JP2004324233A - 太陽電池モジュールの取り付け方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】架台32に固定板31を取り付け、この固定板31に接着剤を塗布して、この接着剤により太陽電池モジュール30の裏面と固定板31を接着することにより、太陽電池モジュールをその裏面で支えるようにする。
【選択図】図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は太陽電池モジュールを建造物等に取り付ける場合の取り付け方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池素子は単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いて作製するが、このような太陽電池素子は物理的衝撃に弱く、また、屋外に太陽電池として取り付けた場合、雨などからこれを保護する必要がある。
【0003】
また、太陽電池素子1枚では発生する電気出力が小さいので、複数の太陽電池素子を直並列に接続し、実用的な電気出力が取り出せるようにしている。
【0004】
このため複数の太陽電池素子を接続し、透光性基板とエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)などを主成分とする充填材で封入して太陽電池パネルを作成し、これにモジュール枠等を取り付け、この太陽電池モジュールを屋外に設置することが行われている。
【0005】
図6は、この太陽電池モジュールに用いられるモジュール枠を示す。
【0006】
同図において、1はモジュール枠の側面部、2は太陽電池パネルを嵌めこむ部分、3はモジュール枠の支柱、4はモジュール枠の底部、5はモジュール枠の空洞部、6は空洞部内のネジ穴、7は取り付け用貫通穴を示す。
【0007】
太陽電池モジュールは、太陽電池パネルの外周の各辺をアルミニウム製でモジュール枠の太陽電池パネルを嵌めこむ部分2に嵌めこんだ構造である。
【0008】
このモジュール枠は、太陽電池モジュールとして必要な機械的強度や耐候性能の確保に必要なほか、太陽電池モジュールを野外に設置する場合の架台と太陽電池モジュールとの固定に必要なものである。そして、モジュール枠の支柱3は、このモジュール枠に必要な強度の強度を確保するために設けられるものである。
【0009】
また、モジュール枠の空洞部5は太陽電池パネルを嵌めこむ部分2とモジュール枠の支柱3とモジュール枠の側部1とモジュール枠の底部4により囲まれることによりできる部分である。
【0010】
そして、空洞部5の内部にはモジュール枠同士の固定に用いられるネジ穴6が通常2〜3個程度設けられる。モジュール枠底部4の延出部には太陽電池モジュールを架台に固定するための貫通穴7が1辺のモジュール枠に2〜3個程度設けられる。
【0011】
図7はこの太陽電池モジュールを一般住宅の屋根に取り付ける従来方法の一例を示したものである(特許文献1の従来技術参照)。
【0012】
同図において、11は屋根材、12は太陽電池モジュールを固定するための架台、13は太陽電池モジュール、14は取り付け金具、15は住宅屋根部分の垂木、16は母屋、17は太陽電池モジュール間のカバーを示す。
【0013】
これらにおいて、瓦やスレートなどで葺かれた屋根材11上に鉄やステンレスなどで作製された取り付け金具14を固定する。
【0014】
この取り付け金具14の固定は住宅屋根部分の垂木15や母屋16にネジ止め等により行われる。この固定された取り付け金具14に鉄、アルミニウムなどの金属材で作製された架台12を据え付ける。そして、この架台12に太陽電池モジュール13をネジで固定する。このように固定した太陽電池モジュールと太陽電池モジュールの間にはカバー17を挿入する。
【0015】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のようなものがある。
【0016】
【特許文献1】
特開平10−169126号公報
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような太陽電池モジュールの取り付け方法では、太陽電池モジュール13をネジにより架台12に取り付けるため、多くのネジ止めの作業が必要であった。
【0018】
また、モジュール枠底部4にネジ止め用貫通穴7のための延出部を設けておく必要があるため、この部分のスペースを要し、さらにネジ止めした部分を覆うカバー17が必要となる。
【0019】
その上、かかる作業により太陽電池モジュールの取り付けのために手間がかかり、さらに屋根などの太陽電池モジュールの取り付け場所の有効利用ができないことや、モジュール枠にネジ止め用の延出部を設けておく必要があることやカバー17が必要であることで、コスト上昇の要因となるという課題もあった。
【0020】
また、上述のような太陽電池モジュールの取り付け方法によれば、太陽電池パネルをモジュール枠で支える構造であるため、太陽電池モジュールを屋外に設置した後に、積雪での加重や強風時の風圧で太陽電池モジュールが変形しないようモジュール枠に支柱3を設けるなど、モジュール枠を強固な構造にする必要があり、これにより、コスト上昇の要因や重量の増加となるなどの問題があった。
【0021】
本発明は上記事情に鑑みて完成されたものであり、その目的は簡素なモジュール枠にしてコスト削減と太陽電池モジュールの重量の低減を図り、これによって低コストかつ高信頼性の太陽電池モジュールの取り付け方法を提供することにある。
【0022】
また、本発明の他の目的は簡略化した太陽電池モジュールの取り付け方法でもって、その取り付けのための工数や作業時間の削減し、太陽電池モジュール間に設けるカバーを不要とし、さらに屋根などの太陽電池モジュールの取り付け場所を有効利用し、取付コストを削減した太陽電池モジュールの取り付け方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の太陽電池モジュールの取り付け方法は、透光性基板と裏面材の間に太陽電池素子を配置した太陽電池モジュールを架台に取り付ける取り付け方法において、前記架台に表面に接着剤を塗布した固定板を設け、次いでこの接着剤により前記太陽電池モジュールの裏面材を前記固定板に固着したことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を用いて説明する。
【0025】
図1は、本発明に係る太陽電池パネル部分の構造の一例を示す図である。
【0026】
同図において、21は透光性基板、22、24は充填材、23は太陽電池素子、25は裏面材である。
【0027】
透光性基板21は厚さ3〜5mm程度の白板強化ガラス等が多く使用される。
【0028】
太陽電池素子23は、厚み0.3mm程度の単結晶シリコンや多結晶シリコン基板などから成り、概略の大きさは、例えば多結晶シリコン太陽電池によれば、およそ150mm角である。
【0029】
太陽電池モジュール作成時にはこの太陽電池素子の電極とハンダメッキなど施した銅箔などの接続タブを接続し、さらに太陽電池モジュールから所定の電気出力が発生する様に、前記の接続した接続タブにて太陽電池素子を直並列につないだものを用いる。
【0030】
充填材22、24は上述のようにエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)のほかポリビニルブチラール(PVB)などを主成分とするものが多く用いられる。
【0031】
裏面材25は水分を透過しないようにアルミ箔を挟持した耐候性を有するフッ素系樹脂などが用いられる。
【0032】
これらを図1に示すごとく重畳したものをラミネーターと呼ばれる装置で、全体を減圧下で加熱しながら押圧し、そして、一体化して太陽電池パネルを作製する。
【0033】
図2は本発明に係るモジュール枠と太陽電池パネルを示した図である。
【0034】
同図において、26は上述の太陽電池パネル、27はモジュール枠、28は枠用接着剤を示す。
【0035】
モジュール枠27は、アルミニウム金属材の押し出し成形などで造られ、モジュール枠の外面部はアルマイト塗装などが施される。
【0036】
また、モジュール枠27の断面形状はコの字型であり、従来のものに比べて非常に簡素化されている。その底部にシリコンシーラント等の枠用接着剤28を塗布しておく。これに太陽電池パネル26を嵌め込み、固定する。
【0037】
図3は本発明に係る太陽電池モジュールの架台への取り付け方法を示す図である。
【0038】
同図において、30は上述の太陽電池モジュール、31は固定板、32は架台、33はネジを示す。
【0039】
図4は本発明に係る太陽電池モジュールの架台への取り付け部の断面を示した図である。同図において、30,31,32,33は図3に示すごとく、30は太陽電池モジュール、31は固定板、32は架台、33はネジを示し、さらに34は接着剤を示す。
【0040】
太陽電池モジュール30は、多結晶太陽電池を使用した一般住宅用に使用されるものでは、出力約160W程度で概略の大きさは1300×1100mm程度が一般的である。
【0041】
架台32は上述のように鉄、アルミニウムなどの金属材で作製され、瓦やスレートなどで葺かれた屋根材上に取り付け金具を住宅屋根部分の垂木や母屋にネジ止め等により固定し、この取り付け金具に据え付けられる。
【0042】
固定板31は鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属材で作製され、平面形状をなす部分と湾曲部を経て他端には取り付け部分を備える形状である。
【0043】
固定板31の取り付け部分は、2〜3カ所ネジ33により架台32に取り付けられ、また、この平面部分の上側には接着剤34が塗布される。
【0044】
接着剤34は、接着力や耐候性能を考慮して、シリコンシーラントやポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤が適当である。さらにこの接着剤34により固定板31と太陽電池モジュール30の裏面材が接着するように太陽電池モジュール30を設置する。
【0045】
そして、このような接着剤34により太陽電池モジュール30の裏面材が固定板31に固着するが、本例においては、そのような固着部分を太陽電池モジュールの上下部分二カ所について行う。
【0046】
この固定板31の平面部分の面積は、接着剤34の接着力等を考慮して決定すればよいが、二カ所の合計の面積が太陽電池モジュールの面積の4分の1から2分の1になるようにするのが最適である。
【0047】
図5は本発明に係る太陽電池モジュールの架台への取り付け方法の別の実施例を示した図である。
【0048】
同図において、30は太陽電池モジュール、32は架台、33はネジ、34は接着剤、35は固定板を示す。
【0049】
本例によれば、固定板35は平面部分が取り付け部分を挟んでその両側に設けられた形状になっており、架台32一本での取り付けが可能となり、その結果、比較的小型の太陽電池モジュールを取り付けに最適である。
【0050】
かくして、本発明の太陽電池モジュールの取り付け方法によれば、太陽電池モジュールを裏面で支えることになるため、積雪や強風においても太陽電池モジュールが変形したり、たわんだりすることがなくなり、その信頼性を著しく高めることができた。
【0051】
また、本発明によれば、従来方法のようにモジュール枠で太陽電池モジュールを支える必要がないため、モジュール枠を強固な構造にする必要がなくなり、これにより、モジュール枠の構造が簡略化でき、さらにはモジュール枠のないような太陽電池モジュールでも取り付けが可能である。
【0052】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変更や改良を加えることができる。
【0053】
例えば太陽電池素子は単結晶や多結晶シリコンなどの結晶系太陽電池に限定されるものではなく、薄膜系太陽電池などでも適用可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上の通り、本発明に係る太陽電池モジュールの取り付け方法によれば、従来のようなモジュール枠の取り付け部分が不要となり、モジュール枠底部4にネジ止め用貫通穴7のための延出部を設けておく必要がなくなり、さらにモジュール枠の構造を強固なものにする必要がなくなるため、太陽電池モジュールの軽量化が図れ、さらにコストダウンも可能となる。
【0055】
さらに、従来のごとき、取り付けに際してモジュール枠を多数ネジ止めするためことがなく、ネジ止めのためのスペースも不要となり、設置場所の有効利用が可能となる。また、ネジ止めした部分を覆うカバー17が必要となり、部品点数の削減とコストダウンになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る太陽電池モジュールのパネル部分の構造を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係る太陽電池モジュールのモジュール枠と太陽電池パネルを示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係る太陽電池モジュールの架台への取り付け状態を示した斜視図である。
【図4】本発明に係る太陽電池モジュールの架台への取り付け部の概略断面図である。
【図5】本発明に係る太陽電池モジュールの架台への取り付け状態の別の実施例を示した概略断面図である。
【図6】従来の太陽電池モジュールに用いられるモジュール枠を示す斜視図である。
【図7】太陽電池モジュールを一般住宅の屋根に取り付ける従来方法の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
1;モジュール枠の側面部
2;太陽電池パネル嵌め込み部
3;モジュール枠の支柱
4;モジュール枠の底部
5;モジュール枠の空洞部
6;ネジ穴
7;取り付け用穴
11;屋根材
12;架台
13;太陽電池モジュール
14;取り付け金具
15;垂木
16;母屋
17;カバー
21;透光性基板
22、24;充填材
23;太陽電池素子
25;裏面材
26;太陽電池パネル
27;モジュール枠
28;枠用接着剤
30;太陽電池モジュール
31;固定板
32;架台
33;ネジ
34;接着剤
Claims (1)
- 透光性基板と裏面材の間に太陽電池素子を配置した太陽電池モジュールを架台に取り付ける取り付け方法において、前記架台に表面に接着剤を塗布した固定板を設け、次いでこの接着剤により前記太陽電池モジュールの裏面材を前記固定板に固着したことを特徴とする太陽電池モジュールの取り付け方法。
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