JP2004324101A - 建設機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】前窓を天面部側に格納したときにキャブに干渉するのを防止し、大きな前窓を使用できるようにして作業時の視界を広くする。
【解決手段】前窓21は、キャブ11に移動可能に取付けられた下窓部22と、この下窓部22の上部位置に上,下方向にスライド可能に取付けられた上窓部26とにより構成している。従って、下窓部22に対し上窓部26を上方向にスライドすることにより、前窓21の上,下方向寸法を大きくし、前方から上方に亘り視界を広くすることができる。一方、下窓部22に上窓部26を重ねて前窓21の上,下寸法を小さくすることにより、面取り部19に干渉することなく、前窓21を天面部16側に格納することができる。このときには、キャブ11の前面部12を大きく開放し、視界を広くすることができる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に関し、特に、オペレータが乗車するキャブを備えた建設機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、建設機械としての油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体上の左前側に設けられ、内部にオペレータが着座する運転席を有するキャブとによって大略構成されている。また、上部旋回体の前部には、土砂の掘削作業等を行なう作業装置が俯仰動可能に設けられている。
【0003】
また、油圧ショベルには、ミニショベルと呼ばれる小型の油圧ショベルがあり、この小型の油圧ショベルを用いることによって狭い作業現場でも掘削作業等を行なうことができる。また、小型の油圧ショベルには、狭い場所でも安全に旋回動作を行なうことができる超小旋回型と呼ばれる油圧ショベルがある。
【0004】
この超小旋回型油圧ショベルは、少なくとも上部旋回体の後端側が下部走行体の車幅内に収まるように形成され、該上部旋回体は上方からみた場合に旋回中心を中心とする略円形状に形成されている。
【0005】
また、キャブは、枠状の前面部、後面部、左側面部、右側面部および天面部によりボックス形状をなし、該キャブには、前面部を閉塞する前窓が設けられている。この前窓は、前面部を閉塞する閉窓位置と前面部を開放し天面部側に格納した開窓位置との間で移動可能となっている。
【0006】
さらに、キャブ内には、運転席、操作レバー、スイッチ類が配設されるから、これらを配設し操作するためのスペースが必要になる。しかし、小型の超小旋回型油圧ショベルでは、キャブの幅寸法を大きくすると、外側となる左側の後部位置が上部旋回体の旋回半径から突出してしまう。
【0007】
このため、超小旋回型油圧ショベルに搭載するキャブは、左側の後部位置に絞り込むように面取り部を設けることにより、この左側の後部位置を上部旋回体の旋回半径内に収めるようにしている。
【0008】
しかし、キャブの左側の後部位置に面取り部を設けた場合、広い視界を得るために前窓をキャブの幅寸法の範囲内で広幅に形成すると、該前窓を天面部側に格納したときに、前窓の上部がキャブの面取り部に干渉してしまう。
【0009】
そこで、キャブの前窓には、当該前窓を天面部側に格納したときにキャブの面取り部に干渉しないように、この面取り部に対応する位置、キャブ内からみて左上部の位置に斜めの切欠部を設ける構成としている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開2000−80678号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術による油圧ショベルでは、前窓の左上部に切欠部を設けているから、切欠部の分だけ前窓の面積が小さくなり、前窓を閉じた状態で作業するときの視界が狭くなるという問題がある。
【0012】
しかも、キャブの前面部には、前窓を閉じたときに切欠部を覆うように張出し部を形成している。そして、この張出し部は、前窓を開けた状態で作業するときに、左上部の視界を遮ることになるから、開窓状態でも作業時の視界が狭くなるという問題がある。
【0013】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、大きな前窓を天面部側に格納した場合でもキャブとの干渉を防止することにより、作業時の視界を広くできるようにした建設機械を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明による建設機械は、前側に作業装置が設けられた車体と、該車体に設けられ前面部、後面部、左,右の側面部、天面部によりボックス形状に形成されたキャブと、該キャブに設けられ前面部を閉塞する閉窓位置と天面部側に格納した開窓位置との間で移動可能な前窓とを備えている。
【0015】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前窓は、キャブに移動可能に取付けられた下窓部と、該下窓部の上部位置に上,下方向にスライド可能に取付けられた上窓部とにより構成したことにある。
【0016】
このように構成したことにより、前窓を閉窓位置に配置するときには、該前窓の下窓部に対し上窓部を上方向にスライドさせる。これにより、前窓の上,下方向寸法を大きくすることができるから、前方から上方に亘り視界を広くすることができる。
【0017】
また、前窓を開いてキャブの天面部側に格納するときには、該前窓の下窓部に対し上窓部を下方向にスライドさせることにより、下窓部に上窓部を重ねて前窓の上,下寸法を小さくする。これにより、例えばキャブの後部位置が狭幅になっていたり、キャブの前,後方向寸法が短く天面部側に広いスペースを確保できない場合でも、キャブに干渉させることなく前窓を天面部側に格納することができる。また、前窓を開いたときには、キャブの前面部を大きく開放することができ、開窓状態での視界を広くすることができる。
【0018】
請求項2の発明によると、下窓部と上窓部との間にはキャブ内への雨水の浸入を防止するシール部材を設ける構成としている。これにより、前窓を閉窓位置に配置して作業を行なう場合に、下窓部と上窓部との間からキャブ内に雨水が浸入するのを防止することができる。
【0019】
請求項3の発明によると、下窓部は、左,右に離間して上,下方向に延びる一対の縦枠を有し該各縦枠に上窓案内溝が形成された下窓枠と、該下窓枠に支持された下窓ガラスとにより構成し、上窓部は前記下窓枠の上窓案内溝にスライド可能に取付ける構成としたことにある。
【0020】
このように構成したことにより、下窓部に設けられた下窓枠の上窓案内溝に沿って上窓部をスライドするだけで、前窓の上,下方向寸法を簡単に伸長、縮小することができる。
【0021】
請求項4の発明によると、キャブには外側の後部位置を絞り込むように当該後部位置に面取り部を設け、前窓は下窓部に対し上窓部を縮小方向にスライドすることにより前記面取り部を避けて天面部側に格納する構成としたことにある。
【0022】
このように構成したことにより、後部位置に面取り部が設けられた異形のキャブでも、前窓の下窓部と上窓部とを縮小方向にスライドすることにより、面取り部に接触することなく前窓を天面部側に格納することができる。
【0023】
請求項5の発明によると、キャブは、前面部の幅寸法を後面部の幅寸法よりも大きく形成する構成としたことにある。
【0024】
このように構成したことにより、前面部に合わせて前窓の幅寸法を大きくすることができ、前方の視界を広くすることができる。また、後面部の幅寸法を小さくすることができるから、例えば旋回型の建設機械の場合には、キャブの後側を旋回体の旋回半径内に収めることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による建設機械として小型の超小旋回型油圧ショベルを例に挙げ、図1ないし図7に従って詳細に説明する。なお、本実施の形態では、前,後方向、左,右方向とはキャブに乗車したオペレータからみた前,後方向、左,右方向として説明している。
【0026】
図1において、1は本実施の形態に適用される小型の超小旋回型油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能な下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に設けられ、該下部走行体2と共に車体をなす上部旋回体3と、該上部旋回体3上に設けられた後述のキャブ11とにより大略構成されている。また、上部旋回体3の前部には、土砂の掘削作業等を行なう作業装置4が左,右方向にスイング可能、かつ俯仰動可能に設けられている。
【0027】
また、上部旋回体3は、旋回フレーム5を有し、該旋回フレーム5上には、図2、図3に示す如く、後部側に搭載されたエンジン(図示せず)等を覆うようにキャブ11の右側から後側に亘って外装カバー6が設けられ、旋回フレーム5の後端部には、円弧状に形成されたカウンタウエイト7が取付けられている。
【0028】
ここで、上部旋回体3は、図2に示す如く、旋回中心Oを中心として旋回動作する。そして、上部旋回体3の全体形状は、下部走行体2の車幅内でカウンタウエイト7を基準とする旋回半径R内にほぼ収まる旋回中心Oを中心とした略円形状に形成されている。
【0029】
11は旋回フレーム5の前部左側に搭載されたキャブで、該キャブ11は、オペレータが乗車する運転室を画成するもので、図4に示すように、内部には後述の運転席31、各種レバー、ペダル(いずれも図示せず)等が配設されている。
【0030】
そして、キャブ11は、図2ないし図5に示す如く、前側に配置された前面部12と、該前面部12と対面するように後側に配置された後面部13と、上部旋回体3の外側となる左側に位置して前記前面部12と後面部13との間に設けられた左側面部14と、内側となる右側に位置して前記前面部12と後面部13との間に設けられた右側面部15と、上側を閉塞して設けられた天面部16と、後述の面取り部19とにより、上方からみたときに略五角形となるボックス形状に形成されている。
【0031】
ここで、前面部12は、図3に示すように、前側に向けて四角形状に開口する窓枠開口12Aによって枠体状に形成されている。また、前面部12は、キャブ11の全幅となる横幅寸法W1と高さ寸法Hとをもって形成されている。これにより、窓枠開口12Aは、前面部12に十分に大きな横幅寸法、高さ寸法を有する四角形状に形成することができる。これにより、窓枠開口12Aは、後述の前窓21を開いたときには、上,下方向と左,右方向に大きく、また四隅の位置まで見渡せる十分に広い前方視界を提供することができる。
【0032】
また、キャブ11の左側面部14は、キャブ11の前,後方向の中間部の後側寄りから前側部位が右側面部15とほぼ平行な平行面部14Aとなり、該平行面部14Aから後側部位は後述の面取り部19となっている。また、左側面部14には、前,後方向の中間部に位置してセンタピラー14Bが設けられ、該センタピラー14Bから前側に位置して乗降用開口14Cが設けられ、該乗降用開口14Cには後述のドア17が取付けられている。
【0033】
ここで、17はキャブ11の左側面部14に設けられたドアで(図1中に図示)、該ドア17は、左側面部14の乗降用開口14Cを開,閉するものである。また、ドア17は、左側面部14のセンタピラー14Bにヒンジ17A,17Aを介して前,後方向に回動可能に取付けられている。そして、ドア17は、ヒンジ17Aを中心にして前側に回動されることによって乗降用開口14Cを閉じることができ、後側に回動された状態でも旋回半径R内にほぼ収まるように形成されている。
【0034】
さらに、18,18はキャブ11の左側面部14,右側面部15の前側から上側に亘って延びるように設けられた左,右の案内レールで、該各案内レール18は、下窓部22のローラ25が移動するもので、前窓21を、図3、図4に示す閉窓位置と図5に示す開窓位置とに案内するものである。
【0035】
19はキャブ11の左側の後部位置に設けられた面取り部で、該面取り部19は、図2、図5に示す如く、上部旋回体3の外側に位置する左側面部14の後側部位、例えば平行面部14Aから後側部位を、内側(右側)に絞り込むように傾斜させることにより縦長な傾斜面として形成されている。これにより、面取り部19は、キャブ11の左側の後部位置を上部旋回体3の旋回半径R内に収めることができる。
【0036】
このように構成されたキャブ11は、図2に示す如く、前面部12が幅寸法W1をもって広幅に形成されている。これにより、前面部12に形成された窓枠開口12Aも広幅に形成でき、前方の視野を広くとることができる。
【0037】
これに対し、キャブ11の後面部13は、面取り部19によって左側面部14の後側部位が絞り込まれたことにより、前面部12の幅寸法W1よりも小さな幅寸法W2をもって狭幅に形成されている(W1>W2)。
【0038】
一方、20はキャブ11の前面部12の下側寄りに設けられた足元ガラスで、該足元ガラス20は、前面部12に形成された窓枠開口12Aの下側部分に取付けられている。また、足元ガラス20は、窓枠開口12Aを全開にするときには取外すこともできる。
【0039】
次に、21はキャブ11の前面部12の上側寄りに設けられた前窓で、該前窓21は、前面部12を閉塞する閉窓位置と天面部16側に格納した開窓位置との間で移動可能に設けられている。また、前窓21は、図6に示すように、後述の下窓部22と上窓部26とにより大略構成されている。
【0040】
22は前窓21の本体を構成する下窓部で、該下窓部22は、キャブ11に対して移動可能に取付けられている。そして、下窓部22は、後述の下窓枠23、下窓ガラス24、ローラ25により大略構成されている。
【0041】
23は上方向に開口するコ字状に形成された下窓枠で、該下窓枠23は、下側に位置して横方向に延びる横枠部23Aと、該横枠部23Aの両端部から上側に向けて延びた左,右の縦枠部23B,23Bとによって形成されている。また、下窓枠23の内側には、各枠部23A,23Bに亘ってガラス嵌着溝23Cが設けられ、該ガラス嵌着溝23Cには下窓ガラス24の周縁部が嵌着して取付けられている。
【0042】
さらに、縦枠部23B,23Bの上側には上窓案内溝23D,23Dが対向して設けられ、該各上窓案内溝23Dは、ガラス嵌着溝23Cの後側に近接した位置に上,下方向に延びて形成されている。そして、上窓案内溝23Dは、後述する上窓部26の上窓枠27が移動自在に嵌合することにより、該上窓部26を下窓部22に対し上,下方向にスライド可能(伸長、縮小可能)に案内するものである。
【0043】
24は下窓枠23内に設けられた下窓ガラスで、該下窓ガラス24は、上,下方向に長尺な四角形状をなし、下側の端縁と左,右の端縁が下窓枠23のガラス嵌着溝23Cに嵌着している。ここで、下窓ガラス24は、前面部12の窓枠開口12Aよりも僅かに大きな幅寸法をもって形成され、これにより、キャブ11内のオペレータに広い前方視界を提供することができる。
【0044】
また、25,25,…は下窓枠23の左枠部23B、右枠部23Cに2個ずつ設けられた合計4個のローラで、該各ローラ25は、案内レール18に沿って移動するもので、該案内レール18と協働して前窓21を閉窓位置と開窓位置とに案内するものである。
【0045】
一方、26は下窓部22の上部位置に上,下方向にスライド可能に取付けられた上窓部で、該上窓部26は、後述の上窓枠27、上窓ガラス28、シール部材29により大略構成されている。
【0046】
27は下方向に開口するコ字状に形成された上窓枠で、該上窓枠27は、横枠部27Aと左,右の縦枠部27B,27Bとによって下向きに開口するコ字状に形成されている。また、下窓枠23は、左,右の縦枠部27B,27Bが下窓部22を形成する下窓枠23の上窓案内溝23D,23Dにスライド可能に取付けられている。ここで、上窓枠27(上窓部26)は、下窓枠23の各上窓案内溝23Dに対し摩擦抵抗をもって取付けることにより、振動等によってずり落ちないようになっている。
【0047】
28は上窓枠27内に設けられた上窓ガラスで、該上窓ガラス28は、下窓ガラス24とほぼ同じ幅寸法の横長な四角形状をなしている。これにより、上窓ガラス28は、前窓21の上側に位置する左,右の角隅部までを視界とし、オペレータに広い前方(上方)視界を提供することができる。
【0048】
また、29は上窓ガラス28の下端縁に左,右方向に延びて設けられたシール部材で、該シール部材29は、弾性を有する樹脂材料、ゴム材料等からなり、図7に示すように下窓ガラス24の裏面に液密に摺接している。これにより、シール部材29は、前窓21を閉窓位置に配置して作業を行なう場合に、下窓部22と上窓部26との間からキャブ11内に雨水が浸入するのを防止することができる。
【0049】
さらに、30は下窓部22に設けられたワイパ装置で、該ワイパ装置30は、前窓21の大部分を構成する下窓部22の下窓ガラス24に付着した雨水、塵埃等を拭取るものである。
【0050】
このように構成された前窓21は、キャブ11の前面部12側に配置される閉窓位置(図3、図4に示す位置)と天面部16側に配置される開窓位置(図5に示す位置)とに移動することができる。
【0051】
即ち、前窓21は、閉窓位置では、下窓部22の上部から上窓部26を引き出すように上側にスライドさせることにより、上,下方向に伸長することができる。この伸長状態では、前窓21は、図4に示すように、前面部12の裏面側で、足元ガラス20と協働して窓枠開口12Aを閉塞することができる。
【0052】
一方、前窓21を開くときには、下窓部22の上側部分に重ねるように上窓部26を下側にスライドさせて縮小させる。そして、前窓21は、案内レール18に沿ってローラ25を移動し、上側、後側の順でスライドさせることにより、窓枠開口12Aを開放することができる。この開窓位置では、前窓21は、図5に示すように、上窓部26の分だけ縮小しているから、キャブ11の面取り部19に干渉することなく、天面部16の下側にほぼ水平状態で格納することができる。
【0053】
なお、31はキャブ11内に位置して床板32上に配設された運転席(図4中に図示)で、該運転席31は、キャブ11内に搭乗したオペレータが着座するものである。
【0054】
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0055】
まず、作業現場等ではキャブ11内でオペレータが走行用操作レバーを傾転操作することにより、例えば下部走行体2を前進、後退させる。そして、土砂の掘削作業等を行うときには、作業用操作レバーを傾転操作して作業装置4を作動させたり、上部旋回体3を旋回動作させる。
【0056】
そして、走行時、作業時には、オペレータは、キャブ11の前窓21(前面部12の窓枠開口12A)により、上,下方向と左,右方向に大きく、また四隅の位置まで見渡せる広い前方視界を得ることができる。
【0057】
また、作業装置4で深穴を掘削する場合には、運転席31に着座した状態では作業装置4の先端側が見えないため、前窓21を開いてキャブ11の天面部16の下側に格納する。これにより、オペレータは、運転席31から腰を上げて窓枠開口12Aから下を覗き込むことにより、作業装置4を見ながら的確な操作を行なうことができる。
【0058】
ここで、本実施の形態によれば、前窓21は、キャブ11に移動可能に取付けられた下窓部22と、該下窓部22の上部位置に上,下方向にスライド可能に取付けられた上窓部26とにより構成している。これにより、前窓21を閉窓位置に配置するときには、下窓部22に対し上窓部26を上方向にスライドさせることにより、前窓21の上,下方向寸法を大きくして前面部12の窓枠開口12Aを閉塞することができ、この状態では前方から上方に亘り視界を広くすることができる。
【0059】
また、前窓21を開いてキャブ11の天面部16側に格納するときには、下窓部22に対し上窓部26を下方向にスライドさせることにより、下窓部22に上窓部26を重ねて前窓21の上,下寸法を小さくすることができる。これにより、キャブ11の後部位置が面取り部19により狭幅になっている場合でも、面取り部19に干渉することなく、前窓21を天面部16側に格納することができる。しかも、前窓21を開いたときには、従来技術のようにキャブの前面部上側に張出し部が残ることがないから、キャブ11の前面部12を大きく開放することができ、開窓状態での視界を広くすることができる。
【0060】
この結果、キャブ11の前面部12(窓枠開口12A)と共に、前窓21を上,下方向と左,右方向に大きく形成することができるから、オペレータに広い前方視界を提供することができ、作業性、安全性を向上することができる。
【0061】
また、上窓部26には下窓部22の下窓ガラス24との間をシールするシール部材29を設けているから、前窓21を閉窓位置に配置して作業を行なう場合に、下窓部22と上窓部26との間からキャブ11内に雨水が浸入するのを防止することができ、雨天作業時の作業性を良好にすることができる。
【0062】
また、下窓部22の下窓枠23に上窓案内溝23Dを設け、該上窓案内溝23Dに上窓部26をスライド可能に嵌合する構成としているから、上窓案内溝23Dに沿って上窓部26をスライドするだけで、前窓21の上,下方向寸法を簡単に伸長、縮小することができ、構成を簡略化することができる。
【0063】
さらに、キャブ11は、その前面部12の幅寸法W1を後面部13の幅寸法W2よりも大きく形成しているから、前面部12に合わせて足元ガラス20、前窓21の幅寸法を大きくすることができる。これにより、前方の視界を広くして作業性等を向上することができる。また、後面部13の幅寸法W2を小さくしたことにより、キャブ11の後側を上部旋回体3の旋回半径R内に収めることができる。
【0064】
なお、実施の形態では、キャブ11の左後部に面取り部19を設けたことにより、前窓21を天面部16側に格納したときに面取り部19と干渉するのを回避するために、前窓21の上,下方向寸法を可変とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば前窓の上,下方向寸法よりも前,後方向寸法が小さいキャブに適用してもよい。この場合でも、前窓を開閉可能とすることができる。
【0065】
また、実施の形態では、キャブ11は、前面部12、後面部13、左側面部14、右側面部15および面取り部19により、上方からみたときに略五角形となるボックス形状に形成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばキャブの左前部の角隅に面取り部を設け、上方からみたときに略六角形となるボックス形状に形成してもよい。
【0066】
また、実施の形態では、前窓21を閉窓位置と開窓位置とに案内する案内機構は、キャブ11側に設けられた案内レール18と、前窓21に設けられ、該案内レール18に沿って移動するローラ25とによって構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、実開平5−1525号公報、実開平7−4557号公報等に示すリンク機構を用い、前窓21を閉窓位置と開窓位置とに案内する案内機構を構成してもよい。
【0067】
一方、実施の形態では、上窓部26の上窓ガラス28下端にシール部材29を設けた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、下窓部22の下窓ガラス24上端にシール部材29を設ける構成としてもよい。
【0068】
また、実施の形態では、上窓部26は、下窓枠23の各上窓案内溝23Dに対し摩擦抵抗をもってずり落ちないように取付ける構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば荒地、泥濘地等のように大きく振動する場所で作業を行うことを考慮し、下窓部22と上窓部26との間にフック、鍵等を設け、下窓部22に対し上窓部26を固定する構成としてもよい。
【0069】
さらに、実施の形態では、建設機械として油圧ショベル1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば油圧クレーン等の他の建設機械にも適用することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、前窓は、キャブに移動可能に取付けられた下窓部と、該下窓部の上部位置に上,下方向にスライド可能に取付けられた上窓部とにより構成している。従って、前窓を閉窓位置に配置するときには、下窓部に対し上窓部を上方向にスライドさせ、前窓の上,下方向寸法を大きくする。これにより、前面部を閉塞することができ、この状態では前方から上方に亘り視界を広くすることができる。
【0071】
一方、前窓を開いてキャブの天面部側に格納するときには、下窓部に上窓部を重ねて前窓の上,下寸法を小さくすることにより、例えばキャブの後部位置が狭幅になっていたり、キャブの前,後方向寸法が短く天面部側に広いスペースを確保できない場合でも、キャブに干渉させることなく前窓を天面部側に格納することができる。また、前窓を開いたときには、キャブの前面部を大きく開放することができ、開窓状態での視界を広くすることができる。この結果、オペレータに広い前方視界を提供することができ、作業性、安全性を向上することができる。
【0072】
請求項2の発明によれば、下窓部と上窓部との間にはキャブ内への雨水の浸入を防止するシール部材を設けているので、前窓を閉窓位置に配置して作業を行なう場合に、下窓部と上窓部との間からキャブ内に雨水が浸入するのを防止することができ、雨天作業時の作業環境を良好にすることができる。
【0073】
請求項3の発明によれば、下窓部は、左,右に離間して上,下方向に延びる一対の縦枠を有し該各縦枠に上窓案内溝が形成された下窓枠と、該下窓枠に支持された下窓ガラスとからなり、上窓部は前記下窓枠の上窓案内溝にスライド可能に取付ける構成としているので、下窓部に設けられた下窓枠の上窓案内溝に沿って上窓部をスライドするだけで、前窓の上,下方向寸法を簡単に伸長、縮小することができ、構成を簡略化することができる。
【0074】
請求項4の発明によれば、キャブには外側の後部位置を絞り込むように当該後部位置に面取り部を設け、前窓は下窓部に対し上窓部を縮小方向にスライドすることにより前記面取り部を避けて天面部側に格納する構成としている。従って、後部位置に面取り部が設けられた異形のキャブでも、前窓の下窓部と上窓部とを縮小方向にスライドすることにより、面取り部に接触することなく前窓を天面部側に格納することができる。
【0075】
請求項5の発明によれば、キャブは、前面部の幅寸法を後面部の幅寸法よりも大きく形成する構成としているので、前面部に合わせて前窓の幅寸法を大きくすることができ、前方の視界を広くすることができる。また、後面部の幅寸法を小さくすることができるから、例えば旋回型の建設機械の場合には、キャブの後側を旋回体の旋回半径内に収めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る油圧ショベルを示す正面図である。
【図2】油圧ショベルを作業装置を省略した状態で拡大して示す平面図である。
【図3】油圧ショベルを作業装置を省略した状態で拡大して示す左側面図である。
【図4】前窓を閉窓位置に配置した状態で図3中の矢示IV−IV方向からみたキャブの縦断面図である。
【図5】前窓を開窓位置に配置した状態で図1中の矢示V−V方向からみたキャブの横断面図である。
【図6】前窓を単体で示す外観斜視図である。
【図7】シール部材と窓ガラスとを図3中の矢示VII−VII方向から拡大して示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体(車体)
3 上部旋回体(車体)
11 キャブ
12 前面部
12A 窓枠開口
13 後面部
14 左側面部
15 右側面部
16 天面部
19 面取り部
21 前窓
22 下窓部
23 下窓枠
24 下窓ガラス
26 上窓部
27 上窓枠
28 上窓ガラス
29 シール部材
31 運転席
O 旋回中心
R 旋回半径
W1 前面部の幅寸法
W2 後面部の幅寸法
H 前面部の高さ寸法

Claims (5)

  1. 前側に作業装置が設けられた車体と、該車体に設けられ前面部、後面部、左,右の側面部、天面部によりボックス形状に形成されたキャブと、該キャブに設けられ前面部を閉塞する閉窓位置と天面部側に格納した開窓位置との間で移動可能な前窓とを備えてなる建設機械において、
    前記前窓は、前記キャブに移動可能に取付けられた下窓部と、該下窓部の上部位置に上,下方向にスライド可能に取付けられた上窓部とにより構成したことを特徴とする建設機械。
  2. 前記下窓部と上窓部との間には前記キャブ内への雨水の浸入を防止するシール部材を設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
  3. 前記下窓部は、左,右に離間して上,下方向に延びる一対の縦枠を有し該各縦枠に上窓案内溝が形成された下窓枠と、該下窓枠に支持された下窓ガラスとにより構成し、前記上窓部は前記下窓枠の上窓案内溝にスライド可能に取付ける構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械。
  4. 前記キャブには外側の後部位置を絞り込むように当該後部位置に面取り部を設け、前記前窓は下窓部に対し上窓部を縮小方向にスライドすることにより前記面取り部を避けて天面部側に格納する構成としてなる請求項1,2または3に記載の建設機械。
  5. 前記キャブは、前面部の幅寸法を後面部の幅寸法よりも大きく形成する構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の建設機械。
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JP2016063790A (ja) * 2014-09-25 2016-04-28 株式会社クボタ コンバイン
JP2017179805A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 住友建機株式会社 ショベル

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