であることを特徴とする試料供給装置。
  2. 測定に供される試料溶液が充填されるフローセルと、フローセルに試料溶液を注入する注入口と、フローセルから試料溶液を排出する排出口とを備えた試料供給装置において、排出口と、排出された試料溶液が廃棄される排出部との間に、逆流を防止するための堰が設けられていることを特徴とする試料供給装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の試料供給装置を用いた測定装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の試料供給装置を用いた表面プラズモン共鳴角検出装置。
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