JP2004324724A - 密封装置およびシール材 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温で使用した場合においても良好なシール性が得られるシール材、および密封装置を提供する。
【解決手段】軸20の外周面を囲繞するように形成されたスタフィングボックス30と、前記軸と前記スタフィングボックスとの間を密封するように、前記軸の外周面に相互に接するように装着された複数のリング状のグランドパッキン40と、前記リング状のグランドパッキン同士が接する面の内周端部の間、または前記グランドパッキン同士が接する面の外周端部の間の少なくとも一方に配置された、リング状の封止材と、前記グランドパッキンおよび封止材を軸方向に押圧するパッキン押さえ手段70と、を有することを特徴とする。
【効果】応力緩和を起こし難く、かつ流体の漏洩が抑えられ、その結果長期的に安定してシールすることができるシール材、および密封装置を提供することができる。
【選択図】図1
【解決手段】軸20の外周面を囲繞するように形成されたスタフィングボックス30と、前記軸と前記スタフィングボックスとの間を密封するように、前記軸の外周面に相互に接するように装着された複数のリング状のグランドパッキン40と、前記リング状のグランドパッキン同士が接する面の内周端部の間、または前記グランドパッキン同士が接する面の外周端部の間の少なくとも一方に配置された、リング状の封止材と、前記グランドパッキンおよび封止材を軸方向に押圧するパッキン押さえ手段70と、を有することを特徴とする。
【効果】応力緩和を起こし難く、かつ流体の漏洩が抑えられ、その結果長期的に安定してシールすることができるシール材、および密封装置を提供することができる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スタフィングボックス内に装着され、前記スタフィングボックス内のステム等を封止する新規なシール材、およびこのシール材が装着されてなる新規な密封装置に関する。
さらに詳しくは、回転ポンプ、バルブ、撹拌機および往復動ポンプ等のスタフィングボックス内に装着し、スタフィングボックス内のステム等を封止するに際し、ステム等の様々な動作特性および封止要求特性のすべてに適応し、有効に用いられる、新規なシール材、およびこのシール材が装着された新規な密封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からグランドパッキンとしては、例えば、石綿糸を編組し、潤滑剤などを含浸させたもの、あるいは石綿、潤滑剤、バインダーを混練して、押し出しまたはプレスによって成形したものなどが知られている。石綿は、熱安定性および耐磨耗性に優れ、しかも潤滑剤、粘着剤などの保持性に優れているためグランドパッキンの素材として多く使用されてきた。しかし、石綿は塵肺等の問題を起こし環境衛生上好ましくないため、最近ではその使用が制限されている。
【0003】
そこで、石綿に代えて、他の無機繊維または有機繊維を用いたグランドパッキンが提案されている。
そのようなグランドパッキンとして、例えば、無機繊維または有機繊維と、シリコンオイルなどのオイルとからなるグランドパッキンが挙げられる。このグランドパッキンは、常温ではシール性が得られるが、これらの繊維はオイル保持性が低いため、200℃程度の温度になると繊維からオイルが流出し、その後、増締してもシール性は回復しないという問題がある。
【0004】
また、無機繊維または有機繊維と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE )とからなるグランドパッキンが提案されている。
このようなグランドパッキンは、常温ではシール性に優れているが、200℃以上の温度になると、PTFEの膨張によりグランドパッキンが膨張するため、スタフィングボックス内に収まりきらなくなり、クリアランスからはみ出すことがある。この熱によって膨張したグランドパッキンは、冷却されれば収縮するが、はみ出した部分はスタフィングボックス内には戻らないため、グランドパッキンは減量した形になり、応力緩和を起こす。この場合、増締すればシール性は回復するが、この現象は繰り返され、次第にシール性が低下する原因となる。
【0005】
近年は、シール性の良い膨張黒鉛を主原料として用いたパッキンが使用されるようになってきている。この膨張黒鉛系パッキンには種々のタイプがあるが、最も一般的なものは、膨張黒鉛製シートを所定の幅にスリットして得たテープ状素材を、成形用金型内に渦巻き状または同心円状に配置した後、これを縦方向に圧縮成形加工して得られたリング状グランドパッキンである。
【0006】
また、別の構造の膨張黒鉛系パッキンとして、膨張黒鉛製シートを所定の幅にスリットして得たテープ状素材の周囲を補強繊維で袋編みするなどの方法で、膨張黒鉛と補強繊維とを複合させた編み糸を作り、これを八編み、袋編みあるいは格子編み等に編組して紐状体を構成することで、様々な軸径に合わせて所定の長さに切断して使用できるような編組タイプも最近使用されている。
【0007】
このような膨張黒鉛製グランドパッキンにおいても、シール性、摺動性などを向上させるために、フッ素樹脂と複合化させたり、液体潤滑材を含浸させることが行われている。
膨張黒鉛とフッ素樹脂とを複合化したグランドパッキンを得る技術として、特開平02−093171号公報(特許文献1)には、膨張黒鉛テープをPTFEディスパージョンで処理した後、巻いて、リング状グランドパッキンを成形する技術が開示されている。さらに、特開平10−299903号公報(特許文献2)には、膨張黒鉛シートとPTFEテープとを重ねて巻いてリング状グランドパッキンを成形する技術が開示されている。
【0008】
このような、膨張黒鉛とフッ素樹脂とを複合化させたグランドパッキンや、膨張黒鉛に液体潤滑材を含浸させたグランドパッキンは、シール性、摺動性は向上するが、グランドパッキンのはみ出しが増加するという問題点がある。
そこで本出願人は、このような問題点を解決する技術として、特開平08−100860号公報(特許文献3)において、膨張黒鉛に特定の粘度のオイルを塗布して得られるグランドパッキンを開示している。このようなグランドパッキンによれば、スタフィングボックスからはみ出さず、シール性を向上させることができる。
【0009】
しかしながら、このような特定の粘度のオイルを塗布して得られるグランドパッキンにおいても、グランドパッキンを高温時で使用した場合には、若干ながら応力緩和を起こす点に改良すべき点があった。
一方、図7に示すように、軸102とスタフィングボックス104との間を密封するように、軸102にリング状グランドパッキン106とスペーサーリング108とが嵌挿された密封装置100が知られている(例えば、特開昭53−129758号公報(特許文献4)、特開昭57−173665号公報(特許文献5)を参照)。
【0010】
この密封装置100は、2枚のグランドパッキン106,106の間に、フッ素樹脂等からなるスペーサーリング108を配置することによりシール性を向上させている。
これら特許文献には、このような密封装置100によれば、スペーサーリング104がグランドパッキン102の変形を防ぎ、流体が外部に漏洩しないため、高い密封性が得られると記載されている。
【0011】
【特許文献1】
特開平02−093171号公報
【特許文献2】
特開平10−299903号公報
【特許文献3】
特開平08−100860号公報
【特許文献4】
特開昭53−129758号公報
【特許文献5】
特開昭57−173665号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
(A)このような密封装置100や、
(B)上述の膨張黒鉛とフッ素樹脂とを複合化したグランドパッキンや、膨張黒鉛に液体潤滑材を含浸させたグランドパッキンを、フッ素樹脂等からなるスペーサーリングと併用した密封装置、
であっても、常温で使用する場合には、スペーサーリングを用いない場合に比べてシール性が向上する。
【0013】
しかしながら、密封装置を高温下で使用する場合には、フッ素樹脂等からなるスペーサーリングが応力緩和を起こしやすくなる。したがって、密封装置を高温下で使用した後は、グランドパッキンのシール性が低下してしまうという問題があった。
本発明は、このような現状を考慮して、高温で使用した場合においても良好なシール性が得られるシール材、および密封装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る密封装置は、回転ポンプ、バルブ、撹拌機および往復動ポンプ等の軸などを封止するために用いられる密封装置であって、
軸の外周面を囲繞するように形成されたスタフィングボックスと、
前記軸と前記スタフィングボックスとの間を密封するように、前記軸の外周面に相互に接するように装着された複数のリング状のグランドパッキンと、
前記リング状のグランドパッキン同士が接する面の内周端部の間、または前記グランドパッキン同士が接する面の外周端部の間の少なくとも一方に配置された、リング状の封止材と、
前記グランドパッキンおよび封止材を軸方向に押圧するパッキン押さえ手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るシール材は、軸の外周面に連接させて用いられるリング状のグランドパッキンと、前記リング状のグランドパッキン同士が接する面の内周端部の間、または前記グランドパッキン同士が接する面の外周端部の間の少なくとも一方に配置された、リング状の封止材と、からなることを特徴とする。
前記リング状の封止材が、前記リング状のグランドパッキン同士が接する面の内周端部、または前記グランドパッキン同士が接する面の外周端部の少なくとも一方の全周に亘って形成されたすり鉢状の凹部内に配置されていることが好ましい。
【0016】
また、前記リング状の封止材は、前記前記リング状のグランドパッキン同士が接する面の内周端部と、前記グランドパッキン同士が接する面の外周端部とに配置されていることも好ましい。
さらに、前記リング状の封止材は、熱溶融性の樹脂からなることが望ましく、フッ素樹脂からなることも望ましい。
【0017】
前記リング状のグランドパッキンは、膨張黒鉛製グランドパッキンであることが好ましい。
このような構造であるシール材を用いた密封装置においては、流体の温度が上昇することにより、スタフィングボックス内のリング状の封止材の温度も上昇し、軟化もしくは溶融する。
【0018】
この時、リング状の封止材は、隣接するグランドパッキンの接触面と軸の外周面との間、あるいは隣接するグランドパッキンの接触面とスタフィングボックスの内周面との間に、閉塞された状態で存在する。したがって、リング状の封止材が、軟化もしくは溶融しても外部にはみ出さず、流体が外部に流出しない。
そのため、本発明の密封装置は、グランドパッキンに樹脂や液体潤滑材を含浸させて形成されている密封装置や、グランドパッキンと樹脂製スペーサーリングを併用して形成されている密封装置に比べて、応力緩和を起こし難くなり、良好なシール性が得られる。
【0019】
一方、密封装置には流体の圧力も負荷され、流体が、スタフィングボックスを通じてバルブの外部に流出しようとする。しかしながら、通常、グランドパッキンによりスタフィングボックス内は封止されており、流出は抑えられる。
ところが、グランドパッキンとスタフィングボックスの微少な隙間が存在する場合、流体は、この微少な隙間を通じてバルブ外部に漏洩する傾向があり、特に密封装置を高温下で使用する場合は顕著である。
【0020】
本願のシール材を用いた密封装置は、隣接するリング状のグランドパッキン間の接する面の端部に沿って、リング状の封止材が閉塞された状態で配置されている。
したがって、グランドパッキンとスタフィングボックスの隙間を通じてリング状の封止材まで到達した流体は、温度の上昇により軟化もしくは溶融したリング状の封止材に封止されるので、外部に漏洩することがない。
【0021】
また、グランドパッキンとして、潤滑油や樹脂等の有機物を含まないグランドパッキンを用いた場合、高温下でも応力緩和を起こしにくいという利点があるが、グランドパッキンとスタフィングボックスの微少な隙間が生じて流体が外部に漏れやすくなる。
これに対し、本発明のシール材を用いた密封装置は、流体の圧力が負荷され、流体がスタフィングボックスを通じてバルブの外部に流出しようとするが、リング状の封止材により、封止され流出は抑えられる。
【0022】
したがって、本発明によれば、長期的に安定してシール性能を維持することができるシール材および密封装置を提供することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
なお、各図面において同一の部分を示す場合には、同一の符号を記す。
図1は、本発明の密封装置の縦断面図である。図1に示したように、10は全体で本発明の密封装置を示している。
【0024】
本発明の密封装置10は、図1に示したように、軸20の外周面22を囲繞するように形成されたスタフィングボックス30と、
軸20とスタフィングボックス30との間を密封するように、軸20の外周面22に連接して装着されたリング状のグランドパッキン40と、
リング状のグランドパッキン40同士が接する面の内周端部の間に配置された、リング状の封止材50と、
リング状のグランドパッキン40同士が接する面の外周端部の間に配置された、リング状の封止材60と、
リング状のグランドパッキン40およびリング状の封止材50,60を軸方向に押圧するパッキン押さえ手段70と、を基本的に備える。
【0025】
さらに、パッキン押さえ手段70は、固着手段80によりスタフィングボックス30に固定され、所望の圧力となるように、リング状のグランドパッキン40およびリング状の封止材50,60が、スタフィングボックス30内に押圧されるようになっている。
【0026】
このように、本実施例の密封装置においては、軸20とスタフィングボックス30との間を密封するように、本発明のシール材が配設されている。
まず、本発明に用いられるリング状のグランドパッキン40、リング状の封止材50,60について説明する。
本発明で用いられるグランドパッキン40としては、スタフィングボックス30内にリング状パッキンとして連設して装着されるのであれば、特にその材質・構造は限定されない。
【0027】
このグランドパッキン40の材質としては、耐熱性の観点から、膨張黒鉛、炭素繊維などの炭素材;金属繊維などの金属;無機繊維、無機充填材などの無機物等が挙げられる。
本発明においては、このようなグランドパッキン40に潤滑油や樹脂等の有機物を含有させないものが好ましい。グランドパッキンが、潤滑油や樹脂等の有機物を含有しないことにより、高温下でも応力緩和を起こしにくいため、シール性を向上させることができる。
【0028】
本発明において「高温下」とは、一般的にグランドパッキンに用いられる樹脂が軟化もしくは溶融する温度以上の状態を指す。
また、このようなグランドパッキン40としては、特に限定されないが、具体的には、スタフィングボックス30内に装着する前に、金型等でリング状に圧縮成形して得られたグランドパッキンや、所望の長さに切断した紐状のグランドパッキンをスタフィングボックス内に装着し、スタフィングボックス内で圧縮してリング状に成形されたグランドパッキン等が挙げられる。
【0029】
本発明で用いられるグランドパッキン40としては、スタフィングボックス装着の前に金型等でリング状に圧縮成型したものが好ましい。
このようなグランドパッキンを用いることにより、本発明の密封装置のシール性を向上させることができる。
本発明に用いられるリング状のグランドパッキン40は、その形状は特に限定されず、通常、密封装置に用いられるリング状パッキンを用いることができる。
【0030】
また、本発明においては、図2にその概略斜視図(図2(a))、そのA−A線断面図(図2(b))を示したように、リング状の封止材の形状に合わせて、外径方向の端部と内径方向の端部とを面取りした形状を有する、リング状のグランドパッキンを用いることも好ましい。
一方、本発明で用いられるリング状の封止材50,60は、使用温度(約200℃〜400℃)で軟化もしくは溶融し、硬化を起こさない樹脂、すなわち熱溶融性(熱可塑性)樹脂から形成される。尚、本発明における樹脂には、有機物からなる高分子全般を意味し、通常は「ゴム」と呼ばれ狭義の樹脂とは区別されているものも包含される。
【0031】
リング状の封止材50,60は、それぞれ同一の熱溶融性樹脂から形成されていてもよく、異なる樹脂から形成されていてもよい。
この熱溶融性(熱可塑性)樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。これらのうちでは、フッ素樹脂を用いることが好ましい。
【0032】
フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(FEP)等が挙げられる。
このようなフッ素樹脂から形成されたリング状の封止材は、シール性に優れ、さらに軸抵抗が低いので好ましい。
【0033】
リング状の封止材の製造法は特に限定されず、ブロック状の素材を旋盤等でリング状に切削加工して製造することができる。
このようにして製造される、リング状の封止材の形状を、図を用いて説明する。
図3(a)に、リング状の封止材50の概略斜視図を示し、図3(b)にリング状の封止材50のB−B線断面図を示す。
【0034】
リング状の封止材50は、図3(a)、(b)に示したように、その断面形状が、外方に向かって突出する形状に形成されており、斜面52,54は、テーパ状に形成されている。さらに、内径面51は軸20の外周面22に密接するように形成されている。
リング状の封止材50は、軸20を封止できるのであればその形状は特に限定されないが、密封性を考慮すると、図3(b)に示したように、断面形状が、斜面52,54の長さが等しい二等辺三角形であることが好ましい。
【0035】
リング状の封止材50が、このような形状であることにより、グランドパッキン40との密着性に優れ、隣接するグランドパッキン40,40の接触面と軸20の外周面22との間に、閉塞された状態で存在する。したがって、流体の漏洩が抑えられ、さらに、密封装置を高温下で使用して、封止材が軟化もしくは溶融しても、流体が外部に流出することがない。
【0036】
このようなリング状の封止材50は、グランドパッキン40に対して、以下のような大きさとなるように形成されていることが好ましい。
図2に示す密封装置10のI部の部分拡大図を、図5に示す。
リング状の封止材50は、図5に示されるように、軸20の外周面22に隣接する内径面51の軸方向の幅dが、通常、図5に示されるグランドパッキン40の軸方向の厚さcの、2/3〜1/20、好ましくは1/2〜1/10の長さとなるように形成されていることが望ましい。
【0037】
また、図5に示されるように、リング状の封止材50は、突出部の直径方向の幅eが、通常、グランドパッキン40の外径方向の幅bの1/3〜1/20、好ましくは1/3〜1/10の長さとなるように形成されていることが望ましい。
このような範囲にあれば、流体がリング状の封止材50に封止されるため、グランドパッキン40と軸20との間から外部に流体が漏洩することがなく、長期的に安定してシールすることができる。
【0038】
また、図4(a)に、リング状の封止材60の概略斜視図を示し、さらに図4(b)にそのC−C線断面図を示す。
リング状の封止材60は、図4(a)、(b)に示したように、その断面形状が、内方に向かって突出する形状に形成されており、斜面62,64は、テーパ状に形成されている。さらに、外径面61はスタフィングボックス30の内周面32に密接するように形成されている。
【0039】
リング状の封止材60は、スタフィングボックス30内を封止できるのであればその形状は特に限定されないが、密封性を考慮すると、図4(b)に示すように、断面形状が、斜面62,64の長さが等しい二等辺三角形であることが好ましい。
リング状の封止材60が、このような形状であることにより、グランドパッキン40との密着性に優れ、2枚のグランドパッキン40,40の隣接面とスタフィングボックス30の内周面32との間に、閉塞された状態で存在することになる。したがって、流体の漏洩が抑えられ、さらに、密封装置を高温下で使用して、封止材が軟化もしくは溶融しても、流体が外部に流出することがない。
【0040】
このようなリング状の封止材60は、グランドパッキン40に対して、以下のような大きさとなるように形成されていることが好ましい。
具体的には、図5に示すように、リング状の封止材60は、軸20の外周面22に隣接する外径面61の軸方向の幅fが、通常、図5に示されるグランドパッキン40の軸方向の厚さcの、2/3〜1/20、好ましくは1/2〜1/10の長さとなるように形成されていることが望ましい。
【0041】
また、図5に示すように、リング状の封止材60は、突出部の直径方向の幅gが、通常、グランドパッキン40の外径方向の幅bの1/3〜1/20、好ましくは1/3〜1/10の長さとなるように形成されていることが望ましい。
このような範囲にあれば、流体がリング状の封止材60に封止されるため、グランドパッキン40とスタフィングボックス30との間から、外部に流体が漏洩することがなく、長期的に安定してシールすることができる。
【0042】
本発明の密封装置10は、このようなグランドパッキン40、およびリング状の封止材50,60を、スタフィングボックス30内において、積層して装着し、軸方向に押圧して形成される。このスタフィングボックス30内に装着される様子を、図6(a)〜(e)に模式的に示す。
図6(a)に示すように、まずスタフィングボックス30内において、軸20にグランドパッキン40を嵌挿し、図示しないスタフィングボックス30の内底部34に、当接した状態で配置する。
【0043】
次いで、図6(b)〜(e)に示したように、軸20に嵌挿されたグランドパッキン40の上面42に、リング状の封止材50,60を配置する。
このようにリング状の封止材50,60が配置されたグランドパッキン40の上面に、グランドパッキン40を装着し、さらに、図6(b)〜(e)の手順を繰り返す。
【0044】
このように、密封室内において、隣接するグランドパッキン40,40の間に、リング状の封止材50,60を配置し、上方から押さえ手段70によって軸方向に押圧することにより、本発明の密封装置が得られる。
つまり、グランドパッキン40は上述したように、膨張黒鉛、炭素繊維などの炭素材等から形成されており、熱溶融性(熱可塑性)樹脂からなるリング状の封止材50,60と比較して、硬度が低い。
【0045】
したがって、隣接するグランドパッキン40,40の間に、リング状の封止材50,60を配置し、上方から押さえ手段70によって軸方向に所望の圧力で押圧することにより、グランドパッキン40は変形し、隣接するグランドパッキンの接触面と軸の外周面との間、あるいは隣接するグランドパッキンの接触面とスタフィングボックスの内周面との間に、封止材が閉塞された状態で配設される。
【0046】
また、本発明に用いられるリング状のグランドパッキン40は、図2に示したように、リング状の封止材の形状に合わせて、外径方向の端部と内径方向の端部とを面取りした形状であるリング状のグランドパッキンを用いることも好ましい。
このような形状のリング状のグランドパッキンを用いることにより、グランドパッキンの接する面の内周端部、または外周端部の全周に亘ってすり鉢状の凹部が形成され、リング状のグランドパッキンを変形させることなく、この凹部内に封止材50,60を容易に装着することができ、本発明の密封装置のシール性を向上させることができる。
【0047】
このような本発明の密封装置によれば、高温下で使用した場合でも、グランドパッキン40と、スタフィングボックス30あるいは軸20との隙間を通じてリング状の封止材まで到達した流体は、温度の上昇により軟化もしくは溶融したリング状の封止材に封止されるので、外部に漏洩することがない。
したがって、本発明のシール材および密封装置によれば、長期的に安定してシール性能を維持することができる。
【0048】
本実施例においては、図1に示すように、グランドパッキン40同士が接する面の間にリング状の封止材50,60が共に配設された密封装置を例にとって説明したが、特に限定されるものではなく、例えば、リング状の封止材50,60のいずれか一方のみが配設された密封装置、リング状の封止材50,60を所望の位置に配設された密封装置を用いても良い。
【0049】
また、上述したような密封装置が得られるのであれば、その製造方法は特に限定されず、リング状グランドパッキンの内径端部、あるいは外径端部の少なくとも一方に、樹脂粉末を付着させ、このグランドパッキンをスタフィングボックス内に連設して装着し、次いで圧縮成形して、リング状の封止材をスタフィングボックス内で形成させても良い。
【0050】
本実施例においては、本発明のシール材を図1に示すような密封装置に用いた例によって説明したが、密封装置の形状は特に限定されない。また、本発明のシール材は、伸縮継手などのシール材として用いることもできる。
このように、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0051】
【発明の効果】
本発明のシール材および該シール材を用いた密封装置においては、流体の温度が上昇することにより、スタフィングボックス内のリング状の封止材の温度も上昇し、軟化もしくは溶融する。
この時、リング状の封止材は、隣接するグランドパッキンの接触面と軸の外周面との間、あるいは隣接するグランドパッキンの接触面とスタフィングボックスの内周面との間に、閉塞された状態で存在する。したがって、リング状の封止材が、軟化もしくは溶融しても外部にはみ出さず、流体が外部に流出しない。
【0052】
そのため、本発明の密封装置は、グランドパッキンに樹脂や液体潤滑材を含浸させて形成されている密封装置や、グランドパッキンと樹脂製スペーサーリングを併用して形成されている密封装置に比べて、応力緩和を起こし難くなり、良好なシール性が得られる。
一方、密封装置には流体の圧力も負荷され、流体が、スタフィングボックスを通じてバルブの外部に流出しようとする。しかしながら、通常、グランドパッキンによりスタフィングボックス内は封止されており、流出は抑えられる。
【0053】
ところが、グランドパッキンとスタフィングボックスの微少な隙間が存在する場合、流体は、この微少な隙間を通じてバルブ外部に漏洩する傾向があり、特に密封装置を高温下で使用する場合は顕著である。
本願のシール材を用いた密封装置は、隣接するリング状のグランドパッキン間の接する面の端部に沿って、リング状の封止材が閉塞された状態で配置されている。
【0054】
したがって、グランドパッキンとスタフィングボックスの隙間を通じてリング状の封止材まで到達した流体は、温度の上昇により軟化もしくは溶融したリング状の封止材に封止されるので、外部に漏洩することがない。
また、グランドパッキンとして、潤滑油や樹脂等の有機物を含まないグランドパッキンを用いた場合、高温下でも応力緩和を起こしにくいという利点があるが、グランドパッキンとスタフィングボックスの微少な隙間が生じて流体が外部に漏れやすくなる。
【0055】
これに対し、本発明のシール材を用いた密封装置は、流体の圧力が負荷され、流体がスタフィングボックスを通じてバルブの外部に流出しようとするが、リング状の封止材により、封止され流出は抑えられる。
したがって、本発明によれば、長期的に安定してシール性能を維持することができるシール材および密封装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の密封装置の縦断面図である。
【図2】図2(a)は、本発明の密封装置に用いられるグランドパッキン40の概略斜視図であり、図2(b)は、グランドパッキン40のA−A線断面図である。
【図3】図3(a)は、本発明の密封装置に用いられるリング状の封止材50の概略斜視図であり、図3(b)は、リング状の封止材50のB−B線断面図である。
【図4】図4(a)は、本発明の密封装置に用いられるリング状の封止材60の概略斜視図であり、図4(b)は、リング状の封止材60のC−C線断面図である。
【図5】図5は、図1に示される本発明の密封装置10のI部の部分拡大図である。
【図6】図6は、グランドパッキン40に、リング状の封止材50、リング状の封止材60が配置される状態を表わす模式図である。
【図7】図7は、従来の密封装置の縦断面図である。
【符号の説明】
10,100 密封装置
20,102 軸
22 軸の外周面
30,104 スタフィングボックス
32 スタフィングボックスの内周面
34 スタフィングボックスの内底面
40,106 リング状グランドパッキン
42 グランドパッキンの上面
44 グランドパッキンの下面
50,60 リング状の封止材
51 内径面
52,54,62,64 斜面
61 外径面
70 パッキン押さえ手段
80 固着手段
108 スペーサーリング
【発明の属する技術分野】
本発明は、スタフィングボックス内に装着され、前記スタフィングボックス内のステム等を封止する新規なシール材、およびこのシール材が装着されてなる新規な密封装置に関する。
さらに詳しくは、回転ポンプ、バルブ、撹拌機および往復動ポンプ等のスタフィングボックス内に装着し、スタフィングボックス内のステム等を封止するに際し、ステム等の様々な動作特性および封止要求特性のすべてに適応し、有効に用いられる、新規なシール材、およびこのシール材が装着された新規な密封装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からグランドパッキンとしては、例えば、石綿糸を編組し、潤滑剤などを含浸させたもの、あるいは石綿、潤滑剤、バインダーを混練して、押し出しまたはプレスによって成形したものなどが知られている。石綿は、熱安定性および耐磨耗性に優れ、しかも潤滑剤、粘着剤などの保持性に優れているためグランドパッキンの素材として多く使用されてきた。しかし、石綿は塵肺等の問題を起こし環境衛生上好ましくないため、最近ではその使用が制限されている。
【0003】
そこで、石綿に代えて、他の無機繊維または有機繊維を用いたグランドパッキンが提案されている。
そのようなグランドパッキンとして、例えば、無機繊維または有機繊維と、シリコンオイルなどのオイルとからなるグランドパッキンが挙げられる。このグランドパッキンは、常温ではシール性が得られるが、これらの繊維はオイル保持性が低いため、200℃程度の温度になると繊維からオイルが流出し、その後、増締してもシール性は回復しないという問題がある。
【0004】
また、無機繊維または有機繊維と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE )とからなるグランドパッキンが提案されている。
このようなグランドパッキンは、常温ではシール性に優れているが、200℃以上の温度になると、PTFEの膨張によりグランドパッキンが膨張するため、スタフィングボックス内に収まりきらなくなり、クリアランスからはみ出すことがある。この熱によって膨張したグランドパッキンは、冷却されれば収縮するが、はみ出した部分はスタフィングボックス内には戻らないため、グランドパッキンは減量した形になり、応力緩和を起こす。この場合、増締すればシール性は回復するが、この現象は繰り返され、次第にシール性が低下する原因となる。
【0005】
近年は、シール性の良い膨張黒鉛を主原料として用いたパッキンが使用されるようになってきている。この膨張黒鉛系パッキンには種々のタイプがあるが、最も一般的なものは、膨張黒鉛製シートを所定の幅にスリットして得たテープ状素材を、成形用金型内に渦巻き状または同心円状に配置した後、これを縦方向に圧縮成形加工して得られたリング状グランドパッキンである。
【0006】
また、別の構造の膨張黒鉛系パッキンとして、膨張黒鉛製シートを所定の幅にスリットして得たテープ状素材の周囲を補強繊維で袋編みするなどの方法で、膨張黒鉛と補強繊維とを複合させた編み糸を作り、これを八編み、袋編みあるいは格子編み等に編組して紐状体を構成することで、様々な軸径に合わせて所定の長さに切断して使用できるような編組タイプも最近使用されている。
【0007】
このような膨張黒鉛製グランドパッキンにおいても、シール性、摺動性などを向上させるために、フッ素樹脂と複合化させたり、液体潤滑材を含浸させることが行われている。
膨張黒鉛とフッ素樹脂とを複合化したグランドパッキンを得る技術として、特開平02−093171号公報(特許文献1)には、膨張黒鉛テープをPTFEディスパージョンで処理した後、巻いて、リング状グランドパッキンを成形する技術が開示されている。さらに、特開平10−299903号公報(特許文献2)には、膨張黒鉛シートとPTFEテープとを重ねて巻いてリング状グランドパッキンを成形する技術が開示されている。
【0008】
このような、膨張黒鉛とフッ素樹脂とを複合化させたグランドパッキンや、膨張黒鉛に液体潤滑材を含浸させたグランドパッキンは、シール性、摺動性は向上するが、グランドパッキンのはみ出しが増加するという問題点がある。
そこで本出願人は、このような問題点を解決する技術として、特開平08−100860号公報(特許文献3)において、膨張黒鉛に特定の粘度のオイルを塗布して得られるグランドパッキンを開示している。このようなグランドパッキンによれば、スタフィングボックスからはみ出さず、シール性を向上させることができる。
【0009】
しかしながら、このような特定の粘度のオイルを塗布して得られるグランドパッキンにおいても、グランドパッキンを高温時で使用した場合には、若干ながら応力緩和を起こす点に改良すべき点があった。
一方、図7に示すように、軸102とスタフィングボックス104との間を密封するように、軸102にリング状グランドパッキン106とスペーサーリング108とが嵌挿された密封装置100が知られている(例えば、特開昭53−129758号公報(特許文献4)、特開昭57−173665号公報(特許文献5)を参照)。
【0010】
この密封装置100は、2枚のグランドパッキン106,106の間に、フッ素樹脂等からなるスペーサーリング108を配置することによりシール性を向上させている。
これら特許文献には、このような密封装置100によれば、スペーサーリング104がグランドパッキン102の変形を防ぎ、流体が外部に漏洩しないため、高い密封性が得られると記載されている。
【0011】
【特許文献1】
特開平02−093171号公報
【特許文献2】
特開平10−299903号公報
【特許文献3】
特開平08−100860号公報
【特許文献4】
特開昭53−129758号公報
【特許文献5】
特開昭57−173665号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
(A)このような密封装置100や、
(B)上述の膨張黒鉛とフッ素樹脂とを複合化したグランドパッキンや、膨張黒鉛に液体潤滑材を含浸させたグランドパッキンを、フッ素樹脂等からなるスペーサーリングと併用した密封装置、
であっても、常温で使用する場合には、スペーサーリングを用いない場合に比べてシール性が向上する。
【0013】
しかしながら、密封装置を高温下で使用する場合には、フッ素樹脂等からなるスペーサーリングが応力緩和を起こしやすくなる。したがって、密封装置を高温下で使用した後は、グランドパッキンのシール性が低下してしまうという問題があった。
本発明は、このような現状を考慮して、高温で使用した場合においても良好なシール性が得られるシール材、および密封装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る密封装置は、回転ポンプ、バルブ、撹拌機および往復動ポンプ等の軸などを封止するために用いられる密封装置であって、
軸の外周面を囲繞するように形成されたスタフィングボックスと、
前記軸と前記スタフィングボックスとの間を密封するように、前記軸の外周面に相互に接するように装着された複数のリング状のグランドパッキンと、
前記リング状のグランドパッキン同士が接する面の内周端部の間、または前記グランドパッキン同士が接する面の外周端部の間の少なくとも一方に配置された、リング状の封止材と、
前記グランドパッキンおよび封止材を軸方向に押圧するパッキン押さえ手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るシール材は、軸の外周面に連接させて用いられるリング状のグランドパッキンと、前記リング状のグランドパッキン同士が接する面の内周端部の間、または前記グランドパッキン同士が接する面の外周端部の間の少なくとも一方に配置された、リング状の封止材と、からなることを特徴とする。
前記リング状の封止材が、前記リング状のグランドパッキン同士が接する面の内周端部、または前記グランドパッキン同士が接する面の外周端部の少なくとも一方の全周に亘って形成されたすり鉢状の凹部内に配置されていることが好ましい。
【0016】
また、前記リング状の封止材は、前記前記リング状のグランドパッキン同士が接する面の内周端部と、前記グランドパッキン同士が接する面の外周端部とに配置されていることも好ましい。
さらに、前記リング状の封止材は、熱溶融性の樹脂からなることが望ましく、フッ素樹脂からなることも望ましい。
【0017】
前記リング状のグランドパッキンは、膨張黒鉛製グランドパッキンであることが好ましい。
このような構造であるシール材を用いた密封装置においては、流体の温度が上昇することにより、スタフィングボックス内のリング状の封止材の温度も上昇し、軟化もしくは溶融する。
【0018】
この時、リング状の封止材は、隣接するグランドパッキンの接触面と軸の外周面との間、あるいは隣接するグランドパッキンの接触面とスタフィングボックスの内周面との間に、閉塞された状態で存在する。したがって、リング状の封止材が、軟化もしくは溶融しても外部にはみ出さず、流体が外部に流出しない。
そのため、本発明の密封装置は、グランドパッキンに樹脂や液体潤滑材を含浸させて形成されている密封装置や、グランドパッキンと樹脂製スペーサーリングを併用して形成されている密封装置に比べて、応力緩和を起こし難くなり、良好なシール性が得られる。
【0019】
一方、密封装置には流体の圧力も負荷され、流体が、スタフィングボックスを通じてバルブの外部に流出しようとする。しかしながら、通常、グランドパッキンによりスタフィングボックス内は封止されており、流出は抑えられる。
ところが、グランドパッキンとスタフィングボックスの微少な隙間が存在する場合、流体は、この微少な隙間を通じてバルブ外部に漏洩する傾向があり、特に密封装置を高温下で使用する場合は顕著である。
【0020】
本願のシール材を用いた密封装置は、隣接するリング状のグランドパッキン間の接する面の端部に沿って、リング状の封止材が閉塞された状態で配置されている。
したがって、グランドパッキンとスタフィングボックスの隙間を通じてリング状の封止材まで到達した流体は、温度の上昇により軟化もしくは溶融したリング状の封止材に封止されるので、外部に漏洩することがない。
【0021】
また、グランドパッキンとして、潤滑油や樹脂等の有機物を含まないグランドパッキンを用いた場合、高温下でも応力緩和を起こしにくいという利点があるが、グランドパッキンとスタフィングボックスの微少な隙間が生じて流体が外部に漏れやすくなる。
これに対し、本発明のシール材を用いた密封装置は、流体の圧力が負荷され、流体がスタフィングボックスを通じてバルブの外部に流出しようとするが、リング状の封止材により、封止され流出は抑えられる。
【0022】
したがって、本発明によれば、長期的に安定してシール性能を維持することができるシール材および密封装置を提供することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
なお、各図面において同一の部分を示す場合には、同一の符号を記す。
図1は、本発明の密封装置の縦断面図である。図1に示したように、10は全体で本発明の密封装置を示している。
【0024】
本発明の密封装置10は、図1に示したように、軸20の外周面22を囲繞するように形成されたスタフィングボックス30と、
軸20とスタフィングボックス30との間を密封するように、軸20の外周面22に連接して装着されたリング状のグランドパッキン40と、
リング状のグランドパッキン40同士が接する面の内周端部の間に配置された、リング状の封止材50と、
リング状のグランドパッキン40同士が接する面の外周端部の間に配置された、リング状の封止材60と、
リング状のグランドパッキン40およびリング状の封止材50,60を軸方向に押圧するパッキン押さえ手段70と、を基本的に備える。
【0025】
さらに、パッキン押さえ手段70は、固着手段80によりスタフィングボックス30に固定され、所望の圧力となるように、リング状のグランドパッキン40およびリング状の封止材50,60が、スタフィングボックス30内に押圧されるようになっている。
【0026】
このように、本実施例の密封装置においては、軸20とスタフィングボックス30との間を密封するように、本発明のシール材が配設されている。
まず、本発明に用いられるリング状のグランドパッキン40、リング状の封止材50,60について説明する。
本発明で用いられるグランドパッキン40としては、スタフィングボックス30内にリング状パッキンとして連設して装着されるのであれば、特にその材質・構造は限定されない。
【0027】
このグランドパッキン40の材質としては、耐熱性の観点から、膨張黒鉛、炭素繊維などの炭素材;金属繊維などの金属;無機繊維、無機充填材などの無機物等が挙げられる。
本発明においては、このようなグランドパッキン40に潤滑油や樹脂等の有機物を含有させないものが好ましい。グランドパッキンが、潤滑油や樹脂等の有機物を含有しないことにより、高温下でも応力緩和を起こしにくいため、シール性を向上させることができる。
【0028】
本発明において「高温下」とは、一般的にグランドパッキンに用いられる樹脂が軟化もしくは溶融する温度以上の状態を指す。
また、このようなグランドパッキン40としては、特に限定されないが、具体的には、スタフィングボックス30内に装着する前に、金型等でリング状に圧縮成形して得られたグランドパッキンや、所望の長さに切断した紐状のグランドパッキンをスタフィングボックス内に装着し、スタフィングボックス内で圧縮してリング状に成形されたグランドパッキン等が挙げられる。
【0029】
本発明で用いられるグランドパッキン40としては、スタフィングボックス装着の前に金型等でリング状に圧縮成型したものが好ましい。
このようなグランドパッキンを用いることにより、本発明の密封装置のシール性を向上させることができる。
本発明に用いられるリング状のグランドパッキン40は、その形状は特に限定されず、通常、密封装置に用いられるリング状パッキンを用いることができる。
【0030】
また、本発明においては、図2にその概略斜視図(図2(a))、そのA−A線断面図(図2(b))を示したように、リング状の封止材の形状に合わせて、外径方向の端部と内径方向の端部とを面取りした形状を有する、リング状のグランドパッキンを用いることも好ましい。
一方、本発明で用いられるリング状の封止材50,60は、使用温度(約200℃〜400℃)で軟化もしくは溶融し、硬化を起こさない樹脂、すなわち熱溶融性(熱可塑性)樹脂から形成される。尚、本発明における樹脂には、有機物からなる高分子全般を意味し、通常は「ゴム」と呼ばれ狭義の樹脂とは区別されているものも包含される。
【0031】
リング状の封止材50,60は、それぞれ同一の熱溶融性樹脂から形成されていてもよく、異なる樹脂から形成されていてもよい。
この熱溶融性(熱可塑性)樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。これらのうちでは、フッ素樹脂を用いることが好ましい。
【0032】
フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体(FEP)等が挙げられる。
このようなフッ素樹脂から形成されたリング状の封止材は、シール性に優れ、さらに軸抵抗が低いので好ましい。
【0033】
リング状の封止材の製造法は特に限定されず、ブロック状の素材を旋盤等でリング状に切削加工して製造することができる。
このようにして製造される、リング状の封止材の形状を、図を用いて説明する。
図3(a)に、リング状の封止材50の概略斜視図を示し、図3(b)にリング状の封止材50のB−B線断面図を示す。
【0034】
リング状の封止材50は、図3(a)、(b)に示したように、その断面形状が、外方に向かって突出する形状に形成されており、斜面52,54は、テーパ状に形成されている。さらに、内径面51は軸20の外周面22に密接するように形成されている。
リング状の封止材50は、軸20を封止できるのであればその形状は特に限定されないが、密封性を考慮すると、図3(b)に示したように、断面形状が、斜面52,54の長さが等しい二等辺三角形であることが好ましい。
【0035】
リング状の封止材50が、このような形状であることにより、グランドパッキン40との密着性に優れ、隣接するグランドパッキン40,40の接触面と軸20の外周面22との間に、閉塞された状態で存在する。したがって、流体の漏洩が抑えられ、さらに、密封装置を高温下で使用して、封止材が軟化もしくは溶融しても、流体が外部に流出することがない。
【0036】
このようなリング状の封止材50は、グランドパッキン40に対して、以下のような大きさとなるように形成されていることが好ましい。
図2に示す密封装置10のI部の部分拡大図を、図5に示す。
リング状の封止材50は、図5に示されるように、軸20の外周面22に隣接する内径面51の軸方向の幅dが、通常、図5に示されるグランドパッキン40の軸方向の厚さcの、2/3〜1/20、好ましくは1/2〜1/10の長さとなるように形成されていることが望ましい。
【0037】
また、図5に示されるように、リング状の封止材50は、突出部の直径方向の幅eが、通常、グランドパッキン40の外径方向の幅bの1/3〜1/20、好ましくは1/3〜1/10の長さとなるように形成されていることが望ましい。
このような範囲にあれば、流体がリング状の封止材50に封止されるため、グランドパッキン40と軸20との間から外部に流体が漏洩することがなく、長期的に安定してシールすることができる。
【0038】
また、図4(a)に、リング状の封止材60の概略斜視図を示し、さらに図4(b)にそのC−C線断面図を示す。
リング状の封止材60は、図4(a)、(b)に示したように、その断面形状が、内方に向かって突出する形状に形成されており、斜面62,64は、テーパ状に形成されている。さらに、外径面61はスタフィングボックス30の内周面32に密接するように形成されている。
【0039】
リング状の封止材60は、スタフィングボックス30内を封止できるのであればその形状は特に限定されないが、密封性を考慮すると、図4(b)に示すように、断面形状が、斜面62,64の長さが等しい二等辺三角形であることが好ましい。
リング状の封止材60が、このような形状であることにより、グランドパッキン40との密着性に優れ、2枚のグランドパッキン40,40の隣接面とスタフィングボックス30の内周面32との間に、閉塞された状態で存在することになる。したがって、流体の漏洩が抑えられ、さらに、密封装置を高温下で使用して、封止材が軟化もしくは溶融しても、流体が外部に流出することがない。
【0040】
このようなリング状の封止材60は、グランドパッキン40に対して、以下のような大きさとなるように形成されていることが好ましい。
具体的には、図5に示すように、リング状の封止材60は、軸20の外周面22に隣接する外径面61の軸方向の幅fが、通常、図5に示されるグランドパッキン40の軸方向の厚さcの、2/3〜1/20、好ましくは1/2〜1/10の長さとなるように形成されていることが望ましい。
【0041】
また、図5に示すように、リング状の封止材60は、突出部の直径方向の幅gが、通常、グランドパッキン40の外径方向の幅bの1/3〜1/20、好ましくは1/3〜1/10の長さとなるように形成されていることが望ましい。
このような範囲にあれば、流体がリング状の封止材60に封止されるため、グランドパッキン40とスタフィングボックス30との間から、外部に流体が漏洩することがなく、長期的に安定してシールすることができる。
【0042】
本発明の密封装置10は、このようなグランドパッキン40、およびリング状の封止材50,60を、スタフィングボックス30内において、積層して装着し、軸方向に押圧して形成される。このスタフィングボックス30内に装着される様子を、図6(a)〜(e)に模式的に示す。
図6(a)に示すように、まずスタフィングボックス30内において、軸20にグランドパッキン40を嵌挿し、図示しないスタフィングボックス30の内底部34に、当接した状態で配置する。
【0043】
次いで、図6(b)〜(e)に示したように、軸20に嵌挿されたグランドパッキン40の上面42に、リング状の封止材50,60を配置する。
このようにリング状の封止材50,60が配置されたグランドパッキン40の上面に、グランドパッキン40を装着し、さらに、図6(b)〜(e)の手順を繰り返す。
【0044】
このように、密封室内において、隣接するグランドパッキン40,40の間に、リング状の封止材50,60を配置し、上方から押さえ手段70によって軸方向に押圧することにより、本発明の密封装置が得られる。
つまり、グランドパッキン40は上述したように、膨張黒鉛、炭素繊維などの炭素材等から形成されており、熱溶融性(熱可塑性)樹脂からなるリング状の封止材50,60と比較して、硬度が低い。
【0045】
したがって、隣接するグランドパッキン40,40の間に、リング状の封止材50,60を配置し、上方から押さえ手段70によって軸方向に所望の圧力で押圧することにより、グランドパッキン40は変形し、隣接するグランドパッキンの接触面と軸の外周面との間、あるいは隣接するグランドパッキンの接触面とスタフィングボックスの内周面との間に、封止材が閉塞された状態で配設される。
【0046】
また、本発明に用いられるリング状のグランドパッキン40は、図2に示したように、リング状の封止材の形状に合わせて、外径方向の端部と内径方向の端部とを面取りした形状であるリング状のグランドパッキンを用いることも好ましい。
このような形状のリング状のグランドパッキンを用いることにより、グランドパッキンの接する面の内周端部、または外周端部の全周に亘ってすり鉢状の凹部が形成され、リング状のグランドパッキンを変形させることなく、この凹部内に封止材50,60を容易に装着することができ、本発明の密封装置のシール性を向上させることができる。
【0047】
このような本発明の密封装置によれば、高温下で使用した場合でも、グランドパッキン40と、スタフィングボックス30あるいは軸20との隙間を通じてリング状の封止材まで到達した流体は、温度の上昇により軟化もしくは溶融したリング状の封止材に封止されるので、外部に漏洩することがない。
したがって、本発明のシール材および密封装置によれば、長期的に安定してシール性能を維持することができる。
【0048】
本実施例においては、図1に示すように、グランドパッキン40同士が接する面の間にリング状の封止材50,60が共に配設された密封装置を例にとって説明したが、特に限定されるものではなく、例えば、リング状の封止材50,60のいずれか一方のみが配設された密封装置、リング状の封止材50,60を所望の位置に配設された密封装置を用いても良い。
【0049】
また、上述したような密封装置が得られるのであれば、その製造方法は特に限定されず、リング状グランドパッキンの内径端部、あるいは外径端部の少なくとも一方に、樹脂粉末を付着させ、このグランドパッキンをスタフィングボックス内に連設して装着し、次いで圧縮成形して、リング状の封止材をスタフィングボックス内で形成させても良い。
【0050】
本実施例においては、本発明のシール材を図1に示すような密封装置に用いた例によって説明したが、密封装置の形状は特に限定されない。また、本発明のシール材は、伸縮継手などのシール材として用いることもできる。
このように、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0051】
【発明の効果】
本発明のシール材および該シール材を用いた密封装置においては、流体の温度が上昇することにより、スタフィングボックス内のリング状の封止材の温度も上昇し、軟化もしくは溶融する。
この時、リング状の封止材は、隣接するグランドパッキンの接触面と軸の外周面との間、あるいは隣接するグランドパッキンの接触面とスタフィングボックスの内周面との間に、閉塞された状態で存在する。したがって、リング状の封止材が、軟化もしくは溶融しても外部にはみ出さず、流体が外部に流出しない。
【0052】
そのため、本発明の密封装置は、グランドパッキンに樹脂や液体潤滑材を含浸させて形成されている密封装置や、グランドパッキンと樹脂製スペーサーリングを併用して形成されている密封装置に比べて、応力緩和を起こし難くなり、良好なシール性が得られる。
一方、密封装置には流体の圧力も負荷され、流体が、スタフィングボックスを通じてバルブの外部に流出しようとする。しかしながら、通常、グランドパッキンによりスタフィングボックス内は封止されており、流出は抑えられる。
【0053】
ところが、グランドパッキンとスタフィングボックスの微少な隙間が存在する場合、流体は、この微少な隙間を通じてバルブ外部に漏洩する傾向があり、特に密封装置を高温下で使用する場合は顕著である。
本願のシール材を用いた密封装置は、隣接するリング状のグランドパッキン間の接する面の端部に沿って、リング状の封止材が閉塞された状態で配置されている。
【0054】
したがって、グランドパッキンとスタフィングボックスの隙間を通じてリング状の封止材まで到達した流体は、温度の上昇により軟化もしくは溶融したリング状の封止材に封止されるので、外部に漏洩することがない。
また、グランドパッキンとして、潤滑油や樹脂等の有機物を含まないグランドパッキンを用いた場合、高温下でも応力緩和を起こしにくいという利点があるが、グランドパッキンとスタフィングボックスの微少な隙間が生じて流体が外部に漏れやすくなる。
【0055】
これに対し、本発明のシール材を用いた密封装置は、流体の圧力が負荷され、流体がスタフィングボックスを通じてバルブの外部に流出しようとするが、リング状の封止材により、封止され流出は抑えられる。
したがって、本発明によれば、長期的に安定してシール性能を維持することができるシール材および密封装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の密封装置の縦断面図である。
【図2】図2(a)は、本発明の密封装置に用いられるグランドパッキン40の概略斜視図であり、図2(b)は、グランドパッキン40のA−A線断面図である。
【図3】図3(a)は、本発明の密封装置に用いられるリング状の封止材50の概略斜視図であり、図3(b)は、リング状の封止材50のB−B線断面図である。
【図4】図4(a)は、本発明の密封装置に用いられるリング状の封止材60の概略斜視図であり、図4(b)は、リング状の封止材60のC−C線断面図である。
【図5】図5は、図1に示される本発明の密封装置10のI部の部分拡大図である。
【図6】図6は、グランドパッキン40に、リング状の封止材50、リング状の封止材60が配置される状態を表わす模式図である。
【図7】図7は、従来の密封装置の縦断面図である。
【符号の説明】
10,100 密封装置
20,102 軸
22 軸の外周面
30,104 スタフィングボックス
32 スタフィングボックスの内周面
34 スタフィングボックスの内底面
40,106 リング状グランドパッキン
42 グランドパッキンの上面
44 グランドパッキンの下面
50,60 リング状の封止材
51 内径面
52,54,62,64 斜面
61 外径面
70 パッキン押さえ手段
80 固着手段
108 スペーサーリング
Claims (13)
- 軸の外周面を囲繞するように形成されたスタフィングボックスと、
前記軸と前記スタフィングボックスとの間を密封するように、前記軸の外周面に相互に接するように装着された複数のリング状のグランドパッキンと、
前記リング状のグランドパッキン同士が接する面の内周端部の間、または前記グランドパッキン同士が接する面の外周端部の間の少なくとも一方に配置された、リング状の封止材と、
前記グランドパッキンおよび封止材を軸方向に押圧するパッキン押さえ手段と、
を有することを特徴とする密封装置。 - 前記リング状の封止材が、前記リング状のグランドパッキン同士が接する面の内周端部、または前記グランドパッキン同士が接する面の外周端部の少なくとも一方の全周に亘って形成されたすり鉢状の凹部内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
- 前記リング状の封止材は、前記前記リング状のグランドパッキン同士が接する面の内周端部と、前記グランドパッキン同士が接する面の外周端部とに配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の密封装置。
- 前記密封装置が、前記パッキン押さえ手段により、前記リング状のグランドパッキンとリング状の封止材とを軸方向に押圧することにより形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の密封装置。
- 前記リング状の封止材が、熱溶融性の樹脂からなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の密封装置。
- 前記リング状の封止材が、フッ素樹脂からなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の密封装置。
- 前記リング状のグランドパッキンが、膨張黒鉛製グランドパッキンであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の密封装置。
- 軸の外周面に連接させて用いられるリング状のグランドパッキンと、
前記リング状のグランドパッキン同士が接する面の内周端部の間、または前記グランドパッキン同士が接する面の外周端部の間の少なくとも一方に配置されたリング状の封止材と、
からなることを特徴とするシール材。 - 前記リング状の封止材が、前記リング状のグランドパッキン同士が接する面の内周端部、または前記グランドパッキン同士が接する面の外周端部の少なくとも一方の全周に亘って形成されたすり鉢状の凹部内に配置されていることを特徴とするシール材。
- 前記リング状の封止材は、前記グランドパッキンの内周端部と、前記グランドパッキンの外周端部とに配置されていることを特徴とする請求項8または9に記載のシール材。
- 前記リング状の封止材が、熱溶融性の樹脂からなることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載のシール材。
- 前記リング状の封止材が、フッ素樹脂からなることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載のシール材。
- 前記リング状のグランドパッキンが、膨張黒鉛製グランドパッキンであることを特徴とする請求項8から12のいずれかに記載のシール材。
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Cited By (3)
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KR100884008B1 (ko) | 2005-11-17 | 2009-02-17 | 에어 프로덕츠 앤드 케미칼스, 인코오포레이티드 | 서로 다른 열팽창계수를 갖는 재료를 위한 시일 조립체 |
WO2013061575A1 (ja) * | 2011-10-24 | 2013-05-02 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | 燃料電池発電装置、燃料電池システムおよび支持構造 |
CN106949241A (zh) * | 2017-05-10 | 2017-07-14 | 李姣旸 | 一种船闸式轴密封箱及其使用方法 |
-
2003
- 2003-04-23 JP JP2003118313A patent/JP2004324724A/ja active Pending
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