JP2004324770A - ガス貯蔵システム - Google Patents
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Abstract
【課題】無駄なエネルギの発生を防止しながら、ガス吸蔵材料が設けられた貯蔵容器に多くに燃料ガスを充填することができるガス貯蔵システムを提供する。
【解決手段】ガス貯蔵システムSは、燃料ガスを貯蔵する3つのタンク1,2,3を備えている。各タンク1,2,3には、それぞれタンク内を冷却するタンク内熱交換器16,26,36が設けられている。また、タンク1,2,3のガス導入口12,22,32に接続されたガス流通管14,24,34には、それぞれ熱交換器4,5,6が設けられており、タンク内熱交換器16,26,36と、熱交換器4,5,6とは、タンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37および熱交換器用冷却水流通管41,51,61を介して接続されている。おり、熱交換器4,5,6の冷熱をタンク内熱交換器16,26,36に供給可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】ガス貯蔵システムSは、燃料ガスを貯蔵する3つのタンク1,2,3を備えている。各タンク1,2,3には、それぞれタンク内を冷却するタンク内熱交換器16,26,36が設けられている。また、タンク1,2,3のガス導入口12,22,32に接続されたガス流通管14,24,34には、それぞれ熱交換器4,5,6が設けられており、タンク内熱交換器16,26,36と、熱交換器4,5,6とは、タンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37および熱交換器用冷却水流通管41,51,61を介して接続されている。おり、熱交換器4,5,6の冷熱をタンク内熱交換器16,26,36に供給可能である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば車両などに搭載され、燃料ガスなどのガスをタンクなどに充填して貯蔵するガス貯蔵システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、天然ガス自動車や燃料電池自動車には、天然ガスや水素を貯蔵するガス貯蔵システムが用いられるものがある。このガス貯蔵システムは、燃料ガスとなる天然ガスや水素を貯蔵し、エンジンや燃料電池などに対して燃料ガスを放出して供給するものである。かかるガス貯蔵システムとして、特開2002−81597号公報に開示された水素貯蔵システムがある。この水素貯蔵システムは、水素貯蔵物質を内包するとともに、水素貯蔵時には水素放出圧力より高い圧力に保持されている複数の水素貯蔵容器を備えている。この水素貯蔵容器には、水素貯蔵容器内の圧力を調整するポンプが接続されており、水素貯蔵容器内の圧力を調整しながら、水素を貯蔵し、または放出するようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−81597号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のガス貯蔵システムでは、容器に貯蔵されるガスの充填量を多くすることにより、ガスの充填量に対する容器の大きさを小さくすることが望まれる。この要求は、天然ガス自動車や燃料電池自動車に搭載されるガス貯蔵システムにおいて特に顕著である。この点上記特許文献1に開示された水素貯蔵システムにおいても同様の要求がある。ところが、上記特許文献1に記載された水素貯蔵システムでは、水素を貯蔵する際に、その貯蔵量の増加させる工夫はなされていない。
【0005】
ここで、貯蔵容器の内部に配置されたガス吸蔵材料を冷却することにより燃料ガスの貯蔵量を増加させることができることが知られている。このとき、貯蔵容器を冷却するために別途冷却手段を用いることが考えられるが、このような冷却手段を別途用いる場合には、その冷却手段を駆動するためのエネルギが必要となり、エネルギの無駄が生じることがあるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、無駄なエネルギの発生を防止しながら、ガス吸蔵材料が設けられた貯蔵容器に多くに燃料ガスを充填することができるガス貯蔵システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明に係るガス貯蔵システムは、タンク内熱交換器およびガス吸蔵材料が内部に設けられ、ガス充填装置から供給される燃料ガスを充填するガス供給路に接続されたタンクを備えるガス貯蔵システムにおいて、ガス供給路を流れる燃料ガスとの間で熱交換を行う熱交換器が設けられており、熱交換器が、熱授受体通路を介してタンク内熱交換器に接続されているものである。
【0008】
タンクにガスを充填する際には、ガスを圧縮する際の断熱膨張作用により、ガスの温度が急激に低下するので、ガス供給路に流れる燃料ガスは極低温となる。この点、本発明に係るガス貯蔵システムにおいては、タンクにガスを供給するガス供給路を流れる燃料ガスとの間で熱交換を行う熱交換器が設けられている。また、この熱交換器は、熱授受体通路を介してタンク内熱交換器に接続されている。このため、極低温となったガス供給路における燃料ガスとタンク内との間で熱交換を行うことができるので、タンク内を好適に冷却することができる。その結果、タンクへの燃料ガスの貯蔵量を増加させることができる。
【0009】
ここで、タンクが複数設けられ、複数のタンクのそれぞれにおけるタンク内熱交換器に対して、熱交換器が熱授受体通路を介して接続されているのが好適である。
【0010】
ガス貯蔵システムにおいて、タンクが複数設けられている場合には、複数のタンクに対して、それぞれ燃料ガスが充填される。この点、本発明に係るガス貯蔵システムでは、複数のタンクのそれぞれにおけるタンク内熱交換器に対して熱交換器が接続されているので、燃料ガスの充填を行っているタンクとの間で熱交換を行うことにより、そのタンク内を好適に冷却することができる。また、順次タンクに燃料ガスを充填する際に、次に充填するタンクをあらかじめ冷却しておくこともできるので、ガスの充填時間の短縮をも図ることができる。
【0011】
さらに、複数のタンクのそれぞれにおけるタンク内熱交換器のうち、熱交換器が接続されるタンク内熱交換器を切り替える切替手段が設けられているのが好適である。
【0012】
このような切替手段が設けられていることにより、複数のタンク内熱交換器のうち、熱交換器と接続するタンク内熱交換器を容易に切り替える制御を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する部分については同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るガス貯蔵システムのブロック構成図である。図1に示すように、本実施形態に係るガス貯蔵システムSは、3つのタンク1,2,3を備えている。これらのタンク1,2,3は、同一の構造を有している。タンク1,2,3は、それぞれタンク本体10,20,30を備えており、タンク本体10,20,30の内部には、本発明の燃料ガスとなる天然ガスを吸着して保持する天然ガス吸着剤(以下、「吸着剤」という)11,21,31が充填されている。タンク本体10の先端部には、ガスを導入するガス導入口12,22,32が形成されており、タンク本体10,20,30の後端部には、冷却液を導入するための冷却液導入口13,23,33が形成されている。ガス導入口12,22,32には、本発明のガス供給路を構成するガス流通管14,24,34が接続されており、ガス流通管14,24,34には、ガス充填バルブ15,25,35が取り付けられている。また、ガス流通管14,24,34におけるガス充填バルブ15,25,35を包囲する位置には、ガス流通管を流れる燃料ガスとの間で熱交換を行う熱交換器4,5,6がそれぞれ設けられている。ガス流通管14,24,34は、ガス充填カプラ7に接続されており、ガス充填カプラ7は、図示しないインフラ側ガス充填機と接続可能とされている。そして、ガス充填カプラ7を介して、インフラ側ガス充填機から各タンク本体10,20,30に燃料ガスが充填される。
【0015】
さらに、タンク本体10,20,30の内部には、タンク内熱交換器16,26,36が設けられている。タンク内熱交換器16,26,36は、冷却液導入口13,23,33を貫通するタンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37に接続されており、タンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37には、タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18,28,38が設けられている。
【0016】
熱交換器4,5,6は、熱交換器用冷却水流通管41,51,61と接続されており、熱交換器用冷却水流通管41,51,61には熱交換器用冷却水導入バルブ42,52,62がそれぞれ設けられている。さらに、熱交換器用冷却水流通管41,51,61は、三方バルブ19,29,39を介してタンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37に接続されている。上記のタンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37および熱交換器用冷却水流通管41,51,61は、いずれも本発明の熱授受体通路を構成するものであり、熱授受体となるたとえば冷却水が流通する。この冷却水を介して、熱交換器4,5,6およびタンク内熱交換器16,26,36の間等で熱交換が行われる。これらのタンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37および熱交換器用冷却水流通管41,51,61は、いずれも図示しないインフラ側冷却水循環器に接続されている。
【0017】
他方、タンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37の端部には、それぞれ本発明の切替手段である三方バルブ19,29,39が取り付けられている。三方バルブ19,29,39は、熱交換器用冷却水流通管41,51,61、タンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37、および図示しないインフラ側冷却水循環器に接続されている。
【0018】
また、ガス貯蔵システムSは、制御装置8を有している。制御装置8は、各タンク1,2,3におけるタンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18,28,38および三方バルブ19,29,39に接続されている。この制御装置8が、各タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18,28,38および三方バルブ19,29,39の開閉を制御している。一方、ガス流通管14,24,34に形成されたガス充填バルブ15,25,35には、制御装置8が接続されており、この制御装置8によって、ガス充填バルブ15,25,35の開閉を制御している。さらに、タンク1,2,3には、それぞれ図示しない圧力計および温度計が設けられており、各タンク本体10,20,30内における圧力および温度をそれぞれ検出して、制御装置8に出力している。
【0019】
以上の構成を有する本実施形態に係るガス貯蔵システムの動作、作用について説明する。本実施形態に係るガス貯蔵システムSでは、タンク本体10,20,30に燃料ガスを充填する際、ガス充填カプラ7を介して、図示しないインフラ側ガス充填機から各タンク本体10,20,30に対して順番に燃料ガスを充填する。各タンク本体10,20,30に燃料ガスを充填する際には、インフラ側ガス充填機から高圧ガスを空、または低圧のタンク本体10,20,30に燃料ガスを充填する。このとき、充填される燃料ガスは、断熱膨張作用によってその温度が急激に低下させられる。したがって、ガス流通管14,24,34には極低温の燃料ガスが流れる。
【0020】
このとき、ガス流通管14,24,34におけるガス充填バルブ15,25,35を包囲する位置には、熱交換器4,5,6が設けられている。これらの熱交換器4,5,6は、それぞれタンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37および熱交換器用冷却水流通管41,51,61を介して、タンク本体10,20,30内に設けられたタンク内熱交換器16,26,36に接続されている。このため、ガス流通管14,24,34に設けられた熱交換器4,5,6と、タンク本体10,20,30内に設けられたタンク内熱交換器16,26,36との間で、冷却水などの熱授受体を介して熱交換が行われる。その結果、タンク本体10,20,30内を好適に過冷却することができる。タンク本体10,20,30内を過冷却することにより、タンク本体10,20,30内の吸着剤11,21,31を冷却することができる。
【0021】
こうして吸着剤11,21,31を冷却することにより、ガス充填量を増加させることができる。また、タンク1,2,3に順次燃料ガスを充填する場合において、たとえばタンク1,2,3の順で燃料ガスを充填するとすると、タンク1に燃料ガスを充填している間、タンク2,3をあらかじめ冷却しておくことができる。このように、次に燃料ガスが充填されるタンクをあらかじめ冷却しておくことにより、燃料ガスの充填時間の短縮を図ることができる。
【0022】
また、各タンク本体10,20,30に設けられたタンク内熱交換器16,26,36には、熱交換器用冷却水流通管41,51,61およびタンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37を介して熱交換器4,5,6が接続されている。また、タンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37には、タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18,28,38が接続されており、これらのタンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18,28,38は、制御装置8によって開閉制御可能とされている。さらに、制御装置8には、タンク本体10,20,30内の圧力および温度をそれぞれ検出する圧力計および温度計が接続されており、検出した圧力および温度をそれぞれ制御装置8に出力している。制御装置8では、出力された温度および圧力に基づいて、タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18,28,38および熱交換器用冷却水導入バルブ42,52,62の開閉制御を行っている。さらに、各タンク本体10,20,30に接続されるガス流通管14,24,34に設けられたガス充填バルブ15,25,35の開閉制御をも行っている。このため、各タンク1,2,3のいずれから燃料ガスの充填を始めるか、または熱交換器4,5,6からの過冷却水をどのタンク内熱交換器16,26,36に流すかの選択を自由に行うことができる。燃料ガスを充填する際の具体的な制御の手順の例については後に説明する。
【0023】
さらに、タンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37は、三方バルブ19,29,39がそれぞれ設けられている。たとえば、充填しようとするタンク1,2,3にガス燃料が多く残っており、あまり低圧でない場合には、ガスの断熱膨張作用による吸熱はあまり期待できない。この場合は、タンク内熱交換器16,26,36に冷却水を流すことで、配管等からの入熱があり、かえって冷却水温度が上がってしまう可能性がある。このような冷却水温度の上昇を防止するために、三方バルブ19,29,39が設けられている。そして、制御装置8において、タンク内の圧力および温度に基づいて、熱交換器用冷却水流通管41,51,61とインフラ側冷却水循環器からの回路を切り替え、最適な冷却水を流すような制御を行うことができる。
【0024】
続いて、本実施形態における燃料ガスの充填方法の第1例ついて説明する。この例では、複数のタンクに燃料ガスを充填する際に、次に充填されるタンクをあらかじめ冷却するものである。
【0025】
図2は、燃料ガスの充填方法の第1例を示すフローチャートである。この例では、第一タンク1が空の状態(0MPa)、第二タンク2が使用中の状態(5MPa)、第三タンク3が満タンの状態(20MPa)である場合を想定して説明する。なお、使用中である第二タンク2は、燃料ガスを充填する直前までは燃料ガスを放出していた状態にあったので、第一タンク1および第三タンク3よりも冷えた状態にある。
【0026】
それでは、この例にかかる燃料ガスの充填方法を説明すると、まず、タンク1,2,3の充填順序を決定する(S1)。充填順序は、図示しない圧力計および温度計によって、各タンク1,2,3内の圧力および温度を検出し、検出された圧力および温度に基づいて制御装置8によって決定する。充填順序を決定するにあたり、満充填するのではなく、規定量、たとえば20MPaの燃料ガスを充填するのであれば、第一タンク1に充填を行う。また、満充填を行うのであれば、タンク内温度が一番低い第二タンク2から充填を行い、最後に圧力が高いタンクに充填を行う。この例では、満充填を行うべく、タンク内温度が一番低い第二タンク2、次に第一タンク1に燃料ガスの充填を行う。
【0027】
充填順序を決定したら、第一タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18を開くとともに第一三方バルブ19を操作し、さらに、第二熱交換器用冷却水導入バルブ52を開く。こうして、第二タンク2に接続されている第二ガス充填バルブ25を包囲する第二熱交換器5における第二熱交換器用冷却水流通管51と、第一タンク1の内部にある第一タンク内熱交換器16に接続されている第一タンク内熱交換器用冷却水流通管17とを接続する(S2)。この状態で、冷却水の循環を開始させる(S3)。
【0028】
冷却水の循環を開始させたら、第二ガス充填バルブ25を開放して、第二タンク2に燃料ガスを充填する(S4)。このとき、図示しないインフラ側ガス充填機から高圧の燃料ガスが供給されるが、第二ガス充填バルブ25が開放されることにより、第二ガス充填バルブ25の近傍位置が、燃料ガスの断熱膨張作用によって冷却される。一方で、第二熱交換器用冷却水流通管51と第一タンク内熱交換器用冷却水流通管17とが接続されていることから、第二熱交換器5で吸収された冷熱が第一タンク1内との間で熱交換される。このようにして、第一タンク1内が冷却される。
【0029】
このまま、第二タンク2内に燃料ガスを充填し、第二タンク2が規定圧である20MPaに達したら、第二ガス充填バルブ25を閉じる(S5)。このとき、第二タンク2内は、燃料ガスを吸蔵したために温度が高くなっている。なお、第二タンク2内の温度を高くしすぎないようにするために、第二タンク2に燃料ガスを充填している間、第二タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ28を開いて、第二タンク内熱交換器用冷却水流通管27に第二熱交換器用冷却水流通管51から冷却水を供給するようにしてもよい。
【0030】
第二タンク2への燃料ガスの充填が済んで第二ガス充填バルブ25を閉じたら、続いて、第一タンク1への燃料ガスの充填を行う。第一タンク1への燃料ガスの充填を行うにあたり、まず、第一タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18を閉じるとともに第一三方バルブ19を操作し、第二熱交換器用冷却水導入バルブ52を閉じる。その一方で、第二タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ28を開くとともに第二三方バルブ29を操作し、さらに第一熱交換器用冷却水導入バルブ42を開く。こうして、第一タンク1に接続されている第一ガス充填バルブ15を包囲する第一熱交換器4における第一熱交換器用冷却水流通管41と、第二タンク2の内部にある第二タンク内熱交換器26に接続されている第二タンク内熱交換器用冷却水流通管27とを接続し(S6)、冷却水を循環させる。
【0031】
それから、第一ガス充填バルブ15を開放して、第一タンク1に燃料ガスを充填する(S7)。このとき、図示しないインフラ側ガス充填機から高圧の燃料ガスが供給されるが、第一ガス充填バルブ15が開放されることにより、第一ガス充填バルブ15の近傍位置が、燃料ガスの断熱膨張作用によって冷却される。一方で、第一熱交換器用冷却水流通管41と第二タンク内熱交換器用冷却水流通管27とが接続されていることから、第一熱交換器4で吸収された冷熱が第二タンク2内との間で熱交換される。第二タンク2内では、燃料ガスが吸蔵されることによってその温度が上昇しているが、このようにして、第二タンク2内が冷却される。また、第二タンク2は、タンク表面からも自然冷却される。こうして、第二タンク2に吸蔵された燃料ガスの温度を低下させることができる。
【0032】
このまま、第一タンク1内に燃料ガスを充填し、第一タンク1が規定圧である20MPaに達したら、第一ガス充填バルブ15を閉じる(S8)。このとき、第二タンク2内は、燃料ガスを吸蔵したために温度が高くなっている。なお、第一タンク1内の温度を高くしすぎないようにするために、第一タンク1に燃料ガスを充填している間、第一タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18を開いて、第一タンク内熱交換器用冷却水流通管17に第一熱交換器用冷却水流通管41から冷却水を供給するようにしてもよい。
【0033】
第一タンク1に燃料ガスを充填している間、第二タンク2内では、燃料ガスが冷却されることから、燃料ガスの吸蔵が促進されて第二タンク2内の圧力がたとえば20MPaから18MPaに低下する。第一タンク1への充填が終了したら、第二ガス充填バルブ25を開いて、第二タンク2に燃料ガスを充填し、圧力低下分の燃料ガスを補充充填する(S9)。この第二タンク2への補充充填を行っている間に、第一タンク1では、タンク表面からの自然冷却によって充填された燃料ガスが冷却される。このとき、第一タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18を開くとともに第一三方バルブ19を操作し、さらに、第二熱交換器用冷却水導入バルブ52を開き、第一タンク1に第二熱交換器5から冷却水を供給して、第一タンク1を過冷却させることもできる。なお、第二タンク2について補充充填を行う際には、高圧下でのガス充填ではなく、さほど熱がでないので、実用上冷却は不要である。
【0034】
こうして、第二タンク2への燃料ガスの補充充填が完了したら、第一タンク1内も冷却されて、第一タンク1内の燃料ガスの圧力が低下する。この低下分を補充するために、第二ガス充填バルブ25を閉じる一方で、第一ガス充填バルブ15を開いて、第一タンク1に対して燃料ガスを補充充填する(S10)。こうして、各タンク1,2,3への燃料ガスの充填が完了する。
【0035】
このように、この例による燃料ガスの充填方法では、第二タンク2に燃料ガスを充填している間に、次に燃料ガスを充填する第一タンク1を冷却している。このため、燃料ガスを充填する前に、第一タンク1を別途冷却するための時間を確保する必要がないので、各タンクに対する燃料の充填を迅速に済ませることができる。
【0036】
さらに、本実施形態における燃料ガスの充填方法の第2例ついて説明する。この例では、複数のタンクに燃料ガスを充填する際に、次に充填されるタンクをあらかじめ冷却するものである。
【0037】
図3は、燃料ガスの充填方法の第2例を示すフローチャートである。この例では、第一タンク1が空の状態(0MPa,20℃)、第二タンク2がほぼ空の状態(0.5MPa,20℃)、第三タンク3が使用中の状態(10MPa,0℃)である場合を想定して説明する。また、吸着剤11,21,31としては炭素系吸着剤を使用し、燃料ガスとしてはメタンを用いた。また、各タンクの状態として、タンク内の温度は、第三タンク3<第一タンク1=第二タンク2、第三タンク3>>第二タンク>第一タンクとなっている。
【0038】
それでは、この例にかかる燃料ガスの充填方法を説明すると、まず、タンク1,2,3の充填順序を決定する(S11)。充填順序は、上記第1例と同様に、充填順序は、図示しない圧力計および温度計によって、各タンク1,2,3内の圧力および温度を検出し、検出された圧力および温度に基づいて制御装置8によって決定する。本例では、タンク内の温度が一番低い第三タンク3に最初に充填を行い、次に、圧力が高い第二タンク2に充填を行い、最後に第一タンク1に充填を行う。
【0039】
充填順序を決定したら、第二タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ28を開くとともに第二三方バルブ29を操作し、さらに、第三熱交換器用冷却水導入バルブ62を開く。こうして、第三タンク3に接続されている第三ガス充填バルブ35を包囲する第三熱交換器6における第三熱交換器用冷却水流通管61と、第二タンク2の内部にある第二タンク内熱交換器26に接続されている第二タンク内熱交換器用冷却水流通管27とを接続する(S12)。この状態で、冷却水の循環を開始させる(S13)。
【0040】
冷却水の循環を開始させたら、第三ガス充填バルブ35を開放して、第三タンク3に燃料ガスを充填する(S14)。このとき、上記第1例と同様の作用により、第三ガス充填バルブ35が開放されて、第三ガス充填バルブ35の近傍位置が、燃料ガスの断熱膨張作用によって冷却され、第三熱交換器6で吸収された冷熱が第二タンク2内との間で熱交換されて、第二タンク2内が冷却される。
【0041】
このまま、第三タンク3内に燃料ガスを充填し、第三タンク3が規定圧である20MPaに達したら、第三ガス充填バルブ35を閉じる(S15)。このとき、各タンク1,2,3の温度は、第三タンク3(80℃)>第一タンク1(20℃)>第二タンク2(0℃)となっており、各タンク1,2,3の圧力は、第三タンク3(20MPa)>第二タンク2(0.5MPa)>第一タンク1(0MPa)となっている。
【0042】
第三タンク3への燃料ガスの充填が済んで第三ガス充填バルブ35を閉じたら、続いて、第二タンク2への燃料ガスの充填を行う。第二タンク2への燃料ガスの充填を行うにあたり、まず、第二タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ28を閉じるとともに第二三方バルブ29を操作し、第三熱交換器用冷却水導入バルブ62を閉じる。その一方で、第一タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18を開くとともに第一三方バルブ19を操作し、さらに第二熱交換器用冷却水導入バルブ52を開く。こうして、第二タンク2に接続されている第二ガス充填バルブ25を包囲する第二熱交換器5における第二熱交換器用冷却水流通管51と、第一タンク1の内部にある第一タンク内熱交換器16に接続されている第一タンク内熱交換器用冷却水流通管17とを接続し(S16)、冷却水を循環させる。
【0043】
冷却水の循環を開始させたら、第二ガス充填バルブ25を開放して、第二タンク2に燃料ガスを充填する(S17)。このとき、上記第1例と同様の作用により、第二熱交換器5で吸収された冷熱が第一タンク1内との間で熱交換されて、第一タンク1内が冷却される。
【0044】
それから、第二タンク2内に燃料ガスを充填し、第二タンク2が規定圧である20MPaに達したら、第二ガス充填バルブ25を閉じる(S18)。このとき、各タンク1,2,3の温度は、第二タンク2(80℃)>第三タンク3(60℃)>第一タンク1(0℃)となっており、各タンク1,2,3の圧力は、第二タンク2(20MPa)>第三タンク3(18MPa)>第一タンク(0MPa)となっている。ここで、既に燃料ガスが規定圧まで充填された第三タンク3は、自然冷却により、規定圧までの充填が完了した時点よりは冷却されている。この第三タンク3内の温度の低下に伴い、燃料ガスの吸蔵が促進されたため、第三タンク3内の圧力も低下している。
【0045】
それから、第一タンク1への燃料ガスの充填を行う。第一タンク1への燃料ガスの充填の際には、第三タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ38を開くとともに、第三三方バルブ39を操作し、さらに、第一熱交換器用冷却水導入バルブ42を開く。こうして、第一熱交換器4における第一熱交換器用冷却水流通管41と、第三タンク3の内部にある第三タンク内熱交換器36に接続されている第三タンク内熱交換器用冷却水流通管37とを接続し(S19)、冷却水を循環させる。
【0046】
それから、第一ガス充填バルブ15を開放して、第一タンク1に燃料ガスを充填する(S20)。第一タンク1に燃料ガスを充填すると、第一熱交換器4の冷熱が第三タンク内熱交換器36に供給されて、第三タンク3内が冷却される。そして、第一タンク1内が規定圧である20MPaに達したら、第一ガス充填バルブ15を閉じる(S21)。
【0047】
こうして、各タンク1,2,3に燃料ガスを充填したら、タンク内圧力の低い第三タンク3、第二タンク2、第一タンク1の順で補充充填を行い(S22)、各タンク1,2,3への充填が完了する。
【0048】
このように、本例のような充填方法によれば、燃料ガスの充填を行っていないタンクを好適に冷却することにより、迅速に燃料ガスの充填を済ませることができる。
【0049】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では複数のタンクを設ける態様としたが、タンクは単独で設けられる態様とすることができる。また、各タンクに対応する形で熱交換器を設けているが、複数のタンクのうちの一部に熱交換器を設けて、タンク内熱交換器との間で熱交換を行う態様とすることもできる。また、燃料ガスとしては天然ガスを挙げているが、燃料ガスとしては、水素などを挙げることもできる。
【0050】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、無駄なエネルギの発生を防止しながら、ガス吸蔵材料が設けられた貯蔵容器に多くに燃料ガスを充填することができるガス貯蔵システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るガス貯蔵システムのブロック構成図である。
【図2】燃料ガスの充填方法の第1例を示すフローチャートである。
【図3】燃料ガスの充填方法の第2例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…第一タンク、2…第二タンク、3…第三タンク、4…第一熱交換器、5…第二熱交換器、6…第三熱交換器、7…ガス充填カプラ、8…制御装置、10,20,30…タンク本体、11,21,31…吸着剤、12,22,32…ガス導入口、13,23,33…冷却液導入口、14,24,34…ガス流通管、15,25,35…ガス充填バルブ、16,26,36…第一タンク内熱交換器、17,27,37…タンク内熱交換器用冷却水流通管、18,28,38…タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ、19,29,39…三方バルブ、41,51,61…熱交換器用冷却水流通管、42,52,62…熱交換器用冷却水導入バルブ、S…ガス貯蔵システム。
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば車両などに搭載され、燃料ガスなどのガスをタンクなどに充填して貯蔵するガス貯蔵システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、天然ガス自動車や燃料電池自動車には、天然ガスや水素を貯蔵するガス貯蔵システムが用いられるものがある。このガス貯蔵システムは、燃料ガスとなる天然ガスや水素を貯蔵し、エンジンや燃料電池などに対して燃料ガスを放出して供給するものである。かかるガス貯蔵システムとして、特開2002−81597号公報に開示された水素貯蔵システムがある。この水素貯蔵システムは、水素貯蔵物質を内包するとともに、水素貯蔵時には水素放出圧力より高い圧力に保持されている複数の水素貯蔵容器を備えている。この水素貯蔵容器には、水素貯蔵容器内の圧力を調整するポンプが接続されており、水素貯蔵容器内の圧力を調整しながら、水素を貯蔵し、または放出するようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−81597号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のガス貯蔵システムでは、容器に貯蔵されるガスの充填量を多くすることにより、ガスの充填量に対する容器の大きさを小さくすることが望まれる。この要求は、天然ガス自動車や燃料電池自動車に搭載されるガス貯蔵システムにおいて特に顕著である。この点上記特許文献1に開示された水素貯蔵システムにおいても同様の要求がある。ところが、上記特許文献1に記載された水素貯蔵システムでは、水素を貯蔵する際に、その貯蔵量の増加させる工夫はなされていない。
【0005】
ここで、貯蔵容器の内部に配置されたガス吸蔵材料を冷却することにより燃料ガスの貯蔵量を増加させることができることが知られている。このとき、貯蔵容器を冷却するために別途冷却手段を用いることが考えられるが、このような冷却手段を別途用いる場合には、その冷却手段を駆動するためのエネルギが必要となり、エネルギの無駄が生じることがあるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明の課題は、無駄なエネルギの発生を防止しながら、ガス吸蔵材料が設けられた貯蔵容器に多くに燃料ガスを充填することができるガス貯蔵システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明に係るガス貯蔵システムは、タンク内熱交換器およびガス吸蔵材料が内部に設けられ、ガス充填装置から供給される燃料ガスを充填するガス供給路に接続されたタンクを備えるガス貯蔵システムにおいて、ガス供給路を流れる燃料ガスとの間で熱交換を行う熱交換器が設けられており、熱交換器が、熱授受体通路を介してタンク内熱交換器に接続されているものである。
【0008】
タンクにガスを充填する際には、ガスを圧縮する際の断熱膨張作用により、ガスの温度が急激に低下するので、ガス供給路に流れる燃料ガスは極低温となる。この点、本発明に係るガス貯蔵システムにおいては、タンクにガスを供給するガス供給路を流れる燃料ガスとの間で熱交換を行う熱交換器が設けられている。また、この熱交換器は、熱授受体通路を介してタンク内熱交換器に接続されている。このため、極低温となったガス供給路における燃料ガスとタンク内との間で熱交換を行うことができるので、タンク内を好適に冷却することができる。その結果、タンクへの燃料ガスの貯蔵量を増加させることができる。
【0009】
ここで、タンクが複数設けられ、複数のタンクのそれぞれにおけるタンク内熱交換器に対して、熱交換器が熱授受体通路を介して接続されているのが好適である。
【0010】
ガス貯蔵システムにおいて、タンクが複数設けられている場合には、複数のタンクに対して、それぞれ燃料ガスが充填される。この点、本発明に係るガス貯蔵システムでは、複数のタンクのそれぞれにおけるタンク内熱交換器に対して熱交換器が接続されているので、燃料ガスの充填を行っているタンクとの間で熱交換を行うことにより、そのタンク内を好適に冷却することができる。また、順次タンクに燃料ガスを充填する際に、次に充填するタンクをあらかじめ冷却しておくこともできるので、ガスの充填時間の短縮をも図ることができる。
【0011】
さらに、複数のタンクのそれぞれにおけるタンク内熱交換器のうち、熱交換器が接続されるタンク内熱交換器を切り替える切替手段が設けられているのが好適である。
【0012】
このような切替手段が設けられていることにより、複数のタンク内熱交換器のうち、熱交換器と接続するタンク内熱交換器を容易に切り替える制御を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する部分については同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るガス貯蔵システムのブロック構成図である。図1に示すように、本実施形態に係るガス貯蔵システムSは、3つのタンク1,2,3を備えている。これらのタンク1,2,3は、同一の構造を有している。タンク1,2,3は、それぞれタンク本体10,20,30を備えており、タンク本体10,20,30の内部には、本発明の燃料ガスとなる天然ガスを吸着して保持する天然ガス吸着剤(以下、「吸着剤」という)11,21,31が充填されている。タンク本体10の先端部には、ガスを導入するガス導入口12,22,32が形成されており、タンク本体10,20,30の後端部には、冷却液を導入するための冷却液導入口13,23,33が形成されている。ガス導入口12,22,32には、本発明のガス供給路を構成するガス流通管14,24,34が接続されており、ガス流通管14,24,34には、ガス充填バルブ15,25,35が取り付けられている。また、ガス流通管14,24,34におけるガス充填バルブ15,25,35を包囲する位置には、ガス流通管を流れる燃料ガスとの間で熱交換を行う熱交換器4,5,6がそれぞれ設けられている。ガス流通管14,24,34は、ガス充填カプラ7に接続されており、ガス充填カプラ7は、図示しないインフラ側ガス充填機と接続可能とされている。そして、ガス充填カプラ7を介して、インフラ側ガス充填機から各タンク本体10,20,30に燃料ガスが充填される。
【0015】
さらに、タンク本体10,20,30の内部には、タンク内熱交換器16,26,36が設けられている。タンク内熱交換器16,26,36は、冷却液導入口13,23,33を貫通するタンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37に接続されており、タンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37には、タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18,28,38が設けられている。
【0016】
熱交換器4,5,6は、熱交換器用冷却水流通管41,51,61と接続されており、熱交換器用冷却水流通管41,51,61には熱交換器用冷却水導入バルブ42,52,62がそれぞれ設けられている。さらに、熱交換器用冷却水流通管41,51,61は、三方バルブ19,29,39を介してタンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37に接続されている。上記のタンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37および熱交換器用冷却水流通管41,51,61は、いずれも本発明の熱授受体通路を構成するものであり、熱授受体となるたとえば冷却水が流通する。この冷却水を介して、熱交換器4,5,6およびタンク内熱交換器16,26,36の間等で熱交換が行われる。これらのタンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37および熱交換器用冷却水流通管41,51,61は、いずれも図示しないインフラ側冷却水循環器に接続されている。
【0017】
他方、タンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37の端部には、それぞれ本発明の切替手段である三方バルブ19,29,39が取り付けられている。三方バルブ19,29,39は、熱交換器用冷却水流通管41,51,61、タンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37、および図示しないインフラ側冷却水循環器に接続されている。
【0018】
また、ガス貯蔵システムSは、制御装置8を有している。制御装置8は、各タンク1,2,3におけるタンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18,28,38および三方バルブ19,29,39に接続されている。この制御装置8が、各タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18,28,38および三方バルブ19,29,39の開閉を制御している。一方、ガス流通管14,24,34に形成されたガス充填バルブ15,25,35には、制御装置8が接続されており、この制御装置8によって、ガス充填バルブ15,25,35の開閉を制御している。さらに、タンク1,2,3には、それぞれ図示しない圧力計および温度計が設けられており、各タンク本体10,20,30内における圧力および温度をそれぞれ検出して、制御装置8に出力している。
【0019】
以上の構成を有する本実施形態に係るガス貯蔵システムの動作、作用について説明する。本実施形態に係るガス貯蔵システムSでは、タンク本体10,20,30に燃料ガスを充填する際、ガス充填カプラ7を介して、図示しないインフラ側ガス充填機から各タンク本体10,20,30に対して順番に燃料ガスを充填する。各タンク本体10,20,30に燃料ガスを充填する際には、インフラ側ガス充填機から高圧ガスを空、または低圧のタンク本体10,20,30に燃料ガスを充填する。このとき、充填される燃料ガスは、断熱膨張作用によってその温度が急激に低下させられる。したがって、ガス流通管14,24,34には極低温の燃料ガスが流れる。
【0020】
このとき、ガス流通管14,24,34におけるガス充填バルブ15,25,35を包囲する位置には、熱交換器4,5,6が設けられている。これらの熱交換器4,5,6は、それぞれタンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37および熱交換器用冷却水流通管41,51,61を介して、タンク本体10,20,30内に設けられたタンク内熱交換器16,26,36に接続されている。このため、ガス流通管14,24,34に設けられた熱交換器4,5,6と、タンク本体10,20,30内に設けられたタンク内熱交換器16,26,36との間で、冷却水などの熱授受体を介して熱交換が行われる。その結果、タンク本体10,20,30内を好適に過冷却することができる。タンク本体10,20,30内を過冷却することにより、タンク本体10,20,30内の吸着剤11,21,31を冷却することができる。
【0021】
こうして吸着剤11,21,31を冷却することにより、ガス充填量を増加させることができる。また、タンク1,2,3に順次燃料ガスを充填する場合において、たとえばタンク1,2,3の順で燃料ガスを充填するとすると、タンク1に燃料ガスを充填している間、タンク2,3をあらかじめ冷却しておくことができる。このように、次に燃料ガスが充填されるタンクをあらかじめ冷却しておくことにより、燃料ガスの充填時間の短縮を図ることができる。
【0022】
また、各タンク本体10,20,30に設けられたタンク内熱交換器16,26,36には、熱交換器用冷却水流通管41,51,61およびタンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37を介して熱交換器4,5,6が接続されている。また、タンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37には、タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18,28,38が接続されており、これらのタンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18,28,38は、制御装置8によって開閉制御可能とされている。さらに、制御装置8には、タンク本体10,20,30内の圧力および温度をそれぞれ検出する圧力計および温度計が接続されており、検出した圧力および温度をそれぞれ制御装置8に出力している。制御装置8では、出力された温度および圧力に基づいて、タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18,28,38および熱交換器用冷却水導入バルブ42,52,62の開閉制御を行っている。さらに、各タンク本体10,20,30に接続されるガス流通管14,24,34に設けられたガス充填バルブ15,25,35の開閉制御をも行っている。このため、各タンク1,2,3のいずれから燃料ガスの充填を始めるか、または熱交換器4,5,6からの過冷却水をどのタンク内熱交換器16,26,36に流すかの選択を自由に行うことができる。燃料ガスを充填する際の具体的な制御の手順の例については後に説明する。
【0023】
さらに、タンク内熱交換器用冷却水流通管17,27,37は、三方バルブ19,29,39がそれぞれ設けられている。たとえば、充填しようとするタンク1,2,3にガス燃料が多く残っており、あまり低圧でない場合には、ガスの断熱膨張作用による吸熱はあまり期待できない。この場合は、タンク内熱交換器16,26,36に冷却水を流すことで、配管等からの入熱があり、かえって冷却水温度が上がってしまう可能性がある。このような冷却水温度の上昇を防止するために、三方バルブ19,29,39が設けられている。そして、制御装置8において、タンク内の圧力および温度に基づいて、熱交換器用冷却水流通管41,51,61とインフラ側冷却水循環器からの回路を切り替え、最適な冷却水を流すような制御を行うことができる。
【0024】
続いて、本実施形態における燃料ガスの充填方法の第1例ついて説明する。この例では、複数のタンクに燃料ガスを充填する際に、次に充填されるタンクをあらかじめ冷却するものである。
【0025】
図2は、燃料ガスの充填方法の第1例を示すフローチャートである。この例では、第一タンク1が空の状態(0MPa)、第二タンク2が使用中の状態(5MPa)、第三タンク3が満タンの状態(20MPa)である場合を想定して説明する。なお、使用中である第二タンク2は、燃料ガスを充填する直前までは燃料ガスを放出していた状態にあったので、第一タンク1および第三タンク3よりも冷えた状態にある。
【0026】
それでは、この例にかかる燃料ガスの充填方法を説明すると、まず、タンク1,2,3の充填順序を決定する(S1)。充填順序は、図示しない圧力計および温度計によって、各タンク1,2,3内の圧力および温度を検出し、検出された圧力および温度に基づいて制御装置8によって決定する。充填順序を決定するにあたり、満充填するのではなく、規定量、たとえば20MPaの燃料ガスを充填するのであれば、第一タンク1に充填を行う。また、満充填を行うのであれば、タンク内温度が一番低い第二タンク2から充填を行い、最後に圧力が高いタンクに充填を行う。この例では、満充填を行うべく、タンク内温度が一番低い第二タンク2、次に第一タンク1に燃料ガスの充填を行う。
【0027】
充填順序を決定したら、第一タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18を開くとともに第一三方バルブ19を操作し、さらに、第二熱交換器用冷却水導入バルブ52を開く。こうして、第二タンク2に接続されている第二ガス充填バルブ25を包囲する第二熱交換器5における第二熱交換器用冷却水流通管51と、第一タンク1の内部にある第一タンク内熱交換器16に接続されている第一タンク内熱交換器用冷却水流通管17とを接続する(S2)。この状態で、冷却水の循環を開始させる(S3)。
【0028】
冷却水の循環を開始させたら、第二ガス充填バルブ25を開放して、第二タンク2に燃料ガスを充填する(S4)。このとき、図示しないインフラ側ガス充填機から高圧の燃料ガスが供給されるが、第二ガス充填バルブ25が開放されることにより、第二ガス充填バルブ25の近傍位置が、燃料ガスの断熱膨張作用によって冷却される。一方で、第二熱交換器用冷却水流通管51と第一タンク内熱交換器用冷却水流通管17とが接続されていることから、第二熱交換器5で吸収された冷熱が第一タンク1内との間で熱交換される。このようにして、第一タンク1内が冷却される。
【0029】
このまま、第二タンク2内に燃料ガスを充填し、第二タンク2が規定圧である20MPaに達したら、第二ガス充填バルブ25を閉じる(S5)。このとき、第二タンク2内は、燃料ガスを吸蔵したために温度が高くなっている。なお、第二タンク2内の温度を高くしすぎないようにするために、第二タンク2に燃料ガスを充填している間、第二タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ28を開いて、第二タンク内熱交換器用冷却水流通管27に第二熱交換器用冷却水流通管51から冷却水を供給するようにしてもよい。
【0030】
第二タンク2への燃料ガスの充填が済んで第二ガス充填バルブ25を閉じたら、続いて、第一タンク1への燃料ガスの充填を行う。第一タンク1への燃料ガスの充填を行うにあたり、まず、第一タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18を閉じるとともに第一三方バルブ19を操作し、第二熱交換器用冷却水導入バルブ52を閉じる。その一方で、第二タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ28を開くとともに第二三方バルブ29を操作し、さらに第一熱交換器用冷却水導入バルブ42を開く。こうして、第一タンク1に接続されている第一ガス充填バルブ15を包囲する第一熱交換器4における第一熱交換器用冷却水流通管41と、第二タンク2の内部にある第二タンク内熱交換器26に接続されている第二タンク内熱交換器用冷却水流通管27とを接続し(S6)、冷却水を循環させる。
【0031】
それから、第一ガス充填バルブ15を開放して、第一タンク1に燃料ガスを充填する(S7)。このとき、図示しないインフラ側ガス充填機から高圧の燃料ガスが供給されるが、第一ガス充填バルブ15が開放されることにより、第一ガス充填バルブ15の近傍位置が、燃料ガスの断熱膨張作用によって冷却される。一方で、第一熱交換器用冷却水流通管41と第二タンク内熱交換器用冷却水流通管27とが接続されていることから、第一熱交換器4で吸収された冷熱が第二タンク2内との間で熱交換される。第二タンク2内では、燃料ガスが吸蔵されることによってその温度が上昇しているが、このようにして、第二タンク2内が冷却される。また、第二タンク2は、タンク表面からも自然冷却される。こうして、第二タンク2に吸蔵された燃料ガスの温度を低下させることができる。
【0032】
このまま、第一タンク1内に燃料ガスを充填し、第一タンク1が規定圧である20MPaに達したら、第一ガス充填バルブ15を閉じる(S8)。このとき、第二タンク2内は、燃料ガスを吸蔵したために温度が高くなっている。なお、第一タンク1内の温度を高くしすぎないようにするために、第一タンク1に燃料ガスを充填している間、第一タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18を開いて、第一タンク内熱交換器用冷却水流通管17に第一熱交換器用冷却水流通管41から冷却水を供給するようにしてもよい。
【0033】
第一タンク1に燃料ガスを充填している間、第二タンク2内では、燃料ガスが冷却されることから、燃料ガスの吸蔵が促進されて第二タンク2内の圧力がたとえば20MPaから18MPaに低下する。第一タンク1への充填が終了したら、第二ガス充填バルブ25を開いて、第二タンク2に燃料ガスを充填し、圧力低下分の燃料ガスを補充充填する(S9)。この第二タンク2への補充充填を行っている間に、第一タンク1では、タンク表面からの自然冷却によって充填された燃料ガスが冷却される。このとき、第一タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18を開くとともに第一三方バルブ19を操作し、さらに、第二熱交換器用冷却水導入バルブ52を開き、第一タンク1に第二熱交換器5から冷却水を供給して、第一タンク1を過冷却させることもできる。なお、第二タンク2について補充充填を行う際には、高圧下でのガス充填ではなく、さほど熱がでないので、実用上冷却は不要である。
【0034】
こうして、第二タンク2への燃料ガスの補充充填が完了したら、第一タンク1内も冷却されて、第一タンク1内の燃料ガスの圧力が低下する。この低下分を補充するために、第二ガス充填バルブ25を閉じる一方で、第一ガス充填バルブ15を開いて、第一タンク1に対して燃料ガスを補充充填する(S10)。こうして、各タンク1,2,3への燃料ガスの充填が完了する。
【0035】
このように、この例による燃料ガスの充填方法では、第二タンク2に燃料ガスを充填している間に、次に燃料ガスを充填する第一タンク1を冷却している。このため、燃料ガスを充填する前に、第一タンク1を別途冷却するための時間を確保する必要がないので、各タンクに対する燃料の充填を迅速に済ませることができる。
【0036】
さらに、本実施形態における燃料ガスの充填方法の第2例ついて説明する。この例では、複数のタンクに燃料ガスを充填する際に、次に充填されるタンクをあらかじめ冷却するものである。
【0037】
図3は、燃料ガスの充填方法の第2例を示すフローチャートである。この例では、第一タンク1が空の状態(0MPa,20℃)、第二タンク2がほぼ空の状態(0.5MPa,20℃)、第三タンク3が使用中の状態(10MPa,0℃)である場合を想定して説明する。また、吸着剤11,21,31としては炭素系吸着剤を使用し、燃料ガスとしてはメタンを用いた。また、各タンクの状態として、タンク内の温度は、第三タンク3<第一タンク1=第二タンク2、第三タンク3>>第二タンク>第一タンクとなっている。
【0038】
それでは、この例にかかる燃料ガスの充填方法を説明すると、まず、タンク1,2,3の充填順序を決定する(S11)。充填順序は、上記第1例と同様に、充填順序は、図示しない圧力計および温度計によって、各タンク1,2,3内の圧力および温度を検出し、検出された圧力および温度に基づいて制御装置8によって決定する。本例では、タンク内の温度が一番低い第三タンク3に最初に充填を行い、次に、圧力が高い第二タンク2に充填を行い、最後に第一タンク1に充填を行う。
【0039】
充填順序を決定したら、第二タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ28を開くとともに第二三方バルブ29を操作し、さらに、第三熱交換器用冷却水導入バルブ62を開く。こうして、第三タンク3に接続されている第三ガス充填バルブ35を包囲する第三熱交換器6における第三熱交換器用冷却水流通管61と、第二タンク2の内部にある第二タンク内熱交換器26に接続されている第二タンク内熱交換器用冷却水流通管27とを接続する(S12)。この状態で、冷却水の循環を開始させる(S13)。
【0040】
冷却水の循環を開始させたら、第三ガス充填バルブ35を開放して、第三タンク3に燃料ガスを充填する(S14)。このとき、上記第1例と同様の作用により、第三ガス充填バルブ35が開放されて、第三ガス充填バルブ35の近傍位置が、燃料ガスの断熱膨張作用によって冷却され、第三熱交換器6で吸収された冷熱が第二タンク2内との間で熱交換されて、第二タンク2内が冷却される。
【0041】
このまま、第三タンク3内に燃料ガスを充填し、第三タンク3が規定圧である20MPaに達したら、第三ガス充填バルブ35を閉じる(S15)。このとき、各タンク1,2,3の温度は、第三タンク3(80℃)>第一タンク1(20℃)>第二タンク2(0℃)となっており、各タンク1,2,3の圧力は、第三タンク3(20MPa)>第二タンク2(0.5MPa)>第一タンク1(0MPa)となっている。
【0042】
第三タンク3への燃料ガスの充填が済んで第三ガス充填バルブ35を閉じたら、続いて、第二タンク2への燃料ガスの充填を行う。第二タンク2への燃料ガスの充填を行うにあたり、まず、第二タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ28を閉じるとともに第二三方バルブ29を操作し、第三熱交換器用冷却水導入バルブ62を閉じる。その一方で、第一タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ18を開くとともに第一三方バルブ19を操作し、さらに第二熱交換器用冷却水導入バルブ52を開く。こうして、第二タンク2に接続されている第二ガス充填バルブ25を包囲する第二熱交換器5における第二熱交換器用冷却水流通管51と、第一タンク1の内部にある第一タンク内熱交換器16に接続されている第一タンク内熱交換器用冷却水流通管17とを接続し(S16)、冷却水を循環させる。
【0043】
冷却水の循環を開始させたら、第二ガス充填バルブ25を開放して、第二タンク2に燃料ガスを充填する(S17)。このとき、上記第1例と同様の作用により、第二熱交換器5で吸収された冷熱が第一タンク1内との間で熱交換されて、第一タンク1内が冷却される。
【0044】
それから、第二タンク2内に燃料ガスを充填し、第二タンク2が規定圧である20MPaに達したら、第二ガス充填バルブ25を閉じる(S18)。このとき、各タンク1,2,3の温度は、第二タンク2(80℃)>第三タンク3(60℃)>第一タンク1(0℃)となっており、各タンク1,2,3の圧力は、第二タンク2(20MPa)>第三タンク3(18MPa)>第一タンク(0MPa)となっている。ここで、既に燃料ガスが規定圧まで充填された第三タンク3は、自然冷却により、規定圧までの充填が完了した時点よりは冷却されている。この第三タンク3内の温度の低下に伴い、燃料ガスの吸蔵が促進されたため、第三タンク3内の圧力も低下している。
【0045】
それから、第一タンク1への燃料ガスの充填を行う。第一タンク1への燃料ガスの充填の際には、第三タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ38を開くとともに、第三三方バルブ39を操作し、さらに、第一熱交換器用冷却水導入バルブ42を開く。こうして、第一熱交換器4における第一熱交換器用冷却水流通管41と、第三タンク3の内部にある第三タンク内熱交換器36に接続されている第三タンク内熱交換器用冷却水流通管37とを接続し(S19)、冷却水を循環させる。
【0046】
それから、第一ガス充填バルブ15を開放して、第一タンク1に燃料ガスを充填する(S20)。第一タンク1に燃料ガスを充填すると、第一熱交換器4の冷熱が第三タンク内熱交換器36に供給されて、第三タンク3内が冷却される。そして、第一タンク1内が規定圧である20MPaに達したら、第一ガス充填バルブ15を閉じる(S21)。
【0047】
こうして、各タンク1,2,3に燃料ガスを充填したら、タンク内圧力の低い第三タンク3、第二タンク2、第一タンク1の順で補充充填を行い(S22)、各タンク1,2,3への充填が完了する。
【0048】
このように、本例のような充填方法によれば、燃料ガスの充填を行っていないタンクを好適に冷却することにより、迅速に燃料ガスの充填を済ませることができる。
【0049】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では複数のタンクを設ける態様としたが、タンクは単独で設けられる態様とすることができる。また、各タンクに対応する形で熱交換器を設けているが、複数のタンクのうちの一部に熱交換器を設けて、タンク内熱交換器との間で熱交換を行う態様とすることもできる。また、燃料ガスとしては天然ガスを挙げているが、燃料ガスとしては、水素などを挙げることもできる。
【0050】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、無駄なエネルギの発生を防止しながら、ガス吸蔵材料が設けられた貯蔵容器に多くに燃料ガスを充填することができるガス貯蔵システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るガス貯蔵システムのブロック構成図である。
【図2】燃料ガスの充填方法の第1例を示すフローチャートである。
【図3】燃料ガスの充填方法の第2例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…第一タンク、2…第二タンク、3…第三タンク、4…第一熱交換器、5…第二熱交換器、6…第三熱交換器、7…ガス充填カプラ、8…制御装置、10,20,30…タンク本体、11,21,31…吸着剤、12,22,32…ガス導入口、13,23,33…冷却液導入口、14,24,34…ガス流通管、15,25,35…ガス充填バルブ、16,26,36…第一タンク内熱交換器、17,27,37…タンク内熱交換器用冷却水流通管、18,28,38…タンク内熱交換器用冷却水導入バルブ、19,29,39…三方バルブ、41,51,61…熱交換器用冷却水流通管、42,52,62…熱交換器用冷却水導入バルブ、S…ガス貯蔵システム。
Claims (3)
- タンク内熱交換器およびガス吸蔵材料が内部に設けられ、ガス充填装置から供給される燃料ガスを充填するガス供給路に接続されたタンクを備えるガス貯蔵システムにおいて、
前記ガス供給路を流れる燃料ガスとの間で熱交換を行う熱交換器が設けられており、
前記熱交換器が、熱授受体通路を介して前記タンク内熱交換器に接続されていることを特徴とするガス貯蔵システム。 - 前記タンクが複数設けられ、前記複数のタンクのそれぞれにおけるタンク内熱交換器に対して、前記熱交換器が熱授受体通路を介して接続されている請求項1に記載のガス貯蔵システム。
- 前記複数のタンクのそれぞれにおけるタンク内熱交換器のうち、前記熱交換器が接続されるタンク内熱交換器を切り替える切替手段が設けられている請求項2に記載のガス貯蔵システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003120354A JP2004324770A (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | ガス貯蔵システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003120354A JP2004324770A (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | ガス貯蔵システム |
Publications (1)
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JP2003120354A Pending JP2004324770A (ja) | 2003-04-24 | 2003-04-24 | ガス貯蔵システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004324770A (ja) |
-
2003
- 2003-04-24 JP JP2003120354A patent/JP2004324770A/ja active Pending
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